説明

溶血性疾患の処置方法

【課題】被験体における一酸化窒素(NO)ホメオスタシスを回復するための組成物および被験体における血色素尿症を低減するための組成物を提供すること。
【解決手段】被験体における一酸化窒素(NO)ホメオスタシスを回復するための組成物であって、該組成物は、a)1種以上の補体成分に結合する分子、b)1種以上の補体成分の生成をブロックする分子、およびc)1種以上の補体成分の活性をブロックする分子、からなる群より選択される分子を含む、組成物。被験体における血色素尿症を低減するための組成物であって、該組成物は、エリスロポエチン(EPO)および分子を含み、該分子は、a)1種以上の補体成分に結合する分子、b)1種以上の補体成分の生成をブロックする分子、およびc)1種以上の補体成分の活性をブロックする分子、からなる群より選択される分子を含む、組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
(関連出願)
本願は、2004年2月3日に出願された米国特許出願番号第10/771,552号(この全体的な開示は、本明細書において参照として援用される)の部分係属出願であり、これに対し優先権を主張する。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、1種以上の補体成分に結合する、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を投与することによって、例えば発作性夜間血色素尿症(「PNH」)のような、溶血性疾患を処置する方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
(関連分野の背景)
発作性夜間血色素尿症(「PNH」)は、赤血球が損なわれ、従って正常な赤血球よりも速く破壊される、まれな血液障害である。PNHは、骨髄細胞の突然変異によって起こり、異常な血球の生成を引き起こす。より具体的には、PNHは、別々の成熟血球集団を生じる造血幹細胞の障害であると考えられる。その疾患の基礎は、タンパク質の細胞膜への結合を担うグリコシルホスファチジルイノシトール(「GPI」)アンカーを合成できなくなる体細胞変異のようである。その変異遺伝子、PGI−A(ホスファチジルイノシトールグリカンクラスA)は、X染色体に位置し、そして欠失から点突然変異まで異なる、いくつかの異なる突然変異を有し得る。
【0004】
PNHは、補体タンパク質に対する感受性を引き起こし、そしてこの感受性は細胞膜において起こる。PNH細胞は、多くのタンパク質、特に重要な補体調節表面タンパク質を欠損している。これらの補体調節表面タンパク質は、崩壊促進因子(「DAF」)またはCD55および反応性溶解の膜インヒビター(「MIRL」)またはCD59を含む。
【0005】
PNHは、溶血性貧血(赤血球数の減少)、血色素尿症(特に睡眠後明らかな、尿中のヘモグロビンの存在)、およびヘモグロビン血症(血流中のヘモグロビンの存在)によって特徴付けられる。PNHに罹患した個体は、本明細書中において暗色尿の出現と定義される発作を有することが知られる。溶血性貧血は、補体成分による赤血球の血管内破壊のためである。他の公知の症状は、嚥下障害、疲労、勃起不全、血栓症、および再発性の腹痛を含む。
【0006】
溶血性疾患によって起こる溶血は、遊離ヘモグロビンの放出によって、局所的および全身的な一酸化窒素(NO)欠乏症を引き起こす。遊離ヘモグロビンは、部分的には非赤血球区域におけるNOの到達性、および酸素に対するよりもNOに対して10倍高いヘム部分の親和性のために、非常に効率的なNOのスカベンジャーである。血管内溶血の発生は、多くの場合ハプトグロビンを完全に枯渇するのに十分な遊離ヘモグロビンを生成する。一旦このヘモグロビン除去タンパク質の能力が限度を超えると、結果として内因性NOの消費が起こる。例えば、LDHレベルが容易にその正常レベルより2〜3倍上回り得るPNHのような血管内溶血の状況において、遊離ヘモグロビンは0.8〜1.6g/lの濃度を得るであろう。ハプトグロビンは、ハプトグロビンアロタイプに依存し、0.7と1.5g/lとの間のヘモグロビンにしか結合し得ないので、大過剰の遊離ヘモグロビンが生成される。一旦腎臓近位尿細管によるヘモグロビン再吸収の能力が限度を超えると、血色素尿症が起こる。血管内溶血の間の遊離ヘモグロビンの放出は、過剰なNOの消費を引き起こし、続いて平滑筋収縮の増強、血管収縮および血小板の活性化および凝集を伴う。ヘモグロビンによるNO除去に関連する、PNH関連の病的状態は、腹痛、勃起不全、食道痙攣、および血栓症を含む。
【0007】
溶血の臨床検査評価は、通常、血液学的、血清学的、および尿検査を含む。血液学的検査としては、RBCの形態学的異常に関する血液スミアの検査(原因の決定するため)、および全血中の網状赤血球数の測定(RBCの損失に対する骨髄の代償を決定するため)が挙げられる。血清学的検査としては、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH;広く行われる)、および溶血の直接的な指標として遊離ヘモグロビン(広くは行われない)が挙げられる。他の臓器における組織損傷の非存在下におけるLDHレベルは、溶血を有する被験体の診断およびモニタリングにおいて有用であり得る。他の血清学的検査としては、それぞれ分解産物または除去の予備量の指標として、ビリルビンまたはハプトグロビンが挙げられる。尿検査は、ビリルビン、ヘモジデリン、および遊離ヘモグロビンを含み、そして一般的に慣習的な溶血のモニタリングより、溶血の全体の重症度を測定するために、および溶血の血管内対血管外原因論の区別のために使用される。さらに、溶血活性それ自体の指標としてより、あらゆる付随する貧血の程度を決定するために、RBC数、RBC(すなわち細胞結合)ヘモグロビン、およびヘマトクリットが一般的に行われる。
【0008】
溶血性疾患の治療としてステロイドが採用されてきており、そしてある被験体において溶血を抑制するのに有効であり得るが、ステロイド治療の長期使用は、多くの負の副作用を有し得る。罹患した被験体は輸血を必要とし得、それは感染のリスクを有する。抗凝固治療も血栓の形成を予防するために必要であり得る。骨髄移植はPNHを治癒することが知られるが、骨髄の一致は多くの場合見つけるのが非常に難しく、そしてそのような手順では死亡率が高い。
【0009】
PNHのような溶血性疾患およびその影響を安全に、および確かに除去するおよび/または制限する処置を提供することは有利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(概要)
発作性夜間血色素尿症(「PNH」)および他の溶血性疾患を、1種以上の補体成分に結合するか、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を用いて、本開示に従って処置する。適当な化合物としては、例えば補体成分C5に特異的な抗体のような、例えば1種以上の補体成分に結合して、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする抗体を含む。特に有用な実施態様において、その化合物はh5G1.1−mAb(エクリズマブ)、h5G1.1−scFv(パキセリズマブ)、および他のh5G1.1の機能的断片からなる群から選択される、抗C5抗体である。驚くべきことに、本方法は、PNH被験体においてその化合物の投与から24時間以内に改善を提供することが見出された。例えば、血色素尿症の解決によって示されるように、溶血は化合物の投与の24時間以内に有意に抑制される。
【0011】
補体阻害化合物は、溶血性疾患を有することが明らかな個体に予防的に投与して、症状の発現を予防し、または予防するのを助け得る。あるいは、補体阻害化合物は、溶血性疾患の症状を経験している個体に、処置レジメとして投与され得る。
【0012】
別の局面において、溶血性疾患に罹患した被験体において、補体感受性III型赤血球の割合、そして従って全赤血球数を増加させる方法が企図される。その方法は、1種以上の補体成分に結合して、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を、溶血性疾患に罹患した被験体に投与することを含む。III型赤血球数を増加させることによって、溶血性疾患に罹患した被験体において、疲労および貧血のような症状も軽減され得る。
【0013】
さらに別の局面において、本開示は、化合物を被験体に投与することによって、溶血性疾患に罹患した被験体を、より輸血非依存性に、または輸血非依存性にする方法を企図し、その化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される。驚くべきことに、本方法に従って被験体を輸血非依存性にし得ることが見出された。予想外に、いくつかの実施態様において、赤血球の120日間のライフサイクルを大きく超えた、12ヶ月またはそれより長い間、輸血非依存性が維持され得る。他の実施態様において、輸血非依存性は2年間またはそれより長い維持され得る。赤血球の長い半減期を考えると、輸血非依存性の評価のために6ヶ月またはそれより長い処置が必要である。
【0014】
別の局面において、本開示は、被験体に化合物を投与することによって、被験体における一酸化窒素(NO)のアンバランスを処置する方法を企図し、その化合物は1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は、血流中の遊離ヘモグロビンの量を抑制し、それによって血清の一酸化窒素(NO)レベルを増加させる。特に有用な実施態様において、NOのホメオスタシスが回復され、ここでNOの欠乏症に起因する症状が解決する。
【0015】
別の局面において、本開示は、被験体に化合物を投与することによって、被験体における血栓症を処置する方法を企図し、その化合物は1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される。
【0016】
別の局面において、本開示は、被験体に化合物を投与することによって、溶血性疾患に罹患した被験体において疲労を処置する方法を企図し、その化合物は1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される。
【0017】
別の局面において、本開示は、被験体に化合物を投与することによって、溶血性疾患に罹患した被験体において勃起不全を処置する方法を企図し、その化合物は1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される。
【0018】
別の局面において、本開示は、被験体に化合物を投与することによって、溶血性疾患に罹患した被験体において腹痛を処置する方法を企図し、その化合物は1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される。
【0019】
さらに別の局面において、本開示は、1)造血を増加させる(例えば、生成を増加させる、幹細胞の破壊を除去する、または幹細胞の阻害を除去することによって)ことが公知の1種以上の化合物を、2)1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される化合物と組み合わせて投与することによって、溶血性疾患に罹患した被験体を処置する方法を企図する。造血を増加させることが公知の適当な化合物は、例えばステロイド、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)、抗凝固剤(例えば、ワーファリン)、葉酸、鉄等、エリスロポエチン(EPO)および抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、抗リンパ球グロブリン(ALG)、EPO誘導体、およびダルベポエチンα(Amgen,Inc.、Thousand Oaks、CAからAranesp(登録商標)として市販される(Aranesp(登録商標)は、組み換えDNA技術によって、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で生成されたEPOの人工形態である))を含む。特に有用な実施態様において、エリスロポエチン(EPO)(造血を増加させることが公知である化合物)、EPO誘導体、またはダルベポエチンαを、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよび他のh5G1.1の機能的断片からなる群から選択される抗C5抗体と組み合わせて投与し得る。
【0020】
さらに別の局面において、本開示は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される化合物を投与することによって、被験体の全赤血球数のうちIII型赤血球の割合が、処置前または処置中に10%より高い被験体において、溶血性疾患の1種以上の症状を処置する方法を企図し、当該化合物は単独で、またはEPO、EPO誘導体、またはダルベポエチンαのような造血を増加させることが公知の1種以上の化合物と組み合わせて投与される。
【0021】
さらに別の局面において、本開示は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される化合物を投与することによって、1マイクロリットルあたり40,000を超える血小板数を有する被験体において、溶血性疾患の1種以上の症状を処置する方法を企図し、当該化合物は単独で、またはEPO、EPO誘導体、またはダルベポエチンαのような造血を増加させることが公知の1種以上の化合物と組み合わせて投与される。
