火災感知器用点検ボックス
【課題】 施工の関係上、蓋における蓋取付枠とボックス本体とが離れている場合においても、昇降路壁の厚味に左右されることなくスイッチによるエレベータの停止を行うことができる。
【解決手段】 筒状のボックス本体2と、一端部に火災感知器4を取り付けると共に他端部を直角に折曲してストッパー部3aとなし、幅方向の両端部をボックス本体2のガイドレール2b、2bに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板3と、開口部を有し、且つボックス本体2の感知器取付板3が差し込まれる側の開口部側に設置する蓋取付枠6及び該蓋取付枠6の開口を塞ぐ蓋本体7とからなる蓋5とをもって構成する。蓋5における蓋取付枠6にエレベータ停止用リミットスイッチ13を取り付ける。
【解決手段】 筒状のボックス本体2と、一端部に火災感知器4を取り付けると共に他端部を直角に折曲してストッパー部3aとなし、幅方向の両端部をボックス本体2のガイドレール2b、2bに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板3と、開口部を有し、且つボックス本体2の感知器取付板3が差し込まれる側の開口部側に設置する蓋取付枠6及び該蓋取付枠6の開口を塞ぐ蓋本体7とからなる蓋5とをもって構成する。蓋5における蓋取付枠6にエレベータ停止用リミットスイッチ13を取り付ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータにおける乗りかごが昇降する昇降路等の内部に設置する火災感知器を、昇降路の外部に取り出して点検するための火災感知器用点検ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータにおける乗りかごが昇降する昇降路の内部には、火災感知器の設置が義務づけられており、そしてまた、この火災感知器の定期点検も義務づけられている。
【0003】
そして、上記火災感知器を点検する際に、火災感知器を昇降路内に固定することなく、これを昇降路の外部に取り出して行うことができるようにすれば、安全且つ迅速に点検作業を済ませることができることから、従来においてもこのようにするための火災感知器用点検ボックスが用いられている(例えば、特許文献1)。
【0004】
斯かる火災感知器用点検ボックスは、昇降路壁に、その内外に貫通するよう埋設されており、左右垂直壁の内面に後記感知器取付板が差し込まれるガイドレールを設けた筒状のボックス本体と、一端部に火災感知器を取り付けると共に他端部を直角に折曲してストッパー部となし、幅方向の両端部を前記ボックス本体のガイドレールに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板と、前記感知器取付板に取り付けられた火災感知器を挿通可能な開口部を有し、且つ前記ボックス本体の感知器取付板が差し込まれる側の開口部側に設置する蓋取付枠及び該蓋取付枠の開口部を塞ぐ蓋本体とからなる蓋とをもって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−22769
【0006】
そして、上記火災感知器用点検ボックスは、その火災感知器を点検するときには、蓋における蓋本体を開き、火災感知器取付板を手前に引いて火災感知器を昇降路内から取り出し、点検終了後再び逆の手順により再セットするものである。
【0007】
ところで、上記火災感知器用点検ボックスにおいては、蓋における蓋本体を開くときには、必ずエレベータを停止する構造とすることが義務づけられるようになった。
【0008】
そして、斯かる義務を履行するについて、エレベータを停止する構造は適宜のスイッチを用いて行うことになるが、火災感知器用点検ボックスにおいては、それを埋設する昇降路壁の厚味が、該火災感知器用点検ボックスの所定のサイズより大き過ぎるために、施工の関係上、蓋における蓋取付枠とボックス本体とを離して取り付けなければならない場合がある。この場合においては蓋取付枠とボックス本体との間隔は、昇降路壁の厚味によることになる。
【0009】
