説明

液晶表示装置

【課題】生産性が高く信頼性の高い液晶表示装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、表示領域と周辺領域とを有し、第1、第2基板部、液晶層、シール部を備えた液晶表示装置が提供される。第1基板部は、第1基板、第1、第2配線、下側絶縁層、有機絶縁層、表示電極を含む。第1基板は、第1主面を有す。第1配線は、周辺領域の第1主面上に設けられ、第2配線は、周辺領域の第1主面上に設けられ第1配線の外側である。下側絶縁層は、周辺領域の第1主面上に設けられ第1、第2配線の間の配線間部分を有す。有機絶縁層は、表示領域及び周辺領域の第1主面上に設けられ、外縁が配線間部分上である。表示電極は、表示領域で有機絶縁層上に設けられる。液晶層は、表示電極と第2基板部との間に設けられる。シール部は、周辺領域において液晶層を囲み有機絶縁層の外縁を覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、2枚の基板の間に液晶層を挟んだ液晶表示素子において、生産性の向上及び信頼性の向上が望まれている。特に、液晶層の周りの周辺領域の幅を狭くした液晶表示装置においては、信頼性が低下し易い。また、表示性能の向上のために基板上には種々の層が設けられている。周辺領域における種々の層の構成に関して、検討が行われているが、不良の発生を抑制し高い信頼性を得るためには十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−266711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、生産性が高く信頼性の高い液晶表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態によれば、表示領域と、前記表示領域よりも外側の周辺領域と、を有する液晶表示装置が提供される。前記液晶表示装置は、第1基板部と、第2基板部と、液晶層と、シール部と、を備える。前記第1基板部は、第1基板と、第1配線と、第2配線と、下側絶縁層と、有機絶縁層と、表示電極と、を含む。前記第1基板は、第1主面を有する。前記第1配線は、前記周辺領域において前記第1主面上に設けられる。前記第2配線は、前記周辺領域において前記第1主面上に設けられ前記第1配線と離間し前記第1配線よりも外側である。前記下側絶縁層は、前記周辺領域において前記第1主面上に設けられ前記第1配線と前記第2配線との間の配線間部分を有する。前記有機絶縁層は、前記表示領域及び前記周辺領域において前記第1主面上に設けられ、外縁が前記配線間部分の上に位置する。前記表示電極は、前記表示領域において、前記有機絶縁層の上に設けられる。前記第2基板部は、前記第1主面に対向する第2主面を有する第2基板を含む。前記液晶層は、前記表示領域において前記表示電極と前記第2主面との間に設けられる。前記シール部は、前記周辺領域において前記第1主面と前記第2主面との間において前記液晶層を囲み、前記有機絶縁層の前記外縁を覆う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を例示する模式図である。
【図2】図2(a)及び図2(b)は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を例示する模式図である。
【図3】図3(a)及び図3(b)は、第1の実施形態に係る別の液晶表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1(a)及び図1(b)は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を例示する模式図である。
図2(a)及び図2(b)は、第1の実施形態に係る液晶表示装置の構成を例示する模式図である。
図2(a)は、模式的平面図である。図2(b)は、図2(a)のA1−A2線断面図である。図1(a)は、図2(a)の第1部分Paを拡大した図であり、A1−A3線断面図である。図1(b)は、図2(a)の第1部分Paを拡大して示した模式的平面図である。
【0009】
図2(a)及び図2(b)に表したように、本実施形態に係る液晶表示装置110は、表示領域30dと、周辺領域30pと、を有する。周辺領域30pは、表示領域30dよりも外側の部分である。表示領域30dは、表示を行う部分である。
【0010】
液晶表示装置110は、第1基板部10と、第2基板部20と、液晶層30と、シール部40と、を備える。
【0011】
図2(b)に表したように、第1基板部10は、第1主面10aを有する第1基板11を含む。
