説明

温感外用組成物及び2剤式温感外用剤

【課題】 本発明の目的は、使用時に快適な温熱を付与し、使用感が良好である温感外用組成物及び2剤式温感外用剤を提供することである。
【解決手段】 温感外用組成物1gに対して、発熱量ポテンシャル15〜110カロリーに相当する量の発熱物質が含まれるように設定して、温感外用組成物を調製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温感外用組成物及び2剤式温感外用剤に関する。より詳細には、本発明は、使用時に快適な温熱を付与し、使用感が良好である温感外用組成物及び2剤式温感外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、肌に適度な温熱を付与できる温感外用剤は、使用時の心地よさと共に、血行促進、代謝不良の改善、リラックス効果、疲労回復等の健康上好ましい効果をもたらすことが知られている。このような温感外用剤は、水との接触により溶解熱、希釈熱又は反応熱等の熱を放出する発熱物質を配合することにより得られることが既に知られており、今日では、温感外用剤として、発熱物質として無機塩や無機酸化物を配合したものが種々報告されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一般に、温感外用剤は、使用時に快適で心地よい温熱を感じるためには、32〜55℃程度に発熱することが望ましいと考えられている。
【0004】
一方、発熱物質による発熱特性は、発熱物質の種類によって大きく異なるため、従来、温感外用剤により発現する温熱の制御には、使用する発熱物質の種類に応じて個別具体的な配合量の設定が必要とされている。しかしながら、従来の温感外用剤において、発熱物質を構成する各化合物毎に具体的に設定されている配合割合では、上記の望ましい発熱温度を具備することができず、発熱が不十分で温熱を感じなかったり、発熱が強過ぎて不快感を与えるという問題があった。
【0005】
更に、温感外用剤は、使用する発熱物質の種類や量に応じて異なるため、適切な量の水を混合しなければ所望の発熱効果を得ることができないことが分かっている。しかしながら、発熱物質を所定温度に発熱させるために、混合される水の量を如何に設定すべきかについては、十分に解明されていないのが現状である。
【0006】
このように従来の温感外用剤では、心地よい温熱を感受して良好な使用感を得ることができず、更なる改良が望まれていた。
【特許文献1】特開平7−173033号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決することである。具体的には、本発明は、使用時に快適な温熱を付与し、使用感が良好である温感外用組成物及び2剤式温感外用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、温感外用組成物1g当たり、発熱量ポテンシャル15〜110カロリーに相当する量の発熱物質が含まれるように設定することにより、使用時に適度な温熱を付与し、使用感が良好である温感外用組成物が得られることを見出した。また、当該温感外用組成物を第1剤とし、更に所定量の水を含む発熱用液を第2剤として、第1剤と第2剤を混合するように設計された2剤式温感外用剤によれば、発現する温熱をより一層適切に制御できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねて開発されたものである。
【0009】
即ち、本発明は、下記に掲げる発明を提供する:
項1. 水と接触することにより発熱する無機塩及び無機酸化物よりなる群から選択される1種又は2種以上の発熱物質を含み、
組成物1g当たり、発熱量ポテンシャル15〜110カロリーに相当する量の発熱物質を含有することを特徴とする、温感外用組成物。
項2. 項1に記載の温感外用組成物からなる第1剤と、水を含有する発熱用液からなる第2剤とを含み、使用時に第1剤と第2剤を混合される2剤式温感外用剤。
項3. 第1剤中に、発熱物質が、該剤1g当たり、発熱量ポテンシャル15〜70カロリーに相当する量が含まれており、
第2剤の水分量が、第1剤に含まれる発熱物質を溶解するのに必要な水分量の5倍以下に相当する量である、項2に記載の2剤式温感外用剤。
項4. 第1剤中に、発熱物質が、該剤1g当たり、発熱量ポテンシャル70〜110カロリーに相当する量が含まれており、
第2剤の水分量が、第1剤に含まれる発熱物質を溶解するのに必要な水分量の0.4倍以下又は0.7〜3.2倍に相当する量である、項2に記載の2剤式温感外用剤。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
(I)温感外用組成物
本発明の温感外用組成物は、水と接触することにより発熱する無機塩及び無機酸化物よりなる群から選択される1種又は2種以上の発熱物質を含み、該組成物1g当たり、発熱量ポテンシャル15〜110カロリーに相当する量の発熱物質を含有することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の温感外用組成物において使用される発熱物質は、水と接触することにより発熱する無機塩及び/又は無機酸化物である。ここで、「水と接触することにより発熱する」とは、水との接触によって溶解熱、希釈熱、反応熱等の熱を放出することを意味する。該発熱物質として使用される無機塩及び無機酸化物としては、特に制限されるものではないが、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、リン酸水素一ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、焼石膏等が挙げられる。これらの中で、好ましくは塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化カルシウム、及び炭酸ナトリウムが挙げられ、更に好ましくは塩化マグネシウム、塩化カルシウム及び硫酸マグネシウムが挙げられる。これらの発熱物質は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0012】
また、本発明の温感外用組成物は、該組成物1g当たり、発熱量ポテンシャル15〜110カロリー、好ましくは40〜80カロリー、更に好ましくは50〜70カロリー、特に好ましくは50〜54.5カロリーに相当する量の上記発熱物質を含有する。このような割合で発熱物質を含有することにより、使用時に適度な温熱を付与して使用感を良好にすることが可能になる。ここで、「組成物1g当たりの発熱量ポテンシャル」とは、組成物1gに含まれる発熱物質が有している水に対する溶解熱の総量(cal;カロリー)のことである。例えば、発熱物質として塩化マグネシウムを17重量%含む組成物の場合であれば、塩化マグネシウムの水に対する溶解熱は37060cal/mol、分子量は95.21であるので、該組成物1g当たりの発熱量ポテンシャルは37060×0.17×1÷95.21=66.17(cal)と算出される。また、発熱物質として、塩化カルシウム(溶解熱19800cal/mol;分子量111)、硫酸マグネシウム(溶解熱21800cal/mol;分子量120.3)、酸化カルシウム(溶解熱15300cal/mol;分子量56)、又は炭酸ナトリウム(溶解熱5900cal/mol;分子量106)を使用する場合についても、上記と同様に組成物1g当たりの発熱量ポテンシャルを算出することができる。
【0013】
即ち、発熱物質として、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化カルシウム又は炭酸ナトリウムを単独で使用する場合には、組成物1g当たりの発熱量ポテンシャルと、該組成物中の各発熱物質の配合割合は、下表のようになる。
【0014】
【表1】

