説明

炭化水素末端化ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマーおよびその使用

【課題】溶媒、特に極性溶媒と結合し得、ゲル様特性を有する透明性材料を供給する材料であって、望ましくは、高温における良好な安定性を有し、かつ他の材料に対する良好な適合性を有している材料を提供すること。
【解決手段】式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーであって、このポリアミドブロックがシクロヘキシル部分を含む、ブロックコポリマーを提供する。必要に応じて、a)このポリエーテルブロックは、式 −(−R−O−)−を含み、ここで、Rは炭化水素である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、一般的に、有機樹脂、より特定すると、ポリアミドおよびポリエーテルからなる内部構造、ならびに炭化水素からなる末端構造を有する樹脂に関する。本発明はまた、これらの樹脂の調製、および例えば液体のゲル化剤としての使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
多くの商業的に重要な組成物において、その製品のコンシステンシーが、その商業的成功のために重要である。1つの例が、個人用ケア製品であり、これは、一般的に、キャリア処方物中に1種類以上の活性成分を含む。活性成分がその製品の最終的な性能特性を決定するが、キャリア組成物は、その製品のコンシステンシーを主に決定するという点で、その製品の商業的成功のために同じくらい重要である。キャリア(「ベース」ともいわれる)のレオロジーは製品の流れ特性を主に決定し、このフロー特性は消費者がその製品を適用または使用する様式を主に決定する。
【0003】
例えば、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウム−ジルコニウムテトラクロロヒレート、グリシンと複合体を形成したアルミニウム−ジルコニウムポリクロロヒドレート、ならびにトリクロロヒドレート、オクタクロロヒドレートおよびセスキクロロヒドレートと複合体を形成したアルミニウム−ジルコニウムが、脱臭性製品および制汗性製品中で活性成分として一般的に使用される金属塩である。消費者は、スティック形態からの脱臭剤の適用に対する選好性を示す。従って、スティック形状の脱臭剤中のキャリアは、比較的硬い物質でなければならず、ワックス性の脂肪族アルコール(例えば、ステアリルアルコール)がしばしば、これらの製品中にキャリアとして使用されている。別の例として、リップスティック中の活性成分は着色剤である。リップスティックは、スティック状脱臭剤ほど硬くなければならないわけではないが、もちろん室温で静置する場合にはその形状を維持しなければならない。ワックスとオイルの混合物は、リップスティック用のキャリアとして良く適したコンシステンシーを与えることが公知である。最後の例として、シャンプーは、望ましくは、水よりも高い粘性を有し、シャンプー中の活性成分が十分に高い粘性を有さない場合には、望ましくは、いくらか粘性のキャリア材料がシャンプー処方物中に含まれる。
【0004】
上記の例から、個人用ケア製品の処方物は、首尾よい個人用ケア製品を処方するために、種々のレオロジー特性を有する材料の利用性に依存することが分かる。ゲル様特性を有する材料は、静置される場合にはその形状を維持するが、こすられた場合には流動的になるという点で、個人用ケア製品についてしばしば望ましい。
【0005】
透明(すなわち、清澄)なキャリアが、着色剤が活性成分である個人用ケア製品を開発する処方者により所望される。なぜなら、透明なキャリアは、(不透明なキャリアとは反対に)着色剤の外観を最小限に妨害する、または全く妨害しないからである。近年、消費者は、透明でかつ無色な個人用ケア製品(例えば、脱臭剤およびシャンプー)について大きな選好を示している。従って、種々の個人用ケア製品に必要とされるレオロジー特性を提供し得る透明性材料、特に処方物にゲル様特性を与え得る透明性材料についての大きな需要がある。
【0006】
重合される脂肪酸およびジアミンから調製されるポリアミド樹脂は、個人用ケア製品として開発された処方物において、ゲル化剤(gellant)として機能することが報告されている。例えば、特許文献1は、低級脂肪族アルコールおよびいわゆる「ポリアミド溶媒」と結合したポリアミド樹脂から形成される、清澄なリップスティックキャリア組成物に関する。同様に、特許文献2は、ゲルまたはスティック状脱臭剤を形成する工程に関し、この組成物は、ポリアミド性ゲル化剤および溶媒系(一価アルコールまたは多価アルコールを含む)を含む。したがって、先行技術は、特定のポリアミドをアルコールと混合して、それによりゲルを形成すると認識される。
【特許文献1】米国特許第3,148,125号明細書
【特許文献2】米国特許第5,500,209号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
室温または室温より少し高い温度で液体である極性溶媒(例えば、エーテル含有材料およびヒドロキシル含有材料)が、望ましくは、個人用ケア処方物中に含まれる。なぜなら、これらの極性溶媒は、しばしば良性であり、少なくともいくらかの水による希釈を可能にし、広範囲の活性処方物成分および不活性処方物成分を溶解し、および比較的高価ではないためである。極性溶媒はまた、広範囲の粘性および等級で利用可能である。しかし、これらの溶媒は、代表的には、キャリアに所望されるレオロジー特性を有さない。例えば、それらの溶媒は、本来、ゲル様特性を示さない。さらに、この型の溶媒に対するゲル化剤は、一般的でなく、しばしば利用不可能である。
【0008】
従って、溶媒、特に極性溶媒と結合し得、ゲル様特性を有する透明性材料を供給する材料について当該分野で必要性がある。これらの材料は、望ましくは、高温における良好な安定性を有し、かつ他の材料に対する良好な適合性を有している。本発明は、本明細書に記載するようなこのような利点および関連する利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の簡単な要旨)
本発明によって、以下が提供される。
(項目1)
式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーであって、該ポリアミドブロックがシクロヘキシル部分を含む、ブロックコポリマー。
(項目2)
項目1に記載のコポリマーであって、
a)上記ポリエーテルブロックが、式
【化2】

を含み、ここで、Rは炭化水素であり;
b)上記ポリアミドブロックが、式
【化3】

を含み、ここで、Rは、少なくとも1つの存在において、1,4−シクロヘキシルジラジカルであり、そして、Rは、炭化水素およびポリエーテルから選択され;そして
c)上記ブロックコポリマーの炭化水素部分が、独立してC1〜22炭化水素ラジカルから選択される、
コポリマー。
(項目3)
項目1に記載のコポリマーであって、該コポリマーは、式
【化4】

を有し、ここで、各存在において独立して、RはC1〜22炭化水素ラジカルであり;RはC2〜6炭化水素ジラジカルであり;RはC2〜52炭化水素ジラジカルであり、そして、少なくとも1つの存在において、1,4−シクロヘキシルジラジカルであり;RはC2〜36炭化水素ジラジカルおよびC〜C100ポリエーテルジラジカルから選択され;ZはOおよびNHから選択され;xおよびzは独立して、2〜100の範囲内の整数から選択され;ならびに、yは1〜10の整数である、コポリマー。
(項目4)
項目1に記載のコポリマーであって、該コポリマーは、式
【化5】

を有し、ここで、各存在において独立して、RはC〜C22炭化水素ラジカルであり;RはC2〜6炭化水素ジラジカルであり;RはC2〜52炭化水素ジラジカルであり、ここで、少なくとも50%のRジラジカルが1,4−シクロヘキサンジラジカルであり;RはC2〜36炭化水素ジラジカルおよびC〜C100ポリエーテルジラジカルから選択され;ZはOおよびNHから選択され;xおよびzは独立して2〜100の範囲内の整数から選択され;ならびに、yは1〜10の整数である、コポリマー。
(項目5)
ダイマー酸、ジアミン、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端の終末と、炭化水素から選択される別の端の終末とを有するポリエーテルを含む反応物質を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより調製される、項目1に記載のコポリマー。
(項目6)
ジアミン、シクロヘキサンジカルボン酸、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端の終末と、炭化水素から選択される別の端の終末を有するポリエーテルを含む反応物質を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより調製される、項目1に記載のコポリマー。
(項目7)
組成物であって、以下
a)式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーを含む樹脂組成物;と
b)芳香物質、界面活性剤およびポリエポキシ樹脂から選択される、液体
とを含む、組成物。
(項目8)
上記液体が芳香物質である、項目7に記載の組成物。
(項目9)
上記液体が界面活性剤である、項目7に記載の組成物。
(項目10)
上記液体がポリエポキシ樹脂である、項目7に記載の組成物。
(項目11)
組成物であって、以下
a)式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーを含む樹脂組成物;と
b)エステル含有液体、芳香族環含有液体、中性溶媒液体、ケトン含有液体、中和溶媒液体、エステル含有液体、およびアミド含有液体から選択される、液体
とを含む、組成物。
(項目12)
項目11に記載の組成物であって、上記液体が、R−CO−RおよびR−CO−R−CO−Rから選択される式を有するエステル含有液体であって、ここで、RおよびRは、1〜12個の炭素を有する有機部分であり、ここで、液体における2つのR部分は、一緒に連結してラクトンを提供し得、そして、液体におけるR部分およびR部分は、一緒に連結してラクトンを形成し得る、組成物。
(項目13)
項目12に記載の組成物であって、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12ヒドロキシ置換アルキル、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アルキル、C〜C12アリール置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アルケニル、C〜C12アリール、C〜C12アルキル置換C〜C12アリール、C〜C12ヒドロキシ置換アリール、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アリールから選択され;そして、Rは、C〜C12アルキレン、C〜C12ヒドロキシ置換アルキレン、C〜C12アルキレン、C〜C12アリーレン、C〜C12ヒドロキシ置換アリーレン、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アリーレンから選択される、組成物。
(項目14)
上記エステル含有液体が、乳酸エチル、プロピオン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、プロピオン酸エトキシエチル、アクリル酸ブチル、プロピオン酸ビニル、酢酸ブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、酢酸エチル、酢酸エチルヘキシル、およびγ−ブチロラクトンからなる群から選択される、項目12に記載の組成物。
(項目15)
上記液体が、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、α−メチルスチレン、(C〜C18アルキル)安息香酸、(C〜C18アルキル)サリチル酸、および(C〜C12アルキル)(C〜C12アルキル)フタル酸からなる群から選択される芳香族環含有液体である、項目11に記載の組成物。
(項目16)
上記液体が、N−メチルピロリジノン、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ジクロロエタンからなる群から選択される極性中和溶媒液体である、項目11に記載の組成物。
(項目17)
上記液体が、式R−C(=O)−Rのケトン含有液体であって、ここで、各存在において、Rは、独立して、1〜12個の炭素を有する有機部分から選択され、ここで、液体におけるR部分は、一緒に連結して、環状ケトンを提供し得る、項目11に記載の組成物。
(項目18)
上記ケトン含有極性液体が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンから選択される、項目11に記載の組成物。
(項目19)
項目7〜18のいずれか1項に記載の組成物であって、ここで、
a)上記ポリエーテルブロックが、式
【化6】

を含み、ここで、Rは炭化水素であり;
b)上記ポリアミドブロックが、式
【化7】

を含み、ここで、Rは炭化水素であり、そしてRは、炭化水素およびポリエーテルから選択され;そして
c)上記ブロックコポリマーの炭化水素部分が、独立して、C1〜22炭化水素ラジカルから選択される、
組成物。
(項目20)
項目7〜18のいずれか1項に記載の組成物であって、上記ブロックコポリマーは、式
【化8】

を有し、ここで、各存在において独立して、RはC1〜22炭化水素ラジカルであり;RはC2〜6炭化水素ジラジカルであり;RはC2〜52炭化水素ジラジカルであって、ここで、少なくとも50%のRジラジカルが、少なくとも34個の炭素を有し;Rは、C2〜36炭化水素ジラジカルおよびC〜C100ポリエーテルジラジカルから選択され;ZはOおよびNHから選択され、xおよびzは独立して2〜100の範囲内の整数から選択され;そして、yは1〜10の整数である、組成物。
(項目21)
項目7〜18のいずれか1項に記載の組成物であって、上記ブロックコポリマーが、式
【化9】

を有し、ここで、各存在において独立して、RはC1〜22炭化水素ラジカルであり;RはC2〜6炭化水素ジラジカルであり;RはC2〜52炭化水素ジラジカルであり、ここで、少なくとも50%のRジラジカルが、1,4−シクロヘキサンジラジカルであり;RはC2〜36炭化水素ジラジカルおよびC〜C100ポリエーテルジラジカルから選択され;ZはOおよびNHから選択され;xおよびzは独立して、2〜100の範囲内の整数から選択され;そして、yは1〜10の整数である、組成物。
(項目22)
上記ブロックコポリマーが、ダイマー酸、ジアミン、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端の終末と、炭化水素から選択される別の端の終末とを有するポリエーテルを含む反応物質を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより調製される、項目7〜18のいずれか1項に記載の組成物。
(項目23)
上記ブロックコポリマーが、ジアミン、シクロヘキサンジカルボン酸、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端の終末と、炭化水素から選択される別の端の終末とを有するポリエーテルを含む反応物質を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより調製される、項目7〜18のいずれか1項に記載の組成物。
(項目24)
ゲル形態の、項目7〜23のいずれか1項に記載の組成物。
(項目25)
パーソナルケア製品として処方される、項目1〜9および11〜24のいずれかに1項に記載の組成物。
(項目26)
リップスティック、アイシャドウ、マスカラ、制汗剤スティック、クリアーデオドラントスティック、無水アイシャドウ、芳香物質スティック、スキンローション乳液、水中油乳液、線維含有リップスティック、パール色素含有リップスティック、日焼け止めローション、ヘアグロス、クリア保湿ジェル、脱毛ワックス、スキン美白ローション、日中用保護クリーム(protective day cream)、アスコルビン酸PSクリーム、老化防止クリーム、脱毛クリーム、界面活性剤ジェルスティック、クレンジング用抗菌ジェル、マニキュア液、無水日焼け止めスティック、ファンデーション、無水ファンデーション、または香水の組成物として処方される、項目25に記載の製品。
1つの局面において、本発明は、式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素を有するブロックコポリマーを提供し、ここで、このポリアミドブロックコポリマーはシクロへキシル部分を有する。
【0010】
必要に応じて、a)このポリエーテルブロックは、式 −(−R−O−)−を含み、ここで、Rは炭化水素である;b)このポリアミドブロックは、式
【0011】
【化10】

を含み、ここで、Rは、少なくとも1つの出現例において、1,4−シクロへキシルジラジカルであり、そしてRは、炭化水素およびポリエーテルから選択される;ならびに、c)このブロックコポリマーの炭化水素部分は、独立して、C1〜22の炭化水素基から選択される。別の任意の実施形態において、このコポリマーは、式
【0012】
【化11】

を有し、ここで、各出現例において独立して、RはC1〜22の炭化水素基であり;Rは、C2〜6の炭化水素ジラジカルであり;Rは、C2〜52の炭化水素ジラジカルであり、少なくとも1つの出現例において、1,4−シクロへキシルジラジカルであり;Rは、C2〜36の炭化水素ジラジカルおよびC4〜100のポリエーテルジラジカルから選択され;Zは、OおよびNHから選択され;xおよびzは、独立して、2〜100の範囲の整数から選択され;そして、yは、1〜10の整数である。さらなるに任意の実施形態において、このコポリマーは、式
【0013】
【化12】

