灯具用電源アダプタ及びこれを用いた車両用灯具
【課題】数種類の白熱球に対応して1つの灯具用電源アダプタのみで白熱球に換えてLEDバルブを点灯させることのできる汎用性の高い灯具用電源アダプタを提供する。
【解決手段】白熱球2が装着されるランプソケット3に着脱自在に取り付けられることにより、配線コード4が接続されたLEDバルブ5を前記白熱球に換えて点灯させる灯具用電源アダプタ1。灯具用電源アダプタ1は、白熱球の種類により異なる形状とされたランプソケットのそれぞれに対して装着可能な絶縁基板7と、この絶縁基板に形成されて配線コード4と接続される配線回路部8とを有している。配線回路部は、ランプソケットに設けられるソケット電極端子25、26に接する外部端子をその配線回路部の一部に備えており、前記白熱球の種類に応じて複数設けられている。
【解決手段】白熱球2が装着されるランプソケット3に着脱自在に取り付けられることにより、配線コード4が接続されたLEDバルブ5を前記白熱球に換えて点灯させる灯具用電源アダプタ1。灯具用電源アダプタ1は、白熱球の種類により異なる形状とされたランプソケットのそれぞれに対して装着可能な絶縁基板7と、この絶縁基板に形成されて配線コード4と接続される配線回路部8とを有している。配線回路部は、ランプソケットに設けられるソケット電極端子25、26に接する外部端子をその配線回路部の一部に備えており、前記白熱球の種類に応じて複数設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の白熱球をLEDバルブに代替えするための灯具用電源アダプタ及びこれを用いた車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等の分野においては、これまで車両用灯具として用いられてきた白熱球の代替え品として、低消費電力且つ発光色が美しいLEDを光源としたLEDバルブが使用されている。
【0003】
例えば、近年における自動車用の前照灯には、蛍光灯色に近く青白く光るディスチャージヘッドランプ(discharge headlight、放電式ヘッドライト)が採用されつつある。この種のヘッドランプを持つドライバーの中には、青白く光る色味に車幅灯やルームランプ或いはライセンスランプ等を合わせたいという要望を持つ人達が多くいる。その要望に応えるため、既存の白熱球に代えてLEDバルブをソケットに装着できるようにしたアフターパーツの需要が高まっている。
【0004】
特許文献1には、LEDを搭載した基板から延びる配線コードの先端に、白熱バルブソケットに着脱自在に嵌合する端子部材(電源アダプタ)を取り付け、その端子部材を、JIS規格G14球の円筒口金及びJIS規格T10ウェッジ球のウェッジベース口金と同形状とした2種類を用意し、G14球に対しては、この口金形状と同形状の端子部材を接続し、T10ウェッジ球に対しては、この口金形状と同形状の端子部材を接続することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、特許文献1と同様、種類の異なる白熱球に応じた電源アダプタを用意し、それぞれの白熱球に応じた専用の電源アダプタを使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−100218号公報
【特許文献2】実用新案登録第3120848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の電源アダプタ交換式では、LEDバルブが配線コードによって接続された電源アダプタを数種類用意して販売されている。しかし、装着する灯具に必要なのは1種類の電源アダプタであり、残りの電源アダプタは別の灯具に付け替える時まで保管する必要があるため、紛失する恐れがある。
【0008】
また、従来の電源アダプタ交換式では、使用するかどうか判らない電源アダプタを添付して販売するという資源の無駄にもなる。仮に、電源アダプタをLEDバルブと別売りにすると、一般ユーザーが誤った電源アダプタを購入することが考えられる。
【0009】
そこで、本発明は、数種類の白熱球に対応して1つの灯具用電源アダプタのみで白熱球に換えてLEDバルブを点灯させることのできる汎用性の高い灯具用電源アダプタ及びこれを用いた車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、白熱球が装着されるランプソケットに着脱自在に取り付けられることにより、配線コードが接続されたLEDバルブを前記白熱球に換えて点灯させる灯具用電源アダプタにおいて、前記灯具用電源アダプタは、前記白熱球の種類により異なる形状とされたランプソケットのそれぞれに対して装着可能な絶縁基板と、前記絶縁基板に形成されて前記配線コードと接続される配線回路部とを有し、前記配線回路部は、前記ランプソケットに設けられるソケット電極端子に接して導通される外部端子をその配線回路部の一部に備えており、前記外部端子を、前記白熱球の種類に応じて複数設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の灯具用電源アダプタであって、前記外部端子は、前記配線回路部の一部を外部端子とする他に、前記絶縁基板に対してスライド自在に取り付けられて前記配線回路部と接続されるスライド外部端子を有していることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の灯具用電源アダプタであって、前記配線コードと前記配線回路部の接続部分に、該接続部分を覆って保護し、該配線コードを挿入させる配線コード引出し孔が形成された配線コード保護部材を設けたことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の灯具用電源アダプタであって、前記スライド外部端子は、前記絶縁基板に形成された長穴をガイドとして表面及び裏面に沿ってスライド自在とされる絶縁樹脂体と、この絶縁樹脂体に取り付けられた電極とを有し、前記電極は、前記スライド外部端子を前記絶縁基板の第1位置に移動させた時には前記配線回路部のうち前記絶縁基板の側面に回り込んで形成された部位に接触して外部端子として機能し、前記第1位置とは異なる第2位置に移動させた時には前記配線回路部のうち前記絶縁基板の側面に回り込んで形成された部位と非接触となり外部端子として機能しないことを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタであって、前記第1位置及び第2位置には、前記スライド外部端子の前記絶縁基板に対するスライドを不可能とするロック手段が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の灯具用電源アダプタであって、前記ロック手段は、前記絶縁基板に形成された前記長穴の両端部に形成された該長穴の幅よりも狭い溝部と、前記絶縁樹脂体に形成され、前記長穴に挿入されて前記溝部に入り込みロックされるスライドガイド部とからなることを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の灯具用電源アダプタであって、前記ロック手段は、前記絶縁基板に形成された前記長穴の外側端部に形成された該長穴の幅よりも狭い溝部及び、前記絶縁樹脂体に形成され、前記長穴に挿入されて前記溝部に入り込んで両者をロックするスライドガイド部と、前記配線コード保護部材に形成された突起部及び、前記スライド外部端子が第2位置に移動した時に該突起部を嵌合させて両者をロックする前記絶縁樹脂体に形成された穴部と、からなることを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタであって、前記絶縁基板に着脱自在とされて、前記配線回路部の一部を覆って保護する絶縁カバー部材とを備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の灯具用電源アダプタであって、前記絶縁カバー部材は、少なくとも使用しない外部端子を覆うことを特徴としている。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタに配線コードを介してLEDバルブを接続した車両用灯具であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の灯具用電源アダプタによれば、白熱球の種類により異なる形状とされたランプソケットのそれぞれに対して装着可能な絶縁基板と、この絶縁基板に形成される配線回路部とを有しており、該ランプソケットに設けられたソケット電極に接して導通される外部端子を前記配線回路部の一部に備え、その外部端子を白熱球の種類に応じて複数設けた構造であるので、各種類のランプソケットに対してそれに応じた外部端子が接続されることになり、一つの灯具用電源アダプタのみで各種類の白熱球に対する代替えを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はスライド外部端子を配線コード保護部材に結合させてT10×31舟形球の一形態に対応させた灯具用電源アダプタの例を示す斜視図である。
【図2】図2はスライド外部端子を配線コード保護部材から離れた位置にスライドさせてT10×31舟形球の他の形態に対応させた灯具用電源アダプタの例を示す斜視図である。
【図3】図3は配線コード保護部材を示し、図2に示すA−A線位置における断面図である。
【図4】図4は配線コード保護部材を示し、その分解断面図である。
【図5】図5は図1に示す灯具用電源アダプタを構成する絶縁基板を示し、(A)は裏面図、(B)は(C)の左側面図、(C)は正面図、(D)は(C)の右側面図である。
【図6】図6は図1に示すスライド外部端子を構成する絶縁樹脂体を示し、(A)は一方の絶縁樹脂体の正面図、(B)は他方の絶縁樹脂体の正面図、(C)は(A)の右側面図、(D)は(B)の右側面図である。
【図7】図7は図1に示す灯具用電源アダプタを構成する電極を示し、(A)は正面図、(B)はその上面図、(C)はその右側面図である。
【図8】図8(A)はT10×31舟形球の一形態の正面図、(B)はこのT10×31舟形球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図である。
【図9】図9(A)はT10×31舟形球の別形態の正面図、(B)はこのT10×31舟形球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図である。
【図10】図10(A)はG14球の正面図、(B)はこのG14球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図である。
【図11】図11(A)はT10ウェッジ球の正面図、(B)はこのT10ウェッジ球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図である。
【図12】図12はT10×31舟形球の一形態に換えてこれに対応する灯具用電源アダプタをランプソケットに装着する例を示す車両用灯具の全体斜視図である。
【図13】図13はT10×31舟形球の別形態に換えてこれに対応する灯具用電源アダプタをランプソケットに装着する例を示す車両用灯具の全体斜視図である。
