説明

潤滑剤ミストを取り扱う方法および分離導管ならびに削岩リグ

本発明は、ミスト潤滑に用いる潤滑剤ミストを取り扱う方法、分離導管、さらには分離導管を備えたミスト潤滑系を有する削岩リグに関する。潤滑ミストの戻り流は、分離導管(27)において循環対象から回収容器(13)へ送られる。分離導管は、長尺状分離部材(28)が内部に配設された長尺状導管であり、分離部材は、一連の複数の傾斜障壁面(33)を有している。潤滑剤ミストに含まれる潤滑剤液滴(P)は障壁面に打ち当たり、その上に累積する。分離された潤滑剤は、分離導管の最外側端部で回収容器の中へ回収される。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、ミスト潤滑に用いる潤滑剤が潤滑の対象物を通過した後に潤滑剤ミストを回収する方法に関するものである。ミスト潤滑における潤滑剤は回収容器に回収し、圧搾された空気は大気へ放出する。
【0002】
本発明はさらに、分離導管および削岩リグに関するものであり、そのミスト潤滑系に分離導管が設けられている。本発明の分野は独立請求項の前段に詳細に記載する。
【0003】
従来技術において、削岩機のドリルシャンクをオイルミストで潤滑することは公知であり、その場合、オイルは圧搾空気内で小さな溶滴の形になる。この種の潤滑は一般にミスト潤滑と称する。オイルミストはドリルシャンクを潤滑すると、排出導管から回収容器へ運び込まれるが、この容器は削岩リグのキャリア上に配置することがある。回収容器はオイルミストに含まれるオイルを回収するためのものである。ついで、圧搾空気は外気へ放出される。空気からオイルを分離するために、排出導管の最外側端部には篩が設けられている。今日のミスト潤滑系におけるオイルの分離は不十分であり、このようにまだたくさんの溶滴を含んだまま大気へ放出される空気は、呼吸する空気を汚染し、削岩現場の作業者に健康上の危険を生じる。さらに、オイルは環境を汚染し、削岩リグを汚す。
【発明の簡単な開示】
【0004】
本発明は、ミスト潤滑に用いられる潤滑剤を回収する新規で改善された方法および導管を提供することを目的とする。さらに本発明は、新規で改善された削岩リグを提供することを目的とする。
【0005】
本発明の方法は以下の点を特徴とする。すなわち、一連の複数の障壁面が流れ方向を横切るように設けられた少なくとも1つの長尺状分離部材を有する少なくとも1つの長尺状分離導管を通して戻り潤滑剤を回収し、潤滑剤ミストに含まれる潤滑剤液滴を分離部材の障壁面に打ち当てることによって潤滑剤と圧搾空気を分離し、分離された潤滑剤を分離導管から回収容器内へ回収することである。
【0006】
本発明の分離導管は、分離導管の内側に少なくとも1つの長尺状分離部材が設けられ、これは、分離導管の長手軸を横切る一連の複数の傾斜障壁面を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の削岩リグは以下の点を特徴とする。すなわち、ミスト潤滑系は少なくとも1つの長尺状分離導管を有し、これには、少なくとも1つの長尺状分離部材が設けられ、分離導管において潤滑剤および圧搾空気が互いに分離されるよう配設され、分離部材は、流れ方向を横切る一連の複数の傾斜障壁面を有し、潤滑剤ミストにおける潤滑剤液滴が障壁面に打ち当たって、その上に累積するよう配設されている。
【0008】
本発明の概念は、ミスト潤滑に用いる潤滑剤の戻り流を分離導管を通過させ、潤滑剤ミストに含まれる潤滑剤と圧縮空気を互いに分離することにある。分離導管内には長尺状の分離部材が設けられ、これは、分離導管の長手軸を横切る一連の複数の傾斜障壁面を有し、潤滑剤ミストにおける潤滑剤液滴が障壁面に打ち当たって、その上に累積する。圧搾空気は、難なく障壁面を通過すると同時に、障壁面に累積した潤滑剤を分離導管の方へ押しやる。
【0009】
本発明の利点は、潤滑剤の除去および回収が改善され、それによって外気がきれいになり、健康に呼吸できることである。さらに、潤滑剤の地上への拡散量が減少する。さらにまた、削岩リグの汚れを回避することができ、これによって作業の安全も改善する。またさらに、分離導管の特性を容易に修正できることも利点である。分離導管およびその中の分離部材の長さを変えることによって、さらにはそれらの直径の寸法を変えることによって、分離能力を容易に変えることができる。
