説明

清掃用シート及び光沢付与装置の清掃方法

【課題】光沢付与装置の清掃を行う際に、清掃用の用紙の取り違いによる用紙の浪費を抑制する。
【解決手段】記録用紙Sの画像形成面に光沢を付与する光沢付与装置400の清掃に用いられる清掃用シート70は、シート状の基材71と、基材71の一面に設けられ、光沢付与装置400による加熱処理で溶融可能な透明樹脂層72と、を備え、基材71には、記録用紙Sとの識別を可能とする印が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用シート及び光沢付与装置の清掃方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録用紙の画像形成面に光沢を付与する光沢付与装置が提供されている(例えば、特許文献1参照)。この光沢付与装置は、透明トナー(クリアトナー)が付与された記録用紙を、加熱ローラーと加圧ローラーとの間にニップして加熱処理及び加圧処理を施すことで当該透明トナーを溶融して軟化させるとともに、表面の透明トナーが軟化した記録用紙を加熱ローラー等に張架されたベルト部材に密着させる。光沢付与装置は、ベルト部材に密着した記録用紙を用紙搬送方向の下流側に搬送しながら冷却し、ベルト部材から剥離することによって、記録用紙の画像形成面に光沢を付与する(光沢付与処理)。
【0003】
上記のように構成された光沢付与装置において、光沢付与の対象となる記録用紙には、画像を構成する色付きのトナーや光沢付与のための透明トナー等、多量のトナーが載っているため、加熱ローラーにより加熱処理された記録用紙がベルト部材に密着して、ベルト部材にトナーが付着してしまう場合がある。
【0004】
光沢付与装置のベルト部材にトナーが付着してしまった場合、透明トナーを定着させて樹脂層を設けた清掃用の用紙を光沢付与装置に搬入し、光沢付与処理時とほぼ同じ条件で当該清掃用の用紙に加熱処理及び加圧処理を施して樹脂層を溶融・軟化させてベルト部材に密着させ、ベルト部材に付着したトナーを当該軟化した樹脂層に埋め込んだ後、当該清掃用の用紙をベルト部材から剥離することで、光沢付与装置の清掃を行っていた。光沢付与装置の清掃を行った後、ベルト部材に付着したトナーが除去されているか否かを容易に確認できるように、清掃用の用紙に設けられた樹脂層は透明に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−090139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したような従来の清掃方法にあっては、樹脂層が透明であるため、樹脂層が形成されている清掃用の用紙と、樹脂層が形成されていない用紙との識別が容易ではなく、誤って樹脂層が形成されていない用紙を清掃用の用紙として通紙させてしまう場合があった。そのような場合、通紙された用紙上には樹脂層が形成されていないためベルト部材に付着したトナーを取り切ることができず清掃効率が悪いばかりでなく、未使用状態の白紙や既に画像形成が施された記録用紙を浪費してしまう場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、光沢付与装置の清掃を行う際に、清掃用の用紙の取り違いによる用紙の浪費を抑制できる清掃用シート及び光沢付与装置の清掃方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、本発明の一態様によれば、
記録用紙の画像形成面に光沢を付与する光沢付与装置の清掃に用いられる清掃用シートであって、
シート状の基材と、
前記基材の一面に設けられ、前記光沢付与装置による加熱処理で溶融可能な透明樹脂層と、を備え、
前記基材には、前記記録用紙との識別を可能とする印が設けられていることを特徴とする清掃用シートが提供される。
【0009】
好ましくは、前記透明樹脂層は、トナーからなる。
【0010】
好ましくは、前記印は、前記基材の一面に付された文字、記号又は模様である。
【0011】
好ましくは、前記印は、前記基材に設けられた切り欠き又は孔である。
【0012】
本発明の他の態様によれば、
画像が形成された記録用紙を、加熱処理及び加圧処理を行うローラー対にニップさせ、前記ローラー対の一方に張架されたベルト部材に前記記録用紙の画像形成面を密着させた後、前記記録用紙を前記ベルト部材から剥離することで、前記画像形成面に光沢を付与する光沢付与装置を清掃する光沢付与装置の清掃方法であって、
請求項1から4の何れか一項に記載の清掃用シートを、前記ローラー対にニップさせ、前記ベルト部材に、前記清掃用シートの一面に設けられた透明樹脂層を密着させた後、前記清掃用シートを前記ベルト部材から剥離することで、前記ベルト部材の清掃を行うことを特徴とする光沢付与装置の清掃方法が提供される。
【0013】
好ましくは、前記ローラー対のニップ部の温度を、前記記録用紙を通紙する際の前記ローラー対の前記ニップ部の温度よりも高くする。
【0014】
好ましくは、前記清掃用シートの搬送速度を、前記記録用紙を通紙する際の前記記録用紙の搬送速度よりも低くする。
