説明

潤滑剤組成物及び揺動運動用転がり軸受

【課題】潤滑性能に優れ、揺動運動に伴う潤滑不足を生じにくい潤滑剤組成物、並びに製造コストを上昇させることなく、耐フレッチング磨耗性に優れ長寿命の揺動運動用転がり軸受を提供する。
【解決手段】揺動運動される箇所に適用される潤滑剤組成物であって、エステル油に、特定のウレア化合物と、ベンジリデンソルビトール誘導体とを、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比が0.1〜1.0で、かつ、ウレア化合物とベンジリデンソルビトール誘導体との合計量が10〜30質量%となるように配合したことを特徴とする潤滑剤組成物、並びに前記潤滑剤組成物により潤滑された揺動運動用転がり軸受。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揺動運動される箇所に適用される潤滑剤組成物、並びに前記潤滑剤組成物で潤滑され、内輪または外輪が微小角度で揺動運動を繰り返す揺動運動用転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に電子部品を実装する実装機の駆動部や、NC制御工作機械における加工品の移動または刃物台の移動に使用されるAC(DC)サーボモータ等に使用される転がり軸受は、正転及び逆転を反復する揺動運動が頻繁に行なわれる。このような揺動運動用転がり軸受では、メンテナンスフリーを目的として、外輪及び内輪の各軌道面間にグリースを封入したものが多い。
【0003】
一般に、揺動運動用転がり軸受では、転動体と軌道面との接触位置が局部的になったり、揺動角の両死点における揺動方向の変更に伴い一時的に揺動速度がゼロになるため、転動体と軌道面との間に油膜が形成されにくい領域が生じて転動体及び軌道面が相対的に、かつ、反復して微小滑りを起こし、前記領域においてフレッチング摩耗(または揺動摩耗)と呼ばれる異常摩耗が発生しやすい。そのため、上記のようにグリースを封入しても、揺動運動により、転動体と軌道面との間に入り込んだ潤滑剤が弾き出される傾向にあり、潤滑不足により同様の異常摩耗を起こしやすい。
【0004】
このような背景から、セラミックス製の転動体を用いることで、揺動運動に伴う微小滑動が生じてもフレッチング磨耗を発生し難くした転がり軸受が提案されている(特許文献1参照)。しかし、セラミックス製転動体は高価であるため製造コスト増を招き、更には揺動運動に伴う潤滑不足は依然として生じるおそれがある。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2510408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、実装機やNC制御工作機械の高速化に伴い、揺動運動用転がり軸受の揺動周波数も増加の一途を辿っており、上記のような潤滑不足に伴う摩耗の解決が強く求められている。
【0007】
そこで本発明は、潤滑性能に優れ、上記のような揺動運動に伴う潤滑不足を生じにくい潤滑剤組成物、並びに製造コストを上昇させることなく、耐フレッチング磨耗性に優れ長寿命の揺動運動用転がり軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は下記の潤滑剤組成物及び揺動運動用転がり軸受を提供する。
(1)揺動運動される箇所に適用される潤滑剤組成物であって、エステル油に、下記一般式(1)または(2)で表されるウレア化合物と、ベンジリデンソルビトール誘導体とを、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比が0.1〜1.0で、かつ、ウレア化合物とベンジリデンソルビトール誘導体との合計量が10〜30質量%となるように配合したことを特徴とする潤滑剤組成物。
【0009】
【化2】

【0010】
〔(1)式中、C2m+1及びC2n+1は直鎖アルキル基であり、m+nは16〜36である。また、(2)式中、C2x+1及びC2y+1は直鎖アルキル基であり、x+yは20〜36である。〕
(2)内輪または外輪が微小角度で揺動運動を繰り返す揺動運動用転がり軸受において、上記(1)記載の潤滑剤組成物により潤滑されていることを特徴とする揺動運動用転がり軸受。
【発明の効果】
【0011】
本発明の潤滑剤組成物は、せん断力が加わる状態では油状(降伏値を持たない)となり、せん断力が加わらない状態では固まってゲル状(降伏値の大きい状態)となる。そのため、揺動運動用転がり軸受に封入した場合、転送面から排出されても、保持器とシールとの隙間や転送面付近に存在するグリースとの接触で生じる極く弱いせん断力により油状となり、転送面に再度供給され、揺動運動用途での潤滑不足による摩耗が抑えられて長寿命となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0013】
〔潤滑剤組成物〕
本発明の潤滑剤組成物は、エステル油に、下記一般式(1)または(2)で表されるウレア化合物と、ベンジリデンソルビトール誘導体とを配合したものである。
【0014】
【化3】

【0015】
尚、(1)式中、C2m+1及びC2n+1は直鎖アルキル基であり、m+nは16〜36である。また、(2)式中、C2x+1及びC2y+1は直鎖アルキル基であり、x+yは20〜36である。
