説明

測定装置用窓

本開示は、測定装置(例えば圧力計、温度計等)を製作するためのシステムと方法を提供する。より詳細には、本開示は、測定装置アセンブリと共に使用する窓を製作するためのシステムと方法を提供する。一実施形態では、本開示は、組み立て中またはその後に実質的に動かないまたはずれない窓を有する測定装置アセンブリを製作するための改良されたシステムと方法を提供し、これにより組み立て中またはその後に窓が漏れるまたは割れるリスクを低減するかあるいはなくす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、測定装置アセンブリと、測定装置アセンブリを製作する方法とに関し、詳細には測定装置(例えば圧力計、温度計等)と共に使用する窓を製作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
温度や圧力を測定するために用いられる計器類などの測定装置は産業界において無数の用途がある。様々な製造者間の価格および品質競争は市場における要素である。したがって、製造者による材料費、労働力等における節約は製造者の販売、市場占有率および利益に重要な影響を及ぼす。したがって、これら製造者の間には、より効果的な製造技術を開発するための必要性が絶えず存在する。
【0003】
例えば、処理媒体の圧力を測定するための圧力計が周知である。圧力計は、商用及び工業用用途の無数の異なる環境において有用である。通常、圧力計は圧力を測定しその値を示す。圧力値は通常、アナログ形式(例えば指示子により)、またはディジタル形式(例えば電子的な計測値表示(readout)により)で示される。
【0004】
測定装置(例えば圧力計、温度計)は窓を含むことがある。測定装置用窓が知られている。いくつかの製造者は、様々な窓サイズおよび様々な材料で測定装置を製造する。例えば、測定装置用窓は、測定装置の計測値表示を見るために可視窓が必要とされる場合および計測値表示が窓材により保護される必要がある場合に用いられることがある。一般的に、窓を有する測定装置で直面する1つの問題は、組み立て中またはその後に窓が動くまたはずれて様々な問題(例えば漏れ問題、窓割れにつながるかもしれない窓への不均一な圧縮等)を引き起こし得るということである。例えば、いくつかの測定装置は測定装置の前面に着脱可能なリングを有する。このリングは窓材を所定位置に保持するために用いることができる。窓をケースに密閉するためにそして測定装置を漏れのないようするために窓の下にガスケットまたはガスケット材が存在することがある。このリングを着脱可能にするために、リングまたはケースのいずれかの上に傾斜等が存在しその隣接部分上に嵌合機構が存在することがある。
【0005】
1つの問題は窓が通常は円形であるということであり、窓がリングと嵌合するためには、窓はリングの嵌合構造(例えばカム)の内径より小さくなければならない。嵌合構造(例えばカム)を通ると、窓はリング内で弛み、片側にずれることがある。このずれは漏れ問題を引き起こし、またリングが締め付けられる際に窓材への不均一な圧縮を引き起し、窓割れに至ることがある。
【0006】
いくつかの測定装置は、このずれを許容しないようにしかつ上記問題を緩和するために、測定装置アセンブリ内に追加の充填部品を利用する。しかしながら測定装置アセンブリに部品を追加することにより、測定装置アセンブリのコストと複雑度が増す。他の測定装置は、このずれを許容しないようにしかつ上記問題を緩和するためにリングに特徴的機構をスタンピングする。しかしながらこのような手法は製造コストを上昇させ、また通常は測定装置アセンブリ内の一様な円形リングを許容しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、今日までの努力にもかかわらず、組み立て中またはその後に実質的に動かないまたはずれない窓を有する測定装置アセンブリを製作するためのシステムと方法の改良が依然として必要とされている。これらおよび他の改良を要する非効率性と機会は、本開示のシステムと方法により対処され、および/または克服される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、有利な測定装置アセンブリと、有利な測定装置アセンブリを製作するための方法とを提供する。例示的な実施形態では、本開示は、測定装置アセンブリ(例えば圧力計、温度計等)と共に使用する窓を製作するための方法を提供する。
【0009】
