説明

溶接用フラックスと溶接方法

【課題】液体フラックスや気化フラックスで溶接部の空気を遮断して溶融部の表面を空気酸化から保護するだけでなく、フラックスの成分が溶接熱で溶融部と反応して溶融部表面を保護するとともに流動性を向上させて秀麗な溶接部を得る。
【解決手段】液体フラックスを溶接面に塗布したり、液体フラックスを気化装置にて気化させて複合シールドガスガスを生成して溶接部に吹き付けたりすることで溶接面を空気から遮断し溶融部の酸化を防止し、強度が高く秀麗な溶接部を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体フラックスや気化フラックスを用いて溶接部を保護しながら溶接する溶接方法に関するものである。液体フラックスや気化フラックスを単独で使用したり、気化フラックスをアルゴンやヘリウムや炭酸ガスなどのシールドガスと混合したりして複合シールドガスとして用いて溶接部の空気を遮断したり溶融部の流動性を向上させ流麗な溶接面を得ることに関する。本発明は被覆アーク溶接、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、炭酸ガスアーク溶接、サブマージアーク溶接、エレクトロスラグ溶接法、エレクトロガスアーク溶接、電気抵抗溶接、高周波接触抵抗溶接、高周波誘導抵抗溶接、高周波誘導圧接、レーザー溶接、電子ビーム溶接などの溶接・接合に利用することができる。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、特願2008−287820号(特許文献1参照)において「ガス切断用気化フラックス」、特願2008−104825号(特許文献2参照)において「液体フラックス気化装置」、特願2008−178420号(特許文献3参照)において「液体フラックスの製造方法及びその装置」、特願2008−270435号(特許文献4参照)において「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」を発明した。上記発明は金属をガス切断する時に切断面に付着するドロスの発生防止や除去の簡便化あるいは金属をロウ付けする際のフラックスとして活用されているがさらに溶接や圧接などの金属接合の分野でもフラックスとして活用できる方法を発明した。
【0003】
シールドガスを使用する半自動溶接にはMAG溶接、MIG溶接、炭酸ガスアーク溶接などがある。また、ワイヤを自動供給しないがシールドガスを使用する溶接法としてTIG溶接がある。これらの溶接においてシールドガスは主として溶接面の酸化防止やビード形状の成型やアークの安定化などを目的として使用されていた。
【0004】
例えば、被覆アーク溶接では軟鋼または低合金鋼からなる芯線を被覆材で被覆しており、芯線より発生したアークを被覆材から発生したガスでシールドし、大気中の窒素や酸素が溶接部に混入するのを防止するとともに被覆材の成分は溶接金属の脱酸精錬やスラグになってビード形状の成型などの働きをする(特許文献5参照)。
【0005】
鋼製外皮にフラックスを充填してなるアーク溶接用フラックス入りワイヤを使用して、Arが96%以上、残部がCO2またはO2の混合ガスをシールドガスとしてMIG溶接する方法がある(特許文献6参照)。
【0006】
溶接領域の少なくとも一部にガスシールドを用いてニッケル及びニッケル合金をMIG溶接するための方法であって、該ガスシールドがCO2を体積で0.05〜0.5%含有し残部がアルゴンであるガス混合物であるMIG溶接方法がある(特許文献7参照)。
【0007】
タングステン電極の周囲に内外側二重のガスシールドを形成しつつ、アーク発生部位に溶加材として複数本のワイヤを連続的に送給して溶接を行う二重ガスシールド・複数ワイヤ供給方式のTIG溶接がある(特許文献8参照)。
【0008】
エレクトロガスアーク溶接、電気抵抗溶接、高周波接触抵抗溶接、高周波誘導抵抗溶接、高周波誘導圧接の分野においてもシールドガスが使用されている。例えば、帯材を成形して短部を突き合わせ、該端部を電縫溶接して管とする過程の中で、電縫溶接前の前記端部にテーパ形状を付与しておき、電縫溶接の加熱を受けつつある前記端部に非酸化性ガスを吹き付けることを特徴とする電縫管の製造方法がある(特許文献9参照)。
【0009】
被覆溶接棒による被覆アーク溶接やサブマージアーク溶接及びエレクトロスラグ溶接は溶融フラックスで溶接部を空気から保護する機能の他にフラックスが溶融するときに発生するガスでシールドするシールドガスの機能も有しており、直接的にシールドガスを使用するものではないがシールドガスの機能を応用している溶接方法であるといえる。TIG(Tungsten Inert Gas)溶接、MIG(Metal Inert Gas)溶接、MAG(Metal Active Gas)溶接、炭酸ガスアーク溶接、電気抵抗溶接、高周波接触抵抗溶接、高周波誘導抵抗溶接、高周波誘導圧接はシールドガスで直接的にシールドする溶接方法である。シールドガスは炭酸ガス(CO2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などのガスを単独ガスあるいは混合器などで混合した混合シールドガスとして使用されている。混合シールドガスには例えばアルゴンと炭酸ガスの混合ガス(Ar+CO2)、アルゴンと炭酸ガスとヘリウム(He)の混合ガス(Ar+CO2+He)、炭酸ガスと窒素(N2)の混合ガス(CO2+N2)などがある。混合シールドガスは比重差でヘリウム、窒素、炭酸ガス、アルゴンの順に分離するため溶接母材に近い範囲(10m〜15m以内)で混合して使用している。
