説明

炊飯材料

【課題】食味が低下することはなく、炊飯時に加える水の量を容易に調節することができ、堅めまたは柔らかめに炊飯して好みの堅さの米飯を作ることができる炊飯材料を提供する。
【解決手段】炊飯材料20Aでは、所定量の水分を含む吸水生米22の複数がプラスチックフィルム23から作られた袋21の内部に密集した状態で収容かつ袋21に負圧下に密閉されている。炊飯材料20Aでは、凍結した水分を介して隣り合う吸水生米22どうしが互いに密着した状態で隙間なく連結され、吸水生米22の複数が所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい円柱状の凍結米集合物30を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定量の水分を含む吸水生米を冷凍した炊飯材料に関する。
【背景技術】
【0002】
所定量の水分を含む生米に炊飯時の蒸発量相当分の水とα化に要する水とを加え、生米を所定量の水とともに冷凍した炊飯材料がある(特許文献1参照)。この炊飯材料は、それを炊飯器に入れて炊飯することで米飯を作ることができる。
【特許文献1】特開平7−33175号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に開示の炊飯材料は、所定量の水分を含む生米を炊飯時の蒸発量相当分の水およびα化に要する水とともに冷凍するので、冷凍温度や冷凍時間にもよるが、加えた水が凍結するまで生米が凍結せず、生米の凍結が緩やかに進み、冷凍時に生米の細胞が破壊される場合がある。また、生米の凍結が緩やかに進むと、生米に含まれる水分が凍結時に膨張し、生米に亀裂が生じる場合がある。生米の細胞が破壊されたり、生米に亀裂が生じると、この炊飯材料を炊飯して作る米飯の食味が低下してしまう。この炊飯材料は、炊飯時の蒸発量相当分の水およびα化に要する水が加えられているから、それを炊飯するときに炊飯器に入れる水の量を調節して堅めに炊飯したり、柔らかめに炊飯することが難しく、好みの堅さの米飯を作ることができない。
【0004】
本発明の目的は、食味が低下することはなく、炊飯時に加える水の量を容易に調節することができ、堅めまたは柔らかめに炊飯して好みの堅さの米飯を作ることができる炊飯材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明の前提は、所定量の水分を含む吸水生米を冷凍した炊飯材料である。
【0006】
前記前提における本発明の特徴は、吸水生米の複数が、プラスチックフィルムから作られた袋の内部に密集した状態で収容かつ袋に負圧下に密閉され、凍結した水分を介して隣り合う吸水生米どうしが連結されて所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい凍結米集合物を形成していることにある。
【0007】
本発明は、以下の実施態様を有する。
(1)凍結米集合物では、隣り合う吸水生米どうしが互いに密着した状態で隙間なく連結されている。
(2)凍結米集合物が、中央部と、中央部の周り方向外方に位置する周縁部とを有し、中央部と周縁部とのうちの少なくとも該周縁部が、凍結米集合物の厚み方向へ向かって弧を画いている。
(3)凍結米集合物を厚み方向へ貫通する少なくとも1つの貫通孔が、該凍結米集合物に形成されている。
(4)少なくとも2つの前記凍結米集合物が、厚み方向へ重なり合っている。
(5)凍結米集合物が、貫通孔を互いに一致させた状態で重なり合っている。
(6)凍結米集合物の密度が、5〜8g/2cmの範囲にある。
(7)吸水生米1粒の単位体積(mm)あたりの吸水率が、28〜31%の範囲にある。
(8)凍結米集合物の重量が、150〜350gの範囲にある。
(9)吸水生米の冷凍温度が、−30〜−45℃の範囲にあり、吸水生米の凍結に要する時間が、30〜45分の範囲にある。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる炊飯材料によれば、凍結米集合物を袋から取り出し、所定量の水を加えて凍結米集合物を炊飯することで米飯を作ることができる。この炊飯材料は、吸水生米がそれに含まれる水分を介して凍結し、複数の吸水生米どうしが凍結した水分を介して連結されて所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい凍結米集合物を形成しているので、吸水生米に冷気が容易に伝わり、それら吸水生米が急速に凍結する。炊飯材料では、吸水生米が急速に凍結することで、吸水生米の細胞破壊や吸水生米に生じる亀裂を防ぐことができ、凍結米集合物を炊飯して作った米飯の食味の低下を防ぐことができる。この炊飯材料は、凍結米集合物を炊飯するときに加える水の量を調節することで、堅めに炊飯することや柔らかめに炊飯することができ、好みの堅さの米飯を作ることができる。また、この炊飯材料は、凍結米集合物がプラスチックフィルムから作られた袋に負圧下に密閉されているので、長期間の冷凍保存が可能であり、さらに、吸水生米の細胞破壊がないので、長期間保存した後に凍結米集合物を炊飯しても米飯の食味が低下することはない。
