説明

温度計測装置及び温度分布計測システム

【課題】半導体基板の温度の計測精度を向上することができる温度計測装置および温度分布計測システムを提供する。
【解決手段】Si、SiC、GaN、GaAs、InPなどの半導体基板33の温度を計測する温度計測装置100において、広帯域光源31と、広帯域光源31から出射した光を半導体基板33に集光する集光光学系32と、半導体基板33からの散乱光を受光し、集光する受光光学系34と、受光光学系34により集光した光を分光し、光スペクトルを測定する分光計35と、分光計35で測定された光スペクトルに基づいて半導体基板33の温度を演算計測する温度演算手段36とを含んで構成する。温度演算手段36は、分光計35で測定された光スペクトルを波長で微分することによって、波長と散乱光の強度変化率に基づく吸収波長を演算し、この吸収波長に基づいて半導体基板33の温度を演算計測するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板や半導体材料の温度を計測する温度計測装置及び温度分布計測システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、酸化、焼きなまし、化学的又は物理的真空めっきなどの様々な反応が、処理されるべき半導体基板の表面上に起こる。このようなプロセス中に、半導体基板の表面及び表面膜(表面フィルム)の物理的特性は大きく変化してしまう。特に基板温度は、半導体基板の表面構造又は膜の物理的特性の制御に多大な影響を及ぼすパラメータであり、半導体プロセスにおいては、半導体基板の温度の制御及び温度を均一にすることが重要となる。この場合、基板温度を正確に測定する技術が不可欠である。
【0003】
従来、半導体プロセス中における半導体基板の温度計測方法としては、非接触方法又は接触方法のいずれかの方法が用いられていた。例えば、特許文献1には、接触方法による温度計測装置が示されている。図6は、特許文献1のウェハの上面図であり、図7は温度計測装置(測温基板)の上面図、図8は測温基板の側面図である。また、図9は、この接触方法による計測状況の一例を示す写真である。
【0004】
図6及び図7に示すように、ウェハ1の半導体基板10は、基板材料内の内径12の閉塞された円形状の凹部状キャビティ13と、キャビティ開口16とを包含する。熱電対配線14及び熱電対接合部15の円形状構成は、凹部状キャビティ13に被包されている。閉塞された凹部状キャビティ13の内側境界内の熱電対配線14及び熱電対接合部15の被包は、熱電対接合部15の領域における近似的な等温状態を与える。
【0005】
また、図8に示すように、キャビティ開口16及び接着剤18を通じて熱電対配線14が突出している。接着剤18はセラミックであり、接着剤による赤外線放射の吸収及び放射に関連した誤差を最小化する目的で、最小の表面領域を有する。接着剤18は、半導体基板10と熱電対配線14との間の熱伝導手段を与える。絶縁被覆17は、凹部状キャビティ13への熱電対配線14の挿入に先立って、熱電対配線14に形成されている。絶縁被覆17は、熱電対配線14を覆い、半導体基板10のシリコンから化学的に絶縁するので、高温におけるケイ素化合物形成を防止する。熱電対接合部15もまた絶縁被覆17により被包され、化学的に絶縁されている。絶縁被覆17と接着剤18は、同一の材料又は異なる材料が用いられる。
【0006】
特許文献1の温度計測装置による検出温度は、成膜している基板の温度を直接測定しているわけではないことから、あくまで参考値として用いられるものである。また、このような接触方法は、ダミーウェハで行うため、半導体製造プロセス中に適用することは困難である。
【0007】
一方、非接触方法の温度計測装置として、放射温度計が知られている。こうした非接触方法の温度計では幾つかの不都合を有する。その主たるものは、温度、ドーピングレベル及び膜特性と共に変化する表面光学的放射特性の信頼性が比較的低いことである。
【0008】
放射温度計は、赤外線の受光光量を温度に換算する原理を用いることから、計測対象物の持つ赤外線の放射率を予め把握しておく必要があるが、放射率は一般に温度によって変化し、しかも半導体プロセス中においては半導体基板表面で起こる反応によっても変化する。このため、温度計測に用いる放射率としては、各状況に対応して補正された値を用いなければならない。しかし、PECVDなどの成膜処理では、発光し、さらに表面材料が変化するため、放射率の補正が困難で正確な温度に換算することが難しいという問題があった。
【0009】
こうした問題を解決するための温度計測方法として、半導体基板のバンドギャップによって生じる散乱光の吸収スペクトルを測定するバンドギャップ検出法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0010】
バンドギャップ検出法は、バンドギャップを有する半導体基板の特性、すなわち半導体は、バンドギャップエネルギーよりエネルギーの小さい光は透過するが、大きい光は透過しないことを利用したものである。バンドギャップは温度に対して変化するため、吸収変化を検出することで基板の温度を計測しようとするものである。
【0011】
以下にバンドギャップ検出法について説明する。
図10は、バンドギャップ検出法による装置構成図である。図10に示すように、この装置は、広帯域光源51と、広帯域光源から出射した光を集光する集光光学系52と、半導体基板53からの散乱光を受光し、集光する受光光学系54と、集光した光を分光し、光スペクトルを測定する分光計55と、分光計により得られたスペクトルから吸収波長を演算する温度演算手段56とで構成される。
