説明

減圧創傷治療ドレッシング及びシステム

減圧創傷治療システムの一部としての使用に適する創傷閉合ドレッシングであり、シーリングドレープと、一又はそれ以上の収縮エレメントと、把持部材を具える。収縮エレメントは、シーリングドレープに連結され、作動時に収縮して閉合力を生成するように構成されている。把持部材はシーリングドレープに連結されて、閉合力を患者の上皮に伝えるように構成されている。その他のドレッシング、システム、及び方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本発明は、2008年11月7日付で出願された米国暫定特許出願第61/112,371号“Reduced−Pressure Wound Treatment Dressing and System”について、35U.S.C.§119(e)の利益を主張する。この出願は、すべての目的においてここに参照されている。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的に治療システムに関し、特に、減圧創傷治療ドレッシング、システム及び方法に関する。
【0003】
創傷は、外科的切開など意図的に受けるものや、事故によるものなど意図することなく受けるものがある。いずれの場合も、創傷の閉合は、生命維持に必要な体液の喪失と微生物の侵入を防ぐのに重要である。通常、創傷は縫合糸あるいはステープルを用いて閉合する。
【0004】
しかしながら、縫合糸またはステープルの使用は望ましくない副作用が生じることがある。例えば、縫合糸やステープルの挿入は、縫合糸やステープルが患者の上皮に入る箇所に患者に更なる傷を負わせることが不可欠である。これらの更なる傷も感染が生じ得る対象である。更に、創傷自体が瘢痕を残す一方で、縫合糸やステープルからの更なる傷は更なる瘢痕を残すことになり、もともとの創傷後のすでに望ましくない特徴を不必要に目立たせることになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、様々な非限定的な実施例において図に示して説明するように、創傷ケアの欠点に取り組んでいる。非限定的な実施例によると、患者の創傷を治療する減圧創傷治療システムは、創傷閉合ドレッシングと、シーリングドレープの組織に対向する面と創傷との間に配置するマニフォールド部材と、創傷閉合ドレッシングに減圧を送達する減圧サブシステムと、を具える。創傷閉合ドレッシングは、第1面と組織に対向する面とを有するシーリングドレープと、このシーリングドレープに連結された収縮エレメントと、シーリングドレープに連結された把持部材と、を具える。シーリングドレープは、創傷の上に配置する。収縮エレメントは、作動すると収縮し、これによって閉合力を生成するように構成されている。把持部材は、閉合力を患者の上皮に伝えるように構成されている。シーリングドレープと把持部材は、創傷の上に流体シールを形成するように構成されている。
【0006】
別の非限定的な実施例によれば、創傷閉合ドレッシングは、第1面と組織に対向する面とを有するシーリングドレープと、このシーリングドレープに連結された収縮エレメントと、シーリングドレープに連結された把持部材と、を具える。収縮エレメントは創傷の上に配置される。収縮エレメントは、作動すると収縮し、これによって閉合力を生成するように構成されている。把持部材は、この閉合力を患者の上皮に伝えるように構成されている。シーリングドレープと把持部材は、創傷の上に流体シールを形成するように構成されている。
【0007】
別の図に示す非限定的な実施例によれば、創傷閉合ドレッシングは、第1面と組織に対向する面とを有するシーリングドレープと、シーリングドレープに連結した溶ける本体と、この溶ける本体に伸長位置で連結した伸縮部材と、を具える。シーリングドレープは、創傷の上に配置される。伸縮部材は、溶ける本体の少なくとも一部が溶けると自由位置へ収縮し、これによって閉合力を生成する。創傷閉合ドレッシングは更に、シーリングドレープと伸縮部材の少なくとも一方に連結された把持部材を具える。この把持部材は、閉合力を患者の上皮に伝えるように構成されている。
【0008】
別の図に示す非限定的な実施例によれば、創傷治療方法が、収縮エレメントを患者の上皮に、当該収縮エレメントが患者の創傷の少なくとも一部に及ぶように固定するステップと、収縮エレメントが閉合力を生成するように収縮エレメントを作動させるステップと、を具える。収縮エレメントは、伸長位置から収縮位置へ収縮して、これによって作動時に閉合力を生成するように構成されている。
【0009】
別の図に示す非限定的な実施例によれば、創傷閉合ドレッシングの製造方法が、第1面と組織に対向する面とを有するシーリングドレープを形成するステップと、収縮エレメントをこのシーリングドレープに連結するステップと、シーリングドレープに把持部材を連結するステップと、を具える。把持部材は、患者の上皮に閉合力を伝えるように構成されている。収縮エレメントは、伸長位置から収縮位置へ収縮して、これによって作動時に閉合力を生成するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照することによって、本発明のより完全な理解が得られる。
【図1】図1は、患者の創傷を治療するシステムの非限定的な実施例を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のシステムの2−2線に沿った断面図である。
【図3A】図3Aは、図1のシステムの平面図である。
【図3B】図3Bは、図1に示すシステムの平面図であり、いくつかの収縮エレメントが作動して閉合力を生成している状態を示す。
【図4A】図4Aは、創傷の上に示す創傷閉合ドレッシングの非限定的な実施例の平面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのドレッシングの平面図であり、収縮エレメントが作動して閉合力を生成している状態を示す。
【図5】図5は、創傷を治療するシステムの非限定的な実施例を示す平面図である。
【図6】図6は、創傷を治療するシステムの非限定的な実施例を示す平面図である。
【図7A】図7Aは、創傷を治療するシステムの非限定的な実施例の一部を示す底面図である。
【図7B】図7Bは、図7Aのシステムの斜視図である。
【図8】図8は、創傷を治療するシステムの非限定的な実施例の一部を示す斜視図である。
【図9A】図9Aは、図8のシステム部分を示す平面図である。
【図9B】図9Bは、数個のビーズが溶けて、これによって対応する伸縮部材が閉合力を発生する状態を示す図8のシステム部分の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