本開示は、少なくとも3つの第1の嵌合構造を含む第1の測定装置のケースと、少なくとも3つの第2の嵌合構造を含む第1の測定装置のリングと、外方に延在する少なくとも3つのローブと隣接するローブ間に位置する径方向内方に向かう凹部領域とを含む外周を画定する非円形の窓要素と、を含む測定装置システムを提供する。本測定装置システムでは、少なくとも窓要素の外周はリングに付随する取り付け用棚上に静止する大きさであり、径方向内方に向かう凹部領域のそれぞれは、窓要素がリングに付随する少なくとも3つの第2の嵌合構造をバイパスできるように構成され寸法決めされ、リングをケースに着脱自在に固定しかつ取り付け用棚とケース間に窓要素を密閉するために、ケースの少なくとも3つの第1の嵌合構造はリングの少なくとも3つの第2の嵌合構造に着脱自在に固定される。
【0010】
本開示はまた、第1の測定装置が圧力測定装置または温度測定装置である測定装置システムを提供する。本開示はまた、ケースの少なくとも3つの第1の嵌合構造が傾斜した嵌合構造であり、リングの少なくとも3つの第2の嵌合構造は傾斜した嵌合構造である測定装置システムを提供する。
【0011】
本開示はまた、ケースがガスケット材をさらに含み、リングをケースに着脱自在に固定しかつ取り付け用棚とケース間に窓要素を密閉するために、ケースの少なくとも3つの第1の嵌合構造がリングの少なくとも3つの第2の嵌合構造に着脱自在に固定される際、ガスケット材は窓要素とケース間に密閉部を形成する、測定装置システムを提供する。
【0012】
本開示はまた、窓要素がガラスである測定装置システムを提供する。本開示はまた、リングは内周を画定し、外方に延在するローブのそれぞれは、窓要素がリングの取り付け用棚上に静止される際に各ローブがリングの内周に実質的に隣接して配置されるように構成され寸法決めされる、測定装置システムを提供する。
【0013】
本開示はまた、径方向内向きの凹部領域が隣接する径方向内向きの各凹部領域から等距離離れて配置されるように、外方に延在するローブのそれぞれは、隣接するローブ間に位置する径方向内向きの凹部領域を有する隣接する各ローブから等距離離れて配置される、測定装置システムを提供する。本開示はまた、窓要素が対称である測定装置システムを提供する。
【0014】
本開示はまた、外方に延在するローブのそれぞれはローブ角部を含み、径方向内向きの凹部領域のそれぞれは凹角部を含み、窓要素の外周は、外方に延在するローブのそれぞれの各ローブ角部と径方向内向きの凹部領域のそれぞれの各凹角部との間に位置する直線部をさらに含む、測定装置システムを提供する。
【0015】
本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって、少なくとも3つの第1の嵌合構造を含む第1の測定装置のケースを設ける工程と、少なくとも3つの第2の嵌合構造を含む第1の測定装置のリングを設ける工程と、外方に延在する少なくとも3つのローブと隣接するローブ間に位置する径方向内方に向かう凹部領域とを含む外周を画定する非円形の窓要素を設ける工程であって、少なくとも窓要素の外周はリングに付随する取り付け用棚上に静止する大きさであり、径方向内方に向かう凹部領域のそれぞれは、窓要素がリングに付随する少なくとも3つの第2の嵌合構造をバイパスできるように構成され寸法決めされる、工程と、リングの少なくとも3つの第2の嵌合構造をバイパスすることによりリングの取り付け用棚上に窓要素の外周を静止させる工程と、ケースの少なくとも3つの第1の嵌合構造をリングの少なくとも3つの第2の嵌合構造に着脱自在に固定することにより、リングをケースに着脱自在に固定しかつ取り付け用棚とケース間に窓要素を密閉する工程と、を含む方法を提供する。
【0016】
本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって、第1の測定装置が圧力測定装置または温度測定装置である方法を提供する。本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって、ケースの少なくとも3つの第1の嵌合構造は傾斜した嵌合構造であり、リングの少なくとも3つの第2の嵌合構造は傾斜した嵌合構造である、方法を提供する。
【0017】
本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって、ケースはガスケット材をさらに含み、リングをケースに着脱自在に固定しかつ取り付け用棚とケース間に窓要素を密閉するために、ケースの少なくとも3つの第1の嵌合構造がリングの少なくとも3つの第2の嵌合構造に着脱自在に固定される際、ガスケット材は窓要素とケース間に密閉部を形成する、方法を提供する。本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって、窓要素はガラスである方法を提供する。