【0015】
好ましくは、前記ローラー対のニップ部に通紙される直前の用紙を識別手段により識別し、前記用紙が前記清掃用シートであると識別された場合に、前記用紙を前記ローラー対のニップ部に通紙する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光沢付与装置の清掃を行う際に、清掃用の用紙の取り違いによる用紙の浪費を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る画像形成システムを示す概略図である。
【図2】光沢付与装置を示す概略図である。
【図3】清掃用シートの一態様を示す概略図である。
【図4】清掃用シートの他の態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0019】
図1は、本発明に係る清掃方法で清掃可能な光沢付与装置400を備えた画像形成システム500を示す概略図である。
画像形成システム500は、画像形成装置200、透明トナー付与部60を備えた後処理装置300、光沢付与装置400等から構成されている。
【0020】
画像形成装置200は、給紙部1、トナー像形成部2、定着部30及び排紙部50等を備えている。
【0021】
給紙部1は、複数のトレイ11、複数の送り出しローラー12、複数の搬送ローラー13及びレジストローラー14等を備える。トレイ11は、決められたサイズの記録用紙Sをそれぞれ収容しており、制御部80からの指示に応じて定められたトレイ11の送り出しローラー12を作動させ、記録用紙Sを供給する。搬送ローラー13は、送り出しローラー12によってトレイ11から送り出された記録用紙Sをレジストローラー14まで搬送する。レジストローラー14は、記録用紙Sがトナー像形成部2に供給されるタイミングを調整する。
【0022】
トナー像形成部2は、中間転写体である転写ベルト20を用いた、タンデム方式のカラー画像形成装置である。トナー像形成部2は、転写ベルト20、プロセスユニット21Y,21M,21C,21K、二次転写ローラー203等を備えている。
【0023】
転写ベルト20の周囲には、イエローY、マゼンタM、シアンC、黒Kの有色トナー像形成部から成る4組のプロセスユニット21Y,21M,21C,21Kが設けられている。各プロセスユニット21Y,21M,21C,21Kでは、それぞれY、M、C、Kのトナー像が形成され、転写ベルト20の上に重ね合わせて転写される。転写されたトナー像は、レジストローラー14によりタイミングが調整された記録用紙S上に一括転写される。なお、本願においては、各色のトナーY、M、C、Kの少なくとも1つが記録用紙Sに載せられた状態をトナー像と称している。
【0024】
4組のプロセスユニット21Y,21M,21C,21Kについて説明する。なお、各プロセスユニット21Y,21M,21C,21Kにおいて、同一の構成部材には同一の符号を付し、その符号の後に各色を表す符号Y、M、C、Kを付して表記する。また、特に区別が必要ない場合には符号Y,M,C,Kを付さずに表記する。
【0025】
像形成体である感光体ドラム211は、表面に光導電層の形成された像担持体であり、図示しない駆動装置により図1中の矢印方向に回転可能に構成されている。帯電器212は、感光体ドラム211の表面に均一に電荷を与え、感光体ドラム211の表面を一様に帯電させる。露光器213は、レーザーダイオード等のビーム発光源を備え、帯電された感光体ドラム211の表面にビーム光を照射することで照射部分の電荷を消失させ、感光体ドラム211上に各色の画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0026】
現像部214は、Y,M,C,Kの何れかのトナーを収容し、Y,M,C,Kの画像データに応じたトナーを感光体ドラム211に供給して、感光体ドラム211表面に各色のトナー像を作像する。
【0027】
一次転写ローラー215は、転写ベルト20を介して感光体ドラム211と対向し、感光体ドラム211上のトナー像を転写ベルト20に転写する。
【0028】
転写ベルト20は、無端状のベルトであり、駆動ローラー201と、複数のテンションローラー202とにより張架されている。転写ベルト20は、図示しない駆動装置により図1中の矢印方向に回転可能に構成されている。二次転写ローラー203は、転写ベルト20を介してテンションローラー202に対向し、転写ベルト20上に転写されたトナー像を給紙部1から供給された記録用紙Sに転写する。トナー像が転写された記録用紙Sは、定着部30へ搬送される。
【0029】
定着部30は、トナー像が転写された記録用紙Sに対し、加熱ローラー32及び加圧ローラー33により熱と圧力を加えて定着処理を施し、これにより記録用紙S上に画像を定着させる。画像が定着された記録用紙Sは、定着部30から排紙部50に搬送され、排紙部50から後処理装置300に搬送される。
【0030】
後処理装置300は、透明トナー付与部60及び制御部81等を備えている。後処理装置300は、図示しない綴じ処理部や折り処理部等を備えていても良い。制御部81は、後処理装置300の各部を制御する。
