説明

測定装置

【課題】スクリーニングの処理時間を短縮することができる測定装置を提供する。
【解決手段】複数の種類のアナライト溶液と測定の基準となるバッファ液とを交互に供給して当該タンパクTaと反応するアナライト溶液を特定するスクリーニングを行う際に、タンパクTaと供給されたアナライト溶液との相互作用の有無を判定し、相互作用有りと判定された場合に、バッファー液を供給した後に次の種類のアナライト溶液を供給し、相互作用無しと判定された場合に、バッファー液を供給することなく次の種類のアナライト溶液を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に係り、特に、測定対象とする検体物質に、当該検体物質の特性の測定に用いる複数種類の被検溶液、及び測定の基準となる所定の基準溶液を各々個別に供給して検体物質の反応状態を検出することにより検体物質の特性を測定する測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、測定対象とする検体物質に様々な溶液を各々個別に供給して検体物質と各溶液との反応状態を検出することにより、当該検体物質の特性を測定する測定装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、液体が流通可能に液体流路が形成されると共に、液体流路内の壁面に測定対象とする検体物質を付着させた付着領域が設けられた測定チップの液体流路に対して、検体物質の特性の測定に用いる複数種類の被検溶液(特許文献1では、「アナライト」と記載。)と測定の基準となる基準溶液(特許文献1では、「バッファ」と記載。)とを交互に供給し、各溶液を供給した状態での検体物質と被検溶液の反応状態を検出することにより、当該検体物質と反応する被検溶液を特定するスクリーニングを行う測定装置が開示されている。
【特許文献1】特開2004−136236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようなスクリーニングでは、検体物質と反応する被検溶液は複数種類のうち一部である。
【0005】
このため、特許文献1のように、被検溶液と基準溶液とを交互に供給することを繰り返した場合、処理効率が悪く、スクリーニングの処理時間が長い、という問題点があった。
【0006】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、スクリーニングの処理時間を短縮することができる測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、測定対象とする検体物質の付着領域に、当該検体物質の特性の測定に用いる複数種類の被検溶液、及び測定の基準となる所定の基準溶液を各々個別に供給する供給手段と、前記供給手段により前記複数種類の被検溶液、及び前記基準溶液が各々個別に供給された状態での前記検体物質の反応状態を示す情報を各々取得する取得手段と、前記供給手段により何れかの前記被検溶液が供給された状態で前記取得手段により取得された前記反応状態を示す情報に基づいて前記検体物質と当該被検溶液との相互作用の有無を判定し、相互作用有りと判定された場合に、前記付着領域に次に前記基準溶液が供給された後に次の種類の被検溶液が供給され、相互作用無しと判定された場合に、前記付着領域に次に次の種類の被検溶液が供給されるように前記供給手段を制御する制御手段と、を備えている。
【0008】
請求項1記載の発明は、供給手段により、測定対象とする検体物質の付着領域に、当該検体物質の特性の測定に用いる複数種類の被検溶液、及び測定の基準となる所定の基準溶液が各々個別に供給されるものとされており、取得手段により、供給手段により複数種類の被検溶液、及び基準溶液が各々個別に供給された状態での検体物質の反応状態を示す情報が各々取得される。
【0009】
そして、本発明では、制御手段により、供給手段により何れかの被検溶液が供給された状態で取得手段により取得された反応状態を示す情報に基づいて検体物質と当該被検溶液との相互作用の有無が判定され、相互作用有りと判定された場合に、付着領域に次に基準溶液が供給された後に次の種類の被検溶液が供給され、相互作用無しと判定された場合に、付着領域に次に次の種類の被検溶液が供給されるように供給手段が制御される。
【0010】
このように請求項1記載の発明によれば、検体物質と各被検溶液との相互作用の有無を判定し、相互作用無しと判定された場合に、基準溶液を供給することなく付着領域に次の種類の被検溶液を供給するので、スクリーニングの処理時間を短縮することができる。
【0011】
なお、本発明は、請求項2記載の発明のように、前記供給手段により直前の前記基準溶液が供給されてから前記被検溶液が供給された供給回数を示す回数情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記制御手段が、相互作用無しと判定された場合に、前記記憶手段に記憶された回数情報により示されれる被検溶液の供給回数が所定の閾値以下である場合には前記付着領域に次の種類の被検溶液が供給され、前記被検溶液の供給回数が前記閾値よりも大きい場合には前記付着領域に前記基準溶液が供給されるように前記供給手段を制御してもよい。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項3記載の発明のように、前記制御手段が、前記供給手段により前記基準溶液が個別に複数回供給された状態で前記取得手段により各々取得された前記反応状態を示す情報に基づいて前記検体物質の付着状態の変化を求め、当該変化が大きいほど前記閾値を小さな値に変更することが好ましい。