【図14】図14(A)は配線回路部の一部を覆って絶縁カバー部材を取り付けた灯具用電源アダプターの斜視図、(B)は絶縁カバー部材と絶縁樹脂体を結合させた状態を示す斜視図である。
【図15】図15は絶縁カバー部材の斜視図である。
【図16】図16はロック手段の別形態を示し、第1位置でのスライド外部端子の絶縁基板に対するロック状態を示す斜視図である。
【図17】図17は第2位置でのスライド外部端子の絶縁基板に対するロック状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1はスライド外部端子を配線コード保護部材に結合させてT10×31舟形球の一形態に対応させた灯具用電源アダプタの例を示す斜視図、図2はスライド外部端子を配線コード保護部材から離れた位置にスライドさせてT10×31舟形球の他の形態に対応させた灯具用電源アダプタの例を示す斜視図、図3は配線コード保護部材を示し、図2に示すA−A線位置における断面図、図4は配線コード保護部材を示し、その分解断面図、図5は図1に示す灯具用電源アダプタを構成する絶縁基板を示し、(A)は裏面図、(B)は(C)の左側面図、(C)は正面図、(D)は(C)の右側面図、図6は図1に示すスライド外部端子を構成する絶縁樹脂体を示し、(A)は一方の絶縁樹脂体の正面図、(B)は他方の絶縁樹脂体の正面図、(C)は(A)の右側面図、(D)は(B)の右側面図、図7は図1に示す灯具用電源アダプタを構成する電極を示し、(A)は正面図、(B)はその上面図、(C)はその右側面図である。
【0024】
図8(A)はT10×31舟形球の一形態の正面図、(B)はこのT10×31舟形球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図、図9(A)はT10×31舟形球の別形態の正面図、(B)はこのT10×31舟形球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図、図10(A)はG14球の正面図、(B)はこのG14球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図、図11(A)はT10ウェッジ球の正面図、(B)はこのT10ウェッジ球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図、図12はT10×31舟形球の一形態に換えてこれに対応する灯具用電源アダプタをランプソケットに装着する例を示す車両用灯具の全体斜視図、図13はT10×31舟形球の別形態に換えてこれに対応する灯具用電源アダプタをランプソケットに装着する例を示す車両用灯具の全体斜視図である。
【0025】
本実施形態の灯具用電源アダプタ1は、図12又は図13に示すように、白熱球2が装着されるランプソケット3に着脱自在に取り付けられることにより、配線コード4(4A、4B)が接続されたLEDバルブ5を前記白熱球2に換えて点灯させるためのアダプタである。本実施形態では、LEDバルブ実装基板6に複数個のLEDバルブ5を配置して固定してある。LEDバルブ5は、白熱球に比べて低消費電力且つ発光色が美しく、更に二酸化炭素排出量も少ない点で白熱球より優れている。
【0026】
前記灯具用電源アダプタ1は、図1及び図2に示すように、白熱球2の種類により異なる形状とされたランプソケット3のそれぞれに対して装着可能な絶縁基板7と、この絶縁基板7に形成されて前記配線コード4(4A、4B)と接続される配線回路部8(8A、8B)とを有している。
【0027】
一方の配線コード4A(以下、第1配線コード4Aと言う)は、一方の配線回路部8A(第1配線回路部8Aと言う)と接続されている。他方の配線コード4B(以下、第2配線コード4Bと言う)は、他方の配線回路部8B(第2配線回路部8Bと言う)と接続されている。
【0028】
第1配線コード4Aは、図3に示すように、第1配線回路部8Aに対してハンダ9にて接続されている。同じく、第2配線コード4Bは、第2配線回路部8Bに対してハンダ9にて接続されている。そして、各第1及び第2配線コード4A、4Bと第1及び第2配線回路部8A、8Bの接続部分(ハンダ接続部)に、該接続部分を覆って保護し、各第1及び第2配線コード4A、4Bを挿入させる配線コード引出し孔10が形成された配線コード保護部材11が設けられている。
【0029】
配線コード保護部材11は、図4に示すように、絶縁基板7の表面7aと裏面7bにそれぞれ設けられ、前記絶縁基板7をその厚み方向から挟み込んで結合される2つの保護部材11A、11Bから構成されている。
【0030】
一方の保護部材11Aには、配線コード引出し孔10が形成されている。この配線コード引出し孔10の入口には、第1及び第2配線コード4A、4Bのシース(外被)に食い込んで抜けを防止するためのコード抜け防止爪部12が形成されている。また、配線コード引出し孔10の奥には、前記ハンダ9との接触を回避するための空間部13が形成されている。また、この保護部材11Aには、前記絶縁基板7に形成された保護部材取付孔14に挿入される結合突起部15が形成されている。
【0031】
他方の保護部材11Bには、一方の保護部材11Aに形成された結合突起部15と嵌合して両者を固定するための結合用突部16が形成されている。この結合用突部16は、前記結合突起部15の中心に形成された凹部17に挿入され嵌合されることで、2つの保護部材11A、11Bを結合させる。本実施形態では、2つの保護部材11A、11Bを略半円形状としている。
【0032】
前記絶縁基板7は、図5に示すように、平面形状を両端が尖った(第1尖端部7A及び第2尖端部7Bを有した)いわゆる船形状としており、図8及び図9に示す2つの形態のT10×31舟形球18、19と、図10に示すG14球20と、図11に示すT10ウェッジ球21の異なる形状とされた全ての白熱球に対応する形状とされている。かかる絶縁基板7は、その長手方向に設けられた対象軸Xを中心に二つに重なり合う線対象形状とされている。この絶縁基板7の一方の尖端部である第2尖端部7Bの近傍には、両側面7c、7dからそれぞれ突出する突出部22が形成されている。
【0033】
前記絶縁基板7の表面7aと裏面7bには、それぞれ第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bとが形成されている。第1配線回路部8Aは斜線で示し、第2配線回路部8Bは塗り潰して示すことで、両者を区別してある。絶縁基板7の表面7aのうち対象軸Xを堺として図5(C)中向かって左側の領域に第1配線回路部8Aが主として形成され、右側の領域に第2配線回路部8Bが主として形成されている。
【0034】
表面7aに形成される第1配線回路部8Aは、前記した保護部材取付孔14から突出部22が形成されていない他方の尖端部である第1尖端部7Aまでの領域では幅広パターン部8A1とされ、保護部材取付孔14から突出部22までの領域では左側面7cに近い部分のみに形成された幅狭パターン部8A2とされている。
【0035】
幅狭パターン部8A2は、前記突出部22が形成される領域まで延びている。前記幅広パターン部8A1は、前記保護部材取付孔14と後述する第1スライド外部端子をスライド自在とするために絶縁基板7に形成した第1長穴23が形成される部位を避けて段差形状に形成されている。第1尖端部7Aでは、前記対象軸Xを堺として左側の全領域に第1配線回路部8Aが形成されている。また、対象軸Xを堺として右側の突出部22が設けられた領域にも第1配線回路部8Aが形成されている。この第1配線回路部8Aは、突出部22とその突出部近傍の領域に右側面7dに沿って長手方向に沿う縦延びパターン部8A3とされている。
【0036】
この一方、表面7aに形成される第2配線回路部8Bは、第1尖端部7Aの先端近傍から後述の第2スライド外部端子をスライド自在とするために絶縁基板7に形成した第2長穴24の途中までの領域では右側面7dまでは達しない中幅パターン部8B1とされ、その第2長穴24の途中から突出部22までの領域では幅狭パターン部8B2とされると共に、第2尖端部7Bでは対象軸Xを挟んで左側と右側の両方に跨る幅広パターン部8B3とされている。また、中幅パターン部8B1のうち第1尖端部7Aに近い領域では、右側面7dに向かって延びた横延びパターン部8B4とされている。なお、中幅パターン部8B1は、幅広パターン部8B3よりもその配線パターン幅が狭く、幅狭パターン部8B2よりはその配線パターン幅が広くなっている。
【0037】
また、前記絶縁基板7の裏面7bのうち、図5(A)の第1尖端部7A寄りの領域に第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bがそれぞれ主に形成され、第2尖端部7B寄りの領域に第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bがそれぞれ形成されている。
【0038】
第1尖端部7A寄りの領域に形成される第1配線回路部8Aは、保護部材取付孔14から第1尖端部7Aまでの領域では幅広パターン部8A4とされている。この幅広パターン部8A4は、前記保護部材取付孔14と第1長穴23が形成される部位を避けて段差形状に形成されている。また、第1尖端部7Aでは、前記対象軸Xを堺として右側の全領域に第1配線回路部8Aが形成されている。
【0039】
第1尖端部7A寄りの領域に形成される第2配線回路部8Bは、保護部材取付穴14から第1尖端部7Aの近傍までの領域では中幅パターン部8B5とされると共に、この中幅パターン部8B5から右側面7dに向かって延びた横延びパターン部8B6とされている。
【0040】
第2尖端部7B寄りの領域に形成される第1配線回路部8Aは、左右の突出部22間の領域ではそれら突出部22同士を結ぶように直線状をなす幅狭パターン部8A5とされると共に、各突出部22近傍部の領域では各側面7c、7dに沿って長手方向に沿う縦延びパターン部8A6とされている。
【0041】
第2尖端部7B寄りの領域に形成される第2配線回路部8Bは、対象軸Xを挟んで左側と右側の両方に跨る幅広パターン部8B7とされている。この幅広パターン部8B7は、前記した第1配線回路部8Aの幅狭パターン部8A5と接触しないようにされている。
【0042】
また、前記絶縁基板7の左側面7cには、図5(B)に示すように、第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bが形成されている。第1配線回路部8Aは、絶縁基板7の裏面7bに形成された幅広パターン部8A4と対応して保護部材取付孔14から第1尖端部7Aまでの領域に左側面7cを覆う長形パターン部8A7と、同じく絶縁基板7の裏面7bに形成された縦延びパターン部8A6と対応して突出部22の近傍部の領域に左側面7cを覆う短形パターン部8A8とされている。第2配線回路部8Bは、絶縁基板7の裏面7bに形成された幅広パターン部8B7と対応して第2尖端部7Bの先端側領域に左側面7cを覆う短形パターン部8B8とされている。
【0043】