【0031】
透明トナー付与部60は、上記したプロセスユニット21Y,21M,21C,21Kと略同様に構成されている。プロセスユニット21を構成する部材と同一の部材については同一の符号を付し、その符号の後に透明トナーを表す符号Tを付して表記する。
【0032】
透明トナー付与部60は、帯電器212Tにより感光体ドラム211Tの表面を一様に帯電させ、露光器213Tにより感光体ドラム211Tの表面に静電潜像を形成する。感光体ドラム211Tは、図2中の矢印方向に回転可能に構成されている。感光体ドラム211Tの表面上に形成される静電潜像は、記録用紙S上に形成されたトナー像を含む記録用紙Sの面全体に対応するものであっても良いし、記録用紙S上に形成されたトナー像以外の領域(非画像領域)に対応するものであっても良い。透明トナー付与部60は、このようにして静電潜像の形成された感光体ドラム211Tに現像部214Tにより透明トナーTを供給して、感光体ドラム211T上に透明トナー像を形成し、一次転写ローラー215Tにより当該透明トナー像を転写ベルト20Tに転写する。更に、透明トナー付与部60は、転写ベルト20Tに対向して設けられた二次転写ローラー203Tにより、転写ベルト20Tに転写された透明トナー像を記録用紙S上に転写する。透明トナー像が転写された記録用紙Sは、光沢付与装置400に搬送される。
【0033】
なお、透明トナー付与部60は、記録用紙Sの画像形成面において、画像が形成されていない領域(非画像領域)にも光沢を付与する場合に、上記した透明トナーTを付与する処理を行い、記録用紙Sの画像形成面において画像が形成されている領域のみに光沢を付与する場合には、透明トナーTを付与することなく記録用紙Sを用紙搬送方向の下流側に搬送しても良い。
【0034】
光沢付与装置400について図2を参照しながら説明する。
光沢付与装置400は、加熱ローラー41と、加熱ローラー41に対向して配置される加圧ローラー42と、加熱ローラー41及び加圧ローラー42よりも用紙搬送方向の下流側に配置される剥離ローラー45と、加熱ローラー41と剥離ローラー45の間の上方に配置されるステアリングローラー46と、加熱ローラー41、剥離ローラー45及びステアリングローラー46に張架されるベルト部材43と、加熱ローラー41と剥離ローラー45との間においてベルト部材43を冷却する複数の冷却部材44と、剥離ローラー45の近傍であってベルト部材43に対向して設けられる清掃箇所検知部47と、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413よりも用紙搬送方向の上流側に設けられるスキャン部(識別手段)48と、を備える。
【0035】
加熱ローラー41は、熱伝導性の高い金属製の芯金の表面に、厚さ30μm程度のフッ素樹脂チューブ等からなる離型層が形成されて構成され、芯金の内部にハロゲンランプ等の加熱部材である熱源411を備えている。熱源411は、所定の温度となるように加熱ローラー41の表面を加熱する。また、加熱ローラー41の近傍には温度検知センサー412が設けられ、温度検知センサー412により、加熱ローラー41の温度が検知され制御される。また、加熱ローラー41は、図示しない駆動装置によって図2中の矢印方向に回転可能に構成されている。
【0036】
加圧ローラー42は、熱伝導性の高い金属芯金にゴム硬度(JISA)32°程度のシリコーンゴム等からなる弾性体層が被覆されて構成され、その表面には、例えばフッ素樹脂チューブ等からなる離型層が形成されている。加圧ローラー42は、ベルト部材43を介して加熱ローラー41に対向して配置されている。また、加圧ローラー42は、図示しない駆動装置によって図2中の矢印方向に回転可能に構成されている。また、加圧ローラー42の近傍には冷却ファン421が設けられており、加熱ローラー41により加熱された加圧ローラー42が、冷却ファン421によって冷却される。
【0037】
これら加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413を記録用紙Sが通過すると、当該記録用紙Sは加熱ローラー41及び加圧ローラー42により加熱処理及び加圧処理が施され、記録用紙Sの画像形成面に付与された透明トナーTが溶融し、軟化しながら記録用紙Sがベルト部材43に押圧される。
【0038】
ベルト部材43は、表面にテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)やポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂をコートし、表面粗さ(Ra)が0.2μm程度の平滑度を持たせた、例えば、熱硬化型ポリイミド(PI)製の無端状ベルト部材である。ベルト部材43は、加熱ローラー41、剥離ローラー45及びステアリングローラー46に張架され、加熱ローラー41に従動して回転移動する。ベルト部材43は、加熱ローラー41から離間した後剥離ローラー45に接触するまでの間において、表面の透明トナーTが溶融して軟化した記録用紙Sと密着された状態となる。これにより、透明トナーTが軟化した記録用紙Sの表面が、平滑なベルト部材43の表面に倣って、平滑化される。ベルト部材43における、加熱ローラー41から離間した後剥離ローラー45に接触するまでの長さ、即ち、ベルト部材43の定着距離は、一例として500mm程度である。
