説明

無段変速機

【課題】回転駆動手段がパワーローラに生じるトラクション力に対する反力を担持することを不要とすることが可能な無段変速機を提供する。
【解決手段】例えば走行中にパワーローラ14に生じるトラクション力F1は、プラネットギヤ33の内外周側において力F2,F3に分解され、リングギヤ26Aに回転方向の力F5、及びサンギヤ25Aに回転方向の力F6として伝達される。これら力F5,F6は、コントロールピニオン27の内外周に対して力F7,F8として伝達され、パワーローラ14の中心と略々同径上に中心があるピニオンシャフト28eに対して、上記トラクション力F1と同じ力F9が伝達される。コントロールピニオン27を支持するキャリヤをミッションケースに固定することで、トラクション力F1の全てが該ケースに担持されるため、モータユニット29がリアクション力を出力することが不要となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や作業車輌等の車輌に搭載される無段変速機に係り、詳しくは、パワーローラを支持するプラネットギヤをサンギヤ及びリングギヤの回転駆動によって制御することで、該パワーローラの自律的な変速比の変更を制御するトロイダル式の無段変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車や作業車輌等の車輌に搭載される無段変速機として、フルトロイダル式無段変速装置が提案されている(特許文献1参照)。このものは、入力ディスクと出力ディスクとそれら両ディスクに挟持されたパワーローラとによって構成されており、パワーローラの傾斜に基づく両ディスクとの接触位置(接触半径)により変速比が得られる。このトロイダル式無段変速装置は、パワーローラの回転中心を油圧サーボに連結されたリンク機構等により両ディスクの面方向に対して移動制御することで、自律的にパワーローラの傾斜角度が変化し、これによって変速比の変更が行われる。
【0003】
この特許文献1のトロイダル式無段変速装置を図5乃至図7に沿って簡単に説明する。図5(a)、(b)に示すように、トロイダル式無段変速装置は、入力ディスク111と出力ディスク112とそれら両ディスク111,112に挟持されたパワーローラ113とによって構成されている。該パワーローラ113は、キャリッジ116により軸Pを中心に回転自在に支持されており、該キャリッジ116はその一端部にて油圧サーボ115のピストンに連結されている。上記パワーローラ113は、入力ディスク111の回転に基づき軸Pを中心にω1方向に回転し、この回転に基づいて出力ディスク112がω3方向に回転される。このとき、パワーローラ113には、入力ディスク111からトルク伝達される際にトラクション力F11が作用し、パワーローラ113から出力ディスク112にトルク伝達される際には、反力としてのトラクション力F12が作用する。そして、これらパワーローラ113に作用するトラクション力F11,F12は、上記油圧サーボ115の押圧駆動によりキャリッジ116に作用するリアクション力F13とつりあっている。
【0004】
例えば上記油圧サーボ115の制御によりリアクション力F13を弱くすると、図6(a)、(b)に示すように、力のつりあいのバランスが崩れパワーローラ113の位置が油圧サーボ115側へ移動する。すると、図6(b)に示すように、出力ディスク112とパワーローラ113との接触部117において、パワーローラ113の速度ベクトルV´rは変らないが、出力ディスク112の速度ベクトルV´dは、該接触部117の接線方向となるので、該出力ディスク112の速度ベクトルV´dとパワーローラ113の速度ベクトルV´rとは平行ではなくなる。さらに、接触部117においては、速度ベクトルV´dと速度ベクトルV´rとの差の方向と同じ方向のトラクション力F14が生じ、該トラクション力F14がパワーローラ113に作用する。
【0005】
一方、パワーローラ113と入力ディスク111との間にも同様の作用が生じ、トラクション力F14とは逆向きの力がパワーローラ113に対して作用する。これらパワーローラ113と入力ディスク111との間に生じるトラクション力及びトラクション力F14の作用により、図7(a)、(b)に示すように、パワーローラ113の軸Pはチルトされ、つまり入力ディスク111に対する出力ディスク112の変速比(接触半径)が自律的に変化する。なお、キャリッジ116は、入力ディスク111及び出力ディスク112と平行な面に対してキャスター角βを有しているので、パワーローラ113と両ディスク111,112の接触部における速度ベクトルが平行となる傾斜角で安定する。これにより、油圧サーボにより押圧制御することでパワーローラの位置を移動制御することにより、無段に変速させることを可能としている。
【0006】
ところで、上記特許文献1のトロイダル式無段変速装置は、入力ディスクと出力ディスクとの間において、例えば3つのパワーローラが配置されており、それら3つのパワーローラのそれぞれに、油圧サーボやパワーローラを連結するリンク機構等が必要であり、その構成が複雑となってしまう。