そして、この場合においてボックス本体側にスイッチを取り付けたとして、蓋取付枠とボックス本体との間隔がスイッチの起動範囲内の適当な間隔であればスイッチによる正常なエレベータの停止を行うことができるが、相互の間隔が広過ぎるとこれができないことになる。これはつまり、スイッチによるエレベータ停止機構が昇降路壁の厚味に左右されることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、エレベータ停止用スイッチを蓋における蓋取付枠又は蓋本体に取り付けることにより、施工の関係上、蓋における蓋取付枠とボックス本体とが離れている場合においても、昇降路壁の厚味に左右されることなくスイッチによるエレベータの停止を行うことができるようになした火災感知器用点検ボックスを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
而して、本発明の要旨とするところは、左右側壁内面に後記感知器取付板が差し込まれるガイドレールを設けた筒状のボックス本体と、火災感知器を取り付けると共に幅方向の両端部を前記ガイドレールに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板と、該感知器取付板に取り付けられた火災感知器を挿通可能な開口部を有し、且つ前記ボックス本体の感知器取付板が差し込まれる側の開口部側に設置する蓋取付枠及び該蓋取付枠の開口部を塞ぐ蓋本体とからなる蓋とをもって構成される火災感知器用点検ボックスにおいて、エレベータ停止用スイッチを、前記蓋取付枠又は蓋本体に取り付けたことを特徴とする火災感知器用点検ボックスにある。
【0012】
そして、上記構成において、前記蓋取付枠に支持片部を設け、該支持片部に、作動子を前記蓋本体の開閉によって動作するように位置せしめてエレベータ停止用スイッチを固定するようにしてもよい。
【0013】
そして、上記構成において、支持片部を、蓋取付枠の一部をその開口部に張り出させて形成してもよく、またその場合に、該張り出した部分の先端側を直角に折曲してもよい。
【0014】
また、上記構成において、エレベータ停止用スイッチをリミットスイッチとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記の如き構成であり、エレベータ停止用スイッチを、蓋における蓋取付枠又は蓋本体に取り付けたものであるから、施工の関係上、蓋における蓋取付枠とボックス本体とが離れている場合においても、昇降路壁の厚味に左右されることなくスイッチによるエレベータの停止を行うことができるものである。
【0016】
また、エレベータ停止用スイッチを蓋取付枠に取り付けるにあたり、該エレベータ停止用スイッチを蓋取付枠に設けた支持片部に固定するようになし、そして、該支持片部を、蓋取付枠の一部をその開口部に張り出させて形成し、或いは更に該張り出した部分の先端側を直角に折曲した場合には、蓋取付枠の打ち抜き成形時に支持片部も同時に形成することができるから、特別な成形作業が不要であり、手間とコストの面において負担が少なくて済む。
【0017】
また、エレベータ停止用スイッチとしてリミットスイッチを用いる場合には、スイッチの構成を単純化することができると共に低コストでの実施を可能とすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る火災感知器用点検ボックスの蓋を開いた状態の正面図である。
【図2】同蓋を閉じた状態の正面図である。
【図3】図2中、火災感知器を省略して示したA−B線断面図である。
【図4】蓋取付枠の打ち抜き成形時の状態の平面図である。
【図5】蓋取付枠の正面図である。
【図6】蓋取付枠の右側面図である。
【図7】蓋取付枠の背面図である。
【図8】図7中C−D線断面図である。
【図9】昇降路壁が薄い場合の施工状態における蓋を閉じた状態の側面図である。
【図10】同蓋を開いた状態の側面図である。
【図11】同蓋を開いて感知器取付板を一部引き出した状態の側面図である。
【図12】昇降路壁が厚い場合の施工状態における蓋を閉じた状態の側面図である。
【図13】同蓋を開いた状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図中、1は火災感知器用点検ボックスである。また、該火災感知器用点検ボックス1は、後記筒状のボックス本体と、感知器取付板と、蓋取付枠及び蓋本体からなる蓋とをもって構成されている。