【0010】
ガスシールドアーク溶接におけるシールドガスの目的は主として溶接部分を空気と遮蔽することによる酸化防止やアークの安定化が主な目的である。MAG溶接はコストの安い炭酸ガス(CO2)をシールドガスとする場合が多いが、スパッタ低減のため炭酸ガスにアルゴン(Ar)を混合することもある。MIG溶接はアルミニウム、チタンのように酸化や窒化しやすい金属や非鉄金属及びステンテレスなどの溶接にも使用されている。通常アルゴンのような純イナートガスでシールドしながら溶接する場合とステンレス鋼の場合のようにアークを安定させて融合不良やブローホールなどを防止するために2%程度の酸素や5%程度の炭酸ガスを混合して使用する場合がある。しかし、ステンレス鋼のMIG溶接ではAr+CO2系のシールドガスを使用する場合はビード表面全体に酸化被膜が形成されるので多層溶接などでは融合不良、スラグ巻き込み、ビード形状の劣化などを防止するために適宜ビード表面のスラグ状になった酸化被膜をグラインダなどで除去する必要があった。TIG溶接はアルゴン(Ar)やヘリウム(He)のようなイナートガスを使用して母材成分とほぼ同一成分の溶接材料で溶接する。また、電気抵抗溶接、高周波接触抵抗溶接、高周波誘導抵抗溶接、高周波誘導圧接でシールドガスを用いる場合も溶接部を空気と遮蔽することによる酸化防止が主な目的であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特願2008−287820号
【特許文献2】特願2008−104825号
【特許文献3】特願2008−178420号
【特許文献4】特願2008−270435号
【特許文献5】特開2008−188600号
【特許文献6】特開2007−296535号
【特許文献7】特開2002−137062号
【特許文献8】特開平11−58017号
【特許文献9】特開2007−307607号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「機械工学便覧」、機械学会、昭和48年、P17−61
【非特許文献2】「溶接作業読本」、日刊工業新聞社、昭和51年、P2−P25
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
シールドガスや混合シールドガスはアークを正常に保持したり溶接部分及び溶融部を空気からシールドしたりするのが主な目的であるが、完全なシールドは困難であり、ビード表面に酸化被膜が形成されるので融合不良、スラグ巻き込み、ビード形状の劣化などが生じていた。このため多層溶接などでは適宜ビード表面のスラグ状になった酸化被膜をグラインダなどで除去する必要があった。本発明ではシールドガスに気化フラックスを混合した複合シールドガスを用いて、アークの正常化や溶接部や溶融部を空気からのシールドする目的の他に溶接部や溶融部をコーティングして保護し、溶接部や溶融部を酸化防止するだけでなく溶融部の流動性を向上させ融合不良やスラグ巻き込み及びビード形状の劣化などを防止するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の解決手段は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、B、C、N、O、Si、P、S、Cl、Zn、Seなどの原子の内少なくとも2種類以上の原子が結合してできている電解質をアルコールやアセトンなどの溶媒に溶解して生成した液体フラックスを溶接部分に塗布して溶接することを特徴とする溶接方法である。
【0015】
第2の解決手段は、前記液体フラックスを気化せしめた気化フラックスをシールドガスや複数のシールドガスを混合した混合シールドガスと混合して生成した複合シールドガスを溶接部分に吹き付けながら溶接する溶接方法である。
【0016】
第3の解決手段は、前記液体フラックス及び前記気化フラックスがPH6.8〜PH7.2である溶接方法である。
【0017】
第4の解決手段は、前記液体フラックスの前記電解質と前記溶媒の量を調整して、前記電解質を適宜析出させて、前記液体フラックスをコロイドフラックス、ゲルフラックス、ゾルフラックス、粉末フラックスにした溶接用フラックスである。
【0018】