【0007】
そこで、パワーローラの位置の移動制御を可能とするものとして、パワーローラの内周側に配置されたサンギヤと、該パワーローラの外周側に配置されたリングギヤと、それらサンギヤとリングギヤとに噛合すると共に、該パワーローラを傾斜自在かつ回転自在に支持する回転軸を組合わせたプラネットギヤとによって構成し、該サンギヤと該リングギヤとを同方向に回転駆動制御することによってパワーローラをスライド移動して、上記接触部の速度ベクトルを相違させて該パワーローラの傾斜角度を変更することで、自律的な無段変速制御を可能にするトロイダル式無段変速装置が提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2006−292079号公報
【特許文献2】国際公開公報WO 05/121602A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述のようなトロイダル式無段変速装置は、入力ディスクからパワーローラに、例えばエンジン等の駆動源からのトルク伝達を行う際にトラクション力(F11)が作用し、またパワーローラから出力ディスクにトルク伝達する際にもトラクション力(F12)が作用しており、パワーローラを支持するためには、これらトラクション力(F11+F12)とつりあうリアクション力(F13)を作用させなくてはならない。勿論、変速制御を行う場合には、パワーローラに対してリアクション力を出力しつつ、該パワーローラを移動制御する駆動力を出力することになる。
【0010】
このため、上記特許文献2のトロイダル式無段変速装置であっても、特に走行中はサンギヤ及びリングギヤを介してパワーローラにリアクション力を付与し続ける必要があり、そのリアクション力に耐え得る大きな駆動力を発生するための油圧サーボやその油圧回路等を備える必要があって、トロイダル式無段変速装置のコンパクト化を妨げる要因になっていた。
【0011】
また、上述のようなトロイダル式無段変速装置は、変速制御を行わない一定の変速比での走行状態であっても、パワーローラの位置を保持するためには、常にトラクション力を打消すようにリアクション力を制御する必要があった。即ち、パワーローラに作用するトラクション力は、走行状況(例えば登坂路、降坂路など)や例えば運転者によるアクセルのON/OFFに応じて駆動・非駆動が切り替わる際などに大きく変化し、かつそのトラクション力の変化を予測することは困難であるため、パワーローラに出力するリアクション力は、これらトラクション力に応答性良く追従するように制御する必要があった。
【0012】
そのため、上述のトロイダル式無段変速装置における、リアクション力を出力しつつサンギヤ及びリングギヤを回転駆動する油圧サーボの制御機構には、例えばフィードバック制御等の複雑な制御を行い得る制御機構が必要となり、トロイダル式無段変速装置の構造を複雑化してしまうという問題があった。
【0013】
そこで本発明は、回転駆動手段がパワーローラに生じるトラクション力に対する反力を担持することを不要とすることが可能な無段変速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に係る本発明は(例えば図1ないし図4参照)、入力ディスク(11)及び出力ディスク(12)からなる両ディスク(11,12)に挟持されるパワーローラ(14)と、
前記両ディスク(11,12)間の内周側に配設されたサンギヤ(25A,25B)と、
前記両ディスク(11,12)間の外周側に配設されたリングギヤ(26A,26B)と、
前記パワーローラ(14)を回転自在にかつ前記両ディスク(11,12)に対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部(31)、及び前記回転傾斜支持部(31)を支持しかつ一端側が前記サンギヤ(25A,25B)に噛合すると共に他端側が前記リングギヤ(26A,26B)に噛合する支持軸(32)、を有するプラネットギヤ(33)と、を備えたトロイダル式無段変速装置(2)、がケース(6)内に収納された無段変速機(1)において、
前記トロイダル式無段変速装置(2)は、
前記サンギヤ(25A,25B)及び前記リングギヤ(26A,26B)の少なくとも一方を回転駆動する回転駆動手段(29)と、
前記サンギヤ(25A,25B)と前記リングギヤ(26A,26B)との間に配置され、一端側が前記サンギヤ(25A,25B)に噛合すると共に他端側が前記リングギヤ(26A,26B)に噛合するコントロールピニオン(27)と、
前記コントロールピニオン(27)を回転自在に支持するキャリヤ(28)と、を備え、
