説明

炭酸ガス含有殺菌水生成方法および装置

【課題】 次亜塩素酸、あるいは、二酸化塩素を主成分とする殺菌水を生成する装置は、電気制御部を有しており、結露を生じる場所や水が掛かる場所に設置することは望ましくない。しかしながら、そのような殺菌水を使用する場所は、前記のような設置に望ましくない場所が多く、電気制御部のない装置が望まれている。
【解決手段】 本発明は、電気制御部を持たずに、水に次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウムを混合し、さらに炭酸ガスを混合することにより弱酸性の、次亜塩素酸、あるいは、二酸化塩素を主成分とする殺菌水を生成する方法において、殺菌水の吐水量が変化しても、塩素濃度と炭酸ガス濃度が所定の濃度を保つように、主流体の流量変化に応じて、自動的に次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウムの添加量と炭酸ガスの混合量を調整できる方法を提案している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次亜塩素酸または亜塩素酸を主成分とする殺菌水の生成方法および装置に関する。
【0002】
本発明は、次亜塩素酸ナトリウムあるいは亜塩素酸ナトリウムの希釈水に炭酸ガスを混合して、弱酸性の希釈殺菌水を生成知る方法および装置に関する。
【0003】
本発明は、電気制御を用いずに、希釈水の流量変化が生じても、塩素濃度およびpH値がほぼ一定の希釈殺菌水を生成する方法および技術に関する。
【背景技術】
【0004】
次亜塩素酸または亜塩素酸を主成分とする殺菌水は人体に無害であり、且つ殺菌効果の優れていることが、現在では広く知られている。次亜塩素酸は次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈して遊離塩素濃度が200ppm程度でpH値が8.6程度にした次亜塩素酸ナトリウム水溶液に10%程度含まれている。次亜塩素酸の比率は、pH値を下げて弱酸にすることにより、増加しpH値が5近傍でほぼ100%となることは、以前から知られている。
【0005】
次亜塩素酸や亜塩素酸を主成分とする殺菌水の生成方法の一例としては、次亜塩素酸ナトリウム水溶液や亜塩素酸ナトリウム水溶液と塩酸などの酸性水溶液とを混合する方法が知られている。
【0006】
次亜塩素酸を主成分とする殺菌水の生成方法の別の例としては、塩酸水溶液を直接電気分解する方法が知られている。さらには、プラス極とマイナス極の間に隔膜を有する電解槽に、塩化ナトリウム水溶液を注入して電気分解することにより、プラス極側に次亜塩素酸水溶液を生成する方法や、塩酸と塩化ナトリウムの混合水溶液を直接電気分解して、生成する方法も知られている。
【0007】
また、上記の方法で生成した殺菌水を使用する方法として、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と酸性水溶液を専用の装置で混合して生成するか、専用の電気分解装置で殺菌水を生成し、その装置から吐出される殺菌水を先止めバルブや蛇口から取り出して使う方法が知られている。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
次亜塩素酸ナトリウム水溶液や亜塩素酸ナトリウム水溶液と酸性水溶液を混合して殺菌水を生成する方法は、手軽に殺菌水を生成できるという利点があるが、混合する酸性水溶液の量のコントロールが難しく、酸性水溶液の量が少しでも多いと、急激にpH値が低下してガス化領域に入り、塩素ガスや二酸化塩素ガスを発生すると言う問題を抱えている。
【0009】
このような問題があるため、一般的に市販されている次亜塩素酸ナトリウムを含む殺菌剤や漂白剤は、その容器に、酸と一緒に使用することを禁じる注意書きが付されている。したがって、この方法においては、精密な薬液添加コントロールが必要となる。
【0010】