【0013】
また、本発明は、請求項4記載の発明のように、前記供給手段が、前記検体物質を洗浄する洗浄溶液をさらに個別に供給し、前記制御手段が、相互作用有りと判定された場合に、前記付着領域に前記基準溶液が供給される前に前記洗浄溶液が供給されるように前記供給手段を制御してもよい。
【0014】
また、本発明は、請求項5記載の発明のように、前記検体物質の付着領域が、各々個別に溶液を供給可能に複数設けられ、前記供給手段が、複数設けられて、各付着領域にそれぞれ独立して前記複数種類の被検溶液、及び前記基準溶液を各々個別に供給し、前記取得手段が、各付着領域毎に、前記反応状態を示す情報を各々取得し、前記制御手段が、各付着領域毎に、前記取得手段により取得された前記反応状態を示す情報に基づいて、各付着領域にそれぞれ対応する前記供給手段を独立して制御するようにしてもよい。
【0015】
また、本発明は、請求項6記載の発明のように、ネットワークに接続されて当該ネットワークを通して通信を行う通信手段をさらに備え、前記制御手段が、測定終了を示す終了情報、異常発生を示す異常情報、測定の進行状況を示す進行状況情報、測定終了予定時刻を示す終了予定時刻情報、本装置に備えられた消耗品の補充を要求する要求情報、の少なくとも1つを前記通信手段を介して予め設定した情報送信先に送信する制御を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
このように、本発明によれば、スクリーニングの処理時間を短縮することができる、という効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。なお、以下では、表面プラズモン共鳴現象(Surface Plasmon Resonance:SPR)による全反射減衰の発生によって暗線が発生した反射角度を検出することにより、検体物質と被検溶液の反応状態を検出する測定装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0018】
本実施の形態に係る測定装置としてのバイオセンサー10は、金属膜の表面に発生する表面プラズモン共鳴現象を利用して、タンパクTaと試料Aとの相互作用を測定する、いわゆる表面プラズモンセンサーである。
【0019】
図1〜図4に示すように、バイオセンサー10は、下部筐体11及び上部筐体12を備えている。上部筐体12は、断熱部材で構成されており、バイオセンサー10の上半分全体を覆っている。上部筐体12内と、外部及び下部筐体11内との間は、断熱されている。上部筐体12の手前側は、上方へ開放可能とされており、把手13が取り付けられている。上部筐体12の外側には、ディスプレイ14及び入力部16が設置されている。
【0020】
図2は、上部筐体12を取り去って、図1の奥側からみたバイオセンサー10の内部を示す図であり、図3は筐体の内部を上面からみた図であり、図4は図2の手前側からみた内部の側面図である。
【0021】
上部筐体12の内部には、分注ヘッド20、測定部30、試料ストック部40、ピペットチップストック部42、バッファストック部44、保冷部46、廃液プレート47、測定チップストック部48、ラジエータ60、ラジエータ送風ファン62、水平方向送風ファン64が備えられている。
【0022】
試料ストック部40は、試料積層部40A及び試料セット部40Bで構成されている。試料積層部40Aには、個々のセルに検体物質の特性の測定に用いる被検溶液として各種の試料を含んだ各々異なる複数種類のアナライト溶液をストックする試料プレート40Pが、Z方向(鉛直方向)に積層されて収容されている。また、この積層された複数の試料プレート40Pには、タンパクTaを洗浄するための洗浄溶液をストックする試料プレート40Pが含まれている。試料セット部40Bには、1枚の試料プレート40Pが、図示しない搬送機構により試料積層部40Aから搬送されてセットされる。
【0023】
ピペットチップストック部42は、ピペットチップ積層部42A及びピペットチップセット部42Bで構成されている。ピペットチップ積層部42Aには、複数のピペットチップを保持するピペットチップストッカー42Pが、Z方向に積層されて収容されている。ピペットチップセット部42Bには、1枚のピペットチップストッカー42Pが、図示しない搬送機構によりピペットチップ積層部42Aから搬送されてセットされる。
【0024】