第2基板部20は、第2主面20aを有する第2基板21を含む。第2主面20aは、第1主面10aに対向する面である。
【0012】
液晶層30は、表示領域30dにおいて、第1主面10aと第2主面20aとの間に設けられる。シール部40は、周辺領域30pにおいて、第1主面10aと第2主面20aとの間において液晶層30を囲む。
【0013】
ここで、第1基板部10から第2基板部20に向かう方向に沿う軸をZ軸(例えば第1軸)とする。Z軸に対して垂直な1つの軸をX軸(例えば第2軸)とする。Z軸とX軸とに対して垂直な軸をY軸(例えば第3軸)とする。
【0014】
液晶表示装置110をZ軸に沿ってみたときの平面形状は、例えば、長方形である。ただし、実施形態において液晶表示装置110の形状は任意である。以下では、液晶表示装置110の形状(平面形状)が長方形である場合として説明する。
【0015】
液晶表示装置110をZ軸に沿ってみたときの平面形状の長方形の1つの辺は、例えば、X軸に対して平行である。その辺に接続する別の辺は、例えば、Y軸に対して平行である。
【0016】
図2(a)に表したように、第1基板部10は、第1基板11の第1主面10a上に設けられた走査線Ln1、信号線Ln2、スイッチング素子16及び表示電極12をさらに含むことができる。走査線Ln1は、例えば、X軸に沿って延びる。走査線Ln1は、複数設けることができる。複数の走査線Ln1のそれぞれは、X軸に沿って延びる。信号線Ln2は、例えば、Y軸に沿って延びる。信号線Ln2は、複数設けることができる。複数の信号線Ln2は、例えば、Y軸に沿って延びる。走査線Ln1と信号線Ln2とが交差する部分にスイッチング素子16が設けられる。スイッチング素子16は複数設けられ、複数のスイッチング素子16のそれぞれは、複数の走査線Ln1と複数の信号線Ln2とが交差するそれぞれの部分に配置される。なお、X軸に沿って延びる補助容量線(図示しない)をさらに設けても良い。
【0017】
スイッチング素子16には、例えばトランジスタが用いられる。トランジスタには、例えば薄膜トランジスタが用いられる。スイッチング素子16のゲートは、例えば、走査線Ln1に接続される。スイッチング素子16のソースは、例えば、信号線Ln2に接続される。スイッチング素子16のドレインは、例えば、表示電極12に接続される。液晶表示装置110は、アクティブマトリクス型の表示装置である。1つの表示電極12は、1つの画素に対応する。
【0018】
第1主面10aには、走査線Ln1及び信号線Ln2に入力される信号を出力する回路部(図示しない)がさらに設けられても良い。回路部は、例えば、周辺領域30pに設けられる。
【0019】
スイッチング素子16及び回路部には、例えばアモルファスシリコンまたはポリシリコンなどが用いられる。
【0020】
表示領域30dは、(複数の)表示電極12が設けられる領域である。周辺領域30pは、少なくともシール部40が設けられる領域である。ここでは、表示領域30dと周辺領域30pとの境界は、表示電極12が設けられている領域の外縁であるものとする。すなわち、周辺領域30pの内縁は、表示電極12が設けられる領域の外縁に接する。周辺領域30pの外縁は、例えば、第1基板11の端部、及び、第2基板21の端部である。
【0021】
図1(a)に表したように、第1基板部10は、第1基板11と、第1配線13aと、第2配線13bと、下側絶縁層14と、有機絶縁層15と、表示電極12と、を含む。
【0022】
第1配線13aは、周辺領域30pにおいて、第1主面10a上に設けられる。第2配線13bは、周辺領域30pにおいて、第1主面10a上に設けられる。第2配線13bは、第1配線13aと離間している。第2配線13bは、第1主面10aにおいて、第1配線13aよりも外側に設けられている。
【0023】
第1配線13a及び第2配線13bには、例えば、金属材料が用いられる。第1配線13a及び第2配線13bには、例えば、信号線Ln2及び走査線Ln1の少なくともいずれかの少なくとも一部となる材料を用いることができる。第1配線13a及び第2配線13bには、例えば、アルミニウムを用いることができる。第1配線13aに用いられる材料は、第2配線13bに用いられる材料と同じであることが好ましい。
【0024】
第1配線13a及び第2配線13bには、例えば、走査線Ln1及び信号線Ln2に入力される信号が入力される。第1配線13a及び第2配線13bには、走査線Ln1及び信号線Ln2に信号を供給する回路部に入力される電流が流れる。
【0025】
下側絶縁層14は、周辺領域30pにおいて、第1主面10a上に設けられる。下側絶縁層14は、第1主面10aに平行な平面内において、第1配線13aと第2配線13bとの間の配線間部分14iを有する。