好ましい実施例についての以下の詳細な説明では、その一部である添付図面を参照し、説明の目的で、本発明を実行する特定の実施例が示されている。これらの実施例はこの分野の当業者が本発明を実行するのに十分詳細に記載されており、その他の実施例を用いることもできる旨、及び本発明の精神又は範囲から離れることなく、論理的、構造的、機械的、化学的変更を行い得ると考えられる。当業者が本発明を実行するのに不要な詳細を排除するために、この説明は、この分野の当業者に公知の所定の情報は除外している。従って、以下の詳細な説明は、限定の意味にとるべきではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0012】
ここで、主に図1乃至3Bを参照すると、患者の創傷102を治療する減圧創傷治療システム100の第1の非限定的な実施例が示されている。減圧創傷治療システム100は、一般的に、創傷閉合ドレッシング110と、マニフォールド部材112と、減圧サブシステム114を具える。減圧創傷治療システム100は、創傷102の周囲の領域内に示されている。この図では、創傷102は、上皮104(あるいは皮膚)、真皮106を通り、下皮あるいは皮下組織108へ達している。皮下組織108は、脂肪組織あるいは筋肉など、様々な組織タイプを具えていても良い。この実施例の創傷102は、上皮104、真皮106、及び皮下組織108まで達するものとして示したが、この減圧創傷治療システム100を用いてあらゆる深さの創傷を治療できることは自明である。
【0013】
創傷閉合ドレッシング110は、シーリングドレープ116と、一又はそれ以上の収縮エレメント118と、把持部材120を具える。シーリングドレープ116は、第1面122と、組織に対向する第2の面124を具える。シーリングドレープ116は、ドレープ伸長部分126が創傷102の周辺部を超えて延在する態様でシーリングドレープ116が創傷102を覆うようなサイズであっても良い。
【0014】
シーリングドレープ116はエラストマ系材料であっても良い。「エラストマ系」とは、エラストマの特性を有することを意味する。一般的には、ゴム状特性を有するポリマー材料を意味する。より具体的には、ほとんどのエラストマが100%以上の展伸度を有し、相当量の回復力を有する。物質の回復力とは、物質が弾性変形から回復する能力を意味する。エラストマの例には、限定するものではないが、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロピレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマ、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン、EVAフィルム、コポリエステル、及びシリコーンが挙げられる。更に、シーリング部材の材料の特別な例には、シリコーンドレープ、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennison社から入手可能なものなどのアクリル系ドレープ、あるいは切開用ドレープ材が挙げられる。しかしながら、シーリングドレープ116があらゆる好適な材料から作ることができることは自明である。一の代替例では、シーリングドレープ116を有窓として、水分あるいは水蒸気を通過させて収縮エレメントを作動させるようにしている(以下に更に述べる。)特に表示がない限り、ここで用いられているように、「又は」は相互に排他性を要するものではない。
【0015】
一又はそれ以上の収縮エレメント118が、シーリングドレープ116に連結されている。各収縮エレメント118は、作動時に収縮して閉合力を生成し(図3Bにベクトルあるいは矢印128で示す方向などに)、創傷102の閉合を支援する。図に示す実施例では、収縮エレメント118は、創傷閉合ドレッシング110を患者に適用する時に伸展位置にある。収縮エレメント118は、伸展位置においてシーリングドレープ116に連結されているか、あるいは、創傷閉合ドレッシング110を患者に適用している伸展位置に移動するようにしても良い。いずれの場合も、収縮エレメント118が作動すると、非伸展位置又は自由位置に戻ろうとし、これによって、収縮して閉合力を生成する。収縮のその他の方法について以下に更に述べる。
【0016】
創傷閉合ドレッシング110は、様々な構成に配置した様々な収縮エレメント118を具えていても良い。例えば、図1乃至3Bに示すように、創傷閉合ドレッシング110は、各々がストリップとして形成されている複数の収縮エレメント118を具えていても良い。代替的に、創傷閉合ドレッシング110は、単一の収縮エレメント118を具えていても良い。更に別の実施例では、一又はそれ以上の収縮エレメント118が、シーリングドレープ116内に織りこまれている、あるいは、ガーゼ、別のドレープ状ピース、その他といった、シーリングドレープ116に連結された別の部材に織りこまれていても良い。更に、各収縮エレメント118は、限定するものではないが、溶接(例えば、超音波溶接又はRF溶接)、結合、機械的締結具、接着剤、セメント、その他を含む適宜のデバイス又は技術によってシーリングドレープ116に連結することができる。代替的に、各収縮エレメント118がシーリングドレープ116にモールドされていても良い。収縮エレメント118は、シーリングドレープ116の第2の組織に面する面124に、又は、シーリングドレープ116の第1面122に、あるいはシーリングドレープ116の内側部分に連結されている。
【0017】
各収縮エレメント118は、作動時に応答して収縮する適宜の材料で作ることができる。収縮エレメント118は、完全に作動した時に伸長位置から収縮位置(又は自由位置)へ移動するように構成されている。例えば、各収縮エレメント118は、セルロースでできていても良く、これによって水分が収縮エレメント118を収縮させる。この水分は、患者自身の滲出液から取り込むことができる。代替的にあるいはこれに加えて、水、静菌水、食塩水などの流体の形で、創傷102又は創傷閉合ドレッシング110が患者に適用される前の創傷領域に水分を導入することができる。更に別の代替例あるいは追加例では、シーリングドレープ116が創傷領域に流体を導入するポートが設けられており(図示せず)、創傷閉合ドレッシング110を患者に適用した後に収縮エレメント118を作動させることができる。
【0018】
