説明

温水装置

【課題】ポンプを用いることなく、ドレインの排水を合理的に行なうことができ、冬季などにおいて装置外部に排出されたドレインがその排出箇所周辺において早期に凍結する虞も適切に防止または抑制し得る温水装置を提供する。
【解決手段】温水装置WHは、ドレイン貯留部3から装置外部へのドレイン排出のオン・オフを切り換え可能な開閉弁V1、および制御手段4を備えており、制御手段4は、温度検出手段Sa,Sbによる検出温度が、所定の第1の温度以上であるときには、開閉弁V1を開状態に維持し、前記ドレイン貯留部に流入するドレインを前記ドレイン貯留部に貯留させることなく装置外部に排出させる。一方、前記検出温度が、第1の温度未満であるときには、開閉弁V1を閉状態としてドレイン貯留部3にドレインを貯留させるとともに、このドレインを加熱手段Hにより加熱した後に開閉弁V1を開状態として、加熱されたドレインを装置外部に排出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスなどの加熱用媒体から熱回収を行なった際に発生するドレインを好適に処理することが可能な温水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水装置の一例として、特許文献1に記載されたものがある。同文献に記載された温水装置は、燃焼器により発生された燃焼ガスから熱交換器を利用して顕熱および潜熱を回収し、湯水加熱を行なうように構成されている。燃焼ガスから潜熱回収を行なうと、酸性のドレインが発生するが、このドレインは、中和器を利用して中和されてからドレイン貯留部に貯留される。このドレイン貯留部には、ドレイン排出用のポンプが接続されており、ドレイン貯留部内のドレインが一定温度以下の低温となり、かつドレイン貯留部内のドレイン水位が一定レベルを超えると、前記ポンプが駆動を開始してドレイン排出経路のドレインが強制的に装置外部に排出されるように構成されている。また、前記文献には、そのようなドレインの強制的な排出を行なうことに代えて、ドレイン排出経路を加熱する手段も記載されている。
【0003】
前記した構成によれば、冬季などにおいて、ドレイン排出経路内が凍結することを防止することができる。したがって、ドレイン排出経路の凍結に起因してドレインの排出が困難になることが防止される。
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき余地があった。
【0005】
すなわち、前記従来技術においては、ドレイン貯留部に貯留されたドレインの排出手段として、ポンプを用いている。ところが、製造コストの低減化や、ポンプ運転音を無くすといった観点からすれば、ポンプを用いない仕様とすることも望まれる。
一方、ドレインを装置外部に排出した場合に、外気温が氷点下以下のような低温であると、装置外部に排出されたドレインがその排出箇所近辺において凍結する場合がある。より具体的には、マンションなどの集合住宅のパイプスペースに温水装置を設置した場合には、集合住宅の共用廊下にドレインを垂れ流したり、あるいは偏平状の排水用シート(たとえば、特許文献2,3を参照)を共用廊下に敷設して、この排水用シート内にドレインを流入させるといったことがよく行なわれる。このような状況下においては、共用廊下に垂れ流されたドレインが凍結したり、あるいは排水用シート内においてドレイン凍結を生じて詰まりを生じる虞がある。したがって、このような不具合が好適に防止されることも望まれる。
【0006】
前記従来技術のうち、ドレイン温度が低温になった際にポンプを駆動させ、ドレイン排出経路のドレインを強制的に装置外部に排出させる手段では、低温のドレインが装置外部に単に排出されるだけであるため、装置外部においてドレインが凍結することを適切に防止することは困難である。一方、前記従来技術のうち、ドレイン排出経路を加熱してからドレインを排出させる手段を採用すれば、比較的暖かいドレインが装置外部に排出されることとなり、ドレインの凍結は抑制される。ただし、前記従来技術においては、既述したように、ドレインの排出手段としてポンプを採用しているために、このポンプのコストが高いばかりか、温水装置の運転時には、貯留部にドレインが一定量貯留される都度運転を開始する動作が常に繰り返されることとなり、このようなことを解消すべきとの要望に的確に応えることができない。
【0007】
