説明

炊飯機

【課題】エラーの発生頻度やエラーの発生傾向を客観的に把握することができるようにする。
【解決手段】米を洗米する洗米装置3と、この洗米装置3にて洗米した米を炊飯する炊飯器4と、洗米装置3及び/又は炊飯器4を制御する制御部16と、表示を行う表示部50とを備えた炊飯機において、制御部16は、洗米装置3及び/又は炊飯器4にて発生したエラー項目を記憶するエラー記憶部65と、エラー項目毎にエラーの発生頻度を集計するエラー集計部66と、エラー集計部66にて集計した各エラー項目の発生頻度を表示部50に表示させる表示制御部67とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、米を洗米する洗米装置と、この洗米装置にて洗米した米を炊飯する炊飯器とを備えた炊飯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、業務用の炊飯機には、米を洗米する洗米装置と、この洗米装置にて洗米した米を炊飯する炊飯器とが備えられている(特許文献1)。
特許文献1に示すような炊飯機は、計量した米を炊飯部に投入し、給水部より炊飯部に水加減水を投入して炊飯するようにした自動炊飯装置において、炊飯した履歴をメモリに順次記録し、その記録した炊飯の履歴をメモリから呼び出して表示できるようにしたものである。この炊飯機における履歴には、何日前の炊飯かを判別可能な炊飯の日付と、その日付の日の炊飯回数とが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−258726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示したような炊飯機では、エラーが発生したときの炊飯の履歴を個別に見ることはできるものの、所定期間に炊飯機を使用したときにおいて、エラーの発生頻度やエラーの発生傾向を把握することは非常に難しいのが実情であった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、エラーの発生頻度やエラーの発生傾向を客観的に把握することができる炊飯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、米を洗米する洗米装置と、この洗米装置にて洗米した米を炊飯する炊飯器と、洗米装置及び/又は炊飯器を制御する制御部と、表示を行う表示部とを備えた炊飯機において、前記制御部は、前記洗米装置及び/又は炊飯器にて発生したエラー項目を記憶するエラー記憶部と、エラー項目毎にエラーの発生頻度を集計するエラー集計部と、エラー集計部にて集計した各エラー項目の発生頻度を表示部に表示させる表示制御部とを備えている点にある。
前記エラー集計部は、エラーの発生頻度に基づいて当該発生頻度の順位を算出する順位算出部を備えており、前記表示制御部は、前記順位算出部にて算出した順位が上位にあるエラー項目に関連する操作について注意を促すガイダンスを表示部に表示させるガイダンス指令部を備えていることが好ましい。
【0006】
前記表示制御部は、前記洗米装置及び/又は炊飯器にて発生したエラー項目を表示部に時間毎に表示させるログ表示指令部を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エラーの発生頻度やエラーの発生傾向を客観的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の炊飯機の全体図である。
【図2】炊飯機の部分断面図である。
【図3】制御部における入出力のブロック図である。
【図4】表示装置の操作部の説明図である。
【図5】表示部の画面の一例を示す図である。
【図6】エラーの一覧表を示す図である。
【図7】エラーの発生の一例を示す図であって、(a)エラーの履歴を示し、(b)エラーの発生頻度を示すものである。
【図8】エラーの発生頻度の順位を示す図である。
【図9】エラーのログ(履歴)を表示するログ表示図である。
【図10】エラーの集計結果を表示する集計結果図である。
【図11】ガイダンス表示の一例を示す図であって、(a)エラー02のガイダンスを示し、(b)エラー07のガイダンスを示すものである。
【図12】エラーに関する制御部の動作を示すフローチャートである。
【図13】エラーに関する制御部の他の動作を示すフローチャートである。
【図14】エラー表示を行うための設定画面の説明であって、(a)エラーログを表示するための設定を示し、(b)集計結果を表示するための設定を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の炊飯機を図面に基づいて説明する。
