説明

無線ページング装置、システム及び方法

一般的に、無線ページング装置、システム及び方法の実施例がここに記載される。他の実施例も記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに記載する様々な実施例は、移動ノードを局所化してパケットストリームを指示するために使用される装置、システム及び方法を含み、一般的にデジタル通信に関する。
【背景技術】
【0002】
将来の無線ネットワーク技術は、パケット交換アーキテクチャで設計された無線ネットワークを有し得る。このようなネットワークは、ここでは無線パケット交換ネットワーク(WPSN:wireless packet-switched network)と呼ばれることがある。WPSN内で動作する移動無線装置(“移動ノード”)は、場合によって、特にデータと音声とビデオとを含み、様々なメディアを通信することができてもよい。インターネットプロトコル(IP:internet protocol)データグラムが使用されてもよい。
【0003】
WPSNは、移動動作をサポートし得る。すなわち、移動ノードは、移動ノードが無線プロトコルを介して帰属した第1の基地局に関連する無線周波数(RF:radio-frequency)サービスエリアの領域で動作し得る。移動ノードは、他のネットワークノードとパケット交換セッション(例えば、伝送制御プロトコルセッション)に関与し得る。移動ノードは、パケット交換セッションを切断することなく、第1の基地局に関連するRFサービスエリアの領域から第2の基地局に関連するRFサービスエリアの領域に移動し得る。
【0004】
移動ノードは、第1の基地局から第2の基地局に移行するときに、登録メッセージを送信することにより、その現在位置をネットワークに更新し得る。このことは、大量の移動ノードをサポートするWPSNで多数の帯域消費的な制御メッセージを生じ得る。RFサービスエリアの単位領域毎の基地局の数が増加すると共に、問題は悪化し得る。データ送信は本質的にバーストになり得るため、パケット交換セッションが進行中でなくても、移動ノードは、ユーザがWPSNを移動すると位置更新を送信する必要があり得る。その結果、移動ノードは、電池充電の間に減少した動作時間を受け得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1は、本発明の様々な実施例による装置100及びシステム180のブロック図を有する。ある実施例は、WPSN110で動作する移動ノード106からの位置更新の頻度を減少させてもよい。位置更新の頻度は、移動ノード106が1つ以上の基地局118に関連するRFサービスエリア114の領域内で移動する間に減少してもよい。基地局118は、ここでページンググループと呼ばれるWPSN110の一部(例えば、第1のページンググループ122)に関連してもよい。基地局118は、媒体アクセス制御レイヤ機能と無線物理レイヤ機能とを実装してもよく、RFサービスエリア114を生成するように動作してもよい。
【0006】
複数のページンググループに関連する基地局からのIPトラヒックは、アクセスプロバイダ・バックホールネットワーク(以下では“バックホールネットワーク124”と呼ばれる)に集約されてもよい。バックホールネットワーク124は、標準的なIPルータ及びスイッチを使用して構成されたIPネットワークを有してもよい。バックホールネットワーク124は、インターネット184に接続されてもよい。バックホールネットワーク124はまた、サービスプロバイダ・コアネットワーク(以下では“コアネットワーク188”と呼ばれる)により他のバックホールネットワークと集約されてもよい。コアネットワーク188は、WPSN110にインターネットとの接続性を提供してもよい。
【0007】
ここでのある実施例では、ページングコントローラは、ページンググループ内の個々の基地局と共に配置されてもよい。この出願の目的で、“共に配置される”とは、基地局を有する施設内に又は施設に隣接して配置されることを意味する。例えば、ページングコントローラは、基地局を収容するビル内に配置されてもよく、基地局アンテナ複合体に取り付けられてもよい。1つのページングコントローラは、マスターページングコントローラ(MPC:master paging controller)を含む特定のグループに関連するページングコントローラの結果として生じるセットから選択されてもよい。ページンググループ内の各基地局と共に配置される全ての他のページングコントローラは、スレーブページングコントローラ(SPC:slave paging controller)として命名(denominate)される。SPCは、移動ノードのパケットをバッファし、移動ノードがアイドルモードで動作している間に移動ノードの位置をMPCに更新してもよい。MPCは、ページンググループ内の基地局に、ページングメッセージを移動ノードにブロードキャストするように命令する。
【0008】
従って、例えば、第1のMPC126A及び126Bは、移動ノード106に指示されるページング広告が基地局118によりブロードキャストされることを生じてもよい。基地局118は、第1のページンググループ122に関連する。ページング広告は、移動ノード106にその位置を問い合わせ、移動ノード106に保留中のデータを通知してもよい。
【0009】