また、前記絶縁基板7の右側面7dには、図5(D)に示すように、第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bが形成されている。第1配線回路部8Aは、絶縁基板7の表面7aに形成された縦延びパターン部8A3と対応して突出部22近傍の領域に右側面7dを覆う短形パターン部8A9とされている。第2配線回路部8Bは、絶縁基板7の表面7aに形成された横延びパターン部8B4と対応する領域に右側面7dを覆う短形パターン部8B8と、同じく絶縁基板7の表面7aに形成された幅広パターン部8B3と対応して第2尖端部7Bの先端側領域に右側面7dを覆う短形パターン部8B9とされている。
【0044】
前記した配線パターン形状を持つ配線回路部8は、図12及び図13に示す2つの形態のT10×31舟形球18、19を装着させるランプソケット3に設けられたソケット電極端子25、26に接して導通する外部端子を、その配線回路部8の一部に備えている。この配線回路8の一部を外部端子とすることに関する説明は、次のスライド外部端子の説明後に行う。外部端子は、配線回路部8の一部を外部端子とする他に、絶縁基板7に対してスライド自在に取り付けられて配線回路部8と接続されるスライド外部端子27、28(図1及び図2参照)も含まれる。
【0045】
スライド外部端子27、28は、絶縁基板7に固定された配線コード保護部材11を挟んでその両側にそれぞれスライド自在に設けられている。スライド外部端子27、28は、絶縁基板7に形成された第1長穴23と第2長穴24をガイドとして表面7a及び裏面7bに沿ってスライド自在とされる絶縁樹脂体29と、この絶縁樹脂体29に取り付けられた電極30とからなる。
【0046】
絶縁樹脂体29は、図6に示すように、絶縁基板7の表面7aと裏面7bにそれぞれ設けられ、前記絶縁基板7をその厚み方向から挟み込んで結合される2つの樹脂体29A、29Bから構成されている。各樹脂体29A、29Bは、何れも絶縁性に優れたナイロン樹脂(ナイロンは登録商標)から形成されている。
【0047】
一方の樹脂体29Aには、他方の樹脂体29Bと結合して両者を固定するための結合用突部31が形成されている。他方の樹脂体29Bには、前記結合用突部31を挿入嵌合させる凹部32を中心に有した円筒形状のスライドガイド部33が形成されている。スライドガイド部33は、第1長穴23及び第2長穴24に挿入されて前記スライド外部端子27、28のスライドを案内する。
【0048】
また、2つの樹脂体29A、29Bには、電極30をその外周囲に巻き付けて装着させた時に該電極30を固定するための電極固定用孔34が細長いスリット孔として形成されている。また、これら樹脂体29A、29Bには、それぞれ2つの穴部35、35が形成されている。穴部35は、絶縁基板7の表面7a又は裏面7bと接する面から高さ方向に切れ込んだ長穴とされている。本実施形態では、2つの樹脂体29A、29Bを略半円形状としている。
【0049】
電極30は、図7に示すように、2つの樹脂体29A、29Bが結合されて略円形状をなす絶縁樹脂体29の外周囲に巻き付くようにされている。かかる電極30は、例えば導電性に優れた真鍮から形成され、絶縁樹脂体29の外周囲に巻き付く装着部36と、各樹脂体29A、29Bに形成された電極固定用孔34に挿入される電極固定用挿入片37とを有している。
【0050】
装着部36は、一部を開口させたC型形状に形成されている。この装着部36には、絶縁基板7の右側面7dに接触する接触部38が形成されている。接触部38は、装着部36の外側から内側に向かって絶縁基板7と対向する部位を膨出させることで曲面を有した膨出突部とされている。
【0051】
電極固定用挿入片37は、装着部36の一側縁36aから互いに接近する方向に向く垂直片37aと、この垂直片37aの先端から直角に内側へ折り曲がる挿入片37bとからなる。前記電極30と前記絶縁樹脂体29とは、前記挿入片37を前記各樹脂体29A、29Bの電極固定用孔34に挿入させることで結合される。また、前記挿入片37bには、電極固定用孔34から該挿入片37bが容易に抜け出ないようにするための抜止め防止部39が形成されている。抜止め防止部39は、前記挿入片37bの両側縁に鋸刃形状を付けることにより形成されている。
【0052】
前記電極30は、スライド外部端子27、28を絶縁基板7の第1位置(例えば図2で示す位置)に移動させた時には前記配線回路部8のうち絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された部位(第1配線回路部8Aの短形パターン部8A9と第2配線回路部8Bの短形パターン部8B8)に接触して外部端子として機能する。
【0053】
具体的には、一方のスライド外部端子28に形成したスライドガイド部33が絶縁基板7に形成された第2長穴24の外側端部に接触して当該スライド外部端子28が外側の最端位置(この位置を第1位置とする)までスライドすると、絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された第1配線回路部8Aの短形パターン部8A9に前記電極30の接触部38が接触することにより、前記スライド外部端子28が外部端子となる。
【0054】
また、他方のスライド外部端子27に形成したスライドガイド部33が絶縁基板7に形成された第1長穴23の外側端部に接触して当該スライド外部端子27が最外側位置(この位置を第1位置とする)までスライドすると、絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された第2配線回路部8Bの短形パターン部8B8に前記電極30の接触部38が接触することにより、前記スライド外部端子27が外部端子となる。
【0055】
また、前記電極30は、スライド外部端子27、28を第1位置とは異なる第2位置(例えば図1で示す位置)に移動させた時には前記配線回路部8のうち絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された部位(第1配線回路部8Aの短形パターン部8A9と第2配線回路部8Bの短形パターン部8B8)と非接触となり外部端子として機能しないようになる。
【0056】
具体的には、一方のスライド外部端子28に形成したスライドガイド部33が絶縁基板7に形成された第2長穴24の内側端部に接触して当該スライド外部端子28が配線コード保護部材11に接触する最内側位置(この位置を第2位置とする)までスライドすると、絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された第1配線回路部8Aの短形パターン部8A9と前記電極30の接触部38とが非接触となることにより、前記スライド外部端子28が外部端子として機能しなくなる。
【0057】
また、他方のスライド外部端子27に形成したスライドガイド部33が絶縁基板7に形成された第1長穴23の内側端部に接触して当該スライド外部端子27が配線コード保護部材11に接触する最内側位置(この位置を第2位置とする)までスライドすると、絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された第2配線回路部8Bの短形パターン部8B8と前記電極30の接触部38とが非接触となることにより、前記スライド外部端子27が外部端子として機能しなくなる。
【0058】
また、前記第1位置及び第2位置には、前記スライド外部端子27、28の絶縁基板7に対するスライドを不可能とするロック手段が設けられている。ロック手段は、絶縁基板7に形成された第1及び第2長穴23、24の両端部に形成された該第1及び第2長穴23、24の幅よりも狭い溝部23a、24aと、前記絶縁樹脂体29に形成され、前記第1及び第2長穴23、24に挿入されて前記溝部23a、24aに入り込みロックされるスライドガイド部33とからなる。
【0059】
以上のように構成された灯具用電源アダプタ1によれば、T10×31舟形球18、19だけでなくG14球20やT10ウェッジ球21が装着されるランプソケット3に着脱自在に取り付けてLEDバルブ5を前記した白熱球に換えて点灯させることができる。
【0060】
図8(A)に示す形態の2つの電極(a極(プラス極)及びb極(マイナス極))を持つT10×31舟形球18に対しては、灯具用電源アダプタ1を構成する2つのスライド外部端子27、28を図2で示した第1位置にスライドさせることで、一方のスライド外部端子28をa極として機能させると共に他方のスライド外部端子27をb極として機能させる。こうするとことで、図8(A)に示す形態のT10×31舟形球18に換えて図8(B)及び(C)の灯具用電源アダプタ1を図12に示すランプソケット3に装着したときに、a極及びb極として機能するスライド外部端子27、28が各ソケット電極端子25、25にそれぞれ接して導通することになる。その結果、T10×31舟形球18に換えてLEDバルブ5を点灯させることができる。
【0061】
また、図9(A)に示す形態の両端に2つの電極(a極(プラス極)及びb極(マイナス極))を持つT10×31舟形球19に対しては、灯具用電源アダプタ1を構成する2つのスライド外部端子27、28を図1で示した第2位置にスライドさせることで、第1配線回路部8Aの第1尖端部7Aに形成された幅広パターン部8A1、8A4及び長形パターン部8A7をa極として機能させると共に、第2配線回路部8Bの第2尖端部7Bに形成された幅広パターン部8B3、8B7及び短形パターン部8B8、8B9をb極として機能させる。こうするとことで、図9(A)に示す形態のT10×31舟形球19に換えて図9(B)及び(C)の灯具用電源アダプタ1を図13に示すランプソケット3に装着したときに、a極及びb極として機能する第1尖端部7A及び第2尖端部7Bに形成された第1配線回路部8A及び第2配線回路部8Bが各ソケット電極端子26、26にそれぞれ接して導通することになる。その結果、T10×31舟形球19に換えてLEDバルブ5を点灯させることができる。
【0062】
図10(A)に示す形態の2つの電極(a極(プラス極)及びb極(マイナス極))を持つG14球20に対しては、灯具用電源アダプタ1を構成する2つのスライド外部端子27、28を図1で示した第2位置にスライドさせることで、第1配線回路部8Aの右側面7d及び左側面7cに形成された短形パターン部8A9と短形パターン部8A8をb極として機能させると共に、第2配線回路部8Bの第2尖端部7Bに形成された幅広パターン部8B3、8B7及び短形パターン部8B8、8B9をa極として機能させる。こうするとことで、図10(A)に示す形態のG14球20に換えて図9(B)及び(C)の灯具用電源アダプタ1を使用することができる。
【0063】
図11(A)に示す形態の2つの電極(a極(プラス極)及びb極(マイナス極))を持つT10ウェッジ球21に対しては、灯具用電源アダプタ1を構成する2つのスライド外部端子27、28を図1で示した第2位置にスライドさせ且つ突出部22が上方を向くようにすることで、第1配線回路部8Aの第1尖端部7Aに形成された幅広パターン部8A4をb極として機能させると共に、第2配線回路部8Bの第1尖端部7Aに形成された中幅パターン部8B1をa極として機能させる。こうすることで、図11(A)に示す形態のT10ウェッジ球21に換えて図11(B)及び(C)の灯具用電源アダプタ1を使用することができる。なお、この灯具用電源アダプタ1は、図11(B)の絶縁基板7が表面7aを向いた状態から180度反転させて裏面7bが表を向いた状態にしても前記T10ウェッジ球21に換えて使用できる。この場合は、前記幅広パターン部8A4がa極、前記中幅パターン部8B1がb極となる。
