説明

混合装置

【課題】開閉手段に故障等が生じたとしても意図せず主部に副液体が混入してしまうのを確実に防止することができるとともに、加圧手段に故障等が生じて誤動作したとしても当該開閉手段や副流路が破損してしまうのを防止することができる混合装置を提供する。
【解決手段】希釈水を流通させる配管L20と、消毒液を流通させる配管L17と、配管L17中の消毒液を配管L20に向かって流通させる加圧ポンプ15と、配管L17を任意に開閉し得る逆止弁16とを具備した混合装置において、配管L17における逆止弁16と加圧ポンプ15との間から分岐した流路から成り、希釈水又は消毒液を排出し得る排出流路L18と、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、配管L17における逆止弁16と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20より低い圧力とし得る電磁弁17とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、開閉手段を開状態としつつ加圧手段を作動させることにより、副液体を副流路から主部に加圧注入させるとともに、主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、開閉手段を閉状態としつつ加圧手段を停止させる混合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
透析治療は、血液回路で患者の血液を体外循環させるとともに、該血液回路に接続されたダイアライザにて当該血液中の老廃物等を除去することにより行われ、かかるダイアライザには、透析液原液を希釈液にて希釈することにより所望の濃度に調製された透析液が供給される。例えば、セントラルシステム型と称される透析システムには、ダイアライザを具備して患者に透析治療を施すための監視装置の他、清浄水(希釈水又は洗浄水)を作製し得る水処理装置、透析液原液を作製し得る溶解装置、透析液を作製して監視装置に送液し得る透析液供給装置が配設される。
【0003】
しかるに、これら透析システムに関わる個々の装置には、透析液、透析用原液或いは清浄水を流通させるための配管が配設されており、通常、治療が行われていない所定時間において、当該配管を消毒するための消毒工程が行われるようになっている。例えば透析液供給装置における配管を消毒し得る技術として、給水源からの水(これを「主液体」と称する)が流通する流路(これを「主部」と称する)に対し、消毒液(これを「副液体」と称する)を流通させ得る流路(これを「副流路」と称する)の先端を接続させ、当該副流路における主部との合流部近傍に電磁弁(これを「開閉手段」と称する)及びポンプ(これを「加圧手段」と称する)を具備した混合装置を配設したものが挙げられる(特許文献1参照)。
【0004】
そして、消毒時以外(治療時等)の際には、開閉手段を閉状態としつつ加圧手段を停止させた状態とする一方、配管の消毒を行わせる際には、開閉手段を開状態としつつ加圧手段を作動させ、主部に対して副液体を注入して主液体と混合させて所定濃度の消毒液を作製し、その消毒液を配管にて流通させることにより消毒工程が行われるようになっている。しかして、開閉手段が閉状態とされていれば、消毒時以外の際に副液体が主部に至ってしまうのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−38466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の混合装置においては、副液体が流通する副流路に開閉手段が配設され、当該開閉手段の開閉により副液体が主部内に注入されて主液体との混合が可能とされているので、開閉手段に故障等が生じた場合、意図せず主部に副液体が混入してしまう虞があった。また、加圧手段が故障等により誤動作した際、開閉手段或いは副流路を破損させてしまう虞もあった。なお、これら問題は、上記従来技術の如く透析液供給装置における混合装置に限らず、他の装置(透析システムを構成する他の装置に限らず、主部に対して副液体を注入させて主液体と混合させる混合装置全般)に共通したものである。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、開閉手段に故障等が生じたとしても意図せず主部に副液体が混入してしまうのを確実に防止することができるとともに、加圧手段に故障等が生じて誤動作したとしても当該開閉手段や副流路が破損してしまうのを防止することができる混合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、主液体を流通又は収容させる主部と、副液体を流通させるとともに、先端が前記主部に接続された副流路と、該副流路中の副液体を前記主部に向かって流通させる加圧手段と、前記副流路における主部との接続部位近傍に配設され、当該副流路を任意に開閉し得る開閉手段とを具備し、前記主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、前記開閉手段を開状態としつつ前記加圧手段を作動させることにより、前記副液体を副流路から主部に加圧注入させるとともに、前記主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、前記開閉手段を閉状態としつつ前記加圧手段を停止させる混合装置において、前記副流路における前記開閉手段と加圧手段との間から分岐した流路から成り、前記主液体又は副液体を排出し得る排出流路と、前記主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、前記副流路における前記開閉手段と加圧手段との間の流路を前記主部より低い圧力とし得る圧力制御部とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の混合装置において、前記圧力制御部は、前記主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、前記副流路における前記開閉手段と加圧手段との間の流路の圧力を前記主部の圧力以上とし得ることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の混合装置において、前記圧力制御部は、先端が大気開放とされた前記排出流路に接続された開閉弁から成ることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の混合装置において、前記開閉弁は、任意タイミングで流路を開閉し得る電磁弁又はリリーフ圧を任意設定可能なリリーフ弁から成ることを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の混合装置において、前記開閉弁は、通常時は開状態とされ且つ任意タイミングの通