バッファストック部44は、ボトル収容部44A及びバッファー供給部44Bで構成されている。ボトル収容部44Aには、測定の基準となる基準溶液としてのバッファー液が貯留された複数本のボトル44Cが収容されている。バッファー供給部44Bには、バッファプレート44Pがセットされている。バッファプレート44Pは、複数筋に区画されており、各々の区画には濃度の異なるバッファー液が貯留されている。また、バッファプレート44Pの上部には、分注ヘッド20のアクセス時にピペットチップCPが挿入される孔Hが構成されている。バッファプレート44Pへは、ホース44Hによりボトル44Cからバッファー液が供給される。
【0025】
バッファー供給部44Bの隣には、補正用プレート45が配置され、その隣に保冷部46が配置され、その隣に廃液プレート47が配置されている。補正用プレート45は、バッファー液の濃度調整を行うためのプレートであり、マトリクス状に複数セルが構成されている。保冷部46には、冷蔵の必要な試料が配置される。保冷部は低温とされており、この上で試料は低温状態に保たれる。廃液プレート47は、ホースによって図示しない廃液タンクと接続されており、廃液プレート47に排出された溶液は、廃液タンクに収容される。
【0026】
測定チップストック部48には、測定チップ収容プレート48Pがセットされている。測定チップ収容プレート48Pには、測定チップ50が複数本収納されている。
【0027】
測定チップストック部48と測定部30との間には、測定チップ搬送機構49が備えられている。測定チップ搬送機構49は、測定チップ50を両側から挟み込んで保持する保持アーム49A、回転により保持アーム49AをY方向に移動させるボールねじ49B、Y方向に配置され、測定チップ50が載せられる搬送レール49C、を含んで構成されている。測定の際には、1本の測定チップ50が測定チップ搬送機構49により測定チップ収容プレート48Pから搬送レール49C上に載せられ、保持アーム49Aにより挟持されつつ測定部30へ移動してセットされる。
【0028】
測定チップ50は、図5及び図6に示すように、誘電体ブロック52、流路部材54、及び、保持部材56、で構成されている。
【0029】
誘電体ブロック52は、光ビームに対して透明な透明樹脂等で構成されており、断面が台形の棒状とされたプリズム部52A、及び、プリズム部52Aの両端部にプリズム部52Aと一体的に形成された被保持部52Bを備えている。プリズム部52Aの互いに平行な2面の内の広い側の上面には、金属性の薄膜57が形成されている。誘電体ブロック52は、いわゆるプリズムとして機能し、バイオセンサー10での測定の際には、プリズム部52Aの対向する互いに平行でない2つの側面の内の一方から光ビームが入射され、他方から薄膜57との界面で全反射された光ビームが出射される。
【0030】
薄膜57の表面には、測定対象とする検体物質としてタンパクTaを薄膜57上に付着させるための、リンカー層57Aが形成されている。このリンカー層57A上にタンパクTaが付着される。
【0031】
プリズム部52Aの両側面には、上側の端辺に沿って保持部材56と係合される係合凸部52Cが形成されている。また、プリズム部52Aの下側には、側端辺に沿って搬送レール49Cと係合されるフランジ部52Dが形成されている。
【0032】
図6に示すように、流路部材54は、6個のベース部54Aを備え、ベース部54Aの各々に4本の円筒部材54Bが立設されている。ベース部54Aは、3個のベース部54A毎に、立設された円筒部材54Bのうちの1本の上部が連結部材54Dによって連結されている。流路部材54は、軟質で弾性変形可能な材料、例えば非晶質ポリオフィレンエラストマーで構成されている。このように、流路部材54を弾性変形可能な材料で構成することにより、誘電体ブロック52との密着性を高め、誘電体ブロック52との間に構成される液体流路55の密閉性を確保している。
【0033】
保持部材56は、長尺とされ、上面部材56A及び2枚の側面板56Bが蓋状に構成された形状とされている。側面板56Bには、誘電体ブロック52の係合凸部52Cと係合される係合孔56C、及び、上記光ビームの光路に対応する部分に窓56Dが形成されている。保持部材56は、係合孔56Cと係合凸部52Cとが係合されて、誘電体ブロック52に取り付けられる。流路部材54は、保持部材56と一体成形されており、保持部材56と誘電体ブロック52の間に配置される。上面部材56Aには、流路部材54の円筒部材54Bに対応する位置に、受部59が形成されている。受部59は略円筒状とされている。
【0034】
ベース部54Aには、図7に示すように、底面側に略S字状の2本の流路溝54Cが形成されている。流路溝54Cは、端部の各々が1の円筒部材54Bの中空部と連通されている。ベース部54Aは、底面が誘電体ブロック52の上面と密着され、流路溝54Cと誘電体ブロック52の上面との間に構成される空間と前記中空部とで、液体流路55が構成される。
【0035】
1個のベース部54Aには、2本の液体流路55が構成される。各々の液体流路55において、円筒部材54Bの上端面に液体流路55の出入口53が構成される。
【0036】
ここで、2本の液体流路55のうち、1本は測定流路55Aとして用いられ、他の1本は参照流路55Rとして用いられる。測定流路55Aの薄膜57上(リンカー層57A上)にはタンパクTaを付着させ、参照流路55Rの薄膜57上(リンカー層57A上)にはタンパクTaを付着させない状態で測定が行われる。
【0037】
