説明

液状物質滴下装置及び方法

【課題】 液状物質滴下装置及び方法において、風防箱の上部の開口部を、ダウンフローの影響を排除し、かつ容器の交換にも好都合となる大きさに設定すること。
【解決手段】 ノズル23から液晶Lを吐出させて基板上に滴下する液晶滴下装置10において、ノズル23から吐出させた液晶Lを受け入れる計量用容器42を載せて該液晶Lの質量を測定する電子天秤41を、風防箱60内に設置し、ノズル23から吐出させた液晶Lが電子天秤41上の計量用容器42に至る滴下経路となる風防箱60の上部に開口部70Aを形成可能な開閉装置70を設け、開閉装置70が開口部70Aの大きさを変化可能にするもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶等の液状物質滴下装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等の製造工程では、ガラス等の基板に回路パターンを形成する成膜プロセスがある。この成膜プロセスでは、基板に例えば配向膜やレジスト等の機能性薄膜が形成される。
【0003】
基板に機能性薄膜を形成するとき、この機能性薄膜を形成する液状物質をノズルから吐出させて滴下する液状物質滴下装置が用いられる。この液状物質滴下装置では、ノズルからの液状物質の滴下量を高精度に管理する必要があり、特許文献1に記載の如く、ノズルから吐出させた液状物質を受け入れる容器を載せて該液状物質の質量を測定する電子天秤を備える。所定のタイミング、例えば、複数枚の基板への液状物質の滴下を完了する毎に、電子天秤を用い、ノズルから吐出させた液状物質を電子天秤上の容器に受け入れてその質量を測定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-7611号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液状物質滴下装置では、ノズルからの液状物質の滴下量を微小とするときにも、電子天秤による滴下量の測定精度を向上するため、電子天秤を風防箱内に設置し、液状物質滴下装置が用いられるクリーンルームのダウンフロー(クリーンルーム内のダストの舞い上がりを防止するため、クリーンルームの天井側から床側に向けた気流)が電子天秤上の容器に及ぶことを防止することが考えられる。ダウンフローが容器内に収容済の液状物質の液面にあたり、この液面に生ずる揺れが電子天秤の測定精度を損なうことを防止するものである。
【0006】
従って、ノズルから吐出された液状物質が電子天秤上の容器に至る滴下経路となる、風防箱の上部の開口部の大きさは、上述のダウンフローの影響を配慮するためには、可及的小さいことが必要になる。
【0007】
しかしながら、液状物質滴下装置では、ノズルから吐出させた液状物質を基板へ滴下する所定のタイミング毎に、電子天秤を用い、ノズルから吐出させた液状物質を電子天秤上の容器に受け入れるものであり、容器内の液面があるレベルに達する毎に当該容器を空容器に交換する必要がある。従って、容器の交換のためには、この容器を出し入れする風防箱の上部の開口部の大きさを、可及的大きくすることが必要になる。即ち、風防箱の上部の開口部を、ダウンフローの影響を排除し、かつ容器の交換にも好都合となる大きさに設定することには困難がある。
【0008】
本発明の課題は、液状物質滴下装置及び方法において、風防箱の上部の開口部を、ダウンフローの影響を排除し、かつ容器の交換にも好都合となる大きさに設定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、ノズルから液状物質を吐出させて基板上に滴下する液状物質滴下装置において、ノズルから吐出させた液状物質を受け入れる容器を載せて該液状物質の質量を測定する電子天秤を、風防箱内に設置し、ノズルから吐出させた液状物質が電子天秤上の容器に至る滴下経路となる風防箱の上部に開口部を形成可能な開閉装置を設け、開閉装置が前記開口部の大きさを変化可能にするようにしたものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記開閉装置が、前記開口部を形成する複数のシャッタ羽根と、複数のシャッタ羽根を揺動自在に支持する固定枠と、該固定枠に回動自在に取付けられてそれらのシャッタ羽根と係合する可動枠とを有し、可動枠の回動位置の調整によりそれらのシャッタ羽根が囲む開口部の大きさを変化可能にするようにしたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記開閉装置は、ノズルから吐出させた液状物質を前記電子天秤上の容器に滴下するときの開口部の大きさを、前記電子天秤上の容器を交換するときよりも小とするようにしたものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記開閉装置は、ノズルから吐出させた液状物質を前記電子天秤上の容器に滴下するときの開口部の大きさを、前記ノズルから吐出された液状物質の通過に必要最小限の大きさとするようにしたものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の液状物質滴下装置を用いた液状物質滴下方法であって、ノズルから吐出させた液状物質を電子天秤上の容器に滴下するときの開閉装置の開口部の大きさを、電子天秤上の容器を交換するときの開閉装置の開口部の大きさよりも小とするようにしたものである。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5の発明において更に、前記ノズルから吐出させた液状物質を前記電子天秤上の容器に滴下するときの開閉装置の開口部の大きさを、前記ノズルから吐出された液状物質の通過に必要最小限の大きさとするようにしたものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ノズルから吐出させた液状物質を電子天秤上の容器に滴下するときには、開閉装置の開口部の大きさを小とすることができ、液状物質滴下装置が設けられるクリーンルームのダウンフローが電子天秤上の容器に及ぶことを可及的に防止できる。ダウンフローが容器内に収容済の液状物質の液面にあたり、この液面に生ずる揺れが電子天秤の測定精度を損なうことを防止できる。
【0016】
また、電子天秤上の容器を交換するときには、開閉装置の開口部の大きさを大とすることができ、ノズルから容器内に滴下された液状物質の液面があるレベルに達する毎に、当該容器を容易に空容器に交換できる。
【0017】
尚、電子天秤を用いたり、容器を交換しない通常運転時には、開閉装置の開口部を閉鎖し、クリーンルームのダウンフローが電子天秤上の容器に及ぶことを完全に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は液晶滴下装置を示す模式図である。
【図2】図2は液晶滴下装置の供給装置を示す断面図である。
【図3】図3は液晶滴下装置の開閉装置を示す断面図である。
【図4】図4は図3の平面図である。
【図5】図5は開閉装置の要部を示す斜視図である。
【図6】図6は開閉装置の開口部の大きさの変化を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示す液晶滴下装置10は四角形状の下基板1を搭載する基板搬送ステージ11と、下基板1上の定めた滴下位置に設定された量(質量)ずつ液状物質としての液晶Lを滴下し、設定された総量(総質量)の液晶Lを基板1上に供給する液晶供給装置20とを有する。下基板1には、その外周縁部に沿って内部に液晶Lを封入するためのシール剤4が塗布されている。下基板1上に液晶Lを滴下した後、下基板1上に図示しない上基板を貼り合わせて液晶表示パネルを製造する。下基板1と上基板はガラス基板からなる。
【0020】
基板搬送ステージ11は、X軸駆動部、Y軸駆動部、θ軸駆動部を備えた移動装置12を有し、下基板1をX方向とY方向のそれぞれに移動するとともに、θ軸回りに回転することができる。移動装置12の各駆動部はサーボモータにより構成できる。
【0021】
液晶供給装置20は、容器40と移動装置50を備える。
容器40は、液晶Lを蓄える。
【0022】
移動装置50は、X軸駆動部、Y軸駆動部、Z軸駆動部を備え、液晶供給装置20をX方向とY方向とZ方向のそれぞれに移動する。移動装置50の各駆動部はサーボモータにより構成できる。移動装置12及び/又は移動装置50は、基板搬送ステージ11上の下基板1に対し、液晶供給装置20を相対的に移動させる。
【0023】
液晶供給装置20は、容器40から液晶Lを取出す取出しポート21と、取出した液晶Lを一時的に蓄える備蓄室22と、取出して蓄えられた液晶Lを吐出するノズル23とを有する。