ページング広告の送信をページンググループに制限することは、スペクトルリソースを節約し得る。WPSN110は、様々なシステム係数に基づいてページンググループに分割されてもよい。これらは、特に、予想される移動ノードのトラヒックに対する基地局密度を有してもよい。従って、移動ノード106は、第1のページンググループ122に関連するRFサービスエリア114の第1の領域から第2のページンググループ134に関連するRFサービスエリア130の第2の領域に移動すると、WPSN110を更新してもよい。WPSN110は、特定のページンググループ内での1つの基地局から他の基地局への移動ノード106の移動を追跡せずに、移動ノードを特定のページンググループに局所化(localize)してもよい。ある実施例は、このアーキテクチャを使用してページング局所化(paging localization)の精度の調整をサポートしてもよい。
【0010】
従って、ページンググループ(例えば、ページンググループ122又はページンググループ134)は、移動ノード106が上りリンク方向で送信する必要がないが、必要に応じて下りリンク方向でページングされ得る連続的なサービスエリアを提供してもよい。例えば、移動ノード106は、ページンググループが保留中のトラヒックを移動ノード106に転送し得るように、又は移動ノード106とネットワーク管理サービストランザクションを実行し得るように下りリンク方向でページングされてもよい。本発明のある実施例は、開示されたアーキテクチャを使用して、WPSN110に関連するスペクトルリソースを節約しつつ、移動ノード106で少ない電力リソースを節約し得る。
【0011】
別々のMPCが複数のページンググループのそれぞれに関連し得る例示的な実施例について説明し得る。しかし、ある実施例では、MPCは、1つより多くのページンググループでページングを制御してもよい。
【0012】
従って、装置100は、MPC基地局140と共に配置される第1のMPC126Aを有してもよい。MPC基地局140は、WPSN110内で第1のページンググループ122に関連してもよい。第1のMPC126Aは、移動ノード106を第1のページンググループ122に局所化し、移動ノード106へのパケット転送を制御してもよい。移動ノード106は、第1のページンググループ122に対応する第1のRFサービスエリア114内で電力制御プロトコルに従って動作するように適合されてもよい。第1のページングデータベース144は、第1のMPC126Bに結合され、移動ノード106に関連するページング情報を格納してもよい。
【0013】
ページング基地局146は、移動ノード106とRFアソシエーションを確立してもよい。ページング基地局146はまた、ページング広告を移動ノード106に送信してもよい。移動ノード106が第1のページンググループ122に関連する第1のRFサービスエリア114内を移動する間に、ページング基地局146は、移動ノード106から位置更新を受信してもよい。位置更新は、ページング広告に応じるものでもよい。
【0014】
装置100はまた、ページング基地局146と共に配置される第1のページングコントローラ148を有してもよい。第1のページングコントローラ148は、MPCを有してもよい。代替として、第1のページングコントローラ148は、RFアソシエーションに関する情報で第1のMPCを更新するSPCを有してもよい。移動ノード106がアイドル状態である間に、第1のページングコントローラ148は、移動ノード106に指示されるパケット150をバッファしてもよい。パケットバッファ151及び152は、それぞれMPC126B及び156Bに関連してもよい。同様のパケットバッファがSPCに関連してもよい。第1のページングコントローラ148はまた、ページング基地局146から位置更新を受信してもよい。
【0015】
SPCは、SPCと第1のMPC126Aとの間でパケットを転送するためにバックホールネットワーク124を使用して第1のMPC126Aに結合されてもよい。バックホールネットワーク124は、移動ノード106とインターネット184との間でパケットを伝送するために、インターネット184に結合されてもよい。前述のように、バックホールネットワーク124はまた、コアネットワーク188に結合されてもよい。次に、コアネットワーク188は、移動ノードとインターネット184との間でパケットを伝送するために、インターネット184に接続されてもよい。
【0016】
装置100はまた、第2のページンググループ134に関連する第2のページングコントローラ154を有してもよい。移動ノード106が第1のRFサービスエリア114から第2のページンググループ134に関連する第2のRFサービスエリア130に移動した後に、第2のページングコントローラ154は、移動ノード106から位置更新を受信してもよい。第2のMPC156A及び156Bは、移動ノード106が第2のRFサービスエリア130に移動したという通知を第2のページングコントローラ154から受信するために、第2のページンググループ134に関連してもよい。
【0017】
第2のMPC156Aはまた、移動ノード106が第2のRFサービスエリア130に移動したことを第1のMPC126Aに通知してもよい。1つ以上のアイドルモード保存パラメータ(一般的に160及び161として示す)が、移動ノード106に関連してもよい。アイドルモード保存パラメータ160及び161は、ページングコントローラ識別情報、ページンググループ識別情報又はこれらの双方を有してもよい。アイドルモード保存パラメータ160及び161は、第1のMPC126Bにより維持管理される第1のページングデータベース144から第2のMPC156により維持管理される第2のページングデータベース164に伝送されてもよい。伝送168は、移動ノード106が第1のRFサービスエリア114から第2のRFサービスエリア130に移動するときに生じてもよい。