前記トロイダル式無段変速装置(2)は、前記回転駆動手段(29)により前記コントロールピニオン(27)を介して前記サンギヤ(25A,25B)及び前記リングギヤ(26A,26B)をそれぞれ逆方向に回転駆動することで前記プラネットギヤ(33)の支持軸(32)の傾斜角度を変更すると、前記回転傾斜支持部(31)を介して前記両ディスク(11,12)の回転方向に対する前記パワーローラ(14)の角度が変更され、該角度変更されたパワーローラの前記両ディスク(11,12)に対する接触部(17)における回転方向の相違により、該パワーローラがそれら接触部(17)の接触半径が変更される方向に傾斜しつつ前記両ディスク(11,12)の回転方向の接線方向に戻るように自律的に姿勢を変更することで変速比の変更を行ってなり、
前記キャリヤ(28)は、前記ケース(6)に固定されてなる、
ことを特徴とする無段変速機(1)にある。
【0015】
請求項2に係る本発明は(例えば図2参照)、前記回転駆動手段は、モータ(29)によって構成されてなる、
ことを特徴とする請求項1記載の無段変速機(1)にある。
【0016】
請求項3に係る本発明は(例えば図3及び図4参照)、前記回転傾斜支持部(31)は、
前記支持軸(32)に固定支持されると共に、該支持軸と直交する軸(H)に対してキャスター角(γ)が付与された第1軸(I)を中心とした円柱状に形成された中心支持部(35)と、
前記中心支持部(35)の円柱状の円弧面(36)に対して回転自在に支持され、前記第1軸(I)と直交する第2軸(J)を中心とした円柱状に形成されたローラ回転支持部(37)と、を有し、
前記パワーローラ(14)は、前記ローラ回転支持部(37)の円柱状の円弧面(38)に対して前記第2軸(J)を中心として回転自在に支持されてなり、
前記回転傾斜支持部(31)は、前記プラネットギヤ(33)が回転制御されて前記支持軸(32)が傾斜された際、前記中心支持部(35)の円柱状の平行面により前記ローラ回転支持部(37)及び前記パワーローラ(14)を支持することで、前記両ディスク(11,12)の回転方向に対して該パワーローラを傾斜させ、前記接触部(17)における回転方向の相違により前記接触部(17)の接触半径が変更される方向に該パワーローラを傾斜させる際、前記中心支持部(35)の円柱状の円弧面(36)により、前記第1軸(I)を中心として該パワーローラを傾斜させつつ前記キャスター角(γ)に基づき前記両ディスク(11,12)の回転方向の接線方向に戻させてなる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の無段変速機(1)にある。
【0017】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る本発明によると、ケースに対して固定されたキャリヤがサンギヤ及びリングギヤのそれぞれに噛合するコントロールピニオンを回転自在に支持しているので、パワーローラにトラクション力が作用した際にも、プラネットギヤを介してサンギヤ及びリングギヤに反力が伝達され、サンギヤ及びリングギヤに伝達されたトラクション力の反力をコントロールピニオン及びキャリヤを介してケースに作用させることで、該ケースにトラクション力の反力を担持させることができ、回転駆動手段がパワーローラに生じるトラクション力に対する反力を担持することを不要とすることができる。これにより、トラクション力に対して大きな駆動力を出力するための機構(油圧サーボやその油圧回路等)を不要とすることができ、例えばモータによって回転駆動手段を構成することも可能となって、無段変速機のコンパクト化を図ることができる。
【0019】
また、パワーローラに生じるトラクション力に対する反力をケースに担持させることが可能になるので、走行中に予測困難な状況で変化するトラクション力に対する反力もケースに担持させることができ、トラクション力に追従するように回転駆動手段によるリアクション力の出力制御を行うことが不要となって、例えばフィードバック制御等の複雑な制御を行うための制御機構を不要とすることができ、無段変速機の簡素化やコストダウンも図ることができる。
【0020】
請求項2に係る本発明によると、回転駆動手段がモータによって構成されているので、該回転駆動手段を例えば油圧サーボによって構成した場合に比して、簡単な構成とすることができ、無段変速機のコンパクト化を図ることができる。また、特に回転駆動手段にステッピングモータ等の、電気的指令に対して自己位置をコントロール可能なモータを用いた場合、サンギヤ及びリングギヤなどの位置を検出してフィードバックするような装置も不要とすることができ、無段変速機の簡素化やコストダウンを図ることができる。
【0021】
請求項3に係る本発明によると、回転傾斜支持部は、プラネットギヤが回転制御されて支持軸が傾斜された際には、中心支持部の円柱状の平行面により、両ディスクの回転方向に対して該パワーローラを傾斜させることができ、その後、接触部における回転方向の相違により接触部の接触半径が変更される方向に該パワーローラを傾斜させる際には、中心支持部の円柱状の円弧面により、パワーローラを傾斜させつつキャスター角に基づき両ディスクの回転方向の接線方向に戻させることができるので、プラネットギヤを回転制御するだけでパワーローラの回転中心を移動させることなく、両ディスクに対するパワーローラの接触半径を変更し、かつ両ディスクの回転方向の接線方向に戻すことを自律的に行うことができる。これにより、パワーローラの両ディスクに対する周方向への移動をなくすことができるので、コントロールピニオンを回転自在に支持するキャリヤをケースに固定する(移動不能にする)ことを可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図4に沿って説明する。
