説明

点検窓並びにこの点検窓を製造する低温方法

改良された低コストの点検窓とこの点検窓を製造する方法とが開示されている。点検窓は、透明部品を金属リングとしっかりと接触するように配置させることによって形成される。この接触は、任意で、金属リングと透明部品との相対的なディメンションを一時的に変え、透明部品を金属リングの内側スペース内に配置させ、最後に金属リングと透明部品との変えた相対的なディメンションを逆にすることによって果され得る。透明部品と金属リングとの間には、無機のシール複合物を適用することによってハーメチックシールが形成される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2000年6月15日に出願された先願の米国出願番号09/594,862の一部継続出願であり、従って、この出願の全開示内容が、参照して本明細書に組み込まれ、1999年6月15日に出願された米国仮出願番号60/139,298の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、一般には点検窓に関し、更に詳細にはハーメチックシールされた点検窓およびこのような点検窓を製造する際に使用可能な比較的低温の方法に関する。
【0003】
今日の産業では、産業界で使用されている多様なタイプの処理容器、即ち、コンテナの内部を人または検出装置が視察できることの必要が生じている。このような容器は、腐食性の、さもなければ、有害な物質を収容していたり、および/又は、その内容物は、高い圧力下および/又は高温下にあることが多い。そのため、容器内部を視察することを望む人が、容器を開いて直接的に中を覗くことは安全ではない。
【0004】
点検窓は、一般的に、この問題を解決するために使用される。点検窓は、典型的には、透明で(又は少なくとも半透明で)容器内部を視察可能にする部品と、この透明部品を所定位置に保持して中を視察したい容器に取付けることができるハウジングアセンブリとを有している。数種類の点検窓が使用可能であり、各点検窓は夫々一連の制限事項を有する。点検窓がハーメチックシールされる必要がある高圧での適用の場合、先行技術の点検窓は、多様な方法を使用して形成される傾向がある。
【0005】
1つの一般的な点検窓製造方法は、溶融法として公知である。溶融法は、典型的にはガラスまたは同様の溶融可能な材料が円形ディスクの形に形成された透明部品と、金属リングとを有している。金属リングは、ハウジングアセンブリの一部であり、透明部品が金属リングの内側に溶着されるように形成されている。溶融法に従って形成された点検窓の一例が、Bowskyへの米国特許番号4,472,223に開示されている。透明部品を金属リングに接着するために、2つの部品は、比較的高温に、一般的には800ないし1100℃まで加熱され、ガラスが金属に溶着する。こうした高温では、透明な材料は柔らかくなり、金属材料と直接接触するように流れる。結果的に得られた点検窓では、透明部品が化学的にも物理的にも金属リングに接着されている。このような点検窓は、典型的には圧力抵抗性および耐久性が高いが、必要となる高温状態を果すために必要な器具に関連したコストがかかるので、製造するにはコストがかかる。更に、比較的高温が必要となるため、例えば融点の温度が低くおよび/又は高温では比較的急速に酸化される傾向がある真ちゅうなどの金属リング材料の使用が難しい。
【0006】
もう1つの公知の点検窓製造方法では、透明部品は、金属リングに溶着されず、1つ以上のガスケット材によって所定位置に機械的に保持される。このような点検窓の一例が、Meginnisへの米国特許番号4,169,309に開示されている。このようなガスケット材は、透明部品とハウジングアセンブリの他の部材と共に、この透明部品の表面とハウジングアセンブリの少なくとも1つの部材の表面との間に圧縮状態にされて配置されるように構成され得ることが、よく知られている。このような構成が、半ハーメチックシールされた(1×10−5atms/cc sec)点検窓を形成する。しかしながら、ガスケット材を使用して形成された点検窓は、主にポリマーの特性である組立てに必要な労働力と部品の多さとによって、コストが高くなる。更に、このような点検窓は、ガスケット材が中を視察したい処理容器内部で予測される温度、圧力、および/又は腐食状況と相性が悪いような場合は使用できない。