また、塩酸水溶液を直接電気分解する方法やプラス極とマイナス極の間に隔膜を有する電解槽に、塩化ナトリウム水溶液を注入して電気分解することにより、プラス極側に次亜塩素酸水溶液を生成する方法や、塩酸と塩化ナトリウムの混合水溶液を直接無隔膜電気分解して、生成する方法においては、もっとも次亜塩素酸の含有比率が高いpH値5近傍で生成しようとすると、微妙な調整が必要となり、実際にはpH値を7程度として、電解条件に一定の幅を設けて制御しているのが実情である。
【0011】
一方、上記の方法で生成した殺菌水を使用する方法として、次亜塩素酸ナトリウム水溶液と酸性水溶液を専用の装置で混合して生成するか、専用の電気分解装置で殺菌水を生成し、その装置から吐出される殺菌水を所望の量だけ取り出すために、流量調整バルブや先止めバルブや蛇口を介して取り出して使う方法一般的である。
【0012】
その場合、装置から吐出される殺菌水の量が常に変動したり、極端に少ない量になったり、さらには止められることもあり、装置における生成量がごく微量であったり、生成量を一定にすることが出来ず、生成される殺菌水の濃度やpH値が不安定になる問題がある。そこで、生成された殺菌水をアキュームレータなどの貯水型タンクを設けなければならず、コスト的な問題や装置が大きくなると言う問題がある。
【0013】
また、いずれの方法も電気制御を駆使した、微妙な調整を必要とし、高温多湿で結露の起きるような環境や、水が掛かるような環境には不向きであり、電気制御部を保護する為に、密閉構造にするなどコストがかかる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、電機制御を用いずに、装置から吐水される殺菌水の水量が変化しても、その水量に合わせて自動的に塩素濃度およびpHを調整する方法および装置を提案している。
【0015】
具体的には、主流体である水に次亜塩素酸ナトリウム、あるいは、亜塩素酸ナトリウムを混合することにより塩素濃度を有し、主流体の水に炭酸ガスを混合するか、次亜塩素酸ナトリウム、あるいは、亜塩素酸ナトリウムが混合された希釈殺菌水に炭酸ガスを混合することにより、希釈殺菌水のpHを調整する方法を用い、その際、主流体の流量に応じて、第2の流体の流量を自動的に調整する特殊な混合器を前記次亜塩素酸ナトリウム、あるいは、亜塩素酸ナトリウムの混合と炭酸ガスの混合部に用いる物である。
【0016】
ここで、炭酸ガスは、殺菌水として効果の高いpH5〜6において干渉性を有し、前記の塩酸混合と異なり、若干の混合量の変化により、pHが大きく変動することがないため、非常に好都合で安全性が高い。
【0017】
前記の特殊な混合器とは、主流体の流路に可変絞り部を設け、主流体の流量変化により絞り前後の圧力差が変化しないように自動的に絞り部の開口面積が調整されるように動く特殊な移動板を使用して、その移動板の移動量に連動して第2の流体の供給管路開口面積を変化させる方法を用いて、主流体の流量と第2の流体の流量比率を一定に保つ方法を提案している。
【0018】
つまり、主流体の流量が少ない場合は、前記移動板の移動量が少なく、したがって、第2の流体の供給管路開口面積も小さく、第2の流体の流量も少ない。主流体の流量が増えると、絞り部の開口面積が小さいままだと圧力差が大きくなる為、圧力差を増加させないように絞り部の断面積が自動的に増える機構を用いている。
【0019】
絞り部の断面積を増やす際に移動板の移動量が増える為、その結果第2の流体の供給管路開口面積が増えて第2の流体の流量も増える。これによって、主流体の流量増加に応じて、第2の流体の流量も自動的に増加する。くわしい原理については、発明の実施の形態において説明する。
【0020】
したがって、本発明においては、次亜塩素酸ナトリウム、あるいは、亜塩素酸ナトリウムの水への混合や炭酸ガスの混合において、電気制御部を用いない為、使用環境を選ばない。
【0021】
また、主流体の水の流量に応じて、予め決められた量の次亜塩素酸ナトリウム、あるいは、亜塩素酸ナトリウムと炭酸ガスが混合されるため、装置の下流や上流にある蛇口や手動バルブで、生成される希釈殺菌水の吐水量を調整しても、常に一定の塩素濃度およびpHの希釈殺菌水を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図12は本発明の代表的な実施例を示す。主流体の水が送水管路104から送水され、その先には前記の特殊な混合器101および102が設けられている。混合器101は主流体に次亜塩素酸ナトリウムを定比率で混合する混合器で、混合器102は主流体に炭酸ガスを定比率で混合する混合器である。
