説明

炎症性疾患の治療のためのピロリジン置換フラボン

本発明は炎症性疾患の治療のための、下記化学式1の化合物、その立体異性体または互変異性型、またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物の使用方法に関する。
【化1】


また、本発明は炎症性疾患の治療で使用するためのものであって、化学式1の化合物、および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物に関する。また、本発明は炎症性疾患の治療方法として、治療的有効量の化学式1の化合物をそのような治療を必要とする個体に投与することを含む方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は炎症性疾患の治療のための化学式1の化合物(本文中に記載)、その立体異性体または互変異性体、あるいは、その薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
炎症は宿主防御および免疫介在性疾患の進行において基本的役割を果たす。その炎症性反応は傷害(例えば、外傷、局所貧血、および異物)、および/または、化学伝達物質 (例えば、サイトカインおよびプロスタグランディン)および炎症性細胞(例えば、白血球)などによる感染(例えば、細菌感染まはたウィルス感染)に反応して開始される。これは組織への血流が増加して、発熱、紅斑、硬結、および痛症を誘発するということに特徴がある。
【0003】
炎症性反応において、体液性および細胞性の免疫要素間の繊細でバランスの良い相互作用は有害物質の除去、および損傷組織の回復の開始を可能にする。このような繊細にバランスした相互作用が中断する場合、炎症性反応は正常組織に相当な損傷を来たし、その炎症反応を開始した最初の損傷よりも更に有害となることがある。このような制御されない炎症性反応の場合、組織損傷および臓器機能不全を防止するために臨床的介入が要求される。他の臨床状態の中でリウマチ性関節炎、骨関節炎、クローン病、喘息、アレルギー、敗血症性ショック症侯群、アテローム性動脈硬化、炎症性腸疾患のような疾患は慢性炎症により特徴される。
【0004】
幾つかの炎症誘発性サイトカイン、特にTNF−α(腫瘍壊死因子−α)、およびインターロイキン(IL−1β,IL−6,IL−8)は炎症性過程で重要な役目を果たす。IL−1およびTNF−αはいずれも単核細胞および大食細胞から誘導され、炎症性過程に寄与する様々な遺伝子の発現を誘導する。
【0005】
リウマチ性関節炎(RA)は自己免疫疾患である。RAは知られていない病因の慢性、全身性関節炎症性疾患である。RAにおいて関節の正常的な薄い滑液内膜は軟骨および骨共に有害な炎症性の高度に血管化した侵入性纎維阿膠質性組織(パンヌス(pannus))に交替される。影響を受けられる部位としては手、手首、首、あご、ヒジ、足、および足首の関節がある。RAにおいて軟骨の破壊は影響を受けた関節において異常サイトカインおよび成長因子発現につながる。
【0006】
骨関節炎(OA、退行性関節炎、退行性関節疾患とも知られている)は関節軟骨、およびその次の軟骨下骨(subchondral bone)を含む関節の退化を伴う関節炎の最も一般的な形態である。OAにおいて遺伝的で、発生的で、代謝性で、機械的な様々な要因は関節を柔軟にし、保護する強いタンパク質マトリクスである軟骨の損失につながる過程を開始することができる。骨の表面が軟骨によって十分に保護されない場合、軟骨下骨が露出および損傷しつつ再成長して軟骨損失の中心部位で、象牙のような稠密な反応性骨の増殖につながることがあり、このような過程は象牙質化(eburnation)と知られている。苦痛による運動の減少により、局所的な筋肉が萎縮することがあり、靭帶が更に弛むことがある。OAは関節炎の最も一般的な形態であり、慢性疾患の主な原因である。
【0007】
炎症性腸疾患(IBD)は腸の炎症を誘発する疾患のグループである。炎症が長期間持続し通常は再発する。IBDの2つの主要な形態はクローン病、および潰瘍性結腸炎である。クローン病は腸の内膜および壁に炎症を起こし潰瘍が生じる場合に発生する。クローン病は消化器系の任意の部位で発生することがあるが、結腸に繋がる小腸の下部でよく発生する。潰瘍性結腸炎は大腸を蝕み、世界的で数百万の人が苦しむ病因の慢性自己免疫/炎症性疾患である。正常な胃腸グラムネガティブ細菌の成分を伴う機能疾患免疫反応、炎症誘発性サイトカイン、ケモカイン、内皮細胞付着分子(ECAMs)の発現の増加、および結腸癲癇(colonic interstitium)への白血球浸透の増加は結腸炎の発病に主な役目をするということがよく知られている。その疾病の過程は連続的または再発し、軽度または重度である。一番初期の疾患は腸線(crypts of Lieberkuhn)のベースで膿瘍が形成する炎症性浸透である。このような膨脹・破裂したクリプト(crypt)の癒着はその血液供給源から下部の粘膜を分離して潰瘍をきたす。その疾病の兆候および症状としてはひきつけ、下部腹痛、直腸出血、および不十分な便(fecal)粒子とともに血液、膿、および粘液から主として構成される頻繁な下痢がある。急性、深刻または慢性である絶え間ない潰瘍性結腸炎の場合は大腸全体の切除が必要となることがある。
【0008】
乾癬は皮膚および関節で発病する慢性の非伝染性自己免疫疾患である。これは通常、皮膚上で赤い鱗状のパッチ(red scaly patch)を発生させる。このような乾癬で誘発された鱗状のパッチは乾癬性斑と知られており、炎症および過度な皮膚生成の部位である。また、乾癬は乾癬性関節炎と知られている関節の炎症を誘発することができる。乾癬のある人間の10〜15%は乾癬性関節炎を有する。多くの治療法が利用されるが、その慢性再発性のため、乾癬は治療し難い。
【0009】
プレイオトロピック(pleiotropic)サイトカインである腫瘍怪死因子−α(TNF−α)は主に大食細胞により生成されるが、他の形態の細胞もこれを生成する。TNF−αは利する他にも、病理学的な活性があるものと立証されている。これは成長促進効果および成長抑制特性を有することの他にも自己調節性を有する。TNF−αの利する機能としては身体の周期性リズムを調節することで、恒常性を維持し、細菌、ウイルス、真菌、および寄生虫感染に対する免疫反応を開始し、纖維芽細胞成長を促進することで、損傷組織を交替または再構成(remodeling)し、名前が暗示しているように特定の腫瘍を死滅させる。TNF−αは単核細胞および大食細胞から誘導され、炎症性疾患のような様々な疾患に寄与する様々な遺伝子を発現させる。
【0010】
TNF−αは先天的および後天的な免疫反応に重要な役目をし、TNF−αの不適切な生成は病理学的変化を誘発し慢性炎症および組織損傷をもたらす。TNF−αは炎症性腸疾患、リウマチ性関節炎、幼年性リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、骨関節炎、不応性リウマチ関節炎、慢性非リウマチ性関節炎、骨粗鬆症/骨吸収、冠状心臓疾患、血管炎、潰瘍性結腸炎、乾癬、大人呼吸困難症侯群、糖尿病、皮膚の遅延型過敏性疾患、およびアルツハイマー疾患のような多くの慢性炎症性疾患の発病に決定的な役目を果たすことが確認されて来た。
【0011】
IL−1(インターロイキン1)は適応免疫係の機能を調節する先天免疫係の一部である。局所組織において、IL−1とIL−1受容体拮抗剤(IL−1ra)との間の均衡は炎症性疾患およびそれによる構造的損傷の発生に影響をおよぼす。過量のIL−1の存在下で、炎症および自己免疫疾患は関節、肺、胃腸管、中枢神経系(CNS)または血管で発生する。
【0012】
細胞付着分子の細胞間付着分子1(ICAM−1)、血管−細胞付着分子1(VCAM−1)、およびE−セレクチンは循環系から炎症の部位に好中球、好酸球、およびTリンパ球のような炎症性細胞の動員(recruitment)の原因となる。白血球の動員および滞留はRAのような全ての慢性炎症性疾患の発病において危険な状況である。
【0013】
炎症性疾患に対する1次的な治療方法はイブプロフェン、ナプロキセンンのような非ステロイド性抗炎症性薬物(NSAIDs)を用いて痛症のような症状を緩和する。しかし、NSAIDsが広範囲に使用されているにもかかわらず、NSAIDsは胃糜爛(gastric erosion)を誘発するものと知られているため、多くの個体は長期にわたり、その疾患を治療することに必要な投与量を許容することができないでいる。また、NSAIDsは原因を治療することではなく、炎症性疾患の症状を治療するに過ぎない。患者がNSAIDsに反応しない場合、メトトレキセート (methotrexate)、金塩、D−ペニシラミン、およびコルチコステロイドのような他の薬物が使用される。このような薬物も重大な副作用がある。
【0014】
インフリキシマブ(Infliximab)、エタネルセプト(Etanercept)、およびアダリムマブ(Adalimumab)のような単クローン抗体薬物が、抗炎症性薬物として有用であるが、投与経路(非経口のみ)、高コスト、アレルギー誘発、潜在している結核の活性化、癌の危険の増加、および鬱血性心臓疾患のようなデメリットがある。
【0015】
ホスホジエステラーゼ−4(PDE4)抑制剤が喘息、アトピー性皮膚炎、リウマチ性関節炎、多発性硬化症、およびクローン病の治療用のため開発されてきたが、多重PDE4の非選択的な抑制は複雑な生理学的反応につながる。PDE4抑制剤の治療効能はシロミラスト(Cilomilast) (SB 207499、ArifloTM)の場合のように悪心および嘔吐の投与量制限副作用があるため制限されてきた (Current Opinion in Chemical Biology, 2001, 5, 432-438)。
【0016】
同様にp38ミトゲン−活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)抑制剤は可能な抗炎症性薬物であるが、この使用に関連する副作用としては胃潰瘍、肝毒性、および腎毒性がある。例えば、2−[2(S)−アミノ−3−フェニルプロピルアミノ−]−3−メチル−5−(2−ナフチル)−6−(4−ピリジル)ピリミジン−4(3H)−オン(AMG 548、Amgen)の開発は投与量または露出依存でない無作為の肝酵素の増加により中止された。p38MAPキナーゼ抑制剤を用いた長期治療後の安全性プロファイルに対する影響を確認する必要がある(Current Medicinal Chemistry, 2005, 12, 2979-2994)。
【0017】
US-A-4 900 727は抗炎症剤として、ベンゾピラン−4−オン誘導体を開示している。ジソキシラム-ビネクタリフェラム(Dysoxylum binectariferum)来由の抗炎症性ベンゾピラン−4−オン誘導体が、文献[R.G.Naik など、Tetrahedron, 1988, 44 (7), 2081-2086]に記載されている。
【0018】
炎症性疾患の治療のための多数の治療法の利用可能性があるにもかかわらず、炎症性疾患の治療のための改善した方案の薬物に対する持続した必要性が、依然として存在している。
【0019】
米国特許第7,271,193号、公開された米国特許出願US20070015802、および公開されたPCT出願 WO2007148158はいずれも本文に参照として記載されているものであり、様々な形態の癌の治療に有用なCDK抑制剤としてピロリジン置換フラボンが記載されている。本発明者らは化学式1の化合物として本文で示しているピロリジン置換フラボンが炎症性疾患の治療に使用され得るということを確認した。本発明の範囲は前述したピロリジン置換フラボンの新規な抗炎症使用を提供することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の一様態により、炎症性疾患の治療のための化学式1(本文で下記に示しているような構造)の化合物、その立体異性体または互変異性体、あるいはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物の使用方法を提供する。
【0021】
本発明の他の様態により炎症性疾患の治療で使用するための化学式1の化合物、その立体異性体または互変異性体、あるいはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物、および少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物が提供される。
【0022】
また、本発明は治療的有効量の化学式1の化合物、その立体異性体または互変異性体、あるいはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物を炎症性疾患の治療を必要とする個体(subject)に投与することを含む炎症性疾患の治療方法を提供する。
【0023】
更に他の様態において、本発明は炎症性疾患の治療のための薬物の製造のための化学式1の化合物、その立体異性体または互変異性体、あるいはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物の使用方法に関するものである。
【0024】
本発明の更に他の様態により、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)およびインターロイキン(IL−1β、IL−6、IL−8)のような1種以上の炎症性サイトカインのレベルの増加、または細胞間付着分子1、血管−細胞付着分子1(VCAM−1)およびE−セレクチンのような1種以上の細胞付着分子の発現の増加、またはこれらの組み合わせにより媒介する炎症性疾患の治療のための化学式1の化合物(本文中に記載)、その立体異性体または互変異性体、あるいはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物の使用方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】p38MAPキナーゼ抑制、およびIκBα分解に対する試験管内スクリーニングのためのウェスタンブロット分析を示す図である。
【図2A】代表的な化合物である実施例3の化合物による滑液単核細胞(SFMC)の付着性細胞集団で細胞自殺の誘導を示す図である。
【図2B】代表的な化合物である実施例3の化合物による滑液単核細胞(SFMC)の非付着性細胞集団で細胞自殺の誘導を示す図である。
【図3】関節炎(CIA)DBA/1Jマウスの後足の和の関節指数に対する、代表的な化合物である実施例3の化合物の治療効果を示す図である。
【図4】関節炎(CIA)DBA/1Jマウスの足厚に対する、代表的な化合物である実施例3の化合物の治療効果を示す図である。
【図5】溶媒(対照区)およびエンブレル(Enbrel)と比較して、代表的な化合物である実施例3の化合物で処理した動物の組織病理学的評価を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
1具体例において本発明は下記の化学式1の化合物またまたの使用方法に関する。
【0027】
【化1】

