説明

溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置およびそれを用いた溶融亜鉛めっき装置

【課題】めっき処理後における表面処理のさざ波現象の発生を防止することを特徴とする溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置およびそれを備えた溶融亜鉛めっき装置を提供することである。
【解決手段】一対の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置300a、300bにおいては、溶融された亜鉛に浸漬された鋼板200に対して供給管330から供給された気体がノズル口310から噴出される。供給管330とノズル口310との間に枝配管350が設けられ、その枝配管350の一端近傍に多孔質体340aが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融亜鉛めっき設備の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置およびそれを用いた溶融亜鉛めっき装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車産業、土木建築または家庭用における鋼板として耐食性に優れた表面処理鋼板が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、溶融亜鉛めっき槽の浴面上から、トップロールまでの間で合金化処理を施こす溶融亜鉛めっき鋼帯の静圧パッドによる振動防止方法について開示されている。
【0004】
特許文献1記載の振動防止方法は、溶融亜鉛めっき槽の浴面上から、トップロールまでの間で合金化処理を施こす場合に、誘導加熱炉内に静圧パッドを設け、上記静圧パッドによる圧縮空気を的確に差圧させて溶融亜鉛めっき鋼帯の両面に吹き付けるものである。この場合、シンクロールとトップロール間が長い距離を有するラインであっても、少なくとも湯面から合金化処理位置の間で、そこを通過する合金化溶融亜鉛めっき鋼帯の板厚の方向の振動あるいはねじれの発生を防止できる。
【0005】
また、特許文献2には、めっき浴から引き上げられてガスワイプされるめっき鋼帯の振動をなくしめっき付着量のバラツキを少なくして歩留を向上させるとともに、品質も向上させることができる溶融亜鉛めっき鋼帯の振動防止装置について開示されている。
【0006】
特許文献2記載の振動防止装置においては、溶融亜鉛めっき浴中より引き上げられるめっき鋼帯をめっき浴の上部に配置したガス吹き付けノズル対によりガスワイプするようにした溶融亜鉛めっき装置において、亜鉛めっき浴の浴面近傍に該浴面に浮遊するドロスを介してめっき鋼帯を両側より挟持する挟持機構を設ける。この場合、浴中のドロスを介して板を支持し、板の振動を抑制することができる。
【0007】
また、特許文献3には、溶融金属めっき設備における振動防止方法および装置について開示されている。
【0008】
特許文献3記載の溶融金属めっき設備における振動防止方法および装置においては、サポートロールを支持するフレームに振動検出手段を取り付ける。振動検出手段が検出するフレーム振動が小さくなるように、サポートロールの押し込み量を調節する。押し込み量の調節と共に、または押し込み量の調節に代えて、ライン速度を調節することにより、フレーム振動を抑えることもできる。その結果、めっき浴中ロールの振動を抑え、めっき品質を高めることができる。
【特許文献1】特開平9−184056号公報
【特許文献2】特開平6−322500号公報
【特許文献3】特開平6−17213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
また、従来の溶融亜鉛めっき設備においては、亜鉛めっき後の板表面に“さざ波”と呼ばれる凹凸の模様が生じる場合がある。このさざ波の発生原因としては、ノズル配管系の気柱共鳴現象によるノズル圧力の周期的変動が影響している場合があり、さざ波模様を低減するためには、この気柱共鳴現象を抑制することが必要であると考えられる。
【0010】
しかしながら、上記特許文献1、2および3においては、鋼板の振動を抑えること、またはフレーム振動を抑えることはできるが、気柱共鳴現象を低減することができず、さざ波模様の低減を図ることができない。
【0011】
本発明の目的は、めっき処理後における表面処理のさざ波現象の発生を防止することを特徴とする溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置およびそれを備えた溶融亜鉛めっき装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0012】
(1)