【特許文献1】特開2006−112763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、ポンプを用いることなく、ドレインの排水を合理的に行なうことができ、冬季などにおいて装置外部に排出されたドレインがその排出箇所周辺において早期に凍結する虞も適切に防止または抑制し得る温水装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明により提供される温水装置は、加熱用媒体から熱回収を行なって湯水加熱を行なうための熱交換器と、前記熱回収に伴って発生するドレインが内部に流入するドレイン貯留部と、このドレイン貯留部内のドレインを加熱可能な加熱手段と、前記ドレイン貯留部内のドレインを装置外部に排出するためのドレイン排出経路と、前記ドレインの凍結有無の判断に利用可能な温度検出手段と、を備えている、温水装置であって、前記ドレイン貯留部から装置外部へのドレイン排出のオン・オフを切り換え可能な開閉弁と、この開閉弁および前記加熱手段を制御する制御手段と、をさらに備えており、前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が、所定の第1の温度以上であるときには、前記開閉弁を開状態に維持し、前記ドレイン貯留部に流入するドレインを前記ドレイン貯留部に貯留させることなく装置外部に排出させる第1のドレイン排出モードを実行させる一方、前記検出温度が、前記第1の温度未満であるときには、前記開閉弁を閉状態として前記ドレイン貯留部にドレインを貯留させるとともに、このドレインを前記加熱手段により加熱した後に前記開閉弁を開状態として、加熱されたドレインを装置外部に排出させる第2のドレイン排出モードを実行させる制御を行なうように構成されていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、ドレイン排出用のポンプを用いることなく、それよりも廉価な開閉弁を利用して、ドレインが凍結する虞がある場合とそうでない場合とのいずれにおいても、ドレインの排出を適切かつ合理的に行なうことができる。より具体的には、冬季などにおいて装置外部に排出されたドレインが凍結する可能性がある場合には、ドレイン貯留部に貯留されて加熱手段によって加熱された比較的多量のドレインを装置外部に迅速に排出することができるために、このドレインが装置外部の排出箇所近辺において早期に凍結することが好適に防止される。冬季において、ドレインが自然落下で少量ずつ、ちょろちょろと排出されたのでは、このドレインが装置外部において凍結し易くなるが、本発明ではそのようなことが好適に回避される。一方、ドレインが凍結する虞のないときには、開閉弁が開状態のままとされるために、ドレインが自然流下で少量ずつ、ちょろちょろと排出されることとなる。このようなドレインの少量ずつの排出は、ポンプを用いることなく、開閉弁を利用したことにより、好適に実現される。このようなドレイン排出の仕方が行なわれれば、ドレイン貯留部のドレインが一定量に達する都度ドレインを装置外部に排出させる動作を常に繰り返していた従来技術と比較すると、開閉弁の動作制御はきわめて単純化され、ランニングコストを廉価にする効果も得られる。さらに、装置外部のドレインが排出される箇所の条件如何では、夏季などにおいて、ドレインを長時間のスパンで間欠的に排出するよりも、ドレインを垂れ流し状態にする方が、ドレイン排出領域における雑菌などの繁殖を防止するのに好ましい場合があり、このような条件下で使用する場合にはより適したものとなる。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2のドレイン排出モードにおいて、前記開閉弁の開動作は、前記ドレインが所定の第2の温度以上に加熱されていることを条件として実行されるように構成されている。
【0013】
このような構成によれば、ドレインが装置外部に排出された後に、その排出箇所近辺で凍結することを、より確実に防止することが可能となる。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1および第2のドレイン排出モードのいずれかを選択し、かつこの選択されたモードでのドレイン排出動作を、前記検出温度には関係無く実行させることが可能とされている。
【0015】
このような構成によれば、装置外部へのドレイン排出モードを、たとえばユーザが適宜に選択できる融通性が得られる。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明が適用された温水装置の一例を示している。同図に示すように、本実施形態の温水装置WHは、温水装置本体部1、中和器2、ドレイン貯留部3、開閉弁V1、ヒータH、制御部4、および外装ケース5を備えている。外装ケース5は、温水装置本体部1やその他の前記した構成要素を囲み込んで保護している。制御部4は、本発明でいう制御手段の一例に相当する。
【0019】
