説明

無線基地局、移動局及び測定方法

【課題】移動局UEにおいて構成を複雑にすることなく迅速にPRSを受信することを可能とする。
【解決手段】本発明に係る無線基地局eNBは、周辺セル#1乃至#3で用いられるCPの長さを送信するように構成されている上位レイヤ情報送信部11と、周辺セル#1乃至#3に配下のセル#2が含まれている場合には、かかる配下のセル#2において、かかるCPの長さに基づいて生成したPRSを送信するように構成されているPRS送信部12と具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局、移動局及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)-Rel.9方式の仕様策定作業では、LCS(Location Service)において移動局UEが複数のセルからの伝搬遅延差を測定するために、CRS(Common Reference Signal)よりも高密度に送信することが可能なPRS(Positioning Reference Signal)を導入することについての検討がなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP寄書、R1-092854
【非特許文献1】3GPP寄書、R1-091663
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現在のLTE-Rel.9方式では、PRSの送信パターンは、「Normal CP(Cyclic Prefix:サイクリックプリフィックス)」が用いられる場合と「Extended CP」が用いられる場合とで別々に定義されている。
【0005】
したがって、移動局UEは、測定する複数のセルにおいて「Normal CP」及び「Extended CP」のどちらが用いられているか分からないため、「Normal CP」用のPRSの送信パターン及び「Extended CP」用のPRSの送信パターンの両方を用いて、PRSを検出する必要があり、移動局UEの構成を複雑にし、移動局UEにおけるPRSの受信処理時間が長くなるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、移動局UEにおいて構成を複雑にすることなく迅速にPRSを受信することを可能とする無線基地局、移動局及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、無線基地局であって、周辺セルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さを送信するように構成されている第1送信部と、前記周辺セルに配下のセルが含まれている場合は、当該配下セルにおいて、前記サイクリックプリフィックスの長さに基づいて生成した参照信号を送信するように構成されている第2送信部と具備することを要旨とする。
【0008】
本発明の第2の特徴は、移動局であって、複数のセルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さを受信するように構成されている第1受信部と、前記サイクリックプリフィックスの長さに基づいて、前記複数のセルにおいて送信されている参照信号を受信するように構成されている第2受信部とを具備することを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、移動局が、周辺セルから受信した参照信号に基づいて、該移動局の在圏セルと該周辺セルと間の伝搬遅延差を測定する測定方法であって、無線基地局が、前記周辺セルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さと、該周辺セルに割り当てられるセルIDと、前記移動局の在圏セルと該周辺セルとの間の送信タイミング差を送信するステップと、前記周辺セルに配下のセルが含まれている場合に、前記無線基地局が、該配下のセルにおいて、該配下のセルで用いられるサイクリックプリフィックスに基づいて生成した参照信号を送信するステップと、前記移動局が、前記周辺セルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さと、該周辺セルに割り当てられるセルIDと、該移動局の在圏セルと該周辺セルとの間の送信タイミング差を受信するステップと、前記移動局が、前記サイクリックプリフィックスの長さと前記セルIDと前記送信タイミング差とに基づいて、前記周辺セルによって送信されている参照信号を受信するステップと、前記移動局が、前記周辺セルから受信した参照信号に基づいて、該移動局の在圏セルと該周辺セルとの間の伝搬遅延差を測定するステップと、前記移動局が、測定した前記伝搬遅延差を前記無線基地局に送信するステップを有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本発明によれば、移動局UEにおいて構成を複雑にすることなく迅速にPRSを受信することを可能とする無線基地局、移動局及び測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局によって送信されるPRSの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0013】