を有し、ここで、各出現例において独立して、RはC1〜22の炭化水素基であり;Rは、C2〜6の炭化水素ジラジカルであり;Rは、C2〜52の炭化水素ジラジカルであり、Rジラジカルの少なくとも50%が、1,4−シクロへキサンジラジカルであり;Rは、C2〜36の炭化水素ジラジカルおよびC4〜100のポリエーテルジラジカルから選択され;Zは、OおよびNHから選択され;xおよびzは、独立して、2〜100の範囲の整数から選択され;そして、yは、1〜10の整数である。必要に応じて、このコポリマーは、ダイマー酸、ジアミン、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端部における末端、そして炭化水素から選択される別の端部を有する末端を有するポリエーテルを含む反応物を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより、調製される。必要に応じて、このコポリマーは、ジアミン、シクロへキサンジカルボン酸、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端部における末端、そして炭化水素から選択される別の端部における末端を有するポリエーテルを含む反応物を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより、調製され得る。
【0014】
別の局面において、本発明は、a)式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーを含む樹脂組成物;および、b)香料、界面活性剤、およびポリエポキシ樹脂から選択される液体、を含む組成物を提供する。1つの実施形態において、この液体は香料であり;別の実施形態において、この液体は界面活性剤であり;および、別の実施形態において、この液体はポリエポキシ樹脂である。
【0015】
別の局面において、本発明は、a)式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーを含む樹脂組成物;および、b)一種類のエステル含有液体、一種類の芳香環含有液体、一種類の非プロトン性液体、一種類のケトン含有液体、複数の非プロトン性液体、複数のエステル含有液体、および複数のアミド含有液体から選択される液体、を含む組成物を提供する、必要に応じて、列挙した液体の任意の1つがリストから取り除かれ得る。必要に応じて、列挙した液体の任意の2つがリストから取り除かれ得る。この液体がエステル含有液体である場合、この液体は、必要に応じて、R−CO−RおよびR−CO−R−CO−Rから選択される式を有し、ここで、RおよびRは、1〜12個の炭素を有する有機部分であり、液体中の2つのR部分は、一緒に結合され得てラクトンを提供し、そして、液体中のR部分およびR部分は、一緒に結合され得てラクトンを形成する。必要に応じて、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12ヒドロキシ−置換アルキル、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アルキル、C〜C12アリール置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アルケニル、C〜C12アリール、C〜C12アルキル置換C〜C12アリール、C〜C12ヒドロキシ置換アリール、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アリールから選択され;そして、Rは、C〜C12アルキレン、C〜C12ヒドロキシ置換アルキレン、C〜C12アルケニレン、C〜C12アリーレン、C〜C12ヒドロキシ置換アリーレン、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アリーレンから選択される。この液体が、エステル含有液体である場合、この液体は、必要に応じて、乳酸エチル、プロピオン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、プロピオン酸エトキシエチル、アクリル酸ブチル、プロピオン酸ビニル、酢酸ブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、酢酸エチル、エチルへキシルアセテート、およびγ−ブチロラクトンからなる群から選択される。この液体が芳香環含有液体である場合、この液体は、必要に応じて、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、α−メチルスチレン、(C〜C18アルキル)ベンゾエート、(C〜C18アルキル)サリチレート、および(C〜C12アルキル)(C〜C12アルキル)フタレートからなる群から選択される。この液体が極性非プロトン性液体である場合、この液体は、必要に応じて、N−メチルピロリジノン、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、メチレンクロリド、ジクロロエタンからなる群から選択される。この液体がケトン含有液体である場合、この液体は、必要に応じて、式 R−C(=O)−Rで記載され、Rは、各出現例において、独立して、1〜12個の炭素を有する有機部分から選択され、液体中の2つのR部分は、一緒に結合され得て、環式ケトンを提供する。例えば、ケトン含有液体は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサンから選択され得る。
【0016】
前述の局面において、式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーは、必要に応じて、以下のいずれかにより記載され得る:(1)a)このポリエーテルブロックは、式 −(−R−O−)−を含み、ここで、Rは、炭化水素であり;b)このポリアミドブロックは、式
【0017】
【化13】

を含み、ここで、Rは、炭化水素であり、そして、Rは炭化水素およびポリエーテルから選択され;c)このブロックコポリマーの炭化水素部分は、独立して、C1〜22の炭化水素基から選択される;(2)このブロックコポリマーは、式
【0018】
【化14】

有し、ここで、各出現例において独立して、Rは、C1〜22の炭化水素基であり;Rは、C2〜6の炭化水素ジラジカルであり;Rは、C2〜52の炭化水素ジラジカルであり、このRジラジカルの少なくとも50%が少なくとも34個の炭素を有し;Rは、C2〜36の炭化水素ジラジカルおよびC4〜100のポリエーテルジラジカルから選択され;Zは、OおよびNHから選択され;xおよびzは、独立して、2〜100の範囲内の整数から選択され;そして、yは、1〜10の整数である;(3)このブロックコポリマーは、式
【0019】
【化15】

を有し、ここで、各出現例において独立して、Rは、C1〜22の炭化水素基であり;Rは、C2〜6の炭化水素ジラジカルであり;Rは、C2〜52の炭化水素ジラジカルであり、このRジラジカルの少なくとも50%が1,4−シクロヘキサンジラジカルであり;Rは、C2〜36の炭化水素ジラジカルおよびC4〜100のポリエーテルジラジカルから選択され;Zは、OおよびNHから選択され;xおよびzは、独立して、2〜100の範囲内の整数から選択され;そして、yは、1〜10の整数である;(4)このブロックコポリマーは、ダイマー酸、ジアミン、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端部における末端、そして炭化水素から選択される別の端部における末端を有するポリエーテルを含む反応物を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより、調製される;(5)このコポリマーは、ジアミン、シクロへキサン−ジカルボン酸、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端部における末端、そして炭化水素から選択される別の端部における末端を有するポリエーテルを含む反応物を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより、調製される。
【0020】
必要に応じて、本明細書に記載される組成物は、ゲルの形態をとり得る。独立して、そしてまた必要に応じて、本明細書に記載される組成物は、個人用ケア製品に取り込まれ得るか、または個人用ケア製品の一部であり得る。例示的な個人用ケア製品としては、以下が挙げられる:リップスティック、アイシャドウ、マスカラ、制汗剤スティック、清澄な脱臭剤スティック、無水アイシャドウ、香料スティック、皮膚ローション乳液、水中油(O/W)型乳液、繊維含有リップスティック、真珠色素含有リップスティック、日焼け止めローション、ヘアグロス、清澄な加湿性ゲル、脱毛剤ワックス、皮膚白化ローション、保護的デイクリーム、アスコルビン酸PSクリーム、老化防止クリーム、脱毛剤クリーム、界面活性剤ゲルスティック、洗浄用抗細菌性ゲル、爪用艶出し、無水日焼け止めローションスティック、ファンデーション、無水ファンデーション、または芳香性組成物。本発明の1つの局面において、これらの列挙した製品の任意の1つがこのリストから取り除かれる。別の局面において、これらの列挙した製品の任意の2つがこのリストから取り除かれる。
【0021】
本発明のこれらの局面および関連する局面が、本明細書においてより完全に説明される。
【0022】
(発明の詳細な説明)
1つの局面において、本発明は、式(1)の炭化水素末端化ブロックコポリマーを提供する。
【0023】
炭化水素ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素 (1)
式(1)において、炭化水素基は、炭素原子および水素原子のみを含む。ポリエーテル基は、2以上のエーテル基、すなわち、式 炭化水素O−炭化水素の基を含み、ここで、1つのエーテル基の炭化水素はまた、別のエーテル基の炭化水素として機能し得る。ポリアミド基は、2つ以上のアミド基、すなわち、式 炭化水素C(=O)−NR−炭化水素を含み、ここで、1つのアミド基の炭化水素はまた、別のアミド基の炭化水素として機能するかもしれないし、しないかもしれず、そして、Rは、水素または炭化水素である。本質的に、このアミド基中のRは、本発明のブロックコポリマーのポリアミドブロックの調製にの少なくとも1つのアミド基がポリエーテル基に隣接し、一方、別の局面では、ポリアミドブロック中のアミド基のすべてが炭化水素基と隣接する。
【0024】
適切な炭化水素基は、1つ以上の脂肪族部分および芳香族部分から形成される。適切な脂肪族部分は、アルキル部分、アルキレン部分、アルケニル部分、アルケニレン部分、アルキニル部分、アルキルニレン部分、シクロアルキル部分、シクロアルキレン部分、シクロアルケニル部分、シクロアルケニレン部分、シクロアルキニル部分、およびシクロアルキニレン部分である。芳香族部分はまた、本明細書ではアリール基ともいわれる。本発明のブロックコポリマーを終結させる炭化水素基は、本明細書ではRといわれる。
【0025】
本明細書で使用される場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニルは、一価の基であり、一方、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、およびシクロアルキニレンは多価の基である。本明細書で使用される場合、アルキル、アルキレン、シクロアルキル、およびシクロアルキレンは、飽和基であり、一方、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、シクロアルケニル、シクロアルケニレン、シクロアルキニル、およびシクロアルキニレンは、不飽和基である。
【0026】
アルキル部分、アルキレン部分、アルケニル部分、アルケニレン部分、アルキニル部分、およびアルキニレン部分は、直鎖または分枝鎖であり得る。シクロアルキル部分、シクロアルケニル部分、シクロアルキニル部分、シクロアルキレン部分、シクロアルケニレン部分およびシクロアルキニレン部分は、単環式または多環式であり得、多環式部分は、例えば、二環式または三環式であり得る。
【0027】
例示的なアルキル部分は、メチル、エチル、プロピル、へキシル、および2−エチルへキシルである。例示的なアルキレン部分は、メチレン(−CH−)、メチリデン(=CH)、およびエチレン(−CHCH−)である。例示的なシクロアルキル基は、シクロへキシルおよびノルボルニルである。
【0028】
適切な芳香族部分は、単環式または多環式である。例示的な単環式アリール基は、フェニルであり、一方、例示的な多環式アリール基は、ナフチルおよびフルベレニルである。芳香族部分は、一価(例えば、フェニル)または多価(例えば、フェニレン)であり得る。
【0029】
炭化水素基は、芳香族基および脂肪族基の組合せであり得る。例えば、ベンジル(フェニル−CH−、アリールアルキレン基)、トリル(CH−フェニレン、アルキルアリーレン基)、およびキシリル((CHフェニレン−、ジアルキルアリーレン基)である。炭化水素基は、2つ以上の芳香族基の組合せ(例えば、ビフェニル(フェニル−フェニレン−、アリールアリーレン基))であり得る。
【0030】
基は、少なくとも1個の炭素を含む必要がある。1つの実施形態において、R基は1〜32個の炭素を含む。1つの実施形態において、Rアルキル基は1〜12個の炭素を含む。1つの実施形態において、Rは1〜4個の炭素を含むアルキル基である。1つの実施形態において、R基はアルキル基である。1つの実施形態において、Rアルキル基は直鎖状である。1つの実施形態において、Rアルキル基は分枝している。1つの実施形態において、Rはメチルである。
【0031】
式(1)のブロックコポリマーは、少なくとも2個のポリエーテルブロックを含む。その名前が示すように、ポリエーテルブロックは、複数のエーテル基、すなわち式 −C−O−C−の基を含む。換言すると、ポリエーテルブロックは、式 −O−R−の繰り返しを含み、ここで、Rは、炭化水素基である。1つの局面において、Rは、アルキレン基である。アルキレン基Rは、ポリエーテルブロックの各発生例において独立して、脂肪族(飽和および/または不飽和)または芳香族の、直鎖および/または分枝鎖であり得る。1つの局面において、Rは、ポリエーテルブロックの各発生例において、1〜6個の炭素を有し、一方、別の局面では、Rは、ポリエーテルブロックの各発生例において、2〜4個の炭素を有する。1つの局面において、Rは、式 −CH−CH(R2a)−を有し、ここで、R2aは、水素、メチルおよびエチルから選択される。
【0032】
1つの局面において、このブロックコポリマー中のポリエーテル構成成分は、10,000未満の分子量(数平均または重量平均のいずれかとして測定)を有する。別の局面において、分子量は100〜4,000の間である。
【0033】
式(1)のブロックコポリマーは、ポリアミドブロックを含む。その名前が示すように、このポリアミドブロックは、複数のアミド基、すなわち、式 −NH−C(=O)−および/または−C(=O)−NH−の基を含む。このポリアミドブロックにおいて、2つ以上のアミド基は、炭化水素基(例えば、アルキレン基および/またはポリエーテル基)によって分断されている。
【0034】
1つの局面において、このポリアミドブロックは、−C(=O)−R−C(=O)−部分を含み、ここで、Rは炭化水素基である。1つの局面において、このポリアミドブロックは、少なくとも30個の炭素を有するR基を含む。1つの局面において、このポリアミドブロックは、30〜42個の炭素を有するR基を含む。
【0035】
1つの局面において、このポリアミドブロックは、脂肪酸の重合により形成されるR基を含む。植物油、獣脂、およびトール油に由来する脂肪酸(後者は、トール油脂肪酸、またはTOFAとして公知である)が、一般的に、代表的には粘土触媒の存在下で熱重合に供され、ダイマー酸として公知の市販の製品を提供する。これらの脂肪酸は18個の炭素を含み、その結果、対応するダイマー酸は、主にC36のジカルボン酸からなる。このダイマー酸は、構造 HOOC−C34−COOHにより示され得、ここで、C34基は、本発明の例示的なR基である。ダイマー酸の詳細な説明においてより完全に記載されるように、そして、例えば、Naval Stores−Production,Chemistry and Utilization,D.F.ZinkelおよびJ.Russel(編),Pulp.Chem.Assoc.Inc.,1989,第23章に見出されるように、C34は、異性構造体の混合物である。
【0036】
適切な重合脂肪酸は、例えば、SYLVADYMTMダイマー酸およびUNIDYMETMダイマー酸(両方とも、Arizona Chemical,company of
International Paper,(Jacksonville,FL)製)、EMPOLTMダイマー酸(Henkel Corporation,Emery Oleochemicals Division(Cincinnati,OH)製);ならびにPRIPOLTMダイマー酸(Unichema North America(Chicago,IL)製)として市販されている。
【0037】
ダイマー酸は、市販されているダイマー酸のように、代表的には、脂肪酸重合プロセスのいくらかの副生成物を含む。1つの一般的な副生成物は、いわゆるトリマー酸であり、これは、3個の脂肪酸分子が一緒に反応して、C64のトリカルボン酸を形成する場合に生じる。本発明のブロックの調製において、トリマー酸のカルボン酸基の内の2つが例えばジアミンと反応し、反応していない1つのカルボン酸が残るということが起こり得る。これが生じた場合、ブロックコポリマーは、カルボン酸置換R基を含み、これは技術的に炭化水素でない。従って、本発明のブロックコポリマーは2つのNHC(=O)基の間に炭化水素を有するが、それのブロックコポリマーはまた、2つのNHC(=O)基の間に、いくらかの、代表的には微量のカルボン酸置換炭化水素基を含み得る。簡便のために、本明細書で使用される場合、C34は、ダイマー酸のポリアミドブロックへの取り込みをいい、ここで、C34は、市販のダイマー酸中の副生成物であり得るいくつかのトリマー酸の反応生成物を含む。
【0038】
1つの局面において、本発明は、式(1)のブロックコポリマーを提供、ここで、C(=O)基の各々が、C34に結合しているブロックコポリマーを提供し、すなわち、このブロックコポリマーは、排他的なポリ酸反応物としてのダイマー酸から形成される。しかし、別の局面において、ポリアミドブロックは、C34および「co−ニ酸(co−diacid)」由来R基の両方を含む。従って、このポリアミドブロックは、ダイマー酸およびco−ニ酸の両方をジアミンと反応させることにより形成され得る。しかし、本発明の好ましい実施形態において、ダイマー酸は、ブロックコポリマーのポリアミドブロックを調製する際に、コアシッドを全く有さずに使用される。
【0039】
本明細書で使用する場合、co−ニ酸は、式 HOOC−R−COOHの化合物であり、ここで、Rは、上で定義したC34ではない。1つの局面において、式(1)のコポリマー中のポリアミドブロックは、2〜32個の炭素を有するR基を含み、このR基は、本明細書でco−ニ酸R基といわれる。適切なco−ニ酸R基としては、エチレン(例えば、コハク酸由来)およびn−ブチレン(例えば、アジピン酸由来)が挙げられる。
【0040】
1つの局面において、C34基は、R基の全体の少なくとも50mol%を構成する。他の局面において、C34基は、R基の少なくとも60mol%、または70mol%、または80mol%、または90mol%、または95mol%を構成する。別の方法で述べると、ダイマー酸は、式(1)のコポリマー中のポリアミドブロックにおいて、ニ酸当量の少なくとも50%、またはニ酸当量の少なくとも60%、または70%、または80%、または90%、または95%に寄与する。
【0041】
上述のように、本発明の1つの局面において、ポリマーブロックは、−C(=O)−R−C(=O)−部分を含み、ここで、Rは炭化水素基である。上で考察したように、好ましい局面において、ポリアミドブロックは、少なくとも30個の炭素を有するR基を含み、より好ましくは、ポリアミドブロックは、30〜42個の炭素を有するR基を含み、なおより好ましくは、カルボキシレート基を欠くことを除いてダイマー酸構造を有するR基を含む。本発明の好ましい局面において、ポリアミドブロックは、ダイマー酸(必要に応じて、co−ニ酸を用いて)から調製されるが、本発明の別の好ましい局面では、ポリアミドブロックは、ダイマー酸を用いることなく、すなわちco−ニ酸のみを用いて調製される。
【0042】
本発明の1つの局面において、ポリアミドブロックは、少なくとも2つのカルボニル基の間にシクロへキサン基を含む。カルボニル基は、好ましくは、シクロへキサン基の対向する炭素に位置する、すなわち、Rシクロヘキサン基は、以下の構造(2)を有する。
【0043】
【化16】