【0018】
第2のMPC156Aは、第1のページングコントローラ148によりバッファされた何らかのパケットが第2のページングコントローラ154に転送されることを生じてもよい。第2のMPC156Aはまた、ネットワークを通じて第2のページングコントローラ154に転送ルート(例えば、ルート170又はルート172)を確立してもよい。移動ノード106に配信するためにWPSN110により受信されたパケットは、転送ルート170又は172を介して第2のページングコントローラ154に転送されてもよい。
【0019】
他の実施例では、前述のように、システム180は、1つ以上の装置100を有してもよい。システム180はまた、第1のMPCに関連する構成情報を表示するために第1のMPC126Bに結合されたディスプレイ192を有してもよい。ディスプレイ192は、陰極線管ディスプレイ又は固体ディスプレイ(特に、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ又は発光ダイオードディスプレイ等)を有してもよい。
【0020】
前述の何らかの構成要素は、ソフトウェアでの実施例を含み、複数の方法で実装されてもよい。従って、装置100、移動ノード106、無線パケット交換ネットワーク(WPSN)110、無線周波数(RF)サービスエリア114、130の領域、基地局118、140、146、ページンググループ122、134、バックホールネットワーク124、ページングコントローラ126A、126B、148、154、156A、156B、ページングデータベース144、164、パケット150、パケットバッファ151、152、アイドルモード保存パラメータ160、161、伝送168、ルート170、172、システム180、インターネット184、コアネットワーク188、及びディスプレイ192の全てが、ここでは“モジュール”として特徴付けられてもよい。
【0021】
モジュールは、装置100及びシステム180の設計者により必要に応じて、様々な実施例の特定の実装に適合して、ハードウェア回路、単一又は複数のプロセッサ回路、メモリ回路、ソフトウェアプログラムモジュール及びオブジェクト、ファームウェア、並びにこれらの組み合わせを有してもよい。
【0022】
様々な実施例の装置及びシステムは、基地局と共に配置されたマスターページングコントローラを使用してページンググループ内でページングブロードキャストを制御する以外の用途に使用され得ることがわかる。従って、本発明の実施例はこれに限定されない。装置100及びシステム180の例は、様々な実施例の構造の一般的な理解を提供することを目的とする。これらは、ここに記載の構成を利用し得る装置及びシステムの全ての要素及び機能の完全な説明としての役目をすることを意図しない。
【0023】
様々な実施例の新規の装置及びシステムを有し得る用途は、高速コンピュータで使用される電子回路、通信及び信号処理回路、モデム、単一又は複数のプロセッサモジュール、単一又は複数の内蔵プロセッサ、データスイッチ、並びにマルチレイヤ・マルチチップ・モジュールを含む特定用途向けモジュールを含む。このような装置及びシステムは、様々な電子システム(テレビ、携帯電話、パーソナルコンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、タブレットコンピュータ等)、ワークステーション、ラジオ、ビデオプレイヤ、オーディオプレイヤ(例えば、MP3プレイヤ)、乗物等)内のサブコンポーネントとして更に含まれてもよい。ある実施例は、複数の方法を有してもよい。
【0024】
図2、3A及び3Bは、本発明の様々な実施例による複数の方法を示すフローチャートである。方法200は、WPSN内でページングコントローラ構成を初期化することを有してもよい。方法200は、ブロック205で始まり、MPC基地局を含む複数の基地局をページンググループにグループ化してもよい。例えば、図1に戻ると、MPC基地局140を有する基地局118は、ページンググループ122にグループ化されてもよい。ページングコントローラは、ページンググループの各基地局と共に配置されてもよい。方法200は、ブロック207で継続し、第1のMPCとしてページングコントローラの1つを選択してもよい。ブロック209において、第1のMPCであるように選択されていないページングコントローラは、SPCとして命名されてもよい。図1のページングコントローラ148は、MPCとして選択されなくてもよい。従って、ページングコントローラ148はSPCでもよい。
【0025】
方法300は、移動ノードをWPSN内の第1のページンググループに局所化することを有してもよい。移動ノードは、第1のページンググループに関連するMPC基地局と共に配置される第1のMPCを使用して局所化されてもよい。MPCはまた、移動ノードに1つ以上のパケットを配信するために、ネットワークを通じてパケット転送ルートを確立してもよい。パケット転送ルートは、図1のルート170又はルート172を有してもよい。
【0026】