【0009】
隣り合う吸水生米どうしが互いに密着した状態で隙間なく連結されている炊飯材料では、吸水生米どうしの間に隙間が形成されている場合と比較して凍結米集合物の強度が向上し、凍結米集合物に衝撃が加えられたとしても、吸水生米が折損することはなく、凍結米集合物が損壊することがないので、凍結米集合物の形態を確実に維持することができる。この炊飯材料は、それを炊飯したときに吸水生米どうしがばらけ難く、凍結米集合物の形態の米飯を作ることができ、米飯をそのまま器に載せて提供することができる。
【0010】
凍結米集合物の少なくとも周縁部が該凍結米集合物の厚み方向へ向かって弧を画いている炊飯材料は、凍結米集合物の周縁部の縁を下に向けて凍結米集合物を炊飯すると、炊飯中に熱水の熱流が凍結米集合物の周縁部から中央部に向かって流れ、熱が凍結米集合物全体に容易に伝わるので、凍結米集合物を短時間に炊飯することができる。
【0011】
少なくとも1つの貫通孔が凍結米集合物に形成された炊飯材料では、凍結米集合物の炊飯中に熱水が貫通孔を通り、熱水が凍結米集合物の周縁部と中央部との間で対流するので、熱が凍結米集合物全体に素早く伝わり、凍結米集合物を短時間に炊飯することができる。
【0012】
少なくとも2つの凍結米集合物が厚み方向へ重なり合っている炊飯材料では、凍結米集合物1つの表面積を大きくすることなく、2人前以上の炊飯量を確保することができ、重なり合う2つ以上の凍結米集合物を炊飯器に入れて炊飯することで一度に2人前以上の米飯を作ることができる。この炊飯材料は、2人前以上の炊飯量を確保することができるにもかかわらず、凍結米集合物が周り方向へ嵩張ることがないので、その運搬や冷凍保存が容易である。
【0013】
凍結米集合物が貫通孔を互いに一致させた状態で厚み方向へ重なり合っている炊飯材料は、凍結米集合物の炊飯中に熱水がそれら凍結米集合物の貫通孔を通り、熱水が凍結米集合物の周縁部と中央部との間で対流するので、熱が重なり合う凍結米集合物全体に素早く伝わり、それら凍結米集合物を短時間に炊飯することができる。この炊飯材料は、重なり合う凍結米集合物の部分的な炊飯漏れを防ぐことができる。
【0014】
凍結米集合物の密度が5〜8g/2cmの範囲にある炊飯材料は、凍結米集合物の強度が向上し、吸水生米が折損することはなく、凍結米集合物が損壊することがないので、凍結米集合物の形態を確実に維持することができる。この炊飯材料は、それを炊飯したときに吸水生米どうしがばらけ難く、凍結米集合物の形態の米飯を作ることができ、米飯をそのまま器に載せて提供することができる。
【0015】
吸水生米1粒の単位体積(mm)あたりの吸水率が28〜31%の範囲にある炊飯材料は、炊飯時に生米に水を含ませる浸け置きの必要がなく、凍結米集合物に水を加えて直ちに炊飯することができ、炊飯時間を短縮することができる。この炊飯材料は、それを炊飯したときに吸水生米が確実に加水分解し、吸水生米を十分にα化することができ、米飯に芯が残ることはない。この炊飯材料は、複数の吸水生米どうしが凍結した水分を介して確実に連結され、凍結米集合物の形態を確実に維持することができる。
【0016】
凍結米集合物の重量が150〜350gの範囲にある炊飯材料は、凍結米集合物を炊飯したときの米飯の分量がほぼ一人前となり、凍結米集合物を炊飯した後、米飯を所定の分量に分ける必要はない。
【0017】
吸水生米の冷凍温度が−30〜−45℃の範囲にあり、吸水生米の凍結に要する時間が30〜45分の範囲にある炊飯材料は、吸水生米が急速に凍結するので、生米の細胞破壊を確実に防ぐことができ、生米に生じる亀裂を確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
添付の図面を参照し、本発明にかかる炊飯材料の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0019】
図1,2は、一例として示す炊飯材料20Aの斜視図と、図1の2−2線端面図とである。図1では、周り方向を矢印Lで示し、厚み方向を矢印Mで示す。炊飯材料20Aは、袋21と、所定量の水分を含む凍結した複数の吸水生米22とから形成されている。袋21は、可撓性かつ不通気不透液性のプラスチックフィルム23から作られている。袋21は、その平面形状が矩形を呈し、吸水生米22を入れるための開口24が形成された上端縁部25と、下端縁部26および両側縁部27とを有する。袋21の上端縁部25と下端縁部26とでは、互いに重なり合うフィルム23どうしが直線状に延びる熱融着線28,29を介して固着されている。開口24は、熱融着線28で閉じられている。プラスチックフィルム23は、熱可塑性合成樹脂を一軸または二軸延伸して作られた延伸フィルムが使用されている。熱可塑性合成樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルデン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等を使用することができる。フィルム23には、それら熱可塑性合成樹脂から作られたフィルムの少なくとも2種類をラミネートした複合フィルムを使用することもできる。