【0023】
本発明の実施の形態に係る無段変速機1は、図1に示すように、トロイダル式無段変速装置(以下、単にバリエータとする)2と、例えば反転ギヤ機構やロー・ハイ切換え機構等からなるプラネタリギヤ装置(不図示)とをミッションケース(ケース)6の内部に有して構成されている。
【0024】
上記バリエータ2は、フルトロイダル式の無段変速装置であって、入力軸3上に連結された入力ディスク11,11と、外周側において出力部材16に接続された出力ディスク12と、2個の入力ディスク11,11及び1個の出力ディスク12の間に挟持される複数のパワーローラ14を有する、詳しくは後述するパワーローラユニット5(図3参照)と、を備えている。入力ディスク11,11及び出力ディスク12は、それぞれ対向するように円形の一部を形成する円弧状の凹溝を有しており、2列のパワーローラを挟んでダブルキャビティ13,13を構成して、入力ディスク同士のスラスト力を打消す構成からなる。
【0025】
パワーローラ14は、環状のダブルキャビティ13,13における周方向の略々均等な位置に複数個(例えば1つのキャビティに3個)配置されており、ローラ制御装置4によって、パワーローラ14の回転軸が傾斜自在に、かつパワーローラ14が回転制御される。また、入力ディスク11,11の間は、油圧サーボ8により閉ループ的に押圧され、パワーローラ14を挟持すると共に、その挟持圧が油圧により制御される。そして、上記ローラ制御装置4による回転制御と入力ディスク11,11の挟持圧とにより、パワーローラ14が自律的に傾斜することで、入力ディスク11,11と出力ディスク12との接触半径が変更されて、無段に連続して変速する。なお、本バリエータ2にあっては、入力ディスク11,11に対して出力ディスク12が反転するので、速度比は−(マイナス)になる。
【0026】
上記ローラ制御装置4は、パワーローラ14のそれぞれ内周側にあって入力軸3に回転自在に支持されると共に、互いがスリーブ部材25aによって回転連結されて配置されたサンギヤ25A,25Bと、該パワーローラ14のそれぞれ外周側に配置され、入力軸3に対して回転自在に支持されたリングギヤ26A,26Bと、サンギヤ25A,25Bとリングギヤ26A,26Bとの間でそれぞれに噛合するように配置されるコントロールピニオン27,27を回転自在に支持すると共にミッションケース6に対して固定されたキャリヤ28と、上記パワーローラユニット5と、リングギヤ26Aを回転駆動する回転駆動手段としてのモータユニット29(図2参照)とによって構成されている。
【0027】
上記キャリヤ28は、前メインキャリヤプレート28aと、前サブキャリヤプレート28bと、後サブキャリヤプレート28cと、後メインキャリヤプレート28dとによって構成されている。該前メインキャリヤプレート28aは、内周側においてスリーブ部28gが形成されており、該スリーブ部28gはベアリング43を介して入力軸3に回転自在に支持されている。また、前メインキャリヤプレート28aは、外周側において接続部28sが形成されており、該接続部28sはミッションケース6の内面に固定されている。さらに、前メインキャリヤプレート28aには、ピニオンシャフト28eが一体に形成されており、ベアリング41,41を介して後述するコントロールピニオン27を回転自在に支持している。
【0028】
上記前サブキャリヤプレート28bは、ピニオンシャフト28eに形成された突起部28fに嵌合する孔部28hが形成されており、該孔部28hにおいて前メインキャリヤプレート28aに対して固定されている。また、前サブキャリヤプレート28bは、内周側においてスリーブ部28iが形成されており、上記スリーブ部材25aの外周側となるように配置されている。
【0029】
上記後メインキャリヤプレート28dは、内周側においてスリーブ部28mが形成されており、該スリーブ部28mはベアリング44を介して入力軸3に回転自在に支持されている。また、後メインキャリヤプレート28dには、ピニオンシャフト28jが一体に形成されており、ベアリング42,42を介してコントロールピニオン27を回転自在に支持している。
【0030】
上記後サブキャリヤプレート28cは、ピニオンシャフト28jに形成された突起部28kに嵌合する孔部28lが形成されており、該孔部28lにおいて後メインキャリヤプレート28dに対して固定されている。また、後サブキャリヤプレート28cは、内周側においてスリーブ部28nが形成されており、上記スリーブ部材25aの外周側となるように配置されている。そして、前サブキャリヤプレート28bと後サブキャリヤプレート28cとは、上記出力ディスク12の内周側において連結されており、これにより、前メインキャリヤプレート28a、前サブキャリヤプレート28b、後サブキャリヤプレート28c、及び後メインキャリヤプレート28dによって構成されるキャリヤ28は、ミッションケース6に対して固定されている。また、上記前サブキャリヤプレート28bと後サブキャリヤプレート28cとが連結された部分では、ベアリング45,45を介して出力ディスク12を回転自在に支持している。
