説明

液滴吐出ヘッドユニット、液滴吐出装置、画像形成装置、液滴吐出ヘッドユニットの組み立て方法、液滴吐出ヘッドの交換方法、液滴吐出ヘッドの位置調整方法、液滴吐出ヘッドの位置調整治具

【課題】高精度なノズル配列精度が確保でき、かつ、安価な液滴吐出ヘッドユニットを提供する。
【解決手段】サブプレート20上に、液滴吐出ヘッド17を取り付けてヘッド・サブプレート集合体22を構成し、ヘッド・サブプレート集合体22をベースフレーム15上に取り付けて構成される液滴吐出ヘッドユニットであって、サブプレート20と液滴吐出ヘッド17の相互間の位置決めを行うための共通の組み付け用位置決め治具と接触するための位置決め部26〜26c,19a〜19cを、サブプレート20と液滴吐出ヘッド17にそれぞれ設たことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばインクジェット方式の画像形成装置(インクジェットプリンタ)に用いるインクジェット記録ヘッドなどの液滴吐出ヘッドに係り、特にその液滴吐出ヘッドユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタは、広く知られているように、ノズルからインク滴を吐出させるインク滴吐出手段を備えるインクジェット記録ヘッドにインクを供給し、前記インク滴吐出手段を入力される画像信号に基づいて駆動することにより、インクジェット記録ヘッドからインクを吐出させ、その吐出させたインクを記録紙上に付着させて、ドットパターン画像を形成する印刷装置である。
【0003】
このようなインクジェットプリンタとしては、キャリッジに搭載されたインクジェット記録ヘッドを記録紙の搬送方向に対して直交する方向に往復運動させながら印字を行うシリアル型のものと、印字一ライン分の印字領域を備えたインクジェット記録ヘッドを用いて印字を行なうライン型のものが知られている。
【0004】
印字速度を高めるためにはインクジェット記録ヘッドを走査する必要のないライン型のものが有利である。ライン型のインクジェットプリンタにおいて、一ライン分の印字幅をカバーするには多数のインクノズルが微細なピッチで配列された構造の長いラインインクジェット記録ヘッドが必要である。しかし、このような長尺のインクジェット記録ヘッドを精度良く製作することは困難であり、また、歩留まりも悪い為、製造コストが高くなってしまい、現実的ではない。
【0005】
そのため、ライン型のインクジェットプリンタでは、小さなインクジェット記録ヘッドを記録紙の幅方向(主走査方向)に複数個並べて配置して、印刷幅分のラインヘッドを形成し、それを記録紙搬送方向(副走査方向)に例えばY,M,C,Kなどのように必要な色分だけ並べて配置している。
【0006】
このようなライン型のインクジェット記録ヘッドの製造方法として、例えば特許文献1(特開平10−951144号公報)に記載のものが知られている。このインクジェット記録ヘッドユニットでは、1ラインの印刷に用いられるインクノズル列を、そのライン方向において複数の分割インクノズル列に分割し、この各分割インクノズル列でインクジェット記録ヘッドを構成している。
【0007】
また、このように構成された複数個のインクジェット記録ヘッドはベースフレームに千鳥状に配置され、それぞれ2箇所でベースフレームにねじ止めされている。この個々のインクジェット記録ヘッドのベースフレームへの取付け位置精度は、インク滴の着弾位置精度を決める要素として非常に重要であり、高い精度が要求される。ここで、インクジェット記録ヘッドの位置合わせが正確でないと、印刷物にスジが発生する等の不具合が生じることがあった。
【0008】
そこで、前記インクジェット記録ヘッドを所望の位置に高精度で固定するために、例えば特許文献2(特開2004−322606号公報)のように、ベースフレームにヘッドを組付ける際、ガラスからなるアライメントプレートにクロムのスパッタリングにより、ノズル孔の位置を示すマーカを形成する。そして、ガラスのアライメントプレート上のノズル孔の位置を示すマーカとそれに相対するノズル孔とを画像上で合わせることにより、高精度な位置合わせを実現する方法が提案されている。
【0009】
また、特許文献3(特開2008−12747号公報)では、インクジェット記録ヘッドを支持するベースフレーム上に同時研削、同時研磨を行なった位置決め用の突出片によってヘッド側に取り付けて、組立て精度を確保する方法が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記特許文献2に示すようなヘッド組付け方法は、インクジェットプリンタの工場出荷時においては設備が整っているため、ヘッド配列精度を高精度に組付けることは可能である。しかし、ユーザ納入後のヘッド故障等によるヘッド交換においては、十分な設備がないために、ヘッド単品交換時の組付け作業に多大な時間を要し、その間はインクジェットプリンタを稼動させることが出来ないため、生産性の向上に影響を及ぼすという問題があった。
【0011】
このようなことを避けるために、前記特許文献3に示すように複数個のインクジェット記録ヘッドを備えたラインヘッドアレイの場合、ノズル配列精度を上げるため、ヘッドプレート側に取り付ける位置決めピンの位置精度及びピン外径精度とヘッド側のノズル位置と位置決め点(面)を高精度に製作し、機械精度で位置出しを行なっている。
【0012】
しかし、インクジェットプリンタが高速の連帳機の場合、装置が大型になり、ベースフレームが500mm以上もあることから、穴位置の加工精度を上げることは歩留まりが悪くなるため、コストアップの要因を招く。特に、インクジェット記録ヘッドの設置数が多い場合により顕著になる。
【0013】
また、熱による材料の伸びによるインク滴の着弾位置ずれの影響は大きく、伸びは極力、抑える必要がある。この対策として、熱膨張の小さい材料を選定すれば良いが、加工性の問題から必要精度を確保できないという悪循環を招いてしまう。
【0014】
さらに、ヘッド故障時においては、ヘッド単体での交換となるため、交換対象であるヘッド単品の高精度要求による部品コストの増加はランニングコストの増加も招いてしまうなどの問題があった。