【0064】
前記した灯具用電源アダプタ1は、図1の形態でそのまま使用することができるが、使用していない外部端子を覆うことでその外部端子を保護することもできる。具体的には、図14に示す絶縁カバー部材40を、使用していない外部端子を覆うように絶縁基板7に装着する。
【0065】
絶縁カバー部材40は、図15に示すように、絶縁樹脂からなる円柱体とされ、その長手方向の一端面40aに、絶縁基板7を第1尖端部7Aと第2尖端部7Bのどちらからでも挿入させることのできるスリット穴41を形成している。例えば、このスリット穴41に第1尖端部7Aを挿入方向として前記絶縁基板7を挿入すると、一方のスライド外部端子27から第1尖端部7Aまでの間に形成された配線回路部8(この配線回路部8の一部が外部端子になる)の全部位が絶縁カバー部材40によって覆われることになる。
【0066】
また、この絶縁カバー部材40の一端面40aには、スライド外部端子27を構成する絶縁樹脂体29に形成された穴部35に挿入嵌合する結合用突起部42が形成されている。これら結合用突起部42は、それぞれの穴部35に挿入嵌合されることで、前記絶縁カバー部材40と前記スライド外部端子27とを結合させる。これにより、絶縁カバー部材40は、絶縁基板7から不用意に抜け落ちることがなく、使用していない配線回路部8を確実に保護することができる。
【0067】
以上のように構成された灯具用電源アダプタ1に、図12及び図13に示すように、配線コード4を接続してLEDバルブ5を接続することで、本発明の車両用灯具が完成する。
【0068】
[作用効果]
本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、外部端子を白熱球の種類に応じて複数設けた構造としているので、各種のランプソケット3に対してそれぞれに応じた外部端子が接続されることになり、一つの灯具用電源アダプタ1のみで各種類の白熱球に対する代替えを実現することができる。
【0069】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、配線回路部8の一部を外部端子とする他に、絶縁基板7に対してスライド自在に取り付けられて前記配線回路部8と接続されるスライド外部端子27、28を外部端子としているため、より多くの白熱球の種類に対応可能となる。
【0070】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、配線コード4と配線回路部8との接続部分に、該接続部分を覆って保護する配線コード保護部材11を設けているので、この配線コード保護部材11によりハンダ接続される接続部分を保護することができる。
【0071】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、絶縁樹脂体29と電極30から構成したスライド外部端子27、28を絶縁基板7上でスライドさせてその位置を適宜位置に移動させることで、前記電極30を絶縁基板7の側面7c、7dに回り込んで形成した配線回路部8のパターン部に接触させて外部端子として機能させると共に、該電極30を該配線回路部8のパターン部と非接触となして外部端子として機能させないようにしているので、前記スライド外部端子27、28を所定位置(第1位置及び第2位置)に移動させるだけの簡単な構造で、各種類の白熱球に対応させることができる。
【0072】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、スライド外部端子27、28の絶縁基板7に対するスライドを不可能とするロック手段を第1位置と第2位置に設けているので、これら第1位置と第2位置にスライド外部端子27、28を固定することができる。
【0073】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、ロック手段を、絶縁基板7に形成した第1及び第2長穴23、24の両端部に形成した該長穴23、24の幅よりも狭い溝部23a、24aと、この第1及び第2長穴23、24に挿入されて前記溝部23a、24aに入り込みロックされるスライドガイド部33とで構成しているので、前記スライドガイド部33が溝部23a、24aに入り込むことで確実にスライド外部端子27、28を絶縁基板7に対してロックすることができる。
【0074】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、配線回路部8の一部を覆って保護する絶縁カバー部材40を絶縁基板7に着脱自在に取り付けているので、この絶縁カバー部材40によって配線回路部8を保護することができる。
【0075】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、絶縁カバー部材40が使用していない外部端子を覆うため、この絶縁カバー部材40によって外部端子に傷などが付くことを防ぐことができる。
【0076】
また、本実施形態の車両用灯具によれば、数種類の白熱球に対応して1つの灯具用電源アダプタ1のみで白熱球に換えてLEDバルブ5を点灯させることができる。その結果、白熱球の種類に応じて数種類の灯具用電源アダプタを用意する必要が無くなる。
【0077】
[その他の実施形態]
図16及び図17は、第1位置及び第2位置におけるスライド外部端子27、28の絶縁基板7に対するスライドを不可能とするロック手段の別実施形態を示す。図16は、スライド外部端子27、28が第1位置で絶縁基板7にロックされた状態、図17はスライド外部端子27、28が第2位置で絶縁基板7にロックされた状態である。
【0078】
この実施形態では、第1位置でのロック手段は、絶縁基板7に形成された第1及び第2長穴23、24の外側端部に形成された該第1及び第2長穴23、24の幅よりも狭い溝部23a、24aと、前記絶縁樹脂体29に形成され、前記第1及び第2長穴23、24に挿入されて前記溝部23a、24aに入り込みロックされるスライドガイド部33とからなる。
【0079】
第2位置でのロック手段は、配線コード保護部材11に形成された突起部43と、スライド外部端子27、28が図17で示す第2位置に移動した時に該突起部43を嵌合させる絶縁樹脂体29に形成された穴部35とからなる。前記突起部43が前記穴部35に挿入嵌合することで、配線コード保護部材11に対してスライド外部端子27、28のスライド移動が阻止されてロックされることになる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、既存の白熱球をLEDバルブに代替えするための灯具用電源アダプタに利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…灯具用電源アダプタ
2…白熱球
3…ランプソケット
4…配線コード
5…LEDバルブ
7…絶縁基板
8…配線回路部
8A…第1配線回路部
8B…第2配線回路部
11…配線コード保護部材
18、19…T10×31舟形球(白熱球)
20…G14球(白熱球)
21…T10ウェッジ球(白熱球)
23…第1長穴
24…第2長穴
23a、24a…溝部(ロック手段)
25、26…ソケット電極端子
27、28…スライド外部端子(外部端子)
29…絶縁樹脂体(スライド外部端子)
30…電極(スライド外部端子)
33…スライドガイド部(ロック手段)
35…穴部(ロック手段)
40…絶縁カバー部材
43…突起部(ロック手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の白熱球をLEDバルブに代替えするための灯具用電源アダプタ及びこれを用いた車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等の分野においては、これまで車両用灯具として用いられてきた白熱球の代替え品として、低消費電力且つ発光色が美しいLEDを光源としたLEDバルブが使用されている。
【0003】
例えば、近年における自動車用の前照灯には、蛍光灯色に近く青白く光るディスチャージヘッドランプ(discharge headlight、放電式ヘッドライト)が採用されつつある。この種のヘッドランプを持つドライバーの中には、青白く光る色味に車幅灯やルームランプ或いはライセンスランプ等を合わせたいという要望を持つ人達が多くいる。その要望に応えるため、既存の白熱球に代えてLEDバルブをソケットに装着できるようにしたアフターパーツの需要が高まっている。
【0004】
特許文献1には、LEDを搭載した基板から延びる配線コードの先端に、白熱バルブソケットに着脱自在に嵌合する端子部材(電源アダプタ)を取り付け、その端子部材を、JIS規格G14球の円筒口金及びJIS規格T10ウェッジ球のウェッジベース口金と同形状とした2種類を用意し、G14球に対しては、この口金形状と同形状の端子部材を接続し、T10ウェッジ球に対しては、この口金形状と同形状の端子部材を接続することが記載されている。
【0005】
特許文献2には、特許文献1と同様、種類の異なる白熱球に応じた電源アダプタを用意し、それぞれの白熱球に応じた専用の電源アダプタを使用することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−100218号公報
【特許文献2】実用新案登録第3120848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の電源アダプタ交換式では、LEDバルブが配線コードによって接続された電源アダプタを数種類用意して販売されている。しかし、装着する灯具に必要なのは1種類の電源アダプタであり、残りの電源アダプタは別の灯具に付け替える時まで保管する必要があるため、紛失する恐れがある。
【0008】
また、従来の電源アダプタ交換式では、使用するかどうか判らない電源アダプタを添付して販売するという資源の無駄にもなる。仮に、電源アダプタをLEDバルブと別売りにすると、一般ユーザーが誤った電源アダプタを購入することが考えられる。
【0009】