更なる代替例又は追加例では、収縮エレメント118が作動に応答して収縮する形状記憶金属でできていても良い。好適な形状記憶金属の一例は、カリフォルニア州フレモント所在のNitinol Devices & Components社製のニチノール(登録商標)材料である。形状記憶金属でできた収縮エレメント118は、患者の体温、加熱パッド、ヒートランプ、その他といった熱によって作動する。代替的に、あるいは追加で、収縮エレメント118は、電磁誘導の導入によって作動させても良い。しかしながら、収縮エレメント118は、限定するものではないが、形状記憶合金、磁気形状記憶合金、形状記憶ポリマ、圧電材料、電気活性ポリマ、磁気流体学的流体及びエラストマ、及び電気燃性流体を含む適宜の材料で作ることができる。特定の材料に依存して、作動は、電場、温度変化、磁場、機械的負荷又は応力、光、紫外線、環境pHの変化、超音波、水分、その他の形をとっても良い。
【0019】
把持部材120は、収縮エレメント118の患者の皮膚への収縮によって生じる閉合力の伝達(矢印128で示す)を容易にする。伝達された力が、図2に力ベクトル130で示されている。シーリングドレープ116と把持部材120は、互いに共働して患者の創傷102上に流体シールを形成する。「流体シール」又は「シール」は、特定の減圧源又はサブシステムに与えられた所望の部位において減圧を維持するのに適したシールを意味する。
【0020】
把持部材120は、収縮エレメント118から患者の上皮104(ガスケットまたはその他の材料層を具えると考えられる)に閉合力を伝達するのに適した材料であるか、創傷102の上に流体シールを形成を支援する材料であっても良い。例えば、把持部材120は、感圧接着剤、熱活性接着剤、シーリングテープ、両面シーリングテープ、のり、親水コロイド、ヒドロゲル、ホック、縫合糸、その他であってもよい。図に示す実施例では、把持部材120は接着剤層であり、シーリングドレープ116の組織に対向する第2の面124の幅に及んでおり、収縮エレメント118の上にある。しかしながら、把持部材120は、ドレープ伸長部分126の組織に対向する面に単に連結されているだけでも良いことは自明である。把持部材120は、層流層として、あるいはシーリングドレープ116上に分配したパターンとして形成されていても良い。代替的に、シーリングテープの場合、把持部材120は、シーリングドレープ116の第1面122全体の上に、または、ドレープ延長部126の第1面全体に配置しても良い。
【0021】
マニフォールド部材112またはマニフォールドは、シーリングドレープ116の組織に対向する第2の面124と、創傷102の少なくとも一部との間に配置することができる。マニフォールド部材112は、より大きいあるいはより小さいサイズを異なるアプリケーションに使用することができるが、創傷102の推定面積をほぼ覆うサイズである。マニフォールド部材112は、マニフォールド材料でできている。
【0022】
ここで用いられている「マニフォールド」の用語は、一般的に、創傷102に減圧を適用する、流体を送達する、又は創傷102から流体を除去する補助のために提供された物質または構造を意味する。マニフォールド部材112は、通常、複数のフローチャネル又は経路を具えており、創傷102に提供された又は創傷102から除去した流体を、マニフォールド部材112の周囲に分配する。図に示す実施例では、このフローチャネル又は経路は相互接続されており、創傷102に提供された又は創傷102から除去した流体の分配を改善する。マニフォールド部材112は、創傷102と接触して配置することができ、減圧を創傷102に配分できる生体適合性材料であっても良い。マニフォールド部材112の例には、例えば、限定するものではないが、例えばセルラーフォーム、連続気泡フォーム、多孔性組織の集合、液体、ゲル、及びフローチャネルを含む又はフローチャネルを具えるようになるフォーム、などのフローチャネルを形成するように構成された構造エレメントを有するデバイスを含む。マニフォールド部材112は、多孔性であっても良く、フォーム、ゲージ、フェルトマット、又は特定の生物学的アプリケーションに適したその他の材料でできていても良い。
【0023】
一実施例では、マニフォールド部材112は多孔性フォームであり、フローチャネルとして作用する複数の相互接続されたセルまたはポアを有する。この多孔性フォームは、ポリウレタン、連続気泡、テキサス州、サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Incorporated社が製造しているGranuFoam(登録商標)材などの網目フォーム、であっても良い。その他の実施例は、「独立気泡」を具えていても良い。いくつかの場合、マニフォールド部材112を用いて、薬剤、抗菌材、成長ファクタ、及び様々な溶液といった流体を、創傷102に分配することができる。その他の層は、吸収性材料、ウイッキング材、疎水性材料、及び親水性材料などのマニフォールド部材112に含まれていても良い。いくつかの場合、マイクロ接合手順においてフォームにイオン性銀を加える、あるいは抗菌剤などのその他の物質をマニフォールド部材112に加えることが望ましい。マニフォールド部材112は、減圧を行っている間の望まれる圧縮力の正しい方向付けによって、等方性か、あるいは非等方性になる。更に、マニフォールド部材は、生体吸収性材料であっても良い。
【0024】
マニフォールド部材112は、シーリングドレープ116に連結することができる。この連結には多くの方法がある。シーリングドレープ116とマニフォールド部材112は、アクリル接着剤、シリコーン接着剤、ヒドロゲル、水性コロイド、その他といった接着剤を用いて連結できる。代替的に、シーリングドレープ116とマニフォールド部材112は、熱結合、超音波結合、無線周波数結合、その他によって結合させることができる。連結は、パターンで行うか、より複雑に行われることもある。この結合に構造体を加えて、シーリングドレープ116を所望の方向へ非等方性に挙動させる、すなわち、非等方性ドレープ材を作ることができる。非等方性ドレープ材は、収縮エレメント118と共働して、一次的に、所定の方向、すなわち、ある軸の周りでのみ動くようにすることができる。例えば、非等方性シーリングドレープは、収縮エレメントと共働して閉合力を生成して、創傷の閉合を支援する。
【0025】
減圧サブシステム114は様々な形をとることができる減圧源132を具える。減圧源132は減圧創傷治療システム100の一部として減圧を提供する。減圧源132は減圧を提供する。減圧源132は、真空ポンプ、壁吸引、あるいはその他の源といった、減圧を供給するものであればどのようなデバイスでも良い。組織部位又は創傷に適用する減圧の量と性質は通常アプリケーションによって異なるが、減圧は通常−5mmHg乃至−500mmHgであり、より典型的には、−100mmHg乃至−300mmHg、更に典型的なものは−100mmHg乃至−200mmHgである。
【0026】