【0010】
実施例によれば、分離導管は、別個の分離部材が中に配設された標準的な液圧ホースなどの可撓性ホースである。ホースの内径は、例えば1インチでよい。この種の分離部材は、製造が簡単かつ安価である。分離導管の長さは、必要に応じた寸法決めがかなり容易である。さらに、可撓性ホースは、たとえ長くても、装置への取付けが容易である。また、分離部材は可撓性があってもよい。
【0011】
実施例によれば、分離部材は、螺旋形状の障壁面を有する螺旋である。螺旋形障壁面は累積した潤滑剤を案内する一方、圧搾空気は分離導管内で効果的かつ円滑に進む。
【0012】
実施例によれば、分離部材は、矩形断面のバンドをその長手軸を中心に複数回回転させてこれに恒久的螺旋形状を施して形成した螺旋である。適切な回転装置によれば、この種の分離部材は非常に容易かつ安価に、例えば金属バンドから製造される。加えて、分離部材の特性は、例えば螺旋のピッチを変えることによって容易に変えることができる。
【0013】
実施例によれば、分離導管は比較的長い。分離導管の長さは、1000ミリメートル以上、好ましくは1000ないし2000ミリメートルでよい。必要ならば、分離導管は2000ミリメートルより長くてもよい。分離部材が長ければ、潤滑剤を圧搾空気から効果的に除去することができる。分離部材が導管様構造のため、その長さは不利ではない。なぜなら、いかなる場合でも、戻り潤滑剤ミストは、ドリルシャンクもしくは他の潤滑対象から回収容器へ何らかの導管を通して運ばなければならないからである。分離導管は排出導管の一部をなしている。
【0014】
実施例によれば、分離導管は1500ないし2500ミリメートルの長さで、内径は3/4ないし5/4インチのホースである。分離部材は、分離導管の一方の端部から他方の端部へ延在する可撓性金属の螺旋体である。螺旋体は矩形断面を有し、少なくとも8回転、捻じったものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
次に、添付図面を参照して、本発明のいくつかの実施例をさらに詳細に説明する。
【図1】削岩リグの模式的側面図である。
【図2】削岩機に接続したミスト潤滑系の模式図である。
【図3】本発明の分離導管の構造を示す模式的側断面図である。
【図4】図3の分離導管の長手方向から見た模式的断面図である。
【図5】第2の分離導管の長手方向から見た模式的断面図である。
【図6】本発明の第3の分離導管の断面の模式的長手方向断面図である。
【発明の詳細な説明】
【0016】
明瞭にするため、本発明の実施例は各図で簡略化している。同様の部分は同様の参照番号で示す。
【0017】
図1は、削岩装置4を有する1本以上の穿孔ブーム3を設けた可動キャリア2を有する削岩リグ1を示す。穿孔装置4は、穿孔ブーム3に連結した送りビーム5と、送り装置7によって送りビーム5上を移動できる削岩機6とを有する。削岩機6はドリルシャンク8を有し、これに工具9を連結することができる。場合によっては、工具はドリルシャンクなしに直接、削岩機へ連結してもよい。削岩機6の衝撃装置を配設して、衝撃パルスを工具9へ送り、工具は衝撃パルスを岩盤10へ送り、これによって岩盤を破壊し、ドリル穴11を作る。ドリルシャンク8はオイルミストで潤滑することができる。潤滑剤ミストは、少量の液体潤滑剤を圧搾空気の流れへ入れることによって生成される。このミストは、空気が混合されたオイルなどの潤滑剤の小滴を含んでいる。オイルミストは、ドリルシャンク8の軸受面および回転部材のころがり面を潤滑すると、回収系の排出導管12において削岩機6から回収されて、搬出される。回収系は回収容器13を含み、これはキャリア2上へ配設されて、ここで空にして保守することが容易である。回収容器13は、当然、他の場所、例えばブーム3の足下に、地面へ、もしくは他の適切な場所に置いてもよい。オイルミストに含まれる潤滑剤は回収容器13へ回収され、空気は外気へ放出される。キャリア2には必要なアクチュエータ14が設けられ、圧搾空気および潤滑剤をミスト潤滑のために削岩機へ送る。
【0018】
