説明

無線タグ及び無線タグ情報読み取り装置

【課題】管理対象物品の状態を容易に知ることができる無線タグ及び無線タグ情報読み取り装置を提供する。
【解決手段】書籍Bに関連して取り扱われ、情報を記憶するIC回路部150と情報を送受信するアンテナ151とを備えた無線タグ回路素子Toを有する無線タグラベルTBであって、当該無線タグラベルTBの無線タグ回路素子ToのIC回路部150は、タグ識別情報であるUIDと、書籍Bの属性情報と、書籍Bの管理状態情報とを記憶保持している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を有する無線タグ及びこの無線タグの情報を読み取る無線タグ情報読み取り装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品管理を行う際に、管理対象の物品に情報保持部(バーコードや無線タグ等)を設け、その保持された情報を非接触で読み取る情報読み取り装置が既に知られている。例えば、情報保持部として無線タグを設ける場合、RFID(Radio Frequency Identification)システムと称される。
【0003】
このシステムにおいては、例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子が、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、既に様々な分野において実用が期待されている。
【0004】
このような無線タグ情報読み取り装置の従来技術として、例えば図書館において書籍の貸し出しの管理を行うための情報読み取り装置がある(例えば、特許文献1参照)。この無線タグ情報読み取り装置(物品管理システム)では、図書館の出口に設けたリーダにより、出口を通過する利用者に備えられる無線タグ回路素子と、利用者が借り出そうとする書籍に備えられる無線タグ回路素子の両方から無線タグ情報を読み取り、これらに基づく貸し出し管理情報をデータベースに登録する。これにより、どの書籍を誰に貸し出したのかが把握できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−229263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術では、書籍の無線タグ回路素子には書籍を識別するための識別情報が記憶されているが、管理対象である書籍が例えば貸し出し待ち状態であるのか、又は貸し出し中の状態であるのかといった貸し出し管理状態を表す情報が記憶されていない。このため、書籍の貸し出し管理状態を知るためには、無線タグ情報読み取り装置で書籍の無線タグ回路素子の情報読み取りを行った上でデータベースにアクセスし、当該読み取った書籍の識別情報に対応する貸し出し管理情報を検索する必要があった。したがって、管理対象である書籍の管理状態を容易に知ることができなかった。
【0007】
本発明の目的は、管理対象物品の状態を容易に知ることができる無線タグ及び無線タグ情報読み取り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、管理対象物品に関連して取り扱われ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた物品用無線タグ回路素子を有する無線タグであって、前記IC回路部は、タグ識別情報と、前記管理対象物品の対象物情報と、前記管理対象物品の管理状態情報とを記憶保持していることを特徴とする。
【0009】
本願第1発明においては、IC回路部に、タグ識別情報、管理対象物品の対象物情報に加え、管理対象物品の管理状態情報が記憶保持されている。これにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行い上記管理状態情報を取得するだけで、さらにデータベースへのアクセス等を行わなくても、当該管理対象物品の状態を容易に知ることができる。
【0010】
第2の発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、前記管理状態情報として、貸借可能な前記管理対象物品の貸借情報を記憶保持することを特徴とする。
【0011】
これにより、管理対象物品が貸借されるものであった場合、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行い上記管理状態情報を取得するだけで、その貸借状態を知ることができる。
【0012】
第3の発明は、上記第2発明において、前記IC回路部は、前記貸借情報として、前記管理対象物品が、受け入れ後の未登録状態、登録後の未貸出状態、及び貸出後の未返却状態のいずれかを記憶保持することを特徴とする。
【0013】
これにより、管理対象物品が貸借されるものであった場合、未登録状態、未貸出状態、未返却状態のいずれであるかを知ることができる。
【0014】
第4の発明は、上記第2又は第3の発明において、前記IC回路部は、前記管理対象物品を貸借する貸借者の所持する人物用無線タグ回路素子の識別情報を記憶保持することを特徴とする。
【0015】
これにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行ったとき、管理対象物品の貸借情報と、人物用無線タグ回路素子の識別情報との整合性を判定することが可能となる。この結果、判定結果に基づく種々の処理を行うことができ、利便性を向上することができる。
【0016】
第5の発明は、上記第2乃至第4発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記管理対象物品の貸借の態様に関する貸借態様情報を記憶保持することを特徴とする。
【0017】
これにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行ったとき、貸出期限の設定等の詳細な貸出管理を併せて行うことができ、さらに利便性が向上する。
【0018】
第6の発明は、上記第1乃至第5発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、少なくとも前記タグ識別情報を登録するための登録手段に対し情報登録が確実に行われたか否かを表す登録確認情報を記憶保持することを特徴とする。
【0019】
これにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行ったとき、登録手段に対する登録状態も併せて管理可能となり、さらに利便性が向上する。
【0020】
第7の発明は、上記第1乃至第6発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、無線タグ情報読み取り装置による読み取り後、前記無線タグ情報読み取り装置において実行する処理メニューを指示するための指示情報を記憶保持することを特徴とする。
【0021】
読み取り後に実行すべき処理メニューの指示情報がIC回路部に記憶保持されていることにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行ったとき、取得された指示情報に沿った処理メニューが自動的に実行される。この結果、管理対象物品の状態に対応した適正な処理を実行することができる。
【0022】
第8の発明は、上記第7発明において、前記IC回路部は、一連の処理手順からなる前記処理メニューを指示するための複数の指示情報を、処理順序に沿うように互いに関連づけて記憶保持することを特徴とする。
【0023】
これにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行ったとき、複数の指示情報を所定の処理順序で円滑に実行し、一連の処理手順を完了することが可能となる。
【0024】
第9の発明は、上記第8発明において、前記IC回路部は、前記複数の指示情報を、対応する複数の格納領域にそれぞれ記憶保持し、各指示情報が、前記一連の処理手順に沿った次の処理手順を表す前記指示情報の格納領域へのリンク指標を含むように、記憶保持することを特徴とする。
【0025】
これにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行ったとき、リンク指標をたどりながら各格納領域の指示情報を順次読み取ることができる。この結果、複数の指示情報を所定の処理順序で円滑に実行し、一連の処理手順を完了することができる。
【0026】
第10の発明は、上記第9発明において、前記IC回路部は、操作者の操作に応じ切り替え指定される互いに異なる2つの前記リンク指標を含む前記指示情報を記憶保持することを特徴とする。
【0027】
操作者の操作に応じて異なるリンク指標へ移行することにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行ったとき、操作の内容に応じ異なる処理を実行することが可能となる。
【0028】
第11の発明は、上記第1乃至第10発明のいずれかにおいて、前記IC回路部は、前記無線タグ情報読み取り装置が読み取り結果に応じて実行する表示メニューを指示するための表示処理情報を含む前記指示情報を記憶保持することを特徴とする。
【0029】
これにより、操作者が無線タグ情報読み取り装置で情報読み取りを行ったとき、取得された表示処理情報に沿った表示メニューが自動的に実行される。この結果、管理対象物品の状態に対応した適正な表示メニューを表示することができる。
【0030】
上記目的を達成するために、第12の発明は、管理対象物品に関連して取り扱われ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを有し、前記IC回路部に、タグ識別情報と、前記管理対象物品の対象物情報と、管理対象物品の管理状態情報と、無線タグ情報読み取り装置において実行する処理メニューを指示するための指示情報とを記憶した物品用無線タグ回路素子と無線通信により情報の送受信を行うための通信手段と、前記通信手段を介し前記物品用無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された情報を取得するための情報取得手段と、前記情報取得手段での情報取得結果に応じて、前記処理メニューを実行するメニュー処理手段とを有することを特徴とする。
【0031】
本願第12発明においては、物品用無線タグ回路素子のIC回路部に、タグ識別情報、管理対象物品の対象物情報に加え、管理対象物品の管理状態情報が記憶保持されている。また、読み取り後に実行すべき処理メニューの指示情報もIC回路部に記憶保持されている。これにより、無線タグ情報読み取り装置の情報取得手段で、通信手段を介した情報送受信により上記タグ識別情報、対象物情報、管理状態情報、指示情報が取得される。そして、メニュー処理手段によって上記指示情報で指示された処理メニューが実行される。
【0032】
以上のように、本願第12発明では、物品用無線タグ回路素子に予め物品の管理状態情報が記憶され、これを情報取得手段で取得する。これにより、操作者が管理対象物品に関連して取り扱われる物品用無線タグ回路素子に対し情報読み取りを行うだけで、(さらにデータベースへのアクセス等を行わなくても)当該管理対象物品の状態を容易に知ることができる。さらに、物品用無線タグ回路素子には予め指示情報が記憶されており、これを情報取得手段で取得する。これにより、無線タグ情報読み取り装置では、上記情報読み取りによって取得された指示情報に沿った処理メニューが自動的に実行される。この結果、上記管理対象物品の状態に対応した適正な処理を実行することができる。
【0033】