【0015】
本発明の温感外用組成物は、基剤として、非水系成分を含有することができる。このような非水系成分の内、好適なものとして液状油剤を挙げることができる。
【0016】
本発明の温感外用組成物に配合される液状油剤は、常圧下、25℃で液状であって、肌に適用可能であることを限度として、特に制限されない。このような液状油剤としては、例えば、流動パラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー、軽質流動イソパラフィン、軽質イソパラフィン等の炭化水素油;オリーブ油、ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ラノリン、ミンク油、牛脂、魚油、アボカド油、アーモンド油、グレープシード油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、サフラワー油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーム油、ヒマワリ油、ローズヒップ油等の動植物油;イソステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸;イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール等の高級アルコール;イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸オクチル、ミリスチン酸イソセチル、パルミチン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリカプリル・カプリン酸グリセリル、アジピン酸イソプロピル、アジピン酸イソブチル、アジピン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル等のエステル油;ジメチルシリコーン油、環状ジメチルシリコーン油、メチルフェニルポリシロキサン、アルコール変性シリコーン油、アルキル変性シリコーン油、アミノ変性シリコーン油、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン油、ポリグリセリン変性シリコーン油等のシリコーン油等が例示される。これらの中で、好ましくは炭化水素油、エステル油、動植物油である。液状油剤として、流動パラフィン及び/又はイソノナン酸イソノニルを使用することにより、該組成物に優れた洗浄効果を備えさせることが可能になる。
【0017】
また、本発明の温感外用組成物は、上記液状油剤の他、該組成物中で混合されることにより液状を呈することを限度として、常圧下25℃で半固体又は固体状の油剤を含有することもできる。
【0018】
本発明の温感外用組成物に配合される液状油剤の割合としては、例えば、該組成物の総量に対して、液状油剤が総量で0.001〜99重量%、好ましくは5〜96.15重量%、更に好ましくは40〜88重量%となる割合が挙げられる。
【0019】
本発明の温感外用組成物には、界面活性剤を配合することができる。該組成物に配合される界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれを使用してもよいが、好ましくはノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤である。
【0020】
これらの界面活性剤の中でも、(i)HLBが8以下のノニオン界面活性剤(以下、「(i)界面活性剤」と表記することもある)と(ii)HLBが10.5以上のノニオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤(以下、「(ii)界面活性剤」と表記することもある)とを組み合わせて配合することにより、温感外用組成物に、優れた洗浄作用と使用後の洗い流しの容易性(すすぎ性)を備えさせることが可能になる。(i)界面活性剤及び(ii)界面活性剤については、肌に適用可能である限り特に制限されず、公知のものを使用することができる。
【0021】
上記(i)界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。該ノニオン界面活性剤の具体例としては、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10E.O.)グリセリル(HLB3.0)、モノステアリン酸エチレングリコール(HLB3.5)、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB3.7)、モノイソステアリン酸グリセリル(HLB4.0)、ステアリン酸ジエチレングリコール(HLB4.5)、モノステアリン酸ジグリセリル(HLB5.0)、トリオレイン酸ソルビタン(HLB1.7)、ポリオキシエチレン(5E.O.)硬化ヒマシ油(HLB6.0)、ポリオキシエチレン(10E.O.)硬化ヒマシ油(HLB6.5)等が例示される。これらの中で、好ましくはモノイソステアリン酸グリセリル(HLB4.0)、ステアリン酸ジエチレングリコール(HLB4.5)、モノステアリン酸ジグリセリル(HLB5.0)、更に好ましくはトリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(10E.O.)グリセリル(HLB3.0)、モノステアリン酸エチレングリコール(HLB3.5)、セスキオレイン酸ソルビタン(HLB3.7)である。
