溶解ウェーハ製造プロセス、およびスペーシング・メサを持つ支持基板を有する関連マイクロ電気機械デバイス
【課題】本発明の方法は、より正確に画定された機械部材および/または電気機械部材を有するMEMSデバイスを製造するためのプロセスを提供する。
【解決手段】本発明の方法は、部分犠牲基板および支持基板を提供することにより始まる。結果として生じるMEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を、支持基板上方に間隔を置いて配置するために、支持基板上にメサが形成される。部分犠牲基板ではなく支持基板上にメサを形成することにより、部分犠牲基板の内面がエッチングされずに平面のままで残るため、機械部材および/または電気機械部材を、部分犠牲基板からより正確に形成することができる。したがって、部分犠牲基板の平面の内面を通して溝を正確にエッチングして、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を画定することができる。
【解決手段】本発明の方法は、部分犠牲基板および支持基板を提供することにより始まる。結果として生じるMEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を、支持基板上方に間隔を置いて配置するために、支持基板上にメサが形成される。部分犠牲基板ではなく支持基板上にメサを形成することにより、部分犠牲基板の内面がエッチングされずに平面のままで残るため、機械部材および/または電気機械部材を、部分犠牲基板からより正確に形成することができる。したがって、部分犠牲基板の平面の内面を通して溝を正確にエッチングして、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を画定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、マイクロ電気機械デバイス、およびデバイスを製造するための方法に関する。特に、本発明は、マイクロ電気機械デバイスの種々の機械部材および/または電気機械部材を画定する部分犠牲基板のドープ領域を支持するための、メサを含む支持基板を有する、マイクロ電気機械デバイス、およびデバイスを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
従来、機械システムおよび/または電気機械システムの小型化は、小型軽量の機械部品または電気機械部品の製造上の限界によって阻まれていた。部品が複雑であるため、小規模での製造が困難で実現不可能となっていた。例えば、最近まで、重い大型のジンバル・システムが、航空宇宙工業で航法案内システムに使用されていた。これらのシステムは、金属製の、一般に大型で重い機械部品を含んでいた。しかし、機械部品が複雑であるため、航法案内システムの小型化は困難となっていた。
【0003】
しかし、近年、半導体製造手順の一般化および高精度化に伴い、機械システムの多くの機械構造および電気機械構造の代わりに、半導体製造技術により製造されるマイクロ電気機械構造(MEMS)を使用することができるようになっている。例えば、ジンバル・システムの代わりに、1つまたは複数のMEMSデバイスを含むジャイロスコープが使用されているものがある。これらのジャイロスコープの例がGreiff他の米国特許第5650568号に記載されており、その内容を参照により本明細書に組み入れる。
【0004】
Greiff他の第’568号特許は、慣性空間で回転速度を検出するためのジンバル式振動ホイール・ジャイロスコープを記載している。従来の、より大型の重い機械システムの典型的なジンバルの代わりに、軽量小型のMEMSデバイスが使用されている。ジャイロスコープの種々の機械部品および/または電気機械部品を形成するこれらのMEMSデバイスは、従来の半導体技術により製造される。その後、ジャイロスコープの電気的特性を使用して、これらの部品に電力を供給し、これらの部品から信号を受け取る。
【0005】
機械システムおよび電気機械システムのためのMEMSデバイスを使用する重要な利点は、金属部品を使用する従来の機械システムを超えて、小型化および軽量化を達成できることである。しかし、前記したジンバル・システム等の多くの機械システムおよび電気機械システムは、必要な正確さを持って適切に動作するために、正確に製造しなければならない多くの可動部品を有する。したがって、金属部品の代わりに半導体製造技術によって製造されたMEMSデバイスを使用する能力は、半導体製造技術で達成可能な正確さによって制限される。現在の半導体製造技術を使用してMEMSデバイスを製造しているが、これらの製造手順は、以下にGreiff他の第’568号特許に関して記載するいくつかの制限をもたらす。
【0006】
これに関し、図1A〜図1Dは、従来の半導体製造技術によりMEMSデバイスを製造するための、従来の方法を示している。これらの図に示すプロセスは、溶解ウェーハ・プロセス(DWP)として一般に公知であり、Greiff他の第’568号特許に記載されている。
【0007】
特に、図1Aに関し、シリコン基板10および支持基板12が示されている。典型的なMEMSデバイスでは、シリコン基板をエッチングして、デバイスの機械部材および/または電気機械部材を形成する。機械部材および/または電気機械部材は、一般に、機械部材および/または電気機械部材が自由に移動できるように、支持基板上方に支持される。この支持基板は、典型的にPYREX(登録商標)ガラス等の絶縁材料から製造される。
【0008】
図1Aに示すように、初めに支持部材14がシリコン基板の内面からエッチングされる。これらの支持部材は、メサとして一般に公知であり、適宜にパターニングされたフォトレジスト16の層を通して露出される、シリコン基板内面のこれらの部分を、水酸化カリウム(KOH)等を用いてエッチングすることにより形成される。十分な高さのメサ14が形成されるまで、エッチングを続けることが好ましい。
【0009】
図1Bに関し、次に、シリコン基板のエッチングされた内面18がホウ素等を用いてドープされ、シリコン基板10がドープ領域20と非ドープ犠牲領域22との両方を有するように、所定深さのドープ領域20を提供する。図1Cに関し、次いで、反応イオン・エッチング(RIE)等により、シリコン基板10のドープ領域20を通って延びる溝が形成される。これらの溝はMEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を形成する。
【0010】
図1A〜図1Cに示すように、支持基板12も初めにエッチングされ、金属電極26および導電性トレース(図示せず)が支持基板の内面上に形成される。これらの電極および導電性トレースは、次に、MEMSデバイスの種々の機械部材および/または電気機械部材に電気接続される。
【0011】
一旦支持基板12が処理されて電極および導電性トレースが形成されると、シリコン基板10と支持基板12とが結合される。図1Dに関し、シリコン基板と支持基板とが、陽極結合等により、メサ14上の接触面28で結合されている。最終ステップとして、結果として生じるMEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を含むドープ領域のみが残るように、シリコン基板の非ドープ犠牲領域22がエッチングされ除去される。したがって、シリコン基板から外側に延びるメサは、機械部材および/または電気機械部材を、支持基板上方に、部材が自由に移動できるように支持する。更に、支持基板により形成された電極は、メサが電極と接触することにより、機械部材および/または電気機械部材に電気接続する。
【0012】
当業者に公知であるように、シリコン基板10のドープ領域20を通して溝を反応イオン・エッチングするステップは、結果として生じる溝が部分犠牲基板の内面に正確に配置されること、および溝の幅および壁が非常に正確に形成されることが確実となるように制御しなければならない。例えば、RIEによって形成される溝は、一般に、所定の幅の0.1〜0.2ミクロンの公差内で形成しなければならない。更に、溝がドープ領域を貫通して延びていることが重要である。したがって、シリコン基板の内面は平面でなければならず、ドープ領域は所定の厚さでなければならない。シリコン基板10を、平面の内面を有するように初めに形成することはできるが、その後、シリコン基板の内面がエッチングされてメサ14を形成する。残念なことに、エッチング・プロセスにより、表面はもはや平面ではなくなり、いくつかの表面むらが生じる。したがって、表面が平面ではなくなるので、次のRIEステップで、部分犠牲基板の内面ドープ領域上に正確に配置された溝を生成することができず、また溝の壁を非常に正確にエッチングすることもできない。更に、次のRIEステップで、ドープ領域を貫通して延びる溝を生成することができず、またはシリコン基板の非ドープ犠牲領域内まで延びすぎてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、RIEにより形成された溝が、犠牲シリコン基板のドープ領域を貫通して延び、シリコン基板のドープ領域の内面に正確に配置され、正確に画定された壁を有するように、シリコン基板の平面の内面を通してRIEを行うことによって、種々の機械部材および/または電気機械部材を分離する、半導体製造技術を使用して、MEMSデバイスを製造するための方法が必要である。更に、ジャイロスコープの機械部品および/または電気機械部品が高精度で製造される、慣性空間で回転速度を検出するためのジンバル式振動ホイール・ジャイロスコープを製造するための方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の概要)
以下に述べるように、本発明のMEMSデバイスを形成するための方法、および関連するMEMSデバイスは、従来の方法に関連する不備を克服している。特に、本発明の方法は、結果として生じる溝が寸法、位置、および深さに関して正確に画定されるように、RIE等により、平面の部分犠牲基板の内面を通してエッチングすることによって、MEMSデバイスの種々の機械部材および/または電気機械部材を分離する。特に、部分犠牲基板のドープ領域と支持基板とから主に構成されるMEMSデバイスに関して、本発明の方法は、部分犠牲基板ではなく支持基板から支持メサをエッチングする。部分犠牲基板の内面ではなく支持基板からメサをエッチングすることにより、部分犠牲基板の内面が、正確な機械部材および/または電気機械部材を分離するエッチング手順のために、平面のままで残る。したがって、機械部材および/または電気機械部材を有するMEMSデバイスを確実に製造することができる。
【0015】
更に、本発明は、そこから外側に延びるメサを有する支持基板を含む、MEMSデバイスを提供する。また、本発明のMEMSデバイスは、メサにより支持される機械部材および/または電気機械部材がそこから形成される、部分犠牲基板を含む。メサが、部分犠牲基板ではなく支持基板から形成されるので、部分犠牲基板の内面が、後のエッチングのために平面のままで残り、機械部材および/または電気機械部材を分離する。
【0016】
本発明によれば、平面の内面を有する部分犠牲基板を初めに提供する、MEMSデバイスを形成するための方法によって、これらおよび他の利点が提供される。部分犠牲基板がドープ領域と非ドープ犠牲領域との両方を含むように、部分犠牲基板がドープされ、ドープ領域は部分犠牲基板の内面に隣接している。また、本発明の方法は、部分犠牲基板を支持するための、典型的に誘電材料から形成された支持基板を提供する。部分犠牲基板を支持基板上方に吊るすために、本発明の方法は、メサが支持基板の内面の残りの部分から外側に延びるように、支持基板上に少なくとも1つのメサを形成するステップを含む。
【0017】
本発明の方法は、更に、部分犠牲基板が支持基板の残りの部分の上方に吊るされ、部分犠牲基板のドープ領域が支持基板と向かい合わせになるように、部分犠牲基板の内面をメサに結合するステップを含む。支持基板上にメサを形成することにより、部分犠牲基板の内面が平面のままで残るので、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を容易に形成できるようになる。