【0012】
この構成によれば、半導体基板のバンドギャップにより吸収を受けた散乱光を検出し、その散乱光の光スペクトル及び吸収波長を検出する。図11の分光分布曲線図に示すように、吸収波長は温度によって変化するので、このことを利用して半導体基板の温度を計測する。非特許文献1の装置では、散乱光の光スペクトルから吸収端の位置を算出するために吸収部分の直線近似を行っており、得られた吸収端の波長を温度に換算することで温度を計測している。
【0013】
【特許文献1】特表平10−505157号公報
【非特許文献1】株式会社日本ビーテックの製品カタログ「高精度半導体基板温度測定システム kSA−BandiT」、Ver.2004−J−2.0
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ところで、上記の従来のバンドギャップ検出法では、散乱光の光スペクトルから吸収端の波長を演算する場合に直線近似を行っている。この場合、光スペクトル自身が曲線であることから誤差を生じる。また、例えばヒータからの熱や成膜中に発生する光の影響を受けるとスペクトルが変化することがある。このような場合、正確な波長を算出できず、温度の計測精度が低下することがあった。
【0015】
また、上記の従来のバンドギャップ検出法は、温度検出箇所が1点であることから、複数点を同時計測するには、計測装置を複数台数を用意するか、もしくは、基板を可動させるしかなく、基板における温度分布を計測することが困難であった。
【0016】
さらに、上記の従来のバンドギャップ検出法を半導体プロセスに適用する場合、プラズマCVDではプラズマによる発光の影響があり、可視から近赤外まで様々な発光スペクトルが生じる。このスペクトルは、成膜時に使用するガスによって変化するため、温度計測に誤差を生じることがあった。
【0017】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、半導体基板の温度の計測精度を向上することができる温度計測装置および温度分布計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る温度計測装置は、Si、SiC、GaN、GaAs、InPなどの半導体基板の温度を計測する温度計測装置において、広帯域光源と、広帯域光源から出射した光を半導体基板に集光する集光光学系と、半導体基板からの散乱光を受光し、集光する受光光学系と、受光光学系により集光した光を分光し、光スペクトルを測定する分光計と、分光計で測定された光スペクトルに基づいて半導体基板の温度を演算計測する温度演算手段とを含んで構成され、温度演算手段は、分光計で測定された光スペクトルを波長で微分することによって、波長と散乱光の強度変化率に基づく吸収波長を演算し、この吸収波長に基づいて半導体基板の温度を演算計測することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項2に係る温度計測装置は、上述した請求項1において、予め計測した発光スペクトルと、実測した発光スペクトルとの差分を演算し、この差分の発光スペクトルに基づいて半導体基板の温度を演算計測する差分演算手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項3に係る温度分布計測システムは、上述した請求項1又は2に記載の温度計測装置と、半導体基板の温度分布を計測可能な放射温度計とを用いて半導体基板の温度分布を計測する温度分布計測システムであって、前記放射温度計は、前記温度計測装置による温度計測箇所を含む半導体基板の温度を計測可能に設置され、前記放射温度計は、受光する赤外線の強度と前記温度計測装置による計測温度とに基づいて温度分布を計測することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1の温度計測装置によれば、半導体基板からの散乱光を受光し、集光する受光光学系と、受光光学系により集光した光を分光し、光スペクトルを測定する分光計と、分光計で測定された光スペクトルに基づいて半導体基板の温度を演算計測する温度演算手段とを含んで構成される。この温度演算手段は、半導体基板のバンドギャップにより吸収を受けた散乱光(反射光)の光スペクトルを波長で微分することによって、波長と散乱光の強度変化率に基づく吸収波長を演算し、この吸収波長が温度によって変化することを利用して半導体基板の温度を演算計測する。このため、反射光の強度が変化する部分をピークとして検出することができるので、半導体基板の温度の計測精度を向上することができる。
【0022】
本発明の請求項2の温度計測装置によれば、予め計測した発光スペクトルと、実測した発光スペクトルとの差分を演算し、この差分の発光スペクトルに基づいて半導体基板の温度を演算計測する差分演算手段を備えるので、特に温度計測の精度低下をもたらす要因となるPECVDなど他の発光がある場合であっても、温度の計測誤差を減少することができる。このため、半導体基板の温度の計測精度を向上することができる。
【0023】