【0020】
吸水生米22は、同一品種の生米に所定量の水分を含ませたもので、その複数が袋21の内部に密集した状態で収容され、負圧下にある袋21に密閉されている。それら吸水生米22は、凍結した水分を介して隣り合う生米22どうしが連結され、袋21の内部において所定の表面積と所定の厚みとを有する凍結米集合物30を形成している。個々の吸水生米22は、それに含まれる水分を介して凍結している。凍結米集合物30では、隣り合う吸水生米22どうしの周面が互いに密着した状態で隙間なく連結されている。凍結米集合物30は、その形態が平たい円柱状を呈し、扁平な中央部31と、中央部31の周り方向外方に位置する扁平な周縁部32とを有する。
【0021】
図3,4は、第1トレイ33に収容された状態で示す炊飯材料20Aの斜視図と、図3の4−4線端面図とである。図3には、袋21の内部の空気を吸引した後の炊飯材料20Aが示されている。この炊飯材料20Aを作る手順を説明すると、以下のとおりである。同一品種の複数の生米と、生米に水分を含ませるための容器(図示せず)と、凍結米集合物30の形態を形作る第1トレイ33とを用意する。トレイ33は、その平面形状が円形を呈し、底壁34と、底壁34の周縁から上方へ垂直に延びる周壁35とから形成されている。底壁34は、円形かつ扁平な底面36を有する。周壁35は、底面36と直交して底面36から上方へ垂直に延びる周面37を有する。
【0022】
容器に3〜6℃の水と計量した複数の生米とを入れ、生米を水に浸した状態で容器を恒温恒湿の冷蔵庫に収納し、容器を冷蔵庫内で3時間以上放置して生米に所定量の水分を含ませ、吸水生米22を作る。容器を冷蔵庫から取り出し、吸水生米22を容器から笊に移し、生米22の表面に付いた水を切る。次に、第1トレイ33の上に袋21を載せ、袋21の内部にそれら吸水生米22を入れ、袋21と生米22とをトレイ33の内側に押し入れた後、真空ポンプを介して袋21の開口24から袋21の内部の空気を吸引する。袋21の内部の空気を吸引すると、吸水生米22が袋21に圧縮されてトレイ33の中央に向かって集まり、生米22の集合物が形成される。袋21から空気を吸引した後、袋21の上端縁部25を重ね合わせ、ヒートシールやソニックシール等の熱による溶着手段を介してフィルム23を熱融着する。その後、袋21をトレイ33から取り出し、袋21を冷凍庫に入れて30〜60分間冷凍する。吸水生米22は、袋21によって圧縮かつ密閉されることで、その複数が袋21の内部で密集する。冷凍庫内では、吸水生米22に含まれる水分が凍結し、生米22が凍結するとともに、凍結した水分を介して隣り合う生米22どうしが連結される。袋21の内部では、吸水生米22の複数が所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい円柱状の凍結米集合物30を形成する。
【0023】
この炊飯材料20Aを使用して米飯を作るには、袋21を破いて凍結米集合物30を袋21から取り出し、集合物30を炊飯器に入れるとともに、所定量の水を炊飯器に加え、炊飯器の電源を入れて集合物30を炊飯する。凍結米集合物30を炊飯すると、吸水生米22が加水分解かつα化し、集合物30の形態とほぼ同様な円柱状の米飯(図示せず)を作ることができる。炊飯しない炊飯材料20Aは、冷凍庫内で冷凍保存する。
【0024】
炊飯材料20Aは、吸水生米22がそれに含まれる水分を介して凍結し、複数の生米22どうしが凍結した水分を介して連結されて所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい円柱状の凍結米集合物30を形成しているので、生米22を冷凍するときに冷気が生米22に容易に伝わり、生米22が急速に凍結する。炊飯材料20Aでは、吸水生米22が急速に凍結することで、生米22の細胞破壊や生米22に生じる亀裂を防ぐことができ、凍結米集合物30を炊飯して作った米飯の食味の低下を防ぐことができる。炊飯材料20Aは、生米に所定量の水分を含ませた吸水生米22を使用しているので、炊飯時における生米の水の浸け置き時間を省くことができ、炊飯時間を短縮することができる。
【0025】
炊飯材料20Aは、凍結米集合物30を炊飯するときに加える水の量を調節することで、堅めに炊飯することや柔らかめに炊飯することができ、好みの堅さの米飯を作ることができる。また、炊飯材料20Aは、凍結米集合物30がプラスチックフィルム23から作られた袋21に負圧下に密閉されているので、長期間の冷凍保存が可能であり、さらに、吸水生米22の細胞破壊がないので、長期間保存した後に集合物30を炊飯しても米飯の食味が低下することはない。
【0026】
炊飯材料20Aでは、隣り合う吸水生米22どうしが互いに密着した状態で隙間なく連結されているので、生米22どうしの間に隙間が形成されている場合と比較して凍結米集合物30の強度が向上し、集合物30に衝撃が加えられたとしても、生米22が折損することや集合物30が損壊することがなく、集合物30の形態を確実に維持することができる。炊飯材料20Aは、それを炊飯したときに吸水生米22どうしがばらけ難く、凍結米集合物30の形態とほぼ同様な円柱状の米飯を作ることができ、米飯をそのまま器に載せて提供することができる。