【0018】
本発明の方法は、更に、部分犠牲基板が支持基板のメサに結合された後に、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域を溶解または除去するステップを含む。部分犠牲基板の非ドープ領域を除去することにより、部分犠牲基板のドープ領域から形成された機械部材および/または電気機械部材が自由に移動できるようになる。更に、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域を除去することにより、結果として生じるMEMSデバイスによる熱の保持性が低下する。
【0019】
本発明の別の重要な態様は、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材と適宜の電気接続を確立することである。この接続を容易にするために、本発明の方法は、メサ表面の少なくとも一部の上に導電材料を配置して、一旦部分犠牲基板と支持基板とが結合されたら、部分犠牲基板のドープ領域に電気連通する電極を形成するステップを含む。その後電極は、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材と電気接続を確立することができる。
【0020】
1つの有利な実施形態によれば、本発明の方法は、一組の傾斜した側壁間を延びる接触面を有する、少なくとも1つのメサを形成するステップを含む。したがって、導電材料を、接触面の少なくとも一部、およびメサの少なくとも1つの傾斜した側壁の上に配置することができる。メサの側壁が傾斜しているので、金属材料をメサ上により容易に配置することができる。
【0021】
本発明の方法の更なる実施形態では、メサの所定位置に対応する位置で、支持基板の表面上にフォトレジスト層を塗布することにより、傾斜した側壁を有するメサが形成される。フォトレジスト層の寸法を、メサの各ベースの寸法に近付けることが好ましい。本実施形態の方法は、更に、結果として生じるメサが一組の傾斜した側壁間を延びる接触面を有するように、フォトレジスト層の寸法を同時に次第に減少させながら、支持基板の露出した表面をエッチングするステップを含む。エッチング・プロセス中にフォトレジスト層が縮むので、各メサの接触面は対応するベースよりも小さくなる。
【0022】
本発明はまた、正確に画定された機械部材および/または電気機械部材を有するMEMSデバイスを提供する。本実施形態のMEMSデバイスは、内面を有する半導体基板を含む。本発明のMEMSデバイスは、更に、半導体基板を支持するための、少なくとも1つの外側に延びるメサを有する、典型的に誘電材料から形成された支持基板を含む。各メサは、半導体基板が支持基板の残りの部分の上方に吊るされるように、半導体基板を支持する接触面を含む。メサが、支持基板から外側に延び、したがって、半導体基板上からエッチングされないので、MEMSデバイスは正確に画定された機械部材および/または電気機械部材を含むことができる。
【0023】
MEMSデバイスのメサは2つの傾斜した側壁間を延びる接触面を含むことができる。更に、傾斜した側壁によって、電極およびトレースを形成する金属材料を、より容易に配置することができるようになるため、本実施形態のMEMSデバイスは、接触面とメサの少なくとも1つの傾斜された側壁との両方に形成された電極を含むことができる。
【0024】
したがって、本発明の製造方法および関連MEMSデバイスは、支持基板からエッチングされたメサを提供する。支持基板からメサをエッチングすることにより、結果として生じるMEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を、より正確かつ確実に部分犠牲基板から形成することができるように、部分犠牲基板の内面が平面のままで残る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】MEMSデバイスを形成するための従来の方法の、一連の横断面図である。
【図1B】MEMSデバイスを形成するための従来の方法の、一連の横断面図である。
【図1C】MEMSデバイスを形成するための従来の方法の、一連の横断面図である。
【図1D】MEMSデバイスを形成するための従来の方法の、一連の横断面図である。
【図2A】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2B】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2C】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2D】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2E】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2F】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図3】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを製造するために行われる動作のブロック図である。
【図4】本発明の1つの実施形態による、支持基板上にメサを形成するために行われる動作のブロック図である。
【図5】本発明の1つの実施形態による、支持基板上に電極を形成するために行われる動作のブロック図である。
【図6】本発明の1つの実施形態による、部分犠牲基板のドープ領域から、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を形成するために行われる動作のブロック図である。
【図7】本発明の1つの実施形態による、傾斜した側壁を有するメサを支持基板上に形成するために行われる動作のブロック図である。
【図8】本発明の1つの実施形態による、振動ホイール・ジャイロスコープの平面図である。
【図9】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図10】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図11】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図12】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図13】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図14】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図15】図8のジャイロスコープの部分横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
次に、本発明の1つの好ましい実施形態を図示する添付図面を参照しながら、本明細書で以後、本発明をより明確に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。そうではなく、本開示を綿密かつ完全なものにし、当業者に本発明の範囲を明確に提示するためにこの実施形態を提供する。図面を通じて同じ参照番号が同じ要素を表す。
【0027】
本発明の方法は、機械および/または電気機械部材を精密かつ信頼可能な様式で離隔する、またはその他の方法で形成することができるように部分犠牲基板の内面の平坦性を維持することによって、精密に画定された機械および/または電気機械部材を有する独自のMEMSデバイスを製造する。図2A〜2Fに、本発明によるMEMSデバイスを製造するために実施される操作の方法およびデバイスの1つの有利な実施形態を例示する。図2A〜2F、および図3のブロック図を参照すると、本発明の製造方法は、内面30aおよび外面30bを有する部分犠牲基板30を提供するステップを含む(ステップS100参照)。好ましい実施形態では部分犠牲基板がシリコンであり、しかしこの部分犠牲基板は、ガリウム砒素やゲルマニウムなど、ドープ領域を形成するためにドープすることができる任意の特定の材料からなっていてよい。
【0028】
本発明の方法はさらに、部分犠牲基板が、内面30aに隣接するドープ領域32と、外面30bに隣接する非ドープ犠牲領域34との両方を含むように、部分犠牲基板の一部分をドープするステップ(ステップS120)を含む。部分犠牲基板は、内面を基準として所定の深さまで、例えば10ミクロンまでドーパントでドープされる。
【0029】
1つの好ましい実施形態では、ドーパントは、当技術分野でよく知られている拡散法によって部分犠牲基板内に添加される。ただし、本発明の方法はこの技法に限定されず、したがって、部分犠牲基板の内面に隣接するドープ領域を、当技術分野で知られている任意の方法によって形成することができる。さらに、例示実施形態では部分犠牲基板がホウ素ドーパントでドープされているが、ドーパントは、部分犠牲基板内部にドープ領域を形成する任意のタイプのドーパントからなっていてよい。
【0030】
図2Aおよび3を参照すると、本発明の方法はまた、支持基板36を提供するステップを含む(ステップS130参照)。好ましい実施形態では、支持基板がPYREX(登録商標)ガラスなど誘電体材料から形成され、それにより支持基板はまた、MEMSデバイスを電気的に絶縁する。しかし、半導体材料を含めた任意の所望の材料から支持基板を形成することができることを理解されたい。
【0031】
また、図2Aおよび3を参照すると、本発明の方法は、支持基板の数区画をエッチングし、それにより支持基板36の内面36aから外方向に延在するメサ38を形成するステップを含む(ステップS140参照)。図2Aおよび4を参照すると、まず支持基板の内面に感光性層または被膜(図示せず)を配置することによってメサを形成する。当業者には知られているように、この感光性被膜は通常、フォトレジストと呼ばれている(ステップS142参照)。その後、感光性被膜をマスクによって少なくとも部分的にカバーし、感光性被膜の露出部分を照明する(ステップS144参照)。この点で、通常、UV光源によって感光性被膜を照明するが、感光性被膜を露光することができる任意の特定の光源によって感光性被膜を照明することができる。
【0032】
感光性材料の一部分を露光した後、Shiply現像液凝縮物など現像液溶液に感光性被膜を露出することによって感光性被膜の一部分を除去する(ステップS145参照)。当業者には知られているように、ポジティブ感光性被膜またはネガティブ感光性被膜のどちらを利用するかに応じて、それぞれ露光された感光性被膜の一部分、または露光されていない感光性被膜の一部分を除去する。次いで、反応性イオン・エッチング(RIE)などにより、残余感光性被膜によってカバーされていない支持基板の部分をエッチングする(ステップS146参照)。エッチング・プロセスは、メサが所望の高さを有するようにメサ38を取り囲む支持基板の一部分が除去されるまで続く。その後、感光性層の残余部分を除去する(ステップS147参照)。
【0033】
図2B、2C、および3を参照すると、支持基板上にメサ38を形成した後、本発明の方法はさらに、支持基板36の内面36a上、特にメサ38上に金属材料を堆積して電極42を形成するステップを含む(ステップS150参照)。ただし、メサに堆積された金属がメサの表面の上方に延在しすぎるのを防止するために、まずメサを選択的にエッチングして、金属を堆積することができる凹部領域を画定する。図2B、2C、および5を参照すると、メサ38上に電極を形成するステップは、支持基板36の内面36a上に感光性材料(図示せず)を配置し、金属が堆積されない内面36aの領域のみを感光性材料がカバーするように感光性材料をパターニングするステップを含む。すなわち、エッチングされ、その後、金属で被覆される支持基板の内面の部分は、パターニングされた感光性材料によってカバーされず、したがって露出している(ステップS152、S154、およびS155参照)。本発明の方法はさらに、事前定義されたパターンで凹部領域46を形成するために、例えばBOEによって支持基板の内面の露出部分をエッチングするステップを含む(ステップ156参照)。