【0021】
即ち、後記感知器取付板の差し込み側の開口部に、ビス螺合孔2a′を有する連結片部2a、2a、2a、2aを設けると共に、左右垂直壁の内面にガイドレール2b、2bを設けた金属製のボックス本体2と、一端部に火災感知器4を取り付けると共に他端部を直角に折曲してストッパー部3aとなし、幅方向の両端部を前記ボックス本体2のガイドレール2b、2bに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板3と、前記ボックス本体2の開口部と略同形、同大の開口部を有し且つ該開口部の前記ボックス本体2の連結片部2a、2a、2a、2aと合わさる位置にビス挿通孔6a、6a、6a、6aを有する連結片部6b、6b、6b、6bを設け、ビス6c、6c、6c、6cをもって前記ボックス本体2の開口部に連結固定する蓋取付枠6及び該蓋取付枠6の開口部を塞ぐ蓋本体7とからなる蓋5とをもって構成されている。また、蓋取付枠6に、蓋取付枠6と蓋本体7の隙間を密閉するためのゴムパッキン15が設けられている。斯かる構成は従来のものと同様である。
【0022】
尚、本態様においては、蓋5における蓋本体7を蓋取付枠6に枢軸8を介して枢着しているが、必ずしもこのようにしなくてもよい。即ち、蓋本体7を蓋取付枠6から取り外すことができるようにしてもよい。また、9は蓋取付枠6の開口部に設けた、ビス螺合孔9aを有する連結片部、10は蓋本体7に設けたビス挿通孔である。そして、ビス10aを蓋本体7のビス挿通孔10から挿通し、蓋取付枠6における連結片部9のビス螺合孔9aに螺合させて蓋本体7の閉じた状態を保持するものである。
【0023】
また、本態様においては、前記ボックス本体2の感知器取付板3の差し込み側の開口部における左右垂直壁に、前記感知器取付板3をボックス本体2のガイドレール2b、2bに差し込むことができる位置に切欠き12を設けた邪魔板部11、11を設けているが、必ずしもこのようにしなくてもよい。
【0024】
そして、上記火災感知器用点検ボックス1は、その火災感知器4を点検するときには、蓋5における蓋本体7を開き、火災感知器取付板3を手前に引いて火災感知器4を昇降路内から取り出し、点検終了後再び逆の手順により再セットするものである。
【0025】
而して、本発明においては、上記構成の火災感知器用点検ボックス1において、エレベータ停止用スイッチ(本実施形態においてはリミットスイッチ)13を、前記蓋5における蓋取付枠6又は蓋本体7に取り付けたことを特徴とするものである。
【0026】
また、本実施形態においては、前記リミットスイッチ13は、蓋取付枠6に支持片部14を設け、該支持片部14に、作動子13aを蓋本体7の開閉によって動作するように位置せしめて固定している。尚、リミットスイッチ13を蓋本体7に取り付ける実施形態は説明を省略している。
【0027】
また、前記支持片部14は、本実施形態においては、蓋取付枠6の一部をその開口部に張り出させると共に、該張り出した部分の先端側を直角にボックス本体2側に折曲して形成している。
【0028】
また、図4には本実施形態に係る蓋取付枠6の展開平面図を示しており、一枚の金属板を打ち抜いてなり、中央に開口部を有する本体部6Aの左右に折線S1、S2を介して側壁部6B、6Cを連設すると共に、前記本体部6Aの上部に折線S3を介して天壁部6Dを連設し、更に開口部の四隅にビス挿通孔6a、6a、6a、6aを有する連結片部6b、6b、6b、6bを設けると共に、開口部の上部中央にビス螺合孔9aを有する連結片部9を設け、更に開口部の下部中央に前記支持片部14を設けている。
【0029】
また、上記本実施形態に係る火災感知器用点検ボックス1は、昇降路壁Wが薄い場合には、図9乃至図11に示す如く、ボックス本体2と蓋5とを連結一体化した状態において昇降路壁W内に埋設するものであるが、昇降路壁Wが厚い場合には、図12及び図13に示す如く、軸の長いビス6cを用いることにより、ボックス本体2と蓋5とを離して埋設するものである。
【0030】
而して、上記図9乃至図11に示す場合と図12及び図13に示す場合のいずれの場合においても、蓋5における蓋本体7が閉じているときはリミットスイッチ13によってエレベータの運転を停止する信号がOFFの状態(運転を継続する信号がONの状態)であり、また蓋本体7が開いたときにはリミットスイッチ13によってエレベータの運転を停止する信号がON(運転を継続する信号がOFF)となるものである。