【0027】
図5,6は、他の一例として示す炊飯材料20Bの斜視図と、図5の6−6線端面図とである。図5では、周り方向を矢印Lで示し、厚み方向を矢印Mで示す。炊飯材料20Bは、袋21と、所定量の水分を含む凍結した複数の吸水生米22とから形成されている点において図1の炊飯材料20Aと同一である。この炊飯材料20Bが図1のそれと異なるのは、凍結米集合物30の中央部31と周縁部32とが集合物30の厚み方向下方へ向かって弧を画いている点にあり、その他の構成は図1の炊飯材料20Aと同一であるから、図1と同一の符合を付してこの炊飯材料20Bにおけるその他の構成を説明は省略する。
【0028】
凍結米集合物30の中央部31は、その中心から周り方向外方へ向かうにつれて集合物30の厚み方向下方へ緩やかに弧を画いている。凍結米集合物30の周縁部32は、中央部31から周り方向外方へ向かうにつれて集合物30の厚み方向下方へ緩やかに弧を画いている。凍結米集合物30は、所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい皿鉢状を呈する。
【0029】
図7,8は、第2トレイ38に収容された状態で示す炊飯材料20Bの斜視図と、図7の8−8線端面図とである。図7には、袋21の内部の空気を吸引した後の炊飯材料20Bが示されている。この炊飯材料20Bを作る手順は、図1の炊飯材料20Aを作る手順と同一であるが、第1トレイ33ではなく、第2トレイ38を使用する点で図1の炊飯材料20Aと異なる。トレイ38は、凍結米集合物30の形態を形作るもので、その平面形状が円形を呈する。トレイ38は、底壁39と、底壁39の周縁から上方へ延びる周壁40とから形成されている。底壁39は、その中央から周り方向外方へ向かってトレイ38の上方へ緩やかに弧を画く円形の底面41を有する。
【0030】
炊飯材料20Bでは、第2トレイ38の上に袋21を載せ、袋21の内部に吸水生米22を入れ、袋21と生米22とをトレイ38の内側に押し入れた後、真空ポンプを介して袋21の開口24から袋21の内部の空気を吸引する。袋21の内部の空気を吸引すると、吸水生米22が袋21に圧縮されてトレイ38の中央に向かって集まり、生米22の集合物が形成される。袋21から空気を吸引した後、袋21の上端縁部25を重ね合わせ、フィルム23を熱融着する。その後、袋21をトレイ38から取り出し、袋21を冷凍庫に入れて30〜60分間冷凍する。吸水生米22は、袋21によって圧縮かつ密閉されることで、その複数が袋21の内部で密集する。冷凍庫内では、吸水生米22に含まれる水分が凍結し、生米22が凍結するとともに、凍結した水分を介して隣り合う生米22どうしが連結される。袋21の内部では、吸水生米22の複数が所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい皿鉢状の凍結米集合物30を形成する。
【0031】
この炊飯材料20Bを使用して米飯を作るには、袋21を破いて凍結米集合物30を袋21から取り出し、周縁部32の縁を下に向けた状態(図5,6の状態)で集合物30を炊飯器に入れるとともに、所定量の水を炊飯器に加え、炊飯器の電源を入れて集合物30を炊飯する。凍結米集合物30を炊飯すると、吸水生米22が加水分解かつα化し、集合物30の形態とほぼ同様な皿鉢状の米飯(図示せず)を作ることができる。炊飯しない炊飯材料20Bは、冷凍庫内で冷凍保存する。
【0032】
炊飯材料20Bは、吸水生米22がそれに含まれる水分を介して凍結し、複数の生米22どうしが凍結した水分を介して連結されて所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい皿鉢状の凍結米集合物30を形成しているので、生米22を冷凍するときに冷気が生米22に容易に伝わり、生米22が急速に凍結する。炊飯材料20Bでは、吸水生米22が急速に凍結することで、生米22の細胞破壊や生米22に生じる亀裂を防ぐことができ、凍結米集合物30を炊飯して作った米飯の食味の低下を防ぐことができる。
【0033】
炊飯材料20Bは、生米に所定量の水分を含ませた吸水生米22を使用しているので、炊飯時における生米の水の浸け置き時間を省くことができ、炊飯時間を短縮することができる。炊飯材料20Bは、凍結米集合物30の周縁部32の縁を下に向けた状態で集合物30を炊飯することで、炊飯中に熱水の熱流が集合物30の周縁部32から中央部31に向かって流れ、熱が集合物30全体に容易に伝わるので、集合物30を短時間に炊飯することができる。
【0034】
炊飯材料20Bは、凍結米集合物30を炊飯するときに加える水の量を調節することで、堅めに炊飯することや柔らかめに炊飯することができ、好みの堅さの米飯を作ることができる。また、炊飯材料20Bは、凍結米集合物30がプラスチックフィルム23から作られた袋21に負圧下に密閉されているので、長期間の冷凍保存が可能であり、さらに、吸水生米22の細胞破壊がないので、長期間保存した後に集合物30を炊飯しても米飯の食味が低下することはない。
【0035】
