説明

減衰バルブ

【課題】弁体の発振を抑制して複筒型緩衝器に安定した減衰力を発生させることができる減衰バルブを提供することである。
【解決手段】複筒型緩衝器Dにおけるシリンダ20とシリンダ20との間にリザーバRを形成する外筒21の双方の端部に嵌合してシリンダ20内に摺動自在に挿入されるピストン22に連結されるピストンロッド23を軸支するロッドガイド2に設けられてシリンダ20内に連通される弁孔3と、上記ロッドガイド2に取り付けられて上記リザーバR内に突出して弁孔3とリザーバRとを連通するパイプ9と、弁孔3の内周に設けた弁座4と、弁孔3内に軸方向に移動自在に挿入されて弁座4に離着座する弁体5と、弁体5を弁座側へ向けて附勢する附勢部材6とを備えた減衰バルブ1において、弁孔3とリザーバRとの間にオリフィス8を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複筒型緩衝器に用いられる減衰バルブの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
減衰バルブは、緩衝器の伸縮に伴う作動流体の流れに抵抗を与えて緩衝器に減衰力を発揮させるものであるが、ユニフロー型の複筒型緩衝器に用いられるものとしては、複筒型緩衝器におけるシリンダとシリンダとの間にリザーバを形成する外筒の双方の端部に嵌合してシリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンに連結されるピストンロッドを軸支するロッドガイドに組み込まれるものが知られている(たとえば、特許文献1,2参照)。
【0003】
より詳しくは、減衰バルブは、複筒型緩衝器における上記ロッドガイドに設けられてシリンダ内に連通される弁孔と、ロッドガイドに取り付けられてリザーバ内に突出して弁孔とリザーバとを連通するパイプと、弁孔の内周に設けた弁座と、弁孔内に軸方向に移動自在に挿入される弁体と、弁体を弁座側へ向けて附勢するコイルばねとを備えている。
【0004】
また、複筒型緩衝器は、シリンダ内に作動流体が充填されるロッド側室とピストン側室を区画するとともに上記ピストンロッドに連結されるピストンと、ピストン側室からロッド側室へ向かう作動流体の流れのみを許容する逆止弁と、リザーバからピストン側室へ向かう作動流体の流れのみを許容する吸込弁を備えており、上記弁孔は、シリンダ内のロッド側室とリザーバとを連通するようになっている。
【0005】
この複筒型緩衝器は、伸長しても収縮してもシリンダ内から弁孔を介してリザーバへ作動流体を排出するようになっており、いずれにしても減衰バルブでシリンダ内からリザーバへ向かう作動流体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮するようになっている。なお、伸長時にはシリンダ内で不足する作動流体が吸込弁を介してシリンダ内に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−349629号公報
【特許文献2】特開平11−344068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この従来の減衰バルブにあっては、弁体がコイルばねによって附勢されており、このコイルばねの初期荷重によって開弁圧が調節されるとともに、コイルばねのばね定数によって複筒型緩衝器における減衰特性を調節することができるようになっている。
【0008】
しかしながら、このようにコイルばねで弁体を附勢する減衰バルブにあっては、複筒型緩衝器が高速作動を呈すると、つまり、複筒型緩衝器が高速で伸縮を繰り返すと、シリンダ内の圧力変動によって弁体の軸方向振動が励起されて発振し、複筒型緩衝器が発生する減衰力が安定せず振動的となってしまう問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、弁体の発振を抑制して複筒型緩衝器に安定した減衰力を発生させることができる減衰バルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、複筒型緩衝器におけるシリンダとシリンダとの間にリザーバを形成する外筒の双方の端部に嵌合してシリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンに連結されるピストンロッドを軸支するロッドガイドに設けられてシリンダ内に連通される弁孔と、上記ロッドガイドに取り付けられて上記リザーバ内に突出して弁孔とリザーバとを連通するパイプと、弁孔の内周に設けた弁座と、弁孔内に軸方向に移動自在に挿入されて弁座に離着座する弁体と、弁体を弁座側へ向けて附勢する附勢部材とを備えた減衰バルブにおいて、弁孔とリザーバとの間にオリフィスを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の減衰バルブによれば、複筒型緩衝器が高速で伸縮する高速作動をする場合にあっても、オリフィスによって弁体に背圧を作用させることができ、当該背圧で弁体の軸方向振動が押さえ込まれて発振が防止され、複筒型緩衝器が発生する減衰力も安定して振動的となってしまう問題が解消される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施の形態における減衰バルブが搭載された複筒型緩衝器の縦断面図である。
【図2】一実施の形態における減衰バルブの拡大縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態における減衰バルブ1は、図1および図2に示すように、複筒型緩衝器Dにおけるシリンダ20と外筒21の双方の端部に嵌合されるロッドガイド2に設けられてシリンダ20内のロッド側室R1に連通される弁孔3と、ロッドガイド2に取り付けられてシリンダ20と外筒21との間に形成されるリザーバR内に突出して弁孔3と当該リザーバRとを連通するパイプ9と、弁孔3の内周に設けた弁座4と、弁孔3内に軸方向に移動自在に挿入されて上記弁座4に離着座する弁体5と、弁体5を弁座4側へ向けて附勢する附勢部材としてのコイルばね6と、弁孔3とリザーバRとの間に設けたオリフィス8とを備えて構成されている。
【0014】
他方、この減衰バルブ1が適用される複筒型緩衝器Dは、シリンダ20と、シリンダ20との間にリザーバRを形成する外筒21と、シリンダ20内に摺動自在に挿入されてシリンダ20内を作動流体としての作動油が充填されるロッド側室R1とピストン側室R2とに区画するピストン22と、シリンダ20内に移動自在に挿入されてピストン22に連結されるピストンロッド23と、シリンダ20と外筒21の双方の端部に嵌合されてピストンロッド23を軸支するロッドガイド2と、シリンダ20の図1中下端に嵌合される仕切部材24と、外筒21の図1中下端を閉塞する蓋25と、ピストン22に設けたピストン側室R2とロッド側室R1とを連通するピストン通路26と、ピストン通路26に設けられてピストン側室R2からロッド側室R1へ向かう作動油の流れのみを許容する逆止弁27と、仕切部材24に設けられてリザーバRとピストン側室R2とを連通する吸込通路28と、吸込通路28に設けられてリザーバRからピストン側室R2へ向かう作動油の流れのみを許容する吸込弁29とを備えて構成されている。なお、作動流体は、作動油のほか、気体、水、水溶液、電気粘性流体、磁気粘性流体等、緩衝器に適用可能なものを採用することが可能である。
【0015】
そして、複筒型緩衝器Dが伸長作動してピストン22が図1中上方へ移動する場合、減衰バルブ1が開弁して圧縮されるロッド側室R1から弁孔3およびパイプ9を介してリザーバRへ作動油が流れ、当該作動油の流れに減衰バルブ1で抵抗を与えることでロッド側室R1が昇圧され複筒型緩衝器Dは伸長作動を抑制する減衰力を発揮する。なお、この伸長作動に際して、ピストン22が図1中上昇することでピストン側室R2の容積が増大するが、吸込通路28に設けた吸込弁29が開弁して当該増大見合いの作動油がリザーバRからピストン側室R2へ供給される。
【0016】
また、複筒型緩衝器Dが収縮作動してピストン22が図1中下方へ移動する場合、ピストン通路26に設けた逆止弁27が開弁して圧縮されるピストン側室R2からロッド側室R1へ作動油が移動するとともに、シリンダ20内へ侵入するピストンロッド23の体積に見合った作動油がシリンダ20内で過剰となるので、減衰バルブ1が開弁してこの過剰分の作動油が弁孔3およびパイプ9を介してリザーバRへ作動油が流れ、当該作動油の流れに減衰バルブ1で抵抗を与えることでシリンダ20内の全体の圧力が上昇し複筒型緩衝器Dは収縮作動を抑制する減衰力を発揮する。