【0034】
図2Cおよび5を参照すると、本発明の方法はさらに、エッチングされた凹部46内に金属材料を堆積して、電極42および導電トレース(図示せず)を形成するステップを含む(ステップS158参照)。当技術分野で知られているように、電極およびトレースは、チタン、白金、および金の多層堆積など任意の導電材料からなっていてよく、スパッタリングなど任意の適切な技法によって堆積することができる。その後、感光性層の残余部分を除去する(ステップS159参照)。
【0035】
図2Cおよび3を参照すると、部分犠牲基板の内面もエッチングして、結果として得られるMEMSデバイスの機械および/または電気機械部材を離隔する、またはその他の方法で形成する(ステップS160参照)。前述したように、機械および/または電気機械部材を形成するための処置は、精密な寸法を有する部材を信頼可能に形成することができるように厳しい公差を必要とする。特に、部分犠牲基板の内面ではなく支持基板上にメサが形成されるので、機械および/または電気機械部材を形成するために後でエッチングされる部分犠牲基板の内面の部分が少なくとも平坦であり、それにより機械および/または電気機械部材の精密な形成が容易になる。
【0036】
詳細には、図2C、2D、および6を参照すると、機械および/または電気機械部材は、はじめに部分犠牲基板の内面を感光性層48で被覆することによって形成する(ステップS161参照)。最終的にエッチングすべき領域を画定するマスクで感光性層をカバーした後、感光性層の露出部分を照明する(ステップS162参照)。マスクを除去した後、最終的にエッチングされる部分犠牲基板の内面の領域を感光性層の残余部分51がカバーしないように、感光性層50の一部分を除去する(ステップS163参照)。
【0037】
図2Eを参照すると、次いで、部分犠牲基板の内面の露出部分をRIEエッチングなどによってエッチングして、部分犠牲基板のドープ領域を介するトレンチを形成する(ステップS164参照)。以下に説明するように、トレンチ間に延在する部分犠牲基板のドープ領域が、結果として得られるMEMSデバイスの(1つまたは複数の)機械および/または電気機械部材を形成する。エッチングしたトレンチによってMEMSデバイスの機械および/または電気機械部材を画定した後、本発明の方法は、部分犠牲基板の内面から残余感光性材料51を除去する(ステップ165参照)。
【0038】
図2Fおよび3を参照すると、本発明の方法はまた、メサの表面に堆積された電極を含めたメサと接触するように部分犠牲基板の内面を配置するステップを含む(ステップS170参照)。次いで、部分犠牲基板とメサの結合が形成される(ステップS180参照)。1つの好ましい実施形態では結合が陽極結合であり、しかし結合は、固定係合を提供する任意のタイプのものであってよいことを理解されたい。
【0039】
また、機械および/または電気機械部材が回転し、移動し、かつ湾曲することができるように、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域を除去することもしばしば有利である。この技法は通常、溶解ウェハ・プロセス(DWP)と呼ばれる。したがって、一実施形態では、本発明の方法はさらに、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域を除去するステップを含む(ステップS190参照)。非ドープ犠牲領域の除去は通常、例えばエチレンジアミンピロカテキン(EDP)エッチング・プロセスを用いて非ドープ犠牲領域をエッチング除去することによって実施され、しかし任意のドーピング/選択性エッチング処置を使用することができる。
【0040】
上述したように、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域の除去はいくつかの利点を提供する。例えば、この材料の除去により、ドープ領域からエッチングされた機械および/または電気機械部材が、支持基板に関して移動または湾曲するように移動の自由度を有する。さらに、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域の除去はまた、機械および/または電気機械部材を、ドープ領域を介してエッチングされたトレンチの外側にある部分犠牲基板のドープ領域の残余部分から切り離す。
【0041】
図2Aを参照すると、一組の傾斜側壁58間に延在する接触面56を有するメサ38を提供することがしばしば有利である。これら傾斜側壁58により、側壁を上がって接触面まで金属を「ステップ」させることによって、接触面と少なくとも一方のメサ側壁とに金属を堆積することができる。
【0042】
メサが任意の幾何形状を取ることができることに留意することが重要である。例えば、この実施形態では、メサが角錐形状で形成されているが、メサの断面形状は、特定の適用例での必要に応じて、八角形や円柱形など他の形状を取ることもできる。さらに、傾斜側壁を一組の傾斜側壁と呼んでいるが、いくつかの適用例では、一組の側壁の一方のみが傾斜している場合もあることを理解されたい。
【0043】
傾斜側壁を有するメサを作成するのに必要な操作を例示する図7を参照すると、本発明のこの実施形態の方法は、メサの最終的な位置に対応する位置のみをカバーするようにパターニングされた感光性層を支持基板の内面に塗布するステップを含む(ステップS200、S202、およびS204参照)。したがって、感光性層はいくつかのパッドから形成されており、各パッドがそれぞれメサを画定する。各パッドは、それぞれのメサの基部の寸法に近似するように寸法を取られている。本発明の方法はさらに、支持基板の露出された内面をエッチングするステップを含む(ステップS206参照)。エッチング・ステップが実施されるとき、エッチャントは感光性層もエッチングし、それにより、フォトレジストの様々な部分の寸法サイズが徐々に低減する(ステップS208参照)。図2Aに示されるように、パッドのサイズがこのように徐々に低減してメサ38を作成し、各メサが、一組の傾斜側壁58と、それらの間に延在する接触面40とを有する。図示したように、接触面40はメサの基部54よりも寸法サイズが小さい。
【0044】
本発明は、MEMSデバイスを作成する方法に加えて、例えば図2Fに示されるような結果として得られるMEMSデバイスも対象とする。方法に関連して上述したように、本発明の結果として得られるMEMSデバイスは、第1の内面30aを含む半導体基板30を含む。前述したように、半導体基板は、シリコン、ガリウム砒素、ゲルマニウムなどからなっていてよく、第1の内面30aに隣接するドープ領域32を有する。半導体基板のドープ領域がMEMSデバイスの機械部材を形成する。さらに、通常、ドープ領域はホウ素でドープされるが、この領域をインジウム、タリウム、アルミニウムなど他のドーパントでドープすることもできる。
【0045】
さらに、本発明のこの実施形態のMEMSデバイスは支持基板36を含む。支持基板は半導体基板を吊る働きをし、それにより半導体基板によって画定される機械および/または電気機械部分が、より高い移動または湾曲の自由度を有する。しかし、支持基板はまた、例えばMEMSデバイスの機械および/または電気機械部分に関する電気絶縁体またはヒート・シンクとして働くことによって、他の機能を実施することもできる。したがって、支持基板は通常、PYREX(登録商標)ガラスなど誘電体材料から形成される。
【0046】
本発明のMEMSデバイス、より具体的には支持基板はさらに、少なくとも1つのメサ38を含む。このメサは、支持基板36の残りの部分から外方向に延在し、半導体基板36を支持する働きをする。前述したように、メサ38が半導体基板とは対照的に支持基板上に形成されるので、半導体基板の内面は高い平坦性を維持し、半導体基板のドープ領域を介するトレンチの精密かつ制御されたエッチングを容易にする。上述したように、メサは、半導体基板の内面30aを支持する接触面56を含み、それにより半導体基板は、支持基板38の残りの部分を覆うように吊られる。
【0047】
本発明のMEMSデバイスの一実施形態では、電極42がメサ38上に形成され、MEMSデバイスの機械および/または電気機械部材への電気的接続を提供する。本発明の1つの好ましい実施形態では、メサは、一組の傾斜側壁58間に延在する接触面56を含む。この実施形態では、メサの接触面56と少なくとも一方の傾斜側壁58とに電極が堆積される。したがって、結果として得られる電極は、当該のメサの側壁上に露出して、電気的接触を容易にする。
【0048】
上述したように、メサの接触面56は半導体基板の内面30aを支持する。いくつかの実施形態では、メサの接触面と半導体基板の内面を結合する、またはその他の方法で接合するる。例えば、メサの接触面と半導体基板の内面とを陽極結合などによって結合することができる。
【0049】
前述したように、MEMSデバイスは様々な適用例で使用されている。特に、1つの適用例は、Greiff他の米国特許第5650568号に記載されているものなど、ジンバル式振動ホイール・ジャイロスコープである。Greiff他の特許に記述されており、かつ図8に例示するように、ジャイロスコープは、半導体基板からエッチングされた複数の機械および/または電気機械部材を含む。これらの部材は通常、ホイール・アセンブリまたは回転子62と、固定子64と、複数のフィンガ状部材68で終端する複数の駆動電極66a〜hとを含む。本発明によれば、Greiff他の特許とは異なり、これらの部材は、支持基板から外方向に延在する複数のメサ70a〜hによって支持基板(図示せず)を覆うように支持されている。
【0050】
図8に示されるように、回転子62は、一対のポスト・アセンブリ74aおよび74bによって支持基板を覆うように吊られている中心ハブ72と、複数のスポーク76a〜dと、複数のフィンガ状部材80がそこから延在する外側ホイールまたはリム78とを含む。回転子のフィンガ状部材80は、固定子64によって静電作動するために固定子64のフィンガ状部材68と交互配置されている。各スポーク74a〜bが、それぞれボックス形歪緩和部分82a〜dを含む。
【0051】
各ポスト・アセンブリ74aおよび74bがそれぞれ、支持ポスト84aおよび84bと、出力湾曲部86aおよび86bとも呼ばれるポスト湾曲部86aおよび86bとを含む。駆動回路(図示せず)も固定子駆動電極66a〜hに結合されている。
【0052】
駆動電極66a〜hの通電時、ホイール・アセンブリ62のリム78が駆動軸88の周りでアセンブリの平面内で振動する、または回転振動する。ジャイロスコープは、自己振動様式で操作することができ、あるいは開ループで操作することができる。ホイール・リム78が回転振動しているとき、ジャイロスコープが取り付けられているビークルの入力軸90に関する回転率のばらつきにより、ホイール・アセンブリのリムが、出力軸92の周りでジャイロスコープの平面外へ歪曲する。
【0053】
入力軸90に沿って複数の感知領域94a、94bがホイール・アセンブリ62のリム78から延在する。感知電極94a、94bは、支持基板上であって、それぞれの感知領域94a、94bの下方に配設され、アセンブリ62の平面外への歪曲を感知する。
【0054】
Greiffの特許に記述されているように、これらのジャイロスコープは通常、以下に述べる溶解ウェハ・プロセス(DWP)を使用して構成される。しかし、任意のマイクロ電気機械製造プロセスを使用して本発明の改良型ジャイロスコープを製造することができることを理解されたい。
【0055】
はじめに図9を参照すると、支持基板200が、厚さ約750ミクロンで提供される。一実施形態では、支持基板200はPYREX(登録商標)ガラスなどのガラスからなる。上述したように、支持基板は、従来のリソグラフィ・プロセスにしたがってパターニングされエッチングされた内面または上面202を有して、ジャイロスコープの他の部分を支持するメサ204を提供する。
【0056】
