説明

無線タグ読取装置、近距離無線通信接続システム、近距離無線通信接続方法

【課題】無線タグ読取装置が主たる機能として持っている無線タグ読取機能を用いて、Bluetooth通信に必要となる接続承認情報を交換できるようにする技術を提供する。
【解決手段】通信対象である通信端末に備わる無線タグに記録されている情報を読み取り、前記無線タグから読み取られる無線タグ識別情報が所定の情報である場合に、前記通信端末に対する、前記無線タグ識別情報に基づく近距離無線通信による接続要求を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグ読取装置において、携帯情報端末との近距離無線通信を確立する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末をホストとして無線タグ読取装置を使用する際、携帯情報端末と無線タグ読取装置との間の通信を近距離無線通信で行いたい。しかし、一般的には近距離無線通信を行うために接続機器の選択や暗証番号の入力などユーザに入力を求める部分があり、操作に不慣れなユーザにとっては使い勝手が悪い。
【0003】
この近距離無線接続に必要な操作を容易にする技術としては、通信装置同士で近接無線通信(NFC:Near Filed Communication)を用いて接続承認情報を交換するシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
上記システムでは、通信装置は、Bluetoothを用いて近距離無線通信を行うBT通信部と、NFCを用いて近接無線通信を行うNFC通信部とを備えている。上記通信装置は先にNFC通信部を用いてBT通信に必要となる接続承認情報を交換した後、通信手段をBT通信部に切り替える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記システムではBT通信の接続承認情報を交換するためにNFC通信部を必要としているが、無線タグ読取装置は主たる機能としてNFC通信機能を必要としていないため、接続承認情報を交換するためにNFC通信部を設けると余分なコストがかかってしまう。
【0006】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、無線タグ読取装置が主たる機能として持っている無線タグ読取機能を用いて、Bluetooth通信に必要となる接続承認情報を交換できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、この明細書は、無線タグに記録されている情報を読み取る無線タグ読取部と、通信対象である通信端末と近距離無線通信による通信を行う近距離無線通信部と、前記無線タグ読取部により無線タグから読み取られる無線タグ識別情報が所定の情報である場合に、前記近距離無線通信部にて、前記通信端末に対する前記無線タグ識別情報に基づく接続要求を行わせる通信制御部と、を備える無線タグ読取装置に関する。
【0008】
また、この明細書は、通信対象である通信端末に備わる無線タグに記録されている情報を読み取る無線タグ読取部と、通信対象である通信端末と近距離無線通信による通信を行う近距離無線通信部と、前記無線タグ読取部により前記無線タグから読み取られる無線タグ識別情報が所定の情報である場合に、前記近距離無線通信部にて、前記通信端末に対する前記無線タグ識別情報に基づく接続要求を行わせる通信制御部と、を備える無線タグ読取装置と、前記近距離無線通信部から受信する接続要求に基づき、前記近距離無線通信部との近距離無線通信の接続処理を行う接続処理部を備える前記通信端末と、を備える近距離無線通信接続システムに関する。
【0009】
また、この明細書は、通信対象である通信端末に備わる無線タグに記録されている情報を読み取り、前記無線タグから読み取られる無線タグ識別情報が所定の情報である場合に、前記通信端末に対する、前記無線タグ識別情報に基づく近距離無線通信による接続要求を行わせる近距離無線通信接続方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
以上に詳述したように、本発明によれば、無線タグ読取装置が主たる機能として持っている無線タグ読取機能を用いて、Bluetooth通信に必要となる接続承認情報を交換できるようにする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ハンディ型無線タグ読取装置の外観斜視図である。
【図2】ハンディ型無線タグ読取装置の論理構造を示すブロック図である。
【図3】CPU201上で動作する無線タグ読取装置制御プログラムにより実現される機能部分の構造を示す図である。
【図4】携帯情報端末の外観斜視図である。
【図5】携帯情報端末の論理構造を示すブロック図である。
【図6】EPCglobal Class1 Generation 2タグを想定した、近距離無線接続用無線タグ406の記憶領域の構成である。