温水装置本体部1は、ファン10によって燃焼用空気が送り込まれるケーシング11内に配置された燃焼器12と、この燃焼器12によって発生された燃焼ガスから顕熱および潜熱を回収可能な1次および2次の熱交換器13a,13bとを具備している。外部から入水口80aに供給された水は、配管部80を介して熱交換器13b,13aに導かれて加熱され、かつこの加熱により生成された湯水が配管部81を介して出湯口81aに導かれて、この出湯口81aから台所などの所望位置に供給される。
【0020】
中和器2は、熱交換器13bによって燃焼ガスから潜熱回収を行なった際に発生する酸性のドレインを中和するためのものであり、合成樹脂製の容器20内に粒状の炭酸カルシウムなどの中和剤21が収容された構成である。熱交換器13bの表面に発生したドレインは、その下方に設けられたドレイン受け部15によって受けられてから、配管部88を介して中和器2内に導入され、中和剤21との接触により中和された後に排出口22から排出される。
【0021】
ドレイン貯留部3は、中和器2の排出口22から排出されるドレインを一時的に貯留させるための部分である。本実施形態においては、ドレイン貯留部3と中和器2とが別体に構成されているが、これに限定されない。たとえば、中和器2を構成する容器20の一部を中和剤21が充填されていないドレイン貯留部として形成し、ドレイン貯留部と中和器とが一体化された構成とすることもできる。また、中和器2には、ある程度のドレインを貯留させることが可能であるため、この中和器2自体を本発明でいうドレイン貯留部として機能させた構成とすることもできる。ドレイン貯留部3には、ドレイン用の流入口30および流出口32に加え、水位検出器33が設けられている。この水位検出器33は、貯留されたドレインが所定の低水位LLや中間水位MLになったときに、その旨を検出するための複数の電極を備えている。ヒータHは、ドレイン貯留部3に貯留されたドレインを加熱するためのものであり、たとえば電熱式の面状ヒータであって、ドレイン貯留部3の周囲を覆うように設けられている。
【0022】
ドレイン用の流出口32には、ドレイン貯留部3内のドレインを外装ケース5の外部の所定箇所に導いて排出するためのドレイン排出経路6が一連に設けられている。本実施形態においては、ドレイン排出経路6は、外装ケース5の内部および外部にそれぞれ位置するインナ配管60およびアウタ配管61により構成されている。このアウタ配管61の終端61aは、たとえば偏平状の排水用シート9の一端に連結されている。この排水用シート9は、たとえばマンションなどの集合住宅の共用廊下に敷設されて、この排水用シート9内の一端に流入したドレインを共用廊下の側部に設けられた排水溝に導く役割を果たす。
【0023】
開閉弁V1は、ドレイン貯留部3内から装置外部(外装ケース5の外部)へのドレイン排出のオン・オフを切り換えるためのものであり、遠隔操作可能なたとえば電磁方式であって、ドレイン排出経路6のインナ配管60に取り付けられている。この開閉弁V1の開閉動作制御の詳細については、後述する。
【0024】
制御部4は、マイクロコンピュータを利用して構成されており、温水装置WHの各部の動作制御を実行する。加えて、この制御部4は、次に述べるように、ドレインの凍結防止制御なども実行する。なお、この温水装置WHには、外気温を検出するための外気温センサSa、配管部80への入水温度を検出するための水温センサSb、およびドレイン貯留部3内のドレインの温度を検出するためのドレイン温度センサScも設けられている。
【0025】
次に、温水装置WHの作用について説明する。併せて、制御部4がドレイン排出処理を実行する場合についての動作処理手順の一例を、図2に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0026】
まず、制御部4は、外装ケース5の外部に排出されるドレインが凍結し易い状況であるか否かを判断する。具体的には、外気温センサSaで検出される外気温Taが、予め設定された第1の温度T1(たとえば、10℃)以上であるか否か、および水温センサSbで検出される入水温度Tbが、予め設定された第1の温度T1’(たとえば、5℃)以上であるか否かを判断する(S1,S2)。その結果、そのような条件が満たされている場合には、制御部4は、第1のドレイン排出モードを設定する(S1:YES,S2:YES,S3)。この第1のドレイン排出モードにおいては、開閉弁V1が開状態のまま維持される(S4)。
【0027】
