説明

無線システム、操作卓、無線局、無線システム制御方法及び無線システム制御プログラム

【課題】複数の無線局間の無線回線の回線品質を任意の時刻に任意の区間かつ任意の方向で把握することができる無線システムを提供する。
【解決手段】操作卓において、回線品質測定試験の期間を指定するとともに、複数の無線局のうち回線品質測定試験の対象となる少なくとも1台の送信側無線局及び少なくとも1台の受信側無線局を指定する情報である指定情報200を生成し、各無線局が、指定情報200によって当該無線局が送信側無線局として指定されている場合には指定情報によって指定されている期間、所定の回線品質測定用信号を送信し、指定情報によって当該無線局が受信側無線局として指定されている場合には期間、回線品質測定用信号を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線システム、操作卓、無線局、無線システム制御方法及び無線システム制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル防災行政無線などの無線システムでは、例えば、屋外スピーカを備えた複数の屋外子局(屋外拡声子局などとも呼ばれる)を用いて、所望の情報が複数の住民に対して一斉に通報される。そこでは、市町村役場などに設けられている操作卓に対して所定の操作や音声入力を行うことで、操作卓に接続されている基地局(親局とも呼ばれる)やその中継局(あるいは再送信子局)から、無線回線を介して複数の屋外子局に対して音声情報などを表す所定の情報が同報送信される。
【0003】
特許文献1には、上記のような無線システムにおける無線回線の品質監視技術の一例が記載されている。特許文献1に記載されている無線システムでは、屋外子局にBER(Bit Error Rate;ビット誤り率)測定部が設けられている。また、音声放送が行われた直後に基地局から屋外子局に対してPN9信号が送信される(ここで、PN9は、Pseudo Random Noise 9の略語であり、9段のビットシフト回路で発生した擬似ランダム雑音系列を表す)。屋外子局では受信したPN9信号を用いてBERが測定される。その後、基地局からの要求に応じて屋外子局から基地局に対してBERの測定結果が送信される。このBERの測定結果の送信の際には、アンサーバック機能と呼ばれる基地局と屋外子局間の双方向通信機能が利用される。この特許文献1に記載されている無線システムによれば、無線回線の回線品質が劣化し、拡声放送の音質が低下している状況などを、操作卓において把握することが可能となる。
【0004】
また、本発明に関連する他の背景技術が、特許文献2及び特許文献3に記載されている。
【0005】
特許文献2に記載されている統計情報収集方法では、回線状態の測定に要する上位の制御装置の負荷を低減するため、受信エラーやデータ再送等の回線状態を表す統計情報が、配下の信号処理回路において監視される。その際、統計情報の種類としきい値とを指定する情報が、制御装置から信号処理回路に対して送信される。そして、しきい値を超過した場合にのみ、信号処理回路から制御装置に対して通知が行われる。
【0006】
一方、特許文献3に記載されている加入者回線自動試験システムでは、デジタル加入者装置と網端末装置とに回線試験手段を設けることで、デジタル加入者装置と網端末装置との間の回線試験が、中央制御装置側において保守者が指示した時刻に開始されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−56697号公報
【特許文献2】特開平3−11443号公報
【特許文献3】特開昭62−237851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されている無線システムでは、PN9信号が常に基地局から送信されるようになっているので、基地局から屋外子局へ向けた方向である下り回線の回線品質を把握することは可能である。しかしながら、屋外子局から基地局に向けた上り回線の回線品質を把握することはできない。また、任意の時刻あるいは時間で回線品質を把握することができるような構成は設けられていない。さらに、基地局や中継局と複数の屋外子局との間の複数の無線回線のなかから任意の回線を選択するための構成も設けられていない。
【0009】
また、一般的には、操作卓あるいは基地局側から遠隔かつ自動で測定することができない無線装置間の回線状態の測定は、各装置が設置されている現場に測定者が赴き、直接PC(パーソナルコンピュータ)を装置に接続して、装置を制御及び測定する方法などが用いられてきた。また、遠隔で回線状態(BERなど)を測定することができない場合には、日々変化する回線状態を容易にモニタすることができず、例えば回線が途切れるまで回線状態(BER)の悪化を検知することができなかった。
【0010】
なお、本願においては、各無線回線を、無線信号の送受信を行う2台の装置で決定される無線区間(以下、単に「区間」と称する場合もある)と、上り回線又は下り回線を示す通信方向(以下、単に「方向」と称する場合もある)とを用いて特定することとする。なお、上り回線と下り回線については、基地局から屋外子局へ向かう方向が「下り」、屋外子局から基地局へ向かう方向が「上り」である。