そこで、本発明は、数種類の白熱球に対応して1つの灯具用電源アダプタのみで白熱球に換えてLEDバルブを点灯させることのできる汎用性の高い灯具用電源アダプタ及びこれを用いた車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、白熱球が装着されるランプソケットに着脱自在に取り付けられることにより、配線コードが接続されたLEDバルブを前記白熱球に換えて点灯させる灯具用電源アダプタにおいて、前記灯具用電源アダプタは、前記白熱球の種類により異なる形状とされたランプソケットのそれぞれに対して装着可能な絶縁基板と、前記絶縁基板に形成されて前記配線コードと接続される配線回路部とを有し、前記配線回路部は、前記ランプソケットに設けられるソケット電極端子に接して導通される外部端子をその配線回路部の一部に備えており、前記外部端子を、前記白熱球の種類に応じて複数設けたことを特徴としている。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の灯具用電源アダプタであって、前記外部端子は、前記配線回路部の一部を外部端子とする他に、前記絶縁基板に対してスライド自在に取り付けられて前記配線回路部と接続されるスライド外部端子を有していることを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の灯具用電源アダプタであって、前記配線コードと前記配線回路部の接続部分に、該接続部分を覆って保護し、該配線コードを挿入させる配線コード引出し孔が形成された配線コード保護部材を設けたことを特徴としている。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の灯具用電源アダプタであって、前記スライド外部端子は、前記絶縁基板に形成された長穴をガイドとして表面及び裏面に沿ってスライド自在とされる絶縁樹脂体と、この絶縁樹脂体に取り付けられた電極とを有し、前記電極は、前記スライド外部端子を前記絶縁基板の第1位置に移動させた時には前記配線回路部のうち前記絶縁基板の側面に回り込んで形成された部位に接触して外部端子として機能し、前記第1位置とは異なる第2位置に移動させた時には前記配線回路部のうち前記絶縁基板の側面に回り込んで形成された部位と非接触となり外部端子として機能しないことを特徴としている。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタであって、前記第1位置及び第2位置には、前記スライド外部端子の前記絶縁基板に対するスライドを不可能とするロック手段が設けられていることを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の灯具用電源アダプタであって、前記ロック手段は、前記絶縁基板に形成された前記長穴の両端部に形成された該長穴の幅よりも狭い溝部と、前記絶縁樹脂体に形成され、前記長穴に挿入されて前記溝部に入り込みロックされるスライドガイド部とからなることを特徴としている。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の灯具用電源アダプタであって、前記ロック手段は、前記絶縁基板に形成された前記長穴の外側端部に形成された該長穴の幅よりも狭い溝部及び、前記絶縁樹脂体に形成され、前記長穴に挿入されて前記溝部に入り込んで両者をロックするスライドガイド部と、前記配線コード保護部材に形成された突起部及び、前記スライド外部端子が第2位置に移動した時に該突起部を嵌合させて両者をロックする前記絶縁樹脂体に形成された穴部と、からなることを特徴としている。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタであって、前記絶縁基板に着脱自在とされて、前記配線回路部の一部を覆って保護する絶縁カバー部材とを備えたことを特徴としている。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の灯具用電源アダプタであって、前記絶縁カバー部材は、少なくとも使用しない外部端子を覆うことを特徴としている。
【0019】
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタに配線コードを介してLEDバルブを接続した車両用灯具であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明の灯具用電源アダプタによれば、白熱球の種類により異なる形状とされたランプソケットのそれぞれに対して装着可能な絶縁基板と、この絶縁基板に形成される配線回路部とを有しており、該ランプソケットに設けられたソケット電極に接して導通される外部端子を前記配線回路部の一部に備え、その外部端子を白熱球の種類に応じて複数設けた構造であるので、各種類のランプソケットに対してそれに応じた外部端子が接続されることになり、一つの灯具用電源アダプタのみで各種類の白熱球に対する代替えを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はスライド外部端子を配線コード保護部材に結合させてT10×31舟形球の一形態に対応させた灯具用電源アダプタの例を示す斜視図である。
【図2】図2はスライド外部端子を配線コード保護部材から離れた位置にスライドさせてT10×31舟形球の他の形態に対応させた灯具用電源アダプタの例を示す斜視図である。
【図3】図3は配線コード保護部材を示し、図2に示すA−A線位置における断面図である。
【図4】図4は配線コード保護部材を示し、その分解断面図である。
【図5】図5は図1に示す灯具用電源アダプタを構成する絶縁基板を示し、(A)は裏面図、(B)は(C)の左側面図、(C)は正面図、(D)は(C)の右側面図である。
【図6】図6は図1に示すスライド外部端子を構成する絶縁樹脂体を示し、(A)は一方の絶縁樹脂体の正面図、(B)は他方の絶縁樹脂体の正面図、(C)は(A)の右側面図、(D)は(B)の右側面図である。
【図7】図7は図1に示す灯具用電源アダプタを構成する電極を示し、(A)は正面図、(B)はその上面図、(C)はその右側面図である。
【図8】図8(A)はT10×31舟形球の一形態の正面図、(B)はこのT10×31舟形球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図である。
【図9】図9(A)はT10×31舟形球の別形態の正面図、(B)はこのT10×31舟形球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図である。
【図10】図10(A)はG14球の正面図、(B)はこのG14球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図である。
【図11】図11(A)はT10ウェッジ球の正面図、(B)はこのT10ウェッジ球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図である。
【図12】図12はT10×31舟形球の一形態に換えてこれに対応する灯具用電源アダプタをランプソケットに装着する例を示す車両用灯具の全体斜視図である。
【図13】図13はT10×31舟形球の別形態に換えてこれに対応する灯具用電源アダプタをランプソケットに装着する例を示す車両用灯具の全体斜視図である。
【図14】図14(A)は配線回路部の一部を覆って絶縁カバー部材を取り付けた灯具用電源アダプターの斜視図、(B)は絶縁カバー部材と絶縁樹脂体を結合させた状態を示す斜視図である。
【図15】図15は絶縁カバー部材の斜視図である。
【図16】図16はロック手段の別形態を示し、第1位置でのスライド外部端子の絶縁基板に対するロック状態を示す斜視図である。
【図17】図17は第2位置でのスライド外部端子の絶縁基板に対するロック状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1はスライド外部端子を配線コード保護部材に結合させてT10×31舟形球の一形態に対応させた灯具用電源アダプタの例を示す斜視図、図2はスライド外部端子を配線コード保護部材から離れた位置にスライドさせてT10×31舟形球の他の形態に対応させた灯具用電源アダプタの例を示す斜視図、図3は配線コード保護部材を示し、図2に示すA−A線位置における断面図、図4は配線コード保護部材を示し、その分解断面図、図5は図1に示す灯具用電源アダプタを構成する絶縁基板を示し、(A)は裏面図、(B)は(C)の左側面図、(C)は正面図、(D)は(C)の右側面図、図6は図1に示すスライド外部端子を構成する絶縁樹脂体を示し、(A)は一方の絶縁樹脂体の正面図、(B)は他方の絶縁樹脂体の正面図、(C)は(A)の右側面図、(D)は(B)の右側面図、図7は図1に示す灯具用電源アダプタを構成する電極を示し、(A)は正面図、(B)はその上面図、(C)はその右側面図である。
【0024】
図8(A)はT10×31舟形球の一形態の正面図、(B)はこのT10×31舟形球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図、図9(A)はT10×31舟形球の別形態の正面図、(B)はこのT10×31舟形球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図、図10(A)はG14球の正面図、(B)はこのG14球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図、図11(A)はT10ウェッジ球の正面図、(B)はこのT10ウェッジ球に対応させた灯具用電源アダプタの正面図、(C)は(B)の右側面図、図12はT10×31舟形球の一形態に換えてこれに対応する灯具用電源アダプタをランプソケットに装着する例を示す車両用灯具の全体斜視図、図13はT10×31舟形球の別形態に換えてこれに対応する灯具用電源アダプタをランプソケットに装着する例を示す車両用灯具の全体斜視図である。
【0025】
本実施形態の灯具用電源アダプタ1は、図12又は図13に示すように、白熱球2が装着されるランプソケット3に着脱自在に取り付けられることにより、配線コード4(4A、4B)が接続されたLEDバルブ5を前記白熱球2に換えて点灯させるためのアダプタである。本実施形態では、LEDバルブ実装基板6に複数個のLEDバルブ5を配置して固定してある。LEDバルブ5は、白熱球に比べて低消費電力且つ発光色が美しく、更に二酸化炭素排出量も少ない点で白熱球より優れている。
【0026】
前記灯具用電源アダプタ1は、図1及び図2に示すように、白熱球2の種類により異なる形状とされたランプソケット3のそれぞれに対して装着可能な絶縁基板7と、この絶縁基板7に形成されて前記配線コード4(4A、4B)と接続される配線回路部8(8A、8B)とを有している。
【0027】
一方の配線コード4A(以下、第1配線コード4Aと言う)は、一方の配線回路部8A(第1配線回路部8Aと言う)と接続されている。他方の配線コード4B(以下、第2配線コード4Bと言う)は、他方の配線回路部8B(第2配線回路部8Bと言う)と接続されている。
【0028】
第1配線コード4Aは、図3に示すように、第1配線回路部8Aに対してハンダ9にて接続されている。同じく、第2配線コード4Bは、第2配線回路部8Bに対してハンダ9にて接続されている。そして、各第1及び第2配線コード4A、4Bと第1及び第2配線回路部8A、8Bの接続部分(ハンダ接続部)に、該接続部分を覆って保護し、各第1及び第2配線コード4A、4Bを挿入させる配線コード引出し孔10が形成された配線コード保護部材11が設けられている。
【0029】
配線コード保護部材11は、図4に示すように、絶縁基板7の表面7aと裏面7bにそれぞれ設けられ、前記絶縁基板7をその厚み方向から挟み込んで結合される2つの保護部材11A、11Bから構成されている。
【0030】
一方の保護部材11Aには、配線コード引出し孔10が形成されている。この配線コード引出し孔10の入口には、第1及び第2配線コード4A、4Bのシース(外被)に食い込んで抜けを防止するためのコード抜け防止爪部12が形成されている。また、配線コード引出し孔10の奥には、前記ハンダ9との接触を回避するための空間部13が形成されている。また、この保護部材11Aには、前記絶縁基板7に形成された保護部材取付孔14に挿入される結合突起部15が形成されている。
【0031】