【0023】
次亜塩酸ナトリウムを貯留するタンク105は密閉タンクになっており、炭酸ガスボンベ107から圧力調整器108を介して炭酸ガス供給管路111により圧力が加えられている。
【0024】
また、タンク105から炭酸ガスの圧力により混合器101に次亜塩素酸ナトリウムが供給される管路106が設けられている。
【0025】
さらに、混合器102には、炭酸ガスボンベ107から圧力調整器108を介して炭酸ガスを供給する為の管路109が接続されている。そして、混合器102の下流には、俗にスタティックミキサーと呼ばれる攪拌器103が接続され、その下流に蛇口110を有している。混合器101および102の詳細に関しては、後に詳しく説明する。
【0026】
ここで、蛇口110を開いて殺菌水を吐水すると、送水管路104から主流体である水が送水される。このとき、混合器101を流れる主流体の流量に応じて、予め設定された比率の次亜塩素酸ナトリウムが混合されて、一定の塩素濃度を有する希釈殺菌水が管路112に流れる。
【0027】
次に、管路112から混合器102に送水された希釈殺菌水の量に応じて、炭酸ガスボンベ107から予め設定された比率の炭酸ガスが供給混合される。炭酸ガスが混合された希釈殺菌水は管路113を通り、混合器103で攪拌混合されて蛇口110から吐水される。
【0028】
蛇口110の開度を上げて吐水される殺菌水の量を増やすと、次亜塩素酸ナトリウムと炭酸ガスの供給量も自動的に増え、蛇口110を絞り吐水される殺菌水の量を減らすと、次亜塩素酸ナトリウムと炭酸ガスの供給量も自動的に減少し、吐水量に影響されることなく、塩素濃度とpHがほぼ一定に保たれる。
【0029】
さらに、蛇口110を完全に締めて殺菌水の吐水を止めると、供給される次亜塩素酸ナトリウムと炭酸ガスの流量も零となる。
【0030】
図12では、次亜塩素酸ナトリウムを混合してから炭酸ガスを混合しているが、順番が逆でもかまわない。また、蛇口110の代わりに手動バルブを用いても良いし、蛇口110を無くし、手動バルブを管路104、112、113のいずれの場所に設けてもかまわない。
【0031】
また、攪拌器103はスタティックミキサーを使用しているが、管路内に障害物が複数あるものや、複数の穴が設けられた平板が流れと直角方向に設けられた攪拌器などでできており、殺菌水がスムーズに流れずに混合された次亜塩素酸ナトリウムや炭酸ガスとともにかき混ぜられるような構造であれば、特に構造を問わない。
【0032】
また、図12では攪拌器103の下流には直接蛇口110を設けているが、攪拌器103の下流に、アキュームレータやタンクを設けても良い。さらに前記の説明における次亜塩素酸ナトリウムが、亜塩素酸ナトリウムであってもかまわない。
【0033】
また、図12においては、次亜塩素酸ナトリウムを貯留しているタンク105には圧力調整器108を介して、炭酸ガスの圧力が掛けられているが、圧力調整器をもう1つ別に用意し(図示せず)混合器102に供給される炭酸ガスの圧力とは別に、タンク105に加えられる圧力を設定できるようにしても良い。タンク105に加えられる圧力を調整することで、混合器101において主流体に混合される次亜塩素酸ナトリウムの比率を調整することができる。
【0034】
次に、混合器102および103の詳細について説明する。以下の説明において、主流体は、図12に示す送水管路104から送水される水であり、第2の流体とは、次亜塩素酸ナトリウムや炭酸ガスのことである。
【0035】
図1および2は混合器の代表的な実施例を示す。ケース1とケース2の間にゴムなどの弾性体でできた移動板3を挟みこんで固定している。移動板3には円錐状の突起部4があり、その中央にシャフト6が固定されている。移動板3の突起部4はバネ5によりケース1に設けられた穴7の入口に押し付けられている。
