説明

無段変速装置

【課題】無段変速装置において、小型化を図りつつ、正確に変速制御できるようにする。
【解決手段】入力軸20と一体的に回転するキャリヤ30、出力軸40と一体的に回転する太陽ローラ50、太陽ローラに接触した状態でキャリヤ30に回動自在に支持されかつ太陽ローラ50の周りを公転し得る複数の遊星ローラ60、遊星ローラ60に接触する内周面71をもつリングローラ70、キャリヤ30とリングローラ70との相対的な回転速度を連続的に変化させるべく転がり接触するトラクションロータ90を含むロータ式連続可変機構を備え、ロータ式連続可変機構により得られる変速比又はトラクション力を制御する制御機構100,110又は120,130を設けた。これにより、装置の小型化を達成しつつ、入力軸から出力軸に伝達される回転速度を正確に無段変速させることができ、又、確実に回転力を伝達することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクション力を用いたトラクションドライブによって、入力軸の回転速度を連続的に変化させて出力軸に伝達する無段変速装置に関し、特に、自動車、二輪車等に搭載され得るのに好適な無段変速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
比較的小排気量の自動車等に搭載される従来の無段変速装置としては、金属ベルトで一対のプーリを連動させるベルト式CVTが知られている。このCVTは、入力軸に連結された入力プーリ、出力軸に連結された出力プーリ、両プーリ間に巻回された無端状のベルト等を備え、両プーリのV溝の幅寸法を可変制御することでベルトが接触する回転径を変化させて、入力軸から出力軸に伝達される回転速度を連続的に変化させるものである(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
このベルト式CVTにおいては、変速レンジ1を中心として増速及び減速するが、変速比が大きく(又は小さく)なると、一方側のプーリに巻回するベルトの曲率が大きくなり(曲率半径が小さくなり)、ベルトを形成する金属コマの滑りが多くなって駆動力の伝達効率が低下する。したがって、これを避ける範囲で駆動すると、変速レンジを広く設定することができない。また、変速比を無限にできないので、停止状態を設定するにはクラッチ機構が必要になり、入力プーリと出力プーリとは同一方向にのみ回転するので、逆回転を行わせるには逆転ギヤ等が必要になり、プーリの溝幅を変化させるための油圧駆動機構等が必要になる。さらに、一対のプーリは比較的径が大きく、油圧駆動機構等も備えるため、装置全体が大きくなり、又、金属ベルトのコマがプーリに接触及び離脱する際に、高周波の金属音を生じる。
【0004】
また、比較的大排気量の自動車等に搭載される従来の無段変速装置としては、球面状の接触面をもつパワーローラで一対のディスクを連動させるトロイダル式CVTが知られている。このCVTは、入力軸に連結された入力ディスク、出力軸に連結された出力ディスク、両ディスクの間に介在するパワーローラ等を備え、パワーローラの回転軸の傾きを可変制御することでパワーローラが接触する両ディスクの回転径を変化させて、入力軸から出力軸に伝達される回転速度を連続的に変化させるものである(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
【0005】
このトロイダル式CVTにおいては、変速レンジ1を中心として増速及び減速し、この中心付近ではパワーローラのディスクに対するスピンロスが多くなって駆動力の伝達効率が低下する。また、変速比を無限にできないので、停止状態を設定するにはクラッチ機構が必要になり、逆回転を行わせるには逆転ギヤ等が必要になる。さらに、パワーローラをディスクに押圧するために、1.5〜2.2GPaという超高圧の押付荷重を発生する機構及び構造が必要になる。
【0006】
また、ロータを用いた従来の変速装置としては、入力軸、入力軸と一体的に回転する中心ロータ(又は入力ディスク)、中心ロータの外周面に対して転がり接触する複数のロータ、複数のロータと内接する真円状の外側ドラム、外側ドラムと一体的に回転する出力軸等を備え、ロータが転がり接触して生じるトラクション力により、入力軸の回転力を出力軸に伝達するものが知られている(特許文献1参照)。
さらに、ロータを用いた他の変速装置としては、太陽軸、太陽軸に接触しつつその周りを遊星運動する遊星ロータ、複数の遊星ロータを支持するキャリヤ等を備え、遊星ロータが転がり接触して生じるトラクション力により、キャリヤと太陽軸との間で回転を伝達するものが知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、これらの変速装置は、連続的に無段変速できるものではない。
【0007】
【非特許文献1】日経メカニカル(1992年3月2日、P34〜P46)
【非特許文献2】NSK Technical Journal No.671(2001年、P5〜P13)
【特許文献1】特開平11−13848号公報
