説明

溶媒回収装置

【課題】 容量の限られた回収容器を使用しても、真空ポンプを停止させて回収容器を交換する必要がなく、濃縮操作や乾燥操作等を連続的に行うことができる溶媒回収装置を提供する。
【解決手段】 真空ポンプ12で吸引した溶媒蒸気を大気圧下で冷却し、溶媒を凝縮液化させて回収容器14内に回収する溶媒回収装置において、回収容器14に、流入側配管21及び流出側配管22と、先端が回収容器底部近傍に開口した溶媒送液配管23とを設け、該溶媒送液配管を直接又は間接的に溶媒回収槽15に接続するとともに、前記流入側配管及び流出側配管のいずれか一方の配管を遮断した状態で他方の配管に前記真空ポンプから吐出されたガスを供給して回収容器内を加圧することにより、回収容器内の溶媒を前記溶媒送液配管を通して前記溶媒回収槽に送液可能に形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒回収装置に関し、詳しくは、液体濃縮時に発生する溶媒蒸気を真空ポンプで吸引し、大気圧下で冷却して溶媒蒸気を凝縮液化させることにより、液化した溶媒を回収容器に回収する溶媒回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液体試料を濃縮する減圧濃縮装置や試料を乾燥させる真空乾燥機等に設けられた溶媒回収装置として、濃縮時や乾燥時に発生した溶媒蒸気を試料容器から真空ポンプで吸引し、大気圧に戻してから冷却器で冷却することによって溶媒蒸気を凝縮液化させ、液化した溶媒を回収容器に回収することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平11−33301号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、通常の溶媒回収装置では、溶媒を回収した回収容器を研究者が装置から取り外して別途設けられた溶媒回収槽等に移し替えるなどの処理を行わなければならないため、回収容器の容量に限界があり、大量の溶媒を回収することはできなかった。このため、回収容器内にある程度の溶媒が溜まったときに、真空ポンプを一時停止して回収容器を交換する必要があった。しかし、真空ポンプを停止させて回収容器を交換するのに時間を要すると、減圧濃縮装置や真空乾燥機等からの溶媒蒸気の真空吸引も止まってしまうため、濃縮操作や乾燥操作の条件が異なってしまうことになる。
【0004】
そこで本発明は、容量の限られた回収容器を使用しても、真空ポンプを停止させて回収容器を交換する必要がなく、濃縮操作や乾燥操作等を連続的に行うことができる溶媒回収装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の溶媒回収装置は、第1の構成として、真空ポンプで吸引した溶媒蒸気を大気圧下で冷却して溶媒を凝縮液化させ、液化した溶媒を回収容器内に回収する溶媒回収装置において、前記回収容器に、流入側配管及び流出側配管と、先端が回収容器底部近傍に開口した溶媒送液配管とを設け、該溶媒送液配管を溶媒回収槽に接続するとともに、前記流入側配管及び流出側配管のいずれか一方の配管を遮断した状態で他方の配管に前記真空ポンプから吐出されたガスを供給して回収容器内を加圧することにより、回収容器内の溶媒を前記溶媒送液配管を通して前記溶媒回収槽に送液可能に形成したことを特徴としている。
【0006】
また、本発明の溶媒回収装置は、第2の構成として、真空ポンプで吸引した溶媒蒸気を大気圧下で冷却して溶媒を凝縮液化させ、液化した溶媒を回収容器内に回収する溶媒回収装置において、前記回収容器に、流入側配管及び流出側配管と、先端が回収容器底部近傍に開口した溶媒送液配管とを設け、該溶媒送液配管を気液分離手段に接続し、該気液分離手段の気相側を前記真空ポンプの吸引側に接続するとともに、該気液分離手段の液相側を溶媒回収槽に気密状態で接続し、前記真空ポンプで気液分離手段の気相側を吸引することにより、回収容器内の溶媒を前記溶媒送液配管を通して前記気液分離手段に送液し、該気液分離手段で分離した溶媒を前記溶媒回収槽に送液可能に形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の溶媒回収装置によれば、真空ポンプから吐出されたガス(溶媒蒸気を含むガス)の圧力を利用したり、真空ポンプの吸引力を利用したりして回収容器内に回収した溶媒を溶媒回収槽に送液することができるので、真空ポンプを停止させて回収容器を交換する必要がなくなる。したがって、溶媒回収装置を長時間にわたって連続運転することができ、これに伴って減圧濃縮装置における濃縮操作や真空乾燥機における乾燥操作等を連続的に行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1及び図2は、本発明の溶媒回収装置の第1形態例を示すもので、図1は減圧濃縮装置等の試料容器で発生した溶媒を回収容器に回収しているときの状態を示す溶媒回収装置の系統図、図2は溶媒容器に回収した溶媒を溶媒回収槽に送液しているときの状態を示す溶媒回収装置の系統図である。
