説明

無線基地局及び無線通信方法

【課題】特定の通信チャネルの通信品質が劣化するエリアがセル内に存在する場合において、通信品質の劣化を抑制する。
【解決手段】無線基地局は、サブキャリアにおける通信品質を検出する通信品質検出部183と、通信品質検出部によって通信品質が検出された時点の無線通信端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部182と、サブキャリア番号、通信品質及び位置情報を対応付けたサブキャリア情報テーブルを記憶するサブキャリア情報テーブル記憶部185と、無線通信端末の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得部180と、サブキャリア情報テーブルと、現在位置情報とに基づいて、無線通信端末に通信チャネルを割り当てる割り当て部189とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末と通信する無線基地局、及び当該無線基地局に用いられる無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信システムにおいて通信速度を向上させる技術の1つとして、適応変調が知られている。適応変調では、伝搬路の状態が良い時には通信レートが高い変調方式が適用され、伝送路の状態が悪い時には通信レートが低い変調方式が適用される。
【0003】
このため、適応変調を使用する無線通信システムでは、無線通信端末は、無線基地局との無線通信の通信品質を測定し、測定した通信品質を無線基地局に通知する。無線基地局は、無線通信端末によって通知された通信品質に応じて変調方式を選択する。
【0004】
また、多数のサブキャリアを使用するマルチキャリア通信方式の1つとして、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)方式が知られている。OFDMA方式では、複数のサブキャリアからなるサブチャネル(以下、「通信チャネル」)が無線通信端末に動的に割り当てられる。
【0005】
OFDMA方式及び適応変調を使用する無線通信システムにおいては、通信チャネル毎に異なる変調方式を適用可能である。したがって、無線基地局は、無線通信端末に割り当て可能な通信チャネルの中から、通信品質が良好な通信チャネルを当該無線通信端末に割り当てることが望ましい。
【0006】
また、通信品質が良好な通信チャネルを無線通信端末に割り当て可能な技術として、次のような手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、無線通信端末は、無線基地局によって送信された無線信号の通信品質をサブキャリア毎に測定し、測定した通信品質を無線基地局に通知する。無線基地局は、通信品質が良好なサブチャネルからなる通信チャネルを無線通信端末に割り当てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−151567号公報(第18−19頁、第7図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、無線基地局によって構成されるセルにおいて、干渉源(例えば、他の無線基地局)からの干渉を受けるエリアや、無線基地局との間に障害物が存在するエリアでは、特定の通信チャネルの通信品質が劣化することがある。また、特定の通信チャネルの通信品質が劣化するエリアの周辺に位置する無線通信端末は、当該エリア内に移動して通信品質が劣化する恐れがある。
【0009】
上述したチャネル割り当て手法では、無線基地局は、特定の通信チャネルの通信品質が劣化するエリアの周辺に位置する無線通信端末に対して、当該特定の通信チャネルを割り当てる可能性がある。
【0010】
このため、上述したチャネル割り当て手法では、特定の通信チャネルの通信品質が劣化するエリアがセル内に存在する場合において、無線通信端末に通信チャネルが割り当てられた後に通信品質の劣化が生じやすい問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、特定の通信チャネルの通信品質が劣化するエリアがセル内に存在する場合において、通信品質の劣化を抑制することができる無線基地局、及び当該無線基地局に用いられる無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、無線通信端末(無線通信端末20A〜20D)と通信する無線基地局(無線基地局10)であって、前記無線通信端末に割り当て可能な通信チャネル(サブチャネル又はサブキャリア)における通信品質を検出する通信品質検出部(通信品質検出部183)と、前記通信品質検出部によって前記通信品質が検出された時点の前記無線通信端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部(位置情報取得部182)と、前記通信チャネルを識別する通信チャネル識別子(サブキャリア番号)と、前記通信品質検出部によって検出された前記通信品質と、前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報とを対応付けたチャネル情報(サブキャリア情報テーブル)を記憶するチャネル情報記憶部(サブキャリア情報テーブル記憶部185)と、前記無線通信端末の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得部(現在位置情報取得部180)と、前記チャネル情報記憶部によって記憶された前記チャネル情報と、前記現在位置情報取得部によって取得された前記現在位置情報とに基づいて、前記無線通信端末に前記通信チャネルを割り当てる通信チャネル割り当て部(割り当て部189)とを備え、前記通信チャネル割り当て部は、前記チャネル情報において所定の通信品質に対応する前記位置情報と、前記現在位置情報との差分(隣接度合いASCxx)を前記通信チャネル毎に算出する差分算出部(差分算出部186)と、前記差分算出部によって算出された前記差分に応じて、前記通信チャネルを前記無線通信端末に割り当てる割り当て制御部(合計値算出部186、優先順位設定部188、割り当て部189)とを備えることを要旨とする。
【0013】
このような特徴によれば、差分算出部は、所定の通信品質に対応する位置情報と、現在位置情報との差分を通信チャネル毎に算出する。これにより、通信品質が所定の通信品質となる位置と、無線通信端末の現在位置との間の距離が通信チャネル毎に特定される。
【0014】
また、割り当て制御部は、差分算出部によって算出された差分(距離)に応じて、無線通信端末の現在位置に適した通信チャネルを無線通信端末に割り当てる。したがって、通信品質が所定の通信品質となる位置と、無線通信端末の現在位置との間の距離に応じた通信チャネルの割り当てが可能となるので、特定の通信チャネルの通信品質が劣化するエリアがセル内に存在する場合において、通信品質の劣化を抑制することができる。
