説明

滅菌パッケージ及びこのパッケージを用いた滅菌方法

滅菌パッケージおよびこのパッケージを用いた滅菌方法を提供する。この滅菌パッケージ(1)は、滅菌される前記少なくとも一の対象物(5)を保持するための容器(2)であって、前記少なくとも一の対象物(5)が前記容器(2)内へ入り、当該容器(2)から出ることを可能にする入口開口(11)および出口開口(13)を有し、前記少なくとも一の対象物(5)の寸法より小さい寸法の多数の小さい穴(10)が明けられた外周壁を有する剛性部品(6)と、滅菌流体に対して通過性で、微生物汚染に対して非通過性の材料の非剛性部品(7)であって、前記剛性部品(6)を収容可能で、かつ、密封可能な非剛性部品(7)とを有する容器(2)と、前記 容器(2)において適合する真空シールである、柔軟で気密な材料で形成された少なくとも一のエンベロップ(4)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、滅菌パッケージ、および、このパッケージを用いた滅菌方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの作業が、無菌の部品または要素を滅菌パッケージに移す際に必要である。これは、注射器を形成して注射器本体に充填するために、特に、製造サイトと組立サイトの間で移送されなければならない注射器の要素部品についての場合である。
【0003】
注射器部品に使用される公知の滅菌方法は、これらの部品を、柔軟で気密な材料で形成されたパッケージ内に配置し、そして、これらのパッケージをガンマ線に曝す。この方法は、注射器メーカーの製造者にとって、滅菌していない部品を非滅菌パッケージにパックする必要があり、そして、これらのパッケージをこのタイプの滅菌における専門のサービス提供者に送り、滅菌後に、これらのパッケージを注射器のアセンブリおよび/または充填のために、部品の購買者に送る必要があるという欠点を有する。このタイプの専門的な下請業者を使用することは、注射器メーカーは著しい制約を受ける。
【0004】
このようなアプリケーションにおける別の公知の滅菌方法は、部品およびそれらのパッケージを滅菌するために、水蒸気を用いる。注射器を使う薬品工業に受け入れられ、あるいは、さらにあるユーザにより求められ、また、パッケージされた部品または要素の性質または材料により必然的になされるので、この滅菌方法は放射線滅菌方法より好まれている。しかしながら、滅菌方法の実行中に滅菌の完全な性能を保証し、および、移送後に、エンドユーザーまでずっとパッケージの完全性が保たれることを可能にしているパッケージが存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その目的は、滅菌される1またはいくつかの対象物の滅菌の完全な性能を保証することを可能にし、特に、水蒸気を通して、パッケージの移送及び保管の間の完全な滅菌を維持し、および、直ちにパッケージの完全性の喪失も検出できるパッケージを提供することにある。本発明は、このパッケージを用いて、滅菌の完全な性能を保証しつつ前記対象物の滅菌の滅菌を可能にする滅菌方法を提供することを目的とする。
【0007】
用語「対象物」は、以下において、一般的には、パッケージすべき1またはいくつかの部品または要素を概略的に示すために用いられる。この用語は、最も広い意味において、あらゆるタイプの一又は複数の部品、一又は複数の要素、特に、注射器の全ての要素を網羅すると理解されなければならない。
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明に係るパッケージは、滅菌流体により滅菌すべき少なくとも一の対象物を収容するための滅菌パッケージであって、滅菌すべき前記少なくとも一の対象物を保持するための容器であって、前記少なくとも一の対象物が前記容器内へ入り、当該容器から出ることを可能にする入口開口および出口開口を有し、前記少なくとも一の対象物の寸法より小さい寸法の多数の小さい穴が明けられた外周壁を有する剛性部品と、滅菌流体に対して通過性で、微生物汚染に対して非通過性の材料の非剛性部品であって、前記剛性部品を収容可能で、かつ、密封可能な非剛性部品とを有する。
【0009】
本発明に係る滅菌およびパッケージ方法は、滅菌すべき前記少なくとも一の対象物によって、前記容器の前記剛性部品を充填すること;前記非剛性部品によって、前記入口開口および前記排出開口を閉じること;前記滅菌流体によって容器を滅菌すること;前記容器を滅菌するべく、前記少なくとも一のエンベロップ内に配置すること;前記エンベロップ内に真空を形成すること;および、前記少なくとも一のエンベロップ内の真空が維持される間、前記容器のまわりでこの少なくとも一のエンベロップを密封すること、からなるステップを不特定の順序で含む。
【0010】