【図7】携帯情報端末における処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】BTモジュール504における待ち受け処理のフローチャートである。
【図9】無線タグ読取装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】一般的に管理対象物品に貼り付けられる無線タグのIDの例を示す図である。
【図11】無線タグ読取装置に対してBT接続を指示する無線タグIDの例を示す図である。
【図12】BT接続確立後の無線タグ読み取り処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
本発明の実施例として、持ち運び可能なハンディ型無線タグ読取装置と携帯情報端末を使用する場合を挙げて図を参照しながら装置の構造と動作について説明する。
【0014】
(ハンディ型無線タグ読取装置の構造)
まず、ハンディ型無線タグ読取装置の構造について、図1〜図3を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、ハンディ型無線タグ読取装置の外観斜視図である。
【0016】
ハンディ型無線タグ読取装置は、筐体101の内部に制御回路とバッテリ、Bluetooth通信モジュール(以下、BTモジュール)とを備えており、筐体101には無線タグ交信用アンテナ102とグリップ104が接続されている。
【0017】
また、上記制御回路には、BTモジュールの接続状態を表す青色LEDと、無線タグの読取状態を表す橙色LEDが設けられている。筐体101には、これらのLEDを外部から見えるようにするための窓103a、103bが設けられている。グリップ104は、トリガスイッチ105と電源スイッチ106を備えており、グリップ104の上部には携帯情報端末を脱着可能に接続することができる。
【0018】
図2は、ハンディ型無線タグ読取装置の論理構造を示すブロック図である。
【0019】
無線タグ読取装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、トリガスイッチ105、BTモジュール205、RFフロントエンド部207、無線タグ交信用アンテナ102、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)210を備えている。
【0020】
CPU201、ROM202およびRAM203は、無線タグ読取装置制御プログラムを実行するために使用する。なお、CPU201は、同等の演算処理を実行可能なMPU(Micro Processing Unit)により代替することも可能である。
【0021】
トリガスイッチ105は、CPU201に対して無線タグの読取開始を指示するために使用する。BTモジュール205(近距離無線通信部に相当)は、通信相手である携帯情報端末からのコマンドを受信し、携帯情報端末に対してレスポンスや無線タグ読取結果情報を送信するために使用する。RFフロントエンド部207および無線タグ交信用アンテナ102(これらが無線タグ読取部に相当)は、無線タグとの交信に必要な電波の送受信に使用する。
【0022】
図3は、CPU201上で動作する無線タグ読取装置制御プログラムにより実現される機能部分の構造を示す図である。
【0023】
図3では、点線で囲まれた部分がCPU、ROM、RAM上で動作する無線タグ読取装置制御プログラムにより実現される機能部分を示しており、上記機能部分は、ホスト通信処理部301、リーダ状態管理部302、周辺デバイス制御部303、ソフトウェア無線処理部304から構成される。これらホスト通信処理部301、リーダ状態管理部302、周辺デバイス制御部303およびソフトウェア無線処理部304が、通信制御部に相当する。
【0024】
ホスト通信処理部301は、ホストからのコマンド伝文を受信して実行すべき処理内容を判定してリーダ状態管理部302に伝え、また、無線タグから読み取ったタグID読み取り結果情報を蓄積してコマンドの実行結果をレスポンス伝文として組み立ててホストに送信する。ここで「ホスト」とは、無線タグ読取装置に対してコマンド伝文を送信し、レスポンス伝文を受信するものを指す。本実施例では、携帯情報端末がホストとなる。
【0025】
リーダ状態管理部302は、ホスト通信処理部301から実行すべき処理内容を受け取り、無線タグ読取装置の動作状態を管理する。上記動作状態には、例えば「待機状態」と「無線タグ読取状態」とがあり、「無線タグ読取状態」ではソフトウェア無線処理部304を用いて無線タグとの交信に必要な送信信号の符号化および受信信号の復号化処理を行う。
【0026】
ソフトウェア無線処理部304で符号化された送信信号は、RFフロントエンド部207で変調され、無線タグ交信用アンテナ102から送信される。また、無線タグから送信された信号(受信信号)は、無線タグ交信用アンテナ102で受信され、RFフロントエンド部207で復調された後、ソフトウェア無線処理部304で復号化されて無線タグIDが読み出される。上記無線タグIDは、ホスト通信処理部301にタグID読取結果情報として蓄積される。