【0015】
本発明の主な目的は、高精度なノズル配列精度が確保でき、かつ、安価な液滴吐出ヘッドユニット、液滴吐出装置、画像形成装置、液滴吐出ヘッドユニットの組み立て方法、液滴吐出ヘッドの交換方法、液滴吐出ヘッドの位置調整方法、液滴吐出ヘッドの位置調整治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記の目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
サブプレートの上に、液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドを取り付けてヘッド・サブプレート集合体を構成し、そのヘッド・サブプレート集合体をベースフレーム上に取り付けて構成される液滴吐出ヘッドユニットであって、
前記サブプレートと前記液滴吐出ヘッドの相互間の位置決めを行うための共通の組み付け用位置決め治具と接触するための位置決め部を、前記サブプレートと前記液滴吐出ヘッドにそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
前記サブプレートに設けられた位置決め部は前記組み付け用位置決め治具に設けられた位置決め突部が貫通する穴部であり、前記液滴吐出ヘッドに設けられた位置決め部は前記サブプレートの穴部から突出した位置決め突部と接触する位置決め面であることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の第3の手段は前記第1または第2の手段において、
前記液滴吐出ヘッドには、当該液滴吐出ヘッドの主走査方向の位置を決める位置決め部と、当該液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決める位置決め部が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の第4の手段は前記第3の手段において、
前記液滴吐出ヘッドには、前記液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決める位置決め部が所定の間隔をおいて複数個設けられていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の第5の手段は、
吐出する液体を貯留する例えばカセットやタンクなどの液体貯留部と、その液体貯留部に貯留されている液体を被着体上に液滴として吐出する液滴吐出ヘッドユニットと、前記液体貯留部に貯留されている液体を前記液滴吐出ヘッドユニットに供給する液体供給経路を備えた液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドユニットが前記第1ないし第4の手段の液滴吐出ヘッドユニットであることを特徴とするものである。
【0021】
本発明の第6の手段は、
記録紙を搬送供給する給紙搬送部と、その給紙搬送部から供給された前記記録紙上にインク滴を吐出して画像を形成する作像部と、その作像部によって画像を形成した前記記録紙を搬送排出する排紙搬送部を備えた画像形成装置において、
前記作像部に前記第5の手段の液滴吐出装置を用いたことを特徴とするものである。
【0022】
本発明の第7の手段は前記第6の手段において、
前記液滴吐出装置が、例えばY,M,C,Kなどの異なる色のインク滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッドユニットを前記記録紙の搬送方向に沿って配置していることを特徴とするものである。
【0023】
本発明の第8の手段は、
液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドをベースフレーム上に取り付ける液滴吐出ヘッドユニットの組み立て方法において、
組み付け用位置決め治具の上にサブプレートを載置して、前記組み付け用位置決め治具に設けられている複数の位置決め突部を前記サブプレートに形成されている複数の穴部に貫通させて、前記位置決め突部と穴部の接触により、前記組み付け用位置決め治具上で前記サブプレートを位置決めするサブプレート位置決め工程と、
前記液滴吐出ヘッドを前記サブプレートの上に載置して、前記サブプレートの穴部から上方へ突出した前記組み付け用位置決め治具の複数の位置決め突部に、前記液滴吐出ヘッドに設けられた複数の位置決め面を当接することにより、前記サブプレート上で前記液滴吐出ヘッドを位置決めする液滴吐出ヘッド位置決め工程と、
前記組み付け用位置決め治具上で前記サブプレートと前記液滴吐出ヘッドを連結してヘッド・サブプレート集合体を構成する集合体構成工程と、
前記ヘッド・サブプレート集合体を前記組み付け用位置決め治具から外して前記ベースフレーム上に載置して、前記液滴吐出ヘッドのノズル孔の位置を観察しながら、前記ベースフレーム上の所定の位置に前記ヘッド・サブプレート集合体を固定する集合体取り付け工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0024】
本発明の第9の手段は前記第8の手段において、
前記組み付け用位置決め治具に設けられている複数の位置決め突部と、前記液滴吐出ヘッドに設けられている複数の位置決め面は、
当該液滴吐出ヘッドの主走査方向の位置を決める主走査方向位置決め手段と、当該液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決める副走査方向位置決め手段として機能することを特徴とするものである。
【0025】
本発明の第10の手段は、
液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドをサブプレート上で位置決めし、前記液滴吐出ヘッドと前記サブプレートを連結してヘッド・サブプレート集合体を構成し、
そのヘッド・サブプレート集合体をベースフレーム上に取り付けた液滴吐出ヘッドユニットの液滴吐出ヘッドの交換方法において、