従って、本発明は、滅菌すべき一又は複数の対象物を受け入れるために多数の穴がその壁を通して明けられた剛性部品を有する容器を使用することから成る。この剛性部品の剛性は、後の真空操作の間に、この又はこれらの対象物の完全性を守ることを可能にする。これは、例えば注射器プランジャーのように、この又はこれらの対象物に及ぼされる長期にわたるメカニカルな圧力のもとで当該対象物変形又は損傷しやすい時に必要である。この剛性は、一組の対象物へ一定の形状を与えるという利益を有し、滅菌流体、特に水蒸気への均一な露出のために最適化され、そのような滅菌の性能のための重要なパラメータである。すなわち、前述の剛性部品は、柔軟な容器で起こりうる可能性のある対象物の積み重ねの排除を可能とする。この対象物の積み重ねは、必要とされる滅菌を保証するための、この積み重ねの中心部を通過する流体が十分でないというリスクを生じさせる。前記剛性部品の剛性は、公知の柔軟なパッケージが有することができる最大の能力よりもパッキング能力を向上させ、そして、オペレータによりなされる扱いと操作を容易にすることを可能にする利点も有する。
【0011】
容器のこの剛性部品の複数の開口および前記非剛性部品の多孔性は、前記非剛性部品と前記剛性部品の内部、およびこの剛性部品に収容されているすべての対象物の周囲における滅菌流体の十分な拡散を可能にする;シールによる非剛性部品の密閉は、対象物、前記剛性部品および非剛性部品の内面に対してなされた滅菌の完全性を守ることを可能にする。
【0012】
エンベロップ用いてパッケージを真空下の置くことは、環境に対して一又は複数の対象物を完全に保護することを可能にし、容器のまわりのこのエンベロップの適用は、この容器の中の空気が通過しないことの指標を構成し、それ故に、パッケージの滅菌の維持を示す。
【0013】
従って、本発明に係るパッケージおよび方法によれば、滅菌流体、特に水蒸気による対象物の効果的な滅菌を可能にし、これらのパックされた対象物の完全性を完全に守り、パッケージの完全性の喪失、すなわち、滅菌性を直ちに示すことを可能にする利点を決定することを有する。
【0014】
前記少なくとも一の膜の材料は、2ミクロンから15ミクロンまでのサイズの孔、および3以上の(ASTM F−1608標準において定義されるような)ログリダクション値を有する。これは、TYVEK(登録商標)ブランドのリファレンス1073B、2FS、または1059Bの下でデュポン ドゥ ヌムール社により販売され、あるいは、WIPAK(登録商標)ブランドのリファレンスペーパー80B、またはペーパー120Bの下でWIPAK社により販売されたフィルムであってもよい。
【0015】
好適には、前記容器は、その出口開口、または出口開口近くに、接続リングを含み、これは、前記少なくとも一の対象物が移送されることを意図され、かつ、前記少なくとも一のエンベロップ 中に配置される滅菌エンクロージャと接続されることができる。
【0016】
このエンクロージャへの対象物の移送のための前記滅菌エンクロージャとの容器の接続は、このリングのおかげで、最もよい条件のもとでなされ、移送 は完全に無菌で、その過程の間に滅菌を維持することを保証する。
【0017】
前記接続リングは、具体的には、米国特許6,571,540明細書および米国特許6,817,143明細書において記述されたタイプをであってもよい。。
【0018】
前記非剛性部品は、この接続リングから分離され、または、この接続リングとシール可能に接続されていてもよい。
【0019】
容器の前記剛性部品は、一又は複数の対象物の容易な放出を可能にするために、前記接続リングの少なくとも一部に対して接続可能であってもよい。
【0020】
この場合、有利には、前記容器の前記剛性部品に接続されない接続リングの一部は、滅菌エンベロップ内に収容される。この滅菌エンベロップは、滅菌エンクロージャとこのリングとの接続を可能にするために接続リングを覆わないように開いている。
【0021】
前記容器の前記剛性部品は、前記接続リングから分離されることもできる。
【0022】
容器の前記剛性部品は、接続手段を介して前記接続リングに接続されてることができる。この場合、有利には、前記接続手段は、前記容器の前記剛性部品を前記接続リングに対して同軸上の位置に維持するようにする。
【0023】
この同軸上の維持は、前記接続リングがこのエンクロージャと接続される時に、前記無菌のエンクロージャに対象物の排出を容易にする。
【0024】
前記出口開口を画定する容器の壁は、前記接続リングと係合するように形成される。
【0025】
前記接続リングは、滅菌エンクロージャとの前記リングの接続の後に取り除かれるように意図されている取り外し可能なドアも含むことができる。
【0026】
滅菌パッケージは、容器の前記剛性部品と接続可能な蓋を含むこともできる。
【0027】
本発明に係るパッケージによれば、前記非剛性部品は、複数のレイヤーから形成されることができる。
【0028】