本実施の形態にかかる溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置は、溶融された亜鉛に浸漬され、引き上げられた鋼板に対して気体を噴射させる溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置であって、気体を噴射させるノズル口と、ノズル口に対して接続され、気体を供給する供給管と、ノズル口と供給管との間で分岐され、かつ先端が閉じられた袋配管と、袋配管および供給管の間の接合部において袋配管内に設けられた通気抵抗部材とを備えるものである。
【0013】
本実施の形態にかかる溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置においては、溶融された亜鉛に浸漬された鋼板に対して供給管から供給された気体がノズル口から噴出される。供給管とノズル口との間に袋配管が設けられ、その袋配管および供給管の間の接合部において袋配管内に通気抵抗部材が設けられる。
【0014】
この場合、供給管から供給された気体が袋配管に供給される。そして、通気抵抗部材によりノズルへの供給管にて発生するノズル配管系の気柱共鳴現象によるノズル口での圧力の周期的変動を抑制することができる。その結果、めっき処理後における表面処理のさざ波現象の発生を防止することができる。
【0015】
(2)
通気抵抗部材は、気体を流通させることができる多孔質体からなってもよい。
【0016】
この場合、通気抵抗部材は、連通した多孔を有する連続気泡等の多孔質体からなるので、ノズル配管系の気柱共鳴現象によるノズル圧力の周期的変動を確実に抑制することができる。その結果、めっき処理後における表面処理のさざ波現象の発生を防止することができる。
【0017】
(3)
通気抵抗部材は、繊維系材料からなってもよい。
【0018】
この場合、通気抵抗部材は、繊維系材料からなるので、ノズル配管系の気柱共鳴現象によるノズル圧力の周期的変動を確実に抑制することができる。その結果、めっき処理後における表面処理のさざ波現象の発生を防止することができる。
【0019】
(4)
通気抵抗部材は、1または複数層の複数の孔を有する板状体または箔状体として形成してもよい。
【0020】
この場合、通気抵抗部材は、1または複数層の孔を有する板状体または箔状体として形成され、板状体および箔状体が複数の孔を有するので、ノズル配管系の気柱共鳴現象によるノズル圧力の周期的変動を確実に抑制することができる。その結果、めっき処理後における表面処理のさざ波現象の発生を防止することができる。
【0021】
(5)
本発明に係る溶融亜鉛めっき装置は、鋼板に溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき装置であって、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置と、溶融された亜鉛を貯留する貯留槽と、めっき後の鋼板に押し付けられ圧力を付与するテンションローラと、鋼板に接して回転することにより送りを行うローラと、を含み、鋼板は、貯留層に貯留された溶融亜鉛に浸漬され、ローラおよびテンションローラを介して引き上げられ、鋼板の表裏面に一対として設けられた溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置から気体が噴出され、メッキ量が調整されるものである。
【0022】
本発明に係る溶融亜鉛めっき装置においては、貯留槽に溶融された亜鉛が貯留され、テンションローラがめっき後の鋼板に圧力を付与し、ローラが回転することにより鋼板の送りが行われる。鋼板は、貯留層に貯留された溶融亜鉛に浸漬され、ローラおよびテンションローラを介して引き上げられ、鋼板の表裏面に一対として設けられた溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置から気体が噴出され、メッキ量が調整される。
【0023】
この場合、引き上げられた鋼板の表裏面のメッキ量が、溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置から噴出された気体により調整される。そして、ノズル口付近の供給管にて発生するノズル配管系の気柱共鳴現象によるノズル圧力の周期的変動を抑制することができる。その結果、めっき処理後における表面処理のさざ波現象の発生を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る実施の形態について説明する。
【0025】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る第1の実施の形態に係る溶融亜鉛めっき装置100の一例を示す模式的断面図である。
【0026】
図1に示すように、溶融亜鉛めっき装置100は、めっき槽10、ロール20、シンクロール30、サポートロール40、亜鉛浴50および一対の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置300a,300bを備える。また、サポートロール40は、スタビライジングロール40aおよびコレクティングロール40bからなる。