【特許文献2】特開平11−63132号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の装置の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、装置の簡素化、小型化、低コスト化等を図りつつ、部品の加工精度あるいは組付精度を高く設定しなくても動力の伝達が確実に行われるべくトラクションドライブを得るために必要最小限〜必要に応じた大きな法線荷重を可変的に印加でき、必要とされる変速比に正確かつ円滑に無段変速できる無段変速装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る無段変速装置は、第1回転軸と一体的に回転するように形成されたキャリヤと、第2回転軸と一体的に回転するように形成された太陽回転体と、太陽回転体に係合した状態でキャリヤに回動自在に支持されかつ太陽回転体の周りを公転し得る複数の遊星回転体と、複数の遊星回転体に係合する内周面をもつリング回転体と、キャリヤとリング回転体との相対的な回転速度を連続的に変化させるべく転がり接触するロータを含むロータ式連続可変機構とを備え、上記ロータ式連続可変機構により得られる変速比又はトラクション力を制御する制御機構を設けた、構成となっている。
この構成によれば、太陽回転体、遊星回転体、リング回転体等により差動歯車列に類似した機構が形成されているため、遊星回転体の公転と一体的に回転するキャリヤとリング回転体との相対的な回転速度を連続的に変化させるロータ式連続可変機構を、制御機構により適宜制御して、変速比又はトラクション力を変化させることで、入力軸(第1回転軸又は第2回転軸)から出力軸(第2回転軸又は第1回転軸)に伝達される回転速度を連続的にかつ正確に変化させることができ、又、確実に回転力を伝達することができる。
すなわち、第1回転軸が入力軸で第2回転軸が出力軸の場合は、逆転〜停止(無限減速)〜正転を連続的に可変とする無段変速装置が得られ、一方、第2回転軸が入力軸で第1回転軸が出力軸の場合は、正転〜無限増速〜逆転を連続的に可変とする無段変速機が得られる。このように、クラッチ機構、逆転切替え機構等が不要で、入力軸と出力軸とを同軸上に配置することができるため、構造が簡略化され、安価で小型の無段変速装置を提供することができる。
【0010】
上記構成において、ロータ式連続可変機構は、第1回転軸と一体的に回転すると共にその軸線方向に往復動自在に形成されかつその外周に接触面をもつ可動ディスクと、リング回転体の外周に形成された円錐状の接触面と、第1回転軸又は第2回転軸の軸線に対して傾斜した支軸周りに回動自在に支持されかつリング回転体の接触面と接触する第1円錐面及び可動ディスクの接触面と接触する第2円錐面をもつトラクションロータと、リング回転体及び可動ディスクと協働してトラクションロータを挟み込むように外側から接触するトラクションリングとを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、可動ディスクの接触面がトラクションロータの第2円錐面に接触し、リング回転体の接触面がトラクションロータの第1円錐面に接触し、さらに、トラクションロータを可動ディスクとリング回転体に押し付けるようにトラクションリングが外側から接触する。そして、可動ディスクが第1回転軸の軸線方向に移動することで、接触する第2円錐面上の回転半径が変化し、キャリヤの回転速度(遊星回転体の公転速度)とリング回転体の回転速度とが相対的に変化する。例えば、可動ディスクを所定の位置に移動させて、可動ディスク(キャリヤ)の回転に対してリング回転体を遅れずに同時に回転させることで正回転に設定でき、リング回転体の回転を所定量だけ先行させることで停止状態に設定でき、リング回転体の回転をさらに所定量だけ先行させることで逆回転に設定でき、変速比を比較的広く設定することができる。
【0011】
上記構成において、制御機構は、トラクションロータの支軸の一端を保持すると共にその支軸を第1回転軸及び第2回転軸の軸線方向に対して捩れ方向に移動させるべく回動し得るホルダリングと、ホルダリングを回転駆動する駆動機構とを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動機構によりホルダリングを適宜回転させて、トラクションロータの支軸を捩れ方向に傾斜移動させると、第1円錐面とリングローラとの間又は第2円錐面と可動ディスクとの間にサイドスリップが発生し、可動ディスクが第1回転軸の軸線方向に移動して変速が行われる。このように、変速比を制御する制御機構として、支軸の一端を保持するホルダリング及びこれを回転駆動する駆動機構を採用したことにより、所望の変速比に正確に制御することができる。
【0012】
上記構成において、ホルダリングを回動自在に収容するハウジングを有し、ホルダリングは、トラクションロータの支軸の一端を、リング回転体の回転方向への移動を規制しつつ径方向に移動自在に保持し、ハウジングは、トラクションロータの支軸の他端を、可動ディスクの回転方向への移動を規制しつつ径方向に移動自在に保持している、構成を採用することができる。