他方の保護部材11Bには、一方の保護部材11Aに形成された結合突起部15と嵌合して両者を固定するための結合用突部16が形成されている。この結合用突部16は、前記結合突起部15の中心に形成された凹部17に挿入され嵌合されることで、2つの保護部材11A、11Bを結合させる。本実施形態では、2つの保護部材11A、11Bを略半円形状としている。
【0032】
前記絶縁基板7は、図5に示すように、平面形状を両端が尖った(第1尖端部7A及び第2尖端部7Bを有した)いわゆる船形状としており、図8及び図9に示す2つの形態のT10×31舟形球18、19と、図10に示すG14球20と、図11に示すT10ウェッジ球21の異なる形状とされた全ての白熱球に対応する形状とされている。かかる絶縁基板7は、その長手方向に設けられた対象軸Xを中心に二つに重なり合う線対象形状とされている。この絶縁基板7の一方の尖端部である第2尖端部7Bの近傍には、両側面7c、7dからそれぞれ突出する突出部22が形成されている。
【0033】
前記絶縁基板7の表面7aと裏面7bには、それぞれ第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bとが形成されている。第1配線回路部8Aは斜線で示し、第2配線回路部8Bは塗り潰して示すことで、両者を区別してある。絶縁基板7の表面7aのうち対象軸Xを堺として図5(C)中向かって左側の領域に第1配線回路部8Aが主として形成され、右側の領域に第2配線回路部8Bが主として形成されている。
【0034】
表面7aに形成される第1配線回路部8Aは、前記した保護部材取付孔14から突出部22が形成されていない他方の尖端部である第1尖端部7Aまでの領域では幅広パターン部8A1とされ、保護部材取付孔14から突出部22までの領域では左側面7cに近い部分のみに形成された幅狭パターン部8A2とされている。
【0035】
幅狭パターン部8A2は、前記突出部22が形成される領域まで延びている。前記幅広パターン部8A1は、前記保護部材取付孔14と後述する第1スライド外部端子をスライド自在とするために絶縁基板7に形成した第1長穴23が形成される部位を避けて段差形状に形成されている。第1尖端部7Aでは、前記対象軸Xを堺として左側の全領域に第1配線回路部8Aが形成されている。また、対象軸Xを堺として右側の突出部22が設けられた領域にも第1配線回路部8Aが形成されている。この第1配線回路部8Aは、突出部22とその突出部近傍の領域に右側面7dに沿って長手方向に沿う縦延びパターン部8A3とされている。
【0036】
この一方、表面7aに形成される第2配線回路部8Bは、第1尖端部7Aの先端近傍から後述の第2スライド外部端子をスライド自在とするために絶縁基板7に形成した第2長穴24の途中までの領域では右側面7dまでは達しない中幅パターン部8B1とされ、その第2長穴24の途中から突出部22までの領域では幅狭パターン部8B2とされると共に、第2尖端部7Bでは対象軸Xを挟んで左側と右側の両方に跨る幅広パターン部8B3とされている。また、中幅パターン部8B1のうち第1尖端部7Aに近い領域では、右側面7dに向かって延びた横延びパターン部8B4とされている。なお、中幅パターン部8B1は、幅広パターン部8B3よりもその配線パターン幅が狭く、幅狭パターン部8B2よりはその配線パターン幅が広くなっている。
【0037】
また、前記絶縁基板7の裏面7bのうち、図5(A)の第1尖端部7A寄りの領域に第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bがそれぞれ主に形成され、第2尖端部7B寄りの領域に第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bがそれぞれ形成されている。
【0038】
第1尖端部7A寄りの領域に形成される第1配線回路部8Aは、保護部材取付孔14から第1尖端部7Aまでの領域では幅広パターン部8A4とされている。この幅広パターン部8A4は、前記保護部材取付孔14と第1長穴23が形成される部位を避けて段差形状に形成されている。また、第1尖端部7Aでは、前記対象軸Xを堺として右側の全領域に第1配線回路部8Aが形成されている。
【0039】
第1尖端部7A寄りの領域に形成される第2配線回路部8Bは、保護部材取付穴14から第1尖端部7Aの近傍までの領域では中幅パターン部8B5とされると共に、この中幅パターン部8B5から右側面7dに向かって延びた横延びパターン部8B6とされている。
【0040】
第2尖端部7B寄りの領域に形成される第1配線回路部8Aは、左右の突出部22間の領域ではそれら突出部22同士を結ぶように直線状をなす幅狭パターン部8A5とされると共に、各突出部22近傍部の領域では各側面7c、7dに沿って長手方向に沿う縦延びパターン部8A6とされている。
【0041】
第2尖端部7B寄りの領域に形成される第2配線回路部8Bは、対象軸Xを挟んで左側と右側の両方に跨る幅広パターン部8B7とされている。この幅広パターン部8B7は、前記した第1配線回路部8Aの幅狭パターン部8A5と接触しないようにされている。
【0042】
また、前記絶縁基板7の左側面7cには、図5(B)に示すように、第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bが形成されている。第1配線回路部8Aは、絶縁基板7の裏面7bに形成された幅広パターン部8A4と対応して保護部材取付孔14から第1尖端部7Aまでの領域に左側面7cを覆う長形パターン部8A7と、同じく絶縁基板7の裏面7bに形成された縦延びパターン部8A6と対応して突出部22の近傍部の領域に左側面7cを覆う短形パターン部8A8とされている。第2配線回路部8Bは、絶縁基板7の裏面7bに形成された幅広パターン部8B7と対応して第2尖端部7Bの先端側領域に左側面7cを覆う短形パターン部8B8とされている。
【0043】
また、前記絶縁基板7の右側面7dには、図5(D)に示すように、第1配線回路部8Aと第2配線回路部8Bが形成されている。第1配線回路部8Aは、絶縁基板7の表面7aに形成された縦延びパターン部8A3と対応して突出部22近傍の領域に右側面7dを覆う短形パターン部8A9とされている。第2配線回路部8Bは、絶縁基板7の表面7aに形成された横延びパターン部8B4と対応する領域に右側面7dを覆う短形パターン部8B8と、同じく絶縁基板7の表面7aに形成された幅広パターン部8B3と対応して第2尖端部7Bの先端側領域に右側面7dを覆う短形パターン部8B9とされている。
【0044】
前記した配線パターン形状を持つ配線回路部8は、図12及び図13に示す2つの形態のT10×31舟形球18、19を装着させるランプソケット3に設けられたソケット電極端子25、26に接して導通する外部端子を、その配線回路部8の一部に備えている。この配線回路8の一部を外部端子とすることに関する説明は、次のスライド外部端子の説明後に行う。外部端子は、配線回路部8の一部を外部端子とする他に、絶縁基板7に対してスライド自在に取り付けられて配線回路部8と接続されるスライド外部端子27、28(図1及び図2参照)も含まれる。
【0045】
スライド外部端子27、28は、絶縁基板7に固定された配線コード保護部材11を挟んでその両側にそれぞれスライド自在に設けられている。スライド外部端子27、28は、絶縁基板7に形成された第1長穴23と第2長穴24をガイドとして表面7a及び裏面7bに沿ってスライド自在とされる絶縁樹脂体29と、この絶縁樹脂体29に取り付けられた電極30とからなる。
【0046】
絶縁樹脂体29は、図6に示すように、絶縁基板7の表面7aと裏面7bにそれぞれ設けられ、前記絶縁基板7をその厚み方向から挟み込んで結合される2つの樹脂体29A、29Bから構成されている。各樹脂体29A、29Bは、何れも絶縁性に優れたナイロン樹脂(ナイロンは登録商標)から形成されている。
【0047】
一方の樹脂体29Aには、他方の樹脂体29Bと結合して両者を固定するための結合用突部31が形成されている。他方の樹脂体29Bには、前記結合用突部31を挿入嵌合させる凹部32を中心に有した円筒形状のスライドガイド部33が形成されている。スライドガイド部33は、第1長穴23及び第2長穴24に挿入されて前記スライド外部端子27、28のスライドを案内する。
【0048】
また、2つの樹脂体29A、29Bには、電極30をその外周囲に巻き付けて装着させた時に該電極30を固定するための電極固定用孔34が細長いスリット孔として形成されている。また、これら樹脂体29A、29Bには、それぞれ2つの穴部35、35が形成されている。穴部35は、絶縁基板7の表面7a又は裏面7bと接する面から高さ方向に切れ込んだ長穴とされている。本実施形態では、2つの樹脂体29A、29Bを略半円形状としている。
【0049】
電極30は、図7に示すように、2つの樹脂体29A、29Bが結合されて略円形状をなす絶縁樹脂体29の外周囲に巻き付くようにされている。かかる電極30は、例えば導電性に優れた真鍮から形成され、絶縁樹脂体29の外周囲に巻き付く装着部36と、各樹脂体29A、29Bに形成された電極固定用孔34に挿入される電極固定用挿入片37とを有している。
【0050】
装着部36は、一部を開口させたC型形状に形成されている。この装着部36には、絶縁基板7の右側面7dに接触する接触部38が形成されている。接触部38は、装着部36の外側から内側に向かって絶縁基板7と対向する部位を膨出させることで曲面を有した膨出突部とされている。
【0051】
電極固定用挿入片37は、装着部36の一側縁36aから互いに接近する方向に向く垂直片37aと、この垂直片37aの先端から直角に内側へ折り曲がる挿入片37bとからなる。前記電極30と前記絶縁樹脂体29とは、前記挿入片37を前記各樹脂体29A、29Bの電極固定用孔34に挿入させることで結合される。また、前記挿入片37bには、電極固定用孔34から該挿入片37bが容易に抜け出ないようにするための抜止め防止部39が形成されている。抜止め防止部39は、前記挿入片37bの両側縁に鋸刃形状を付けることにより形成されている。
【0052】
前記電極30は、スライド外部端子27、28を絶縁基板7の第1位置(例えば図2で示す位置)に移動させた時には前記配線回路部8のうち絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された部位(第1配線回路部8Aの短形パターン部8A9と第2配線回路部8Bの短形パターン部8B8)に接触して外部端子として機能する。
【0053】
具体的には、一方のスライド外部端子28に形成したスライドガイド部33が絶縁基板7に形成された第2長穴24の外側端部に接触して当該スライド外部端子28が外側の最端位置(この位置を第1位置とする)までスライドすると、絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された第1配線回路部8Aの短形パターン部8A9に前記電極30の接触部38が接触することにより、前記スライド外部端子28が外部端子となる。
【0054】
また、他方のスライド外部端子27に形成したスライドガイド部33が絶縁基板7に形成された第1長穴23の外側端部に接触して当該スライド外部端子27が最外側位置(この位置を第1位置とする)までスライドすると、絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された第2配線回路部8Bの短形パターン部8B8に前記電極30の接触部38が接触することにより、前記スライド外部端子27が外部端子となる。