次に図10を参照すると、500ミクロン程度の厚さを有する半導体基板206を、はじめに所定の深さまで、例えば約10ミクロンまでドープして、ドープ領域208および非ドープ犠牲領域210を提供する。例示実施形態では、領域208はホウ素でドープされている。このホウ素ドープ領域208が、最終的にジャイロスコープのホイール・アセンブリ62を形成する。
【0057】
図11を参照すると、その後、半導体基板をパターニングし、例えばRIEエッチングによってエッチングして、特定の適用例の要件にしたがってホイール・アセンブリ62を画定する。例示実施形態では、図10の半導体基板のエッチングにより、軸C(図8参照)に沿った外側リム78の一部分を提供する領域212および214が形成され、さらに、図示したように間隔を空けて配置された領域212および214から中心部分が離隔される。領域212と214の間のドープ領域208の部分216が、ジャイロスコープの中心ハブ72(図8参照)および出力湾曲部86aおよび86bを形成する。
【0058】
次に、図11および12を参照すると、上述した製造ステップに続いて、入力軸A(図8)に沿って取られたジャイロスコープの断面が図示されている。より具体的には、図11で、半導体基板206は、やはりホウ素ドープ領域208を有するように示されている。軸Aに沿ったジャイロスコープのこの断面は、図10の領域212および214と同様の領域を介して切断していないことに留意されたい。
【0059】
図10の構造が形成されるRIEエッチングはさらに、図12に示されるように、軸Aに沿って3つの領域218、220、および222を形成する。中心領域220は中心ハブ72を形成し(図8参照)、間隔を空けて配置された領域218および222は、ホイール・アセンブリ62の外側リム78の部分を形成する。
【0060】
また、図13を参照すると、軸B(図8)に沿ったジャイロスコープの断面が示される。図10および12に示される構造が形成されるRIEエッチングは、軸Bに沿って図13の構造を生み出す。より具体的には、エッチング・ステップは、図示したようにホウ素ドープ領域206を介して切断する。ホウ素ドープ領域206の残余部分がスポーク湾曲部74bおよび74dと、中心ハブ72と、交互配置されたホイール・アセンブリ62のフィンガ状部材80および固定子64のフィンガ状部材68とを形成する。
【0061】
図15を参照すると、図8の完全なジャイロスコープの断面図が、軸Cに沿って取られて示されている。感知電極94aおよび94bが、支持基板200の上面202を覆うように形成されている。感知電極94aおよび94bは、チタン、白金、および金の多層堆積など任意の適切な導電材料からなっていてよく、スパッタリングなど任意の適切な技法によって堆積することができる。また、導電トレース224が支持基板200の上面202に提供され、メサ上の接触面226からメサの少なくとも1つの側壁228を下って支持基板202のエッジ部分まで延在する。さらに、トレース224は、駆動信号を駆動電極に印加するための駆動電極66a〜h(図示せず)への電気的接続を提供する。
【0062】
感知電極94aおよび94bと導電トレース224とを形成するために支持基板200を処理した後、図10〜14の断面で様々な軸に沿って示されたホイール・アセンブリ構造を、支持基板200のメサの接触面226に結合する。より具体的には、半導体基板を逆さにし、陽極結合によって支持基板200に結合する。図示していないが、半導体基板の任意の非ドープ領域210を例えばDWPによって除去することができることを理解されたい。したがって、ホイール・アセンブリ62および固定子64は、支持基板の上面から外方向に延在するメサによって、図17に示されるように支持基板200を覆うように吊られている。図17の図に示されるホイール・アセンブリ62の機構は、中心ハブ72と、出力湾曲部86aおよび86bと、出力リム78と、回転子フィンガ状電極80とを含む。
【0063】
前述し、図9および17に図示したように、本発明のジャイロスコープは、半導体基板206とは対照的に支持基板200に形成されたメサを含む。メサが支持基板からエッチングされるので、半導体基板の内面は、結果として得られるジャイロスコープの機械および/または電気機械部材を画定するトレンチを形成する前に平坦性を維持している。
【0064】
本発明が属する技術分野の当業者には、前述の説明および添付図面に提示された教示の利点を有する本発明の多くの修正形態および他の実施形態が想起されよう。したがって、本発明は開示した特定の実施形態に限定されず、修正形態および他の実施形態が、頭記の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとすることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用したが、それらは単に一般的かつ説明的な意味で使用しており、限定を加えるものではない。
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、マイクロ電気機械デバイス、およびデバイスを製造するための方法に関する。特に、本発明は、マイクロ電気機械デバイスの種々の機械部材および/または電気機械部材を画定する部分犠牲基板のドープ領域を支持するための、メサを含む支持基板を有する、マイクロ電気機械デバイス、およびデバイスを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
従来、機械システムおよび/または電気機械システムの小型化は、小型軽量の機械部品または電気機械部品の製造上の限界によって阻まれていた。部品が複雑であるため、小規模での製造が困難で実現不可能となっていた。例えば、最近まで、重い大型のジンバル・システムが、航空宇宙工業で航法案内システムに使用されていた。これらのシステムは、金属製の、一般に大型で重い機械部品を含んでいた。しかし、機械部品が複雑であるため、航法案内システムの小型化は困難となっていた。
【0003】
しかし、近年、半導体製造手順の一般化および高精度化に伴い、機械システムの多くの機械構造および電気機械構造の代わりに、半導体製造技術により製造されるマイクロ電気機械構造(MEMS)を使用することができるようになっている。例えば、ジンバル・システムの代わりに、1つまたは複数のMEMSデバイスを含むジャイロスコープが使用されているものがある。これらのジャイロスコープの例がGreiff他の米国特許第5650568号に記載されており、その内容を参照により本明細書に組み入れる。
【0004】
Greiff他の第’568号特許は、慣性空間で回転速度を検出するためのジンバル式振動ホイール・ジャイロスコープを記載している。従来の、より大型の重い機械システムの典型的なジンバルの代わりに、軽量小型のMEMSデバイスが使用されている。ジャイロスコープの種々の機械部品および/または電気機械部品を形成するこれらのMEMSデバイスは、従来の半導体技術により製造される。その後、ジャイロスコープの電気的特性を使用して、これらの部品に電力を供給し、これらの部品から信号を受け取る。
【0005】
機械システムおよび電気機械システムのためのMEMSデバイスを使用する重要な利点は、金属部品を使用する従来の機械システムを超えて、小型化および軽量化を達成できることである。しかし、前記したジンバル・システム等の多くの機械システムおよび電気機械システムは、必要な正確さを持って適切に動作するために、正確に製造しなければならない多くの可動部品を有する。したがって、金属部品の代わりに半導体製造技術によって製造されたMEMSデバイスを使用する能力は、半導体製造技術で達成可能な正確さによって制限される。現在の半導体製造技術を使用してMEMSデバイスを製造しているが、これらの製造手順は、以下にGreiff他の第’568号特許に関して記載するいくつかの制限をもたらす。
【0006】
これに関し、図1A〜図1Dは、従来の半導体製造技術によりMEMSデバイスを製造するための、従来の方法を示している。これらの図に示すプロセスは、溶解ウェーハ・プロセス(DWP)として一般に公知であり、Greiff他の第’568号特許に記載されている。
【0007】
特に、図1Aに関し、シリコン基板10および支持基板12が示されている。典型的なMEMSデバイスでは、シリコン基板をエッチングして、デバイスの機械部材および/または電気機械部材を形成する。機械部材および/または電気機械部材は、一般に、機械部材および/または電気機械部材が自由に移動できるように、支持基板上方に支持される。この支持基板は、典型的にPYREX(登録商標)ガラス等の絶縁材料から製造される。
【0008】
図1Aに示すように、初めに支持部材14がシリコン基板の内面からエッチングされる。これらの支持部材は、メサとして一般に公知であり、適宜にパターニングされたフォトレジスト16の層を通して露出される、シリコン基板内面のこれらの部分を、水酸化カリウム(KOH)等を用いてエッチングすることにより形成される。十分な高さのメサ14が形成されるまで、エッチングを続けることが好ましい。
【0009】
図1Bに関し、次に、シリコン基板のエッチングされた内面18がホウ素等を用いてドープされ、シリコン基板10がドープ領域20と非ドープ犠牲領域22との両方を有するように、所定深さのドープ領域20を提供する。図1Cに関し、次いで、反応イオン・エッチング(RIE)等により、シリコン基板10のドープ領域20を通って延びる溝が形成される。これらの溝はMEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を形成する。
【0010】
図1A〜図1Cに示すように、支持基板12も初めにエッチングされ、金属電極26および導電性トレース(図示せず)が支持基板の内面上に形成される。これらの電極および導電性トレースは、次に、MEMSデバイスの種々の機械部材および/または電気機械部材に電気接続される。
【0011】
一旦支持基板12が処理されて電極および導電性トレースが形成されると、シリコン基板10と支持基板12とが結合される。図1Dに関し、シリコン基板と支持基板とが、陽極結合等により、メサ14上の接触面28で結合されている。最終ステップとして、結果として生じるMEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を含むドープ領域のみが残るように、シリコン基板の非ドープ犠牲領域22がエッチングされ除去される。したがって、シリコン基板から外側に延びるメサは、機械部材および/または電気機械部材を、支持基板上方に、部材が自由に移動できるように支持する。更に、支持基板により形成された電極は、メサが電極と接触することにより、機械部材および/または電気機械部材に電気接続する。
【0012】
当業者に公知であるように、シリコン基板10のドープ領域20を通して溝を反応イオン・エッチングするステップは、結果として生じる溝が部分犠牲基板の内面に正確に配置されること、および溝の幅および壁が非常に正確に形成されることが確実となるように制御しなければならない。例えば、RIEによって形成される溝は、一般に、所定の幅の0.1〜0.2ミクロンの公差内で形成しなければならない。更に、溝がドープ領域を貫通して延びていることが重要である。したがって、シリコン基板の内面は平面でなければならず、ドープ領域は所定の厚さでなければならない。シリコン基板10を、平面の内面を有するように初めに形成することはできるが、その後、シリコン基板の内面がエッチングされてメサ14を形成する。残念なことに、エッチング・プロセスにより、表面はもはや平面ではなくなり、いくつかの表面むらが生じる。したがって、表面が平面ではなくなるので、次のRIEステップで、部分犠牲基板の内面ドープ領域上に正確に配置された溝を生成することができず、また溝の壁を非常に正確にエッチングすることもできない。更に、次のRIEステップで、ドープ領域を貫通して延びる溝を生成することができず、またはシリコン基板の非ドープ犠牲領域内まで延びすぎてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって、RIEにより形成された溝が、犠牲シリコン基板のドープ領域を貫通して延び、シリコン基板のドープ領域の内面に正確に配置され、正確に画定された壁を有するように、シリコン基板の平面の内面を通してRIEを行うことによって、種々の機械部材および/または電気機械部材を分離する、半導体製造技術を使用して、MEMSデバイスを製造するための方法が必要である。更に、ジャイロスコープの機械部品および/または電気機械部品が高精度で製造される、慣性空間で回転速度を検出するためのジンバル式振動ホイール・ジャイロスコープを製造するための方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の概要)