前記したような動作制御によれば、ドレインが凍結する可能性が小さい場合には、中和器2からドレイン貯留部3に流入したドレインは、このドレイン貯留部3に貯留されることなく、ドレイン排出経路6を直ちに通過して排水用シート9内に流入する。したがって、燃焼器12を駆動させてドレインが発生する都度、このドレインは排水用シート9内に逐次流入し、廃棄されることとなる。排水用シート9のドレイン排水路が略密閉状の場合には、夏季などにおいてその内部に雑菌類が繁殖し易くなるが、この部分にドレインが逐次流れるようにすれば、そのような雑菌類の繁殖を抑制するのに好ましいものとなる。また、ドレインが凍結する可能性が小さい期間中は、開閉弁V1は開状態のまま維持されることとなるために、開閉弁V1を動作させるための消費電力が不要となり、ランニングコストを抑制するのに好ましいものとなる。
【0028】
前記とは異なり、外気温Taが設定温度T1未満の場合、または入水温度Tbが設定温度T2未満の場合には、制御部4は、第2のドレイン排出モードを設定する(S1:NO,S2:NO,S5)。この第2のドレイン排出モードにおいては、まず開閉弁V1が閉じられる(S6)。また、ヒータHがオンとされるが(S7)、このヒータHをオンとするタイミングは、たとえばドレイン貯留部3内におけるドレイン温度が、後述する第2の温度T2よりも低温の所定の温度(たとえば、2℃)以下になった時点とすることができる。制御部4は、その後に水位検出器33およびドレイン温度センサScからの信号に基づき、ドレイン貯留部3内のドレイン水位が所定の中間水位LM以上となり、かつドレイン温度Tcが予め設定された第2の温度T2(たとえば、20℃)以上になったものと判断すると、その時点で開閉弁V1を開き、またヒータHをオフにする(S8:YES,S9:YES,S10)。このことにより、ドレイン貯留部3内において第2の温度T2まで加熱されたドレインが、比較的大きな流量でドレイン排出経路6を一気に通過して排水用シート9内に流入することとなる。その結果、ドレイン排出経路6や排水用シート9内が低温の雰囲気であっても、これらの部分においてドレインは凍結し難くなり、凍結に起因する詰まりが生じないようにすることができる。すなわち、冬季の低温雰囲気下では、ドレインを少量ずつ、ちょろちょろと装置外部に排出した場合に、このドレインはとくに凍結し易くなる。これに対し、本実施形態では、冬季にそのような少量ずつのドレイン排出がなされることを適切に回避し、凍結を生じ難くすることができるのである。ドレインの排出時には、たとえば温水装置WHのリモコンなどに設けられているランプを点灯させて、ドレインの排出がなされている旨をユーザに察知させるように構成することもできる。
【0029】
ドレイン貯留部3内のドレインが装置外部に排出されることにより、その水位が所定の低水位LLになると、制御部4は、その時点で開閉弁V1を再度閉状態とする(S11:YES,S12)。そして、その後に動作制御が強制終了されるようなことなく、外気温Taおよび水温Tbが第1の温度T1,T1’以上でない限りは、前記した第2のドレイン排出モードの動作制御が繰り返される(S13:NO,S1:NO,S2:NO,S5)。したがって、排水用シート9内においてドレインが凍結しない状態を好適に維持することが可能となる。なお、ドレインが凍結する可能性があるか否かを、外気温Taと水温Tbとの双方に基づいて判断すれば、この判断をより正確なものとすることが可能である。
【0030】
好ましくは、本実施形態の温水装置WHは、前記した一連の動作制御のように、第1および第2のドレイン排出モードのいずれに設定されるかが、制御部4の制御によって決定される自動制御モードとは別に、ユーザがスイッチ操作などをすることにより、外気温Taや水温Tbには関係なく、第1および第2のドレイン排出モードのいずれかを任意に選択できるように構成されている。図3のフローチャートのステップS20〜S24は、そのような内容を示している。このような構成によれば、ドレイン排出処理の仕方に、融通性をもたせることができ、たとえばドレインの凍結の虞がない夏季において、ドレイン貯留部3内にドレインを一定量貯留させてからこれを一気に排出させたいといったユーザの要望にも的確に応えることが可能となる。
【0031】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る温水装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0032】
ドレインの凍結の有無の判断は、必ずしも外気温や熱交換器への入水温度の双方に基づいて判断しなくてもよく、それらのうちの一方、あるいはこれ以外の温度(たとえば、ヒータから比較的離れた部分におけるドレインの温度など)に基づいて判断してもよい。
【0033】