【0027】
図1に示すように、めっき槽10内に亜鉛浴50が貯留される。また、シンクロール30およびサポートロール40は、めっき槽10の亜鉛浴50に浸漬して配設されている。鋼板200が、ロール20を介してめっき槽10に貯留された亜鉛浴50に浸漬される。鋼板200は、シンクロール30により略鉛直方向に送り方向が変更され、サポートロール40のスタビライジングロール40aおよびコレクティングロール40bに表裏面を支持され、矢印Yの方向に引き上げられる。
【0028】
引き上げられた鋼板200には、亜鉛めっきが付着され、亜鉛めっき鋼板200aが形成される。亜鉛めっき鋼板200aに対して表裏面にそれぞれ一対の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置300a,300bが配設される。これらの溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置300a,300bから噴射された気体(エアー、空気)が亜鉛めっき鋼板200aの表裏面に吹き付けられる。それにより、亜鉛めっき鋼板200aの表裏面の亜鉛めっき付着量が調整される。
【0029】
続いて、溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置300a,300bについて説明する。図2は、図1に示したワイピングノズル装置300a,300bの一例を示す模式的断面図である。
【0030】
図2に示すように、ワイピングノズル装置300a,300bは、ノズル口310、空間320、供給管330、多孔質体340aおよび枝配管350を含む。
【0031】
図2に示すように、ノズル口310は、供給管330に接続されており、供給管330には、空間320が介挿されている。ノズル口310近傍の供給管330に枝配管350の一端が接続されている。枝配管350の他端は、閉塞されており、所定の内部空間が形成されている。
【0032】
また、枝配管350の一端近傍には、連続気泡を有する多孔質体340aが設けられている。例えば、多孔質体340aとして、連続気泡の多孔質体(通気抵抗;1×10N・s/m〜1×10N・s/m)が考えられる。具体的には、上記数値を満たすウレタン等であってもよい。
【0033】
枝配管350の長さL(m)は、抑制対象とする周波数f(Hz)に対して、ガスの音速v(m/s)とした場合、
【0034】
L=0.25×v/f ・・・(1)
で表される。
【0035】
なお、本実施の形態においては、式(1)により枝配管350の長さLを設計した。
【0036】
この場合、供給管330内を流通して供給される気体が、空間320において一時的に圧力変動の抑制が行われる。その後、再度、空間320を通過し、供給管330内を流通した気体が、ノズル口310との間において接続された枝配管350との間において共鳴現象を発生させる。それにより、ノズル口310近傍における気体の圧力変動を抑制することができる。また、枝配管350を設けることにより別周波数での圧力変動が生じるため、多孔質体340aにより空気運動の減衰を発生させ、当該別周波数での圧力変動を抑制することができる。その結果、供給管330内の気柱共鳴現象を抑制しノズル口310付近での周期的な圧力変動を低減することができる。したがって、図1に示す亜鉛めっき鋼板200aに対して均一な圧力で気体を噴射させることができ、亜鉛めっき鋼板200aに“さざ波”現象を生じさせることなく、きれいな表面処理の亜鉛めっき鋼板200aを製造することができる。
【0037】
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態に係る溶融亜鉛めっき装置100aのワイピングノズル装置300c,300dの一例を示す模式的断面図である。
【0038】
図3に示すワイピングノズル装置300c,300dが図2に示すワイピングノズル装置300a,300bと異なるのは、以下の点である。
【0039】
図3に示すワイピングノズル装置300c,300dにおいては、連続気泡を有する多孔質体340aの代わりに繊維系の多孔質体340bを設ける。すなわち、枝配管350の一端近傍には、繊維系の多孔質体340bが設けられている。多孔質体340bとして、繊維系の多孔質体(通気抵抗;1×10N・s/m〜1×10N・s/m)を用いてもよい。例えば、上記数値を満たすグラスウール、他の任意の金属繊維、ペット系繊維等を用いてもよい。
【0040】
この場合、供給管330内を流通して供給される気体が、空間320において一時的に圧力変動の抑制が行われる。その後、再度、空間320を通過し、供給管330内を流通した気体が、ノズル口310との間において接続された枝配管350との間において共鳴現象を発生させる。それにより、ノズル口310近傍における気体の圧力変動を抑制することができる。また、枝配管350を設けることにより別周波数での圧力変動が生じるため、繊維系の多孔質体340bにより空気運動の減衰を発生させ、当該別周波数での圧力変動を抑制することができる。その結果、供給管330内の気柱共鳴現象を抑制しノズル口310付近での周期的な圧力変動を低減することができる。したがって、亜鉛めっき鋼板200aに対して均一な圧力で気体airを噴射させることができ、亜鉛めっき鋼板200aに“さざ波”現象を生じさせることなく、きれいな表面処理の亜鉛めっき鋼板200aを製造することができる。