1つの局面において、ブロックコポリマー中のR基の全てが、シクロへキシル基(2)を含む。別の局面において、ブロックコポリマー中のR基の少なくとも50%が、シクロへキシル基(2)を含む。別の局面において、ブロックコポリマー中のR基の少なくとも25%が、シクロへキシル基(2)を含む。構造(2)のR基の本発明のジブロックコポリマーへの導入は、コポリマー形成反応物内にシクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)を含むことにより容易に達成される。CHDAは、多くの供給元(例えば、Aldrich(Milwaukee,WI;@sigma−aldrich.com))から市販されている。
【0044】
ブロックコポリマー中にシクロヘキシル部分を含めることにより生じる有意な利点、すなわち、コポリマーの軟化点の劇的な上昇が観察されるという利点が観察される。シクロへキシル部分の非存在下において、ブロックコポリマーの軟化点は、代表的には、90〜120℃のオーダーである。しかし、シクロへキシル部分がブロックコポリマー中に含まれる場合、120〜180℃のオーダーの軟化点が得られ得る。シクロへキシル含有ブロックコポリマーから調製されたゲルは、シクロへキシル部分を欠く対応するコポリマーよりもより高い温度でゲル特性を保持する傾向にあるので、このより高い軟化点は有利である。すなわち、シクロヘキシル含有ブロックコポリマーから調製されたゲルは、シクロヘキシル部分を欠く対応するコポリマーよりも高い温度で、そのゲル化特性を維持する傾向がある。このゲルのより大きな熱安定性は、ゲルが高温に曝露される任意の状況において有利であり、ゲル様特徴を有利に保持する。このような状況としては、高温条件下での保存、または高温であることが見出される場合(例えば、急速に機械部品を移動させる(この場合、摩擦が(従って熱が)生じる)ために、グリースまたは他の潤滑剤中に使用される場合)での使用が挙げられる。
【0045】
一般的に、より多くのシクロヘキサンジカルボン酸がブロックコポリマーを形成するための反応混合物中に含まれるようになるにつれて、得られるコポリマーは、より高い軟化点を有するようになる。そのため、種々の局面において、本発明は、以下の範囲内の軟化点を有するシクロへキシル含有ブロックコポリマーを提供する:120〜180℃、130〜180℃、140〜180℃、150〜180℃、160〜180℃、120〜170℃、130〜170℃、140〜170℃、150〜170℃、160〜170℃、120〜160℃、130〜160℃、140〜160℃、150〜160℃、120〜150℃、130〜150℃、および140〜150℃。処方物中へのダイマージアミンの使用によりコポリマーの高い融点を調節し得、そして、本発明の1つの局面において、ブロックコポリマーは、シクロヘキサンジカルボン酸およびダイマージアミンの両方から調製される。必要に応じて、処方物中にダイマー酸は存在しない。
【0046】
1つの局面において、ポリアミドブロックは、−NH−R−NH−部分を有し、ここで、Rは炭化水素基である。1つの局面において、R炭化水素基は1〜20個の炭素を有する。1つの局面において、ポリアミドブロックは1〜10個の炭素を有するR基を含む。1つの局面において、R基はアルキレン基である。1つの局面において、Rは直鎖状アルキレン基である。1つの局面において、ポリアミドブロックは2個の炭素を有するR基を含み、一方、別の局面では、R基の少なくとも50%が2個の炭素を有し、一方、別の局面では、R基の全てが2個の炭素を有する。
【0047】
1つの局面において、ポリアミドブロックは、−NH−R−NH−部分を有し、ここで、Rはポリエーテル基である。上で定義したように、ポリエーテルブロックは、複数のエーテル基、すなわち、−C−O−C−の基を含む。換言すると、ポリエーテルブロックは、式−O−R−の繰り返しを含み、ここで、Rは炭化水素基である。1つの局面において、Rはアルキレン基である。このアルキレン基Rは、ポリエーテルブロックの各発生例において独立して、脂肪族(飽和および/または不飽和)または芳香族の、直鎖および/または分枝鎖であり得る。1つの局面において、Rは、ポリエーテルブロックの各発生例において、1〜6個の炭素を有し、一方、別の局面では、Rは、各発生例において、2〜4個の炭素を有する。1つの局面において、Rは、式−CH−CH(R2a)−を有し、ここで、C2aは、水素、メチルおよびエチルから選択される。
【0048】
1つの局面において、本発明のブロックコポリマー中のR部のポリエーテル構成成分は、10,000未満の分子量(数平均または重量平均)を有する。別の局面において、分子量は100〜4,000の間である。
【0049】
式HN−R−NHの化合物は、ジアミンとして一般的に公知であり、非常に多数の供給元から入手可能である。式HOOC−R−COOHの化合物は、ニ塩基酸として一般的に公知であり、同様に非常に多数の供給元から利用可能である。Aldrich(Milwaukee,WI;@sigma−aldrich.com);EM Industries,Inc.(Hawthorme,NY;@emscience.com);Lancaster Synthesis,Inc.(Windham,NH;@lancaster.co.uk)が、3つの代表的な供給元である。
【0050】
式(1)において、炭化水素とポリエーテルとの間の結合「−」は、C−O結合を表し、ここで、炭素は炭化水素により提供され、そして酸素はポリエーテルにより提供される。
【0051】
式(1)において、1つの局面において、ポリエーテルとポリアミドとの間の結合は、C−NH−C(=O)−Cであり、ここで、C−NHは、ポリエーテルにより提供されていると見ることができ、そしてC(=O)−Cは、ポリアミドの末端酸基により提供されていると見ることができる。この局面に従うブロックコポリマーは、例えば、式R−(O−R−)NHのアミノおよび炭化水素で末端化したポリエーテルを、式HOOC−NH−R−NH−etcのカルボン酸末端化ポリアミドと反応させて、R−(O−R−)N−C(=O)−Rを形成することにより、形成され得る。従って、アミド基は、式(1)において、ポリエーテルとポリアミドとの間の結合として存在し得る。
【0052】
式(1)において、1つの局面において、ポリエーテルとポリアミドとの間の結合は、C−C(=O)−NH−Cであり、ここで、C−C(=O)は、ポリエーテルにより提供されていると見ることができ、そしてNH−Cは、ポリアミドの末端アミン基により提供されていると見ることができる。この局面に従うブロックコポリマーは、例えば、式R−(O−R−)COOHのカルボン酸および炭化水素で末端化したポリエーテルを、式HN−R−NH−C(=O)−R−etcのアミン末端化ポリアミドと反応させて、R−(O−R−)−C(=O)−NH−R−NH−C(=O)−R−etcを形成することにより、形成され得る。従って、ここでもう一度、アミド基は、式(1)において、ポリエーテルとポリアミドとの間の結合として存在し得る。しかし、ウレタン基は、好ましくは、本発明のブロックコポリマーの一部ではない。
【0053】
式(1)において、1つの局面において、ポリエーテルとポリアミドとの間の結合は、C−O−C(=O)−Cであり、ここで、C−Oは、ポリエーテルにより提供されていると見ることができ、そしてC(=O)は、ポリアミドの末端酸基により提供されていると見ることができる。この局面に従うブロックコポリマーは、例えば、式R−(O−R−)OHのヒドロキシルおよび炭化水素で末端化したポリエーテルを、式HOOC−HN−R−NH−etcのカルボン酸末端化ポリアミドと反応させて、R−(O−R−)O−C(=O)−Rを形成することにより、形成され得る。従って、エステル基は、式(1)において、ポリエーテルとポリアミドとの間の結合として存在し得る。本発明の種々の局面において、ブロックコポリマーは、エステル基を含まないか(例えば、ポリエーテルが、ヒドロキシルで末端化されているのではなく、アミンで末端化されている場合)、または1個までのエステル基を含むか(アミン末端化ポリエステルおよびヒドロキシル末端化ポリエーテルの混合物が使用される場合)、または2個までのエステル基を含む。
【0054】
1つの局面において、本発明は、25個未満、または20個未満、または15個未満、または10個未満の酸価を有する本発明の炭化水素末端化ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマーを含む組成物を提供する。式(1)の炭化水素末端化ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマーは、遊離カルボン酸基を全く有さず、従って、0の酸価を有する。しかし、本明細書に記載するプロセスに従って、二酸、ジアミン、および炭化水素末端化ポリエーテルから調製する場合、この二酸のいくらかは、このジアミンおよび/またはポリエーテルと反応しないかもしれず、従って、最終生成物は、0よりも大きい酸価を有する生成物の原因となるいくらかの未反応のカルボン酸を有し得る。好ましくは、生成物は微量のこの未反応の二酸を含み、従って、ごく小さな酸価を有する。遊離酸の量を最小化するために、すなわち生成物の酸価を減少させるために、エステル化触媒が、全ての二酸がヒドロキシル基を反応することを促進するために使用され得る。
【0055】
1つの局面において、本発明は、25未満、または20未満、または15未満、または10未満、または5未満、または2未満、または1未満のアミン価を有する本発明の炭化水素末端化ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマーを含む組成物を提供する。式(1)の炭化水素末端化ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマーは、遊離アミン基を有さず、従って、0のアミン価を有する。しかし、本明細書に記載されるプロセスに従って二酸、ジアミン、および炭化水素末端化ポリエーテルから調製される場合、そのジアミンのいくつかは二酸と反応しないかも知れず、従って、最終生成物は、0よりも大きいアミン価を有する生成物をもたらすいくつかの未反応のアミン基を有し得る。好ましくは、この生成物は、この未反応アミンを微量に有し、従って、ごく小さいアミン価を有する。アミド化触媒が、ジアミンの全てがカルボキシル基と反応することを促進して、遊離アミンの量を最小化する、すなわち生成物のアミン価を低下するために使用され得る。
【0056】
1つの局面において、本発明は、炭化水素末端化ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマー、およびこれらのコポリマーを含む組成物を提供し、それらは、50〜150℃の軟化点を有する(RingおよびBall、またはMettler)。別の局面において、軟化点は75〜125℃であり、一方、別の局面では、軟化点は75〜100℃であり、一方、別の局面では、軟化点は80〜120℃である。
【0057】
1つの局面において、本発明は、炭化水素末端化ポリエーテル−ポリアミドブロックコポリマー、およびこれらのコポリマーを含む組成物を提供し、これらは、2,000〜30,000の重量平均分子量または数平均分子量を有する。分子量は、適切な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン(THF))中のコポリマーまたは組成物の溶液を調製し、ゲル浸透クロマトグラフィーによりコポリマーの保持時間を同定し、そしてその保持時間と既知の分子量特徴を有するポリスチレンの溶液の保持時間を比較することによって測定される。1つの局面において、このコポリマーは、1,000よりも大きな重量平均分子量または数平均分子量を有する。他の特徴の中でも特に、ポリエーテル反応物の炭化水素末端によってコポリマーの分子量の制御が可能になる。ポリエーテル反応物の両端が反応性である場合(例えば、ポリエーテルが両端にヒドロキシル官能基を含む場合)、そのポリエーテルは、本発明のコポリマーの調製において終結剤としては利用できない。
【0058】
1つの局面において、本発明は、炭化水素末端化ポリエーテル−ポリアミドコポリマー、およびこれらのコポリマーを含む組成物を提供し、これらは、ニートコポリマーまたはニート組成物について160℃で測定する場合、5,000センチポアズ(cPsまたはcps)未満、または4,000cPs未満、または3,000cPs未満、または2,000cPs未満、または1,000cPs未満の粘度を有する。代表的には、これらのコポリマーおよび組成物は、ニートコポリマーまたはニート組成物について160℃で測定する場合、50cPsよりも高い、代表的には500cPsよりも高い溶解粘度を有する。
【0059】
本発明のブロックコポリマーは、式 R−(O−R−W、HOOC−R−COOH、およびHN−R−NHの化合物を一緒に反応させることにより調製され得、ここで、Wは、アミン基、ヒドロキシル基、またはカルボン酸基のいずれかを表す。本明細書で使用される場合、アミン基(−NH)、カルボン酸基(−COOH)、およびヒドロキシル基(−OH)は、それらの反応性の等価物を含む。例えば、HOOC−R−COOHは、モノエステルおよびジエステルのような反応性等価物、すなわちカルボン酸がエステル化形態にある化合物を含む。
【0060】
Wがヒドロキシルである式R−(O−R−Wの化合物はまた、エーテル末端化ポリアルキレングリコールとしても公知である。これらの化合物は、一般的に周知であり、技術的文献および特許文献に記載されている方法論により容易に調製され得る。例えば、一水酸基(monohydric)開始剤、すなわち式R−OHの化合物は、アルキレンオキシド(エポキシド基を含むR基)(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなど)と反応して、式R−(O−R−OHの化合物を生じる。これらの化合物は、例えば、Aldrich Chemical(Milwaukee,WI)から利用可能である。
【0061】
1つの局面において、ブロックコポリマーは、Wがヒドロキシルであり、Rがエチレン(−CHCH−)である式R−(O−R−Wの化合物から調製される。式R−(O−R−Wのこのような化合物は、本明細書ではエトキシレートまたはアルコールエトキシレートといわれ得る。エトキシレートは、多くの商業的供給源(例えば、Dow、Midland MI)から入手され得るか、または式R−OHのアルコールをエチレンオキシドと反応させ、以下の構造(2)を得ることにより調製され得る:
−O−(CHCHO)−H (2)
ここで、Rは、既に定義したとおりの炭化水素基であり、1つの局面において、C6〜22のアルキル基またはアラルキル基である。エトキシレートは、代表的には、鎖長(m)依存して、に無色の液体から低融点のペースト状固体である。R基および分子量の種々の組合せを有する例示的エトキシレートが表A(表A−代表的なエトキシレートおよびそれらの特性)で提供される。表Aにおいて、Manuf.は製造者の略語であり、EOはエチレンオキシドの略語であり、%EOは生成物中のエチレンオキシドの重量%をいい、EO/OHはヒドロキシルに対するエチレンオキシドのモル比をいい、HLBは親水性と親油性のバランスをいい、ShellはRoyal Dutch/Shell Group of Companies(@shell.com)のShell Chemical部門をいい、Shellは、NEODOLTMという商標名でアルコールエトキシレートを販売している。また、表Aにおいて、CondeaはCONDEA Vista Company(Houston,TX;@condea.de)をいい、この供給元はNONFIXTM、BIODACTM、LORODACTM、LIALETTM、EMULDACTMおよびALFONICTMという商品名で多数のアルコールエトキシレートを販売している。これらの材料は、R基、および生成物中のエチレンオキシド基の数により異なる。
【0062】
【表1】

別の局面において、ブロックコポリマーは、Wがヒドロキシルであり、Rがエチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CH−CH(CH)−)、およびn−ブチレン(−CHCHCHCH−)の1つまたは2つである式R−(O−R−Wの化合物から調製される。式R−(O−R−Wのこのような化合物は、本明細書ではポリアルキレングリコール誘導体といわれ得る。ポリアルキレングリコール誘導体は、多くの商業的供給元(例えば、Dow,Midland MI;Union Carbide,Danbury,CT;Aldrich,Milwaukee,WI)から入手し得るか、または式R−OHのアルコールをエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと反応させ、以下の構造(3)を得ることにより調製され得る:
−[O(CHCHO)(CHCH(CH)O)]−H (3)
市販されている場合、Rは、一般に、メチルまたはn−ブチルであるが、Rは任意の炭化水素基であり得る。例えばUnion Carbide and Dowから入手可能であるこれらの材料のいくつかの代表的な特性が、表B(表B−代表的なグリコールおよびそれらの特性)に示される。表Bにおいて、MPEGはメチルエチルポリ(エチレングリコール)(すなわち、Rがメチルであり、繰り返し単位が常にエチレンである(つまり、Y=0))を表し、MBPPGはモノブチルエーテルポリ(プロピレングリコール)(すなわち、Rがブチルであり、繰り返し単位が常にプロピレンである(つまり、X=0))を表し、そしてMBPEGCPGはモノブチルエーテルポリ(エチレングリコール−co−プロピレングリコール)(50/50 PPG/PPE)(すなわち、Rがブチルであり、繰り返し単位がエチレンおよびプロピレンの両方である(つまり、XおよびYが互いに同じか、または1よりも大きい))を表す。
【0063】
【表2】

別の局面において、ブロックコポリマーは、Wはカルボン酸である式R−(O−R−Wの炭化水素末端化ポリマーから調製され、オキサ酸としても公知である。これらの化合物は、一般的に周知であり、技術的文献および特許文献に記載されている方法論により容易に調製され得る。例えば、一水酸基開始剤、すなわち式R−OHの化合物が、アルキレンオキシド(エポキシド基に由来するR基)(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなど)と反応されて、式R−(O−R−OHの化合物を得る。次いで、このR末端化ポリアルキレングリコールは酸化条件に供され、末端ヒドロキシル基をカルボン酸基に変換する。得られたオキサ酸は、エチレンオキシドから調製された場合に以下に示す式(4)を有する:
−O−(CHCHO)−CH−COOH (4)
m=1または2である式(4)の化合物が、実験用製品としてHoechst(現Aventis)から利用可能である。これらの酸のいくつかの特性が表C(表C−代表的なオキサ酸およびそれらの特性)に示される。表Cにおいて、ANは酸価を表す。
【0064】
【表3】

別の局面において、ブロックコポリマーは、Wがアミンであり、Rがエチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CH−CH(CH)−)、およびn−ブチレン(−CHCHCHCH−)のうちの1種類以上である式R−(O−R−Wの化合物から調製される。式R−(O−R−Wのこのような化合物は、本明細書ではポリオキシアルキレンアミンといわれ得る。これらの化合物は、一般的に当業者に周知であり、技術的文献および特許文献に記載される方法論により用意に調製され得る。例えば、一水酸基開始剤、すなわち式R−OHの化合物が、アルキレンオキシド(R基がエポキシド含有基に由来する)(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシドなど)と反応され、式R−(O−R−OHの化合物が得られる。このR末端化ポリアルキレングリコールは、反応条件に供され、末端ヒドロキシル基が末端アミノ基に変換される。一般的に、ポリオキシアルキレンアミン(ポリ(オキシアルキレン)モノアミンとしても公知)は、以下の構造(5)を有する:
−OCHCHO−(CHCHR’O)−CHCH(R”)NH (5)
ここで、Rは、好ましくはアルキル基であり;R’は、好ましくはH、CH、またはCであり;そしてR”は、好ましくはHまたはCHである。一般的な市販のポリオキシアルキレンアミンは、代表的には、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドから調製され、プロピレンオキシドベースの残基/エチレンオキシドベースの残基の種々の比で市販されている。ポリオキシアルキレンアミドは、例えば、BASF,Mt.Olive,NJおよびHuntsman Chemical,Salt Lake City,UTから入手され得る。市販のポリオキシアルキレンアミンおよび選択された特性が表D(表D−代表的なポリオキシアルキレンアミンおよびそれらの特性)に示される。表Dにおいて、XTJおよびJEFFAMINETMの商品名の両方が、Huntsman Chemicalにより使用されている。
【0065】
【表4】