ここで用いられているように、「減圧」とは、一般的に、治療を行っている組織部位又は創傷における周囲圧力より低い圧力を意味する。ほとんどの場合、この減圧は、患者が位置しているところの大気圧より低い。代替的に、減圧は、組織部位における静水圧より低い圧力でも良い。特に表示がない限り、ここで言う圧力の値は、ゲージ圧である。送達された減圧は、一定であっても、変化しても(パターンであるいはランダムに)良く、連続的に又は間欠的に送達される。「真空」及び「負圧」の用語は、組織部位に適用する圧力を説明するのに使用されるが、組織部位に適用する実際の圧力は、通常完全な真空に用いられる圧力より高いことがある。ここでの使用に一致しているが、減圧あるいは真空圧の増加は、通常、絶対圧力の相対的低下を意味する。
【0027】
図に示す実施例では、電池室134と窓138のついたキャニスタ領域136を有する減圧源132が示されており、キャニスタ136内の流体レベルを視覚的に表示できる。疎水性あるいは油をはじくフィルタなどの、挿入膜フィルタが、減圧送達管またはチューブ140と減圧源132の間に散在している。
【0028】
減圧源132によって生じた減圧は、減圧送達管140を通って、屈曲ポート144であってもよい、減圧インターフェース142に送達される。一実施例では、この屈曲ポート144は、テキサス州、サンアントニオ所在のKinetic Concepts,Incorporated社から入手可能なTRAC(登録商標)技術ポートである。減圧インターフェース142によって、創傷閉合ドレッシング110に減圧を送達し、創傷閉合ドレッシング110の内側部分並びにマニフォールド部材112内で減圧が実現する。この実施例では、屈曲ポート144がシーリングドレープ116を通ってマニフォールド部材112へ延在している。
【0029】
一又はそれ以上のデバイス141を減圧送達管140に加えるようにしても良い。例えば、デバイス141は、除去した滲出液やその他の流体を保持する流体リザーバ、あるいは回収部材であっても良い。減圧送達管140の上に含まれるあるいは減圧送達管140に流体連結されるデバイス141のその他の例には、以下の非限定的な例が挙げられる:圧力フィードバックデバイス、体積検出システム、血液検出システム、感染症検出システム、流量モニタリングシステム、温度モニタリングシステム、他。これらのデバイスのいくつかは減圧源132と一体的に形成することができる。
【0030】
動作中に、減圧創傷治療システム100を患者の創傷102に適用する。まず、マニフォールド部材112を創傷102の上に配置する。マニフォールド部材112は、創傷102の中に配置しても良く、又は創傷102の一部の上においても良い。創傷閉合ドレッシング110がマニフォールド部材112に連結されていない場合は、創傷閉合ドレッシング110をマニフォールド部材112の上において、シーリングドレープ116のドレープ延長部126が創傷102の周辺上に延在するようにする。ドレープ延長部126は、患者の上皮104に把持部材120によって固定されており、創傷102の上に流体シールを形成する。一またはそれ以上の収縮エレメント118を作動させて、収縮エレメント118が収縮力(矢印128によって示す)を生成するようにする。この収縮力は把持部材120を介して患者の上皮104に伝わり、創傷エッジ101が互いにより近くなる。
【0031】
まだ取り付けられていない場合は、減圧インターフェース142が適用され、減圧送達管140が一方の端部に流体連結される。減圧送達管140の他端は減圧源132に流体連結されている。次いで減圧源132が作動して、減圧が創傷閉合ドレッシング110に送達される。都合のよいことに、上述したように収縮エレメント118が流体からの水分によって作動すると、減圧の適用が部分的に作用して、余剰の流体を創傷閉合ドレッシング110の内部から収縮エレメント118へ引き入れる。
【0032】
圧力が低下すると、マニフォールド部材112が圧縮して横方向に収縮し、半硬質物質を形成する。更に、マニフォールド部材112を通って減圧が伝達され、患者の上皮104と創傷102が減圧となる。マニフォールド部材112に送達された減圧が圧縮力146になって、安定性と治療を提供する。この圧縮力146は、上皮104の真上においてより大きく、圧縮力146がより深く広がって、皮下組織108のレベルに圧縮力がかかる。
【0033】
シーリングドレープ116とマニフォールド部材112は、減圧の影響により横方向に収縮するので、上皮104に対するポアソン比によって下向きの力が働くので、内向きの力148が生じて創傷102に更に閉合力がかかり、一般的に、創傷102に更なる安定性を提供することができる。このように、減圧からの内向きの力148と収縮エレメント118からの力130が互いに作用して、創傷102の閉合を支援する。同時に、マニフォールド部材112へ送達され、マニフォールド部材112を通る減圧が作用して、創傷102から滲出液とその他の流体を除去して、創傷102に減圧治療を提供する。これらのアクションは全て、創傷102の治癒を向上させる。
【0034】
図3Aを参照すると、収縮エレメント118が作動する前に創傷閉合ドレッシング110が創傷102上に展開されたものが示されている。図3Bは、最も内側にある少なくとも3つの収縮エレメント118が、少なくとも部分的に収縮して矢印128で示す閉合力を提供した後の創傷閉合ドレッシング110を示す。
【0035】
手術室で減圧創傷治療システム100を適用して、適当な治癒がなされるまで減圧創傷治療システム100を患者の上に維持できることが望ましい。この点に関しては、シーリングドレープ116、マニフォールド部材112、及び透明材料でできたその他の層を形成して、ヘルスケア提供者が、創傷閉合ドレッシング110を取り除く必要なく、創傷102の治癒についての視覚的手がかりを増やせるようにすることが望ましい。更に、減圧創傷治療システム100が主たる創傷閉合治療として、あるいは創傷閉合治療の中間ステップとして使用できることは自明である。更に、創傷閉合ドレッシング110は、マニフォールド部材112又は減圧サブシステム114なしで使用できることも自明である。創傷閉合ドレッシング110は、減圧を必要とすることなく創傷102に閉合力を送達できる独立型バンデージとして有益である。
【0036】