この構成によれば、トラクションロータの支軸は、第1回転軸及び第2回転軸回りの回転が規制されつつ径方向に移動自在にその一端がホルダリング及びその他端がハウジングに保持されるため、制御機構により捩れ方向の傾きが変更されない限りトラクションロータを所定位置に確実に維持することができ、トラクションリングにより及ぼされるトラクション力(法線荷重)を最適な状態に設定することができる。
【0013】
上記構成において、ハウジング及びホルダリングは、トラクションロータの支軸をその軸線方向に微調整可能に保持している、構成を採用することができる。
この構成によれば、部品寸法のバラツキ又は組み付け時のバラツキ等あるいは経時変化等に対処するべく、支軸をその軸線方向に微調整することで、最適な位置に容易に位置決めすることができる。
【0014】
上記構成において、制御機構は、トラクションロータを外側から押圧する法線荷重を増減させるべくトラクションリングに形成されて回転によりカム作用を及ぼすカム面と、トラクションリングを回転駆動する駆動機構とを含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、駆動機構によりトラクションリングを適宜回転させることで、そのカム面がトラクションロータにカム作用を及ぼして、トラクションロータを外側から押圧する法線荷重を最適な状態に設定することができる。
【0015】
上記構成において、太陽回転体は、その外周に歯をもつ太陽ギヤであり、遊星回転体は、太陽ギヤと噛合するべくその外周に歯をもつ遊星ギヤであり、リング回転体は、遊星ギヤと噛合するべくその内周面に歯をもつリングギヤである、構成を採用することができる。
この構成によれば、太陽回転体と遊星回転体の係合、遊星回転体とリング回転体との係合を、それぞれギヤにより行うため、スリップロスを生じることなく回転力を確実に伝達することができる。
【0016】
上記構成において、太陽回転体は、その外周に接触面をもつ太陽ローラであり、遊星回転体は、太陽ローラと転がり接触するべくその外周に接触面もつ遊星ローラであり、リング回転体は、遊星ローラと転がり接触するべくその内周面に接触面をもつリングローラである、構成を採用することができる。
この構成によれば、太陽回転体と遊星回転体の係合、遊星回転体とリング回転体との係合を、それぞれ転がり接触する接触面により行うため、作動音や振動を低減ないしは防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
上記の構成をなす無段変速装置によれば、装置の簡素化、小型化、低コスト化等を達成しつつ、部品の加工精度あるいは組付精度を高く設定しなくても、転がり接触による動力の伝達が確実に行われ、必要とされる変速比に正確にかつ円滑に無段変速でき、又、トラクションドライブを得るために必要最小限〜必要に応じた大きな法線荷重を可変的に印加できる無段変速装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1ないし図14は、本発明に係る無段変速装置の一実施形態を示すものであり、図1及び図2は装置の断面図、図3及び図4は装置の模式図、図5ないし図14は装置の部分図である。
【0019】
この無段変速装置は、図1及び図2に示すように、ハウジング10、ハウジング10に対して回動自在に支持された第1回転軸としての入力軸20、入力軸20に対して一体的に回転するように形成されたキャリヤ30、ハウジング10に対して回動自在に支持された第2回転軸としての出力軸40、出力軸40に対して一体的に回転するように結合された太陽回転体としての太陽ローラ50、太陽ローラ50に接触した状態でキャリヤ30に対して回動自在に支持された複数の遊星回転体としての3つの遊星ローラ60、3つの遊星ローラ60に接触するリング回転体としてのリングローラ70、入力軸20と一体的に回転すると共に入力軸20の軸線方向に移動可能に支持された可動ディスク80、リングローラ70及び可動ディスク80の外周に配列された3つのトラクションロータ90、トラクションロータ90の一端を保持するホルダリング100及びその駆動機構110、トラクションロータ90の外側に配置されたトラクションリング120及びその駆動機構130等を備えている。
【0020】
そして、可動ディスク80、リングローラ70の後述する外周接触面72、トラクションロータ90、トラクションリング120等により、キャリヤ30とリングローラ70との相対的な回転速度を連続的に変化させるロータ式連続可変機構が構成されている。
また、ホルダリング100及びその駆動機構110により、ロータ式連続変速機構により得られる変速比を所望の値に制御する制御機構が構成されている。
さらに、トラクションリング120(の後述するカム面121)及びその駆動機構130により、ロータ式連続変速機構により得られるトラクション力を所望の値に制御する制御機構が構成されている。
【0021】
ハウジング10は、アルミニウム材料等を用いて型成形されたものであり、図1及び図2に示すように、入力軸20を支持するための軸受11a及びシール11b等が取り付けられたハウジング半体11、出力軸40を支持するための軸受12a及びシール12b等が取り付けられたハウジング半体12等により構成されている。