本発明の請求項3の温度分布計測システムによれば、温度計測装置による温度計測箇所を含む半導体基板の温度を計測可能に設置された放射温度計が、受光した赤外線の強度と温度計測装置による計測温度とに基づいて半導体基板の温度分布を計測する。このように、温度測定装置による計測温度を基準として放射温度計による計測温度の補正を行うことで、半導体基板の温度分布をより正確に計測することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明に係る温度計測装置の好適な実施の形態(第1及び第2の実施例)及び、本発明に係る温度分布計測システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施例)
図1に示すように、第1の実施例の温度計測装置100は、広帯域光源31と、広帯域光源31から出射した光を半導体基板33に集光する集光光学系32と、半導体基板33からの散乱光を受光し、集光する受光光学系34とを備える。さらに、温度計測装置100は、受光光学系34により集光した光を分光し、光スペクトルを測定する分光計35と、分光計35で測定された光スペクトルに基づいて半導体基板33の温度を演算計測する温度演算手段36とを備える。半導体基板33は、Si、SiC、GaN、GaAs、InPなどの半導体材料から構成されてある。
【0026】
温度演算手段36は、分光計35で測定された光スペクトルを波長で微分することによって、波長と散乱光の強度変化率に基づく吸収波長を演算処理し、この吸収波長に基づいて半導体基板33の温度を演算計測するようにされてある。
【0027】
図2は、本発明の温度演算手段36による処理の一例を示すグラフであり、図2(a)は散乱光の光スペクトル、図2(b)は、強度変化率を示している。図2(a)において、横軸は波長(nm)、縦軸はスペクトル強度を示しており、図2(b)において、横軸は波長(nm)、縦軸は図2(a)のスペクトル強度を波長で微分することによって得られる強度変化率を示している。
【0028】
図2(a)に示すように、強度変化率は、吸収端付近で最大となり、図2(b)に示すように、吸収端付近でピークとして現れる。
【0029】
ここで、散乱光の中にノイズ成分となる光が含まれる場合には、光スペクトル全体の形状が変わる。この場合、上記の従来のバンドギャップ検出法では、直線近似した際に吸収端の波長のバラツキが増し、このことによって温度の計測誤差が大きくなっていた。一方、本発明の第1の実施例の温度計測装置100では、直線近似を行わずに微分処理を行い、ピークを求めることによって吸収波長を検出する。そして、吸収波長が温度によって変化することを利用して基板温度を演算計測する。このように本発明は、直線近似によらずに、波長による微分処理によって変化率を求めることから従来のバンドギャップ検出法に比べて温度の計測誤差を減少することができる。従って、半導体基板の温度の計測精度を向上することができる。
【0030】
上記構成による処理動作について説明する。
広帯域光源31から出射した光は、集光光学系32によって集光され、半導体基板33に照射される。半導体基板33のバンドギャップにより吸収を受けた散乱光は、受光光学系34により受光され、集光されて分光計35に導かれる。分光計35は集光した光を分光し、散乱光の光スペクトルを取得する。
【0031】
温度演算手段36は、分光計35からの散乱光の光スペクトルを波長で微分処理することにより、散乱光の強度変化率を算出する。より詳細には、散乱光の光スペクトルの吸収変化の変化率、つまり隣り合う吸収の差を波長で除算することで変化率を算出する。こうすることで吸収波長を演算し、この吸収波長が温度によって変化することを利用して半導体基板33の温度を演算計測する。このように本発明では、散乱光の強度が変化する部分に対する微分処理によってピークを波長として検出するので、吸収波長が明確になる。そして、このピーク波長を用いて温度を演算計測する。このため、従来のように直線近似により温度を演算計測しないので近似に伴う誤差を減少することができる。したがって、プロセス中において高精度にて温度計測を行うことができる。
【0032】
(第2の実施例)
第2の実施例の温度計測装置200は、図3に示すように、第1の実施例の構成(温度計測装置100)において差分演算手段38をさらに備えるように構成したものである。以下の説明では、第1の実施例の温度計測装置100と同一の構成要素については同一符号を付して詳細な説明を省略するものとする。
【0033】
差分演算手段38は、予め計測した発光スペクトルと、実測した発光スペクトルとの差分を演算し、この差分の発光スペクトルに基づいて半導体基板33の温度を演算計測するものである。すなわち、予め発光状態を測定しておき、この状態を基準の発光スペクトルとし、そして、この基準の発光スペクトルと、実測した発光スペクトルとの差分を演算し、得られた差分の発光スペクトルを波長で微分して、吸収端を示すピーク波長を演算するものである。
【0034】
こうすることで、半導体プロセスで使用する場合に、プラズマCVDのプラズマの発光の影響を受けることによる温度の計測誤差を減少させることができる。これにより、プラズマCVDの発光状態においても、半導体基板33の温度をより正確に計測することができる。
【0035】
(温度分布計測システムの実施例)
次に、本発明に係る温度分布計測システムの実施の形態について説明する。
図4に示すように、温度分布計測システム300は、第1の実施例の構成(温度計測装置100)において放射温度計37をさらに備えるように構成したものであり、半導体基板33に対して温度計測装置100と放射温度計37とを設置する。以下の説明では、第1の実施例の温度計測装置100と同一の構成要素については同一符号を付して詳細な説明を省略するものとする。
【0036】