【0018】
本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって、リングは内周を画定し、外方に延在するローブのそれぞれは、窓要素がリングの取り付け用棚上に静止される際に各ローブがリングの内周に実質的に隣接して配置されるように構成され寸法決めされる、方法を提供する。
【0019】
本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって、径方向内向きの凹部領域が隣接する径方向内向きの各凹部領域から等距離離れて配置されるように、外方に延在するローブのそれぞれは、隣接するローブ間に位置する径方向内向きの凹部領域を有する隣接する各ローブから等距離離れて配置される、方法を提供する。本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって、窓要素が対称である方法を提供する。
【0020】
本開示はまた、測定装置システムを製造するための方法であって外方に延在するローブのそれぞれはローブ角部を含み、径方向内向きの凹部領域のそれぞれは凹角部を含み、窓要素の外周は、外方に延在するローブのそれぞれの各ローブ角部と径方向内向きの凹部領域のそれぞれの各凹角部との間に位置する直線部をさらに含む、方法を提供する。
【0021】
本開示の開示されたシステムと方法のさらなる有利な特徴、機能、用途は、以下の説明から明らかになり、特に添付図面と併せて読むと明らかになる。
【0022】
開示されたシステムと方法を当業者が作製し使用するのを助けるために添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本開示による例示的な測定装置アセンブリの側面図である。
【図2】本開示による、図1の線C−Cに実質的に沿った側断面図である。
【図3】本開示による測定装置アセンブリの例示的なリングの側面図である。
【図4】組み立て前の本開示による窓とリングの例示的な実施形態の底面図である。
【図5】本開示による図4の部分Aに実質的に沿った窓とリングの例示的な実施形態の部分分解図である。
【図6】本開示による窓の一実施形態の平面図である。
【図7】本開示による窓の一実施形態の側面図である。
【図8】本開示による窓の一実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明では、同様な部品には本明細書と図面を通じそれぞれ同じ参照符号が付けられる。作図はいくつかの図では必ずしも縮尺通りではなく、部品は明暸性のため誇張される場合がある。
【0025】
本開示は、測定装置(例えば圧力計、温度計等)を製作するためのシステムと方法を提供する。詳細には、本開示は、測定装置アセンブリと共に使用する窓を製作するためのシステムと方法を提供する。一般的に、測定装置用窓は、測定装置の計測値表示を見るために可視窓が必要とされる場合およびこの計測値表示が窓要素により保護される必要がある場合に時々用いられる。現在の手法は、測定装置の組み立て中またはその後に窓が動くまたはずれる可能性があり様々な問題(例えば漏れおよび/または窓割れ問題)を引き起こすリスクをもたらす。本開示は、組み立て中またはその後に実質的に動かないまたはずれない窓を有する測定装置アセンブリを製作するための改良されたシステムと方法を提供し、これにより組み立て中またはその後に窓が漏れるまたは割れるリスクを低減するかあるいはなくす。
【0026】
例えば、現在の技術では、いくつかの測定装置は所定位置に窓要素を保持するために用いられる着脱可能なリングを測定装置の前面に有する。現在の手法に関する1つの問題は窓要素が通常は円形であるということである。窓要素がリングと嵌合するためには窓はリングの嵌合構造の内径より小さくなければならず、したがって窓要素はリング内で弛み、窓要素がリングの嵌合構造を通ると片側にずれることがある。このずれは、測定装置が組み立てられると漏れ問題を引き起こすことがあり、またリングが締め付けられると窓への不均一な圧縮を引き起こし窓割れに至ることがある。例示的な実施形態では、本開示は、測定装置と共に使用する非円形の窓であって、組み立て中またはその後に実質的に動かないまたはずれない窓を提供し、これにより組み立て中またはその後に窓が漏れるあるいは割れるというリスクを低減するかあるいはなくす。
【0027】