図1は、炊飯機の全体図を示している。
図1〜図3に示すように、この炊飯機1は、米を貯米する貯米庫2と、洗米装置3と、洗米装置3で洗米された米を炊飯する炊飯器4と、これら炊飯器4、貯米庫2、洗米装置3を支持する装置フレーム5とを備えたものである。
貯米庫2は、略箱型に形成されたケース6と、このケース6内に設けられた漏斗状の貯米タンク7とを有している。この貯米タンク7の下部には、計量駆動装置8により横軸回りに回転駆動される計量器9が設けられており、計量器9を所定回数回転することで貯米タンク7内の米を計量して洗米装置3へ送るように構成されている。この計量器9では、1回転毎に米を所定量の量を計量するもので、この実施形態では、計量器9を1回転する毎に0.75kg分の米を計量するものとなっている。1回の運転毎における計量器9の回転数は、計量器9の回転数を検出する計量カウントセンサ9a(例えば、フォトセンサ)により検出されるようになっており、当該計量カウントセンサ9aにより検出した回転数は、後述する制御部16に入力されるようになっている。
【0010】
ケース6の上部は、蓋体13により開閉自在とされていて、この蓋体13を開いて貯米タンク7内に米を補給可能となっている。ケース6の前面には、各種設定を行う表示装置11が設けられている。
洗米装置3は、米を洗米する洗米槽12を備えている。この洗米槽12は、米が投入される洗米タンク20と、この洗米タンク20内の米を攪拌する攪拌部材21とを備えている。洗米タンク20は、貯米庫2(ケース6)の下端に設けられて、貯米庫2内に設けられた計量器9により計量された米が上端から投入される構造となっている。洗米タンク20の下端には開口部22が形成されている。攪拌部材21は、上下軸芯回りに回転して米を攪拌するもので、攪拌駆動装置25により軸心廻りに回転駆動するものとなっている。攪拌部材21の回転は、当該攪拌部材21の回転を検出する回転センサ21a(例えば、フォトセンサ)により検出されるようになっており、回転センサ21aにより検出した信号は、制御部16に入力されるようになっている。
【0011】
洗米槽12の下部には、開口部22を覆うように排水ジャケット23が設けられ、この排水ジャケット23内には、当該排水ジャケット23に形成された排米口27を上下動により開閉する円錐状の排米弁28が設けられている。この排米弁28は、上下を向く上下軸29の下端に昇降自在に設けられ、上下軸29の上端側に設けられた昇降装置30の昇降により排米口27を開閉するようになっている。排水ジャケット23は、パイプ(配管)を介して排水ボックス24に接続されている。
したがって、昇降装置30の駆動により排米弁28が閉鎖位置となって排水ジャケット23の排米口27を閉鎖した状態では、洗米タンク20からの排水を排水ジャケット23へと流し、昇降装置30の駆動により排米弁28が開放位置となって排水ジャケット23の排米口27を開放した状態では、洗米タンク20からの水等を炊飯器4へと投入することができるようになっている。なお、排米弁28の閉鎖位置又は開放位置は排米弁位置検出センサ31(例えば、フォトセンサ)により検出するようになっていて、これらの検知信号は制御部16に入力されるようになっている。
【0012】
また、洗米タンク20の上部側には、給水ノズル35が設けられ、この給水ノズル35には給水源水等を供給するための給水路(配管)36が接続されている。また、給水路36には、給水路36を電気信号により開閉する第1開閉弁(電磁開閉バルブ)37と、流量を検出する流量センサ38と、手動により給水路36を開閉する第2開閉弁(蛇口)39が設けられている。
したがって、制御部16からの指令信号により第1開閉弁37を開くことによって、給水ノズル35から水が洗米タンク20内へと供給され、制御部16からの指令信号により第1開閉弁37を閉鎖することによって、給水ノズル35から洗米タンク20への水の供給を停止することができるようになっている。流量センサ38により検出した流量は制御部16に入力されるようになっている。
【0013】
炊飯器4は、上端開口状の内釜40と、この内釜40が上方から挿脱自在に挿入されて収納される外釜41と、内釜40の上端開口を開閉自在に閉塞する蓋体42と、内釜40の下方に配置されていて該内釜40を加熱するガスコンロ、IHヒータ等の加熱手段等と、蓋体42に設けられた米投入口43を開閉する開閉装置44とを有している。