炊飯材料20Bでは、隣り合う吸水生米22どうしが互いに密着した状態で隙間なく連結されているので、生米22どうしの間に隙間が形成されている場合と比較して凍結米集合物30の強度が向上し、集合物30に衝撃が加えられたとしても、生米22が折損することや集合物30が損壊することがなく、集合物30の形態を確実に維持することができる。炊飯材料20Bは、それを炊飯したときに吸水生米22どうしがばらけ難く、凍結米集合物30の形態とほぼ同様な皿鉢状の米飯を作ることができ、米飯をそのまま器に載せて提供することができる。
【0036】
図9,10は、他の一例として示す炊飯材料20Cの斜視図と、図9の10−10線端面図とである。図9では、周り方向を矢印Lで示し、厚み方向を矢印Mで示す。炊飯材料20Cは、袋21と、所定量の水分を含む凍結した複数の吸水生米22とから形成されている点において図1の炊飯材料20Aと同一である。この炊飯材料20Cが図1のそれと異なるのは、凍結米集合物30の中央部31と周縁部32とが集合物30の厚み方向下方へ向かって弧を画いている点と、集合物30にそれを貫通する複数の貫通孔42が形成されている点とにあり、その他の構成は図1の炊飯材料20Aと同一であるから、図1と同一の符合を付してこの炊飯材料20Cにおけるその他の構成を説明は省略する。
【0037】
凍結米集合物30の中央部31は、その中心から周り方向外方へ向かうにつれて集合物30の厚み方向下方へ緩やかに弧を画いている。凍結米集合物30の周縁部32は、中央部31から周り方向外方へ向かうにつれて集合物30の厚み方向下方へ緩やかに弧を画いている。凍結米集合物30は、所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい皿鉢状を呈する。凍結米集合物30には、それを厚み方向へ貫通する5つの貫通孔42が形成されている。貫通孔42は、その1つが凍結米集合物30の中心位置に形成され、他の4つが中心位置から周り方向外方へ離間した位置に形成されている。
【0038】
図11,12は、第3トレイ43に収容された状態で示す炊飯材料20Cの斜視図と、図11の12−12線端面図とである。図11には、袋21の内部の空気を吸引した後の炊飯材料20Cが示されている。この炊飯材料20Cを作る手順は、図1の炊飯材料20Aを作る手順と同一であるが、第1トレイ33ではなく、第3トレイ43を使用する点で図1の炊飯材料20Aと異なる。トレイ43は、凍結米集合物30の形態を形作るもので、その平面形状が円形を呈する。トレイ43は、底壁44と、底壁44の周縁から上方へ延びる周壁45とから形成されている。底壁44は、その中央から周り方向外方へ向かってトレイ43の上方へ緩やかに弧を画く円形の底面46を有する。底面46には、トレイ43の上方へ延びる5つの円柱状突起47が形成されている。突起47は、その1つが底面46の中心位置に形成され、他の4つが底面46の中心位置から周り方向外方へ離間した位置に形成されている。
【0039】
炊飯材料20Cでは、第3トレイ43の上に袋21を載せ、袋21の内部に吸水生米22を入れ、袋21と生米22とをトレイ43の内側に押し入れた後、真空ポンプを介して袋21の開口24から袋21の内部の空気を吸引する。吸水生米22をトレイ43の内側に入れると、生米22が突起47をよけてトレイ43に納まる。袋21の内部の空気を吸引すると、吸水生米22が袋21に圧縮されてトレイ43の中央に向かって集まり、生米22の集合物が形成される。袋21から空気を吸引した後、袋21の上端縁部25を重ね合わせ、フィルム23を熱融着する。その後、袋21をトレイ43から取り出し、袋21を冷凍庫に入れて30〜60分間冷凍する。吸水生米22は、袋21によって圧縮かつ密閉されることで、その複数が袋21の内部で密集する。冷凍庫内では、吸水生米22に含まれる水分が凍結し、生米22が凍結するとともに、凍結した水分を介して隣り合う生米22どうしが連結される。袋21の内部では、吸水生米22の複数が所定の表面積と所定の厚みとを有するとともに貫通孔42が形成された平たい皿鉢状の凍結米集合物30を形成する。
【0040】
この炊飯材料20Cを使用して米飯を作るには、袋21を破いて凍結米集合物30を袋21から取り出し、周縁部32の縁を下に向けた状態(図9,10の状態)で集合物30を炊飯器に入れるとともに、所定量の水を炊飯器に加え、炊飯器の電源を入れて集合物30を炊飯する。凍結米集合物30を炊飯すると、吸水生米22が加水分解かつα化し、集合物30の形態とほぼ同様な皿鉢状の米飯(図示せず)を作ることができる。炊飯しない炊飯材料20Cは、冷凍庫内で冷凍保存する。
【0041】
炊飯材料20Cは、吸水生米22がそれに含まれる水分を介して凍結し、複数の生米22どうしが凍結した水分を介して連結されて所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい皿鉢状の凍結米集合物30を形成しているので、生米22を冷凍するときに冷気が生米22に容易に伝わり、生米22が急速に凍結する。炊飯材料20Cでは、吸水生米22が急速に凍結することで、生米22の細胞破壊や生米22に生じる亀裂を防ぐことができ、凍結米集合物30を炊飯して作った米飯の食味の低下を防ぐことができる。
