説明

炊飯器

【課題】鍋の保温効果と鍋を本体より取り出し易くした電気炊飯器を提供すること。
【解決手段】フランジが形成された被炊飯物を収容する鍋6と、鍋6を収納する収納カバーと、鍋を加熱する加熱手段と、鍋を支持する枠体4a及びフレームカバー4と、を有する炊飯器本体2と、炊飯器本体2の開口部を覆う開閉自在に取付けられる蓋体7と、を備えた電気炊飯器1において、枠体4aは、フレームカバー4の上部に環状に固定され、鍋の側壁に対峙する垂直片4bと、鍋のフランジを支持する支持片4cと、フランジの端面に対峙した立ち上げ片6dとからなるクランク形状を有すると共に、立ち上げ片4dの互いに対向する両側には切り欠き4eが形成されており、蓋体7は、蓋体7が閉じられたときに立ち上げ片4dに形成された切り欠き4eに当接する凸部7aが形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、炊飯器に関し、詳しくは、内鍋を取り出しやすくすると共に保温効果を高めた炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化及び環境汚染の問題が地球規模において最優先課題として解決されなければならない時代に突入している。このうち、頻発する自然災害の一因が地球温暖化にあるとされていることから、地球温暖化の防止、すなわちCO2排出量の数値目標が世界各国及び地域に設定されて、その目標達成に向けて様々な施策が打ち出され、我が国においても京都議定書での削減目標達成に向けた取り組みがなされている。かかる状況を踏えて、一般家庭で使用される電化製品もその対象となり、電気炊飯器も省エネルギー対策が急務となっている。これまでさまざまな工夫がなされた炊飯器が特許文献で紹介されている。
【0003】
電気炊飯器における従来の省エネルギー対策の一つとして、例えば特許文献1に開示された電気炊飯器のように、圧力装置を備え、この圧力装置によって予熱工程、立上工程、沸騰工程の一連の炊飯工程において、鍋内を圧力状態に維持して、予熱工程での米の吸水と、立上工程、沸騰工程の各工程における吸水及び熱伝導を良好にして、炊飯の所要時間を短縮し、かつ飯の炊き上がり状態を良好にするものが知られている。この電気炊飯器のように、高い圧力を加えて温度を上昇させる圧力炊飯は、早く炊けて、粘りが強く、弾力がある炊き上がりが特徴である。
【0004】
さらに、本出願人は、下記特許文献2に開示したような、炊飯の過程で加圧と減圧を繰り返し行う方式、つまり加圧時に高温をかけて熱と水分を米の芯に浸透させ、その状態からの急激な減圧によって起きる爆発的対流により米をかき混ぜ熱をむらなく通す、いわゆる「おどり炊き」方式の電気炊飯器を開発している。この炊飯方式は、加圧時には例えば1.2気圧、105℃で炊飯し、減圧時には急激に1気圧まで減圧することを、被炊飯物に応じて数回乃至十数回繰り返すものである。そうすると、米の場合には加圧時には熱と水分が米の芯まで浸透して甘みと粘りを引き出し、減圧時には大沸騰が生じて米が鍋の底からかき混ぜられることになるので、米の吸水が促進され米が芯からα化するとともに、撹拌により鍋の中心部まで加熱されふっくらしたご飯が炊ける。
【0005】
この方式の電気炊飯器では、被炊飯物を入れる鍋に溜められた水が炊飯時に加熱され加圧状態から急激に減圧されると一気に沸騰して、激しい熱対流を引き起こすこととなり、この沸騰熱が米に浸透し、美味さを引き出すことができる。かつ沸騰水によりかき混ぜられた米は吸水が促進され各粒の芯からのα化ができる。従来の誘導加熱コイルによる渦電流で鍋を発熱させる誘導加熱方式の炊飯器では鍋の中心は温度が上がりにくかったが、上記の方式においては鍋の中心まで加熱され、鍋の中心部にある米も美味しく炊き上がるので、ふっくらした美味しいご飯を早く炊き上げることができ、炊飯に要するエネルギーを節約できるという効果を奏する。
【0006】
一方、従来から普通に使用されている電気炊飯器は、炊飯後に自動的に保温工程に移行するため、炊飯以外の保温工程でも電力を消費している。また、保温時には、ご飯が腐食しない程度の温度調節されている。保温温度は、炊飯温度に比べて低いが、ご飯を取り出す際に開閉が行われたり、隙間から外方に熱が漏れることがあり、エネルギー損失に繋がりやすい。そこで、例えば下記特許文献3に示されているように、電気炊飯器のうち鍋から放出される熱を炊飯器内に留めるようにした電気炊飯器も開発されている。