第5の解決手段は、前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中にホウ砂(Na2B4O7)とホウ酸(H3BO3)を溶解し更にフッ化物としてホウフッ化カリウム(KBF4)、酸性フッ化カリウム(KHF2)を溶解せしめたものであり、電解質の重量%でNaが8.0〜9.0%、Kが5.0〜6.0%、Bが17.0〜18.0%、Hが2.0〜3.0%、Oが50.0〜60.02%、Fが7.0〜8.0%となるように配合し、その合計を100%とした溶接用フラックスである。
【0019】
第6の解決手段は、前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中にホウ砂(Na2B4O7)、ホウ酸(H3BO3)、酸化ホウ素(B2O3)を溶解せしめたものであり、電解質の重量%でNaが8.0〜9.0%、Bが26.0〜27.0%、Hが1.0〜2.0%、Oが63.0〜64.0%となるように配合し、その合計を100%とした溶接用フラックスである。
【0020】
第7の解決手段は、前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中に氷晶石(Na3AlF6)、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF6)、酸性フッ化カリウム(KHF2)、ホウフッ化カリウム(KBF4)、ホウ砂(Na2B4O7)、酸化ホウ素(B2O3)を溶解せしめたものであり、電解質の重量%でKが6.0〜7.0%、Naが10.0〜11.0%、Siが5.0〜6.0%、Alが1.0〜2.0%、Bが12.0〜13.0%、Hが0.1〜1.0%、Oが28.0〜29.0%、Fが34.0〜35.0%になるように配合し、その合計を100%とした溶接用フラックスである。
【0021】
第8の解決手段は、前記気化フラックスは、気化装置に充填した前記液体フラックスに前記シールドガスもしくは前記混合シールドガスを吹き込んで、前記液体フラックスを気化させたものであり、前記気化装置は前記液体フラックスを充填するためのタンク部と前記シールドガスもしくは混合シールドガスを吹き込むための給気管と前記複合シールドガスを溶接部に送るための排気管を配設した溶接方法である。
【発明の効果】
【0022】
第1の解決手段による効果は、溶接面にあらかじめ液体フラックスを塗布することにより、(1)溶接面を空気から遮断し溶融部の酸化を防止する、(2)液体フラックスが高温で溶融して溶融金属の表面張力を低減するので流動性がよくなりきれいな溶接面が得られることである。
【0023】
第2の解決手段による効果は以下である。(1)溶接面を空気から遮断し溶融部の酸化を防止することができる。(2)炭酸ガス(CO2)+気化フラックスを混合した複合シールドガスに各種ガスを付加することで様々な特性を得ることができる。例えば、炭酸ガス(CO2)+気化フラックスにヘリウム(He)を付加すると電圧アップとなる。通常炭酸ガス単独の場合24〜25Vに対しアルゴンを付加すると30〜32Vになる。炭酸ガス(CO2)+気化フラックスにアルゴン(Ar)ガスを付加すると溶着金属の無酸化色を得ることができる。炭酸ガス(CO2)+気化フラックスに窒素(N2)を付加すると肉盛り部分の硬度をアップすることができる。通常の硬化肉盛りに対して窒素を付加することにより10〜20%の硬度アップとなる。(3)従来の炭酸ガス100%のシールドガスはCO2→CO+Oにより一酸化炭素と酸素に分離するため完全に酸化を防止することができないが、複合シールドガスを用いた溶接では気化フラックスの成分中にNaやBを含有させることにより、溶融部と接触して薄いガラス状の膜となり溶融部表面を保護するので肉盛り部分の酸化を完全に防止できる。また、MIG溶接では溶融部は最大4000℃の高温となり溶解した溶滴中に複合シールドガス中のNa、Bが入り込み800〜1000℃近辺でこれらがガラス状の膜として溶融部の表面を保護するため美しい炭化物を作る。そのため従来のMIG溶接における高合金肉盛りの硬度はHv900〜950程度であったが複合シールドガスを使用した場合にはHv950〜1000程度の硬度を確実に得ることができる。(4)歩留まりや硬度が向上するとともに硬度がクラックレスの溶接肉盛りとなり、衝撃荷重を受けても従来の高合金肉盛りに見られたような鱗状の剥離が無くなる。(5)複合シールドガス中にアンモニア(NH3)のようにN2ガスのよく出るものを混合すればガス窒化も可能である。また、複合シールドガスにアンモニア(NH3)と硫化水素(H2S)を混合すれば浸硫窒化肉盛りも可能である。
【0024】
第3の解決手段による効果は、液体フラックスや気化フラックスが中性もしくは略中性に近いので、溶接面に液体フラックスを塗布したり、気化フラックスを吹き付けたりしても溶接面を酸化させないので溶接性が向上することである。
【0025】