さらに別の局面において、本開示は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される化合物を投与することによって、1リットルあたり80×10を超える網状赤血球数を有する被験体において、溶血性疾患の1種以上の症状を処置する方法を企図し、当該化合物は単独で、またはEPO、EPO誘導体、またはダルベポエチンαのような造血を増加させることが公知の1種以上の化合物と組み合わせて投与される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】図1Aは、PNH患者の抗C5抗体による処置中に測定した溶血の生化学的パラメーターを報告する。
【図1B】図1Bは、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルに対する抗C5抗体による処置の効果をグラフで示す。
【図2】図2は、PNH患者における血色素尿の発作の出現をモニターするために考案された尿色素スケールを示す。
【図3】図3は、処置前の率と比較した、患者の発作率に対するエクリズマブ処置の効果のグラフである。
【図4】図4は、PNH患者の尿サンプル、および溶血、症状、および補体を完全にブロックするために適当な薬力学に対する本方法の、直接および正の効果を反映する、血色素尿、嚥下障害、LDH、AST、薬物動態学(PK)および薬力学(PD)を示す。
【図5】図5は、時間に対して血色素尿に対する抗C5抗体の投与スケジュールの効果をグラフで示す。
【図6】図6aおよび図6bは、抗C5抗体による処置前および処置中の、患者あたり1ヶ月あたりに必要な輸血ユニットの数を比較するグラフである:図6aは血球減少症患者を示す;および図6bは非血球減少症患者を示す。
【図7】図7は、抗C5抗体およびエリスロポエチン(EPO)を投与することによる、血小板減少症患者のマネージメントを示す。
【図8】図8は、抗C5抗体の薬力学をグラフで示す。
【図9】図9は、生活の質の問題に取り組む、抗C5治療レジメ中に完了したEuropean Organization for Research and Treatment of Cancerの質問事項(「EORTC−QLQ−C30」)の結果の表である。
【図10】図10は、PNHに関する有害な症状に対する抗C5抗体処置の効果を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施形態の説明
(詳細な説明)
本開示は、哺乳動物において発作性夜間血色素尿症(「PNH」)および他の溶血性疾患を処置する方法に関する。具体的には、本明細書中で記載される溶血性疾患を処置する方法は、1種以上の補体成分に結合する、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を使用することに関する。本方法は、驚くべき結果を提供することが見出された。例えば、1種以上の補体成分に結合する、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物の投与時に、溶血はすばやく止まり、処置後に血色素尿は有意に低減される。また、溶血性の患者を、延長された期間(12ヶ月またはそれより長く)、赤血球の120日間のライフサイクルを大きく超えて、輸血により依存的でなく、または輸血非依存的にし得る。加えて、赤血球溶解の他のメカニズムの中で(補体によって媒介されない、および/または初期補体成分、例えばCb3が媒介する)、III型赤血球数を劇的に増加し得る。驚くべき結果の別の例は、症状が解決し、赤血球溶解の他のメカニズムの存在にもかかわらず、NO血清レベルが十分増加したことを示す。本明細書中で報告されたこれらおよび他の結果は、予期しないものであり、そして溶血性疾患の以前の処置からは予想され得なかった。
【0024】
1種以上の補体成分に結合する、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする任意の化合物が、本方法で使用され得る。特に有用なそのような化合物の特定のクラスは、ヒト補体成分に特異的な抗体、特に抗C5抗体を含む。抗C5抗体は、補体カスケードを阻害し、そして最終的には、補体タンパク質複合体C5b−9による赤血球(「RBC」)溶解を防ぐ。RBCの溶解を阻害および/または低減することによって、PNHおよび他の溶血性疾患の影響(血色素尿、貧血、ヘモグロビン血症、嚥下障害、疲労、勃起不全、再発性の腹痛および血栓症のような症状が挙げられる)が除去されるか、または減少される。
【0025】
別の実施態様において、タンパク質CD55およびCD59の可溶性形態を、単独でまたはお互いに組み合わせられて被験体に投与され、その第2経路における補体カスケードを阻害し得る。CD55はC3のレベルで阻害し、それによってカスケードのさらなる進行を防ぐ。CD59は、C5b−8複合体がC9と結合して膜侵襲複合体を形成するのを阻害する(下記の議論を参照のこと)。
【0026】
補体系は、体の他の免疫系と組み合わせて作用して、細菌およびウイルス病原体の侵入に対して防御する。補体カスケードに関わる少なくとも25種のタンパク質が存在し、それらは血漿タンパク質および膜補助因子の複合体コレクションとして見出される。補体成分は、一連の複雑な、しかし正確な酵素的切断および膜結合の発生における相互作用によって、その免疫防御機能を達成する。できた補体カスケードは、オプソニン、免疫調節、および溶解機能を有する産物の生成を引き起こす。補体活性化に関連する生物学的活性の簡潔な概要が、例えばThe Merck Manual、第16版において提供される。
【0027】
補体カスケードは、古典的経路、第2経路、またはレクチン経路によって進行する。これらの経路は、多くの成分を共有し、そしてそれらは最初の段階で異なるが、それらは収束して、そして標的細胞の活性化および破壊を担う同じ「終末補体」成分(C5からC9)を共有する。古典的補体経路は、典型的には、標的細胞上の抗原性部位の抗体認識および結合によって開始される。第2経路は通常抗体非依存性であり、そして病原体表面のある分子によって開始され得る。さらに、レクチン経路は、典型的には、マンノース結合レクチン(「MBL」)の高マンノース基質に対する結合によって開始される。これらの経路は、補体成分C3が活性プロテアーゼによって切断されてC3aおよびC3bを生ずる時点で収束する。
【0028】
C3aはアナフィラトキシンである(下記の議論を参照のこと)。C3bは細菌および他の細胞、およびあるウイルスおよび免疫複合体に結合し、そしてそれらに循環から除去するために標識をつける。(この役割におけるC3bはオプソニンとして知られる。)C3bのオプソニン機能は、一般的に補体系の最も重要な抗感染作用と考えられる。C3b機能をブロックする遺伝的障害を有する患者は、広く様々な病原性生物による感染を受けやすいが、後の補体カスケードの連続に障害を有する患者、すなわちC5機能をブロックする障害を有する患者は、ナイセリア属のみに対してより感染を受けやすく、そしていくらかより感染を受けやすいだけである(Intensive Review of Internal Medicine、第2版、FantaおよびMinaker編、Brigham and Women’s and Beth Israel Hospitals、1983におけるFearon)。
【0029】
C3bはまた、各経路に独特の他の成分と複合体を形成して、古典的または代替的なC5コンバターゼを形成し、それはC5をC5aおよびC5bに切断する。従ってそれは3つの活性化経路全てに不可欠であるので、C3は補体反応の連続における中心的なタンパク質と考えられる(Wurznerら、Complement Inflamm.8:328−340、1991)。C3bのこの性質は、C3bに作用してiC3b(不活性C3b)を生成する、血清プロテアーゼ第1因子によって調節される。依然としてオプソニンとして機能的であるが、iC3bは活性なC5コンバターゼを形成できない。
【0030】
前C5前駆体は、アミノ酸655および659の後で切断され、アミノ末端断片としてβ鎖(配列のアミノ酸残基+1〜655)、およびカルボキシル末端断片としてα鎖(配列のアミノ酸残基660〜1658)を、その2つの間から欠失した4アミノ酸(配列のアミノ酸残基656〜659)と共に生じる。C5はグリコシル化され、その質量の約1.5〜3%は炭水化物に起因する。成熟C5は、655アミノ酸の75kDaβ鎖にジスルフィド結合した999アミノ酸の115kDaα鎖のヘテロダイマーである。C5は、正常血清において約75μg/ml(0.4μM)で見出される。C5は、単一コピー遺伝子の単一鎖前駆体タンパク質産物として合成される(Havilandら、J.Immunol.1991、146:362−368)。この遺伝子の転写物のcDNA配列は、18アミノ酸のリーダー配列と共に、分泌された1658アミノ酸の前C5前駆体を予想する(米国特許第6,355,245号を参照のこと)。
【0031】
C5の切断は、強力なアナフィラトキシンおよび走化性因子であるC5aを放出し、そして溶解性の終末補体複合体、C5b−9の形成を引き起こす。C5aは、代替的または古典的C5コンバターゼのいずれかによって、α鎖の最初の74アミノ酸(すなわち配列のアミノ酸残基660〜733)を含むアミノ末端断片として、C5のα鎖から切断される。C5aの11kDaの質量の約20パーセントは、炭水化物に起因する。コンバターゼ作用の切断部位は、配列のアミノ酸残基733に、またはそのすぐ近くにある。この切断部位に、またはその近くに結合する化合物は、C5コンバターゼ酵素が切断部位に近づくのをブロックし、そしてそれによって補体インヒビターとして作用する可能性を有する。
【0032】
C5bはC6、C7およびC8と結合して、標的細胞表面でC5b−8複合体を形成する。いくつかのC9分子と結合した場合に、膜侵襲複合体(「MAC」、C5b−9、終末補体複合体−TCC)が形成される。十分な数のMACが標的細胞膜に挿入されると、それらが作る開口部(MACポア)が、標的細胞の急速な浸透溶解を媒介する。非溶解性の低濃度のMACは、他の炎症誘発性の効果を生じ得る。特に、内皮細胞および血小板に対する少数のC5b−9複合体の膜挿入は、有害な細胞活性化を引き起こし得る。ある場合には、活性化が細胞溶解に先行し得る。
【0033】
C5aおよびC5b−9はまた、加水分解酵素、反応性酸素種、アラキドン酸代謝物および様々なサイトカインのような、下流の炎症性因子の放出を増幅することによって、多面発現性の細胞活性化性質を有する。C5はまた、C5コンバターゼ活性より他の手段によって活性化され得る。制限されたトリプシン消化(MintaおよびMan、J.Immunol.1977、119:1597−1602;WetselおよびKolb、J.Immunol.1982、128:2209−2216)および酸処理(YammamotoおよびGewurz、J.Immunol.1978、120:2008;Damerauら、Molec.Immunol.1989、26:1133−1142)も、C5を切断し、そして活性なC5bを生成し得る。
【0034】
上記で言及したように、C3aおよびC5aはアナフィラトキシンである。これらの活性化補体成分は、肥満細胞の脱顆粒の引き金となり、それはヒスタミンおよび他の炎症のメディエーターを放出して、平滑筋の収縮、血管透過性の増加、白血球の活性化、および細胞過多を引き起こす細胞の増殖を含む他の炎症性の現象を引き起こす。C5aはまた、補体活性化部位に炎症誘発性の顆粒球を誘引するよう作用する走化性ペプチドとして機能する。
【0035】
ヒト補体成分のいずれかに結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックするあらゆる化合物が、本開示によって利用され得る。いくつかの実施態様において、ヒト補体成分に特異的な抗体が、本明細書中で有用である。いくつかの化合物は、補体成分C−1、C−2、C−3、C−4、C−5、C−6、C−7、C−8、C−9、D因子、B因子、P因子、MBL、MASP−1およびMASP−2に対する抗体を含み、そうしてC5aに関連するアナフィラトキシン活性の生成を予防、および/またはC5bに関連する膜侵襲複合体の集合を予防する。
【0036】
本方法において、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン(complestatin)、およびK76COOHのような、天然に存在する、または可溶性形態の補体阻害性化合物も有用である。ヒト補体成分のいずれかに結合し、または他の方法でその生成および/または活性を阻害するため利用し得る他の化合物としては、タンパク質、タンパク質断片、ペプチド、小分子、ARC187(これはArchemix Corp.、Cambridge、MAから市販される)を含むRNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー(spiegelmer)、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、低分子干渉RNA(siRNA)を含む2本鎖RNAのようなRNA干渉(RNAi)に利用し得る分子、ロックされた核酸インヒビター(locked nucleic acid)(LNA)インヒビター、ペプチド核酸(PNA)インヒビター等が挙げられるがこれに限らない。
【0037】
機能的に、1つの適当なクラスの化合物がC5の切断を阻害し、それが強力な炎症誘発性分子C5aおよびC5b−9(終末補体複合体)の生成をブロックする。好ましくは、その化合物は、オプソニン作用および免疫複合体クリアランスの決定的な免疫保護機能に寄与するC3bの形成を阻止しない。
【0038】