【0007】
下記特許文献3に開示されている電気炊飯器は、上方が開口し被炊飯物を収容するフランジが形成された鍋と、前記鍋を収納する収納カバーと、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋を支持する枠体及びフレームカバーとを有する炊飯器本体と、前記炊飯器本体の開口部を覆い開閉自在に取付けられる蓋体とを備えた電気炊飯器において、前記枠体として、前記フレームカバーの上部に環状に固定され、前記鍋の側壁に対峙する垂直片と、前記鍋のフランジを支持する支持片と、前記フランジの端面に対峙した立ち上げ片とからなるクランク形状を有し、フレームカバーに比べて耐熱性の高い素材より形成されたものを用いている。下記特許文献3に開示されている電気炊飯器によれば、クランク状の枠体によって鍋のフランジの下面及び端面が外部に露出しなくなるので、鍋の熱がフランジから外方に放熱し難くなり、鍋の保温効果を高くすることで省エネルギー効果を高めることができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平 6− 22710号公報
【特許文献2】特開2004−344568号公報
【特許文献3】特開2010−075521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献3に開示されている電気炊飯器では、鍋のフランジの下面及び端面がフレームカバー上に形成された枠体によって外部に露出していないので、鍋の熱が外方に逃げ難くなり、良好な保温効果を奏することができるが、鍋を電気炊飯器の本体より取り出し易くするためには、環状に形成された枠体の立ち上げ片の対向する両端に切り欠きを設ける必要がある。
【0010】
しかしながら、このような枠体の立ち上げ片に切り欠きを設けると、少なくとも、立ち上げ片に切り欠きを形成した箇所では鍋のフランジの端面が外部に露出してしまうので、鍋の保温効果が低下してしまう。すなわち、上記特許文献3に開示されている電気炊飯器は、鍋の保温効果と鍋を電気炊飯器の本体より取り出し易くするという効果とが相反するようになってしまうので、両効果を同時に達成することが困難である。
【0011】
そこで、発明者は、上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、フレームカバーの表面に環状に形成された枠体の立ち上げ片に切り欠きを形成しても、この切り欠きに対応する部分を蓋体に形成した凸部によって覆われるようにすると、蓋体を閉じた状態では実質的に枠体に切り欠きを形成しない場合と同等の保温効果を達成することができると共に、蓋体を開けた状態では鍋を取り出し易くできることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、鍋の保温効果と鍋を電気炊飯器の本体より取り出し易くするという両効果を同時に達成することができる電気炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の第1形態の電気炊飯器は、フランジが形成された被炊飯物を収容する鍋と、前記鍋を収納する収納カバーと、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋を支持する枠体及びフレームカバーと、を有する炊飯器本体と、前記炊飯器本体の開口部を覆う開閉自在に取付けられる蓋体と、を備えた電気炊飯器において、前記枠体は、前記フレームカバーの上部に環状に固定され、前記鍋の側壁に対峙する垂直片と、前記鍋のフランジを支持する支持片と、前記フランジの端面に対峙した立上片とからなるクランク形状を有すると共に、前記立ち上げ片の互いに対向する両側には切り欠きが形成されており、前記蓋体は、前記蓋体が閉じられたときに前記立ち上げ片に形成された切り欠きに当接する凸部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の第2形態の電気炊飯器は、第1形態の電気炊飯器において、前記立ち上げ片に形成された切り欠きは、前記鍋のフランジを支持する支持片部分まで延在されていることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の第3形態の電気炊飯器は、第1又は第2の形態の電気炊飯器において、前記フレームカバーの上部周縁或いは前記蓋体の下部周縁に、前記立上片の外方に位置するように環状壁を配設したことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第4形態の電気炊飯器は、第1〜第3の何れかの形態の電気炊飯器において、前記枠体の支持片に突起を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記のような構成を備えることにより以下に述べるような優れた効果を奏する。すなわち、第1形態の電気炊飯器においては、枠体の立上片に切り欠きを形成したので、そのままでは立ち上げ片に切り欠きを形成した箇所では鍋のフランジの端面が外部に露出してしまうこととなるが、蓋体にこの立ち上げ片に形成された切り欠きに当接する凸部が形成されているため、蓋体を閉じた状態では凸部が鍋のフランジの端面を覆うようになるので、鍋のフランジの下面及び端面は外部に露出しなくなる。そのため、本発明の電気鍋によれば、鍋の熱がフランジから外方に放熱し難くなり、鍋の保温効果が高くなり、良好な省エネルギー効果を奏するようになる。
【0018】
加えて、第1形態の電気炊飯器によれば、枠体の立上片に形成された切り欠きが形成されているため、蓋部材を開いたときには鍋のフランジが露出するから、鍋の取り出しが容易となる。
【0019】
また、本発明の第2形態の電気炊飯器によれば、第2形態の電気炊飯器によれば、枠体の立上片に形成された切り欠きが鍋のフランジを支持する支持片部分まで延在されているので、鍋を取り出す際に支持片部分まで容易に指が入るため、鍋を極めて容易に取り出すことができるようになる。
【0020】
また、本発明の第3形態の電気炊飯器によれば、フレームカバーの上部周縁或いは前記蓋体の下部周縁に、前記立上片の外方に位置するように環状壁を配設したので、枠体が炊飯器外方から見えなくなり、直接炊飯器外への熱の放出がなく、また、外部の部品に熱が伝わりにくくなる。
【0021】
また、本発明の第4形態の電気炊飯器によれば、枠体の支持片に突起を設けたので、支持辺が直接鍋のフランジと接触することがなく、鍋のフランジと突起が接するようになるので、鍋のフランジと枠体との接点が少なくなり、熱効率が悪くなるため断熱性が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施例にかかる炊飯器の外観斜視図である。
【図2】本実施例にかかる炊飯器の蓋体を開けた状態を示す斜視図である。
【図3】本実施例にかかる炊飯器の略中央部で切断した断面図である。
【図4】図3の枠体のみを示した拡大図である。
【図5】変形例の枠体の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための電気炊飯器を例示するものであって、本発明をこの電気炊飯器に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適用し得るものである。
[実施形態]
本発明の実施形態に係る電気炊飯器1を図1〜図3を用いて説明する。電気炊飯器1は、水と米とを含む被炊飯物を入れる鍋6と、この鍋を着脱自在に収容する開口部及び鍋内の被炊飯物を加熱する誘導加熱コイル18等の加熱手段並びに加熱手段を制御して被炊飯物の炊飯及び保温制御を行なう制御手段22を有する炊飯器本体2と、鍋6及び炊飯器本体2の開口部を塞ぐ蓋体7とを備えている。この蓋体7は開閉つまみ76により開くことができるようになっている。また、蓋体7には各種制御ボタン23及び液晶表示部24も備えている。
【0024】
制御手段22は、鍋6内の圧力を略一定とするように鍋内と外気とを連通又は遮断する開閉機構を有する圧力弁29と、圧力弁29に付設され圧力弁を強制的に開状態にするための圧力弁開放機構30とを備えており、加熱手段の加熱量とを制御するとともに、圧力弁開放機構30による圧力弁29の開動作の制御を行なう。制御手段22は、沸騰中に圧力弁開放機構30により圧力弁29を少なくとも1回開動作させて鍋内の圧力を変更するようにしてある。
【0025】