【0011】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、基地局や中継局と、1又は複数の子局などとからなる複数の無線局間の無線回線の回線品質を取得する際の条件を指示することができる無線システム、操作卓、無線局、無線システム制御方法及び無線システム制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明の無線システムは、双方向通信機能を有する複数の無線局と、前記複数の無線局のうち少なくとも1台の無線局の送受信信号を制御する操作卓とを備える無線システムであって、前記操作卓が、該操作卓が制御する前記無線局から他の前記無線局に対して送信される情報であって、回線品質測定試験の期間を指定するとともに、前記複数の無線局のうち前記回線品質測定試験の対象となる少なくとも1台の送信側無線局及び少なくとも1台の受信側無線局を指定する情報である指定情報を生成する指定情報生成部を有し、前記無線局が、前記指定情報によって当該無線局が送信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、所定の回線品質測定用信号を送信し、前記指定情報によって当該無線局が受信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、前記回線品質測定用信号を受信する無線通信部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、操作卓において、指定情報生成部を用いて、回線品質測定試験の期間を指定するとともに、複数の無線局のうち回線品質測定試験の対象となる少なくとも1台の送信側無線局及び少なくとも1台の受信側無線局を指定する情報である指定情報を生成することができる。また、無線局が有する無線通信部において、一方、指定情報によって当該無線局が送信側無線局として指定されている場合には指定情報によって指定された期間に所定の回線品質測定用信号が送信され、他方、受信側無線局として指定されている場合には指定情報によって指定された期間に送信側無線局から送信された回線品質測定用信号が受信される。したがって、基地局や中継局と1又は複数の子局などとからなる複数の無線局間の無線回線の回線品質を、任意の時刻に、任意の区間かつ任意の方向で、操作卓において容易に把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の無線システムの一実施形態の構成例を示す図である。
【図2】図1の操作卓1の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の指定情報生成部152で生成される指定情報の構成例を示す図である。
【図4】図1の基地局2の構成例を示すブロック図である。
【図5】図1の中継局3の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1の屋外子局4−1〜4−4の構成例を示すブロック図である。
【図7】図1の無線システム100の動作例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1に本発明の無線システムを防災同報無線システムとして構成した場合の構成例を示す。図1の無線システム100は、システムの操作を司る操作卓1と、基地局と呼ばれる無線送受信装置2(以下、基地局2と称する)と、中継局(又は再送信子局)と呼ばれる無線中継装置3(以下、中継局3と称する)と、屋外子局と呼ばれる拡声装置付きの無線送受信装置4−1〜4−4(以下、屋外子局4−1〜4−4と称する)にて構成されている。図1に示す例では、操作卓1と基地局2とが有線の制御回線によって接続されている。また、基地局2と、屋外子局4−1、屋外子局4−2及び中継局3とは、直接、無線通信可能な位置関係で配置されている。一方、基地局2と、屋外子局4−3及び屋外子局4−4とは、中継局3を介して、無線通信可能な位置関係で配置されている。
【0016】
図1に示す無線システム100において、操作卓1は、1又は複数のCPU(中央処理装置)、メモリ、周辺回路、周辺装置、筐体などから構成されていて、CPUによって所定のプログラムを実行しながら、操作者の指示などに応じて基地局2における無線信号の送受信などを制御する。また、基地局2、中継局3及び屋外子局4−1〜4−4は、1又は複数のCPU、メモリ、周辺回路、周辺装置、筐体などから構成されていて、CPUによって所定のプログラムを実行しながら、所定の無線信号を送受信したり、受信信号を音声信号に変換して拡声出力したりする。
【0017】
なお、基地局2、中継局3及び屋外子局4−1〜4−4の配置や台数については適宜変更することが可能である。
【0018】
図2は、図1に示した操作卓1の構成例を示す図である。ただし、図2では、操作卓1の本発明で用いられる機能に関連する構成のみを図示している。図2の操作卓1には、入力部11、出力部12、時計部13、有線通信部14、制御部15及び記憶部16が設けられている。入力部1は、キーボードやマウス、音声入力用の入力端子やマイクなどから構成さされている。出力部2は、モニタやスピーカなどから構成されている。時計部13は、日時を示すデジタル値を出力する。この時計部13の出力に基づいて各部における時刻や時間を基準とする処理が実行される。有線通信部14は、図1の基地局2と所定の制御回線を接続するために用いられる。制御部15は、時刻同期部151、指定情報生成部152、回線品質監視部153を含んでいる。
【0019】
記憶部16は、送受信機器情報記憶部161、回線品質判定テーブル162、回線品質測定結果記憶部163を含んでいる。
【0020】
送受信機器情報記憶部161は、基地局2、中継局3、屋外子局4−1〜4−2などの無線システム100内のすべての無線局の識別情報(この実施形態では機器ID(識別符号)と称する)と、各無線局間の無線回線の接続状態などを記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。
【0021】