【0028】
前記式において、Arはフェニルまたはヘテロアリール環であり、ここでのフェニルまたはヘテロアリール環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4−アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ、カルボキシ、C1−C4−アルコキシカルボニル、C1−C4−アルキレンヒドロキシル、CONH2、CONR12、SO2NR12、シクロアルキル、NR12、およびSR3から選択された1、2、または3つの同一または異なる置換体で置換または非置換することができ、ここでのR1およびR2はそれぞれ独立して、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルキルカルボニル、およびアリールから選択されるか、またはR1およびR2はこれらが結合される窒素原子とともに少なくとも1つの更なるヘテロ原子を選択的に含むことができる五員環または六員環を形成し、R3は水素、C1−C4−アルキル、およびフェニルから選択される。
【0029】
定義
開示の目的のため、本発明の説明で使用された様々な用語の定義が下記で説明される。この定義は明細書または特許請求の範囲で(この定義が特定の例に制限されない場合)個々にまたはより大きいグループの一部として使用される用語に適用される。この定義は文字通りの意味として解釈されない。この定義は一般の定義ではなく本出願の場合にのみ適当である。
【0030】
用語“アルキル”は直鎖アルキル基および分枝鎖アルキル基を含む飽和脂肪族基を意味する。 炭素数が1〜4のアルキル基の例としてはメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソプロピル、イソブチル、s-ブチル、およびt-ブチルがある。
【0031】
用語“シクロアルキル”は炭素数が約3〜7の非芳香族単一または多重環系を意味する。シクロアルキル基の例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがある。シクロアルキル基はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4−アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ、カルボキシ、C1−C4−アルコキシカルボニル、およびCONH2から選択された1種以上の異なる置換体で置換または非置換されることができる。
【0032】
本文で使用される用語“アルコキシ”は酸素基が付着している前記で定義したようなアルキル基を意味する。代表的なアルコキシ基としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、 t-ブトキシなどがある。
【0033】
用語“ハロゲン”は塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素を意味する。
【0034】
本文で使用される用語“ヘテロアリール”は1〜3の同一または異なるヘテロ原子を含む単一環芳香族系を意味する。用語“ヘテロ原子”は窒素、酸素、および硫黄を意味する。ヘテロアリールは例えば、1または2の硫黄原子、1または2の酸素原子、および/または1〜3の窒素原子を環内に有することができる。単一環型基において、ヘテロアリールは3-員、4-員、5-員、または6-員環である。ヘテロアリール基としてはピロール、チオフェン、オキサゾール、フラン、チアゾール、ピラゾール、ピリジンなどがある。
【0035】
本明細書において、用語“化学式1の化合物”が単独で使用される適切な場合には、これは化学式1の化合物の立体異性体または互変異性体、あるいは薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物を含むことと判断される。
【0036】
“置換または非置換”はこのような置換が置換された原子および置換体の許容した原子価により行われるという暗黙の条件を含むことの他にも、再配列、環化、または除去によるような望まない変形を容易に受けない安定した化合物を示すことと理解される。
【0037】
用語"薬学的に許容される"は担体、希釈剤、賦形剤、および/または塩が、製剤の他の成分と両立することができ、その受容者に有害ではないということを意味する。
【0038】
本文で使用される用語“治療的有効量”は正常な医学的判断の範囲内で調節または治療される状態で、肯定的な変化を有意に誘導することに十分であるが、ある副作用を回避することには十分低い(合理的な利得/リスク)化学式1の化合物の量、または前記化合物を含む組成物の量を意味する。化学式1の化合物、または前記化合物を含む組成物の治療的有効量は治療される特定の炎症性疾患、個体(患者)の年齢および身体状態、治療/予防される状態の深刻性、治療期間、 同時的な療法の特徴、利用される特定化合物または組成物、利用される特定の薬学的に許容される担体などの要因により、変化することになる。
【0039】
本文で使用される用語“治療する”または“治療”は既存の疾患(例えば、リウマチ性関節炎)の進行を緩和するか、遅延させるか、弱化するか、または治癒することを意味する。
【0040】
本文で使用される用語“個体”(subject)は動物、 望ましくは哺乳動物、更に望ましくは人間を意味する。
【0041】
本文で使用される用語“炎症性疾患”(inflammatory disorder)はリウマチ性関節炎、骨関節炎、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、不応性リウマチ性関節炎、慢性非リウマチ性関節炎、骨粗鬆症/骨吸収、冠動脈心疾患、血管炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、クローン病、成人呼吸窮迫症候群、皮膚疾患による遅延型過敏症、敗血症性ショック症侯群、炎症性腸疾患を含むが、それに制限されない慢性炎症により特定される疾患または状態を意味する。
【0042】
用語“薬学的に許容される塩”は本文で記載された化合物上で確認される特定置換体により、酸または塩基を用いて製造されるものであって、活性化合物、即ち、化学式1の化合物の塩を意味する。薬学的に許容される塩基付加塩の例としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、 マグネシウム、アンモニウム、または有機塩基塩がある。薬学的に許容される有機塩基付加塩の例としてはリシン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミンなどのような有機塩基から誘導したものがある。薬学的に許容される酸付加塩の例としては塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素酸(monohydrogencarbonic acid)、リン酸、リン酸一水素酸(monohydrogenphosphoric acid)、リン酸二水素酸、硫酸、硫酸一水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などのような無機酸から誘導したものの他にも、酢酸、プロピオン酸、イソブチル酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、ベンゼン酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸、グルクロン酸、またはガラクチュロン酸などのような有機酸から誘導されたものがある。前記化合物の中性形態は、その塩を塩基または酸と接触させ、その母化合物を通常の方法で分離することで再生されることができる。
【0043】
本文で使用される用語"薬学的に許容される担体"は無毒性でかつ不活性である固体または半固体の希釈剤、カプセル化物質、または製剤化補助剤を意味する。薬学的に許容される担体に利用され得る物質のいくつかの例としてはラクトース、グルコース、およびスクロースのような糖; とうもろこし澱粉、およびじゃがいも澱粉のような澱粉; カルボキシメチルセルロース、 エチルセルロース、およびセルロースアセテートのようなセルロース、およびこの誘導体; モルト、ゼラチン、タルクなどがある。また、ラウリル硫酸塩、およびステアリン酸マグネシウムのようなその他の無毒性の適合な滑沢剤の他にも、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、および芳香剤; 保存剤および抗酸化剤も、製剤者の判断により、組成物で存在することもできる。
【0044】
化学式1の化合物は本文で参照として記載された米国特許第7,271,193号、米国特許公開第20070015802号、およびPCT特許公報WO2007148158に開示されている方法で製造することができる。下記の反応式1で記載された方法を用いて化学式(VIA)の中間体を製造することができる:
【0045】
【化2】

【0046】
化学式IIの化合物から出発して、化学式Vの化合物までの製造段階は本文で参照として含まれるUS-A-4900727に記載されている。1−メチル−4−ピペリジン(化学式IIIの化合物)を氷酢酸で溶解された 1、3、5−トリメトキシベンゼン(化学式IIの化合物)と反応させて、1−メチル−4−(2、4、6−トリメトキシフェニル)−1、2、3、6−テトラヒドロピリジン(化学式IVの化合物)を得る。化学式IVの化合物はボロントリフルオライド、ジエチルエーテル、水素化ホウ素ナトリウム、およびテトラヒドロフランと反応させて、化学式Vの化合物を得る。前記反応式において、化学式Vの化合物を化学式VIAの化合物に転換することにおいて、ピペリジン環上のヒドロキシ作用基はトリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、または炭酸ナトリウムのような酸素求核試薬の存在下で、p−トルエンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、トリフル酸無水物、または五塩化リンのような適切な試薬で処理した後、イソプロパノール、エタノール、またはプロパノールのようなアルコール溶媒で酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウムのような酸素求核体の存在下で環収縮(ring contraction)させて、トシル、メシル、トリフラート、またはハライドのような離脱基に転換することができる。このような段階で伴われる環収縮は前記反応式で示したようにフラボンの形成前に実施するか、所望する置換によりフラボンを製造した後に実施することもできる。
【0047】
定義された化学式VIAの中間体化合物の光学的に純粋な(−)−トランス鏡像異性体が、定義された化学式1の光学的に純粋な化合物の製造に使用される。この方法では高い鏡像体純度を有する中間体を出発物質として用いることによって、その方法により製造される化学式1で表わされるフラボンに置換されたピロリジンの最終(+)−トランス鏡像異性体は相応する高い鏡像体純度を有する。
【0048】
化学式VIAの中間体化合物の分解された光学的に純粋な(−)−トランス鏡像異性体から、化学式Iの化合物の光学的に純粋な(+)−トランス鏡像異性体、あるいはその薬学的に許容される塩の製造方法は、以下の工程からなる。
【0049】
(a)下記の化学式VIAの中間体化合物の分解された光学的に純粋な(−)−トランス鏡像異性体をルイス酸触媒の存在下で酢酸無水物で処理して、下記の化学式VIAの分解されたアセチル化化合物を得る段階と、
【0050】
【化3】

【0051】
【化4】

【0052】
(b)化学式VIIAの分解されたアセチル化化合物を塩基または溶媒の存在下で化学式ArCOOHの酸、または化学式ArCOClの酸塩化物、または化学式(ArCO)2Oの酸無水物、または化学式ArCOOCH3のエステル(Arは前記で定義している通りである)と反応させて下記の化学式VIIIAの分解された化合物を得る段階と、
【0053】
【化5】

【0054】
(c)前記化学式VIIIAの分解された化合物を適当な溶媒で塩基で処理して、下記化学式IXAの相応する分解された(−ジケトン化合物を得る段階と、
【0055】
【化6】

【0056】
(式中、Arは前記で定義している通りである)
(d)前記化学式IXAの分解された(−ジケトン化合物を塩酸のような酸で処理して化学式XAの相応する環化した化合物を得る段階と;
【0057】
【化7】