蓋体42は、装置フレーム5に昇降自在に支持された昇降フレーム46に取り付けられている。開閉装置44は、昇降フレーム46に支持さたシャッター支持台14上にスライド自在に支持されて当該シャッター支持台14上をスライド移動することによって米投入口43を開閉するシャッター47と、このシャッター47をスライドさせるシャッター駆動装置48とを備えている。
【0014】
したがって、米投入口43に対応して設けられたシャッター支持台14の開口部14aをシャッター47が、シャッター駆動装置48の駆動によりスライド移動(図2の紙面貫通方向にスライド)して閉鎖又は開放することにより、米投入口43が開閉するものとなっている。シャッター47の開位置や閉位置(米投入口43が開状態か閉状態であるか)は、シャッターセンサ49により検知するようになっている。シャッターセンサ49の検知信号は制御部16に入力されるようになっている。
なお、シャッター支持台14には、シャッター47のスライドの範囲を規制するストッパー(フック)が設けられており、このストッパーによるスライド規制を解除することにより、シャッター47をシャッター支持台14から取り外すことができるようになっている。これにより、シャッター47をシャッター支持台14から取り外した状態にて清掃することができる。シャッター47の清掃後は、当該シャッター47をシャッター支持台14に差し込み、ストッパーによる規制を元に戻すことにより、シャッター47を元に戻すことができる。また、炊飯器4は、装置フレーム5に略水平方向一方向に設けられた載置台26に載置されていて、載置台26を介して引き出し自在とされている。
【0015】
制御部16は、CPU等により構成され、様々な装置の動作を制御するものであり、この実施形態では、制御部16は表示装置11に搭載されていて、少なくとも貯米庫2、洗米装置3、炊飯器4(シャッター駆動装置48)を制御するものである。なお、炊飯器4において炊飯動作(加熱手段の動作)は、当該炊飯器4に内臓された制御部によりなされるが、炊飯器4の制御部と表示装置11に設けた制御部16とを一体化してもよい。
以下、表示装置11の説明に合わせて制御部16について説明する。
図4に示すように、表示装置11は、表示部50と、炊飯機1の各種設定や選択等を行う操作部51と、制御部16とを備えている。この表示装置11では、表示部50に表示された設定項目を操作部51で選択したり、設定項目の設定内容を操作部51により操作して内容の変更等をすることによって、炊飯機1における各種設定を行うことができるようになっている。
【0016】
表示装置11の操作部51は、設定キー52と、スタートキー53と、予約キー54と、取消キー55と、上キー56、下キー57、左キー58、右キー59、補助機能キー60とを備えている。これらの各キーは、ケース6の前面に設けられていて、表示部50の周囲に配置されている。表示装置11の表示部50は、液晶パネルから構成されていてケース6の前面に設けられている。
図5に示すように、表示部50は、主に、炊飯の状態を示す初期画面Aと、各種設定を行うメニューセット画面Bと、このメニューセット画面Bとは異なっていて補助機能を表示する補助機能画面Cとを表示する。
【0017】
炊飯機1の電源を入れると、表示部50には、初期画面(運転中画面)Aが表示されるようになっており、初期画面Aで設定キー52を押すと、メニューセット画面Bに画面が切り替わる。また、初期画面Aで補助機能キー60を押すと、補助機能画面Cに画面が切り替わる。メニューセット画面Bにてスタートキー53を押すことによって炊飯機1の運転が開始するようになっている。
図5に示すように、初期画面Aでは、炊飯の工程が示されるようになっており、米を計量器9により計量中である計量工程A1、米を洗米槽12(洗米タンク20)内で洗米中である洗米工程A2、洗米槽12(洗米タンク20)内で洗米後に米のザル上げを行うザル上げ工程A3、洗米槽12(洗米タンク20)に所定の水を計算して水加減水を給水する水加減工程A4、洗米槽12(洗米タンク20)内の米及び水加減水を炊飯器4に投入する排米工程A5、炊飯器4内でお米を浸している浸し工程A6、炊飯器4にて炊飯を行っている炊飯工程A7、お米を炊飯器4内で蒸らすむらし工程A8、米の炊きあがりを示す炊きあがりA9を表示するもので、カーソル等の点滅によってどの工程であるか分かるようになっている。
【0018】
また、図5に示すように、メニューセット画面Bでは、炊飯量(M1、水加減水M2、モードM3、ザル上げM4、むらしM5の各種項目がそれぞれ表示されると共に、各種項目(炊飯量の設定、水加減水量の設定、自動、準備、洗米等の設定、ザル上げ時間の設定、むらし時間の設定)が行えるようになっている。メニューセット画面Bに表示された各種項目は、上キー56、下キー57、左キー58、右キー59等の各種キーにより設定できるようになっている。