【0026】
本具体例のように、下側絶縁層14は、表示領域30d及び周辺領域30pにおいて第1主面10a上に設けられても良い。例えば、下側絶縁層14の上に、第1配線13a及び第2配線13bが設けられる。さらに、下側絶縁層14の上に、有機絶縁層15及び表示電極12が設けられる。
【0027】
なお、本願明細書において、「上に設けられる」は、直接接して設けられる場合の他に、間に別の要素が挿入されて設けられる場合を含む。
【0028】
下側絶縁層14には、例えば、無機材料が用いられる。下側絶縁層14には、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、または、酸窒化シリコンなどが用いられる。
【0029】
有機絶縁層15は、表示領域30d及び周辺領域30pにおいて第1主面10a上に設けられる。本具体例では、有機絶縁層15は、下側絶縁層14の上に設けられている。有機絶縁層15の外縁15oは、配線間部分14iの上に位置する。
【0030】
表示電極12は、表示領域30dにおいて、有機絶縁層15の上に設けられる。
【0031】
この例では、下側絶縁層14の上に、スイッチング素子16が設けられ、スイッチング素子16は、有機絶縁層15に覆われている。有機絶縁層15には開口部が設けられ、スイッチング素子16のソース及びドレインの他方が、この開口部を介して、表示電極12と接続される。
【0032】
一方、第2基板部20の第2基板21の第2主面20a上には、例えば、遮光層23、着色層24、オーバーコート層25及び対向電極22が設けられる。着色層24は、表示電極12に対向する。複数の着色層24のそれぞれは、例えば、青色、緑色または赤色である。遮光層23は、表示電極12どうしの間の部分を遮光する。オーバーコート層25は、遮光層23及び着色層24の上に設けられる。対向電極22は、オーバーコート層25の上に設けられる。
【0033】
表示電極12及び対向電極22のそれぞれの上には、例えば配向膜(図示しない)が設けられる。配向膜は、液晶層30の初期配列を制御する。
【0034】
液晶層30は、表示領域30dにおいて、表示電極12と、第2主面20a(本具体例では対向電極22)と、の間に設けられている。
【0035】
例えば、スイッチング素子16を介して、対向電極22と表示電極12との間に電圧を印加することで液晶層30の液晶の配列を制御し、液晶層30の光学特性を変化させ、表示が行われる。
【0036】
なお、対向電極22は、第1基板部10に設けられても良い。この場合には、X−Y平面内の成分を有する電界が液晶層30に印加され、液晶層30の光学特性が変化する。
【0037】
有機絶縁層15には、例えば、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などの有機材料が用いられる。有機絶縁層15でスイッチング素子16を覆い、有機絶縁層15の上に表示電極12を設けることで、表示領域30d内の表示に寄与する面積が拡大する。すなわち、各画素の開口率が拡大し、良好な表示特性が得られる。
【0038】
図1(a)及び図1(b)に表したように、第1配線13a及び第2配線13bは、互いに離間しつつ、例えば、周辺領域30pの外縁(例えば第1基板11の端部及び第2基板21の端部)に沿って延在している。第1配線13a及び第2配線13bとの間に、下側絶縁層14の配線間部分14iが配置されている。そして、有機絶縁層15の外縁15oは、配線間部分14iの上に位置している。そして、シール部40は、有機絶縁層15の外縁15oを覆っている。
これにより、信頼性の高い液晶表示装置が提供できる。
【0039】
発明者の知見によると、シール部40と下側絶縁層14との密着力は比較的高いが、シール部40と有機絶縁層15と密着力は比較的低い。このため、シール部40の全体を有機絶縁層15の上に設ける構成を採用すると、シール部40の密閉性が低下し、例えば、外部から表示領域30d内に水(導電性物質を含む)などが侵入し、表示むらなどの不良が発生し易い。特に、周辺領域30pの幅を狭くし、シール部40の幅が狭い場合に、不良が発生し易くなる。
【0040】
一方、製造工程のばらつきなどを考慮しつつ、周辺領域30pを狭くするためには、シール部40の一部が、有機絶縁層15と接する構成が採用される。
【0041】
すなわち、高い信頼性と、高い歩留まり(高い生産性)と、を得るためには、シール部40の内側部分が、有機絶縁層15の上に配置され、シール部40の外側部分が、有機絶縁層15以外の層と接する構成が採用される。
【0042】
一方、狭い周辺領域30pの実現のために、周辺領域30pに設けられる配線のための金属層は、シール部40の下に配設される。