【0024】
具体的には、液晶供給装置20は、図2に示す如く、固定部24と、サーボモータ25により駆動される回転軸26に設けられた回転部27とを有し、固定部24には、回転軸26の軸心を中心とする同一半径上でかつ回転軸26を挟んだ対向位置に1つずつ取出しポート21とノズル23を備え、回転部27には、2個の備蓄室22を、1つの備蓄室22が取出しポート21に対向するとき、他方の備蓄室22がノズル23と対向する位置に備える。回転部27は固定部24に液密に摺接し、回転部27の回転により2個の備蓄室22は取出しポート21とノズル23を順に通過する。
【0025】
液晶供給装置20は、回転部27に相対するカム28を回転軸26の周囲に固定配置し、回転部27とカム28の間で回転軸26に固定した回転板29に設けた複数のガイド孔32に備蓄室22と同数のプランジャ30を上下動自在に保持し、プランジャ30の下端部を備蓄室22に嵌合して該備蓄室22の内部で往復動可能にし、プランジャ30の上端部(カムフォロワ30A)をばね31によりカム28のカム面に衝合させている。ばね31は、プランジャ30の中間部に設けたフランジ30Bと回転板29の間に介装される。
【0026】
液晶供給装置20は、サーボモータ25による回転部27の回転によって以下の如くにポンプ作用を営む。
【0027】
(a)取出し作用
回転部27の備蓄室22が固定部24の取出しポート21を通過するとき、プランジャ30が備蓄室22の内部を下限から上限まで移動する。プランジャ30の下限から上限までの移動で、その移動量に応じた量(質量)の液晶Lが容器40から取出しポート21を経由して備蓄室22に吸い込まれて取出される。従って、このプランジャ30の下限から上限までの移動量を調整することで、備蓄室22内に取出す液晶Lの量(質量)が設定される。
【0028】
(b)吐出作用
回転部27の備蓄室22が固定部24のノズル23を通過するとき、取出し作用と逆の動作でプランジャ30が備蓄室22の内部を上限から下限まで移動し、備蓄室22に蓄えた液晶Lをノズル23経由で吐出し、1滴(一定質量)の液晶Lとして下基板1上に滴下する。
【0029】
液晶滴下装置10は、液晶供給装置20のノズル23からの液晶Lの1滴の滴下量(質量)を高精度に管理するため、電子天秤41を有する。電子天秤41は、基板搬送ステージ11の左側面に固定してあるL字状のブラケット11Aの上に設けられ、ノズル23から吐出させた液晶Lを受け入れる計量用容器42を載せて液晶Lの質量を測定する。所定のタイミング、例えば、複数枚の基板1への液晶Lの滴下を完了する毎に、移動装置12及び/又は移動装置50により液晶供給装置20のノズル23を電子天秤41上の計量用容器42の直上に位置付け、ノズル23から吐出させた1滴の液晶Lを計量用容器42に受け入れる。電子天秤41は制御装置36に接続され、電子天秤41による計量の結果の計量値が制御装置36に取り込まれ、電子天秤41の計量値の今回の変化量が今回の液晶Lの1滴の質量として測定される。尚、計量用容器42は、該容器42内に繰り返して受け入れた液晶Lの液面があるレベルに達する毎に、当該容器42を空容器42に交換される。また、計量のために計量用容器42内に吐出させる液晶Lは、1滴に限らず、複数滴であっても良い。このようにした場合、計量値を吐出した液晶Lの滴下数で除算して1滴の液晶の質量を求めれば良い。
【0030】
液晶滴下装置10は、液晶供給装置20のノズル23からの液晶Lの滴下量を微小とするときにも、電子天秤41による滴下量の測定精度を向上するため、電子天秤41を風防箱60内に設置し、この液晶滴下装置10が用いられるクリーンルームのダウンフローが電子天秤41上の計量用容器42に及ぶことを防止する。
【0031】
風防箱60は、図3に示す如く、ブラケット11Aの上に固定した四角筒状の側壁部61からなる。そして、ノズル23から吐出させた液晶Lが電子天秤41上の計量用容器42に至る滴下経路となる、風防箱60の上部には、開閉装置70が設けられる。開閉装置70は、複数のシャッタ羽根71により風防箱60の上部に開口部70Aを形成可能とするもので、これら複数のシャッタ羽根71により形成される開口部70Aの大きさを変化可能にする。
【0032】
