説明

無線基地局、基地局制御装置、無線通信端末、天気予測システムおよび天気予測方法

【課題】それぞれの無線基地局のエリア単位で端末の利用者が自端末以外の装置を介して簡易に天気を予測できる無線基地局、基地局制御装置、無線通信端末、天気予測システムおよび天気予測方法を得ること。
【解決手段】無線基地局10は、現在地を含む所定エリアとしての特定エリアの気象状態を表わした天気情報を取得する特定エリア天気情報取得手段11と、特定エリアの周辺エリアの天気情報を取得する周辺エリア天気情報取得手段12と、周辺エリアの天気情報の変化を監視する周辺エリア監視手段13と、この監視結果から前記した特定エリアの天気情報の変化を予測する天気予測情報を作成する天気予測情報作成手段14と、この天気予測情報を所定の無線通信端末に通知する天気予測情報通知手段15とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末の利用者が特定のエリアの天気を予測する情報を取得することのできる無線基地局、基地局制御装置、無線通信端末、天気予測システムおよび天気予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)等の無線通信端末は、個人が常に携行することが多い。このため、移動先等の各場所でその場所の天気を確認するには大変便利な道具となっている。しかも、無線通信端末は最寄りの無線基地局を介して通信網と接続する。そこで、無線基地局ごとにそれらの無線基地局が存在するエリアの降雨に関する情報を取得することが、本発明の第1の関連技術として提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
この第1の関連技術では、無線基地局が雨量検知部や雨量計数部を備えている。このため、無線基地局は雨量検知部が一定値以上の降雨を検知したとき、携帯電話機に雨量情報を送信することができる。したがって、携帯電話機の利用者は屋内にいても、雨が降りだした通知を受けて、屋外に干していた洗濯物を早急に取り込むといった対応を採ることができる。
【0004】
しかしながら、この第1の関連技術では無線基地局から携帯電話機に雨が降りだしたという降雨に関する結果情報が通知されるだけであり、天気を予測する天気予報が通知される訳ではない。このため、降雨前に洗濯物を取り込むとか、外出時に傘を持っていくということはできない。そこで、利用者はたとえば携帯電話機で天気予報のサイトにアクセスして現在地に対応する天気予報を取得する必要があった。しかしながら、外出先で天気予報を取得しようとすると、自分のいる場所を特定して天気予報のサイトを検索する手間を必要とするという問題があった。また、天気予報が比較的広いエリアを単位として行われることが多いので、現在地を特定して天気予報を取得しても、予報が外れる可能性が大きいという問題があった。
【0005】
そこで、無線基地局自体が天気予報を行う天気予報情報提供装置を備えることが本発明の第2の関連技術として提案されている(たとえば特許文献2参照)。
【0006】
この第2の関連技術で天気予報情報提供装置は、気圧等の気象状態を観測する気象観測部を備えており、観測された気象状態を観測データ蓄積部に蓄積する。そして、蓄積された気圧の時間的変動傾向を基に天気予報情報を生成するようになっている。天気予報のために不可欠な気圧の他に、日照状態、温度、湿度、降雨量、降雪量、積雪量、風力、風向を観測対象に含めることも有効である。
【0007】
また、本発明の第3の関連技術として、各無線基地局がそれぞれそのエリアの最新の天気情報を保有しており、自分のエリアに無線通信端末が入ると、位置登録処理を行う際に、天気情報をその無線通信端末に通知することが提案されている(たとえば特許文献3参照)。
【0008】
更に、本発明の第4の関連技術として、携帯電話機自体がそれぞれの位置する場所の天気状態を示す天気状態情報を出力して、これら各位置の天気状態情報を用いて天気情報サーバが天気情報を作成することも提案されている(たとえば特許文献4参照)。
【特許文献1】特開2001−177875号公報(第0008段落、第0011段落、図1〜図3)
【特許文献2】特開2001−359161号公報(第0018段落、第0020段落、図2)
【特許文献3】特開2003−189363号公報(第0019段落、図1)
【特許文献4】特開2002−099576号公報(第0007段落、第0013段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このうち、第2および第3の関連技術では、それぞれの無線基地局がそれらのエリアに特化した天気予報のための情報を保持している。このため、無線基地局の占有エリアとしての比較的狭いエリアで天気予報を行うことができる。しかも、第3の関連技術では、位置登録処理を行う際に、天気情報をその無線通信端末に通知するので、無線通信端末が移動しているときには、エリアが変わるたびに天気予報を取得できることになる。
【0010】
しかしながら、これら第2および第3の関連技術によれば、無線基地局単位で正確な天気予報を行おうとすると、これら無線基地局にそのための設備を必要とする。したがって、天気予報のための設備の初期投資額が膨大となるだけでなく、設備の維持費も高額になるという問題があった。
【0011】
また、第4の関連技術では、携帯電話機自体が天気状態情報を出力するので、これらが正確な情報として出力されるためには、個々の無線通信端末のコストがアップするだけでなく、携帯電話機のサイズの大型化や重量の増加といった問題が生じる。
【0012】
更に携帯電話機あるいは無線通信端末自体が天気の予測を行おうとする考えもある。しかしながら、携帯電話機に代表される無線通信端末は屋内または屋外であってもカバンやポケットに入れている状態が多い。このため、仮に携帯電話機が天気情報を取得して天気情報データベースを作成することができても、天気情報を収集するには不向きであるという問題があった。また、携帯電話機について指摘した問題は無線通信端末でも同様に発生した。
【0013】