これらの膜侵襲複合体分子の生成を予防するが、C5での補体カスケードの阻害は、多くの病原性微生物のオプソニン作用および免疫複合体の可溶化およびクリアランスに決定的なC3bを生成する能力を維持する。C3bを生成する能力を維持することは、血栓症、感染、疲労、無気力、および免疫複合体のクリアランスの障害に対する感受性の増加が疾患過程の先在する臨床的特徴である溶血性疾患の、補体阻害における治療的因子として特に重要なようである。
【0039】
本明細書中で使用するために特に有用な化合物は、補体成分C5の補体成分C5aおよびC5bへの転換を、直接的にまたは間接的に低減する抗体である。有用な抗体の1つのクラスは、少なくとも1つの抗原結合部位を有し、そしてヒト補体成分C5に対する特異的結合を示すものである。特に有用な補体インヒビターは、C5aおよび/またはC5b−9の生成を約30%より多く低減する化合物である。C5aの生成を阻害する望ましい能力を有する抗C5抗体は、少なくとも1982年から当該分野において公知であった(Moongkarndiら、Immunobiol.1982、162:397;Moongkarndiら、Immunobiol.1983、165:323)。C5またはC5断片に対して免疫反応性の当該分野で公知の抗体としては、C5β鎖(Moongkarndiら、Immunobiol.1982、162:397;Moongkarndiら、Immunobiol.1983、165:323;Wurznerら、1991、前出;Mollnesら、Scand.J.Immunol.1988、28:307−312);C5a(例えばAmesら、J.Immunol.1994、152:4572−4581、米国特許第4,686,100号、および欧州特許公開第0 411 306号を参照のこと)に対する抗体;および非ヒトC5(例えばGiclasら、J.Immunol.Meth.1987、105:201−209を参照のこと)に対する抗体が挙げられる。特に有用な抗C5抗体は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよび他のh5G1.1の機能的断片である。h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよび他のh5G1.1の機能的断片の調製方法は、米国特許第6,355,245号および「ヒト化抗C5抗体および1本鎖Fvによる補体活性の阻害」Thomasら、Molecular Immunology、第33巻、第17/18号、1389−1401頁、1996において記載され、その開示は本明細書中でその全体としてこの参考文献に組み込まれる。抗体h5G1.1−mAbは、現在エクリズマブの商品名で臨床試験を実施中である。
【0040】
補体成分C5と反応性のモノクローナル抗体を生成するハイブリドーマを、Simsら、米国特許第5,135,916号の教示によって得ることができる。公知の方法によって、補体C5成分の精製成分を免疫原として使用して抗体が調製される。本開示によって、好ましくは補体成分C5、C5a、またはC5bが免疫原として使用される。特に好ましい有用な実施態様によって、その免疫原はC5のα鎖である。
【0041】
特に有用な抗体は、前の段落で議論された必要な機能的性質を共有し、そして以下の特徴のいずれかを有する:
(1)それらは5G1.1と特異的に免疫反応性のC5の部分に対する結合に関して競合する;
(2)それらは、C5α鎖に特異的に結合する−そのような特異的結合および結合に対する競合は、プラスモン表面共鳴法(Johneら、J.Immunol.Meth.1993、160:191−198)を含む、当該分野で周知の様々な方法によって決定され得る;および
(3)それらはC3またはC4(それらはC5コンバターゼの成分である)いずれかに対するC5の結合をブロックする。
【0042】
少なくとも1つの補体成分の生成および/または活性を阻害する化合物は、様々な単位投与量形態で投与され得る。用量は、採用される特定の化合物によって変動する。例えば、異なる抗体は異なる質量および/または親和性を有し得、そしてしたがって異なる投与量レベルを必要とし得る。断片として調製された抗体(例えばFab、F(ab’)、scFv)も、それらはインタクトな免疫グロブリンよりかなり小さい質量であり、そして従って患者の血中で同じモル濃度レベルに達するためにより低い投与量を必要とするので、等価なインタクトな免疫グロブリンと異なる投与量を必要とする。
【0043】
その用量はまた、投与の様式、処置される患者の特定の症状、患者の全体的な健康、状態、大きさ、および年齢、および処方する医師の判断に依存して異なる。
【0044】
少なくとも1つの補体成分の生成および/または活性を阻害する化合物の投与は、一般的には、適当な薬剤学的キャリアと共にエアロゾル形式、注射による静脈内注入、皮下注射、経口、または舌下であり得る。所望される場合、他の投与経路も使用され得る。
【0045】
コンビネーション治療が使用され得ることがさらに企図され、ここで補体阻害化合物が、溶血性疾患の公知の治療レジメと組み合わせて投与する。そのようなレジメとしては、1)造血を増加させる(例えば、生成を増加させる、幹細胞の破壊を除去する、または幹細胞の阻害を除去することのいずれかによって)ことが公知の1種以上の化合物を、2)1種以上の補体成分と結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される化合物と組み合わせて投与することが挙げられる。造血を増加させることが公知の適当な化合物としては、例えばステロイド、免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン)、抗凝固剤(例えば、ワーファリン)、葉酸、鉄等、エリスロポエチン(EPO)および抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、抗リンパ球グロブリン(ALG)、EPO誘導体、およびダルベポエチンα(Amgen,Inc.、Thousand Oaks、CAからAranesp(登録商標)として市販される(Aranesp(登録商標)は、組み換えDNA技術によって、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において生成されたEPOの人工形態である))を含む。特に有用な実施態様において、エリスロポエチン(EPO)(造血を増加させることが公知の化合物)、EPO誘導体、またはダルベポエチンαを、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFv、および他のh5G1.1の機能的断片からなる群から選択される抗C5抗体と組み合わせて投与し得る。
【0046】
注射に適当な処方は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Philadelphia、Pa、第17版(1985)において見出される。そのような処方は、滅菌および非発熱性でなければならず、そして一般的に生理食塩水、緩衝化(例えばリン酸緩衝化)生理食塩水、ハンクス溶液、リンガー溶液、デキストロース/生理食塩水、グルコース溶液等のような、薬剤学的に有効なキャリアを含む。その処方物は、必要に応じて、張度調節剤、湿潤剤、殺菌剤、保存剤、安定化剤等のような、薬剤学的に受容可能な補助物質を含み得る。
【0047】
本開示は、1種以上の補体成分に結合する、または他の方法でその生成および/または活性を阻害する1種以上の化合物を投与することによって、溶血性疾患に罹患した患者において溶血を低減する方法を企図する。溶血の低減は、人が溶血に悩まされる時間を約25%またはそれより多く抑制することを意味する。処置の有効性を、患者において溶血のレベルを決定するための、当業者に公知の様々な様式のいずれかで評価し得る。溶血を検出する1つの定性的な方法は、血色素尿の発現を観察することである。非常に驚くべきことに、本方法による処置は、血色素尿の急速な減少によって決定されるように、溶血を抑制する。
【0048】
溶血を測定するより定量的な方法は、被験体の血流中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルを測定することである。LDHはピルビン酸および乳酸の相互変換を触媒する。赤血球はグルコースを乳酸に代謝し、それは血中に放出され、そして肝臓によって取り込まれる。LDHレベルは、溶血の客観的指標として使用される。当業者が認識するように、LDHの「正常の上限」レベルの測定は、採用される特定のアッセイおよびアッセイが行われる正確な様式を含む多くの因子に依存して、実験室によって異なる。しかし、一般的に言って、本方法は、患者におけるLDHレベルを正常LDHレベルの上限の20%以内に低減することによって反映されるように、溶血性疾患に罹患した患者において溶血を低減し得る。あるいは、本方法は、患者におけるLDHレベルを患者の処置前LDHレベルの50%より多く、好ましくは患者の処置前LDHレベルの65%より多く、最も好ましくは患者の処置前LDHレベルの80%より多く低減することによって反映されるように、溶血性疾患に罹患した患者において溶血を低減し得る。
【0049】
溶血における低減の別の定量的な測定は、GPI欠損赤血球(III型赤血球)の存在である。当業者が認識するように、III型赤血球は、細胞表面にGPIアンカータンパク質の発現を有さない。GPI欠損細胞の割合は、例えばRichardsら、Clin.Appl.Immunol.Rev.、第1巻、315−330頁、2001において記載された技術を用いて、フローサイトメトリーによって決定され得る。本方法は、III型赤血球の増加によって反映されるように、溶血性疾患に罹患した患者において溶血を低減し得る。好ましくは、患者におけるIII型赤血球レベルの、全赤血球数の25%より高い増加が達成され、より好ましくは患者におけるIII型赤血球レベルの、全赤血球数の50%より高い増加が達成され、最も好ましくは患者におけるIII型赤血球レベルの、全赤血球数の75%より高い増加が達成される。
【0050】
PNHまたは他の溶血性疾患に関連する1種以上の症状を低減する方法も、本開示の範囲内である。そのような症状としては、例えば腹痛、疲労、呼吸困難および不眠が挙げられる。症状は、赤血球の溶解の直接的結果であり得(例えば、血色素尿、貧血、疲労、低い赤血球数等)、またはその症状は患者の血流における低い一酸化窒素(NO)レベルから起こり得る(例えば、腹痛、勃起不全、嚥下障害、血栓症等)。40%より高いPNHIII型顆粒球クローンを有するほとんど全ての患者が、血栓症、腹痛、勃起不全、および嚥下障害を有することが最近報告され、高い溶血率を示唆する(Moyoら、British J.Haematol.126:133−138(2004)を参照のこと)。
【0051】
特に有用な実施態様において、本方法は、1マイクロリットルあたり40,000を超える(再生不良性患者)、好ましくは1マイクロリットルあたり75,000を超える、最も好ましくは1マイクロリットルあたり150,000を超える血小板数を有する患者において、PNHまたは他の溶血性疾患に関連する1種以上の症状の低減を提供する。他の実施態様において、本方法は、患者の全赤血球含有量のうちPNHIII型赤血球の割合が10%より高い、好ましくは25%より高い、最も好ましくは50%を超える患者において、PNHまたは他の溶血性疾患に関連する1種以上の症状の低減を提供する。さらに他の実施態様において、本方法は、1リットルあたり80×10を超える、より好ましくは1リットルあたり120×10を超える、最も好ましくは1リットルあたり150×10を超える網状赤血球数を有する患者において、PNHまたは他の溶血性疾患に関連する1種以上の症状の低減を提供する。上記で引用された、最も好ましい範囲の患者は、活性な骨髄を有し、そして適当な数の赤血球を生成する。PNHまたは他の溶血性疾患に罹患した患者において、赤血球は1種以上の方法で不完全であるが(例えばGPI欠損)、本方法は、そのような細胞を補体の活性化から起こる溶血から保護するのに特に有用である。従って、好ましい範囲内の患者が、本方法から最も利益を得る。
【0052】
1つの局面において、疲労を低減する方法が企図され、その方法は、溶血性疾患を有する、または感受性の被験体に、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を投与する工程を含む。疲労の低減とは、人が疲労に悩まされる時間が、約25%またはそれより多く低減されることを意味する。疲労は貧血の存在時でも血色素尿が解決した時に弱まるので、疲労は血管内溶血に関連すると考えられる症状である。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は疲労を低減する。上記で述べたIII型赤血球、網状赤血球および血小板の好ましい範囲内の患者が、本方法から最も利益を得る。
【0053】
別の局面において、腹痛を低減する方法が企図され、その方法は、溶血性疾患を有する、または感受性の被験体に、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を投与する工程を含む。腹痛の低減とは、人が腹痛に悩まされる時間が、約25%またはそれより多く低減されることを意味する。腹痛は、患者の自然なレベルのハプトグロビンが、血管内溶血の結果として血流中に放出される全ての遊離ヘモグロビンを処理できず、NOの除去および腸の失調症および痙攣を引き起こすことから起こる症状である。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は血流中の遊離ヘモグロビンの量を低減し、それによって腹痛を低減する。上記で述べたIII型赤血球、網状赤血球および血小板の好ましい範囲内の患者が、本方法から最も利益を得る。
【0054】
