説明

測定パラメータ入力制御装置及び方法

【課題】被設定機器に設定される各種測定処理に必要な測定パラメータを直感的に、且つ操作性よく変更する。
【解決手段】被設定機器10から測定パラメータを含む測定パラメータ情報を取得するとともに、変更後の測定パラメータである変更パラメータを被設定機器10に対して書き換え処理するパラメータ処理部2と、取得した測定パラメータ情報からパラメータの種類を識別し、識別した測定パラメータ情報に基づくパラメータ設定ソフトキー20を構築するためのソフトキー構築情報を出力するパラメータ識別部3と、パラメータ識別部3からのソフトキー構築情報に基づき、測定パラメータ情報に応じたパラメータ設定ソフトキー20を表示部6の表示画面上に表示制御するソフトキー制御手段4aを有する表示制御部4と、表示部6に表示されたパラメータ設定ソフトキー20を操作する入力部7とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被設定機器に設定される各種測定処理に必要な測定パラメータを直感的に、且つ操作性よく変更することのできる測定パラメータ入力制御装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、パルスパターン発生器(Pulse Pattern Generator )、誤り率検出器(Error Detector)、スペクトラムアナライザ(Spectrum Analyzer )等の各種機器を用いてデータ通信システムや移動体通信システムに組み込まれた各種機器の性能、ディジタル回線やネットワーク内を伝送される信号の性能を測定する場合、使用する機器毎にパラメータ設定を行う必要がある。そして、このような測定処理時に必要なパラメータを測定項目毎に応じて設定する装置としては、例えば下記特許文献1に開示されるものが公知である。
【0003】
図6に示すように、下記特許文献1に開示される測定装置100は、予め設定されたパラメータに基づいて測定対象に対する測定を行い、その測定結果を出力する測定部101と、ポインティングデバイスとしてのマウス102a、テンキーやアップダウンキー等を含む各種操作キー102bや特殊キー103a〜103bで構成される操作部102と、各種画面を表示する表示器104と、測定部101に対するパラメータの設定処理を行うためのパラメータ設定手段105と、測定部101の測定結果に対する分析処理を行うための分析手段106と、パラメータを設定するための設定画面、測定結果を表示するための測定結果画面、分析結果を表示するための分析結果画面等の複数種の画面のうちのいずれかを選択的に表示器104に表示制御する表示制御部107とを有する制御部108とで構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−365092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の装置では、使用するアプリケーションに限らず、あるパラメータ(Bit Rate、 Frequency、 Amplitude、 Threshold、 offset 、 Attenuator 等)に対し、それぞれ複数の数値入力を行う機能(周波数の設定機能、電圧レベルの設定機能、Attenuatorの設定機能、Figureのみの設定機能等)が個別に存在する事が多い。また、これらパラメータには、それぞれ固有の設定情報(上下限値、単位、値の範囲)や詳細情報(小数点の位置、インクリメント/デクリメントの分解能、パラメータのデフォルト値、パラメータの現在値、パラメータ固有の単位)を有している。
【0006】
また、装置に対してパラメータ設定を行う場合、使用する機器毎に測定処理や起動に関してそれぞれパラメータが存在するため、これら各パラメータの項目毎にパラメータの値の入力方法やパラメータ固有の設定情報、詳細情報が異なる場合が多い。
【0007】
従って、パラメータ設定を行うに際し、装置の取扱いを熟知したユーザであっても、全てのパラメータの設定情報や詳細情報等の入力内容を把握することは困難であるため、設定する度に設定内容の確認作業が必要となり設定作業が煩雑であった。また、測定対象の機器に対する測定作業能率が低下するとともに、人為的な操作ミスの発生確率が上昇するという問題もあった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、被設定機器に設定される各種測定処理に必要な測定パラメータを変更する際に、直感的に、且つ操作性よくユーザ所望のパラメータ内容に変更することのできる測定パラメータ入力制御装置及び方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の測定パラメータ入力制御方法は、電気信号を測定するための測定処理を実施するのに必要な複数の測定パラメータが設定される被設定機器10の前記測定パラメータを変更する測定パラメータ入力制御方法であって、