本実施形態に係る移動通信システムは、LTE-Rel.9方式の移動通信システムであり、図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムでは、移動局UEが、複数のセル#1乃至#3から、それぞれ、PRS#1乃至#3を受信することができるように構成されている。
【0014】
また、本実施形態に係る移動通信システムでは、LCSを提供するにあたって、測位方式として「OTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)方式」が用いられるように構成されている。
【0015】
OTDOA方式では、移動局UEは、無線基地局eNB#2によって指定された複数のセルからの伝搬遅延差を測定し、当該測定結果を無線基地局eNB#2に報告し、無線基地局eNB#2は、無線基地局eNB#1乃至eNB#3の上位ノードであるE-SMLC(Evolved Serving Mobile Location Center)に前記報告を転送し、E-SMLCが、かかる伝搬遅延差に基づいて、移動局UEの位置情報を算出するように構成されている。
【0016】
OTDOA方式では、3セル以上の伝搬遅延差に基づいて、移動局UEの位置情報を算出することができる。
【0017】
ここで、本実施形態に係る移動通信システムでは、上述のように、複数のセルからの伝搬遅延差を用いるため、セル間で同期が取られていることが好ましいが、セル間で同期が取られていなくてもよい。
【0018】
なお、本実施形態では、移動局UEは、セル#2への接続が完了し、セル#2に在圏しており、無線基地局eNB#2は、移動局UEに対して、セル#1乃至#3間の伝搬遅延差を測定させ、無線基地局eNBへと報告させるものとして説明を行う。
【0019】
なお、セル#1乃至#3は、同一の無線基地局eNBによって管理されていてもよいし、図1に示すように、複数の無線基地局eNB#1乃至eNB#3によって管理されていてもよい。以下、本実施形態では、セル#1乃至#3が同一の無線基地局eNBによって管理されているものとして説明を行う。
【0020】
図2に示すように、無線基地局eNBは、上位レイヤ情報送信部11と、PRS送信部12とを具備している。
【0021】
上位レイヤ情報送信部11は、移動局UEに対して、周辺セル#1乃至#3で用いられるCPの長さ(CP length)や、周辺セル#1乃至#3に割り当てられているセルID(例えば、PCI:Pysical Cell ID)や、周辺セル#1乃至#3における送信タイミング差等を送信するように構成されている。
【0022】
例えば、上位レイヤ情報送信部11は、移動局UEに対して、報知情報や移動局UE個別シグナリング等のRRCメッセージによって、周辺セル#1乃至#3で用いられるCPの長さや、周辺セル#1乃至#3に割り当てられているセルIDや、周辺セル#1乃至#3における送信タイミング差等を送信するように構成されていてもよい。
【0023】
PRS送信部12は、周辺セルに配下のセルが含まれている場合、かかる配下のセル#1乃至#3において、以下のように、上述のCPの長さに基づいてPRSを生成して送信するように構成されている。
【0024】
具体的には、PRS送信部12は、(式1)によって、PRSの系列を生成するように構成されていてもよい。
【0025】
【数1】

【0026】
ここで、「rl,ns(m)」は、スロット番号nのスロット内のl番目のOFDMシンボルにおけるm番目のサンプルを示す。また、「NRBPRS」は、PRSを送信するリソースブロック(RB:Resource Block)の数を示し、上述の報知情報に含まれるパラメータである。また、c(m)は、ランダム系列であり、(式2)によって初期化される。
【0027】
【数2】

【0028】
ここで、「NIDcell」は、各セルに割り当てられているセルIDであり、「NCP」は、(式3)によって規定されている変数である。
【0029】
【数3】

【0030】
すなわち、(式3)に示すように、「NCP」の値は、CPの長さによって、すなわち、「Normal CP」が用いられているか或いは「Extended CP」が用いられているかによって変化するように構成されている。
【0031】
また、上述のように、PRSの系列は、セルID(PCI等)等のセルに関する情報によって一意に決定されるように構成されている。例えば、PCIとして割り当て可能な値の範囲は「0〜504」であってもよい。
【0032】
また、PRS送信部12は、上述のように生成された各PRS#1乃至#3の系列を、リソースエレメント(RE:Resource Element)にマッピングするように構成されている。
