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点放射光源を用いて流体を殺菌するためのシステム及び方法
説明

点放射光源を用いて流体を殺菌するためのシステム及び方法

1以上の入口ポート及び出口ポートを有し、前記入口ポートから出口ポートへ、その内側部分を通じて生物的汚染物質を含む流体を流通させるように構成されているフローセルと、前記フローセルの周囲に配置されており、生物的汚染物質に照射するように動作可能である1以上の点放射光源とを備える、流体を殺菌するためのシステムであって、前記フローセルの内表面は、前記点放射光源によって生物的汚染物質に照射される放射光を反射するようになっており、前記フローセルの内表面は、前記点放射光源によって生物的汚染物質に照射される放射光を前記フローセルの内側部分全体の放射光強度が均一となるように反射するようになっている、システム。実施形態の一例では、前記フローセルは積分球である。前記フローセルの内表面の少なくとも一部に、光触媒材料がさらに設けられていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点放射光源を用いて流体の殺菌を行うためのシステム及び方法に関し、光工学、流体工学、材料工学、及び生物科学の分野を包含している。
【背景技術】
【0002】
従来、水、空気、燃料、他の液体及び気体等の流体を殺菌するには、低圧ないし中圧水銀ランプ等の紫外線(UV)ランプ(又は遠紫外線、deep-UV)ランプを用いている。例えば、水は、従来の使用時点(point-of-use、POU)水ろ過システムにおいて、殺菌効果を得るために、このようなランプを用いて殺菌することができる。バクテリア、ウイルス、嚢胞等のデオキシリボ核酸(DNA)は紫外線放射を吸収して、それにより生物体としての複製能力が不活性化される。水を塩素殺菌する方法とは異なり、紫外線放射によって水の生物学的安定性が影響をうけることはない。このため、紫外線を利用した水ろ過処理は、公共水道施設(public water system、PWS)で使用される大型反応器、あるいは小型のPOU水ろ過システムを含む水ろ過システムにおいて、殺菌効果を得るための標準的な方法となっている。これと同程度の殺菌システムは、他の流体に関しても使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これらの殺菌システムには、多くの重大な短所が存在する。まず、これらの殺菌システムは、管状のUVランプ等を使用しているので、一般に大電力が必要であってフォームファクターも大きい。これらの殺菌システムは、線電圧を使用する必要があり、また連係する流体ろ過システムとは別個の部品となってしまう。またこれらの殺菌システムは、よりフォームファクターが小さいPOU流体ろ過システムには適用することができず、また適宜に縮小させることもできない。第二に、前記の殺菌システムは、もともと効率がよくない。使用されている管状UVランプは光子を射出するが、この光子は流体を通過してしまい、別の表面により吸収され、あるいは一二度反射されて消滅する。この結果、光子は、連続的に生成して置き換えなければならない。また、設けられる照射フィールドが均一でない。ランプを使用するシステムでは、損失及び不均一な照射フィールドを補償するために、一般に高い光強度が用いられる。このように、本技術分野では、依然として、これらの短所に対処し、他の有利な点をもたらす改良された殺菌システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、点放射光源を用いて流体を殺菌するためのシステム及び方法に関する。一般に、これらのシステム及び方法は、積分球フロースルーセルの内部の周りに配置された1以上の点放射光源を使用する。ここで、積分球フロースルーセルはまた、フロースルー積分球(flow-through integrating sphere、FIS)等ともいう。好ましくは、前記1以上の点放射光源はUV光源であり、前記1以上の点放射光源はさらに、半導体又は発光ダイオード(LED)光源等の遠紫外線光源であってもよい。前記1以上の点放射光源は、流体中のバクテリア、ウイルス、嚢胞等のDNAが、積分球フロースルーセル等の内部で発生され反射された放射光を吸収するときに、当該点放射光源に選択的に暴露される流体を殺菌するように動作することができ、それによって生物体が不活化される。前記積分球フロースルーセル等の内部は、さらに、ランベルト散乱材料、前記発生し反射された放射光の存在下で放射光を吸収した生物体を破壊することができる光触媒材料、及び前記発生し反射された放射光の存在下で殺菌剤を発生することができる光触媒材料で、あるいはこれらのいずれかもしくはその組み合わせで、コーティングしてもよい。
【0005】
実施形態の一例では、本発明は、1以上の入口ポートと、1以上の出口ポートとを有するフローセルであって、前記1以上の入口ポートから前記1以上の出口ポートへ、その内側部分を通じて流体を流通させるように構成されているフローセルと、前記フローセルの周囲に配置されている1以上の点放射光源とを備え、前記1以上の点放射光源は、前記流体を照射するように動作可能であり、前記フローセルの内表面は、前記1以上の点放射光源によって前記流体に照射される前記放射光を反射するようになっている、流体を殺菌するためのシステムを提供する。実施形態の一例では、前記フローセルは積分球である。前記1以上の点放射光源はさらに、1以上の半導体光源と、1以上の発光ダイオード光源と、1以上の紫外線光源と、1以上の遠紫外線光源とのうちの1以上を有するものとしてもよい。前記フローセルの前記内表面は、前記1以上の点放射光源によって前記流体に照射される前記放射光を、前記フローセルの前記内側部分全体の放射光強度が均一となるように反射するようになっている。前記システムはまた、通過する前記流体の流れを選択的に変化させるために、前記フローセルの前記内側部分内に、1以上の機械的バッフル又は撹拌機構が設けられていてもよい。また、前記システムは、前記フローセルの前記内表面の少なくとも一部に、光触媒材料がさらに設けられていてもよい。また、前記システムは、前記1以上の機械的バッフル又は撹拌機構の表面の少なくとも一部に、光触媒材料がさらに設けられていてもよい。好ましくは、前記システムは、前記1以上の点放射光源を、選択的に動作させるように、あるいは停止させるように動作可能である制御器、あるいは、前記フローセルの前記内側部分に前記流体が留まる滞留時間を選択的に制御するように動作可能である制御器、を有する。