そこで本発明の目的は、端末の利用者が自端末以外の装置を介して簡易に天気を予測できる無線基地局、基地局制御装置、無線通信端末、天気予測システムおよび天気予測方法を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、(イ)天気の予測を行う対象となる特定位置を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの気象状態を表わした天気情報を取得する特定エリア天気情報取得手段と、(ロ)前記した特定エリアの周辺に位置する周辺エリアの天気情報を取得する周辺エリア天気情報取得手段と、(ハ)この周辺エリア天気情報取得手段の取得した周辺エリアの天気情報の変化を監視する周辺エリア監視手段と、(ニ)この周辺エリア監視手段の監視結果から前記した特定エリアの天気情報の変化を予測するための天気予測情報を作成する天気予測情報作成手段と、(ホ)この天気予測情報作成手段の作成した天気予測情報を所定の無線通信端末に通知する天気予測情報通知手段とを無線基地局が具備する。
【0015】
また、本発明では、(イ)各所に配置された無線基地局からそれらの配置されたエリアに対応する気象状態を表わした天気情報の変化を予測するための天気予測情報を収集し格納する天気予測情報格納手段と、(ロ)いずれかの無線基地局の配置されたエリアの天気の予測が要求されたとき、その周辺のエリアの無線基地局の前記した天気予測情報を読み出して前記した無線基地局の天気の予測に使用する情報として前記した天気の予測が要求された無線基地局に送信する天気予測情報送信手段とを基地局制御装置が具備する。
【0016】
更に本発明では、(イ)天気の予測を行う自端末の現在地あるいは移動先の位置を特定する予報位置特定手段と、(ロ)この予報位置特定手段で特定された位置に対応する無線基地局を含む所定範囲のエリアの天気を予測するための前記した無線基地局を含む所定範囲のエリアの周辺エリアの天気の時間的変化を示す天気予測情報を受信する周辺エリア天気予測情報受信手段と、(ハ)この周辺エリア天気予測情報受信手段の受信した前記した周辺エリアの天気の時間的変化を表示する時間的変化表示手段とを無線通信端末が具備する。
【0017】
更にまた、本発明では、(イ)天気の予測を行おうとする無線基地局を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの周辺に位置する周辺エリアからそれぞれの気象状態を表わした天気情報を時間を置いて継続的に取得する周辺天気情報取得手段と、(ロ)この周辺天気情報取得手段で取得した前記した周辺エリアの天気情報の変化を検出する変化検出手段と、(ハ)この変化検出手段で検出した天気情報の変化を基にして前記した天気の予測を行おうとする特定エリアの天気の予測のための処理を行う天気予測処理実行手段とを天気予測システムが具備する。
【0018】
また、本発明では、(イ)天気の予測を行おうとする無線基地局を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの周辺に位置する周辺エリアからそれぞれの気象状態を表わした天気情報を時間を置いて継続的に取得する周辺天気情報取得ステップと、(ロ)この周辺天気情報取得ステップで取得した前記した周辺エリアの天気情報の変化を検出する変化検出ステップと、(ハ)この変化検出ステップで検出した天気情報の変化を基にして前記した天気の予測を行おうとする特定エリアの天気の予測のための処理を行う天気予測処理実行ステップとを天気予測方法が具備する。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、それぞれが比較的狭い通信エリアを有し、人の存在する地域にほぼ均等に配置された無線基地局が気象状態を表わした天気情報を取得し、天気の予測を行おうとする無線基地局の配置されたエリアの周辺エリアの天気情報の変化を用いて前記した天気の予測を行おうとする無線基地局の配置されたエリアの天気を予測することにした。これにより、天気を予測するエリアの予測の精度を向上させることができるだけでなく、比較的狭いエリアに対するきめ細かな天気の予測が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の無線基地局のクレーム対応図を示したものである。本発明の無線基地局10は、天気の予測を行う対象となる特定位置を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの気象状態を表わした天気情報を取得する特定エリア天気情報取得手段11と、前記した特定エリアの周辺に位置する周辺エリアの天気情報を取得する周辺エリア天気情報取得手段12と、この周辺エリア天気情報取得手段12の取得した周辺エリアの天気情報の変化を監視する周辺エリア監視手段13と、この周辺エリア監視手段13の監視結果から前記した特定エリアの天気情報の変化を予測するための天気予測情報を作成する天気予測情報作成手段14と、この天気予測情報作成手段14の作成した天気予測情報を所定の無線通信端末に通知する天気予測情報通知手段15とを備えている。
【0021】
図2は、本発明の基地局制御装置のクレーム対応図を示したものである。本発明の基地局制御装置20は、各所に配置された無線基地局からそれらの配置されたエリアに対応する気象状態を表わした天気情報の変化を予測するための天気予測情報を収集し格納する天気予測情報格納手段21と、いずれかの無線基地局の配置されたエリアの天気の予測が要求されたとき、その周辺のエリアの無線基地局の前記した天気予測情報を読み出して前記した無線基地局の天気の予測に使用する情報として前記した天気の予測が要求された無線基地局に送信する天気予測情報送信手段22とを備えている。
【0022】
図3は、本発明の無線通信端末のクレーム対応図を示したものである。本発明の無線通信端末30は、天気の予測を行う自端末の現在地あるいは移動先の位置を特定する予報位置特定手段31と、この予報位置特定手段31で特定された位置に対応する無線基地局を含む所定範囲のエリアの天気を予測するための前記した無線基地局を含む所定範囲のエリアの周辺エリアの天気の時間的変化を示す天気予測情報を受信する周辺エリア天気予測情報受信手段32と、この周辺エリア天気予測情報受信手段32の受信した前記した周辺エリアの天気の時間的変化を表示する時間的変化表示手段33とを具備する。
【0023】
図4は、本発明の天気予測システムのクレーム対応図を示したものである。本発明の天気予測システム40は、天気の予測を行おうとする無線基地局を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの周辺に位置する周辺エリアからそれぞれの気象状態を表わした天気情報を時間を置いて継続的に取得する周辺天気情報取得手段41と、この周辺天気情報取得手段41で取得した前記した周辺エリアの天気情報の変化を検出する変化検出手段42と、この変化検出手段42で検出した天気情報の変化を基にして前記した天気の予測を行おうとする特定エリアの天気の予測のための処理を行う天気予測処理実行手段43とを備えている。