図5の半導体基板の部分平面図に示すように、温度計測装置100による半導体基板33の温度検出部分60(中央の黒丸で囲まれた部分)の周囲には、温度計測範囲61(外側の円に囲まれたハッチング領域)が設定されてある。放射温度計37は、これら温度検出部分60と温度計測範囲61とを計測可能に配置されてある。
【0037】
このように構成された温度分布計測システム300は、温度計測装置100で半導体基板33の絶対温度を計測し、放射温度計37で相対温度を計測する。そして、温度分布計測システム300は、放射温度計37による温度検出部分60の補正計測温度が温度計測装置100による温度検出部分60の計測温度に一致するように放射温度計37における放射率を調節し、半導体基板33の温度分布を演算計測する。このように、温度計測装置100を放射温度計37と組み合わせることで、プロセス中における半導体基板33の温度分布を高精度にて計測することができる。
【0038】
なお、上記の実施形態において、温度分布計測システム300は、第1の実施例の構成(温度計測装置100)において放射温度計37をさらに備えた場合について説明したが、このようにする代わりに、第2の実施例の構成(温度計測装置200)において放射温度計37をさらに備えるようにしてもよい。
【0039】
以上説明したように、本発明の温度計測装置によれば、半導体基板の散乱光の光スペクトルを波長で微分することによって散乱光の強度の変化部分をピークとして検出する。そして、このピークの波長に基づいて温度を演算計測するので、半導体基板の温度の計測精度を向上することができる。また、本発明の温度分布計測システムによれば、本発明の温度計測装置及び放射温度計を用いて半導体基板の温度分布を計測することができる。したがって、半導体基板製造プロセス中における基板温度をより正確に計測することができ、基板の温度制御を精度良く行うことができる。これによって、プロセスの安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施例による温度計測装置の概略構成図である。
【図2】本発明による処理の一例を示すグラフ図であり、(a)は散乱光の光スペクトルを示す図、(b)は強度変化率を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例による温度計測装置の概略構成図である。
【図4】本発明に係る温度分布計測システムの概略構成図である。
【図5】半導体基板の部分平面図である。
【図6】従来のウェハの上面図である。
【図7】従来の温度計測装置(測温基板)の上面図である。
【図8】従来の温度計測装置(測温基板)の側面図である。
【図9】従来の温度計測装置(接触方法)による計測状況の一例を示す写真である。
【図10】従来の温度計測装置(バンドギャップ検出法)の装置構成図である。
【図11】分光分布曲線の一例を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ウェハ
10 半導体基板
12 内径
13 凹部状キャビティ
14 熱電対配線
15 熱電対接合部
16 キャビティ開口
17 絶縁被覆
18 接着剤
31,51 広帯域光源
32,52 集光光学系
33,53 半導体基板
34,54 受光光学系
35,55 分光計
36,56 温度演算手段
37 放射温度計
38 差分演算手段
100,200 温度計測装置
300 温度分布計測システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Si、SiC、GaN、GaAs、InPなどの半導体基板の温度を計測する温度計測装置において、
広帯域光源と、
広帯域光源から出射した光を半導体基板に集光する集光光学系と、
半導体基板からの散乱光を受光し、集光する受光光学系と、
受光光学系により集光した光を分光し、光スペクトルを測定する分光計と、
分光計で測定された光スペクトルに基づいて半導体基板の温度を演算計測する温度演算手段とを含んで構成され、
温度演算手段は、分光計で測定された光スペクトルを波長で微分することによって、波長と散乱光の強度変化率に基づく吸収波長を演算し、この吸収波長に基づいて半導体基板の温度を演算計測することを特徴とする温度計測装置。
【請求項2】
予め計測した発光スペクトルと、実測した発光スペクトルとの差分を演算し、この差分の発光スペクトルに基づいて半導体基板の温度を演算計測する差分演算手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の温度計測装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の温度計測装置と、半導体基板の温度分布を計測可能な放射温度計とを用いて半導体基板の温度分布を計測する温度分布計測システムであって、
前記放射温度計は、前記温度計測装置による温度計測箇所を含む半導体基板の温度を計測可能に設置され、
前記放射温度計は、受光する赤外線の強度と前記温度計測装置による計測温度とに基づいて温度分布を計測することを特徴とする温度分布計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−25756(P2010−25756A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187563(P2008−187563)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【出願人】(591083244)富士電機システムズ株式会社 (1,717)
【Fターム(参考)】