【0006】
実施形態の他の一例では、本発明は、1以上の入口ポートと、1以上の出口ポートとを有するフローセルであって、前記1以上の入口ポートから前記1以上の出口ポートへ、その内側部分を通じて流体を流通させるように構成されているフローセルを設けること、及び、前記フローセルの周囲に配置される1以上の点放射光源を設けること、を含み、前記1以上の点放射光源は、前記流体を照射するように動作可能であり、前記フローセルの内表面は、前記1以上の点放射光源によって前記流体に照射される放射光を反射するようになっている、流体を殺菌するための方法を提供する。実施形態の一例では、前記フローセルは積分球である。前記1以上の点放射光源はさらに、1以上の半導体光源と、1以上の発光ダイオード光源と、1以上の紫外線光源と、1以上の遠紫外線光源とのうちの1以上を有するものとしてもよい。前記フローセルの前記内表面は、前記1以上の点放射光源によって照射される前記放射光を、前記フローセルの前記内側部分全体の放射光強度が均一となるように反射するようになっている。前記方法はまた、通過する前記流体の流れを選択的に変化させるために、前記フローセルの前記内側部分内に、1以上の機械的バッフル又は撹拌機構をさらに設けることを含んでもよい。また、前記方法は、前記フローセルの前記内表面の少なくとも一部に、光触媒材料をさらに設けることを含んでもよい。また、前記方法は、前記1以上の機械的バッフル又は撹拌機構の表面の少なくとも一部に、光触媒材料をさらに設けることを含んでもよい。好ましくは、前記方法は、前記1以上の点放射光源を、選択的に動作させるように、あるいは停止させるように動作可能である制御器、あるいは、前記フローセルの前記内側部分に前記流体が留まる滞留時間を選択的に制御するように動作可能である制御器、を設けることを含む。
【0007】
実施形態のさらなる一例では、本発明は、1以上の入口ポートと、1以上の出口ポートとを有するフローセルであって、前記1以上の入口ポートから前記1以上の出口ポートへ、その内側部分を通じて生物的汚染物質を含む流体を流通させるように構成されているフローセルと、前記フローセルの周囲に配置されている1以上の点放射光源とを備え、前記1以上の点放射光源は、前記生物的汚染物質を照射するように動作可能であり、前記フローセルの内表面は、前記1以上の点放射光源によって前記生物的汚染物質に照射される放射光を反射するようになっており、前記フローセルの前記内表面は、前記1以上の点放射光源によって前記生物的汚染物質に照射される前記放射光を、前記フローセルの前記内側部分全体の放射光強度が均一となるように反射するようになっている、流体を殺菌するためのシステムを提供する。実施形態の一例では、前記フローセルは、積分球である。前記1以上の点放射光源はさらに、1以上の半導体光源と、1以上の発光ダイオード光源と、1以上の紫外線光源と、1以上の遠紫外線光源とのうちの1以上を有するものとしてもよい。また、前記システムは、前記フローセルの前記内表面の少なくとも一部に、光触媒材料をさらに設けるとしてもよい。
【0008】
本発明は、本明細書において、様々な図面を参照しながら例示され記載されるが、当該図面中においては、適切であれば、同様のシステムの要素または方法の工程には同様の符号が使用される。
【0009】
関連出願の相互参照
本通常特許出願あるいは本特許は、2008年12月19日に出願された、「殺菌ユニット」と称する米国仮特許出願第61/139,022号の優先権の利益を主張し、本願にその内容のすべてを援用する。
連邦政府が出資する研究又は開発に関する記載
米国連邦政府は、本発明についての一括払いライセンスを有し、また全米科学財団から受けた授与番号0740524号及び0848759号の条項に規定されているように、限定された状況において、特許権者に対し適当な条件で第三者に実施許諾をするように要求する権利を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の積分球点放射光源流体殺菌システムの一実施例を示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の積分球点放射光源流体殺菌システムの他の実施例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、点放射光源を用いて流体の殺菌を行うためのシステム及び方法に関する。一般に、これらのシステム及び方法は、積分球フロースルーセル(ここでは、FISなどとも称する。)の内側の周囲に配置された、1以上の点放射光源を利用している。好ましくは、この1以上の点放射光源は、半導体又はLED光源等のUV光源、あるいは遠紫外線光源である。この1以上の点放射光源は、流体中のバクテリア、ウイルス、嚢胞等のDNAが、積分球フロースルーセル等の中で生成され反射された放射光を吸収して、それによって生物体が不活化されることにより、選択的に前記光源に対して暴露される流体を殺菌するように動作可能である。さらに、積分球フロースルーセル等の内部は、ランベルト散乱材料又は光触媒の作用を受ける材料あるいはその両方によってコーティングされていてもよく、それにより、前記生成され反射された放射光の存在下で、局所的に殺菌剤を発生する。
【0012】