この複数のレイヤーは、1つのレイヤーに一の孔が出現した場合に、パッケージの完全性の喪失のリスクを最小化する。さらに、レイヤーの数が増加すると、位置の整合した孔をもつリスクを減少させる。
【0029】
本発明の他の特徴および利点は、限定されない例示として、それが関係する滅菌パッケージの1つの好適な実施例形態を示す添付された図面を参照することにより十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】要素片を組み立てる異なる一連の段階における、パッケージの種々の要素の簡略化された断面図である。
【図2】要素片を組み立てる異なる一連の段階における、パッケージの種々の要素の簡略化された断面図である。
【図3】要素片を組み立てる異なる一連の段階における、パッケージの種々の要素の簡略化された断面図である。
【図4】要素片を組み立てる異なる一連の段階における、パッケージの種々の要素の簡略化された断面図である。
【図5】滅菌エンクロージャに配置された時の、図4に示したサブ・アセンブリの図である。
【図6】エンベロップに配置されたこの同じサブ・アセンブリの同様な図である。
【図7】滅菌パッケージが前記サブ・アセンブリにおいてエンベロップの真空シール後に得られたときの同様な図である。
【図8】前記エンベロップの除去および滅菌エンクロージャへの接続の後に、それが有する取り外し可能なドアを開放する前におけるパッケージを示す図である。
【図9】前記ドアの開放後の図8と同様なパッケージの図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図7は、接続リング3および外部エンベロップ4を含む容器2により形成された滅菌パッケージ1を示す。
【0032】
容器2は、一又は複数の滅菌されるべき対象物5、具体的には、注射器の要素部品、および、注射器プランジャーを収容することを意図している。図1ないし図4により具体的には示されるように、それは、容器6により形成された内部部品、および、エンベロップ7,8により形成された外部部品を有する。
【0033】
容器6は剛性を有する。それは、対象物5の寸法より小さい寸法を有する多数の小さい穴10があけられた外周壁を備える。図1に示すように、この外周壁は、一端部で、対象物5を入れることを可能にする上部開口11と、他端部 で対象物5の排出のための下部開口13により終端する導管12とを画定する。また、容器6は、上部エッジから後方に設けられた、閉蓋22を受容可能なフランジ14、および、その下部開口13後方に設けられた、変形可能な外周スカートを備えてロック手段を形成するフランジ15を含む。
【0034】
外部エンベロップ7は柔軟性を有する。それは管形状を有し、その下部部分において、接続リング3と接続される。それは、容器6を収容するように寸法形成され、図4に示すように、この容器6の上端においてシールすることによって閉じられることを可能にする上部部分を有する。
【0035】
このエンベロップ7は、滅菌流体に対して透過性で微生物汚染に対しては非過性の材料で形成される。この材料は、2ミクロンから15ミクロンまでのサイズの孔、、および、3以上の(ASTM F−1608標準において定義されるような)ログリダクション値を有する。これは、TYVEK(登録商標)ブランドのリファレンス1073B、2FS、または1059Bの下でデュポン ドゥ ヌムール社により販売され、あるいは、WIPAK(登録商標)ブランドのリファレンスペーパー80B、またはペーパー120Bの下でWIPAK社により販売されたフィルムであってもよい。
【0036】
エンベロップ8は、接続リング3と接続され、このリング3を完全に包むための寸法に形成されている。それは、浸透性がない外周壁8aと、壁8aの周辺の縁にシールされ、微生物汚染に対して非浸透性で、滅菌流体に対して浸透性を有する材料の端部壁8bを備える。この材料は、具体的には、エンベロップ7を形成している材料と同じであってもよい。
【0037】
接続リング3は、円形シート3aおよび取り外し可能なドア3bを有する。 円形シート3aは、対象物5の操作のための滅菌エンクロージャへのリング3の接続のための手段を含み、これらの対象物5のための中心出口開口を画定する。取り外し可能なドア3bは、パッケージ1を使用するこの段階において、それが前記出口開口13をカバーするようにシート3aに保持される。このリングは公知のタイプであり、例えば、米国特許6,571,540号明細書および米国特許6,817,143号明細書において記述されたタイプであり、ここでは、詳細については記述しない。
【0038】
接続リング3は、シート3aと一体で、外周壁および横方向壁を有する延長部3cも備える。外周壁は、それにシールされるエンベロップ7および8を有する。横方向壁は、シート3aにより画定される前記中心出口開口と同軸状の開口20を画定し、図2に示すように、この開口20は、導管の下端がドア3bに位置するまでは、この開口を通じて排出導管12を受け入れ、そして、フランジ15を受け入れるように意図されている。フランジにより構成されるスカートは、前記排出導管12がドア3bに位置したときに、前記横方向壁の後ろでスナップ結合することによりロックする。従って、容器6は接続リング3と同軸上の位置に保持される。