【0017】
つまり、この複筒型緩衝器Dは、伸長作動時であっても収縮作動時であっても作動油が減衰バルブ1を通過してリザーバRへ流れ、伸縮作動を繰り返すことによって、作動油がロッド側室R1、リザーバR、ピストン側室R2、ロッド側室R1の順に循環するユニフロー型の緩衝器に設定されている。
【0018】
以下、減衰バルブ1について詳細に説明する。ロッドガイド2は、筒状であって、外周が外筒21の図1中上端内周に嵌合し、内周がシリンダ20の図1中上端外周に嵌合している。
【0019】
また、ロッドガイド2の図1中下端の内周径がシリンダ20の外周に嵌合可能な径とされるほか、図1中上端内周にはピストンロッド23の外周に摺接してピストンロッド周りをシールするシール部材30が装着される凹部2aが形成されるとともに、内周であって凹部2aより下方にはピストンロッド23の外周に摺接する筒状の軸受31が装着されている。また、ロッドガイド2の内周であって軸受31の装着部より下方であってシリンダ20の嵌合部より上方の中間部2bにおける内径は、ピストンロッド23の外径より大径に設定されていて、ピストンロッド23との間に隙間が形成されている。
【0020】
つづいて、ロッドガイド2に設けられる弁孔3は、ロッドガイド2の外周から開口して中間部2bへ抜けていて、ロッドガイド2のリザーバRへ臨む端部から開口して弁孔3の途中へ通じる縦孔11によってリザーバRへ連通されている。
【0021】
また、弁孔3は、その途中であって縦孔11よりもロッドガイド2の内周側を小径として設けた小径部3aと、小径部3aの弁孔3内側の端部内周縁に設けた環状の弁座4と、図2中右端内周に設けた螺子部3bとを備えており、この螺子部3bには、ばね座10が螺着されている。
【0022】
また、ロッドガイド2に形成された縦孔11にも螺子部11aが設けられており、当該螺子部11aにパイプ9の図2中上端外周に設けた螺子部9aを螺合することで、ロッドガイド2にパイプ9が固定されており、パイプ9は、リザーバR内に突出して収容され、その図2中下端開口端はリザーバRの途中に配置される。したがって、シリンダ20のロッド側室R1とリザーバRとは、弁孔3及びパイプ9を介して連通されている。なお、パイプ9の縦孔11への固定は、螺子結合以外にも圧入、溶接によって行うようにしてもよい。
【0023】
弁体5は、上記弁孔3内に当該弁孔3の軸方向へ移動自在に収容され、弁座4に離着座して外周に切欠5fを備えた円盤状の弁本体5aと、弁本体5aの正面側となる図2中左端に形成の円柱状の軸部5bと、弁本体5aの反軸部側となる図2中右側に突出されるばね嵌合部5cと、軸部5bに設けた溝5dと、溝5dからばね嵌合部5cの端部に通じるオリフィス通路5eとを備えて構成されている。
【0024】
軸部5bは、弁孔3における小径部3a内に摺動自在に挿入され、この軸部5bをガイドとして弁体5は、弁孔3に対し軸ぶれすることなく軸方向へ移動することができるようになっている。なお、弁本体5aの外周を弁孔3の内周面に摺接させることで弁体5の移動をガイドさせるようにしてもよい。また、弁本体5aの外周と弁孔3との間の隙間が十分に大きければ、弁本体5aの外周に設けた切欠5fを廃止してもよいが、切欠5fで流路面積を確保することで弁孔3の内径を小さくすることができ、減衰バルブ1を小型なものとすることができる。
【0025】
そして、弁本体5aの図2中左端を弁座4の図2中右端面に当接させて着座させると、減衰バルブ1は閉弁し、弁孔3内への作動油の流入を遮断することができるようになっている。また、軸部5bには、先端から基端にかけてU字状の溝5dを備えており、弁本体5aの図2中左端が弁座4の図2中右端面から図2中右方となる弁孔3内側へ後退すると、その後退量に応じて溝5dが小径部3aより弁孔3内側に入り込んで減衰バルブ1が開弁し、当該溝5dを介して作動油が弁孔3内へ流入することができるようになっている。そして、この弁体5における弁本体5aの後退量に応じて溝5dが弁孔3内に入り込むに従って減衰バルブ1の弁開口面積が増加するようになっている。なお、軸部5bの形状は、上記したところには限定されるものではなく、特に、弁体5の移動についてのガイドとしての機能を果さずともよい。