ここで、主に図4Aと4Bを参照すると、創傷閉合ドレッシング210の実施例が示されている。創傷閉合ドレッシング210は、関連する図1−3Bに示す構成要素のほとんどの点において創傷閉合ドレッシング110と類似しており、関連部分は100を足した数字を表示して、この実施例に示されている。例えば、シーリングドレープ216は、シーリングドレープ116に類似している。別の創傷閉合ドレッシングが提示されているが、創傷閉合ドレッシング210は、減圧創傷治療システム100などの減圧システムの一部として使用することができる。創傷閉合ドレッシング210は、創傷202の形状とほぼ同じ形状をしているか、あるいは創傷202を超えて延在している。創傷閉合ドレッシング210の平面図は、ほぼ円形に示されているが、創傷閉合ドレッシング210が、限定するものではないが、正方形、長方形、三角形、楕円形、六角形、八角形、不規則、その他を含む適宜の平面を有していても良いことは自明である。収縮エレメント218は、「わらぶき」パターンに互いに織りこまれており、作動時に、創傷202の周辺全体203の周りにほぼ同じ閉合力(図4Bにおいて、矢印228で示す)が分配されるようにすることができる。図4Aは、収縮エレメント218が作動する前の創傷閉合ドレッシング210と創傷202を示しており、図4Bは、収縮エレメント218が作動した後の創傷閉合ドレッシング210と創傷202を示す。
【0037】
ここで主に図5を参照すると、患者の創傷302を治療する別の減圧創傷閉合システム300が示されている。このシステムは、概ね、図1乃至3Bに示す減圧創傷閉合システム100のものとほとんどの点において類似している。同じ部分は、図1乃至3Bの符号に200を足して表示されている。この実施例では、複数の収縮エレメント318と裏打ストリップ350が用いられている。各収縮エレメント318に対応する裏打ストリップ350が、収縮ストリップ352を形成している。従って、複数の収縮ストリップ352が用いられている。各収縮エレメント318は、対応する裏打ストリップ350に解放可能に取り付けられている。上述した通り、収縮エレメント318は、作動時に収縮して創傷302の閉合を支援する閉合力を生成するように構成されている。収縮エレメント318は、伸展位置において裏打ストリップ350に解放可能に連結されていても良く、あるいは、収縮ストリップ352を患者に適用したときに伸展位置に移動するようにしても良い。いずれの場合も、収縮エレメント318が作動すると収縮エレメント318は非伸展位置又は自由位置に戻ろうとして、これによって収縮し閉合力を生成する。
【0038】
この実施例は単一の収縮エレメント318を有するものとして各収縮ストリップ352を示しているが、適宜数の収縮エレメント318を用いることができるのは自明である。更に、収縮ストリップ352が複数の収縮エレメント318を具えている場合、この複数の収縮エレメント318は互いに対して、例えば、平行、垂直、角度を成したもの、その他、といった適宜のパターンに配置することができる。複数の収縮エレメント318、裏打ストリップ350、及び収縮ストリップ352が記載されているが、各々について単一部材を用いることもできる。その他の実施例にあるように、収縮エレメント318は、作動に応じて収縮する適宜の材料で形成することができ、様々な方法で作動させることができる。
【0039】
裏打ストリップ350は、限定するものではないが、ガーゼ、エラストマ、接着剤、その他を含む適宜の材料で形成することができる。適宜数の収縮ストリップ352を、創傷302と、例えば図2に示すマニフォールド材112などのマニフォールド部材の上に配置することができる。各収縮ストリップ352は、適宜のパターンの対応する把持部材によって上皮に固定して創傷302の閉合を支援することができる。減圧インターフェース342を有するシーリングドレープ316を収縮ストリップ352の上に配置して、減圧が創傷302に送達されるようにする。代替的にあるいは追加で、収縮ストリップ352を各シーリングドレープ316の上に配置しても良い。代替の実施例では、使用する各収縮ストリップ352の裏打ストリップ350を、ドレープ材料で作ることができ、これによって各裏打ストリップ350は、隣接する一又はそれ以上の裏打ストリップ350と共働して一体化したドレープを形成し、これによって、追加のシーリングドレープを設ける必要がなくなる。この実施例では、水蒸気透過率(MVTR)が高い保持部材(例えば、接着剤)を用いることが望ましい。更に別の代替例では、収縮ストリップ352を独立部品として(マニフォールド及び減圧サブシステムなしで)用いて、創傷の閉合を支援することができる。
【0040】
ここで、主に図6を参照すると、創傷402を治療する減圧閉合システム400の非限定的な実施例が記載されている。減圧創傷閉合システム400は、概ね、図1乃至3Bに示す減圧創傷閉合システム100のものとほとんどの点において類似しており、同じ部分は、図1乃至3Bの符号に300を足して表示されている。収縮エレメント418は「星型」パターンに配置されており、創傷402の周辺401にほぼ同等の閉合力を送達するようにしている。収縮エレメント418は、そこを通って減圧インターフェース442を受ける中央開口454を具える。収縮エレメント418は、8本の「脚部」を有するものとして示されているが、収縮エレメント418は適宜数の脚部を具えていても良いこと、及び、図に示すように一体化したユニットとして、又は複数の構成部品でできていても良いことは自明である。
【0041】
ここで、創傷治療システムの一実施例の一部を示す底面図である図7Aと、図7Bを主に参照する。これらの図面は、創傷を閉合する創傷閉合ドレッシング500の代替実施例を示す。創傷閉合ドレッシング500は、シーリングドレープ502と、溶ける本体504と、伸縮部材506と、把持部材508を具える。創傷閉合ドレッシング500は、独立構成部品として用いて創傷の閉合を支援する、または、減圧システムの一部として使用して創傷の閉合と治療を支援するようにしても良い。シーリングドレープ502は、第1面510と、組織に対向する第2の面512を具える。シーリングドレープ502は、概ね、図1乃至3Bのシーリングドレープ116のものと同じあるいは同様の材料で形成することができ、同様に作動する。選択的に、シーリングドレープ502を有窓にして、第1面510から溶ける本体504へ水分が通過するようにしても良い。
【0042】
溶ける本体504は、シーリングドレープ502の組織に対向する第2の面512に連結されている。溶ける本体504は、限定するものではないが、ポリラクチド(PLA)、乳酸−グリコール酸共重合体(PLGA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリカプロラクトン(PCL)、塩化ナトリウム、などの生体分解性又は生体吸収性材料を含む適宜の溶ける材料で作ることができる。更に、溶ける本体504は、感染症を防止するために含酸素粒子、あるいは、抗菌粒子を具えていても良い。溶ける本体504は伸縮部材506を伸展位置に保持しており、限定するものではないが、水分、熱、紫外線、その他といった適宜の要因の影響で溶ける。溶ける本体504が溶けると、伸縮部材506が少なくとも部分的に放出され、これによって、伸縮部材506が非伸展位置に戻ろうとして閉合力を生成する。この実施例は、単一の溶ける本体504を示しているが、適宜数の溶ける本体を使用できることは自明である(例えば、図8乃至9B参照)。