【0058】
(e)前記化学式XAの化合物を120〜180℃範囲の温度で、脱アルキル化剤とともに加熱して脱アルキル化させて化学式1の化合物の(+)−トランス鏡像異性体を得、この化合物をその薬学的に許容される塩に選択的に転換する段階とを含む。
【0059】
前記段階(a)で用いられるルイス酸触媒はBF3Et2O、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、および塩化チタンから選択されることができる。
【0060】
工程段階(b)で用いられる塩基はトリエチルアミン、ピリジン、およびDCC−DMAP組み合わせ(N、N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドと4-ジメチルアミノピリジンの組み合わせ)から選択されることができる。
【0061】
当業者に明らかであるように化学式VIIIAの化合物を対応する化学式IXAの(−ジケトン化合物へ再配列することはベイカーベンカタラマン(Baker-Venkataraman)再配列として知られている(J. Chem. Soc., 1381 (1933) and Curr. Sci., 4, 214 (1933))。
【0062】
工程段階(c)で使用される塩基はヘキサメチルジシルアジドリチウム、ヘキサメチルジシルアジドナトリウム、ヘキサメチルジシルアジドカリウム、水素化ナトリウム、および水素化カリウムから選択されることができる。更に望ましい塩基はリチウムヘキサメチルジシルアジドである。化学式IXAの化合物の脱アルキル化のための工程段階(e)で使用される脱アルキル化剤はピリジン塩酸塩、三臭化ホウ素、エーテル化三フッ化ホウ素、および三塩化アルミニウムから選択することができる。更に望ましい脱アルキル化剤はピリジン塩酸塩である。
【0063】
本発明の更に他の様態において、化学式1の化合物は
Arがフェニル環であり、ここでのフェニル環がハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4−アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、C1−C4−アルコキシ、カルボキシ、およびNR12から選択された1、2、または3つの同一または異なる置換体で置換または非置換されることができ、ここでのR1およびR2がそれぞれ、独立して、水素、C1−C4−アルキル、およびC1−C4−アルキルカルボニルから選択される化合物、またはその立体異性体または互変異性体、あるいはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物から選択される。
【0064】
本発明の更に他の様態において、化学式1の化合物は
Arがフェニル環であり、ここでのフェニル環がハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4−アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチルから選択された1、2、または3つの同一または異なる置換体で置換または非置換され得るものである化合物、あるいはその立体異性体または互変異性体、あるいはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物から選択される。
【0065】
本発明の更なる様態において、化学式1の化合物は下記のものから選択される。
【0066】
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンメタンスルホン酸;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2、4−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−チオフェン−2−イル−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−(3−ニトロフェニル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(3−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ピロリジン−1−イル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジヒドロキシ−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2、3−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;および、
(+)−トランス−2−(3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩。
【0067】
本発明の更に他の様態において、前記化学式1の化合物は下記のものから選択される。
【0068】
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2、4−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−(3−ニトロフェニル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2、3−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;および、
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩。
【0069】
1具体例において、本発明は治療的有効量の化学式1の化合物を炎症性疾患の治療を必要とする個体に投与することを含む炎症性疾患の治療方法に関する。
【0070】
本発明により、前記炎症性疾患では1種以上の炎症性サイトカイン(TNF−α、IL−1β、IL−6、IL−8)の水準の増加、または1種以上の細胞付着分子(ICAM−1、VCAM−1、E−セレクチン)の発現の増加、またはこれらの組み合わせにより媒介される疾患がある。
【0071】
本発明のまた他の具体例において、化学式1の化合物はTNF−α抑制剤であり、炎症性腸疾患、リウマチ性関節炎、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、骨関節炎、不応性リウマチ性関節炎、慢性非リウマチ性関節炎、骨粗鬆症/骨吸収、クローン病、アテローム性動脈硬化、敗血症性ショック症侯群、冠動脈心疾患、血管炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、成人呼吸窮迫症候群、および皮膚疾患による遅延型過敏症を含む、非正常のTNF−(活性と関連のある疾患の治療に使用される。
【0072】
本発明の更に他の具体例において、化学式1の化合物はIL−1β、IL−6および/またはIL−8抑制剤であり、リウマチ性関節炎、骨関節炎、および多発性硬化症、および様々な形態のループスのようなその他の自己免疫状態を含む、非正常的なIL−1β、IL−6および/またはIL−8活性と関連のある疾患の治療に使用される。
【0073】
本発明の更に他の具体例において、化学式1の化合物はICAM−1、VCAM−1、およびE−セレクチンのような一種以上の細胞付着分子の抑制剤であり、細胞付着分子の発現の増加と関連のある炎症性疾患の治療に使用される。
【0074】
本発明の1具体例において、治療的有効量の化学式1の化合物を有効成分として含み、少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物であって、前記薬学的組成物は炎症性疾患の治療に適合な薬学的組成物が提供される。
【0075】
現在、炎症性疾患の治療に適合する異なる薬学的組成物は約1〜99重量%、例えば、約5〜70重量%、または約10〜30重量%の化学式1の化合物、または該当する重量の前記化合物の薬学的に許容される塩を含むと考えられる。
【0076】
本発明により、前記薬学的組成物に含まれる薬学的に許容される担体は化学式1の化合物の予定投与経路、および標準薬学的実施により選択することができる。
【0077】
本発明により、前記薬学的組成物は例えば、丸剤、錠剤、コーティング錠剤、カプセル、顆粒またはエリキシル(elixir)の形態で経口投与されることができる。しかし、投与は例えば、座薬の形態で直腸内、または滅菌注射液または懸濁液の形態で非経口、例えば、静脈内、筋肉内または皮下、例えば、溶液または軟膏の形態で局所、またはパッチの形態で経皮、または例えば、エアロゾルまたは鼻腔スプレーの形態で他の経路に投与されることができる。
【0078】
本発明による薬学的組成物はその自体として知られている方法、または当業者に慣れている方法、例えば、通常的な混合、溶解、顆粒化、糖衣製造、粉砕(levigating)、エマルジョン化、カプセル化、封入(entrapping)、または錠剤化(tabletting)工程により、製造される。
【0079】
丸剤、錠剤、コーティング錠剤、および軽質ゼラチンカプセルの製造のため、例えば、ラクトース、とうもろこし澱粉、またはこの誘導体、アラビアガム、マグネシア、またはグルコースを使用することができる。軟質ゼラチンカプセル、および座薬用担体は例えば、脂肪、ワックス、天然または硬化油などがある。溶液、例えば、滅菌注射液、またはエマルジョン、またはシロップの製造に適当な担体は例えば、水、生理学的塩化ナトリウム溶液、またはアルコール、例えば、エタノール、プロパノール、またはグリコール、糖溶液、例えば、グルコースまたはマニトール溶液、または前述した様々な溶媒の混合物である。
【0080】
化学式1の化合物および薬学的に許容される担体の他にも、前記薬学的組成物は例えば、充填剤、抗酸化剤、分散剤、 エマルジョン化剤、消泡剤、香味剤、保存剤、可溶性化剤または着色剤のような添加剤を含有することもできる。
【0081】
投与される本発明の化合物の投与量は広い範囲を含む。1日投与量は所望する効果に適合するように選択される。約1〜500mg/m2の投与量の本発明の化合物が、1日に投与されることができる。必要な場合、より高いまたはより低い投与量が投与されることもある。選択される投与量の水準は利用される化学式1の特定化合物の活性、投与経路、投与時間、利用される特定化合物の分泌率、治療期間、利用される特定化合物と併用されるその他の薬物、化合物および/または物質、治療される個体(患者)の年齢、性別、状態、一般の健康状態および過去の病歴、 および医学分野でよく知られている要因などを含む様々な要因により決定される。
【0082】
また、本発明は化学式1の化合物を他の薬学的活性化合物と併用することも含む。例えば、化学式1の化合物を含む薬学的組成物は薬学的製剤の形態で、NSAIDs、チオリンゴ酸ナトリウム金(GST)、メトトレキサート(MTX)、およびデキサメタゾン(DEX)のような炎症性疾患を治療することに有用なことと知られている他の薬学的活性化合物とともに個体、特に人間に投与されることができる。
【0083】
本発明により、化学式1の特定化合物は水和形態を含む溶媒化形態の他にも、非溶媒化形態で存在することができる。化学式1の特定化合物は多重結晶または非結晶形態で存在することがある。一般にすべての物理的形態が、本発明により想定される使用方法に該当し、本発明の範囲に含まれる。
【0084】
当業者は立体中心が、化学式1の化合物に存在するということを認識することになる。したがって、本発明は化学式1のすべての可能な立体異性体および幾何異性体を含み、ラセミ化合物の他にも、光学活性異性体も含む。化学式1の化合物が、単一鏡像異性体の形態で要求される場合、これは最終化合物の分解(resolution)または異性体的に純粋な出発物質または中間体からの立体特異的の合成により、得ることができる。最終化合物、中間体または出発物質の分解は当業界で知られている任意の方法、例えば、文献 [Chiral reagents for Asymmetric Synthesis by Leo A. Paquette; John Wiley & Sons Ltd (2003)]で知られている方法で実施される。更に化学式1の化合物の互変異性体が可能な場合、本発明はその化合物の全ての互変異性体を含むことになる。
【0085】
本発明の様々な具体例に実質的に影響しない変形例が、本文で開示されている本発明に含まれることと理解される。
【0086】
本発明の化合物は添付の実施例で説明しているように標準有機化学により製造され得る。下記の実施例は本発明の数個の特定化合物の合成を説明し、一般の過程を例示するためのものである。本発明は下記の実施例で詳細に説明され、本発明の範囲を制限するものではない。
【0087】
下記の略語または用語が、本文で使用される。
【0088】
CD3OD:重水素化メタノール
CDCl3:重水素化クロロホルム
DCM:ジクロロメタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMSO−d6:重水素化ジメチルスルホキシド
EDTA:エチレンジアミンテトラ酢酸
FCS:ウシ胎児血清
HCl:塩酸
NaHCO3:重炭酸ナトリウム
Na2CO3:炭酸ナトリウム
NaH:水素化ナトリウム
n−BuLi:n−ブチルリチウム
NMR:核磁気共鳴
PBS:リン酸塩緩衝食塩水
THF:テトラヒドロフラン
[実施例]
実施例1〜22に該当する化合物はその全体が本文で参照として記載されている公開された米国特許出願US20070015802、および/または公開されたPCT特許出願WO2007148158に開示されているような方法で製造した。
【0089】
実施例1:
(−)−トランス−(3−(3−アセチル−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシフェニル)−1−メチルピロリジン−2−イル)メチルアセテート
この化合物は公開された米国特許出願US20070015802の実施例11、および公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例6に記載された方法で製造した。
【0090】
実施例2:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシ−メチル−1−メチルピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例43に記載された方法で製造した。
【0091】
実施例3:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例44に記載された方法で製造した。
【0092】
実施例4:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例49に記載された方法で製造した。
【0093】
実施例5:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例50に記載された方法で製造した。
【0094】
実施例6:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開された米国特許出願US20070015802の実施例14、および公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例9に記載された方法で製造した。
【0095】
実施例7:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開された米国特許出願US20070015802の実施例15、および公開された PCT特許出願WO2007148158の実施例10に記載された方法で製造した。
【0096】
実施例8:
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開された米国特許出願US20070015802の実施例140、および公開されたPCT 特許出願WO2007148158の実施例15に記載された方法で製造した。
【0097】
実施例9:
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例16に記載された方法で製造した。
【0098】
実施例10:
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンメタンスルホン酸;
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例17に記載された方法で製造した。
【0099】
実施例11:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例39に記載された方法で製造した。
【0100】
実施例12:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開されたPCT特許出願 WO2007148158の実施例40に記載された方法で製造した。
【0101】
実施例13:
(+)−トランス−2−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開された米国特許出願US20070015802の実施例100、および公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例34に記載された方法で製造した。
【0102】
実施例14:
(+)−トランス−2−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例35に記載された方法で製造した。
【0103】
実施例15:
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開された米国特許出願US20070015802の実施例42に記載された方法で製造した。
【0104】
実施例16:
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開された米国特許出願US20070015802の実施例43に記載された方法で製造した。
【0105】
実施例17:
(+)−トランス−2−(2、4−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例30に記載された方法で製造した。
【0106】
実施例18:
(+)−トランス−2−(2、4−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開されたPCT特許出願WO2007148158の実施例31に記載された方法で製造した。
【0107】
実施例19:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
この化合物は公開された米国特許出願US20070015802の実施例27に記載された方法で製造した。
【0108】
実施例20:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開された米国特許出願 US20070015802の実施例28に記載された方法で製造した。
【0109】
実施例21:
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−チオフェン−2−イル−クロメン−4−オン
この化合物は公開された米国特許出願 US20070015802の実施例68に記載された方法で製造した。
【0110】
実施例22:
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−チオフェン−2−イル−クロメン−4−オン塩酸塩
この化合物は公開された米国特許出願 US20070015802の実施例69に記載された方法で製造した。
【0111】
実施例23:
(+)−トランス−3−ニトロ−ベンゼン酸 2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエーテル
3−ニトロベンゼン酸(1.42g、8.49mmol)をオキサリルクロライド(0.998mL、11.38mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(20mL)で溶解された実施例1の化合物(2.0g、5.69mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.586mL、11.38mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)に塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
収率: 2.6 g (61.25 %).
【0112】
実施例24:
(+)−トランス−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−2−(3−ニトロ−フェニル)−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、5.32mL、12.48mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(2.63mL、12.48mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例23の化合物(2.5g、4.97mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥してトランス−酢酸3−{2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−3−[3−(3−ニトロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステスをオイル(2.2g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
収率: 1.15 g (52.51 %) ; 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 8.81 (t、 1H)、 8.45 (d、 1H)、 8.35 (d、 1H)、 7.58 (t、 1H)、 6.76 (s、 1H)、 6.47 (s、 1H)、 4.50 (m、 1H)、 4.01 (s、 3H)、 4.02 (s、 3H)、 3.81 (dd、 1H)、 3.41 (m、 2H)、 2.90 (m、 2H)、 2.55 (s、 3H)、 2.19 (m、 2H); MS (ES+): m/z 441 (M+1).
【0113】
実施例25:
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−(3−ニトロフェニル)−クロメン−4−オン
実施例24の化合物(0.5g、1.13mmol)、およびピリジン塩酸塩(1.2g、10.38mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
収率: 0.250 g (53.53 %); 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 12.44 (s、 1H)、 8.86 (s、 1H)、 8.38 (d、 1H)、 8.15 (d、 1H)、 7.72 (t、 1H)、 6.67 (s、 1H)、 6.31 (s、 1H)、 4.39 (dd、 1H)、 4.07 (dd、 1H)、 3.86 (m、 1H)、 3.33 (m、 2H)、 2.85 (m、 1H)、 2.66 (s、 3H)、 2.56 (m、 1H)、 2.01 (m、 1H); MS(ES+): m/z 413 (M+1).
【0114】
実施例26:
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−(3−ニトロフェニル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例25の化合物(0.225g、0.545mmol)をメタノール(2mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の塩を得た。
【0115】
収率: 0.225 g (92.21 %); 1H NMR (DMSO-d6、 300MHz): ( 12.87 (s、 1H)、 11.63 (s、 1H)、 8.81 (s、 1H)、 8.55 (d、 1H)、 8.42 (d、 1H)、 7.85 (t、 1H)、 7.22 (s、 1H)、 6.47 (s、 1H)、 4.15 (m、 1H)、 3.69 (m、 5H)、 2.92 (s、 3H)、 2.42 (m、 1H)、 2.22 (m、 1H).
MS (ES+): m/z 413 (M+1) (遊離塩基に相当).
【0116】
実施例27:
(+)−トランス3−ブロモ−2−クロロ−ベンゼン酸2−アセチル−6−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−3,5−ジメトキシ−フェニルエーテル
3−ブロモ−クロロ−ベンゼン酸(2.0g、8.53mmol)をオキサリルクロライド(0.99mL、11.3mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(15mL)で溶解された実施例1の化合物(2.0g、5.69mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.586mL、11.3mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