回線品質判定テーブル162は、回線品質を判定するための回線品質判定情報を記憶するものであって、具体的には各無線局間の無線回線の回線品質について、回線品質測定試験の試験結果(すなわち測定結果)が良好であると判定する基準値(すなわちしきい値)を、無線回線毎すなわち上述した無線区間と通信方向毎に記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。ただし、基準値は無線回線毎に異ならせてもよいし、一部または全部を同一の値としてもよい。また、過去の実績などに応じて変更できるようにしてもよい。
【0022】
回線品質測定結果記憶部163は、各無線回線に対する回線品質測定結果の履歴を、回線毎、日時毎に蓄積、記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。
【0023】
一方、制御部15内の時刻同期部151は、時計部13が示す時刻と、後述する基地局2などが有する時計部の時刻とを同期させるための構成である。時刻同期部151は、例えば、有線通信部14を介して基地局2との間で所定の同期信号を送受信することで基地局2内の時計部の時刻を調整する。ただし、時刻同期部151の構成はこれに限らず、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて取得した時刻情報に対して時計部13の時刻を調整するような構成であってもよい。
【0024】
指定情報生成部152は、回線品質測定試験の開始時刻と測定時間(又は終了時刻でもよい)と、対象とする無線区間を指定する指定情報を、操作者の指示に応じて生成する。ここで、回線品質測定試験の開始時刻と測定時間又は終了時刻を指定するということは、開始時刻から終了時刻までの間すなわち期間を指定することを意味する。指定情報の一例を図3に示した。図3に示した指定情報200は、第1の対象区間に関する指定情報201、第2の対象区間に関する指定情報202などから構成されている。第1の対象区間に関する指定情報201と、第2の対象区間に関する指定情報202とは、例えば、同一時刻あるいは比較的時間差の小さい異なる時刻に実施される回線品質測定試験についての指定情報とすることができる。
【0025】
この例では、第1の対象区間に関する指定情報201が、回線品質測定試験用の試験信号を送信する側の無線局を指定する送信対象機器ID、当該送信対象機器IDを有する無線局から送信された回線品質測定試験用の試験信号を受信する側の1又は複数の無線局を指定する1又は複数の受信対象機器ID、測定開始時刻、測定時間、及び第1の対象区間の回線品質判定テーブルの各情報から構成されている。送信対象機器ID及び受信対象機器IDは、送受信機器情報記憶部161に記憶されている機器IDが用いられる。第1の対象区間の回線品質判定テーブルは、回線品質判定テーブル162に記憶されている基準値のなかから選択された、試験対象となる1又は複数の無線回線に対応した1又は複数の基準値から構成される。
【0026】
例えば、図1に示す構成で任意の時刻と時間で基地局2から屋外子局4−1及び4−2への各下り回線の試験を行う場合には、次のように指定情報201を設定する。すなわち、基地局2の機器IDを送信対象機器IDに、屋外子局4−1及び4−2の各機器IDを受信対象機器IDに、任意の時刻と時間を測定開始時刻と測定時間に、そして、第1の対象区間の回線品質判定テーブルに、回線品質判定テーブル記憶部162内の基地局2と屋外子局4−1及び4−2との間の下り回線についての各しきい値を指定する。
【0027】
また、例えば、図1に示す構成で任意の時刻と時間で中継局3から屋外子局4−3及び4−4への各下り回線の試験を行う場合には、次のように指定情報201を設定する。すなわち、中継局3の機器IDを送信対象機器IDに、屋外子局4−3及び4−4の各機器IDを受信対象機器IDに、任意の時刻と時間を測定開始時刻と測定時間に、そして、第1の対象区間の回線品質判定テーブルに、回線品質判定テーブル記憶部162内の中継局3と屋外子局4−3及び4−4との間の下り回線についての各しきい値を指定する。
【0028】
また、例えば、図1に示す構成で任意の時刻と時間で中継局3から基地局2への上り回線の試験を行う場合には、次のように指定情報201を設定する。すなわち、中継局3の機器IDを送信対象機器IDに、基地局2の機器IDを受信対象機器IDに、任意の時刻と時間を測定開始時刻と測定時間に、そして、第1の対象区間の回線品質判定テーブルに、回線品質判定テーブル記憶部162内の中継局3と基地局2との間の上り回線についてのしきい値を指定する。
【0029】
なお、第2の対象区間に関する指定情報202も、第1の対象区間に関する指定情報201と同様に構成されている。
【0030】
他方、回線品質監視部153は、例えば操作者の指示に応じて1又は複数の任意の時刻あるいは時間帯に行われた回線品質測定試験の測定結果を対象の無線局(基地局2、中継局3、屋外子局4−1〜4−4など)から受信して出力部12から出力したり、回線品質測定試験を実施した結果によって、いずれかの無線回線で回線品質判定テーブルに記憶されているしきい値を下回る不良の測定結果が得られた場合には、該当する無線局からの通報を受信して出力部12から出力したりする。なお、回線品質監視部153は、回線品質測定試験の測定結果を任意の無線局から読み出す場合、当該無線局を要求先とする情報送信要求信号を生成して有線通信部14を介して送信するともに、当該無線局から応答として送信された測定結果を表す情報を受信する。回線品質監視部153は、また、一般の状態監視(すなわち現在の回線状態を表示する処理)に加え、過去の回線状態を指定の範囲内で全て表示する状態監視を行うようにすることができる。
【0031】