【0007】
かくして、本発明の目的は、単純で、コスト効果が高く、従って先行技術の欠点をクリアしたハーメチックシールされた点検窓を製造する方法を提供することである。
【0008】
添付の図は、本明細書の一部を形成するもので、本発明の所定の態様を更に示すために添付されている。本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態の詳細な説明と組み合わせてこれらの図面を参照することによって、よりよく理解されるだろう。
【0009】
図面、特に図1を見てみると、本発明の所定の特性に従って形成された点検窓の断面図が示されている。図示された点検窓は、透明部品2を圧縮状態にしっかり保持する金属リング1を有し、金属リング1と透明部品2との間のインターフェースに沿って、シール複合物9によりハーメチックシールが保証されている(領域14が、明瞭さのためにシール複合物9なしで示されている)。
【0010】
本発明に係われば、金属リング1は、所定の適当な金属、合金、半金属、または同様の材料でできていてよい。適当な金属には、アルミニウムだけでなく、ステンレススチール、冷間圧延スチール(CRS)、および他の鉄合金(ニッケルめっきされていてもされていなくてもよい)がある。用語“金属リング”は、透明部品を受けて保持する内側スペースと、点検窓ハウジングアセンブリの他の部材(図示されず)に接合可能な周面13とを有するような、適当に成形された所定材を含んでいてよい。金属リングの外面は、円形ディスクの形、矩形プレートの形、または、点検窓ハウジングアセンブリの他の部材に結合させるのに適した所定の他の形であってよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係われば、透明部品2は、溶融可能又は溶融不可能な所定のガラス、結晶性物質、または、セラミック材の単一結晶または多結晶であってよく、これらの材料は、当分野で公知である。例えば、ホウケイ酸塩、ソーダ石灰ケイ酸塩、およびサファイア(結晶の)は、透明部品2を形成できるよい材料である。透明部品2は、図に示されているように円形ディスクの形であってよいが、その形に制限しない。透明部品2はまた、矩形プレートの形、六角形プレートの形、あるいは他の適当な形であってよい。金属リング1の内側スペース17が、透明部品2を受けるように成形されている。
【0012】
図1に示されている好ましい一実施形態では、本発明に係わって形成された点検窓は、内部環境10が外部環境11から点検窓によって分離されるように配置され、使用されている。内部環境10は、視察したい内部の状況のことである。金属リング1は、透明部品2の周縁部4に当接する表面12を備えた舌部3を有している。この舌部3は、透明部品2の金属リング1中への挿入距離を制限している。更に、内部環境10が外部環境11よりも高い圧力を有しているときは、透明部品2が舌部の表面12に対して押圧され、これによって、透明部品2のシールおよび支持が良くされ得る。
【0013】
更に詳しく説明されるように、金属リング1の内面6が、図1〜3に示されているように透明部品2の外面5に圧縮接触され得る。このような圧縮接触は、透明部品をしっかりと所定の位置に保持するのに十分である。しかしながら、この圧縮接触のみでは、圧縮インターフェースに沿ってハーメチックシールを形成するのには十分ではない。従って、金属リング1と透明部品2との間の圧縮インターフェースが内部環境10に露出される領域16に沿って、無機のシール複合物9を使用すると有益である。
【0014】