前記被設定機器から前記測定パラメータを含む測定パラメータ情報を取得するパラメータ情報取得ステップS101と、
前記取得した測定パラメータ情報を表示画面上に表示制御するパラメータ情報表示ステップS102と、
前記表示画面上に表示された測定パラメータ情報のうち何れか1つの測定パラメータを選択するパラメータ情報選択ステップS103と、
予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキー20のうち何れか1つの前記測定パラメータを変更するためのパラメータ設定ソフトキーを前記表示画面上に表示制御するソフトキー制御ステップS104と、
前記複数種類のパラメータ設定ソフトキーを切り替え表示するための表示切替キー23を前記表示画面上に表示する表示切替キー表示ステップS105と、
前記表示切替キーが押下されたときに、既に表示されている前記パラメータ設定ソフトキーの代わりに前記既に表示されているパラメータ設定ソフトキーとは異なる前記パラメータ設定ソフトキーを前記表示画面上に表示するパラメータ設定ソフトキー選択ステップS106、S111と、
直前に選択された前記パラメータ設定ソフトキーを用いて変更された前記測定パラメータに基づいて前記被設定機器に対する測定パラメータの書き換えを行うパラメータ書き換えステップS110と、
を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の測定パラメータ入力制御方法は、請求項1記載の測定パラメータ入力制御方法において、前記ソフトキー制御ステップは、前記予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキーにおけるパラメータ表示エリア21c、22c近傍に前記測定パラメータの上下限値を表示する上下限値表示エリア21b、22bを表示制御する上下限値表示ステップS107をさらに含むことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の測定パラメータ入力制御装置は、電気信号を測定するための測定処理を実施するのに必要な複数の測定パラメータが設定される被設定機器10の前記測定パラメータ変更を行う測定パラメータ入力制御装置1であって、
前記被設定機器から前記測定パラメータを含む測定パラメータ情報を取得するとともに、変更後の測定パラメータを前記被設定機器に対して書き換え処理するパラメータ処理部2と、
表示部6の表示画面上に取得した測定パラメータ情報を表示する測定パラメータ制御手段4aと、予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキー20のうち何れか1つの前記測定パラメータを変更するためのパラメータ設定ソフトキーを前記表示部の前記表示画面上に表示制御するソフトキー制御手段4bを有する表示制御部4と、
前記表示画面上に表示制御された前記測定パラメータ情報のうち何れか1つの測定パラメータを選択し、前記表示部に表示された前記パラメータ設定ソフトキーを操作するための入力部7とを備え、
前記ソフトキー制御手段は、既に表示されている前記複数種類のパラメータ設定ソフトキーのうち何れか1つのパラメータソフトキーの代わりに該既に表示されているパラメータ設定ソフトキーとは異なる前記パラメータ設定ソフトキーを表示させるための表示切替キー23を表示制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の測定パラメータ入力制御装置は、請求項3記載の測定パラメータ入力制御装置において、前記入力部はロータリーノブ7aを備え、当該ロータリーノブの操作量に連動して前記第2のソフトキー22に表示された測定パラメータが変動するよう前記ソフトキー制御手段が表示制御をすることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載の測定パラメータ入力制御装置は、請求項3又は4記載の測定パラメータ入力制御装置において、前記ソフトキー制御手段は、前記予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキーにおけるパラメータ表示エリア21c、22c近傍に前記測定パラメータの上下限値を表示する上下限値表示エリア21b、22bを表示制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の測定パラメータ入力制御装置によれば、測定パラメータの値を変更する際に、その操作状況に応じて第1のソフトキーと第2のソフトキーとを表示画面上の所定位置にて自由に切り替え可能であるため、ユーザの操作性が向上するとともに、装置の構成上、表示画面上の表示領域が限られている場合であっても、操作性を損なうことなく測定パラメータの変更が可能となる。
【0015】