そして、ハウジング10は、ハウジング半体11とハウジング半体12とをボルト等により締結することにより画定され、入力軸20と出力軸40とを同一の軸線L上に回動自在に支持している。
【0022】
また、ハウジング半体11には、図5及び図6に示すように、3つのトラクションロータ90の後述する支軸91の他端91bをそれぞれ保持する3つの保持穴11c、各々の保持穴11cにおいて貫通して形成された3つのネジ孔11d等を備えている。
3つの保持穴11cは、図6に示すように、周方向において等間隔(120度間隔)で配置され、それぞれ径方向に長い長穴として形成されている。これにより、保持穴11cは、トラクションロータ90の支軸91の他端91bを、周方向(すなわち、後述する可動ディスク80の回転方向)への移動を規制しつつ径方向に移動自在に保持するようになっている。
ハウジング半体12には、図1及び図2に示すように、駆動機構110の後述する駆動シャフト111を回動自在に支持する支持孔12c、駆動機構130の後述する駆動シャフト131を回動自在に支持する支持孔12d等を備えている。
【0023】
入力軸20は、図1及び図2に示すように、その端部においてそれぞれ径方向に突出すると共に略120度の間隔で配置された3つの腕部31(図中では2つのみ図示)を有し、この腕部31に対して、軸線Lと所定角度をなすピン32が結合されている。すなわち、腕部31及びピン32によりキャリヤ30が構成されている。
キャリヤ30(ピン32)は、遊星ローラ60を回動自在に支持すると共に、太陽ローラ50と転がり接触するように保持している。すなわち、入力軸20が回転すると、キャリヤ30が一体的に回転し、遊星ローラ60を太陽ローラ50の周りに公転(遊星運動)させるようになっている。
【0024】
太陽ローラ50は、出力軸40と一体的に回転するように形成されると共に、その外周において、軸線Lと所定角度をなす円錐面状の接触面51を備えるテーパローラとして形成されて、後述する遊星ローラ60の接触面61と転がり接触するようになっている。
3つの遊星ローラ60は、図1、図2及び図4に示すように、120度の間隔でキャリヤ30に回動自在に支持されており、その外周において、太陽ローラ50の接触面51と転がり接触すると共に後述するリングローラ70の内周接触面71と転がり接触する円錐面状の接触面61を備えるテーパローラとして形成されている。
【0025】
リングローラ70は、図1、図2及び図4に示すように、小径部及び大径部をもつ略円錐筒状に形成されて、小径部が入力軸20に対し回動自在に支持されている。そして、リングローラ70は、大径部の内側において、3つの遊星ローラ60に接触する円錐面状の(軸線Lと所定角度をなす)内周接触面71を有し、小径部の外側において、トラクションロータ90の後述する第1円錐面92と接触する円錐面状の(軸線Lと所定角度をなす)外周接触面72を有する。すなわち、外周接触面72とトラクションロータ90(の第1円錐面92)とが接触し、内周接触面71と遊星ローラ60とが接触し、外周接触面72は内周接触面71よりも小径に形成されている。
このように、リングローラ70を入力軸20に対して回動自在に支持すると共に、外周接触面72を内周接触面71よりも小径に形成することにより、リングローラ70及びトラクションロータ90を入力軸20に近づけて配置することができるため、入力軸20周りに部品を集約させることができ、装置を小型化することができる。
【0026】
可動ディスク80は、図1及び図2に示すように、その外周において、トラクションロータ90の後述する第2円錐面93と転がり接触すると共にその軸線が軸線Lと同軸にて伸長する円筒状の接触面81、軸線方向Lに伸長する複数のガイド溝82等を備えている。そして、可動ディスク80は、ガイド溝82及び入力軸20に形成されたガイド溝21に挿入されたボール83により、入力軸20と一体的に回転すると同時に、入力軸20に対して、その軸線方向Lに摺動(往復動)自在に支持されている。
したがって、可動ディスク80が、図1に示す状態から図2に示す状態の範囲で軸線方向Lに移動すると、その接触面81がトラクションロータ90と接触する第2円錐面93の回転半径が変化して、連続的な変速動作が行われるようになっている。
【0027】
3つのトラクションロータ90は、図1及び図2(説明の便宜上1つのみを図示)、図7に示すように、それぞれ支軸91に対して回動自在に支持され、リングローラ70の円錐面状の外周接触面72と転がり接触する第1円錐面92、可動ディスク80の円筒状の接触面81と転がり接触する第2円錐面93、第1円錐面92及び第2円錐面93と相対的に回転するように形成されると共にトラクションリング120の後述するカム面121と転がり接触する円筒状のベアリング94等を備えている。
【0028】
また、各々のトラクションロータ90は、図1、図2及び図7に示すように、その軸線Sが入力軸20の軸線Lと同一点Pで交わるように所定角度θsだけ傾斜した支軸91に回動自在に支持されると共に、一端91aがベアリング95及び他端91bがベアリング96により回動自在に支持され、ベアリング95が後述するホルダリング100の保持穴102に嵌め込まれて保持され、ベアリング96がハウジング半体11の保持穴11cに嵌め込まれて保持されている。
【0029】