ジアミンは、ポリエーテルジアミンであり得、PAO(ポリアルキレンオキシを表す)ジアミンともいわれ得る。ポリエーテルジアミンは、Huntsman Chemicalから入手され得る。適切なポリエーテルジアミンは、ポリ(プロピレンオキシ)ジアミン(例えば、JEFFAMINE(登録商標)D−400)である。別の適切なジアミンは、ポリ(エチレンオキシ−co−プロピレンオキシ)ジアミン(例えば、HUNTSMAN XTJ−500)である。なお別の適切なジアミンは、JEFFAMINE(登録商標)EDR−148(トリエチレングリコールジアミンとしても公知)であり、これは、CAS登録番号929−59−9および化学構造HN−CHCH−O−CHCH−O−CHCH−NHを有する。1つの実施形態において、ポリエーテルジアミンは、構造NHCH(CH)CHO−(CHCHR’O)−CHCH(CH)NHを有し、ここで、RおよびR’はメチルまたはHである。
【0066】
ポリエーテルジアミンおよびポリエーテルモノアミンの両方を有意なレベルで使用することにより、広範囲の極性液体(ジメチルスルホキシド、プロピレングリコール、エタノール、ポリプロピレングリコール、およびポリエチレングリコール、ならびにそれらのモノアルキルエーテルが挙げられる)において清澄な溶液および/または清澄なゲルを形成する能力を有する樹脂が得られる。終結剤(すなわち、炭化水素末端化ポリエーテル)を高重量%で使用する場合、これらの樹脂は極めて軟らかい。ポリアミドブロック中のポリ
エーテルの全体的レベルが減少するにつれて、これらの樹脂は、エチレンジアミンおよびダイマー酸から調製されたポリアミドの触感および可撓性を獲得し、従って、低レベルのポリエーテルであってもいくらかの軟らかさを保持する。これらの樹脂のいくつかはエタノールに溶解し得るが、大部分はプロパノールにおいて良好な可溶性を示した。しかし、ゲル性質はほとんどなかった。一般的に、プロピレングリコールは、極性液体および本発明の樹脂(すなわち、ポリエーテルジアミンおよびポリエーテルモノアミンから調製される樹脂)を含有するゲルを調製するための好ましい極性液体である。一般的に、ダイマー酸ベースのポリアミドの形成は、それらが反応物中にポリエーテルジアミンおよびポリエーテルモノアミンの両方を有意なレベルで含んでいる場合ですら、グリセロールに特に適合的であるわけではない樹脂を生じる。
【0067】
ポリエーテルジアミンおよびポリエーテルモノアミンに由来する樹脂が極性液体に溶解される場合、次いで、この溶液は水で希釈され、代表的には、この溶液は均一なままである、すなわちこの樹脂は沈殿しないことが観察される。しばしば、水で希釈すると、樹脂/極性液体/水の混合物が青色の外観を生じ、これは微小乳濁液形態の存在を示す。
【0068】
本発明の樹脂を調製する際には、ジアミンが炭化水素ジアミンおよびポリエーテルジアミンの混合物であり得ることに留意されたい。さらに、末端化のレベルの増大、すなわち、一反応性の炭化水素末端化ポリエーテルの相対量の増大により、比較的低い軟化点および溶融粘度を有する樹脂が生じる傾向があることが一般的に観察される。いくらかまたは全てのエチレンジアミン(EDA)の代わりにヘキサメチレンジアミン(HMDA)を使用することにより樹脂の軟化点が低下する傾向がある。本発明の1つの局面において、エチレンジアミンは、ブロックコポリマーを調製する際に使用される反応物であり、特に、ブロックコポリマーのポリアミドブロックを調製する際に使用される。代表的には、本発明のブロックコポリマーのポリアミドブロックを調製するために(ジアミンは二酸(例えば、ダイマー酸)と反応される)、EDAはポリエーテルジアミンと混合される。
【0069】
コ二酸、すなわちダイマー酸(例えば、セバシン酸)以外の二酸を反応混合物中に含めることにより生じる樹脂の軟化点が高くなる傾向がある。ポリエーテルモノアミンは、ヒドロキシル基を一切含むべきではない。ヒドロキシル基の含有は、そのモノアミンから製造された樹脂のゲル化能力にとって有害である。従って、ヒドロキシル末端化ポリエーテルは、本発明のポリエーテルモノアミン反応物の範囲内に含まれない。実際、本発明の1つの局面において、ヒドロキシ含有材料(例えば、アルコール(1つのヒドロキシル基を含む化合物)、またはポリオール(2つ以上のヒドロキシル基を含む化合物))は、本発明の樹脂調製するための反応物として全く使用されない。1つの局面において、ポリオールは、本発明のブロックコポリマーを調製するための反応物に一切含まれない。他の局面において、ヒドロキシル含有材料が反応物として含まれる場合、そのヒドロキシル含有材料は、反応物の総重量の5重量%未満、3重量%未満に寄与する。
【0070】
本発明の樹脂の幾つか(特にポリエーテルジアミンおよびポリエーテル炭化水素末端モノアミン)は、水と極性液体との混合物中にマイクロエマルジョンを形成する、珍しい能力を有する。これらの混合物は、透明かつ均一であるが、著しく青い外観を有し、そして樹脂および極性液体の濃度に依存して、固定化ゲルまたは流体液体のどちらでもあり得る。これらは、沈殿を生じることなく水で希釈され得る。このようなマイクロエマルジョンを形成する本発明のブロックコポリマーは、水性系において腐食インヒビターとして、特に有用であり得る。
【0071】
本明細書中で記載されるように、ヒドロキシル、アミンおよびカルボキシルから選択される反応基Wを有するジアミン、ジカルボン酸、および炭化水素末端ポリエーテルは、本発明のトリブロックコポリマーを形成する、好ましい開始物質である。これらの開始物質
は、好ましくは、化学量論と共に、そして生じるブロックコポリマーの酸価が25未満、好ましくは15未満、より好ましくは10未満であり、一方アミン価は好ましくは10未満、より好ましくは5未満、なおより好ましくは1未満であるような反応条件の下で、反応させられる。ブロックコポリマーの軟化点は、好ましくは室温より高く、より好ましくは約50℃〜約150℃であり、そしてなおより好ましくは約75℃〜約125℃である。
【0072】
本発明に従うブロックコポリマーを調製するために、反応物の化学量論を制御することが重要である。反応物化学量論に関する以下の考察は、用語「当量等価物(equivalent)」および「当量パーセント(equivalent percent)」を用いるが、ここで、これらの用語は、当該分野で使用されるその標準的意味を有することを意図される。しかし、さらに明確にするために、当量は、分子のモル濃度の量で存在する反応基の数をいう(例えば、1モルのジカルボン酸(例えば、セバシン酸)は、2当量のカルボン酸を有し、一方、1モルのモノアミンは、1当量のアミンを有する)ことを留意する。さらに、本発明のトリブロックコポリマーの調製において、二価酸は2つの反応基(両方ともカルボン酸であるが、ダイマー酸は少量のトリカルボン酸を含み得る)のみを有し、ジアミンは2つの反応基(両方とも第1級アミンである)のみを有し、そして炭化水素末端ポリエーテル反応物は、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される単一の反応基を有する。さらに、これらは、好ましくは、(そうである必要はないが、)この反応混合物中に存在する唯一の反応物質である。
【0073】
コ二酸(co−diacid)がブロックコポリマーを調製するために使用される場合、コ二酸は、好ましくは、この反応混合物中に存在する約50%を超えないカルボン酸当量に寄与する。別の言い方で言うと、コ二酸は、反応混合物中の酸当量の0〜50当量パーセントに寄与する。好ましくは、コ二酸は、反応混合物中の酸当量の0〜30当量パーセント、より好ましくは0〜10当量パーセントを寄与する。
【0074】
反応物の化学量論は、ブロックコポリマーの組成物に対し、有意の影響を有する。例えば、ポリエーテルの増加した量で作製されたトリブロックコポリマーは、低い(数および量の)平均分子量を有する傾向がある。一方、より少ないポリエーテルを使用した場合、ブロックコポリマーを含む分子の平均分子量は、増加する。一般に、コポリマーの増加平均分子量は、コポリマーの融解点および融解粘度を増加させる傾向がある。高融点コポリマーが、極性液体と結合することによってゲルを形成する場合、ゲルは、低融点を有するコポリマーから形成されたゲルが有するよりも固い粘性を有する傾向がある。
【0075】
本発明のブロックコポリマーを調製するため、上述の反応物(二価酸、ジアミンおよびポリエーテル、またはこれらの反応性の等価物)は、任意の順序で組合され得る。本発明の1つの実施形態において、反応物は、単に一緒に混ぜ合わされ、そして完全反応(complete reaction)を本質的に達成するために十分な時間かつ十分な温度で加熱され、それによってブロックコポリマーを形成する。別の実施形態において、二価酸およびジアミンが一緒に反応させられ、その後、単反応性のポリエーテルが添加される。ブロックコポリマーの形成の間、二価酸化合物およびジアミン化合物は、互い違いとなって交互コポリマー(alternating copolymer)と呼ばれ得るもの(すなわち、ブロックコポリマーのポリアミドブロックは、二価酸とジアミンとの交互コポリマーである)を形成する。本明細書中で使用される場合、用語「完全反応」および「反応平衡」は、本質的に同一の意味を有し、これは、生成物のさらなる加熱であり、コポリマーの酸価またはアミン価において、大きな変化をもたらさない。
【0076】
従って、ブロックコポリマーは、1工程手順で形成され得、ここで、全ての二価酸(コ二酸を含む)、ジアミン(好ましくはエチレンジアミンを含む)およびポリエーテルは、混合され、次いで約180〜250℃まで数時間(代表的には2〜8時間)加熱される。低温が使用される場合、代表的には、完全反応を達成するために、より長い反応時間が必要とされる。反応温度が高すぎる場合、反応物および/または生成物は、望ましくない熱誘導性分解を受け得る。代表的には、反応物は、反応物の縮合によって形成される水を除去するために、100℃を越える温度に曝されなくてはならない。1つ以上の反応物が、室温で固体になり得るので、各成分をやや高い温度で混合し、次いで、均一な混合物を形成して、その後、反応混合物を、二価酸とジアミンとポリエーテルとの間の反応が起こるために十分な温度まで加熱することが、簡便であり得る。あるいは、あまり好ましくはないが、反応物のうち2つを、混合して互いに反応させ、次いで、第3の反応物を加え、その後所望の生成物が得られるまでさらに加熱し得る。生成物混合物の酸価および/またはアミン価を周期的に測定することにより、反応の進行を簡便にモニターし得る。
【0077】
1つの例として、ダイマー酸を、ジアミンと反応させ、その結果ポリアミドを形成し、次いで、この中間ポリアミドを、ポリエーテルと反応させて炭化水素末端ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテルブロックコポリマーを形成し得る。ブロックコポリマーの成分は、好ましくは反応平衡にある(アミノ基転移反応および/またはエステル転移反応反応に起因して)ため、反応物が代表的に混合される順序は、コポリマー生成物の性質に影響しない。
【0078】
カルボキシル基、アミン基および/またはヒドロキシル基の間のアミド形成および/またはエステル形成を促進し得る任意の触媒は、上述の、反応生成物中に存在し得る。従って、鉱酸(例えば、リン酸)または錫化合物(例えば、ジブチル錫オキシド)は、反応の間に存在し得る。さらに、アミド形成および必要に応じてエステル形成の際に形成されるときに、反応混合物から水を除去することが好ましい。これは、好ましくは、反応混合物上で真空を維持するか、または不活性ガス(例えば、窒素ガス)の流れを、反応混合物の上を通すことによって、達成される。
【0079】
本発明のブロックコポリマーは、液体を濃くし、そして/またはゲル化するために使用され得る(ここで、用語「液体」は、液体の混合物を含む)。本明細書中で使用される場合、用語「液体」は、10℃〜60℃の間の温度で(固体または気体に対し)液体であり得る任意の物質をいう。一般的に、液体は、流体物質(fluid material)であるが、この物質の成分は、気体とは対照的に、分子間相互作用によって互いに結合される(気体もまた気体の成分により流動性であるが、分子間相互作用によって互いに結合しない)。物質は、物質が流動しない特定の条件下であっても「液体」である。例えば、メチルエチルケトン(MEK)(2−ブタノンとしても知られる)は、MEKが特定の条件下(例えば、−87℃未満)で固体であり得ようと、他の条件下(例えば、80℃を超える)で気体であり得ようと、本発明に従う液体である。従って、本発明の組成物(「液体」を含む)は、必ずしも流体液体状態の液体を有さずともよい。例えば、MEKを含有する本発明の組成物は、この化合物が、液体がもはや流動せず、実際、固体であると考えられる低温で存在し得ようと、なお本発明の組成物である。ニート(neat)な形状の候補液体は、10〜60℃の間で流動する限りは、本発明に従う液体である。
【0080】
本発明の組成物は、代表的に、高い温度である場合、液体であり得る。この組成物は、あるいは、代表的に室温の場合、ゲルであり得る。上で説明したように、この組成物がゲル状態である場合でも、この組成物の極性液体は、ニートな状態のこの極性液体が、10℃〜60℃の範囲の少なくとも1つの温度で流体液体である限り、「液体」(すなわち、流体)と見なされる。極性液体は、本発明の組成物において流体である必要はない(例えば、この組成物は、シネレシス(syneresis)を示す必要がなく、好ましくはシネレシスを示さない)。
【0081】
本発明の組成物中に存在する液体は、10℃〜60℃の範囲の少なくとも1つの温度において流体であるだけではないが、しかし、また、極性である。極性という用語は、液体が双極子モーメントを含有することを意味する。1つの局面において、この液体は、1つ以上の炭素に加えてヘテロ原子(例えば、酸素または窒素)を含有し、ここで、ヘテロ原子の存在は、代表的に、液体を双極子に染み込ませる。従って、この液体は、本発明に従う、極性液体である。例えば、極性液体は、1つ以上の酸素原子を含み得、そして、ケトン含有液体であるか、エステル含有液体であるか、またはエーテル含有極性液体である。極性液体は、酸素原子および窒素原子を含み得、例えば、極性液体は、アミド含有液体であり得る。極性液体は、酸素および硫黄原子を含み得、例えば、極性液体は、スルホキシド含有液体であり得る。
【0082】
好ましい実施形態において、極性液体または界面活性剤は、本発明のブロックコポリマーと混合され、ゲルを形成する。
【0083】
1つの局面において、極性液体は、以下から選択される式を有する、エステル含有液体である:R−CO−RおよびR−CO−R−CO−R、ここで、RおよびRは、1〜12の炭素を有する有機部分であり、液体中の2つのR部分は、互いに結合して、ラクトン部分を提供し、そして液体中のR部分およびR部分は、互いに結合してラクトンを形成する。例えば、Rは、C−C12アルキル、C−C12ヒドロキシ−置換アルキル、C−C12アルコキシ−置換C−C12アルキル、C−C12アリール−置換C−C12アルキル、C−C12アルケニル、C−C12ヒドロキシアルケニル、C−C12アルコキシ−置換C−C12アルケニル、C−C12アリール、C−C12アルキル−置換C−C12アリール、C−C12ヒドロキシ−置換アリール、C−C12アルコキシ−置換C−C12アリールから選択され得;そして、Rは、C−C12アルキレン、C−C12ヒドロキシ−置換アルキレン、C−C12アルケニレン、C−C12アリーレン、C−C12ヒドロキシ−置換アリーレン、C−C12アルコキシ−置換C−C12アリーレンから選択され得る。別の例として、エステル含有液体は、以下からなる群から選択され得る:乳酸エチル、プロピオン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、プロピオン酸エトキシエチル、アクリル酸ブチル、プロピオン酸ビニル、酢酸ブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、酢酸エチル、酢酸エチルヘキシル、およびγ−ブチロラクトン。
【0084】
別の局面において、極性液体は、芳香族液体であり得る。例えば、芳香属液体は、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、α−メチルスチレン、安息香酸(C−C18アルキル)、サリチル酸(C−C18アルキル)、およびフタル酸(C−C12アルキル)(C−C12アルキル)からなる群から選択され得る。
【0085】
別の局面において、極性液体は、極性非プロトン性液体である。例えば、極性非プロトン性液体は、N−メチルピロリジノン、炭酸プロピレン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、およびジクロロエタンからなる群から選択され得る。
【0086】
別の局面において、極性液体は、ケトン含有液体である。例えば、ケトン含有液体は、R−C(=O)−Rの式を有し得、ここで、Rは、各存在において、独立して、1〜12の炭素を有する有機部分から選択され得、ここで、液体中の2つのR部分は、互いに結合して、環状ケトンを提供し得る。さらなる例において、ケトン含有極性液体は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンから選択され得る。
【0087】
別の局面において、極性液体は、スルホキシド含有液体である。例えば、スルホキシド含有液体は、式R−S(=O)−Rを有し得、そしてRは、独立して、各存在において、C−Cアルキルから選択される。
【0088】
別の局面において、極性液体は、グリコールエーテルである。例えば、極性液体は、式R−[O−R10−OHのグリコールエーテルであり得、ここで、Rは、C−C22炭化水素であり、R10は、各存在において独立して選択されるC−C炭化水素であり、そしてnは、1、2、3、4、5および6から選択される整数である。別の例として、グリコールエーテルは、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルまたはトリプロピレングリコールモノメチルエーテルであり得る。
【0089】
極性液体は、当該分野で周知であり、そして、多くの市販の供給元から得られる。例えば、Acros Organics(Pittsburgh PA)、Aldrich Chemical(Milwaukee Wl、Sigma ChemicalおよびFlukaを含む)、Apin Chemicals Ltd.(Milton Park
UK)、Avocado Research(Lancashire U.K.)、BDH Inc.(Toronto,Canada)、Bionet(Cornwall、U.K.)、Chemservice Inc.(West Chester PA)、Crescent Chemical Co.(Hauppauge NY)、Eastman Organic Chemicals、Eastman Kodak Company(Rochester NY)、Fisher Scientific Co.(Pittsburgh PA)、Fisons Chemicals(Leicestershire UK)、Frontier Scientific(Logan UT)、ICN Biomedicals,Inc.(Costa Mesa CA)、Key
Organics(Cornwall U.K.)、Lancaster Synthesis(Windham NH)、Maybridge Chemical Co.Ltd.(Cornwall U.K.)、Parish Chemical Co.(Orem UT)、Pfaltz & Bauer,Inc.(Waterbury CN)、Polyorganix(Houston TX)、Pierce Chemical Co.(Rockford IL)、Riedel de Haen AG(Hannover,Germany)、Spectrum Quality Product,Inc.(New Brunswick,NJ)、TCI America(Portland OR)、Trans World Chemicals,Inc.(Rockville MD)、およびWako Chemicals USA,Inc.(Richmond VA)を、参照のこと。
【0090】
別の局面において、極性液体には、液体芳香物(liquid fragrance)を含み得るか、または液体芳香物のみである。液体芳香物は、当該分野で周知であり、そして多くの会社によって販売される。液体芳香物はまた、香料としても知られる。例えば、以下の会社は、芳香物質を、その事業の主要な部分として販売している:IFF(New York,NY,USA;iff.comを参照);Givaudan(Vernier,Switzerland;givaudan.comを参照);Firmenich(Princeton,NJ,USA;firmenich.comを参照);Quest International(Naarden,The Netherlands;quest−international.comを参照);Takasago(Rockleigh,NJ,USA;takasago−i.co.jpを参照);Haarman & Reimer(Holzminden,Lower Saxony,Germany;haarmann−reimer.comを参照);Dragoco(Holzminden,Lower Saxony,Germany;dragoco.comを参照);T.Hasegawa Co.,Ltd.(Tokyo,Japan;t−hasegawa.co.jpを参照);Mane SA(Bar−sur−Loup,France;mane.comを参照);Aldrich−Sigma Flavors
and Fragrances,Aldrich Chemical Co.,Inc.内のグループ(Milwaukee,WI,USA: sigma−aldrich.com/safcを参照)。
【0091】
香料は、その一般的な官能基に基づいて分類され得る。例えば、アセチレン、アルコール、アルデヒド、アミン、アミノ酸、カルボン酸、精油、エステル/ラクトン、エーテル/アセタール、複素環、炭化水素、ケトン、ニトリルおよび集積二重結合、硫黄化合物(スルフィド、ジスルフィドおよびメルカプタン)は、芳香化学物質(fragrance
chemical)のクラスである。芳香化学物質はまた、その一般的な匂いに基づいて分類され得る。例えば、ネギ属のにおい(aliaceous)、動物臭、バルサム臭、樟脳集、柑橘臭、コーヒー臭、土のにおい、エーテル臭、花のにおい、果実のにおい、緑のにおい、草のにおい、肉のにおい、薬臭、ミント臭、苔のにおい、かび臭さ、ナッツ臭、胡椒のにおい、焦げ臭さ、石鹸臭、スパイス臭、硫黄臭、野菜のにおい、ワックス臭、ワインのようなにおい、および木のにおいは、芳香化学者によって認識される、幾つかの一般的なにおいである。これらの芳香化学物質のクラスは、本発明に従う芳香化学物質を代表する。天然由来の芳香化学物質である精油もまた、本発明に従う液体芳香物である。
【0092】
炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素の化学式のブロックコポリマーを含む樹脂組成物と液体芳香化学物質との組み合わせは、芳香を放つ物品として利用され得る。芳香を放つ物品は、商業的な所望される物質として周知である。本発明に従う炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素の化学式のブロックコポリマーを含む樹脂組成物から、芳香を放つ物品を処方するために、液体芳香物と樹脂との混合物が、種々の重量比(例えば、液体芳香物と樹脂との組み合わせにおける、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、および90重量%の液体芳香物)で調製され得る。これらの混合物を加熱して、均一な組成物を提供し、次いで冷却して、芳香を放つ物品を提供し得る。処方する者は、これらの処方物から、所望の最終使用のための、粘稠度特性および芳香放出特性の必要を満たす、適切な処方物を選択可能である。ゲル様の粘稠度が作製される場合、ゲルは、種々の形状に成型され得る。他の成分を組成物に加え、芳香の放出に加えて、所望の最終使用性質を提供し得る。
【0093】
別の局面において、極性液体は、液体ポリエポキシ樹脂を含み得るか、またはポリエポキシ樹脂のみであり得る。液体ポリエポキシ樹脂は当該分野で周知であるが、液体ポリエポキシ樹脂の幾つかの顕著な特性を述べる。概して、液体ポリエポキシ樹脂は、少なくとも2つのオキシラン環を有する任意の液体有機化合物であり、オキシラン環はまた、エポキシ基としても知られる。エポキシ基に加え、ポリエポキシ樹脂は、脂肪族基、脂環式(alicyclic)基、複素環式基、脂環式(cycloaliphatic)基、および/または芳香族基、ならびにこれらの組み合わせを含む。ポリエポキシドは、末端エポキシ基を有する直鎖状のポリマー(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシジルエーテル)、骨格オキシラン単位を有するポリマー(例えば、ポリブタジエンポリエポキシド)、またはペンダントエポキシ基を有するポリマー(例えば、グリジルメタクリレートポリマーもしくはグリシジルメタクリレートコポリマー)である。液体ポリエポキシ樹脂の分子量は、約10から約10以上までに変化する。種々のエポキシ樹脂の混合物もまた、本発明の熱融解組成物において使用され得る。
【0094】
液体ポリエポキシ樹脂は、特許、学術誌、および営業用文献においてしばしば記載される。例えば、米国特許第3,117,099号および同第3,018,262号を参照のこと。具体的な代表的なポリエポキシ樹脂としては、ハロゲン化エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(例えば、Ciba−Geigy Corp.からのARALDITE RD−2TM)、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(例えば、Resolution Performance Products,Inc.(Houston,Texas,前名the Resins & Versatics business of Shell Chemicals)からのEPON 828TM、EPON 1004TM、およびEPON 1001FTM);ならびにDow Chemical Co.,Midland,Mich.からのDER−332TMおよびDER−334TM)、ビスフェノール(Bisphenol)Fのジグリシジルエーテル(例えば、Ciba−Geigy Corp.,Hawthorne,N.Y.からのARALDITE GY281TM、およびResolution Performance
Products,Inc.からのEPON 862TM)、3,4−エポキシシクロヘキシル−メチル−3,4−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(例えば、Dow
Chemical CompanyからのERL−4221TM)、ビニルシクロヘキセンジオキシド(例えば、Dow Chemical Co.からのERL 4206TM)、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(例えば、Dow Chemical Co.からのERL−4299TM)、ジペンタンジオキシド(例えば、Dow Chemical Co.からのERL−4269TM)、エポキシド化ポリブタジエン(例えば、FMC Corp.からのOXIRON 2001TM)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン(例えば、Dow Chemical CompanyからのERL−4234TM)、エポキシシラン(例えば、β−3,4−エポキシシクロヘキシル−エチルトリメトキシシランおよびγ−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン)、水素化ビスフェノールA−エピクロロヒドリンベースのエポキシ樹脂(例えば、Resolution
Performance Products,Inc.からのEPONEX 1510TM)、およびフェノール−ホルムアルデヒドノボラックのポリグリシジルエーテル(例えば、Dow Chemical Co.からのDEN−431TMおよびDEN−438TM)が、挙げられる。
【0095】
炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素の化学式のブロックコポリマーを含む樹脂組成物と、液体ポリエポキシ樹脂との組み合わせは、例えば、構造材料を調製する際に利用され得る。ポリエポキシドは、当該分野で周知の種々の物質(例えば、アミン)によって硬化され、架橋構造を形成し得る。この架橋構造は、多くの形状(例えば、フィルム)をとり得る。このフィルムは、被膜された物質のトップコートとして使用され得、このフィルムは、効果的な障壁特性を提供し、被膜された物質が所望の特性をより長い期間維持し続けることを可能にする。硬化エポキシ樹脂はまた、接着組成物としても使用され得る。炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素の化学式のブロックコポリマーを含有する樹脂組成物の、本発明に従うポリエポキシ樹脂との添加は、炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素の化学式のブロックコポリマーを含有する樹脂組成物の非存在下でポリエポキシ樹脂が使用される用途において利用されることを妨げない。
【0096】
炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素の化学式のブロックコポリマーを含有する樹脂組成物および液体エポキシ樹脂の適切な処方を決定するため、種々の重量比で、2つの成分を組み合わせ得る。例えば、液体ポリエポキシ樹脂とブロックコポリマー含有組成物との混合物は、種々の重量比(例えば、ポリエポキシ樹脂とブロックコポリマー含有樹脂との組み合わせにおける、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、および90重量%の液体ポリエポキシ樹脂)で調製され得る。これらの混合物は、加熱されて均一な組成物を形成し得、次いで、室温まで冷却され得る。処方する者は、これらの処方物から、所望の最終使用のための、粘稠度および硬化剤との反応性の必要を満たした、適切な処方物を選択可能である。ゲル様の粘稠度が作製される場合、ゲルは、種々の形状に成型され得る。他の成分を組成物に加え、構造的性質および接着性質に加えて、所望の最終使用性質を提供し得る。
【0097】
別の局面において、本明細書中に記載の樹脂組成物は、界面活性剤(好ましくは液体界面活性剤)と組み合わされ得る。用語「界面活性剤」は、石鹸および洗剤を含む。界面活性剤は、非常に周知の種類の物質であり、これらを、本明細書中で定義する必要はない。市販の化学物質の上に列挙した供給元の多くもまた、界面活性剤を販売する。しかし、多くの界面活性剤は、そのイオン特性に基づいて、すなわち、アニオン性、カチオン性、双性イオン性、非イオン性、のクラスに分類され得ることが留意される。これらの界面活性剤の型のそれぞれは、本発明に従う組成物に含まれ得る。
【0098】
本発明の組成物において使用され得る代表的な非イオン性界面活性剤としては、限定しないが、エステル結合を含む界面活性剤(例えば、脂肪酸のグリコールエステル、脂肪酸のグリセロールエステル、脂肪酸のポリグリセロールエステル、脂肪酸のテトリトールエステル、ペンチトールエステル、およびヘキシトールエステル、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、脂肪酸のスクロースエステル、トリグリセリドのスクロースエステル、脂肪酸のソルビタンエステルならびにポリソルベートのポリオキシエチレン化ソルビタンエステル)が挙げられる。非イオン性界面活性剤は、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレングリコール脂肪アルキルエーテルのような、エーテル結合を含み得る。非イオン性界面活性剤は、アミド結合(例えば、ポリオキシエチレン化アルキルアミドおよびアルキレンオキシドコポリマー)を含み得る。種々のクラスの界面活性剤のうち、非イオン性の物質は、本発明の組成物内に組み込むために、好ましい界面活性剤である。何故なら、多くの非イオン性の物質は液体である。一方、カチオン性物質およびアニオン性物質は固体である事が多い。
【0099】
代表的なカチオン性界面活性剤または双性イオン界面活性剤としては、ベタイン(例えば、デシルベタイン、ラウリルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ココ−ベタイン、ココアミドエチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、セチルベタイン、パルムアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、リシンオレアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、オレイルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、およびベヘニルベタイン)が挙げられる。別のカチオン性界面活性剤または双性イオン界面活性剤のクラスは、スルタイン(sultaine)であり、代表的なスルタインは、ラウリルスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ココ−スルタイン、ココ−ヒドロキシスルタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタインおよびオレアミドプロピヒドロキシスルタインである。アルキルトリメチルアンモニウム塩は、界面活性剤の代表的なカチオン型であり、代表例としては、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミドまたはドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ココトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムメトスルフェートまたはセチルトリメチルアンモニウムトシレート、(水素化)トリメチルアンモニウムタロークロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、べへニルトリメチルアンモニウムクロリドまたはべへニルトリメチルアンモニウムメトスルフェートあるいはベンザルコニウムクロリド、ベンザルコニウムブロミド、またはベンザルコニウムサッカリネート、セテアラルコニウムクロリド、セタルコニウムブロミド、ラウラルコニウムブロミド、もしくはラウラルコニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、オレアルコニウムクロリド、べヘナルコニウムクロリドおよびココイルベンジルヒドロキシリミダゾリニウムクロリドが挙げられる。
【0100】
代表的なアニオン性界面活性剤としては、石鹸として知られる物質が挙げられ、そして、カルボン酸塩およびスルホン酸塩(例えば、ナトリウムもしくはカリウムまたは他の適切な対イオンを含む脂肪酸塩)が挙げられる。
【0101】
炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素の化学式のブロックコポリマーを含有する樹脂組成物および界面活性剤の適切な処方を決定するため、種々の重量比で、2つの成分を組み合わせ得る。例えば、界面活性剤とブロックコポリマー含有組成物との混合物は、種々の重量比(例えば、界面活性剤とブロックコポリマー含有樹脂との組み合わせにおける、10重量%、20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、および90重量%の界面活性剤)で調製され得る。これらの混合物は、加熱されて均一な組成物を形成し得、次いで、室温まで冷却され得る。処方する者は、これらの処方物から、所望の最終使用のための、粘稠度および硬化剤との反応性の必要を満たした適切な処方物を選択可能である。ゲル様の粘稠度が作製される場合、ゲルは、種々の形状に成型され得る。他の成分を組成物に加え、界面活性性質に加えて、所望の最終使用性質を提供し得る。これらの組成物は、例えば、化粧品および化粧品および洗浄組成物において使用され得る。
【0102】
ブロックコポリマーおよび極性液体を組み合わせて、ゲル様の粘稠度を有する混合物を提供し得る。概して、ゲル様特性を有する物質は、そっとしておくとその形状を維持するが、こすられると流動する。本発明のブロックコポリマーで調製されたゲルは、軟質から硬質までのいずれでもあり得る。ここで、「硬質」ゲルは、強固な構造を有し、そして、変形に対して非常に抵抗性である。一方、「軟質」ゲルは、いくらかは変形に対して抵抗性であるが、それほど抵抗性ではない。「軟質」ゲルの説明は、Jell−O(登録商標)デザート(Kraft Foods Inc.(Philip Morris Companies Inc.,Northfield,ILの事業部)からの周知の食品)の作製において見られ得る。パッケージの指示に従って作製する場合、Jell−O(登録商標)デザートを水と混合し、比較的軟質のゲルを形成する。ゲル化剤(gellant)は、流体力学的添加物とは区別され得る。ここで流体力学的添加物は、極性液体/添加物の組み合わせの剪断薄化(shear thinning)を増加し、一方、ゲル化剤は固相を極性液体/ゲル化剤の組み合わせに付与する。本発明の1つの局面において、本発明のブロックコポリマーは、流体力学的添加物ではない。1つの局面において、本発明は、本発明のブロックコポリマーおよび極性液体を含有するゲルを提供する。
【0103】
極性液体は、室温または室温よりやや高い温度で、液体である。好ましい極性液体は、極性溶媒であり、代表的な極性溶媒は、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)、グリコール、エーテル、グリコールエーテル(すなわち、ポリアルキレングリコールエーテル)、およびポリオールが挙げられる。極性溶媒は、溶媒の混合物であり得る。代表的な極性溶媒は、表E(表E−ヒドロキシル官能基および/またはエーテル官能基を含有する極性液体)において記載される。DOWANOLTM E−200およびDOWANOLTM E−300は、Dow(Midland,MI;@dow.com)からのDOWANOLTMファミリーのグリコールエーテルの2つの代表的なポリエチレングリコールであり、一方、DESMOPHENTM 550Uおよび1600Uは、Bayer Corporation(Pittsburgh,PA;@bayer.com)からの、DESMOPHENTMファミリーの製品からのポリエーテルポリオールである。
【0104】
(表E)
(表E−ヒドロキシル官能基および/またはエーテル官能基を含有する極性液体)
【0105】
【表5】