さらに、入力部の構成として第2のソフトキーと連動するロータリーノブを備えているため、測定パラメータを高速、且つ連続的に変動させながら被設定機器の動作状態をリアルタイムに確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る測定パラメータ入力制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【図2】(a)同装置のパラメータ設定ソフトキーにおける第1のソフトキーを示す説明図である。 (b)同装置のパラメータ設定ソフトキーにおける第2のソフトキーを示す説明図である。
【図3】同装置におけるパラメータ設定ソフトキーの表示例を示す説明図である。
【図4】同装置におけるパラメータ設定ソフトキーの他の表示例を示す説明図である。
【図5】測定パラメータ入力制御に関するソフトウェア動作を示すフローチャート図である。
【図6】従来のパラメータ設定を行う測定装置を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
【0018】
本例の測定パラメータ入力制御装置は、機器の起動や各種測定処理を実施する際に必要なパラメータである測定パラメータの設定対象となる機器(以下、「被設定機器」という)から機器毎に固有の測定パラメータを取得し、取得した測定パラメータに応じたパラメータ設定用のパラメータ設定ソフトキーを表示部の表示画面上における所定位置に表示制御して、パラメータ設定時におけるユーザの操作性向上を図ることを目的としている。
【0019】
[装置構成]
本発明に係る測定パラメータ入力制御装置の構成について、図1〜4を参照しながら説明する。
【0020】
(被設定機器の構成)
まず、本例の測定パラメータ入力制御装置1と接続され、測定パラメータの設定対象となる被設定機器10について説明する。被設定機器10は、測定パラメータ入力制御装置1を介して機器固有の測定パラメータが変更される、例えばパルスパターン発生器(Pulse Pattern Generator )、誤り率検出器(Error Detector)、スペクトラムアナライザ(Spectrum Analyzer )等の、測定パラメータとして主に数値を用いる機器である。
【0021】
図1に示すように、被設定機器10は、パラメータ記憶部11、パラメータ設定部12を備えて構成され、測定パラメータ入力制御装置1と有線若しくは無線を介して接続されている。
【0022】
パラメータ記憶部11は、被設定機器10を構成する各構成部品(ハードウェア)、アプリケーションソフトウェアの起動に必要な各種測定パラメータ、各測定パラメータ固有の設定情報(上下限値、単位、値の範囲)や詳細情報(小数点の位置、インクリメント/デクリメントの分解能、パラメータのデフォルト値、パラメータの現在値、パラメータ固有の単位)を測定パラメータ情報として記憶している。
【0023】
さらに、パラメータ記憶部11は、測定パラメータ入力制御装置1が操作されて測定パラメータが変更されると、測定パラメータの内容が変更される度に、測定パラメータ入力制御装置1によって常に最新の測定パラメータとなるよう書き換え処理される。
【0024】
パラメータ設定部12は、パラメータ記憶部11に記憶された測定パラメータを、そのパラメータが設定される設定対象(ハードウェア若しくはアプリケーションソフトウェア)に対してパラメータ設定を行っている。なお、パラメータ設定部12は、パラメータ記憶部11に記憶された測定パラメータの内容が変更されたか否かを常時判別しており、パラメータ内容が変更されたと判別すると、更新された最新の測定パラメータを被設定機器に設定している。
【0025】
(測定パラメータ入力制御装置の構成)
次に、本発明に係る測定パラメータ入力制御装置1の構成について、図1〜4を参照しながら説明する。
図1に示すように、測定パラメータ入力制御装置1は、被設定機器10に設定される測定パラメータを変更する装置であり、パラメータ処理部2、パラメータ識別部3、表示制御部4、パラメータ抽出部5、表示部6、入力部7を備えて構成されている。
【0026】
パラメータ処理部2は、入力部7からの測定パラメータ取得に関する入力情報に基づき、変更対象となる測定パラメータを含む被設定機器10から測定パラメータ情報を取得し、パラメータ識別部3に出力している。また、パラメータ処理部2は、パラメータ抽出部5から変更後のパラメータ(以下、「変更パラメータ」という)をパラメータ抽出部5から入力すると、設定対象である被設定機器10のパラメータ記憶部11に対し、変更パラメータの書き換え処理を行っている。
【0027】
パラメータ識別部3は、パラメータ処理部2からの測定パラメータ情報の内容を識別し、この測定パラメータ情報に応じたパラメータ設定ソフトキー20を構築するためのソフトキー構築情報を表示制御部4に出力している。
【0028】