【0026】
そして、上記した弁孔3内であってロッドガイド2の外周側端部には、弁体5の他にばね座10が収容されている。詳しくは、当該ばね座10は、円筒状のばね嵌合部10aと、ばね嵌合部10aの外周に設けられて弁孔3の螺子部3bに螺着されるばね受部10bとを備えて構成されている。
【0027】
また、当該ばね座10と弁体5との間には、附勢部材としてのコイルばね6が介装されている。このコイルばね6は、ばね座10と弁体5との間に圧縮状態で介装されていて、初期荷重が与えられており、この圧縮されたコイルばね6の初期荷重による附勢力で弁体5を弁座4へ向けて押し付けている。なお、附勢部材は弁体5を附勢することができればよいので、コイルばね以外の弾性体を使用することもできる。
【0028】
よって、減衰バルブ1は、ロッド側室R1内の圧力が弁体5の軸部5aに作用して、弁体5を押す力がコイルばね6の弁体5を附勢する附勢力を上回ると開弁して、弁体5を押し退けて溝5dを通過した流体は弁孔3、縦孔11およびパイプ9を通過してリザーバRへと抜けていくことになる。
【0029】
そして、弁体5は、先端側に作用する圧力が大きくなればなるほど、弁座4から離れて弁孔3の内方への後退量が増加し、後退量の増加とともに弁体5と弁座4で制限する弁開口面積も増加する。なお、複筒型緩衝器Dの伸縮速度が低速であって、弁体5に作用するロッド側室R1の圧力による弁体5を押圧する力が小さくコイルばね6の初期荷重に打ち勝って弁体5を弁座4から離座させることができない場合には、作動油は、弁体5における溝5dとばね嵌合部5cの端部とを連通しているオリフィス通路5eを通過してリザーバRへ移動するようになっていて、複筒型緩衝器Dは、弁体5が弁座4から離座するまでは、離座した後に比べて高い減衰係数で減衰力を発揮するようになっている。ただし、要求される減衰特性によっては、オリフィス通路5eを設けずともよい。
【0030】
転じて、パイプ9の図2中上端となる縦孔側端部には、オリフィスピース7が装着されている。このオリフィスピース7は、筒状であって内周でオリフィス8を形成するとともにパイプ9内に嵌合されるピース本体7aと、ピース本体7aの図2中上端外周に設けられて外径が縦孔11の内径より小径であってパイプ9の内径より大径な鍔7bとを備えて構成されている。
【0031】
そして、このオリフィスピース7のピース本体7aをパイプ9の図2中上端となる弁孔3側に嵌合すると、鍔7bがパイプ9の上端面と対向するのでオリフィスピース7がパイプ9内に完全に入り込んで抜けてしまうことが無い。また、この実施の形態の場合、ばね座10の弁孔3に形成される螺子部3bに螺着されるばね受部10bは、縦孔11の弁孔3に対する開口の一部に干渉して当該開口のロッドガイド外周側端に対向していて、パイプ9を縦孔11の螺子部11aに装着すると、オリフィスピース7がパイプ9から図2中上方側へ抜け出ようとしても上記ばね受部10bの側部に衝合して上方への移動が規制されてオリフィスピース7のパイプ9からの脱落が防止されている。なお、オリフィスピース7のピース本体7aをパイプ9に圧入することで、オリフィスピース7をパイプ9に固定するようにしてもよい。
【0032】
このようにオリフィスピース7を設けることで、ロッド側室R1から排出される作動油は、弁体5と弁座4との間の隙間を通過した後、オリフィス8を通過しパイプ9を介してリザーバRへ移動することになる。
【0033】
したがって、複筒型緩衝器Dが伸縮作動を呈し、ロッド側室R1から排出される作動油が弁体5を押して、弁体5が弁座4から離座して減衰バルブ1が開弁すると、弁体5と弁座4との間を通過した作動油の流れがオリフィス8によって絞られるので、弁孔3内の圧力はリザーバRよりも高くなり弁孔3内の圧力が弁体5に背圧として作用する。このように弁体5には、オリフィス8によって背圧が作用して弁座4側へ押圧されるので、複筒型緩衝器Dが高速で伸縮する高速作動をする場合にあっても、弁体5の軸方向振動が押さえ込まれて発振が防止され、複筒型緩衝器Dが発生する減衰力も安定して振動的となってしまう問題が解消されることになる。