収率: 3.0 g (66.99 %).
【0117】
実施例28:
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、5.54mL、13.10mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(2.764mL、13.10mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例27の化合物(3.0g、5.27mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。の反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し真空下で乾燥して、酢酸3−{3−[3−(3−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(2.44g、4.21mmol)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3で、pH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し、真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0118】
収率: 0.423 g (15.74 %); 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 7.81 (dd、 1H)、 7.62 (dd、 1H)、 7.34 (dd、 1H)、 6.46 (s、 1H)、 6.43 (s、 1H)、 4.27 (m、 1H)、 4.02 (s、 6H)、 3.85 (m、 2H)、 3.74 (m、 2H)、 3.01 (m、 1H)、 2.87 (s、 3H)、 2.48 (m、 1H)、 2.26 (m、 1H); MS(ES+): m/z 509 (M+1).
【0119】
実施例29:
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例28の化合物(0.280g、0.550mmol)、およびピリジン塩酸塩(0.780g、6.74mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10の塩基性にした。その反応混合物をろ過しメタノールで洗浄した。その有機層を濃縮しその残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
収率: 0.125 g (47.34 %); 1H NMR (CD3OD、 300MHz): ( 7.92 (dd、 1H)、 7.67 (dd、 1H)、 7.40 (t、 1H)、 6.32 (s、 1H)、 6.13 (s、 1H)、 3.93 (m、 1H)、 3.74 (dd、 1H)、 3.61 (dd、 1H)、 3.44 (m、 1H)、 3.27 (m、 1H)、 3.07 (m、 1H)、 2.71 (s、 3H)、 2.20 (m、 2H);
MS(ES+): m/z 480.
【0120】
実施例30:
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例29の化合物(0.120g、0.24mmol)をメタノール(2mL)で懸濁させ、エーテル性塩酸で処理し有機溶媒を蒸発させて標題の塩を得た。
収率:0.120(93.02%)
【0121】
実施例31:
(+)−トランス−3−クロロ−ベンゼン酸 2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエーテル
3−クロロベンゼン酸(1.15g、7.39mmol)をチオニルクロライド(0.81mL、10.9mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(15mL)で溶解された実施例1の化合物(2.0g、5.69mmol)の溶液にトリエチルアミン(3.85mL、27.7mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(5.0mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
収率:3.8g(100%)
【0122】
実施例32:
(+)−トランス−2−(3−クロロ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、8.2mL、19.25mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(4.06mL、19.9mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例31の化合物(3.8g、7.75mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、酢酸3−{3−[3−(3−クロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(2.7g)として得て、これを濃いHCl(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し、真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0123】
収率: 0.565 g (16.95 %); 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 8.02 (d、 1H)、 7.82 (d、 1H)、 7.42 (t、 2H)、 6.6 (s、 1H)、 6.42 (s、 1H)、 4.32 (m、 1H)、 3.97 (s、 3H)、 3.95 (s、 3H)、 3.78 (d、 1H)、 3.25 (m、 2H)、 2.75 (m、 2H)、 2.55 (m、 2H)、 2.40 (s、 3H); MS(ES+): m/z 431.1 (M+1).
【0124】
実施例33:
(+)−トランス−2−(3−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例32の化合物(0.565g、1.31mmol)、およびピリジン塩酸塩(1.2g、10.38mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10の塩基性とした。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
収率: 0.150 g (19.96 %) ; 1H NMR (CD3OD、 300MHz): ( 7.83 (d、 1H)、 7.71 (d、 1H)、 7.49 (d、 1H)、 7.43 (t、 1H)、 6.53 (s、 1H)、 6.28 (s、 1H)、 4.31 (m、 1H)、 4.05 (d、 1H)、 3.82 (m、 1H)、 3.31 (m、 2H)、 2.85 (m、 3H)、 2.66 (s、 3H); 2.53 (m、 1H)、
2.01 (m、 1H); MS(ES+): m/z 402.1 (M+1).
【0125】
実施例34:
(+)−トランス−2−(3−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例33の化合物(0.140g、0.349mmol)をメタノール(2mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.100g(65.40%)
【0126】
実施例35:
(+)−トランス−2−クロロ−3−ニトロ−ベンゼン酸2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエーテル
2−クロロ−3−ニトロ−ベンゼン酸(1.5g、7.44mmol)をオキサリルクロライド(0.83mL、9.945mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(15mL)で溶解された実施例1の化合物の溶液にトリエチルアミン(2.80mL、20.19mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(15mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
未精製収率:3.8g.
【0127】
実施例36:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−8−(2−(ヒドロキシメチル)−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、8.2mL、19.25mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(4.02mL、19.25mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例35の化合物(3.8g、7.11mmol)の溶液を滴下した。その添下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、酢酸3−{3−[3−(2−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(2.5g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0128】
収率: 0.90 g (26.59 %) ; 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 7.93 (dd、 1H)、 7.87 (dd、 1H)、 7.54 (t、 1H)、 6.48 (s、 1H)、 6.43(s、 1H)、 4.11 (m、 1H)、 3.978 (s、 3H)、 3.94 (s、 3H)、 3.63 (m、 1H)、 3.29 (m、 2H)、 2.65 (m、 1H)、 2.47 (m、 2H)、 2.29 (s、 3H)、 2.01 (m、 1H); MS (ES+): m/z 475.1 (M+1).
【0129】
実施例37:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例36の化合物(0.900g、1.88mmol)、およびピリジン塩酸塩(0.600g、5.1mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニア、および4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
収率: 0.300 g (35.6 %) ; 1H NMR (DMSO-d6、 300MHz): ( 8.26 (dd、 1H)、 8.07 (dd 1H)、 7.77 (t、 1H)、 6.56 (s、 1H)、 6.11 (s、 1H)、 3.72 (m、 1H)、 3.47 (d、 2H)、 2.86 (m、 2H)、 2.71(m、 1H)、 2.41(s、 3H)、 2.11 (m、 1H); 2.79 (m、 1H);
MS(ES+): m/z 447.1 (M+1); MS(ES-): m/z 445.1 (M-1).
【0130】
実施例38:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例37の化合物(0.250g、0.560mmol)をメタノール(2mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.200g(74.01%)
【0131】
実施例39:
(+)−トランス−2−クロロ−3−トリフルオロメチル−ベンゼン酸2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエステル
2−クロロ−3−トリフルオロメチル−ベンゼン酸(10.0g、44.5mmol)をオキサリルクロライド(4.6mL、50.7mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(60mL)で溶解された実施例1の化合物(13.6g、38.70mmol)の溶液にトリエチルアミン(7.2mL、52.0mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
未精製収率:25.0g.
【0132】
実施例40:
(+)-トランス-2-(2-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェニル)-8-(2-ヒドロキシメチル-1-メチル-ピロリジン-3-イル)-5,7-ジメトキシ-クロメン-4-オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、4.2mL、9.8mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(2.06mL、9.8mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例39の化合物(2.2g、3.9mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、酢酸3−{3−[3−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(2.0g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状 NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮して真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
収率: 0.560 g (28.89 %); 1H NMR (MeOD、 300MHz): ( 8.05 (d、 1H)、 7.99 (d、 1H)、 7.72 (dd、 1H)、 6.74 (s、 1H)、 6.41 (s、 1H) 、 4.04 (s、 3H)、 4.01 (s、 3H)、 3.86 (m、 1H)、 3.53 (m、 2H)、 3.33 (m、 1H)、 2.99 (t、 1H)、 2.75 (t、 1H)、 2.36 (s、 3H)、 2.08 (m、 2H).
【0133】
実施例41:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例40の化合物(0.560g、1.12mmol)、およびピリジン塩酸塩(0.700g、6.05mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過紙、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0134】
収率: 0.100 g (18.96 %); 1H NMR (CD3OD、 300MHz): ( 8.04 (d、 1H)、 7.98 (dd、 1H)、 7.70 (t、 1H)、 6.37 (s 1H)、 6.14 (s、 1H)、 3.93 (m、 1H)、 3.72 (d、 1H)、 3.62 (d、 1H)、 3.33 (m、 1H)、 2.68 (s、 3H)、 2.62 (m、 2H); 2.19 (m、 2H); MS(ES-): m/z 468 (M-1).
【0135】
実施例42:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例41の化合物(0.090g、0.192mmol)をメタノール(1.5mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.085g(87.58%)
【0136】
実施例43:
(+)−トランス−2−クロロ−3−メチル−ベンゼン酸2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエステル
2−クロロ−3−メチル−ベンゼン酸(1.42g、8.3mmol)をオキサリルクロライド(0.893mL、10.0mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(15mL)で溶解された実施例1の化合物(2.26g、6.4mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.37mL、9.6mmol)を添加した。ここに乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
未精製収率:3.0g
【0137】
実施例44:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
NaH(0.840g、29.7mmol)を乾燥DMF(15mL)で懸濁し、15mLの乾燥DMFで溶解された実施例43の化合物(3.0g、5.95mmol)の溶液を滴下した。その反応物を室温で窒素雰囲気下で2時間撹拌した。その反応混合物をメタノール(1.0mL)で冷却した。ここに塩化アンモニウム溶液を添加した後、DCM(3×20mL)で抽出し、溶媒を減圧下で除去して、酢酸3−{3−[3−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(2.5g、5.6mmol)として得て、これを濃塩酸(15mL)で溶解させ、3時間撹拌して、環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(20×3mL)で抽出し、水(20mL)および塩水(2mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0138】
収率: 1.5 g (56.9 %); 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 7.37 (dd、 1H)、 7.24 (t、 1H)、 6.39 (s、 1H)、 6.10 (s、 2H)、 3.92 (s、 3H)、 3.84 (m、 1H)、 3.76 (s、 6H)、 3.55 (d、 1H)、 3.33 (m、 1H)、 3.19 (m、 1H)、 2.69 (m、 1H)、 2.58 (m、 2H) 、 2.37 (s、 3H)、 2.20 (m、 1H); MS(ES+): m/z 444.2 (M+1).
【0139】
実施例45:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例44の化合物(1.0g、2.25mmol)およびピリジン塩酸塩(3.0g、25.95mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0140】
収率: 0.300 g (32.12 %) ; 1H NMR (DMSO-d6 300MHz): ( 7.58 (d、 1H)、 7.56 (d 1H)、 7.41 (t、 1H)、 6.41 (s、 1H)、 6.13 (s、 1H) 、 3.71 (m、 1H)、 3.40 (m、 2H)、 2.79 (m、 2H)、 2.40 (m、 1H)、 2.41 (s、 3H)、 2.39 (m、 3H)、 2.10 (m、 1H)、 1.78 (m、 1H); MS(ES+): m/z 416 (M+1).
【0141】
実施例46:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例45の化合物(0.300g、0.72mmol)をメタノール(1.5mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.250g(76.9%)
【0142】
実施例47:
(+)−トランス−2−クロロ−3−ピロリジン−1−イル−ベンゼン酸2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエステル
2−クロロ−3−ピロリジン−1−イル−ベンゼン酸(1.6g、7.15mmol)をチオニルクロライド(0.79mL、10.7mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(15mL)で溶解された実施例1の化合物(2.0g、5.69mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.13mL、8.5mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
収率:3.5g(84.87%)
【0143】
実施例48:
(+)−トランス−(2−クロロ−3−ピロリジン−1−イル−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、6.85mL、15.6mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(3.36mL、15.6mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例47の化合物(3.5g、6.4mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、酢酸3−{3−[3−(2−クロロ−3−ピロリジン−1−イル−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(4.0g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0144】
収率: 0.650 g (22.96 %); 1H NMR (CDCl3、 300MHz): 7.23 (d、 1H)、 7.03 (dd、 2H)、 6.46 (s、 1H)、 6.36 (s、 1H)、 4.02 (s、 3H)、 3.97 (s、 3H)、 3.91 (dd、 2H)、 3.8 (dd、 2H)、 3.63 (m、 1H)、 3.40 (m、 4H)、 3.05 (dd、 2H)、 2.82 (m、 1H)、 2.62 (dd、 1H)、 2.46 (m、 2H)、 2.24 (s、 3H)、 1.96 (m、 1H); MS(ES+): m/z 499.2 (M+1).
【0145】
実施例49:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ピロリジン−1−イル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例48の化合物(0.650g、1.30mmol)、およびピリジン塩酸塩(1.5g、12.90mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して、黄色固体として標題の化合物を得た。
【0146】
収率: 0.075 g (12.0 %); 1H NMR (CD3OD、 300MHz): ( 7.32 (d、 1H)、 7.10 (d、 1H)、 7.09 (d、 1H)、 6.98 (s、 1H)、 6.62 (s、 1H)、 4.97 (m、 1H)、 4.25 (m、 1H)、 3.90 (t、 2H)、 3.34 (s、 2H)、 2.90 (m、 2H)、 2.50 (s、 3H)、 2.10 (s、 4H)、 1.33 (s、 4H);
MS(ES+): m/z 471.2 (M+1).
【0147】
実施例50:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ピロリジン−1−イル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例49の化合物(0.075g、0.159mmol)をメタノール(1mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.070g(86.92%)
【0148】
実施例51:
(+)−トランス−3−ブロモ−ベンゼン酸 2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエステル
3−ブロモベンゼン酸(1.37g、6.8mmol)をオキサリルクロライド(0.76mL、8.8mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(20mL)で溶解された実施例1の化合物(2.0g、5.69mmol)の溶液にトリエチルアミン(4.04mL、28mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
未精製収率:4.6g
【0149】
実施例52:
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、9.18mL、21.5mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(4.51mL、21.4mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例51の化合物(4.6g、8.6mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して酢酸3−{3−[3−(3−ブロモ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(5.0g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し、真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0150】
収率: 1.4 g (35.3 %); 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 9.21 (d、 1H)、 8.90 (d、 1H)、 8.70 (d、 1H)、 8.48 (t、 1H)、 7.72 (s、 1H)、 7.53 (s、 1H ) 5.65 (m、 1H)、 4.14 (s、 3H)、 4.09 (s、 3H)、 4.69 (m、 2H)、 4.33 (m、 2H)、 4.18 (m、 2H)、 3.88 (s、 3H)、 3.36 (m、 2H);
MS(ES+): m/z 474.0 (M+1).
【0151】
実施例53:
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジヒドロキシ−クロメン−4−オン
実施例52の化合物(1.40g、3.04mmol)およびピリジン塩酸塩(2.0g、17.30mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0152】
収率: 0.540 g (39.4 %); 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 8.04 (t、 1H)、 7.78 (d、 1H)、 7.65 (d、 1H)、 7.39 (、m、 1H)、 6.56 (s、 1H)、 6.30(s、 1H)、 4.32 (dd、 1H)、 4.03 (dd、 1H)、 3.84 (dd、 1H)、 3.32 (m、 2H)、 2.91 (m、 1H)、 2.68 (s、 3H)、 2.55 (m、 2H)、 MS(ES+): m/z 447.68 (M+1).
【0153】
実施例54:
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジヒドロキシ−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例53の化合物(0.540g、1.2099mmol)をメタノール(2mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.500g(85.64%)
【0154】
実施例55:
(+)−トランス−2,3−ジクロロ−ベンゼン酸 2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル) −6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエステル
2,3−ジクロロベンゼン酸(1.3g、6.82mmol)をオキサリルクロライド(0.76mL、8.87mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(20mL)で溶解された実施例1の化合物(2.0g、5.69mmol)の溶液にトリエチルアミン(4.04mL、28mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
未精製収率:4.35g
【0155】
実施例56:
(+)−トランス−2−(2、3−ジクロロ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、8.15mL、19.1mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(4.0mL、19.1mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここで温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例55の化合物(4.35g、8.29mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して酢酸3−{3−[3−(2,3−ジクロロ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(4.5g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し、真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0156】
収率: 0.670 (25.47 %) ; 1H NMR (CD3OD、 300MHz): ( 8.77 (d、 1H)、 8.66 (d、 1H)、 8.55 (t、 1H)、 7.51 (s、 1H)、 7.56 (s、 1H)、 5.37 (m、 2H)、 5.13 (s、 3H)、 5.11 (s、 3H)、 4.95 (m、 1H)、 4.83 (dd、 3H)、 4.70 (m、 2H)、 3.37 (d、 1H)、 3.84 (s、 3H)、 3.47 (m、 2H); MS(ES+): m/z 464.1 (M+1) .
【0157】
実施例57:
(+)−トランス−2−(2,3−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例56の化合物(0.670g、1.44mmol)およびピリジン塩酸塩(2.0g、17.30mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0158】
収率: 0.310 g (49.34 %); 1H NMR (DMSO-d6、 300MHz): ( 77.78 (d、 1H)、 7.71(d、 1H)、 7.49 (m、 1H)、 6.52 (s、 1H)、 6.38 (s、 1H)、 4.21 (m、 1H)、 3.87 (m、 2H)、 3.68 (m、 1H)、 3.60 (dd、 1H)、 3.37 (m、 1H)、 2.97 (s、 3H)、 2.51 (m、 1H)、 2.27 (m、 1H);
MS(ES-): m/z 434.1 (M -1).
【0159】
実施例58:
(+)−トランス−2−(2,3−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例57の化合物(0.310g、0.174mmol)をメタノール(1.5mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.300g(89.11%)
【0160】
実施例59:
(+)−トランス−2−クロロ−3−アイオド−ベンゼン酸 2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエーテル
2−クロロ−3−ヨウ化−ベンゼン酸(1.92g、6.8mmol)をオキサリルクロライド(0.76mL、8.8mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(20mL)で溶解された実施例1の化合物(2.0g、5.69mmol)の溶液にトリエチルアミン(4.04mL、28mmol)を添加した。ここで乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
未精製収率:5.2g
【0161】
実施例60:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−アイオド−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、9.01mL、21.0mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(4.44mL、21.0mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例59の化合物(5.2g、8.4mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、酢酸3−{3−[3−(2−クロロ−3−ヨウ化−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(4.8g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し、真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
収率: 0.430 g (9.15 %) ; 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 8.04 (d、 1H)、 7.63 (d、 1H)、 7.14 (t、 1H)、 6.40 (s、 1H)、 6.47 (s、 1H)、 4.19 (m、 1H)、 4.02 (s、 3H)、 4.01 (s、 3H)、 3.89 (d、 1H)、 3.50 (m、 2H)、 2.95 (m、 2H)、 2.56 (s、 3H)、 2.25 (m、 2H).
【0162】
実施例61:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例60の化合物(0.430g、0.77mmol)およびピリジン塩酸塩(2.0g、17.30mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液でクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0163】
収率: 0.120 g (29.4 %); 1H NMR (CD3OD、 300MHz): ( 8.15 (d、 1H)、 7.68 (d、 1H)、 7.23 (t、 1H)、 6.30 (s、 1H)、 6.15 (s、 1H)、 3.94 (m、 1H)、 3.78 (d、 2H)、 3.41 (m、 2H)、 3.05 (m、 1H)、 2.71 (s、 3H)、 2.20 (m、 2H); MS(ES+): m/z 528.0 (M+1); MS(ES-): m/z 526.02 (M-1).
【0164】
実施例62:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例61の化合物(0.120g、0.227mmol)をメタノール(1mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.115g(89.90%)
【0165】
実施例63:
(+)−トランス−2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−ベンゼン酸2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエステル
2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−ベンゼン酸(1.8g、8.19mmol)をオキサリルクロライド(0.80mL、9.0mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(20mL)で溶解された実施例1の化合物(2.4g、6.8mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.87mL、18.5mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
未精製収率:3.0g
【0166】
実施例64:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃に維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)に溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、5.85mL、13.7mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(2.87mL、13.7mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここで温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例63の化合物(3.0g、5.4mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温に加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、酢酸3−{3−[3−(2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(3.0g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し、真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0167】
収率: 1.0 g (37.5 %); 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 7.50 (d、 1H)、 7.67 (d、 1H)、 6.40 (s、 1H)、 6.10 (s、 1H)、 5.95 (s、 1H)、 3.94 (m、 1H)、 3.87 (s、 3H)、 3.89 (s、 3H)、 3.56 (m、 2H)、 3.43 (m、 1H)、 3.23 (m、 2H)、 2.75 (m、 2H)、 2.57 (s、 3H); 2.46 (s、 3H)、 2.44 (s、 3H); MS(ES+): m/z 487.2 (M+1).
【0168】
実施例65:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例64の化合物(0.900g、1.98mmol)およびピリジン塩酸塩(2.0g、17.30mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0169】
収率: 0.070 g (8.08 %); 1H NMR (CD3OD、 300MHz): ( 7.73 (d、 1H)、 7.05 (d、 1H)、 6.91 (d、 1H)、 6.58 (s、 1H)、 6.37 (s、 1H)、 7.72 (d、 1H)、 7.05 (d、 1H)、 6.93 (d、 1H)、 6.58 (s、 1H)、 6.37 (s、 1H)、 4.39 (m、 1H)、 4.15 (m、1H)、 3.98 (m、1H)、 3.58 (m、 1H)、 2.65 (m、 2H)、 3.50 (m、 2H)、 2.37 (m、 1H)、 3.03 (s、 3H)、 1.30-1.28 (d、 6H);
MS(ES+): m/z 459.2 (M+1); MS(ES-): m/z 457.2 ( M-1).
【0170】
実施例66:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例65の化合物(0.070g、0.153mmol)をメタノール(1mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて標題の化合物である塩酸塩を得た。
収率:0.065g(85.91%)
【0171】
実施例67:
(+)−トランス−3−ヨウ化−ベンゼン酸 2−(2−アセトキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−6−アセチル−3,5−ジメトキシ−フェニルエステル
3−ヨウ化−ベンゼン酸(1.83g、7.37mmol)をオキサリルクロライド(0.98mL、11.06mmol)を用いてその酸塩化物に転換した。乾燥DCM(20mL)で溶解された実施例1の化合物(2.0g、5.69mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.52mL、11.06mmol)を添加した。ここに、乾燥DCM(10mL)で溶解された前記酸塩化物の溶液を滴下し、その反応物を25℃で2時間撹拌した。その反応混合物を粉砕した氷上に注ぎ、飽和炭酸ナトリウム溶液(pH10)で塩基性化し、クロロホルム(3×200mL)で抽出し、減圧下で溶媒を除去して標題の化合物を粘着性オイルとして得た。
未精製収率:4.6g
【0172】
実施例68:
(+)−トランス−2−(3−アイオド−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−クロメン−4−オン
0℃維持された窒素雰囲気下、THF(30mL)で溶解されたn−BuLi(ヘキサンで15%溶液、8.4mL、19.77mmol)の溶液にヘキサメチルジシラザン(4.14mL、19.77mmol)を滴下し、15分間撹拌した。ここに、温度を0℃に維持しつつTHF(30mL)で溶解された実施例67の化合物(4.6g、7.9mmol)の溶液を滴下した。その滴下後、反応物を室温で加温し、2.5時間撹拌した。その反応混合物を希塩酸で酸性化し、10%重炭酸ナトリウムでpH8〜9に塩基性化した。水性層をクロロホルム(3×75mL)で抽出した。有機層を水(50mL)、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。その有機層を減圧下で濃縮し、真空下で乾燥して、酢酸3−{3−[3−(3−ヨウ化フェニル)−3−オキソ−プロピオニル]−2−ヒドロキシ−4,6−ジメトキシ−フェニル}−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチルエステルをオイル(5.0g)として得て、これを濃塩酸(60mL)で溶解させ、3時間撹拌して環化を達成した。3時間後、その反応混合物を固体状NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。その水性層をクロロホルム(50×3mL)で抽出し、水(25mL)および塩水(25mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4上で乾燥し、減圧下で濃縮し、真空乾燥した。その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された3%メタノールおよび0.01%アンモニアを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0173】
収率: 0.6 g (14.5 %) ; 1H NMR (CDCl3、 300MHz): ( 8.39 (d、 1H)、 7.97 (d、 1H)、 7.85 (d、 1H)、 7.25 (t、 1H)、 6.65 (d、 1H)、 6.48 (s、 1H)、 4.46 (m、 1H)、 4.10 (s、 3H)、 4.07 (s、 3H)、 3.94 (d、 1H)、 3.47 (m、 2H)、 2.95 (m、 2H)、 2.60 (s、 3H)、 2.23 (m、 2H).
【0174】
実施例69:
(+)−トランス−2−(3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン
実施例68の化合物(0.4g、0.70mmol)およびピリジン塩酸塩(0.327g、2.83mmol)の混合物を180℃で2.5時間加熱した。その反応混合物をメタノール(60mL)で希釈し、固体状Na2CO3を用いてpH10に塩基性化した。その反応混合物をろ過し、メタノールで洗浄した。その有機層を濃縮し、その残留物を溶離液としてクロロホルムで溶解された0.01%アンモニアおよび4.5%メタノールを用いてカラムクロマトグラフィーにより精製して標題の化合物を得た。
【0175】
収率: 0.15 g (42.97 %); 1H NMR (CD3OD、 300MHz): ( 8.38 (d、 1H)、 8.02 (d、 1H)、 7.94 (d、 1H)、 733 (t、 1H)、 6.65 (s、 1H)、 6.15 (s、 1H)、 4.25 (m、 1H)、 3.75 (d、 2H)、 3.42 (m、 2H)、 3.33 (m、 1H)、 2.80 (s、 3H)、 2.35 (m、 2H); MS(ES+): m/z 494.21 (M+1).
【0176】
実施例70:
(+)−トランス−2−(3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩
実施例69の化合物(0.050g、0.101mmol)をメタノール(1mL)で懸濁し、エーテル性HClで処理し、有機溶媒を蒸発させて、標題の塩を得た。
収率:0.045g(84.14%)
【0177】
化合物の生物学的スクリーニング
腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α、およびインターロイキン(IL−1β、IL−6、IL−8)を含む炎症性サイトカインを抑制し、および/または細胞間付着分子1(ICAM−1)、血管細胞付着分子1(VCAM−1)、およびE−セレクチンを含む細胞付着分子の発現を抑制することによる、化学式1の化合物の効能を、当業界において知られている多数の薬物学的分析法により確認した。下記の例示の薬物学的分析法は化学式1の化合物および/またはその塩を用いて行った。
【0178】
分析法:
実施例71:
TNF−α、IL−1β、IL−6、およびIL−8の抑制剤を確認するための試験管内スクリーニング
hPBMCs(人間末梢血液単核細胞)におけるリポ多糖(LPS)によるサイトカイン生成は、文献[Physiol. Res. 2003、 52、 593-598] に記載のように測定された。この言およにより、分析の教示について、前記文献の内容を本文に組み込まれるものとする。
【0179】
元気な提供者からカリウムEDTA真空採血チューブ(BD vacutainer)内へ血液を採取した。 PBMCをHistopaque−1077溶液(Sigma)で勾配遠心分離によって分離した。分離したPBMCは、10%胎仔血清(FBS)(JRH, USA)、100U/mLペニシリン(Sigma Chemical Co. St Louis, MO, USA)、および100μg/mLストレプトマイシン(Sigma Chemical Co. St Louis, MO)を含むRPMI1640(Rosewell Park Memorial Institute)培地(Sigma-Aldrich Fine Chemicals,USA)で懸濁した。細胞濃度は1×106cells/mLに調節した。細胞生存率はトリパンブルー染料排除法(trypan blue dye exclusion)で測定の際、Ly>98%で均一であった。その細胞懸濁液(100μL)を96−ウェル培養プレートのウェルに添加した。細胞の塗抹後、79μLの培地、およびDMSO(ジメチルスルホキシド、Sigma, MO, USA)で溶解された1μLの様々な濃度の試験化合物(化学式1の化合物)(最終濃度0.001、0.003、0.005、0.01、0.025、0.03、0.05、0.1、0.25、0.3、および1μM)を細胞に添加した。DMSOの最終濃度は0.5%に調節した。溶媒(0.5%DMSO)を対照区として使用した。PDE4−選択的抑制剤であるRolipram(300μM)(Piramal Life Sciences Limited (PLSL)の Medicinal Chemistry Departmentで合成される)を基準TNF−α抑制剤として使用し、SB203580(p38ミトゲン−活性化タンパク質(MAP)キナーゼの抑制剤)(10μM)(Sigma)をIL−1β(インターロイキン−1ベータ)、IL−6(インターロイキン−6)およびIL−8(インターロイキン−8)の抑制のための基準物として使用した。そのプレートを5%CO2の雰囲気下で、37℃で30分間、培養した。最後にウェル当り20μL(10μg/mL)のLPS(Escherchia coli 0127:B8, Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を培養されたプレートのウェルに1μg/mLの最終濃度で添加した。そのプレートを5%CO2の雰囲気で、37℃で5時間、培養した。化学式1の化合物の細胞毒性効果を評価するため、MTS(3−(4、5−ジメチルチアゾル−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホニル)−2H−テトラゾリウム)試薬を用いて5時間の培養後、細胞生存率試験を行った。上澄み液を収集し、製造会社(OptiEIA ELISA sets、 BD Biosciences、 Pharmingen)の説明通りにELISAにより、TNF−α、IL−1β、IL−6、およびIL−8を分析した。50%抑制濃度(IC50)値をGraphPadソフトウェア(Prism3.03)を用いて非線形回帰法で計算した。
【0180】
下記の表1および1Аは前記実験の結果を示す。
【0181】
【表1】