なお、ベルト部材43の素材としては、金属又は耐熱性樹脂であるポリエチレンテレフタレート(PET)材をベースにしてもよい。
【0039】
冷却部材44は、用紙搬送方向に沿って複数設けられ、加熱ローラー41と剥離ローラー45との間においてベルト部材43の外周面及び内周面にそれぞれ対向して配置されている。冷却部材44は、密着状態にあるベルト部材43と記録用紙Sに送風し、冷却する。具体的には、記録用紙Sが加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413を通過して剥離ローラー45に到達するまでの間、ベルト部材43及び記録用紙Sは冷却部材44により冷却される。これにより、加熱ローラー41により加熱され溶融された、記録用紙S上のトナーは、ベルト部材43の平滑な表面に倣って固化され、記録用紙Sの画像形成面の表面を平滑にすることができる。例えば、冷却部材44は、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413を通過した後、剥離ローラー45に到達する直前における、ベルト部材43の表面温度が約50℃となるように、ベルト部材43及び記録用紙Sを冷却する。
【0040】
剥離ローラー45は、ベルト部材43の回転移動に従動して回転する。ベルト部材43が剥離ローラー45に張架されていることで、ベルト部材43に密着された記録用紙Sは、記録用紙S自体の剛性と、ベルト部材43に与えられた曲率とによって、ベルト部材43から剥離される。
なお、剥離ローラー45の表面には、加熱ローラー41や加圧ローラー42と同様の離型層が形成されていることが好ましい。
【0041】
ステアリングローラー46は、ベルト部材43を連続的に循環移動させたときに生じる偏り(ベルト部材43がステアリングローラー46の軸方向の何れかへ移動する現象)を修正するように構成されている。
【0042】
清掃箇所検知部47は、剥離ローラー45の近傍であって、剥離ローラー45によって記録用紙Sから剥離された直後のベルト部材43に対向するように設けられている。清掃箇所検知部47は、例えば、凹凸検知手段、色検知手段又は光学的反射率検知手段等であって、ベルト部材43に付着したトナーを検知するセンサーである。具体的には、清掃箇所検知部47として例えば、IDC(Image Density Control)センサーを用いることができる。IDCセンサーは、ベルト部材43表面からの反射光強度を検出して、ベルト部材43上に付着したトナーの有無を検出できるセンサーである。
清掃箇所検知部47が設けられていることにより、ベルト部材43上のトナー付着部分、即ち清掃箇所を検知することができる。
【0043】
スキャン部48は、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413よりも用紙搬送方向の上流側に設けられ、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413に搬入される直前の用紙に対向するように設けられている。スキャン部48は、ニップ部413に通紙される直前の用紙をスキャンし、当該用紙が清掃用の用紙(後述する清掃用シート70)であるか否かを検知することで、当該用紙が記録用紙Sであるか清掃用の用紙であるかを識別する。
【0044】
制御部49は、光沢付与装置400の各部を制御する。制御部49は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)を備え、光沢付与装置400用の各種処理プログラムに従って各種動作を行う。
【0045】
以上のように構成された光沢付与装置400を清掃する際に用いられる清掃用シート、及びその清掃用シートを用いた光沢付与装置の清掃方法について説明する。
光沢付与装置400により、表面にトナーが付与された記録用紙Sに対して、光沢を付与する処理(光沢付与処理)を行うと、光沢付与装置400のベルト部材43の表面にトナーが付着する場合がある。このような場合に光沢付与装置400を清掃する清掃用の用紙として、本発明の清掃用シート70が用いられる。本発明の清掃用シート70は、シート状の基材71と、当該基材71の一面に設けられ、光沢付与装置400による加熱処理で溶融可能な透明樹脂層72と、を備え、基材71には記録用紙Sとの識別を可能とする所定の印が設けられているものである。
【0046】
まず、本発明の清掃用シート70について、図3及び図4を参照して説明する。図3及び図4は、それぞれ清掃用シート70の一例を示したものであって、これらに限られるものではない。
【0047】
基材71は、光沢付与装置400内に搬入され、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413を通過し、機外に排出されることが可能な用紙であれば特に限定されるものではないが、例えば、記録用紙Sと同種類の用紙であっても良い。