表示制御部4は、入力部7からの各種入力情報に基づき、測定パラメータ入力制御装置1の起動や操作に必要な表示画面内容を表示部6に表示制御している。また、表示制御部4は、パラメータ識別部3からのソフトキー構築情報に基づき、取得した測定パラメータ情報に応じたパラメータ設定ソフトキー20を構築するソフトキー制御手段4aを備えている。
【0029】
ソフトキー制御手段4aは、パラメータ識別部3からのソフトキー構築情報に基づき、直感的な操作を可能とするグラフィッカルユーザインターフェイス(Graphical User Interface:GUI)で、取得した測定パラメータ情報に依存したパラメータ設定を行うためのパラメータ設定ソフトキー20を構築し、予め設定された表示部6における表示画面上における所定位置(なお、表示位置は任意に設定可)に固定表示する制御をしている。
【0030】
また、ソフトキー制御手段4aは、パラメータ設定ソフトキー20の操作に基づく入力情報を入力部7から入力すると、入力操作に連動するようにパラメータ設定ソフトキー20の表示制御(例えば、キーの押下や数値可変)をしている。さらに、ソフトキー制御手段4aは、入力部7から変更パラメータを被設定機器10に反映するためのトリガとなる入力情報を入力すると、この入力情報をパラメータ抽出部5に出力している。
【0031】
ここで、測定パラメータを変更するに至るまでの操作例について説明する。
図3又は図4に示すように、まずユーザは変更を希望する測定パラメータを含む測定機能を測定機能選択キー30を用いて選択する。なお、ここでは測定機能選択キー30として「PPG/ED ch1」を選択した例である。測定機能選択キー30は、タッチパネルをタッチすることや、マウスによりポイントすることで選択されるように構成されている。なお、「PPG/ED ch1」はパルスパターン発生器と誤り率検出器とを動作させ、被測定物の誤り率を測定するために用いる測定機能である。
次に、表示画面上に表示された機器選択タブ31を用いて、測定パラメータを変更する対象となる測定機器を選択する。図3又は図4では、変更する対象となる測定機器として、例えばパルスパターン発生器(PPG)と誤り率検出器(ED)のタブがそれぞれ表示されている。この機器選択タブ31も測定機能選択キー30と同様、タッチパネルをタッチすることや、マウスによりポイントすることで選択されるように構成されている。
次に、変更したい測定パラメータのパラメータ項目32を選択する。ここでは、「Bit Rate」の数値部分を選択した例である。このパラメータ項目32も、測定機能選択キー30や機器選択タブ31と同様、タッチパネルをタッチすることや、マウスによりポイントすることで選択されるように構成されている。また、「Bit Rate」の数値部分を選択したときは、図3又は図4に示すように設定する測定パラメータに対応したパラメータ設定ソフトキー20が表示画面上にポップアップ等で表示されるように構成されている。
【0032】
次に、ソフトキー制御手段4aで表示制御されるパラメータ設定ソフトキー20について、図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、パルスパターン発生器の測定パラメータである「Bit Rate」を変更する際に操作するパラメータ設定ソフトキー20の表示例である。
【0033】
図示のように、パラメータ設定ソフトキー20は、少なくともテンキー21dが表示された第1のソフトキー21と、上下左右のカーソルキー22fが表示された第2のソフトキー22とで構成され、ユーザが各ソフトキー21、22の所定箇所に設けられた表示切替キー23を操作することで、相互に表示切替可能な構成となっている。
【0034】
図2(a)に示すように、第1のソフトキー21は、ユーザが測定パラメータの値をダイレクト入力する際に操作されるキーである。第1のソフトキー21における表示エリアとしては、測定パラメータ名を表示するパラメータ名表示エリア21a、測定パラメータの上下限値を表示する上下限値表示エリア21b、測定パラメータを表示するパラメータ表示エリア21cを有している。また、第1のソフトキー21における操作キーとしては、測定パラメータの数値入力を行うテンキー21d、測定パラメータの単位を変更する単位切替キー21e、直前の数値を削除する後退キー(BS(backspace )キー)21f、入力した数値を決定する実行キー(Enter キー)21g、パラメータ表示エリア21cの数値を削除するクリアキー21h、第2のソフトキー22との表示切り替えをする表示切替キー23を有している。
【0035】
第1のソフトキー21によって変更された変更パラメータは、測定パラメータを変更後に実行キー21gを操作することでパラメータ抽出部5により抽出され、抽出された変更パラメータが被設定機器10に反映される。
【0036】