方法300は、ブロック311で始まり、移動ノード(MN:mobile node)がアイドル状態に入る前に移動ノードを第1のMPCに登録してもよい。方法300は、ブロック313において、第1のMPCを使用して第1のページングデータベースを維持管理することを更に有してもよい。第1のページングデータベースは、移動ノードがアイドル状態である間に維持管理される、移動ノードに関連するアイドルモード保存情報を有してもよい。アイドルモード保存情報は、第1のMPCに関連するページングコントローラ識別情報(PCID:paging controller identification)、第1のページンググループに関連するページンググループ識別情報(PGID:paging group identification)又はこれらの双方を有してもよい。
【0027】
方法300は、ブロック315において、PCID、PGID又はこれらの双方を移動ノードに格納することを有してもよい。方法300はまた、ブロック317において、アイドル期間の間に移動ノードをアイドル状態にすることを有してもよい。ブロック318において、移動ノードは、第1のページンググループに関連するRFサービスエリアの領域内に動かされてもよい。例えば、RFサービスエリアの領域は、図1の領域114を有してもよい。移動ノードがページング広告を受信しなければ、移動ノードは、位置更新を実行せずに動かされてもよい。
【0028】
方法300は、ブロック319において、1つ以上のパケットをページングコントローラにバッファすることを有してもよい。パケットをバッファするために使用されるページングコントローラは、移動ノードが最後にアイドル状態に入ったページング基地局に関連してもよい。代替として、パケットは、移動ノードが最後に位置更新を実行したページング基地局に関連するページングコントローラにバッファされてもよい。図1の第1のページングコントローラ148は、これらの概念の一方又は双方の例を有してもよい。
【0029】
方法300は、ブロック320で継続し、アイドル期間に続いてアイドル状態を出てもよい。ブロック321において、第1のMPCは、移動ノードがアイドル状態を出たことを通知されてもよい。方法300は、ブロック323において、アイドル状態を出たときに第1のページング基地局から移動ノードで第1のページング広告を受信することを有してもよい。第1のページング広告は、第1のMPCにより起動されてもよく、第1のMPCに関連するPCIDを有してもよい。方法300は、ブロック325で継続し、移動ノードから第1のページング基地局に位置更新メッセージを送信してもよい。メッセージは、第1のページング広告に応じて、アイドル状態を出たときに送信されてもよい。
【0030】
方法300は、ブロック329において、ページングコントローラにバッファされたパケットを移動ノードにルーティングすることを更に有してもよい。移動ノードが最後にアイドル状態を出たページング基地局に関連するページンググループ内にあるMPCが、ルーティングを確立するために使用されてもよい。
【0031】
方法300は、ブロック331で継続し、第1のページンググループに関連するRFサービスエリアの第1の領域から第2のページンググループに関連するRFサービスエリアの第2の領域に移動ノードを移動してもよい。例えば、移動ノードは、図1の第2のページンググループ134に関連するRFサービスエリア130の第2の領域に動かされてもよい。ブロック333において、第2のページング広告は、第2のページング基地局から移動ノードで受信されてもよい。第2のページング基地局(例えば、図1の第2のページングコントローラ154に関連する基地局)は、第2のページンググループに配置されてもよい。第2のページング広告は、第2のページンググループに関連する第2のMPC(例えば、図1の第2のMPC156A)に関連するPCIDを有してもよい。ブロック337において、移動ノードは、第2のMPCに関連するPCIDと移動ノードに格納されたPCIDとを比較してもよい。ブロック339において、2つのPCIDの比較から、移動ノードは、移動ノードがRFサービスエリアの第1の領域からRFサービスエリアの第2の領域に移動したことを推測してもよい。
【0032】
方法300は、ブロック341において、移動ノードに格納されたPCIDを第2のページング基地局に送信することを更に有してもよい。ブロック345において、第2のページング基地局は、移動ノードに格納されたPCIDと第2のMPCに関連するPCIDとを比較してもよい。第2のページング基地局は、移動ノードに格納されたPCIDと第2のMPCに関連するPCIDとが異なることを認識してもよい。その結果、ブロック347において、第2のページング基地局は、移動ノードに格納されたPCIDを第2のページング基地局から第2のMPCに送信してもよい。
【0033】
方法300はまた、ブロック351において、移動ノードが第2のページンググループに移動したことを第1のMPCに広告するために、第2のMPCから第1のMPCにメッセージを送信することを有してもよい。ブロック353において、第2のMPCは、移動ノードに関連するアイドルモード保存情報を含む応答を第1のMPCから受信してもよい。第1のMPCと第2のMPCとの間で通信されるメッセージは、バックホールネットワーク(例えば、図1のバックホールネットワーク124)を横断してもよい。バックホールネットワークは、複数の基地局に関連する複数のページングコントローラをコアネットワークに結合してもよい。第1及び第2のMPCと、パケットをバッファするために使用される1つ以上のページングコントローラとが、複数のページングコントローラに含まれてもよい。
【0034】