別の局面において、嚥下障害を低減する方法が企図され、その方法は、溶血性疾患を有する、または感受性の被験体に、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を投与する工程を含む。嚥下障害の低減は、人が嚥下障害発作を有する時間が、約25%またはそれより多く低減されることを意味する。嚥下障害は、患者の自然なレベルのハプトグロビンが、血管内溶血の結果として血流中に放出される全ての遊離ヘモグロビンを処理できず、NOの除去および食道の痙攣を引き起こすことから起こる症状である。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は血流中の遊離ヘモグロビンの量を低減し、それによって嚥下障害を低減する。上記で述べたIII型赤血球、網状赤血球および血小板の好ましい範囲内の患者が、本方法から最も利益を得る。
【0055】
さらに別の局面において、勃起不全を低減する方法が企図され、その方法は、溶血性疾患を有する、または感受性の被験体に、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を投与する工程を含む。勃起不全の低減とは、人が勃起不全に悩まされる時間が、約25%またはそれより多く低減されることを意味する。勃起不全は、血管内溶血の結果として血流中に放出された遊離ヘモグロビンによるNOの除去に関連すると考えられる症状である。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は血流中の遊離ヘモグロビンの量を低減し、それによって血清のNOレベルを増加させ、そして勃起不全を低減する。上記で述べたIII型赤血球、網状赤血球および血小板の好ましい範囲内の患者が、本方法から最も利益を得る。
【0056】
さらに別の局面において、血色素尿を低減する方法が企図され、その方法は、溶血性疾患を有する、または感受性の被験体に、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を投与する工程を含む。血色素尿の低減とは、人が赤色、茶色、または暗色の尿を有する回数の低減を意味し、ここでその低減は典型的には約25%またはそれより多くである。血色素尿は、患者の自然なレベルのハプトグロビンが、血管内溶血の結果として血流中に放出される全ての遊離ヘモグロビンを処理できないことから起こる症状である。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は血流および尿中の遊離ヘモグロビンの量を低減し、それによって血色素尿を低減する。非常に驚くべきことに、血色素尿の低減は急速に起こる。上記で述べたIII型赤血球、網状赤血球および血小板の好ましい範囲内の患者が、本方法から最も利益を得る。
【0057】
さらに別の局面において、血栓症を低減する方法が企図され、その方法は、溶血性疾患を有する、または感受性の被験体に、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を投与する工程を含む。血栓症の低減は、人が血栓症発作を有する時間が、約25%またはそれより多く低減されることを意味する。血栓症は、血管内溶血の結果として血流中に放出された遊離ヘモグロビンによるNOの除去、および/または血小板の終末補体による活性化を引き起こす、血小板表面のCD59の欠如に関連すると考えられる症状である。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は血流中の遊離ヘモグロビンの量を低減し、それによって血清のNOレベルを増加させ、そして血栓症を低減する。それに加えて、補体の阻害は、血小板の終末補体による活性化および血栓症を防止する。血小板および内皮細胞上のC5aレセプターを介して血小板凝集を誘導し得るC5aも、本方法によって阻害される。
【0058】
血栓症は、遊離ヘモグロビンによるNOの除去、循環血小板の表面における終末補体阻害の欠如、および細胞フリーのヘムによる内皮表面における変化を含み、病因論において多因子性であると考えられる。遊離ヘモグロビンの血管内放出が、小血管の血栓症に直接寄与し得る。NOは、血小板凝集を阻害し、凝集した血小板の分解を誘導し、そして血小板の接着を阻害することが示されてきた。逆に、ヘモグロビンによるNOの除去、またはアルギニン代謝の阻害によるNO生成の低減は、血小板凝集の増加を引き起こす。PNH血小板また、終末補体インヒビターCD59を欠き、そして複数の研究が、終末補体(C5b−9)の血小板への沈着が、膜の小胞生成および微小胞の生成を引き起こすことを示した。微小胞は、凝固成分Va、Xa因子またはプロトロンビナーゼ複合体の生成の場として作用する。これらの粒子も、PNHにおける血栓症の起源に寄与し得ると考えられる。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は血流中の遊離ヘモグロビンの量を低減し、それによって血清のNOレベルを増加させ、そして血栓症を低減する。それに加えて、C5において補体を阻害することは、血小板および/または内皮細胞のC5b−9およびC5aによる活性化を防止する。
【0059】
特に有用な実施態様において、特に1マイクロリットルあたり40,000を超える、好ましくは1マイクロリットルあたり75,000を超える、最も好ましくは1マイクロリットルあたり150,000を超える血小板数を有する患者において、本方法は血栓症を低減する。他の実施態様において、本方法は、被験体の全赤血球含有量のうちPNHIII型赤血球の割合が10%より高い、好ましくは25%より高い、より好ましくは50%を超える、最も好ましくは75%を超える患者において、血栓症を低減する。さらに他の実施態様において、本方法は、1リットルあたり80×10を超える、より好ましくは1リットルあたり120×10を超える、最も好ましくは1リットルあたり150×10を超える網状赤血球数を有する患者において、輸血血栓症を低減する。
【0060】
さらに別の局面において、貧血を低減する方法が企図され、その方法は、溶血性疾患を有する、または感受性の被験体に、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を投与する工程を含む。貧血の低減は、人が貧血を有する時間が、約25%またはそれより多く低減されることを意味する。溶血性疾患における貧血は、赤血球量の損失に起因する血液の酸素を運ぶ能力の低減から起こる。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は、赤血球レベルが増加するのを助け、それによって貧血を低減する。
【0061】
別の局面において、補体感受性III型赤血球の割合、そして従って溶血性疾患に罹患した患者における全赤血球数を増加させる方法が企図される。患者のRBC数を増加させることによって、疲労、貧血および患者の輸血に対する必要性が低減される。輸血の低減は、輸血の頻度の低減、輸血される血液ユニットの量の低減、または両方の低減であり得る。
【0062】
溶血性疾患に罹患した患者において赤血球数を増加させる方法は、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を、溶血性疾患に罹患した患者に投与する工程を含む。特に有用な実施態様において、本方法は、溶血性疾患に罹患した患者、特に1マイクロリットルあたり40,000を超える、好ましくは1マイクロリットルあたり75,000を超える、最も好ましくは1マイクロリットルあたり150,000を超える血小板数を有する患者において赤血球数を増加させる。他の実施態様において、本方法は、被験体の全赤血球含有量のうちPNHIII型赤血球の割合が10%より高い、好ましくは25%より高い、より好ましくは50%を超える、最も好ましくは75%を超える、溶血性疾患に罹患した患者において赤血球数を増加させる。さらに他の実施態様において、本方法は、1リットル当たり80×10を超える、より好ましくは1リットル当たり120×10を超える、最も好ましくは1リットル当たり150×10を超える網状赤血球数を有する、溶血性疾患に罹患した患者において赤血球数を増加させる。いくつかの実施態様において、本開示の方法は、約50%の輸血頻度の減少を、典型的には約70%の輸血頻度の減少を、より典型的には約90%の輸血頻度の減少を引き起こし得る。
【0063】
さらに別の局面において、本開示は、化合物を被験体に投与することによって、溶血性疾患に罹患した被験体を、より輸血に非依存性に、または輸血非依存性にする方法を企図し、その化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物、および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群から選択される。当業者が認識するように、赤血球の正常なライフサイクルは約120日である。赤血球の長い半減期を考慮して、輸血非依存性の評価のためには、6ヶ月またはそれより長くの処置が必要である。何人かの患者において、赤血球の120日間のライフサイクルを大きく超えて、輸血非依存性が12ヶ月またはそれより長く、ある場合には2年より長く、維持され得ることが、予期せず見出された。特に有用な実施態様において、本方法は、溶血性疾患に罹患した患者、特に1マイクロリットルあたり40,000を超える、好ましくは1マイクロリットルあたり75,000を超える、最も好ましくは1マイクロリットルあたり150,000を超える血小板数を有する患者において、輸血に対する依存性の減少または輸血非依存性を提供する。他の実施態様において、本方法は、被験体の全赤血球含有量のうちPNHIII型赤血球の割合が10%より高い、好ましくは25%より高い、より好ましくは50%を超える、最も好ましくは75%を超える、溶血性疾患に罹患した患者において、輸血に対する依存性の減少または輸血非依存性を提供する。さらに他の実施態様において、本方法は、1リットル当たり80×10を超える、より好ましくは1リットル当たり120×10を超える、最も好ましくは1リットル当たり150×10を超える網状赤血球数を有する、溶血性疾患に罹患した患者において、輸血に対する依存性の減少または輸血非依存性を提供する。
【0064】
PNHまたは他の何らかの溶血性疾患を有する患者において一酸化窒素(NO)レベルを増加させる方法も、本開示の範囲内である。NOレベルを増加させるこれらの方法は、1種以上の補体成分に結合し、または他の方法でその生成および/または活性をブロックする化合物を、溶血性疾患を有する、または感受性の被験体に投与する工程を含む。低いNOレベルは、PNHまたは他の溶血性疾患に罹患した患者において、血管内溶血の結果として血流中に放出された遊離ヘモグロビンによるNOの除去の結果として起こる。赤血球の溶解を低減することによって、本方法は血流中の遊離ヘモグロビン量を低減し、それによって血清のNOレベルを増加させる。特に有用な実施態様において、NOの欠損に起因する症状の解決によって証明されるように、NOのホメオスタシスは回復する。
【実施例】
【0065】
(実施例)
11人の患者が、抗C5抗体のPNHおよびそれに伴う症状に対する効果を評価するための治療トライアルに参加した。PNH患者は、輸血依存性および溶血性であった。12ヶ月以内に4回またはそれより多くの輸血の履歴で、患者を輸血依存性と規定した。患者のプール内の輸血数の中央値は、過去12ヶ月で9回であった。過去12ヶ月に使用された輸血ユニット数の中央値は、患者プールに対して24であった。
【0066】
4週間の過程で、11人の患者はそれぞれ、毎週600mgの抗C5抗体の静脈内注射を約30分間受けた。その研究で使用された特定の抗C5抗体は、エクリズマブであった。患者は1週間後に900mg、次いで900mgのエクリズマブを隔週で受けた。研究の最初の12週間は、パイロットスタディを構成した。最初の急性期12週間研究が終了した後、全ての患者は全部で64週間行われた延長研究に参加した。11人のうち10人の患者が、全部で2年間行われた延長研究に参加した。
【0067】
抗C5抗体処置のPNH III型赤血球(「RBC」)に対する効果を試験した。「PNH型」は、細胞表面に発現したGPIで固定されたタンパク質の濃度を指す。I型は正常な発現、II型は中間の発現、およびIII型は細胞表面にGPIアンカータンパク質の発現を有さない。GPI欠損細胞の割合を、Richardsら、Clin.Appl.Immunol.Rev.第1巻、315−330頁、2001において記載された様式で、フローサイトメトリーによって決定する。処置前の状態と比較して、PNH III型赤血球は、延長研究の間に50%より多く増加した。全赤血球の36.7%であった研究前の平均値から、58.4%のIII型赤血球の64週の平均値への増加は、溶血が急激に減少したことを示す。下記の表1を参照のこと。エクリズマブ治療 は、PNH III型RBCを、補体による溶解から保護し、細胞の生存を延長した。このPNHに影響された細胞の保護は、トライアルの全ての患者において、輸血の必要性、発作、および溶血全体を低減した。
【0068】
【表1】

2年間の延長研究の過程で、完全なGPI結合タンパク質の欠損を有するPNH赤血球(III型赤血球)は、36.7%から58.9%の平均値へ(p=0.001)、処置期間の間に連続的に増加し、一方部分的に欠損したPNH赤血球(II型)は5.3%から8.7%に増加した(p=0.01)ことが見出された。エクリズマブ治療の間にいずれの患者においても、PNH好中球の割合に付随した変化はなく、PNH赤血球の割合の増加は、PNHクローンそれ自身の変化より、溶血および輸血の低減によるものであったことを示す。
【0069】