図2(b)に示すように、第2のソフトキー22は、ユーザが測定パラメータの値を一気に変動させたり連続的に変動させる場合、又は各桁の数値を微調整する場合に操作されるキーである。第2のソフトキー22における表示エリアとしては、測定パラメータ名を表示するパラメータ名表示エリア22a、測定パラメータの上下限値を表示する上下限値表示エリア22b、測定パラメータを表示するパラメータ表示エリア22cを有している。また、第2のソフトキー22における操作キーとしては、パラメータ表示エリア22cに表示されたキャレットを移動する左右キー22dと移動したキャレットの数値を上下限する上下キー22eとからなるカーソルキー22f、第1のソフトキー21との表示切り替えをする表示切替キー23を有している。
【0037】
また、第2のソフトキー22のパラメータ表示エリア22cに表示される測定パラメータは、後述する入力部7のロータリーノブ7aの操作量と連動する構成となっており、ロータリーノブ7aの操作量に連動して表示エリア中の数値が変動する。これにより、ユーザが測定パラメータの数値を一気に変更したり連続的に変動させる場合は、ロータリーノブ7aを所定方向に回転操作することで、測定パラメータの数値が即座に連続的に変動する。
【0038】
第2のソフトキー22によって変更された変更パラメータは、上下キー22eの操作又はロータリーノブ7aの操作量に応じて変動すると、その都度パラメータ抽出部5が変更パラメータとして抽出する。そして、抽出された変更パラメータが被設定機器10に反映される。よって、第2のソフトキー22でパラメータ変更をした場合は、上下キー22eやロータリーノブ7aの操作に基づく数値調整が被設定機器10に即座に反映されるため、パラメータ変更に伴う被設定機器10の駆動状況がリアルタイムで観測可能となる。
【0039】
パラメータ抽出部5は、変更パラメータを被設定機器10に反映するためのトリガとなる入力情報をソフト制御手段4aから入力すると、パラメータ設定ソフトキー20に表示される現在の測定パラメータを変更パラメータとしてソフトキー制御手段4aから抽出し、パラメータ処理部2に出力している。
【0040】
パラメータ抽出部5が第1のソフトキー21で変更した変更パラメータを抽出する場合は、変更パラメータを被設定機器10に反映する際のトリガとなる入力情報(すなわち、第1のソフトキー21の実行キー21gの操作に基づく入力情報)をソフトキー制御手段4aから入力したときにソフトキー制御手段4aから変更パラメータを抽出している。
【0041】
また、パラメータ抽出部5が第2のソフトキー22で変更した変更パラメータを抽出する場合は、変更パラメータを被設定機器10に反映する際のトリガとなる入力情報(すなわち、第2のソフトキー22若しくはロータリーノブ7aの操作に基づく入力情報)をソフトキー制御手段4aから入力したときにソフトキー制御手段4aから変更パラメータを抽出している。
【0042】
表示部6は、例えば液晶表示器で構成され、表示制御部4の制御により、上記した被設定機器10からの測定パラメータに依存したパラメータ設定ソフトキー20や入力部7からの入力情報に応じた表示内容など、測定パラメータ入力制御装置1の駆動に必要な表示内容を表示画面上に表示している。
【0043】
入力部7は、例えばテンキーや選択ボタン等の操作キー、マウス等のポインティングデバイス、表示部6の表示画面上のソフトキーからなるタッチパネル等の各種入力装置で構成される。入力部7は、パラメータ設定開始時や被設定機器10の測定パラメータ選択・変更の際に所定操作され、この操作に応じた入力情報をパラメータ処理部2と表示制御部4に出力している。
【0044】
また、入力部7は、パラメータ設定ソフトキー20における第2のソフトキー22と連動するロータリーノブ7aを備えている。このロータリーノブ7aは、第2のソフトキー22が選択表示された状態でパラメータの値を大幅調整する際に操作される。
【0045】
[処理動作]
次に、上述した測定パラメータ入力制御装置1によるパラメータ設定ソフトキー20の表示制御に関する一連の処理動作について説明する。
【0046】
(パラメータ設定ソフトキーの表示制御処理)
ユーザは、入力部7を所定操作して、測定パラメータ入力制御装置1と接続する被設定機器10のうち、変更したい機器とその機器固有の測定パラメータを選択する。被設定機器10と変更対象となるパラメータが選択されると、この選択操作に基づく入力情報をパラメータ処理部2に出力する。
【0047】
ここで、変更したい機器とは、図3又は図4に示すように、例えばパルスパターン発生器(PPG)と誤り率検出器(ED)である。また、その機器固有の測定パラメータとは、図3又は図4に示すように、例えばパルスパターン発生器(PPG)の機器の測定パラメータに対応する「Bit Rate」、「BitRate Offset」、「Amplitude 」、「External Attenuation」等である。
【0048】