電により閉状態とされ得る電磁弁から成り、且つ、前記主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、当該電磁弁及び加圧手段に対する通電を行うとともに、前記主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、当該電磁弁及び加圧手段に対する通電を停止することを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか1つに記載の混合装置において、前記開閉手段は、前記副流路に接続された背圧弁又は逆止弁から成り、前記主部に向かう液体の流通を許容しつつその反対方向に向かう液体の流通を規制することを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1〜5の何れか1つに記載の混合装置において、前記開閉手段及び圧力制御部は、前記副流路における前記排出流路との分岐部に配設された三方弁から成り、前記主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、当該副流路における前記加圧手段から主部に向かう流路が開状態とされ且つ前記排出流路に向かう流路が閉状態とされるとともに、前記主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、当該副流路における前記加圧手段から主部に向かう流路が閉状態とされ且つ前記排出流路に向かう流路が開状態とされることを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れか1つに記載の混合装置において、前記排出流路には、前記主液体を検知する主液体検知手段が配設されたことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8の何れか1つに記載の混合装置において、前記排出流路には、液体の流量を検知する液体流量検知手段が配設されたことを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、請求項1〜9の何れか1つに記載の混合装置において、前記主部には、前記副液体を検知する副液体検知手段が配設されたことを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の混合装置において、前記主液体に対する副液体の混合を行わせた後、前記圧力制御部にて前記副流路における前記開閉手段と加圧手段との間の流路を前記主部より低い圧力とするとともに前記加圧手段を作動させ、前記副液体検知手段による副液体の検知の有無を判定可能とされたことを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明は、請求項1〜11の何れか1つに記載の混合装置において、前記副液体は、前記主部を消毒するための消毒液から成ることを特徴とする。
【0020】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の混合装置において、前記主部は、患者の血液を浄化するための透析液、透析液原液又はこれら透析液若しくは透析液原液を作製するための清浄水を流通又は収容させるための流路又は収容手段から成るとともに、前記主液体は、前記消毒液を希釈して所定濃度の消毒液を作製するための希釈水から成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、副流路における開閉手段と加圧手段との間から分岐した流路から成り、主液体又は副液体を排出し得る排出流路と、主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、副流路における開閉手段と加圧手段との間の流路を主部より低い圧力とし得る圧力制御部とを備えたので、開閉手段に故障等が生じたとしても意図せず主部に副液体が混入してしまうのを確実に防止することができるとともに、加圧手段に故障等が生じて誤動作したとしても当該開閉手段や副流路が破損してしまうのを防止することができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、圧力制御部は、主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、副流路における開閉手段と加圧手段との間の流路の圧力を主部の圧力以上とし得るので、副液体の主部に対する注入を確実且つ円滑に行わせることができ、副液体と主液体との混合を良好に行わせることができる。
【0023】
請求項3の発明によれば、圧力制御部は、先端が大気開放とされた排出流路に接続された開閉弁から成るので、圧力制御部を簡単な構成のものとすることができ、開閉手段に故障等が生じたとしても意図せず主部に副液体が混入してしまうのをより一層確実に防止することができるとともに、加圧手段に故障等が生じて誤動作したとしても当該開閉手段や副流路が破損してしまうのをより一層確実に防止することができる。
【0024】
請求項4の発明によれば、開閉弁は、任意タイミングで流路を開閉し得る電磁弁又はリリーフ圧を任意設定可能なリリーフ弁から成るので、より簡単な構成の圧力制御部とすることができる。
【0025】
請求項5の発明によれば、主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、電磁弁及び加圧手段に対する通電を行うとともに、主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、当該電磁弁及び加圧手段に対する通電を停止するので、主液体に対する副液体の混合を行わせないときの電磁弁及び加圧手段に対する給電を停止させることができ、ランニングコストを低減させることができる。また、停電等により電磁弁及び加圧手段に対する給電が不用意に停止した際、主液体に対する副液体の混合を行わせない状態(加圧手段が停止し且つ副流路における開閉手段と加圧手段との間の流路が主部より低い圧力)となるので、安全性を向上させることができる。
【0026】
請求項6の発明によれば、開閉手段は、副流路に接続された背圧弁又は逆止弁から成り、主部に向かう液体の流通を許容しつつその反対方向に向かう液体の流通を規制するので、開閉手段に対する通電等を行う必要がなく、主液体に対する副液体の混合を行わせるときと主液体に対する副液体の混合を行わせないときのとの切り換時に開閉手段に対する操作を不要とすることができる。
【0027】