さらに、トラクションロータ90は、図1及び図2に示すように、その一端91aがベアリング95を介してバネ97により軸線方向Sに付勢され、その他端91bがベアリング96を介してハウジング10(ハウジング半体11)のネジ孔11dに螺合された調整ネジ98により押し付けられて、トラクションロータ90(の支軸91)を軸線方向Sの所定位置に位置付けるべく微調整されるようになっている。
これにより、部品寸法のバラツキ又は組み付け時のバラツキ等あるいは経時変化等が生じた場合に、支軸91をその軸線方向Sに微調整することで、最適な位置に容易に位置決めすることができる。
【0030】
また、各々のトラクションロータ90は、図7に示すように、第1円錐面92は軸線Sと入力軸20の軸線Lとが交わる点Pにその頂点をもつように形成され、第2円錐面93は可動ディスク80の接触面81が接触する位置でのその母線Mが入力軸20の軸線Lと平行になるように形成されている。尚、第2円錐面93のプロフィール、すなわち、軸線Sに対する母線Mの傾斜角度は、変速比を如何に設定するかによって、母線Mを軸線Lと平行に保ちつつ軸線Sの傾斜角度を選定することによって決定される。
【0031】
このように、第1円錐面92を採用することで、トラクションロータ90とリングローラ70との間の接触領域では、スピンロスが防止され、転がり接触によるトラクション力の伝達効率、すなわち、トラクションドライブの効率が向上する。また、第2円錐面93を採用することで、トラクションロータ90と可動ディスク80との間では、可動ディスク80の軸線方向Lへの移動を許容しつつ転がり接触するようになっている。
【0032】
ホルダリング100は、図1、図2、図8(a),(b)に示すように、リングローラ70を非接触にて通す円孔101、トラクションロータ90の一端91aを支持するベアリング95及びバネ97を収容して保持する3つの保持穴102、後述する駆動シャフト131を非接触にて通す貫通孔103、駆動機構110の一部をなす後述する駆動シャフト111の歯車111aが噛合する円弧状の歯列104等を備えている。そして、ホルダリング100は、ハウジング10(ハウジング半体11)の内周面11eにより回動自在に支持されている。
【0033】
3つの保持穴102は、図8(a)に示すように、周方向において等間隔(120度間隔)で配置され、それぞれ径方向に長く内側が切り欠かれた穴として形成されている。これにより、保持穴102は、トラクションロータ90の支軸91の一端91aを、周方向(すなわち、後述するリングローラ70の回転方向)への移動を規制しつつ径方向に移動自在に保持するようになっている。
【0034】
駆動機構110は、図1、図2、図9(a),(b)に示すように、ハウジング10(ハウジング半体12)の支持孔12cに回動自在に支持された駆動シャフト111、ウォームギヤ112、ウォームギヤ112を直結したモータ113等により形成されている。
駆動シャフト111は、その一端側に形成されてホルダリング100の歯列104に噛合する歯車111a、その他端側に形成されてウォームギヤ112に噛合するウォームホイール111bを備えている。尚、モータ113としては、DCモータ、ステッピングモータ、その他のモータを採用できる。
【0035】
したがって、モータ113が回転することにより、ウォームギヤ112が駆動シャフト111を回転させ、駆動シャフト111がホルダリング100を軸線L回りに回転させるようになっている。そして、ホルダリング100が所定角度回転することにより、トラクションロータ90の支軸91(軸線S)の軸線Lに対する周方向の捩れ角度を(0度〜約1度の範囲で)調整できるようになっている。
【0036】
すなわち、駆動機構110によりホルダリング100を適宜回動させて、トラクションロータ90の支軸91を軸線Lに対して捩れ方向に移動させる(傾ける)ことにより可動ディスク80を軸線方向Lに移動させ、所望の変速比となる位置に達した時点で支軸91が軸線Lと平行になる元の位置に戻すことにより、その変速比に維持することができるようになっている。
【0037】
具体的に説明すると、3つのトラクションロータ90が転がり接触により確実に動力を伝達するには、可動ディスク80とリングローラ70との回転差による接触面(第1円錐面92と外周接触面72、第2円錐面93と接触面81)での外周方向における回転距離の比とトラクションロータ90の第1円錐面92の回転半径と第2円錐面93の回転半径の比とが一致することを要求される。
すなわち、図10に示すように、可動ディスク80の回転半径をR81、リングローラ70の回転半径をR72、トラクションロータ90の第1円錐面92の回転半径をR92及び第2円錐面93の回転半径をR93、可動ディスク80の回転速度をN80、リングローラ70の回転速度をN70とするとき、可動ディスク80とリングローラ70との外周方向の回転距離の比ε1=R81・N80/R72・N70が、トラクションロータ90の回転半径の比ε2=R93/R92と一致するとき(ε1=ε2のとき)、完全な転がり接触が得られ、一致しないとき(ε1≠ε2のとき)、滑り接触(サイドスリップ)あるいは回転抵抗を生じる。
【0038】