一例として、ベルト部材43の直径が340mm、幅340mmである場合には、基材71としては、例えば、シート幅350mm、搬送方向長さ1100mmの用紙を用いることができる(図3参照)。また、ベルト部材43が上記のサイズである場合、基材71としては、シート幅329mm、搬送方向長さ530mmの用紙(図4参照)3枚を、互いに搬送方向に10mm幅で重ねて用いることもできる。
また、清掃箇所検知部47によりベルト部材43上の清掃箇所を検知する場合には、当該清掃箇所の領域をカバーできるサイズの基材71を用いれば良い。したがって、ベルト部材43の面積よりも小さい面積の基材71を用いることができるので、清掃用シート70を用いた清掃コストを低減することができる。
【0048】
透明樹脂層72は、光沢付与装置400の加熱ローラー41による加熱処理で溶融可能であれば良く、例えば、透明トナーTを用いて形成することができる。透明樹脂層72が透明トナーTにより形成されている場合において、透明樹脂層72を形成するのに必要なトナー量は、4〜8g/mが好ましく、6g/mが更に好ましい。基材71上のトナー量を4g/m未満とすると、基材71の表面全体にトナーが十分に乗り切らないためベルト部材43に付着したトナー等の汚れを充分に除去できず、基材71上のトナー量を8g/mを超える量にすると、透明樹脂層72を加熱・軟化させるためにより多くの熱エネルギーが必要となり非効率的である。
【0049】
また、清掃用シート70の基材71には、例えば図3及び図4に示すように、記録用紙Sとの識別を可能とする所定の印が設けられている。
基材71の両面のうち透明樹脂層72が形成されている面には、記録用紙Sとの識別を可能とする所定の印が設けられている。例えば、図3に示すように、基材71には「清掃用」の文字が印字されている。これにより、透明樹脂層72が透明であるため、基材71に印字された「清掃用」の文字が透明樹脂層72の上から透けて見え、ユーザーは一見して清掃用シート70と記録用紙Sとを識別することができる。したがって、光沢付与装置400の清掃を行う際に、ユーザーが誤って記録用紙Sと清掃用シート70を取り違えてしまうことを抑制できる。なお、基材71の表面に設けられる所定の印としては、「清掃用」の文字に限られるものではなく、例えば、日付や清掃回数等の文字であっても良いし、図形や模様等であっても良く、記録用紙Sと清掃用シート70とを識別可能とする印であれば何れであっても良い。
【0050】
また、基材71に設けられる所定の印としては、例えば、図4に示すように、清掃用シート70の四隅のうちの何れかの箇所に設けられ、基材71の厚さ方向に貫通する丸形の孔部73であっても良い。基材71に設けられる所定の印がこのように孔部73である場合であって、複数枚の清掃用シート70を互いに搬送方向に重ね合わせた状態で光沢付与装置400に通紙して清掃を行う際には、互いの清掃用シート70の孔部73同士が重なり合わないように配置して通紙することが好ましい。このように配置して通紙することで清掃用シート70の孔部73が形成された部分においてもベルト部材43上に付着したトナー等の汚れを除去することができ、ベルト部材43上をムラなく清掃することができる。なお、孔部73が設けられる位置は清掃用シート70の四隅の何れかに限られるものではなく、光沢付与装置を清掃する上で不都合とならない範囲であれば何れの位置であっても良い。また、孔部73の形状は丸形に限られるものではなく、楕円形状や多角形状等、何れの形状であっても良い。
なお、基材71に設けられる所定の印としては、基材71の周縁部の何れかの位置を所定形状に切り欠いたものであっても良い。この場合、切り欠きの位置は、基材71の四隅の何れかであっても良いし、その他の位置であっても良い。また、切り欠きの形状は、丸形状や多角形状であっても良いし、その他の形状であっても良い。
【0051】
また、基材71に設けられる所定の印としては、例えば、図3及び図4に示すように清掃用シート70の四隅のうちの何れかの箇所に付された縞模様74であっても良い。これにより、光沢付与装置400のスキャン部48はニップ部413に通紙される直前の用紙をスキャンし、当該用紙に縞模様74がある場合には当該用紙が清掃用シート70であることを検知することができる。ニップ部413に通紙される直前の用紙が清掃用シート70でないとスキャン部48により検知された場合、制御部49は、当該用紙の搬送を停止し、ニップ部413に通紙される直前の用紙が清掃用シート70であるとスキャン部48により検知された場合、制御部49は、当該用紙をニップ部413に通紙する。これにより、ユーザーが清掃用シート70と取り違えて記録用紙Sを光沢付与装置400に搬入してしまったような場合であっても、当該記録用紙Sが浪費されることを防止することができる。また、用紙の搬送を停止したときに、画像形成システム500の何れかの表示画面(図示略)にエラー表示等を表示するものとしても良い。