【0182】
【表2】

【0183】
前記データに基づき、化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物はLPSにより促進され、新たに分離した人間末梢血液単核細胞による炎症誘発サイトカイン(TNF−α、IL−1β、IL−6、およびIL−8)の発現を効果的に抑制していることが分かる。
【0184】
実施例72:
TNF−α放出の抑制剤を確認するための試験管内方法
滑液組織構成
膝交替手術を受けたリウマチ性関節炎患者から得た滑液細胞で、サイトカイン生成をその開示が本文で参照として含まれる文献[Lancet, 1989, 29, 244-247]に記載された方法で測定した。
【0185】
滑液膜組織をペニシリン−G(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、アムポテリシンB(50ng/mL)(GIBCO)、1.33mg/mLコラゲナーゼタイプI(Worthington Biochemical Corporation、 New Jersey、USA)、0.5μg/mLDNAseタイプI(SIGMA)、および8.33U/mLヘパリン(Biological E. Limited、 India)を含むRoswell Park Memorial Institute (RPMI)培地で5%CO2の雰囲気で37℃で3時間、分解した。次に分解された組織を膜(メッシュサイズ:70ミクロン)(SIGMA)を通じてろ過し、その細胞を3回洗浄し、完全培地(5%FCSおよび5%人間血清が添加されたRPMI)で懸濁した。細胞濃度は1×106cells/mLで調節した。トリパンブルー染料排除法で測定した細胞生存率はLy>98%で、均一であった。その細胞懸濁液(100μL)を96−ウェル培養プレートのウェルに添加した。細胞塗抹後、100μLの培地、およびDMSO(ジメチルスルホキシド、Sigma、MO、USA)で溶解された1μLの様々な濃度の実施例3の化合物(最終濃度:0.001、0.003、0.01、0.03、0.1、0.3、1、および3μM)を細胞に添加した。DMSOの最終濃度は0.5 %に調節した。溶媒(0.5%DMSO)を対照区として使用した。SB 203580(20μM)を基準物として使用した。そのプレートを5%CO2雰囲気で、37℃で16時間、培養した。その培養プレートを遠心分離(2,500rpm、10分)し、その上澄み液を収集し、−70℃で保存した。その上澄み液において、TNF−α、インタルキン−1β(IL−1β)、インターロイキン−6(IL−6)、およびインターロイキン−8(IL−8)の量を製造会社(OptiEIA ELISA sets, BD BioSciences Pharmingen)が推薦したELISAプロトコルを用いて分析した。50%抑制濃度(IC50)値をGraphPadソフトウェア(Prism3.03)を用いて非線形回帰法で計算した。
【0186】
下記表2は前記実験の結果を示す。
【0187】
【表3】

【0188】
前記のデータに基づいて、化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物は新たに分離した滑液細胞で炎症誘発サイトカイン(TNF−α、IL−6、およびIL−8)の発現を抑制していることが分かる。
【0189】
実施例73:
付着分子発現の抑制剤を確認するための試験管内スクリーニング
その開示が、本文に参照として含まれる文献[Transplantation, 1997, 63(5), 759-764]に記載されているように分析法をデザインした。
【0190】
人間臍帶静脈内皮細胞(HUVECs)をCascade Biologics (Oregon-USA)から得た。細胞を低血清成長補足物(LSGS)(Cascade Biologics)、ペニシリン−G(100U/mL)、ストレプトマイシン(100μg/mL)、およびアムポテリシンB(50ng/mL)(GIBCO)が添加されたM−200培地(Cascade Biologics)で培養した。96−ウェルのフィブロネクチンがコートされたプレートで合流(confluent)HUVECsをDMSO(ジメチルスルホキシド、Sigma、MO、USA)で溶解された様々な濃度の化学式3の化合物(最終濃度:0.003、0.005、0.01、0.025、0.05、0.1、0.3、および1μM)で前処理した。DMSOの最終濃度は0.5%に調節した。溶媒(0.5%DMSO)を対照区として使用した。BAY11−7082(サイトカインにより誘発されたIκB−αリン酸化の抑制剤)(0.5および1μM)(Calbiochem)を内皮細胞付着分子(ECAMs)発現の基準抑制剤として使用した。そのプレートを5%CO2の雰囲気で37℃で培養した。5%CO2雰囲気で37℃で4時間、TNF−α刺激(1ng/mL)(R&D Systems (Minneapolis, MN))後、上澄み液を収集し、ICAM−1(細胞間細胞付着分子)の発現に対して分析し、6時間の刺激後、VCAM−1(血管細胞付着分子)、およびE−セレクチンの発現を評価した。化合物の細胞毒性効果を評価するため、MTS(3−(4、5−ジメチルチアゾル−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホニル)−2H−テトラゾリウム)試薬を用いて細胞生存率試験を行った。ICAM−1、VCAM−1、およびE−セレクチンの細胞表面発現の量を定量的に測定するため、R&D Systems(Minneapolis, MN, USA)から購入した抗−ICAM−1(クローンBBIG−I1)、抗−VCAM−1(クローンBBIG−V1)、抗−E−セレクチン(クローンBBIG−E4)抗体、イソタイプ対照区マウスIgG1(クローン11711.11)、および2次抗体(抗−マウスIgG−HRP抗体)を用いてELISA分析を行った。50%抑制濃度(IC50)値をGraphPadソフトウェア(Prism3.03)を用いて非線形回帰法で計算した。
【0191】
本研究の結果は下記表3で示す。
【0192】
【表4】