測定流路55A及び参照流路55Rには、図7に示すように、各々光ビームL1、L2が入射される。光ビームL1、L2は、図8に示すように、ベース部54Aの中心線M上に配置されるS字の屈曲部分に照射される。以下、測定流路55Aにおける光ビームL1の照射領域を測定領域E1、参照流路55Rにおける光ビームL2の照射領域を参照領域E2という。参照領域E2は、タンパクTaが付着した測定領域E1から得られるデータを補正するための測定を行う領域である。
【0038】
図9には、分注ヘッド20の詳細な構成が示されている。
【0039】
分注ヘッド20は、12本の分注管20Aを備えている。各分注管20Aは、X方向と直交する矢印Y方向に沿って1列に配置されるように保持部材20Bにより保持されている。分注管20Aは、隣り合う2本で一対とされ、一方が液体供給用、他方が液体排出用とされている。分注管20Aの先端部には、ピペットチップCPが取り付けられる。ピペットチップCPは、ピペットチップストッカー42Pにストックされており、必要に応じて交換可能とされている。
【0040】
図2に示すように、分注ヘッド20は、上部筐体12内の上部に設けられ、水平駆動機構22により矢印X方向に移動可能とされている。水平駆動機構22は、ボールねじ22A、モータ22B、ガイドレール22Cにより構成されている。ボールねじ22A及びガイドレール22Cは、X方向に配置されている。ガイドレール22Cは平行に2本配置され、そのうちの1本はボールねじ22Aの下側に所定間隔離れて配置されている。分注ヘッド20は、モータ22Bの回転駆動によってボールねじ22Aが回転することにより、ガイドレール22Cに沿ってX方向に移動される。このX方向移動により、分注ヘッド20は、廃液プレート47、保冷部46、補正用プレート45、バッファー供給部44B(バッファプレート44P)、測定部30(測定チップ50)、試料セット部40B(試料プレート40P)、及びピペットチップセット部42B(ピペットチップストッカー42P)に対向する位置にそれぞれ移動可能とされている。
【0041】
また、図9に示すように、分注ヘッド20には、分注ヘッド20を矢印Z方向に移動させる鉛直駆動機構24が設けられている。鉛直駆動機構24は、モータ24A及びZ方向に配置された駆動軸24Bを含んで構成され、モータ24Aの回転駆動によって駆動軸24Bが回転することにより、分注ヘッド20をZ方向に移動させる。このZ方向移動により、分注ヘッド20は、ピペットチップセット部42Bにセットされたピペットチップストッカー42P、試料セット部40Bにセットされた試料プレート40P、バッファー供給部44Bにセットされたバッファプレート44P、補正用プレート45、保冷部46にセットされたプレート、及び測定部30にセットされた測定チップ50などにアクセス可能となっている。
【0042】
図10に示されるように、分注ヘッド20には、吸排駆動部26が接続されている。吸排駆動部26は、第1ポンプ27、第2ポンプ28を備えている。第1ポンプ27及び第2ポンプ28は、前述の一対の分注管20Aに各々対応して設けられている。第1ポンプ27は、シリンジポンプで構成されており、第1シリンダ27A、第1ピストン27B、及び、第1ピストン27Bを駆動させる第1モータ27Cを備えている。第1シリンダ27Aは、配管27Hを介して分注ヘッド20と接続されている。また、第2ポンプ28も、シリンジポンプで構成されており、第2シリンダ28A、第2ピストン28B、及び、第2ピストン28Bを駆動させる第2モータ28Cを備えている。第2シリンダ28Aは、配管28Hを介して分注ヘッド20と接続されている。
【0043】
分注ヘッド20は、第1モータ27C及び第2モータ28Cの回転駆動が各々制御されて第1ピストン27B及び第2ピストン28Bの駆動が制御されることにより、吸引、排出する溶液の液量、及び吸引、排出する際の溶液の速度が調整可能とされている。
【0044】
一方、図4に示すように、測定部30は、光学定盤32、光出射部34、受光部36を含んで構成されている。光学定盤32には、側方向から見て、上部中央の水平平面で構成される上部台32A、上部台32Aから離れる方向に向かって低くなる出射傾斜部32B、上部台32Aを挟んで出射傾斜部32Bと逆側に配置される受光傾斜部32Cが形成されている。上部台32Aには、Y方向沿って測定チップ50がセットされるものとされている。光学定盤32の出射傾斜部32Bには、測定チップ50へ向かって光ビームL1、L2を出射する光出射部34が設置されている。また、受光傾斜部32Cには、受光部36が設置されている。光学定盤32の隣には、光学定盤32を冷却する水冷ジャケット32Jが設けられている。
【0045】
図11に示すように、光出射部34には、光源34A、レンズユニット34Bが備えられている。また、受光部36には、レンズユニット36A、CCD36Bが備えられている。
【0046】