請求項7の発明によれば、開閉手段及び圧力制御部は、副流路における排出流路との分岐部に配設された三方弁から成り、主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、当該副流路における加圧手段から主部に向かう流路が開状態とされ且つ排出流路に向かう流路が閉状態とされるとともに、主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、当該副流路における加圧手段から主部に向かう流路が閉状態とされ且つ排出流路に向かう流路が開状態とされるので、開閉手段と圧力制御部とのそれぞれを形成したものに比べ、部品点数を削減することができるとともに、主液体に対する副液体の混合を行わせるときと主液体に対する副液体の混合を行わせないときのとの切り換え操作をより容易に行わせることができる。
【0028】
請求項8の発明によれば、排出流路には、主液体を検知する主液体検知手段が配設されたので、主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、開閉手段の故障等により排出流路に主液体が漏れたことを検知することができる。
【0029】
請求項9の発明によれば、排出流路には、液体の流量を検知する液体流量検知手段が配設されたので、開閉手段又は加圧手段の故障等により意図せず排出流路を主液体又は副液体が流れてしまうことを検知することができる。
【0030】
請求項10の発明によれば、主部には、副液体を検知する副液体検知手段が配設されたので、主液体に対する副液体の混合を行わせるときは、正常に副液体が注入されていることを検知することができるとともに、主液体に対する副液体の混合を行わせないときは、開閉手段及び圧力制御部の故障等により主部に副液体が至ってしまうのを検知することができ、安全性をより向上させることができる。
【0031】
請求項11の発明によれば、主液体に対する副液体の混合を行わせた後、圧力制御部にて副流路における開閉手段と加圧手段との間の流路を主部より低い圧力とするとともに加圧手段を作動させ、副液体検知手段による副液体の検知の有無を判定可能とされたので、圧力制御部に対する自己診断を行わせることができ、装置の信頼性をより向上させることができる。
【0032】
請求項12の発明によれば、副液体は、主部を消毒するための消毒液から成るので、消毒時において主液体に対する消毒液の混合をより円滑に行わせることができるとともに、消毒時以外において主液体に消毒液が混合してしまうのをより確実に防止することができる。
【0033】
請求項13の発明によれば、主部は、患者の血液を浄化するための透析液、透析液原液又はこれら透析液若しくは透析液原液を作製するための清浄水を流通又は収容させるための流路又は収容手段から成るとともに、主液体は、消毒液を希釈して所定濃度の消毒液を作製するための希釈水から成るので、消毒時において希釈水に対する消毒液の混合をより円滑に行わせることができるとともに、消毒時以外において透析液、透析液原液又はこれら透析液若しくは透析液原液を作製するための清浄水に消毒液が混合してしまうのをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る混合装置が適用される血液浄化システムを示す模式図
【図2】適用される血液浄化システムを構成する監視装置の内部構成を示すブロック図
【図3】適用される血液浄化システムを構成する溶解装置の内部構成を示すブロック図
【図4】本発明の第1の実施形態に係る混合装置を示す拡大模式図
【図5】本発明の他の実施形態に係る混合装置を示す模式図
【図6】本発明の更に他の実施形態に係る混合装置を示す模式図
【図7】本発明の第2の実施形態に係る混合装置を示す拡大模式図
【図8】本発明の混合装置を示す概念図
【図9】本発明に係る混合装置を他の形態に適用したものを示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る混合装置は、透析液原液から所定濃度の透析液を作製するとともに、その透析液を複数の透析用監視装置に供給するための血液浄化システムに適用されたものである。その適用される血液浄化システムは、図1に示すように、病院等医療現場における透析室A(治療室)に設置された複数の監視装置1と、当該医療現場における透析室Aとは別の場所である機械室Bに設置された透析液供給装置2、溶解装置3及び水処理装置4とから主に構成される。
【0036】
監視装置1(血液浄化手段)は、患者に血液浄化治療(血液透析治療)を施すためのダイアライザ5(血液浄化器)が取り付けられ、透析液供給装置2から供給された透析液を当該ダイアライザ5に供給するためのもので、透析室Aに複数設置されている。かかる監視装置1は、血液透析治療や他の制御内容(洗浄又は消毒)の指示及び所定の表示を行わせ得るタッチパネル1aが配設されている。
【0037】
より具体的には、透析室Aに設置された複数の監視装置1の各々は、図2に示すように、透析液供給装置2から延設された配管L1が引き込まれるとともに、図示しない排液手段に接続された配管L2を具備し、これら配管L1、L2に跨って複式ポンプ7が配設されて構成されている。なお、監視装置1内における配管L1には、当該配管L1を流れる液体の流量を検出する流量検出センサ、当該液体の給液圧を検出する液圧検出センサ、及び当該液体の電導度(濃度)を検出する電導度検出センサ(何れも不図示)等が配設されている。
【0038】
また、複式ポンプ7からは、配管L1と連通した透析液導入ラインL4と、配管L2と連通した透析液排出ラインL5が延設されており、カプラCを介して当該透析液導入ラインL4の先端をダイアライザ5の透析液導入口5aに接続し得るとともに、カプラCを介して当該透析液排出ラインL5の先端をダイアライザ5の透析液排出口5bに接続し得るよう構成されている。このように、各監視装置1には、それぞれ患者に応じたダイアライザ5が取り付けられるようになっており、当該ダイアライザ5には、患者の血液を体外循環させる血液回路6が接続されることとなる。
【0039】
複式ポンプ7のポンプ室は、図示しない単一のプランジャにより、配管L1に接続された送液側ポンプ室と、配管L2に接続された排出側ポンプ室とに隔成されており、当該プランジャが往復動することにより、送液側ポンプ室に送られた透析液又は洗浄液をダイアライザ5に供給するとともに、ダイアライザ5内の透析液を排出側ポンプ室に吸入するよう構成されている。さらに、監視装置1内には、複式ポンプ7をバイパスしつつ配管L2と透析液排出ラインL5とを連通する配管L3が形成されており、この配管L3の途中に除水ポンプPcが配設されている。かかる除水ポンプPcを駆動させることにより、ダイアライザ5内を流れる患者の血液に対して除水を行わせることが可能とされる。
【0040】
なお、複式ポンプ7に代えて、所謂チャンバ形式のものとしてもよいとともに、流量検出センサ、液圧検出センサ或いは電導度検出センサ等のセンサ類は、任意のものを配設してもよく若しくは他の汎用的なものを加えるようにしてもよい。さらに、本実施形態においては、当該センサ類を配管L1に配設するようにしているが、他の配管(例えば配管L2)に配設するものとしてもよい。
【0041】