ブロック355において、第2のMPCは、第2のMPCに関連する第2のページングデータベース(例えば、図1の第2のページングデータベース164)にアイドルモード保存情報を格納してもよい。ブロック357において、第1のMPCは、場合によっては情報が第2のページングデータベースに格納されたという確認を受信したときに、そのページングデータベースからアイドルモード保存情報を削除してもよい。方法300は、ブロック359において、第2のMPCに関連するPCID、第2のページンググループに関連するPGID又はこれらの双方を更新して移動ノードに格納することを有してもよい。方法300は、移動ノードが再びアイドル状態に入ると、ブロック317にループバックしてもよい。
【0035】
第1及び第2のMPCは、モバイルIP(mobile Internet protocol)、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.16eプロトコル又はこれらの双方により規定されるものを含み、他の動作を実行してもよい。モバイルIPに関する更なる情報は、IETF(Internet Engineering Task Force)のRFC(Request for Comments)3344“IP Mobility Support for IPv4”(2002年8月)及び関連のRFCにある。IEEE802.16e(この出願時点で標準がまだ決定していない)に関する更なる情報は、IEEE802.16タスクグループe(Mobile WirelessMAN(R))のウェブサイト(http://www.ieee802.org/16/tge/)にある。前述の例は、特定の無線通信プロトコルに関して記載されているが、ここに記載する方法、装置及びシステムは、他の適切な無線通信技術/プロトコル(IEEE802.16ファミリーの標準の変形及び/又は進展等)に従って実装されてもよい。
【0036】
記載の順序以外の順序でここに記載の動作を実行することも可能である。ここで特定された方法に関して記載した様々な動作は、繰り返して、連続して又は並列して実行可能である。
【0037】
ソフトウェアプログラムは、コンピュータ型システムでコンピュータ可読媒体から立ち上げられ、ソフトウェアプログラムに規定された機能を実行してもよい。ここに開示された方法を実施及び実行するために設計されたソフトウェアプログラムを生成するために、様々なプログラム言語が使用されてもよい。プログラムは、オブジェクト指向型言語(Java(登録商標)又はC++等)を使用してオブジェクト指向型フォーマットで構成されてもよい。代替として、プログラムは、手続型言語(アセンブリ又はC等)を使用して手続指向型フォーマットで構成されてもよい。ソフトウェアコンポーネントは、遠隔手続き呼び出しを含み、当業者に周知の複数の機構(アプリケーションプログラムインタフェース又はプロセス間通信技術等)を使用して通信されてもよい。様々な実施例の教示は、特定のプログラム言語又は環境に限定されない。従って、以下の図4に関して説明するように、他の実施例が実現されてもよい。
【0038】
図4は、本発明の様々な実施例による物485のブロック図である。このような実施例の例は、コンピュータ、メモリシステム、磁気若しくは光ディスク、他の記憶装置、又は他の種類の電子装置若しくはシステムを有してもよい。物485は、機械アクセス可能媒体(メモリ489等(例えば、電気要素、光学要素又は電磁気要素を含むメモリ))に結合された1つ以上のプロセッサ487を有してもよい。媒体は、アクセスされたときに機械(例えば、プロセッサ487)が前述の動作を実行することを生じる関連情報491(例えば、コンピュータプログラム命令、データ又はこれらの双方)を有してもよい。
【0039】
ここに開示された装置、システム及び方法を実施することは、WPSN内で連続的なページング領域を提供してもよい。移動ノードは、WPSN内でページンググループに局所化されてもよく、保留中のパケットストリームはWPSNから移動ノードに配信されてもよい。開示されたアーキテクチャは、移動ノードの電力とシステムのスペクトルリソースを節約し得る。
【0040】
本発明の概念は、802.xxの実装(例えば、802.11、802.11a、802.11g、802.11n、802.11HT、802.16等)の例に関連して説明した実施例を含み得るが、特許請求の範囲はこれに限定されない。本発明の実施例は、何らかの有線又は無線システムの一部として実装されてもよい。例はまた、非限定的に、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN:wireless personal area network)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN:wireless metropolitan area network)、無線広域ネットワーク(WWAN:wireless wide area network)、セルラネットワーク、第3世代(3G)ネットワーク、第4世代(4G)ネットワーク、ユニバーサル移動電話システム(UMTS:universal mobile telephone system)及び同様の通信システムで使用され得るような、マルチキャリア無線通信チャネル(例えば、OFDM、DMT等)を有する実施例を含んでもよい。
【0041】
本発明の一部を形成する添付図面は、限定ではなく一例として、対象が実施され得る特定の実施例を示している。図示の実施例は、当業者がここに開示された教示を実施することができるほど十分詳細に記載されている。この開示の範囲を逸脱することなく、構造的及び論理的な代替及び変更が行われるように、他の実施例も使用及び導出されてもよい。従って、この詳細な説明は、限定の意味で取られるのではない。様々な実施例の範囲は、特許請求の範囲の特典がある均等の全範囲と共に、特許請求の範囲のみにより定められる。