制御部16は、計量駆動装置8、表示装置11、攪拌駆動装置25、昇降装置30、第1開閉弁37、シャッター駆動装置48等の動作を制御することにより、貯米庫2及び洗米装置3にて計量工程A1、洗米工程A2、ザル上げ工程A3、水加減工程A4、排米工程A5等の動作をさせる。
【0019】
この制御部16は、洗米装置3及び/又は炊飯器4にて発生したエラー項目(例えば、エラーコード)を記憶するエラー記憶部65を備えている。図6に示すように、洗米装置3や炊飯器4にて発生するエラーは、数多く存在するため、制御部16には、エラーの内容に対応して割り振られたエラーコードが予め複数設定されている。
図6は、エラー内容とエラーコードをまとめたものである。
図6に示すように、エラーコードが「01」であって「残米確認」とは、例えば、昇降装置30により排米弁28を開放位置にして洗米タンク20内の米を排米している最中に、一時的な停電等の発生の影響によって洗米タンク20に米が残ったときのエラーを示すものである。
【0020】
エラーコードが「02」であって「給水確認」とは、例えば、第1開閉弁37を開状態にしたときに流量センサ38によって検知した水量が増加しなかったり、水量の増加が著しく少ないときのエラーを示すものである。
エラーコードが「03」であって「計量確認」とは、例えば、制御部16から計量駆動装置8への指令信号を出力して計量器9を回転させようとしたときに計量カウントセンサ9aによる回転数が検出されなかったときのエラーを示すものである。
エラーコードが「07」であって「シャッター開確認」とは、例えば、制御部16からシャッター駆動装置48への指令信号を出力してシャッター47を開位置にしようとしたときに、シャッターセンサ49によるシャッター47の開位置の検出が所定時間内(例えば、数十秒以内)なされなかったときのエラーを示すものである。
【0021】
このように、制御部16では、まず、洗米装置3や炊飯器4において、各種機器が通常の動作と異なる動作となった場合に、その動作状況に応じてエラーを検出する。そして、制御部16は、図7に示すように、エラー内容に対応したエラーコードを、エラーの発生した時間(時刻)と共にエラー記憶部65に記憶させる。
また、制御部16は、エラー集計部66と、表示制御部67とを備えている。エラー集計部66は、エラー記憶部65に記憶されたエラー情報(複数のエラーコードとエラーコードが発生した時刻を用いてエラー項目毎にエラーの発生頻度を集計するものである。具体的には、図7(a)に示すように、エラー集計部66は、エラー記憶部65に記憶されている所定の期間(例えば、7日)内に発生したエラーについて、図7(b)に示すように、エラーコード毎(エラー項目毎)にエラーの発生回数(発生頻度)をカウントする。エラー集計部66によって、所定の期間内(エラー集計期間)に発生したエラー項目の回数を求めることができる。
【0022】
このエラー集計部66は、順位算出部68を備えている。この順位算出部68は、エラーの発生頻度に基づいてエラー項目を高い順から順番に順位付けするものである。図8に示すように、例えば、順位算出部68は、エラーの発生回数が最も多いエラーコード(エラーコード02)を1位とし、次に、エラーの発生回数が多いエラーコード(エラーコード07)を2位として、次に、エラーの発生回数が多いエラーコード(エラーコード01)を3位としていて、エラーの発生回数が多い順番にエラー項目の順位を順に求めている。
【0023】
上述したように、表示制御部67は、エラー記憶部65に記憶されたエラー情報等を表示する、例えば、エラー集計部66にて集計した各エラー項目の発生頻度を表示部50に表示させるものである。詳しくは、表示制御部67は、ログ表示指令部70と、集計表示指令部71と、ガイダンス指令部72とを備えている。
ログ表示指令部70は、エラー項目を表示部50に時間毎に表示部50に表示させるものであって、図9に示すように、このログ表示指令部70は、過去のエラー項目をエラーが発生した時刻に対応させて最新のエラーから順番にエラーログとして表示部50に表示させるものである。
【0024】
集計表示指令部71は、図10に示すように、エラー集計部66にて集計したエラー項目毎でのエラー発生回数やエラー項目の順位などを表示部50に表示するものである。 なお、図10において左側の数値がエラーコードを示しており、このエラーコードに並ぶ右側の数値が当該エラーコードに対応するエラーの発生回数を示しており、エラーの発生回数の右側の数値が期間内における全体のエラーの発生回数(エラーの総合計)である。