【0009】
この溶媒回収装置は、例えば、減圧濃縮装置11で発生した溶媒蒸気を吸引するための真空ポンプ12と、該真空ポンプ12から吐出された溶媒蒸気を冷却するための冷却器13と、該冷却器13で凝縮液化した溶媒を回収する回収容器14と、該回収容器14とは別途に設けられた溶媒回収槽15と、これらの各機器を接続する配管及び各配管に設けられた開閉弁16や三方バルブからなる第1,第2流路切換弁17,18とを備えている。また、回収容器14は、回収した溶媒の再蒸発を防止するために冷却槽19に浸漬されている。
【0010】
前記回収容器14は、容器上部に流入側配管21と流出側配管22とを有するとともに、容器上部から回収容器14内に挿入されて底部近傍に開口した溶媒送液配管23を有するものであって、流入側配管21は前記冷却器13の下流側に接続し、流出側配管22は、第2流路切換弁18を介して溶媒回収槽15に接続するとともに、第1,第2流路切換弁17,18を介して真空ポンプ12の吐出側に接続している。また、溶媒送液配管23は、開閉弁16を介して溶媒回収槽15に接続している。
【0011】
前記溶媒回収槽15の槽上部には、前記流出側配管22に第2流路切換弁18を介して接続するガス流入配管24と、前記溶媒送液配管23に開閉弁16を介して接続する溶媒流入配管25と、槽内のガスを排出する排気管26とが設けられている。
【0012】
また、前記開閉弁16は、溶媒送液配管23と溶媒流入配管25との間を開閉するものであって、溶媒回収時には遮断状態となり、溶媒送液時には開状態となる。第1流路切換弁17には、真空ポンプ吐出側配管27と冷却器流入側配管28と加圧配管29とが接続されており、溶媒回収時には真空ポンプ吐出側配管27と冷却器流入側配管28とが連通状態となって加圧配管29が遮断された状態、溶媒送液時には真空ポンプ吐出側配管27と加圧配管29とが連通状態となって冷却器流入側配管28が遮断された状態に切り換えられる。さらに、第2流路切換弁18には、流出側配管22とガス流入配管24と加圧配管29とが接続されており、溶媒回収時には流出側配管22とガス流入配管24とが連通状態となって加圧配管29が遮断された状態、溶媒送液時には流出側配管22と加圧配管29とが連通状態となってガス流入配管24が遮断された状態に切り換えられる。
【0013】
まず、図1に基づいて溶媒回収運転時の状態を説明する。減圧濃縮装置11で発生した溶媒蒸気を含むガスは、減圧濃縮装置11の排気配管11aを通って真空ポンプ12に吸引され、大気圧状態で真空ポンプ吐出側配管27に吐出される。この吐出側配管27のガスは、第1流路切換弁17を通って冷却器流入側配管28から前記冷却器13に流入する。ガス中の溶媒蒸気は、冷却器13で大気や冷却水等の冷却媒体と間接的に熱交換することにより凝縮して液化し、液化した溶媒は、流入側配管21を通って回収容器14内に滴下し、一時的に貯留される。また、真空ポンプ12の吐出ガス中に含まれる非凝縮性ガスは、流出側配管22を通って回収容器14から流出し、第2流路切換弁18からガス流入配管24を通って溶媒回収槽15の上部に流入し、溶媒回収槽15の排気管26から系外に排出される。
【0014】
次に、溶媒容器14に回収した溶媒を溶媒回収槽15に送液する送液運転時の状態を説明する。溶媒の回収運転から送液運転への切り替えは、開閉弁16を開くとともに、各流路切換弁17,18の流路を切り換えることによって行われる。この送液時には、真空ポンプ12から真空ポンプ吐出側配管27に吐出されたガスは、第1流路切換弁17を通って加圧配管29に流れ、さらに、第2流路切換弁18を通って流出側配管22を逆流し、回収容器14の上部に流入する。このとき、流入側配管21から冷却器13を経て冷却器流入側配管28に至る経路は第1流路切換弁17によって遮断されているので、流出側配管22から流入するガスによって回収容器14内が加圧され、この圧力上昇に伴って回収容器14内に貯留された状態となっている溶媒が溶媒送液配管23を上昇し、開状態の開閉弁16を通って溶媒流入配管25から溶媒回収槽15に送液され、溶媒回収槽15内の余剰のガスが排気管26から系外に排出される。