なお、ニップ部413に通紙される直前の用紙が清掃用シート70でない、即ち、記録用紙Sであると検知された場合に、制御部49は、当該用紙の用紙搬送路を切り替えて当該用紙をニップ部413以外へ搬送するものとしても良い。
また、スキャン部48が検知する所定の印としては、上記縞模様74に限られるものではなく、上記した基材71に付された文字、記号又は模様等であっても良いし、基材71に設けられた孔部や切り欠き等であっても良い。
【0052】
さらに、基材71上には、その一面の重心位置に対して略点対称になるように、一対の印(あるいは1つの印)が設けられてもよい。この場合、仮に清掃用シート70の先端・後端が反対に装填されたとしても、清掃用シート70上のスキャン位置が略同じであるため、スキャン部48による印の識別が容易になる。すなわち、ユーザーは、清掃用シート70の装填向きを意識する必要がなくなり、作業上便宜である。
さらに、基材71自体を、記録用紙Sと識別可能(容易)な色に着色してもよい。特に明度が低い(光学濃度が高い)色に着色することで、清掃用シート70上の光沢の差異が際立って視認されるようになる。すなわち、清掃用シート70上に主に透明トナーTが付着した場合、ユーザーは、色のみならず光沢の発生程度を手掛かりにして、光沢付与装置400の清掃効果を目視で確認できる。なお、基材71の色は、明度(L*)が5以上50以下であることが好ましく、10以上30以下であることが一層好ましい。
【0053】
次に、清掃用シート70を用いた、本発明の光沢付与装置の清掃方法について説明する。
本発明の清掃方法では、清掃用シート70を、透明樹脂層72がベルト部材43の外周面に対向するように、光沢付与装置400内に搬入する。このとき、清掃用シート70には所定の印が設けられているため、ユーザーが清掃用シート70と取り違えて記録用紙Sを搬入してしまうことが抑制される。光沢付与装置400内に搬入された清掃用シート70は、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413に通紙される直前にスキャン部48により、清掃用シート70であるか否かが識別され、清掃用シート70であると識別されるとニップ部413に通紙される。ニップ部413に通紙された清掃用シート70は、用紙搬送方向の下流側へ搬送されながら加熱処理及び加圧処理が施され、清掃用シート70上の透明樹脂層72が溶融して軟化する。これにより、清掃用シート70がベルト部材43に密着し、ベルト部材43に付着したトナーが、軟化した透明樹脂層72内に埋め込まれる。ベルト部材43に密着した清掃用シート70は、冷却部材44により冷却されながら用紙搬送方向の下流側に搬送され、剥離ローラー45によりベルト部材43から剥離される。透明樹脂層72内に埋め込まれたトナーは、清掃用シート70と共にベルト部材43から剥離されるため、ベルト部材43上に付着したトナーは除去される。このようにして光沢付与装置400の清掃を行う。
【0054】
本発明の光沢付与装置の清掃方法においては、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413の温度を、記録用紙Sを通紙して光沢付与処理を行う際のニップ部413の温度よりも高くすることが好ましい。具体的には、上記光沢付与装置の清掃方法を行う際の加熱ローラー41の温度を、記録用紙Sを通紙して光沢付与処理を行う際の加熱ローラー41の温度よりも高く設定する。これにより、清掃用シート70の透明樹脂層72の溶融・軟化の程度が大きくなりベルト部材43に付着したトナーがより確実に透明樹脂層72内に埋め込まれ、光沢付与装置400の清掃をより効率的に行うことができる。
【0055】
また、本発明の光沢付与装置の清掃方法においては、清掃用シート70の搬送速度を、記録用紙Sを通紙して光沢付与処理を行う際の記録用紙Sの搬送速度よりも低くすることが好ましい。具体的には、上記光沢付与装置の清掃方法を行う際のベルト部材43の回転移動速度を、記録用紙Sを通紙して光沢付与処理を行う際のベルト部材43の回転移動速度よりも低く設定する。これにより、清掃用シート70がベルト部材43に密着している時間が長くなり、冷却部材44によって清掃用シート70及びベルト部材43が長い時間をかけて冷却される。したがって、ベルト部材43に付着したトナーがベルト部材43に残留することなく清掃用シート70とともにベルト部材43から剥離され、光沢付与装置400の清掃をより効率的に行うことができる。
【0056】
例えば、記録用紙Sの両面に光沢を付与する場合において、記録用紙Sの一面目の光沢付与処理時の加熱ローラー41の温度を170℃、記録用紙Sの搬送速度を60mm/sに設定し、記録用紙Sの二面目の光沢付与処理時の加熱ローラー41の温度を160℃、記録用紙Sの搬送速度を75mm/sに設定した場合には、清掃工程時の加熱ローラー41の温度を180℃、清掃用シート70の搬送速度を45mm/sに設定する。
【0057】
また、清掃箇所検知部47によりベルト部材43上の清掃箇所を検知する場合には、ベルト部材43上の清掃箇所に清掃用シート70が当接するように、ベルト部材43の回転移動のタイミングに同期させて清掃用シート70を搬入する。これにより、清掃箇所の領域をカバーできるサイズの清掃用シート70を用いたとしても、ベルト部材43上に付着したトナー等の汚れを確実に除去することができる。