適当な無機のシール複合物は、溶融可能な低温溶融ガラスを含む。溶融ガラスのガラス軟化温度は、透明部品の所定のガラス転移温度よりも少なくとも25℃低いと好ましい。溶融ガラスのガラス軟化温度は、透明部品の所定のガラス転移温度よりも少なくとも約50℃低いと更に好ましい。低温溶融ガラスの例には、Ferro Corporationの“2998”VEG、Corning“9013”(アルカリバリウム)、およびFusite T-glass435が含まれる。低温溶融ガラスは、プレフォーム・ペースト、即ち、ガラス粒子と適当な結合剤とから成る乾式プレスおよびスプレーされた乾燥粉末の形で用いられてもよい。あるいは、低温溶融ガラスは、適当なディメンションを有する複数のリングに適当に切断された切断ガラスチューブの形で用いられてもよい。透明部品の所定のガラス転移温度より少なくとも約25℃(好ましくは50℃)低いガラス軟化温度を有する低温溶融ガラスの使用は、特に有益である。なぜなら、約685℃のガラス転移温度を有するソーダ石灰シリカガラスが透明部品材料として使用されるとき、低温溶融ガラスは、比較的低温、例えば約650℃で透明部品および金属部材に溶着可能であり、またこの際に、透明度が酷く失われるか透明部品が著しく劣化することがなく、また、金属部品がひどく劣化することもないためである。従って、本発明により、ホウケイ酸塩、ソーダ石灰ケイ酸塩などの比較的安価な非結晶質のガラス透明部品材料を使用することができる。更に、本発明により、例えばニッケルめっきされたCRSなどの比較的安価な金属部品材料を使用することもまた可能である。
【0015】
低温溶融ガラスを有する材料と透明部品を有する材料とは、融和性の(compatible)熱膨張係数を有するように選択されていると好ましい。これら2つの材料は、熱膨張係数が互いに約4in/in/℃×10−6を有するとより好ましい。これら2つの材料は、同じかほぼ等しい熱膨張係数を有していると更に好ましい。
【0016】
また、金属部品がアルミニウムを有しているときは、低温溶融ガラスは、1つ以上のアルミニウム含有ガラスを有していると好ましい。
【0017】
図1に示されている好ましい一実施形態に係われば、金属リング1の内部環境10側の内面7に、傾斜が付けられている。このような傾斜は、溝のような領域14を形成し、シール複合物9はこの溝領域中に与えられ得る。例えば、金属リング1の端面7は、約45度および0.0015インチまで傾斜され得るが、こうしたディメンションは重要ではない。金属リング1の内面7に傾斜を付けることの1つの利点は、内部環境10が外部環境11よりも高い圧力を有しているサービスアプリケーション内に点検窓が配置されたとき、シール複合物9が、傾斜面7と透明部品の外面5の露出部分との両方によって圧縮されることである。このようなシール複合物の圧縮により、ハーメチックシールを保持するためのシール複合物の構造的完全性(structural integrity)が増す。本実施形態に係われば、10−9atms scc/secのハーメチック特性が得られる。
【0018】
図2では、本発明の他の特性に係わって形成された点検窓の断面図が示されている。金属リング1の傾斜内面7は、透明部品2の内面8を超えたところで延びている。この構成では、金属リング1と透明部品2とは、シール複合物9を保持するための溝状の領域を形成しない形で一体となっている。しかしながら、この場合でも、シール複合物9は、高圧の環境10に晒されると少なくとも幾らかの圧縮力に晒される。
【0019】
図3に示されているような本発明の更なる実施形態では、金属リング1の内面7aは傾斜されておらず、透明部品2は金属リングに比べて幅が小さくされており、よって、リング面15は透明部品2の表面8を越えたところで延びている。この実施形態では、シール複合物9は、高圧の環境10に晒されると幾らかの圧縮力に晒される。
【0020】
示されていない更なる他の幾つかの実施形態では、透明部品2は、金属リング1と比べて幅が大きくされており、よって、透明部品2の表面8は金属リング1の表面15を越えたところで延びている。これらの実施形態では、金属リング1の内面8は、傾斜されていてもされていなくてもよい。これらの実施形態は、本発明の範囲内に含まれている。
【0021】
透明部品2、金属リング1、および内部環境10のインターフェースの溝状の領域を形成するために他にも幾つかの可能な実施形態があることが理解されるだろう。そのような構成は、これらの部品がシール複合物9を圧縮可能であり、かくしてシール複合物9の効果を向上させ得る範囲で、本発明の範囲内に含まれる。
【0022】