炊飯器本体2は、その内部に鍋6を収容する非金属材料で成形された有底筒状の収納カバー3と、この収納カバー3を覆うフレームカバー4とを有し、収納カバー3内に鍋6が着脱自在に収容されるようになっている。収納カバー3は、その上端部に外周へ突出したフランジ3aが形成されている。また、フレームカバー4の開口側の上部には、環状に枠体4aが形成されている。
【0026】
鍋6は、その上端開口部に外方に張り出すフランジ6aが形成されており、このフランジ6aがフレームカバー4の枠体4a上に位置するように載置される。また、枠体4aは、鍋6の側壁に対峙する垂直片4bと、鍋6のフランジ6aを支持する支持片4cと、フランジ6aの端面に対峙した立ち上げ片4dとからなるクランク形状を有している。
【0027】
また、フレームカバー4上の枠体4aの立ち上げ片4dには、互いに対向する両側に切り欠き4eが形成されており、ここではこの切り欠き4eは部分的に支持片4c部分まで延在されている。このようにすると、鍋6のフランジ6aの一部がこの切り欠き4e内に位置するため、指をフランジ6aの下部まで挿入できるようになるので、鍋6をフレームカバー4内から取出しやすくなっている。
【0028】
収納カバー3は、その底部付近の外周囲に誘導加熱コイル18が配設される。また、収納カバー3には、上方開口部と誘導加熱コイル18との間に側面ヒータ19が配設されている。炊飯器本体2には、誘導加熱コイル18、側面ヒータ19及び蓋ヒータ20等へ電力を供給・制御する制御基板21が吸気孔5aに近接した箇所に配設されている。制御基板21には、半導体素子からなるインバータ、スイッチング素子、タイマー素子等の電子部品が装着されている。
【0029】
蓋体7は、その外蓋8の上面に操作プレート23が装着されている。この操作プレート23には、炊飯ボタン、選択及び時刻調整ボタン、切りボタン、保温ボタン、予約ボタン及びファンクションボタン等の操作釦及び表示パネル24が装着されており、表示パネル24には制御・選択された炊飯メニュー等が表示される。
【0030】
蓋体7は、枠体9の上下に外蓋8及び蓋カバー11をそれぞれ取り付け、蓋カバー11を介して枠体に内蓋10が着脱自在に装着された構成を有し、炊飯器本体2の収納カバー3の上方開口部を覆うように取り付けられている。蓋体7は、外蓋8をヒンジ部材15と枢支ピン16とを用いて炊飯器本体2に軸支されており、蓋体7を炊飯器本体2に開閉できるようになっている。
【0031】
内蓋10のほぼ中央部には、炊飯器本体2内の蒸気圧を制御し圧力を調整して吹きこぼれを防ぐ圧力弁29や、圧力弁の故障などで鍋が異常に加圧されたときに開放され、鍋の圧力を逃がす安全弁12が装着されている。なお、本実施形態の炊飯器1では、図3に示したように、内蓋10の下部にはおねば受け17が形成されているが、図2においてはおねば受け17は図示省略されている。
【0032】
内蓋10の外周囲には、鍋6のフランジ6aと内蓋10とをシールする鍋パッキン14が枠体9に支持されて装着されている。炊飯器本体2内に鍋6を収容して蓋体7で覆うと、鍋パッキン14が鍋6の開口縁部に圧接して鍋6が閉鎖される。
【0033】
蓋体7は、その内蓋10がステンレス鋼材やアルミニウム材、あるいは両者からなるクラッド材で形成されたものである。内蓋10は金属板を周縁部と内部との間に段差が形成されるように円盤状にプレス成型して形成され、周縁部にはゴム製の鍋パッキン14を介して硬質のプラスチック製の外枠13を取り付けている。外枠13には内蓋10を装着するための係止部が設けてある。鍋パッキン14は、鍋6のフランジ6aと密着し、鍋6をシールすることにより圧力を保持する。鍋パッキン14は、耐久性、耐熱性に優れているシリコンゴムから形成するのが好ましい。
【0034】
蓋体7の内側の収納カバー3に形成された切り欠き4eと対向する部分には、この切り欠き4eを塞ぐことができる突起7aが形成されている。また、蓋体7の外蓋8の環状突起8aは、蓋体7が閉じられた際に、枠体4aの立ち上げ片4dの外方側に位置して環状に囲むようになされている。そのため、蓋体7の外蓋8の環状突起8aは、本発明の環状壁を形成する。
【0035】