また、ガイダンス指令部72は、エラーの発生頻度の高いエラー項目に関連する操作について注意を促すものであり、具体的には、順位算出部68にて算出した順位が上位にあるエラー項目に関連する操作について注意を促すガイダンスを表示部50に表示させるものである。
【0025】
ここで、エラーの発生と炊飯機1の操作について説明する。
炊飯機1において、エラーが発生する原因として炊飯機1の操作ミスによるものがある。例えば、エラーコード02である「給水確認」は、第1開閉弁37を開状態にしたときに流量センサ38によって検知した水量が増加しなかったり、水量の増加が著しく少ないときのエラーであるが、この原因としては、第2開閉弁(蛇口)39を開けていなかったり、蛇口39を開けた場合であっても当該蛇口39を全開にせずに少しだけしか開けていないことが考えられる。炊飯機1の運転を行う場合には、蛇口39は完全に開ける必要があり、エラーコード02のエラーが発生するのは、蛇口39の開放操作ミスの原因が多い。
【0026】
また、エラーコード07である「シャッター開確認」は、例えば、制御部16からシャッター駆動装置48への指令信号を出力してシャッター47を開位置にしようとしたときに、シャッターセンサ49によるシャッター47の開位置の検出が所定時間内(例えば、数十秒以内)なされなかったときのエラーであるが、この原因としては、シャッター支持台14からシャッター47を取り外して清掃後、シャッター47を再びシャッター支持台14に戻す際に当該シャッター47がシャッター支持台14に対して所定の位置まで正しく差し込まれていないことにより、シャッター47が通常通りにスライドしないことが考えられる。シャッター47をシャッター支持台14に対して所定位置に正しく差し込まない復旧操作ミスの原因により、エラーコード07が発生し易い。
【0027】
このように、エラーの発生は、炊飯機1を操作するときの操作ミス等によることが多いために、ガイダンス指令部72では、順位算出部68にて算出した順位が1位又は2位(上位)であるエラー項目について、当該エラーに関係の深い操作内容を予め表示部50に表示するようになっている。
例えば、図11(a)に示すように、炊飯機1の運転前(炊飯機1の電源を入れたときに)、ガイダンス指令部72は、順位算出部68にて算出した順位が1位であるエラーコード02について、当該エラーが頻発していることを示すと共に、当該エラーを回避するための操作(蛇口を開ける)を表示部50に表示する(ガイダンス画面Fを表示する)。
【0028】
また、図11(b)に示すように、ガイダンス指令部72は、運転前に順位算出部68にて算出した順位が2位であるエラーコード07について、当該エラーが頻発していることを示すと共に、当該エラーを回避するための操作(シャッター47の開閉状況を確認する、シャッター47の差し込み状態を確認する)を表示部50に表示する(ガイダンス画面Fを表示する)。
なお、ガイダンス内容とエラーコード(エラー項目)とは対応して予め制御部16に保存されており、ガイダンス指令部72は、順位算出部68にて算出した順位が上位であるエラーコードについてのガイダンス内容を表示する。
【0029】
図12は、本発明における制御部16の動作を示したものである。
まず、制御部16は、エラー集計部66にてエラーの発生頻度を集計する際の期間(エラー集計期間)を読み込む(S1)。なお、エラー集計期間(エラーを集計する日数)は予め設定されていてもよいし、操作部のキー等により任意に設定できるようにしてもよい。
制御部16は、計量カウントセンサ9a、回転センサ21a、排米弁位置検出センサ31、流量センサ38、シャッターセンサ49等のセンサからの信号により、計量駆動装置8、攪拌駆動装置25、昇降装置30、第1開閉弁37、シャッター駆動装置48等の各種機器が通常の動作と異なる動作であるか否かを判断して、通常と異なる動作である場合には、エラー発生であると判断する(S2)。
【0030】
そして、制御部16は、エラーが発生した機器の動作状況に応じてエラーコードを割り出し、割り出したエラーコードとエラーが発生した時刻とをエラー記憶部65に保存する(S3)。なお、制御部16は、エラーが発生する毎にエラーコードとエラーが発生した時刻とをエラー記憶部65に保存する。
制御部16では、エラー集計期間においては、エラー集計部66によってエラー記憶部65に記憶されたエラー情報を用いてエラーコード毎でのエラーの発生回数を求める(S4)。
【0031】