【0024】
図5は、本発明の天気予測方法のクレーム対応図を示したものである。本発明の天気予測方法50は、天気の予測を行おうとする無線基地局を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの周辺に位置する周辺エリアからそれぞれの気象状態を表わした天気情報を時間を置いて継続的に取得する周辺天気情報取得ステップ51と、この周辺天気情報取得ステップ51で取得した前記した周辺エリアの天気情報の変化を検出する変化検出ステップ52と、この変化検出ステップ52で検出した天気情報の変化を基にして前記した天気の予測を行おうとする特定エリアの天気の予測のための処理を行う天気予測処理実行ステップ53とを備えている。
【0025】
<発明の第1の実施の形態>
【0026】
次に本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0027】
図6は、本発明の第1の実施の形態による天気予測システムの構成の概要を表わしたものである。この天気予測システム100は、携帯通信網101と、この携帯通信網101に接続された基地局制御装置(Radio Network Controller:RNC)102と、この基地局制御装置102の制御を受ける第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mおよび携帯電話機104から構成されている。携帯電話機104はその利用者105が携行しており、その現在位置に応じて第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mのいずれかが無線で通信を行うようになっている。
【0028】
通常の場合、基地局制御装置102は数十台程度の無線基地局1031〜103Mの制御を行うが、本実施の形態では数値Mの大きさについて特に上限を設けない。したがって、基地局制御装置102は比較的広域のエリアについても、論理的に1台存在するものとして本明細書での説明を行う。
【0029】
図7は、第1の無線基地局の構成の概要を示したものである。第2〜第Mの無線基地局1032〜103Mは、第1の無線基地局1031と同一の構成となっているので、これらの構成についての説明を省略する。図6と共に説明を行う。
【0030】
第1の無線基地局1031は、CPU(Central Processing Unit)121と、このCPU121が実行する制御プログラムをその一部の領域に格納したメモリ122とを備えた主制御部123を有している。主制御部123は、次の各部の制御を行うようになっている。
【0031】
気温計124は、第1の無線基地局1031の外部(屋外)の気温を測定する。風速計125は、同じく屋外の風速と風の方向を測定する。湿度計126は同じく屋外の湿度を測定する。降雨計127は、同じく屋外の単位時間当たりの降水量を測定する。気圧計128は同じく屋外の気圧を測定する。通信制御部129は基地局制御装置102との通信を行う。周辺エリア天気予測情報取得部131は、通信制御部129を介して第2〜第Mの無線基地局1032〜103Mのうちの所定範囲の無線基地局103から天気予測情報を取得する。ここで天気予測情報とは、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mがそれぞれの天気情報を基にして基地局制御装置102や携帯電話機104に出力する情報である。本明細書で天気予測情報は、天気の予測まで装置側で行う天気予報に関する情報と、利用者105が天気の予測を可能とする時間的に変化した情報としての追跡結果情報のいずれかに加工される場合があるものとして説明する。
【0032】
周辺エリア変化解析部132は、周辺エリア天気予測情報取得部131で取得した第1の無線基地局1031の周辺エリアの天気情報を基にして天気の変化が生じる地理的な方向および速度を解析する。高山の麓のように湿った空気によって局所的に雨が降るような地形もあるが、これらの地理的に特異な場所を除けば、雲の動きや台風あるいは竜巻の移動のように気象現象が時間と共に地理的に移動する場合が多い。また、地理的に特異な場所であっても、これに隣接する場所に湿った空気が流れ込む等の気象変化が降雨の開始等の天候の変化を引き起こすことが多い。周辺エリア変化解析部132は、周辺エリアの気候の変化を解析することで第1の無線基地局1031の存在する特定エリアの気象変化を予測することになる。
【0033】
特定エリア天気予報作成部133は、周辺エリア変化解析部132の解析結果を基にして特定エリアの天気予報を示す天気予測情報(天気予報)を作成する。前記したように、本明細書で天気予測情報は2つの意味で使用する。1つは、天気予報として解析された情報であり、この第1の実施の形態で説明する。他の天気予測情報は、解析を利用者105側で行わせる情報である。これについては、第2の実施の形態で説明する。
【0034】
基地局基本回路部135は、第1の無線基地局1031として一般的に備える機能を実現する回路部分である。なお、通信制御部129、周辺エリア天気予測情報取得部131、周辺エリア変化解析部132、特定エリア天気予報作成部133および基地局基本回路部135の少なくとも一部はハードウェアで構成する必要はなく、主制御部123がこれらの機能をソフトウェア的に実現するものであってもよい。
【0035】
図8は、本実施の形態の基地局制御装置の構成の概要を表わしたものである。図6と共に説明する。
【0036】
基地局制御装置102は、CPU141とこのCPU141が実行する制御プログラムをその一部の領域に格納したメモリ142とを備えた主制御部143を有している。主制御部143は、次の各部の制御を行うようになっている。
【0037】
基地局マップ格納部144は、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mの担当する各エリアの地理的な位置情報を格納すると共に、天気予測情報を作成するために必要な周辺エリアに属する無線基地局103のグループを特定の無線基地局103と対応づけて格納している。たとえば第1の無線基地局1031が天気予報を作成するために必要な周辺エリアに第2〜第10の無線基地局1032〜10310が配置されているとする。この場合には、これら第2〜第10の無線基地局1032〜10310を、周辺エリアに属する無線基地局103のグループとして特定している。
【0038】