【0031】
そして、本発明においては、上記の如く、リミットスイッチ13を蓋5における蓋取付枠6又は蓋本体7に取り付けたことにより、施工の関係で蓋5における蓋取付枠6とボックス本体2とが離れている場合においても、昇降路壁Wの厚味に左右されることなくスイッチによるエレベータの停止を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0032】
1 火災感知器用点検ボックス
2 ボックス本体
2a、2a、2a、2a 連結片部
2a′ ビス螺合孔
2b、2b ガイドレール
3 感知器取付板
3a ストッパー部
4 火災感知器
5 蓋
6 蓋取付枠
7 蓋本体
9 連結片部
9a ビス螺合孔
10 ビス挿通孔
11、11 邪魔板部
12 切欠き
13、13 リミットスイッチ
14 支持片部
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータにおける乗りかごが昇降する昇降路等の内部に設置する火災感知器を、昇降路の外部に取り出して点検するための火災感知器用点検ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータにおける乗りかごが昇降する昇降路の内部には、火災感知器の設置が義務づけられており、そしてまた、この火災感知器の定期点検も義務づけられている。
【0003】
そして、上記火災感知器を点検する際に、火災感知器を昇降路内に固定することなく、これを昇降路の外部に取り出して行うことができるようにすれば、安全且つ迅速に点検作業を済ませることができることから、従来においてもこのようにするための火災感知器用点検ボックスが用いられている(例えば、特許文献1)。
【0004】
斯かる火災感知器用点検ボックスは、昇降路壁に、その内外に貫通するよう埋設されており、左右垂直壁の内面に後記感知器取付板が差し込まれるガイドレールを設けた筒状のボックス本体と、一端部に火災感知器を取り付けると共に他端部を直角に折曲してストッパー部となし、幅方向の両端部を前記ボックス本体のガイドレールに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板と、前記感知器取付板に取り付けられた火災感知器を挿通可能な開口部を有し、且つ前記ボックス本体の感知器取付板が差し込まれる側の開口部側に設置する蓋取付枠及び該蓋取付枠の開口部を塞ぐ蓋本体とからなる蓋とをもって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−22769
【0006】
そして、上記火災感知器用点検ボックスは、その火災感知器を点検するときには、蓋における蓋本体を開き、火災感知器取付板を手前に引いて火災感知器を昇降路内から取り出し、点検終了後再び逆の手順により再セットするものである。
【0007】
ところで、上記火災感知器用点検ボックスにおいては、蓋における蓋本体を開くときには、必ずエレベータを停止する構造とすることが義務づけられるようになった。
【0008】
そして、斯かる義務を履行するについて、エレベータを停止する構造は適宜のスイッチを用いて行うことになるが、火災感知器用点検ボックスにおいては、それを埋設する昇降路壁の厚味が、該火災感知器用点検ボックスの所定のサイズより大き過ぎるために、施工の関係上、蓋における蓋取付枠とボックス本体とを離して取り付けなければならない場合がある。この場合においては蓋取付枠とボックス本体との間隔は、昇降路壁の厚味によることになる。
【0009】
そして、この場合においてボックス本体側にスイッチを取り付けたとして、蓋取付枠とボックス本体との間隔がスイッチの起動範囲内の適当な間隔であればスイッチによる正常なエレベータの停止を行うことができるが、相互の間隔が広過ぎるとこれができないことになる。これはつまり、スイッチによるエレベータ停止機構が昇降路壁の厚味に左右されることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、エレベータ停止用スイッチを蓋における蓋取付枠又は蓋本体に取り付けることにより、施工の関係上、蓋における蓋取付枠とボックス本体とが離れている場合においても、昇降路壁の厚味に左右されることなくスイッチによるエレベータの停止を行うことができるようになした火災感知器用点検ボックスを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