【0031】
上記コントロールピニオン27,27のうち図1中左側のコントロールピニオン27は、キャビティ13内において隣り合うパワーローラ14の間に配置され、上記サンギヤ25Aとリングギヤ26Aとの間でそれぞれに噛合すると共に、上記キャリヤ28に一体に形成されたピニオンシャフト28eにベアリング41,41を介して回転自在に支持されている。また、図1中右側のコントロールピニオン27も同様に、キャビティ13内において隣り合うパワーローラ14の間に配置され、上記サンギヤ25Bとリングギヤ26Bとの間でそれぞれに噛合すると共に、上記キャリヤ28に一体に形成されたピニオンシャフト28jにベアリング42,42を介して回転自在に支持されている。
【0032】
上記パワーローラユニット5は、上述のように例えば2つのキャビティで6個配置されており、これら6個のパワーローラユニット5はすべて同様な構成からなる。該パワーローラユニット5は、図3に示すように、環状のギヤから、上記パワーローラ14の可動範囲を切欠いた形状に形成され、内周側(例えば図中下方側)がサンギヤ25A(25B)に噛合し、かつ外周側(例えば図中上方側)がリングギヤ26A(26B)に噛合するプラネットギヤ33と、該プラネットギヤ33の中心部分で固定支持され、パワーローラ14をω1方向に回転自在かつω2方向に傾斜自在に支持する回転傾斜支持部31とによって構成されている。
【0033】
上記回転傾斜支持部31は、中心支持部35と、ローラ回転支持部37とによって構成されている。該中心支持部35は、支持軸32に一体に形成(固定支持)され、該支持軸32に直交すると共に両ディスク11,12に平行な軸線Hから、支持軸32に直交する面内でキャスター角γだけ傾いた軸線(第1軸)Iを中心とした円柱状に形成されている。ローラ回転支持部37は、該中心支持部35の円柱状の円弧面36に対して回転自在に支持され、上記軸線Iと直交しパワーローラ14の回転軸となる軸線(第2軸)Jを中心とした円柱状に形成されている。また、ローラ回転支持部35は、円柱状の円弧面38によって軸線Jを中心に回転するパワーローラ14を回転自在に支持している。
【0034】
上記モータユニット29は、図2に示すように、ミッションケース6内部においてバリエータ2の下方側に配置されており、ステッピングモータからなる駆動部29aとラック部29bとを有して構成されている。該駆動部29aには、不図示の電子制御装置からの信号に基づき、車輌の走行状況に応じて回転されるロータ部(不図示)が備えられており、該ロータ部には、回転運動を直線運動に変換するねじ機構(不図示)を介してラック部29bが接続されている。該ラック部29bは、上面側に複数の歯29cが形成されたラック状の部材であり、該歯29cは、上記リングギヤ26Aの外周面に形成された外歯26aと噛合している。
【0035】
ついで、バリエータ2の作用について図4に沿って説明する。
【0036】
車輌に搭載されたバリエータ2においては、エンジン出力軸に連結されている入力軸3の回転が、バリエータ2の入力ディスク11,11に伝達される。上記パワーローラ14は、上記入力ディスク11,11の回転に基づき回転し、この回転に基づいて図4(a)に示すように出力ディスク12がω3方向に回転される。すると、キャビティ13内において、パワーローラ14には、入力ディスク11から出力ディスク12にトルク伝達される際に生じるトラクション力F1が作用し、このトラクション力F1はリングギヤ26A及びサンギヤ25Aによって受けるリアクション力F2´,F3´とつりあっている。
【0037】
この状態から、図4(b)に示すように、例えば上記リングギヤ26Aをω4方向にモータユニット29によって回転駆動すると、パワーローラユニット5のプラネットギヤ33がリングギヤ26Aと同じ向きの回転をすると共に、図2に示すように、コントロールピニオン27が、キャリヤ28のピニオンシャフト28eを中心に回転し、噛合しているサンギヤ25Aをリングギヤ26Aとは逆方向のω5方向(図4(b)参照)に回転させる。このため、パワーローラユニット5は、図4(b)に示すように、リングギヤ26Aからω4方向に回転されると共にサンギヤ25Aからω5方向に回転され、元の位置で回転(自転)し、支持軸32が角度変更することになる。このとき、パワーローラ14は、回転傾斜支持部31の中心支持部35に備えられた円柱状の平行面によりローラ回転支持部37と共に出力ディスク12の回転方向ω3に向けて傾斜する。
【0038】