水処理装置4は、内部に濾過膜等を内在したモジュール(浄化濾過器)を具備し、原水を浄化して清浄水(RO水)を得るためのものである。かかる水処理装置4で得られた清浄水は、透析液供給装置2にて透析液を作製する際に用いられたり或いは当該透析液供給装置2や監視装置1の配管等を洗浄する洗浄水としても用いられる。なお、水処理装置4を図示しない個人用透析装置と連結し、当該個人用透析装置に清浄水を供給するよう構成してもよい。
【0042】
また、水処理装置4は、水処理に関する制御内容の指示及び所定の表示を行わせ得るタッチパネル4aが配設されている。そして、透析液供給装置2等から所定の制御信号を受信すると、その制御信号に基づいて所定の動作(清浄水の作製等)が行われるようになっている。なお、水処理装置4は、配管L6、L7を介して溶解装置3及び透析液供給装置2と接続されており、得られた清浄水を当該溶解装置3及び透析液供給装置2に供給し得るよう構成されている。
【0043】
溶解装置3は、例えば所定量の透析用粉体薬剤が投入されるとともに、その透析用粉体薬剤と水処理装置4から供給された清浄水とを混合(ミキシング)して所定濃度の透析液原液を作製するためのものである。この溶解装置3は、透析液原液作製に関する制御内容の指示及び所定の表示を行わせ得るタッチパネル3aが配設されている。そして、透析液供給装置2等から所定の制御信号を受信すると、その制御信号に基づいて所定の動作(透析液原液の作製等)が行われるようになっている。なお、溶解装置3は、配管L6を介して透析液供給装置2と接続されており、作製された透析液原液を透析液供給装置2に供給し得るよう構成されている。
【0044】
透析用供給装置2は、水処理装置4で得られた清浄水及び溶解装置3で作製された透析液原液を用いて所定濃度の透析液を作製し得るとともに、監視装置1のそれぞれに作製した透析液を供給可能なものである。すなわち、透析用供給装置2は、配管L1を介して複数の監視装置1のそれぞれと接続されており、かかる配管L1を介して監視装置1のそれぞれに透析液、洗浄水及び消毒液等の所望の液体を供給し得るよう構成されているのである。なお、透析用供給装置2には、透析液供給や洗浄又は消毒に関する制御内容の指示及び所定の表示を行わせ得るタッチパネル2aが配設されている。
【0045】
ここで、第1の実施形態に適用される溶解装置3は、図3に示すように、重炭素ナトリウムを含まない薬剤(A剤)を粉末化した透析用粉末薬剤を収容した収容手段8と、重炭酸ナトリウムから成る薬剤(B剤)を粉末化した透析用粉末薬剤を収容した収容手段9とが取り付けられるとともに、透析用粉末薬剤を溶解して透析液原液を作製する溶解槽10、12と、該溶解槽10、12にて生成した透析液原液を一時的に収容する貯槽11、13とを具備したものである。
【0046】
具体的には、配管L8を介して水処理装置4と接続された配管L20(主部)を有するとともに、当該配管L20を溶解槽10に連結させる配管L9と、当該配管L20を溶解槽12に連結させる配管L13とを具備している。これら配管L9及びL13には、それぞれ電磁弁Vc、Vdが配設されており、これら電磁弁Vc及びVdを選択的に開閉することにより、水処理装置4から送液された清浄水を溶解槽10又は溶解槽12に選択的に送ることが可能とされている。
【0047】
溶解槽10と貯槽11とは上下に配設されるとともに配管L11にて互いに接続されており、当該配管L11の途中からは配管L12が分岐している。かかる配管12は、その途中にポンプPaが配設されるとともに、先端部が収容手段8の開口から挿入されている。当該配管L11における配管L12との分岐部より下流側(貯槽11側)には、電磁弁Vaが配設されている。また、溶解槽10の上部からは配管L10が延設されており、その先端部が収容手段8の開口から挿入されている。
【0048】
同様に、溶解槽12と貯槽13とは上下に配設されるとともに配管L15にて互いに接続されており、当該配管L15の途中からは配管L16が分岐している。かかる配管16は、その途中にポンプPbが配設されるとともに、先端部が収容手段9の開口から挿入されている。当該配管L15における配管L16との分岐部より下流側(貯槽13側)には、電磁弁Vbが配設されている。また、溶解槽12の上部からは配管L14が延設されており、その先端部が収容手段9の開口から挿入されている。
【0049】
そして、A剤から成る透析用粉末薬剤から透析液原液を作製するには、電磁弁Vcを開状態且つ電磁弁Vdを閉状態として配管L20及びL9を介して清浄水を溶解槽10に供給するとともに、電磁弁Vaを閉状態としつつポンプPaを駆動させて、溶解槽10に供給された清浄水と収容手段8内のA剤とを混合しつつ当該溶解槽10と収容手段8との間で循環させる。その後、溶解槽10内の液体(透析液原液)が所定量に達したことを検知すると、ポンプPaの駆動を停止し、電磁弁Vaを開状態とする。これにより、溶解槽10にて作製された透析液原液が配管L11を介して貯槽11に落下し、当該貯槽11内にて一時的に収容されることとなる。
【0050】
一方、B剤から成る透析用粉末薬剤から透析液原液を作製するには、電磁弁Vcを閉状態且つ電磁弁Vdを開状態として配管L20及びL13を介して清浄水を溶解槽12に供給するとともに、電磁弁Vbを閉状態としつつポンプPbを駆動させて、溶解槽12に供給された清浄水と収容手段9内のB剤とを混合しつつ当該溶解槽12と収容手段9との間で循環させる。その後、溶解槽12内の液体(透析液原液)が所定量に達したことを検知すると、ポンプPbの駆動を停止し、電磁弁Vbを開状態とする。これにより、溶解槽12にて作製された透析液原液が配管L15を介して貯槽13に落下し、当該貯槽13内にて一時的に収容されることとなる。しかして、貯槽11及び貯槽13の下部は、配管L6と接続されており、当該貯槽11、13にて収容された透析液原液が配管L6を介して透析液供給装置2に供給可能とされている。
【0051】
さらに、溶解装置3には、希釈水に対して消毒液を注入して混合し得る混合装置が配設されている。本発明の第1の実施形態に係る混合装置は、図3及び図4に示すように、希釈水(主液体:清浄水)を流通させる配管L20(主部)と、消毒液(副液体)を収容する収容手段14に基端が接続されて当該消毒液を流通させるとともに、先端が配管L20の所定部位に接続された配管L17(副流路)と、該配管L17中の消毒液を配管L20に向かって流通させる加圧ポンプ15(加圧手段)と、配管L17における配管L20との接続部位P1近傍に配設され、当該配管L17を任意に開閉し得る背圧弁16(開閉手段)とを具備したものである。
【0052】
背圧弁16は、配管L17において、配管L20に向かう液体(消毒液)の流通を許容しつつその反対方向に向かう液体(消毒液又は希釈水)の流通を規制するものであり、例えばスプリング等による付勢力にて弁が閉状態とされ、当該弁に付与される配管L20に向かう液体の圧力が所定値に達すると、弁が付勢力に抗して開状態となり、その液体の流通が可能とされるよう構成されている。なお、本実施形態に係る消毒液は、次亜塩素酸ナトリウムとされているが、他の組成の消毒液を用いるようにしてもよい。また、背圧弁16に代えて逆止弁(開閉手段)としてもよい。