【0043】
発明者の知見によると、無機材料(例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、または、酸窒化シリコンなど)が用いられる下側絶縁層14と、シール部40と、の密着力は比較的高い。
【0044】
このため、シール部40における高い密着力を得るためには、シール部40の外側部分は下側絶縁層14に接し、シール部40の内側部分は有機絶縁層15に接することになる。そして、シール部40が設けられる領域内に、配線となる金属層が配設される。
【0045】
このとき、例えば、有機絶縁層15の外縁15oが金属層の上に配置される。しかしながら、有機絶縁層15の外縁15oを配線の金属層の上に配置すると、不良が発生し易いことが分かった。
【0046】
すなわち、有機絶縁層15の外縁15oを金属層の上に配置すると、有機絶縁層15の端(外縁15o)から有機絶縁層15が剥離し、不良が発生し易い。剥離は、例えば、第1基板部10の製造中、及び、第1基板部10と第2基板部20とを組み合わせて液晶表示装置110を製造する工程中において発生する。また、この剥離に起因して表示むらが発生し、信頼性を低下させることもある。発明者の知見によると、有機絶縁層15と、配線に用いられる金属層と、の密着力は比較的低いことが分かった。このことが上記の不良の原因となっていることが判明した。
【0047】
一方、有機絶縁層15と下側絶縁層14との密着力は高いことが分かった。従って、有機絶縁層15の外縁15oを下側絶縁層14の上に配置することで、有機絶縁層15の端からの剥離が抑制できると考えられる。これによると、例えば、有機絶縁層15の外縁15oは、配線となる金属層よりも外側、または、内側に配置する構成が考えられる。
【0048】
一方、大きな電流を流すことが必要な金属層の幅は、一定以上にすることが必要である。広い幅の金属層以外の領域に、有機絶縁層15の外縁15o(端)を配置すると、結果として、シール部40の幅が広がり、周辺領域30pの幅も広がってしまう。
【0049】
このように、有機絶縁層15と金属層との密着力は低く有機絶縁層15の外縁15oを金属層の上に配置すると剥離が生じ易いという知見と、シール部40と有機絶縁層15との密着力が低いという知見と、シール部40と下側絶縁層14との密着力が強いという知見と、有機絶縁層15と下側絶縁層14との密着力が強いという知見と、に基づいて、本実施形態の構成が構築された。
【0050】
すなわち、本実施形態に係る液晶表示装置110においては、配線(金属層)を2つに分け、第1配線13aと第2配線13bとを用いる。そして、これらの間に、下側絶縁層14の配線間部分14iを設ける。そして、有機絶縁層15の外縁15oを、第1配線13aと第2配線13bとの間の、下側絶縁層14の配線間部分14iの上に配置する。
【0051】
これにより、有機絶縁層15の外縁15oは、密着力が高い下側絶縁層14の配線間部分14iに接するので、有機絶縁層15の剥離が抑制できる。
【0052】
そして、有機絶縁層15の外縁15oは、シール部40に覆われている。これにより、シール部40の外側部分が、下側絶縁層14、第2配線13b、及び、下側絶縁層14の配線間部分14iに接する。そして、シール部40の内側部分が、有機絶縁層15の上に配置される。これにより、信頼性の確保と、高い生産性と、を得ることができる。
【0053】
このように、本実施形態によれば、生産性が高く信頼性の高い液晶表示装置が得られる。
【0054】
液晶表示装置110においては、シール部40は、有機絶縁層15と、配線間部分14iと、第2配線13bと、に接する。さらに、シール部40は、下側絶縁層14の第2配線13bよりも外側の部分に接することができる。これにより、さらに、安定した密着性が得られる。
【0055】
例えば、図1(a)及び図1(b)に表したように、シール部40の外縁40oは、有機絶縁層15の外縁15oよりも外側である。シール部40の内縁40iは、有機絶縁層15の外縁15oよりも内側である。シール部40の外縁40oは、第2配線13bの外縁13boよりも外側である。シール部40の内縁40iは、第1配線13aの内縁13aiよも内側である。
【0056】
本実施形態において、例えば、第1配線13aの電位は、第2配線13bの電位と同じである。ただし、実施形態はこれに限らず、第1配線13aの電位は、第2配線13bの電位とは別でも良い。第1配線13aと、それの電位とは異なる第2配線13bとの間に、有機絶縁層15の外縁15oが配置され、有機絶縁層15の剥離が抑制できれば良い。
【0057】