図4および図5に示されているような本発明の更なるもう1つの実施形態では、透明部品は、金属リング1と圧縮接触状態に保持されず、むしろ、シール複合物9によって所定位置に取着される。この実施形態では、このようなシール複合物が、透明部品2と金属リング1との両方に溶着された低温溶融ガラスを含んでいると好ましい。このような実施形態では、金属リング1は、透明部品2に当接するようにされても、あるいは、透明部品2と金属リング1との間に、低温溶融ガラスによって少なくとも部分的に埋められ得る小さな隙間が形成されてもよい。
【0023】
本発明は、任意で、透明部品2を金属リング1に取着および部分的にシールするのに硬化可能な高温セメントを使用してもよい(図には示されていない)。適当な高温セメントには、例えば、Ceramabond(登録商標)571ブランドの(酸化マグネシウム)高温セラミック接着剤が含まれる。これらの実施形態では、高温セメントが透明部品と金属リングとの間のスペース内で使用可能であり、その場合には、セメントの気孔をハーメチックシールするために高温セメントの上面に好ましい低温溶融ガラスが与えられる。
【0024】
透明部品が金属リングと圧縮接触状態に保持される場合、本発明に係わる1つの方法は、以下の工程を有する。
【0025】
(a)リング1と透明部品2との相対的なディメンションを一時的に変える
(b)透明部品2を金属リング1の内側スペース17内に配置させる
(c)金属リングが透明部品を圧縮状態にしっかりと保持するように、金属リングと透明部品との夫々の変えたディメンションを逆にする
(d)シール複合物9を金属リング1と透明部品2との間の露出されたインターフェースに沿って領域16に与える
(e)金属リング1と透明部品2との間の内部環境10に晒されたインターフェースの領域16でハーメチックシールを保証するように、必要に応じてシール複合物9を調節する
金属リングと透明部品との相対的なディメンションは、金属リングのみを、あるいは金属リングおよび透明部品を一緒に加熱することによって、最も簡単に変えられ得る。(本明細書で開示された利点により、多数の材料が、高圧に晒されると、予測できる範囲内で膨張することを、当分野の当業者は理解するだろう。更に、金属材料は典型的に、ガラス、セラミック、および他の金属材料よりも広い範囲まで膨張する、即ち、金属は典型的に、ガラス、セラミック、および他の非金属よりも大きな熱膨張係数を有していることが、理解されるだろう。)
本発明の実施形態によっては、周囲環境で透明部品2のディメンションよりも僅かに小さなディメンションを有する内側スペース17を備えた金属リング1を提供する必要があることがある。これによって、金属リングが透明部品を圧縮接触の状態にしっかりと保持できるように保証することができる。
【0026】
金属リング1は、典型的な実施形態で、ニッケルめっきされたCRSまたはステンレススチールから形成され、周囲環境で18.66mmの直径を有する円筒形の内側スペース17を備えることができる。透明部品2は、ホウケイ酸塩から形成された円筒形ディスクの形にされ、18.80mmの直径を有することができる。かくして、金属リング1が400℃以上まで加熱されると、金属リングの内側スペース17の直径は、加熱されていない透明部品2が金属リングの内側スペース中に挿入可能な範囲内で大きくなる。
【0027】
本発明の1つの方法に関われば、金属リング1のみが加熱される際は、金属リングが高温の間に、透明部品2(周囲温度に維持されている)が手又は他の手段で金属リングの内側スペース17中に簡単に挿入できる。金属リングが透明部品2と共に加熱される場合は、透明部品を金属リングの内側スペース内に配置させるために、言うまでもなく、特別な熱抵抗材料処理装置(図示されず)を使用することが必要である。
【0028】
本発明の開示により、金属リング1と透明部品2とが共に加熱される際は、適切なアセンブリが、両部品の材料がリング材料の全体的な熱膨張係数(CTE)が透明部品材料よりも大きくなるように選択される必要が恐らくあることを、当分野の当業者は理解するだろう。幾つかの典型的な実施形態では、金属リング1は金属であり(必ず金属である必要はない)、透明部品2はガラスまたはセラミックであり(多くの金属と比べて比較的低いCTEを含む)、かくして、透明部品2が高温で金属リング1中に挿入され得るような十分なCTE値の差が、2つの部品の間に得られる。