前記ベースフレーム上に固定されている前記サブプレートから交換すべき液滴吐出ヘッドを取り外して、替えの液滴吐出ヘッドを前記サブプレート上に載置する液滴吐出ヘッド替え工程と、
交換用位置決め治具に設けられている複数の位置決め突部を、前記サブプレートに形成されている複数の穴部を貫通して、前記ベースフレームに形成されている複数の位置決め穴に挿入して、前記位置決め突部と前記位置決め穴の接触により、前記ベースフレーム上で前記交換用位置決め治具を位置決めする治具位置決め工程と、
前記サブプレートの穴部から上方へ突出している前記交換用位置決め治具の複数の位置決め突部に、前記替えの液滴吐出ヘッドに設けられた複数の位置決め面を当接することにより、前記サブプレート上で前記替えの液滴吐出ヘッドを位置決めする液滴吐出ヘッド位置決め工程と、
前記交換用位置決め治具を前記ベースフレームならびにサブプレートから外して、前記替えの液滴吐出ヘッドを前記サブプレートに連結する液滴吐出ヘッド連結工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0026】
本発明の第11の手段は前記第10の手段において、
前記交換用位置決め治具に設けられている複数の位置決め突部と、前記替えの液滴吐出ヘッドに設けられている複数の位置決め面は、
当該液滴吐出ヘッドの主走査方向の位置を決める主走査方向位置決め手段と、当該液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決める副走査方向位置決め手段として機能することを特徴とするものである。
【0027】
本発明の第12の手段は前記第10の手段において、
前記ベースフレームの位置決め穴の近傍に、当該位置決め穴とその位置決め穴に挿入される前記交換用位置決め治具の位置決め突部との副走査方向のクリアランスを調整するための、例えば後述するアライメントフレームなどのクリアランス調整部材を設けたことを特徴とするものである。
【0028】
本発明の第13の手段は、
液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドをサブプレート上で位置決めし、前記液滴吐出ヘッドと前記サブプレートを連結してヘッド・サブプレート集合体を構成し、
そのヘッド・サブプレート集合体をベースフレーム上に取り付けた液滴吐出ヘッドユニット上での液滴吐出ヘッドの位置調整方法において、
位置調整用位置決め治具に設けられている副走査方向位置決め用の複数の位置決め突部を、前記位置調整する液滴吐出ヘッドを備えた前記ヘッド・サブプレート集合体を貫通させて、その下の前記ベースフレームに形成されている複数の位置決め用穴に差し込んで、前記ベースフレーム上で前記位置調整用位置決め治具を位置決めする治具位置決め工程と、
前記位置調整する液滴吐出ヘッドを備えた前記ヘッド・サブプレート集合体の前記ベースフレームへの連結力を緩めて、当該ヘッド・サブプレート集合体の移動を可能にするヘッド・サブプレート集合体固定解除工程と、
前記ベースフレームの位置決め用穴から上方へ突出している前記位置調整用位置決め治具の複数の位置決め突部に、前記液滴吐出ヘッドに設けられた複数の位置決め面を当接した状態で、位置調整手段により前記ヘッド・サブプレート集合体の位置を副走査方向に調整する位置調整工程と、
調整後に前記ヘッド・サブプレート集合体を前記ベースフレームに固定するヘッド・サブプレート集合体固定工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0029】
本発明の第14の手段は、
液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドをサブプレートを介してベースフレーム上に取り付けた液滴吐出ヘッドユニットの液滴吐出ヘッドの位置調整用治具において、
該位置調整用治具の中間部に設けられたホルダの片側に、前記液滴吐出ヘッドの主走査方向の位置を決めるための主走査方向位置決め突部と、前記液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決めるための副走査方向位置決め突部が設けられ、
前記ホルダの他方の片側に、前記液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決めるための副走査方向位置決め突部が設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明は前述のような構成になっており、高精度なノズル配列精度が確保でき、かつ、安価な液滴吐出ヘッドユニット、液滴吐出装置、画像形成装置、液滴吐出ヘッドユニットの組み立て方法、液滴吐出ヘッドの交換方法、液滴吐出ヘッドの位置調整方法、液滴吐出ヘッドの位置調整治具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの取り付け構造を説明するための分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るアライメントプレートの構成とその機能を説明するための平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドとサブプレートの組立てを説明するための斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの交換方法を説明するための斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの調整方法を説明するための斜視図である。
【図6】本発明の実施形態においてインクジェット記録ヘッドを千鳥状に複数個並べた状態を図7の図中Z方向から見た平面図である。
【図7】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に係るラインヘッドアレイ方式を適用したインクジェット式の画像形成装置におけるインクジェット記録ヘッドの組み立て及びその交換システムなどについて図面を用いて説明する。
【0033】