【0053】
しかして、希釈水(配管L20を流通する清浄水)に対する消毒液の混合を行わせるとき、背圧弁16(又は逆止弁)を開状態としつつ加圧ポンプ15を作動させる(本実施形態においては、加圧ポンプ15を作動させて消毒液の圧力を上昇させることにより、背圧弁16を開状態とする)ことにより、消毒液を配管L17から配管L20に加圧注入させるとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、背圧弁16(又は逆止弁)を閉状態としつつ加圧ポンプ15を停止させる(本実施形態においては、加圧ポンプ15を停止させて消毒液の圧力を下降させることにより、背圧弁16を閉状態とする)よう構成されている。
【0054】
本実施形態に係る加圧ポンプ15は、吸入側及び吐出側にそれぞれ逆止弁を有した内部構造のダイヤフラムポンプから成るものとされており、背圧弁16等の開閉手段に漏れ等の異常が生じた場合であっても、配管L20を流れる希釈水(主液体)が収容手段14内に至るのを防止し得るようになっている。なお、かかるダイヤフラムポンプに代えて、他の形態のもの(例えば逆止構造を有さない容積型ポンプ等)としてもよい。
【0055】
ここで、本実施形態に係る混合装置は、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の分岐部P2から分岐した流路(配管)から成り、希釈水又は消毒液を排出し得る排出流路L18と、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20より低い圧力とし得るとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20より高い圧力とし得る圧力制御部としての電磁弁17(開閉弁)とを備えている。なお、本実施形態においては、排出流路L18の先端は、大気開放とされているとともに、当該先端の下部には、当該排出流路L18から排出された液体(希釈水又は消毒液等)を受け得る受け部材18と、該受け部材18内の液体を排出する排出部L19とが形成されている。
【0056】
しかして、消毒時以外(希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき)においては、、加圧ポンプ15を停止させて背圧弁16を閉状態とすることにより、収容手段14内の消毒液が配管L20に至るのを遮断するとともに、電磁弁17を開状態とすることにより、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路が配管L20内の流路より低い圧力となるよう制御される。これにより、例えば背圧弁16が故障して流路の閉塞が不十分な状態となったとしても、収容手段14内の消毒液は排出流路L18から外部に排出されることとなり、当該消毒液が配管L20内の希釈水に拡散してしまうのを確実に防止することができる。
【0057】
また、消毒時(希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき)においては、加圧ポンプ15を作動させて背圧弁16を開状態とするとともに、電磁弁17を閉状態とすることにより、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路が配管L20内の流路より高い圧力となるよう制御される。これにより、収容手段14内の消毒液を配管L17から配管L20に加圧注入させることができるので、希釈水で希釈された消毒液が溶解装置3内の配管を流通して消毒がなされることとなる。
【0058】
特に、本実施形態に係る開閉弁としての電磁弁17は、通常時は開状態とされ且つ任意タイミングの通電により閉状態とされ得るものとされている。すなわち、本実施形態においては、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき、当該電磁弁17及び加圧ポンプ15に対する通電を行うとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、当該電磁弁17及び加圧ポンプ15に対する通電を停止するよう構成されているのである。
【0059】
これにより、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき、電磁弁17及び加圧ポンプ15に対する通電を行うとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、当該電磁弁17及び加圧ポンプ15に対する通電を停止するので、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないときの電磁弁17及び加圧ポンプ15に対する給電を停止させることができ、ランニングコストを低減させることができる。また、停電等により電磁弁17及び加圧ポンプ15に対する給電が不用意に停止した際、希釈水に対する消毒液の混合を行わせない状態(加圧ポンプ15が停止し且つ配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路が配管L20より低い圧力)となるので、安全性を向上させることができる。
【0060】
なお、本実施形態においては、圧力制御部として、通電により任意タイミングで流路(排出流路L18)を開閉し得る電磁弁17を用いているが、先端が大気開放とされた排出流路L18に接続された開閉弁から成るものであれば足り、当該電磁弁17に代えて、リリーフ圧を任意設定可能なリリーフ弁から成るもの等としてもよい。このように、開閉弁を任意タイミングで流路を開閉し得る電磁弁又はリリーフ圧を任意設定可能なリリーフ弁から成るものとすれば、より簡単な構成の圧力制御部とすることができる。
【0061】
また、本実施形態に係る配管L20における配管L17との接続部位P1より下流側には、消毒液を検知し得る電導度センサ19(副液体検知手段)が配設されている。すなわち、電導度センサ19は、配管L20を流れる液体の電導度を検出することにより、その液体に消毒液が混入しているか否かを検知可能なもので、これにより、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるときは、正常に消毒液が注入されていることを検知することができるとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないときは、背圧弁16(開閉手段)及び電磁弁17(圧力制御部)の故障等により配管L20に消毒液が至ってしまうのを検知することができ、安全性をより向上させることができる。なお、当該電導度センサ19に代えて、消毒液を検知し得る他の形態の副液体検知手段としてもよい。
【0062】