第13の発明は、上記第12発明において、前記通信手段は、前記IC回路部に、前記タグ識別情報と、前記対象物情報と、前記管理状態情報と、無線タグ情報読み取り装置が読み取り結果に応じて実行する表示メニューを指示するための表示処理情報を含む前記指示情報とを記憶した物品用無線タグ回路素子と情報の送受信を行い、前記メニュー処理手段は、前記情報取得手段での情報取得結果に応じて、前記表示メニューを表示する表示信号を出力する表示処理手段を含むことを特徴とする。
【0034】
これにより、情報読み取りによって取得された表示処理情報に沿った表示メニューが自動的に実行される。この結果、管理対象物品の状態に対応した適正な表示メニューを表示することができる。
【0035】
第14の発明は、上記第13発明において、前記通信手段は、貸借可能な前記管理対象物品が、受け入れ後の未登録状態、登録後の未貸出状態、及び貸出後の未返却状態のいずれであるかを表す貸借情報を、前記管理状態情報として前記IC回路部に記憶保持した前記物品用無線タグ回路素子と情報の送受信を行う
ことを特徴とする。
【0036】
これにより、管理対象物品が、未登録状態、未貸出状態、未返却状態のいずれであるかに対応した表示を行うことが可能となる。
【0037】
第15の発明は、上記第14発明において、前記通信手段は、前記管理対象物品を貸借する貸借者に所持され、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを有し、前記IC回路部に、タグ識別情報と、前記貸借者の人物情報を記憶保持した人物用無線タグ回路素子と情報の送受信を行い、前記情報取得手段は、前記通信手段を介し、前記物品用無線タグ回路素子の前記IC回路部及び前記人物用無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された情報を取得し、前記表示処理手段は、前記情報取得手段による前記物品用無線タグ回路素子及び前記人物用無線タグ回路素子からの情報取得結果に応じて、前記表示する表示メニューを決定することを特徴とする。
【0038】
これにより、管理対象物品が、未登録状態、未貸出状態、未返却状態のいずれであるかの情報と、さらに人物用無線タグ回路素子で認識される人物情報との組み合わせに応じ、多様な表示を切り替えて実行することが可能となる。この結果、種々様々のニーズに対応した多様な利用態様に対応することが可能となり、利便性を向上することができる。
【0039】
第16の発明は、上記第15発明において、前記情報取得手段による前記物品用無線タグ回路素子及び前記人物用無線タグ回路素子からの情報取得結果に基づき、前記管理対象物品が前記未貸出状態であり、前記貸借者の人物情報が正常に取得された場合には、前記表示処理手段は、前記管理対象物品の貸出処理を行うための前記表示メニューを表示するための前記表示信号を出力し、前記管理対象物品が前記未返却状態であり、前記貸借者の人物情報が前記管理対象物品を借り受けた人物と合致した場合には、前記表示処理手段は、前記管理対象物品の返却処理を行うための前記表示メニューを表示するための前記表示信号を出力することを特徴とする。
【0040】
未貸出状態の管理対象物品に対し、貸借者の人物情報が正常に取得できた場合には、その人物情報及び対応するタグ識別情報と、管理対象物品の対象物情報及び対応するタグ識別情報とを関連づけ、正しく貸出管理を行うことが可能である。したがって、表示処理手段により貸出処理のための表示メニューを表示することで、円滑かつ容易に貸出処理を実行することができる。
【0041】
未返却状態(貸出状態)の管理対象物品を借り受けた人物が返しにきて、その人物情報が貸出時のものと合致した場合には、その人物情報及び対応するタグ識別情報と、管理対象物品の対象物情報及び対応するタグ識別情報とを関連づけ、正しく返却管理を行うことが可能である。したがって、表示処理手段により返却処理のための表示メニューを表示することで、円滑かつ容易に返却処理を実行することができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、管理対象物品の管理状態を容易に知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、本発明の無線タグ及び無線タグ情報読み取り装置を例えば図書館における書籍の貸し出し管理システムに適用した例である。
【0044】
本実施形態の図書館においては、利用者は図書館に入室する際に利用者固有の識別情報(UID)を記憶保持する無線タグ回路素子To(人物用無線タグ回路素子)を有するタグラベルTMを身に着ける。このタグラベルTMのUIDと利用者の人物情報(氏名、連絡先等)とは、例えば利用者が図書館に入室する際に関連付けられてデータベースに登録される。これにより、スキャナがタグラベルTMのUIDによって上記データベースに問い合わせを行うことで、利用者の人物情報を読み込めるようになっている。なお、上記タグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子Toに人物情報を直接記憶させるようにしてもよい。
【0045】
また図書館内の各書籍Bには、当該書籍固有の属性情報(書籍タイトルや著者名等)が書き込まれた無線タグ回路素子To(物品用無線タグ回路素子)を有するタグラベルTB(無線タグ)が設けられている。このタグラベルTBの無線タグ回路素子Toは、管理対象物品である書籍Bの管理状態(貸借状態)を管理するための管理状態情報(貸借情報)を有しており、本実施形態では、書籍Bが図書館に受け入れ後データベースDB(後述)に登録されていない状態(以下「未登録状態」)と、データベースDBに登録後利用者への貸出を待っている状態(以下「未貸出状態」)と、利用者への貸出後返却を待っている状態(以下「未返却状態」)との各状態において、上記管理状態情報が各状態に対応する情報に更新されるようになっている。これら管理状態情報の更新は、リーダ/ライタの機能を有するスキャナ200によって行われる。
【0046】
図1は、上記図書館において、人物M(この場合は図書館員)が書籍BをデータベースDBに登録する際、又は人物M(この場合は図書館の利用者)が書籍Bを借りる(又は返却する)ときの様子を示す図である。なお、この図では人物MがタグラベルTMを身に着けた場合を示しているが、書籍BをデータベースDBに登録する際には必ずしも人物M(この場合は図書館員)はタグラベルTMを身に着ける必要はない。
【0047】
この図1において、スキャナ200(無線タグ情報読み取り装置)は図書館の受付等に設置された定置型(又は携帯型でもよい)のスキャナであり、無線タグ回路素子Toより読み込んだ情報の内容や各種メニュー画面等の表示を行う表示部205と、人物Mが操作入力を行うための操作部204とを備えている。人物M(この場合は図書館員)が書籍BをデータベースDBに登録する際には、登録したい書籍Bをスキャナ200に近づけることにより、スキャナ200がタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toの無線タグ情報を読み取り、登録処理(後述の図7参照)を開始する。この登録処理においては、読み取った無線タグ情報のうちのUID及び書籍Bの属性情報が、通信回線NWを経てサーバ300のデータベースDBに送られ登録される。またこのとき、無線タグ回路素子To中の管理状態情報が、未登録状態に対応する情報から未貸出状態に対応する情報に更新される。
【0048】
一方、人物M(この場合は図書館利用者)が書籍Bを借りる際には、上記と同様に書籍Bをスキャナ200に近づけることにより、スキャナ200がタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toの無線タグ情報を読み取り、貸出処理(後述の図8参照)を開始する。この貸出処理においては、スキャナ200により人物MのタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子Toの無線タグ情報についても読み取りが行われ、人物Mと書籍BのUIDが関連付けられてデータベースDBに送られ登録される。またこのとき、無線タグ回路素子To中の管理状態情報が、未貸出状態に対応する情報から未返却状態に対応する情報に更新される。
【0049】
さらに、人物M(この場合は図書館利用者)が書籍Bを返却する際には、上記と同様に書籍Bをスキャナ200に近づけることにより、スキャナ200がタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toの無線タグ情報を読み取り、返却処理(後述の図9参照)を開始する。この返却処理においては、スキャナ200により人物MのタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子Toの無線タグ情報についても読み取りが行われ、貸出人物と返却人物との照合等が行われる。またこのとき、無線タグ回路素子To中の管理状態情報が、未返却状態に対応する情報から再び未貸出状態に対応する情報に更新される。
【0050】
図2は、本実施形態のスキャナ200を有する無線タグ情報通信システム1の全体構成を表すシステム構成図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0051】
図2において、無線タグ情報通信システム1は、タグラベルTB,TMに備えられた無線タグ回路素子Toの情報にアクセスするスキャナ200と、このスキャナ200と無線(あるいは有線でもよい)による通信回線NWを介し接続されデータベースDBを備えたサーバ300とを有している。
【0052】
スキャナ200は、タグラベルTB及びタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子Toのアンテナ151との間で無線通信により信号の授受を行うアンテナ210(通信手段)と、このアンテナ210を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150へ無線通信によりアクセスし、その無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理する高周波回路201と、通信回線NWを介しサーバ300のデータベースDBと通信を行うためのインタフェース制御部203と、操作入力を行うための操作部204と、各種メニュー画面等の表示を行う表示部205と、上記高周波回路201、インターフェース制御部203、操作部204及び表示部205と接続されそれらの制御を行う制御回路202とを有する。
【0053】
図3は、上記制御回路202の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【0054】
図3において、制御回路202は、いわゆるマイクロコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU202A、ROM202B、RAM202C、高周波回路201との信号送受を行う回路制御部202D等から構成され、RAM202Cの一時記憶機能を利用しつつROM202Bに予め記憶されたプログラムに従って所定の処理手順(例えば後述の図6〜図9に示す処理手順)を行うようになっている。またこの制御回路202は、インターフェース制御部203を介し通信回線NW(前述の図1及び図2参照)に接続されており、この通信回線206に接続された前述のサーバ300や、さらに他の端末、コンピュータ、及びサーバ等との間で情報のやりとりが可能となっている。また、不揮発性メモリ(Flash ROM)202Eを備えていてもよい。なお、前述のサーバ300についてもCPU、ROM、及びRAM等を備えている。
【0055】
図4は、上記タグラベルTM及びタグラベルTBに備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を表すブロック図である。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0056】