次に添付図面、特に図1を参照すると、一実施形態においてリング14に着脱自在に固定されたケース12を有する測定装置10が例示されている。通常、リング14は円形である。測定装置10は限定するものではないが圧力計、圧力変換器等を含む圧力測定装置であってよい。別の実施形態では、測定装置10は温度測定装置である。但し、圧力または温度測定装置は、本明細書に記載の説明から当業者らには容易にわかるように、本開示の原理に従って用いられ得る唯一の測定装置ではない。
【0028】
本開示の一実施形態では、例えば、測定装置10は、例えばブルドン管等の測定装置機構を利用して測定対象の条件(温度、圧力またはその他の値)を測定するためにタンク、パイプ、加圧水炉等の容器に作動可能に接続されてよい。測定装置機構の実際の要素は従来通りであって本開示の一部を形成しないので示されない。
【0029】
図1、2、3を参照すると、リング14はさらに取り付け用棚16を含む。一実施形態では、取り付け用棚16は、リング14の上側またはその近傍に取り付け用棚16を形成するためにリング14の上側またはその近傍のリング14の周囲に延在する。一実施形態では、取り付け用棚16は、連続で円形の取り付け用棚16をリング14の上側またはその近傍に形成するために、リング14の上側またはその近傍のリング14の周囲において径方向に延在する。図2に示すように、取り付け用棚16はまた、内側に向かう部分20を含む。取り付け用棚16の内側に向かう部分20はリング14の外周から測定装置10の中心に向かって内側に延在し、これによりリング14の上側の内周を画定する。例示的な実施形態では、内側に向かう部分20はリング14の外周から測定装置10の中心に向かって内側に延在し、リング14の上側の円形内径を画定する。取り付け用棚16の内側に向かう部分20は、測定装置10の中心に向かって内側に任意の適切な距離で延在していてもよい。
【0030】
図1、3、4、5に示すように、リング14はさらに嵌合構造18を含む。リング14は少なくとも3つの嵌合構造18を含む。一実施形態では、少なくとも3つの嵌合構造18はリング14の底面側に隣接するかまたはその近傍に位置する。少なくとも3つの嵌合構造18は傾斜した嵌合構造の形態をとることができるが本開示はこれに限定されない。むしろ、少なくとも3つの嵌合構造18は様々な形態をとってよい。
【0031】
一実施形態そして図3と図4に示すように、少なくとも3つの嵌合構造18のそれぞれはリング14の底面側またはその近傍において他の嵌合構造18から離れて配置されており、これによりリング14の底面側の内周24を画定する。一実施形態では、少なくとも3つの嵌合構造18のそれぞれは、リング14の底面側またはその近傍において各隣接する嵌合構造18から等距離離れて配置されており、これによりリング14の底面側の内周24を画定する。例示的な実施形態では、図4に示すように、測定装置10のリング14は4つの嵌合構造18を含む。一実施形態では、図4に示すように、4つの嵌合構造18はリング14の底面側またはその近傍において各隣接する嵌合構造18から等距離離れて配置され、これによりリング14の底面側の内周24を画定する。
【0032】
図1と図2を参照すると、測定装置10はケース12を含む。一般的に、ケース12は測定装置10の測定装置機構を収容し保護するように構成され寸法決めされる。一実施形態では、ケース12は円形である。ケース12はさらに、リング14がケース12上に着脱自在に固定されるとリング14の少なくとも3つの嵌合構造18に着脱自在に固定される少なくとも3つの嵌合構造(図示せず)を含む。一実施形態では、ケース12の少なくとも3つの嵌合構造は、ケース12の上側と隣接するかあるいはその近傍に位置する。ケース12の少なくとも3つの嵌合構造は傾斜した嵌合構造の形態をとることができるが本開示はそれに限定されない。むしろ、ケース12の少なくとも3つの嵌合構造は様々な形態をとってよい。
【0033】
一実施形態では、ケース12の少なくとも3つの嵌合構造は、リング14がケース12上に着脱自在に固定されるとケース12の少なくとも3つの嵌合構造のそれぞれがリング14の少なくとも3つの嵌合構造18の1つに合致して着脱自在に固定されるように、ケース12の上側と隣接するかあるいはその近傍に位置する。一実施形態では、ケース12の少なくとも3つの嵌合構造は、リング14がケース12上に着脱自在に固定されるとケース12の少なくとも3つの嵌合構造のそれぞれがリング14の少なくとも3つの嵌合構造18の1つに合致して着脱自在に固定されるように、ケース12の上側またはその近傍においてケース12の各隣接する嵌合構造から等距離離れて配置される。
【0034】