また、実施形態において、下側絶縁層14は、第1配線13aと第1基板11との間の部分、及び、第2配線13bと第1基板11との間の部分を有していなくても良い。すなわち、下側絶縁層14は、第1配線13aと第2配線13bとの間の部分に配置される配線間部分14iを有していれば良い。すなわち、下側絶縁層14は、有機絶縁層15の外縁15oの下に配置される配線間部分14iを有していれば良い。
【0058】
実施形態において、第2配線13bには、金属が用いられる。少なくとも、第2配線13bの表面は、例えば、金属である。また、第1配線13aには、金属が用いられる。少なくとも、第1配線13aの表面は金属である。すなわち、第1配線13aの少なくとも一部は、有機絶縁層15に接し、第1配線13aのその少なくとも一部の有機絶縁層15に接する部分は、金属である。
【0059】
なお、図1(b)に表したように、第1配線13aは、第1幅w1を有する、第2配線13bは、第2幅w2を有する。第1配線13aと第2配線13bとの間の間隔は、例えば第3幅w3である。第1幅w1及び第2幅w2は、例えば、5マイクロメートル(μm)以上500μm以下である。第1幅w1は、第2幅w2と同じでも良く、異なっていても良い。第3幅w3は、例えば、5μm以上200μm以下である。ただし、実施形態において、第1幅w1、第2幅w2及び第3幅w3は、任意である。
【0060】
第1配線13a及び第2配線13bは、液晶表示装置110の周辺領域30pの全周に渡って連続的に設けられていなくても良い。第1配線13a及び第2配線13bは、例えば、周辺領域30pの外縁の少なくとも1つの辺の少なくとも一部に沿うことができる。
【0061】
第1配線13aの電位を、第2配線13bの電位と同じにするために、任意の接続部を設けることができる。この接続部(図1(a)、図1(b)、図2(a)及び図2(b)では図示しない)は、例えば、周辺領域30pの任意の場所に設けることができる。
【0062】
また、外部から第1配線13aに供給される信号(または電位)が、外部から第2配線13bに供給される信号(または電位)と同じでも良く、または異なっていても良い。
【0063】
図3(a)及び図3(b)は、第1の実施形態に係る別の液晶表示装置の構成を例示する模式的平面図である。
これらの図は、実施形態に係る別の液晶表示装置111の一部の構成を例示している。図2(a)及び図2(b)は、液晶表示装置111の構成の概要も示している。図3(a)は、図2(a)の第1部分Paを拡大した平面図に相当する。図3(b)は、図2(a)の第2部分Pb(コーナー部)を拡大して示した平面図に相当する。以下では、液晶表示装置111について、液晶表示装置110とは異なる部分について説明する。
【0064】
図3(a)及び図3(b)に表したように、液晶表示装置111においては、第1基板部10は、導電性の接続部13cをさらに有する。接続部13cは、第1主面10a上に設けられる。接続部13cは、第1配線13aと第2配線13bとに接続される。接続部13cは、第1配線13aの電位を第2配線13bの電位と同じにする。
【0065】
接続部13cには、例えば、第1配線13a及び第2配線13bに用いる材料が用いられる。接続部13cは、第1配線13aと同層であり、第2配線13bと同層とすることができる。
【0066】
接続部13cは、1つでも良く、複数でも良い。接続部13cは、第1配線13aの延在方向に対して交差する方向に沿って延びる。例えば、接続部13cは、第1配線13aの延在方向に対して直交する方向に沿って延びる。
【0067】
接続部13cの幅L3(第1配線13aの延在方向に沿った接続部13cの長さ)は、例えば、5μm以上50μm以下である。接続部13cの幅L3は、できるだけ細いことが望ましい。
【0068】
接続部13cが複数設けられる場合、複数の接続部13cどうしの間の距離D3は、幅L3よりも長いことが好ましい。これにより、有機絶縁層15の外縁15oが配線間部分14iに接する長さ(距離D3と等しい)が、有機絶縁層15の外縁15oが、接続部13cに接する長さ(幅L3と等しい)よりも長くなる。これにより、有機絶縁層15の剥離の抑制が維持できる。
【0069】
図3(b)に表したように、第1基板11は、X軸方向に沿う辺と、Y軸方向に沿う辺と、を有している。周辺領域30pの外縁は、例えば、第1基板11のX軸方向に沿う辺及びY軸方向に沿う辺に沿う。シール部40の外縁40oは、第1基板11のX軸方向に沿う辺及びY軸方向に沿う辺に沿う部分を有している。X軸方向に沿う辺と、Y軸方向に沿う辺と、が接続するコーナー部分において、シール部40の外縁40o(及び内縁40i)は、X軸及びY軸に対して傾斜していても良い。
【0070】