次に、図4を参照して、図1に示した基地局2の構成例について説明する。図4では、本発明で用いられる基地局2の機能に関連する構成のみを図示している。図4の基地局2には、有線通信部21、無線通信部22、時計部23、制御部24及び記憶部25が設けられている。有線通信部21は、図1の操作卓1と所定の制御回線を接続するために用いられる。無線通信部22は、図1の中継局3や屋外子局4−1〜4−2などと所定形式の無線通信を行うために用いられる。時計部23は、日時を示すデジタル値を出力する。この時計部23の出力に基づいて各部における時刻や時間を基準とする処理が実行される。制御部24は、時刻同期部241、情報送受信部242、回線品質測定用信号生成部243、回線品質測定部244、回線品質判定部245及び回線品質測定結果通知部246を含んでいる。記憶部25は、機器ID記憶部251、指定情報記憶部252及び回線品質測定結果記憶部253を含んでいる。
【0032】
機器ID記憶部251は、基地局2固有の識別情報である基地局2の機器IDと、基地局2が下り回線を用いて接続する他の無線局(図1の例では中継局3並びに屋外子局4−1及び4−2)の各機器IDを記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。指定情報記憶部252は、有線通信部21によって受信した操作卓1の指定情報生成部152で生成された図3に示すような指定情報のうち、自局を送信又は受信無線局とするものを記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。すなわち、指定情報記憶部252には、自局を送信又は受信無線局とする回線品質測定試験の対象区間毎に、送信対象機器ID、受信対象機器ID、測定開始時刻、測定時間及び回線品質判定テーブルを表す情報が記憶される。回線品質測定結果記憶部253は、自局(すなわち基地局2)の機器IDが指定情報内で受信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち基地局2といずれかの無線局との間で上り回線に対して回線品質測定試験が行われる場合)に自局(すなわち基地局2)で測定した測定結果を記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。回線品質測定結果記憶部253には、当該測定結果に対応する指定情報の内容に対応づけて当該測定結果を示す情報が蓄積される。
【0033】
一方、制御部24内の時刻同期部241は、時計部23が示す時刻を、操作卓1の時計部13の時刻と同期させるとともに、他の無線局の時計部の時刻を時計部23が示す時刻に同期させるための構成である。時刻同期部241は、例えば、有線通信部21を介して操作卓1との間で所定の同期信号を送受信することで時計部23の時刻を調整したり、無線通信部22を介して他の無線局と接続して、時計部23の時刻に基づく所定の同期信号を送受信したりする。ただし、時刻同期部241の構成はこれに限らず、例えばGPSを用いて取得した時刻情報に対して時計部23の時刻を調整するような構成を用いるものであってもよい。
【0034】
情報送受信部242は、有線通信部21を介して操作卓1から所定の情報を受信したりあるいは操作卓1へ所定の情報を送信したり、無線通信部22を介して他の無線局へ所定の情報を送信したりあるいは他の無線局から所定の情報を受信したり、また、操作卓1と他の無線局との間で送受信される情報を転送したりする。情報送受信部242は、また、受信した指定情報を分析し、自局を送信又は受信無線局とする指定情報を指定情報記憶部252に記憶する。
【0035】
回線品質測定用信号生成部243は、自局(すなわち基地局2)の機器IDが指定情報内で送信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち基地局2といずれかの無線局との間で下り回線に対して回線品質測定試験が行われる場合)に当該指定情報で指定されている開始時刻から測定時間の間、PN9信号などの回線品質測定用の所定の信号(以下、回線品質測定用信号と称する)を生成する。回線品質測定用信号生成部243によって生成された回線品質測定用信号は無線通信部22を介して送信される。
【0036】
回線品質測定部244は、自局(すなわち基地局2)の機器IDが指定情報内で受信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち基地局2といずれかの無線局との間で上り回線に対して回線品質測定試験が行われる場合)に当該指定情報で指定されている開始時刻から測定時間の間、当該上り回線で受信された回線品質測定用信号を用いてBERを測定する。回線品質測定部244は、測定したBERの値を回線品質測定結果記憶部253に記憶する。
【0037】
回線品質判定部245は、指定情報記憶部252に記憶されている回線品質判定テーブルを表す情報と、回線品質測定部244によって受信された回線品質測定用信号を用いて測定されたBERの値とに基づいて回線品質の良否の判定を行う。
【0038】
回線品質測定結果通知部246は、回線品質判定部245による判定結果が否の場合(すなわち回線品質判定テーブルに指定された所定のしきい値を下回った場合)には、その旨を無線通信部22を介して操作卓1に向けて送信する。また、回線品質測定結果通知部246は、操作卓1から有線通信部21を介して自局を要求先とする測定結果の情報送信要求が受信された場合には、回線品質測定結果記憶部253から対象となる測定結果を読み出して情報送信要求に対する応答として測定結果を表す情報を操作卓1に対して送信する。
【0039】
次に、図5を参照して、図1に示した中継局3の構成例について説明する。図5では、中継局3の本発明で用いられる機能に関連する構成のみを図示している。図5の中継局3には、無線通信部32、時計部33、制御部34及び記憶部35が設けられている。無線通信部32は、図1の中継局3や屋外子局4−3〜4−4などと所定形式の無線通信を行うために用いられる。時計部33は、日時を示すデジタル値を出力する。この時計部33の出力に基づいて各部における時刻や時間を基準とする処理が実行される。制御部34は、時刻同期部341、情報送受信部342、回線品質測定用信号生成部343、回線品質測定部344、回線品質判定部345及び回線品質測定結果通知部346を含んでいる。記憶部35は、機器ID記憶部351、指定情報記憶部352及び回線品質測定結果記憶部353を含んでいる。