【0055】
また、前記電極30は、スライド外部端子27、28を第1位置とは異なる第2位置(例えば図1で示す位置)に移動させた時には前記配線回路部8のうち絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された部位(第1配線回路部8Aの短形パターン部8A9と第2配線回路部8Bの短形パターン部8B8)と非接触となり外部端子として機能しないようになる。
【0056】
具体的には、一方のスライド外部端子28に形成したスライドガイド部33が絶縁基板7に形成された第2長穴24の内側端部に接触して当該スライド外部端子28が配線コード保護部材11に接触する最内側位置(この位置を第2位置とする)までスライドすると、絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された第1配線回路部8Aの短形パターン部8A9と前記電極30の接触部38とが非接触となることにより、前記スライド外部端子28が外部端子として機能しなくなる。
【0057】
また、他方のスライド外部端子27に形成したスライドガイド部33が絶縁基板7に形成された第1長穴23の内側端部に接触して当該スライド外部端子27が配線コード保護部材11に接触する最内側位置(この位置を第2位置とする)までスライドすると、絶縁基板7の右側面7dに回り込んで形成された第2配線回路部8Bの短形パターン部8B8と前記電極30の接触部38とが非接触となることにより、前記スライド外部端子27が外部端子として機能しなくなる。
【0058】
また、前記第1位置及び第2位置には、前記スライド外部端子27、28の絶縁基板7に対するスライドを不可能とするロック手段が設けられている。ロック手段は、絶縁基板7に形成された第1及び第2長穴23、24の両端部に形成された該第1及び第2長穴23、24の幅よりも狭い溝部23a、24aと、前記絶縁樹脂体29に形成され、前記第1及び第2長穴23、24に挿入されて前記溝部23a、24aに入り込みロックされるスライドガイド部33とからなる。
【0059】
以上のように構成された灯具用電源アダプタ1によれば、T10×31舟形球18、19だけでなくG14球20やT10ウェッジ球21が装着されるランプソケット3に着脱自在に取り付けてLEDバルブ5を前記した白熱球に換えて点灯させることができる。
【0060】
図8(A)に示す形態の2つの電極(a極(プラス極)及びb極(マイナス極))を持つT10×31舟形球18に対しては、灯具用電源アダプタ1を構成する2つのスライド外部端子27、28を図2で示した第1位置にスライドさせることで、一方のスライド外部端子28をa極として機能させると共に他方のスライド外部端子27をb極として機能させる。こうするとことで、図8(A)に示す形態のT10×31舟形球18に換えて図8(B)及び(C)の灯具用電源アダプタ1を図12に示すランプソケット3に装着したときに、a極及びb極として機能するスライド外部端子27、28が各ソケット電極端子25、25にそれぞれ接して導通することになる。その結果、T10×31舟形球18に換えてLEDバルブ5を点灯させることができる。
【0061】
また、図9(A)に示す形態の両端に2つの電極(a極(プラス極)及びb極(マイナス極))を持つT10×31舟形球19に対しては、灯具用電源アダプタ1を構成する2つのスライド外部端子27、28を図1で示した第2位置にスライドさせることで、第1配線回路部8Aの第1尖端部7Aに形成された幅広パターン部8A1、8A4及び長形パターン部8A7をa極として機能させると共に、第2配線回路部8Bの第2尖端部7Bに形成された幅広パターン部8B3、8B7及び短形パターン部8B8、8B9をb極として機能させる。こうするとことで、図9(A)に示す形態のT10×31舟形球19に換えて図9(B)及び(C)の灯具用電源アダプタ1を図13に示すランプソケット3に装着したときに、a極及びb極として機能する第1尖端部7A及び第2尖端部7Bに形成された第1配線回路部8A及び第2配線回路部8Bが各ソケット電極端子26、26にそれぞれ接して導通することになる。その結果、T10×31舟形球19に換えてLEDバルブ5を点灯させることができる。
【0062】
図10(A)に示す形態の2つの電極(a極(プラス極)及びb極(マイナス極))を持つG14球20に対しては、灯具用電源アダプタ1を構成する2つのスライド外部端子27、28を図1で示した第2位置にスライドさせることで、第1配線回路部8Aの右側面7d及び左側面7cに形成された短形パターン部8A9と短形パターン部8A8をb極として機能させると共に、第2配線回路部8Bの第2尖端部7Bに形成された幅広パターン部8B3、8B7及び短形パターン部8B8、8B9をa極として機能させる。こうするとことで、図10(A)に示す形態のG14球20に換えて図9(B)及び(C)の灯具用電源アダプタ1を使用することができる。
【0063】
図11(A)に示す形態の2つの電極(a極(プラス極)及びb極(マイナス極))を持つT10ウェッジ球21に対しては、灯具用電源アダプタ1を構成する2つのスライド外部端子27、28を図1で示した第2位置にスライドさせ且つ突出部22が上方を向くようにすることで、第1配線回路部8Aの第1尖端部7Aに形成された幅広パターン部8A4をb極として機能させると共に、第2配線回路部8Bの第1尖端部7Aに形成された中幅パターン部8B1をa極として機能させる。こうすることで、図11(A)に示す形態のT10ウェッジ球21に換えて図11(B)及び(C)の灯具用電源アダプタ1を使用することができる。なお、この灯具用電源アダプタ1は、図11(B)の絶縁基板7が表面7aを向いた状態から180度反転させて裏面7bが表を向いた状態にしても前記T10ウェッジ球21に換えて使用できる。この場合は、前記幅広パターン部8A4がa極、前記中幅パターン部8B1がb極となる。
【0064】
前記した灯具用電源アダプタ1は、図1の形態でそのまま使用することができるが、使用していない外部端子を覆うことでその外部端子を保護することもできる。具体的には、図14に示す絶縁カバー部材40を、使用していない外部端子を覆うように絶縁基板7に装着する。
【0065】
絶縁カバー部材40は、図15に示すように、絶縁樹脂からなる円柱体とされ、その長手方向の一端面40aに、絶縁基板7を第1尖端部7Aと第2尖端部7Bのどちらからでも挿入させることのできるスリット穴41を形成している。例えば、このスリット穴41に第1尖端部7Aを挿入方向として前記絶縁基板7を挿入すると、一方のスライド外部端子27から第1尖端部7Aまでの間に形成された配線回路部8(この配線回路部8の一部が外部端子になる)の全部位が絶縁カバー部材40によって覆われることになる。
【0066】
また、この絶縁カバー部材40の一端面40aには、スライド外部端子27を構成する絶縁樹脂体29に形成された穴部35に挿入嵌合する結合用突起部42が形成されている。これら結合用突起部42は、それぞれの穴部35に挿入嵌合されることで、前記絶縁カバー部材40と前記スライド外部端子27とを結合させる。これにより、絶縁カバー部材40は、絶縁基板7から不用意に抜け落ちることがなく、使用していない配線回路部8を確実に保護することができる。
【0067】
以上のように構成された灯具用電源アダプタ1に、図12及び図13に示すように、配線コード4を接続してLEDバルブ5を接続することで、本発明の車両用灯具が完成する。
【0068】
[作用効果]
本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、外部端子を白熱球の種類に応じて複数設けた構造としているので、各種のランプソケット3に対してそれぞれに応じた外部端子が接続されることになり、一つの灯具用電源アダプタ1のみで各種類の白熱球に対する代替えを実現することができる。
【0069】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、配線回路部8の一部を外部端子とする他に、絶縁基板7に対してスライド自在に取り付けられて前記配線回路部8と接続されるスライド外部端子27、28を外部端子としているため、より多くの白熱球の種類に対応可能となる。
【0070】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、配線コード4と配線回路部8との接続部分に、該接続部分を覆って保護する配線コード保護部材11を設けているので、この配線コード保護部材11によりハンダ接続される接続部分を保護することができる。
【0071】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、絶縁樹脂体29と電極30から構成したスライド外部端子27、28を絶縁基板7上でスライドさせてその位置を適宜位置に移動させることで、前記電極30を絶縁基板7の側面7c、7dに回り込んで形成した配線回路部8のパターン部に接触させて外部端子として機能させると共に、該電極30を該配線回路部8のパターン部と非接触となして外部端子として機能させないようにしているので、前記スライド外部端子27、28を所定位置(第1位置及び第2位置)に移動させるだけの簡単な構造で、各種類の白熱球に対応させることができる。
【0072】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、スライド外部端子27、28の絶縁基板7に対するスライドを不可能とするロック手段を第1位置と第2位置に設けているので、これら第1位置と第2位置にスライド外部端子27、28を固定することができる。
【0073】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、ロック手段を、絶縁基板7に形成した第1及び第2長穴23、24の両端部に形成した該長穴23、24の幅よりも狭い溝部23a、24aと、この第1及び第2長穴23、24に挿入されて前記溝部23a、24aに入り込みロックされるスライドガイド部33とで構成しているので、前記スライドガイド部33が溝部23a、24aに入り込むことで確実にスライド外部端子27、28を絶縁基板7に対してロックすることができる。
【0074】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、配線回路部8の一部を覆って保護する絶縁カバー部材40を絶縁基板7に着脱自在に取り付けているので、この絶縁カバー部材40によって配線回路部8を保護することができる。
【0075】
また、本実施形態の灯具用電源アダプタ1によれば、絶縁カバー部材40が使用していない外部端子を覆うため、この絶縁カバー部材40によって外部端子に傷などが付くことを防ぐことができる。
【0076】
また、本実施形態の車両用灯具によれば、数種類の白熱球に対応して1つの灯具用電源アダプタ1のみで白熱球に換えてLEDバルブ5を点灯させることができる。その結果、白熱球の種類に応じて数種類の灯具用電源アダプタを用意する必要が無くなる。
【0077】
[その他の実施形態]