図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略構成図である。この実施形態に係る画像形成装置は、インクジェット記録方式により画像を形成する装置である。
【0034】
同図に示すように画像形成装置は、給紙搬送ユニット2と、1個または複数個(本実施形態では1個)の作像ユニット3と、排紙搬送ユニット4が準備され、それらを記録紙(ウェブ)1の搬送方向に沿って組み合わせて画像形成装置が構成される。
【0035】
前記給紙搬送ユニット2は、内部にニップローラ5、インフィードローラ6、複数のガイドローラ7、インフィードローラ6を駆動するモータ(図示せず)などを有している。給紙搬送ユニット2は、ウェブ蛇行補正機構やウェブの除電またはクリーニング機構などの各種機能部を有しているが、本発明とは直接関係しないためそれらの図示は省略している。
【0036】
前記作像ユニット3は、ユニット上部に4個(Y,M,C,K用)のインクカセット8と、そのインクカセット8の下部に搭載された4個(Y,M,C,K用)のインクジェット記録ヘッドユニット9と、そのインクジェット記録ヘッドユニット9の下面近傍を通るようにウェブ1を搬送ガイドする複数のプラテンローラ10と、インク試し打ちのためのインク受け11と、インクカセット8内のインクをインクジェット記録ヘッドユニット9に供給するインク供給経路(図示せず)を内部に備えている。
【0037】
前記排紙搬送ユニット4は、内部にアウトフィードローラ12、ニップローラ13、複数のガイドローラ14、アウトフィードローラ12を駆動するモータ(図示せず)などを有している。
【0038】
本発明はこの画像形成装置におけるインクジェット記録ヘッドユニット9の構成に特徴があり、次にこのインクジェット記録ヘッドユニット9の構成について説明する。
【0039】
図6は、本発明の実施形態においてインクジェット記録ヘッドを千鳥状に複数個並べた状態を図7の図中Z方向(ノズル面)から見た平面図である。
インク滴が吐出される多数のノズル孔16を列状に形成したインクジェット記録ヘッド17が、平板状のベースフレーム15に、記録紙(ウェブ)1の搬送方向と直交する方向に2列、合計で7個千鳥状に配列され、各インクジェット記録ヘッド17の両端部がネジ18a、18bで固定されて、前記インクジェット記録ヘッドユニット9を構成している。
【0040】
インクジェット記録ヘッド17は、使用する記録紙1の幅サイズに応じて、主走査方向Xに更に並べることが可能である。
【0041】
また、インクジェット記録ヘッド17は、3箇所の位置決め面19a、19b、19c(本図では黒丸として表示)で主走査方向(記録紙搬送方向に対して垂直方向)X及び副走査方向(記録紙搬送方向)Yの位置が決められている。
【0042】
本実施形態では図6に示すように、異なる色、例えばY,M,C,Kの4色分のインクジェット記録ヘッドユニット9a,9b,9c、9dが記録紙1の搬送方向に沿って配置され、図示しない本体フレームにネジで固定されている。
【0043】
このようなインクジェット記録ヘッドユニット9はインクジェット記録ヘッド17を高い位置精度でベースフレーム15に組み込む必要があり、主走査方向Xの配列精度が悪い場合、隣接するインクジェット記録ヘッド17間でノズル孔16のピッチ間隔がずれることにより、印刷結果としてスジが発生して、印刷品質の低下を招く。
【0044】
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの取り付け構造を説明するための分解斜視図である。
インク滴を吐出する多数のノズル孔16を有するインクジェット記録ヘッド17の端面(側面)には、精度が確保された3つの位置決め面19a,19b,19cが主走査方向(X方向)と、それと直交する副走査方向(Y方向)にかけて、それぞれ垂直に設けられている。同図に示すように、前記位置決め面19aはインクジェット記録ヘッド17の短い方の側面に、副走査方向(Y方向)に沿うように形成され、一方、前記位置決め面19bと19cはインクジェット記録ヘッド17の長い方の側面に所定の間隔をおいて、主走査方向(X方向)に沿うように形成されている。
この位置決め面19a,19b,19cと前記ノズル孔16との位置精度は、インクジェット記録ヘッド17を組み立てる際に高精度に確保されている。
【0045】
ノズル孔16と位置決め面19a,19b,19cが高精度に組み付けられたインクジェット記録ヘッド17は、ヘッドサブプレート20にネジ21a、21bで固定され、ヘッドサブクミ(ヘッド・サブプレート集合体)22が構成される。なお、ヘッドサブプレート20に対するインクジェット記録ヘッド17の固定方法はネジ21a、21bに限定されるものではなく、例えば弾性部材を介して押し付けて固定する方法でも良いが、本実施形態ではネジネジ21a、21bによる固定手段を採用している。
【0046】
インクジェット記録ヘッド17を搭載したヘッドサブクミ22はノズル孔16の位置を光学顕微鏡23で観察して、インクジェット記録ヘッド17間を所定の位置のなるように配置した後に、ベースフレーム15にネジ21c、21dで固定されて、最終的には図6に示すように1つのベースフレーム15上に7個のインクジェット記録ヘッド17を千鳥状に配置したインクジェット記録ヘッドユニット9が構成される。
【0047】
ここで、複数のヘッドサブクミ22の組立て方法について説明する。図3は、インクジェット記録ヘッド17とサブプレート20の組立てを示す図である。インクジェット記録ヘッド17とヘッドサブプレート20の位置決めには、図に示すような組み付け用位置決め治具24を使用する。
【0048】
この組み付け用位置決め治具24は、高精度に加工された位置決めピン25a,25b,25cが同様に高精度に加工された位置に取り付けられ、各位置決めピン25a,25b,25cは組み付け用位置決め治具24の上面から平行に突出している。この位置決めピン25a,25b,25cと対応するヘッドサブプレート20の位置には、穴26a、26b、26cが高精度に形成されている。
【0049】