第4の解決手段による効果は、液体フラックスの溶媒の濃度を変化させることにより、液体フラックスはコロイダル、ゾル、ゲル、粉末と変化するので溶接面に塗布する際に最適な状態の溶接フラックスを選択できる。コロイダルフラックスは溶接面に塗布する際に液垂れを抑制できる。ゾルフラックスやゲルフラックス及び粉末フラックスは溶接材と混ぜて溶接ができる。さらに、溶接用粉末フラックスはTIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、炭酸ガスアーク溶接のワイヤに封入することが可能である。また、被覆アーク溶接棒のフラックス、サブマージアーク溶接のフラックス、エレクトロスラグアーク溶接のフラックスなどにも混入して使用できる。
【0026】
第5と第6の解決手段による効果は、中性の液体フラックスを製造するためのフラックスの組成であり、この液体フラックスを気化させることにより中性の気化フラックスを製造することができる。
【0027】
第7の解決手段による効果は、液体フラックスをコロイダルフラックスやゲルフラックスやゾルフラックスや粉末フラックスにするための組成の一例であり、溶媒の量を調整することにより様々な態様のフラックスを製造することができる。
【0028】
第8の解決手段による効果は、シールドガスもしくは混合シールドガスと気化フラックスを混合した複合シールドガスの生成方法であり、(1)液体フラックスから容易に複合シールドガスを生成することができる、(2)従来のシールドガスラインもしくは混合シールドガスラインに気化装置を組み入れるだけで簡単に複合シールドガスラインに変更できる、(3)本装置を使った複合シールドガス溶接により、溶接面を空気から遮断し溶融部の酸化を防止し、気化フラックスが高温で溶融して溶融金属の表面張力を低減するので流動性が向上しきれいな溶接面が得られることである。
【0029】
本発明による溶接用フラックスは液体もしくは気体のフラックスとして利用可能であり、被覆アーク溶接、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、炭酸ガスアーク溶接、サブマージアーク溶接、エレクトロスラグ溶接法、エレクトロガスアーク溶接、電気抵抗溶接、高周波接触抵抗溶接、高周波誘導抵抗溶接、高周波誘導圧接などの金属の溶接・接合に幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】複合シールドガスを使用して半自動溶接する際の機器説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
第1の解決手段は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、B、C、N、O、Si、P、S、Cl、Zn、Seなどの原子の内少なくとも2種類以上の原子が結合してできている電解質をアルコールやアセトンなどの溶媒に溶解して生成した液体フラックスを溶接部分に塗布して溶接する溶接方法である。液体フラックスは刷毛やスプレーで塗布することができる。液体フラックスの塗布は溶接部の酸化を最小限にするために開先形成後すぐに塗布するのがよい。
【0032】
アーク溶接は4000±50℃の高温になる。液体フラックスに溶解している主なフラックスの融点と沸点は次のようである。ホウ砂(Na2B4O7)の融点は741℃で沸点は1575℃、酸化ホウ素(B2O3)の融点は577℃で沸点は1500℃、ホウ酸(H3BO3)の融点は180℃で沸点は800℃、ホウフッ化カリウム(KBF4)の融点は200℃で沸点は800℃、酸性フッ化カリウム(KHF3)の融点は225℃で融点は800℃、フッ化カリウム(FK)の融点は860℃で沸点は1676℃、フッ化ナトリウム(NaF)の融点は995℃で沸点は1705℃、フッ化バリウム(BaF)の融点は1280℃で沸点は2460℃である。鉄の融点は1500±30℃であるためフラックスの沸点が1500±30℃以上であれば溶接用の液体フラックスとして使用可能である。フッ化物の量は炭化物の量で決まるがMoCやWCなどの難溶解性の炭化物の量に応じて、炭化物とKF、NaF、BaFなどのフッ化物を置換する。液体フラックス中には溶接性を向上させるために色々な元素を含有させる。例えば、Naは溶融部の酸化防止に効果があり、Bは溶融部の流動性を向上させ表面張力を低下する作用があり、肉盛り部のピンホール低減や肉盛り硬化層の平滑性を確保するのに効果がある。
【0033】
本発明の液体フラックスは、特願2008−287820号(特許文献1参照)の「ガス切断用気化フラックス」や特願2008−178420号(特許文献3参照)の「液体フラックスの製造方法及びその装置」や特願2008−270435号(特許文献4参照)の「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」で発明されている方法を用いて容易に製造することができる。
【0034】