次に、制御部16は、操作部51等によってエラーログ表示が指示されたか否かを判断する(S5)。表示装置11の表示部50においては、通常操作では、炊飯の状態を示す初期画面Aや各種設定を行うメニューセット画面Bが表示されるが、例えば、図14(a)に示すように、補助機能キー60を押して補助機能画面Cに移行し、補助機能画面Cのログ表示という項目にて「表示」が操作部51により選択されると、エラーログ表示が指示されたと判断する。なお、補助機能画面Cのログ表示という項目にて「リセット」が操作部51により選択されると、エラーログがクリアされ、エラーコードとエラー発生時刻とを消去することができる。
【0032】
図9に示すように、エラーログ表示が指示されると、ログ表示指令部70の制御により、操作部51によってログ表示が押されてから過去12回分のエラー項目とエラーが発生した時刻とを表示部50に表示する(S6)。
エラーログ表示画面Dにおいては、表示部50の左側にエラーが発生した順番が示され、次にエラーが発生した時刻が示され、次に(右側)にエラーコードが示されるものとなっている。また、エラーログ表示画面Dでは、設定キー52を押す毎に画面が切り替わるようになっている。
【0033】
一方で、エラーログ表示が指示されない場合は、制御部16は、エラー集計結果表示が指示されたか否かを判断する(S7)。表示装置11の表示部50においては、通常操作では、炊飯の状態を示す初期画面Aや各種設定を行うメニューセット画面Bが表示されるが、例えば、図14(b)に示すように、補助機能キー60を押して補助機能画面Cに移行し、操作部51によって補助機能画面Cのエラー集計結果という項目が選択されると、エラー集計結果表示が指示されたと判断する。
エラー集計結果表示が指示されると、図10に示すように、集計表示指令部71の制御により、操作部によってログ表示が押されてから過去におけるエラーコード毎のエラー発生回数を、エラーコードの順番に表示部50に表示する(S8)。なお、補助機能画面Cのエラー集計結果という項目にて「リセット」が操作部51により選択されると、集計結果がクリアされ、エラーコード毎のエラー回数が零となる。
【0034】
エラー集計結果画面Eにおいては、表示部50の左側にエラーコードが示され、次にエラーコードでのエラー発生回数が示され、全体のエラー回数が示されるものとなっている。また、エラー集計結果画面Eでは、設定キー52を押す毎に画面が切り替わるようになっている。なお、エラー集計結果画面Eにおける表示方法は、図10に示したものに限定されない。また、上記の説明では、エラーログ表示画面Dやエラー集計結果画面Eは、補助機能画面から移行するものとしているがこれに限定されず、例えば、炊飯機1の電源を入れたときに、上キー56及びスタートキー53を同時に押すことにより、裏画面(通常では使用しない)を出して、当該裏画面から移行するものとしてもよい。ここで、裏画面を表示する操作は、メンテナンスを行う業者など、通常のユーザが知り得ない特別な操作である。
【0035】
図13は、本発明における他の制御部16の動作を示したものである。図13における制御部16の動作は、エラーの発生頻度の順位に応じてガイダンス表示を行うものである。図12と同じ動作である部分は、同一符号を付して説明を省略する。
制御部16では、エラー集計部66の順位算出部68によって、エラーが発生回数に応じてエラー項目の順位を求める(S10)。次に、炊飯機1の運転前、例えば、炊飯機1の電源をONすると(S11、Yes)、エラー項目の順位が1位又は2位に対応するガイダンス内容を読み込む。この実施形態では、エラーコード02とエラーコード07に対応するガイダンス内容を読み込む(S12)。ガイダンス指令部72により、初期画面Aやメニューセット画面Bを表示する前に表示部50にエラーコードとエラーコードに対するガイダンス内容を表示部50に表示させる(S13)。
【0036】
制御部16は、洗米装置3及び/又は炊飯器4にて発生したエラー項目を記憶するエラー記憶部65と、エラー項目毎にエラーの発生頻度を集計するエラー集計部66と、エラー集計部66にて集計した各エラー項目の発生頻度を表示部50に表示させる表示制御部67とを備えていることから、どのようなエラーが頻繁に発生しているかを瞬時に把握することができる。即ち、炊飯機1を使用していると様々なエラーが発生することがあるが、全体のエラー発生回数に対して良く引き起こされるエラー項目を特定することができ、この情報を基に、炊飯機1の操作やメンテナンスを有効に進めることができる。例えば、エラーコード02に対応するエラーが他のエラーに比べて多い場合は、運転を行う前に蛇口39の開状態を確認したり、蛇口39のメンテナンス等を行うことにより、エラーを徐々に少なくすることができ、炊飯機1による炊飯作業をスムーズに進めることが可能となる。即ち、エラーが発生する要因となっていた事項を、エラーが発生する前に改善することにより、全体的なエラーの数を少なくすることができる。