1つの局面において、極性液体は、エーテルおよび/またはヒドロキシル基を含む液体である。本発明の1つの局面において、極性液体はDMSOであり、すなわち、ジメチルスルホキシドである。この液体は、1つより多くの成分(例えば、エーテルおよびヒドロキシル含有物質)を含有し得る。混合物中で、ゲル化剤(ブロックコポリマー)は、ゲル化剤と極性液体とを合わせた重量の、代表的には10〜95%を占め、そして極性液体は、代表的には、5〜90%を占める。好ましくは、ゲル化剤は、ゲル化剤+極性液体混合物におけるゲル化剤の重量パーセントが、約5〜50%、好ましくは約10〜45%であるように、極性液体と組み合わされる。このような混合物は、好ましくはゲルであり、ここで、ゲルは、ゲル化剤および極性液体の正確な正体、ならびに混合物中のゲル化剤の濃度に依存して、透明であっても、半透明であっても、または不透明であってもよい。
【0106】
極性液体およびブロックコポリマーからゲルを調製するために、2つの成分を混合し、そして均一に成るまで加熱する。代表的に、約80〜150℃の範囲内の温度が、ブロックコポリマーを極性液体中に完全に溶解させるのに十分である。溶液が、低温で調製され得る場合、低温が使用され得る。冷却に際し、混合物は、本発明のゲル状組成物を形成する。融解した組成物に任意の成分を加え得、そして分散させるかおよび/または溶解させて、均一な組成物を提供し、その後、この溶解組成物を冷却し得る。
【0107】
別の実施形態において、本発明のブロックコポリマー含有ゲルは、透明であるように処方され得る。これらは、「完全に」透明(“crystal”clear)からくもりまでの範囲で、本発明のゲルを用いて達成し得る種々の程度で透明である。ゲルの絶対透明度のなんらかの基準を提供するため、以下の試験が考案されている。白色光を、室温で、所定の厚みのゲルサンプルを通して光らせ、そして光の拡散透過率および総透過率を決定する。サンプルについてのくもりのパーセントを、以下の式により決定する:くもり%=(拡散透過率/総透過率)×100。ゲル(またはそれから作成した産物)を溶かすことによりサンプルを調製し、そしてその融解物直径50mmの型に流し込んだ。サンプルは、2種類の厚み(例えば、5.5±0.4mmおよび2.3±0.2mm)で調製し得る。
【0108】
透明性測定は、Hunter Lab Ultrascan Sphere Spectrocolorimeterにおいて、以下の設定を使用して行う:反射含む、UV切、視野大、照射D65、観察者(observer)10°。このプロトコールを、2.3mm厚のサンプルと共に使用すると、本発明のATPAゲルは、75未満のくもり%値を有し得るが、一方、パラフィン蝋は、90%を超えるくもり%値を有する。本発明のゲルについてのくもり%値は、所望の場合、極性液体およびゲル化剤の適切な選択によって増加し得る。従って、本発明は、75未満(好ましくは50未満、より好ましくは25未満、なおより好ましくは10未満、さらにより好ましくは5以下)の透明度(くもり%値によって測定される)を有するゲル(およびそれから作製される物品)を、提供する。
【0109】
1つの実施形態において、本発明のブロックコポリマーを含有するゲルはまた、シネレシスを示さないという点で、安定である。McGraw−Hill Dictionary of Scientific and Technical Terms(第3版)によって定義されるところによると、シネレシスは、ゲルの収縮に起因する、ゲルまたはコロイド懸濁液からの液体の自発的な分離である。代表的には、シネレシスは、ゲルからの液体の分離として観察され、時々、ゲル表面に沿って見られる湿り(シネレシスを表す)をもって、「出血(bleeding)」と呼ばれる。商業的視点からすると、シネレシスは、代表的に、望ましくない特性であり、本発明のゲルは、望ましくかつ驚くべきことに、シネレシスを示さない。1つの実施形態において、本発明のゲルおよびそれかた調製された物質は、シネレシスを示さないという意味において安定であり得る。従って、これらは、扱うときに油っぽい感触を有さない。
【0110】
ブロックコポリマーおよび本発明から形成されるゲルは、制汗剤または脱臭剤を調製するために使用され得る。制汗剤はまた、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウム−ジルコニウムテトラクロロヒドレート、グリシンと複合体化したアルミニウム−ジルコニウムポリクロロヒドレート、ならびに、トリクロロヒドレート、オクタクロロヒドレート、およびセスキクロロヒドレートのいずれかと複合体化したアルミニウム−ジルコニウムの1つ以上を含み得る。ゲルおよび処方された制汗剤は、好ましくは透明である。
【0111】
本発明のブロックコポリマー含有ゲルは、(そうである必要はないが)本質的に透明であってもよい。透明である場合、ゲルは、着色料の外観を損ねたり汚したりすることなく、着色料(および他の)と組み合わされ、口紅または他の化粧品を形成し得る。本発明のゲルは、アルミニウムジルコニウム塩および他の成分と組み合わされ、現在非常に一般的な、無色の腋臭止め/制汗剤を形成し得る。本発明のゲルはまた、他のパーソナルケア製品(例えば、アイメーキャップ、口紅、ファウンデーションメーキャップ、コスチュームメーキャップのような化粧品、およびベビーオイル、メーキャップ除去剤、バスオイル、皮膚保湿剤、日焼け防止製品、リップクリーム、無水ハンドクリーナー、薬用軟膏、人種的ヘアケア製品、香水(perfume)、香水(cologne)、口腔ケアベース(例えば、歯磨き粉)ならびに座剤)においても有用である。
【0112】
本発明に従って調製され得るパーソナルケア製品の他の例としては、非限定で、以下が挙げられる(%の値は、組成物全体に基づく重量%であり、PAOPAを用いずにパーソナルケア製品を調製するプロセスは、当該分野で周知であり、そしてこれらの同じプロセスが、PAOPAの処方物への添加によってPAOPA含有製品を調製するために使用され得る):口紅(例えば、25% PAOPA、60%ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル、9.5%セテアリルアルコール、4.5%シクロペンタシロキサンおよび1.0%フェニルメチコン、および着色料から作製される)、アイシャドウ(例えば、17% PAOPA、11%カルナバワックス、4%蜜蝋、9%サルフラワー(sulflower)オイル、36%シクロペンタシロキサン、12%イソプロピルミリステート、11%オキソケライトワックス、0.2%パラベンから作製される)、マスカラ(例えば、19% PAOPA、19%プロピレングリコール、5% PRO(20)ソルビタンモノラウレート、6%酸化黒釉、1%ヒドロキシエチルセルロースから作製される)、制汗剤スティック(例えば、15% PAOPA、35%プロピレングリコール、15%ジ(プロピレングリコール)、10%シクロペンタシロキサン、および25%アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレックスグリシンプロピレングリコールから作製される)、透明脱臭剤スティック(例えば、20% PAOPA、78%プロピレングリコール、1%トリクロサン、2%芳香物から作製される)、無水アイシャドウ(例えば、25% PAOPA、35%ヒマシ油、31%グリセロールオレアレート、および色素から作製される)、芳香剤スティック(例えば、28% PAOPAおよび72%芳香オイルから作製される)、皮膚ローション乳剤(例えば、相A(11% PAOPA、41% PPG−3ミリスチルエーテル、5%シクロペンタシロキサン)と相B(42%水、微量なEDTAおよびパラベン)との混合によって作製される)、水中油乳剤(例えば、相A(5% PAOPA、1%グリセリルステアレートおよびPEG−100ステアレート、1%トコフェロール)と相B(93%水、微量なEDTAおよびパラベン)との混合によって作製される)、繊維含有口紅(例えば、25% PAOPA、10% 2−オクチルドデカノール、5%色素、約5%ポリアミド繊維から作製される)、パール色素含有口紅(例えば、25% PAOPA、60%ジ(プロピレングリコール)メチルエーテル、10%セテアリルアルコール、1%フェニルメチコーン、5%ビスマスオキシクロリドミカシリカから作製される)、日焼け防止ローション(例えば、3% PAOPA、28%プロピレングリコール、3% PEG−12オレエート、8%オクチルメトキシシナメート、3%ベンゾフェノン−3、1%トコフェロールおよび55%水から作製される)、ヘアグロス(例えば、1% PAOPA、6%プロピレングリコール、2%フェノキシエタノール、2%シクロペンタシロキサン、微量の芳香物から作製される)、透明保湿ゲル(例えば、3% PAOPA、3% ZILGELオイルおよび94%プロピレングリコールから作製される)、脱毛ワックス(例えば、30% PAOPA、35%蜜蝋、および35%ヒマシ油から作製される)、皮膚美白ローション(例えば、相A(10% PAOPA、40% PPG−3ミリスチルエーテル、5%シクロペンタシロキサン)と、相B(40%水)と、相C(2%水および2%アルブチン(Bioland Ltd.から))との混合によって作製される)日中保護クリーム(例えば、相A(2% PAOPA、5%ヒマシ油、3%イソプロピルミリステート、7%セテアリルアルコール、3%グリセレス−26,3% PEG−12オレエート)と相B(1%フェノキシエタノールおよびパラベンアイソマー、78%水)と芳香物とを混合することによって作製される)、アスコルビルPSクリーム(例えば、相A(2% PAOPA、5%ヒマシ油、7%シクロペンタシロキサン、3%イソプロピルミリステート、7%セテアリルアルコール、3%グリセレス−26,3% PEG−12オレエート)と相B(55%水、1%フェノキシエタノールおよびパラベンアイソマー)と相C(5%アスコルビルPS、10%水)とを混合することによって作製される)、老化防止クリーム(例えば、2% PAOPA、5%プロピレングリコール、1%グリシン、2%シリコンエラストマー混合物、10%ペルメチル102A、7%セテアリルアルコール、3%グリセレス−26から作製される)と、相B(61%水および1%フェノキシエタノールおよびパラベンアイソマー)と、相C(3.5%の70%グリコール酸水溶液)とを混合することによって作製される)、脱毛クリーム(例えば、5% PAOPA、8%セテアリルアルコール+セテアレス20,80%水、5%カルシウムチオグリコレートおよび1.5%の25%水酸化ナトリウム水溶液から作製される)、界面活性剤ゲルスティック(例えば、25% PAOPAおよび75% POE(5)水素化ヒマシ油(HLB=4)から作製される)、クレンジング抗菌ゲル(例えば、12% PAOPA、48%ポリオキシアルキレングリコールエーテルおよび41%エタノールから作製される)、マニキュア液(例えば、20% PAOPA、8%ニトロセルロース、1%色素および残りは酢酸ブチルから作製される)、無水日焼け防止スティック(例えば、16% PAOPA、10%ジイソステアリルマレエート、10%ジオクチルマレエート、43%ヒマシ油、11%プロピレングリコールリシノレエート、3%ベンゾフェノン−3,8%オクチルメトキシシナメートから作製される)、ファウンデーション(例えば、5%ソルビタンイソステアレート、15% PAOPA、4%オクチル−2−ドデカノール、3%プロピレングリコール、11%ヒマシ油、4%二酸化チタン、7%水素化イソパラフィン、1%酸化鉄、1%硫酸マグネシウム、および水から作製される)無水ファウンデーション(例えば、11% PAOPA、10%ヒマシ油、10%色素、5%ポリアミド繊維、残りはイソドデカンから作製される)および芳香組成物(例えば、25% PAOPA、4%香水抽出物、61%香油、および10%オクチルドデカノールから作製される)。ここで、列挙したこれらの製品は、本発明の別々の局面である。
【0113】
さらに、本発明のゲルは、空気清浄剤、装飾的な卓上食品温熱剤(food warmer)(すなわち、これらは、例えばオーバーヘッド保温器を加熱するために、ゆっくりと燃やされる)、自動車ワックス/自動車研磨剤、蝋燭、家具磨き、金属クリーナー/金属磨き、家庭用クリーナー、ペンキはがし剤、および殺虫剤キャリアのような家庭用品において、使用され得る。
【0114】
このような物質を調製するための処方は、当該分野で周知である。例えば、米国特許第3,615,289号および同第3,645,705号は、蝋燭の処方を記載する。米国特許第3,148,125号および同第5,538, 718号は、口紅および他の化粧品スティックの処方を記載する。米国特許第4,275,054号、同第4,937,069号、同第5,069,897号、同第5,102,656号および同第5,500,209号は、それぞれ、脱臭剤および/または制汗剤の処方を記載する。
【0115】
本発明のブロックコポリマーは、上に列挙したような市販の製品、ならびにケーブル充填用化合物(cable filling compound)、ウレタン/アルキル塗装添加物(paint additive)および石鹸/界面活性剤に組み込まれ得る。これらの製品は、ブロックコポリマーを製品の他の成分と混合することによって調製され得る。これらの市販の製品において、ブロックコポリマーは、代表的に、この組成物の約1%〜約50%(組成物の総重量に基づく)で存在する。組成物中のブロックコポリマーの量を最適化することは、慣用的な様式であり、実に、この量は、実際の製品および製品の所望の濃度に依存して異なる。概して、より多くのブロックコポリマーが処方物中で使用されると、製品はより明白なゲル特性を示し、より固い、硬質のゲルを形成する。
【0116】
以下の実施例は、例示の目的で提供され、限定の目的で提供されない。
【実施例】
【0117】
以下の実施例において、軟化点を、Mettler Instruments,Mettler−Toledo International,Inc.(CH−8606 Greifensee,Switzerland;@mt.com)からのModel FP83HT Dropping Point Cellを使用し、1.5℃/分の加速速度で測定した。酸およびアミンの数を測定する技術は、当該分野で周知であり、ここで記載する必要はない。例えば、American Society for Testing and Materials (West Conshohocken,PA;@astm.org)からのASTM D−465(1982)を参照のこと。EMPOLTM二価酸は、Cognis Corporation(Cincinnati,OH;@cognis.com)から入手可能である。エチレンジアミン(EDA)は、Aldrich(Milwaukee,WI;@sigma−aldrich.com) 入手可能である.JEFFAMINETMD−400、D−2000およびXTJ−500のポリアルキレンモノアミンおよびジアミンは、Hunstman Corporation(Salt Lake City,UT,@huntsman.com)から入手可能である。NEODOLTMアルコールエトキシレートは、Shell Chemical Company(Houston,TX;@shell.com)から入手可能である。
【0118】
本明細書中で開示される実施例において、「q.s.」の表記は、幾つかの成分は測定しないが、成分の十分な量であることを意味する(例えば、この成分の量が重要でない、芳香物)。比較例は、「C」の文字によって表記し、その後に例の番号を続けた。
【0119】
(実施例1)
(ヒドロカルビルエトキシレート−末端化ブロックコポリマー)
67.4部のEMPOLTM 1008二価酸(酸等価物の100当量%を占める)、5.1部のエチレンジアミン(EDA)(酸等価物に基づき、アミン+ヒドロキシル等価物の72.2%を占める)および27.4部のNEODOLTM23−6.5アルコールエトキシレート(酸等価物に基づき、アミン+ヒドロキシル等価物の27.4当量%を占める)を調製し、窒素雰囲気下で約200〜250℃で加熱し、同時に水を除去した。微量(約0.1〜1.0部)の次亜リン酸を、生成物の呈色を最小化するために加えた。反応の進行を、サンプルを定期的に取り出し、生成物混合物の酸および/またはアミンの数を測定することにより、モニターした。窒素撒布を導入し、アミンの数を所望のレベルまで減少させた。生成物ブロックコポリマーを、18.3(理論値である6より高く、アルコールエトキシレートの反応の未完了を示す)の数の酸、1.1の数のアミン、90.3℃の軟化点および160℃で85cPsの粘度を有することを特徴付け、見出した。
【0120】
(実施例2)
(ヒドロカルビルエトキシレート−末端化ブロックコポリマー)
実施例1の手順の後、57.6部のEMPOLTM1008(酸の100当量%を占める)、4.4部のEDA(酸等価物に基づき、アミン+ヒドロキシルの71.7当量%を占める)および38.0部のNEODOLTM45−13(酸等価物に基づき、アミン+ヒドロキシルの23.9当量%を占める)を用いた。生成物は、16.9の数の酸(理論値である6より高く、アルコールエトキシレートの反応の未完了を示す)、0.6の数のアミン、92℃の軟化点および160℃で94cPsの粘度を有した。軟化点は、実施例1のブロックコポリマーとほぼ同じであり、エトキシレート分子量は、軟化点に大きな影響を有さないことを示す。このブロックコポリマーのゲル化挙動を、実施例4に記載する。
【0121】
(実施例3)
(ヒドロカルビルエトキシレート−末端化ブロックコポリマー)
実施例1の手順の後、47.8部のEMPOLTM1008(酸の100当量%を占める)、2.8部のEDA(酸等価物に基づき、アミン+ヒドロキシルの56.2当量%を占める)および49.4部のNEODOLTM45−13(酸等価物に基づき、アミン+ヒドロキシルの37.4当量%を占める)を用いた。生成物は、21.4の数の酸(理論値である6より高く、アルコールエトキシレートの反応の未完了を示す)、0.4の数のアミン、83.7℃の軟化点および160℃で67cPsの粘度を有した。軟化点および融解粘度は、どちらも実施例2のコポリマーより低く、より高い程度の末端化がブロックコポリマーの分子量を減少することを示す。このブロックコポリマーのゲル化挙動を、実施例4に記載する。
【0122】
(実施例4)
(ヒドロカルビルエトキシレート−末端化ブロックコポリマーのゲル化挙動)
実施例2および実施例3のコポリマーを、15重量%のコポリマー濃度で、種々の極性液体と混合した。ヒドロカルビル−エトキシレート−末端化ポリアミドの観察されたゲル化特性を、表Fに示す(表F−15%樹脂におけるエトキシレートポリアミドコポリマーのゲル化特性)。ゲル化特性は、より高いレベルのエトキシレート末端化(実施例3)が、極性液体に対し樹脂をより適合性にすることを示す。これは、実施例2のコポリマーは、へキシレングリコールをゲル化させ、透明ゲルを形成すること、2−メトキシエチルエーテルをゲル化させ、不透明ゲルを形成することによって実証され、そしてジプロピレングリコールの2相を形成する;一方、実施例3のコポリマーは、へキシレングリコールに溶解し、メトキシエチルエーテル中に透明ゲルを形成し、そしてジプロピレングリコール中に不透明液体を形成する。これは、これらの樹脂のゲル化能力は、その適合性(エトキシ成分)とアミド成分(MW)との間で平衡することを示す。しかし、実施例2のコポリマーも実施例3のコポリマーも、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコールをゲル化させ得なかった。これは、エトキシレート分子内の疎水アルキル鎖に起因する。表Fおよび本明細書中に示した表中のいずれかにおいて、「ND」は、測定していないことを示す。
【0123】
(表F)
(15%樹脂におけるエトキシレートポリアミドコポリマーのゲル化特性)
【0124】
【表6】

(実施例5)
(ヒドロカルビルポリアルキルグリコール−末端化ブロックコポリマー)
実施例1の手順の後、61.8部のEMPOLTM1008(酸の100当量%を占める)、4.3部のEDA(酸等価物に基づき、アミン+ヒドロキシルの66.5当量%を占める)および33.9部のMPEG 550(酸等価物に基づき、アミン+ヒドロキシルの28.5当量%を占める)を用いた。生成物は、20.5の数の酸(理論値である6より高く、アルコールエトキシレートの反応の未完了を示す)、1.0の数のアミン、91℃の軟化点および160℃で52cPsの粘度を有した。このブロックコポリマーのゲル化挙動を、実施例8に記載する。高い末端化レベル(実施例6および実施例7を参照)において、ブロックコポリマーの特性は、ポリアルキルグリコールによって支配された。
【0125】
(実施例6)
(ヒドロカーボンポリアルキルグリコール末端化ブロックコポリマー)
37.3部のEMPOLTM1008(100当量%の酸)、2.7部のEDA(68.9当量%のアミン+ヒドロキシル(酸の当量に基づく))、および59.9部のMPEG(23.0当量%のアミン+ヒドロキシル(酸の当量に基づく))を使用し、実施例1の手順に従った。この生成物は、17.1の酸価(理論値6よりも高く、このことは、アルコールエトキシレートの不完全な反応を示す)、0.4のアミン価、75.4℃の軟化点、そして224cPsの粘度(160℃)を有していた。このブロックコポリマーのゲル化行動は、実施例8に記載してある。
【0126】
(実施例7)
(ヒドロカーボンポリアルキルグリコール末端化ブロックコポリマー)
26.1部のEMPOLTM1008(100当量%の酸)、1.6部のEDA(56.5当量%のアミン+ヒドロキシル(酸の当量に基づく))、および31.8部のMBPPG2500(31.8当量%のアミン+ヒドロキシル(酸の当量に基づく))を使用し、実施例1の手順に従った。この生成物は、17.3の酸価(理論値6よりも高く、このことは、アルコールエトキシレートの不完全な反応を示す)、0.5のアミン価、41.9℃の軟化点、そして35cPsの粘度(160℃)を有していた。このブロックコポリマーのゲル化行動は、実施例8に記載してある。
【0127】
(実施例8)
(ヒドロカーボンエトキシレート末端化ブロックコポリマーのゲル化行動)
実施例5、6、および7のコポリマーを15重量%のコポリマー濃度で種々の極性液体と混合した。これらのコポリマーの観察されたゲル化特徴は表G(表G−15%樹脂におけるポリアルキルグリコール−ポリアミドコポリマーのゲル化特性)に示されている。実施例5および6のコポリマーは、へキシレングリコールをゲル化したが、実施例6のコポリマーは不透明なゲルを生じた。この不透明なゲルは、高温度ではへキシレングリコールに溶解するが、冷却されると結晶化するMPEG2000により引き起こされている可能性が高い。この結果は、末端分子が、好ましくは、グリコールに可溶性の液体であることを示唆する。
【0128】
しかし、液体状終結剤が>70重量%である場合、実施例7のコポリマーは、グリコールに適合しない非常に軟らかい不透明固体であった。この行動は、グリコールに適合しない、樹脂中の未反応のダイマーに起因し得る。従って、ヒドロカーボン末端化ポリアルキルグリコール−ポリアミドブロックコポリマーは、液体状終結剤が使用され、かつ末端化のレベルが高すぎない場合に、優れたゲル化特性を有する。ヒドロカーボン末端化エトキシレート−ポリアミドコポリマーを使用した場合、これらの樹脂のゲル化特性はアミド密度とポリアルキルグリコール含量との間のバランスの産物である。
【0129】
【表7】

(実施例9)
(ヒドロカルビルオキサ酸末端化ブロックコポリマー)
74.4部のEMPOLTM1008(75当量%、全ての酸に基づく)、15.7部の3,6,9−トリオキサデカノン酸(25当量%、全ての酸に基づく)、および9.9部のEDA(94.7当量%のアミン、酸の当量に基づく)を使用して、実施例1の手順に従った。この生成物は、11.6のアミン価、88.1℃の軟化点、そして35cPsの粘度(183℃)を有していた。オキサ酸の使用は、ポリアルキルグリコールおよびアルコールエトキシレートの使用に対してより暗色のブロックコポリマーが生じる傾向がある。このブロックコポリマーのゲル化行動は、下の表Hに記載されている。
【0130】
【表8】

(実施例10〜18)
(ヒドロカルビルポリオキシアルキレンアミン−ポリアミドブロックコポリマー)
EMPOLTM1008、UNIDYME18ダイマー酸(Arizona Chemical,Jacksonville,FL製)、EDA、ヘキサメチレンジアミン(HMDA、Aldrich)、セバシン酸(sebacic、Aldrich)、ポリオキシアルキレンアミンなどを表Iに示す量で使用して、実施例1の手順に従った。表Iはまた、対応する生成物の酸価(AN)、アミン価(AM)、軟化点(℃)(軟化点(℃)、極性液体としてTHFを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定した分子量およびポリスチレン標準を参照とするMnおよびMwの両方として報告されている分子量、そして160℃でのセンチポアズとして測定された粘度(粘度@160℃(cPs)))を示す。
【0131】
ポリアルキルグリコール−ポリアミドブロックコポリマーとは異なり、このポリオキシアルキレンアミン−ポリアミドブロックコポリマーを調製するために使用された反応物は、終結剤とほぼ完全に反応した(理論上の酸価=6)。末端化のレベルの増大(実施例14および13)により、軟化点および粘度の低下が生じた。HMDAの添加により、EDAのみの使用に比べて軟化点(実施例13および17)が低下し、一方、コジアシッドとしてのセブシン酸の添加により軟化点が上昇した。
【0132】
ジグリコールアミンポリマー(実施例18)を、アミン基のみを反応させ、ヒドロキシル基を反応させないために、真空にせずに180℃で反応させることによって作製した。この材料は、有利ヒドロキシルのゲル化特徴に対する影響を決定するために作製した。
【0133】
GPCにより決定したこれらのコポリマーのMWは、JEFFAMINETM M−2070を含むこれらのコポリマーが、4000〜5000の数平均MW(Mn)を有することを示す。この結果により、これらの樹脂は2個または4個のいずれかのアミド基を有するコポリマーを主に含む、すなわち、これらの樹脂は主にビス−アミドおよびテトラ−アミドの混合物であることが示される。
【0134】
このグループのブロックコポリマーのゲル化行動が、表J(表J−15%樹脂におけるポリオキシアルキレンアミン−ポリアミドコポリマーのゲル化特性)に記載されている。
【0135】
>65重量%の高レベルのM−2070を有するコポリマーは、グリコール、エーテル、およびポリオールのすべて(ヘキシレングリコールは除く)において清澄なまたは透明なゲルを形成した。セブシン酸の添加により、コポリマーの軟化点は上昇したが、プロピレングリコールにおいて、ゲルをより軟らかくしたようである。終結剤の量を減少させる(MWを増大させる)ことにより、プロピレングリコールにおいて、より硬いゲルを生じたが、このゲルは清澄ではなく透明であった。EDAに対してHMDAを使用することにより、プロピレングリコールにおいて、ゲルの硬度が増大した。従って、最も清澄かつ硬いゲルは、HMDAおよび最大限のレベルで可能な末端化を使用することにより得られる。
【0136】
一般的に、ゲル特性は、末端化のレベルおよびアミド基の密度に関連する。EDAに対してHMDAを使用することにより、プロピレングリコールにおいてゲルの硬度が増大した。従って、最も清澄かつ硬いゲルは、HMDAおよび最大限のレベルで可能な末端化を使用することにより得られる。高レベルのM−2070を有する樹脂は、水に少し可溶性である(約3〜4%までの濃度)。従って、これらの樹脂は、極めて親水性の材料であり、いくらかの界面活性剤特性を示す。
【0137】
【表9】

【0138】
【表10】

(実施例19〜22)
(ヒドロカルビルポリオキシアルキレンアミン−ポリアミドブロックコポリマー)
表K(コジアミンを含有しないポリ(オキシアルキレン)モノアミン末端化ポリアミドの組成および特性)に記載する組成、物理的特性およびゲル化特性を有する、本発明の4種類の樹脂を本質的に実施例1の手順に従って調製した。
【0139】
【表11】