したがって、回転距離の比ε1と回転半径の比ε2とが一致(ε1=ε2)するとき、図11に示すように、トラクションロータ90を支持する支軸91の軸線Sは、入力軸20及び出力軸30の軸線Lと回転方向(周方向)において(捩れることなく)一致している。これにより、トラクションロータ90の第1円錐面92及び第2円錐面93は、リングローラ70の外周接触面72及び可動ディスク80の接触面81に対して滑ることなく転がり接触して回転力を伝達し、出力軸30は所定の回転速度(所定の変速比)で回転する。
【0039】
ここで、駆動機構110によりホルダリング100を回転させて、図12に示すように、トラクションロータ90の支軸91(軸線S)を軸線Lに対して角度Δθだけ捩れさせた場合、回転距離の比ε1と回転半径の比ε2とが一致しない(ε1≠ε2)状態となり、トラクションロータ90を矢印方向に移動させる力Fsが生じる。したがって、トラクションロータ90が移動しないように規制されていれば、第2円錐面93に対して可動ディスク80が逆向きに移動して変速が行われることになる。
そして、所望の変速比になった時点で、図11に示すように支軸91(軸線S)が軸線Lと平行になるようにホルダリング100を逆回転させて元の位置に戻すと、回転距離の比ε1と回転半径の比ε2とが一致(ε1=ε2)し、可動ディスク80はその位置に維持されて回転することになる。
【0040】
一方、図12に示す向きとは逆向きにホルダリング100を回転させて、トラクションロータ90の支軸91(軸線S)を軸線Lに対して捩れさせた場合、図12に示す場合とは逆向きに可動ディスク80が移動して変速が行われ、所望の変速比になった時点で、支軸91(軸線S)が軸線Lと平行になるようにホルダリング100を元の位置に戻すと、可動ディスク80はその位置に維持されて回転することになる。
このように、駆動機構110及びホルダリング100からなる制御機構により、連続的に変速することができ、所望の変速比に正確に制御することができる。
【0041】
トラクションリング120は、図1、図2、図13に示すように、軸線L方向において所定の厚さを有しかつ輪郭が円板状をなすように形成され、又、その内側において周方向に略等間隔をおいて形成されかつトラクションロータ90のベアリング94がそれぞれ内接して転がり接触する3つのカム面121、後述する駆動シャフト131の歯車131aが噛合する円弧状の歯列122等を備えている。そして、トラクションリング120は、ハウジング10(ハウジング半体11)の内周面11eに回動自在に支持されている。
3つのカム面121は、所定の領域ではベアリング94を中心寄りに押し付ける荷重を小さくし、他の所定の領域ではベアリング94を中心寄りに押し付ける荷重を大きくする(法線荷重を増加させる)ように作用する。したがって、トラクションリング120を適宜回転させることにより、所望の法線荷重を発生させることができる。
【0042】
駆動機構130は、図14に示すように、ハウジング10(ハウジング半体12)の支持孔12dに回動自在に支持された駆動シャフト131、ウォームギヤ132、ウォームギヤ132を直結したモータ133等により形成されている。
駆動シャフト131は、その一端側に形成されてトラクションリング120の歯列122に噛合する歯車131a、その他端側に形成されてウォームギヤ132に噛合するウォームホイール131bを備えている。尚、モータ133としては、DCモータ、ステッピングモータ、その他のモータを採用できる。
【0043】
したがって、モータ133が回転することにより、ウォームギヤ132が駆動シャフト131を回転させ、駆動シャフト131がトラクションリング120を軸線L回りに回転させるようになっている。そして、トラクションリング120が所定角度回転することにより、ベアリング94を介してトラクションロータ90をリングローラ70及び可動ディスク80に押し付ける法線荷重を調整して、トラクション力を最適な状態で制御できるようになっている。
【0044】
すなわち、トラクションリング120(のカム面121)、駆動機構130等により、トラクションロータ90を外側から押圧する法線荷重を増減させる制御機構が構成され、駆動機構130によりトラクションリング120を適宜回転させることで、ロータ式連続可変機構により得られるトラクション力を最適な状態に制御できるようになっている。
【0045】
また、トラクションリング120は、図1及び図2に示すように、入力軸20及び出力軸40の軸線L方向において、リングローラ70と可動ディスク80との間、すなわち、第1円錐面92と第2円錐面93との間に位置するように配置されている。したがって、トラクションリング120の押圧力が、トラクションロータ90の第1円錐面92と第2円錐面93を、リングローラ70の外周接触面72と可動ディスク80の接触面81とに、それぞれバランス良く押し付けるように作用するため、トラクション力が確実に得られて、より安定した変速動作が行われる。
【0046】
次に、上記無段変速装置の動作について説明する。尚、ここでは、入力軸20の所定方向の回転に対して、車両等の前進方向に出力軸40が回転する場合を正回転、後退方向に回転する場合を逆回転として説明する。