このヘッドサブプレート20を組み付け用位置決め治具24の上に載置することにより、組み付け用位置決め治具24の位置決めピン25a,25b,25cがヘッドサブプレート20の穴26a、26b、26cを通り、ヘッドサブプレート20の上側に突き出し、ヘッドサブプレート20と組み付け用位置決め治具24の位置関係が適正に維持される。
【0050】
そしてヘッドサブプレート20の上にインクジェット記録ヘッド17を載置し、インクジェット記録ヘッド17に設けられている3箇所の位置決め面19a,19b,19cを組み付け用位置決め治具24の位置決めピン25a,25b,25cの周面に当接する。これによりヘッドサブプレート20上でインクジェット記録ヘッド17が位置決めされ、この状態で、ネジ21a、21bにより、インクジェット記録ヘッド17をヘッドサブプレート20に固定する。このようにすることにより、インクジェット記録ヘッド17がヘッドサブプレート20に対して適正な位置に組み込まれて、ヘッドサブクミ22が得られる。
【0051】
前記組み付け用位置決め治具24は工場組立て時の治具として使用されるもので、量産するインクジェットプリンタには組み込まれないから、組み付け用位置決め治具24の量産性を考慮する必要がない。また、部品のコストアップは装置価格に反映されないため、安定した高精度品の製作が可能となり、加工誤差を抑えられる。
【0052】
このように高精度に組立てられたヘッドサブクミ22は前述した光学顕微鏡23(図1参照)による位置合わせした後、ベースフレーム15にネジ21c、21dで固定される。
【0053】
後で詳細に説明するように、ユーザ先におけるインクジェット記録ヘッド17の交換時には、図1に示す交換・調整用位置決め治具27を使用する。ヘッドサブクミ22の位置決め用穴26a,26bとベースフレーム15の位置決め穴30a,30bに交換・調整用位置決め治具27の位置決めピン28a,28bを挿通することにより、位置決めを行なうが、前記位置決め穴30a,30bも高精度に位置が出ていることが必要である。
【0054】
しかしながら、ベースフレーム15は使用する記録紙のサイズにもよるが、主走査方向Xに500mm以上も長いことから、穴30a,30bの位置の加工精度を高精度に仕上げることはコストアップを招く。また、熱による材料の長手方向の伸びを抑えるために、熱膨張の小さい材料を選定する場合、加工性が悪くなるため、必要精度の確保が困難になる。
【0055】
そこで本実施形態では、位置決めピン28a,28bと穴30a,30bのクリアランスを小さくするため、アライメントプレート29を使用する。
図1、図2に示すようにベースフレーム15の前記交換・調整用位置決め治具27の位置決めピン28a,28bが挿入される位置には長穴状の穴30a,30bが形成され、この穴30a,30bの近傍にはアライメントプレート29a,29bが配置されている。このアライメントプレート29a,29bは、穴30a,30bに近接できるようにY方向(副走査方向)に移動可能になっており、最終的にはネジ31で固定される。
【0056】
図2に示すように、交換・調整用位置決め治具27の位置決めピン28a,28bをベースフレーム15の長穴30a,30bに差し込み、記録紙搬送方向である副走査方向(Y方向)で位置決めピン28a,28bと長穴30a,30bのクリアランスδを小さくなるように、アライメントプレート29a,29bをY方向に動かして、適正値の所でネジ31によりアライメントプレート29a,29bを固定する。ここでの適正なクリアランスδは、本発明者の実験結果によれは1〜5μmの範囲であることが確認されている。
【0057】
クリアランスδが5μmを超えると、ヘッド交換時にノズル位置精度の誤差に影響し、インクの着弾位置ずれによる画像劣化の問題がある。一方、クリアランスδが1μm未満であると、ピン挿入時にピンと穴がかじる等の現象を生じて、作業性の劣化を招くなどの問題がある。このような理由から前記クリアランスδは1〜5μmの範囲に規制する必要があり、位置決めピン28と長穴30の間のクリアランスδを前述の範囲内に抑える手段としてアライメントプレート29の使用は有効である。
【0058】
このような構成をとることにより、ヘッドプレート15の加工精度の向上によるコスト増を抑えることが可能となる。
【0059】
次にユーザ先におけるインクジェット記録ヘッド17の交換方法について、図4及び図5を用いて説明する。図4及び図5は、インクジェット記録ヘッド17の交換及び調整方法を説明するための分解斜視図である。
【0060】
インクジェット記録ヘッド17の交換単位はランニングコストを抑えるため、極力、最小単位に留めたいことからインクジェット記録ヘッド17単位で行ない、ヘッドサブプレート20は交換しない。基本的なインクジェット記録ヘッド17交換の考えは、ヘッドサブプレート20とベースフレーム15は工場出荷時に既に高精度に位置決めされている為、インクジェット記録ヘッド17を同様の位置の固定が再現できればよく、その位置再現方法として、高精度に製作された交換・調整用位置決め治具27を使用することで対応する。
【0061】
交換・調整用位置決め治具27はインクジェット記録ヘッド交換時と後述する位置調整時の両方で使用可能なように、例えば図4に示すように、板状のホルダ32の上下両側に位置決めピン28a,28b,28cが設けられている。より具体的にはホルダ32の片側(本図では下側)には主走査方向(X方向)と副走査方向(Y方向)の位置が決められるよう3本の位置決めピン28a,28b,28cが突設されており、ホルダ32の反対側(本図では上側)は副走査方向(Y方向)のみの位置を決められるよう2本の位置決めピン28a,28bが設けられている。
【0062】
これにより、位置決め治具の種類を複数個準備必要がなく、1つの位置決め治具27でインクジェット記録ヘッド17の交換と位置調整に対応可能である。
【0063】
先ずは図4を用いて、3本の位置決めピン28a,28b,28cで主走査方向(X方向)と副走査方向(Y方向)の位置決めを行なう場合を説明する。
前述のように、ヘッドサブプレート20は工場出荷時にベースフレーム15上にネジ21c,21dにより高精度に位置決め固定されており、交換が必要なインクジェット記録ヘッド17のみを交換する。