【0016】
エステル油としては、制限はないが、芳香族系三塩基酸または芳香族系四塩基酸と、分岐アルコールとの反応から得られる芳香族エステル油、一塩基酸と多価アルコールとの反応から得られるポリオールエステル油等を好適に挙げることができる。
【0017】
具体的には、芳香族エステル油としては、芳香族系三塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるエステル油としてピロメリット酸エステル油、トリメシン酸エステル油、具体的にはトリオクチルトリメリテートやトリデシルトリメリテート、芳香族系四塩基酸と分岐アルコールとの反応から得られるピロメリット酸エステル油、具体的にはテトラオクチルピロメリテート等が挙げられる。
【0018】
また、ポリオールエステル油としては、以下に示す多価アルコールと一塩基酸とを適宜組み合わせて反応させて得られるものが挙げられる。尚、一塩基酸は単独でもよいし、複数を用いてもよい。更に、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステルとして用いてもよい。多価アルコールとしては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ネオペンチルグルコール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。一方、一塩基酸としては、主に炭素数4〜16の一価脂肪酸が用いられ、具体的には、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミステリン酸、パルミチン酸、牛脂脂肪酸、ステアリン酸、カプロレイン酸、パルミトレイン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、アスクレピン酸、バクセン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノイン酸、アビニン酸、リシノール酸等が挙げられる。
【0019】
上記のウレア化合物は、ジイソシアネートと、モノアミンとを反応させて得られる。ジイソシアネートとしては、一般式(1)で表されるウレア化合物ではヘキサメチレンジイソシアネートを、一般式(2)で表されるウレア化合物では4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いる。一方、モノアミンとしては、一般式(1)で表されるウレア化合物では直鎖のC2m+1を有する脂肪族アミン及び直鎖のC2n+1を有する脂肪族アミンを用い、一般式(2)で表されるウレア化合物では直鎖のC2x+1を有する脂肪族アミン及び直鎖のC2y+1を有する脂肪族アミンを用いる。尚、m+nは16〜36であり、x+yは20〜36であるが、炭素数が多いほどエステル油との親和性が高く、好ましい。
【0020】
ベンジリデンソルビトール誘導体としては、ジベンジリデンソルビトール、ジトリリデンソルビトール、非対称のジアルキルベンジリデンソルビトール等を好適に挙げることができる。
【0021】
ベンジリデンソルビトール誘導体は、数質量%の添加量で基油をNLGI No.2〜No.3程度の硬さに増ちょうできる能力を備えている。また、せん断を受けた時に結晶粒子が分散して流動性を示し、せん断を受けない時には結晶粒子が凝集して流動性を示さなくなるという、流動−復元可逆性を有する。しかし、せん断の有無を繰り返すうちに短時間での構造復元が困難になり、軟化するようになる。そこで、この流動−復元可逆性が緩やかであるウレア化合物を併用することにより、ベンジリデンソルビトール流動体の結晶粒子がウレア化合物の結晶粒子を架橋して再凝集し易くなり、安定した流動−復元可逆性が得られるようになる。
【0022】
このような作用を効果的に得るために、ウレア化合物とベンジリデンソルビトール誘導体とを、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比で0.1〜1.0となるように混合して使用する。この混合比が0.1未満であると、ベンジリデンソルビトール誘導体の結晶粒子の凝集が起こり難く、せん断を受けない時に増ちょう剤網目構造の復元が遅くなり、適用箇所から漏洩しやすくなる。一方、この混合比が1を超えると、分散・凝集の可逆性が損なわれ、漏洩しやすくなる。
【0023】
また、ウレア化合物及びベンジリデンソルビトール誘導体は、共に増ちょう剤として機能する。そのため、両者の合計で、潤滑剤組成物全量の10〜30質量%を占めるように配合される。合計での配合量が10質量%未満では潤滑剤組成物が初期から柔らかすぎて適用箇所から漏洩しやすく、30質量%を超える流動性が低く適用箇所に十分な潤滑性を付与できない。
【0024】
尚、ウレア化合物及びベンジリデンソルビトール誘導体は、共にエステル油との親和性が高く、所定温度まで昇温させるとエステル油に完全に溶解し、エステル油中にそれぞれの結晶粒子を均一に生成することができることから、核生成状態を冷却方法で制御できる。また、粒径の小さい結晶粒子を生成でき、揺動運動用転がり軸受に充填した場合、軸受音響特性に優れるようになる。
【0025】