すると、出力ディスク12とパワーローラ14との接触部17において、パワーローラ14の速度ベクトルVrは出力ディスク12の接線方向よりも内周側を向き、出力ディスク12の速度ベクトルVdは該出力ディスク12の接線方向となるので、該出力ディスク12の速度ベクトルVdとパワーローラ14の速度ベクトルVrとは平行ではなくなる。さらに、接触部17においては、速度ベクトルVdと速度ベクトルVrとの差の方向と同じ方向のトラクション力F4が生じ、該トラクション力F4がパワーローラ14に作用する。
【0039】
一方、パワーローラ14と入力ディスク11との間にも同様の作用が生じ、トラクション力F4とは逆向きのトラクション力がパワーローラ14に対して作用する。これらパワーローラ14と入力ディスク11との間に生じるトラクション力及びトラクション力F4の作用により、図4(c)に示すように、パワーローラ14の回転軸J(図3参照)は、上記軸線Iを中心として上記中心支持部35に備えられた円弧面36に沿ってチルトされつつ、上記キャスター角γ(図2参照)の作用によってパワーローラ14の速度ベクトルVrと出力ディスク12の速度ベクトルVdとが平行となる位置にされる。つまり、入力ディスク11に対する出力ディスク12の変速比(接触半径)が自律的に変化する。
【0040】
次に、上記バリエータ2の力のつりあいについて説明する。バリエータ2は、変速制御を行わない一定の変速比での走行状態であっても、入力ディスク11と出力ディスク12との間でトルク伝達を行っている際には、パワーローラ14にトラクション力F1が生じる。該トラクション力F1は、図2に示すように、プラネットギヤ33におけるバリエータ2の外周側端部に作用する力F2、及びプラネットギヤ33におけるバリエータ2の内周側端部に作用する力F3に分解される。
【0041】
該力F2は、プラネットギヤ33とリングギヤ26Aとが噛合していることより、該リングギヤ26Aを図中時計周り方向に回転させようとする力F5としてリングギヤ26Aに伝達される。リングギヤ26Aに伝達された力F5は、該リングギヤ26Aとコントロールピニオン27とが噛合していることにより、該コントロールピニオン27を図中時計回り方向に回転させようとする力F7としてコントロールピニオン27に伝達される。
【0042】
一方、上記力F3は、プラネットギヤ33とサンギヤ25Aとが噛合していることより、該サンギヤ25Aを図中時計周り方向に回転させようとする力F6としてサンギヤ25Aに伝達される。サンギヤ25Aに伝達された力F6は、該サンギヤ25Aとコントロールピニオン27とが噛合していることにより、該コントロールピニオン27を図中反時計回り方向に回転させようとする力F8としてコントロールピニオン27に伝達される。
【0043】
上記力F7及びF8は、互いにコントロールピニオン27を反対方向に回転させようとする力、即ち該コントロールピニオン27を回転自在に支持するピニオンシャフト28eに作用し、入力ディスク11の回転方向に沿った図中時計周り方向へ移動させようとする力F9となり、該力F9は、キャリヤ28を介してミッションケース6(図1参照)に作用している。
【0044】
また、力F9は、上記のようにトラクション力F1から分解された力F2,F3と同じ大きさのF7,F8を合成した力であるので、トラクション力F1と同じ大きさであり、さらに、トラクション力F1及び力F9は、それぞれが作用するプラネットギヤ33(パワーローラ14)の回転中心とピニオンシャフト28eとが入力ディスク11に対して略々同径上にあるため、プラネットギヤ33及びコントロールピニオン27を回転させることなく、つりあった状態とすることができる。つまり、パワーローラ14に生じるトラクション力F1は、全てがミッションケース6に対して作用しており、該トラクション力F1に対する反力の全てをミッションケース6に担持させることができる。
【0045】
なお、これらトラクション力F1ないしF9の反力は、図2中においては省略しているが、リアクション力F1´ないしF9´とし、それぞれの矢印とは反対方向の矢印として示すことができる。即ち、図4(a)に示すように、パワーローラユニット5に作用する力の説明としてリアクション力F2´,F3´として示している。
【0046】
また、バリエータ2が変速制御を行う際には、入力ディスク11と出力ディスク12との間でトルク伝達を行いつつ、上述のようにモータユニット29によってリングギヤ26Aを回転駆動させる。即ち、モータユニット29によってリングギヤ26Aが回転駆動され、プラネットギヤ33及びコントロールピニオン27は、回転(自転)するが、プラネットギヤ33及びコントロールピニオン27と、リングギヤ26A及びサンギヤ25Aとのそれぞれの噛合位置に変化はなく、上記のように、パワーローラ14に生じるトラクション力F1の反力をミッションケース6に担持させる力関係に変化はない。このため、モータユニット29は、これらの反力を担持しない駆動力によってリングギヤ26Aを駆動することができる。つまり、該モータユニット29は、トラクション力F1に対する大きな駆動力を出力するための油圧サーボやその油圧回路等の機構を不要とすることができる。