光源34Aからは、発散状態の光ビームLが出射される。レンズユニット34Bは、偏光ビームスプリッタを内蔵しており、光源34Aから入射する光ビームLのP偏光成分とS偏光成分に分離し、光ビームLのP偏光成分をZ方向に対して一定の幅を持った比較的太い2本の平行な光ビームL1、L2に分ける。そして、レンズユニット34Bは、この2本の平行な光ビームL1、L2を薄膜57と誘電体ブロック52との界面の測定領域E1と参照領域E2に対して全反射角以上の種々の入射角で測定領域E1と参照領域E2において収束光状態となるように入射させる。よって、測定領域E1及び参照領域E2に入射する光ビームL1、L2は、誘電体ブロック52と薄膜57との界面において種々の反射角で全反射される。この全反射された光ビームL1、L2は、レンズユニット36Aを経てCCD36Bに結像される。CCD36Bは、全反射された2本の光ビームL1、L2を共に受光可能な面積の受光面を有するエリアセンサとされており、受光面に結像した像を示す画像情報を生成して出力する。
【0047】
図12には、本実施の形態に係るバイオセンサー10の電気系の構成が示されている。
【0048】
同図に示すように、バイオセンサー10は、CPU70A、ROM70B、RAM70C、HDD70D等を含んで構成され、装置全体の動作を司る制御部70と、上記モータ22Bとモータ24Aの回転駆動、及び上記第1モータ27Cと第2モータ28Cの回転駆動を制御することにより、分注ヘッド20のX方向及びZ方向への移動、並びに分注ヘッド20の各分注管20Aに取り付けられたピペットチップCPへの各種類のアナライト溶液やバッファ液、洗浄溶液の吸引や排出を制御する分注ヘッド駆動制御部72と、保持アーム49Aを動作及びボールねじ49Bを回転させる不図示のモータの回転駆動を制御することにより、測定チップ搬送機構49の動作を制御する測定チップ搬送制御部74と、CCD36Bの撮像動作の制御するCCD制御部76と、光源34Aへの電力供給を制御することにより、光源34Aの点灯を制御する点灯制御部78と、ネットワーク90に接続されて当該ネットワーク90に接続されたサーバなどの端末装置92と通信を行う通信制御部80と、を備えている。
【0049】
制御部70には、分注ヘッド駆動制御部72、測定チップ搬送制御部74、CCD制御部76、点灯制御部78、ディスプレイ14、入力部16、及び通信制御部80が接続されている。
【0050】
従って、制御部70は、分注ヘッド駆動制御部72を介した分注ヘッド20の移動、並びにピペットチップCPへのアナライト溶液やバッファ液、洗浄液の吸引や排出の制御と、測定チップ搬送制御部74を介した測定チップ50の搬送の制御と、CCD制御部76を介したCCD36Bの撮像動作の制御と、点灯制御部78を介して光源34Aの点灯を制御と、ディスプレイ14への操作画面、各種メッセージ等の各種情報の表示の制御と、通信制御部80を介して端末装置92との各種情報の送受信の制御と、を各々行うことができる。また、制御部70は、入力部16に対する操作内容を把握することができる。
【0051】
制御部70では、CCD制御部76を介して入力された画像情報に基づいて所定の処理を行なって、測定領域E1及び参照領域E2での屈折率変化データを導出する。
【0052】
この屈折率変化データは、測定チップ50にアナライト溶液及びバッファー液を個別に供給して光出射部34から光ビームLを出射させて測定領域E1及び参照領域E2に光ビームL1、L2を照射し、測定領域E1において全反射された光ビームL1の暗線が発生した反射角度と参照領域E2において全反射された光ビームL2の暗線が発生した反射角度との角度差に基づいて求められるものである。薄膜57と誘電体ブロック52との界面に特定の入射角で入射した光ビームL1、L2は、界面に表面プラズモンを励起させ、これにより、特定の入射角で入射した光ビームL1、L2の反射光の強度が鋭く低下して暗線として観察される。この暗線となる光ビームL1、L2の入射角が全反射減衰角θSPであり、バッファー液を測定チップ50に供給した場合の測定領域E1及び参照領域E2において検出される全反射減衰角θSPの角度差と、アナライト溶液を測定チップ50に供給した場合の測定領域E1及び参照領域E2において検出される全反射減衰角θSPの角度差との差が屈折率変化データとなる。
【0053】
また、本実施の形態に係るバイオセンサー10は、タンパクTaがアナライト溶液を反応した場合に、洗浄溶液によってタンパクTaの洗浄を行う洗浄モードを指定することが可能とされている。洗浄モードを指定する場合、ユーザは入力部16に対して洗浄モードを指定する所定操作を行う。なお、この洗浄モードを実行するか否かを示す情報をHDD70Dに記憶させておき、当該情報に基づいて洗浄モードを実行するようにしてもよい。
【0054】
さらに、本実施の形態に係る制御部70は、タンパクTaの特性の測定処理の処理状況や、ピペットチップストック部42に収容されたピペットチップCPの数や測定チップストック部48に収容された測定チップ50の数、ボトル44Cに貯留されたバッファー液の残量などの消耗品の残量を随時監視しており、測定終了を示す終了情報、異常発生を示す異常情報、測定の進行状況を示す進行状況情報、測定終了予定時刻を示す終了予定時刻情報、消耗品の補充を要求する要求情報を端末装置92に送信する制御を行う。なお、例えば、測定実施者が、入力部16から自身の携帯電話のメールアドレスを制御部70に設定することにより、制御部70が登録されたメールアドレスに終了情報、異常情報、進行状況情報、終了予定時刻情報等の各種情報を送信するようにしてもよい。