【0033】
例えば、図3(a)及び図3(b)に示すように、PRS送信部12は、各リソースブロック内の各リソースエレメントに対して、PRSの系列をマッピングするように構成されていてもよい。
【0034】
ここで、図3(a)は、「Normal CP」が用いられている場合のPRSの送信パターンを示し、図3(b)は、「Extended CP」が用いられている場合のPRSの送信パターンを示す。
【0035】
具体的には、PRS送信部12は、(式4)によって特定されるリソースエレメントに対して、PRSの系列をマッピングするように構成されていてもよい。
【0036】
【数4】

【0037】
ここで、「ak,l」は、k番目のサブキャリアで、かつ、l番目のOFDMシンボルにおけるリソースエレメントのシンボルを示す。なお、サブキャリアk及びOFDMシンボルインデックスlは、(式5)によって決定される。
【0038】
【数5】

【0039】
また、PRS送信部12は、各セルにおいて、PRSがマッピングされたリソースブロックを送信するように構成されている。
【0040】
なお、PRS送信部12は、PRSを送信する周波数帯域幅(リソースブロック数)や送信間隔(送信タイミング)について、上位レイヤから通知されるように構成されている。
【0041】
また、PRS送信部12は、PRSを送信するリソースブロックでは、PDSCH(Physical Downlink Shanred Channel)信号(下りリンクデータ信号)を送信しないように構成されていてもよい。その結果、PRSのタイミング検出精度を向上させることができる。
【0042】
図4に示すように、移動局UEは、上位レイヤ情報受信部21と、PRS受信部22と、PRSレプリカ生成部23と、伝搬遅延差測定部24と、伝搬遅延差送信部25とを具備している。
【0043】
上位レイヤ情報受信部21は、無線基地局eNBから、周辺セル#1乃至#3で用いられるCPの長さや、周辺セル#1乃至#3に割り当てられているセルIDや、周辺セル#1乃至#3における送信タイミング差等を受信するように構成されている。
【0044】
例えば、上位レイヤ情報受信部21は、報知情報や移動局UE個別シグナリング等のRRCメッセージを介して、周辺セル#1乃至#3で用いられるCPの長さや、周辺セル#1乃至#3に割り当てられているセルIDや、周辺セル#1乃至#3における送信タイミング差等を受信するように構成されていてもよい。
【0045】
PRS受信部22は、セル#1乃至#3におけるPRSを受信するように構成されている。具体的には、PRS受信部22は、上述の(式1)乃至(式4)等を参照して、周辺セル#1乃至#3におけるPRSを受信するように構成されている。
【0046】
PRSレプリカ生成部23は、上位レイヤ情報受信部21によって受信された周辺セル#1乃至#3のセルID、及び周辺セル#1乃至#3で用いられるCPの長さを用いて、周辺セル#1乃至#3におけるPRSレプリカを生成するように構成されている。具体的には、PRSレプリカ生成部23は、上述の(式1)乃至(式5)等を参照して、周辺セル#1乃至#3におけるPRSのレプリカを生成するように構成されている。
【0047】
伝搬遅延情報測定部24は、PRS受信部22によって受信されたPRSと、PRSレプリカ生成部23によって生成された周辺セル#1乃至#3におけるPRSレプリカとに基づいて、周辺セル#1乃至#3におけるPRSを検出し、セル#1乃至#3間の伝搬遅延差を算出するように構成されている。
【0048】
伝搬遅延情報測定部24は、在圏セル#2とセル#1との間の伝搬遅延差、及び、在圏セル#2とセル#3との間の伝搬遅延差を算出するように構成されていてもよい。
【0049】
なお、伝搬遅延情報測定部24は、無線基地局eNBによって指定されているセルからのPRSを用いるだけではなく、その他のセルから送信されているPRSも含め、精度良く検出できたセルのPRSと在圏セル#2との間の伝搬遅延差を測定するように構成されていてもよい。ここで、受信したPRSやセル共通の参照信号や同期信号の1つ又は複数の受信レベルが予め定めた閾値以上であった場合に、PRSを精度良く検出できたと判断してもよい。
【0050】
また、伝搬遅延情報測定部24は、無線基地局eNBに対して、測定した伝搬遅延差及び当該伝搬遅延差を測定したセルのPCIを送信するように構成されている。
【0051】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0052】
図5に示すように、無線基地局eNBは、セル#2において、ステップS1000で、セル#1及び#3に割り当てられているセルID(例えば、PCI)と、セル#1及び#3で用いられるCPの長さと、セル#2とセル#1との間の送信タイミング差と、セル#2とセル#3との間の送信タイミング差とを含む上位レイヤ情報を送信する。
【0053】