図4において、無線タグ回路素子Toは、上記スキャナ200のアンテナ10と短波帯(例えば13.56MHz)、UHF帯、又はマイクロ波帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行うアンテナ151(タグ側アンテナ)と、このアンテナ151に接続されたIC回路部150とを有している。
【0057】
IC回路部150は、アンテナ151により受信された搬送波を整流する整流部152と、この整流部152により整流された搬送波のエネルギを蓄積しIC回路部150の駆動電源とするための電源部153と、上記アンテナ151により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部(後述)157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部155と、上記アンテナ151に接続された変復調部156と、上記整流部152、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための制御部157とを備えている。
【0058】
変復調部156は、アンテナ151により受信された上記スキャナ200のアンテナ10からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部157からの返信信号に基づき、上記アンテナ10より受信された搬送波を変調反射する。
【0059】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部156により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0060】
図5は、上記タグラベルTBの無線タグ回路素子ToのIC回路部150の上記メモリ部155のデータ構成の一例を表す図である。
【0061】
この図5に示す例では、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の上記メモリ部155に記憶されるデータは、タグ固有の識別情報であるUID(タグ識別情報)と、書籍のタイトルやその著者名等を有する属性情報(対象物情報)と、書籍Bの管理状態(本実施形態では前述した未登録状態、未貸出状態、及び未返却状態)を管理するための管理状態情報と、その他の情報とを有している。その他の情報は、後述する貸出処理(図8参照)において書き込まれる人物Mの無線タグ回路素子ToのUID及び書籍Bの返却予定日情報(貸借態様情報)等から構成されている。
【0062】
図6は、上記制御回路202が実行する制御手順を表すフローチャートである。なおこのフローは、スキャナ200の通信範囲内において新規に書籍B(タグラベルTB)が検出された際に開始される。
【0063】
まずステップS10では、高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部150から無線タグ情報の読み取りを行うための読み取り信号を送信アンテナ210を介して送信させる。なお、この読み取り信号はスキャナ200の周囲(例えば前方)に向かって送信される。そして、上記読み取り信号に対応し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toから受信されたリプライ信号に基づき無線タグ情報を取得する。
【0064】
次のステップS20では、上記ステップS10で取得した無線タグ情報中の管理状態情報に基づき、書籍Bの管理状態を判定する。書籍Bの管理状態が前述した未登録状態である場合には、ステップS100に移り、書籍Bの属性情報をデータベースDBに登録する登録処理を行う(詳細は後述の図7参照)。また、書籍Bの管理状態が前述した未貸出状態である場合には、ステップS200に移り、書籍Bの貸出処理を行う(詳細は後述の図8参照)。また、書籍Bの管理状態が前述した未返却状態である場合には、ステップS300に移り、書籍Bの返却処理を行う(詳細は後述の図9参照)。その後、本フローを終了する。
【0065】
図7は上記ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【0066】
まずステップS110において、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bが未登録である旨を示す表示(例えば「この本は未登録です」)を表示部205に行わせる。
【0067】
次のステップS120では、表示部205に制御信号を出力し、登録処理の開始を示す表示(例えば「登録処理」)を表示部205に行わせる。
【0068】
次のステップS130では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bをサーバ300のデータベースDBに登録するか否かを人物M(この場合は図書館員)に対し確認する表示(例えば「登録しますか?Yes/No」)を表示部205に行わせる。
【0069】
次のステップS140では、人物M(この場合は図書館員)が書籍Bの登録指示を入力したか否かを判定する。この判定は、操作部204から登録指示に対応する指示信号が入力されたか否かを検出することにより行う。登録指示が入力されていない場合には、後述のステップS180に移る。一方、登録指示が入力されている場合には、判定が満たされて次のステップS150に移る。
【0070】
次のステップS150では、先のステップS10(図6参照)で取得した無線タグ情報中のUID及び書籍Bの属性情報を、通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに送信し登録する。
【0071】
次のステップS160では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの登録が完了した旨を表す表示(例えば「この本を登録しました。属性情報は・・・」)を表示部205に行わせる。
【0072】
次のステップS170では、高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toに記憶される管理状態情報を消去するとともに新たな管理状態情報を書き込む(すなわち管理状態情報を更新する)ための書き込み信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、無線タグ回路素子To中の管理状態情報は、未登録状態に対応する情報から未貸出状態に対応する情報に更新される。
【0073】
次のステップS180では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの登録処理を終了する旨を表す表示(例えば「登録処理を終了します」)を表示部205に行わせる。そして、本ルーチンを終了する。
【0074】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS160とステップS170とを入れ替える等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0075】
図8は上記ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【0076】
まずステップS205において、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bが登録済みである旨を示す表示(例えば「この本は登録済みです。属性情報は・・・」)を表示部205に行わせる。なお、属性情報は前述のステップS10(図6参照)で取得している。
【0077】
次のステップS210では、表示部205に制御信号を出力し、貸出処理の開始を示す表示(例えば「貸出処理」)を表示部205に行わせる。
【0078】
次のステップS215では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bを借りるか否かを人物M(この場合は図書館の利用者)に対し確認する表示(例えば「借りますか?Yes/No」)を表示部205に行わせる。
【0079】
次のステップS220では、人物M(この場合は利用者)が書籍Bを借りる旨の指示入力を行ったか否かを判定する。この判定は、操作部204から借りる旨の指示信号が入力されたか否かを検出することにより行う。指示入力されていない場合には、後述のステップS265に移る。一方、指示入力されている場合には、判定が満たされて次のステップS225に移る。
【0080】
ステップS225では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの借り手である人物Mが身に着けているタグラベルTMの無線タグ回路素子Toに記憶された無線タグ情報を読み取ることを示す表示(例えば「借り手のタグを読みます」)を表示部205に行わせる。これにより、人物Mに対し身に着けたタグラベルTMをスキャナ200に近づけるように促す。
【0081】
ステップS230では、高周波回路201に制御信号を送信し、人物MのタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部150から無線タグ情報の読み取りを行うための読み取り信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、上記読み取り信号に対応し、人物MのタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子Toから無線タグ情報が受信される。
【0082】
次のステップS235では、高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部150に、上記ステップS230で受信した無線タグ情報中のUIDを書き込むための書き込み信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、書籍Bの無線タグ回路素子Toに人物Mの無線タグ回路素子ToのUIDが書き込まれる。
【0083】
次のステップS240では、上記ステップS230で受信した人物MのUIDと先のステップS10(図6参照)で受信した書籍BのUIDとを、通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに送信し、人物Mに対し書籍Bを貸し出した旨を登録する。
【0084】
次のステップS245では、スキャナ200中にある図示しない時計手段から日付(本貸出処理を行っている日付)情報を取得し、この日付情報を通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに送信する。
【0085】
次のステップS250では、上記日付情報に対応してサーバ300のデータベースDBから送信される返却予定日情報を受信する。なお、サーバ300は受信した日付に対して予め設定された日数を加えて返却予定日を計算する機能を有している。
【0086】
次のステップS255では、高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部150に、上記ステップS250で受信した返却予定日情報を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、書籍Bの無線タグ回路素子Toに書籍Bの返却予定日が書き込まれる。
【0087】
次のステップS260では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの貸し出しが完了した旨を表す表示(例えば「この本を貸し出しました。返却予定日は・・・」)を表示部205に行わせる。
【0088】