【0042】
本発明の対象のこのような実施例は、1つより多くのものが実際に開示されている場合に、この出願の範囲を単一の発明又は発明の概念に自発的に制限することを意図することなく、ここでは、便宜的に個々に又は合わせて単に“本発明”という用語により示され得る。従って、ここでは特定の実施例が図示されて記載されているが、同じ目的を実現するように計算された何らかの構成が、図示の特定の実施例に代用されてもよい。この開示は、様々な実施例の何らか及び全ての適合又は変更をカバーすることを意図する。特にここに記載されていない前述の実施例の組み合わせ及び他の実施例は、前述の説明を検討することにより当業者に明らかになる。
【0043】
要約は、読者が技術的開示の本質を迅速に確かめることを可能にする要約を求める37.C.F.Rの§1.72(b)に従うように提供される。要約は、特許請求の範囲の範囲又は意味を解釈又は制限するために使用されないという解釈で提示される。更に、前述の詳細な説明では、開示を簡素化する目的で様々な機能が単一の実施例にグループ化されていることがわかる。この開示の方法は、各請求項に明示的に記載されたものより多い機能を必要とするように解釈されるべきではない。むしろ、本発明の対象は、単一の開示された実施例の全ての機能より小さいものにある。従って、特許請求の範囲が詳細な説明に組み込まれ、各請求項が別々の実施例として自立する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の様々な実施例による装置及び代表的なシステムのブロック図
【図2】本発明の様々な実施例による複数の方法を示すフローチャート
【図3A】本発明の様々な実施例による複数の方法を示すフローチャート
【図3B】本発明の様々な実施例による複数の方法を示すフローチャート
【図4】本発明の様々な実施例による物のブロック図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線パケット交換ネットワーク(WPSN)内で第1のページンググループに関連するマスターページングコントローラ(MPC)基地局と共に配置される第1のマスターページングコントローラ(MPC)であり、移動ノードを前記第1のページンググループに局所化し、前記移動ノードへのパケット転送を制御する第1のMPCと、
前記第1のMPCに結合されるページングデータベースであり、前記移動ノードに関連するページング情報を格納するページングデータベースと
を有する装置。
【請求項2】
前記移動ノードは、前記第1のページンググループに対応する第1の無線周波数(RF)サービスエリア内で電力管理プロトコルに従って動作するように適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記移動ノードと無線周波数(RF)アソシエーションを確立し、ページング広告を前記移動ノードに送信し、前記移動ノードが前記第1のページンググループに関連する第1のRFサービスエリア内で移動する間に前記移動ノードから位置更新を受信するページング基地局と共に配置される第1のページングコントローラであり、前記移動ノードがアイドル状態にあるときに前記移動ノードに指示されるパケットをバッファし、前記ページング基地局から前記位置更新を受信する第1のページングコントローラを更に有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のページングコントローラは、MPCを有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のページングコントローラは、前記RFアソシエーションに関する情報で前記第1のMPCを更新するスレーブページングコントローラ(SPC)を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記SPCは、前記SPCと前記第1のMPCとの間でパケットを転送するために、バックホールネットワークを使用して前記第1のMPCに結合される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記バックホールネットワークは、前記移動ノードとインターネットとの間でパケットを伝送するために、インターネットに結合される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記バックホールネットワークは、コアネットワークに結合され、
前記コアネットワークは、前記移動ノードとインターネットとの間でパケットを伝送するために、インターネットに接続される、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
第2のページンググループに関連する第2のページングコントローラであり、前記移動ノードが前記第1のRFサービスエリアから前記第2のページンググループに関連する第2のRFサービスエリアに移動した後に前記移動ノードから位置更新を受信する第2のページングコントローラを更に有する、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記第2のページンググループに関連する第2のMPCであり、前記移動ノードが前記第2のRFサービスエリアに移動したという通知を前記第2のページングコントローラから受信し、前記移動ノードが前記第2のRFサービスエリアに移動したことを前記第1のMPCに通知し、前記第1のページングコントローラによりバッファされた何らかのパケットを前記第2のページングコントローラに転送させ、前記ネットワークを通じて前記第2のページングコントローラに転送ルートを確立する第2のMPCを更に有する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