図2は、削岩機6のドリルシャンク8を潤滑するミスト潤滑系(液滴潤滑、ミクロ潤滑)を示す。削岩機に属する衝撃要素15は、工具9が連結されているシャンク8へ衝撃パルスを送る。ドリルシャンク8は、その長手軸を中心として回転装置16によって回転させることができる。ドリルシャンク8と回転装置16の間には回転部材17が設けられている。削岩機6におけるミスト潤滑の対象には、例えば、ドリルシャンクの軸受面18および回転部材17、または潤滑が必要な他の部品が含まれてよい。
【0019】
圧搾空気は送り導管19でコンプレッサ20から、また潤滑剤、代表的には潤滑油は、送り導管21で送り容器23から、それぞれ削岩機6へ供給することができる。削岩機6は、潤滑剤の流れを圧搾空気の流れと混合して所望の潤滑剤ミストを生成する手段24を有し、ミストは、削岩機に設けられた導管25を通って潤滑の必要な場所へ運ばれる。オイルミストは、潤滑すべき領域を通過してその役目を終わると、回収系の戻り導管26へ到達する。戻り導管26は、これに連結された1本以上の分離導管27を有し、導管は、潤滑剤ミストに含まれる潤滑剤を圧搾空気から分離し、分離された潤滑液剤および圧搾空気を回収容器13へ搬送する。回収容器13は、1つ以上の篩29もしくは同等物を設けた実質的に液密な容器でよく、篩を通して圧搾空気の流れを回収容器13から放出させることができる。篩29は、圧搾空気の流れにまだ残っている固形粒子および液滴が回収容器13から出るのを防止することができる。分離導管27は可撓性ホースでよく、これは、その両端部に設けられている接続部材30もしくは同等物によって回収系へ接続することができる。分離導管27の内側断面面積D2の大きさは、戻り導管26の先端部分もしくは同様の空間より実質的に大きくてよい。したがって、潤滑剤ミストが小さい断面面積の空間から容量の大きい分離導管27へ到達すると、潤滑剤ミストの流速が減少し、これが分離にとって有利になる。分離導管27の内側には1つ以上の分離部材が設けられ、その面に潤滑剤ミストに含まれる小さな潤滑剤液滴が打ち当たる。これによって、潤滑剤が分離部材の表面に累積し、次いで圧力差によって潤滑剤は緩やかな速度で回収容器13に向けて移動する。分離部材28は図3ないし図5に示す。分離導管27は比較的長くてよく、潤滑剤ミストに含まれるオイルもしくは同等物が圧搾空気から分離されるに十分な時間を確保することができる。分離導管27の長さは、1000ミリメートルを超え、好ましくは約2000ミリメートル、もしくはそれ以上にもすることができる。分離部材28は分離導管27と実質的に同じ長さでもよい。
【0020】
図3に示す分離導管27はカバーを有し、これは、環状断面、したがって外面31および内面32も有するチューブもしくはホース30でよい。分離導管27の断面は当然、環状以外の、例えば角張った、もしくは楕円でも可能である。しかし、製造技術の観点から、環状形が最も好ましい形である。ホース30には分離部材28が挿入され、これは、矩形断面を有する金属バンドなどの長尺状バンドでよく、その長手軸を中心として巻回して螺旋を形成している。分離部材28は、ホース30の内径よりわずかに小さい寸法を有し、これによってホースへ難なく挿入することができる。しかし、分離部材28は、ホース30の内面32に対してぴったり当接して、オイルミストが分離部材28で未処理のまま通過できないようにする。螺旋形に巻回された分離部材28は一連の複数の螺旋状障壁33を有し、障壁には、オイルミストに含まれる小さな液滴Pが打ち当たる。したがって、潤滑剤が障壁面33上に累積し始め、ここから圧搾空気Aによって流れ方向Vに回収容器に向けて押され続ける。螺旋状障壁面33は流れ方向Vに向けて傾斜し、そのため、回収された潤滑剤の流れ方向Vにおける動きを妨げることはなく、液体流および圧搾空気の流れは両方とも、分離導管において円滑に生ずる。分離導管27の諸特性の大きさは、例えばホース30の長さLおよび内径D2を変えることによって、さらにまた所望のタイプの分離部材28を選択することによっても、さまざまな適用例に合うように容易に決められる。長さLに比例して分離部材28の巻回数を変えてもよい。例えば、ホース30は普通の液圧ホースでよい。さらに、分離部材28は可撓性でよい。
【0021】