【0047】
なお、本発明に係る無段変速機1においては、パワーローラ14の間にコントロールピニオン27が配置されているが、上述のように、該パワーローラ14を支持するパワーローラユニット5は変速制御の際、その場で回転(自転)し、パワーローラ14が両ディスク11,12に対する回転方向への移動を行わないので、パワーローラ14とコントロールピニオン27とが干渉する虞がない。
【0048】
なお、以上の説明においては、キャビティ13内における1つのパワーローラ14を例として説明したが、これらの作用が1つのキャビティ13内において、3つのパワーローラ14に同時に働き、またもう1つのキャビティ13内においても同様に3つのパワーローラ14に作用することにより、変速動作が行われる。そして、このように無段に変速された回転は、図1に示すように、出力ディスク12に接続された出力部材16より出力され、上述したプラネタリギヤ装置(不図示)に入力される。
【0049】
以上説明した無段変速機1にあっては、ミッションケース6に対して固定されたキャリヤ28がサンギヤ25A,25B及びリングギヤ26A,26Bのそれぞれに噛合するコントロールピニオン27,27を回転自在に支持しているので、パワーローラ14にトラクション力F1が作用した際にも、プラネットギヤ33を介してサンギヤ25A,25B及びリングギヤ26A,26Bに反力が伝達され、サンギヤ25A,25B及びリングギヤ26A,26Bに伝達されたトラクション力F1の反力をコントロールピニオン27,27及びキャリヤ28を介してミッションケース6に作用させることで、該ミッションケース6にトラクション力F1の反力を担持させることができ、モータユニット29がパワーローラ14に生じるトラクション力F1に対する反力を担持することを不要とすることができる。これにより、トラクション力F1に対して大きな駆動力を出力するための機構(油圧サーボやその油圧回路等)を不要とすることができ、無段変速機1のコンパクト化を図ることができる。
【0050】
また、パワーローラ14に生じるトラクション力F1に対する反力をミッションケース6に担持させることが可能になるので、走行中に予測困難な状況で変化するトラクション力F1に対する反力もミッションケース6に担持させることができ、トラクション力F1に追従するようにモータユニット29によるリアクション力の出力制御を行うことが不要となって、例えばフィードバック制御等の複雑な制御を行うための制御機構を不要とすることができ、無段変速機1の簡素化やコストダウンも図ることができる。
【0051】
また、回転駆動手段がモータによって構成されているので、該回転駆動手段を例えば油圧サーボによって構成した場合に比して、簡単な構成とすることができ、無段変速機1のコンパクト化を図ることができる。また、特にモータユニット29にステッピングモータ、つまり電気的指令に対して自己位置をコントロール可能なモータを用いた場合、サンギヤ25A,25B及びリングギヤ26A,26Bなどの位置を検出してフィードバックするような装置も不要とすることができ、無段変速機1の簡素化やコストダウンを図ることができる。
【0052】
また、回転傾斜支持部31は、プラネットギヤ33が回転制御されて支持軸32が傾斜された際には、中心支持部35の円柱状の平行面により、両ディスク11,12の回転方向に対して該パワーローラ14を傾斜させることができ、その後、接触部17における回転方向の相違により接触部17の接触半径が変更される方向に該パワーローラ14を傾斜させる際には、中心支持部35の円柱状の円弧面36により、パワーローラ14を傾斜させつつキャスター角γに基づき両ディスク11,12の回転方向の接線方向に戻させることができるので、プラネットギヤ33を回転制御するだけでパワーローラ14の回転中心を移動させることなく、両ディスク11,12に対するパワーローラ14の接触半径を変更し、かつ両ディスク11,12の回転方向の接線方向に戻すことを自律的に行うことができる。これにより、パワーローラ14の両ディスク11,12に対する周方向への移動をなくすことができるので、コントロールピニオン27を回転自在に支持するキャリヤ28をミッションケース6に固定する(移動不能にする)ことを可能にすることができる。
【0053】
なお、本実施の形態に係る無段変速機1においては、リングギヤが回転駆動手段によって回転駆動されるように説明したが、サンギヤ、またはサンギヤ及びリングギヤが回転駆動手段によって回転駆動されるように構成しても本発明を適用することができる。
【0054】
また、本実施の形態に係る無段変速機1においては、回転駆動手段が、ステッピングモータ及びねじ機構によって構成されるモータユニット29であるように説明したが、これに限らず、例えば油圧サーボによって回転駆動手段を構成してもよく、つまり、サンギヤ及びリングギヤの少なくとも一方を回転駆動し得るものであればどのような機構であっても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る無段変速機を示す部分横断面図。