天気予測情報分配制御部145は、それぞれの無線基地局103から天気予測情報の分配の要求があったとき、対応するグループの無線基地局103の天気予測情報をその要求先に分配する制御を行う。たとえば第1の無線基地局1031からグループの天気予測情報の分配の要求があったときには、第2〜第10の無線基地局1032〜10310から送られてきた天気予測情報を分配する。もちろん、天気予測システム100の管理者は、分配の対象となるグループの構成員としての無線基地局103を各種の状況や予測する天気の内容に応じて変更することができる。
【0039】
通信制御部146は、基地局制御装置102が第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mと天気に関する情報等の各種の情報を交換する制御を行う。基地局制御装置基本回路部148は、基地局制御装置102として一般的に備える機能を実現する回路部分である。なお、基地局制御装置102を構成するこれらの各回路部分の少なくとも一部はハードウェアで構成する必要はなく、主制御部143がこれらの機能をソフトウェア的に実現するものであってもよい。
【0040】
図9は、無線基地局の天気予測情報の処理の様子を表わしたものである。ここでは第1の無線基地局1031を例にとって図6および図7と共に説明する。
【0041】
第1の無線基地局1031の主制御部123は基地局制御装置102から天気予測情報の送信要求が受信されるか(ステップS201)と、同じく基地局制御装置102から周辺エリアの天気予測情報が受信されるか(ステップS202)と、携帯電話機104から天気予報送信要求が受信されるか(ステップS203)を、待機している。基地局制御装置102から天気予測情報の送信要求が受信された場合には(ステップS201:Y)、第1の無線基地局1031に備えられた気温計124、風速計125、湿度計126、降雨計127および気圧計128から天気情報を取得する(ステップS204)。そして、第1の無線基地局1031の無線エリアに相当する特定エリアのこれらの天気情報を基にして、現在地の天気を解析した天気予測情報を作成する(ステップS205)。天気予測情報は、現在の降雨量とか、気圧や湿度等の気象情報の解析結果から市販のソフトウェアを使用した降水確率のようなものであってもよい。第1の無線基地局1031は、作成した天気予測情報を第1の無線基地局1031の送信データであることを明示して送信時刻を表わしたデータと共に基地局制御装置102に送信して(ステップS206)、一連の処理を終了する(リターン)。
【0042】
一方、第1の無線基地局1031が基地局制御装置102から周辺エリアの天気予測情報を受信した場合には(ステップS202:Y)、これを周辺エリアのそれぞれの無線基地局と対応づけてメモリ122内に格納して(ステップS207)、一連の処理を終了する(リターン)。第1の無線基地局1031に対応する周辺エリアが前記したように第2〜第10の無線基地局1032〜10310であるとする。この場合、第1の無線基地局1031は第2〜第10の無線基地局1032〜10310のそれぞれに対応させて、受信した時刻を表わしたデータと共に天気予測情報をメモリ122内に格納する。
【0043】
第1の無線基地局1031が携帯電話機104から天気予報送信要求を受信した場合には(ステップS203:Y)、ステップ207で格納したメモリ122から第2〜第10の無線基地局1032〜10310に関する天気予測情報を最近のものから過去の所定期間遡ったものまでを読み出す。そして、これらを周辺エリア変化解析部132で解析して、その結果を特定エリア天気予報作成部133に送って第1の無線基地局1031が属する特定エリアの天気予報を作成する(ステップS208)。たとえば特定エリアでは降雨量がゼロであるが、周辺エリアの天気情報の変化を見ると、変化の方向と併せて数時間後に雨が降りだす確率が高ければ、そのような天気予報を作成する。また、比較的近くに竜巻が発生していれば、特定エリアにおける天気情報も参考にして、竜巻発生注意報を天気予報に加える。雨が本降りになるか、雨から曇りに切り替わる予測も同様にして作成が可能である。
【0044】
第1の無線基地局1031は、このようにして作成した天気予報を、要求を行った携帯電話機104に送信して(ステップS209)、一連の処理を終了する(リターン)。携帯電話機104が予め所定のタイミングで天気予報の送信を要求しているような場合には、ステップS203の処理の代わりに第1の無線基地局1031がそのタイミングの到来を監視して、到来した時点で天気予報の送信を行うようにすることも可能である。
【0045】
図10は、図9で示した処理が行われる場合の基地局制御装置側の天気予測情報の処理の様子を表わしたものである。図6および図8と共に説明する。
【0046】
基地局制御装置102の主制御部143は、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mから天気予測情報を受信するタイミングが到来したか(ステップS221)と、これらの第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mのいずれかから天気予測情報を受信したか(ステップS222)と、これらの第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mに対して周辺エリアの天気予測情報の送信タイミングが到来したか(ステップS223)の監視を行っている。天気予測情報を受信するタイミングが到来した場合には(ステップS221:Y)、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mに対して天気予測情報の送信を要求して(ステップS224)、一連の処理を終了する(リターン)。もちろん、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mに対する天気予測情報の送信要求は、一度に行わず、分散的に要求を行うようにしてもよい。
【0047】
このステップS224による天気予測情報の送信要求に対して第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mが自局の天気予測情報を送信してきたら(ステップS222:Y)、基地局制御装置102はこれらを順次受信する。そして、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mのそれぞれに対応させてメモリ142内に、送信時刻を表わしたデータと共にこれらの天気予測情報を格納して(ステップS225)、一連の処理を終了する(リターン)。