【0039】
いったん容器6とリング3のこの接続がなされると、容器6は図2に示すように、対象物5が充填される。図面の明瞭性の配慮から、これらの対象物5を部分的にのみ示したが、それらが形成する全体の輪郭は、破線により定義されている。
【0040】
そして、容器6は、前記の閉蓋22(図3を参照)を受け入れ、具体的には、クリッピングによりフランジ14への組み付けがなされ、エンベロップ7は図4に示すようにこの蓋22の上方でシールされる。
【0041】
従って、形成された容器2は、図5に示すように、滅菌流体、具体的には、水蒸気が循環する滅菌エンクロージャ25内に配置される。円形の矢印により示されたこの流体は、エンベロップ7の孔を貫通し、容器6の壁の複数の穴10を通り、および、エンベロップ7及び8を通過し、エンベロップ7及び8、容器6の中、ならびに、対象物5のまわりの滅菌流体の十分な拡散を可能にする。滅菌がされると、シールすることによりエンベロップ7を閉じると、対象物5、容器6およびエンベロップ7,8の内面の滅菌の完全性を守ることを可能にする。
【0042】
エンベロップ4は、シールされていない状態の図6に示すように、柔軟で、気密な材料、具体的には、合成材料で形成される。そして、滅菌された容器2は、このエンベロップ4内に配置され、エンベロップ4の中で真空が形成されて、したがって、エンベロップ7と容器6の内部においても真空が形成され 、エンベロップ4は、このとき、図7に示すように、容器2の上でシールされて真空であり、それにより、パッケージ1を得ることが可能になる。
【0043】
エンベロップ4のおかげによるこのパッケージ1のこの排気は、環境に対して対象物5を完全に保護することを可能にし、容器2のまわりへのエンベロップ4の適用は、この容器2の内部への空気の侵入がないことを示すインジケータを構成し、すなわち、パッケージ1の滅菌維持のインジケータである。
【0044】
容器6の剛性は、排気操作の間に、対象物の完全性を守ることを可能にする。これは、例えば注射器プランジャーのように、対象物に及ぼされる長期にわたるメカニカルな応力のもとで当該対象物変形又は損傷しやすい時に必要である。この剛性は、一組の対象物へ一定の形状を与えるという利益を有し、滅菌流体、特に水蒸気への均一な露出のために最適化され、そのような滅菌の性能のための重要なパラメータである。すなわち、前述の剛性部品は、柔軟な容器で起こりうる可能性のある対象物の積み重ねの排除を可能とする。この対象物の積み重ねは、必要とされる滅菌を保証するための、この積み重ねの中心部を通過する流体が十分でないというリスクを生じさせる。前記剛性部品の剛性は、公知の柔軟なパッケージが有することができる最大の能力よりもパッキング能力を向上させ、そして、オペレータによりなされる扱いと操作を容易にすることを可能にする利点も有する。
【0045】
図8および図9に示すような無菌のエンクロージャ30への対象物5の移送は、エンベロップ4を開き、取り除き、そして、エンベロップ8を開き、リング3のシート3aをエンクロージャ30(図8を参照)に配置された対応するシートと接続し、そして、ドア3b(図9を参照)を開けることによってなされる。エンクロージャ30のシートへのシート3aの接続は、適切な場所に置かれたサポート31のパッケージ1の支持により容易になされる。
【0046】
図9を参照すると、柔軟なエンベロップ7内における剛性のある容器6の可動性は、シート3aにより画定される中心出口開口を通じて排出導管12の係合を可能にし、および、このシート3aまたはエンクロージャ30の前記対応するシートの潜在的に汚染された表面とのすべての接触から対象物5を保護することを可能にする。上述したように、本発明は、滅菌パッケージおよびこのパッケージを用いた滅菌方法を提供し、これは、滅菌流体、具体的には水蒸気によって対象物の効果的な滅菌を可能にし、パッキングされた対象物の完全性を完全に守り、パッケージの完全性すなわち滅菌の喪失の速やかな指示を可能にする。
【0047】
上述された本発明の実施形態が純粋に例示として提供されたことが特定されなければならない。言うまでもなく、本発明はこの実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によりカバーされたすべての実施形態を網羅している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
滅菌流体により滅菌すべき少なくとも一の対象物(5)を収容するための滅菌パッケージであって、