【0027】
周辺デバイス制御部303は、トリガスイッチ105の押下げ状態を監視し、ブザー209の鳴動制御を行う。また、周辺デバイス制御部303は、BTモジュール205の接続状態管理を担う。
【0028】
(携帯情報端末の構造)
続いて、ホストとして動作する携帯情報端末の構造について図4〜図6を参照しながら説明する。
【0029】
図4は、携帯情報端末の外観斜視図である。401aは、携帯情報端末の表側であり、筐体402に画面403と操作部404を備える。401bは、携帯情報端末の裏側であり、裏蓋405に近距離無線接続用無線タグ406を備えている。
【0030】
図5は、携帯情報端末の論理構造を示すブロック図である。携帯情報端末は、無線タグ読取装置と通信するためにBluetooth通信モジュール(BTモジュール)504を備えている。BTモジュール504(接続処理部に相当)は、近距離無線接続用無線タグ406が保持するPINコードと同じ値をPINコードとして使用する。近距離無線接続用無線タグ406は、CPU501,ROM502、RAM503とは接続されておらず、独立している。
【0031】
図6は、EPCglobal Class1 Generation 2タグを想定した、近距離無線接続用無線タグ406の記憶領域の構成である。近距離無線接続用無線タグ406は、「Bank 0」に近距離無線接続用無線タグ406への書き込みや無線タグの無効化コマンドを許可するパスワードを格納し、「Bank 1」に無線タグIDを格納している。また、「Bank 2」には、近距離無線接続用無線タグ406の製造者番号とモデル番号を格納している。さらに、「Bank 3」には、PINコードと、例えばSSPなどのプロトコルタイプ、通信速度、通信フォーマット、ハンドシェイクの有無などの通信プロトコル情報を格納している。
【0032】
(無線タグ読取装置と携帯情報端末のペアリング動作)
続いて、上述のような構成を有する無線タグ読取装置のBTモジュール205と携帯情報端末のBTモジュール504のペアリング動作について、図7〜図12を参照しながら説明する。
【0033】
図7は、携帯情報端末における処理の流れを示すフローチャートである。
【0034】
携帯情報端末401は、起動すると、BTモジュール504にPINコードを設定し(ACT701)、BTモジュール504に待ち受け処理を開始させる(ACT702)。
【0035】
図8は、BTモジュール504における待ち受け処理のフローチャートである。BTモジュール504は、待ち受け状態を開始すると、他のBTモジュールからのデバイス検出要求を待ち受ける(ACT901)。
【0036】
ここで、このBTモジュール同士のペアリング動作では、無線タグ読取装置のBTモジュール205がマスタースレーブモデルの「マスター」として動作し、携帯情報端末401のBTモジュール504はマスタースレーブモデルの「スレーブ」として動作する。すなわち、「マスター」である無線タグ読取装置のBTモジュール205が送信した要求に対して、「スレーブ」である携帯情報端末401のBTモジュール504が応答する形でペアリング処理が進行する。
【0037】
図9は、無線タグ読取装置における処理の流れを示すフローチャートである。
【0038】
無線タグ読取装置が起動した時点では、まだ無線タグ読取装置のBTモジュール205と携帯情報端末のBTモジュール504のペアリングができていない。無線タグ読取装置は、ユーザの操作により、近距離無線接続用無線タグ406が読み取られたことをきっかけにBTモジュールの接続処理を開始する。無線タグ読取装置のトリガスイッチ105が押されると(ACT901,Yes)、無線タグ読取装置はソフトウェア無線処理部304およびRFフロントエンド部207、無線タグ交信用アンテナ102を用いて、無線タグ交信用アンテナ102の読み取り可能範囲にある無線タグのIDを読み取る(ACT902)。
【0039】
読み取られた無線タグのIDが、「BT接続命令を意味するID」であった場合(ACT903,Yes)、無線タグ読取装置は同じ無線タグのBank3を読み取り、BT接続に必要なPINコードと通信プロトコル情報を取得する(ACT904)。
【0040】
ここで一般的な管理対象物品に貼り付けられる無線タグのIDと、無線タグ読取装置に対する命令を意味するIDを含む無線タグ(近距離無線接続用無線タグ)のIDとの違いについて説明する。
【0041】
管理対象物品に貼り付けられる無線タグのIDは、例えば図10に示すようなSGTIN(Serialized General Trade Item Number)を使用する。一方、近距離無線接続用無線タグ406には、無線タグ読取装置に対する命令を含んだコード体系を使用する。
【0042】
図11は、無線タグ読取装置に対してBT接続を指示する無線タグIDの例を示す図である。