【0036】
その時、シャフト6の先端のテーパー部8は穴9の入口を完全に塞いだ状態になっている。このとき、管路10は主流体の供給管路で、管路11は、主流体の排出管路である。また、管路12は第2の流体の供給管路で、管路13は第2の流体の排出管路である。
【0037】
また、シャフト6には主流体と第2の流体を隔てる為にシール部材14が設けられている。さらに、ケース2と移動板3でできた空間15と穴7はシャフト6に設けられた連通管16により連通している。
【0038】
また、第2の流体の排出管路13は主流体の排出管路11に接続されている。ここで、第2の流体の排出管路13は主流体の供給管路10に接続されていても良い。
【0039】
次に原理について説明する。図1は、主流体の流量が零の状態であり、突起部4が穴6をほぼ塞いでいる状態であり、テーパー部8も穴9を完全に塞いでおり、第2の流体も流れない状態に保たれている。
【0040】
ここで、テーパー部8が穴9を完全に塞いでいる状態で突起部4が穴7の入口を完全に塞いでいることが望ましいが、必ずしも、突起部4が穴7の入口を完全に塞いでいる必要はない。また、突起部4やテーパー部8が弾性体であっても良いし、穴7の入口や穴9の入口が弾性体であってもかまわない。
【0041】
この状態は、主流体の供給管路10の上流か、主流体の排出管路11の下流でバルブや蛇口を閉している為、空間17と穴7に連通している空間15の圧力が同一になり、バネ5の力により移動板3が下に押し下げられている状態である。ちなみに、空間15の圧力はシャフト6に設けられた連通管16により常に穴7の圧力と同一である。
【0042】
ここで、主流体を止めているバルブや蛇口を開けると、空間17の方が空間15(穴7内部)より圧力が高くなり、移動板3を押し上げて主流体が流れ始める。これにより、テーパー部8が穴9から離れて、第2の流体も流れ始める。このとき、蛇口やバルブの開度を大きくして、主流体の流量を増やすと空間17と空間15の圧力差を一定に保とうとして移動板3がさらに上昇し、テーパー部8がさらに上昇する為、穴9とテーパー部8の隙間が大きくなり、第2の流体の流量も増加する。
【0043】
逆に、主流体の流量を減らすと、移動板3が下降して、テーパー部8と穴9の隙間が減少して、第2の流体の流量も減少する。このように、主流体の流量を変えると自動的に第2の流体の流量も変化するのである。ここで、第2の流体の変化量はシャフト6先端のテーパー部8の角度で調整する。
【0044】
次に図3および4に本発明の第2の実施例を示す。これは、第1の実施例において空間15と穴7を繋いでいた連通管16の代わりに、主流体の排出管路11と空間15を連通管18で繋いだ物である。この場合も、実施例1と同様の働きをする。
【0045】
次に図5および6を用いて、第3の実施例を説明する。これは、移動板3の代わりに移動板19を用いており、突起部4がないものである。さらに、バネ5をなくし、移動板9の弾力性により移動板19を穴7の入口に押し付けている物である。
【0046】
この場合、突起部4がない為、主流体の流量が増えても、移動板19の移動量が小く、流量の微小な変化には追従できず、大まかな調整を行なう場合に適してきる。ただし、バネ5を用いず、移動板の弾性を利用する方法は、図1から4に示した前記の実施例にも適応できる。
【0047】
次に、図7から10を用いて、さらに別の実施例を説明する。これは、移動板20および21が空間15と17を完全に分離せずに、外周で僅かにつながって状態の物である。この場合、供給管路10から空間17に供給された主流体は、移動板20および21の外周を通って、空間15に僅かに流れ込むが、その量が微小であれば動作的には大きな問題にはならない。
【0048】
図7および8に示した実施例は、図1〜4に示した実施例と同様に、移動板20に突起部4が設けられているものであり、図9および10に示した実施例は、図5および6に示した物と同様に、移動板21に突起部4がないものである。
【0049】