例示的な実施形態では、測定装置10のケース12は4つの嵌合構造(図示せず)を含む。一実施形態では、ケース12の4つの嵌合構造のそれぞれは、リング14がケース12上に着脱自在に固定されるとケース12の4つの嵌合構造のそれぞれがリング14の嵌合構造18の1つに合致して着脱自在に固定されるように、ケース12の上側またはその近傍においてケース12の他の嵌合構造から径方向に離れて配置される。例示的な実施形態では、ケース12の4つの嵌合構造は、リングが測定装置10のケース12上に着脱自在に固定されるとケース12の4つの嵌合構造のそれぞれがリング14の嵌合構造18の1つに合致して着脱自在に固定されるように、ケース12の上側またはその近傍においてケース12の各隣接する嵌合構造から等距離離れて配置される。
【0035】
図2、4、5を参照すると、測定装置10はさらに窓要素22を含む。通常、窓要素22は平面的である。例示的な窓要素22はガラスの窓要素の形態をとるが本開示はそれに限定されない。むしろ、窓要素22は、限定するものではないが安全ガラス、強化ガラス等を含む様々な形態をとってよい。図7に示すように、窓要素22は任意の適切な厚さ34でよい。一実施形態では、窓要素22は、約0.135インチの厚さ34を有する。
【0036】
図4、6、8に示すように、窓要素22は外周26を画定する非円形の窓要素である。外周26は、外方に延在するローブ28と、隣接する外方に延在するローブ28間に位置する径方向内向きの凹部領域30とを含む。窓要素22は外方に延在する少なくとも3つのローブ28と、隣接するローブ28間に位置する径方向内向きの凹部領域30とを含む。
【0037】
窓要素22の外周26は、窓要素22がリング14の内周24をバイパスするとリング14の取り付け用棚16上に静止する大きさである。径方向内向きの各凹部領域30は窓要素22がリング14の少なくとも3つの嵌合構造18をバイパスできるように構成され寸法決めされる。各ローブ28は、窓要素22がリング14の取り付け用棚16上に静止すると窓要素22の各ローブ28がリング14の内周24に実質的に隣接して配置されるように構成され寸法決めされる。窓要素22がリング14の取り付け用棚16上に静止される際に各ローブ28をリング14の内周24に実質的に隣接させることにより、窓要素22が測定装置10の組み立て中またはその後にリング14内で実質的に動かないまたはずれないということを実現する。窓要素22が取り付け用棚16上にそのように位置決めされると、ケース12の少なくとも3つの嵌合構造がリング14の少なくとも3つの嵌合構造18に着脱自在に固定される際に取り付け用棚16とケース12との間に窓要素22を密閉することができる。
【0038】
一実施形態では、図2に示すように、ケース12はさらにガスケット材32を含む。一実施形態では、窓要素22が取り付け用棚16上に位置決めされると、ケース12の少なくとも3つの嵌合構造がリング14の少なくとも3つの嵌合構造18に着脱自在に固定される際に取り付け用棚16とケース12のガスケット材32との間に窓要素22を密閉することができる。
【0039】
一実施形態では、径方向内向きの凹部領域30が各隣接する凹部領域30から等距離離れて配置されるように、外方に延在する少なくとも3つのローブ28は各隣接するローブ28から等距離離れて配置され、径方向内向きの凹部領域30は隣接するローブ28間に位置する。例示的な実施形態では、図4と図6に示すように、径方向内向きの凹部領域が各隣接する凹部領域30から等距離離れて配置されるように、窓要素22は隣接するローブ28から等距離離れて配置された外方に延在する4つのローブ28を含み、径方向内向きの凹部領域30は隣接するローブ28間に位置する。一実施形態では、窓要素22は対称である。別の実施形態では、図4と図6に示すように、窓要素22の外周26の周囲の隣接縁部はすべて接線であり、窓要素22は対称である。一実施形態では図6に示すように、窓要素22はローブ直径36を有する。図6に示すように、ローブ直径36は、ローブ28の窓要素22の外周26上の最も外側の点から、窓要素22の周囲に180度にわたって位置するローブ28の窓要素22の外周26上の最も外側の点までの窓要素22を横切る距離である。一実施形態では、窓要素22は約3.8インチのローブ直径36を有する。別の実施形態では、窓要素22は約2.7インチのローブ直径36を有する。
【0040】
例示的な実施形態では、図6に示すように、窓要素22はさらに凹部領域直径38を含む。図6に示すように、凹部領域直径38は、凹部領域30の窓要素22の外周26上の最も内側の点から窓要素22の周囲に180度にわたって位置する凹部領域の窓要素22の外周26上の最も内側の点までの窓要素22を横切った距離である。一実施形態では、窓要素22は約3.7インチの凹部領域直径38を有する。別の実施形態では、窓要素22は約2.6インチの凹部領域直径38を有する。