図5に示す分離導管27は、ホースでもチューブでもなく、比較的長い空間を有する他の何らかの実体部材34であり、この空間は、分離部材28を収納し、また潤滑された領域から戻る潤滑剤ミストの流れを通すものである。分離部材28は、図3および図4に示すものに類似のスクリュー、またはこの目的に適した他の長尺状部材でよい。
【0022】
図6は、さらに他の可能な適用例を示すが、これは、実質的に管状の分離部材28がホース30の内部に配設されたものであり、傾斜した障壁面33を有し、障壁面は、ホースの内方へ突出し、潤滑剤ミスト流およびこれに含まれる潤滑剤液滴が打ち当たる。同図は、障壁面33上に累積した液滴が成長して大きな潤滑剤累積物PPに成長し、最後には、緩やかな速度で流れ方向Vに回収容器へ向かって進む液流PPPになる様子を示す。
【0023】
さらに、分離部材は、オイル液滴を回収する複数の傾斜障壁面を有するラビリンス型の分離導管に成形してもよい。場合によって、分離部材は、長尺状の波状部材でもよい。
【0024】
分離部材は、例えばプラスチックから鋳造で製造してもよい。さらに、分離部材は、1つ以上の可塑材料および1つ以上の強化材料からなる複合材料で作ってもよい。また、更なる可能性として、分離部材は、分離導管の被覆部と一体な構体を形成してもよい。
【0025】
本発明のオイルミスト回収系は当然、削岩機においてばかりでなく、衝撃装置を備えた他の岩石破壊装置の軸受および他の可動部の潤滑にも使用可能である。他の岩石破壊装置の例としては破壊ハンマがあるが、これは、衝撃装置を使用して、岩石、石塊、凍土もしくは他の何らかの固い材料の破壊に使われる工具に対して衝撃パルスを生成するものである。例えば、破壊ハンマ工具の頂部にある軸受は、ミスト潤滑されることがある。この場合にもまた、上述の種類の回収系によって潤滑剤ミストを回収し、分離導管において潤滑剤および空気を互いに分離することができる。さらに、どんな可動機械部のミスト潤滑系にも本発明の分離導管を設けることができる。
【0026】
場合によって、本願の特徴事項は、他の特徴事項と無関係に使用することができる。他方、ここに開示した各特徴事項は、必要な場合、組み合わせて、さまざまな組合せを作ることができる。
【0027】
図面およびそれに関連する明細書は本発明の概念を説明することのみを企図としている。発明の詳細は特許請求の範囲内で変えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑対象(8)において圧搾空気および潤滑剤からなる潤滑剤ミストを回収し、これを戻り導管(26)を通して回収容器(13)に向けて搬送する工程と、
前記潤滑剤ミストから前記潤滑剤を分離して前記回収容器(13)へ入れる工程と、
前記圧搾空気を大気中へ放出させる工程とを含むミスト潤滑に使用する潤滑剤の取り扱い方法において、該方法は、
一連の複数の傾斜障壁面(33)が流れ方向を横切るように設けられた少なくとも1つの長尺状分離部材(28)を含む少なくとも1つの長尺状分離導管(27)を通して戻り潤滑剤ミストを搬送する工程と、
前記潤滑剤ミスト中の潤滑剤液滴(P)を前記分離部材(28)内の障壁面(33)に打ち当てることによって前記潤滑剤および圧搾空気を分離する工程と、
前記分離導管(27)から分離された潤滑剤を前記回収容器(13)へ回収する工程とを含むことを特徴とする潤滑剤の取り扱い方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、該方法は、
螺旋形分離部材(28)を有する分離導管(27)を使用し、
該螺旋形分離部材の螺旋状障壁面(33)へ前記潤滑剤ミストに含まれる潤滑剤液滴(P)を回収することを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、該方法は、前記戻り潤滑剤ミストを小さい断面(D1)の導管部分から大きい断面(D2)の分離導管(27)へ搬送し、これによって前記潤滑剤ミストの流速は、該分離導管(27)にはいったとき、前記断面の変化に比例して減少することを特徴とする方法。
【請求項4】
前記請求項のいずれかに記載の方法において、該方法は、削岩機(6)における潤滑対象(8)の潤滑に使用する潤滑剤ミストの戻り流を前記分離導管(27)にて扱うことを特徴とする方法。