【0034】
また、この実施の形態では、オリフィス8を備えたオリフィスピース7をパイプ9に装着するようにしているので、オリフィス8の設置にパイプ9やロッドガイド2への加工を必要とせず、既存の減衰バルブにオリフィス8を容易かつコストを掛けずに組み込むことができる。
【0035】
さらに、ばね座10が縦孔11の一部に対向してパイプ9の縦孔側端部に鍔7bを備えたオリフィスピース7を装着するようになっているので、オリフィスピース7が弁孔3内に入り込んで弁体5と干渉したり、パイプ9をすり抜けてリザーバRへ落下することもない。
【0036】
なお、上述したようにオリフィスピース7をパイプ9の縦孔側端部に装着するとよいが、パイプ9のリザーバ側端部に装着しても本発明の作用効果を奏することができ、また、パイプ9の一部の内径を小径に設定して小径部を設け、当該小径部でオリフィスを形成するようにしてもよい。このようにパイプ9に小径部を設ける場合、パイプ9の一部を絞る加工をすればよい。さらに、縦孔11の一部を小径に設定してオリフィスを設ける構成を採用することも可能である。さらに、オリフィスピースをオリフィスとして機能する孔を備えた円盤として、当該円盤状のオリフィスピースをパイプ9の縦孔側端部とばね座10とで挟持してもよい。
【0037】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の減衰バルブは、複筒型緩衝器に利用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 減衰バルブ
2 ロッドガイド
2a 凹部
2b 中間部
3 弁孔
3a 弁孔における小径部
3b 弁孔における螺子部
4 弁座
5 弁体
5a 弁体における弁本体
5b 弁体における軸部
5c 弁体におけるばね嵌合部
5d 弁体における溝
5e 弁体におけるオリフィス通路
5f 弁体における切欠
6 附勢部材としてのコイルばね
7 オリフィスピース
7a オリフィスピースにおけるピース本体
7b オリフィスピースにおける鍔
8 オリフィス
9 パイプ
9a 螺子部
10 ばね座
10a ばね嵌合部
10b ばね受部
11 縦孔
11a 縦孔における螺子部
20 シリンダ
21 外筒
22 ピストン
23 ピストンロッド
24 仕切部材
25 蓋
26 ピストン通路
27 逆止弁
28 吸込通路
29 吸込弁
30 シール部材
31 軸受
D 複筒型緩衝器
R リザーバ
R1 ロッド側室
R2 ピストン側室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複筒型緩衝器におけるシリンダとシリンダとの間にリザーバを形成する外筒の双方の端部に嵌合してシリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンに連結されるピストンロッドを軸支する筒状のロッドガイドに設けられてシリンダ内に連通される弁孔と、上記ロッドガイドに取り付けられて上記リザーバ内に突出して弁孔とリザーバとを連通するパイプと、弁孔の内周に設けた弁座と、弁孔内に軸方向に移動自在に挿入されて弁座に離着座する弁体と、弁体を弁座側へ向けて附勢する附勢部材とを備えた減衰バルブにおいて、弁孔とリザーバとの間にオリフィスを設けたことを特徴とする減衰バルブ。
【請求項2】
筒状であって内周に上記オリフィスが形成されるオリフィスピースを設け、当該オリフィスピースをパイプに装着することを特徴とする請求項1に記載の減衰バルブ。
【請求項3】
パイプは、ロッドガイドのリザーバに臨む端部から開口して弁孔に通じる上記縦孔に装着されるとともに、オリフィスピースは外周にパイプの内径より大径な鍔を備えてパイプの縦孔側端部に嵌着されることを特徴とする請求項2に記載の減衰バルブ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−13119(P2012−13119A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148537(P2010−148537)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】