而して、本発明の要旨とするところは、左右側壁内面に後記感知器取付板が差し込まれるガイドレールを設けた筒状のボックス本体と、火災感知器を取り付けると共に幅方向の両端部を前記ガイドレールに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板と、該感知器取付板に取り付けられた火災感知器を挿通可能な開口部を有し、且つ前記ボックス本体の感知器取付板が差し込まれる側の開口部側に設置する蓋取付枠及び該蓋取付枠の開口部を塞ぐ蓋本体とからなる蓋とをもって構成される火災感知器用点検ボックスにおいて、エレベータ停止用スイッチを、前記蓋取付枠又は蓋本体に取り付けたことを特徴とする火災感知器用点検ボックスにある。
【0012】
そして、上記構成において、前記蓋取付枠に支持片部を設け、該支持片部に、作動子を前記蓋本体の開閉によって動作するように位置せしめてエレベータ停止用スイッチを固定するようにしてもよい。
【0013】
そして、上記構成において、支持片部を、蓋取付枠の一部をその開口部に張り出させて形成してもよく、またその場合に、該張り出した部分の先端側を直角に折曲してもよい。
【0014】
また、上記構成において、エレベータ停止用スイッチをリミットスイッチとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上記の如き構成であり、エレベータ停止用スイッチを、蓋における蓋取付枠又は蓋本体に取り付けたものであるから、施工の関係上、蓋における蓋取付枠とボックス本体とが離れている場合においても、昇降路壁の厚味に左右されることなくスイッチによるエレベータの停止を行うことができるものである。
【0016】
また、エレベータ停止用スイッチを蓋取付枠に取り付けるにあたり、該エレベータ停止用スイッチを蓋取付枠に設けた支持片部に固定するようになし、そして、該支持片部を、蓋取付枠の一部をその開口部に張り出させて形成し、或いは更に該張り出した部分の先端側を直角に折曲した場合には、蓋取付枠の打ち抜き成形時に支持片部も同時に形成することができるから、特別な成形作業が不要であり、手間とコストの面において負担が少なくて済む。
【0017】
また、エレベータ停止用スイッチとしてリミットスイッチを用いる場合には、スイッチの構成を単純化することができると共に低コストでの実施を可能とすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る火災感知器用点検ボックスの蓋を開いた状態の正面図である。
【図2】同蓋を閉じた状態の正面図である。
【図3】図2中、火災感知器を省略して示したA−B線断面図である。
【図4】蓋取付枠の打ち抜き成形時の状態の平面図である。
【図5】蓋取付枠の正面図である。
【図6】蓋取付枠の右側面図である。
【図7】蓋取付枠の背面図である。
【図8】図7中C−D線断面図である。
【図9】昇降路壁が薄い場合の施工状態における蓋を閉じた状態の側面図である。
【図10】同蓋を開いた状態の側面図である。
【図11】同蓋を開いて感知器取付板を一部引き出した状態の側面図である。
【図12】昇降路壁が厚い場合の施工状態における蓋を閉じた状態の側面図である。
【図13】同蓋を開いた状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0020】
図中、1は火災感知器用点検ボックスである。また、該火災感知器用点検ボックス1は、後記筒状のボックス本体と、感知器取付板と、蓋取付枠及び蓋本体からなる蓋とをもって構成されている。
【0021】