【0064】
まず、ネジ21a,21bを外して古いインクジェット記録ヘッド17をヘッドサブプレート20から取り除き、新しいインクジェット記録ヘッド17をヘッドサブプレート20に載置する。次に交換・調整用位置決め治具27の位置決めピン28a、28b、28cをヘッドサブプレート20の位置決め穴26a、26b、26cを通して、ベースフレーム15の位置決め穴30a,30bならびにベースフレーム15に形成されている開口部39(共に図5参照)に差し込む。
【0065】
この状態でインクジェット記録ヘッド17をヘッドサブプレート20上で少しスライドして、インクジェット記録ヘッド17の位置決め面19a,19b,19cを交換・調整用位置決め治具27の位置決めピン28a、28b、28cの周面に押し付ける。この押し付けでヘッドサブプレート20上でのインクジェット記録ヘッド17の主走査方向(X方向)と副走査方向(Y方向)の位置決めが同時になされ、ネジ21a,28bによりインクジェット記録ヘッド17をヘッドサブプレート20上に固定する。
【0066】
このとき、位置決めは副走査方向の2点でインクジェット記録ヘッド17の角度を規制し、主走査方向の1点で主走査方向の位置を決める。これにより、交換・調整用位置決め治具27の位置決めピン28a、28b、28cに対して、インクジェット記録ヘッド17の位置が遊びなく、高精度に定まる。故に、インクジェット記録ヘッド17を押し付けるだけで済むので、非常に短時間で位置を合わせることが可能となる。
【0067】
ここでも、位置決め治具27を使用することにより、必要以上にインクジェット記録ヘッド17やヘッドプレート20の部品コストを上げることがなく、また、位置決め治具27はインクジェットプリンタには搭載しないことにより、量産性を考慮する必要がなく、安定した高精度品の製作が可能となり、加工誤差が抑えられる。
【0068】
一方、インクジェットプリンタのインク吐出特性として、曲がり(ノズル孔16から記録紙1に対して、インクは基本的に垂直に吐出されるが、ノズル孔16の加工状態によっては曲がって吐出される現象)によるインク着弾位置ずれが生じる場合がある。この場合、メカニカルにノズル孔16の配列精度を確保したとしても、最終的な記録紙1への画像において、前述した曲がりにより位置ずれが発生してしまう場合がある。
【0069】
この課題を回避する方法について、次に説明する。
図4で説明したようにユーザ先で新しいインクジェット記録ヘッド17の交換が完了した後に、着弾位置ずれが確認できるテストパターンに基づいてテスト印刷を行う。そして交換したインクジェット記録ヘッド17のインク滴の着弾位置が前述のテスト結果からずれていることが判明した場合、位置ずれ補正方法として、副走査方向(Y方向)については、インクジェット記録ヘッド17のインク滴の吐出タイミングを変更することにより補正は可能であるが、主走査方向(X方向)については、メカニカルにインクジェット記録ヘッド17の位置を調整する必要がある。
【0070】
この主走査方向のインクジェット記録ヘッド17の位置調整方法について、次に図5を用いて説明する。
図5に示すように、位置決め治具27は副走査方向の位置を決める位置決めピン28a,28bの2本がある側を使用する。すなわち、図4とは位置決め治具27を逆にして使用する。交換・調整用位置決め治具27の位置決めピン28a,28bを下にして、ヘッドサブクミ22のヘッドサブプレート20に設けられている位置決め用穴26a,26bに差し込み、ベースフレーム15の位置決め穴30a,30bまで貫通させる。
【0071】
位置決めピン28a,28bを差し込んだ後で、ヘッドサブクミ22を固定しているネジ21c、21dを緩める。この状態で偏芯カム33を使用して、ヘッドサブクミ22の位置を図中X方向に微調整する。
【0072】
図5に示すように、偏芯カム33は円柱状または円板状をしており、その下部に設けられたシャフト36に対して適当な偏芯量eをもっている。また、偏芯カム33の上部に、ドライバー等の先端部が係合する係合溝37を有する駆動側シャフト38が一体に設けられている。
【0073】
一方、ヘッドサブクミ22(ベッドサブプレート20)には角穴34が形成され、ベースフレーム15の前記角穴34と対応する位置には偏芯カム差込用穴35が形成されている。例えば図1に示すように前記角穴34の平面形状は略正方形をしており、角穴34の一辺は前記偏芯カム33の直径と略同寸に設計され、偏芯カム差込用穴35の内径はシャフト36の外径と略同寸に設計されている。
【0074】
前記シャフト36をヘッドサブクミ22(ベッドサブプレート20)の角穴34からベースフレーム15の偏芯カム差込用穴35に差し込み、それに伴い偏芯カム33をヘッドサブクミ22(ベッドサブプレート20)の角穴34に嵌合させる。
【0075】
そしてドライバー等の先端部を係合溝37に差し込んで駆動側シャフト38を回転させることにより、偏芯カム33はシャフト36を中心にして偏芯量eをもった状態で回転するから、ヘッドサブクミ22の位置を図中X方向に微調整することができる。なお、このヘッドサブクミ22のスライド時には、ヘッドサブクミ22の位置決め面19b,19cは予め設置されている交換・調整用位置決め治具27の位置決めピン28a,28bに沿って移動するから、ヘッドサブクミ22のY方向の位置は変わらない。
【0076】
調整後にネジ21c,21dを締めてヘッドサブクミ22をベースフレーム15上に固定し、再度、着弾位置ずれ検出用のテストパターンを印刷し、ヘッドサブクミ22の微調整が完了したことを確認して調整作業を終了する。
【0077】
前記実施形態では、位置決めピン25a〜25c,28a〜28cを有する位置決め治具24,27を用いたが、その位置決めピン25a〜25c,28a〜28cの代わりに例えば位置決め突片あるいは突条など他の形状の位置決め突部を用いることも可能である。
【0078】
前記実施形態では、ヘッドサブプレート20の内側に角穴34を形成したが、その角穴34の代わりに例えばヘッドサブプレート20の端部からY方向に切り込んだ切込部を形成し、その切込部に偏芯カム33を嵌合することも可能である。