本手段は被覆アーク溶接、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、炭酸ガスアーク溶接、サブマージアーク溶接、エレクトロスラグ溶接法、エレクトロガスアーク溶接、電気抵抗溶接、高周波接触抵抗溶接、高周波誘導抵抗溶接、高周波誘導圧接、レーザー溶接、電子ビーム溶接などの溶接・接合に適用できる。
【0035】
第2の解決手段は、前記液体フラックスを気化せしめた気化フラックスをシールドガスや複数のシールドガスを混合した混合シールドガスと混合して生成した複合シールドガスを溶接部分に吹き付けながら溶接する溶接方法である。シールドガスには炭酸ガス(CO2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などがある。混合シールドガスには例えばアルゴンと炭酸ガスの混合シールドガス(Ar+CO2)、アルゴンと炭酸ガスとヘリウム(He)の混合シールドガス(Ar+CO2+He)、炭酸ガスと窒素(N2)の混合シールドガス(CO2+N2)などがある。気化フラックスは液体フラックスをシールドガスや混合ガスで気化させて生成できる。液体フラックス中の固体フラックスの濃度は最大30%程度まで溶解可能であるが溶接後の残留フラックスの除去作業を軽減するために20%程度の濃度が望ましい。
【0036】
アーク溶接は4000±50℃の高温になる。気化フラックスに溶解している主なフラックスの融点と沸点は次のようである。ホウ砂(Na2B4O7)の融点は741℃で沸点は1575℃、酸化ホウ素(B2O3)の融点は577℃で沸点は1500℃、ホウ酸(H3BO3)の融点は180℃で沸点は800℃、ホウフッ化カリウム(KBF4)の融点は200℃で沸点は800℃、酸性フッ化カリウム(KHF3)の融点は225℃で融点は800℃、フッ化カリウム(FK)の融点は860℃で沸点は1676℃、フッ化ナトリウム(NaF)の融点は995℃で沸点は1705℃、フッ化バリウム(BaF)の融点は1280℃で沸点は2460℃である。鉄の融点は1500±30℃であるためフラックスの沸点が1500±30℃以上であれば溶接用の気化フラックスとして使用可能である。フッ化物の量は炭化物の量で決まるがMoCやWCなどの難溶解性の炭化物の量に応じて、炭化物とKF、NaF、BaFなどのフッ化物を置換する。気化フラックス中には溶接性を向上させるために色々な元素を含有させる。例えば、Naは溶融部の酸化防止に効果があり、Bは溶融部の流動性を向上させ表面張力を低下する作用があり、肉盛り部のピンホール低減や肉盛り硬化層の平滑性を確保するのに効果がある。シールドガスや混合シールドガスに気化フラックスを体積割合で1〜30%混合して複合シールドガスにする。複合シールドガスは通常10〜30リットル/分使用しながら溶接する。望ましくは18〜20リットル/分程度である。
【0037】
従来の炭酸ガスシールドは酸化が激しいためクラックが多く10〜15mmの溶接長さに対して1本以上のクラックが発生していたが、複合シールドガスでは100mmの溶接長さに対して1本発生する程度である。硬度はHv900〜1300程度のレベルが確保できる。炭酸ガス(CO2)+気化フラックスを混合した複合シールドガスに各種ガスを付加することで様々な特性を得ることができる。例えば、炭酸ガス(CO2)+気化フラックスにヘリウム(He)を付加すると電圧アップとなる。通常炭酸ガス単独の場合24〜25Vに対しアルゴンを付加すると30〜32Vになる。炭酸ガス(CO2)+気化フラックスにアルゴン(Ar)ガスを付加すると溶着金属の無酸化色を得ることができる。炭酸ガス(CO2)+気化フラックスに窒素(N2)を付加すると肉盛り部分の硬度をアップすることができる。通常の硬化肉盛りに対して窒素を付加することにより10〜20%の硬度アップとなる。また、MIG溶接はアルミニウムやチタンのように酸化や窒化しやすい金属や非鉄金属及びステンテレスなどの溶接にも使用されているが、通常アルゴンのような純イナートガスでシールドしながら溶接する場合とステンレス鋼の場合のようにアークを安定させて融合不良やブローホールなどを防止するために2%程度の酸素や5%程度の炭酸ガスを混合して使用する場合がある。このようなMIG溶接のシールドガスに気化フラックスを混合した複合シールドガスを用いることにより無酸化色溶接や硬度アップ溶接の機能を付加することができる。複合シールドガスは比重差でヘリウム、窒素、炭酸ガス、アルゴンの順に分離するため通常の場合できるだけ溶接母材に近い範囲(10m〜15m以内)で混合して使用するのがよい。
【0038】
本手段は主として、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、炭酸ガスアーク溶接、サブマージアーク溶接、エレクトロスラグ溶接法、エレクトロガスアーク溶接、電気抵抗溶接、高周波接触抵抗溶接、高周波誘導抵抗溶接、高周波誘導圧接、レーザー溶接などの溶接・接合に適用できる。
【0039】