次のステップS265では、高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toに記憶される管理状態情報を消去するとともに新たな管理状態情報を書き込む(すなわち管理状態情報を更新する)ための書き込み信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、無線タグ回路素子To中の管理状態情報は、未貸出状態に対応する情報から未返却状態に対応する情報に更新される。
【0089】
次のステップS270では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの貸出処理を終了する旨を表す表示(例えば「貸出処理を終了します」)を表示部205に行わせる。そして、本ルーチンを終了する。
【0090】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS235とステップS240とを入れ替える等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0091】
図9は上記ステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
【0092】
まずステップS305において、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bが貸出済みである旨を示す表示(例えば「この本は貸し出し中です。返却予定日は・・・」)を表示部205に行わせる。なお、返却予定日情報は前述のステップS10(図6参照)で取得している。
【0093】
次のステップS310では、表示部205に制御信号を出力し、返却処理の開始を示す表示(例えば「返却処理」)を表示部205に行わせる。
【0094】
次のステップS315では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bを返却するか否かを人物M(この場合は図書館の利用者)に対し確認する表示(例えば「返却しますか?Yes/No」)を表示部205に行わせる。
【0095】
次のステップS320では、人物M(この場合は利用者)が書籍Bを返却する旨の指示入力を行ったか否かを判定する。この判定は、操作部204から返却する旨の指示信号が入力されたか否かを検出することにより行う。指示入力されていない場合には、後述のステップS360に移る。一方、指示入力されている場合には、判定が満たされて次のステップS325に移る。
【0096】
ステップS325では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの借り手である人物Mが身に着けているタグラベルTMの無線タグ回路素子Toに記憶された無線タグ情報を読み取ることを示す表示(例えば「借り手のタグを読みます」)を表示部205に行わせる。これにより、人物Mに対し身に着けたタグラベルTMをスキャナ200に近づけるように促す。
【0097】
ステップS330では、高周波回路201に制御信号を送信し、人物MのタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部150から無線タグ情報の読み取りを行うための読み取り信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、上記読み取り信号に対応し、人物MのタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子Toから無線タグ情報が受信される。
【0098】
ステップS335では、上記ステップS330で受信した無線タグ情報中のUIDと、前述のステップS10(図6参照)で取得した書籍Bの無線タグ回路素子Toの無線タグ情報中の人物UID(図8中ステップS235参照)とを比較し、両者が一致するか否かを判定する。一致しない場合には、ステップS340に移り、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの貸し出しを行った人物と返却する人物とが一致しない旨を示す表示(例えば「借り手が一致しません」)を表示部205に行わせる。そして、後述のステップS360に移る。一方、一致する場合には、次のステップS345に移る。
【0099】
ステップS345では、先のステップS10で受信した書籍BのUIDを、通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに送信し、書籍Bが返却された旨を登録する。
【0100】
次のステップS350では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの返却が完了した旨を表す表示(例えば「この本を返却しました」)を表示部205に行わせる。
【0101】
次のステップS355では、高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toに記憶される管理状態情報を消去するとともに新たな管理状態情報を書き込む(すなわち管理状態情報を更新する)ための書き込み信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、無線タグ回路素子To中の管理状態情報は、未返却状態に対応する情報から再び未貸出状態に対応する情報に更新される。
【0102】
次のステップS360では、表示部205に制御信号を出力し、書籍Bの返却処理を終了する旨を表す表示(例えば「返却処理を終了します」)を表示部205に行わせる。そして、本ルーチンを終了する。
【0103】
なお、上記フローは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、例えば上記ステップS350とステップS355とを入れ替える等、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順を変更してもよい。
【0104】
上記実施形態においては、管理対象である書籍BのタグラベルTBの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に、UID、書籍Bの属性情報に加え、書籍Bの貸借状態を表す管理状態情報が記憶保持されている。これにより、人物Mがスキャナ200で情報読み取りを行い上記管理状態情報を取得するだけで、さらに外部サーバのデータベースへのアクセス等を行わなくても、当該書籍Bの貸借状態を容易に知ることができる。
【0105】
また、本実施形態では特に、書籍BのタグラベルTBの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に、書籍Bを借受ける人物Mの所持するタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子ToのUIDを記憶させる。これにより、人物Mが書籍Bを返却する際にスキャナ200で情報読み取りを行ったとき、書籍Bの無線タグ回路素子Toから読み取った人物MのUIDと、人物Mが所持する無線タグ回路素子ToのUIDとの整合性を判定することができる。この結果、整合する場合にのみ書籍Bの返却処理を行う等、判定結果に基づく種々の処理を行うことができ、利便性を向上することができる。
【0106】
また、本実施形態では特に、書籍BのタグラベルTBの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に返却予定日情報を記憶させる。これにより、書籍Bを借り受けた人物Mがスキャナ200で情報読み取りを行ったとき、返却予定日を表示させる等の貸出期限に関する詳細な貸出管理を併せて行うことができ、さらに利便性が向上する。
【0107】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、その趣旨と技術思想の範囲を逸脱しない範囲で更に種々の変形が可能である。以下その変形例を説明する。
【0108】
(1)タグ側にスキャナの処理手順に関する情報を記憶させる場合
上記実施形態においては、スキャナ200の制御回路202が、RAM202Cの一時記憶機能を利用しつつROM202Bに予め記憶されたプログラムに従って前述の図6〜図9に示す処理手順を行うように構成したが、これに限られず、無線タグ回路素子To側にスキャナ200の処理手順を指示する指示情報を記憶させておき、スキャナ200が無線通信により読み取ったそれらの指示情報に基づいて処理手順を行うようにしてもよい。
【0109】
本変形例における無線タグ情報通信システム1及びスキャナ200等の構成は、前述の実施形態の図1〜図3に示す構成と同様であるので説明を省略する。
【0110】
図10は、本変形例におけるスキャナ200の制御回路202’(図示せず)が実行する制御手順を表すフローチャートである。なおこのフローは、スキャナ200の通信範囲内において新規に書籍B(タグラベルTB)が検出された際に開始される。
【0111】
まずステップS410では、高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部150から無線タグ情報の読み取りを行うための読み取り信号を送信アンテナ210を介して送信さし、この読み取り信号に対応して書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toから受信されたリプライ信号に基づき無線タグ情報を取得する。なお、無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155は、一連の処理手順からなる処理メニューが複数のページアドレス(格納領域)に分けて格納されるように構成されているが(後述の図11参照)、本ステップでは各ページアドレスごとに処理手順に関する情報を取得するようになっている。また、最初の情報読み取り時には0ページの情報を取得する。
【0112】
次のステップS420では、上記ステップS410で取得した無線タグ情報中の命令情報(後述の図11参照)にしたがって命令を実行する。なお、上記ステップS410で0ページの情報を取得した際には、後述の図11に示すように命令情報がないが、データ情報(この場合にはUID)の取得を行うようになっている。
【0113】
次のステップS430では、上記ステップS410で取得した無線タグ情報中に指標情報(後述の図11参照)が存在するか否かを判定する。この指標情報とは、次の処理手順に関する情報が格納されたページアドレスを示す情報である。指標情報がある場合には先のステップS410に戻り、当該指標情報が示すページアドレスの無線タグ情報の読み取りを行う。一方、指標情報がない場合には、本フローを終了する。
【0114】
なお、上記において、制御回路202’によって実行されるステップS410の手順は、特許請求の範囲各項記載の通信手段を介し物品用無線タグ回路素子のIC回路部に記憶された情報を取得するための情報取得手段を構成し、ステップS420の手順は、情報取得手段での情報取得結果に応じて、処理メニューを実行するメニュー処理手段を構成するとともに、情報取得手段での情報取得結果に応じて、表示メニューを表示する表示信号を出力する表示処理手段を構成する。
【0115】
図11は、本変形例におけるタグラベルTBの無線タグ回路素子ToのIC回路部150のメモリ部155のデータ構成の一例を表す図である。
【0116】
この図11において、メモリ部155は一連の処理手順からなる処理メニューが複数のページアドレス(格納領域)に分けて格納されるように構成されており、各ページアドレスには対応する処理手順に関する情報(指示情報)がそれぞれ格納されている。各処理手順に関する情報は、スキャナ200に所定の命令を実行させる命令情報と、UID、書籍Bの属性データ、スキャナ200の表示部205に表示させる表示データ等のデータ自体であるデータ情報と、次の処理手順に関する情報が格納されたページアドレスを示す指標情報(リンク指標)とから構成されている。