【0022】
上記(i)界面活性剤として、好ましくはHLBが2〜6のもの、更に好ましくはHLBが2〜4のものが挙げられる。このようなHLB値を有するものを後述する(ii)の界面活性剤と組み合わせることによって、洗浄作用及びすすぎ性を一層良好にすることができる。
【0023】
本発明の温感外用組成物に配合される(i)界面活性剤の割合としては、例えば、該組成物の総量に対して、(i)界面活性剤が総量で1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは2〜10重量%となる割合が挙げられる。
【0024】
上記(ii)界面活性剤として、好適には、10.5以上のノニオン界面活性剤を使用される。上記(ii)界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ポリオキシエチレングリセリル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。該ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレン(10E.O.)セチルエーテル(HLB13.5)、ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油(HLB12.5)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)(HLB15.0)、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン(HLB11.0)、モノラウリン酸デカグリセリル(HLB15.5)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(HLB16.5)、トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン(HLB10.5)、ポリオキシエチレン(20E.O.)硬化ヒマシ油(HLB10.5)、ポリオキシエチレン(20E.O.)ステアリルエーテル(HLB18.0)等が例示される。これらの中で、好ましくはトリオレイン酸ポリオキシエチレン(20E.O.)ソルビタン(HLB11.0)、モノラウリン酸デカグリセリル(HLB15.5)、ジステアリン酸ポリエチレングリコール(HLB16.5)、更に好ましくはポリオキシエチレン(10E.O.)セチルエーテル(HLB13.5)、ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油(HLB12.5)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)(HLB15.0)である。
【0025】
また、上記(ii)界面活性剤として、好ましくはHLBが10.5〜18のもの、更に好ましくは11〜16.5のもの、特に好ましくはHLBが12.5〜13.5のものが挙げられる。このようなHLB値を有するものを前記(i)界面活性剤と組み合わせることによって、洗浄作用及びすすぎ性を一層良好にすることができる。
【0026】
本発明の温感外用組成物に配合される(ii)界面活性剤の割合としては、例えば、該組成物の総量に対して、(ii)界面活性剤が総量で1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、更に好ましくは2〜10重量%となる割合が挙げられる。
【0027】
また、(i)界面活性剤と(ii)界面活性剤との比率については特に制限されないが、例えば、(i)界面活性剤の総量1重量部に対して、(ii)界面活性剤が総量で0.5〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、更に好ましくは1〜10重量部となる割合が挙げられる。このような比率を具備することによって、使用時の温度条件下において、該組成物の皮膚の洗浄作用、及び洗浄後のすすぎ性が一層増強することができる。
【0028】