図16及び図17は、第1位置及び第2位置におけるスライド外部端子27、28の絶縁基板7に対するスライドを不可能とするロック手段の別実施形態を示す。図16は、スライド外部端子27、28が第1位置で絶縁基板7にロックされた状態、図17はスライド外部端子27、28が第2位置で絶縁基板7にロックされた状態である。
【0078】
この実施形態では、第1位置でのロック手段は、絶縁基板7に形成された第1及び第2長穴23、24の外側端部に形成された該第1及び第2長穴23、24の幅よりも狭い溝部23a、24aと、前記絶縁樹脂体29に形成され、前記第1及び第2長穴23、24に挿入されて前記溝部23a、24aに入り込みロックされるスライドガイド部33とからなる。
【0079】
第2位置でのロック手段は、配線コード保護部材11に形成された突起部43と、スライド外部端子27、28が図17で示す第2位置に移動した時に該突起部43を嵌合させる絶縁樹脂体29に形成された穴部35とからなる。前記突起部43が前記穴部35に挿入嵌合することで、配線コード保護部材11に対してスライド外部端子27、28のスライド移動が阻止されてロックされることになる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、既存の白熱球をLEDバルブに代替えするための灯具用電源アダプタに利用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…灯具用電源アダプタ
2…白熱球
3…ランプソケット
4…配線コード
5…LEDバルブ
7…絶縁基板
8…配線回路部
8A…第1配線回路部
8B…第2配線回路部
11…配線コード保護部材
18、19…T10×31舟形球(白熱球)
20…G14球(白熱球)
21…T10ウェッジ球(白熱球)
23…第1長穴
24…第2長穴
23a、24a…溝部(ロック手段)
25、26…ソケット電極端子
27、28…スライド外部端子(外部端子)
29…絶縁樹脂体(スライド外部端子)
30…電極(スライド外部端子)
33…スライドガイド部(ロック手段)
35…穴部(ロック手段)
40…絶縁カバー部材
43…突起部(ロック手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白熱球が装着されるランプソケットに着脱自在に取り付けられることにより、配線コードが接続されたLEDバルブを前記白熱球に換えて点灯させる灯具用電源アダプタにおいて、
前記灯具用電源アダプタは、前記白熱球の種類により異なる形状とされたランプソケットのそれぞれに対して装着可能な絶縁基板と、前記絶縁基板に形成されて前記配線コードと接続される配線回路部とを有し、
前記配線回路部は、前記ランプソケットに設けられるソケット電極端子に接して導通される外部端子をその配線回路部の一部に備えており、前記外部端子を、前記白熱球の種類に応じて複数設けた
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記外部端子は、前記配線回路部の一部を外部端子とする他に、前記絶縁基板に対してスライド自在に取り付けられて前記配線回路部と接続されるスライド外部端子を有している
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記配線コードと前記配線回路部の接続部分に、該接続部分を覆って保護し、該配線コードを挿入させる配線コード引出し孔が形成された配線コード保護部材を設けた
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記スライド外部端子は、前記絶縁基板に形成された長穴をガイドとして表面及び裏面に沿ってスライド自在とされる絶縁樹脂体と、この絶縁樹脂体に取り付けられた電極とを有し、
前記電極は、前記スライド外部端子を前記絶縁基板の第1位置に移動させた時には前記配線回路部のうち前記絶縁基板の側面に回り込んで形成された部位に接触して外部端子として機能し、前記第1位置とは異なる第2位置に移動させた時には前記配線回路部のうち前記絶縁基板の側面に回り込んで形成された部位と非接触となり外部端子として機能しない
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記第1位置及び第2位置には、前記スライド外部端子の前記絶縁基板に対するスライドを不可能とするロック手段が設けられている
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項6】
請求項5に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記ロック手段は、前記絶縁基板に形成された前記長穴の両端部に形成された該長穴の幅よりも狭い溝部と、前記絶縁樹脂体に形成され、前記長穴に挿入されて前記溝部に入り込みロックされるスライドガイド部とからなる
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項7】
請求項5に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記ロック手段は、
前記絶縁基板に形成された前記長穴の外側端部に形成された該長穴の幅よりも狭い溝部及び、前記絶縁樹脂体に形成され、前記長穴に挿入されて前記溝部に入り込んで両者をロックするスライドガイド部と、
前記配線コード保護部材に形成された突起部及び、前記スライド外部端子が第2位置に移動した時に該突起部を嵌合させて両者をロックする前記絶縁樹脂体に形成された穴部と、からなる
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記絶縁基板に着脱自在とされて、前記配線回路部の一部を覆って保護する絶縁カバー部材とを備えた
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項9】
請求項8に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記絶縁カバー部材は、少なくとも使用していない外部端子を覆う
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタに配線コードを介してLEDバルブを接続した車両用灯具。
【請求項1】
白熱球が装着されるランプソケットに着脱自在に取り付けられることにより、配線コードが接続されたLEDバルブを前記白熱球に換えて点灯させる灯具用電源アダプタにおいて、
前記灯具用電源アダプタは、前記白熱球の種類により異なる形状とされたランプソケットのそれぞれに対して装着可能な絶縁基板と、前記絶縁基板に形成されて前記配線コードと接続される配線回路部とを有し、
前記配線回路部は、前記ランプソケットに設けられるソケット電極端子に接して導通される外部端子をその配線回路部の一部に備えており、前記外部端子を、前記白熱球の種類に応じて複数設けた
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記外部端子は、前記配線回路部の一部を外部端子とする他に、前記絶縁基板に対してスライド自在に取り付けられて前記配線回路部と接続されるスライド外部端子を有している
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記配線コードと前記配線回路部の接続部分に、該接続部分を覆って保護し、該配線コードを挿入させる配線コード引出し孔が形成された配線コード保護部材を設けた
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記スライド外部端子は、前記絶縁基板に形成された長穴をガイドとして表面及び裏面に沿ってスライド自在とされる絶縁樹脂体と、この絶縁樹脂体に取り付けられた電極とを有し、
前記電極は、前記スライド外部端子を前記絶縁基板の第1位置に移動させた時には前記配線回路部のうち前記絶縁基板の側面に回り込んで形成された部位に接触して外部端子として機能し、前記第1位置とは異なる第2位置に移動させた時には前記配線回路部のうち前記絶縁基板の側面に回り込んで形成された部位と非接触となり外部端子として機能しない
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項5】
請求項2から請求項4の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記第1位置及び第2位置には、前記スライド外部端子の前記絶縁基板に対するスライドを不可能とするロック手段が設けられている
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項6】
請求項5に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記ロック手段は、前記絶縁基板に形成された前記長穴の両端部に形成された該長穴の幅よりも狭い溝部と、前記絶縁樹脂体に形成され、前記長穴に挿入されて前記溝部に入り込みロックされるスライドガイド部とからなる
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項7】
請求項5に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記ロック手段は、
前記絶縁基板に形成された前記長穴の外側端部に形成された該長穴の幅よりも狭い溝部及び、前記絶縁樹脂体に形成され、前記長穴に挿入されて前記溝部に入り込んで両者をロックするスライドガイド部と、
前記配線コード保護部材に形成された突起部及び、前記スライド外部端子が第2位置に移動した時に該突起部を嵌合させて両者をロックする前記絶縁樹脂体に形成された穴部と、からなる
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記絶縁基板に着脱自在とされて、前記配線回路部の一部を覆って保護する絶縁カバー部材とを備えた
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項9】
請求項8に記載の灯具用電源アダプタであって、
前記絶縁カバー部材は、少なくとも使用していない外部端子を覆う
ことを特徴とする灯具用電源アダプタ。
【請求項10】
請求項1から請求項9の何れか1項に記載の灯具用電源アダプタに配線コードを介してLEDバルブを接続した車両用灯具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−253795(P2011−253795A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128979(P2010−128979)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(390005304)PIAA株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(390005304)PIAA株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
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