乳酸デヒドロゲナーゼレベル(「LDH」)に対する抗C5抗体処置の効果を、11人の患者全てで測定した。LDHは、ピルビン酸および乳酸の相互変換を触媒する。赤血球はグルコースを乳酸へ代謝し、それは血中へ放出され、そして肝臓によって取り込まれる。LDHレベルは、溶血の客観的指標として使用される。LDHレベルは、処置前レベルと比較して、80%より多く減少した。LDHレベルは、処置前の平均値3111U/Lから、パイロットスタディの間に594U/Lの平均値へ、そして64週後に622U/Lの平均値へ減少した(64週の比較に関してp=0.002;図1Aおよび1Bを参照のこと)。
【0070】
同様に、赤血球溶血の別のマーカーであるアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)レベルは、ベースライン平均値の76IU/Lから、処置12週および64週の間にそれぞれ26IU/Lおよび30IU/Lに減少した(64週の比較でp=0.02)。ハプトグロブリン、ヘモグロビン、およびビリルビンのレベル、および網状赤血球数は、64週の処置期間の間に研究前の値から有意に変化しなかった。
【0071】
発作の発生率を測定し、そして処置前レベルと比較した。本開示において使用される発作は、1−10のスケールで6またはそれより高い比色定量レベルを有する暗色尿の出現として規定される。図2は、処置前および処置中にPNHを有する患者において血色素尿の発作の出現をモニターするために考案された、尿色スケールを示す。処置前レベルと比較して、発作発生率のパーセントは、エクリズマブ処置前の1ヶ月あたり患者あたり3.0発作から、最初の12週間に1ヶ月あたり患者あたり0.1発作、および64週の処置の間に1ヶ月あたり患者あたり0.2発作まで、93%低減された(図3を参照のこと)(図3(p<0.001))。
【0072】
11人の患者のうち9人における血清溶血活性は、約35μg/ml〜350μg/mlの範囲の平衡状態におけるエクリズマブのトラフレベルで、64週の処置期間中、完全にブロックされた。延長研究の間に、2人の患者が、一貫して補体をブロックするのに必要なエクリズマブのレベルを維持しなかった。この血清溶血活性におけるブレークスルーは、14日の投与間隔の最後の2日間に起こり、そのパターンは複数の投与の間に繰り返された。患者の一人において、図4で見られるように、補体阻害のブレークスルーは、血色素尿、嚥下障害、およびLDHおよびASTの上昇を引き起こし、それは血清溶血活性の回復と関連していた。次の投与において、症状は解決し(図5)、そして900mgを14日ごとから900mgを12日ごとへの投与間隔の短縮が、補体コントロールの回復を引き起こし、それは両方の患者において64週までの延長研究にわたって維持された。この患者は、嚥下障害および血色素尿の24時間の回復を示した。14日から12日への投与間隔の短縮が、両方の患者に関して、延長研究の残りの間、エクリズマブレベルを35μg/mlより上に維持し、そして血清溶血活性を有効にそして一貫してブロックするのに十分であった。
【0073】
患者の輸血に対する必要性も、エクリズマブによる処置によって低減された。図6aは、血球減少症の患者に関して、抗C5抗体による処置前および処置中の、1ヶ月あたり患者あたりに必要な輸血ユニットの数を比較し、一方図6bは、非血球減少症の患者に関して、抗C5抗体による処置前および処置中の、1ヶ月あたり患者あたりに必要な輸血ユニットの数を比較する。輸血に対する必要性の有意な減少が、グループ全体において注目され(平均輸血率は、処置前1年の間に1ヶ月あたり患者あたり2.1ユニットから、最初の12週間に1ヶ月あたり患者あたり0.6ユニット、およびあわせた64週の処置期間中に1ヶ月あたり患者あたり0.5ユニットまで減少した)、非血小板減少症の患者が最も利益を得た。実際、正常な血小板数(1マイクロリットルあたり≧150,000)を有する非血小板減少症の患者のうち4人が、64週間の処置中に輸血非依存性になった。
【0074】
エリスロポエチン(EPO)と組み合わせて投与されたエクリズマブの効果も、血小板減少症患者で評価した。EPO(NeoRecormon(登録商標)、Roche Pharmaceuticals、Basal、Switzerland)を、18,000I.U.の量で、研究の23週から初めて1週間に3回投与した。図7に示すように、この患者に必要な輸血の頻度は、有意に低減され、そしてすぐに停止した。
【0075】
2年間の延長研究に関して、最初の3ヶ月の研究から11人の患者のうち10人が、1週間おきに900mgのエクリズマブを受け続けた。(1人の患者は、23ヶ月後にエクリズマブ処置を中止した。)11人の患者のうち6人が、正常な血小板を有しており(骨髄機能不全の臨床的証拠なし)、一方11人のうち5人が低い血小板を有していた。23ヵ月後にエクリズマブ処置を中止した患者に関して、血管内溶血はエクリズマブによってうまくコントロールされたが、その患者はエリスロポエチン処置の後でさえ輸血を受け続けた。この患者は、エクリズマブ治療の開始時に30×10/lより低い血小板数で最も重症の形成不全を有しており、継続する輸血は、おそらく根底にある骨髄機能不全の結果であったことを示唆する。
【0076】
2年間の延長研究の結果はまた、患者の輸血必要性において、統計学的に有意な減少が存在したことも示した。3人の患者は、2年間の処置期間全体の間、輸血非依存性のままであり、そして4人の血球減少症の患者は輸血非依存性になり、3人はEPO(NeoRecormon(登録商標))による処置の後になった。輸血必要性の減少は、良好な骨髄の予備力を有する患者において、最も明白であることが見出された。
【0077】
薬力学的レベルをエクリズマブの投与量によって測定および記録した。エクリズマブの薬力学的分析を、標準的な全ヒト血清補体溶血アッセイにおいて、患者血清サンプルのニワトリ赤血球を溶解する能力を測定することによって決定した。簡単には、患者サンプルまたはヒトコントロール血清(Quidel、San Diego、CA)を、ゼラチンベロナール緩衝化生理食塩水(GVB2+、Advanced Research Technologies、San Diego、CA)で、40%vol/volに希釈し、そして各ウェルの血清の最終濃度が20%であるように、96ウェルプレートに3組加えた。次いでプレートを室温でインキュベートし、一方ニワトリ赤血球(Lampire
Biologics、Malvern、PA)を洗浄した。ニワトリ赤血球を、抗ニワトリ赤血球ポリクローナル抗体(0.1%vol/vol)を加えることによって感作した。次いで細胞を洗浄し、そしてGVB2+緩衝液に再懸濁した。ニワトリ赤血球(2.5×10細胞/30μL)を、ヒトコントロール血清または患者サンプルを含むプレートに加え、そして37℃で30分間インキュベートした。各プレートは、さらに6つのウェルの同様に調製したニワトリ赤血球を含み、そのうち4つのウェルをブランクとして2mMのEDTAを含む20%血清とインキュベートし、そして2つのウェルを自然発生的な溶血のネガティブコントロールとしてGVB2+緩衝液単独とインキュベートした。次いでプレートを遠心し、そして上清を新しい平底96ウェルプレートへ移した。ヘモグロビンの放出を、マイクロプレートリーダーを用いて、OD415nmで決定した。溶血パーセントを、以下の式を用いて決定した:
【0078】
【表2】

薬力学のグラフ(図8)、生理学的効果の研究は、時間につれた血清溶血活性のパーセンテージ(すなわち細胞溶解のパーセンテージ)を示す。細胞溶解は、エクリズマブ処置中、患者の大部分で、正常血清補体活性の20%未満まで劇的に低減された。2人の患者が、補体活性のブレークスルーを示したが、投与間隔を12日に短縮することによって、補体阻害が永続的に回復した(図4を参照のこと)。
【0079】
生活の質の問題の改善も、European Organization for Research and Treatment of Cancer Core(http://www.eortc.be)質問表(「EORTC QLQ−C30」)を用いて評価した。参加している患者のそれぞれが、エクリズマブ処置前および処置中にQLQ−30質問表を完成した。全体的な健康状態、身体的機能、役割機能、感情機能、認知機能、疲労、疼痛、呼吸困難および不眠において、総合的な改善が観察された(図9を参照のこと)。
【0080】
2年間の研究における患者は、PNHに関係する有害な症状の減少を経験した。例えば、図10で述べるように、エクリズマブの投与前にそれらの症状を報告した患者において、エクリズマブの投与後、腹痛、嚥下障害、および勃起不全の減少が示された。
【0081】
本発明の好ましいおよび他の実施態様が本明細書中で記載されたが、さらなる実施態様が、本発明の範囲から離れることなく、当業者によって認められ得る。
【産業上の利用可能性】
【0082】
例えば、本発明は、以下を提供する:
(項目1)
被験体において溶血性疾患を処置する方法であって、該方法は、抗C5抗体を溶血性疾患を有する被験体に投与する工程を包含し、ここで、該被験体において血色素尿症が低減される、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記抗C5抗体は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される、方法。
(項目3)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目4)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目5)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目6)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目7)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目8)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目9)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目10)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目11)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目12)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目13)
項目1に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目14)
被験体において溶血性疾患を処置する方法であって、該方法は、溶血性疾患を有する被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択され、ここで、該被験体において血色素尿症が低減される、方法。
(項目15)
項目14に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される、方法。
(項目16)
項目14に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目17)
項目14に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目18)
一酸化窒素(NO)ホメオスタシスを回復する方法であって、該方法は、抗C5抗体を溶血性疾患を有する被験体に投与する工程を包含する、方法。
(項目19)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記抗C5抗体は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される、方法。
(項目20)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目21)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目22)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目23)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目24)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目25)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目26)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目27)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目28)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目29)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目30)
項目18に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目31)
一酸化窒素(NO)ホメオスタシスを回復する方法であって、該方法は、溶血性疾患を有する被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される、方法。
(項目32)
項目31に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される、方法。
(項目33)