【0042】
炊飯材料20Cは、生米に所定量の水分を含ませた吸水生米22を使用しているので、炊飯時における生米の水の浸け置き時間を省くことができ、炊飯時間を短縮することができる。炊飯材料20Cは、凍結米集合物30の周縁部32の縁を下に向けた状態で集合物30を炊飯することで、炊飯中に熱水の熱流が集合物30の周縁部32から中央部31に向かって流れ、さらに、熱水が貫通孔42を通り、熱水が集合物30の周縁部32と中央部31との間で対流するので、熱が集合物30全体に素早く伝わり、集合物30を短時間に炊飯することができる。
【0043】
炊飯材料20Cは、凍結米集合物30を炊飯するときに加える水の量を調節することで、堅めに炊飯することや柔らかめに炊飯することができ、好みの堅さの米飯を作ることができる。また、炊飯材料20Cは、凍結米集合物30がプラスチックフィルム23から作られた袋21に負圧下に密閉されているので、長期間の冷凍保存が可能であり、さらに、吸水生米22の細胞破壊がないので、長期間保存した後に集合物30を炊飯しても米飯の食味が低下することはない。
【0044】
炊飯材料20Cでは、隣り合う吸水生米22どうしが互いに密着した状態で隙間なく連結されているので、生米22どうしの間に隙間が形成されている場合と比較して凍結米集合物30の強度が向上し、集合物30に衝撃が加えられたとしても、生米22が折損することや集合物30が損壊することがなく、集合物30の形態を確実に維持することができる。炊飯材料20Cは、それを炊飯したときに吸水生米22どうしがばらけ難く、凍結米集合物30の形態とほぼ同様な皿鉢状の米飯を作ることができ、米飯をそのまま器に載せて提供することができる。
【0045】
図13,14は、他の一例として示す炊飯材料20Dの斜視図と、図13の14−14線端面図とである。図13では、周り方向を矢印Lで示し、厚み方向を矢印Mで示す。炊飯材料20Dは、袋21と、所定量の水分を含む凍結した複数の吸水生米22とから形成されている点において図1の炊飯材料20Aと同一である。この炊飯材料20Dが図1のそれと異なるのは、凍結米集合物30の中央部31と周縁部32とが集合物30の厚み方向下方へ向かって弧を画いている点と、集合物30にそれを貫通する複数の貫通孔42が形成されている点と、複数個の集合物30が厚み方向へ重なり合っている点とにあり、その他の構成は図1の炊飯材料20Aと同一であるから、図1と同一の符合を付してこの炊飯材料20Dにおけるその他の構成を説明は省略する。
【0046】
凍結米集合物30の中央部31は、その中心から周り方向外方へ向かうにつれて集合物30の厚み方向下方へ緩やかに弧を画いている。凍結米集合物30の周縁部32は、中央部31から周り方向外方へ向かうにつれて集合物30の厚み方向下方へ緩やかに弧を画いている。凍結米集合物30は、所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい皿鉢状を呈する。凍結米集合物30には、それを厚み方向へ貫通する5つの貫通孔42が形成されている。貫通孔42は、その1つが凍結米集合物30の中心位置に形成され、他の4つが中心位置から周り方向外方へ離間した位置に形成されている。
【0047】
袋21の内部では、3個の凍結米集合物30が貫通孔42を互いに一致させた状態で厚み方向へ重なり合っている。それら凍結米集合物30では、下方に位置する集合物30の上面が上方に位置する集合物30の下面に重なり、下方に位置する集合物30が上方に位置する集合物30に嵌り込んでいる。ゆえに、それら凍結米集合物30を合わせた形態は、厚み方向下方へ緩やかに弧を画く皿鉢状を呈する。凍結米集合物30どうしは、凍結した吸水生米22を介して互いに連結されている。
【0048】
この炊飯材料20Dは、図11に示す第3トレイ43を使用して個々の凍結米集合物30を作った後、集合物30を袋21から取り出し、貫通孔42を一致させた状態で3個の集合物30を厚み方向へ重ね合わせ、再び袋21に入れる。次に、真空ポンプを介して袋21の開口24から袋21の内部の空気を吸引し、袋21の上端縁部25を重ね合わせ、フィルム23を熱融着する。その後、袋21を冷凍庫に入れて冷凍する。なお、個々の凍結米集合物30を作る手順は、図9の炊飯材料20Cのそれと同一である。袋21の内部で重なり合う凍結米集合物30どうしは、凍結した吸水生米22を介して互いに連結される。
【0049】
この炊飯材料20Dを使用して米飯を作るには、袋21を破いてそれら凍結米集合物30を袋21から取り出し、周縁部32の縁を下に向けた状態(図13,14の状態)で集合物30を炊飯器に入れるとともに、所定量の水を炊飯器に加え、炊飯器の電源を入れて集合物30を炊飯する。凍結米集合物30を炊飯すると、吸水生米22が加水分解かつα化し、集合物30の形態とほぼ同様な3人前の皿鉢状の米飯(図示せず)を作ることができる。炊飯しない炊飯材料20Dは、冷凍庫内で冷凍保存する。
【0050】