(実施例23〜32)
(ヒドロカルビルポリオキシアルキレンアミン−ポリアミドブロックコポリマー)
種々の量のエチレンジアミンおよびポリエーテルジアミン(特定すると、JEFFAMINE(登録商標) EDR−148)を有する一連の樹脂を調製した。これらの樹脂についての反応物、ならびにその樹脂の物理的特性およびゲル化特性が、表L(JEFFAMINE(登録商標) EDR−148を含有するポリ(オキシアルキレン)モノアミン−末端化ポリアミドの組成および特性)に記載されている。
【0140】
250mLのErlenmeyerフラスコ中で、3滴の25%次亜リン酸水溶液の存在および穏やかな窒素除去の下で、約100gの成分(全充填物)を攪拌しながら加熱することにより、これらの樹脂を調製した。混合物が220℃に達した後、その温度で3時間保った。これらの樹脂の全てが、ほぼウォーターホワイト色であった。これらの樹脂は全て、一定の程度または別の程度で軟らかく、一般的に、ポリアルキレンオキシ含量が高いほど、樹脂はより軟らかい。
【0141】
【表12】

M−2070を使用する場合の末端化の好ましい範囲は、約15〜18当量%であり、コジアミンのレベルが約45〜48当量%である(これよりも多いと、清澄だが、可動性の「ゼリー」が生じる)。
【0142】
(実施例33〜38)
(ヒドロカルビルポリオキシアルキレンアミン−ポリアミドブロックコポリマー)
種々の量のエチレンジアミンおよびポリエーテルジアミン(特定すると、JEFFAMINE(登録商標) D−400)を有する一連の樹脂を調製した。これらの樹脂についての反応物、ならびにその樹脂の物理的特性およびゲル化特性が、表M(JEFFAMINE(登録商標) D−400含有ポリ(オキシアルキレン)モノアミン−末端化ポリアミドの組成および特性)に記載されている。
【0143】
250mLのErlenmeyerフラスコ中で、3滴の25%次亜リン酸水溶液の存在および穏やかな窒素除去の下で、約100gの特定の成分(全充填物)を攪拌しながら加熱することにより、これらの樹脂を調製した。混合物が220℃に達した後、その温度で3時間保った。これらの樹脂の全てが、ほぼウォーターホワイト色であった。これらの樹脂は全て、一定の程度または別の程度で軟らかく、一般的に、ポリアルキレンオキシ含量が高いほど、樹脂はより軟らかい。
【0144】
【表13】

ダイマー酸、EDA、M−2070、およびD−400の処方物は、広範囲の組成範囲(compositional space)にわたって、プロピレングリコールをゲル化し、その組成範囲は、45〜60重量%のダイマー、47〜25%のモノアミン、および6〜12%のD−400(最終レベルが6〜22当量%であり、EDAの30〜35当量%がD−400で置換されるように調節する)である。
【0145】
このような樹脂、およびこのような樹脂を調製するための処方物は、本発明の好ましい実施形態である。例えば、1つの局面において、本発明は、ポリオキシアルキレンアミン、ポリオキシアルキレンジアミン、およびダイマー酸を含む反応物を縮合させて、10,000未満の数平均分子量を有するヒドロカーボン−末端化ブロックコポリマーを得るというプロセスによって調製される生成物を提供する。ポリオキシアルキレンアミンは、式R−O−[(R−O)−(R−O)]−R−NHを有し得、ここで、(R−O)−(R−O)は任意の配列で配置された複数のR−O単位およびR−O単位を表し、nおよびmの合計により1,500〜2,500g/molの分子量が与えられ、mまたはnのいずれかが0であり得、RはC〜Cのアルキルであり、Rは−CHCH−であり、Rは−CH(CH)−CH−であり、そしてRはRおよびRから選択される。ポリオキシアルキレンアミドは、JEFFAMINE M2070の構造を有し得る。最終生成物は、10未満の酸価および10未満のアミン価を有する樹脂である。好ましい実施形態において、この反応物は、表Mに示されるように、さらにエチレンジアミンを含む。
従って、1つの局面において、ポリオキシアルキレンアミンは反応物の25〜47重量%に寄与し、ポリオキシアルキレンジアミンは反応物の6〜12重量%に寄与し、そしてダイマー酸は反応物の45〜60重量%に寄与する。別の局面において、ポリオキシアルキレンアミンは反応物の25〜47重量%に寄与し、ポリオキシアルキレンジアミンは反応物の6〜12重量%に寄与し、ダイマー酸は反応物の45〜60重量%に寄与し、そしてエチレンは反応物の1〜6重量%に寄与する。
【0146】
(実施例39〜45)
(ヒドロカルビルポリオキシアルキレンアミン−ポリアミドブロックコポリマー)
種々の量のエチレンジアミンおよびポリエーテルジアミン(特定すると、HUNTSMAN XTJ−500および/またはHUNTSMAN XTJ−506)を有する一連の樹脂を調製した。これらの樹脂についての反応物、ならびにその樹脂の物理的特性およびゲル化特性が、表N(HUNTSMAN XTJ−500および/またはHUNTSMAN XTJ−506を含有するポリ(オキシアルキレン)モノアミン末端化ポリアミドの組成および特性)に記載されている。
【0147】
250mLのErlenmeyerフラスコ中で、3滴の25%次亜リン酸水溶液の存在および穏やかな窒素除去の下で、約100gの特定の成分(全充填物)を攪拌しながら加熱することにより、これらの樹脂を調製した。混合物が220℃に達した後、その温度で3時間保った。これらの樹脂の全てが、ほぼウォーターホワイト色であった。これらの樹脂は全て、一定の程度または別の程度で軟らかく、一般的に、ポリアルキレンオキシ含量が高いほど、樹脂はより軟らかい。
【0148】
実施例45の樹脂は、高い分子量および高い粘度を有する、本発明のブロックコポリマーを表し、これは、プロピレングリコールと適合しないにもかかわらず、依然として有用なゲル化特性を示す。この樹脂は、96.8℃の軟化点、18,240ダルトンのMWw、および2,940cPsの粘度(160℃)を有する。この樹脂は、極性液体である乳酸エチルに溶解し、清澄で硬いゲルを形成する。
【0149】
【表14】

(実施例46〜52 ゲル状樹脂)
表Oに以下に列挙する成分を、示される量で、スターラー、熱電対プローブ、窒素ガス入り口およびコンデンサーへの蒸気出口を備える250mLガラス反応器に、充填した。反応混合物を窒素の穏やかなスイープ下で、約120〜130℃まで急速に加熱し、この点で、液化した塊の攪拌を開始した。加熱を継続し、そして約150℃で、コンデンサートラップ内で、水蒸気が出現し始めた。加熱を継続し、反応混合物を約220℃の最高温度にした。その温度で約6〜7時間加熱した後、生成物を取り出し、そして酸およびアミンの数、ならびに、環球法の軟化点について試験した。
【0150】
(表O ダイマー酸ベースのゲル状樹脂組成物の組成および特性)
【0151】
【表15】

3.0gの樹脂と17.0gの液体を、攪拌しながら約100℃まで加熱することによって、表Pに列挙される液体についてのゲル状物として、実施例46〜52のゲル状樹脂を試験した。ほとんど全ての場合において、混合物は、加熱すると均質かつ透明になり、次いで、サンプルバイアルに注ぎ、室温まで完全に冷却させた。バイアルを穏やかに振りながら逆にすることによって、混合物を評価した。混合物が全く動かない場合、この混合物を「ゲル」として分類する。混合物が塊として動くか、またはより小さい塊に崩れて動く場合、この混合物を「ゼリー」として分類した。いくつかの場合において、液体は自由に流れ、この場合において、樹脂を、「可溶物」として分類した。塊の透明度をまた評価し、そして「透明(clear)」(透明(transparent))、「もやのかかった(hazy)」(半透明)、または「濁った(cloudy)」(本質的に不透明)として分類した。いくつかの場合において、塊は2相(固相−液相)のペーストに冷却され、「不完全」として分類した。
【0152】
(実施例53〜55 CHDAベースのゲル状樹脂組成物)
表Qに以下に列挙する組成物を、上記の実施例46〜52と同じように反応させて、シクロヘキサンジカルボン酸(CHDA)樹脂、実施例#53〜55を得た。これらを、ゲル化能力について上記のように15%の樹脂固形分で試験し、結果を表Rに示した。
【0153】
(表Q CHDAベースの樹脂組成物)
【0154】
【表16】

(表P ダイマー酸ベースの樹脂組成物のゲル化能力)
【0155】
【表17】

(表R CHDAベースの樹脂組成物のゲル化能力)
【0156】
【表18】

(実施例56 エポキシ樹脂のゲル化)
実施例樹脂#47の3%溶液を、EPONTM828液体エポキシ樹脂(Resolution,Inc.製、以前は、Shellから市販された)中で調製した。室温まで冷却すると、混合物は均質で、わずかにもやがかかっており、高度に粘弾性の流体であった。出発液体エポキシは、76cP(80℃)/1,400cP(40℃)のBrookfield粘度を有したが、3%樹脂ブレンドの粘度は、約80℃未満では高すぎて、測定できなかった。約85℃を超えると、ゲル形成は、可逆的であり;90℃では、上記ブレンドの低せん断率Brookfield粘度は、92cP(5.6s−1で)であり、85℃では、1,900cP(1.4s−1で)に増加した。サンプルを80℃までさらに冷却し、サンプルの粘度が7,250cP(0.3s−1)まで増加した。冷却に際しての、これらの非常に大きな粘度の増加は、ゲル形成の開始のシグナルである。サンプルが90℃まで加熱し直された場合、粘度は、218cPまで(約30分にわたって)次第に減少した。
【0157】
(実施例57 エポキシ樹脂のゲル化)
実施例樹脂#55の4%溶液を、実施例56に記載したように、EPONTM828液体エポキシ樹脂中で調製した。室温まで冷却すると、混合物は、均質で、透明で、高度に粘性の液体であり、EPONTM828液体エポキシ樹脂自体よりも有意に粘性であった。
【0158】
(実施例58 ニート芳香物質のゲル化)
実施例樹脂#47の5%溶液を、液体芳香物質No.005823(ニートな模倣りんごエッセンス(Bush Boake Allen(International Fragrance and Flavorsの事業部)中で調製した。室温まで冷却すると、この混合物は、均質で、透明なゼリー状であった。9.5%の樹脂#47の濃度で、混合物は透明なゲルになった。
【0159】
本明細書中で言及される、全ての刊行物および特許出願は、その各々の刊行物または特許出願が、具体的に、かつ個々に、参考として援用されるのと同じ程度に、本明細書中に参考として援用される。
【0160】
広範な本発明の概念から逸脱することなく、上記の実施形態に変更がなされ得ることが、当業者に。従って、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内の改変を網羅することが意図されることが理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーであって、該ポリアミドブロックがシクロヘキシル部分を含む、ブロックコポリマー。
【請求項2】
請求項1に記載のコポリマーであって、
a)前記ポリエーテルブロックが、式
【化1−1】

を含み、ここで、Rは炭化水素であり;
b)前記ポリアミドブロックが、式
【化1−2】

を含み、ここで、Rは、少なくとも1つの存在において、1,4−シクロヘキシルジラジカルであり、そして、Rは、炭化水素およびポリエーテルから選択され;そして
c)前記ブロックコポリマーの炭化水素部分が、独立してC1〜22炭化水素ラジカルから選択される、
コポリマー。
【請求項3】
請求項1に記載のコポリマーであって、該コポリマーは、式
【化1−3】

を有し、ここで、各存在において独立して、RはC1〜22炭化水素ラジカルであり;RはC2〜6炭化水素ジラジカルであり;RはC2〜52炭化水素ジラジカルであり、そして、少なくとも1つの存在において、1,4−シクロヘキシルジラジカルであり;RはC2〜36炭化水素ジラジカルおよびC〜C100ポリエーテルジラジカルから選択され;ZはOおよびNHから選択され;xおよびzは独立して、2〜100の範囲内の整数から選択され;ならびに、yは1〜10の整数である、コポリマー。
【請求項4】
請求項1に記載のコポリマーであって、該コポリマーは、式
【化1−4】

を有し、ここで、各存在において独立して、RはC〜C22炭化水素ラジカルであり;RはC2〜6炭化水素ジラジカルであり;RはC2〜52炭化水素ジラジカルであり、ここで、少なくとも50%のRジラジカルが1,4−シクロヘキサンジラジカルであり;RはC2〜36炭化水素ジラジカルおよびC〜C100ポリエーテルジラジカルから選択され;ZはOおよびNHから選択され;xおよびzは独立して2〜100の範囲内の整数から選択され;ならびに、yは1〜10の整数である、コポリマー。
【請求項5】
ダイマー酸、ジアミン、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端の終末と、炭化水素から選択される別の端の終末とを有するポリエーテルを含む反応物質を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより調製される、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項6】
ジアミン、シクロヘキサンジカルボン酸、ならびに、アミン、ヒドロキシルおよびカルボキシルから選択される1つの端の終末と、炭化水素から選択される別の端の終末を有するポリエーテルを含む反応物質を一緒に反応させる工程を包含するプロセスにより調製される、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項7】
組成物であって、以下
a)式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーを含む樹脂組成物;と
b)芳香物質、界面活性剤およびポリエポキシ樹脂から選択される、液体
とを含む、組成物。
【請求項8】
前記液体が芳香物質である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記液体が界面活性剤である、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記液体がポリエポキシ樹脂である、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
組成物であって、以下
a)式 炭化水素−ポリエーテル−ポリアミド−ポリエーテル−炭化水素のブロックコポリマーを含む樹脂組成物;と
b)エステル含有液体、芳香族環含有液体、中性溶媒液体、ケトン含有液体、中和溶媒液体、エステル含有液体、およびアミド含有液体から選択される、液体
とを含む、組成物。
【請求項12】
請求項11に記載の組成物であって、前記液体が、R−CO−RおよびR−CO−R−CO−Rから選択される式を有するエステル含有液体であって、ここで、RおよびRは、1〜12個の炭素を有する有機部分であり、ここで、液体における2つのR部分は、一緒に連結してラクトンを提供し得、そして、液体におけるR部分およびR部分は、一緒に連結してラクトンを形成し得る、組成物。
【請求項13】
請求項12に記載の組成物であって、Rは、C〜C12アルキル、C〜C12ヒドロキシ置換アルキル、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アルキル、C〜C12アリール置換C〜C12アルキル、C〜C12アルケニル、C〜C12ヒドロキシアルケニル、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アルケニル、C〜C12アリール、C〜C12アルキル置換C〜C12アリール、C〜C12ヒドロキシ置換アリール、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アリールから選択され;そして、Rは、C〜C12アルキレン、C〜C12ヒドロキシ置換アルキレン、C〜C12アルキレン、C〜C12アリーレン、C〜C12ヒドロキシ置換アリーレン、C〜C12アルコキシ置換C〜C12アリーレンから選択される、組成物。
【請求項14】
前記エステル含有液体が、乳酸エチル、プロピオン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、プロピオン酸エトキシエチル、アクリル酸ブチル、プロピオン酸ビニル、酢酸ブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、酢酸エチル、酢酸エチルヘキシル、およびγ−ブチロラクトンからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記液体が、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、スチレン、α−メチルスチレン、(C〜C18アルキル)安息香酸、(C〜C18アルキル)サリチル酸、および(C〜C12アルキル)(C〜C12アルキル)フタル酸からなる群から選択される芳香族環含有液体である、請求項11に記載の組成物。
【請求項16】
前記液体が、N−メチルピロリジノン、プロピレンカーボネート、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、ジクロロエタンからなる群から選択される極性中和溶媒液体である、請求項11に記載の組成物。
【請求項17】
前記液体が、式R−C(=O)−Rのケトン含有液体であって、ここで、各存在において、Rは、独立して、1〜12個の炭素を有する有機部分から選択され、ここで、液体におけるR部分は、一緒に連結して、環状ケトンを提供し得る、請求項11に記載の組成物。
【請求項18】
前記ケトン含有極性液体が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンから選択される、請求項11に記載の組成物。

【公開番号】特開2006−213929(P2006−213929A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124423(P2006−124423)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【分割の表示】特願2004−503533(P2004−503533)の分割
【原出願日】平成15年5月8日(2003.5.8)
【出願人】(501488642)アリゾナ ケミカル カンパニー (2)
【Fターム(参考)】