予備的な事項として、本発明の殺菌システム及び方法は、大部分、民生用のシンク下部取り付け型水ろ過ユニットで浄水を殺菌することを含む応用に関して例示され、記述されている点に注目すべきである。この特定の応用は、単なる例示であって、いかなる態様であっても限定的に解釈してはならない。本発明の殺菌システム及び方法は、これらに限定されるものではないが、水、空気、燃料、他の流体及び気体等の殺菌を含む、どのような流体殺菌の応用にも一般化し利用することができる。このように、本発明の殺菌システム及び方法は頑丈であり、広範囲の応用分野及び産業を包含する。本発明の殺菌システム及び方法はまた、寸法及び適用範囲の拡張性を有する。
【0013】
図1を参照すると、一実施例では、本発明の殺菌システム10は、積分球等の形態を取るフローセル12を有する。本願では、積分球の構成について詳細に説明するが、他の構成を利用することもできる。基本となる考え方は、光子がフローセル12内で繰り返し反射されること、及び低強度の放射光源で最適な殺菌を行うために、均一な放射場が形成されることである。これらの線に沿って、フローセル12は、実質的に湾曲した凹状の対向する内表面を有する必要がある。言い換えると、フローセル12は内部に角を有してはならず、内表面上のどの地点から見ても、その内表面上の他のすべての地点が見えなくてはならない。卵形、楕円体、角を丸めた立方体等は、すべてこの基準に適合する。フローセル12は、製作を容易とするために、プラスチック等の材料で作成される。その材料がよいランベルト散乱体でない場合には、セル12の内表面は、ランベルト散乱材料14によってコーティングされる。あるいは、フローセル12は、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の、金属材料、又は他の反射材料又はコーティングされた反射材料から製作され、それらの材料は、陽極酸化処理されるか、あるいは有機ポリマー、シリコーン、無機酸化物等でコーティングされてもよい。フローセル12は拡張性を有し、例えばミリメートルからメートルオーダまで、適切であればいかなる寸法としてもよい。
【0014】
フローセル12には、少なくとも1つの入口ポート16と出口ポート18とが内部に作成されており、それ自身は、入口ポート16から出口ポート18への流体19(すなわち液体又は気体)の流れをもたらす。当該技術の通常の技能を有する者であれば、入口ポート16又は出口ポート18あるいはその両方を複数設けてもよいことが容易に理解されるであろう。より詳細に後述するが、流体19はフローセル12の内部のいかなる部分にも検出可能な程度の時間留まることがないようにし、フローセル12は常時100%満たされた状態であることが好ましい。同様に、より詳細に後述するが、流体19は、光触媒材料によって生成される殺菌物質と接触することが可能となるように、フローセル12の1以上の内表面に向けて流れることが望ましい。
【0015】
最小限の設計では、1以上のUV光源、1以上の遠紫外線光源、1以上の半導体光源、及び1以上のLED光源、あるいはそのいずれか、もしくはその組み合わせといった、1以上の点放射光源20が、フローセル12を貫通して作成されている1以上のポート(図示せず)の内部に又はそれらを部分的にもしくは完全に貫通して、好ましくは対称な位置に設けられる。1以上の点放射光源20は、流体19中のバクテリア、ウイルス、嚢胞等のDNA22が、フローセル12内で生成され反射された前記放射光を吸収し、それによって生物体が不活化されることにより当該1以上の点放射光源20に対して選択的に暴露される流体19を殺菌するように、動作可能である。本願で用いられている「点放射光源」の用語は、本システムの他の部分の寸法と比較して、小型の、略対称な放射光源のことを示している。
【0016】
図2を参照すると、他の実施例において、本発明の殺菌システム10は、1以上の機械的バッフル24、機械的撹拌機構等のいずれかあるいは両方を備えており、これらもまた、選択的にランベルト散乱材料14又は光触媒材料あるいはそれらの両方によってコーティングされていてもよい。この構成は、フローセル12の内部空間に流体19が留まる時間を平衡させ、最大化させるために用いられる。バクテリア等22がフローセル12の内部空間に存在するとき、目的は、バクテリア等22がフローセル12内に存在する間に、バクテリア等22が確実に致死量のUV放射を受けるように、設計パラメータ(すなわち、フローセル12のサイズ、ランベルト散乱材料14の反射率、滞留時間、及び1以上の点放射光源20の放射光強度)を最適化することである。
【0017】
あるいは、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、Fe(III)ZAl2O3、酸化セリウム、酸化マンガン、ケイ酸チタン、金属置換ケイ酸塩又はケイ酸アルミニウム、及び他のあらゆる金属酸化物、混合金属酸化物、及び金属注入又は金属担持金属酸化物の基材(例えば、二酸化ケイ素又は二酸化チタン上に担持された金ナノ粒子)等あるいはそれらのいずれかなどの光触媒材料14をさらに、光酸化作用、光還元作用、及びバクテリア、病原体、有機材料、ハロゲン化化合物、生体化合物、金属イオン、及び生物学的作用物質、あるいはこれらのいずれかを含む、近接場ベースでの汚染物質の除去を強化するために、バクテリア、フローセル12の内表面に設け、あるいはこれらの表面と一体化させることができる。あるいは、光触媒材料14は、フローセル12の内部領域の一部を占める、ファイバ、メソ多孔性又はマクロ多孔性ゾルゲル、有機修飾ケイ酸塩、ポリマー、又はエアロゲル等の非吸収性基材上に懸濁させてもよい。これにより、最適な光触媒速度を得るために、積分球固有の高反射率及び高ランダム化の性質により、すべての方向から触媒が均一に照射されるようになる。1以上の点放射光源20の寿命を最大化させるべく、流れが存在しない期間に1以上の点放射光源20をオフさせるために、流れ検出器(図示せず)等を、フローセル12の上流、又は下流において用いることができる。システム全体を、殺菌システム10の全機能を制御する適当なコンピュータ制御器あるいは処理器等(図示せず)に接続することができる。
【0018】