炊飯材料20Dは、図9のそれと同様に、吸水生米22がそれに含まれる水分を介して凍結し、複数の生米22どうしが凍結した水分を介して連結されて所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい皿鉢状の凍結米集合物30を形成しているので、生米22を冷凍するときに冷気が生米22に容易に伝わり、生米22が急速に凍結する。炊飯材料20Dでは、吸水生米22が急速に凍結することで、生米22の細胞破壊や生米22に生じる亀裂を防ぐことができ、凍結米集合物30を炊飯して作った米飯の食味の低下を防ぐことができる。
【0051】
炊飯材料20Dは、生米に所定量の水分を含ませた吸水生米22を使用しているので、炊飯時における生米の水の浸け置き時間を省くことができ、炊飯時間を短縮することができる。炊飯材料20Dは、それら凍結米集合物30の周縁部32の縁を下に向けた状態で集合物30を炊飯することで、炊飯中に熱水の熱流が集合物30の周縁部32から中央部31に向かって流れ、さらに、熱水が貫通孔42を通り、熱水がそれら集合物30の周縁部32と中央部31との間で対流するので、熱がそれら集合物30全体に素早く伝わり、重なり合う集合物30を短時間に炊飯することができる。炊飯材料20Dは、重なり合う凍結米集合物30の部分的な炊飯漏れを防ぐことができる。炊飯材料20Dは、凍結米集合物30の1個の表面積を大きくすることなく、3人前の炊飯量を確保することができ、重なり合う集合物30を炊飯器に入れて炊飯することで一度に3人前の米飯を作ることができる。この炊飯材料20Dは、3人前の炊飯量を確保することができるにもかかわらず、凍結米集合物30が周り方向へ嵩張ることがなく、その運搬や冷凍保存が容易である。
【0052】
炊飯材料20Dは、凍結米集合物30を炊飯するときに加える水の量を調節することで、堅めに炊飯することや柔らかめに炊飯することができ、好みの堅さの米飯を作ることができる。また、炊飯材料20Dは、凍結米集合物30がプラスチックフィルム23から作られた袋21に負圧下に密閉されているので、長期間の冷凍保存が可能であり、さらに、吸水生米22の細胞破壊がないので、長期間保存した後に集合物30を炊飯しても米飯の食味が低下することはない。
【0053】
炊飯材料20Dでは、隣り合う吸水生米22どうしが互いに密着した状態で隙間なく連結されているので、生米22どうしの間に隙間が形成されている場合と比較して凍結米集合物30の強度が向上し、集合物30に衝撃が加えられたとしても、生米22が折損することや集合物30が損壊することがなく、集合物30の形態を確実に維持することができる。
【0054】
それら炊飯材料20A,20B,20C,20Dでは、凍結米集合物30の密度が5〜8g/2cmの範囲にあり、凍結米集合物30の平均厚み寸法が5〜25mmの範囲にある。集合物30の密度が5g/2cm未満かつ集合物30の平均厚み寸法が5mm未満では、集合物30の強度が低下するので、集合物30に衝撃が加えられたときに、吸水生米22が折損したり、集合物30が損壊し、集合物30の形態を維持することができない。集合物30の平均厚み寸法が25mmを超過すると、吸水生米22が急速に凍結せず、生米22の凍結が緩やかに進み、冷凍時に生米22の細胞が破壊されたり、生米22に含まれる水分が凍結時に膨張し、生米22に亀裂が生じる場合がある。それら炊飯材料20Dは、凍結米集合物30の密度と平均厚み寸法とが前記範囲にあるから、集合物30の強度が向上し、吸水生米22が折損することや集合物30が損壊することがなく、集合物30の形態を確実に維持することができる。さらに、生米22の細胞破壊を確実に防ぐことができ、生米22に生じる亀裂を確実に防ぐことができる。
【0055】
それら炊飯材料20A,20B,20C,20Dでは、吸水生米22の1粒の単位体積(mm)あたりの吸水率が28〜31%の範囲にある。吸水率が28%未満では、凍結米集合物30を炊飯したときに吸水生米22が加水分解せず、生米22を十分にα化することができないので、米飯に芯が残ってしまう場合がある。それら炊飯材料20A,20B,20C,20Dは、吸水生米22の1粒の単位体積(mm)あたりの吸水率が前記範囲にあるから、炊飯時に生米に水を含ませる浸け置きの必要がなく、凍結米集合物30に水を加えて直ちに炊飯することができ、炊飯時間を短縮することができる。炊飯材料20A,20B,20C,20Dは、それを炊飯したときに吸水生米22が確実に加水分解し、生米22を十分にα化することができ、米飯に芯が残ることはない。炊飯材料20A,20B,20C,20Dは、複数の吸水生米22どうしが凍結した水分を介して確実に連結され、凍結米集合物30の形態を確実に維持することができる。それら炊飯材料20A,20B,20C,20Dでは、凍結米集合物30の重量が150〜350gの範囲にある。炊飯材料20A,20B,20Cは、凍結米集合物30の重量が前記範囲にあるから、集合物30を炊飯したときの米飯の分量がほぼ一人前となり、集合物30を炊飯した後、米飯を所定の分量に分ける必要はない。
【0056】