【0117】
以下、各ページアドレスの内容について、スキャナ200の動作とあわせて説明する。
【0118】
0ページには、データ情報として書籍Bの無線タグ回路素子ToのUID、及び指標情報として「2」が格納されている。この0ページの指標情報は書籍Bの管理状態(貸借状態)に応じて書き換えられるものであり、書籍Bが未登録状態である場合には「2」、未貸出状態である場合には「12」、未返却状態である場合には「27」が書き込まれる。そして、指標情報が「2」である場合には、その後スキャナ200で2〜11ページの処理手順から構成される「登録処理」が行われることとなる。また、指標情報が「12」である場合には、その後スキャナ200で12〜26ページの処理手順から構成される「貸出処理」が行われることとなる。さらに、指標情報が「27」である場合には、その後スキャナ200で27〜38ページの処理手順から構成される「返却処理」が行われることとなる。すなわち、この0ページの指標情報は、管理対象物品である書籍Bの管理状態(貸借状態)を管理するための管理状態情報(貸借情報)に相当するものである。
【0119】
まず、スキャナ200によって未登録状態である書籍Bの無線タグ回路素子Toの情報読み取りが行われた場合について説明する。この場合には、0ページの指標情報が「2」となっているため、0ページの次に2ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0120】
2ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「この本は未登録です」の表示データ、及び指標情報として「3」が格納されている。上記命令情報「DD」はスキャナ200にデータ情報を表示するように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に表示信号を出力して上記表示データ「この本は未登録です」の表示を行わせる。そして、指標情報が「3」となっているため次に3ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0121】
3ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「登録処理」の表示データ、及び指標情報として「4」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「登録処理」の表示を行わせる。そして、指標情報が「4」となっているため次に4ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0122】
4ページには、命令情報として「DQ」、データ情報として「登録しますか?Yes/No」の表示データ、及び指標情報として「5」及び「11」が格納されている。上記命令情報「DQ」はスキャナ200にデータ情報を表示してYes/Noを問うように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「登録しますか?Yes/No」の表示を行わせ、人物Mによる登録指示入力の有無の判定を行う。そして、Yes(登録する)の指示入力があった場合には指標情報が「5」が選択され、次に5ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。一方、No(登録しない)の指示入力があった場合には指標情報が「11」が選択され、後述する11ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0123】
5ページには、命令情報として「SD」、データ情報としてサーバ300のデータベースDBにデータ登録を要求するための登録要求データ、及び指標情報として「6」が格納されている。上記命令情報「SD」はスキャナ200に対しデータ情報をデータベースDBに送信するように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに上記登録要求データ送信する。そして、指標情報が「6」となっているため次に6ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0124】
6ページには、命令情報として「SI」、データ情報として「0」のページアドレスデータ、及び指標情報として「7」が格納されている。上記命令情報「SI」はスキャナ200に対しデータ情報に示すページアドレスのデータをデータベースDBに送信するように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに0ページのデータ情報であるUIDを送信する。そして、指標情報が「7」となっているため次に7ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0125】
7ページには、命令情報として「SI」、データ情報として「1」のページアドレスデータ、及び指標情報として「8」が格納されている。上記命令情報を受けたスキャナ200の制御回路202’は通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに1ページのデータ情報である書籍Bの属性情報を送信する。そして、指標情報が「8」となっているため次に8ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0126】
8ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「この本を登録しました。属性情報は」の表示データ、及び指標情報として「9」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「この本を登録しました。属性情報は」の表示を行わせる。そして、指標情報が「9」となっているため次に9ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0127】
9ページには、命令情報として「DI」、データ情報として「1」のページアドレスデータ、及び指標情報として「10」が格納されている。上記命令情報「DI」はスキャナ200にデータ情報に示すページアドレスのデータを表示するように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に1ページのデータ情報である書籍Bの属性情報の表示を行わせる。そして、指標情報が「10」となっているため次に10ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0128】
10ページには、命令情報として「WZ」、データ情報として「12」の指標データ、及び指標情報として「11」が格納されている。上記命令情報「WZ」はスキャナ200に対し、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部155の0ページの指標データをデータ情報に示す値に書き換えるように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toに書き込み信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、0ページの指標データが「2」から「12」に更新される。そして、指標情報が「11」となっているため次に11ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0129】
11ページには、命令情報として「DD」、及びデータ情報として「登録処理を終了します」の表示データが格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「登録処理を終了します」の表示を行わせる。そして、本11ページには指標情報が格納されていないため、前述の図10に示すステップS430の判定が満たされず、処理を終了する。
【0130】
以上の2〜11ページの処理手順をスキャナ200の制御回路202’が実行することにより、前述の図7に示す「登録処理」と同様の処理手順が行われることとなる。
【0131】
次に、スキャナ200によって未貸出状態である書籍Bの無線タグ回路素子Toの情報読み取りが行われた場合について説明する。この場合には、0ページの指標情報が「12」となっているため、0ページの次に12ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0132】
12ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「この本は登録済みです。属性情報は」の表示データ、及び指標情報として「13」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「この本は登録済みです。属性情報は」の表示を行わせる。そして、指標情報が「13」となっているため次に13ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0133】
13ページには、命令情報として「DI」、データ情報として「1」のページアドレスデータ、及び指標情報として「14」が格納されている。上記命令情報「DI」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に1ページのデータ情報である書籍Bの属性情報の表示を行わせる。そして、指標情報が「14」となっているため次に14ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0134】
14ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「貸出処理」の表示データ、及び指標情報として「15」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「貸出処理」の表示を行わせる。そして、指標情報が「15」となっているため次に15ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0135】
15ページには、命令情報として「DQ」、データ情報として「借りますか?Yes/No」の表示データ、及び指標情報として「16」及び「26」が格納されている。上記命令情報「DQ」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「借りますか?Yes/No」の表示を行わせ、人物Mによる借用指示入力の有無の判定を行う。そして、Yes(借りる)の指示入力があった場合には指標情報が「16」が選択され、次に16ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。一方、No(借りない)の指示入力があった場合には指標情報が「26」が選択され、後述する26ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0136】
16ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「借り手のタグを読みます」の表示データ、及び指標情報として「17」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「借り手のタグを読みます」の表示を行わせる。そして、指標情報が「17」となっているため次に17ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0137】