予備的事項として、DNAの吸収ピークは約260nmであるが、吸収曲線は広く、紫外線吸収の大半は、約240nmと約280nmとの間で起こる。低圧及び中圧水銀ランプの発光ピークは約253.7nmであり、中圧ランプの発光ピークはDNAのピーク殺菌領域を横切って狭くかつ散発的である。これと比較して、紫外線LEDは、帯域幅の広い遠紫外線を照射し、水銀ランプよりも効果的に最大の照射量を与えるために、約260nmに発光ピークが来るように調整することができる。LEDの波長は、LEDのAlxGa(1-X)N活性層におけるアルミニウムの構成百分率を変えることにより移動させることができる。DNAの吸収ピークに中心を有する波長のLEDは、最近市販で入手可能となっている。また、紫外線LEDは水銀を含まない。水銀は、極めて毒性が強いため、水銀を含む放電ランプは有害廃棄物として取り扱わなければならず、使い切った後は、認可済みリサイクル施設へ送らなければならない。また、水銀を使用した光源は、約185nmに輝線を作り、その結果オゾンが生成される。オゾンは腐食性を有し、紫外光を吸収するばかりでなく、有毒である。紫外線LEDは水銀を使用しない固体光源であり、約200nmより波長が短い光を発しないように作成することができる。水銀を使用しないことに加えて、紫外線LEDは、ランプ光源に対して独特の利点を備えている。ランプはかさばるとともにPOUシステムでは望ましくない線電圧が必要である。ここで、線電圧は、ユニットが配置されるところで常に利用可能であるわけではない。また、水銀ランプは、ランプ封体部内でのプラズマ生成に関して、点灯遅れ時間が生じる。このプラズマが、今度は不活性ガスを加熱し、このガスが水銀を蒸発させて水銀とプラズマイオンとが衝突できるようにし、水銀を発光させる。これに対し、紫外線LEDは、即座に点灯させることができ、またその寿命を伸ばすために、非常に高速なオンオフデューティサイクルで動作させることができる。
【0019】
本発明の、例示的な積分球の実施例に関し、積分球は、(1)ランダムな放射パターンを有する光源から効率的に集光し、(2)その集光された光から拡散光源を作り出すために、一般に光科学者、及び分光学者によって用いられる。これは、積分球の高散乱性内壁で複数回反射させることによって達成される。高散乱性内壁は、それ自体が反射性を有するか、ランベルト散乱材料によってコーティングされている。電球の特性評価の場合のように、集光が重要であることがある。また、分光学、光科学での応用のように、拡散光源を作成することが目標であることもある。これらの応用では、積分球の内部容積は、可能なかぎり空であるように保持され、通常は空気のみが収容される。内壁が高散乱性であり、その結果として光路長が延長されるため、最近ではこの積分球を、吸収分光学のための拡張された試料保持器として、及び、例えば海洋や湖沼の水がこの原理によって特性評価されてきたが、試料を特性評価するための製品として使用することを提案している人もある。動作中に、空気あるいは水のようなほぼ全く、あるいは部分的に透明な媒体によって満たされているときには、積分球内部の光強度は、方向に関わらず、どの場所でも同一である。一の光源又は複数の光源の占める領域が積分球の内表面積と比較して小であるという条件で、このことは、積分球の独特の特徴である。
【0020】
本発明のシステム及び方法に関して、含まれているバクテリア等の数が非常に少ない流体は、放射光で満たされた積分球を通過して流れることが許容される。以下に示す一連の簡単な計算は、水等の流体の滞留時間を制御すれば、適切に設計された積分球フローセルと組み合わせて、市販で入手可能な紫外線LED等を比較的少数使用して、水を殺菌することができる。
【0021】
紫外線LEDは、比較的最近発展している技術であり、積分球を用いて最適化するためには理想的である。紫外線LEDは、例えば呼びサイズで半径が2インチ(約5cm)の球の内表面と比較すると小型(例えば数ミクロン角)だからである。水銀放電ランプ等の以前の紫外線光源は、特にフォームファクターが大きいために、このような形で積分球フローセルと効果的に統合させることはできない。
【0022】
キッチンシンクの公称最大流量は、例えば、

となる。
【0023】
提案のFIS型紫外線LEDのフローセルの半径がRとすれば、その体積は、

となる。
したがって、特に流量Qの水が体積Vを通過する場合、バクテリア等の粒子の平均滞留時間は、

となる。
【0024】
他の点では飲用に適する水が、非常に少数の、積分球の体積につき約1個未満の密度のバクテリアによって汚染されているとする。図1及び図2の実施例では、水はフローセルを通って上方へ、つまり積分球の底部にある円形ポートから積分球の頂部にある円形ポートへ流れる。いずれのバクテリアも滞留時間がτのオーダーとなるようにするためには、比較的高速で流動する極の軸方向の噴流を減速させ、比較的停滞している赤道の体積を一掃させるように、積分球の中央付近の何処かで流れを阻害しなければならないことが予想される。このことは、機械的バッフルを用いることによって図2に図示されている。滞留時間を増大させる方法としては、他に以下のものがある。(1)機械的撹拌を利用する。(2)例えば、積分球の赤道領域に、十分に計画して配置した非球形の凹み等と関連させるなどして、機械的撹拌を利用する。(3)水の入り口にある有孔ノズル(つまりシャワーヘッド)等を通じて方向性のある流れを利用する。(4)さもなければ、例えばランダムに曲げられたチューブを使用して、積分球内部の遠回りである経路に沿って水を流す。チューブは、水晶等の紫外線透過材料から製作する必要がある。滞留時間を最大化するための好ましい方法として、入ってくる流体を、例えば南半球の緯度と平行な方向で、例えば北極に出口を有するフローセルの中へ注入することができる。このようにして、撹拌する流体が、底部から頂部まで均一にフローセルを満たす。入り口、出口、バッフル等の最適な配置は、計算流体力学(CFD)を用いてモデル化することができる。注意しなければならないのは、孔、凹み、バッフル等の積分球内の不均一要素は、積分球の光学的性能を低下させるおそれがあることである。したがって、本発明のシステム及び方法の開発を成功させるためには、滞留時間と理想的な積分球の機能との間でのトレードオフを最適化する必要がある。