先ず、入力軸20が所定の速度で回転すると、可動ディスク80及びキャリヤ30も一体となって同一方向に回転する。そして、キャリヤ30の回転に伴って、3つの遊星ローラ60も回転(自転)しつつ入力軸20と同一方向に同一速度で公転する。
【0047】
ここで、遊星ローラ60から太陽ローラ50への回転トルクの伝達は、リングローラ70がどのような状態にあるかに応じて変化する。すなわち、リングローラ70が、停止、可動ディスク80(及び入力軸20)と同一速度で回転、可動ディスク80に先行して回転(より速い速度で回転)、可動ディスク80に遅れて回転(より遅い速度で回転)等のいずれの状態にあるかによって、遊星ローラ60から太陽ローラ50及び出力軸40に伝達される回転速度は変化する。
【0048】
そこで、制御機構(ホルダリング100、駆動機構110)を適宜駆動させることにより、トラクションロータ90の第2円錐面93に接触する可動ディスク80の軸線方向Lにおける位置を適宜変化させて、キャリヤ30(及び可動ディスク80)とリングローラ70との間に相対的な回転速度の変化(回転差)を生じさせ、入力軸20から出力軸40に伝達される回転速度を連続的に変化させる(増減速を伴う正回転、停止、逆回転等を連続的に生じさせる)ことができる。また、制御機構(トラクションリング120のカム面121、駆動機構130)を適宜駆動させることにより、最適なトラクション力を得ることができる。
【0049】
上記構成の無段変速装置によれば、トラクションドライブに基づくロータ式の連続可変機構を採用したことにより、従来のCVTで必要とされたクラッチ機構、逆転切替えギヤ等が不要になり、又、入力軸20と出力軸40とを同軸に配置できるため、小型かつ安価で、スピンロスが少なく、特に、作動音等の騒音の発生を極力防止できる。
【0050】
上記実施形態においては、ロータ式連続可変機構として、可動ディスク80、リングローラ70、トラクションロータ90、トラクションリング120等を含む構成を採用したが、これに限定されるものではなく、トラクションドライブ方式に基づく可変機構であればその他の機構を採用することができる。
【0051】
上記実施形態においては、トラクションロータ90の個数として3個、遊星ローラ60の個数として3個を採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、その他の個数を採用してもよい。
上記実施形態においては、第1回転軸を入力軸20としかつ第2回転軸を出力軸40とした場合を示したが、これに限定されるものではなく、第1回転軸を出力軸かつ第2回転軸を入力軸とした構成において、本発明を採用してもよい。
【0052】
上記実施形態においては、太陽回転体として転がり接触する接触面51をもつ太陽ローラ50、遊星回転体として太陽ローラ50と転がり接触する接触面61もつ遊星ローラ60、リング回転体として遊星ローラ60と転がり接触する内周接触面71をもつリングローラ70を採用し、作動音や振動を低減ないしは防止する構成を示したが、これに限定されるものではなく、太陽回転体として太陽ギヤ、遊星回転体として太陽ギヤと噛合する遊星ギヤ、リング回転体として遊星ギヤと噛合するリングギヤを採用し、スリップすることなく確実に回転力を伝達させるようにしもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上述べたように、本発明の無段変速装置は、構造が簡単で、小型かつ安価にでき、しかも所望の変速が連続的に確実に行われるため、小排気量の二輪車、自動車、大排気量の自動車等の無段変速装置として適用できるのは勿論のこと、レジャービール等のその他の車両、あるいは、無段変速装置を必要とする駆動機構等においても好ましく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る無段変速装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す無段変速装置において、可動ディスクが移動した状態を示す断面図である。
【図3】図1に示す無段変速装置の模式図である。
【図4】図1に示す無段変速装置の一部を示す模式図である。
【図5】図1に示す無段変速装置の一部をはすハウジングの断面図である。
【図6】図5中のE1−E1における断面図である。
【図7】図1に示す無段変速装置の一部をなすトラクションロータを示す模式図である。
【図8】図1に示す無段変速装置の一部をなすホルダリングを示すものであり、(a)はその正面図、(b)は(a)中のE2−E2における断面図である。
【図9】ホルダリングを駆動する駆動機構を示すものであり、(a)はその断面図、(b)は(a)中のE3−E3における断面図である。
【図10】図1に示す無段変速装置の一部をなすトラクションロータを示す模式図である。
【図11】トラクションロータの動作を説明する模式図である。
【図12】トラクションロータの動作を説明する模式図である。
【図13】図1に示す無段変速装置の一部をなすトラクションリングを示す正面図である。
【図14】トラクションリングを駆動する駆動機構を示すものであり、(a)はその断面図、(b)は(a)中のE4−E4における断面図である。
【符号の説明】
【0055】