開閉装置70は、図4、図5に示す如く、側壁部61の上部に固定される固定枠72と、固定枠72に回動自在に嵌装されて取付けられる可動枠73を有する。固定枠72は複数のシャッタ羽根71を周方向に隣接順に一部重ね合わせて揺動自在に支持し、可動枠73はそれらのシャッタ羽根71と係合し、可動枠73の回動位置の調整によりそれらのシャッタ羽根71が固定枠72と可動枠73の円形の各枠孔72A、73A内で囲む開口部70Aの大きさを変化させる。即ち、複数(本実施例では6枚)の薄鋼板からなるシャッタ羽根71A〜71F(図4、図5では1枚のみ略示)は裏側の一端に固定ピン74を突設し、表側の他端に可動ピン75を突設している。シャッタ羽根71A〜71Fは、それらの固定ピン74を、固定枠72の上面であって、同一円周上に等間隔に設けられた6個の支持孔74Aに軸支され、この支持孔74Aを中心として揺動自在に支持される。シャッタ羽根71A〜71Fは、それらの可動ピン75を、6個の支持孔74Aが描く仮想円と同軸に配置された可動枠73の下面に等間隔に設けられた6個の放射状の溝75Aに係合する。
【0033】
開閉装置70は、固定枠72にモータ76を固定し、モータ76の出力軸に設けたピニオン77を、可動枠73の外周の一部に設けた円弧状ラック78に噛み合いさせる。モータ76は、制御装置36により、液晶滴下装置10の運転状況に応じて駆動制御される。モータ76の駆動により可動枠73及びラック78を時計回りに回動させると、シャッタ羽根71A〜71Fは固定ピン74を中心として固定枠72と可動枠73の各枠孔72A、73Aの半径方向外方へ揺動し、開口部70Aの大きさを拡径する。ラック78の一端78Aが固定枠72の一方のストッパ面に衝合したときに、開口部70Aは最大径になる(図6(A))。モータ76の駆動により可動枠73及びラック78を反時計回りに回動させると、シャッタ羽根71A〜71Fは固定ピン74を中心として固定枠72と可動枠73の各枠孔72A、73Aの半径方向内方へ揺動し、開口部70Aの大きさを縮径する。ラック78の他端78Bが固定枠72の他方のストッパ面に衝合したときに、開口部70Aは完全に閉鎖する(図6(C))。
【0034】
従って、制御装置36は、液晶滴下装置10が液晶供給装置20のノズル23からの液晶Lの滴下量を管理するために、ノズル23から吐出させた液晶Lを電子天秤41上の計量用容器42に滴下するときには、開閉装置70のモータ76を駆動し、開口部70Aの大きさを液晶Lの通過に必要なだけの小径(必要最小限の大きさ)とする(図6(B))。ここで、液晶Lの通過に必要な小径とは、例えば、滴下される液晶Lの液滴の直径に、液晶Lの吐出方向のバラツキを加味して決定すれば良く、液滴の直径の数倍程度の大きさとすれば良い。他方、電子天秤41上の計量用容器42を交換するときには、制御装置36は開閉装置70のモータ76を駆動し、開口部70Aの大きさを最大径とする(図6(A))。ここでは、計量用容器42の交換の利便性を考慮して開口部70Aの大きさを最大径としたが、計量用容器42の交換が可能な大きさであれば、必ずしも最大径である必要はない。尚、液晶滴下装置10の通常運転中、即ち、基板1上に液晶Lの滴下を行なっている間は、開閉装置70の開口部70Aを閉鎖する(図6(C))。
【0035】
従って、本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)電子天秤41と計量用容器42を収容する風防箱60の上部に設けた開閉装置70が、シャッタ羽根71(71A〜71F)により形成される開口部70Aの大きさを変化可能にする。
【0036】
従って、ノズル23から吐出させた液晶Lを電子天秤41上の計量用容器42に滴下するときには、開閉装置70の開口部70Aの大きさを小とすることができ、液晶滴下装置10が設けられるクリーンルームのダウンフローが電子天秤41上の計量用容器42に及ぶことを可及的に防止できる。ダウンフローが計量用容器42内に収容済の液晶Lの液面にあたり、この液面に生ずる揺れが電子天秤41の測定精度を損なうことを防止できる。
【0037】
また、電子天秤41上の計量用容器42を交換するときには、開閉装置70の開口部70Aの大きさを大とすることができ、ノズル23から計量用容器42内に滴下された液晶Lの液面があるレベルに達する毎に、当該計量用容器42を容易に空計量用容器42に交換できる。
【0038】