以下に述べるように、本発明のMEMSデバイスを形成するための方法、および関連するMEMSデバイスは、従来の方法に関連する不備を克服している。特に、本発明の方法は、結果として生じる溝が寸法、位置、および深さに関して正確に画定されるように、RIE等により、平面の部分犠牲基板の内面を通してエッチングすることによって、MEMSデバイスの種々の機械部材および/または電気機械部材を分離する。特に、部分犠牲基板のドープ領域と支持基板とから主に構成されるMEMSデバイスに関して、本発明の方法は、部分犠牲基板ではなく支持基板から支持メサをエッチングする。部分犠牲基板の内面ではなく支持基板からメサをエッチングすることにより、部分犠牲基板の内面が、正確な機械部材および/または電気機械部材を分離するエッチング手順のために、平面のままで残る。したがって、機械部材および/または電気機械部材を有するMEMSデバイスを確実に製造することができる。
【0015】
更に、本発明は、そこから外側に延びるメサを有する支持基板を含む、MEMSデバイスを提供する。また、本発明のMEMSデバイスは、メサにより支持される機械部材および/または電気機械部材がそこから形成される、部分犠牲基板を含む。メサが、部分犠牲基板ではなく支持基板から形成されるので、部分犠牲基板の内面が、後のエッチングのために平面のままで残り、機械部材および/または電気機械部材を分離する。
【0016】
本発明によれば、平面の内面を有する部分犠牲基板を初めに提供する、MEMSデバイスを形成するための方法によって、これらおよび他の利点が提供される。部分犠牲基板がドープ領域と非ドープ犠牲領域との両方を含むように、部分犠牲基板がドープされ、ドープ領域は部分犠牲基板の内面に隣接している。また、本発明の方法は、部分犠牲基板を支持するための、典型的に誘電材料から形成された支持基板を提供する。部分犠牲基板を支持基板上方に吊るすために、本発明の方法は、メサが支持基板の内面の残りの部分から外側に延びるように、支持基板上に少なくとも1つのメサを形成するステップを含む。
【0017】
本発明の方法は、更に、部分犠牲基板が支持基板の残りの部分の上方に吊るされ、部分犠牲基板のドープ領域が支持基板と向かい合わせになるように、部分犠牲基板の内面をメサに結合するステップを含む。支持基板上にメサを形成することにより、部分犠牲基板の内面が平面のままで残るので、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を容易に形成できるようになる。
【0018】
本発明の方法は、更に、部分犠牲基板が支持基板のメサに結合された後に、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域を溶解または除去するステップを含む。部分犠牲基板の非ドープ領域を除去することにより、部分犠牲基板のドープ領域から形成された機械部材および/または電気機械部材が自由に移動できるようになる。更に、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域を除去することにより、結果として生じるMEMSデバイスによる熱の保持性が低下する。
【0019】
本発明の別の重要な態様は、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材と適宜の電気接続を確立することである。この接続を容易にするために、本発明の方法は、メサ表面の少なくとも一部の上に導電材料を配置して、一旦部分犠牲基板と支持基板とが結合されたら、部分犠牲基板のドープ領域に電気連通する電極を形成するステップを含む。その後電極は、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材と電気接続を確立することができる。
【0020】
1つの有利な実施形態によれば、本発明の方法は、一組の傾斜した側壁間を延びる接触面を有する、少なくとも1つのメサを形成するステップを含む。したがって、導電材料を、接触面の少なくとも一部、およびメサの少なくとも1つの傾斜した側壁の上に配置することができる。メサの側壁が傾斜しているので、金属材料をメサ上により容易に配置することができる。
【0021】
本発明の方法の更なる実施形態では、メサの所定位置に対応する位置で、支持基板の表面上にフォトレジスト層を塗布することにより、傾斜した側壁を有するメサが形成される。フォトレジスト層の寸法を、メサの各ベースの寸法に近付けることが好ましい。本実施形態の方法は、更に、結果として生じるメサが一組の傾斜した側壁間を延びる接触面を有するように、フォトレジスト層の寸法を同時に次第に減少させながら、支持基板の露出した表面をエッチングするステップを含む。エッチング・プロセス中にフォトレジスト層が縮むので、各メサの接触面は対応するベースよりも小さくなる。
【0022】
本発明はまた、正確に画定された機械部材および/または電気機械部材を有するMEMSデバイスを提供する。本実施形態のMEMSデバイスは、内面を有する半導体基板を含む。本発明のMEMSデバイスは、更に、半導体基板を支持するための、少なくとも1つの外側に延びるメサを有する、典型的に誘電材料から形成された支持基板を含む。各メサは、半導体基板が支持基板の残りの部分の上方に吊るされるように、半導体基板を支持する接触面を含む。メサが、支持基板から外側に延び、したがって、半導体基板上からエッチングされないので、MEMSデバイスは正確に画定された機械部材および/または電気機械部材を含むことができる。
【0023】
MEMSデバイスのメサは2つの傾斜した側壁間を延びる接触面を含むことができる。更に、傾斜した側壁によって、電極およびトレースを形成する金属材料を、より容易に配置することができるようになるため、本実施形態のMEMSデバイスは、接触面とメサの少なくとも1つの傾斜された側壁との両方に形成された電極を含むことができる。
【0024】
したがって、本発明の製造方法および関連MEMSデバイスは、支持基板からエッチングされたメサを提供する。支持基板からメサをエッチングすることにより、結果として生じるMEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を、より正確かつ確実に部分犠牲基板から形成することができるように、部分犠牲基板の内面が平面のままで残る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】MEMSデバイスを形成するための従来の方法の、一連の横断面図である。
【図1B】MEMSデバイスを形成するための従来の方法の、一連の横断面図である。
【図1C】MEMSデバイスを形成するための従来の方法の、一連の横断面図である。
【図1D】MEMSデバイスを形成するための従来の方法の、一連の横断面図である。
【図2A】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2B】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2C】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2D】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2E】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図2F】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを形成するために行われる動作を示す、一連の横断面図である。
【図3】本発明の1つの実施形態による、MEMSデバイスを製造するために行われる動作のブロック図である。
【図4】本発明の1つの実施形態による、支持基板上にメサを形成するために行われる動作のブロック図である。
【図5】本発明の1つの実施形態による、支持基板上に電極を形成するために行われる動作のブロック図である。
【図6】本発明の1つの実施形態による、部分犠牲基板のドープ領域から、MEMSデバイスの機械部材および/または電気機械部材を形成するために行われる動作のブロック図である。
【図7】本発明の1つの実施形態による、傾斜した側壁を有するメサを支持基板上に形成するために行われる動作のブロック図である。
【図8】本発明の1つの実施形態による、振動ホイール・ジャイロスコープの平面図である。
【図9】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図10】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図11】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図12】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図13】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図14】本発明の1つの実施形態による、種々の製造段階における図8のジャイロスコープの横断面図である。
【図15】図8のジャイロスコープの部分横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
次に、本発明の1つの好ましい実施形態を図示する添付図面を参照しながら、本明細書で以後、本発明をより明確に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態で実施することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。そうではなく、本開示を綿密かつ完全なものにし、当業者に本発明の範囲を明確に提示するためにこの実施形態を提供する。図面を通じて同じ参照番号が同じ要素を表す。
【0027】
本発明の方法は、機械および/または電気機械部材を精密かつ信頼可能な様式で離隔する、またはその他の方法で形成することができるように部分犠牲基板の内面の平坦性を維持することによって、精密に画定された機械および/または電気機械部材を有する独自のMEMSデバイスを製造する。図2A〜2Fに、本発明によるMEMSデバイスを製造するために実施される操作の方法およびデバイスの1つの有利な実施形態を例示する。図2A〜2F、および図3のブロック図を参照すると、本発明の製造方法は、内面30aおよび外面30bを有する部分犠牲基板30を提供するステップを含む(ステップS100参照)。好ましい実施形態では部分犠牲基板がシリコンであり、しかしこの部分犠牲基板は、ガリウム砒素やゲルマニウムなど、ドープ領域を形成するためにドープすることができる任意の特定の材料からなっていてよい。
【0028】
本発明の方法はさらに、部分犠牲基板が、内面30aに隣接するドープ領域32と、外面30bに隣接する非ドープ犠牲領域34との両方を含むように、部分犠牲基板の一部分をドープするステップ(ステップS120)を含む。部分犠牲基板は、内面を基準として所定の深さまで、例えば10ミクロンまでドーパントでドープされる。
【0029】
1つの好ましい実施形態では、ドーパントは、当技術分野でよく知られている拡散法によって部分犠牲基板内に添加される。ただし、本発明の方法はこの技法に限定されず、したがって、部分犠牲基板の内面に隣接するドープ領域を、当技術分野で知られている任意の方法によって形成することができる。さらに、例示実施形態では部分犠牲基板がホウ素ドーパントでドープされているが、ドーパントは、部分犠牲基板内部にドープ領域を形成する任意のタイプのドーパントからなっていてよい。