【0041】
一実施形態では、図6に示すように、窓要素22の各凹部領域30は凹角部40を含む。凹部領域30の凹角部40は、窓要素22がリング14の少なくとも3つの嵌合構造18の任意の1つをバイパスできるように構成され寸法決めされる。一実施形態では、各凹部領域30の凹角部40は窓要素22の外周26の周囲に39度にわたって延在する。例示的な実施形態では、図6に示すように、窓要素22の中心は凹角部40の中心軸の役割を果たす。一実施形態では、窓要素22の中心が凹角部40の中心軸の役割を果たすとき、窓要素22の中心から凹角部40に沿った任意の点までの半径の長さは凹部領域直径38の長さの約半分である。一実施形態では、凹部領域直径38は、凹角部40に沿った外周26上のすべての点から窓要素22の周囲に180度にわたって位置する窓要素22の外周26上の点までの窓要素22を横切る距離とほぼ同じである。
【0042】
例示的な実施形態では、図6と図8に示すように、窓要素22は各凹角部40の両側に位置する直線部42をさらに含む。一実施形態では、窓要素22は8つの直線部42を含む。各直線部42は、窓要素22の外周26上の各凹角部40の端から直線で延在する。一実施形態では、各直線部42は、各凹角部40の端において凹部領域直径38から90度の角度で直線で延在する。一実施形態では、各直線部42の長さは窓要素22の外周上の直線部42毎にほぼ同じである。一実施形態では、窓要素22の外周26上の各直線部42の長さは約0.20インチである。別の実施形態では、窓要素22の外周26上の各直線部42の長さは約0.22インチである。
【0043】
一実施形態では、図8に示すように、窓要素22の各ローブ28はローブ半径48を有するローブ角部44を含む。ローブ28のローブ角部44は、窓要素22がリング14の取り付け用棚16上に静止される際に窓要素22の各ローブ28がリング14の内周24に実質的に隣接するように構成され寸法決めされる。例示的な実施形態では、各ローブ28のローブ角部44は窓要素22の外周26の周囲に51度にわたって延在し、軸点46はローブ角部44の中心軸の役割を果たす。一実施形態では、図8に示すように、各ローブ角部44は、直線部42の端から窓要素22の隣接する直線部42の端まで窓要素22の外周26の周囲に延在する。図8に示すように、ローブ角部44の軸点46は、2つの隣接する直線部42の端から90度の角度で描かれた線の交点の窓要素22の内側に設置されてよい。例示的な実施形態では、図8に示すように、各ローブ角部44の軸点46は、各ローブ角部44に隣接する2つの直線部42のそれぞれの端から90度の角度で描かれた線の交点の窓要素22の内側に設置される。一実施形態では、ローブ直径36は、ローブ角部44に沿った外周26上のすべての点から窓要素22の周囲に180度にわたって位置する窓要素22の外周26上の点までの窓要素22を横切った距離とほぼ同じである。
【0044】
本開示の一実施形態では、窓要素22は板ガラスから窓要素22をパンチングすることにより製造されてよい。別の実施形態では、窓要素22は出発ガラス材から窓要素22をウォータージェット切断することにより製造されてよい。本開示の例示的な実施形態では、窓要素22の形状は円形窓の形状と類似の1つの連続的な滑らかな曲線である。窓要素22をパンチングするあるいは窓要素22を測定装置10内に設置する間に割れる可能性を高めるであろう窓要素22の高応力立ち上がり点は存在しない。
【0045】
本開示に従ってリング14がケース12上に着脱自在に固定されると実現される窓要素22の密閉が十分なものであることを実証するための試験が行われた。一実施形態では、本開示に従ってリング14とケース12間に窓要素22を密閉した後、測定装置10は約5psiの圧力下で試験されたが漏れはなかった。
【0046】
本開示の少なくとも一実施形態の1つの利点は、窓要素22は測定装置の組み立て中またはその後に実質的に動かないまたはずれないように構成され寸法決めされるので、測定装置が漏れ問題および/または窓割れ問題により製造業者に返却されるというリスクが低く、結果としてコストと品質の利点を提供することである。
【0047】