【0048】
また、主制御部143は、周辺エリアの天気予測情報の送信タイミングが到来したら(ステップS223:Y)、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mのそれぞれに対してこれらの周辺エリアの天気予測情報を送信することになる。これを具体的に示す。まず、パラメータnを「1」に初期化する(ステップS226)。そして、第nの無線基地局103nとしての第1の無線基地局1031に対応する無線基地局103のグループを基地局マップ格納部144から読み出す。この例の場合には第1の無線基地局1031に対応するものとして、第2〜第10の無線基地局1032〜10310が読み出される。そこで天気予測情報分配制御部145は、第2〜第10の無線基地局1032〜10310についての最新の天気予測情報をメモリ142から時刻を表わしたデータと共に読み出す(ステップS227)。そして、これを第nの無線基地局103nとしての第1の無線基地局1031に周辺エリアの天気予測情報として送信する(ステップS228)。
【0049】
このようにして第1の無線基地局1031に対する周辺エリアの天気予測情報の送信が終了したら、パラメータnが「1」だけ加算される(ステップS229)。そして、その値が値「M」と比較され(ステップS230)、これよりも小さい場合には(N)、ステップS227の処理に進んで第2の無線基地局1032に関する周辺エリアの天気予測情報の送信処理が行われる。以下同様である。
【0050】
一方、パラメータnの値が値「M」を超える値となっていた場合には(ステップS230:Y)、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mのすべてについて周辺エリアの天気予測情報の送信が終了したことになる。そこで、この場合には周辺エリアの天気予測情報の送信処理が終了する(リターン)。以上の周辺エリアの天気予測情報の送信処理も、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mについて連続した処理を行う必要はなく、これらを適宜時間的に分割して行うようにしてもよい。
【0051】
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、携帯電話機104が存在する場所の天気変化予報を、対応する無線基地局103を使用してリアルタイムに取得することができる。また、個々の無線基地局の管轄するエリアは比較的狭いので、竜巻、局地的豪雨、雷雨等の局地的な天気変化予報が可能になる。
【0052】
<発明の第2の実施の形態>
【0053】
次に本発明の第2の実施の形態を説明する。
【0054】
図11は、本発明の第2の実施の形態における第1の無線基地局の構成の概要を示したものである。この図11で図7と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。また、図6に示した天気予測システム100は、第2の実施の形態で天気予測システム100Aと読み換えるものとし、基地局制御装置102は基地局制御装置102Aに、また第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mは、第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAと読み換えるものとする。図6と共に説明を行う。
【0055】
第1の無線基地局1031Aの主制御部123Aは、そのメモリ122Aに格納された制御プログラムによって、図6に示した利用者105が現在地における天気を自分で予測するための情報を提供するようになっている。主制御部123Aは、天気情報を測定するために風速計125および降雨計127と接続されている。主制御部123Aは、また、基地局基本回路部135の他に通信制御部129、周辺エリア天気予測情報取得部131A、天気変化状況表示データ作成部136および天気予測情報変化表示制御部137と接続されている。ここで、周辺エリア天気予測情報取得部131Aは、利用者105の指示によって周辺エリアの広さを変えながら天気予測情報を取得する点で第1の実施の形態と異なっている。
【0056】
天気変化状況表示データ作成部136および天気予測情報変化表示制御部137は第2の実施の形態で新たに設けられたデバイスであり、ハードウェアまたはソフトウェアで構成されている。このうち天気変化状況表示データ作成部136は、特定エリアとその周辺の複数の周辺エリアのそれぞれの天気情報あるいは天気予測情報をグラフィカルに時間を追って表示するデータを作成する。天気予測情報変化表示制御部137は、携帯電話機104の表示部に天気情報あるいは天気予測情報の過去の変化を表示することで、利用者105に現在地としての特定エリアの気象を予測させるようになっている。
【0057】
図12は、第2の実施の形態における基地局制御装置の構成の概要を示したものである。この図12で図8と同一部分には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。図6と共に説明する。基地局制御装置102Aは、そのメモリ142Aに格納された制御プログラムによって、第2の実施の形態による制御を実現している。この第2の実施の形態では、天気予測情報分配制御部145が、図11に示した周辺エリア天気予測情報取得部131Aからの指示によって周辺エリアの無線基地局103Aの抽出密度を変化させるようになっている。すなわち、竜巻のように比較的局部的な気象現象を観察する場合には周辺エリアとなる無線基地局103Aの抽出密度を高く(細かく)して、比較的狭いエリア内の気象変化を携帯電話機104の表示部に表示できるようにしている。また、台風の進路に伴う降水の予測を広域で行う場合のようにある程度広い地域の気象変化を追跡することが好適な場合には、周辺エリアとなる無線基地局103Aの抽出密度を低くして携帯電話機104の表示部に広い地域の気象変化が一度に表示できるようにしている。
【0058】