【0055】
次に、本実施の形態に係るバイオセンサー10の作用について説明する。
【0056】
タンパクTaの特性の測定を行う場合、制御部70は、後述する溶液供給制御処理を行って、分注ヘッド駆動制御部72を介して分注ヘッド20を制御して、測定対象とする測定チップ50に分注ヘッド20から所定の濃度のバッファー液や様々な種類のアナライト溶液、洗浄液を個別に供給させる。
【0057】
制御部70は、測定対象とする測定チップ50にバッファー液やアナライト溶液が供給されると、測定チップ搬送制御部74を介して測定チップ搬送機構49を制御して、所定の測定周期毎に、バッファー液やアナライト溶液が供給された測定チップ50を上部台32Aに搬送して測定対象とする測定流路55Aの測定領域E1及び参照流路55Rの参照領域E2を各々光ビームL1、L2が入射する位置に配置する。そして、制御部70は、点灯制御部78を制御して光源34Aの点灯させ、光出射部34から光ビームを出射させて測定領域E1、参照領域E2の各々に、光ビームL1、L2を各々照射させる。これらの光ビームL1、L2は、測定領域E1、参照領域E2で全反射され、発散しながら誘電体ブロック52のプリズム面を通って外部に出射される。外部に出射された光ビームL1、L2は、レンズユニット36Aを経てCCD36Bの受光面に結像される。
【0058】
制御部70は、CCD制御部76を介してCCD36Bの撮像動作の制御して、CCD36Bの受光面に結像した像の撮像を行わせ、当該像を示す画像情報をCCD36Bから出力させる。出力された画像情報はCCD制御部76を介して制御部70に入力する。
【0059】
制御部70は、画像情報が入力されると、入力された画像情報に基づいて所定の処理を行なって、測定領域E1及び参照領域E2での屈折率変化データを導出する。
【0060】
次に、図13には、タンパクTaの特性の測定を行う場合に制御部70により実行される溶液供給制御処理の流れを示すフローチャートが示されている。以下、同図を参照して、当該溶液供給制御処理について説明する。
【0061】
同図のステップ100では、測定対象とする測定チップ50に分注ヘッド20から所定の濃度のバッファー液を供給させる。また、制御部70は、測定チップ50毎に、バッファー液を供給した供給回数や、直前のバッファー液が供給されてからアナライト溶液を供給した供給回数をHDD70Dに記憶させている。本ステップ100では、測定対象とする測定チップ50のバッファー液を供給した供給回数を示すバッファー供給回数情報の値をカウントアップし、直前のバッファー液が供給されてからアナライト溶液を供給した供給回数を示すアナライト供給回数情報の値をゼロに初期化する。
【0062】
制御部70は、測定対象とする測定チップ50にバッファー液が供給されると、当該測定チップ50を上部台32Aに搬送して測定対象とする測定流路55Aの測定領域E1及び参照流路55Rの参照領域E2を各々光ビームL1、L2が入射する位置に配置し、光源34Aの点灯させて撮像を行って画像情報を取得する。そして、制御部70は、取得した画像情報により示される画像から測定領域E1及び参照領域E2において暗線が発生した反射角度を特定し、測定領域E1において暗線が発生した反射角度と参照領域E2において暗線が発生した反射角度の角度差を求める。
【0063】
次のステップ102では、HDD70Dに記憶されたバッファー供給回数情報に基づいて測定対象とする測定チップ50にバッファー液が複数回供給されているか否か判定し、肯定判定となった場合はステップ106へ移行し、否定判定となった場合はステップ104へ移行する。
【0064】
ステップ104では、アナライト溶液を連続して供給可能な閾値Nを、予め定められた初期値(例えば、5)とする。この閾値Nの初期値は、ROM70B又はHDD70Dに予め記憶されている。
【0065】
一方、ステップ106では、前回バッファー液を供給した状態で求められた反射角度のの角度差と今回バッファー液を供給した状態で求められた反射角度の角度差の差が大きいほど閾値Nを小さな値に変更する。
【0066】
ここで、この種のバイオセンサー10では、液体流路55に対して溶液を流したこと等によってタンパクTaの付着状態が変化し、タンパクTaの膜厚が経時的に減少してタンパクTaの屈折率が経時的に変化することによって暗線が発生する反射角度が変化するドリフトと呼ばれる現象が発生する場合がある。
【0067】
図14には、例えば、測定流路55Aにバッファー液(基準溶液)とアナライト溶液(被検溶液)を交互に個別に供給した際の暗線が発生する反射角度の変化の一例が示されている。
【0068】
同図に示すように、バッファー液やアナライト溶液を供給したことにより、反射角度が経時的に減少するドリフト現象が発生している。
【0069】
このドリフトによる反射角度の変化が小さい場合は、タンパクTaの付着状態が変化が小さいため、アナライト溶液を複数回供給する毎にバッファー液を供給して屈折率変化データを導出するようにしても屈折率変化データの誤差が小さい。
【0070】