【0043】
このIDでは、先頭8ビットの「ヘッダ部」でこのIDが96ビット長の汎用IDであるGID−96であることを示し、続く28ビットの「ドメイン部」でこのIDを発行している組織のコードを示している。さらに続く24ビットの「クラス部」でこのIDが無線タグ読取装置に対するコマンドを意味するIDであることを示し、残り36ビットの「インスタンス部」でコマンドの内容がBT接続であることを示している。
【0044】
このIDの例では、インスタンス部にコマンドの内容を割り当てたが、別な方法としては、クラス部にコマンドの内容を割り当てて、インスタンス部にはPINコードを割り当てても良い。また、ここでは世界中で流通する無線タグのIDが重複しないよう、管理対象物品用の無線タグIDにはSGTINを使用し、近距離無線接続用無線タグのIDにはGID−96に独自の命令を意味するコードを付加したものを使用したが、IDが重複しないことを保証できるコード体系であれば、もっと簡素なIDを使用しても良い。
【0045】
図9のフローチャートに戻り、BT接続処理の説明を続ける。
【0046】
ACT904に続いて、無線タグ読取装置は、BTモジュール205に先ほど取得したPINコードと通信プロトコル情報を設定して、BTモジュール205にBT接続を開始させる(ACT905)。以下、ACT905はBTモジュール205の内部処理、ACT802はBTモジュール504の内部処理である。
【0047】
無線タグ読取装置側のBTモジュール205がデバイス検出要求を送信すると、待ち受け状態になっている携帯情報端末側のBTモジュール504は、このデバイス検出要求を受信してデバイス検出応答を返す(デバイス検出)。
【0048】
続いて、無線タグ読取装置側のBTモジュール205は、携帯情報端末側のBTモジュール504に向けてBT呼び出し要求を送信する。
【0049】
携帯情報端末側のBTモジュール504は、このBT呼び出し要求を受信すると、双方のBTモジュールが使用する動作タイミングを設定する。その後、BTモジュール205は、PINコードからリンクキーを生成して、このリンクキーをパラメータとして携帯情報端末側のBTモジュール504にセキュリティ認証要求を送信する。携帯情報端末側のBTモジュール504は、自分自身のPINコードからリンクキーを生成して、同じリンクキーが得られると、セキュリティ認証応答(認証成功)を返す。
【0050】
認証が成功すると(ACT906,Yes)、無線タグ読取装置は、近距離無線接続用無線タグ406の「Bank3」から読み出した通信プロトコル情報をBTモジュール205に設定し、その通信プロトコルで携帯情報端末側のBTモジュール504との通信を開始させる。
【0051】
例えば通信プロトコルとしてSSPを使用する場合、無線タグ読取装置は、BTモジュール205からSSP接続要求を送信させる(ACT907)。
【0052】
携帯情報端末側のBTモジュール504がSSP接続要求を受信すると(ACT804)、一連のBT接続処理が完了して、無線タグ読取装置と携帯情報端末がアプリケーションレベルの通信を行えるようになる。BT接続処理が完了すると、無線タグ読取装置は、青色LEDを点灯させてBT接続が完了したことを表示する(ACT908)。
【0053】
そして、無線タグ読取装置のリーダ状態管理部302の状態を「待機状態」に設定して(ACT909)、物品管理のための(携帯情報端末主導による)無線タグ読み取り処理に移り(ACT910)、ホストである携帯情報端末からの読み取りコマンド受信を待つ(ACT1201)。
【0054】
(無線タグの読取動作)
続いて店舗や倉庫等における棚卸業務をアプリケーションの例に挙げて、図7と図12のフローチャートを用いて無線タグ読み取り動作について説明する。
【0055】
図12は、BT接続確立後の無線タグ読み取り処理のフローチャートである。
【0056】
携帯情報端末は、BT接続が確立すると、ユーザによるアプリケーション選択(ACT703)を待つ。
【0057】
ユーザにより例えば棚卸業務が選択されると、店舗内にあるべき商品の論理在庫テーブルを作成する(ACT704)。
【0058】
続いて、無線タグ読取装置に対して無線タグ読み取り命令を送信する(ACT705)。
【0059】
無線タグ読取装置では、ホスト通信処理部301が携帯情報端末から送信された読み取りコマンドを受信すると(ACT1202,Yes)、リーダ状態管理部302はリーダの状態を読取状態にする(ACT1203)。
【0060】
リーダ状態管理部302は、リーダの状態が「読取状態」にある間(ACT1201,読取状態)、終了コマンドを受信するまでトリガスイッチ105の状態を監視する。トリガスイッチ105が押されていれば(ACT1206,Yes)、リーダ状態管理部302はソフトウェア無線処理部304に無線タグ読み取りを指示し(ACT1207)、ソフトウェア無線処理部304はRFフロントエンド部207を用いて無線タグを読み取り、読み取った結果をホスト通信処理部301に渡してホストである携帯情報端末に送信する(ACT1208)。