【0030】
図2Aおよび3を参照すると、本発明の方法はまた、支持基板36を提供するステップを含む(ステップS130参照)。好ましい実施形態では、支持基板がPYREX(登録商標)ガラスなど誘電体材料から形成され、それにより支持基板はまた、MEMSデバイスを電気的に絶縁する。しかし、半導体材料を含めた任意の所望の材料から支持基板を形成することができることを理解されたい。
【0031】
また、図2Aおよび3を参照すると、本発明の方法は、支持基板の数区画をエッチングし、それにより支持基板36の内面36aから外方向に延在するメサ38を形成するステップを含む(ステップS140参照)。図2Aおよび4を参照すると、まず支持基板の内面に感光性層または被膜(図示せず)を配置することによってメサを形成する。当業者には知られているように、この感光性被膜は通常、フォトレジストと呼ばれている(ステップS142参照)。その後、感光性被膜をマスクによって少なくとも部分的にカバーし、感光性被膜の露出部分を照明する(ステップS144参照)。この点で、通常、UV光源によって感光性被膜を照明するが、感光性被膜を露光することができる任意の特定の光源によって感光性被膜を照明することができる。
【0032】
感光性材料の一部分を露光した後、Shiply現像液凝縮物など現像液溶液に感光性被膜を露出することによって感光性被膜の一部分を除去する(ステップS145参照)。当業者には知られているように、ポジティブ感光性被膜またはネガティブ感光性被膜のどちらを利用するかに応じて、それぞれ露光された感光性被膜の一部分、または露光されていない感光性被膜の一部分を除去する。次いで、反応性イオン・エッチング(RIE)などにより、残余感光性被膜によってカバーされていない支持基板の部分をエッチングする(ステップS146参照)。エッチング・プロセスは、メサが所望の高さを有するようにメサ38を取り囲む支持基板の一部分が除去されるまで続く。その後、感光性層の残余部分を除去する(ステップS147参照)。
【0033】
図2B、2C、および3を参照すると、支持基板上にメサ38を形成した後、本発明の方法はさらに、支持基板36の内面36a上、特にメサ38上に金属材料を堆積して電極42を形成するステップを含む(ステップS150参照)。ただし、メサに堆積された金属がメサの表面の上方に延在しすぎるのを防止するために、まずメサを選択的にエッチングして、金属を堆積することができる凹部領域を画定する。図2B、2C、および5を参照すると、メサ38上に電極を形成するステップは、支持基板36の内面36a上に感光性材料(図示せず)を配置し、金属が堆積されない内面36aの領域のみを感光性材料がカバーするように感光性材料をパターニングするステップを含む。すなわち、エッチングされ、その後、金属で被覆される支持基板の内面の部分は、パターニングされた感光性材料によってカバーされず、したがって露出している(ステップS152、S154、およびS155参照)。本発明の方法はさらに、事前定義されたパターンで凹部領域46を形成するために、例えばBOEによって支持基板の内面の露出部分をエッチングするステップを含む(ステップ156参照)。
【0034】
図2Cおよび5を参照すると、本発明の方法はさらに、エッチングされた凹部46内に金属材料を堆積して、電極42および導電トレース(図示せず)を形成するステップを含む(ステップS158参照)。当技術分野で知られているように、電極およびトレースは、チタン、白金、および金の多層堆積など任意の導電材料からなっていてよく、スパッタリングなど任意の適切な技法によって堆積することができる。その後、感光性層の残余部分を除去する(ステップS159参照)。
【0035】
図2Cおよび3を参照すると、部分犠牲基板の内面もエッチングして、結果として得られるMEMSデバイスの機械および/または電気機械部材を離隔する、またはその他の方法で形成する(ステップS160参照)。前述したように、機械および/または電気機械部材を形成するための処置は、精密な寸法を有する部材を信頼可能に形成することができるように厳しい公差を必要とする。特に、部分犠牲基板の内面ではなく支持基板上にメサが形成されるので、機械および/または電気機械部材を形成するために後でエッチングされる部分犠牲基板の内面の部分が少なくとも平坦であり、それにより機械および/または電気機械部材の精密な形成が容易になる。
【0036】
詳細には、図2C、2D、および6を参照すると、機械および/または電気機械部材は、はじめに部分犠牲基板の内面を感光性層48で被覆することによって形成する(ステップS161参照)。最終的にエッチングすべき領域を画定するマスクで感光性層をカバーした後、感光性層の露出部分を照明する(ステップS162参照)。マスクを除去した後、最終的にエッチングされる部分犠牲基板の内面の領域を感光性層の残余部分51がカバーしないように、感光性層50の一部分を除去する(ステップS163参照)。
【0037】
図2Eを参照すると、次いで、部分犠牲基板の内面の露出部分をRIEエッチングなどによってエッチングして、部分犠牲基板のドープ領域を介するトレンチを形成する(ステップS164参照)。以下に説明するように、トレンチ間に延在する部分犠牲基板のドープ領域が、結果として得られるMEMSデバイスの(1つまたは複数の)機械および/または電気機械部材を形成する。エッチングしたトレンチによってMEMSデバイスの機械および/または電気機械部材を画定した後、本発明の方法は、部分犠牲基板の内面から残余感光性材料51を除去する(ステップ165参照)。
【0038】
図2Fおよび3を参照すると、本発明の方法はまた、メサの表面に堆積された電極を含めたメサと接触するように部分犠牲基板の内面を配置するステップを含む(ステップS170参照)。次いで、部分犠牲基板とメサの結合が形成される(ステップS180参照)。1つの好ましい実施形態では結合が陽極結合であり、しかし結合は、固定係合を提供する任意のタイプのものであってよいことを理解されたい。
【0039】
また、機械および/または電気機械部材が回転し、移動し、かつ湾曲することができるように、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域を除去することもしばしば有利である。この技法は通常、溶解ウェハ・プロセス(DWP)と呼ばれる。したがって、一実施形態では、本発明の方法はさらに、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域を除去するステップを含む(ステップS190参照)。非ドープ犠牲領域の除去は通常、例えばエチレンジアミンピロカテキン(EDP)エッチング・プロセスを用いて非ドープ犠牲領域をエッチング除去することによって実施され、しかし任意のドーピング/選択性エッチング処置を使用することができる。
【0040】
上述したように、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域の除去はいくつかの利点を提供する。例えば、この材料の除去により、ドープ領域からエッチングされた機械および/または電気機械部材が、支持基板に関して移動または湾曲するように移動の自由度を有する。さらに、部分犠牲基板の非ドープ犠牲領域の除去はまた、機械および/または電気機械部材を、ドープ領域を介してエッチングされたトレンチの外側にある部分犠牲基板のドープ領域の残余部分から切り離す。
【0041】
図2Aを参照すると、一組の傾斜側壁58間に延在する接触面56を有するメサ38を提供することがしばしば有利である。これら傾斜側壁58により、側壁を上がって接触面まで金属を「ステップ」させることによって、接触面と少なくとも一方のメサ側壁とに金属を堆積することができる。
【0042】
メサが任意の幾何形状を取ることができることに留意することが重要である。例えば、この実施形態では、メサが角錐形状で形成されているが、メサの断面形状は、特定の適用例での必要に応じて、八角形や円柱形など他の形状を取ることもできる。さらに、傾斜側壁を一組の傾斜側壁と呼んでいるが、いくつかの適用例では、一組の側壁の一方のみが傾斜している場合もあることを理解されたい。
【0043】
傾斜側壁を有するメサを作成するのに必要な操作を例示する図7を参照すると、本発明のこの実施形態の方法は、メサの最終的な位置に対応する位置のみをカバーするようにパターニングされた感光性層を支持基板の内面に塗布するステップを含む(ステップS200、S202、およびS204参照)。したがって、感光性層はいくつかのパッドから形成されており、各パッドがそれぞれメサを画定する。各パッドは、それぞれのメサの基部の寸法に近似するように寸法を取られている。本発明の方法はさらに、支持基板の露出された内面をエッチングするステップを含む(ステップS206参照)。エッチング・ステップが実施されるとき、エッチャントは感光性層もエッチングし、それにより、フォトレジストの様々な部分の寸法サイズが徐々に低減する(ステップS208参照)。図2Aに示されるように、パッドのサイズがこのように徐々に低減してメサ38を作成し、各メサが、一組の傾斜側壁58と、それらの間に延在する接触面40とを有する。図示したように、接触面40はメサの基部54よりも寸法サイズが小さい。
【0044】
本発明は、MEMSデバイスを作成する方法に加えて、例えば図2Fに示されるような結果として得られるMEMSデバイスも対象とする。方法に関連して上述したように、本発明の結果として得られるMEMSデバイスは、第1の内面30aを含む半導体基板30を含む。前述したように、半導体基板は、シリコン、ガリウム砒素、ゲルマニウムなどからなっていてよく、第1の内面30aに隣接するドープ領域32を有する。半導体基板のドープ領域がMEMSデバイスの機械部材を形成する。さらに、通常、ドープ領域はホウ素でドープされるが、この領域をインジウム、タリウム、アルミニウムなど他のドーパントでドープすることもできる。
【0045】
さらに、本発明のこの実施形態のMEMSデバイスは支持基板36を含む。支持基板は半導体基板を吊る働きをし、それにより半導体基板によって画定される機械および/または電気機械部分が、より高い移動または湾曲の自由度を有する。しかし、支持基板はまた、例えばMEMSデバイスの機械および/または電気機械部分に関する電気絶縁体またはヒート・シンクとして働くことによって、他の機能を実施することもできる。したがって、支持基板は通常、PYREX(登録商標)ガラスなど誘電体材料から形成される。
【0046】
本発明のMEMSデバイス、より具体的には支持基板はさらに、少なくとも1つのメサ38を含む。このメサは、支持基板36の残りの部分から外方向に延在し、半導体基板36を支持する働きをする。前述したように、メサ38が半導体基板とは対照的に支持基板上に形成されるので、半導体基板の内面は高い平坦性を維持し、半導体基板のドープ領域を介するトレンチの精密かつ制御されたエッチングを容易にする。上述したように、メサは、半導体基板の内面30aを支持する接触面56を含み、それにより半導体基板は、支持基板38の残りの部分を覆うように吊られる。
【0047】
本発明のMEMSデバイスの一実施形態では、電極42がメサ38上に形成され、MEMSデバイスの機械および/または電気機械部材への電気的接続を提供する。本発明の1つの好ましい実施形態では、メサは、一組の傾斜側壁58間に延在する接触面56を含む。この実施形態では、メサの接触面56と少なくとも一方の傾斜側壁58とに電極が堆積される。したがって、結果として得られる電極は、当該のメサの側壁上に露出して、電気的接触を容易にする。
【0048】
上述したように、メサの接触面56は半導体基板の内面30aを支持する。いくつかの実施形態では、メサの接触面と半導体基板の内面を結合する、またはその他の方法で接合するる。例えば、メサの接触面と半導体基板の内面とを陽極結合などによって結合することができる。
【0049】