さらに、本実施形態においては、希釈水に対する消毒液の混合を行わせた後(すなわち、消毒工程後)、電磁弁17を開状態として配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20内の流路より低い圧力とするとともに加圧ポンプ15を作動させ、電導度センサ19(副液体検知手段)による消毒液の検知の有無を判定可能な構成とされている。これにより、圧力制御部に対する自己診断(電磁弁17が動作不良等の不具合を生じているか否かの自己診断)を行わせることができ、装置の信頼性をより向上させることができる。
【0063】
上記第1の実施形態によれば、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間から分岐した流路から成り、希釈水又は消毒液を排出し得る排出流路L18と、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20より低い圧力とし得る電磁弁17(圧力制御部)とを備えたので、背圧弁16に故障等が生じたとしても意図せず配管L20に消毒液が混入してしまうのを確実に防止することができる。また、本実施形態によれば、加圧ポンプ15に故障等が生じて誤動作したとしても、消毒液を排出流路L18を介して外部に逃がすことができるので、背圧弁16や配管L17が破損してしまうのを防止することができる。
【0064】
さらに、本実施形態に係る圧力制御部としての電磁弁17は、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20内の流路より高い圧力とし得るので、消毒液の配管L20に対する注入を確実且つ円滑に行わせることができ、消毒液と希釈水との混合を良好に行わせることができる。また更に、本実施形態に係る圧力制御部は、先端が大気開放とされた排出流路L18に接続された電磁弁17(開閉弁)から成るので、圧力制御部を簡単な構成のものとすることができ、当該電磁弁17に故障等が生じたとしても意図せず配管L20に消毒液が混入してしまうのをより一層確実に防止することができるとともに、加圧ポンプ15に故障等が生じて誤動作したとしても背圧弁16や配管L17が破損してしまうのをより一層確実に防止することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る開閉手段は、配管L17に接続された背圧弁16(又は逆止弁)から成り、配管L20に向かう液体の流通を許容しつつその反対方向に向かう液体の流通を規制するものとされているので、当該背圧弁16(又は逆止弁)に対する通電等を行う必要がなく、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるときと希釈水に対する消毒液の混合を行わせないときのとの切り換時に背圧弁16(又は逆止弁)に対する操作を不要とすることができる。
【0066】
しかるに、本実施形態に係る開閉手段は、配管L17に接続された背圧弁16(又は逆止弁)から成るものとされているが、これに代えて、図5に示すように、通電により任意タイミングで流路(配管L17)を開閉し得る電磁弁20としてもよい。かかる電磁弁20によれば、通電により開閉するものであるため、配管L17の開閉を所望のタイミングにて行わせることができる。
【0067】
また、図6に示すように、排出流路L18における電磁弁17より下流側に、希釈水を検知し得る電導度センサ21(主液体検知手段)を配設するようにしてもよい。かかる電導度センサ21に代えて、希釈水を検知し得る他の形態の主液体検知手段としてもよい。これにより、排出流路L18には、希釈水を検知する電導度センサ21が配設されたので、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、背圧弁16(電磁弁20等の他の開閉手段も同様)の故障等により排出流路L18に希釈水が漏れたことを検知することができる。
【0068】
なお、当該電導度センサ21に代えて或いは当該電導度センサ21と共に、液体の流量を検知する液体流量検知手段を配設するようにしてもよい。このように、排出流路L18に液体の流量を検知する液体流量検知手段を配設するようにすれば、背圧弁16(電磁弁20等の他の開閉手段も同様)又は加圧ポンプ15の故障等により意図せず排出流路L18を希釈水又は消毒液が流れてしまうことを検知することができる。
【0069】
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る混合装置は、第1の実施形態と同様、血液浄化システムを構成する溶解装置3に適用されたもので、配管L20を流れる希釈水(水処理装置4からの清浄水)に収容手段14内の消毒液を加圧注入し、所定濃度に希釈された消毒液を溶解装置3の配管にて流通させることにより消毒可能とされたものである。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には、同一の符号を付すこととし、それら詳細な説明を省略する。
【0070】
本実施形態に係る開閉手段及び圧力制御部は、図7に示すように、配管L17(副流路)における排出流路L18との分岐部に配設された三方弁22から成り、希釈水(主液体)に対する消毒液(副液体)の混合を行わせるとき、当該配管L17における加圧ポンプ15から配管L20(主部)に向かう流路が開状態とされ且つ排出流路L18に向かう流路が閉状態とされるとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、当該配管L17における加圧ポンプ15から配管L20に向かう流路が閉状態とされ且つ排出流路L18に向かう流路が開状態とされるものである。すなわち、本実施形態においては、三方弁22が開閉手段及び圧力制御部を兼用させた構成とされているのである。
【0071】
より具体的には、本実施形態に係る三方弁22は、配管L17における加圧ポンプ15から配管L20に向かう流路を通常時(非通電時)開状態とし且つ排出流路L18に向かう流路を閉状態とする三方電磁弁から成り、通電により、配管L17における加圧ポンプ15から配管L20に向かう流路を閉状態とし且つ排出流路L18に向かう流路を開状態とするよう構成されている。すなわち、本実施形態に係る三方弁22は、配管L17における加圧ポンプ15から配管L20に向かう流路と、加圧ポンプ15から排出流路L18に向かう流路とが両方とも開状態又は閉状態とならないよう制御されるものである。
【0072】