【0058】
なお、上記した本発明の清掃方法においては、予め形成された清掃用シート70を用いて光沢付与装置の清掃を行うものとしたが、これに限られるものではなく、光沢付与装置の清掃を行う直前に、画像形成システム500を用いて清掃用シート70を形成し、形成した清掃用シート70を用いて光沢付与装置の清掃を行うものとしても良い。この場合には、所定の用紙を基材71として使用し、当該基材71に記録用紙Sとの識別を可能とする所定の印を設けた後、後処理装置300を用いて当該基材71の一面に透明トナーTを付与し、基材71上に透明樹脂層72を形成することで、清掃用シート70を形成する。また、基材71に設けられる所定の印が切り欠きや孔である場合には、基材71上に透明樹脂層72を形成した後に当該所定の印を設けるものとしても良い。
【0059】
以上、本実施形態によれば、シート状の基材71の一面に、光沢付与装置400の加熱ローラー41による加熱処理で溶融可能な透明樹脂層72が形成されてなる清掃用シート70に、記録用紙Sとの識別を可能とする印が設けられているので、ユーザーが一見して記録用紙Sと清掃用シート70とを識別することができる。これにより、光沢付与装置の清掃を行う際に、ユーザーが清掃用シート70と取り違えて記録用紙Sを光沢付与装置400に搬入してしまうことを抑制でき、用紙の浪費を抑制することができる。
【0060】
また、清掃用シート70の透明樹脂層72がトナーからなる場合には、画像形成システム500を用いることで清掃用シート70を容易に形成することができる。
【0061】
また、基材71に設けられる印が文字、記号又は模様である場合には、光沢付与装置400に搬入される用紙をスキャン部48にスキャンさせることで、当該用紙が記録用紙Sであるか清掃用シート70であるかを光沢付与装置400に識別させることができる。これにより、光沢付与装置の清掃を行う際に、ユーザーが清掃用シート70と取り違えて記録用紙Sを光沢付与装置400に搬入したとしても、当該用紙が記録用紙Sであると識別した場合に用紙の搬送を停止する等して、用紙の浪費を防止することができる。
【0062】
また、基材71に設けられる印が切り欠き又は孔である場合には、当該印を設けることで清掃用シート70の形状を記録用紙Sと明確に異ならせることができ、記録用紙Sとの識別性を更に向上させることができる。また、基材71に設けられる印が切り欠き又は孔であるため、清掃用シート70を形成する場合において、基材71に透明樹脂層72を形成した後に印を設けることも可能となり、清掃用シート70の形成を更に容易に行うことができる。
【0063】
また、清掃用シート70を用いた本発明の光沢付与装置の清掃方法において、ニップ部413の温度を、記録用紙Sを通紙して光沢付与処理を行う際のニップ部413の温度よりも高くするので、清掃用シート70上の透明樹脂層72の溶融・軟化の程度が大きくなり、ベルト部材43に付着したトナーが透明樹脂層72内により確実に埋め込まれる。したがって、光沢付与装置400の清掃をより効率的に行うことができる。
【0064】
また、清掃用シート70を用いた本発明の光沢付与装置の清掃方法において、清掃用シート70の搬送速度を、記録用紙Sを通紙して光沢付与処理を行う際の記録用紙Sの搬送速度よりも低くするので、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413を通過した清掃用シート70が、冷却部材44により緩やかに冷却され、付着したトナーがベルト部材43に残留することなく清掃用シートとともに剥離される。したがって、光沢付与装置400の清掃をより効率的に行うことができる。
【0065】
また、加熱ローラー41と加圧ローラー42とのニップ部413に通紙される直前の用紙をスキャン部48により識別し、当該用紙が清掃用シート70であると識別された場合に、当該用紙をニップ部413に通紙するので、光沢付与装置の清掃時にユーザーが誤って記録用紙Sを搬入してしまったような場合であっても、用紙の浪費を防止することができる。
【0066】
なお、上記実施形態では、透明トナー付与部を備える後処理装置と、画像形成装置と、光沢付与装置とがそれぞれ別体として設けられているものとしたが、これらは一体として設けられていても良いし、光沢付与装置が後処理装置の構成の一部として組み込まれていても良い。更に、後処理装置の透明トナー付与部は、画像形成装置の構成の一部として組み込まれていていても良いし、光沢付与装置の構成の一部として組み込まれていても良い。また、上記実施形態では、光沢付与装置は、画像形成後に後処理装置を通過して搬送される記録用紙に対して、連続して光沢付与処理を行えるように、画像形成装置及び後処理装置に隣接して設けられているものとしたが、光沢付与装置は画像形成装置及び後処理装置に隣接して設けられていなくても良い。即ち、光沢付与装置は、画像形成装置及び後処理装置の設置位置とは全く別の場所に設置されていても良い。
【0067】