【0025】
紫外線LED等の光源と、受光体、すなわち例えば大腸菌等のバクテリアの領域が、積分球の内表面積と比較して小さければ、そして、LEDの出力をφs(一般に単位mW)、積分球の半径をR、流量をQ(一般的にcc毎秒)、積分球内表面の反射率をk(%)、反射率をランベルト反射、fを積分球内の光源等のための孔の占めるポート割合とすれば、各紫外線LEDについて積分球内部のバクテリア等の受光体に伝達される単位面積当たりの線量は、

となる。
【0026】
生物学的殺菌のために、一回あたりD=5mJ/cm2の照射線量が必要であるとする。すると、反射率k、半径Rで、ポート割合を無視しうる球体にとって、必要なLEDの数(N)は、

となる。
【0027】
SET社の順方向電流20mAにおける放射光出力φS=0.5mWの紫外線LED、積分球の内表面をコーティングしたSpectralon(Spectralon、Spectralonコーティングは商標)のk=95%、及び上述のようにQ=158cm3/secと想定する。このとき、必要な照射線量を得るためのLEDの数は、

となる。
【0028】
注目すべきは、必要なLED数が1/R及びφに比例していることである。利用可能なLEDの放射光出力は、紫外線材料の技術的開発が継続することで、経時的に増大することが期待される。同様に、紫外線LEDの寿命は、約300時間のオーダーと、現在比較的短い。しかし、パルス出力アルゴリズム等を用いてLEDを最適に駆動することが可能となるであろうし、この寿命も紫外線材料の技術的開発が継続することで、経時的に増大することが期待される。現世代の出力0.5mW紫外線LEDは、それぞれ約100mWの電力を消費するので、半径2.5インチ(約6.4cm)の積分球を有するキッチンの水栓用紫外線浄水ユニットについて、システム全体の所要電力は、2.5ワットとなる。この紫外線LEDの消費電力もまた、技術的な開発を通じて引き続き低減されるものと期待される。比較すると、市販で入手可能な、従来の紫外線水銀ランプを有する浄水ユニットは、毎分3ガロン(約11リットル)の流れに対して14ワットを使用しており、ランプの寿命は10000時間である。
【0029】
ランベルト反射材料は、無害であって、かつ高反射率でなければならない。球体は、金属あるいはプラスチックで作成し、金属、有機ポリマー、シリコーン、無機酸化物でコーティングするか、又は陽極酸化処理を行えばよい。適当なランベルト特性を備え、例えばある種のアルミニウムコーティングのように、反射率としてkが約90%以上のオーダーであれば、他の材料も利用可能である。
【0030】
本発明のシステム及び方法についての拡張として、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化アルミニウム、Fe(III)/Al2O3、酸化セリウム、酸化マンガン、チタニウムケイ酸塩、金属置換ケイ酸塩、又はアルミニウムケイ酸塩、他の金属酸化物、混合金属酸化物、あるいは金属注入又は金属担持金属酸化物基材(例えば、金ナノ粒子を担持した二酸化ケイ素又は二酸化チタン)等の、光触媒材料もまた、光酸化、光還元、及びバクテリア、病原体、有機材料、ハロゲン化化合物、生体化合物、金属イオン、及び生物学的作用物質、あるいはこれらのいずれかの水汚染物質の除去を増進させるために、球体の内部に、又は球体の内表面の一部として含めてもよい。紫外光を直接吸収することができないか、あるいは直接吸収しても汚染物質の除去、無毒化、又は分解することにならない、これらのいずれの汚染物質に対しても、球体内部の光触媒は、そのような汚染物質に代わる、あるいは汚染物質に加えての、「紫外線受光体」として振舞う。紫外線に暴露されると、励起された光触媒は、水を浄化するため、水流に含まれる汚染物質と相互作用を行う。なお、このプロセスは、放射光暴露プロセスとともに実行させることができる。
【0031】
紫外線LEDには、発光スペクトルの近紫外領域で動作するものがあるため、二酸化チタン(TiO2)等の殺菌効果を活用することができる。例えば二酸化チタンは、近紫外線を3.2eVという広いバンドギャップで効果的に吸収し、この吸収は、光触媒反応を生起させる。紫外光の吸収により光励起された電子及び正孔が生成され、それらがそれぞれ強力な還元及び酸化剤となる(式(6)を参照)。光励起正孔は、吸収した水と反応して高反応性のヒドロキシラジカルを生成する。(・OH、式(7)参照)
同時に、光励起された電子は、吸収されたO2を直ちに還元して超酸化物ラジカルを生成する。(・O2-、式(8)参照)これらの活性酸素種(ROS)は、過酸化水素等の各種の副生成物と共に、光触媒殺菌方式において、細胞死に寄与するものと考えられている。

【0032】
本発明のシステム及び方法にしたがって、二酸化チタン等が高反射率の積分球の壁に沿って固定化される。フッ素重合体は、紫外線の高反射性、化学的不活性、及び二酸化チタンを固定化する能力のため、球体の内部をコーティングするための潜在的基質を示す。二酸化チタンはまた、他の有機及び無機コーティングとして固定化し、あるいはスパッタリング又は電子ビーム蒸着によって蒸着することができる。しかし、活性酸素種を連続して生成すると、大部分の固定化基材に対して長期的に悪影響が及ぼされる。ある研究によれば、二酸化チタンによる各種有機フィルム及び金属表面の光触媒酸化は、フッ素重合体が、二酸化チタンの光励起で生成される活性酸素種による酸化に対抗する唯一の基材であったことを示している。フッ素重合体を介して金属サポート上に固定化された二酸化チタンは、4−クロロフェノールの光分解で実証されているように、その光触媒活動の多くを保持していることが示されている。
【0033】
実験の考察