しかして、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき、三方弁22に対する通電は行われず、当該配管L17における加圧ポンプ15から配管L20に向かう流路が開状態とされ且つ排出流路L18に向かう流路が閉状態とされるとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、当該配管L17における加圧ポンプ15から配管L20に向かう流路が閉状態とされ且つ排出流路L18に向かう流路が開状態とされる。かかる構成により、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、配管L17における三方弁22と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20より低い圧力とすることができるとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20より高い圧力とすることができる。
【0073】
上記第2の実施形態によれば、開閉手段及び圧力制御部は、配管L17における排出流路L18との分岐部に配設された三方弁22から成り、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき、当該配管L17における加圧ポンプ15から配管L20に向かう流路が開状態とされ且つ排出流路L18に向かう流路が閉状態とされるとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、当該配管L17における加圧ポンプ15から配管L20に向かう流路が閉状態とされ且つ排出流路L18に向かう流路が開状態とされるので、開閉手段と圧力制御部とのそれぞれを形成したものに比べ、部品点数を削減することができるとともに、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるときと希釈水に対する消毒液の混合を行わせないときのとの切り換え時、1つの信号で動作させることができることから、当該切り換え操作をより容易に行わせることができる。
【0074】
また、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様、配管L17における三方弁22から分岐した流路から成り、希釈水又は消毒液を排出し得る排出流路L18と、希釈水に対する消毒液の混合を行わせないとき、配管L17における三方弁22と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20より低い圧力とし得る三方弁22(圧力制御部)とを備えたので、意図せず配管L20に消毒液が混入してしまうのを確実に防止することができる。さらに、本実施形態に係る圧力制御部としての三方弁22は、希釈水に対する消毒液の混合を行わせるとき、配管L17における背圧弁16と加圧ポンプ15との間の流路を配管L20より高い圧力とし得るので、消毒液の配管L20に対する注入を確実且つ円滑に行わせることができ、消毒液と希釈水との混合を良好に行わせることができる。
【0075】
上記第1の実施形態及び第2の実施形態によれば、副液体は、主部を消毒するための消毒液から成るので、消毒時において主液体(希釈水)に対する消毒液の混合をより円滑に行わせることができるとともに、消毒時以外において主液体に消毒液が混合してしまうのをより確実に防止することができる。
【0076】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、図8に示すように、主液体を流通させる主流路La(主部)と、副液体を流通させるとともに、先端が主流路Laに接続された副流路Lbと、該副流路中の副液体を主流路Laに向かって流通させる加圧手段23と、副流路Lbにおける主流路Laとの接続部位P1近傍に配設され、当該副流路Lbを任意に開閉し得る開閉手段24とを具備し、主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、開閉手段24を開状態としつつ加圧手段23を作動させることにより、副液体を副流路Lbから主流路Laに加圧注入させるとともに、主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、開閉手段24を閉状態としつつ加圧手段23を停止させる混合装置において、副流路Lbにおける開閉手段24と加圧手段23との間から分岐した流路から成り、主液体又は副液体を排出し得る排出流路Lcと、主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、副流路Lbにおける開閉手段24と加圧手段23との間の流路を主流路Laより低い圧力とし得る圧力制御部25とを備えたものであれば足りる。
【0077】
しかるに、圧力制御部25は、主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、副流路Lbにおける開閉手段24と加圧手段23との間の流路を主流路Laより高い圧力とし得るものであれば足り、上記実施形態の如き開閉弁から成るものに代えて、例えば排出流路Lcに接続されたチャンバと、該チャンバ内の圧力(液圧又は気圧)を上昇又は下降可能な圧力調整部とから成るものとしてもよい。さらに、本実施形態に係る圧力制御部は、主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、副流路Lbにおける開閉手段24と加圧手段23との間の流路を主流路Laより高い圧力とするものとされているが、副流路Lbにおける開閉手段24と加圧手段23との間の流路の圧力と主流路Laの圧力とを等しくするものを含む(すなわち、副流路Lbにおける開閉手段24と加圧手段23との間の流路の圧力を主流路La(後述する収容手段26も含む)の圧力以上とし得るもの)としてもよい。
【0078】
また、加圧手段23は、上記実施形態の如き加圧ポンプ15に代えて、副液体を主部に向かって加圧注入可能なシリンジ等としてもよい。さらに、本発明においては、主液体を流通させる主流路La(主部)に代えて、図9に示すように、主液体を収容させる主部27としてもよい。なお、図8及び図9中符号26は、副液体を所定量収容可能な収容手段を示している。
【0079】
また更に、本実施形態においては、何れも血液浄化システムを構成する溶解装置3に適用されているが、当該血液浄化システムを構成する他の装置(監視装置1、透析液供給装置2又は水処理装置4等)に適用するようにしてもよい。しかして、本発明によれば、主部は、患者の血液を浄化するための透析液、透析液原液又はこれら透析液若しくは透析液原液を作製するための清浄水を流通させるための流路から成るとともに、主液体は、消毒液を希釈して所定濃度の消毒液を作製するための希釈水から成るので、消毒時において希釈水に対する消毒液の混合をより円滑に行わせることができるとともに、消毒時以外において透析液、透析液原液又はこれら透析液若しくは透析液原液を作製するための清浄水に消毒液が混合してしまうのをより確実に防止することができる。なお、血液浄化器(ダイアライザ)が配設された個人用透析装置と、該個人用透析装置に水及び透析液原液を供給し得る種々装置とを具備した血液浄化システムに適用するようにしてもよい。
【0080】