潤滑剤組成物には、その用途に応じて添加剤を配合することにより、各種性能を向上させることができる。例えば、揺動運動用転がり軸受の潤滑に使用する場合、アミン系、フェノール系、硫黄系、ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸亜鉛等の酸化防止剤;スルホン酸金属塩、エステル系、アミン系、ナフテン酸金属塩、コハク酸誘導体等の防錆剤;リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブデン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性向上剤;ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤等をそれぞれ単独で、あるいは適宜組み合わせて添加することができる。尚、これら添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限されるものではない。
【0026】
[揺動運動用転がり軸受]
本発明はまた、上記の潤滑剤組成物で潤滑される揺動運動用転がり軸受を提供する。揺動運動用転がり軸受は、内輪または外輪が微小角度で正転と逆転とを繰り返し行なうため、フレッチング摩耗を起こし易い。しかし、上記の結晶粒子の分散・凝集可逆性に優れる潤滑剤組成物で潤滑することにより、耐フレッチング磨耗性に優れるようになる。
【0027】
尚、揺動運動用転がり軸受の種類や構造には制限がなく、例えば駆動部やNC制御工作機械に組み込まれている転がり軸受を対象とすることができる。具体的には図1に断面図で示す玉軸受1を例示することができるが。内輪10と外輪11との間に、保持器12を介して複数の転動体である玉13を転動自在に保持し、内輪10と外輪11との間に上記の潤滑剤組成物Gを充填し、シール部材14で封止して構成される。
【実施例】
【0028】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0029】
(実施例1)
第1の容器にて、42部のペンタエリスリトールエステル(PET)にヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を4部添加して溶解し、70℃まで加熱した。第2の容器にて、45部のPETにオクチルアミン(CNH)を6部溶解した。そして、第1の容器に第2の容器の内容物を入れ、攪拌しながら徐々に昇温して140℃で30分保持してウレア化合物を合成した。次いで、第1の容器にジベンジリデンソルビトール(DBS)を3部添加し、十分に攪拌して混合した後、195℃まで昇温してウレア化合物とDBSとを完全に溶解させた。次いで、予め水冷したアルミニウム製バットに第1の容器の内容物を流し込み、バットを流水で冷却することでゲル状物を得た。そして、ゲル状物を3本ロールミルにかけて供試潤滑剤組成物を得た。
【0030】
(実施例2〜6)
表1に示す基油、ジイソシアネート、モノアミン及びベンジリデンソルビトール誘導体を用い、実施例1に準じて供試潤滑剤組成物を得た。
【0031】
(比較例1)
PET中で、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とシクロへキシルアミン(CHA)とを反応させてウレア化合物を合成し、供試潤滑剤組成物を得た。
【0032】
(比較例2)
PETにDBSを添加して供試潤滑剤組成物を得た。
【0033】
(比較例3)
鉱油(MO)に12ヒドロキシステアリン酸リチウムを配合して供試潤滑剤組成物を得た。
【0034】
(1)せん断の有無と見かけ粘度との関係
実施例1の供試潤滑剤組成物と比較例1の供試潤滑剤組成物とを用い、初期の見かけ粘度(図中●)、せん断を1回受けた後の見かけ粘度(図中▲)、せん断を1回受け所定時間放置した後の見かけ粘度(図中■)、放置後更にせん断を受けたときの見かけ粘度(図中◆)を測定した。図2に実施例1の供試潤滑剤組成物の測定結果を示すが、本発明の潤滑剤組成物は、せん断を受けたときに油状となって流動性を示し、放置すると元の硬さのゲル状に戻る特性を有することがわかる。一方、図3に比較例1の供試潤滑剤組成物の測定結果を示すが、ウレア化合物のみを含むため、せん断を受けた時と放置時とで見かけ粘度の変化が少ない。
【0035】
(2)流動−復元可逆性試験
実施例1、比較例1及び比較例2の供試潤滑剤組成物について、自転−公転式攪拌機(せん断条件:自転1370r/min、公転1370r/min、3min)で攪拌して不混和ちょう度を測定した後、40℃で3時間放置して不混和ちょう度を測定するサイクルを4回繰り返した。結果を表1及び図4に示すが、1回目のせん断後の不混和ちょう度と、2〜4回のせん断後の各不混和ちょう度との差、並びに1回目の放置後の不混和ちょう度と、2〜4回目の放置後の各不混和ちょう度との差が、何れも±15以内であれば、良好な流動−復元可逆性を有すると見なすことができ、実施例1の供試潤滑剤組成物はこの基準を満足している。これに対し、比較例1及び比較例2供試潤滑剤組成物は、攪拌と放置とを繰り返すうちに、放置後の不混和ちょう度の上昇が大きく、流動−復元可逆性が低下している。
【0036】
(3)軸受漏洩試験