【0037】
エラー集計部66は、エラーの発生頻度に基づいて当該発生頻度の順位を求める順位算出部68を備えており、表示制御部67は、順位算出部68にて算出した順位が上位にあるエラー項目に関連する操作について注意を促すガイダンスを表示部50に表示させるガイダンス指令部72を備えていることから、所定期間内で運転を繰り返し操作した場合にエラーが発生し易い操作をガイダンスによって案内することができ、操作ミスによるエラーを可及的に少なくすることができる。
表示制御部67は、洗米装置3及び/又は炊飯器4にて発生したエラー項目を表示部50に時間毎に表示させるログ表示指示部70を備えていることから、最近に発生したエラーがどのようなものであるか瞬時に把握することができ、作業員(オペレータ)による炊飯機1の操作方法を改善したり、どの部分に対して炊飯機1のメンテナンスを行った方が良いか、メンテナンスをする際での指標を提供することができる。
【0038】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
上記の実施形態では、洗米装置3と炊飯器4との両方に発生したエラー情報を記憶したり、エラーの発生回数などを集計したものを示しているが、洗米装置3のみのエラー情報を記憶したり集計するものであってもよく、炊飯器4のみのエラー情報を記憶したり集計するものであってもよい。言い換えれば、制御部16は、洗米装置3又は炊飯器4にて発生したエラー項目を記憶するエラー記憶部65と、エラー項目毎にエラーの発生頻度を集計するエラー集計部66と、エラー集計部66にて集計した各エラー項目の発生頻度を表示部50に表示させる表示制御部67とを備えるものであってもよい。また、ガイダンスを表示するに際して順位が高い項目について表示するようにしていたが、全体のエラーに対する割合(%)の多さによってガイダンスを行うか否かを判断してもよい。即ち、ガイダンス指示部72は、各エラー項目の発生頻度が予め定められた所定値(例えば、順位であれば上位、%であれば全体の50%以上など)を超えたときに、所定値を超えるエラー項目に関連する操作について注意を促すガイダンスを表示部50に表示させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 炊飯機
3 洗米装置
4 炊飯器
16 制御部
65 エラー記憶部
66 エラー集計部
67 表示制御部
68 順位算出部
70 ログ表示指令部
71 集計表示指令部
72 ガイダンス指令部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米を洗米する洗米装置と、この洗米装置にて洗米した米を炊飯する炊飯器と、洗米装置及び/又は炊飯器を制御する制御部と、表示を行う表示部とを備えた炊飯機において、
前記制御部は、前記洗米装置及び/又は炊飯器にて発生したエラー項目を記憶するエラー記憶部と、エラー項目毎にエラーの発生頻度を集計するエラー集計部と、エラー集計部にて集計した各エラー項目の発生頻度を表示部に表示させる表示制御部とを備えていることを特徴とする炊飯機。
【請求項2】
前記エラー集計部は、エラーの発生頻度に基づいて当該発生頻度の順位を算出する順位算出部を備えており、前記表示制御部は、前記順位算出部にて算出した順位が上位にあるエラー項目に関連する操作について注意を促すガイダンスを表示部に表示させるガイダンス指令部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の炊飯機。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記洗米装置及び/又は炊飯器にて発生したエラー項目を表示部に時間毎に表示させるログ表示指令部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の炊飯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図5】
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【図11】
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【図14】
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