【0015】
このように、開閉弁16及び両流路切換弁17,18を切り換えるだけで回収容器14内の溶媒を溶媒回収槽15に送液することができるので、従来のように真空ポンプ12を停止させて回収容器14を交換する必要がなくなり、減圧濃縮装置11を連続運転することができる。また、溶媒回収時には、ガス流入配管24から溶媒回収槽15に流入するガスは、冷却器13及び回収容器14を通ってきたガスであり、ほとんどが非凝縮性ガスでガス流入配管24から直接排気することも可能な状態のガスとなっているので、溶媒回収時に各配管24,25,26を取り外すことによって溶媒回収槽15を容易に交換することができる。
【0016】
さらに、真空ポンプ12、冷却器13及び回収容器14は、従来からの溶媒回収装置の必須要素として一体的に構成する必要があるが、溶媒回収槽15は、溶媒回収装置本体部分とは切り離して設置することが可能であるから、例えば、実験台の下や脇に、比較的容量の大きなタンクを置くだけで対応することができ、実験台上が手狭になることもない。
【0017】
なお、溶媒回収時には、流出側配管22から直接あるいは第2流路切換弁18から直接、溶媒回収槽15を通さずに排気することも可能である。また、送液時の回収容器14内の加圧は、流出側配管22を遮断した状態で冷却器流入側配管28、冷却器13、流入側配管21を通して吐出ガスを回収容器14内に送り込むことによっても行うことができる。さらに、回収容器14と溶媒回収槽15との位置等の条件によっては、開閉弁16を省略することができる。
【0018】
図3及び図4は、本発明の溶媒回収装置の第2形態例を示すもので、図3は溶媒回収時の状態を示す系統図、図4は溶媒送液時の状態を示す系統図である。なお、以下の各形態例の説明において、前記第1形態例で示した溶媒回収装置における構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0019】
本形態例は、前記第1形態例における開閉弁16及び第1,第2流路切換弁17,18の機能を一つの六方バルブ31にまとめた例を示している。図3に示す溶媒回収時においては、六方バルブ31の第1流路32が真空ポンプ吐出側配管27と冷却器流入側配管28とを連通させ、第2流路33が流出側配管22とガス流入配管24とを連通させ、第3流路34が溶媒送液配管23を閉塞した状態に設定される。このとき、第3流路34が遮断されているので、溶媒送液配管23からの送液は行われない。
【0020】
これにより、減圧濃縮装置11の排気配管11aから真空ポンプ12に吸引されたガスは、真空ポンプ吐出側配管27、第1流路32及び冷却器流入側配管28を通って冷却器13に流入し、冷却器13内で冷却されることによってガス中の溶媒蒸気が凝縮液化する。液化した溶媒は、流入側配管21から回収容器14内に滴下して一時的に貯留され、凝縮しなかったガスは、流出側配管22、第2流路33、ガス流入配管24及び溶媒回収槽15を通って排気管26から系外に排出される。
【0021】
一方、図4に示すように、第1流路32が真空ポンプ吐出側配管27と流出側配管22とを連通させ、第2流路33が溶媒送液配管23とガス流入配管24とを連通させ、第3流路34が冷却器流入側配管28を閉塞した状態に六方バルブ31を切り換えると、真空ポンプ12から真空ポンプ吐出側配管27に吐出されたガスが、第1流路32から流出側配管22を逆流して回収容器14内を加圧することにより、回収容器14内の溶媒が溶媒送液配管23を上昇し、第2流路33及びガス流入配管24を通って溶媒回収槽15に送液される。
【0022】
このように、一つの六方バルブ31の流路を切り換えるだけで、真空ポンプ吐出ガス中の溶媒の回収と、回収容器14内に溜まった溶媒の溶媒回収槽15への送液とを簡単に切り換えることができる。したがって、減圧濃縮装置11で減圧濃縮操作を継続しながら、回収容器14内に溶媒がある程度溜まったときに六方バルブ31を切り換えることにより、回収容器14内の溶媒を溶媒回収槽15に送液して回収容器14を空あるいは空に近い状態にすることができる。
【0023】