【0029】
1つの好ましい実施形態に関われば、金属リング1は、単独で、あるいは透明な部品2と共に、約250ないし800℃まで加熱される。温度のこの範囲は、典型的には、最終的にはしっかりと互いに適合可能な金属リング/透明部品の結合体を製造するために適当である。本発明の1つの利点は、温度のこの範囲が、所定の金属材料の使用が十分に可能な低さであることである。さもなければ、この所定の金属の材料は、溶融法で形成される点検窓用の金属リングの材料として使用され得ないだろう。これは、前もって排除される金属リングの材料の多くが、溶融法で必要になる比較的高温では劣化するためである。当分野では多様な劣化作用が公知であり、その作用には、酸化、選択成分蒸発、および単純な溶解、および/又は、金属結晶構造の他の望ましくない変化などがある。
【0030】
金属リング1/透明部品2の結合体が周囲の温度まで冷却されると、本明細書で開示されている利点により、当業者に公知の多様な方法が、低温溶融ガラスのような様々のシール複合物を金属リング1と透明部品2との間の露出されたインターフェースに沿った領域に与えるために使用可能であることが、理解されるだろう。更に、低温溶融ガラス予備成形ペーストが使用されるときは、このペーストが、まずその結合剤を取り除くために比較的低温で典型的に焼結された後に、残りの溶融ガラス粒子を溶融するために高温で加熱される。
【0031】
金属リング1および透明部品2の相対的なディメンションを一時的に変える他の方法およびこれらの方法の組み合わせがあることを、当業者は理解するだろう。例えば、同時に金属リングを周囲温度に加熱または保持しながら、透明部品を冷却することが可能である。金属リング1と透明部品2との相対的なディメンションを一時的に変えることを目的とするこれおよび他の異なる方法が、本発明の範囲内に収まるよう意図されている。
【0032】
透明部品が金属リングと圧縮接触状態に保持されない場合は、本発明に関わる1つの方法が以下の工程を有していてよい。
【0033】
(a)透明部品2を金属リング1の内側スペース17内に配置させる
(b)低温溶融ガラスシール複合物9を透明部品2と金属リング1との間のインターフェースの周りに与える
(c)透明部品2を金属リング1に少なくとも部分的に取着させるように低温溶融ガラスシール複合物を焼結させる
(d)任意で、点検窓アセンブリのハウジングアセンブリの他の部分に金属リングを取付ける
(e)低温溶融ガラスシール複合物を溶融するのに十分な温度、および透明部品と金属リングとに対して低温溶融ガラスシール複合物をシールするのに十分な温度まで、低温溶融ガラスシール複合物を加熱し、これによって、透明部品2と金属リング1との間にハーメチックシールを形成する
低温溶融ガラスシール複合物と透明部品とは、低温溶融ガラスのガラス軟化温度が、透明部品2の所定のガラス転移温度よりも少なくとも約25℃低くなるように選択されていると好ましい。低温溶融ガラスシール複合物と透明部品とは、低温溶融ガラスの所定のガラス軟化温度が、透明部品2のガラス転移温度よりも少なくとも約25℃低くなるように選択されているとより好ましい。低温溶融ガラスシール複合物と透明部品とは、低温溶融ガラスのガラス軟化温度が、透明部品2の所定のガラス転移温度よりも少なくとも約50℃低くなるように選択されていると更に好ましい。また、溶融ガラスシール複合物を溶融する上記の工程は、約500乃至650℃の範囲の温度で行なわれると好ましく、約575乃至620℃の範囲の温度で行なわれると更に好ましい。この溶融工程は、特別な環境、即ち、還元性雰囲気中で行なうことができる。
【0034】
本発明に係われば他の実施形態が可能であり、また、本発明の範囲は本明細書に開示された特定の実施形態に制限されるものではないことを、当業者は理解するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の所定の特性に係わって形成された第1の点検窓の断面図を示している。
【図2】本発明の所定の特性に係わって形成された第2の点検窓の断面図を示している。