本発明の温感外用組成物の実施形態の一例として、(i)界面活性剤としてセスキオレイン酸ソルビタン(HLB3.7)を含有し、更に(ii)界面活性剤としてポリオキシエチレン(10E.O.)セチルエーテル(HLB13.5)を含有するものが挙げられる。このような(i)界面活性剤と(ii)界面活性剤との組み合わせにより、32〜55℃程度の温度条件下でより優れた皮膚の洗浄作用が発揮されると共に、すすぎ性も一層良好になるという利点を得ることができる。
【0029】
更に、本発明の温感外用組成物には、本発明の効果を妨げないことを限度として、上記成分の他、殺菌剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、皮脂分泌抑制剤、美白剤、キレート剤、粘度調節剤、pH調整剤、油剤、色素、顔料、香料、保湿剤等の任意の成分を目的に応じて適宜配合することができる。
【0030】
本発明の温感外用組成物は、液状、ゲル状、軟膏状、エアゾール状等のいずれの形態であってもよく、目的の形態に応じて基剤や担体が適宜選択配合される。
【0031】
本発明の温感外用組成物は、公知の方法に従って、上記配合成分を適量混合することにより調製される。なお、本発明の温感外用組成物は、水と接触して発熱する組成物であるので、該組成物は実質的に水を含有していない非水系の組成物であることが望ましい。但し、本発明の効果を妨げない範囲であれば、原料に由来する微量の水分が混入していることを妨げるものではない。
【0032】
本発明の温感外用組成物は、洗顔料、クレンジングパック剤、パック剤、ボディーローション、ボディーシャンプー、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、シェービング化粧料等として使用することができる。中でも特に、本発明の温感外用組成物は、洗顔料やクレンジングパック剤として有用である。
【0033】
本発明の温感外用組成物は、水に接触させて使用されることにより、発熱物質の発熱により適度な温熱を与えることができる。本発明の温感外用組成物は、水や化粧水等の含水組成物と混合した後に肌に適用してもよく、また、肌に水分が存在する場合であれば、予め水と接触させることなくそのまま肌に適用してもよい。但し、本発明の温感外用組成物により付与される温熱は、接触させる水の量の影響を受けて変動するので、快適な温熱を適切に付与するためには、該温感外用組成物と該組成物に適度の温熱を発させる量の水とをそれぞれ接触しない状態で収容した2剤式温感外用剤として提供することが望ましい。以下、温感外用組成物を使用した2剤式温感外用剤について説明する。
【0034】
(II)2剤式温感外用剤
本発明の2剤式温感外用剤は、上記温感外用成物からなる第1剤と、水を含有する発熱用液からなる第2剤とを含み、使用時に第1剤と第2剤を混合されるものである。
【0035】
第2剤の水分量は、第1剤に対して適度な温熱を付与できる量である限り特に制限されない。例えば、発熱物質を総量で1重量部含む第1剤に対して、0.0005〜23.26重量部、好ましくは0.1〜15重量部、更に好ましくは1〜10重量部に相当する水分量の第2剤を混合することにより、適度な発熱が可能になる。
【0036】
より快適な温熱を付与するという観点から、第1剤と第2剤を混合した際の発熱温度が32〜55℃程度に制御することが望ましく、このような温度範囲に発熱温度を制御するには、第1剤に対して、以下の(A)又は(B)に規定する水分量を含有する第2剤が混合されるように設定しておくことが望ましい。なお、以下表記する「第1剤の発熱物質溶解水分量」とは、20℃において、第1剤に含まれる発熱物質の全量を溶解するのに必要な水分量である。例えば、発熱物質として塩化マグネシウムを17重量%含む温感外用組成物1gを第1剤とする場合、塩化マグネシウムの20℃での水に対する溶解度は54.5g/水-100gであるので、該第1剤の発熱物質溶解水分量は0.17×1÷54.5×100=0.31gと算出される。また、発熱物質として、塩化カルシウム(溶解度74.5g/20℃水-100g)、硫酸マグネシウム(溶解度36.3g/20℃水-100g)、酸化カルシウム(溶解度0.118g/20℃水-100g)、又は炭酸ナトリウム(溶解度21.5g/20℃水-100g)を使用する場合についても、上記と同様に発熱物質溶解水分量を算出することができる。
【0037】
(A)第1剤1g当たりの発熱量ポテンシャルが15〜70calの場合
第2剤には、第1剤の発熱物質溶解水分量の0.0015倍以上5倍以下に相当する量の水が含有されていることが望ましい。特に、第2剤に含まれる水分量は、上記範囲内で、混合時の発熱温度が36〜50℃、更に好ましくは41〜48℃となるように適宜調節されていることが望ましい。
【0038】
具体的には、塩化マグネシウムを3.85〜18重量%含む温感外用組成物1gを第1剤とする場合であれば、第1剤1g当たりの発熱量ポテンシャル(cal)、第1剤の発熱物質溶解水分量、第1剤に対して混合される第2剤の水分量は、次の通りである。
【0039】
【表2】