第3の解決手段は、液体フラックス及び前記気化フラックスがPH6.8〜PH7.2である溶接方法である。本発明の液体フラックスは、特願2008−287820号(特許文献1参照)の「ガス切断用気化フラックス」や特願2008−178420号(特許文献3参照)の「液体フラックスの製造方法及びその装置」や特願2008−270435号(特許文献4参照)の「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」で発明されている方法を用いて容易に製造することができる。液体フラックスや液体フラックスを気化させた気化フラックスは強度の酸性を示す場合が多いので、機械加工で形成した開先部に液体フラックスを塗布したり、吹き付けたりすると開先部が錆びる問題がある。液体フラックスや気化フラックスを中性にすることにより開先部の酸化を防止することができる。
【0040】
第4の解決手段は、前記液体フラックスの前記電解質と前記溶媒の量を調整して、前記電解質を適宜析出させて、前記液体フラックスをコロイドフラックス、ゲルフラックス、ゾルフラックス、粉末フラックスにした溶接用フラックスである。液体フラックスは電解質に対して溶媒の量を調整することにより、電解質を完全に溶解させた状態から部分析出、完全析出状態を制御できる。溶媒を完全に蒸発させれば最終的に粉末フラックスとして析出させることができる。
【0041】
第5の解決手段は、前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中にホウ砂(Na2B4O7)とホウ酸(H3BO3)を溶解し更にフッ化物としてホウフッ化カリウム(KBF4)、酸性フッ化カリウム(KHF2)を溶解せしめたものであり、重量%でNaが8.0〜9.0%、Kが5.0〜6.0%、Bが17.0〜18.0%、Hが2.0〜3.0%、Oが50.0〜60.02%、Fが7.0〜8.0%となるように配合し、その合計を100%とした溶接用フラックスである。本発明の液体フラックスは、特願2008−287820号(特許文献1参照)の「ガス切断用気化フラックス」や特願2008−178420号(特許文献3参照)の「液体フラックスの製造方法及びその装置」や特願2008−270435号(特許文献4参照)の「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」で発明されている方法を用いて容易に製造することができる。ホウ砂はPH8であるがホウ酸やフッ化物などのフラックスはほとんどが酸性であるが、各成分の量を精密に組み合わせることにより本液体フラックスのPHを略PH7にコントロールすることが可能となる。
【0042】
第6の解決手段は、前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中にホウ砂(Na2B4O7)、ホウ酸(H3BO3)、酸化ホウ素(B2O3)を溶解せしめたものであり、重量%でNaが8.0〜9.0%、Bが26.0〜27.0%、Hが1.0〜2.0%、Oが63.0〜64.0%となるように配合し、その合計を100%とした溶接用フラックスである。本発明の液体フラックスは、特願2008−287820号(特許文献1参照)の「ガス切断用気化フラックス」や特願2008−178420号(特許文献3参照)の「液体フラックスの製造方法及びその装置」や特願2008−270435号(特許文献4参照)の「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」で発明されている方法を用いて容易に製造することができる。
【0043】
第7の解決手段は、前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中に氷晶石(Na3AlF6)、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF6)、酸性フッ化カリウム(KHF2)、ホウフッ化カリウム(KBF4)、ホウ砂(Na2B4O7)、酸化ホウ素(B2O3)を溶解せしめたものであり、重量%でKが6.0〜7.0%、Naが10.0〜11.0%、Siが5.0〜6.0%、Alが1.0〜2.0%、Bが12.0〜13.0%、Hが0.1〜1.0%、Oが28.0〜29.0%、Fが34.0〜35.0%になるように配合し、その合計を100%とした溶接用フラックスである。本発明の液体フラックスは、特願2008−287820号(特許文献1参照)の「ガス切断用気化フラックス」や特願2008−178420号(特許文献3参照)の「液体フラックスの製造方法及びその装置」や特願2008−270435号(特許文献4参照)の「液体フラックスの製造方法と製造装置及び液体フラックス」で発明されている方法を用いて容易に製造することができる。
【0044】