【0043】
伸縮部材506は、伸展位置において溶ける本体504に連結されており、溶ける本体504あるいはその一部が溶けると、伸縮部材506が収縮して閉合力を生成する。伸縮部材506は、限定するものではないが、接着剤、機械的締結具、結合、音波溶接、その他を含む適宜のデバイス又は技術で溶ける本体504に連結することができる。代替的にまたは追加で、溶ける本体504に伸縮部材506を埋めることによって伸縮部材506を連結することができる。伸縮部材506は、伸展位置において溶ける本体504に連結できる適宜の材料であっても良く、溶ける本体504の少なくとも一部が溶けると収縮する材料であっても良い。例えば、限定することなく、伸縮部材506はエラストマで形成することができる。ここに使用されているように、「連結された」の用語には、別の物体を介する連結と、直接の連結が含まれる。「連結された」の用語はまた、同じ材料片でできている部品の各々によって互いに連続している2またはそれ以上の部品に及ぶ。また、「連結された」の用語には、化学結合を介するなどの化学的、機械的、熱的、または電気的連結が含まれる。連結は更に、位置の部材を別の部材に埋め込むことも含む。
【0044】
図7Bに明確に示すように、この実施例の伸縮部材506は、ほぼ円形の断面を有する。しかしながら、伸縮部材506が適宜の断面を有していても良いことは自明である。更に、伸縮部材506は適宜の構成を有していても良いことも自明である。例えば、伸縮部材506は、「わらぶき屋根」のパターン、交差パターン、平行パターン、その他に配置することができる。また、図に示す実施例は、単一の伸縮部材506を示しているが、適宜数の伸縮部材506を溶ける本体504、あるいは複数の溶ける本体504に連結しても良いことは自明である。更に、伸縮部材506の端部をシーリングドレープ502に連結して、伸縮部材506によって生成した収縮力が、把持部材508に直接伝わる(以下に更に述べる)ようにしても良い。
【0045】
把持部材508は、図1乃至3Bの減圧創傷治療システム100の把持部材120のものと同じ又は同様である。把持部材508は、シーリングドレープ502、溶ける本体504、又は伸縮部材506の少なくとも一つに連結することができる。把持部材508は、伸縮部材506の収縮によって生成された力を患者の上皮に伝えて、創傷の閉合を支援するように構成されている。図7Bに最も良く示すように、選択的に、創傷閉合ドレッシング500が溶ける本体504と創傷の間に配置された有窓シート514を具えており、溶ける本体504へ通過する患者の滲出液からの水分量を調整するようにしても良い。これは、水分が導入されると溶ける本体504が溶ける場合に、溶ける本体504の溶ける量又は速度を調整するのに有用である。
【0046】
ここで、主に図8乃至9Bを参照すると、創傷602を治療する別の創傷閉合ドレッシング610が示されている。創傷閉合ドレッシング610は、概ね、図7A及び7Bの創傷閉合ドレッシング500のものとほとんどの点において類似している。同じ部分は図7A及び7Bの符号に100を足して表示されている。この実施例では、溶ける本体604が、複数の溶けるビーズ618又はその他の溶ける部材を具える。複数の溶けるビーズ618が、伸展した伸縮部材606によって生成した力を維持し、複数の溶けるビーズ618が溶けると、伸縮部材606に取り付けた把持部材(図示せず)によって力がかかる。ビーズ618は、通常、創傷602からの滲出液によって溶ける。ビーズ618が溶けると、対応する伸縮部材606によって生成される収縮力が大きくなる。生成した閉合力は、溶けるビーズ618の数に直接関係する。例えば、溶けるビーズ618の数が増えると、生成される閉合力が、例えば、直線的、指数関数的など、規定された関係に応じて大きくなる。
【0047】
従って、図9A及び9Bに明らかに示すように、創傷閉合ドレッシング610は、創傷602のより広い部分においてより大きい閉合力を生成するために、「ターン」させるようにしても良い。更に、このことは、自己調整法において生じることがある。換言すると、滲出液のレベルが高くなった創傷602の領域は、通常、創傷602のより広い部分により大きな閉合力がかかる。なぜなら、高くなった滲出液レベルがより多くのビーズ618を溶かし、伸縮部材606によって生成する閉合力が上がるからである。創傷閉合ドレッシング610は、図7A及び7Bの創傷閉合ドレッシング510と同様にシーリングドレープと把持部材と共に、及び減圧治療システムの一部として使用することができる。代替的に各伸縮部材606の各端部を患者の上皮に固定して、創傷閉合ドレッシング610を独立型ドレッシングとして用いて創傷の閉合を支援するようにしても良い。
【0048】
本発明とその利点が、非限定的な実施例のコンテキストにおいて開示されているが、特許請求の範囲によって規定された本発明の範囲から外れることなく、様々な変更、入替、置換、代替を行うことができる。いずれの実施例に関連して述べたいずれの特徴も、その他のいずれかの実施例に適用できることは自明である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の創傷を治療する減圧創傷治療システムにおいて:
創傷ドレッシングであって、
第1面と、組織に対向する面を有するシーリングドレープであって、創傷の上に配置するシーリングドレープと、
前記シーリングドレープに連結した収縮エレメントであって、作動時に収縮して、これによって閉合力を生成するように構成されている収縮エレメントと、
前記シーリングドレープに連結した把持部材であって、前記閉合力を患者の上皮に伝えるように構成されており、前記シーリングドレープと把持部材が、前記創傷の上に液体シールを形成するように構成されている把持部材と、
を具える創傷閉合ドレッシングと;
前記シーリングドレープの組織に対向する面と前記創傷との間に配置するマニフォールド部材と;
前記創傷閉合ドレッシングに減圧を送達する減圧サブシステムと;