【0061】
リーダの状態が「読取状態」にある間(ACT1201,読取状態)に終了コマンドを受信すると(ACT1204,Yes)、リーダ状態管理部302はリーダの状態を待機状態にして(ACT1205)、無線タグの読み取り動作を終了し、次の読み取りコマンド受信を待つ。
【0062】
携帯情報端末では、無線タグ読み取り結果を受信(ACT706)した後、論理在庫テーブルと無線タグ読み取り結果を照合して(ACT707)、照合結果として在庫の過不足を表示する(ACT708)。
【0063】
ACT709でユーザによりアプリケーションの終了操作が行われるまで、携帯情報端末はACT705〜ACT708の処理を繰り返す。ユーザによりアプリケーションの終了操作が行われた場合(ACT709,Yes)、携帯情報端末はアプリケーションを終了する。
【0064】
以上が、棚卸業務アプリケーションを例とした無線タグ読み取り動作の説明である。
【0065】
なお、上述の実施の形態では、無線通信の方式として、Bluetoothを用いて近距離無線通信を行う構成を例示したが、これに限られるものではない。すなわち、結果として携帯情報端末側と無線タグ読取装置側との間での情報のやりとりを行うことのできる無線通信方式であればよい。したがって、例えば、無線LAN等を採用することもできることは言うまでもない。
【0066】
なお、上述の実施の形態では、無線タグ読取装置における各種処理が、CPU、RAM、ROMが協働することにより実現される例を挙げたが、必ずしもこれに限られるものではない。結果として無線タグ読取装置に要求される機能を実現することができれば、無線タグ読取装置が備えるべき機能の一部または全部を、ASIC210による処理により実現することも可能であることは言うまでもない。
【0067】
更に、無線タグ読取装置を構成するコンピュータにおいて上述した各動作を実行させるプログラムを、無線タグ読取装置制御プログラムとして提供することができる。本実施の形態では、発明を実施する機能を実現するための当該プログラムが、装置内部に設けられた記憶領域に予め記録されている場合を例示したが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様のプログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。具体的に、記録媒体としては、例えば、ROMやRAM等のコンピュータに内部実装される内部記憶装置、CD−ROMやフレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体、コンピュータプログラムを保持するデータベース、或いは、他のコンピュータ並びにそのデータベースや、回線上の伝送媒体などが挙げられる。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と共働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0068】
なお、プログラムは、その一部または全部が、動的に生成される実行モジュールであってもよい。
【0069】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、すべて本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0070】
101 筐体、102 無線タグ交信用アンテナ、104 グリップ、201 CPU(Central Processing Unit)、202 ROM(Read Only Memory)、203 RAM(Random Access Memory)、105 トリガスイッチ、205 BTモジュール、207 RFフロントエンド部、102 無線タグ交信用アンテナ、210 ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、301 ホスト通信処理部、302 リーダ状態管理部、303 周辺デバイス制御部、304 ソフトウェア無線処理部、402 筐体、403 画面、404 操作部、405 裏蓋、406 近距離無線接続用無線タグ、504 Bluetooth通信モジュール(BTモジュール)、501 CPU、502 ROM、503 RAM。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特開2004−364145号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグに記録されている情報を読み取る無線タグ読取部と、
通信対象である通信端末と近距離無線通信による通信を行う近距離無線通信部と、
前記無線タグ読取部により無線タグから読み取られる無線タグ識別情報が所定の情報である場合に、前記近距離無線通信部にて、前記通信端末に対する前記無線タグ識別情報に基づく接続要求を行わせる通信制御部と、