パラメータ処理部2は、変更対象となる測定パラメータを有する被設定機器10から測定パラメータ情報を取得する。取得した測定パラメータ情報は、パラメータ識別部3に出力され、パラメータ識別部3にて取得した測定パラメータ情報の内容を識別し、この測定パラメータ情報に応じたパラメータ設定ソフトキー20を構築するためのソフトキー構築情報を表示制御部4に出力する。
【0049】
表示制御部4は、パラメータ識別部3からのソフトキー構築情報に基づき、取得した測定パラメータ情報に応じたパラメータ設定ソフトキー20を構築し、この構築したパラメータ設定ソフトキー20を、予め設定された表示画面上における所定位置に固定表示する。
【0050】
このような処理により、例えば変更するパラメータとして「Bit Rate Offset 」を変更する場合は図3に示すように、変更するパラメータとして「Bit Rate」を変更する場合は図4に示すように、変更する測定パラメータに依存したパラメータ設定ソフトキー20を表示画面上の所定位置に表示制御する。
【0051】
次に、上述した測定パラメータ入力制御装置1によるパラメータ設定ソフトキー20の操作に関する一連の処理動作について説明する。ここでは、第1のソフトキー21操作時の処理動作と、第2のソフトキー22操作時の処理動作についてそれぞれ説明する。
【0052】
(第1のソフトキーの操作処理)
ユーザは、表示部6の表示画面上に表示された第1のソフトキー21を入力部7を介して操作し、パラメータ表示エリア21cに表示された測定パラメータを変更する。パラメータ変更が終了すると、変更した変更パラメータを被設定機器10に反映するため、ソフトキー上の実行キー21gを選択する。
【0053】
この操作が変更パラメータを被設定機器10に反映するためのトリガとなり、パラメータ抽出部5がソフトキー制御手段4aから変更パラメータを抽出し、抽出した変更パラメータをパラメータ処理部2に出力する。そして、パラメータ処理部2は、変更対象となった被設定機器10に対して変更パラメータを書き換え処理する。被設定機器10は、書き換えられたパラメータに基づき再度パラメータ設定を行うことで、被設定機器10に変更したパラメータが反映される。
【0054】
(第2のソフトキーの操作処理)
ユーザは、表示部6の表示画面上に表示された第のソフトキーを入力部7を介して操作し、パラメータ表示エリア21cに表示された測定パラメータを変更する。このとき、パラメータ表示エリア22cに表示された測定パラメータは、上下キー22eの操作又はロータリーノブ7aの操作量に連動して変動する。また、第2のソフトキー22では、パラメータ変更操作が変更パラメータを被設定機器10に反映するためのトリガとなるため、パラメータが変動する度にパラメータ抽出部5が変更パラメータを抽出する。
【0055】
パラメータ抽出部5は、抽出した変更パラメータをパラメータ処理部2に出力する。そして、パラメータ処理部2は、変更対象となった被設定機器10に対して変更パラメータを書き換え処理する。被設定機器10は、書き換えられたパラメータに基づき再度パラメータ設定を行うことで、被設定機器10に変更したパラメータが反映される。
【0056】
次に、本発明に係る測定パラメータ入力制御に関するソフトウェア動作について、図5を参照しながら説明する。
はじめに、ユーザは測定パラメータ入力制御装置1に接続される被設定機器10から測定パラメータを含む測定パラメータ情報を取得する(S101)。次に、取得した測定パラメータ情報を表示画面上に表示制御する(S102)。そして、表示画面上に表示された測定パラメータ情報のうち何れか1つの測定パラメータを選択し(S103)、予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキー20のうち何れか1つの測定パラメータを変更するためのパラメータ設定ソフトキー20を表示画面上に表示制御する(S104)。
【0057】
次に、複数種類のパラメータ設定ソフトキーを切り替え表示するための表示切替キー23を表示し(S105)、表示切替キー23が押下されたか否かを判別する(S106)。
【0058】
このとき、表示切替キー23が押下されたと判別すると(S106−Yes)、既に表示されているパラメータ設定ソフトキー20の代わりに既に表示されているパラメータ設定ソフトキーとは異なるパラメータ設定ソフトキー20を表示画面上に表示制御する(S111)。そして、図2(a)、(b)に示すように現在有効となっているパラメータ設定ソフトキー20を強調表示した図柄を表示するとともに、現在無効となっているパラメータ設定ソフトキー20を例えばグレーアウト表示した図柄を表示切替キー23に表示して表示切替キー23の押下待ち状態とする(S112)。
なお、S112におけるパラメータ設定ソフトキーの表示図柄は、有効/無効が視認可能な状態で表示されていれば特にその表示形態は限定されない。
【0059】