バクテリアのDNAは、波長260nmに吸収ピークを有することが知られている。バクテリアの初期対数減少率は、5個のLEDの平面アレイを用いて決定された。これらのLEDは、大腸菌株を注入した20mlの水を収容したペトリ皿を照射するのに用いられた。この準備は、紫外線LEDから受光する照射量を、現在水の殺菌に使用されている標準の水銀ランプ光源への基線を引くために使用された。また、紫外線照射の増大を検証するために、FIS(フロースルー積分球)の試作品を設計し、製作し、テストした。このFIS設計では、約230mlの液体を保持可能で、球体1には5個のLEDが、球体2には32個のLEDが設けられた。6log減少に必要とされる水銀ランプ光源(λ=254nm)の照射量は、30mJ/cm2であることが判明した。しかし、NSF/ANSI規格の55-20072では、最小照射量として、254nmにおいて40mJ/cm2が、クラスAの流入時点(point of entry、POE)又は使用時点(point of use、POU)紫外線システムについて要求されている。5個の260nmLEDを有するペトリ皿の構成では、バクテリアについて、計算照射量が61mJ/cm2のとき、6log減少を超える結果を、また36mJ/cm2のとき、5log減少を超える結果を得た。5個のLEDにバクテリアを含む水20mlを暴露するペトリ皿の構成を、同じく5個のLEDにバクテリアを含む水230mlを暴露する球体1試作品と比較すると、球体試作品は、ペトリ皿装置の場合よりも10倍の液体体積の水を殺菌することが可能であると判明した。
【0034】
この比較結果は、理論的な結果とともに、積分球試作品の構成が、LED平面アレイの場合よりも照射量の増大をもたらすことを示している。なお、いずれの試験においても、開始当初のバクテリア(大腸菌)濃度は約1E7CFU/mlであった。
【0035】
32個のLEDを備える球体2を用いると、大腸菌について、3分以内に6log減少が得られることが観察された。提案の理論式での予測によれば、特定の反射率値k、LED出力Φ、及び球体半径Rについて、必要とされるLEDの数は、N=33であった。この計算は、試作品テストで使用された実験値であるN=32に相当する。
【0036】
テスト実施中、球体フローセルは、バクテリアに汚染された水を照射しつつ、ゆっくり動くオービタルシェーカー上で機械的に混合された。粒子の滞留時間を解析すべく、球体内の水の流れをシミュレートするために、流体力学モデル化を実施した。粒子の滞留時間と球体内の流体流れを調べるために、2つの異なるモデルを使用した。製作した試作品であるデザインAは、入口ポートと出口ポートとが水平方向に整列しており、デザインBは、入口ポートと出口ポートとを互いに水平方向にねじった関係とした。いずれのモデルも、入口管及び出口管の直径は0.5インチ(約1.3cm)で、体積流量が23.2cm3/sec、流入流速が0.183m/sとしてモデル化した。
【0037】
流体の経路長を増大させたことで、流体中のいずれの微生物についても滞留時間が長くなった。粒子滞留時間を判定するために、12個の零質量粒子を球体の入口管を通じて放出し、球体内の微生物の粒子滞留時間(particle residence time、PRT)を再現するために時間を追って追跡した。これらのシミュレーションにより、デザインAの最小PRTは0.5秒、デザインBの最小PRTは1.4秒と得られた。デザインAでは、粒子の半分が渦流に捉えられ、球体内での最初の2000インチ(約51m)の行路では解放されなかった。一方、デザインBでは、渦流内に取り込まれる粒子もあるが、50秒以下の時間で球体から脱出し、PRTはより均等に分布することが示された。
【0038】
これらの結果は、水を殺菌するために積分球内で遠紫外線を使用するという着想が、実現可能であると証明することになった。水中の大腸菌についての認定レベルである6log減少が、積分球フローセル試作品において実証された。
【0039】
球形フロースルー積分球のための理想的な材料セットは、無害で、(流体流れ及び光源のための入口を作成できるように)簡単に加工でき、十分な機械的一体性と強度とを有し、安価で、耐漏液性を有し、大量生産しうるものである。また、球体内表面のコーティングは、適切な光散乱特性、理想的にはランベルト散乱特性を有し、遠紫外領域での反射率が1.0である必要がある。反射率1.0は実際には達成できないが、これに近い材料は存在する。
【0040】
多くの遠紫外線応用の分野で表面コーティングに現在使用されている標準的な散乱材料は、高反射率金属外殻内の低密度ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である。このPTFEは、いくぶんかは拡散材として作用するため、外部反射層を設けることなくシステム反射率を十分に高くすることはできない。260nm水殺菌フローセル用途では、アルミニウム等が適当な外殻となる。低密度PTFE物は、(1)PTFE粉末をプレスして、立方体又は円筒体等の固形状とする、(2)500〜600°F等の高温で焼結する、(3)クリーンルーム環境で、オイルフリー切削ツールにより部品に加工する、(4)機械的に硬い金属あるいはポリマーシェルに封入する、という複数工程を含む労働集約的プロセスによって形成される。積分球は、一般にプレスし、焼結したPTFE製の立方体を繰り抜いて作成する。遠紫外線散乱のためにこのようにして準備された低密度PTFEは、多孔構造を有するので、提案している用途では、「有機スポンジ」として作用し、流水中のあらゆる汚染物質(ミネラル、微量有機物等)を捕獲し、そのため球体の光学的特性が損なわれることがある。しかし、低密度PTFEから製作した未使用の積分球フローセルは、光学特性に関して受け入れ可能な選択肢であり、したがって、このような装置を用いて行なった初期の測定は、特定のセットの光源出力、光源幾何配置、及び入口・出口幾何配置についてのシステムの適格性を示している。なお、PTFEはまた、ポリビニルアルコール等の有機バインダを用いた上塗り塗装の方法でも利用することができる。しかし、これらの材料は、有機バインダ材料の吸収および劣化のため、300nmより短い波長では良好な反射材ではない。この有機バインダはまた、毒性の点でも懸念される。