ここで、先にも述べたように、テーパー部8が穴9を完全に塞いでいる状態で、突起部4や移動板19、21が穴7の入口を完全に塞いでいることが望ましいが、必ずしも、突起部4や移動板19、21が穴7の入口を完全に塞いでいる必要はない。また、突起部4やテーパー部8が弾性体であっても良いし、穴7の入口や穴9の入口が弾性体であってもかまわない。
【0050】
さらに図11に示すように、シャフト6の先端に径が太くなったフランジ部22があり、穴9の入口が傾斜を持ち、シャフト6が穴9の入口に押し付けられた時に、フランジ部22の外周が穴9の入口の傾斜部に当り、第2の流体の圧力がフランジ部22の上面に加わることにより、フランジ部22が穴9の入口の傾斜部に強く押し付けられることにより、穴9の入口が完全に塞がれるようにすると、主流体の流量が零になった時に、第2の流体の漏れが発生することがなく、さらに良い。
【0051】
このとき、フランジ部22や穴9の入口の傾斜面が弾性体であるとさらに良い。また、フランジ部22はシャフト6と別部品でシャフト6に装着するように取り付けられていても良い。さらにフランジ部22の下面が穴9の入口の傾斜と同じ傾斜か、若干少ない傾斜を有していても良い。
【0052】
また、図5〜10においては、空間15と穴7はシャフト6に設けられた連通管16で連通されているが、図3および4に示すように、連通管18によって連通されていても良い。
【発明の効果】
【0053】
本発明を実施することにより、アルカリ性である次亜塩素酸ナトリウム水溶液や亜塩素酸ナトリウム水溶液が炭酸ガスのpH調整作用により、弱酸性の次亜塩素酸を主成分とする殺菌水や二酸化塩素を主成分とする殺菌水になり、酸性水溶液を添加することなく殺菌効果を飛躍的に上げることが出来る。
【0054】
さらに、電気制御部を持たない為、装置の設置環境を選ばず、故障が少なくメンテナンスをあまり必要としない装置を作ることができ、価格的にも安価な物ができる。
【0055】
また、吐水する殺菌水の水量に影響されることなく、塩素濃度とpHを一定に保つことができ、さらに、殺菌水の吐水を停止することにより、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウムと炭酸ガスの供給を自動的に完全に止めることができ、使い勝手の良い安全な装置が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】混合器の代表的な実施例の断面図を示す(主流体停止時)
【図2】混合器の代表的な実施例の断面図を示す(主流体吐水時)
【図3】混合器の第2の実施例の断面図を示す(主流体停止時)
【図4】混合器の第2の実施例の断面図を示す(主流体吐水時)
【図5】混合器の第3の実施例の断面図を示す(主流体停止時)
【図6】混合器の第3の実施例の断面図を示す(主流体吐水時)
【図7】混合器の別の実施例の断面図を示す(主流体停止時)
【図8】混合器の別の実施例の断面図を示す(主流体吐水時)
【図9】混合器のさらに別の実施例の断面図を示す(主流体停止時)
【図10】混合器のさらに別の実施例の断面図を示す(主流体吐水時)
【図11】第2の流体の流量調整部の別の実施例を示す
【図12】本発明の代表的な実施例を示す。
【符号の説明】
【0057】
1 ケース、 2 ケース、 3 移動板
4 突起部、 5 バネ、 6 シャフト
7 穴 8 テーパー部、 9 穴、 10 主流体の供給管路
11 主流体の排出管路、 12 第2の流体の供給管路
13 第2の流体の排出管路、 14 シール部材
15 空間、 16 連通管、 17 空間、 18 連通管
19 移動板、 20 移動板、 21 移動板、 22 フランジ部
101 混合器、 102 混合器、 103 攪拌器
104 送水管路、 105 タンク、 106 管路
107 炭酸ガスボンベ、 108 圧力調整器、 109 管路
110 蛇口、 111 炭酸ガス供給管路、 112 管路