【0040】
機器ID記憶部351は、中継局3固有の識別情報である中継局3の機器IDと、中継局3が上り回線又は下り回線を用いて接続する他の無線局(図1の例では基地局2並びに屋外子局4−3及び4−4)の各機器IDを記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。指定情報記憶部352は、無線通信部32によって受信した操作卓1の指定情報生成部152で生成された図3に示すような指定情報のうち、自局を送信又は受信無線局とするものを記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。すなわち、指定情報記憶部352には、自局を送信又は受信無線局とする回線品質測定試験の対象区間毎に、送信対象機器ID、受信対象機器ID、測定開始時刻、測定時間及び回線品質判定テーブルを表す情報が記憶される。回線品質測定結果記憶部353は、自局(すなわち中継局3)の機器IDが指定情報内で受信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち中継局3といずれかの無線局との間で中継局3を受信局として回線品質測定試験が行われる場合)に自局(すなわち中継局3)で測定した測定結果を記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。回線品質測定結果記憶部353には、当該測定結果に対応する指定情報の内容に対応づけて当該測定結果を示す情報が蓄積される。
【0041】
一方、制御部34内の時刻同期部341は、時計部33が示す時刻を、基地局2の時計部23の時刻と同期させるとともに、他の無線局の時計部の時刻を時計部33が示す時刻に同期させるための構成である。時刻同期部341は、例えば、無線通信部32を介して基地局2との間で所定の同期信号を送受信することで時計部33の時刻を調整したり、無線通信部32を介して他の無線局と接続して、時計部33の時刻に基づく所定の同期信号を送受信したりする。ただし、時刻同期部341の構成はこれに限らず、例えばGPSを用いて取得した時刻情報に対して時計部33の時刻を調整するような構成を用いるものであってもよい。
【0042】
情報送受信部342は、無線通信部32を介して、基地局2から所定の情報を受信したりあるいは基地局2へ所定の情報を送信したり、他の無線局へ所定の情報を送信したりあるいは他の無線局から所定の情報を受信したり、また、基地局2と他の無線局との間で送受信される情報を転送したりする。情報送受信部342は、また、受信した指定情報を分析し、自局を送信又は受信無線局とする指定情報を指定情報記憶部352に記憶する。
【0043】
回線品質測定用信号生成部343は、自局(すなわち中継局3)の機器IDが指定情報内で送信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち中継局3といずれかの無線局との間で中継局3を送信局として回線品質測定試験が行われる場合)に当該指定情報で指定されている開始時刻から測定時間の間、PN9信号などの回線品質測定用信号を生成する。回線品質測定用信号生成部343によって生成された回線品質測定用信号は無線通信部32を介して送信される。
【0044】
回線品質測定部344は、自局(すなわち中継局3)の機器IDが指定情報内で受信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち中継局3といずれかの無線局との間で中継局3を受信局として回線品質測定試験が行われる場合)に当該指定情報で指定されている開始時刻から測定時間の間、無線通信部32を介して受信された回線品質測定用信号を用いてBERを測定する。回線品質測定部344は、測定したBERの値を回線品質測定結果記憶部353に記憶する。
【0045】
回線品質判定部345は、指定情報記憶部352に記憶されている回線品質判定テーブルを表す情報と、回線品質測定部344によって受信された回線品質測定用信号を用いて測定されたBERの値とに基づいて回線品質の良否の判定を行う。
【0046】
回線品質測定結果通知部346は、回線品質判定部345による判定結果が否の場合(すなわち回線品質判定テーブルに指定された所定のしきい値を下回った場合)には、その旨を無線通信部32を介して操作卓1に向けて送信する。また、回線品質測定結果通知部346は、操作卓1から無線通信部32を介して自局を要求先とする測定結果の情報送信要求が受信された場合には、回線品質測定結果記憶部353から対象となる測定結果を読み出して情報送信要求に対する応答として測定結果を表す情報を操作卓1に向けて送信する。
【0047】
次に、図6を参照して、図1に示した屋外子局4−1〜4−4の構成例について説明する。図6では、屋外子局4−1〜4−4の本発明で用いられる機能に関連する構成のみを図示している。図6の屋外子局4−1〜4−4には、音声出力部41、無線通信部42、時計部43、制御部44及び記憶部45が設けられている。音声出力部41は、屋外スピーカや音声信号増幅装置を有して構成されていて、受信信号に含まれる放送用の信号を出力する。無線通信部42は、図1の基地局2又は中継局3などと所定形式の無線通信を行うために用いられる。時計部43は、日時を示すデジタル値を出力する。この時計部43の出力に基づいて各部における時刻や時間を基準とする処理が実行される。制御部44は、時刻同期部441、情報送受信部442、回線品質測定用信号生成部443、回線品質測定部444、回線品質判定部445及び回線品質測定結果通知部446を含んでいる。記憶部45は、機器ID記憶部451、指定情報記憶部452及び回線品質測定結果記憶部453を含んでいる。