17ページには、命令情報として「RW」、及び指標情報として「18」が格納されている。上記命令情報「RW」はスキャナ200に対し、人物MのタグラベルTMの無線タグ回路素子Toの無線タグ情報(UID)を読み取り書籍Bの無線タグ回路素子Toにデータ情報として書き込むように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は高周波回路201に制御信号を送信し、人物Mの無線タグ回路素子Toに対し読み取り信号を送信してUIDの読み取りを行うとともに、書籍Bの無線タグ回路素子Toに対し書き込み信号を送信し、当該17ページのデータ情報として上記読み取ったUIDの書き込みを行う。そして、指標情報が「18」となっているため次に18ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0138】
18ページには、命令情報として「SD」、データ情報としてサーバ300のデータベースDBに貸出登録を要求するための貸出要求データ、及び指標情報として「19」が格納されている。上記命令情報「SD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに上記貸出要求データ送信する。そして、指標情報が「19」となっているため次に19ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0139】
19ページには、命令情報として「SI」、データ情報として「0」のページアドレスデータ、及び指標情報として「20」が格納されている。上記命令情報「SI」を受けたスキャナ200の制御回路202’は通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに0ページのデータ情報であるUIDを送信する。そして、指標情報が「20」となっているため次に20ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0140】
20ページには、命令情報として「SI」、データ情報として「17」のページアドレスデータ、及び指標情報として「21」が格納されている。上記命令情報「SI」を受けたスキャナ200の制御回路202’は通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに17ページのデータ情報である人物MのUIDを送信する。そして、指標情報が「21」となっているため次に21ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0141】
21ページには、命令情報として「RD」、データ情報として書籍Bの貸出日を表す日付データのデータベースDBへの送信を要求するための要求データ、及び指標情報として「22」が格納されている。上記命令情報「RD」はスキャナ200に対し日付データをデータベースDBへ送信するように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は図示しない時計手段より日付データを取得して通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに上記日付データ送信する。そして、指標情報が「22」となっているため次に22ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0142】
22ページには、命令情報として「SW」、及び指標情報として「23」が格納されている。上記命令情報「SW」はスキャナ200に対しデータベースDBから返信された返却予定日情報を書籍Bの無線タグ回路素子Toに書き込むように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は高周波回路201に制御信号を送信し、書籍Bの無線タグ回路素子Toに対し書き込み信号を送信して、当該22ページのデータ情報として上記返却予定日情報の書き込みを行う。そして、指標情報が「23」となっているため次に23ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0143】
23ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「この本を貸し出しました。返却予定日は」の表示データ、及び指標情報として「24」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「この本を貸し出しました。返却予定日は」の表示を行わせる。そして、指標情報が「24」となっているため次に24ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0144】
24ページには、命令情報として「DI」、データ情報として「22」のページアドレスデータ、及び指標情報として「25」が格納されている。上記命令情報「DI」はスキャナ200にデータ情報に示すページアドレスのデータを表示するように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に22ページのデータ情報である書籍Bの返却予定日情報の表示を行わせる。そして、指標情報が「25」となっているため次に25ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0145】
25ページには、命令情報として「WZ」、データ情報として「27」の指標データ、及び指標情報として「26」が格納されている。上記命令情報「WZ」はスキャナ200に対し、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部155の0ページの指標データをデータ情報に示す値に書き換えるように命令する情報であり、これを受けたスキャナ200の制御回路202’は高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toに書き込み信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、0ページの指標データが「12」から「27」に更新される。そして、指標情報が「26」となっているため次に26ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0146】
26ページには、命令情報として「DD」、及びデータ情報として「貸出処理を終了します」の表示データが格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「貸出処理を終了します」の表示を行わせる。そして、本26ページには指標情報が格納されていないため、前述の図10に示すステップS430の判定が満たされず、処理を終了する。
【0147】
以上の12〜26ページの処理手順をスキャナ200の制御回路202’が実行することにより、前述の図8に示す「貸出処理」と同様の処理手順が行われることとなる。
【0148】
次に、スキャナ200によって未返却状態である書籍Bの無線タグ回路素子Toの情報読み取りが行われた場合について説明する。この場合には、0ページの指標情報が「27」となっているため、0ページの次に27ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0149】
27ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「この本は貸出中です。返却予定日は」の表示データ、及び指標情報として「28」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「この本は貸出中です。返却予定日は」の表示を行わせる。そして、指標情報が「28」となっているため次に28ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0150】
28ページには、命令情報として「DI」、データ情報として「22」のページアドレスデータ、及び指標情報として「29」が格納されている。上記命令情報「DI」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に22ページのデータ情報である書籍Bの返却予定日情報の表示を行わせる。そして、指標情報が「29」となっているため次に29ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0151】
29ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「返却処理」の表示データ、及び指標情報として「30」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「返却処理」の表示を行わせる。そして、指標情報が「30」となっているため次に30ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0152】
30ページには、命令情報として「DQ」、データ情報として「返却しますか?Yes/No」の表示データ、及び指標情報として「31」及び「38」が格納されている。上記命令情報「DQ」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「返却しますか?Yes/No」の表示を行わせ、人物Mによる返却指示入力の有無の判定を行う。そして、Yes(返却する)の指示入力があった場合には指標情報が「31」が選択され、次に31ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。一方、No(返却しない)の指示入力があった場合には指標情報が「38」が選択され、後述する38ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0153】
31ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「借り手のタグを読みます」の表示データ、及び指標情報として「32」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「借り手のタグを読みます」の表示を行わせる。そして、指標情報が「32」となっているため次に32ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0154】
32ページには、命令情報として「RC」、データ情報として「17」のページアドレスデータ、及び指標情報として「33」が格納されている。上記命令情報「RC」はスキャナ200に対し、人物Mの無線タグ回路素子ToのUIDを読み取り、この読み取ったUIDと本ページのデータ情報が示すページのUIDとを比較照合するように命令する情報である。これを受けたスキャナ200の制御回路202’は、高周波回路201に制御信号を送信し、人物Mの無線タグ回路素子Toに対し読み取り信号を送信してUIDの読み取りを行い、この読み取ったUIDと17ページにデータ情報として書き込まれたUIDとを比較照合する。この結果、両者が一致した場合には指標情報が「33」が選択され、次に33ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。一方、両者が一致しない場合には指標情報が「38」が選択され、後述の38ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0155】
33ページには、命令情報として「SD」、データ情報としてサーバ300のデータベースDBに返却登録を要求するための返却要求データ、及び指標情報として「34」が格納されている。上記命令情報「SD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに上記返却要求データ送信する。そして、指標情報が「34」となっているため次に34ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0156】