前述したように、MEMSデバイスは様々な適用例で使用されている。特に、1つの適用例は、Greiff他の米国特許第5650568号に記載されているものなど、ジンバル式振動ホイール・ジャイロスコープである。Greiff他の特許に記述されており、かつ図8に例示するように、ジャイロスコープは、半導体基板からエッチングされた複数の機械および/または電気機械部材を含む。これらの部材は通常、ホイール・アセンブリまたは回転子62と、固定子64と、複数のフィンガ状部材68で終端する複数の駆動電極66a〜hとを含む。本発明によれば、Greiff他の特許とは異なり、これらの部材は、支持基板から外方向に延在する複数のメサ70a〜hによって支持基板(図示せず)を覆うように支持されている。
【0050】
図8に示されるように、回転子62は、一対のポスト・アセンブリ74aおよび74bによって支持基板を覆うように吊られている中心ハブ72と、複数のスポーク76a〜dと、複数のフィンガ状部材80がそこから延在する外側ホイールまたはリム78とを含む。回転子のフィンガ状部材80は、固定子64によって静電作動するために固定子64のフィンガ状部材68と交互配置されている。各スポーク74a〜bが、それぞれボックス形歪緩和部分82a〜dを含む。
【0051】
各ポスト・アセンブリ74aおよび74bがそれぞれ、支持ポスト84aおよび84bと、出力湾曲部86aおよび86bとも呼ばれるポスト湾曲部86aおよび86bとを含む。駆動回路(図示せず)も固定子駆動電極66a〜hに結合されている。
【0052】
駆動電極66a〜hの通電時、ホイール・アセンブリ62のリム78が駆動軸88の周りでアセンブリの平面内で振動する、または回転振動する。ジャイロスコープは、自己振動様式で操作することができ、あるいは開ループで操作することができる。ホイール・リム78が回転振動しているとき、ジャイロスコープが取り付けられているビークルの入力軸90に関する回転率のばらつきにより、ホイール・アセンブリのリムが、出力軸92の周りでジャイロスコープの平面外へ歪曲する。
【0053】
入力軸90に沿って複数の感知領域94a、94bがホイール・アセンブリ62のリム78から延在する。感知電極94a、94bは、支持基板上であって、それぞれの感知領域94a、94bの下方に配設され、アセンブリ62の平面外への歪曲を感知する。
【0054】
Greiffの特許に記述されているように、これらのジャイロスコープは通常、以下に述べる溶解ウェハ・プロセス(DWP)を使用して構成される。しかし、任意のマイクロ電気機械製造プロセスを使用して本発明の改良型ジャイロスコープを製造することができることを理解されたい。
【0055】
はじめに図9を参照すると、支持基板200が、厚さ約750ミクロンで提供される。一実施形態では、支持基板200はPYREX(登録商標)ガラスなどのガラスからなる。上述したように、支持基板は、従来のリソグラフィ・プロセスにしたがってパターニングされエッチングされた内面または上面202を有して、ジャイロスコープの他の部分を支持するメサ204を提供する。
【0056】
次に図10を参照すると、500ミクロン程度の厚さを有する半導体基板206を、はじめに所定の深さまで、例えば約10ミクロンまでドープして、ドープ領域208および非ドープ犠牲領域210を提供する。例示実施形態では、領域208はホウ素でドープされている。このホウ素ドープ領域208が、最終的にジャイロスコープのホイール・アセンブリ62を形成する。
【0057】
図11を参照すると、その後、半導体基板をパターニングし、例えばRIEエッチングによってエッチングして、特定の適用例の要件にしたがってホイール・アセンブリ62を画定する。例示実施形態では、図10の半導体基板のエッチングにより、軸C(図8参照)に沿った外側リム78の一部分を提供する領域212および214が形成され、さらに、図示したように間隔を空けて配置された領域212および214から中心部分が離隔される。領域212と214の間のドープ領域208の部分216が、ジャイロスコープの中心ハブ72(図8参照)および出力湾曲部86aおよび86bを形成する。
【0058】
次に、図11および12を参照すると、上述した製造ステップに続いて、入力軸A(図8)に沿って取られたジャイロスコープの断面が図示されている。より具体的には、図11で、半導体基板206は、やはりホウ素ドープ領域208を有するように示されている。軸Aに沿ったジャイロスコープのこの断面は、図10の領域212および214と同様の領域を介して切断していないことに留意されたい。
【0059】
図10の構造が形成されるRIEエッチングはさらに、図12に示されるように、軸Aに沿って3つの領域218、220、および222を形成する。中心領域220は中心ハブ72を形成し(図8参照)、間隔を空けて配置された領域218および222は、ホイール・アセンブリ62の外側リム78の部分を形成する。
【0060】
また、図13を参照すると、軸B(図8)に沿ったジャイロスコープの断面が示される。図10および12に示される構造が形成されるRIEエッチングは、軸Bに沿って図13の構造を生み出す。より具体的には、エッチング・ステップは、図示したようにホウ素ドープ領域206を介して切断する。ホウ素ドープ領域206の残余部分がスポーク湾曲部74bおよび74dと、中心ハブ72と、交互配置されたホイール・アセンブリ62のフィンガ状部材80および固定子64のフィンガ状部材68とを形成する。
【0061】
図15を参照すると、図8の完全なジャイロスコープの断面図が、軸Cに沿って取られて示されている。感知電極94aおよび94bが、支持基板200の上面202を覆うように形成されている。感知電極94aおよび94bは、チタン、白金、および金の多層堆積など任意の適切な導電材料からなっていてよく、スパッタリングなど任意の適切な技法によって堆積することができる。また、導電トレース224が支持基板200の上面202に提供され、メサ上の接触面226からメサの少なくとも1つの側壁228を下って支持基板202のエッジ部分まで延在する。さらに、トレース224は、駆動信号を駆動電極に印加するための駆動電極66a〜h(図示せず)への電気的接続を提供する。
【0062】
感知電極94aおよび94bと導電トレース224とを形成するために支持基板200を処理した後、図10〜14の断面で様々な軸に沿って示されたホイール・アセンブリ構造を、支持基板200のメサの接触面226に結合する。より具体的には、半導体基板を逆さにし、陽極結合によって支持基板200に結合する。図示していないが、半導体基板の任意の非ドープ領域210を例えばDWPによって除去することができることを理解されたい。したがって、ホイール・アセンブリ62および固定子64は、支持基板の上面から外方向に延在するメサによって、図17に示されるように支持基板200を覆うように吊られている。図17の図に示されるホイール・アセンブリ62の機構は、中心ハブ72と、出力湾曲部86aおよび86bと、出力リム78と、回転子フィンガ状電極80とを含む。
【0063】
前述し、図9および17に図示したように、本発明のジャイロスコープは、半導体基板206とは対照的に支持基板200に形成されたメサを含む。メサが支持基板からエッチングされるので、半導体基板の内面は、結果として得られるジャイロスコープの機械および/または電気機械部材を画定するトレンチを形成する前に平坦性を維持している。
【0064】
本発明が属する技術分野の当業者には、前述の説明および添付図面に提示された教示の利点を有する本発明の多くの修正形態および他の実施形態が想起されよう。したがって、本発明は開示した特定の実施形態に限定されず、修正形態および他の実施形態が、頭記の特許請求の範囲の範囲内に含まれるものとすることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用したが、それらは単に一般的かつ説明的な意味で使用しており、限定を加えるものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電気機械構造を形成するための方法であって、
第1の表面を有する部分犠牲基板を提供するステップと、
前記部分犠牲基板がドープ領域と非ドープ領域とを含むように、前記部分犠牲基板の一部をドーパントでドーピングし、ドープ領域が前記部分犠牲基板の第1の表面に隣接しているステップと、
前記部分犠牲基板を支持するための支持基板を提供するステップと、
少なくとも1つのメサが各表面から外側に延びるように、前記支持基板の各表面上に前記少なくとも1つのメサを形成するステップと、
前記部分犠牲基板の第1の表面が、前記支持基板の各表面の残りの部分の上方に吊るされ、前記部分犠牲基板のドープ領域が前記支持基板と向かい合わせになるように、前記部分犠牲基板の第1の表面を前記少なくとも1つのメサに結合するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記結合ステップの後に、前記部分犠牲基板の前記非ドープ領域を除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合ステップの前に、前記メサ表面の少なくとも一部の上に導電材料を配置して、前記結合ステップの後に、前記部分犠牲基板のドープ領域に電気連通して配置される電極を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記結合ステップが、前記部分犠牲基板の前記ドープされた第1の表面を、前記支持基板の前記メサに陽極結合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記形成ステップが、一組の傾斜した側壁間を延びる接触面を有する、少なくとも1つのメサを形成するステップを含み、
前記方法が更に、導電材料を、接触面の少なくとも一部、および前記支持基板の前記メサの、傾斜した側壁の少なくとも1つの上に配置して、前記結合ステップの前にその上に電極を形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記形成ステップが、
前記メサの所定位置に対応する位置で、前記支持基板の前記表面にフォトレジスト層を塗布し、前記フォトレジスト層の寸法を、メサのベースの寸法に近付けるステップと、
前記支持基板の露出した表面をエッチングするステップと、
結果として生じるメサが、一組の傾斜した側壁間を延びる、メサのベースよりも寸法の小さい接触面を含むように、前記エッチング中にフォトレジスト層の寸法を次第に減少させるステップとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ドーピングするステップが、前記基板を、ホウ素、インジウム、タリウム、およびアルミニウムからなる群から選択されたドーパントでドーピングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記提供するステップが、シリコン、ゲルマニウム、およびヒ化ガリウムから形成された基板の群から選択された、部分犠牲基板を提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
誘電材料から形成された支持基板を提供するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
マイクロ電気機械デバイスを形成するための溶解ウェーハ・プロセスで使用する方法であって、
第1の表面を有する部分犠牲基板を提供するステップと、
前記部分犠牲基板がドープ領域と非ドープ領域との両方を含むように、前記部分犠牲基板の一部をドーパントでドーピングし、ドープ領域が前記部分犠牲基板の第1の表面に隣接しているステップと、
前記部分犠牲基板の前記ドープ領域および非ドープ領域の、選択された領域をエッチングし、前記部分犠牲基板の残りのドープ領域が、結果として生じるマイクロ電気機械デバイスの部材を形成するステップと、
前記部分犠牲基板を支持するための支持基板を設けるステップと、
少なくとも1つのメサが各表面から外側に延びるように、前記支持基板の各表面上に前記少なくとも1つのメサを形成するステップと、
前記部分犠牲基板の第1の表面が、前記支持基板の各表面の残りの部分の上方に吊るされ、前記部分犠牲基板のドープ領域が支持基板と向かい合わせになるように、前記部分犠牲基板の第1の表面を前記少なくとも1つのメサに結合するステップと、