【0041】
(第3の実施の形態)
図4は、第3の実施の形態に係る溶融亜鉛めっき装置100cのワイピングノズル装置300e,300fの一例を示す模式的断面図である。
【0042】
図4に示すワイピングノズル装置300e,300fが図2および図3に示すワイピングノズル装置300a,300b,300c,300dと異なるのは、以下の点である。
【0043】
図4に示すワイピングノズル装置300e,300fにおいては、連続気泡を有する多孔質体340a、繊維系の多孔質体340bの代わりに孔を有する板状体340cを複数設ける。すなわち、枝配管350の一端近傍には、孔を有する板状体340cが複数枚設けられている。なお、本実施の形態においては、板状体340cを複数設けることとしたが、これに限定されず、孔を有する箔状体であってもよく、また配置する枚数は、複数枚に限定されるものではなく、任意の所定の枚数であればよい。例えば、板状体340cとして、単一もしくは複数層の孔を有する板状体もしくは箔状体(通気抵抗;1×10N・s/m〜1×10N・s/m)であってもよい。具体的には、上記数値を満たす鉄、他の任意のアルミ、銅、ステンレス、樹脂等を用いてもよい。
【0044】
この場合、供給管330内を流通して供給される気体が、空間320において一時的に圧力変動の抑制が行われる。その後、再度、空間320を通過し、供給管330内を流通した気体が、ノズル口310との間において接続された枝配管350との間において共鳴現象を発生させる。それにより、ノズル口310近傍における気体の圧力変動を抑制することができる。また、枝配管350を設けることにより別周波数での圧力変動が生じるため、孔を有する複数枚の板状体340cにより空気運動の減衰を発生させ、当該別周波数での圧力変動を抑制することができる。その結果、供給管330内の気柱共鳴現象を抑制しノズル口310付近での周期的な圧力変動を低減することができる。したがって、亜鉛めっき鋼板200aに対して均一な圧力で気体airを噴射させることができ、亜鉛めっき鋼板200aに“さざ波”現象を生じさせることなく、きれいな表面処理の亜鉛めっき鋼板200aを製造することができる。
【0045】
(実施例1)
次に、第1の実施の形態に係るワイピングノズル装置300a,300b(図2参照)を用いて圧力変動の検証を行った。図5は、実施例1におけるワイピングノズル装置300a,300bの測定状態を示す模式的断面図である。
【0046】
図5に示すように、ワイピングノズル装置300a,300bのノズル口310と供給管330との接続部分の近傍に圧力計360(共和電業:PGM−1KG)を設けた。圧力計360からの信号を動歪み計370(共和電業;DPM−713B)を介して、周波数分析器380(小野測器;CF−350)に与え、周波数分析を行った。
【0047】
実施例1においては、通気抵抗を50N・s/mとした場合(パターン1)、通気抵抗を1×10N・s/mとした場合(パターン2)、通気抵抗を5×10N・s/mとした場合(パターン3)、通気抵抗を5×10N・s/mとした場合(パターン4)について実施した。
【0048】
図6は、実施例1におけるパターン1からパターン4における測定結果を示す模式図である。図6の縦軸は圧力変動(ノズル口310から噴出される圧力変動の振幅)を示し、横軸は周波数を示す。
【0049】
図6の実線P1がパターン1の変化を示し、実線P2がパターン2の変化を示し、実線P3がパターン3の変化を示し、実線P4がパターン4の変化を示す。また、実線P5が共鳴周波数の変化を示す。なお、実線P5においては、枝配管および通気抵抗部材を設けない状態を示す。
【0050】
(評価)
図6に示すように、実線P5は、100Hz近辺において共鳴周波数が存在していることがわかる。この場合において、実線P1より共鳴周波数の低減が確認された。一方、実線P4においては、共鳴周波数を低減できていないことがわかった。また、実線P2では共鳴周波数をほぼ低減できており、実線P3では共鳴周波数を完全に低減できることがわかった。以上のことから、通気抵抗を1×10N・s/m以下の50N・s/mに下げた場合には、供給管330の圧力変動を低減させることができるが、枝配管350の共鳴現象が連成して別周波数での共鳴が発生してしまう。また、枝配管350の通気抵抗を1×10N・s/m以上の5×10N・s/mに上げた場合は、通気抵抗が大きすぎて枝配管350内での共鳴現象が発生せず、供給管330での共鳴現象を抑制することができなかった。また、通気抵抗を1×10N・s/mとした場合は、周波数上のピーク成分をほぼなくせており、5×10N・s/mとした場合には、完全にピーク成分をなくせることがわかった。