図5及び図6は、本発明の溶媒回収装置の第3形態例を示すもので、図5は溶媒回収時の状態を示す系統図、図6は溶媒送液時の状態を示す系統図である。
【0024】
本形態例は、真空ポンプ12の吸引側配管12aを、三方バルブからなる流路切換弁41を介して前記減圧濃縮装置11の排気配管11aと、気液分離手段である気液分離器42の気相側に接続した気相側配管43とを切換可能に接続し、さらに、気液分離器42の気相側には回収容器14に設けた溶媒送液配管23を接続し、気液分離器42の液相側を液相側配管44を介して溶媒回収槽15に気密状態で接続している。これにより、回収容器14内に溜まっている溶媒を真空ポンプ12で吸引して回収容器14から溶媒回収槽15に送液できようにしている。
【0025】
図5に示す溶媒回収時は、流路切換弁41が減圧濃縮装置11の排気配管11aと真空ポンプ12の吸引側配管12aとを連通させた状態となっており、気液分離器42の気相側配管43は吸引側配管12aと遮断された状態となっている。
【0026】
減圧濃縮装置11で発生したガスは、排気配管11aから流路切換弁41及び吸引側配管12aを経て真空ポンプ12に吸引され、大気圧状態で真空ポンプ吐出側配管27に吐出される。この吐出側配管27のガスは、そのまま冷却器13に流入して冷却され、溶媒蒸気が凝縮して液化する。液化した溶媒は、流入側配管21を通って回収容器14内に滴下し、非凝縮性ガスは、流出側配管22を通って排出される。このとき、気液分離器42内と回収容器14内は共に略大気圧となっているので、溶媒送液配管23から気液分離器42への送液は行われない。
【0027】
図6に示す溶媒送液時には、流路切換弁41が切り換わって気液分離器42の気相側配管43が吸引側配管12aに連通した状態となる。これにより、気液分離器42の気相側に存在するガスが真空ポンプ12に吸引され、気液分離器42内が減圧状態になるので、回収容器14内との気圧差により、回収容器14内の溶媒が溶媒送液配管23を通って気液分離器42に吸い込まれる。
【0028】
このとき、真空ポンプ12は、気液分離器42の上部に存在するガスを気相側配管43から吸引するので、真空ポンプ12に溶媒(液体)が流れ込むことを防止できるとともに、気液分離器42の下部に分離した溶媒を液相側配管44を通して溶媒回収槽15に送液することができる。また、溶媒回収槽15から気液分離器42に至る部分を気密状態としておくことにより、溶媒回収槽15内の液体を真空ポンプ12が吸い上げたり、外気を吸い込んだりすることがなく、回収容器14内の溶媒を溶媒送液配管23で確実に吸い上げて溶媒回収槽15に送液することができる。
【0029】
図7及び図8は、本発明の溶媒回収装置の第4形態例を示すもので、図7は溶媒回収時の状態を示す系統図、図8は溶媒送液時の状態を示す系統図である。本形態例は、前記第3形態例における流路切換弁41を六方バルブ51に代えた例を示している。
【0030】
図7に示す溶媒回収時は、六方バルブ51の第1流路52が減圧濃縮装置11の排気配管11aと気液分離器42の溶媒流入配管25とを連通させた状態、第2流路53が気液分離器42の気相側配管43と真空ポンプ12の吸引側配管12aとを連通させた状態、第3流路54が溶媒送液配管23を遮断した状態になる。
【0031】
したがって、減圧濃縮装置11で発生したガスは、排気配管11a、第1流路52、溶媒流入配管25、気液分離器42、気相側配管43、第2流路53及び吸引側配管12aを経て真空ポンプ12に吸引され、大気圧状態で真空ポンプ吐出側配管27に吐出される。真空ポンプ12から真空ポンプ吐出側配管27に吐出されたガスは、冷却器13で溶媒蒸気を凝縮液化させてから流入側配管21を通って回収容器14内に流入し、非凝縮性ガスが流出側配管22を通って排出される。このとき、第3流路54が遮断されているので、溶媒送液配管23からの送液は行われない。
【0032】
また、図8に示す溶媒送液時には、六方バルブ51の第1流路52が減圧濃縮装置11の排気配管11aを遮断した状態、第2流路53が気液分離器42の溶媒流入配管25と真空ポンプ12の吸引側配管12aとを連通させた状態、第3流路54が溶媒送液配管23と気液分離器42の気相側配管43とを連通させた状態になる。
【0033】
したがって、この溶媒送液時には、回収容器14内の溶媒が溶媒送液配管23、第3流路54及び気相側配管43を通って気液分離器42に吸い込まれ、気液分離器42内のガスが溶媒流入配管25、第2流路53及び吸引側配管12aを通って真空ポンプ12に吸引される状態となる。