尚、電子天秤41を用いたり、計量用容器42を交換しない通常運転時には、開閉装置70の開口部70Aを閉鎖し、クリーンルームのダウンフローが電子天秤41上の計量用容器42に及ぶことを完全に防止できる。また、計量用容器42内に液晶Lを滴下し終えた後に開口部70Aを閉鎖し、開口部70Aが閉鎖された状態で電子天秤41による滴下量の測定を行なうようにしても良い。このようにした場合、電子天秤41による滴下量の測定の際に、クリーンルームのダウンフローが完全に遮断されているので、電子天秤41による測定をより精度良く行なうことができる。
【0039】
(b)開閉装置70が、複数のシャッタ羽根71(71A〜71F)を揺動自在に支持する固定枠72と、該固定枠72に回動自在に取付けられてそれらのシャッタ羽根71(71A〜71F)と係合する可動枠73とを有し、可動枠73の回動位置の調整によりそれらのシャッタ羽根71(71A〜71F)が囲む開口部70Aの大きさを変化可能にすることにより、開口部70Aの大きさを安定的に変化させることができる。
【0040】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、開閉装置としてシャッタ羽根を用いた開閉装置の例で説明したが、開口部の大きさを大小に変化可能な開閉装置であれば他のものであっても良い。即ち、計量用容器42の出し入れが可能な大きさの開口を形成するスライド式等の扉と、その扉にさらに、ノズル23から吐出された液晶Lの通過に最低限必要な大きさの開口を形成するスライド式等の扉を設けた構造の開閉装置等であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、液状物質滴下装置及び方法において、風防箱の上部の開口部を、ダウンフローの影響を排除し、かつ容器の交換にも好都合となる大きさに設定することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 基板
10 液晶滴下装置(液状物質滴下装置)
23 ノズル
41 電子天秤
42 計量用容器
60 風防箱
70 開閉装置
70A 開口部
71、71A〜71F シャッタ羽根
72 固定枠
73 可動枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルから液状物質を吐出させて基板上に滴下する液状物質滴下装置において、
ノズルから吐出させた液状物質を受け入れる容器を載せて該液状物質の質量を測定する電子天秤を、風防箱内に設置し、
ノズルから吐出させた液状物質が電子天秤上の容器に至る滴下経路となる風防箱の上部に開口部を形成可能な開閉装置を設け、
開閉装置が前記開口部の大きさを変化可能にすることを特徴とする液状物質滴下装置。
【請求項2】
前記開閉装置が、
前記開口部を形成する複数のシャッタ羽根と、複数のシャッタ羽根を揺動自在に支持する固定枠と、該固定枠に回動自在に取付けられてそれらのシャッタ羽根と係合する可動枠とを有し、可動枠の回動位置の調整によりそれらのシャッタ羽根が囲む開口部の大きさを変化可能にする請求項1に記載の液状物質滴下装置。
【請求項3】
前記開閉装置は、ノズルから吐出させた液状物質を前記電子天秤上の容器に滴下するときの開口部の大きさを、前記電子天秤上の容器を交換するときよりも小とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状物質滴下装置。
【請求項4】
前記開閉装置は、ノズルから吐出させた液状物質を前記電子天秤上の容器に滴下するときの開口部の大きさを、前記ノズルから吐出された液状物質の通過に必要最小限の大きさとすることを特徴とする請求額3に記載の液状物質滴下装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の液状物質滴下装置を用いた液状物質滴下方法であって、
ノズルから吐出させた液状物質を電子天秤上の容器に滴下するときの開閉装置の開口部の大きさを、電子天秤上の容器を交換するときの開閉装置の開口部の大きさよりも小とする液状物質滴下方法。
【請求項6】
前記ノズルから吐出させた液状物質を前記電子天秤上の容器に滴下するときの開閉装置の開口部の大きさを、前記ノズルから吐出された液状物質の通過に必要最小限の大きさとすることを特徴とする請求項5に記載の液状物質滴下方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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