一方、ドリフトによる反射角度の変化が大きい場合は、ナライト溶液を複数回供給する毎にバッファー液を供給して屈折率変化データを導出するようにすると屈折率変化データの誤差が大きくなる。
【0071】
このため、本実施の形態では、反射角度の角度差の変化が大きい場合、閾値Nを小さな値に変更している。
【0072】
次のステップ108では、測定対象とする測定チップ50に分注ヘッド20からアナライト溶液を供給させる。また、本ステップ108では、測定対象とする測定チップ50のバッファー液が供給されてからアナライト溶液を供給した供給回数を示すアナライト供給回数情報の値をカウントアップする。
【0073】
制御部70は、測定対象とする測定チップ50にアナライト溶液が供給されると、上記ステップ100部分において上述した場合と同様の制御を行って画像情報を取得し、暗線が発生した反射角度の角度差を求める。そして、制御部70は、直前のバッファー液が供給された場合の反射角度の角度差と今回アナライト溶液が供給された場合の反射角度の角度差との差を屈折率変化データとして導出する。
【0074】
次のステップ110では、測定対象とする測定チップ50に測定を行う全ての種類のアナライト溶液を供給したか否かを判定し、肯定判定となった場合は本溶液供給制御処理を終了し、否定判定となった場合はステップ112へ移行する。
【0075】
次のステップ112では、導出された屈折率変化データからタンパクTaとステップ108において供給したアナライト溶液との相互作用の有無を判定し、相互作用有りと判定された場合はステップ114へ移行し、相互作用無しと判定された場合はステップ120へ移行する。
【0076】
ここで、本実施の形態では、屈折率変化データにより示される反射角度の角度差の差が予め定められた値以上となった場合に相互作用の有りと判定する。この予め定められた値は、実験等によって相互作用の有無の判定に適切な値として定められている。
【0077】
ステップ114では、洗浄モードが指定されているか否か判定し、肯定判定となった場合はステップ116へ移行し、否定判定となった場合は、上記ステップ100へ移行してバッファー液を供給させた後に次の種類のアナライト溶液の供給を行う。
【0078】
ステップ116では、測定対象とする測定チップ50に分注ヘッド20から洗浄溶液を供給させ、洗浄溶液の供給後にステップ100へ移行してバッファー液を供給させた後に次の種類のアナライト溶液の供給を行う。
【0079】
一方、ステップ120では、HDD70Dに記憶されたアナライト供給回数情報により示されるアナライト溶液を供給した供給回数が閾値N以下であるか否か判定し、肯定判定となった場合はステップ108へ移行して次の種類のアナライト溶液の供給を行い、否定判定となった場合はステップ100へ移行してバッファー液を供給させた後に次の種類のアナライト溶液の供給を行う。
【0080】
これにより、直前のバッファー液が供給されてからアナライト溶液が供給された供給回数が閾値N以下である場合は、バッファー液の供給が省略されるため、処理時間を短縮することができる。また、直前のバッファー液が供給されてからアナライト溶液が供給された供給回数が閾値Nよりも大きい場合は、バッファー液を供給することにより、屈折率変化データの誤差の増加を抑制することができる。
【0081】
ところで、本実施の形態では、1個の測定チップ50に、図5〜図8に示したように、1対の測定流路55A及び参照流路55Rからなる測定チャネルが6つ設けられている。
【0082】
このため、本実施の形態に係る制御部70は、各測定チャネルにそれぞれ対応して吸排駆動部26の第1ポンプ27及び第2ポンプ28を独立して制御しており、上記溶液供給制御処理において、図15に示すように、測定チャネル毎に相互作用の有無を判定を行い、当該測定チャネルにおいて洗浄溶液やバッファー液を供給する必要がない場合、当該測定チャネルの測定流路55A及び参照流路55Rに対する溶液の供給を停止している。なお、図15では、溶液を供給する期間を実線で示しており、溶液の供給を停止する停止期間を破線で示している。
【0083】
以上のように、本実施の形態によれば、タンパクTaと供給されたアナライト溶液との相互作用の有無を判定し、相互作用有りと判定された場合に、バッファー液を供給した後に次の種類のアナライト溶液を供給し、相互作用無しと判定された場合に、バッファー液を供給することなく次の種類のアナライト溶液を供給するので、スクリーニングの処理時間を短縮することができる。
【0084】
なお、本実施の形態で説明したバイオセンサー10の構成(図1〜図12参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0085】
また、本実施の形態で説明した溶液供給制御処理(図13参照。)の処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0086】
その他、本実施の形態では、バッファー液を供給した場合の反射角度の角度差とアナライト溶液を供給した場合の反射角度の角度差との差から検体物質の反応状態を検出する表面プラズモンセンサーを一例として説明したが、検体物質の特性を測定する測定装置としては、これに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】実施の形態に係るバイオセンサー全体の斜視図である。