【0079】
前記実施形態では、位置調整手段としてカム機構を使用したが、その他に例えば,ネジの回転によってヘッドサブクミ22を移動するなど、他の機構の位置調整手段を用いることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0080】
前記実施形態では本発明をインクジェットプリンタ(画像形成装置)に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば3次元の造形物を製作する3次元造形装置などの他の技術分野においても本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1:記録紙、2:給紙搬送ユニット、3:作像ユニット、4:排紙搬送ユニット、9,9a〜9d:インクジェット記録ヘッドユニット、15:ベースフレーム、16:ノズル孔、17:インクジェット記録ヘッド、19a〜19c:位置決め面、20:サブプレート、22:ヘッドサブクミ(ヘッド・サブプレート集合体)、24:組み付け用位置決め治具、25a〜25c:位置決めピン、26a〜26c:穴、27:交換・調整用位置決め治具、28a〜28c:位置決めピン、29:アライメントプレート、30a,30b:位置決め穴、32:ホルダ、33:偏心カム、34:角穴、35:偏心カム差込用穴、36:シャフト、37:係合溝、38:駆動用シャフト、X:主走査方向、Y:副主走査方向。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0082】
【特許文献1】特開平10−951144号公報
【特許文献2】特開2004−322606号公報
【特許文献3】特開2008−12747号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブプレートの上に、液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドを取り付けてヘッド・サブプレート集合体を構成し、そのヘッド・サブプレート集合体をベースフレーム上に取り付けて構成される液滴吐出ヘッドユニットであって、
前記サブプレートと前記液滴吐出ヘッドの相互間の位置決めを行うための共通の組み付け用位置決め治具と接触するための位置決め部を、前記サブプレートと前記液滴吐出ヘッドにそれぞれ設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッドユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出ヘッドユニットにおいて、前記サブプレートに設けられた位置決め部は前記組み付け用位置決め治具に設けられた位置決め突部が貫通する穴部であり、前記液滴吐出ヘッドに設けられた位置決め部は前記サブプレートの穴部から突出した位置決め突部と接触する位置決め面であることを特徴とする液滴吐出ヘッドユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッドユニットにおいて、前記液滴吐出ヘッドには、当該液滴吐出ヘッドの主走査方向の位置を決める位置決め部と、当該液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決める位置決め部が設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッドユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の液滴吐出ヘッドユニットにおいて、前記液滴吐出ヘッドには、前記液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決める位置決め部が所定の間隔をおいて複数個設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッドユニット。
【請求項5】
吐出する液体を貯留する液体貯留部と、その液体貯留部に貯留されている液体を被着体上に液滴として吐出する液滴吐出ヘッドユニットと、前記液体貯留部に貯留されている液体を前記液滴吐出ヘッドユニットに供給する液体供給経路を備えた液滴吐出装置において、
前記液滴吐出ヘッドユニットが請求項1ないし4のいずれか1項に記載の液滴吐出ヘッドユニットであることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項6】
記録紙を搬送供給する給紙搬送部と、その給紙搬送部から供給された前記記録紙上にインク滴を吐出して画像を形成する作像部と、その作像部によって画像を形成した前記記録紙を搬送排出する排紙搬送部を備えた画像形成装置において、
前記作像部に請求項5に記載の液滴吐出装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像形成装置において、
前記液滴吐出装置が、異なる色のインク滴を吐出する複数の液滴吐出ヘッドユニットを前記記録紙の搬送方向に沿って配置していることを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドをベースフレーム上に取り付ける液滴吐出ヘッドユニットの組み立て方法において、
組み付け用位置決め治具の上にサブプレートを載置して、前記組み付け用位置決め治具に設けられている複数の位置決め突部を前記サブプレートに形成されている複数の穴部に貫通させて、前記位置決め突部と穴部の接触により、前記組み付け用位置決め治具上で前記サブプレートを位置決めするサブプレート位置決め工程と、
前記液滴吐出ヘッドを前記サブプレートの上に載置して、前記サブプレートの穴部から上方へ突出した前記組み付け用位置決め治具の複数の位置決め突部に、前記液滴吐出ヘッドに設けられた複数の位置決め面を当接することにより、前記サブプレート上で前記液滴吐出ヘッドを位置決めする液滴吐出ヘッド位置決め工程と、
前記組み付け用位置決め治具上で前記サブプレートと前記液滴吐出ヘッドを連結してヘッド・サブプレート集合体を構成する集合体構成工程と、