34ページには、命令情報として「SI」、データ情報として「0」のページアドレスデータ、及び指標情報として「35」が格納されている。上記命令情報「SI」を受けたスキャナ200の制御回路202’は通信回線NWを介してサーバ300のデータベースDBに0ページのデータ情報であるUIDを送信する。そして、指標情報が「35」となっているため次に35ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0157】
35ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「この本を返却しました」の表示データ、及び指標情報として「36」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「この本を返却しました」の表示を行わせる。そして、指標情報が「36」となっているため次に36ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0158】
36ページには、命令情報として「WZ」、データ情報として「12」の指標データ、及び指標情報として「38」が格納されている。上記命令情報「WZ」を受けたスキャナ200の制御回路202’は高周波回路201に制御信号を送信し、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toに書き込み信号を送信アンテナ210を介して送信させる。これにより、0ページの指標データが「27」から「12」に更新される。そして、指標情報が「38」となっているため次に38ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0159】
なお、37ページには、命令情報として「DD」、データ情報として「借り手が一致しません」の表示データ、及び指標情報として「38」が格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「借り手が一致しません」の表示を行わせる。そして、指標情報が「38」となっているため次に38ページの処理手順に関する情報の読み取りが行われる。
【0160】
38ページには、命令情報として「DD」、及びデータ情報として「返却処理を終了します」の表示データが格納されている。上記命令情報「DD」を受けたスキャナ200の制御回路202’は表示部205に上記表示データ「返却処理を終了します」の表示を行わせる。そして、本38ページには指標情報が格納されていないため、前述の図10に示すステップS430の判定が満たされず、処理を終了する。
【0161】
以上の27〜38ページの処理手順をスキャナ200の制御回路202’が実行することにより、前述の図9に示す「返却処理」と同様の処理手順が行われることとなる。
【0162】
以上において、上記命令情報「DD」「DQ」「DI」は、特許請求の範囲各項記載の表示処理情報に相当する。
【0163】
以上説明した変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を奏するとともに、さらに以下の効果を得ることができる。
【0164】
すなわち、上記変形例においては、書籍BのタグラベルTBの情報読み取り後に実行すべき処理メニュー(登録処理、貸出処理、返却処理)の指示情報(処理手順に関する情報)が、無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持されていることにより、人物Mがスキャナ200で書籍Bの情報読み取りを行ったとき、取得された指示情報に沿った処理メニューが自動的に実行される。これにより、前述した実施形態のようにスキャナが上記処理メニューを行う機能(プログラム)を有する必要が無く、無線タグ回路素子Toの0ページの情報を読み取り命令を実行するだけの簡易な機能のスキャナを用いることができる。その結果、図書館から書籍Bを借りた人物Bが家庭に所持する簡易的な機能のスキャナによっても上記処理メニューを実行させることが可能となり、例えばそのスキャナに未返却状態の書籍Bをかざすことにより、返却処理が実行されて返却予定日を確認するといったことが可能となる。
【0165】
また、本変形例では特に、書籍BのタグラベルTBの情報読み取り後に実行すべき処理メニューの指示情報が無線タグ回路素子ToのIC回路部150に記憶保持されていることにより、人物Mがスキャナ200で書籍Bの情報読み取りを行ったとき、取得された指示情報に沿った処理メニューが自動的に実行される。この結果、管理対象物品である書籍Bの管理状態(貸借状態)に対応した適正な処理を実行することができる。
【0166】
また、本変形例では特に、書籍BのタグラベルTBの無線タグ回路素子ToのIC回路部150に、一連の処理手順からなる処理メニューを指示するための複数の指示情報を、処理順序に沿うように互いに関連づけて記憶保持させる。これにより、人物Mがスキャナ200で書籍Bの情報読み取りを行ったとき、複数の指示情報を所定の処理順序で円滑に実行し、一連の処理手順を完了することができる。
【0167】
また、本変形例では特に、書籍Bの無線タグ回路素子ToのIC回路部メモリ部155が、一連の処理手順からなる処理メニューが複数のページアドレスに分けて格納されるように構成されており、各指示情報が一連の処理手順に沿った次の処理手順を表す指示情報のページアドレスへの指標情報を含むように構成されている。これにより、人物Mがスキャナ200で書籍Bの情報読み取りを行ったとき、指標情報をたどりながら各ページアドレスの指示情報を順次読み取ることができる。この結果、複数の指示情報を所定の処理順序で円滑に実行し、一連の処理手順を完了することができる。
【0168】
また、本変形例では特に、各指示情報が人物Mによる操作部204からの操作入力に応じ切り替え指定される互いに異なる2つの指標情報を含むように構成されている。これにより、人物Mの操作に応じて異なるページアドレスへ移行することにより、人物Mがスキャナ200で書籍Bの情報読み取りを行ったとき、操作の内容に応じ異なる処理を実行することができる。
【0169】
また、本変形例では特に、各指示情報が無線タグ情報の読み取り結果に応じてスキャナ200により実行される表示メニューを指示するための表示処理情報を含むように構成されている。これにより、人物Mがスキャナ200で書籍Bの情報読み取りを行ったとき、取得された表示処理情報に沿った表示メニューが自動的に実行される。この結果、管理対象物品である書籍Bの管理状態(貸借状態)に対応した適正な表示メニューを表示することができる。
【0170】
(2)本タグ・人物タグの両方を読み取れた場合に貸出・返却処理を行う場合
上記実施形態では、書籍BのタグラベルTBの情報読み取りを行いその管理状態情報に応じて登録、貸出、返却処理を行うようにしたが、これに限られず、貸出、返却処理については図書館利用者である人物MのタグラベルTMの情報が読み取れた場合にのみ行うようにし、人物Mのタグ情報の読み取りができなかった場合には貸出、返却処理を行わないようにしてもよい。
【0171】
図12は、本変形例の制御回路202”(図示せず)が実行する制御手順を表すフローチャートであり、前述の図6に対応する図である。このフローにおいて、図6と同様の手順には同符号を付し、説明を省略する。
【0172】
ステップS10及びステップS20は前述の図6と同様であり、書籍BのタグラベルTBに備えられる無線タグ回路素子Toから無線タグ情報を取得し、取得した無線タグ情報中の管理状態情報の判定を行う。書籍Bの管理状態が未貸出状態である場合には、ステップS30に移り、人物MのタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子Toの無線タグ情報(UID)の読み取りを行う。そして次のステップS40で、上記無線タグ情報の読み取りが正常に完了したか否かの判定を行う。情報読み取りが正常に完了している場合には、ステップS200Aに移り貸出処理を行う。一方、情報読み取りが正常に完了していない場合には、貸出処理を行わずに本フローを終了する。
【0173】
また、上記ステップS20において書籍Bの管理状態が未返却状態である場合には、ステップS50に移り、人物MのタグラベルTMに備えられる無線タグ回路素子Toの無線タグ情報(UID)の読み取りを行う。そして次のステップS60で、上記無線タグ情報の読み取りが正常に完了したか否かの判定を行う。情報読み取りが正常に完了している場合には、ステップS300Aに移り返却処理を行う。一方、情報読み取りが正常に完了していない場合には、返却処理を行わずに本フローを終了する。
【0174】
なお、特に図面を用いて説明はしないが、本フローにおけるステップS200Aの貸出処理においては、先のステップS30において人物Mの無線タグ情報の読み取りをすでに行っているので、図8に示すフロー中のステップS225及びステップS230が省略された貸出処理が行われる。また、本フローにおけるステップS300の返却処理においても同様であり、図9に示すフロー中のステップS325及びステップS330が省略された返却処理が行われる。
【0175】
以上説明した変形例によれば、未貸出状態及び未返却状態の書籍Bに対し、人物Bの人物情報が正常に取得できた場合にのみ貸出処理及び返却処理を行うので、その人物の無線タグ情報(UIDや人物情報等)と書籍Bの無線タグ情報(UIDや属性情報等)とを関連づけ、正しく貸出管理及び返却処理を行うことが可能である。
【0176】
(3)その他
以上では特に説明しなかったが、例えば図書館のゲートにスキャナ200とは別のスキャナを設置しておき、未登録状態や未貸出状態の(貸出処理が行われていない)書籍Bがゲートを通過した場合に報知するようにしてもよい。これにより、適切な処理が行われていない書籍の持ち出し、窃盗等を防止することができる。
【0177】
また、例えば図書館の各書棚にスキャナ200とは別のスキャナを設置しておき、未登録状態や未返却状態(貸出中状態)の書籍Bが書棚に存在した場合に報知するようにしてもよい。これにより、適切に登録処理が行われていない書籍Bが書棚に陳列されたり、適切に返却処理が行われていない書籍Bが書棚に返却されたりすることを防止することができる。さらには、各書籍BのタグラベルTBに位置情報(書棚の番号等)を記憶保持するようにしておき、各書棚に設けたスキャナにより各書籍Bの位置情報を読み取り、その読み取った位置と当該書棚が一致しない場合に報知するようにしてもよい。これにより、貸し出しをしていない未貸出状態の書籍Bの位置管理を行うことができる。
【0178】
また、以上では登録処理において人物Mの無線タグ情報の読み取りを行わなかったが、これに限られず、登録処理においても人物M(ここでは図書館員)がタグラベルTMを身に着けるようにしておき、読み取った無線タグ情報(UID)を書籍BのタグラベルTBに書き込むようにしてもよい。これにより、各書籍Bの登録処理を誰が行ったかを管理することができ、書籍Bの管理をよりきめ細かに行うことができる。
【0179】
また、以上では貸出処理において借り手である人物Bの無線タグ情報の読み取りを行い書籍BのタグラベルTBに書き込むようにしたが、さらにその際に対応した図書館員の無線タグ情報をタグラベルTBに書き込むようにしてもよい。これにより、各書籍Bの貸出処理を誰が行ったかを管理することができ、書籍Bの管理をよりきめ細かに行うことができる。
【0180】
また、以上では返却時の人物と貸出時の人物とが一致した場合に返却処理を行う場合を一例として説明したが、これに限られない。すなわち、返却処理において書籍BのタグラベルTBに書き込まれた人物MのUIDを読み取ることにより、貸し出した人物が誰であるか把握できることから、人物の照合を行わずに返却処理を行うようにしてもよい。これにより、書籍Bのみ図書館に持って行けば正常に返却処理を行うことができるので、図書館利用者は例えば家族や知り合いに返却を依頼する等が可能となり、利用者の利便性を向上することができる。