図13〜図15は、第2の実施の形態で各地の降雨情報を携帯電話機の図示しない表示部に表示することで現在地の降雨を予測する原理を示したものである。これらの図で、6角形のそれぞれは、各無線基地局103Aのセル301を示しており、図でほぼ中央の網目で記した6角形が利用者105(図6)の位置する現在地のセル301を示している。また、表示部の右端近傍に縦方向に記したスケール303は周辺エリアとなる無線基地局103Aの抽出密度を表わしており、利用者105は指標304を表示範囲の広狭に合わせて指定することができる。表示範囲が一番狭い状態では、それぞれのセルは間引いていない実際のセルの配置状態に原則として対応している。これに対して、表示範囲が広くなるほど、無線基地局103Aのセルが間引かれて表示される。たとえば東西両方向に5個置きとか10個置きに1個ずつの割合で無線基地局103のセルが表示されることになり、1つ1つの無線基地局103A同士の距離が広まることになる。
【0059】
表示部の上端近傍に横方向に記したスケール305は、天気情報がどれ程前に測定されたかを示す時間軸である。利用者105は指標306で何時間前のデータを表示部に表示するかを指定することができる。表示部の右上には、方位を示すコンパス307が表示されている。
【0060】
たとえば図13の表示内容は、2時間前の天気情報を基にした天気予測情報を示している。ここで天気図用記号としてのマーク311は通常の降雨量を示している。また、マーク312は、単位時間当たりの降雨量が非常に多いことを示している。マーク313は、雷が発生していることを示している。本実施の形態で雷の発生は、該当する無線基地局103のアンテナから入力される雷に伴う雑音によって検出するが、別に専用の光検出器を設けて稲光の検出を行ってもよい。
【0061】
図14は、1時間前の天気情報を基にした天気予測情報を示しており、図15は現在の天気情報を基にした天気予測情報を示している。図6に示した利用者105は、2つのスケール303、305を適宜変更していくことで、携帯電話機104の表示部に表示される天気予測情報(それぞれの無線基地局103Aでの天気情報)を変化させ、現在地のセル301との関係で現在地の将来の天気を予測することができる。図13〜図15に示した天気予測情報の変化を観察すると、現時点でほぼ1時間後に雨の降り出す確率が高い。利用者105は、天気予測情報の変化をスライドショーとして表示する指示を行うことも可能である。
【0062】
図13〜図15では、表示の煩雑さを避けるために天気図用記号を利用者105の知りたい気象変化に対応するもののみを表示するようになっている。この例の場合、図13〜図15では曇りとか晴天を示す天気図用記号は表示していない。表示する天気図用記号の選択は、携帯電話機104の設定モードで設定することができる。もちろん、降雪の状況やスモッグの発生の有無、あるいは杉花粉の飛散の状態を表示するようにするには、単に携帯電話機104の設定モードでの設定内容を変更するだけでなく、天気予測システム100Aを構成する第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAの天気情報を測定するセンサ類を変更したり増加する必要がある。
【0063】
図16は、第2の実施の形態における基地局制御装置側の天気予測情報の処理の様子を表わしたものである。図6、図11〜図15と共に説明する。
【0064】
基地局制御装置102Aの主制御部143Aは、第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAのいずれかから天気予測情報の送信要求があるか(ステップS401)と、これら第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAから天気予測情報を受信するタイミングが到来したか(ステップS402)と、これら第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAのいずれかから天気予測情報を受信したか(ステップS403)の監視を行っている。
【0065】
このうち、第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAから天気予測情報を受信するタイミングが到来した場合には(ステップS402:Y)、これらに対して天気予測情報の送信を要求して(ステップS404)、一連の処理を終了する(リターン)。もちろん、第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAに対する天気予測情報の送信要求は、一度に行わず、分散的に要求を行うようにしてもよい。また、この結果としてステップS404の要求に基づいた天気予測情報の受信があったときには(ステップS403:Y)、第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mのそれぞれに対応させてメモリ142A内に、送信時刻を表わしたデータと共にこれらの天気予測情報を格納して(ステップS405)、一連の処理を終了する(リターン)。これらは、第1の実施の形態と同様である。
【0066】
一方、携帯電話機104からの天気予測情報送信要求が第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAのいずれかを介して基地局制御装置102Aに送られてきたら(ステップS401:Y)、主制御部143Aは、送られてきたデータから携帯電話機104の表示部に天候の予測のために表示する無線基地局のセル301を特定する。これは、通常の場合、表示を要求した携帯電話機104の現在地を表わす。しかしながら、移動する先の天気の変化を利用者105が知りたいような場合には、その移動先の場所に対応する無線基地局103Aのエリアがセル301となる。比較対象となるセル301に対応する無線基地局103Aが特定されたら、主制御部143Aは表示を要求した携帯電話機104の指示した広さの表示に関するスケール303における指標304の指示する内容を読み取り、これに応じた各無線基地局103Aの天気予測情報を現在から過去の所定期間までメモリ142Aから読み出す(ステップS406)。
【0067】
一例を挙げる。利用者105が現在地の天気を予測したいとする。この場合、利用者105は特にどの場所の天気を予測するという指定を行わずに、単に広さの表示に関するスケール303の所望の位置に指標304を合わせて、天気予測情報の送信要求を最寄りの第1の無線基地局1031Aに送信すればよい。第1の無線基地局1031Aはこの場合、この要求を第1の無線基地局1031Aのエリアが携帯電話機104の表示部のセル301に対応するという情報を付加して基地局制御装置102Aに転送する。基地局制御装置102Aは、この情報を受け取ると(ステップS401:Y)、広さの表示に関するスケール303の度合いに応じた無線基地局103Aの密度で、かつ第1の無線基地局1031Aを表示中心(基準)として第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAを表示の広狭に応じて間引く。そして、残った所定数の無線基地局103Aの現在から過去の所定期間までの天気予測情報をメモリ142Aから読み出して第1の無線基地局1031Aに送信する(ステップS407)。