【0048】
機器ID記憶部451は、屋外子局4−1〜4−4それぞれの固有の識別情報である屋外子局4−1〜4−4の各機器IDと、屋外子局4−1〜4−4が上り回線又は下り回線を用いて接続する他の無線局(図1の例では基地局2又は中継局3)の各機器IDを記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。指定情報記憶部452は、無線通信部42によって受信した操作卓1の指定情報生成部152で生成された図3に示すような指定情報のうち、自局を送信又は受信無線局とするものを記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。すなわち、指定情報記憶部452には、自局を送信又は受信無線局とする回線品質測定試験の対象区間毎に、送信対象機器ID、受信対象機器ID、測定開始時刻、測定時間及び回線品質判定テーブルを表す情報が記憶される。回線品質測定結果記憶部453は、自局(すなわち屋外子局4−1〜4−4)の機器IDが指定情報内で受信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち屋外子局4−1〜4−4といずれかの無線局との間で屋外子局4−1〜4−4を受信局として回線品質測定試験が行われる場合)に自局(すなわち屋外子局4−1〜4−4)で測定した測定結果を記憶する記憶装置(あるいは記憶領域)である。回線品質測定結果記憶部453には、当該測定結果に対応する指定情報の内容に対応づけて当該測定結果を示す情報が蓄積される。
【0049】
一方、制御部44内の時刻同期部441は、時計部43が示す時刻を、基地局2又は中継局3の時計部23又は時計部33の時刻と同期させるための構成である。時刻同期部441は、例えば、無線通信部42を介して基地局2又は中継局3との間で所定の同期信号を送受信することで時計部43の時刻を調整する。ただし、時刻同期部441の構成はこれに限らず、例えばGPSを用いて取得した時刻情報に対して時計部43の時刻を調整するような構成を用いるものであってもよい。
【0050】
情報送受信部442は、無線通信部42を介して、基地局2又は中継局3から所定の情報を受信したりあるいは基地局2又は中継局3へ所定の情報を送信したりする。情報送受信部342は、また、受信した指定情報を分析し、自局を送信又は受信無線局とする指定情報を指定情報記憶部452に記憶する。
【0051】
回線品質測定用信号生成部443は、自局(すなわち屋外子局4−1〜4−4)の機器IDが指定情報内で送信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち屋外子局4−1〜4−4といずれかの無線局との間で屋外子局4−1〜4−4を送信局として回線品質測定試験が行われる場合)に当該指定情報で指定されている開始時刻から測定時間の間、PN9信号などの回線品質測定用信号を生成する。回線品質測定用信号生成部443によって生成された回線品質測定用信号は無線通信部42を介して送信される。
【0052】
回線品質測定部444は、自局(すなわち屋外子局4−1〜4−4)の機器IDが指定情報内で受信対象機器IDとして指定されている場合(すなわち屋外子局4−1〜4−4といずれかの無線局との間で屋外子局4−1〜4−4を受信局として回線品質測定試験が行われる場合)に当該指定情報で指定されている開始時刻から測定時間の間、無線通信部42を介して受信された回線品質測定用信号を用いてBERを測定する。回線品質測定部444は、測定したBERの値を回線品質測定結果記憶部453に記憶する。
【0053】
回線品質判定部445は、指定情報記憶部452に記憶されている回線品質判定テーブルを表す情報と、回線品質測定部444によって受信された回線品質測定用信号を用いて測定されたBERの値とに基づいて回線品質の良否の判定を行う。
【0054】
回線品質測定結果通知部446は、回線品質判定部445による判定結果が否の場合(すなわち回線品質判定テーブルに指定された所定のしきい値を下回った場合)には、その旨を無線通信部42を介して操作卓1に向けて送信する。また、回線品質測定結果通知部446は、操作卓1から無線通信部42を介して自局を要求先とする測定結果の情報送信要求が受信された場合には、回線品質測定結果記憶部453から対象となる測定結果を読み出して情報送信要求に対する応答として測定結果を表す情報を操作卓1に向けて送信する。
【0055】
次に、図7を参照して図1に示す無線システム100の動作の一例について説明する。図7は、図1に示した操作卓1、基地局2、屋外子局4−1及び屋外子局4−2間での処理の流れを時系列に示した動作シーケンスである。なお、操作卓1、基地局2、屋外子局4−1及び屋外子局4−2間ではあらかじめ時刻同期がなされているものとする(S11〜S13)。
【0056】
いま、操作者が、操作卓1より測定したい無線回線(区間及び上り下り)と測定時間(開始時刻及び測定時間)と回線品質の判定テーブル(BER値がどの範囲で正常とし、どの値で異常とするかの対応を示す。)を指定したとする(S14)。操作卓1はその入力された情報に基づいて指定情報生成部152で生成した指定情報を、基地局2へ送信する(S15)。この場合、基地局2を送信局、屋外子局4−1及び屋外子局4−2を受信局として回線品質測定試験を行う旨の指定情報が生成されたこととする。ここで、指定情報は、対象となるすべての無線局を宛先として同報送信したり、対象となる各無線局を個別に指定して単信送信したり、あるいは、対象、非対象と問わずすべての無線局を宛先として同報通信したりすることができる。
【0057】