【0040】
また、塩化カルシウムを8.4〜39.2重量%含む温感外用組成物1gを第1剤とする場合であれば、第1剤1g当たりの発熱量ポテンシャル(cal)、第1剤の発熱物質溶解水分量、第1剤に対して混合される第2剤の水分量は、次の通りである。
【0041】
【表3】

【0042】
また、硫酸マグネシウムを8.27〜38.6重量%含む温感外用組成物1gを第1剤とする場合であれば、第1剤1g当たりの発熱量ポテンシャル(cal)、第1剤の発熱物質溶解水分量、第1剤に対して混合される第2剤の水分量は、次の通りである。
【0043】
【表4】

【0044】
(B)第1剤1g当たりの発熱量ポテンシャルが70〜110calの場合
第2剤には、第1剤の発熱物質溶解水分量の0.0009〜0.4倍又は0.7〜3.2倍に相当する量の水が含有されていることが望ましい。特に、第2剤に含まれる水分量は、上記範囲内で、混合時の発熱温度が36〜50℃、更に好ましくは41〜48℃となるように適宜調節されていることが望ましい。
【0045】
具体的には、塩化マグネシウムを18〜28.25重量%含む温感外用組成物1gを第1剤とする場合であれば、第1剤1g当たりの発熱量ポテンシャル(cal)、第1剤の発熱物質溶解水分量(g)、第1剤に対して混合される第2剤の水分量(g)は、次の通りである。
【0046】
【表5】

【0047】
また、塩化カルシウムを39.2〜61.6重量%含む温感外用組成物1gを第1剤とする場合であれば、第1剤1g当たりの発熱量ポテンシャル(cal)、第1剤の発熱物質溶解水分量(g)、第1剤に対して混合される第2剤の水分量(g)は、次の通りである。
【0048】
【表6】

【0049】
また、硫酸マグネシウムを38.6〜60.7重量%含む温感外用組成物1gを第1剤とする場合であれば、第1剤1g当たりの発熱量ポテンシャル(cal)、第1剤の発熱物質溶解水分量(g)、第1剤に対して混合される第2剤の水分量(g)は、次の通りである。
【0050】
【表7】