また、本発明は、血液浄化システムを構成する種々装置に適用するものに限定されず、例えば主液体と副液体との混合を行わせるときと当該混合を行わせないときとの切り換えが必要とされる他の装置(例えば工業製品や部品等を製造するための製造装置やプラント等)に広く適用することができる。勿論、この場合、主液体及び副液体は、異なる二液から成るものであれば、種々のものとすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
副流路における開閉手段と加圧手段との間から分岐した流路から成り、主液体又は副液体を排出し得る排出流路と、主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、副流路における開閉手段と加圧手段との間の流路を主部より低い圧力とし得る圧力制御部とを備えた混合装置であれば、他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 監視装置
2 透析液供給装置
3 溶解装置
4 水処理装置
5 ダイアライザ
6 血液回路
7 複式ポンプ
8 収容手段
9 収容手段
10 溶解槽
11 貯槽
12 溶解槽
13 貯槽
14 収容手段
15 加圧ポンプ(加圧手段)
16 背圧弁(開閉手段)
17 電磁弁(開閉弁)
18 受け部
19 電導度センサ(副液体検知手段)
20 電磁弁(開閉手段)
21 電導度センサ(主液体検知手段)
22 三方弁
23 加圧手段
24 開閉手段
25 圧力制御部
L17 配管(副流路)
L18 排出流路
L20 配管(主部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主液体を流通又は収容させる主部と、
副液体を流通させるとともに、先端が前記主部に接続された副流路と、
該副流路中の副液体を前記主部に向かって流通させる加圧手段と、
前記副流路における主部との接続部位近傍に配設され、当該副流路を任意に開閉し得る開閉手段と、
を具備し、前記主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、前記開閉手段を開状態としつつ前記加圧手段を作動させることにより、前記副液体を副流路から主部に加圧注入させるとともに、前記主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、前記開閉手段を閉状態としつつ前記加圧手段を停止させる混合装置において、
前記副流路における前記開閉手段と加圧手段との間から分岐した流路から成り、前記主液体又は副液体を排出し得る排出流路と、
前記主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、前記副流路における前記開閉手段と加圧手段との間の流路を前記主部より低い圧力とし得る圧力制御部と、
を備えたことを特徴とする混合装置。
【請求項2】
前記圧力制御部は、前記主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、前記副流路における前記開閉手段と加圧手段との間の流路の圧力を前記主部の圧力以上とし得ることを特徴とする請求項1記載の混合装置。
【請求項3】
前記圧力制御部は、先端が大気開放とされた前記排出流路に接続された開閉弁から成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の混合装置。
【請求項4】
前記開閉弁は、任意タイミングで流路を開閉し得る電磁弁又はリリーフ圧を任意設定可能なリリーフ弁から成ることを特徴とする請求項3記載の混合装置。
【請求項5】
前記開閉弁は、通常時は開状態とされ且つ任意タイミングの通電により閉状態とされ得る電磁弁から成り、且つ、前記主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、当該電磁弁及び加圧手段に対する通電を行うとともに、前記主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、当該電磁弁及び加圧手段に対する通電を停止することを特徴とする請求項3記載の混合装置。
【請求項6】
前記開閉手段は、前記副流路に接続された背圧弁又は逆止弁から成り、前記主部に向かう液体の流通を許容しつつその反対方向に向かう液体の流通を規制することを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の混合装置。
【請求項7】
前記開閉手段及び圧力制御部は、前記副流路における前記排出流路との分岐部に配設された三方弁から成り、前記主液体に対する副液体の混合を行わせるとき、当該副流路における前記加圧手段から主部に向かう流路が開状態とされ且つ前記排出流路に向かう流路が閉状態とされるとともに、前記主液体に対する副液体の混合を行わせないとき、当該副流路における前記加圧手段から主部に向かう流路が閉状態とされ且つ前記排出流路に向かう流路が開状態とされることを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の混合装置。
【請求項8】
前記排出流路には、前記主液体を検知する主液体検知手段が配設されたことを特徴とする請求項1〜7の何れか1つに記載の混合装置。
【請求項9】
前記排出流路には、液体の流量を検知する液体流量検知手段が配設されたことを特徴とする請求項1〜8の何れか1つに記載の混合装置。
【請求項10】
前記主部には、前記副液体を検知する副液体検知手段が配設されたことを特徴とする請求項1〜9の何れか1つに記載の混合装置。
【請求項11】
前記主液体に対する副液体の混合を行わせた後、前記圧力制御部にて前記副流路における前記開閉手段と加圧手段との間の流路を前記主部より低い圧力とするとともに前記加圧手段を作動させ、前記副液体検知手段による副液体の検知の有無を判定可能とされたことを特徴とする請求項10記載の混合装置。
【請求項12】
前記副液体は、前記主部を消毒するための消毒液から成ることを特徴とする請求項1〜11の何れか1つに記載の混合装置。
【請求項13】
前記主部は、患者の血液を浄化するための透析液、透析液原液又はこれら透析液若しくは透析液原液を作製するための清浄水を流通又は収容させるための流路又は収容手段から成るとともに、前記主液体は、前記消毒液を希釈して所定濃度の消毒液を作製するための希釈水から成ることを特徴とする請求項12記載の混合装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−254170(P2012−254170A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−128553(P2011−128553)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000226242)日機装株式会社 (383)
【Fターム(参考)】