それら炊飯材料20A,20B,20C,20Dでは、吸水生米22の冷凍温度が−30〜−45度の範囲にあり、吸水生米22の凍結に要する時間が30〜45分の範囲にある。生米22の冷凍温度が−30よりも高く、かつ、生米22の凍結に要する時間が45分を超過すると、生米22の凍結が緩やかに進み、冷凍時に生米22の細胞が破壊される場合があり、生米22に含まれる水分が凍結時に膨張し、生米22に亀裂が生じる場合がある。生米22の細胞が破壊されたり、生米22に亀裂が生じると、凍結米集合物30を炊飯して作る米飯の食味が低下してしまう。それら炊飯材料20A,20B,20C,20Dは、吸水生米22の冷凍温度が前記範囲にあり、吸水生米22の凍結に要する時間が前記範囲にあるから、生米22が急速に凍結し、生米22の細胞破壊を確実に防ぐことができ、生米22に生じる亀裂を確実に防ぐことができる。
【0057】
それら炊飯材料20A,20B,20C,20Dでは、袋21の平面形状を矩形に限定するものではなく、袋21の平面形状が円形や楕円形、台形等であってもよい。また、凍結米集合物30の平面形状を円形に限定するものではなく、使用するトレイによって平面形状が矩形の集合物30を作ることもできる。
【0058】
図1の炊飯材料20Aでは、図9のそれと同様に、凍結米集合物30にその厚み方向へ貫通する貫通孔42が形成されていてもよい。図1,5の炊飯材料20A,20Bでは、図13のそれと同様に、袋21の内部において2つ以上の凍結米集合物30が厚み方向へ重なり合っていてもよい。また、図9,13の炊飯材料20C,20Dでは、貫通孔42の数を図示の5つに限定するものではなく、凍結米集合物30に5つ未満または6つ以上の貫通孔42が形成されていてもよい。図13の炊飯材料20Dでは、2個または4個以上の凍結米集合物30が重なり合っていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】一例として示す炊飯材料の斜視図。
【図2】図1の2−2線端面図。
【図3】第1トレイに収容された状態で示す炊飯材料の斜視図。
【図4】図3の4−4線端面図。
【図5】他の一例として示す炊飯材料の斜視図。
【図6】図5の6−6線端面図。
【図7】第2トレイに収容された状態で示す炊飯材料の斜視図。
【図8】図7の8−8線端面図。
【図9】他の一例として示す炊飯材料の斜視図。
【図10】図9の10−10線端面図。
【図11】第3トレイに収容された状態で示す炊飯材料の斜視図。
【図12】図11の12−12線端面図。
【図13】他の一例として示す炊飯材料の斜視図。
【図14】図13の14−14線端面図。
【符号の説明】
【0060】
20A 炊飯材料
20B 炊飯材料
20C 炊飯材料
20D 炊飯材料
21 袋
22 吸水生米
23 プラスチックフィルム
30 凍結米集合物
31 中央部
32 周縁部
42 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定量の水分を含む吸水生米を冷凍した炊飯材料において、
前記吸水生米の複数が、プラスチックフィルムから作られた袋の内部に密集した状態で収容かつ前記袋に負圧下に密閉され、凍結した前記水分を介して隣り合う前記吸水生米どうしが連結されて所定の表面積と所定の厚みとを有する平たい凍結米集合物を形成していることを特徴とする前記炊飯材料。
【請求項2】
前記凍結米集合物では、隣り合う前記吸水生米どうしが互いに密着した状態で隙間なく連結されている請求項1記載の炊飯材料。
【請求項3】
前記凍結米集合物が、中央部と、前記中央部の周り方向外方に位置する周縁部とを有し、前記中央部と前記周縁部とのうちの少なくとも該周縁部が、前記凍結米集合物の厚み方向へ向かって弧を画いている請求項1または請求項2に記載の炊飯材料。
【請求項4】
前記凍結米集合物を厚み方向へ貫通する少なくとも1つの貫通孔が、該凍結米集合物に形成されている請求項1ないし請求項3いずれかに記載の炊飯材料。
【請求項5】
少なくとも2つの前記凍結米集合物が、厚み方向へ重なり合っている請求項1ないし請求項4いずれかに記載の炊飯材料。
【請求項6】
前記凍結米集合物が、前記貫通孔を互いに一致させた状態で重なり合っている請求項5記載の炊飯材料。
【請求項7】
前記凍結米集合物の密度が、5〜8g/2cmの範囲にある請求項1ないし請求項6いずれかに記載の炊飯材料。
【請求項8】
前記吸水生米1粒の単位体積(mm)あたりの吸水率が、28〜31%の範囲にある請求項1ないし請求項7いずれかに記載の炊飯材料。
【請求項9】
前記凍結米集合物の重量が、150〜350gの範囲にある請求項1ないし請求項8いずれかに記載の炊飯材料。
【請求項10】
前記吸水生米の冷凍温度が、−30〜−45℃の範囲にあり、前記吸水生米の凍結に要する時間が、30〜45分の範囲にある請求項1ないし請求項9いずれかに記載の炊飯材料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−87400(P2006−87400A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−280320(P2004−280320)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(500409345)株式会社ジー・エフ・アール (2)
【出願人】(505003702)株式会社 インテグレーション (5)
【Fターム(参考)】