即ち、後記感知器取付板の差し込み側の開口部に、ビス螺合孔2a′を有する連結片部2a、2a、2a、2aを設けると共に、左右垂直壁の内面にガイドレール2b、2bを設けた金属製のボックス本体2と、一端部に火災感知器4を取り付けると共に他端部を直角に折曲してストッパー部3aとなし、幅方向の両端部を前記ボックス本体2のガイドレール2b、2bに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板3と、前記ボックス本体2の開口部と略同形、同大の開口部を有し且つ該開口部の前記ボックス本体2の連結片部2a、2a、2a、2aと合わさる位置にビス挿通孔6a、6a、6a、6aを有する連結片部6b、6b、6b、6bを設け、ビス6c、6c、6c、6cをもって前記ボックス本体2の開口部に連結固定する蓋取付枠6及び該蓋取付枠6の開口部を塞ぐ蓋本体7とからなる蓋5とをもって構成されている。また、蓋取付枠6に、蓋取付枠6と蓋本体7の隙間を密閉するためのゴムパッキン15が設けられている。斯かる構成は従来のものと同様である。
【0022】
尚、本態様においては、蓋5における蓋本体7を蓋取付枠6に枢軸8を介して枢着しているが、必ずしもこのようにしなくてもよい。即ち、蓋本体7を蓋取付枠6から取り外すことができるようにしてもよい。また、9は蓋取付枠6の開口部に設けた、ビス螺合孔9aを有する連結片部、10は蓋本体7に設けたビス挿通孔である。そして、ビス10aを蓋本体7のビス挿通孔10から挿通し、蓋取付枠6における連結片部9のビス螺合孔9aに螺合させて蓋本体7の閉じた状態を保持するものである。
【0023】
また、本態様においては、前記ボックス本体2の感知器取付板3の差し込み側の開口部における左右垂直壁に、前記感知器取付板3をボックス本体2のガイドレール2b、2bに差し込むことができる位置に切欠き12を設けた邪魔板部11、11を設けているが、必ずしもこのようにしなくてもよい。
【0024】
そして、上記火災感知器用点検ボックス1は、その火災感知器4を点検するときには、蓋5における蓋本体7を開き、火災感知器取付板3を手前に引いて火災感知器4を昇降路内から取り出し、点検終了後再び逆の手順により再セットするものである。
【0025】
而して、本発明においては、上記構成の火災感知器用点検ボックス1において、エレベータ停止用スイッチ(本実施形態においてはリミットスイッチ)13を、前記蓋5における蓋取付枠6又は蓋本体7に取り付けたことを特徴とするものである。
【0026】
また、本実施形態においては、前記リミットスイッチ13は、蓋取付枠6に支持片部14を設け、該支持片部14に、作動子13aを蓋本体7の開閉によって動作するように位置せしめて固定している。尚、リミットスイッチ13を蓋本体7に取り付ける実施形態は説明を省略している。
【0027】
また、前記支持片部14は、本実施形態においては、蓋取付枠6の一部をその開口部に張り出させると共に、該張り出した部分の先端側を直角にボックス本体2側に折曲して形成している。
【0028】
また、図4には本実施形態に係る蓋取付枠6の展開平面図を示しており、一枚の金属板を打ち抜いてなり、中央に開口部を有する本体部6Aの左右に折線S1、S2を介して側壁部6B、6Cを連設すると共に、前記本体部6Aの上部に折線S3を介して天壁部6Dを連設し、更に開口部の四隅にビス挿通孔6a、6a、6a、6aを有する連結片部6b、6b、6b、6bを設けると共に、開口部の上部中央にビス螺合孔9aを有する連結片部9を設け、更に開口部の下部中央に前記支持片部14を設けている。
【0029】
また、上記本実施形態に係る火災感知器用点検ボックス1は、昇降路壁Wが薄い場合には、図9乃至図11に示す如く、ボックス本体2と蓋5とを連結一体化した状態において昇降路壁W内に埋設するものであるが、昇降路壁Wが厚い場合には、図12及び図13に示す如く、軸の長いビス6cを用いることにより、ボックス本体2と蓋5とを離して埋設するものである。
【0030】
而して、上記図9乃至図11に示す場合と図12及び図13に示す場合のいずれの場合においても、蓋5における蓋本体7が閉じているときはリミットスイッチ13によってエレベータの運転を停止する信号がOFFの状態(運転を継続する信号がONの状態)であり、また蓋本体7が開いたときにはリミットスイッチ13によってエレベータの運転を停止する信号がON(運転を継続する信号がOFF)となるものである。
【0031】