一方、表示切替キー23が押下されていないと判別すると(S106−No)、S104の処理で表示されたパラメータ設定ソフトキー20を表示制御しているため、予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキー20におけるパラメータ表示エリア21c、22c近傍に測定パラメータの上下限値を表示する上下限値表示エリア21b、22bを表示制御する(S107)。
【0060】
次に、直前に選択されたパラメータ設定ソフトキー20を用いて設定された測定パラメータに対して変更がなされる(S108)。そして、別の設定パラメータを設定するか否かを判別する(S109)。
【0061】
このとき、別のパラメータを設定する場合(S109−Yes)は、表示画面上に表示された測定パラメータ情報のうち何れか1つの測定パラメータを選択するため、再度S103へ戻る。
一方、別のパラメータを設定しない場合(S109−No)は、最後に選択されたパラメータ設定ソフトキー20を用いて変更された測定パラメータに基づいて被設定機器10に対する測定パラメータの書き換えを行い(S110)、処理を終了する。
【0062】
なお、S112の処理のように、現在有効となっているパラメータ設定ソフトキー20を強調表示した図柄を表示するとともに、現在無効となっているパラメータ設定ソフトキー20を例えばグレーアウト表示した図柄を表示切替キー23に表示することにより、ユーザは既に表示されているパラメータ設定ソフトキー20とは異なるパラメータ設定ソフトキー20とを切り替えるための表示切替キー23であることを容易に認識することが可能となる。
【0063】
以上説明したように、上述した測定パラメータ入力制御装置1は、パラメータ変更を行う被設定機器10が選択されると、パラメータ処理部2が選択された被設定機器10から測定パラメータ情報を取得する。取得した測定パラメータ情報は、パラメータ識別部3に出力され、パラメータ識別部3にて取得した測定パラメータ情報の内容を識別し、この測定パラメータ情報に応じたパラメータ設定ソフトキー20を構築するためのソフトキー構築情報を表示制御部4に出力する。そして、表示制御部4は、パラメータ識別部3からのソフトキー構築情報に基づき、取得したパラメータ情報に応じたパラメータ設定ソフトキー20を構築し、この構築したパラメータ設定ソフトキー20を予め設定された表示画面上における所定位置に固定表示する。
【0064】
これにより、パラメータ設定ソフトキー20は、パラメータの値をダイレクト入力する際に操作する第1のソフトキー21と、パラメータの値を一気に変動させたり連続的に変動させる場合に操作される第2のソフトキー22とを、ソフトキー上の表示切替キー23の操作により自由に切り替え可能であるため、ユーザの操作性を向上させることができる。さらに、装置の構成上、表示画面上の表示領域が限られている場合であっても、操作性を損なうことなく測定パラメータの変更が可能となる。
【0065】
また、入力部7の構成として第2のソフトキー22と連動するロータリーノブ7aを備えているため、パラメータ設定の高速、且つ連続的な変動にも追従することができる。
【0066】
ところで、上述した形態において、測定パラメータ入力制御装置1と被設定機器10とが別体構成で有線若しくは無線接続された例で説明したが、測定パラメータ入力制御装置1と被設定機器10とが筐体内に一体とした装置構成とすることもできる。また、接続される被設定機器10は単体若しくは複数の何れでも良い。
【0067】
また、被設定機器10にパラメータ設定部12を備えた構成としたが、被設定機器10の構成によっては、測定パラメータ入力制御装置1のパラメータ処理部2が被設定機器10に対して変更パラメータを直接設定する構成とすることもできる。
【0068】
さらに、上述したパラメータ設定ソフトキー20における第1のソフトキー21は、パラメータとして数値入力のみを行う例で説明したが、使用する被設定機器10の構成や種類によってはテンキー以外に例えばフォルダ選択やパスワード入力に用いる英字キー等の文字入力可能なソフトキーを画面内に同時表示することもできる。
【符号の説明】
【0069】
1…測定パラメータ入力制御装置
2…パラメータ処理部
3…パラメータ識別部表示制御部4、パラメータ抽出部5、表示部6、入力部7
4…表示制御部
5…パラメータ抽出部
6…表示部
7…入力部(7a…ロータリーノブ)
10…被設定機器
11…パラメータ記憶部
12…パラメータ設定部
20…パラメータ設定ソフトキー
21…第1のソフトキー(21a…パラメータ名表示エリア、21b…上下限値表示エリア、21c…パラメータ表示エリア、21d…テンキー、21e…単位切替キー、21f…後退キー、21g…実行キー、21h…クリアキー)
22…第2のソフトキー(22a…パラメータ名表示エリア、22b…上下限値表示エリア、22c…パラメータ表示エリア、22d…左右キー、22e…上下キー、22f…カーソルキー)
23…表示切替キー