を備える無線タグ読取装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線タグ読取装置であって、
前記無線タグ識別情報は、前記近距離無線通信部と前記通信端末との間での近距離無線通信の接続処理を開始するための接続命令情報と前記近距離無線通信の接続処理に使用する暗証情報とを含み、
前記近距離無線通信部は、前記近距離無線通信の接続処理を行う際に前記暗証情報を使用する無線タグ読取装置。
【請求項3】
請求項1に記載の無線タグ読取装置であって、
前記無線タグは、第1の記憶領域に、近距離無線接続開始命令を意味する接続命令情報を含む無線タグ識別情報を保持し、前記第1の記憶領域とは異なる第2の記憶領域に、前記近距離無線通信の接続処理に使用する暗証情報および通信プロトコル情報とを保持し、
前記近距離無線通信部は、前記近距離無線通信の接続処理を行う際に前記暗証情報および前記通信プロトコル情報を使用する無線タグ読取装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の無線タグ読取装置であって、
前記近距離無線通信部は、Bluetoothを用いて前記通信端末との近距離無線通信を行う無線タグ読取装置。
【請求項5】
通信対象である通信端末に備わる無線タグに記録されている情報を読み取る無線タグ読取部と、通信対象である通信端末と近距離無線通信による通信を行う近距離無線通信部と、前記無線タグ読取部により前記無線タグから読み取られる無線タグ識別情報が所定の情報である場合に、前記近距離無線通信部にて、前記通信端末に対する前記無線タグ識別情報に基づく接続要求を行わせる通信制御部と、を備える無線タグ読取装置と、
前記近距離無線通信部から受信する接続要求に基づき、前記近距離無線通信部との近距離無線通信の接続処理を行う接続処理部を備える前記通信端末と、
を備える近距離無線通信接続システム。
【請求項6】
請求項5に記載の近距離無線通信接続システムであって、
前記無線タグ識別情報は、前記近距離無線通信部と前記通信端末との間での近距離無線通信の接続処理を開始するための接続命令情報と前記近距離無線通信の接続処理に使用する暗証情報とを含み、
前記近距離無線通信部は、前記近距離無線通信の接続処理を行う際に前記暗証情報を使用する近距離無線通信接続システム。
【請求項7】
請求項5に記載の近距離無線通信接続システムであって、
前記無線タグは、第1の記憶領域に、近距離無線接続開始命令を意味する接続命令情報を含む無線タグ識別情報を保持し、前記第1の記憶領域とは異なる第2の記憶領域に、前記近距離無線通信の接続処理に使用する暗証情報および通信プロトコル情報とを保持し、
前記近距離無線通信部は、前記近距離無線通信の接続処理を行う際に前記暗証情報および前記通信プロトコル情報を使用する近距離無線通信接続システム。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載の近距離無線通信接続システムであって、
前記近距離無線通信部は、Bluetoothを用いて前記通信端末との近距離無線通信を行う近距離無線通信接続システム。
【請求項9】
通信対象である通信端末に備わる無線タグに記録されている情報を読み取り、
前記無線タグから読み取られる無線タグ識別情報が所定の情報である場合に、前記通信端末に対する、前記無線タグ識別情報に基づく近距離無線通信による接続要求を行わせる近距離無線通信接続方法。
【請求項10】
請求項9に記載の近距離無線通信接続方法であって、
前記無線タグ識別情報は、前記近距離無線通信部と前記通信端末との間での近距離無線通信の接続処理を開始するための接続命令情報と前記近距離無線通信の接続処理に使用する暗証情報とを含み、
前記近距離無線通信の接続処理を行う際に前記暗証情報を使用する近距離無線通信接続方法。
【請求項11】
請求項9に記載の近距離無線通信接続方法であって、
前記無線タグは、第1の記憶領域に、近距離無線接続開始命令を意味する接続命令情報を含む無線タグ識別情報を保持し、前記第1の記憶領域とは異なる第2の記憶領域に、前記近距離無線通信の接続処理に使用する暗証情報および通信プロトコル情報とを保持し、
前記近距離無線通信の接続処理を行う際に前記暗証情報および前記通信プロトコル情報を使用する近距離無線通信接続方法。
【請求項12】
請求項9から11のいずれかに記載の近距離無線通信接続方法であって、
Bluetoothを用いて前記通信端末との近距離無線通信を行う近距離無線通信接続方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−68748(P2012−68748A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211287(P2010−211287)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】