【図3】本発明の所定の特性に係わって形成された第3の点検窓の断面図を示している。
【図4】本発明の所定の特性に係わって形成された第4の点検窓の断面図を示している
【図5】本発明の所定の特性に係わって形成された第4の点検窓の側面図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明部品と、
この透明部品を受ける内側スペースを有し、透明部品が内側で取着されているリングと、
前記透明部品とリングとの間のインターフェースに与えられた無機のシール複合物とを具備し、
前記無機のシール複合物は、溶融可能な低温溶融ガラスを含み、前記透明部品は、その低温溶融ガラスによってリング内で取着されている、点検窓装置。
【請求項2】
前記リングは、鉄合金とアルミニウムとからなるグループより選択された少なくとも1つの金属でできている請求項1の装置。
【請求項3】
前記リングは、金属のリングである、請求項1の装置。
【請求項4】
前記リングは、一体構造である、請求項1の装置。
【請求項5】
前記低温溶融ガラスは、リングと透明部品の両方に溶着されている、請求項2の装置。
【請求項6】
前記透明部品は、結晶性物質を含んでいる、請求項1の装置。
【請求項7】
前記透明部品は、円形、矩形、楕円形、あるいは多角形である、請求項1の装置。
【請求項8】
前記透明部品は、所定のガラス転移温度を有する材料を含み、前記低温溶融ガラスは、透明部品の前記ガラス転移温度よりも低いガラス軟化温度を有している、請求項1の装置。
【請求項9】
前記透明部品は、ホウケイ酸塩またはソーダ石灰ケイ酸塩を含んでいる、請求項8の装置。
【請求項10】
前記低温溶融ガラスは、透明部品の所定のガラス転移温度よりも少なくとも約25℃低いガラス軟化温度を有している、請求項8の装置。
【請求項11】
前記低温溶融ガラスは、透明部品の所定のガラス転移温度よりも少なくとも約50℃低いガラス軟化温度を有している、請求項8の装置。
【請求項12】
前記透明部品は更に、径方向に圧縮された状態でリング内に取着されている、請求項2の装置。
【請求項13】
前記シール複合物は、リングと透明部品の両方に溶着されている、請求項12の装置。
【請求項14】
前記リングは、透明部品の少なくとも一部の外面に当接する舌部を更に有し、この舌部は、透明部品のリング中への挿入距離を制限するために配置されている、請求項13の装置。
【請求項15】
前記低温溶融ガラスの適用を受ける領域を形成する斜面を更に具備している請求項14の装置。
【請求項16】
前記リングは、透明部品よりも大きな熱膨張係数を有している、請求項14の装置。
【請求項17】
透明部品と、
この透明部品を受ける内側スペースを有し、透明部品が内側で取着されているリングと、
前記透明部品とリングとの間のインターフェースに与えられた無機のシール複合物とを具備し、
前記無機のシール複合物は、溶融可能な低温溶融ガラスを含み、前記透明部品は、高温セメントによってリング内で取着され、前記低温溶融ガラスは、高温セメントと溶着されている、点検窓装置。
【請求項18】
前記低温溶融ガラスは、リングおよび透明部品に更に溶着されている、請求項17の装置。
【請求項19】
前記透明部品は、結晶性物質を含んでいる、請求項17の装置。
【請求項20】
前記透明部品は、所定のガラス転移温度を有する材料を含み、前記低温溶融ガラスは、透明部品の前記ガラス転移温度よりも低いガラス軟化温度を有している、請求項17の装置。
【請求項21】
点検窓の一側面の状況を点検窓の他側面の有利な地点から検出する検出手段と、
この検出手段を中に取着する取着手段と、
この取着手段と検出手段との間のインターフェースをシールするシール手段とを具備している点検窓。
【請求項22】
前記検出手段は、所定のガラス転移温度を有する材料を有し、前記シール手段は、検出手段の前記ガラス転移温度よりも低いガラス軟化温度を有している、請求項21の点検窓。
【請求項23】
前記検出手段は、点検窓が周囲温度にあるときは取着手段内に圧縮状態で取着されている、請求項21の点検窓。
【請求項24】
前記取着手段は、検出手段の少なくとも一部の外面に当接する舌手段を更に有している、請求項23の点検窓。