非接触シール付きの単列深溝玉軸受(内径25mm、外径62mm、幅17mm)に各供試潤滑剤組成物を充填して供試軸受を作製した。そして、供試軸受を、回転数10000r/min、アキシアル荷重98N,ラジアル荷重98Nにて20時間連続回転させ、初期重量との差からグリース漏洩率を求めた。結果を表1に示すが、グリース漏洩率6質量%以下が合格である。実施例の供試軸受は、何れも前記基準を満たしている。
【0037】
また、実施例1に従い、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比を変えて供試潤滑剤組成物を調製し、同様にしてグリース漏洩率を求めた。結果を図5に示すが、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比が1の供試潤滑剤組成物に対する相対値で示してある。同図から、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比が0.1〜1.0の範囲であればグリース漏洩を極力抑え得ることがわかる。
【0038】
(4)耐フレッチング試験
非接触シール付きの単列深溝玉軸受(内径8mm、外径22mm、幅7mm)に各供試潤滑剤組成物を充填して試験軸受を作製した。そして、試験軸受を図6に示す試験装置に組み込み、揺動周波数30Hz、揺動角度±4°、荷重29.4N、揺動回数5×10回の条件で揺動させた後にアンデロン値(High Band)を測定し、揺動前のアンデロン値(High Band)からの上昇値比を求めた。結果を表1に示すが、比較例1の上昇値比に対する相対値で示し、上昇値比0.8以下が合格である。実施例の供試軸受は、何れも前記基準を満たしている。
【0039】
尚、図示される試験装置は、フレーム40に取り付けられ、駆動機構41と、フレーム40に固定された固定軸42と、下端部43が駆動機構41の駆動軸44に連結され、該駆動機構41の駆動力により軸線の周りに回転駆動される外筒45とを備える。固定軸42は外筒45に挿入され、その下端部はサポート軸受46を介して外筒45に支持されている。固定軸42の上端部は予圧ばね機構47により支持され、その上端部と下端部との間の途中部位には、被試験軸受固定部48が設けられている。この被試験軸受固定部48には、複数の試験軸受Aの内輪が固定され、各試験軸受Aの外輪は外筒45に固定される。予圧ばね機構47は、固定軸42をその上端部から所定の圧力で押し付けることによって、試験軸受Aに予圧を掛けるように構成されている。そして、フレッチング試験時には、予圧ばね機構47により試験軸受Aに予圧を掛け、駆動機構41により外筒45をその軸線の周りに所定の周期でかつ所定の角度で所定回数揺動させることにより、外筒45の揺動により試験軸受Aに揺動運動が与えられる。
【0040】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の揺動運動用転がり軸受の一例である玉軸受を示す断面図である。
【図2】実施例1の供試潤滑剤組成物におけるせん断応力と見かけ粘度との関係を示すグラフである。
【図3】比較例1の供試潤滑剤組成物におけるせん断応力と見かけ粘度との関係を示すグラフである。
【図4】実施例における(2)流動−復元可逆性試験の結果を示すグラフである。
【図5】実施例で得られた(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比とグリース漏洩率との関係を示すグラフである。
【図6】実施例において(4)耐フレッチング摩耗試験に用いた試験装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0042】
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
12 保持器
13 玉
14 シール部材
G 潤滑剤組成物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺動運動される箇所に適用される潤滑剤組成物であって、
エステル油に、下記一般式(1)または(2)で表されるウレア化合物と、ベンジリデンソルビトール誘導体とを、(ベンジリデンソルビトール誘導体/ウレア化合物)重量比が0.1〜1.0で、かつ、ウレア化合物とベンジリデンソルビトール誘導体との合計量が10〜30質量%となるように配合したことを特徴とする潤滑剤組成物。
【化1】

〔(1)式中、C2m+1及びC2n+1は直鎖アルキル基であり、m+nは16〜36である。また、(2)式中、C2x+1及びC2y+1は直鎖アルキル基であり、x+yは20〜36である。〕
【請求項2】
内輪または外輪が微小角度で揺動運動を繰り返す揺動運動用転がり軸受において、請求項1記載の潤滑剤組成物により潤滑されていることを特徴とする揺動運動用転がり軸受。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−285575(P2008−285575A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131303(P2007−131303)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】