【0068】
第1の無線基地局1031Aはこれらの天気予測情報を受信すると、これらをメモリ122Aに格納する。そして、時間に関するスケール305の指標306の位置を示す最新の情報に対応する時間の天気予測情報としての追跡結果情報を携帯電話機104に送信する。これにより、携帯電話機104の表示部には、時間に関するスケール305の指標306の位置に応じた天気予測情報(追跡結果情報)が、携帯電話機104の設定した天気図用記号を用いて、第1の無線基地局1031Aを中心として表示される。もちろん、第1の無線基地局1031Aは基地局制御装置102Aから受信した天気予測情報を一括して携帯電話機104に送信して、これ以後は携帯電話機104側で表示部の制御をすべて行うようにしてもよい。
【0069】
利用者105が移動先の天気を予測したい場合、第1の無線基地局1031Aはその移動先の位置情報に対応する無線基地局103Aが携帯電話機104の表示部のセル301に対応するという情報を付加して基地局制御装置102Aに対して携帯電話機104の要求を送信する。基地局制御装置102Aは、この情報を受け取ると(ステップS401:Y)、広さの表示に関するスケール303の度合いに応じた密度で、かつ利用者105が所望の移動先の場所に対応する無線基地局103Aを携帯電話機104の表示部のセル301に対応するものとして、表示のスケールの広狭に応じて第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAを間引く。そして、残った所定数の無線基地局103Aの現在から過去の所定期間までの天気情報をメモリ142Aから読み出して(ステップS406)、第1の無線基地局1031Aに送信する(ステップS407)。
【0070】
第1の無線基地局1031Aはこれらの天気予測情報を受信すると、これらをメモリ122Aに格納する。そして、時間に関するスケール305の指標306の位置を示す最新の情報に対応する時間の天気予測情報(追跡結果情報)を携帯電話機104に送信する。これにより、携帯電話機104の表示部には、時間に関するスケール305の指標306の位置に応じた天気情報が、携帯電話機104の設定した天気図用記号を用いて、利用者105の指示した所望の移動先を中心として表示される。
【0071】
第2の実施の形態では、第1の無線基地局1031Aの処理の内容が以上の説明より明らかなので、具体的な処理の流れを示す図の提示は省略する。
【0072】
以上説明したように本発明の第2の実施の形態によれば、天気予測システム100Aが天気の予報を行わず、利用者105に予測のための情報を提供する。したがって、利用者105は天気を予測する楽しみを味わうことができる。また、マップ形式で気象の状況が表示されるので、これを観察することで、たとえば風雨の強い場所から弱い場所に移動するとか、竜巻の生じる可能性の少ない方向に逃げるといった方策が可能になる。
【0073】
なお、以上説明した第2の実施の形態では携帯電話機104の表示部の比較的広い範囲を使用して天気予測情報の表示を行ったが、第1の実施の形態を含めて表示部の表示には各種の形態を採ることができる。たとえば、待ち受け画面に天気予報や予測のための情報を簡易に表示したり、アイコンを使用して天気予測情報を表示することも可能である。
【0074】
また、実施の形態では第1〜第Mの無線基地局1031〜103Mあるいは、第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAが基地局制御装置102または基地局制御装置102Aと連携する場合を説明したが、これらの基地局制御装置102または基地局制御装置102Aは、ネットワークに接続された図示しないサーバとして構成されていてもよい。この場合、サーバが第1〜第Mの無線基地局1031A〜103MAの基地局制御装置102または基地局制御装置102Aとして天気情報を収集して保管したり、天気を予報したり、予測のための情報を要求先の無線基地局103、103Aに送信することになる。
【0075】
更に実施の形態では、周辺エリアの天気情報を基地局制御装置を経由して天気予測情報として取得したが、それぞれの無線基地局から天気情報として直接取得するようにしてもよいことは当然である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の無線基地局のクレーム対応図である。
【図2】本発明の基地局制御装置のクレーム対応図である。
【図3】本発明の無線通信端末のクレーム対応図である。
【図4】本発明の天気予測システムのクレーム対応図である。
【図5】本発明の天気予測方法のクレーム対応図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態による天気予測システムの構成の概要を表わしたシステム構成図である。
【図7】第1の実施の形態における第1の無線基地局の構成の概要を示したブロック図である。
【図8】第1の実施の形態における基地局制御装置の構成の概要を表わしたブロック図である。
【図9】第1の実施の形態における無線基地局の天気予測情報の処理の様子を表わした流れ図である。
【図10】図9で示した処理が行われる場合の基地局制御装置側の天気予測情報の処理の様子を表わした流れ図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態における第1の無線基地局の構成の概要を示したブロック図である。
【図12】第2の実施の形態における基地局制御装置の構成の概要を示したブロック図である。
【図13】第2の実施の形態で2時間前の天気情報を基にした天気予測情報を示した表示部の平面図である。
【図14】第2の実施の形態で1時間前の天気情報を基にした天気予測情報を示した表示部の平面図である。
【図15】第2の実施の形態で現在の天気情報を基にした天気予測情報を示した表示部の平面図である。
【図16】第2の実施の形態における基地局制御装置側の天気予測情報の処理の様子を表わした流れ図である。
【符号の説明】
【0077】
10、103 無線基地局
11 特定エリア天気情報取得手段
12 周辺エリア天気情報取得手段