【0193】
前記表3で示した結果によると、化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物はTNF−αにより促進されたHUVEC(n=2)において、内皮細胞付着分子であるICAM−1、VCAM−1、およびE−セレクチンの発現を効果的に抑制していることが分かる。
【0194】
実施例74:
p38MAPキナーゼ抑制、およびIκBα分解に対する試験管内スクリーニング
p38ミトゲン−活性化タンパク質(MAP)キナ−ゼの抑制剤を確認するための方法をその開示が本文で参照として含まれる文献[Journal of Lipid Research, 1999, 40, 1911-1919]に記載されているようにデザインした。
【0195】
IκBα分解のための方法をその開示内容が本文で参照として含まれる文献[The Journal of Immunology, 1999, 103, 6800-6809]に記載されているようにデザインした。
【0196】
物質
American Type Culture Collection(ATCC)から得た人間 JurkatT−細胞を95%空気−5%CO2の湿気のある雰囲気で、37℃で10%胎仔血清(FBS)、ペニシリン(100U/mL)、およびストレプトマイシン(100μg/mL)が添加されたRosewell Park Memorial Institute (RPMI)培地で培養した。 培地は2−3日毎に交換し、収獲前の24時間にいつも交換した。RPMI培地、FBS、CellLytic、抗−β−アクチン、オルトバナジン酸ナトリウム、およびアニソマイシンはSigma-Aldrich(USA)から購入した。TNF−αはR&D Systems(USA)から購入した。完全プロテアーゼ抑制剤カクテルはRocheから購入した。
【0197】
方法
ウエスタンブロット法のための細胞質抽出物の製造
Jurkat細胞を37℃、CO2培養器で、1時間、溶媒または実施例3の化合物とともに前培養した。MAPK実験のため、その細胞をアニソマイシン(10μg/mL)で30分間刺激した。SB 203580を基準物(1μM)として使用した。IκBαおよびIκBα(ホスホ)の分解に対する研究のため、細胞を0.1nMTNF−αとし、0、5、15、30、60、および90分間刺激した。その細胞を収穫し、氷冷却されたPBSで速かに洗浄し、完全プロテアーゼ抑制剤、およびオルトバナジン酸ナトリウムが添加された冷たい細胞破砕性緩衝液で破砕した。15,000rpmで4℃(20分)で遠心分離後、タンパク質抽出物を得た。得られる抽出物の一定分量のタンパク質含量をCoomassiePlusProteinAssayReagent(Pierce)を用いて製造会社の指針に従い分析した。
【0198】
ウエスタンブロット法
一次抗体は下記の通りであった。
【0199】
p38MAPK、ホスホ−p38MAPK、IκBα、およびホスホ−IκBαはCalbiochem (USA)から購入した。 抗−β−アクチンはSigma(USA)から購入した。
【0200】
全ての実験において、同一量のタンパク質(10μg)をSDS/12.5%−ポリアクリルアミド電気泳動ゲル上にロードし、緩衝液(24.9mMTris塩基、250mMグリシン、0.1%SDS(硫酸ドデシルナトリウム))で、2時間、150Vで分解した。電気泳動後、タンパク質を伝達緩衝液(47.9mMTris塩基、38.6mMグリシン、0.037%SDS、20%メタノール;pH9.2−9.4)で、25Vで40分間、ゲルからニトロセルローズ膜(Sigma-Aldrich)に伝達した。ブロットを室温で1時間15分、5%乾燥脱脂乳(Santa Cruz Biotechnology)を含むTris−緩衝液(TBS)(20mMTris塩基、0.9%NaCl;pH7.4)でブロッキングし、TBS(Pierce)でSuperBlockブロッキング緩衝液で製造した一次抗体とともに4℃で、一晩中、培養した。膜を洗浄した後、西洋わさびペルオキシダーゼ-(HRP)結合二次抗体を用いて検査した。化学発光ペルオキシダーゼ気質(Sigma-Aldrich) および、Kodakイメージングステーションを用いてバンドを視覚化した。ブロットをストリピング緩衝液(50mMTris−HClpH6.8、1%SDS、および100mMβ−メルカプトエタノール)を用いて50℃で20分間、ストリピングし、洗浄し、ロード対照区として、ハウスキーピングタンパク質であるβ−アクチンに対する一次抗体を用いて再度検査した。
【0201】
本研究の結果は図1に示されている。
【0202】
前記実験の結果に基づいて、化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物はTNFαにより誘発されたIkBαリン酸化および分解を抑制するが、p38MAPキナーゼの抑制剤ではないことが分かる。
【0203】
実施例75
試験管内スクリーニング: PDE4抑制
American Type Culture Collectionから得た人間組織構成リンパ種(U937)細胞を95%空気−5%CO2の湿気のある雰囲気で、37℃で10%熱不活性化牛胎児血清(FBS)、ペニシリン(100U/mL)、およびストレプトマイシン(100μg/mL)が添加された Roswell Park Memorial Institute 1640培地(RPMI、Gibco BRL、UK)で、プラスチックフラスコで成長させた。培地は2−3日毎に交換しており、収獲前24時間にいつも交換した。RPMI培地、FBS、およびSalbutamolはSigma-Aldrich(USA)から購入した。RolipramはPiramal Life Sciences Limitedの Medicinal Chemistry Departmentで合成した。
【0204】
方法
全ての実験において、培地は遠心分離(216×g、5分)で除去しており、細胞は下記組成のKrebs−Ringer−Henseleit 緩衝液で懸濁した(ミリモル):塩化ナトリウム(NaCl)、118;塩化カリウム(KCl)、4.6;重炭酸ナトリウム(NaHCO3)、24.9;リン酸二水素カリウム(KH2PO4)、1;D−グルコース、11.1;塩化ナトリウム(CaCl2)、1;塩化マグネシウム(MgCl2)、1.1;4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸、5;(pH7.4).PDE4活性を誘導するため、細胞(1.02×106細胞/mL)の490μL一定分量を95%空気−5%CO2の湿気のある雰囲気で、37℃で15分間、溶媒または様々な濃度の実施例3の化合物(1、3、および10μM)と共に前培養した後、サルブタモール(salbutamol)(1μM)を用いて7分間刺激した。ロリプラム(Rolipram)を基準物として使用した(0.3、1、および3μM)。サルブタモールを脱イオン水で溶解し、実施例3の化合物およびロリプラムをジメチルスルホキシド(DMSO)で溶解し、分析の際、DMSOの最終濃度は0.5%を超えないようにした。cAMP分析を96−ウェルの黒いフラット底プレートでBridge−ItcAMPDesignerFluorescenceAssay(Mediomics LLC、 USA)を用いて製造社の指針に従い行った。PolarstarOptima(BMG Labtech-Germany)を用いて蛍光測定値を得た。
データ分析
下記の式を用いて相手蛍光を計算した:
RF=相手蛍光、
o=ブランクまたは緩衝対照区の蛍光強度、
F=cAMPまたは試料の蛍光:
RF=(Fo−F)/Fo
下記表4で示しているようにデータをRF値に転換した。標準曲線は所定の基準物のRF値を用いて作成し、試験化合物に該当するcAMPの値を標準曲線を用いて測定した。
【0205】
【表5】

【0206】
前記表4で示している結果から、化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物は、PDE4抑制剤ではないということが分かる。
【0207】
実施例76:
滑液単核細胞(SFMC)でアポトーシスの誘導
分析法はその開示内容が、本文に参照として含まれる文献[Arthritis and Rheumatism, Vol. 52, No. 1, January 2005]のようにデザインした。
【0208】
膝関節呼吸を受けているリウマチ性関節炎患者から滑液を採取した。その滑液は真空採取容器で採取し、採取2時間内に処理した。Ficoll−Hypaque溶液(Sigma)を用いた勾配遠心分離によりSFMCを分離した。分離したSFMCを20%胎仔血清(FBS)(JRH、USA)、100U/mlペニシリン(Sigma Chemical Co. St Louis, MO)、および100μg/mLストレプトマイシン(Sigma Chemical Co. St Louis, MO)を含むRPMI1640(Rosewell Park Memorial Institute)培地(Sigma-Aldrich Fine Chemicals, USA)で懸濁した。細胞濃度は1×106細胞/mLに調節した。トリパンブルー染料排除法で測定した細胞生存率は>98%に均一に維持された。4mLの前記細胞懸濁液を6−ウェルプレートのそれぞれのウェルに添加した。SFMCを3〜4時間、培養した。非付着性細胞を除去し、6−ウェルプレートで別に培養した。新規の培地を付着性細胞に添加した。5%CO2で、37℃の湿気のある雰囲気で、24時間培養後、非付着性細胞を除去し、以前の細胞とともにプールした。これらの細胞をウェル当り2×106個細胞の密度で塗抹した。付着性細胞集団に新規の完全培地を再度供給した。細胞塗抹後、付着性および非付着性細胞集団をDMSO(ジメチルスルホキシド、Sigma、MO、USA)で溶解された5μMおよび10μMの実施例3の化合物で処理した。DMSOの最終濃度は0.5%に調節した。そのプレートを5%CO2の湿気のある雰囲気で37℃で24時間培養した。このように処理された細胞を収穫し、Annexin−V/ヨウ化プロピジウム(AV/PI)で染色して、アポトーシスの誘発可否を確認した。
【0209】
細胞の収獲および染色
細胞を15mLチューブで収集した。付着性細胞を柔らかく掻いて除去した。PBSで洗浄後、その細胞ペレットを1X結合緩衝液(BD Pharmingen Cat#51-66121E)で再度懸濁した。細胞数を1×106細胞/mLに調節した。100μLのこのような細胞懸濁液をFACSチューブに移した。5μLのAnnexin−Vを添加した後、5μLの50μg/mLヨウ化プロピジウムを添加した。このような懸濁液を雌牛で15〜20分間培養した。結合緩衝液を用いて体積を400μLに合わせた。 フローサイトメータを用いて収穫した。
【0210】
本研究の結果は図2Аおよび図2Bに示されている。
結論:
実施例3の化合物はリウマチ性関節炎患者から獲得した滑液から分離した単核細胞の付着性および非付着性細胞集団のいずれもアポトーシスを誘導する。
【0211】
実施例77:
抗関節炎活性:
化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物の抗関節炎活性を2つの相違する方法を用いて生体内で評価した。
【0212】
1.Balb/cマウスにおいて、LPSにより誘発されたTNF−α放出
2.マウスにおいて、コラーゲンにより誘発された関節炎
А)Balb/cマウスにおいて、LPSにより誘発されたTNF−α放出
分析法をその開示内容が本文に参照として含まれる文献[J. Med. Bio. Res., 1997, 30, 1199-1207] のようにデザインした。
【0213】
実験計画:
体重が18〜22gである雄雌のBalb/cマウス(Indiaの Hyderabadの National Institute of Nutritionから最初入手)に実施例3の化合物を12.5、50、75、および100mg/kgの投与量で経口投与した。全ての懸濁液は0.5%CMC新たに製造した。1時間後、滅菌した発熱物質のない塩水で溶解されたLPS(1mg/kg)(Escherchia coli, serotype 0127:B8, Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)を対照群、基準物質処理群 (Rolipram, 30 mg/kg, p.o.)、および試験群(実施例3の化合物)に腹膜内投与し、陰性対照群には正常塩水を投与した。
【0214】
LPS注射後、1.5時間後、抗凝固剤(25IU/試料)としてヘパリンを用いて痲酔されたマウスから血液試料を採取した。ついで、これらの試料を10000rpmで10分間、遠心分離し、 血しょう試料を製造社(OptiEIA ELISA sets, BD BioSciences Pharmingen)が説明したようにELISAにより、TNF−αの水準に対して分析した。
【0215】
TNF−α放出の抑制%は処理群のTNF−α水準を対照群の水準と比較して計算した。
【0216】
本研究の結果は下記表5に示す。
【0217】
【表6】