ドレイン貯留部は、中和器と一体または別体のいずれであってもよいことは既に述べたとおりであるが、本発明においては、中和器は必須ではない。なお、中和器を具備させる場合、この中和器としては、前記した中和器2のように粒状の中和剤を用いるタイプと、そのような中和剤を用いないタイプとがあり、いずれをも適用することができる。また、ドレインを装置外部に排出させる前段階において、このドレインの殺菌処理や、ドレインに含まれているホルムアルデヒドの除去処理を行なわせるようにすることもできる。
【0034】
第2のドレイン排出モードにおいて、加熱されたドレインをドレイン貯留部から排出させる時期は、ドレインが所定水位に達した時期とは異なる時期とすることもできる。たとえば、外気温などが上昇し、ドレインを排出しても凍結する虞が少ない時刻(昼間)が予定されている場合には、そのような時刻を待ってドレインを排出させるように構成することもできる。ドレインは、前記実施形態に記載されたような偏平状の排水用シートを用いて排水処理されなくてもよいことは勿論であり、たとえば塩化ビニールパイプなどを利用して適当な箇所にドレインを導いて排水処理することもできる。
【0035】
本発明で用いられる開閉弁の具体的な駆動方式なども問わず、その取り付け箇所は、外装ケース5内に限らず、外装ケース5の外部に取り付けた構成とすることもできる。本発明でいう加熱用媒体としては、燃焼ガス以外のたとえば高温の排ガスなどを用いることも可能である。本発明に係る温水装置は、上述した実施形態とは異なり、たとえば給湯用と暖房用の2つの温水装置が組み合わされたような構成とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る温水装置の一例を示す概略説明図である。
【図2】図1に示す温水装置の制御部の動作処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す温水装置の制御部の動作処理手順の他の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
WH 温水装置
V1 開閉弁
Sa 外気温センサ(温度検出手段)
Sb 水温センサ(温度検出手段)
3 ドレイン貯留部
4 制御部(制御手段)
6 ドレイン排出経路
13a,13b 熱交換器
33 水位検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱用媒体から熱回収を行なって湯水加熱を行なうための熱交換器と、
前記熱回収に伴って発生するドレインが内部に流入するドレイン貯留部と、
このドレイン貯留部内のドレインを加熱可能な加熱手段と、
前記ドレイン貯留部内のドレインを装置外部に排出するためのドレイン排出経路と、
前記ドレインの凍結有無の判断に利用可能な温度検出手段と、
を備えている、温水装置であって、
前記ドレイン貯留部から装置外部へのドレイン排出のオン・オフを切り換え可能な開閉弁と、
この開閉弁および前記加熱手段を制御する制御手段と、をさらに備えており、
前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が、所定の第1の温度以上であるときには、前記開閉弁を開状態に維持し、前記ドレイン貯留部に流入するドレインを前記ドレイン貯留部に貯留させることなく装置外部に排出させる第1のドレイン排出モードを実行させる一方、
前記検出温度が、前記第1の温度未満であるときには、前記開閉弁を閉状態として前記ドレイン貯留部にドレインを貯留させるとともに、このドレインを前記加熱手段により加熱した後に前記開閉弁を開状態として、加熱されたドレインを装置外部に排出させる第2のドレイン排出モードを実行させる制御を行なうように構成されていることを特徴とする、温水装置。
【請求項2】
請求項1に記載の温水装置であって、
前記第2のドレイン排出モードにおいて、前記開閉弁の開動作は、前記ドレインが所定の第2の温度以上に加熱されていることを条件として実行されるように構成されている、温水装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の温水装置であって、
前記第1および第2のドレイン排出モードのいずれかを選択し、かつこの選択されたモードでのドレイン排出動作を、前記検出温度には関係無く実行させることが可能とされている、温水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−107168(P2010−107168A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282442(P2008−282442)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】