【0051】
第2剤は、上記の水分量を具有するものであれば、特に制限されないが、穏やかに発熱させるという観点から、水以外の成分を配合することによって、水分濃度を、通常0.0005〜100重量%、好ましくは1〜90重量%、更に好ましくは5〜50重量%に設定することが望ましい。
【0052】
また、第2剤は、多価アルコールを含有していることが望ましく、これによって穏やかに発熱させて良好な温熱感を得ることができる。このような多価アルコールの具体例としては、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ソルビット、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンチレングリコール、イソプレングリコール等が挙げられる。これらの中で、好ましくは、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールであり、更に好ましくはグリセリン、及びポリエチレングリコールである。これらの多価アルコールは1種単独で使用してもよく、2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。多価アルコールの第2剤中の配合割合としては、例えば、該剤の総量に対して、10〜99重量%、好ましくは25〜85重量%、更に好ましくは40〜70重量%が挙げられる。
【0053】
また、第2剤には、洗浄力やすすぎ性を付与するために、更に界面活性剤を配合することができる。第2剤に配合される界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤のいずれを使用してもよいが、好ましくはノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤である。また、該界面活性剤として、前記(I)温感外用組成物の欄に記載した(i)界面活性剤及び(ii)界面活性剤を好適に使用することができる。界面活性剤の第2剤中の配合割合としては、例えば、該剤の総量に対して、5〜80重量%、好ましくは10〜65重量%、更に好ましくは20〜50重量%が挙げられる。
【0054】
更に、第2剤には、上記成分の他、本発明の効果を妨げないことを限度として、殺菌剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、皮脂分泌抑制剤、美白剤、キレート剤、粘度調節剤、pH調整剤、油剤、色素、顔料、香料、保湿剤等の任意の成分を目的に応じて適宜配合することができる。
【0055】
本発明の2剤式温感外用剤において、第1剤と第2剤の混合比については、前述するように、付与される温熱、第1剤中の発熱物質の種類や量、第2剤の水分量や水分濃度等に基づいて定められるが、第1剤と第2剤の均一な混合を容易ならしめて適切な温熱を付与するという観点から、第1剤100重量部に対して、第2剤が通常10〜300重量部、好ましくは25〜200重量部、更に好ましくは50〜150重量部となるように設定されていることが望ましい。
【0056】
本発明の2剤式温感外用剤は、前記温感外用組成物の場合と同様、洗顔料、クレンジングパック剤、パック剤、ボディーローション、ボディーシャンプー、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアートリートメント、シェービング化粧料等として、好ましくは洗顔料やクレンジングパック剤として使用される。
【0057】
本発明の2剤式温感外用剤は、使用時に所望量の第1剤と第2剤を混合して、これを皮膚に適用することにより使用される。第1剤と第2剤の混合物を皮膚に適用することにより、第1剤中の発熱物質の発熱によって、上記所定の温熱が0.5〜15分間程度保持される。また、第1剤と第2剤の混合物を適用した後、必要に応じて該適用部位をマッサージしてもよく、これによって、血行促進、代謝不良の改善、リラックス効果、疲労回復等を一層高めることもできる。
【発明の効果】
【0058】
本発明の温感外用組成物によれば、使用時に快適な温熱付与され、良好な使用感を得ることができる。
【0059】
更に、本発明の2剤式温感外用剤によれば、発熱物質の発熱をコントロールでき、快適な温熱、好ましくは32〜55℃、更に好ましくは36〜50℃、より好ましくは41〜48℃程度の温熱を正確に付与することが可能になる。そのため、本発明の2剤式温感外用剤によれば、安全で快適な温熱を与えて、温熱により毛穴の洗浄効果を高めるとともに、血行促進、代謝不良の改善、リラックス効果、疲労回復等の有益な効果を付与することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例−1
発熱物質として塩化マグネシウムを用いて、表8に示す組成の温感組成物を調製した(温感組成物1-1〜1-10)。また、別途、表9に示す組成の含水組成物を調製した(含水組成物1〜16)。なお、表9中のベース基材とは、グリセリン48.2重量%、ポリエチレングリコール10重量%、ジプロピレングリコール15重量%、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム3重量%、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ナトリウム3重量%、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン15重量%、コカミドジエタノールアミン5重量%、フェノキシエタノール0.3重量%及び香料0.5重量%から構成されるものである。
【0061】
上記温感組成物1gを第1剤として用い、上記含水組成物1gを第2剤として用いて、以下の試験を行った。即ち、第1剤(1g)と第2剤(1g)を10ml容のプラスチック製容器内に同時に入れ、撹拌しながら、温度センサー(商品名「おんどとりHi TR-81」、(株)TandD製)を用いて最高到達温度を測定した。
【0062】
【表8】

【0063】
【表9】

【0064】
第1剤(温感組成物1-1〜1-10;1g)と第2剤(含水組成物1〜16;1g)とを混合した際に測定された最高到達温度を表10に示す。この結果から、第1剤1g中に15〜110カロリーに相当する量の塩化マグネシウムを配合することにより、快適で適度な温熱を付与できることが確認された。また、特に、本結果から、第1剤中の塩化マグネシウム量と第2剤中の水分量が、上記表2及び5に示す関係を満たす場合に、32〜55℃程度の適度で快適な温感が得られることも確認された。
【0065】
また、表10に示す結果から、第1剤中に、該剤1g当たり、塩化マグネシウムが発熱量ポテンシャル15〜70カロリーに相当する量が含まれている場合には、第2剤の水分量が、第1剤の発熱物質溶解水分量の5倍以下であると、好ましい発熱温度を実現できることが確認された。また、第1剤中に、該剤1g当たり、塩化マグネシウムが、発熱量ポテンシャル70〜110カロリーに相当する量が含まれている場合には、第2剤の水分量が、第1剤の発熱物質溶解水分量の0.4倍以下又は0.7〜3.2倍であると、好ましい発熱温度を実現できることが確認された。
【0066】
【表10】