前記ヘッド・サブプレート集合体を前記組み付け用位置決め治具から外して前記ベースフレーム上に載置して、前記液滴吐出ヘッドのノズル孔の位置を観察しながら、前記ベースフレーム上の所定の位置に前記ヘッド・サブプレート集合体を固定する集合体取り付け工程と
を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドユニットの組み立て方法。
【請求項9】
請求項8に記載の液滴吐出ヘッドユニットの組み立て方法において、
前記組み付け用位置決め治具に設けられている複数の位置決め突部と、前記液滴吐出ヘッドに設けられている複数の位置決め面は、
当該液滴吐出ヘッドの主走査方向の位置を決める主走査方向位置決め手段と、当該液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決める副走査方向位置決め手段として機能することを特徴とする液滴吐出ヘッドユニットの組み立て方法。
【請求項10】
液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドをサブプレート上で位置決めし、前記液滴吐出ヘッドと前記サブプレートを連結してヘッド・サブプレート集合体を構成し、
そのヘッド・サブプレート集合体をベースフレーム上に取り付けた液滴吐出ヘッドユニットの液滴吐出ヘッドの交換方法において、
前記ベースフレーム上に固定されている前記サブプレートから交換すべき液滴吐出ヘッドを取り外して、替えの液滴吐出ヘッドを前記サブプレート上に載置する液滴吐出ヘッド替え工程と、
交換用位置決め治具に設けられている複数の位置決め突部を、前記サブプレートに形成されている複数の穴部を貫通して、前記ベースフレームに形成されている複数の位置決め穴に挿入して、前記位置決め突部と前記位置決め穴の接触により、前記ベースフレーム上で前記交換用位置決め治具を位置決めする治具位置決め工程と、
前記サブプレートの穴部から上方へ突出している前記交換用位置決め治具の複数の位置決め突部に、前記替えの液滴吐出ヘッドに設けられた複数の位置決め面を当接することにより、前記サブプレート上で前記替えの液滴吐出ヘッドを位置決めする液滴吐出ヘッド位置決め工程と、
前記交換用位置決め治具を前記ベースフレームならびにサブプレートから外して、前記替えの液滴吐出ヘッドを前記サブプレートに連結する液滴吐出ヘッド連結工程と
を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの交換方法。
【請求項11】
請求項10に記載の液滴吐出ヘッドの交換方法において、
前記交換用位置決め治具に設けられている複数の位置決め突部と、前記替えの液滴吐出ヘッドに設けられている複数の位置決め面は、
当該液滴吐出ヘッドの主走査方向の位置を決める主走査方向位置決め手段と、当該液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決める副走査方向位置決め手段として機能することを特徴とする液滴吐出ヘッドの交換方法。
【請求項12】
請求項10に記載の液滴吐出ヘッドの交換方法において、
前記ベースフレームの位置決め穴の近傍に、当該位置決め穴とその位置決め穴に挿入される前記交換用位置決め治具の位置決め突部との副走査方向のクリアランスを調整するためのクリアランス調整部材を設けたことを特徴とする液滴吐出ヘッドの交換方法。
【請求項13】
液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドをサブプレート上で位置決めし、前記液滴吐出ヘッドと前記サブプレートを連結してヘッド・サブプレート集合体を構成し、
そのヘッド・サブプレート集合体をベースフレーム上に取り付けた液滴吐出ヘッドユニット上での液滴吐出ヘッドの位置調整方法において、
位置調整用位置決め治具に設けられている副走査方向位置決め用の複数の位置決め突部を、前記位置調整する液滴吐出ヘッドを備えた前記ヘッド・サブプレート集合体を貫通させて、その下の前記ベースフレームに形成されている複数の位置決め用穴に差し込んで、前記ベースフレーム上で前記位置調整用位置決め治具を位置決めする治具位置決め工程と、
前記位置調整する液滴吐出ヘッドを備えた前記ヘッド・サブプレート集合体の前記ベースフレームへの連結力を緩めて、当該ヘッド・サブプレート集合体の移動を可能にするヘッド・サブプレート集合体固定解除工程と、
前記ベースフレームの位置決め用穴から上方へ突出している前記位置調整用位置決め治具の複数の位置決め突部に、前記液滴吐出ヘッドに設けられた複数の位置決め面を当接した状態で、位置調整手段により前記ヘッド・サブプレート集合体の位置を副走査方向に調整する位置調整工程と、
調整後に前記ヘッド・サブプレート集合体を前記ベースフレームに固定するヘッド・サブプレート集合体固定工程と
を含むことを特徴とする液滴吐出ヘッドの位置調整方法。
【請求項14】
液滴を吐出する多数のノズル孔が列設された液滴吐出ヘッドをサブプレートを介してベースフレーム上に取り付けた液滴吐出ヘッドユニットの液滴吐出ヘッドの位置調整用治具において、
該位置調整用治具の中間部に設けられたホルダの片側に、前記液滴吐出ヘッドの主走査方向の位置を決めるための主走査方向位置決め突部と、前記液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決めるための副走査方向位置決め突部が設けられ、
前記ホルダの他方の片側に、前記液滴吐出ヘッドの副走査方向の位置を決めるための副走査方向位置決め突部が設けられていることを特徴とする液滴吐出ヘッドの位置調整治具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−168012(P2011−168012A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−35980(P2010−35980)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】