前記部分犠牲基板の前記ドープ領域により画定された、結果として生じるマイクロ電気機械デバイスの前記部材の少なくとも1つが、前記支持基板に関して可動となるように、前記部分犠牲基板から前記非ドープ領域を溶解するステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記結合ステップの前に、前記メサ表面の少なくとも一部の上に導電材料を配置して、前記結合ステップの後に、前記部分犠牲基板のドープ領域に電気連通して配置される電極を形成するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記結合ステップが、前記部分犠牲基板の前記ドープされた第1の表面を、前記支持基板の前記メサに陽極結合するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記形成ステップが、一組の傾斜した側壁間を延びる接触面を有する、少なくとも1つのメサを形成するステップを含み、前記方法が更に、導電材料を、接触面の少なくとも一部、および前記支持基板の前記メサの、傾斜した側壁の少なくとも1つの上に配置して、前記結合ステップの前にその上に電極を形成するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記形成ステップが、
前記メサの所定位置に対応する位置で、前記支持基板の前記表面にフォトレジスト層を塗布し、前記フォトレジスト層の寸法を、メサのベースの寸法に近付けるステップと、
前記支持基板の露出した表面をエッチングするステップと、
結果として生じるメサが、一組の傾斜した側壁間を延び、メサのベースよりも寸法の小さい接触面を含むように、前記エッチング中にフォトレジスト層の寸法を次第に減少させるステップとを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
誘電材料から形成された支持基板を提供するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
マイクロ電気機械デバイスであって、
マイクロ電気機械デバイスの少なくとも1つの部材を画定する半導体基板と、
前記半導体基板を支持するための支持基板とを備え、
前記支持基板が、そこから外側に延びる少なくとも1つのメサを含み、前記メサは、前記半導体基板が前記支持基板の各表面の残りの部分の上方に吊るされるように、前記半導体基板を支持する接触面を含む、デバイス。
【請求項17】
前記メサの前記接触面が、前記半導体基板に電気連通する電極を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記メサの前記接触面が、一組の傾斜した側壁間を延び、
前記電極が、前記接触面の一部および前記メサの前記傾斜した側壁の少なくとも1つに亘って延びる、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記メサの前記接触面が、前記半導体基板に陽極結合される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項20】
前記支持基板が誘電材料から形成される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項1】
マイクロ電気機械構造を形成するための方法であって、
第1の表面を有する部分犠牲基板を提供するステップと、
前記部分犠牲基板がドープ領域と非ドープ領域とを含むように、前記部分犠牲基板の一部をドーパントでドーピングし、ドープ領域が前記部分犠牲基板の第1の表面に隣接しているステップと、
前記部分犠牲基板を支持するための支持基板を提供するステップと、
少なくとも1つのメサが各表面から外側に延びるように、前記支持基板の各表面上に前記少なくとも1つのメサを形成するステップと、
前記部分犠牲基板の第1の表面が、前記支持基板の各表面の残りの部分の上方に吊るされ、前記部分犠牲基板のドープ領域が前記支持基板と向かい合わせになるように、前記部分犠牲基板の第1の表面を前記少なくとも1つのメサに結合するステップと、を含む方法。
【請求項2】
前記結合ステップの後に、前記部分犠牲基板の前記非ドープ領域を除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記結合ステップの前に、前記メサ表面の少なくとも一部の上に導電材料を配置して、前記結合ステップの後に、前記部分犠牲基板のドープ領域に電気連通して配置される電極を形成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記結合ステップが、前記部分犠牲基板の前記ドープされた第1の表面を、前記支持基板の前記メサに陽極結合するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記形成ステップが、一組の傾斜した側壁間を延びる接触面を有する、少なくとも1つのメサを形成するステップを含み、
前記方法が更に、導電材料を、接触面の少なくとも一部、および前記支持基板の前記メサの、傾斜した側壁の少なくとも1つの上に配置して、前記結合ステップの前にその上に電極を形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記形成ステップが、
前記メサの所定位置に対応する位置で、前記支持基板の前記表面にフォトレジスト層を塗布し、前記フォトレジスト層の寸法を、メサのベースの寸法に近付けるステップと、
前記支持基板の露出した表面をエッチングするステップと、
結果として生じるメサが、一組の傾斜した側壁間を延びる、メサのベースよりも寸法の小さい接触面を含むように、前記エッチング中にフォトレジスト層の寸法を次第に減少させるステップとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ドーピングするステップが、前記基板を、ホウ素、インジウム、タリウム、およびアルミニウムからなる群から選択されたドーパントでドーピングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記提供するステップが、シリコン、ゲルマニウム、およびヒ化ガリウムから形成された基板の群から選択された、部分犠牲基板を提供するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
誘電材料から形成された支持基板を提供するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
マイクロ電気機械デバイスを形成するための溶解ウェーハ・プロセスで使用する方法であって、
第1の表面を有する部分犠牲基板を提供するステップと、
前記部分犠牲基板がドープ領域と非ドープ領域との両方を含むように、前記部分犠牲基板の一部をドーパントでドーピングし、ドープ領域が前記部分犠牲基板の第1の表面に隣接しているステップと、
前記部分犠牲基板の前記ドープ領域および非ドープ領域の、選択された領域をエッチングし、前記部分犠牲基板の残りのドープ領域が、結果として生じるマイクロ電気機械デバイスの部材を形成するステップと、
前記部分犠牲基板を支持するための支持基板を設けるステップと、
少なくとも1つのメサが各表面から外側に延びるように、前記支持基板の各表面上に前記少なくとも1つのメサを形成するステップと、
前記部分犠牲基板の第1の表面が、前記支持基板の各表面の残りの部分の上方に吊るされ、前記部分犠牲基板のドープ領域が支持基板と向かい合わせになるように、前記部分犠牲基板の第1の表面を前記少なくとも1つのメサに結合するステップと、
前記部分犠牲基板の前記ドープ領域により画定された、結果として生じるマイクロ電気機械デバイスの前記部材の少なくとも1つが、前記支持基板に関して可動となるように、前記部分犠牲基板から前記非ドープ領域を溶解するステップと、を含む方法。
【請求項11】
前記結合ステップの前に、前記メサ表面の少なくとも一部の上に導電材料を配置して、前記結合ステップの後に、前記部分犠牲基板のドープ領域に電気連通して配置される電極を形成するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記結合ステップが、前記部分犠牲基板の前記ドープされた第1の表面を、前記支持基板の前記メサに陽極結合するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記形成ステップが、一組の傾斜した側壁間を延びる接触面を有する、少なくとも1つのメサを形成するステップを含み、前記方法が更に、導電材料を、接触面の少なくとも一部、および前記支持基板の前記メサの、傾斜した側壁の少なくとも1つの上に配置して、前記結合ステップの前にその上に電極を形成するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記形成ステップが、
前記メサの所定位置に対応する位置で、前記支持基板の前記表面にフォトレジスト層を塗布し、前記フォトレジスト層の寸法を、メサのベースの寸法に近付けるステップと、
前記支持基板の露出した表面をエッチングするステップと、
結果として生じるメサが、一組の傾斜した側壁間を延び、メサのベースよりも寸法の小さい接触面を含むように、前記エッチング中にフォトレジスト層の寸法を次第に減少させるステップとを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
誘電材料から形成された支持基板を提供するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
マイクロ電気機械デバイスであって、
マイクロ電気機械デバイスの少なくとも1つの部材を画定する半導体基板と、
前記半導体基板を支持するための支持基板とを備え、
前記支持基板が、そこから外側に延びる少なくとも1つのメサを含み、前記メサは、前記半導体基板が前記支持基板の各表面の残りの部分の上方に吊るされるように、前記半導体基板を支持する接触面を含む、デバイス。
【請求項17】
前記メサの前記接触面が、前記半導体基板に電気連通する電極を含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記メサの前記接触面が、一組の傾斜した側壁間を延び、
前記電極が、前記接触面の一部および前記メサの前記傾斜した側壁の少なくとも1つに亘って延びる、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記メサの前記接触面が、前記半導体基板に陽極結合される、請求項16に記載のデバイス。
【請求項20】
前記支持基板が誘電材料から形成される、請求項16に記載のデバイス。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図2F】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−247329(P2010−247329A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−174615(P2010−174615)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【分割の表示】特願2001−526459(P2001−526459)の分割
【原出願日】平成11年9月28日(1999.9.28)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174615(P2010−174615)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【分割の表示】特願2001−526459(P2001−526459)の分割
【原出願日】平成11年9月28日(1999.9.28)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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