【0067】
実施例−2
発熱物質として塩化カルシウムを用いて、表11に示す各種組成の温感組成物を調製した(温感組成物2-1〜2-12)。また、別途、上記表9に示す含水組成物1〜16を調製した。
【0068】
上記温感組成物1gを第1剤として用い、また上記含水組成物1gを第2剤として用いて、以下の試験を行った。即ち、第1剤(1g)と第2剤(1g)を10ml容のプラスチック製容器内に同時に入れ、撹拌しながら、温度センサー(商品名「おんどとりHi TR-81」、(株)TandD製)を用いて最高到達温度を測定した。
【0069】
【表11】

【0070】
第1剤(温感組成物2-1〜2-12;1g)と第2剤(含水組成物1〜16;1g)とを混合した際に測定された最高到達温度を表12に示す。この結果から、第1剤1g中に15〜110カロリーに相当する量の塩化カルシウムを配合することにより、快適で適度な温熱を付与できることが確認された。また、特に、本結果から、第1剤中の塩化マグネシウム量と第2剤中の水分量が、上記表3及び6に示す関係を満たす場合に、32〜55℃程度の適度で快適な温感が得られることも確認された。
【0071】
【表12】

【0072】
実施例−3
表11に示す温感組成物2-5〜2-12(1g)を第1剤、更に、水(1、1.1又は1.3g)を第2剤として用いて、上記実施例−2と同様の方法で、第1剤と第2剤との混合時の最高到達温度の測定を行った。
【0073】
第1剤(温感組成物2-5〜2-12;1g)と第2剤(水;1〜1.3g)とを混合した際に測定された最高到達温度を表13に示す。この結果から、第1剤中の塩化カルシウム量と第2剤中の水分量が、上記表3及び6に示す関係を満たす場合に、32〜55℃程度の適度で快適な温感が得られることが確認された。
【0074】
【表13】

【0075】
また、表12及び13に示す結果から、第1剤中に、該剤1g当たり、塩化カルシウムが発熱量ポテンシャル15〜70カロリーに相当する量が含まれている場合には、第2剤の水分量が、第1剤の発熱物質溶解水分量の5倍以下であると、好ましい発熱温度を実現できることが確認された。また、第1剤中に、該剤1g当たり、塩化カルシウムが、発熱量ポテンシャル70〜110カロリーに相当する量が含まれている場合には、第2剤の水分量が、第1剤の発熱物質溶解水分量の0.4倍以下又は0.7〜3.2倍であると、好ましい発熱温度を実現できることが確認された。
【0076】
実施例−4
発熱物質として硫酸マグネシウムを用いて、表14に示す各種組成の温感組成物を調製した(温感組成物3-1〜3-12)。また、別途、上記表9に示す含水組成物1〜16を調製した。
【0077】
上記温感組成物1gを第1剤として用い、また上記含水組成物1gを第2剤として用いて、以下の試験を行った。即ち、第1剤(1g)と第2剤(1g)を10ml容のプラスチック製容器内に同時に入れ、撹拌しながら、温度センサー(商品名「おんどとりHi TR-81」、(株)TandD製)を用いて最高到達温度を測定した。
【0078】
【表14】

【0079】
第1剤(温感組成物3-1〜3-12;1g)と第2剤(含水組成物1〜16;1g)とを混合した際に測定された最高到達温度を表15に示す。この結果から、第1剤1g中に15〜110カロリーに相当する量の硫酸マグネシウムを配合することにより、快適で適度な温熱を付与できることが確認された。また、特に、本結果から、第1剤中の硫酸マグネシウム量と第2剤中の水分量が、上記表4及び7に示す関係を満たす場合に、32〜55℃程度の適度で快適な温感が得られることも確認された。
【0080】
【表15】

【0081】
実施例−5
表11に示す温感組成物3-5〜3-12(1g)を第1剤、更に、水(1、1.2、1.5、2又は2.5g)を第2剤として用いて、上記実施例−4と同様の方法で、第1剤と第2剤との混合時の最高到達温度の測定を行った。
【0082】
第1剤(温感組成物3-5〜3-12;1g)と第2剤(水;1〜2.5g)とを混合した際に測定された最高到達温度を表16に示す。この結果から、第1剤中の硫酸マグネシウム量と第2剤中の水分量が、上記表4及び7に示す関係を満たす場合に、32〜55℃程度の適度で快適な温感が得られることが確認された。
【0083】
【表16】