項目31に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目34)
項目31に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目35)
溶血性疾患を有する被験体における溶血を低減する方法であって、該方法は、抗C5抗体を投与する工程を包含し、ここで、該被験体の血流中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルにおける50%を超える低下からも明らかなように、溶血が低減される、方法。
(項目36)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血流中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルにおける65%を超える低下からも明らかなように、溶血が低減される、方法。
(項目37)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血流中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルにおける80%を超える低下からも明らかなように、溶血が低減される、方法。
(項目38)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記抗C5抗体は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される、方法。
(項目39)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目40)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目41)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目42)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目43)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目44)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目45)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目46)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目47)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目48)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目49)
項目35に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目50)
溶血性疾患を有する被験体における溶血を低下させる方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択され、ここで、該被験体の血流中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルにおける50%を超える低下からも明らかなように、溶血が低減される、方法。
(項目51)
項目50に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される、方法。
(項目52)
項目50に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目53)
項目50に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目54)
被験体において血色素尿症を低減する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目55)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目56)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目57)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目58)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目59)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目60)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目61)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目62)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目63)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目64)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目65)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目66)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目67)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目68)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目69)
項目54に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目70)
被験体において嚥下困難を低減する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物および1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目71)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目72)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目73)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目74)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目75)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目76)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目77)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目78)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目79)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目80)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目81)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目82)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目83)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目84)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目85)
項目70に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目86)
被験体において勃起機能不全を低減する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物および1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目87)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目88)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目89)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目90)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目91)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目92)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目93)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目94)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目95)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目96)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目97)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目98)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目99)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目100)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目101)
項目86に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目102)
被験体において血栓症を低減する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目103)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目104)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目105)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5aレセプター抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目106)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目107)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目108)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目109)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目110)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目111)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目112)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目113)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目114)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目115)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目116)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目117)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目118)
項目102に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目119)
被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合を増加させる方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目120)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目121)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目122)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目123)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目124)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球数のうちのPNH III型赤血球の割合が、約10%より高い、方法。