【0041】
硫酸バリウムもまた、選択肢の例であり、有機バインダ及び溶剤を含む上塗り塗装コーティングにおいて広く利用することができる。この種の材料から得られるコーティングは、300nm〜1200nmのスペクトル域での反射率が、0.92〜0.98と特定される。しかし、遠紫外線(すなわち260nm)に対しては、BaSO4の反射率が減少し、有機バインダが紫外線を吸収することがあいまって、BaSO4はいまの本用途にはより不向きとなっている。
【0042】
アルミニウムは、積分球全体の材料としてよい候補であり、例えば金又は銀よりもよい、良好な紫外線反射材である。アルミニウムは、衛星ミラー用途において、200nmより短波長の極紫外線(extreme UV、EUV)の反射材料として広く用いられてきた。使用中酸化によって劣化した後には、アルミニウムをさらに上塗りコーティングすることによって反射率を再生させることができる。例えばフッ化マグネシウム(MgF2)の薄い保護層を設ければ、再生は不要であり、アルミニウムは、260nmにおいて、約85%の反射率を保つことができる。これは、一般的には、球形殻の内部のような表面に蒸着された、数ミクロン厚のアルミニウムフィルム上に、例えば半波長厚のMgF2の薄膜をスパッタリングすることにより得られる。この球形殻は、アルミニウムで作成することができ、その場合には、アルミニウム及びMgF2薄膜を蒸着する前に、その実体がガラスビーズを用いたサンドブラストである「ビーズブラスト」によって面を荒らすことにより、散乱をよりランベルト散乱に近づけることができる。アルミニウム及びMgF2は、同様の方法で、プラスチック球体の内表面に蒸着させることもできる。フッ化マグネシウムは、毒性に関する懸念を生じさせるが、一定の微小量であれば、例えばアルミニウムフォイルの結合剤として、FDAによって認可されている。フッ化マグネシウムは、ごくわずかしか水に溶けない。フッ化マグネシウムを、本水殺菌用途において薄い固体反射材コーティングとして用いると、露出したMgF2の上をさらに不透水性封止層で覆う必要があるかもしれない。あるいは、アルミニウム球体の内部のランベルト面を、例えば600°Fでの高温プライマコート・トップコートPTFEプロセスでコーティングすることが考えられる。あるいは、アルミニウムに、紫外線透過シリコーンハードコートを施すことも考えられる。あるいは、アルミニウムを陽極酸化処理することも考えられる。
【0043】
ポリマーは、可撓性を有する球形殻試作品の幾何形状及び製造の容易性の点で魅力的な材料である。ただ、紫外線吸収性が高く、ランベルト散乱特性を有する内表面を得るためには、例えばアルミニウム、Al+MgF2、PTFE等の、ある種のコーティングが必要である。Accura(登録商標)、及びDuraform(登録商標)(ナイロン)等の高機能熱可塑性物質を用いて、複雑な幾何形状の特徴を有する中空球形試作品を迅速にかつ安価に製作するために、ソリッドステートステレオリソグラフィー(SLA(登録商標))及び選択的レーザ焼結(SLS(登録商標))等の高速試作品製作技術をそれぞれ使用することができる。その利点は、種々のフローセル幾何形状、バッフル等を統合する多数のコンピュータ支援設計(CAD)について、まずフローセルの滞留時間を最適化するために、流体力学ソフトウェアを用いてシミュレートすることができる。これにより、最も性能が良かった設計についてだけ、試作され、評価される。これらの試作品は、他の熱可塑性材料及びコーティングから大量生産するために設定された安価な射出成形工程を準備するためのモデルとして使用され、260nmでのランベルト散乱に最適化される。
【0044】
本発明を、好適な実施形態とその特定の実施例に関して例示し、説明したが、他の実施形態及び実施例が類似の機能を果たし、また同様の結果を達成可能であることは、当該技術分野の通常の技能を有する者にとって直ちに明らかとなるであろう。このような均等な実施形態及び実施例は、本発明の範囲内にあり、本発明によって予期され、また以下の請求の範囲によって保護されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の入口ポートと、1以上の出口ポートとを有するフローセルであって、前記1以上の入口ポートから前記1以上の出口ポートへ、その内側部分を通じて流体を流通させるように構成されているフローセルと、
前記フローセルの周囲に配置されている1以上の点放射光源とを備え、
前記1以上の点放射光源は、前記流体に照射するように動作可能であり、前記フローセルの内表面は、前記1以上の点放射光源によって前記流体に照射される前記放射光を反射するようになっている、流体を殺菌するためのシステム。
【請求項2】
前記フローセルが、積分空洞と、積分楕円体と、積分球とのうちの1以上を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1以上の点放射光源が、1以上の半導体光源と、1以上の発光ダイオード光源と、1以上の紫外線光源と、1以上の遠紫外線光源とのうちの1以上を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記フローセルの前記内表面は、前記1以上の点放射光源によって前記流体に照射される前記放射光を、前記フローセルの前記内側部分全体の放射光強度が均一となるように反射するようになっている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