【請求項25】
前記シール手段の適用を受ける領域を形成する斜面を更に具備している請求項23の点検窓。
【請求項26】
透明部品と、内側スペースを備えたリングとを提供する工程と、
この透明部品をリングの前記内側スペース内に配置させる工程と、
前記透明部品とリングとの間のインターフェースの周りに無機のシール複合物を与える工程と、
前記透明部品をリングに少なくとも部分的に取着するように無機のシール複合物を処理する工程と、
前記透明部品をリングに対してシールして、透明部品とリングとの間にハーメチックシールを形成するように無機のシール複合物を更に処理する工程とを具備している点検窓を形成する方法。
【請求項27】
前記無機のシール複合物は、溶融可能な低温溶融ガラスを含んでいる、請求項26の方法。
【請求項28】
前記透明部品をリングに少なくとも部分的に取着させるように無機のシール複合物を処理する工程は、低温溶融ガラスを焼結させることを有する、請求項26の方法。
【請求項29】
前記透明部品をリングに対してシールするように無機のシール複合物を更に処理する工程は、低温溶融ガラスを透明部品とリングとの両方に溶着させることを有する、請求項28の方法。
【請求項30】
前記無機のシール複合物を更に処理する工程は、還元性雰囲気中で行なわれる、請求項29の方法。
【請求項31】
前記透明部品は、低温溶融ガラスによってリング内で取着されている、請求項27の方法。
【請求項32】
前記透明部品は、結晶性物質を含んでいる、請求項29の方法。
【請求項33】
前記透明部品は、所定のガラス転移温度を有する材料を含み、低温溶融ガラスが、透明部品の前記ガラス転移温度よりも低いガラス軟化温度を有している、請求項31の方法。
【請求項34】
前記透明部品は、ホウケイ酸塩またはソーダ石灰ケイ酸塩を含んでいる、請求項33の方法。
【請求項35】
前記低温溶融ガラスは、透明部品の所定のガラス転移温度よりも少なくとも約25℃低いガラス軟化温度を有している、請求項33の方法。
【請求項36】
前記低温溶融ガラスは、透明部品の所定のガラス転移温度よりも少なくとも約50℃低いガラス軟化温度を有している、請求項33の方法。
【請求項37】
前記リングと透明部品との相対的なディメンションを一時的に変えて、透明部品をリングの内側スペース内に配置させる工程と、
前記透明部品をリングの内側スペース内に配置させた後に、リングと透明部品との変えられた相対的なディメンションを逆にする工程とを更に具備し、
前記透明部品とリングの内側スペースとは、周囲の環境でリングが透明部品をその内側スペース内に径方向の圧縮状態に保持するようなサイズにされる、請求項29の方法。
【請求項38】
前記リングと透明部品の相対的なディメンションを一時的に変える工程は、リングを加熱することを有する、請求項37の方法。
【請求項39】
前記リングと透明部品の相対的なディメンションを一時的に変える工程は、透明部品を冷却することを有する、請求項37の方法。
【請求項40】
前記リングと透明部品の相対的なディメンションを一時的に変える工程は、リングと透明部品との両方を加熱することを有する、請求項37の方法。
【請求項41】
前記リングは、透明部品の少なくとも一部分の外面に当接する舌部を有し、この舌部は、透明部品のリング中への挿入距離を制限する、請求項37の方法。
【請求項42】
前記リングは、低温溶融ガラスの適用を受ける領域を形成する斜面を有している、請求項37の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−522718(P2006−522718A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501232(P2006−501232)
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/007425
【国際公開番号】WO2004/081616
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(500510010)エマーソン エレクトリック カンパニー (73)
【Fターム(参考)】