(項目125)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球数のうちのPNH III型赤血球の割合が、約25%より高い、方法。
(項目126)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球数のうちのPNH III型赤血球の割合が、約50%より高い、方法。
(項目127)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球数のうちのPNH III型赤血球の割合が、約75%より高い、方法。
(項目128)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目129)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目130)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目131)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目132)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目133)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目134)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目135)
項目119に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目136)
被験体において溶血を低減する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目137)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目138)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目139)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目140)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目141)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目142)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目143)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目144)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目145)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目146)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目147)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目148)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目149)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目150)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目151)
項目136に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目152)
溶血性疾患に苦しむ被験体において一酸化窒素(NO)欠乏症を処置する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目153)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目154)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目155)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目156)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目157)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目158)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目159)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目160)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目161)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目162)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目163)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目164)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目165)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目166)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目167)
項目152に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目168)
輸血非依存性の溶血性疾患に苦しむ被験体の状態を好転させる方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目169)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目170)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目171)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目172)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目173)
項目168に記載の方法であって、造血を増大させる1種以上の化合物を前記化合物と組み合わせて投与する工程をさらに包含する、方法。
(項目174)
項目173に記載の方法であって、ここで、前記造血を増大させる1種以上の化合物は、ステロイド、免疫抑制薬、抗凝固薬、葉酸、鉄、エリスロポエチン(EPO)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)および抗リンパ球グロブリン(ALG)からなる群より選択される、方法。
(項目175)
項目173に記載の方法であって、ここで、前記EPOは、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体と組み合わせて投与される、方法。
(項目176)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、前記化合物の最初の投与から6ヶ月間にわたって輸血非依存性である、方法。
(項目177)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、前記化合物の最初の投与から12ヶ月間にわたって輸血非依存性である、方法。
(項目178)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、前記化合物の最初の投与から2年間にわたって輸血非依存性である、方法。
(項目179)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目180)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目181)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目182)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目183)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目184)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目185)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目186)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目187)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目188)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目189)
項目168に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目190)
溶血性疾患に苦しむ被験体を処置する方法であって、該方法は、以下:
1)1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、1種以上の化合物;
2)造血を増大させる1種以上の化合物
を組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
(項目191)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記造血を増大させる1種以上の化合物は、ステロイド、免疫抑制薬、抗凝固薬、葉酸、鉄、エリスロポエチン(EPO)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)および抗リンパ球グロブリン(ALG)からなる群より選択される、方法。
(項目192)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記EPOは、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体と組み合わせて投与される、方法。
(項目193)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記EPOは、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物と組み合わせて投与される工程を包含する、方法。
(項目194)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記EPOは、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物と組み合わせて投与される工程を包含する、方法。
(項目195)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目196)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目197)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目198)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目199)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目200)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目201)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目202)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目203)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目204)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目205)
項目190に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目206)
溶血性疾患を有する被験体において溶血を低減する方法であって、該方法は、該被験体に抗C5抗体を投与する工程を包含し、ここで、該被験体の血流中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルにおける正常値の上限の20%以内の低下からも明らかなように、溶血が低減される、方法。
(項目207)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記抗C5抗体は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される、方法。