30…測定機能選択キー
31…機器選択タブ
32…パラメータ項目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を測定するための測定処理を実施するのに必要な複数の測定パラメータが設定される被設定機器(10)の前記測定パラメータを変更する測定パラメータ入力制御方法であって、
前記被設定機器から前記測定パラメータを含む測定パラメータ情報を取得するパラメータ情報取得ステップ(S101)と、
前記取得した測定パラメータ情報を表示画面上に表示制御するパラメータ情報表示ステップ(S102)と、
前記表示画面上に表示された測定パラメータ情報のうち何れか1つの測定パラメータを選択するパラメータ情報選択ステップ(S103)と、
予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキー(20)のうち何れか1つの前記測定パラメータを変更するためのパラメータ設定ソフトキーを前記表示画面上に表示制御するソフトキー制御ステップ(S104)と、
前記複数種類のパラメータ設定ソフトキーを切り替え表示するための表示切替キー(23)を前記表示画面上に表示する表示切替キー表示ステップ(S105)と、
前記表示切替キーが押下されたときに、既に表示されている前記パラメータ設定ソフトキーの代わりに前記既に表示されているパラメータ設定ソフトキーとは異なる前記パラメータ設定ソフトキーを前記表示画面上に表示するパラメータ設定ソフトキー選択ステップ(S106、S111)と、
直前に選択された前記パラメータ設定ソフトキーを用いて変更された前記測定パラメータに基づいて前記被設定機器に対する測定パラメータの書き換えを行うパラメータ書き換えステップ(S110)と、
を含むことを特徴とする測定パラメータ入力制御方法。
【請求項2】
前記ソフトキー制御ステップは、前記予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキーにおけるパラメータ表示エリア(21c、22c)近傍に前記測定パラメータの上下限値を表示する上下限値表示エリア(21b、22b)を表示制御する上下限値表示ステップ(S107)をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の測定パラメータ入力制御方法。
【請求項3】
電気信号を測定するための測定処理を実施するのに必要な複数の測定パラメータが設定される被設定機器(10)の前記測定パラメータ変更を行う測定パラメータ入力制御装置(1)であって、
前記被設定機器から前記測定パラメータを含む測定パラメータ情報を取得するとともに、変更後の測定パラメータを前記被設定機器に対して書き換え処理するパラメータ処理部(2)と、
表示部(6)の表示画面上に取得した測定パラメータ情報を表示する測定パラメータ制御手段(4a)と、予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキー(20)のうち何れか1つの前記測定パラメータを変更するためのパラメータ設定ソフトキーを前記表示部の前記表示画面上に表示制御するソフトキー制御手段(4b)を有する表示制御部(4)と、
前記表示画面上に表示制御された前記測定パラメータ情報のうち何れか1つの測定パラメータを選択し、前記表示部に表示された前記パラメータ設定ソフトキーを操作するための入力部(7)とを備え、
前記ソフトキー制御手段は、既に表示されている前記複数種類のパラメータ設定ソフトキーのうち何れか1つのパラメータソフトキーの代わりに該既に表示されているパラメータ設定ソフトキーとは異なる前記パラメータ設定ソフトキーを表示させるための表示切替キー(23)を表示制御することを特徴とする測定パラメータ入力制御装置。
【請求項4】
前記入力部はロータリーノブ(7a)を備え、当該ロータリーノブの操作量に連動して前記第2のソフトキー(22)に表示された測定パラメータが変動するよう前記ソフトキー制御手段が表示制御をすることを特徴とする請求項3記載の測定パラメータ入力制御装置。
【請求項5】
前記ソフトキー制御手段は、前記予め準備された複数種類のパラメータ設定ソフトキーにおけるパラメータ表示エリア(21c、22c)近傍に前記測定パラメータの上下限値を表示する上下限値表示エリア(21b、22b)を表示制御することを特徴とする請求項3又は4記載の測定パラメータ入力制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−180127(P2011−180127A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7970(P2011−7970)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(000000572)アンリツ株式会社 (838)
【Fターム(参考)】