113 管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは亜塩素酸ナトリウム水溶液を水道水や井水や海水などの主流体で希釈すると共に、炭酸ガスを溶解して所定の塩素濃度の炭酸ガス含有殺菌水を生成する方法において、前記主流体の流量の増減により上下や左右方向に移動する弁に連結した第2の流体の流量調整部を2つ有し、該流量調整部で、次亜塩素酸ナトリウムあるいは亜塩素酸ナトリウムと炭酸ガスの流量を主流体の流量に合わせて自動的に調整し、主流体の流量が変動しても、電気制御部を用いずに予め設定された所定の塩素濃度と炭酸ガス濃度を維持することを特徴とする炭酸ガス含有殺菌水生成方法
【請求項2】
前記の第2の流体の流量調整部が、主流体が流入する空間が仕切り部材により2つに分割されており、その2つの空間が主流体の出口側に連通する流路を別々に有し、主流体の流量に応じて前記仕切り部材が移動し、該仕切り部材に連結されたシャフトが仕切り部材の移動に連動して移動する移動量に応じて第2の流体の通過する流路の開口比が変化することにより、主流体と第2の流体の流量比をほぼ一定に保つことを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガス含有殺菌水生成方法
【請求項3】
前記の第2の流体の流量調整部が、1つの空間が仕切り部材により2つに分割されており、該空間の1方に主流体の入口があり、前記仕切り部材を前記空間の出口部方向に弾性体により押し付けることにより、該空間の出口部を前記仕切り部材、あるいは、前記仕切り部材に設けられたテーパー状の突起部がほぼ塞いでおり、主流体が前記空間に流入すると前記仕切り部が押し上げられ、出口部が僅かに開いて主流体が出口から流出し、さらに主流体の流量が増加することにより、該空間の出口部の開口面積が増える方向に前記仕切り部材がさらに押し上げられるように移動し、また、前記2つの空間のもう1方の空間が前記仕切り部材の動きを阻害しないように、前記主流体の出口部下流と連通し、該2つ目の空間の圧力が主流体の出口部下流の圧力と同一に保たれており、該仕切り部材の動きにより、仕切り部材に連結されたシャフトが移動することにより、第2の流体の流路断面積を変化させて、主流体と第2の流体の流量比をほぼ一定に保つことを特徴とする請求項1記載の炭酸ガス含有殺菌水生成方法
【請求項4】
主流体が止まると、第2の流体の流路を完全に塞いで第2の流体も完全に止まるようになされた請求項1から3に記載の炭酸ガス含有殺菌水生成方法
【請求項5】
次亜塩素酸ナトリウム水溶液あるいは亜塩素酸ナトリウム水溶液を水道水や井水や海水などの主流体で希釈すると共に、炭酸ガスを溶解して所定の塩素濃度の炭酸ガス含有殺菌水を生成する装置において、主流体の流路に主流体の流量が増加すると主流体が流れる隙間が広がることにより移動する移動体を有し、該移動体に連結され該移動体の移動により第2の流体の流路の開口面積を変化させるバルブを2つ有し、該バルブを第2の流体である次亜塩素酸ナトリウム、あるいは、亜塩素酸ナトリウムと炭酸ガスの流路に設け、該バルブの上流または下流に主流体に第2の流体を注入する注入部をそれぞれ有することを特徴とする炭酸ガス含有殺菌水生成装置
【請求項6】
前記2つの注入部の下流にスタティックミキサーなどの攪拌部を有することを特徴とする請求項5に記載の炭酸ガス含有殺菌水生成装置
【請求項7】
前記の第2の流体の流路の開口断面積を変化させるバルブが、仕切り部材の中央に穴を有し、該穴に仕切り部材の片側に該仕切り部材の面と垂直方向にシャフトを有し、前記仕切り部材を収納し、該仕切り部材により仕切り部材の両側に空間のできるケースを有し、前記仕切り部材のシャフトがある側の空間には前記シャフトと同軸で前記仕切り部材と逆方向に穴7を有し、該穴7は前記仕切り部材が穴7の方向に押し付けられた時、仕切り部材により穴7がほぼ閉鎖できる径であり、該穴7の途中に、穴7と垂直方向でケースの外部に連通する主流体の排水管路11を有し、さらに穴7には前記排水管路11よりも穴7の先端方向に位置するところに、ケースの外部に連通するもう一つの管路である第2の流体の供給管路12を有し、さらに、前記穴7の底にはさらに穴7と同軸で穴7よりも径の小さい穴9を有し、該穴9はケースの外部に連通し、該穴9は第2の流体の下流側管路に接続され、前記シャフトと前記穴7の間には、穴7に設けられた2つの管路である主流体の供給管路11と第2の流体の供給管路の中間位置に前記穴7の流路を液蜜に区分するシール部材を有し、さらに、シャフトの先端には根元は前記穴9より大きく、先端に向かってテーパー状に断面積が減少し穴9よりも細くなる形状を有し、さらに前記ケースには前記仕切り部材のシャフトのある面とケースで囲まれる前記空間に外部と連通する別の管路を有し、該管路は前記主流体の供給側管路に接続され、また、前記仕切り部材にシャフトの無い側の空間には前記仕切り部材と該ケースにより作られた空間から前記主流体の排水管路11に連通する管路を有し、さらに仕切り部材をシャフトのある方向に押し付けるバネなどの弾性体を有していることを特徴とする請求項5および6に記載の炭酸ガス含有殺菌水生成装置
【請求項8】
前記仕切り部材のシャフトのある側にシャフトと同軸で円錐状の突起部を有し、前記仕切り部材が前記穴7の方向に押し付けられた時、仕切り部材に設けられた円錐状の突起部により穴7がほぼ閉鎖されることを特徴とする請求項7に記載の炭酸ガス含有殺菌水生成装置
【請求項9】
前記の第2の流体の流路の開口断面積を変化させるバルブが、板状の弾性体で中央に穴を有し、該穴に弾性体片側に該弾性体の面と垂直方向にシャフトを有し、前記弾性体を液密に挟む、かつ、該弾性体の両側にそれぞれ空間を有する2つのケースを有し、前記弾性体のシャフトがある側のケース1には前記シャフトと同軸で前記弾性体と逆方向に穴7を有し、該穴7は前記板状の弾性体が該穴7の方向に押し付けられた時、板状の弾性体により穴7がほぼ閉鎖できる径であり、該穴7の途中に、穴7と垂直方向でケース1の外部に連通する主流体の排水管路11を有し、さらに穴7には前記排水管路11よりも穴7の先端方向に位置するところに、ケース1の外部に連通するもう一つの管路である第2の流体の供給管路12を有し、さらに、前記穴7の底にはさらに穴7と同軸で穴7よりも径の小さい穴9を有し、該穴9はケース1の外部に連通し、該穴9は第2の流体の下流側管路に接続され、前記シャフトと前記穴7の間には、穴7に設けられた2つの管路である主流体の供給管路11と第2の流体の供給管路の中間位置に前記穴7の流路を液蜜に区分するシール部材を有し、さらに、シャフトの先端には根元は前記穴9より大きく、先端に向かってテーパー状に断面積が減少し穴9よりも細くなる形状を有し、さらに前記ケース1には前記弾性体とケース1で囲まれる前記空間に外部と連通する別の管路を有し、該管路は前記主流体の供給側管路に接続され、また、前記板状の弾性体にシャフトの無い側のケース2には前記弾性体と該ケース2により作られた空間から前記主流体の排水管路11に連通する管路を有し、さらに前記板状の弾性体の弾性により板状の弾性体をシャフトのある方向に押し付ける構造とするか、板状の弾性体をシャフトのある方向に押し付けるためのバネを有していることを特徴とする請求項5および6に記載の炭酸ガス含有殺菌水生成装置
【請求項10】
前記板状の弾性体のシャフトのある側にシャフトと同軸で円錐状の突起部を有し、前記弾性体が前記穴7の方向に押し付けられた時、板状の弾性体に設けられた円錐状の突起部により穴7がほぼ閉鎖されることを特徴とする請求項9に記載の炭酸ガス含有殺菌水生成装置
【請求項11】
前記仕切り部材および板状の弾性体のシャフトのない側の空間と前記主流体の排水管路11を連通する連通管の代わりに、前記シャフトのない側の空間と穴7を連通する連通路を前記シャフト内部に設けることを特徴とする請求項7から10に記載の炭酸ガス含有殺菌水生成装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−297696(P2009−297696A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178414(P2008−178414)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(500235386)ヴィータ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】