(項目208)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目209)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目210)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目211)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目212)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目213)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目214)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目215)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目216)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目217)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目218)
項目206に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目219)
溶血性疾患を有する被験体において溶血を低減する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択され、ここで、該被験体の血流中の乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)レベルにおける正常値の上限の20%以内の低下からも明らかなように、溶血が低減される、方法。
(項目220)
項目219に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される、方法。
(項目221)
項目219に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目222)
項目219に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目223)
溶血性疾患を有する被験体において溶血を低減する方法であって、該方法は、抗C5抗体を投与する工程を包含し、ここで、血清補体溶血活性が、血清溶血アッセイからも明らかなように、少なくとも80%低下される、方法。
(項目224)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記抗C5抗体は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される、方法。
(項目225)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目226)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目227)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目228)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目229)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目230)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目231)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目232)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目233)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目234)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目235)
項目223に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目236)
溶血性疾患を有する被験体において溶血を低減する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択され、ここで、血清補体溶血活性が、血清溶血アッセイからも明らかなように、少なくとも80%低下される、方法。
(項目237)
項目236に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される、方法。
(項目238)
項目236に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目239)
項目236に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目240)
被験体において腹痛を低減する方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目241)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記化合物を投与する工程は、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目242)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記化合物は、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目243)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目244)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目245)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目246)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目247)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目248)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目249)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目250)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目251)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目252)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目253)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目254)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目255)
項目240に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。
(項目256)
溶血性疾患に苦しむ被験体によって必要とされる輸血の頻度を減少させる方法であって、該方法は、該被験体に化合物を投与する工程を包含し、該化合物は、1種以上の補体成分に結合する化合物、1種以上の補体成分の生成をブロックする化合物および1種以上の補体成分の活性をブロックする化合物からなる群より選択される、方法。
(項目257)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記輸血の頻度が、約50%減少する、方法。
(項目258)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記輸血の頻度が、約70%減少する、方法。
(項目259)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記輸血の頻度が、約90%減少する、方法。
(項目260)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗C5抗体を投与する工程を包含する、方法。
(項目261)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体である、方法。
(項目262)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、抗体、可溶性補体抑制性化合物、タンパク質、タンパク質フラグメント、ペプチド、低分子、RNAアプタマー、L−RNAアプタマー、スピーゲルマー、アンチセンス化合物、セリンプロテアーゼインヒビター、二本鎖RNA、低分子干渉RNA、ロックされた核酸インヒビター、およびペプチド核酸インヒビターからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目263)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記投与する工程が、CR1、LEX−CR1、MCP、DAF、CD59、H因子、コブラ毒因子、FUT−175、コンプレスタチン、およびK76 COOHからなる群より選択される化合物を投与する工程を包含する、方法。
(項目264)
項目256に記載の方法であって、造血を増大させる1種以上の化合物を前記化合物と組み合わせて投与する工程をさらに包含する、方法。
(項目265)
項目264に記載の方法であって、ここで、前記造血を増大させる1種以上の化合物は、ステロイド、免疫抑制薬、抗凝固薬、葉酸、鉄、エリスロポエチン(EPO)、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)および抗リンパ球グロブリン(ALG)からなる群より選択される、方法。
(項目266)
項目264に記載の方法であって、ここで、前記EPOは、h5G1.1−mAb、h5G1.1−scFvおよびh5G1.1の機能的フラグメントからなる群より選択される抗C5抗体と組み合わせて投与される、方法。
(項目267)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、10%より高い、方法。
(項目268)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、25%より高い、方法。
(項目269)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の総赤血球含量のうちのIII型赤血球の割合が、50%より高い、方法。
(項目270)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり40,000個より多い、方法。
(項目271)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり75,000個より多い、方法。
(項目272)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の血小板数は、1マイクロリットルあたり150,000個より多い、方法。
(項目273)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり80×10個より多い、方法。
(項目274)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり120×10個より多い、方法。
(項目275)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体の網状赤血球数は、1リットルあたり150×10個より多い、方法。
(項目276)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、40%より高いPNH III型顆粒球クローンを有する、方法。
(項目277)
項目256に記載の方法であって、ここで、前記被験体は、ヒトにおける正常LDHレベルの上限の1.5倍以上のLDHレベルを有する、方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。

【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1A】
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【公開番号】特開2011−126917(P2011−126917A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−65075(P2011−65075)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【分割の表示】特願2006−551599(P2006−551599)の分割
【原出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(503102674)アレクシオン ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (51)
【Fターム(参考)】