【請求項5】
潤潤滑対象(8)から戻る滑剤ミストの戻り流を通過させる長尺状導管を含む潤滑剤ミスト用の分離導管において、
該分離導管(27)の内部には、少なくとも1つの長尺状分離部材(28)が設けられ、該分離部材は、該分離導管(27)の長手軸を横切る一連の複数の傾斜障壁面(33)を含むことを特徴とする潤滑剤ミスト用分離導管。
【請求項6】
請求項5に記載の分離導管において、該分離導管(27)は可撓性ホースであることを特徴とする分離導管。
【請求項7】
請求項5または6に記載の分離導管において、該分離導管(27)の長さは、少なくとも1000ミリメートルであることを特徴とする分離導管。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれかに記載の分離導管において、
該分離導管(27)は螺旋形部材であり、該部材は矩形断面を有する長尺状バンドを含み、該バンドはその長手軸を中心に複数回巻回し、
前記分離部材(28)の螺旋形表面は傾斜障壁面(23)として働くよう配設され、潤滑剤液滴がこれに打ち当たって、これに累積するように配設されていることを特徴とする分離導管。
【請求項9】
請求項5ないし8のいずれかに記載の分離導管において、該分離導管(27)の断面(32)は環状であり、その直径(D2)は少なくとも20ミリメートルであることを特徴とする分離導管。
【請求項10】
可動キャリア(2)と、
該キャリア(2)に配設された少なくとも1つの穿孔ブーム(3)と、
該穿孔ブーム(3)に配設された削岩装置(4)とを含み、該削岩装置(4)は、送りビーム(5)、および送り装置(7)により該送りビーム(5)上を移動可能な削岩機(6)を含み、該削岩機(6)は、衝撃パルスを工具(9)に対して生成する衝撃装置を含み、
さらに、ミスト潤滑系を含み、該ミスト循環系は、前記削岩機(6)に圧搾空気および潤滑剤を供給する送り導管(19、21)、圧搾空気および潤滑剤を混合して潤滑剤ミストにして、これを潤滑対象(8)へ運ぶ手段、潤滑後、前記潤滑対象(8)から前記潤滑剤ミストを搬出する少なくとも1つの導管、前記圧搾空気から前記潤滑剤を分離する手段、ならびに該分離した潤滑剤を回収する回収容器(13)を含む削岩リグにおいて、
前記ミスト潤滑系は、少なくとも1つの長尺状分離部材(28)が設けられた少なくとも1つの長尺状分離導管(27)を含み、該分離導管(27)内で前記潤滑剤および圧搾空気が互いに分離されるよう配設され、
前記分離部材(28)は、流れ方向を横切る一連の複数の傾斜障壁面(33)を有し、該壁面に前記潤滑剤ミストの潤滑剤液滴(P)が打ち当たり、該壁面に累積するよう配設されていることを特徴とする削岩リグ。
【請求項11】
請求項10に記載の削岩リグにおいて、前記分離導管(27)の内側断面面積((D2)は、該分離導管の上流の排出導管部(26)の内側断面面積(D1)の少なくとも2倍であることを特徴とする削岩リグ。
【請求項12】
請求項10または11に記載の削岩リグにおいて、
前記分離導管(27)の最外側端部は、前記キャリア(2)上にある閉じた回収容器(13)の中へ配設され、
該回収容器(13)に関連して、少なくとも1つの篩(29)が設けられ、該篩を通して前記潤滑剤ミストから分離された圧搾空気を大気へ排出させることを特徴とする削岩リグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−517739(P2011−517739A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550227(P2010−550227)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【国際出願番号】PCT/FI2009/050188
【国際公開番号】WO2009/112637
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(506286478)サンドビク マイニング アンド コンストラクション オサケ ユキチュア (70)
【氏名又は名称原語表記】SANDVIK MINING AND CONSTRUCTION OY
【Fターム(参考)】