無線パケット交換ネットワーク(WPSN)内で第1のページンググループに関連するマスターページングコントローラ(MPC)基地局と共に配置される第1のマスターページングコントローラ(MPC)であり、移動ノードを前記第1のページンググループに局所化し、前記移動ノードへのパケット転送を制御する第1のMPCと、
前記第1のMPCに結合されるページングデータベースであり、前記移動ノードに関連するページング情報を格納するページングデータベースと、
前記第1のMPCに結合され、前記第1のMPCに関連する構成情報を表示するディスプレイと
を有するシステム。
【請求項12】
前記第1のMPCは、前記移動ノードと無線周波数(RF)アソシエーションを確立し、ページング広告を前記移動ノードに送信し、前記移動ノードが前記第1のページンググループに関連する第1のRFサービスエリア内で移動する間に前記移動ノードから位置更新を受信するページング基地局と共に配置される第1のページングコントローラであり、前記移動ノードがアイドル状態にあるときに前記移動ノードに指示されるパケットをバッファし、前記ページング基地局から前記位置更新を受信する第1のページングコントローラに通信可能に結合される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のMPCは、前記第2のページンググループに関連する第2のMPCであり、前記移動ノードが前記第2のRFサービスエリアに移動したという通知を前記第2のページングコントローラから受信し、前記移動ノードが前記第2のRFサービスエリアに移動したことを前記第1のMPCに通知し、前記第1のページングコントローラによりバッファされた何らかのパケットを前記第2のページングコントローラに転送させ、前記ネットワークを通じて前記第2のページングコントローラに転送ルートを確立する第2のMPCに通信可能に結合される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
第1のページンググループに関連するマスターページングコントローラ(MPC)基地局と共に配置される第1のマスターページングコントローラ(MPC)を使用して、無線パケット交換ネットワーク(WPSN)内で移動ノードを前記第1のページンググループに局所化し、
前記ネットワークを通じてパケット転送ルートを確立し、パケットを前記移動ノードに配信することを有する方法。
【請求項15】
前記MPC基地局を有する複数の基地局を第1のページンググループにグループ化し、ページングコントローラは各基地局と共に配置され、
前記ページングコントローラのうち1つを前記第1のMPCとして選択し、
前記第1のMPCであるように選択されていないページングコントローラをスレーブページングコントローラとして命名することさらに有する方法。
【請求項16】
前記第1のMPCを使用して第1のページングデータベースを維持管理し、前記第1のページングデータベースは、前記移動ノードに関連するアイドルモード保存情報を有し、前記アイドルモード保存情報は、前記移動ノードがアイドル状態である間に維持管理され、
前記移動ノードが前記アイドル状態に入る前に、前記移動ノードを前記第1のMPCに登録することを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記アイドルモード保存情報は、前記第1のMPCに関連するページングコントローラ識別情報(PCID)と、前記第1のページンググループに関連するページンググループ識別情報(PGID)とのうち少なくとも1つを有する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記PCIDと前記PGIDとを前記移動ノードに格納し、
前記移動ノードをアイドル期間の間に前記アイドル状態にし、
前記アイドル期間に続いて前記アイドル状態を出て、
前記移動ノードが前記アイドル状態を出たことを前記第1のMPCに通知し、
前記アイドル状態を出たときに、第1のページング基地局から前記移動ノードで第1のページング広告を受信することを更に有し、前記第1のページング広告は、前記第1のMPCにより起動され、前記第1のMPCに関連するPCIDを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記移動ノードが最後に前記アイドルモードに入った少なくとも1つのページング基地局に関連するページングコントローラ、又は前記移動ノードが最後に位置更新を実行したページング基地局に関連するページングコントローラにパケットをバッファすることを更に有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アイドル状態を出たときに、前記第1のページング広告に応じて前記移動ノードから前記第1のページング基地局に位置更新メッセージを送信することを更に有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ルーティングを確立するためにMPCを使用して、前記ページングコントローラにバッファされたパケットを前記移動ノードにルーティングすることを更に有し、前記MPCは、前記移動ノードが最後に前記アイドル状態を出たページング基地局に関連するページンググループ内にある、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記移動ノードがページング広告を受信しなければ、位置更新を実行せずに、前記第1のページンググループに関連する無線周波数サービスエリアの領域内で前記移動ノードを移動することを更に有する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のページンググループに関連する無線周波数(RF)サービスエリアの第1の領域から第2のページンググループに関連するRFサービスエリアの第2の領域に前記移動ノードを移動し、