13 周辺エリア監視手段
14 天気予測情報作成手段
15 天気予測情報通知手段
20、102 基地局制御装置
21 天気予測情報格納手段
22 天気予測情報送信手段
30 無線通信端末
31 予報位置特定手段
32 周辺エリア天気予測情報受信手段
40、100、100A 天気予測システム
41 周辺天気情報取得手段
42 変化検出手段
43 天気予測処理実行手段
50 天気予測方法
51 周辺天気情報取得ステップ
52 変化検出ステップ
53 天気予測処理実行ステップ
101 携帯通信網
104 携帯電話機
121、141 CPU
122、122A、142、142A メモリ
123、123A、143、143A 主制御部
124 気温計
125 風速計
126 湿度計
127 降雨計
128 気圧計
131、131A 周辺エリア天気予測情報取得部
132 周辺エリア変化解析部
133 特定エリア天気予報作成部
136 天気変化状況表示データ作成部
137 天気予測情報変化表示制御部
144 基地局マップ格納部
145、145A 天気予測情報分配制御部
301 セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天気の予測を行う対象となる特定位置を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの気象状態を表わした天気情報を取得する特定エリア天気情報取得手段と、
前記特定エリアの周辺に位置する周辺エリアの天気情報を取得する周辺エリア天気情報取得手段と、
この周辺エリア天気情報取得手段の取得した周辺エリアの天気情報の変化を監視する周辺エリア監視手段と、
この周辺エリア監視手段の監視結果から前記特定エリアの天気情報の変化を予測するための天気予測情報を作成する天気予測情報作成手段と、
この天気予測情報作成手段の作成した天気予測情報を所定の無線通信端末に通知する天気予測情報通知手段
とを具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記天気予測情報作成手段は、前記周辺エリアの天気情報の変化から前記特定エリアの天気情報の変化を予測した特定エリア天気予報を作成する特定エリア天気予報作成手段であることを特徴とする請求項1記載の無線基地局。
【請求項3】
前記特定エリア天気予報作成手段は、前記周辺エリアにおける特定の気象現象の時間的な変化を追跡する気象現象追跡手段と、この気象現象追跡手段の追跡する気象現象が前記特定エリアに至る予測状況を示す情報を作成する追跡結果情報作成手段とを具備することを特徴とする請求項2記載の無線基地局。
【請求項4】
前記天気予測情報作成手段は、前記特定エリアとその周辺に位置する複数の周辺エリアのそれぞれの天気情報の時間的な変化の状況を天気変化状況表示データとして作成する天気変化状況表示データ作成手段であることを特徴とする請求項1記載の無線基地局。
【請求項5】
前記天気変化状況表示データ作成手段は、前記特定エリアとその周辺に位置する複数の周辺エリアのそれぞれの天気情報をグラフィカルに時間を追って表示するデータを作成する手段であることを特徴とする請求項4記載の無線基地局。
【請求項6】
各所に配置された無線基地局からそれらの配置されたエリアに対応する気象状態を表わした天気情報の変化を予測するための天気予測情報を収集し格納する天気予測情報格納手段と、
いずれかの無線基地局の配置されたエリアの天気の予測が要求されたとき、その周辺のエリアの無線基地局の前記天気予測情報を読み出して前記無線基地局の天気の予測に使用する情報として前記天気の予測が要求された無線基地局に送信する天気予測情報送信手段
とを具備することを特徴とする基地局制御装置。
【請求項7】
天気の予測を行う自端末の現在地あるいは移動先の位置を特定する予報位置特定手段と、
この予報位置特定手段で特定された位置に対応する無線基地局を含む所定範囲のエリアの天気を予測するための前記無線基地局を含む所定範囲のエリアの周辺エリアの天気の時間的変化を示す天気予測情報を受信する周辺エリア天気予測情報受信手段と、
この周辺エリア天気予測情報受信手段の受信した前記周辺エリアの天気の時間的変化を表示する時間的変化表示手段
とを具備することを特徴とする無線通信端末。
【請求項8】
天気の予測を行おうとする無線基地局を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの周辺に位置する周辺エリアからそれぞれの気象状態を表わした天気情報を時間を置いて継続的に取得する周辺天気情報取得手段と、
この周辺天気情報取得手段で取得した前記周辺エリアの天気情報の変化を検出する変化検出手段と、
この変化検出手段で検出した天気情報の変化を基にして前記天気の予測を行おうとする特定エリアの天気の予測のための処理を行う天気予測処理実行手段
とを具備することを特徴とする天気予測システム。
【請求項9】
前記天気予測処理実行手段は、前記特定エリアの天気を予報する天気予報手段であることを特徴とする請求項8記載の天気予測システム。
【請求項10】
前記天気予測処理実行手段は、前記特定エリアの周辺の天気の変化を時間と共に表示する表示手段であることを特徴とする請求項8記載の天気予測システム。
【請求項11】
天気の予測を行おうとする無線基地局を含む所定範囲のエリアとしての特定エリアの周辺に位置する周辺エリアからそれぞれの気象状態を表わした天気情報を時間を置いて継続的に取得する周辺天気情報取得ステップと、
この周辺天気情報取得ステップで取得した前記周辺エリアの天気情報の変化を検出する変化検出ステップと、
この変化検出ステップで検出した天気情報の変化を基にして前記天気の予測を行おうとする特定エリアの天気の予測のための処理を行う天気予測処理実行ステップ
とを具備することを特徴とする天気予測方法。
【請求項12】
前記天気予測処理実行ステップは、前記特定エリアの天気を予報することを特徴とする請求項11記載の天気予測方法。
【請求項13】
前記天気予測処理実行ステップは、前記特定エリアの周辺の天気の変化を時間と共に表示することを特徴とする請求項11記載の天気予測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−102557(P2010−102557A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274274(P2008−274274)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】