【図2】実施の形態に係るバイオセンサーの内部の斜視図である。
【図3】実施の形態に係るバイオセンサーの内部の上面図である。
【図4】実施の形態に係るバイオセンサーの内部の側面図である。
【図5】実施の形態に係る測定チップの斜視図である。
【図6】実施の形態に係る測定チップの分解斜視図である。
【図7】実施の形態に係る測定チップの測定領域及び参照領域へ光ビームが入射している状態を示す図である。
【図8】実施の形態に係る測定チップの流路部材を下側からみた図である。
【図9】実施の形態に係るバイオセンサーの分注ヘッドの鉛直駆動機構を示す斜視図である。
【図10】実施形態に係るバイオセンサーの液体吸排部の概略構成図である。
【図11】実施の形態に係るバイオセンサーの光学測定部付近の概略図である。
【図12】実施の形態に係るバイオセンサーの電気系の構成を示すブロック図である。
【図13】実施の形態に係る溶液供給制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】ドリフト現象が発生した状態の一例を示すグラフである。
【図15】測定チャネル毎の送液状態を模式的に示した模式図である。
【符号の説明】
【0088】
10 バイオセンサー
20 分注ヘッド(供給手段)
30 測定部(取得手段)
70 制御部(制御手段)
70D HDD(記憶手段)
80 通信制御部(通信手段)
90 ネットワーク
92 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象とする検体物質の付着領域に、当該検体物質の特性の測定に用いる複数種類の被検溶液、及び測定の基準となる所定の基準溶液を各々個別に供給する供給手段と、
前記供給手段により前記複数種類の被検溶液、及び前記基準溶液が各々個別に供給された状態での前記検体物質の反応状態を示す情報を各々取得する取得手段と、
前記供給手段により何れかの前記被検溶液が供給された状態で前記取得手段により取得された前記反応状態を示す情報に基づいて前記検体物質と当該被検溶液との相互作用の有無を判定し、相互作用有りと判定された場合に、前記付着領域に次に前記基準溶液が供給された後に次の種類の被検溶液が供給され、相互作用無しと判定された場合に、前記付着領域に次に次の種類の被検溶液が供給されるように前記供給手段を制御する制御手段と、
を備えた測定装置。
【請求項2】
前記供給手段により直前の前記基準溶液が供給されてから前記被検溶液が供給された供給回数を示す回数情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
前記制御手段は、相互作用無しと判定された場合に、前記記憶手段に記憶された回数情報により示されれる被検溶液の供給回数が所定の閾値以下である場合には前記付着領域に次の種類の被検溶液が供給され、前記被検溶液の供給回数が前記閾値よりも大きい場合には前記付着領域に前記基準溶液が供給されるように前記供給手段を制御する
請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記供給手段により前記基準溶液が個別に複数回供給された状態で前記取得手段により各々取得された前記反応状態を示す情報に基づいて前記検体物質の付着状態の変化を求め、当該変化が大きいほど前記閾値を小さな値に変更する
請求項2記載の測定装置。
【請求項4】
前記供給手段は、前記検体物質を洗浄する洗浄溶液をさらに個別に供給し、
前記制御手段は、相互作用有りと判定された場合に、前記付着領域に前記基準溶液が供給される前に前記洗浄溶液が供給されるように前記供給手段を制御する
請求項1〜請求項3の何れか1項記載の測定装置。
【請求項5】
前記検体物質の付着領域は、各々個別に溶液を供給可能に複数設けられ、
前記供給手段は、複数設けられて、各付着領域にそれぞれ独立して前記複数種類の被検溶液、及び前記基準溶液を各々個別に供給し、
前記取得手段は、各付着領域毎に、前記反応状態を示す情報を各々取得し、
前記制御手段は、各付着領域毎に、前記取得手段により取得された前記反応状態を示す情報に基づいて、各付着領域にそれぞれ対応する前記供給手段を独立して制御する
請求項1〜請求項4の何れか1項記載の測定装置。
【請求項6】
ネットワークに接続されて当該ネットワークを通して通信を行う通信手段をさらに備え、
前記制御手段は、測定終了を示す終了情報、異常発生を示す異常情報、測定の進行状況を示す進行状況情報、測定終了予定時刻を示す終了予定時刻情報、本装置に備えられた消耗品の補充を要求する要求情報、の少なくとも1つを前記通信手段を介して予め設定した情報送信先に送信する制御を行う
請求項1〜請求項5の何れか1項記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−186195(P2009−186195A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23274(P2008−23274)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】