【0034】
この溶媒送液運転に切り換えたときには、気液分離器42内が前工程の溶媒回収運転時に真空引きされた状態となっているので、六方バルブ51を切り換えることにより、回収容器14内の溶媒が短時間で気液分離器42に流れ込むことになる。これにより、排気配管11aの遮断時間を極めて短い時間とすることができるので、減圧濃縮装置11における減圧濃縮操作に及ぼす影響をほとんど無くすことができる。
【0035】
なお、第3,第4形態例では、溶媒回収槽15の上部に気液分離器42を設けて気液分離手段としたが、溶媒回収槽15で十分な気液分離を行えれば気液分離器42を設ける必要はなく、気液分離手段を溶媒回収槽15と一体化させることができる。また、流路切換弁に代えて複数の開閉弁を組み合わせることもでき、これらの弁の動作を、回収容器14内の液量に応じて自動化することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の溶媒回収装置の第1形態例を示すもので、減圧濃縮装置等の試料容器で発生した溶媒を回収容器に回収しているときの状態を示す溶媒回収装置の系統図である。
【図2】第1形態例において、溶媒容器に回収した溶媒を溶媒回収槽に送液しているときの状態を示す溶媒回収装置の系統図である。
【図3】本発明の溶媒回収装置の第2形態例を示す溶媒回収時の状態を示す系統図である。
【図4】同じく溶媒送液時の状態を示す系統図である。
【図5】本発明の溶媒回収装置の第3形態例を示す溶媒回収時の状態を示す系統図である。
【図6】同じく溶媒送液時の状態を示す系統図である。
【図7】本発明の溶媒回収装置の第4形態例を示す溶媒回収時の状態を示す系統図である。
【図8】同じく溶媒送液時の状態を示す系統図である。
【符号の説明】
【0037】
11…減圧濃縮装置、11a…排気配管、12…真空ポンプ、12a…吸引側配管、13…冷却器、14…回収容器、15…溶媒回収槽、16…開閉弁、17…第1流路切換弁、18…第2流路切換弁、19…冷却槽、21…流入側配管、22…流出側配管、23…溶媒送液配管、24…ガス流入配管、25…溶媒流入配管、26…排気管、27…真空ポンプ吐出側配管、28…冷却器流入側配管、29…加圧配管、31…六方バルブ、32…第1流路、33…第2流路、34…第3流路、41…流路切換弁、42…気液分離器、43…気相側配管、44…液相側配管、51…六方バルブ、52…第1流路、53…第2流路、54…第3流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプで吸引した溶媒蒸気を大気圧下で冷却して溶媒を凝縮液化させ、液化した溶媒を回収容器内に回収する溶媒回収装置において、前記回収容器に、流入側配管及び流出側配管と、先端が回収容器底部近傍に開口した溶媒送液配管とを設け、該溶媒送液配管を溶媒回収槽に接続するとともに、前記流入側配管及び流出側配管のいずれか一方の配管を遮断した状態で他方の配管に前記真空ポンプから吐出されたガスを供給して回収容器内を加圧することにより、回収容器内の溶媒を前記溶媒送液配管を通して前記溶媒回収槽に送液可能に形成したことを特徴とする溶媒回収装置。
【請求項2】
真空ポンプで吸引した溶媒蒸気を大気圧下で冷却して溶媒を凝縮液化させ、液化した溶媒を回収容器内に回収する溶媒回収装置において、前記回収容器に、流入側配管及び流出側配管と、先端が回収容器底部近傍に開口した溶媒送液配管とを設け、該溶媒送液配管を気液分離手段に接続し、該気液分離手段の気相側を前記真空ポンプの吸引側に接続するとともに、該気液分離手段の液相側を溶媒回収槽に気密状態で接続し、前記真空ポンプで気液分離手段の気相側を吸引することにより、回収容器内の溶媒を前記溶媒送液配管を通して前記気液分離手段に吸い込み、該気液分離手段で分離した溶媒を前記溶媒回収槽に送液可能に形成したことを特徴とする溶媒回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−38176(P2007−38176A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−227433(P2005−227433)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(591245543)東京理化器械株式会社 (36)
【Fターム(参考)】