第8の解決手段は、前記気化フラックスは気化装置10に充填した前記液体フラックス20に前記シールドガスもしくは前記混合シールドガスを吹き込んで気化させたものであり、前記気化装置10は前記液体フラックス20を充填するためのタンク部11と前記シールドガスもしくは混合シールドガスを吹き込むための給気管12と前記複合シールドガスを溶接部に送るための排気管13を配設したものであるである。気化装置10に充填した液体フラックス20にシールドガスもしくは混合シールドガスを吹き込むことにより液体フラックス20は気化して気化フラックスとなるが、同時にシールドガスもしくは混合シールドガスと混合して複合シールドガスとなる。気化装置は特願2008−104825号で発明されたものを使用することができ、本発明による気化装置10を用いることによりホースや配管にフラックス成分が析出しにくくなる。
【0045】
図1は半自動溶接に複合シールドガスを使用する場合の例を示している。半自動溶接には炭酸ガスアーク溶接、MIG溶接、MAG溶接がある。炭酸ガスアーク溶接はシールドガスに炭酸ガスのみを使用する。MIG溶接はシールドガスにアルゴン100%かアルゴンに数%の酸素を混合した混合シールドガスを使用する。MIG溶接はシールドガスにアルゴンと炭酸ガスの混合シールドガスを使用する。一般的使用されているのはアルゴン80%、炭酸ガス20%の混合シールドガスである。半自動溶接ではないがTIG溶接もシールドガスを使用する溶接であり本発明が応用できるのはもちろんである。
【0046】
半自動溶接のようにシールドガスを使用する溶接においては、シールドガスはボンベ30からガス流量調節器40を介して気化器10に供給される。シールドガスは給気管によって液体フラックス20に吹き込まれるので、液体フラックス20はシールドガスによって攪拌され気化して気化フラックスとなる。気化フラックスはシールドガスと混合して複合シールドガスとなり排気管13から排出されて溶接トーチ50に供給される。溶接トーチ50にはワイヤ送給装置60からワイヤ61が供給される。溶接機70からはワイヤ61に電力を給電するためのケーブル71が溶接トーチ50まで配設されている。図1は半自動溶接の機器フローの一例を示したがこの他にも色々な機器の組み合わせがあるのは言うまでもない。また複合シールドガスの供給方法については自動溶接以外の溶接・接合方法についても色々なパターンがあるのは言うまでもない。
【実施例1】
【0047】
特願2008−270435号に示した方法により、アルコール中にホウ砂(Na2B4O7)とホウ酸(H3BO3)を溶解し更にフッ化物としてホウフッ化カリウム(KBF4)、酸性フッ化カリウム(KHF2)を溶解せしめてPH7で20%濃度の液体フラックスを生成する。ホウ砂はPH8であるがホウ酸やフッ化物などのフラックスはほとんどが酸性である。アルコールに溶解せしめた電解質の元素の重量%は、Na(8.4%)、K(5.4%)、B(17.2%)、H(2.5%)、O(59.2%)、F(7.3%)であり合計100重量%となっている。特願2008−104825号の気化装置に本液体フラックスを充填して、炭酸ガスを吹き込んで気化せしめた複合シールドガスを用いて、高合金鋼、厚み10mmに両開先を設けて突合せ溶接したところ秀麗な溶接部を得た。歩留まりや硬度が向上するとともに、クラックレスの溶接肉盛りとなり、衝撃荷重を受けても従来の高合金肉盛りに見られたような鱗状の剥離が無くなった。本溶接を応用した硬化肉盛り溶接においては、複合シールドガス中にアンモニア(NH3)のようにN2ガスのよく出るものを混合すればガス窒化も可能である。また、複合シールドガスにアンモニア(NH3)と硫化水素(H2S)を混合すれば浸硫窒化肉盛りも可能である。但し排気設備やエアラインマスクが必要である。
【実施例2】
【0048】
特願2008−270435号に示した方法により、アルコール中にホウ砂(Na2B4O7)、ホウ酸(H3BO3)、酸化ホウ素(B2O3)を溶解せしめてPH7で20%濃度の液体フラックスを生成する。アルコールに溶解せしめた電解質の元素の重量%は、Naが8.4%、Bが26.6%、Hが1.5%、Oが63.6%であり合計100重量%となっている。特願2008−104825号の気化装置に本液体フラックスを充填して、アルゴンガスを吹き込んで気化せしめた複合シールドガスを用いて、高合金鋼、厚み10mmに両開先を設けて突合せ溶接したところ秀麗な溶接部を得た。歩留まりや硬度が向上するとともに、クラックレスの溶接肉盛りとなり、衝撃荷重を受けても従来の高合金肉盛りに見られたような鱗状の剥離が無くなった。
【実施例3】
【0049】