前記第2のページンググループにある第2のページング基地局から前記移動ノードで第2のページング広告を受信し、前記第2のページング広告は、第2のMPCに関連するPCIDを有し、前記第2のMPCは、前記第2のページンググループに関連し、
前記移動ノードで、前記第2のMPCに関連する前記PCIDと前記移動ノードに格納されたPCIDとを比較し、
前記移動ノードで、前記移動ノードがRFサービスエリアの前記第1の領域からRFサービスエリアの前記第2の領域に移動したことを前記2つのPCIDの比較から推測することを更に有する、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記移動ノードに格納された前記PCIDを前記第2のページング基地局に送信し、
前記第2のページング基地局で、前記移動ノードに格納された前記PCIDと前記第2のMPCに関連する前記PCIDとを比較し、
前記移動ノードに格納された前記PCIDと前記第2のMPCに関連する前記PCIDとが異なることを認識すると、前記移動ノードに格納された前記PCIDを前記第2のページング基地局から前記第2のMPCに送信することを更に有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2のMPCから前記第1のMPCにメッセージを送信し、前記移動ノードが前記第2のページンググループに移動したことを前記第1のMPCに広告し、
前記アイドルモード保存情報を含む応答を前記第1のMPCから前記第2のMPCで受信し、
前記第2のMPCに関連する第2のページングデータベースに前記アイドルモード保存情報を格納し、
前記第1のMPCに関連する前記第1のページングデータベースから前記アイドルモード保存情報を削除し、
前記第2のMPCに関連する前記PCIDと前記第2のページンググループに関連するPGIDとのうち少なくとも1つを更新し、前記移動ノードに格納することを更に有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第1のMPCと前記第2のMPCとの間で通信されるメッセージは、バックホールネットワークを横断し、
前記バックホールネットワークは、複数の基地局に関連する複数のページングコントローラをコアネットワークに結合する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
関連情報を有する機械アクセス可能媒体を有する物であって、
前記情報は、アクセスされたときに、機械を
第1のページンググループに関連するマスターページングコントローラ(MPC)基地局と共に配置される第1のマスターページングコントローラ(MPC)を使用して、無線パケット交換ネットワーク(WPSN)内で移動ノードを前記第1のページンググループに局所化させ、
前記ネットワークを通じてパケット転送ルートを確立し、パケットを前記移動ノードに配信させる物。
【請求項28】
前記情報は、アクセスされたときに、機械を
前記第1のMPCを使用して第1のページングデータベースを維持管理させ、前記第1のページングデータベースは、前記移動ノードに関連するアイドルモード保存情報を有し、前記アイドルモード保存情報は、前記移動ノードがアイドル状態である間に維持管理され、
前記移動ノードが前記アイドル状態に入る前に、前記移動ノードを前記第1のMPCに登録させる、請求項27に記載の物。
【請求項29】
前記情報は、アクセスされたときに、機械を
前記移動ノードが最後に前記アイドルモードに入ったページング基地局、又は前記移動ノードが最後に位置更新を実行したページング基地局のうち少なくとも1つに関連するページングコントローラにパケットをバッファさせ、
ルーティングを確立するためにMPCを使用して、前記ページングコントローラにバッファされたパケットを前記移動ノードにルーティングさせ、前記MPCは、前記移動ノードが最後に前記アイドル状態を出たページング基地局に関連するページンググループ内にある、請求項27に記載の物。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−512362(P2009−512362A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535792(P2008−535792)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/040581
【国際公開番号】WO2007/044990
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(593096712)インテル コーポレイション (931)
【Fターム(参考)】