無線基地局eNBは、ステップS1001Aにおいて、セル#1におけるPRS#1を送信し、ステップS1001Bにおいて、セル#2におけるPRS#2を送信し、ステップS1001Cにおいて、セル#3におけるPRS#3を送信する。ここで、ステップS1001A乃至S1001Cは、ステップS1000より前に実施してもよい。
【0054】
ステップS1002において、移動局UEは、ステップS1000において受信した上位レイヤ情報に基づいて、ステップS1001A乃至S1001において送信されているPRS#1乃至PRS#3を受信する。
【0055】
移動局UEは、受信したPRS#1乃至PRS#3を用いて、移動局UEの在圏セルであるセル#2とセル#1との間の伝搬遅延差、及び、セル#2とセル#3との間の伝搬遅延差を測定し、ステップS1003において、測定したセル#2とセル#1との間の伝搬遅延差及びセル#2とセル#3との間の伝搬遅延差を、セル#2を介して無線基地局eNBに送信する。
【0056】
ステップS1004において、無線基地局eNBは、かかるセル#2とセル#1との間の伝搬遅延差及びセル#2とセル#3との間の伝搬遅延差を、E-SMLCに送信する。
【0057】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、移動局UEは、無線基地局eNBによって送信されたCPの長さ(すなわち、「Normal CP」又は「Extended CP」)に応じて、「Normal CP」用のPRSの送信パターン或いは「Extended CP」用のPRSの送信パターンのいずれか一方のみ考慮して、PRSを受信することができるため、移動局UEの構成を複雑にすることなく、PRSの受信処理時間を短縮することができる。
【0058】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0059】
本実施形態の第1の特徴は、無線基地局eNBであって、周辺セルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さを送信するように構成されている上位レイヤ情報送信部11(第1送信部)と、前記周辺セルに配下のセルが含まれている場合は、かかる配下のセルにおいて、かかるサイクリックプリフィックスの長さに基づいて生成したPRS(参照信号)を送信するように構成されているPRS送信部12(第2送信部)と具備することを要旨とする。
【0060】
本実施形態の第1の特徴において、上位レイヤ情報送信部11は、上述のセルに割り当てられているセルID(例えば、PCI)及びセルにおける送信タイミング差を更に送信するように構成されていてもよい。
【0061】
本実施形態の第2の特徴は、移動局UEであって、複数のセルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さを受信するように構成されている上位レイヤ情報受信部21(第1受信部)と、かかるサイクリックプリフィックスの長さに基づいて、複数のセルにおいて送信されているPRSを受信するように構成されているPRS受信部22(第2受信部)とを具備することを要旨とする。
【0062】
本実施形態の第2の特徴において、上位レイヤ情報受信部21は、複数のセルに割り当てられているPCI及びセルにおける送信タイミング差を更に受信するように構成されており、PRS受信部22は、サイクリックプリフィックスの長さとPCIとセルにおける送信タイミング差とに基づいて、複数のセルにおいて送信されているPRSを受信するように構成されていてもよい。
【0063】
本実施形態の第2の特徴において、複数のセルにおいて受信したPRSに基づいて、複数のセルからの伝搬遅延差を測定するように構成されている伝搬遅延差測定部24と、複数のセルからの伝搬遅延差を送信するように構成されている伝搬遅延差送信部25とを具備してもよい。
【0064】
本実施形態の第3の特徴は、移動局UEが、周辺セル#1乃至#3から受信したPRS#1乃至#3に基づいて、移動局UEの在圏セル#2と周辺セル#1、#3と間の伝送遅延差を測定する測定方法であって、無線基地局eNBが、周辺セル#1乃至#3で用いられるCPの長さと、周辺セル#1乃至#3に割り当てられるセルIDと、移動局UEの在圏セル#2と周辺セル#1、#3との間の送信タイミング差を送信するステップと、周辺セル#1乃至#3に配下のセル#2が含まれている場合に、無線基地局eNBが、配下のセル#2において、配下のセル#2で用いられるCPに基づいて生成したPRSを送信するステップと、移動局UEが、周辺セル#1乃至#3で用いられるCPの長さと、周辺セル#1乃至#3に割り当てられるセルIDと、移動局UEの在圏セル#2と周辺セル#1、#2との間の送信タイミング差を受信するステップと、移動局UEが、受信したCPの長さとセルIDと送信タイミング差とに基づいて、周辺セル#1乃至#3によって送信されているPRSを受信するステップと、移動局UEが、周辺セル#1乃至#3から受信したPRSに基づいて、移動局UEの在圏セル#2と周辺セル#1、#3との間の伝搬遅延差を測定するステップと、移動局UEが、測定した伝搬遅延差を無線基地局eNBに送信するステップを有することを要旨とする。