【0051】
上記第1から第3の実施の形態においては、亜鉛浴50が溶融された亜鉛に相当し、鋼板200が鋼板に相当し、ノズル口310がノズル口に相当し、枝配管350が袋配管に相当し、供給管330が供給管に相当し、多孔質体340aが連続気泡の多孔質体、繊維系の多孔質体および通気抵抗部材に相当し、板状体340cが1または複数層の孔を有する板状体または箔状体および通気抵抗部材に相当し、溶融亜鉛めっき装置100が溶融亜鉛装置に相当し、一対の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置300a,300bが溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置に相当し、めっき槽10が貯留槽に相当し、サポートロール40がテンションローラに相当し、シンクロール30がローラに相当する。なお、枝配管350および袋配管のいずれも、一端が閉じた配管を意味する。
【0052】
本発明は、上記の好ましい第1から第3の実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態に係る溶融亜鉛めっき装置の一例を示す模式的断面図
【図2】図1に示したワイピングノズル装置の一例を示す模式的断面図
【図3】第2の実施の形態に係る溶融亜鉛めっき装置のワイピングノズル装置の一例を示す模式的断面図
【図4】第3の実施の形態に係る溶融亜鉛めっき装置のワイピングノズル装置の一例を示す模式的断面図
【図5】実施例1におけるワイピングノズル装置の測定状態を示す模式的断面図
【図6】実施例1におけるパターン1からパターン4における測定結果を示す模式図
【符号の説明】
【0054】
10 めっき槽
30 シンクロール
40 サポートロール
50 亜鉛浴
100 溶融亜鉛めっき装置
200 鋼板
300a,300b 一対の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置
310 ノズル口
330 供給管 340a 多孔質体
340c 板状体
350 枝配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融された亜鉛に浸漬され、引き上げられた鋼板に対して気体を噴射させる溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置であって、
前記気体を噴射させるノズル口と、
前記ノズル口に対して接続され、前記気体を供給する供給管と、
前記ノズル口と前記供給管との間で分岐され、かつ先端が閉じられた袋配管と、
前記袋配管および前記供給管の間の接合部において前記袋配管内に設けられた通気抵抗部材と、
を備えていることを特徴とする溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置。
【請求項2】
前記通気抵抗部材は、
前記気体を流通させることができる多孔質体からなることを特徴とする請求項1記載の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置。
【請求項3】
前記通気抵抗部材は、
繊維系材料からなることを特徴とする請求項1記載の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置。
【請求項4】
前記通気抵抗部材は、
1または複数層の板状体または箔状体として形成され、前記板状体および箔状体は、複数の孔を有することを特徴とする請求項1記載の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置。
【請求項5】
鋼板に溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき装置であって、
前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置と、
溶融された亜鉛を貯留する貯留槽と、
めっき後の前記鋼板に押し付けられ圧力を付与するテンションローラと、
前記鋼板に接して回転することにより送りを行うローラと、を含み、
前記鋼板は、
前記貯留層に貯留された溶融亜鉛に浸漬され、前記ローラおよび前記テンションローラを介して引き上げられ、前記鋼板の表裏面に一対として設けられた前記溶融亜鉛めっきワイピングノズル装置から気体が噴出され、メッキ量が調整されることを特徴とする溶融亜鉛めっき装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−321171(P2007−321171A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−149409(P2006−149409)
【出願日】平成18年5月30日(2006.5.30)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】