【0084】
また、表15及び16に示す結果から、第1剤中に、該剤1g当たり、硫酸マグネシウムが発熱量ポテンシャル15〜70カロリーに相当する量が含まれている場合には、第2剤の水分量が、第1剤の発熱物質溶解水分量の5倍以下であると、好ましい発熱温度を実現できることが確認された。また、第1剤中に、該剤1g当たり、硫酸マグネシウムが、発熱量ポテンシャル70〜110カロリーに相当する量が含まれている場合には、第2剤の水分量が、第1剤の発熱物質溶解水分量の0.4倍以下又は0.7〜3.2倍であると、好ましい発熱温度を実現できることが確認された。
【0085】
試験例 洗浄効果の評価
表8に示す温感組成物1-2、1-5、1-9、及び表17に示す参考組成物1〜5を調製し、これらの組成物のそれぞれ1gを第1剤とした。また、表18に示す組成の含水組成物18及び19を調製し、これらの組成物のそれぞれ1gを第2剤とした。これらの第1剤と第2剤を用いて、10人のパネラーにより顔のクレンジング効果について評価を行った。具体的には、表19に示す2剤式外用剤[2剤式温熱外用剤(実施例1−5)及び2剤式外用剤(参考例1−5)]で、第1剤(1g)と第2剤(1g)を混合して顔に塗ってマッサージをするように洗い、温感がなくなり洗い終わったら水で充分に洗い流した。洗浄後、洗浄効果及びすすぎ易さについて、パネラーが判定した結果から下記基準に従って評価した。また、表19に示す第1剤と第2剤とを混合することにより得られる温熱効果を上記実施例−1と同様の方法で測定し、評価した。
<洗浄効果の評価基準>
◎:10人中8人以上のパネラーが、顔の汚れがよく落ちたと判定した
○:10人中6〜7人のパネラーが、顔の汚れがよく落ちたと判定した
△:10人中3〜5人のパネラーが、顔の汚れがよく落ちたと判定した
×:10人中2人以下のパネラーが、顔の汚れがよく落ちたと判定した
<すすぎ性の評価基準>
◎:10人中8人以上のパネラーが、洗浄後のすすぎを容易に行えると判定した
○:10人中6〜7人のパネラーが、洗浄後のすすぎを容易に行えると判定した
△:10人中3〜5人のパネラーが、洗浄後のすすぎを容易に行えると判定した
×:10人中2人以下のパネラーが、洗浄後のすすぎを容易に行えると判定した
【0086】
【表17】

【0087】
【表18】

【0088】
得られた結果を表19に併せて示す。この結果から、発熱物質と共に、HLBが8以下のノニオン界面活性剤と、HLBが10.5以上のノニオン界面活性剤及び/又はアニオン界面活性剤とを組み合わせて配合することによって、洗浄作用及びすすぎ性が高められることが確認された。
【0089】
【表19】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水と接触することにより発熱する無機塩及び無機酸化物よりなる群から選択される1種又は2種以上の発熱物質を含み、
組成物1g当たり、発熱量ポテンシャル15〜110カロリーに相当する量の発熱物質を含有することを特徴とする、温感外用組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の温感外用組成物からなる第1剤と、水を含有する発熱用液からなる第2剤とを含み、使用時に第1剤と第2剤を混合される2剤式温感外用剤。
【請求項3】
第1剤中に、発熱物質が、該剤1g当たり、発熱量ポテンシャル15〜70カロリーに相当する量が含まれており、
第2剤の水分量が、第1剤に含まれる発熱物質を溶解するのに必要な水分量の5倍以下に相当する量である、請求項2に記載の2剤式温感外用剤。
【請求項4】
第1剤中に、発熱物質が、該剤1g当たり、発熱量ポテンシャル70〜110カロリーに相当する量が含まれており、
第2剤の水分量が、第1剤に含まれる発熱物質を溶解するのに必要な水分量の0.4倍以下又は0.7〜3.2倍に相当する量である、請求項2に記載の2剤式温感外用剤。

【公開番号】特開2006−282569(P2006−282569A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−103963(P2005−103963)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(593084649)日本コルマー株式会社 (12)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】