また、上記実施形態では、清掃箇所検知部が設けられているものとしたが、清掃箇所検知部は設けられていなくても良い。清掃箇所検知部が設けられている場合には、ベルト部材上の清掃箇所を検知できるので、ベルト部材上の清掃箇所の領域にのみ清掃用シートを密着させることができ、清掃用シートの使用枚数を低減することができる。また、検知されたベルト部材上の清掃箇所の領域をカバーできるサイズの清掃用シートを密着させれば良いので、清掃箇所の領域に応じたサイズの清掃用シートを用いることができる。したがって、光沢付与装置の清掃コストを低減させることができる。
【0068】
また、上記実施形態では、スキャン部が設けられているものとしたが、スキャン部は設けられていなくても良い。スキャン部が設けられている場合には、加熱ローラーと加圧ローラーとのニップ部に通紙される用紙が記録用紙であるか又は清掃用シートであるかを識別することができるので、ユーザーが清掃用シートと取り違えて記録用紙を光沢付与装置に搬入したとしても、これを検知して用紙の浪費を抑制することができる。
【0069】
また、上記実施形態では、清掃用シートの透明樹脂層は基材の一面に形成されているものとしたが、透明樹脂層は基材の両面に形成されているものとしても良い。この場合、一枚の清掃用シートの表面と裏面とを使用することで光沢付与装置の清掃を2回行えるので清掃コストを低減させることができる。
【0070】
また、上記実施形態では、清掃用シートの透明樹脂層は、一例として透明トナーにより形成されていてもよいものとしたが、例えば、ポリエステル等、透明トナー以外の透明樹脂であって、光沢付与装置の加熱処理で溶融可能なものを用いて形成されているものとしても良い。
【符号の説明】
【0071】
20T 転写ベルト
41 加熱ローラー
42 加圧ローラー
43 ベルト部材
44 冷却部材
45 剥離ローラー
46 ステアリングローラー
47 清掃箇所検知部
48 スキャン部(識別手段)
49 制御部
60 透明トナー付与部
70 清掃用シート
71 基材
72 透明樹脂層
73 孔部
74 縞模様
200 画像形成装置
203T 二次転写ローラー
211T 感光体ドラム
212T 帯電器
213T 露光器
214T 現像部
215T 一次転写ローラー
300 後処理装置
400 光沢付与装置
411 熱源
412 温度検知センサー
413 ニップ部
421 冷却ファン
500 画像形成システム
S 記録用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録用紙の画像形成面に光沢を付与する光沢付与装置の清掃に用いられる清掃用シートであって、
シート状の基材と、
前記基材の一面に設けられ、前記光沢付与装置による加熱処理で溶融可能な透明樹脂層と、を備え、
前記基材には、前記記録用紙との識別を可能とする印が設けられていることを特徴とする清掃用シート。
【請求項2】
前記透明樹脂層は、トナーからなることを特徴とする請求項1に記載の清掃用シート。
【請求項3】
前記印は、前記基材の一面に付された文字、記号又は模様であることを特徴とする請求項1又は2に記載の清掃用シート。
【請求項4】
前記印は、前記基材に設けられた切り欠き又は孔であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の清掃用シート。
【請求項5】
画像が形成された記録用紙を、加熱処理及び加圧処理を行うローラー対にニップさせ、前記ローラー対の一方に張架されたベルト部材に前記記録用紙の画像形成面を密着させた後、前記記録用紙を前記ベルト部材から剥離することで、前記画像形成面に光沢を付与する光沢付与装置を清掃する光沢付与装置の清掃方法であって、
請求項1から4の何れか一項に記載の清掃用シートを、前記ローラー対にニップさせ、前記ベルト部材に、前記清掃用シートの一面に設けられた透明樹脂層を密着させた後、前記清掃用シートを前記ベルト部材から剥離することで、前記ベルト部材の清掃を行うことを特徴とする光沢付与装置の清掃方法。
【請求項6】
前記ローラー対のニップ部の温度を、前記記録用紙を通紙する際の前記ローラー対の前記ニップ部の温度よりも高くすることを特徴とする請求項5に記載の光沢付与装置の清掃方法。
【請求項7】
前記清掃用シートの搬送速度を、前記記録用紙を通紙する際の前記記録用紙の搬送速度よりも低くすることを特徴とする請求項5又は6に記載の光沢付与装置の清掃方法。
【請求項8】
前記ローラー対のニップ部に通紙される直前の用紙を識別手段により識別し、前記用紙が前記清掃用シートであると識別された場合に、前記用紙を前記ローラー対のニップ部に通紙することを特徴とする請求項5から7の何れか一項に記載の光沢付与装置の清掃方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−113864(P2013−113864A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257102(P2011−257102)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】