【0218】
前記表5から、化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物はBalb/cマウスにおいて、LPSにより誘発されたTNF−α放出を投与量依存的に抑制するということが分かる。
B) マウスにおいて、コラーゲンにより誘発された関節炎
分析法をその開示内容が本文で参照として含まれる文献[J. Exp. Med., 1985, 162, 637-646] のようにデザインした。
【0219】
実験計画:
8〜10週齢の雄DBA/1Jマウス(USAの Jackson Laboratoriesから最初購入)を完全フロイントアジュバント(Freund's Complete Adjuvant)で、200μgのタイプIIコラーゲンに該当するエマルジョンをしっぽの基部に皮内注射して免疫させた。21日後、同じエマルジョンを用いて追加接種した。天然マウスのグループは共に維持した。
【0220】
23日から56日まで、関節指数および足厚をパラメーターとして用いてマウスをリウマチ性関節炎の兆しに対して、1日に1度検査した。
【0221】
関節指数採点は下記の基準を用いて行った:
前肢:0〜3点
0:発赤または膨らみ無し
1:発赤あり、膨らみ無し
2:足の発赤、および膨らみ
3:足の発赤、およびひどい膨らみ
後肢:0〜5点
0:発赤または膨らみ無し
1:足の発赤および弱い膨らみ
2:足の発赤および穏やかな膨らみ、および/または少なくとも1つの足指の膨らみ
3:足の発赤および穏やかな/ひどい膨らみ、足首関節の膨らみ、および/または1以上の足指の膨らみ
4:足、足指、および足首関節の発赤、および膨らみおよび関節の剛性
5:足、足指、および足首関節の発赤、およびひどい膨らみ、関節の剛性、および足指の角度の変わり。
【0222】
2の最小の後ろ足点数を有するマウスを研究に使用した。
【0223】
マウスを複数の研究グループに無作為に分け、溶媒(0.5%CMC,1mL/kg)、試験化合物(実施例3の化合物、50mg/kg、1日2回)、および基準化合物(Enbrel,3mg/kg,s.c.,1日1回)を経口投与した。それぞれのグループは最小8匹のマウスであった。化合物の投与は23日間行った。
【0224】
下記のパラメータを毎日観察して記録した。
【0225】
1.体重
2.関節指数
3.テンションのないキャリパを用いた足厚
4.動物の状態に関する任意の重要な観察
最後の日(投与の24日目)に化合物処理後、1時間後、動物から採血し、血しょうを採取して、薬物水準を分析した。また、すべての動物の足を組織病理学的評価のため保管した。
【0226】
その結果は図3(処理の日数に対する関節指数)、および図4(処理の日数に対する足厚)においてグラフで示す。本研究過程で得られたデータ(関節指数および足厚)はマンホイットニーのU検定を用いて統計的に評価した。
【0227】
エンブレル(Enbrel)が処理されたマウスは関節指数および足厚の評価の際、疾病深刻性の有意的な減少を表わした。
【0228】
また、化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物は疾病緩和の傾向を表わした。
【0229】
組織病理学的分析:
マウスを人間的に安楽死させ、それぞれの動物から前足を収集し、10%中性緩衝ホルマリンに固定し、5%ギ酸で脱石灰化し、パラフィンに包埋した。切片(μm)をヘマトキシリンおよびエオシン、またはサフラニンOで染色し、顕微鏡を通じて評価した。組織病理学的変化を下記のように採点した:細胞浸潤、骨靡爛、および軟骨損傷のパラメータをそれぞれ個別に評価し、軽度=1点、中度=2点、または重度=3点と採点した。軟骨欠乏はプロテオグリカン基質のサフラニンO染色の減少により、視覚的に確認した。その平均合計点を溶媒で治療したグループの平均合計点と比較した。組織学的採点の場合、Kruskal−Wallis分析後、Dunn’s多重比較検定を行って、2グループ間の統計的差を評価した。p<0.05の値を有意のものと見做した。組織学的評価の結果、関節の炎症、軟骨損傷、および骨破壊減少が確認された。
【0230】
図5に示されているような本実験の結果は化学式1の代表的な化合物である実施例3の化合物が、可能な抗関節炎効果を有するというを示している。
【0231】
本明細書および特許請求の範囲で使用される単数形 "a," "an," 、および "the"は他に明確に示していない場合、複数形を含むことと理解されるべきである。したがって、例えば、"1つの化合物"を含む組成物に対する言およは2種以上の化合物の混合物を含む。また、用語 "または"は他に明確に示していない場合、"および/または"を含む意味として一般に利用される。
【0232】
本明細書での全ての刊行物および特許出願は本発明が属する分野での当業者の水準を示す。
【0233】
本発明は様々な特定の望ましい具体例および技術に言およして説明された。しかし、およ本発明の精神と範囲の中で多くの変更および修正がなされてもよいことを理解すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症性疾患の治療に使用するための下記化学式1の化合物、またはその立体異性体または互変異性体、あるいは、その薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物;
【化1】

前記式において、Arはフェニルまたはヘテロアリール環であり、ここでのフェニルまたはヘテロアリール環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4−アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ、カルボキシ、C1−C4−アルコキシカルボニル、C1−C4−アルキレンヒドロキシル、CONH2、CONR12、SO2NR12、シクロアルキル、NR12、およびSR3から選択された1、2、または3つの同一または異なる置換体で置換または非置換されることができ、ここでのR1およびR2はそれぞれ独立して、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルキルカルボニル、およびアリールから選択されるか、またはR1およびR2はこれらが結合される窒素原子とともに少なくとも1つの更なるヘテロ原子を選択的に含むことができる五員環または六員環を形成し、R3は水素、C1−C4−アルキル、およびフェニルから選択される。
【請求項2】
第1項において、
Arはフェニル環であり、ここでのフェニル環はハロゲン、ニトロ、シアノ、C1−C4−アルキル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、C1−C4−アルコキシ、カルボキシ、およびNR12から選択された1、2、または3つの同一または異なる置換体で置換または非置換されることができ、ここでのR1およびR2はそれぞれ独立して、水素、C1−C4−アルキル、C1−C4−アルキルカルボニルから選択されることである、炎症性疾患の治療に使用するための化学式1の化合物、またはその立体異性体または互変異性体、あるいは、その薬学的に許容される塩または薬学的に許容される溶媒和物。
【請求項3】
第1項または第2項において、
前記化学式1の化合物が下記のものからなるグループから選択されるものである、炎症性疾患の治療に使用するための化合物:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンメタンスルホン酸;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(4−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2、4−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オンヒドロクロライド;
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−チオフェン−2−イル−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−(3−ニトロフェニル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−2−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(3−クロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ピロリジン−1−イル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(3−ブロモ−フェニル)−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−5,7−ジヒドロキシ−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2、3−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;および、
(+)−トランス−2−(3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩。
【請求項4】
第1項または第2項において、
前記化学式1の化合物が下記のものからなるグループから選択されるものである炎症性疾患の治療に使用するための化合物:
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クルロロフェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−4−シアノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−ブロモ−4−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2、4−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−5−フルオロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−2−(3−ニトロフェニル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−メチル−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2、3−ジクロロ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−ヨウ化−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩;および、
(+)−トランス−2−(2−クロロ−3−イソプロピルアミノ−フェニル)−5,7−ジヒドロキシ−8−(2−ヒドロキシメチル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−クロメン−4−オン塩酸塩。
【請求項5】
第1項乃至第4項のいずれか一項において、
前記炎症性疾患が、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)、およびインターロイキン(IL−1β、IL−6、IL−8)から選択された1種以上の炎症性サイトカインの水準の増加、または細胞間付着分子1、血管−細胞付着分子1(VCAM−1)、および E−セレクチンから選択された1種以上の細胞付着分子の発現の増加、またはこれらの組み合わせにより媒介されることである、炎症性疾患の治療に使用するための化合物。
【請求項6】
第1項乃至第5項のいずれか一項において、
前記炎症性疾患が、リウマチ性関節炎、骨関節炎、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、骨関節炎、不応性リウマチ性関節炎、慢性非リウマチ性関節炎、骨粗鬆症/骨吸収、冠動脈心疾患、アテローム性動脈硬化、血管炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、クローン病、成人呼吸窮迫症候群、皮膚疾患による遅延型過敏症、敗血症性ショック症侯群、炎症性腸疾患から構成されるグループから選択されることである、炎症性疾患の治療に使用するための化合物。
【請求項7】
炎症性腸疾患の治療のための薬物の製造に使用するための、第1項乃至第4項のいずれか一項で定義されたような化学式1の化合物の使用方法。
【請求項8】
第7項において、
前記炎症性疾患が、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)およびインターロイキン(IL−1β、IL−6、IL−8)から選択された1種以上の炎症性サイトカインの水準の増加、または細胞間付着分子1、血管−細胞付着分子1(VCAM−1)、およびE−セレクチンから選択された1種以上の細胞付着分子の発現の増加、またはこれらの組み合わせにより媒介されることである使用方法。
【請求項9】
第7項または第8項において、
前記炎症性疾患が、リウマチ性関節炎、骨関節炎、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、骨関節炎、不応性リウマチ性関節炎、慢性非リウマチ性関節炎、骨粗鬆症/骨吸収、冠動脈心疾患、アテローム性動脈硬化、血管炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、クローン病、成人呼吸窮迫症候群、皮膚疾患による遅延型過敏症、敗血症性ショック症侯群、および炎症性腸疾患から構成されるグループから選択されることである使用方法。
【請求項10】
炎症性疾患の治療方法として、このような治療を必要とする個体に第1項乃至第4項のいずれか一項で定義されたような化学式1の化合物を治療的有効量で投与することを含む方法。
【請求項11】
第10項において、
前記炎症性疾患が、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)およびインターロイキン(IL−1β、IL−6、IL−8)から選択された1種以上の炎症性サイトカインの水準の増加、または細胞間付着分子1、血管−細胞付着分子1(VCAM−1)、および E−セレクチンから選択された1種以上の細胞付着分子の発現の増加、またはこれらの組み合わせにより媒介されることである方法。
【請求項12】
第10項または第11項において、
前記炎症性疾患が、リウマチ性関節炎、骨関節炎、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、骨関節炎、不応性リウマチ性関節炎、慢性非リウマチ性関節炎、骨粗鬆症/骨吸収、冠動脈心疾患、アテローム性動脈硬化、血管炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、クローン病、成人呼吸窮迫症候群、皮膚疾患による遅延型過敏症、敗血症性ショック症侯群、および炎症性腸疾患から構成されるグループから選択されることである方法。
【請求項13】
第1項乃至第4項のいずれか一項で定義されたような治療的有効量の化学式1の化合物を少なくとも1種の薬学的に許容される担体とともに含む薬学的組成物であって、前記薬学的組成物は炎症性疾患の治療で使用することに適合なものである薬学的組成物。
【請求項14】
第1項乃至第4項のいずれか一項で定義されたような治療的有効量の化学式1の化合物、および少なくとも1種の追加の薬学的活性化合物を1種の薬学的に許容される担体とともに含む薬学的組成物であって、前記薬学的組成物は炎症性疾患の治療で使用することに適合なものである薬学的組成物。
【請求項15】
第13項または第14項において、
前記炎症性疾患が、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)およびインターロイキン(IL−1β、IL−6、IL−8)から選択された1種以上の炎症性サイトカインの水準の増加、または細胞間付着分子1、血管−細胞付着分子1(VCAM−1)、およびE−セレクチンから選択された1種以上の細胞付着分子の発現の増加、またはこれらの組み合わせにより媒介されることである薬学的組成物。
【請求項16】
第13項乃至第15項のいずれか一項において、
前記炎症性疾患が、リウマチ性関節炎、骨関節炎、若年性関節リウマチ、乾癬性関節炎、骨関節炎、不応性リウマチ性関節炎、慢性非リウマチ性関節炎、骨粗鬆症/骨吸収、冠動脈心疾患、アテローム性動脈硬化、血管炎、潰瘍性大腸炎、乾癬、クローン病、成人呼吸窮迫症候群、皮膚疾患による遅延型過敏症、敗血症性ショック症侯群、および炎症性腸疾患から構成されるグループから選択されることである薬学的組成物 。


【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−520484(P2013−520484A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554428(P2012−554428)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【国際出願番号】PCT/IB2010/050837
【国際公開番号】WO2011/104584
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(510012474)ピラマル エンタープライジーズ リミテッド (4)
【Fターム(参考)】