【0181】
また、以上では特に記載しなかったが、例えばサーバ300の動作不調や、書籍Bが重なって読み取られなかった場合等、何らかの理由で各処理(登録処理、貸出処理、返却処理)においてデータベースDBへの登録が漏れてしまうことも考えられる。この場合には、書棚に本はあるのに未登録状態又は貸し出し状態のままといった事態が生じうる。このような事態に備え、各処理(登録処理、貸出処理、返却処理)において、書籍BのタグラベルTBの無線タグ回路素子ToにデータベースDBとの同期を確認したかどうかの情報(登録確認情報。例えばサーバ300からアンサーバック信号を受信した際に記録される)を書き込むようにしてもよい。これにより、スキャナ読み取り時に登録漏れの状態も検出可能となり、書籍Bの状態をさらに詳細に知ることができる。
【0182】
また、以上では、本発明の無線タグ及び無線タグ情報読み取り装置を図書館における書籍の貸し出し管理システムに適用した場合を一例として示したが、これ以外にも、例えばCDやDVDのレンタル店、事務用品のレンタル店、レンタカー等、様々な物品の貸し出し管理等に適用可能であり、さらには、人材派遣等における人材管理等にも適用することが可能である。
【0183】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0184】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】本発明の無線タグ及び無線タグ情報読み取り装置を備えた図書館において、人物が書籍をデータベースに登録する際、又は人物が書籍を借りる(又は返却する)ときの様子を示す図である。
【図2】本実施形態のスキャナを有する無線タグ情報通信システムの全体構成を表すシステム構成図である。
【図3】制御回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図4】タグラベルに備えられた無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表すブロック図である。
【図5】タグラベルの無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ部のデータ構成の一例を表す図である。
【図6】制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図7】ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【図8】ステップS200の詳細手順を表すフローチャートである。
【図9】ステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
【図10】タグ側にスキャナの処理手順に関する情報を記憶させる場合の変形例におけるスキャナの制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図11】タグ側にスキャナの処理手順に関する情報を記憶させる場合の変形例におけるタグラベルの無線タグ回路素子のIC回路部のメモリ部のデータ構成の一例を表す図である。
【図12】本タグ・人物タグの両方を読み取れた場合に貸出・返却処理を行う場合の変形例におけるスキャナの制御回路が実行する制御手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0186】
150 IC回路部
151 アンテナ(タグ側アンテナ)
200 スキャナ(無線タグ情報読み取り装置)
210 アンテナ(通信手段)
B 書籍(管理対象物品)
B タグラベル(無線タグ)
To 無線タグ回路素子(物品用無線タグ回路素子、人物用無線タグ回路素子)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象物品に関連して取り扱われ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを備えた物品用無線タグ回路素子を有する無線タグであって、
前記IC回路部は、
タグ識別情報と、
前記管理対象物品の対象物情報と、
前記管理対象物品の管理状態情報と
を記憶保持していることを特徴とする無線タグ。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記管理状態情報として、貸借可能な前記管理対象物品の貸借情報を記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項3】
請求項2記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、前記貸借情報として、
前記管理対象物品が、受け入れ後の未登録状態、登録後の未貸出状態、及び貸出後の未返却状態のいずれかを記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記管理対象物品を貸借する貸借者の所持する人物用無線タグ回路素子の識別情報を記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項5】
請求項2乃至請求項4のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記管理対象物品の貸借の態様に関する貸借態様情報を記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
少なくとも前記タグ識別情報を登録するための登録手段に対し情報登録が確実に行われたか否かを表す登録確認情報を記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
無線タグ情報読み取り装置による読み取り後、前記無線タグ情報読み取り装置において実行する処理メニューを指示するための指示情報
を記憶保持することを特徴とする無線タグ。
【請求項8】
請求項7記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
一連の処理手順からなる前記処理メニューを指示するための複数の指示情報を、処理順序に沿うように互いに関連づけて記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項9】
請求項8記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記複数の指示情報を、対応する複数の格納領域にそれぞれ記憶保持し、
各指示情報が、前記一連の処理手順に沿った次の処理手順を表す前記指示情報の格納領域へのリンク指標を含むように、記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項10】
請求項9記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
操作者の操作に応じ切り替え指定される互いに異なる2つの前記リンク指標を含む前記指示情報を記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の無線タグにおいて、
前記IC回路部は、
前記無線タグ情報読み取り装置が読み取り結果に応じて実行する表示メニューを指示するための表示処理情報を含む前記指示情報を記憶保持する
ことを特徴とする無線タグ。
【請求項12】
管理対象物品に関連して取り扱われ、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを有し、前記IC回路部に、タグ識別情報と、前記管理対象物品の対象物情報と、管理対象物品の管理状態情報と、無線タグ情報読み取り装置において実行する処理メニューを指示するための指示情報とを記憶した物品用無線タグ回路素子と無線通信により情報の送受信を行うための通信手段と、
前記通信手段を介し前記物品用無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された情報を取得するための情報取得手段と、
前記情報取得手段での情報取得結果に応じて、前記処理メニューを実行するメニュー処理手段と
を有することを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項13】
請求項12記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記通信手段は、
前記IC回路部に、前記タグ識別情報と、前記対象物情報と、前記管理状態情報と、無線タグ情報読み取り装置が読み取り結果に応じて実行する表示メニューを指示するための表示処理情報を含む前記指示情報とを記憶した物品用無線タグ回路素子と情報の送受信を行い、
前記メニュー処理手段は、
前記情報取得手段での情報取得結果に応じて、前記表示メニューを表示する表示信号を出力する表示処理手段を含む
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項14】
請求項13記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記通信手段は、
貸借可能な前記管理対象物品が、受け入れ後の未登録状態、登録後の未貸出状態、及び貸出後の未返却状態のいずれであるかを表す貸借情報を、前記管理状態情報として前記IC回路部に記憶保持した前記物品用無線タグ回路素子と情報の送受信を行う
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項15】
請求項14記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記通信手段は、
前記管理対象物品を貸借する貸借者に所持され、情報を記憶するIC回路部と情報を送受信するタグ側アンテナとを有し、前記IC回路部に、タグ識別情報と、前記貸借者の人物情報を記憶保持した人物用無線タグ回路素子と情報の送受信を行い、
前記情報取得手段は、
前記通信手段を介し、前記物品用無線タグ回路素子の前記IC回路部及び前記人物用無線タグ回路素子の前記IC回路部に記憶された情報を取得し、
前記表示処理手段は、
前記情報取得手段による前記物品用無線タグ回路素子及び前記人物用無線タグ回路素子からの情報取得結果に応じて、前記表示する表示メニューを決定する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。
【請求項16】
請求項15記載の無線タグ情報読み取り装置において、
前記情報取得手段による前記物品用無線タグ回路素子及び前記人物用無線タグ回路素子からの情報取得結果に基づき、
前記管理対象物品が前記未貸出状態であり、前記貸借者の人物情報が正常に取得された場合には、前記表示処理手段は、前記管理対象物品の貸出処理を行うための前記表示メニューを表示するための前記表示信号を出力し、
前記管理対象物品が前記未返却状態であり、前記貸借者の人物情報が前記管理対象物品を借り受けた人物と合致した場合には、前記表示処理手段は、前記管理対象物品の返却処理を行うための前記表示メニューを表示するための前記表示信号を出力する
ことを特徴とする無線タグ情報読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−186119(P2008−186119A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17403(P2007−17403)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】