同様に、第1配線13a及び第2配線13bも、第1基板11のX軸方向に沿う辺及びY軸方向に沿う辺に沿う部分を有している。X軸方向に沿う辺と、Y軸方向に沿う辺と、が接続するコーナー部分において、第1配線13aの内縁13ai及び第2配線13bの外縁13boは、X軸及びY軸に対して傾斜していても良い。
【0071】
実施形態によれば、生産性が高く信頼性の高い液晶表示装置が提供される。
【0072】
なお、本願明細書において、「垂直」及び「平行」は、厳密な垂直及び厳密な平行だけではなく、例えば製造工程におけるばらつきなどを含むものであり、実質的に垂直及び実質的に平行であれは良い。
【0073】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、表示装置に含まれる第1基板部、第2基板部、第1基板、第2基板、第1配線、第2配線、下側絶縁層、有機絶縁層、液晶層及びシール部などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0074】
その他、本発明の実施の形態として上述した液晶表示装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての液晶表示装置も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0075】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
10…第1基板部、 10a…第1主面、 11…第1基板、 12…表示電極、 13a…第1配線、 13ai…内縁、 13b…第2配線、 13bo…外縁、 13c…接続部、 14…下側絶縁層、 14i…配線間部分、 15…有機絶縁層、 15o…外縁、 16…スイッチング素子、 20…第2基板部、 20a…第2主面、 21…第2基板、 22…対向電極、 23…遮光層、 14…着色層、 25…オーバーコート層、 30…液晶層、 30d…表示領域、 30p…周辺領域、 40…シール部、 40i…内縁、 40o…外縁、 110、111…液晶表示装置、 D3…距離、 L3…幅、 Ln1…走査線、 Ln2…信号線、 Pa…第1部分、 Pb…第2部分、 w1〜w3…幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域よりも外側の周辺領域と、を有する液晶表示装置であって、
第1主面を有する第1基板と、
前記周辺領域において前記第1主面上に設けられた第1配線と、
前記周辺領域において前記第1主面上に設けられ前記第1配線と離間し前記第1配線よりも外側の第2配線と、
前記周辺領域において前記第1主面上に設けられ前記第1配線と前記第2配線との間の配線間部分を有する下側絶縁層と、
前記表示領域及び前記周辺領域において前記第1主面上に設けられ、外縁が前記配線間部分の上に位置する有機絶縁層と、
前記表示領域において、前記有機絶縁層の上に設けられた表示電極と、
を含む第1基板部と、
前記第1主面に対向する第2主面を有する第2基板を含む第2基板部と、
前記表示領域において前記表示電極と前記第2主面との間に設けられた液晶層と、
前記周辺領域において前記第1主面と前記第2主面との間において前記液晶層を囲み、前記有機絶縁層の前記外縁を覆うシール部と、
を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1基板部は、前記第1主面上に設けられ前記第1配線と前記第2配線とに接続され前記第1配線の電位を前記第2配線の電位と同じにする導電性の接続部をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1配線の少なくとも一部は、前記有機絶縁層に接し、
前記第1配線の前記少なくとも一部の前記有機絶縁層に接する部分は、金属であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第2配線の表面は、金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記シール部は、前記有機絶縁層と、前記配線間部分と、前記第2配線と、に接することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−29566(P2013−29566A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163946(P2011−163946)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(302020207)株式会社ジャパンディスプレイセントラル (2,170)
【Fターム(参考)】