L 軸線
S トラクションロータの軸線
10 ハウジング
11c 保持穴
11d ネジ孔
20 入力軸(第1回転軸)
30 キャリヤ
40 出力軸(第2回転軸)
50 太陽ローラ(太陽回転体)
51 接触面
60 遊星ローラ(遊星回転体)
61 接触面
70 リングローラ(リング回転体)
71 内周接触面
72 外周接触面(ロータ式連続可変機構)
80 可動ディスク(ロータ式連続可変機構)
81 接触面
90 トラクションロータ(ロータ式連続可変機構)
91 支軸
91a 一端
91b 他端
92 第1円錐面
93 第2円錐面
94 ベアリング
95,96 ベアリング
97 バネ
98 調整ネジ
100 ホルダリング(制御機構)
102 保持穴
104 歯列
110 駆動機構(制御機構)
111 駆動シャフト
112 ウォームギヤ
113 モータ
120 トラクションリング(ロータ式連続可変機構)
121 カム面(制御機構)
122 歯列
130 駆動機構(制御機構)
131 駆動シャフト
132 ウォームギヤ
133 モータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回転軸と一体的に回転するように形成されたキャリヤと、
第2回転軸と一体的に回転するように形成された太陽回転体と、
前記太陽回転体に係合した状態で前記キャリヤに回動自在に支持されかつ前記太陽回転体の周りを公転し得る複数の遊星回転体と、
前記複数の遊星回転体に係合する内周面をもつリング回転体と、
前記キャリヤと前記リング回転体との相対的な回転速度を連続的に変化させるべく転がり接触するロータを含むロータ式連続可変機構と、を備え、
前記ロータ式連続可変機構により得られる変速比又はトラクション力を制御する制御機構を設けた、
ことを特徴とする無段変速装置。
【請求項2】
前記ロータ式連続可変機構は、
前記第1回転軸と一体的に回転すると共にその軸線方向に往復動自在に形成され,かつ,その外周に接触面をもつ可動ディスクと、
前記リング回転体の外周に形成された円錐状の接触面と、
前記第1回転軸又は第2回転軸の軸線に対して傾斜した支軸周りに回動自在に支持され,かつ,前記リング回転体の接触面と接触する第1円錐面及び前記可動ディスクの接触面と接触する第2円錐面をもつトラクションロータと、
前記リング回転体及び可動ディスクと協働して前記トラクションロータを挟み込むように,外側から接触するトラクションリングと、を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の無段変速装置。
【請求項3】
前記制御機構は、前記トラクションロータの支軸の一端を保持すると共に前記支軸を前記第1回転軸及び第2回転軸の軸線方向に対して捩れ方向に移動させるべく回動し得るホルダリングと、前記ホルダリングを回転駆動する駆動機構と、
を含む、ことを特徴とする請求項2記載の無段変速装置。
【請求項4】
前記ホルダリングを回動自在に収容するハウジングを有し、
前記ホルダリングは、前記支軸の一端を、前記リング回転体の回転方向への移動を規制しつつ径方向に移動自在に保持し、
前記ハウジングは、前記支軸の他端を、前記可動ディスクの回転方向への移動を規制しつつ径方向に移動自在に保持している、
ことを特徴とする請求項3記載の無段変速装置。
【請求項5】
前記ハウジング及びホルダリングは、前記トラクションロータの支軸をその軸線方向に調整可能に保持している、
ことを特徴とする請求項4記載の無段変速装置。
【請求項6】
前記制御機構は、前記トラクションロータを外側から押圧する法線荷重を増減させるべく前記トラクションリングに形成されて回転によりカム作用を及ぼすカム面と、前記トラクションリングを回転駆動する駆動機構と、を含む、
ことを特徴とする請求項2ないし5いずれかに記載の無段変速装置。
【請求項7】
前記太陽回転体は、その外周に歯をもつ太陽ギヤであり、
前記遊星回転体は、前記太陽ギヤと噛合するべくその外周に歯をもつ遊星ギヤであり、
前記リング回転体は、前記遊星ギヤと噛合するべくその内周面に歯をもつリングギヤである、
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の無段変速装置。
【請求項8】
前記太陽回転体は、その外周に接触面をもつ太陽ローラであり、
前記遊星回転体は、前記太陽ローラと転がり接触するべくその外周に接触面もつ遊星ローラであり、
前記リング回転体は、前記遊星ローラと転がり接触するべくその内周面に接触面をもつリングローラである、
ことを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の無段変速装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−113749(P2007−113749A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307945(P2005−307945)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000177612)株式会社ミクニ (332)
【Fターム(参考)】