【図2】トロイダル式無段変速装置を示す部分縦断面図。
【図3】パワーローラユニットを示す斜視図。
【図4】トロイダル式無段変速装置の一部を示す模式図で、(a)は力がつりあった状態の図、(b)はパワーローラユニットを回転させた状態の図、(c)はパワーローラが傾斜した状態の図。
【図5】従来のトロイダル式無段変速装置を示す力のつりあった状態の模式図で、(a)は径方向視図、(b)は軸方向視図。
【図6】従来のトロイダル式無段変速装置を示すパワーローラを移動させた状態の模式図で、(a)は径方向視図、(b)は軸方向視図。
【図7】従来のトロイダル式無段変速装置を示すパワーローラが傾斜した状態の模式図で、(a)は径方向視図、(b)は軸方向視図。
【符号の説明】
【0056】
1 無段変速機
2 トロイダル式無段変速装置
6 ケース(ミッションケース)
11 入力ディスク
12 出力ディスク
14 パワーローラ
17 接触部
25A,25B サンギヤ
26A,26B リングギヤ
27 コントロールピニオン
28 キャリヤ
29 回転駆動手段、モータ(モータユニット)
31 回転傾斜支持部
32 支持軸
33 プラネットギヤ
35 中心支持部
36 円弧面
37 ローラ回転支持部
38 円弧面
H 軸(軸線)
I 第1軸(軸線)
J 第2軸(軸線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力ディスク及び出力ディスクからなる両ディスクに挟持されるパワーローラと、
前記両ディスク間の内周側に配設されたサンギヤと、
前記両ディスク間の外周側に配設されたリングギヤと、
前記パワーローラを回転自在にかつ前記両ディスクに対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部、及び前記回転傾斜支持部を支持しかつ一端側が前記サンギヤに噛合すると共に他端側が前記リングギヤに噛合する支持軸、を有するプラネットギヤと、を備えたトロイダル式無段変速装置、がケース内に収納された無段変速機において、
前記トロイダル式無段変速装置は、
前記サンギヤ及び前記リングギヤの少なくとも一方を回転駆動する回転駆動手段と、
前記サンギヤと前記リングギヤとの間に配置され、一端側が前記サンギヤに噛合すると共に他端側が前記リングギヤに噛合するコントロールピニオンと、
前記コントロールピニオンを回転自在に支持するキャリヤと、を備え、
前記トロイダル式無段変速装置は、前記回転駆動手段により前記コントロールピニオンを介して前記サンギヤ及び前記リングギヤをそれぞれ逆方向に回転駆動することで前記プラネットギヤの支持軸の傾斜角度を変更すると、前記回転傾斜支持部を介して前記両ディスクの回転方向に対する前記パワーローラの角度が変更され、該角度変更されたパワーローラの前記両ディスクに対する接触部における回転方向の相違により、該パワーローラがそれら接触部の接触半径が変更される方向に傾斜しつつ前記両ディスクの回転方向の接線方向に戻るように自律的に姿勢を変更することで変速比の変更を行ってなり、
前記キャリヤは、前記ケースに固定されてなる、
ことを特徴とする無段変速機。
【請求項2】
前記回転駆動手段は、モータによって構成されてなる、
ことを特徴とする請求項1記載の無段変速機。
【請求項3】
前記回転傾斜支持部は、
前記支持軸に固定支持されると共に、該支持軸と直交する軸に対してキャスター角が付与された第1軸を中心とした円柱状に形成された中心支持部と、
前記中心支持部の円柱状の円弧面に対して回転自在に支持され、前記第1軸と直交する第2軸を中心とした円柱状に形成されたローラ回転支持部と、を有し、
前記パワーローラは、前記ローラ回転支持部の円柱状の円弧面に対して前記第2軸を中心として回転自在に支持されてなり、
前記回転傾斜支持部は、前記プラネットギヤが回転制御されて前記支持軸が傾斜された際、前記中心支持部の円柱状の平行面により前記ローラ回転支持部及び前記パワーローラを支持することで、前記両ディスクの回転方向に対して該パワーローラを傾斜させ、前記接触部における回転方向の相違により前記接触部の接触半径が変更される方向に該パワーローラを傾斜させる際、前記中心支持部の円柱状の円弧面により、前記第1軸を中心として該パワーローラを傾斜させつつ前記キャスター角に基づき前記両ディスクの回転方向の接線方向に戻させてなる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の無段変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−144743(P2010−144743A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319493(P2008−319493)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【出願人】(301037257)トロトラック・(ディベロップメント)・リミテッド (13)
【Fターム(参考)】