このような構成を採用することにより、本実施形態の電気炊飯器1においては、枠体4aの立ち上げ片4dに切り欠き4eを形成したので、そのままでは立ち上げ片4dに切り欠き4eを形成した箇所では鍋6のフランジ6a部分の端面が外部に露出してしまうこととなるが、蓋体7にこの立ち上げ片4dに形成された切り欠き4eに当接する凸部7aが形成されているため、蓋体7を閉じた状態では凸部7aが鍋6のフランジ6a部分の端面を覆うようになるので、鍋6のフランジ6aの下面及び端面は外部に露出しなくなる。そのため、本実施形態の電気炊飯器1によれば、鍋6の熱がフランジ6aから外方に放熱し難くなり、鍋6の保温効果が高くなり、良好な省エネルギー効果を奏するようになる。
【0036】
しかも、蓋体7の外蓋8の環状突起8aは、蓋体7が閉じられた際に枠体4aの立ち上げ片4dの外方側に位置して環状に囲む環状壁を形成しているから、枠体4aの外方側は外方に露出しない状態となるので、より保温効果が高くなる。
【0037】
また、枠体4aは、立ち上げ片4dに切り欠き4eが形成されているため、蓋部材7を開いたときには鍋6のフランジ6aが露出するから、鍋の取り出しが容易となる。この場合、上記実施形態の電気炊飯器1のように、切り欠き4eを部分的に支持片4c部分まで延在させると、鍋6のフランジ6aの一部がこの切り欠き4e内に位置するため、指をフランジ6aの下部まで挿入できるようになるので、鍋6をフレームカバー4内から取出しやすくなる。
【0038】
なお、上記実施形態では、枠体4aとして支持片4cが平らな表面であって、鍋6のフランジ6aと良好に接触するようにした例を示した。しかしながら、このような構成であると、鍋6のフランジ6aから枠体4aの支持片4c部分を経て熱伝導によって鍋6の熱が外部に流出してしまうため、断熱性が低下する。このような問題点を解決するため、図5に示した変形例の枠体4a’も使用することができる。この変形例の枠体4a’は実施形態の平らな支持片4cの表面に突起4fを形成したものである。このような構成を採用すると、枠体4a’の支持片4cが直接鍋6のフランジ6あと接触することがなく、鍋6のフランジ6aと突起が4f接するようになるので、鍋6と枠体4a’との接点が少なくなり、熱効率が悪くなるため断熱性が高くなる。
【符号の説明】
【0039】
1:炊飯器
2:炊飯器本体
3:収納カバー
4:フレームカバー
4a、4a’:枠体
4b:垂直片
4c:支持片
4d:立ち上げ片
4e:切り欠き
4f:突起
6:鍋
6a:(鍋の)フランジ部
7:蓋体
7a:突起
8:外蓋
8a:環状突起
9:枠体
10:内蓋
11:蓋カバー
12:安全弁
13:外枠
14:鍋パッキン
15:ヒンジ部材
16:枢支ピン
17:おねば受け
18:誘導加熱コイル
19:側面ヒータ
20:蓋ヒータ
21:制御基板
22:制御手段
29:圧力弁
30:圧力弁開放機構
76:開閉ツマミ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジが形成された被炊飯物を収容する鍋と、前記鍋を収納する収納カバーと、前記鍋を加熱する加熱手段と、前記鍋を支持する枠体及びフレームカバーと、を有する炊飯器本体と、前記炊飯器本体の開口部を覆う開閉自在に取付けられる蓋体と、を備えた電気炊飯器において、
前記枠体は、前記フレームカバーの上部に環状に固定され、前記鍋の側壁に対峙する垂直片と、前記鍋のフランジを支持する支持片と、前記フランジの端面に対峙した立ち上げ片とからなるクランク形状を有すると共に、前記立ち上げ片の互いに対向する両側には切り欠きが形成されており、
前記蓋体は、前記蓋体が閉じられたときに前記立ち上げ片に形成された切り欠きに当接する凸部が形成されていることを特徴とする電気炊飯器。
【請求項2】
前記立ち上げ片に形成された切り欠きは、前記鍋のフランジを支持する支持片部分まで延在されていることを特徴とする請求項1に記載の電気炊飯器。
【請求項3】
前記フレームカバーの上部周縁或いは前記蓋体の下部周縁に、前記立ち上げ片の外方に位置するように環状壁を配設したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気炊飯器。
【請求項4】
前記枠体の支持片に突起を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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