を具えることを特徴とする減圧創傷治療システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが、伸長位置から収縮位置へ移動するように構成されており、前記収縮エレメントが初めは伸長位置にあることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが熱によって作動することを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが水分によって作動することを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが電磁誘導によって作動することを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが複数の収縮ストリップを具えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記把持部材が接着剤を具えることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムが更に、前記収縮エレメントに連結された溶ける本体を具え、前記収縮エレメントが前記溶ける本体の少なくとも一部が溶けると作動することを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムが更に、前記収縮エレメントに連結された溶ける本体を具え、前記溶ける本体の少なくとも一部が溶けると前記収縮エレメントが作動し、前記溶ける本体が複数の溶けるビーズを具えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが前記シーリングドレープの組織に対向する面に連結されていることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが自由長さから伸展した長さへ伸展し、乾燥した材料を具えており、前記収縮エレメントが水分によって作動することを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが、伸展した位置へ伸展する形状記憶合金を具えており、前記収縮エレメントが患者からの熱によって作動することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記収縮エレメントが自由長さから伸展した長さへ伸展し、乾燥した材料を具えており:
前記収縮エレメントが水分によって作動し;
前記把持部材が接着層を具えること;
を特徴とするシステム。
【請求項14】
創傷閉合ドレッシングにおいて:
第1面と組織に対向する面を有し、創傷の上に配置するシーリングドレープと;
前記シーリングドレープに連結されて、作動時に収縮して、これによって閉合力を生成するように構成されている収縮エレメントと;
前記シーリングドレープに連結されて、前記閉合力を患者の上皮に伝えるように構成されている把持部材と;
を具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項15】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記収縮エレメントが作動前は伸長位置にあることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項16】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記収縮エレメントが熱によって作動することを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項17】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記収縮エレメントが水分によって作動することを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項18】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記収縮エレメントが電磁誘導によって作動することを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項19】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記収縮エレメントが複数の収縮ストリップを具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項20】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記把持部材が接着剤を具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項21】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記把持部材が接着剤を具え、当該接着剤が感圧接着剤であることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項22】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングが更に、前記収縮エレメントに連結した溶ける本体を具え、前記収縮エレメントが当該溶ける本体の少なくとも一部が溶けると作動することを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項23】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングが更に、前記収縮エレメントに連結した溶ける本体を具え、当該溶ける本体の少なくとも一部が溶けると前記収縮エレメントが作動し、当該溶ける本体が複数の溶けるビーズを具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項24】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記収縮エレメントが自由長さから伸展長さに伸展し、乾いた材料を具え、前記収縮エレメントが水分によって作動することを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項25】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記収縮エレメントが伸展位置に伸展した形状記憶合金を具え、前記収縮エレメントが患者からの熱によって作動することを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項26】
請求項14に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記収縮エレメントが自由長さから伸展長さに伸展し、乾燥した材料を具え;
前記収縮エレメントが水分によって作動し;
前記把持部材が接着層を具えること;
を特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項27】
創傷閉合ドレッシングにおいて:
第1面と組織に対向する面を有し、創傷の上に配置するシーリングドレープと;
前記シーリングドレープに連結した溶ける本体と;