通過する前記流体の流れを選択的に変化させるために、前記フローセルの前記内側部分内に、1以上の機械的バッフル又は撹拌機構がさらに設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記フローセルの前記内表面の少なくとも一部に、光触媒材料がさらに設けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記1以上の機械的バッフル又は撹拌機構の表面の少なくとも一部に、光触媒材料がさらに設けられている、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記1以上の点放射光源を選択的に動作させるように、あるいは停止させるように動作可能である制御器をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記フローセルの前記内側部分に前記流体が留まる滞留時間を選択的に制御するように動作可能である制御器をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
1以上の入口ポートと、1以上の出口ポートとを有するフローセルであって、前記1以上の入口ポートから前記1以上の出口ポートへ、その内側部分を通じて流体を流通させるように構成されているフローセルを設けること、及び、
前記フローセルの周囲に配置される1以上の点放射光源であって、前記流体に照射するように動作可能である1以上の点放射光源を設けること、を含み、
前記フローセルの内表面は、前記1以上の点放射光源によって液体に照射される放射光を反射するようになっている、流体を殺菌するための方法。
【請求項11】
前記フローセルが、積分空洞と、積分楕円体と、積分球とのうちの1以上を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1以上の点放射光源が、1以上の半導体光源と、1以上の発光ダイオード光源と、1以上の紫外線光源と、1以上の遠紫外線光源とのうちの1以上を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記フローセルの前記内表面は、前記1以上の点放射光源によって液体に照射される前記放射光を、前記フローセルの前記内側部分全体の放射光強度が均一となるように反射するようになっている、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
通過する前記流体の流れを選択的に変化させるために、前記フローセルの前記内側部分内に、1以上の機械的バッフル又は撹拌機構をさらに設けることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記フローセルの前記内表面の少なくとも一部に、光触媒材料をさらに設けることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記1以上の機械的バッフル又は撹拌機構の表面の少なくとも一部に、光触媒材料をさらに設けることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記1以上の点放射光源を選択的に動作させるように、あるいは停止させるように動作可能である制御器をさらに設けることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記フローセルの前記内側部分に前記流体が留まる滞留時間を選択的に制御するように動作可能である制御器をさらに設けることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項19】
1以上の入口ポートと、1以上の出口ポートとを有するフローセルであって、前記1以上の入口ポートから前記1以上の出口ポートへ、その内側部分を通じて生物的汚染物質を含む流体を流通させるように構成されているフローセルと、
前記フローセルの周囲に配置されている1以上の点放射光源とを備え、
前記1以上の点放射光源は、前記生物的汚染物質を照射するように動作可能であり、前記フローセルの内表面は、前記1以上の点放射光源によって前記生物的汚染物質に照射される放射光を反射するようになっており、
前記フローセルの前記内表面は、前記1以上の点放射光源によって生物的汚染物質に照射される前記放射光を、前記フローセルの前記内側部分全体の放射光強度が均一となるように反射するようになっている、流体を殺菌するためのシステム。
【請求項20】
前記フローセルが、積分空洞と、積分楕円体と、積分球とのうちの1以上を有する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記1以上の点放射光源が、1以上の半導体光源と、1以上の発光ダイオード光源と、1以上の紫外線光源と、1以上の遠紫外線光源とのうちの1以上を有する、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記フローセルの前記内表面の少なくとも一部に、光触媒材料がさらに設けられている、請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−512723(P2012−512723A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542492(P2011−542492)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/068765
【国際公開番号】WO2010/071814
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(503331827)ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット シャルロット (1)
【出願人】(511147126)ドット メトリクス テクノロジーズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】DOT METRICS TECHNOLOGIES,INC.
【住所又は居所原語表記】at The Charlotte Research Institute,9201 University City Boulevard,Charlotte,NC 28223(US).
【Fターム(参考)】