基地局2は受け取った指定情報を分析し(S16)、すなわち測定する回線の判断(測定対象機器のIDを参照し、かつ送信か受信かを判断)を行い、自局が対象となっている場合には測定する回線を表す情報と測定時間に係る情報(測定開始時刻と測定時間又は測定終了時刻)などを指定情報記憶部252に記録する(図7ではメモリ記録と表記)(S17)と共に、対象回線に該当する屋外子局へ指定情報を無線で送信する(S18〜S19)。この場合、対象回線に該当する屋外子局4−1及び4−2は、送られてきた指定情報に含まれる回線測定の情報(送信か受信か及び測定開始時刻と測定時間)を分析し(S20、S22)、指定情報記憶部452に記録する(図7ではメモリ記録と表記)(S21、S23)。
【0058】
基地局2と屋外子局4−1及び4−2は、メモリ(指定情報記憶部252又は指定情報記憶部452)に記録された開始時刻になると(S25〜S27)、送信側の機器(この例では基地局2)は回線品質測定用信号生成部243によって生成された回線品質測定用信号(PN9信号)を送信し(S28)、受信側の機器(この例では屋外子局4−1〜4−2)はその信号を受信して回線品質測定部444によってBERを測定する(S29、S30)。受信側の機器(この例では屋外子局4−1〜4−2)は、指定の測定時間を経過すると測定を停止し(S32、S37)、その停止した時点でのBER平均値を回線状態値として測定開始時刻と対応させて自身のメモリ(すなわち回線品質測定結果記憶部453)に記録する(S33、S38)。送信側の機器(この例では基地局2)も、測定時間が経過すると送信を停止し、通常状態へ戻る(S31)。
【0059】
屋外子局4−1及び4−2は、回線品質判定部445による判定の結果、その測定したBER平均値が指定情報で指定されている回線品質判定テーブル上で異常の範囲内であった場合には、即座に回線品質測定結果通知部446によって操作卓1まで異常通知を送信し(S34〜S36、S39〜S41)、操作卓1は回線品質監視部153によって異常通知を受信するとともに、出力部12からその異常を操作者に報せるよう表示する。
【0060】
一方、回線品質測定試験結果を任意の無線局を選択し、測定結果を呼び出して監視する場合には、操作卓1に対する操作者による所定の操作に応じて(S42)、回線品質監視部153によって対象となる無線局(この例では屋外子局4−1及び4−2)に対して基地局2を経由して情報送信要求信号が送信される(S43及びS44又はS47)。情報送信要求(すなわち測定結果送信要求)を受けた対象無線局(この例では屋外子局4−1及び4−2)は、回線品質測定結果通知部446によってその保持しているデータ(すなわちBER値(回線状態値)及び測定開始時刻)を表す情報を操作卓1まで送信する(S45〜S47又はS48〜S50)。操作卓1は回線品質監視部153によってデータを受け取り、対象回線の状態を出力部12において表示する(S51)。
【0061】
これらの動作により、本実施形態によれば、現地に赴かないまま操作卓1からの一元操作で、望んだ対象と時刻で自動的に回線状態を測定し、モニタすることが可能となる。
【0062】
なお、測定中に放送要求や他の操作を受けた場合には、対象機器は回線状態測定を中止してその受けた操作の動作を優先することで、主たる機能である放送への影響を回避するようにすることが望ましい。また、指定する回線は、基地局2−中継局3間、中継局3−屋外子局4−3〜4−4間、基地局2−屋外子局4−1〜4−2間のどの回線(すなわちどの上り回線及び下り回線)でも可能である。
【0063】
なお、本発明の実施の形態は上記に限定されず、例えば、指定情報内に測定結果の送信時刻など指定することで対象無線局側から操作卓1側に対して自動で、回線品質の測定結果を表す情報を送信するようにする変更などを適宜行うことができる。また、上記の実施形態の構成において、CPU(図示せず)によって実行されるプログラムは、通信回線又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体を介して配布することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 操作卓
2 基地局
3 中継局
4−1〜4−4 屋外子局
22、32、42 無線通信部
23、33、43 時計部
25、35、45 記憶部
152、252、352、452 指定情報生成部
244、344、444 回線品質測定部
245、345、445 回線品質判定部
241、341、441 時刻同期部
252、352、452 指定情報記憶部
253、353、453 回線品質測定結果記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向通信機能を有する複数の無線局と、前記複数の無線局のうち少なくとも1台の無線局の送受信信号を制御する操作卓とを備える無線システムであって、
前記操作卓が、
該操作卓が制御する前記無線局から他の前記無線局に対して送信される情報であって、回線品質測定試験の期間を指定するとともに、前記複数の無線局のうち前記回線品質測定試験の対象となる少なくとも1台の送信側無線局及び少なくとも1台の受信側無線局を指定する情報である指定情報を生成する指定情報生成部を有し、
前記無線局が、
前記指定情報によって当該無線局が送信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、所定の回線品質測定用信号を送信し、前記指定情報によって当該無線局が受信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、前記回線品質測定用信号を受信する無線通信部を有する
ことを特徴とする無線システム。
【請求項2】
前記指定情報が、
さらに、前記回線品質を判定するための回線品質判定情報を含み、