【0065】
なお、上述の無線基地局eNB及び移動局UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0066】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0067】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、無線基地局eNB及び移動局UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局eNB及び移動局UE内に設けられていてもよい。
【0068】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0069】
eNB…無線基地局
11…上位レイヤ情報送信部
12…PRS送信部
UE…移動局
21…上位レイヤ情報受信部
22…PRS受信部
23…PRSレプリカ生成部
24…伝搬遅延差測定部
25…伝搬遅延差送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺セルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さを送信するように構成されている第1送信部と、
前記周辺セルに配下のセルが含まれている場合は、当該配下セルにおいて、前記サイクリックプリフィックスの長さに基づいて生成した参照信号を送信するように構成されている第2送信部と具備することを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記第1送信部は、前記セルに割り当てられているセルID及び該セルにおける送信タイミング差を更に送信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
複数のセルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さを受信するように構成されている第1受信部と、
前記サイクリックプリフィックスの長さに基づいて、前記複数のセルにおいて送信されている参照信号を受信するように構成されている第2受信部とを具備することを特徴とする移動局。
【請求項4】
前記第1受信部は、前記複数のセルに割り当てられているセルID及び該セルにおける送信タイミング差を更に受信するように構成されており、
前記第2受信部は、前記サイクリックプリフィックスの長さと前記セルIDと前記送信タイミング差とに基づいて、前記複数のセルにおいて送信されている参照信号を受信するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の移動局。
【請求項5】
前記複数のセルから受信した参照信号に基づいて、該複数のセル間の伝搬遅延差を測定するように構成されている伝搬遅延差測定部と、
前記複数のセル間の伝搬遅延差を送信するように構成されている伝搬遅延差送信部とを具備することを特徴とする請求項3に記載の移動局。
【請求項6】
移動局が、周辺セルから受信した参照信号に基づいて、該移動局の在圏セルと該周辺セルと間の伝送遅延差を測定する測定方法であって、
無線基地局が、前記周辺セルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さと、該周辺セルに割り当てられるセルIDと、前記移動局の在圏セルと該周辺セルとの間の送信タイミング差を送信するステップと、
前記周辺セルに配下のセルが含まれている場合に、前記無線基地局が、該配下のセルにおいて、該配下のセルで用いられるサイクリックプリフィックスに基づいて生成した参照信号を送信するステップと、
前記移動局が、前記周辺セルで用いられるサイクリックプリフィックスの長さと、該周辺セルに割り当てられるセルIDと、該移動局の在圏セルと該周辺セルとの間の送信タイミング差を受信するステップと、
前記移動局が、前記サイクリックプリフィックスの長さと前記セルIDと前記送信タイミング差とに基づいて、前記周辺セルによって送信されている参照信号を受信するステップと、
前記移動局が、前記周辺セルから受信した参照信号に基づいて、該移動局の在圏セルと該周辺セルとの間の伝搬遅延差を測定するステップと、
前記移動局が、測定した前記伝搬遅延差を前記無線基地局に送信するステップを有することを特徴とする測定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−49906(P2011−49906A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197469(P2009−197469)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】