伸展位置において前記溶ける本体に連結した伸縮部材であって、前記溶ける本体の少なくとも一部が溶けると自由位置へ収縮し、これによって閉合力を生成する伸縮部材と;
前記シーリングドレープと伸縮部材のうちの少なくとも一方に連結され、前記閉合力を患者の上皮に伝えるように構成された把持部材と;
を具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項28】
請求項27に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記溶ける本体が感染を低減する含酸素粒子を具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項29】
請求項27に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記溶ける本体が感染を低減する抗菌粒子を具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項30】
請求項27に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記把持部材が接着剤を具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項31】
請求項27に記載の創傷閉合ドレッシングにおいて、前記溶ける本体が複数の溶けるビーズを具えることを特徴とする創傷閉合ドレッシング。
【請求項32】
創傷を治療する方法において:
収縮エレメントを患者の上皮に、当該収縮エレメントが患者の創傷の少なくとも一部にかかるように固定するステップであって、当該収縮エレメントが伸長した位置から収縮位置へ収縮して、これによって、作動時に閉合力を生成するように構成されているステップと;
前記収縮エレメントを、当該収縮エレメントが閉合力を生成するように作動させるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、前記収縮エレメントが作動前に伸長位置にあることを特徴とする方法。
【請求項34】
請求項32に記載の方法において、前記収縮エレメントが熱によって作動することを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項32に記載の方法において、前記収縮エレメントが水分によって作動することを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法において、前記収縮エレメントが電磁誘導によって作動することを特徴とする方法。
【請求項37】
請求項32に記載の方法において、前記収縮エレメントが複数の収縮ストリップを具えることを特徴とする方法。
【請求項38】
請求項32に記載の方法において、前記把持部材が接着剤を具えることを特徴とする方法。
【請求項39】
請求項32に記載の方法が更に、前記収縮エレメントに連結した溶ける本体を具え、前記収縮エレメントが、前記本体の少なくとも一部が溶けると作動することを特徴とする方法。
【請求項40】
請求項32に記載の方法が更に、前記収縮エレメントに連結した溶ける本体を具え、前記収縮エレメントが、前記溶ける本体の少なくとも一部が溶けるときに作動し、前記溶ける本体が複数の溶けるビーズを具えることを特徴とする方法。
【請求項41】
請求項32に記載の方法において、前記収縮エレメントが、前記シーリングドレープの組織に対向する面に連結されていることを特徴とする方法。
【請求項42】
請求項32に記載の方法において、前記収縮エレメントが、自由長さから伸展長さへ伸展した、乾いた材料を具え、当該収縮エレメントが水分によって作動することを特徴とする方法。
【請求項43】
請求項32に記載の方法において、前記収縮エレメントが、伸展位置へ伸展した形状記憶合金を具え、前記収縮エレメントが、患者からの熱によって作動することを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項32に記載の方法が更に、前記患者の創傷に減圧を適用するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項45】
創傷閉合ドレッシングを製造する方法において:
第1面と組織に対向する面を有するシーリングドレープを形成するステップと;
収縮エレメントを前記シーリングドレープに連結するステップであって、当該収縮エレメントが伸長位置から収縮位置へ収縮して、これによって作動時に閉合力を生成するように構成されているステップと;
把持部材を前記シーリングドレープに連結するステップであって、当該把持部材が前記閉合力を患者の上皮に伝えるように構成されているステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項46】
請求項45に記載の方法が更に、マニフォールド部材を前記シーリングドレープの組織に対向する面に連結するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項47】
請求項45に記載の方法が更に、前記本体の少なくとも一部が溶けたときに前記収縮エレメントが作動するように前記収縮エレメントに溶ける本体を連結するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項48】
請求項45に記載の方法が更に、前記シーリングドレープに前記複数の収縮エレメントを連結するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項49】
請求項45に記載の方法が更に、減圧サブシステムを前記シーリングドレープに流体連結するステップを具えることを特徴とする方法。
【請求項50】
請求項45に記載の方法において、前記収縮エレメントを前記シーリングドレープに連結するステップが、複数の溶けるビーズを有する収縮エレメントを連結するステップを具えることを特徴とする方法。


【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2012−508037(P2012−508037A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534856(P2011−534856)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/062981
【国際公開番号】WO2010/053870
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(508268713)ケーシーアイ ライセンシング インコーポレイテッド (125)
【Fターム(参考)】