そして、本発明においては、上記の如く、リミットスイッチ13を蓋5における蓋取付枠6又は蓋本体7に取り付けたことにより、施工の関係で蓋5における蓋取付枠6とボックス本体2とが離れている場合においても、昇降路壁Wの厚味に左右されることなくスイッチによるエレベータの停止を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0032】
1 火災感知器用点検ボックス
2 ボックス本体
2a、2a、2a、2a 連結片部
2a′ ビス螺合孔
2b、2b ガイドレール
3 感知器取付板
3a ストッパー部
4 火災感知器
5 蓋
6 蓋取付枠
7 蓋本体
9 連結片部
9a ビス螺合孔
10 ビス挿通孔
11、11 邪魔板部
12 切欠き
13、13 リミットスイッチ
14 支持片部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右側壁内面に後記感知器取付板が差し込まれるガイドレールを設けた筒状のボックス本体と、
火災感知器を取り付けると共に幅方向の両端部を前記ガイドレールに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板と、
該感知器取付板に取り付けられた火災感知器を挿通可能な開口部を有し、且つ前記ボックス本体の感知器取付板が差し込まれる側の開口部側に設置する蓋取付枠及び該蓋取付枠の開口部を塞ぐ蓋本体とからなる蓋とをもって構成される火災感知器用点検ボックスにおいて、
エレベータ停止用スイッチを、前記蓋取付枠又は蓋本体に取り付けたことを特徴とする火災感知器用点検ボックス。
【請求項2】
前記蓋取付枠に支持片部を設け、該支持片部に、作動子を前記蓋本体の開閉によって動作するように位置せしめてエレベータ停止用スイッチを固定してなる請求項1記載の火災感知器用点検ボックス。
【請求項3】
支持片部が、蓋取付枠の一部をその開口部に張り出させて形成した支持片部である請求項2記載の火災感知器用点検ボックス。
【請求項4】
支持片部の開口部に張り出した部分の先端側を直角に折曲してなる請求項3記載の火災感知器用点検ボックス。
【請求項5】
エレベータ停止用スイッチがリミットスイッチである請求項1、2、3又は4記載の火災感知器用点検ボックス。
【請求項1】
左右側壁内面に後記感知器取付板が差し込まれるガイドレールを設けた筒状のボックス本体と、
火災感知器を取り付けると共に幅方向の両端部を前記ガイドレールに摺動自在に嵌入してなる感知器取付板と、
該感知器取付板に取り付けられた火災感知器を挿通可能な開口部を有し、且つ前記ボックス本体の感知器取付板が差し込まれる側の開口部側に設置する蓋取付枠及び該蓋取付枠の開口部を塞ぐ蓋本体とからなる蓋とをもって構成される火災感知器用点検ボックスにおいて、
エレベータ停止用スイッチを、前記蓋取付枠又は蓋本体に取り付けたことを特徴とする火災感知器用点検ボックス。
【請求項2】
前記蓋取付枠に支持片部を設け、該支持片部に、作動子を前記蓋本体の開閉によって動作するように位置せしめてエレベータ停止用スイッチを固定してなる請求項1記載の火災感知器用点検ボックス。
【請求項3】
支持片部が、蓋取付枠の一部をその開口部に張り出させて形成した支持片部である請求項2記載の火災感知器用点検ボックス。
【請求項4】
支持片部の開口部に張り出した部分の先端側を直角に折曲してなる請求項3記載の火災感知器用点検ボックス。
【請求項5】
エレベータ停止用スイッチがリミットスイッチである請求項1、2、3又は4記載の火災感知器用点検ボックス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−46273(P2012−46273A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188117(P2010−188117)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000111074)株式会社LIXILニッタン (93)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000111074)株式会社LIXILニッタン (93)
【Fターム(参考)】
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