本開示の少なくとも一実施形態の別の利点は、いくつかの従来技術のリングと比較しリング14内にスタンピングされなければならない特徴的機構が少ないということである。例えば、窓要素が組み立て中またはその後に動かないまたはずれないようにするために、いくつかの測定装置はリング内に特徴的機構をスタンピングする。したがって、このようなスタンピングされた特徴的機構を有するリングと比較して本開示のリングを製造するのに必要な製造時間は一般的に少なく、結果として費用優位性を提供するとともに測定装置アセンブリ内の一様な円形リングを可能にする。
【0048】
本開示の少なくとも一実施形態の別の利点は、いくつかの従来技術の測定装置と比較して測定装置アセンブリにおいて利用する必要のある充填部品が少ないということである。例えば、いくつかの測定装置は、窓が組み立て中またはその後に動かないまたはずれないようにするために測定装置アセンブリ内において追加の充填部品を利用する。したがって、本開示の測定装置アセンブリにおいて利用する必要がある充填部品は少なくなり、結果として測定装置アセンブリのコストと複雑度を低減する。
【0049】
上述の構成において多くの変更がなされ得ること、また本発明の範囲から逸脱せずに本開示の多様な実施形態がなされ得ることから、添付図面と明細書に含まれるすべての事項は例示的なものとして解釈されるべきであって、決して限定する意味で解釈されてはならないということが意図されている。前述の開示においては、さらなる修正、変更、代替が意図される。したがって、添付の請求範囲は広くかつ本発明の範囲に一致するように解釈されることが適切である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも3つの第1の嵌合構造を含む第1の測定装置のケースと、
少なくとも3つの第2の嵌合構造を含む前記第1の測定装置のリングと、
外方に延在する少なくとも3つのローブと隣接する前記ローブ間に位置する径方向内向きの凹部領域とを含む外周を画定する非円形の窓要素と、を含む測定装置システムであって、
少なくとも前記窓要素の外周は前記リングに付随する取り付け用棚上に静止する大きさであり、
前記径方向内向きの凹部領域のそれぞれは、前記窓要素が前記リングに付随する前記少なくとも3つの第2の嵌合構造をバイパスできるように構成され寸法決めされ、
前記ケースに前記リングを着脱自在に固定しかつ前記取り付け用棚と前記ケース間に前記窓要素を密閉するために、前記ケースの前記少なくとも3つの第1の嵌合構造は前記リングの前記少なくとも3つの第2の嵌合構造に着脱自在に固定される、測定装置システム。
【請求項2】
前記第1の測定装置は圧力測定装置である、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項3】
前記第1の測定装置は温度測定装置である、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項4】
前記ケースの前記少なくとも3つの第1の嵌合構造は傾斜した嵌合構造であり、前記リングの前記少なくとも3つの第2の嵌合構造は傾斜した嵌合構造である、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項5】
前記ケースはガスケット材をさらに含み、
前記ケースに前記リングを着脱自在に固定しかつ前記取り付け用棚と前記ケース間に前記窓要素を密閉するために、前記ケースの前記少なくとも3つの第1の嵌合構造が前記リングの前記少なくとも3つの第2の嵌合構造に着脱自在に固定される際、前記ガスケット材は前記窓要素と前記ケース間に密閉部を形成する、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項6】
前記窓要素はガラスである、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項7】
前記リングは内周を画定し、
前記外方に延在するローブのそれぞれは、前記窓要素が前記リングの前記取り付け用棚上に静止される際に各ローブが前記リングの前記内周に実質的に隣接して配置されるように構成され寸法決めされる、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項8】
前記径方向内向きの凹部領域が前記隣接する径方向内向きの各凹部領域から等距離離れて配置されるように、前記外方に延在するローブのそれぞれは、前記隣接するローブ間に位置する前記径方向内向きの凹部領域を有する前記隣接する各ローブから等距離離れて配置される、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項9】
前記窓要素は対称である、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項10】