特願2008−270435号に示した方法により、アルコール中に氷晶石(Na3AlF6)、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF6)、酸性フッ化カリウム(KHF2)、ホウフッ化カリウム(KBF4)、ホウ砂(Na2B4O7)、酸化ホウ素(B2O3)を溶解せしめてPH7で20%濃度の液体フラックスを生成する。アルコールに溶解せしめた電解質の元素の重量%は、Kが6.76%、Naが10.84%、Siが4.83%、Alが1.96%、Bが12.83%、Hが0.36%、Oが28.2%、Fが34.2%であり合計100重量%となっている。本液体フラックスをSS400の溶接面に塗布して被覆アーク溶接棒で突合せ溶接したところ秀麗な溶接部を得た。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は金属アーク溶接、TIG溶接、MIG溶接、MAG溶接、炭酸ガスアーク溶接、エレクトロガスアーク溶接、エレクトロスラグ溶接、電気抵抗溶接、高周波接触抵抗溶接、高周波誘導抵抗溶接、高周波誘導圧接などに利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
10:気化装置
11:タンク
12:給気管
13:排気管
20:液体フラックス
30:ボンベ
40:ガス流量調節器
50:溶接トーチ60:ワイヤ供給装置
61:ワイヤ
70:溶接機
71:ケーブル
80:母材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、B、C、N、O、Si、P、S、Cl、Zn、Seなどの原子の内少なくとも2種類以上の原子が結合してできている電解質をアルコールやアセトンなどの溶媒に溶解して生成した液体フラックスを溶接部分に塗布して溶接することを特徴とする溶接方法。
【請求項2】
前記液体フラックスを気化せしめた気化フラックスをシールドガスや複数のシールドガスを混合した混合シールドガスと混合して生成した複合シールドガスを溶接部分に吹き付けながら溶接することを特徴とする溶接方法。
【請求項3】
前記液体フラックスがPH6.8〜PH7.2であることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の溶接用フラッス。
【請求項4】
前記液体フラックスの前記電解質と前記溶媒の量を調整して、前記電解質を適宜析出させて、前記液体フラックスをコロイドフラックス、ゲルフラックス、ゾルフラックス、粉末フラックスにしたことを特徴とする請求項1及び請求項3記載の溶接用フラックス。
【請求項5】
前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中にホウ砂(Na2B4O7)とホウ酸(H3BO3)を溶解し更にフッ化物としてホウフッ化カリウム(KBF4)、酸性フッ化カリウム(KHF2)を溶解せしめたものであり、電解質の重量%でNaが8.0〜9.0%、Kが5.0〜6.0%、Bが17.0〜18.0%、Hが2.0〜3.0%、Oが50.0〜60.02%、Fが7.0〜8.0%となるように配合し、その合計を100%としたことを特徴とする請求項1及び請求項2及び請求項3及び請求項4記載の溶接用フラックス。
【請求項6】
前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中にホウ砂(Na2B4O7)、ホウ酸(H3BO3)、酸化ホウ素(B2O3)を溶解せしめたものであり、電解質の重量%でNaが8.0〜9.0%、Bが26.0〜27.0%、Hが1.0〜2.0%、Oが63.0〜64.0%となるように配合し、その合計を100%としたことを特徴とする請求項1及び請求項2及び請求項3及び請求項4記載の溶接用フラックス。
【請求項7】
前記液体フラックスは、アルコールやアセトンなどの溶媒中に氷晶石(Na3AlF6)、ケイフッ化ナトリウム(NaSiF6)、酸性フッ化カリウム(KHF2)、ホウフッ化カリウム(KBF4)、ホウ砂(Na2B4O7)、酸化ホウ素(B2O3)を溶解せしめたものであり、電解質の重量%でKが6.0〜7.0%、Naが10.0〜11.0%、Siが5.0〜6.0%、Alが1.0〜2.0%、Bが12.0〜13.0%、Hが0.1〜1.0%、Oが28.0〜29.0%、Fが34.0〜35.0%になるように配合し、その合計を100%としたことを特徴とする請求項1及び請求項2及び請求項3及び請求項4記載の溶接用フラックス。
【請求項8】
前記気化フラックスは、気化装置に充填した前記液体フラックスに前記シールドガスもしくは前記混合シールドガスを吹き込んで、前記液体フラックスを気化させたものであり、前記気化装置は前記液体フラックスを充填するためのタンク部と前記シールドガスもしくは混合シールドガスを吹き込むための給気管と前記複合シールドガスを溶接部に送るための排気管を配設したものであることを特徴とする請求項2及び請求項3及び請求項5及び請求項6及び請求項7記載の溶接方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−88180(P2011−88180A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−243045(P2009−243045)
【出願日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【出願人】(504132962)
【Fターム(参考)】