滅菌すべき前記少なくとも一の対象物(5)を保持するための容器(2)であって、前記少なくとも一の対象物(5)が前記容器(2)内へ入り、当該容器(2)から出ることを可能にする入口開口(11)および出口開口(13)を有し、前記少なくとも一の対象物(5)の寸法より小さい寸法の多数の小さい穴(10)が明けられた外周壁を有する剛性部品(6)と、滅菌流体に対して通過性で、微生物汚染に対して非通過性の材料の非剛性部品(7)であって、前記剛性部品(6)を収容可能で、かつ、密封可能な非剛性部品(7)とを有する容器(2)と、
前記容器(2)において適合する真空シールである、柔軟で気密な材料で形成された少なくとも一のエンベロップ(4)と
を有することを特徴とする滅菌パッケージ。
【請求項2】
前記容器(2)は、前記容器(2)の前記出口開口(13)又はその近傍に接続リング(3)を有し、前記少なくとも一の対象物(5)が移送されることを意図している滅菌エンクロージャ(30)に接続可能であり、
前記接続リングは、前記少なくとも一のエンベロップ(4)内に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の滅菌パッケージ。
【請求項3】
前記容器(2)の前記非剛性部品(7)は、前記接続リング(3)から分離していることを特徴とする、請求項2に記載の滅菌パッケージ。
【請求項4】
前記容器(2)の前記剛性部品(6)は、前記接続リング(3)の少なくとも一の部品(3c)に接続可能であることを特徴とする、請求項2に記載の滅菌パッケージ。
【請求項5】
前記容器(2)の前記剛性部品(6)に接続されない接続リング(3)の部品(3a、3b)は、滅菌エンベロップ(8)に収容されることを特徴とする、請求項4に記載の滅菌パッケージ。
【請求項6】
前記容器(2)の前記剛性部品(6)は、前記接続リング(3)から分離可能であることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の滅菌パッケージ。
【請求項7】
前記容器(2)の前記剛性部品(6)は、接続手段(15、20)により前記接続リング(3)に接続可能であることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれかに記載の滅菌パッケージ。
【請求項8】
前記接続手段(15、20)は、前記容器(2)の前記剛性部品(6)を前記接続リング(3)に対して同軸上の位置に維持するようにする、ことを特徴とする請求項7に記載の滅菌パッケージ。
【請求項9】
前記出口開口(13)を画定する前記容器(2)の壁(12)は、前記接続リング(3)と係合可能である、ことを特徴とする請求項2ないし8のいずれかに記載の滅菌パッケージ
【請求項10】
前記接続リング(3)は、前記滅菌エンクロージャ(30)との前記接続リング(3)の接続の後に引き抜かれることを意図した、取り外し可能なドア(3b)をさらに含む、ことを特徴とする請求項9に記載の滅菌パッケージ。
【請求項11】
前記容器(2)の前記剛性部品(6)と接続可能な蓋(22)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の滅菌パッケージ。
【請求項12】
前記容器(2)の前記非剛性部品(7)は、複数のレイヤーで形成されている、ことを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の滅菌パッケージ
【請求項13】
請求項1ないし12に記載の滅菌パッケージ(1)を使用した滅菌方法であって、
滅菌すべき前記少なくとも一の対象物(5)によって、前記容器(2)の前記剛性部品(6)を充填すること;
前記非剛性部品(7)によって、前記入口開口(11)および前記排出開口(13)を閉じること;
前記滅菌流体によって容器(2)を滅菌すること;
前記容器(2)を滅菌するべく、前記少なくとも一のエンベロップ(4)内に配置すること;
前記エンベロップ(4)内に真空を形成すること;
および
前記少なくとも一のエンベロップ(4)内の真空が維持される間、前記容器(2)のまわりでこの少なくとも一のエンベロップ(4)を密封すること、
からなるステップを不特定の順序で含むことを特徴とする滅菌方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−522746(P2011−522746A)
【公表日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512230(P2011−512230)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/IB2008/002684
【国際公開番号】WO2009/150488
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(597136216)ベクトン・ディキンソン・フランス・エス.エー.エス. (34)
【Fターム(参考)】