前記外方に延在するローブのそれぞれはローブ角部を含み、前記径方向内向きの凹部領域のそれぞれは凹角部を含み、
前記窓要素の外周は、前記外方に延在するローブのそれぞれの各ローブ角部と前記径方向内向きの凹部領域のそれぞれの各凹角部との間に位置する直線部をさらに含む、請求項1に記載の測定装置システム。
【請求項11】
測定装置システムを製造するための方法であって、
少なくとも3つの第1の嵌合構造を含む第1の測定装置のケースを設ける工程と、
少なくとも3つの第2の嵌合構造を含む前記第1の測定装置のリングを設ける工程と、
外方に延在する少なくとも3つのローブと隣接する前記ローブ間に位置する径方向内方に向かう凹部領域とを含む外周を画定する非円形の窓要素を設ける工程であって、少なくとも前記窓要素の外周は前記リングに付随する取り付け用棚上に静止する大きさであり、前記径方向内方に向かう凹部領域のそれぞれは、前記窓要素が前記リングに付随する前記少なくとも3つの第2の嵌合構造をバイパスできるように構成され寸法決めされる、工程と、
前記リングの前記少なくとも3つの第2の嵌合構造をバイパスすることにより、前記リングの前記取り付け用棚の上に前記窓要素の前記外周を静止させる工程と、
前記ケースの前記少なくとも3つの第1の嵌合構造を前記リングの前記少なくとも3つの第2の嵌合構造に着脱自在に固定することにより、前記リングを前記ケースに着脱自在に固定しかつ前記取り付け用棚と前記ケース間に前記窓要素を密閉する工程と、を含む方法。
【請求項12】
前記第1の測定装置は圧力測定装置である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の測定装置は温度測定装置である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ケースの前記少なくとも3つの第1の嵌合構造は傾斜した嵌合構造であり、前記リングの前記少なくとも3つの第2の嵌合構造は傾斜した嵌合構造である、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ケースはガスケット材をさらに含み、
前記ケースに前記リングを着脱自在に固定しかつ前記取り付け用棚と前記ケース間に前記窓要素を密閉するために、前記ケースの前記少なくとも3つの第1の嵌合構造が前記リングの前記少なくとも3つの第2の嵌合構造に着脱自在に固定される際、前記ガスケット材は前記窓要素と前記ケース間に密閉部を形成する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記窓要素はガラスである、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記リングは内周を画定し、
前記外方に延在するローブのそれぞれは、前記窓要素が前記リングの前記取り付け用棚上に静止される際に各ローブが前記リングの前記内周に実質的に隣接して配置されるように構成され寸法決めされる、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記径方向内向きの凹部領域が前記隣接する径方向内向きの各凹部領域から等距離離れて配置されるように、前記外方に延在するローブのそれぞれは、前記隣接するローブ間に位置する前記径方向内向きの凹部領域を有する前記隣接する各ローブから等距離離れて配置される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記窓要素は対称である、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記外方に延在するローブのそれぞれはローブ角部を含み、前記径方向内向きの凹部領域のそれぞれは凹角部を含み、
前記窓要素の外周は、前記外方に延在するローブのそれぞれの各ローブ角部と前記径方向内向きの凹部領域のそれぞれの各凹角部との間に位置する直線部をさらに含む、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−532000(P2010−532000A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515062(P2010−515062)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/068142
【国際公開番号】WO2009/003013
【国際公開日】平成20年12月31日(2008.12.31)
【出願人】(506297016)アッシュクロフト インコーポレーテッド (4)
【Fターム(参考)】