前記複数の無線局が、
前記回線品質判定情報及び前記回線品質測定用信号の受信結果に基づいて前記回線品質の良否の判定を行う回線品質判定部を有し、
前記無線通信部が、
前記回線品質判定部による判定結果が否である場合に前記操作卓へ向けてその旨を通知する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線システム。
【請求項3】
前記複数の無線局が、
時刻情報を出力する時計部と、他の無線局の時計部が示す時刻と自己の時計部の時刻とを同期するための時刻同期部とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線システム。
【請求項4】
前記複数の無線局が、
前記指定情報によって当該無線局が送信側又は受信側無線局として指定されている場合に該指定情報に対応する情報を記憶するともに、前記指定情報によって当該無線局が受信側無線局として指定されている場合には前記回線品質測定用信号の受信結果に基づく前記回線品質測定試験の試験結果を記憶する記憶部を有し、
前記無線通信部が、
前記操作卓における所定の操作に応じて、前記操作卓へ向けて前記記憶部に記憶されている前記試験結果を表す情報を通知する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線システム。
【請求項5】
双方向通信機能を有する複数の無線局と、前記複数の無線局のうち少なくとも1台の無線局の送受信信号を制御する操作卓とを備える無線システムにおける前記操作卓であって、
当該操作卓が制御する前記無線局から他の前記無線局に対して送信される情報であって、回線品質測定試験の期間を指定するとともに、前記複数の無線局のうち前記回線品質測定試験の対象となる少なくとも1台の送信側無線局及び少なくとも1台の受信側無線局を指定する情報である指定情報を生成する指定情報生成部を有し、
前記無線局が、前記指定情報によって当該無線局が送信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、所定の回線品質測定用信号を送信し、前記指定情報によって当該無線局が受信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、前記回線品質測定用信号を受信する無線通信部を有するものである
ことを特徴とする操作卓。
【請求項6】
双方向通信機能を有する複数の無線局と、前記複数の無線局のうち少なくとも1台の無線局の送受信信号を制御する操作卓とを備える無線システムにおける前記無線局であって、
前記操作卓が、該操作卓が制御する前記無線局から他の前記無線局に対して送信される情報であって、回線品質測定試験の期間を指定するとともに、前記複数の無線局のうち前記回線品質測定試験の対象となる少なくとも1台の送信側無線局及び少なくとも1台の受信側無線局を指定する情報である指定情報を生成する指定情報生成部を有するものであり、
前記指定情報によって当該無線局が送信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、所定の回線品質測定用信号を送信し、前記指定情報によって当該無線局が受信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、前記回線品質測定用信号を受信する無線通信部を有する
ことを特徴とする無線局。
【請求項7】
双方向通信機能を有する複数の無線局と、前記複数の無線局のうち少なくとも1台の無線局の送受信信号を制御する操作卓とを備える無線システムの制御方法であって、
前記操作卓が、該操作卓が制御する前記無線局から他の前記無線局に対して送信される情報であって、回線品質測定試験の期間を指定するとともに、前記複数の無線局のうち前記回線品質測定試験の対象となる少なくとも1台の送信側無線局及び少なくとも1台の受信側無線局を指定する情報である指定情報を生成し、
前記無線局が、前記指定情報によって当該無線局が送信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、所定の回線品質測定用信号を送信し、前記指定情報によって当該無線局が受信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、前記回線品質測定用信号を受信する
ことを特徴とする無線システム制御方法。
【請求項8】
双方向通信機能を有する複数の無線局と、前記複数の無線局のうち少なくとも1台の無線局の送受信信号を制御する操作卓とを備える無線システムの制御方法であって、
前記操作卓が、該操作卓が制御する前記無線局から他の前記無線局に対して送信される情報であって、回線品質測定試験の期間を指定するとともに、前記複数の無線局のうち前記回線品質測定試験の対象となる少なくとも1台の送信側無線局及び少なくとも1台の受信側無線局を指定する情報である指定情報を生成する処理と、
前記無線局が、前記指定情報によって当該無線局が送信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、所定の回線品質測定用信号を送信し、前記指定情報によって当該無線局が受信側無線局として指定されている場合には該指定情報によって指定されている前記期間、前記回線品質測定用信号を受信する処理と
をコンピュータを用いて実行するための無線システム制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−5313(P2013−5313A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136087(P2011−136087)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】