【0015】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記差分算出部は、閾値未満の通信品質を前記所定の通信品質として、前記差分を算出し、前記割り当て制御部は、前記差分が最大となる通信チャネルを前記無線通信端末に割り当てることを要旨とする。
【0016】
本発明の第3の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記通信チャネル割り当て部は、複数の前記無線通信端末に対して前記通信チャネルを割り当てる優先順位を設定する優先順位設定部(優先順位設定部188)をさらに備え、前記差分算出部は、複数の前記通信チャネルにおける前記差分の合計値(合計値APS01)を前記無線通信端末毎に算出し、前記優先順位設定部は、前記合計値が最小となる無線通信端末に対して、前記優先順位を最も高く設定することを要旨とする。
【0017】
本発明の第4の特徴は、本発明の第2の特徴に係り、前記無線通信端末とマルチキャリア通信方式(OFDMA方式)に従って通信する無線通信部(受信部13、復調・復号部14、送信部15、変調・符号化部16、送受信制御部17)をさらに備え、前記通信チャネル割り当て部は、複数のサブキャリアを前記通信チャネルとして前記無線通信端末に割り当てており、前記チャネル情報記憶部は、前記通信品質検出部によって検出された前記通信品質と、前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報とを前記サブキャリア毎に記憶し、前記差分算出部は、前記差分を前記サブキャリア毎に算出し、前記割り当て制御部は、前記差分が最大となるサブキャリアから所定数までのサブキャリアを前記無線通信端末に割り当てることを要旨とする。
【0018】
本発明の第5の特徴は、本発明の第4の特徴に係り、前記通信チャネル割り当て部は、周波数が連続する複数のサブキャリアを前記通信チャネルとして前記無線通信端末に割り当てることを要旨とする。
【0019】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記無線通信端末と無線信号を送信及び受信する無線通信部(受信部13、復調・復号部14、送信部15、変調・符号化部16、送受信制御部17)と、前記無線信号に基づき、前記無線通信端末が位置する方向と、前記無線通信端末との間の距離とを測定する測定部(測定部181)とをさらに備え、前記位置情報取得部は、前記測定部によって測定された前記方向及び前記距離に基づいて前記位置情報を取得し、前記現在位置情報取得部は、前記測定部によって測定された前記方向及び前記距離に基づいて前記現在位置情報を取得することを要旨とする。
【0020】
本発明の第7の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、複数のアンテナ素子(アンテナ素子11)を有するアレイアンテナ(アレイアンテナANT)と、前記無線通信端末が位置する方向に前記アレイアンテナの指向性を向ける指向性制御部(送受信制御部17)とをさらに備え、前記測定部は、前記指向性に基づいて前記無線通信端末が位置する方向を測定することを要旨とする。
【0021】
本発明の第8の特徴は、本発明の第6の特徴に係り、前記無線通信部によって送信される前記無線信号の送信電力を制御する送信電力制御部(送受信制御部17)と、前記無線通信部によって前記無線信号が送信されるタイミングと、前記無線通信端末によって無線信号が送信されるタイミングとを調整するタイミング調整部(送受信制御部17)とをさらに備え、前記測定部は、前記送信電力、又は前記タイミングの調整量に基づいて、前記無線通信端末との間の距離を測定することを要旨とする。
【0022】
本発明の第9の特徴は、無線通信端末と通信する無線基地局に用いられる無線通信方法であって、前記無線通信端末に割り当て可能な通信チャネルにおける通信品質を検出するステップ(ステップS12)と、前記検出するステップによって前記通信品質が検出された時点の前記無線通信端末の位置を示す位置情報を取得するステップ(ステップS13)と、前記通信チャネルを識別する通信チャネル識別子と、前記通信品質検出部によって検出された前記通信品質と、前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報とを対応付けたチャネル情報を記憶するステップ(ステップS14)と、前記無線通信端末の現在位置を示す現在位置情報を取得するステップ(ステップS101)と、記憶された前記チャネル情報と、取得された前記現在位置情報とに基づいて、前記無線通信端末に前記通信チャネルを割り当てるステップ(ステップS103)とを備え、前記割り当てるステップは、前記チャネル情報において所定の通信品質に対応する前記位置情報と、前記現在位置情報との差分を前記通信チャネル毎に算出するステップ(ステップS103)と、前記算出するステップにおいて算出された前記差分に応じて、前記通信チャネルを前記無線通信端末に割り当てるステップ(ステップS103)とを備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、特定の通信チャネルの通信品質が劣化するエリアがセル内に存在する場合において、通信品質の劣化を抑制することができる無線基地局、及び当該無線基地局に用いられる無線通信方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの概略構成図である。
【図2】WiMAXにおいてAMCを使用する場合の通信フレームの構成例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る無線基地局の概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る無線基地局の詳細構成図である。
【図5】本発明の実施形態に係る無線基地局が記憶するサブキャリア情報テーブルの構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体概略動作例を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の実施形態に係る無線基地局によって実行されるサブチャネル割り当て動作の動作手順例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る無線基地局が記憶するサブキャリア情報テーブルの他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)全体概略構成、(2)無線基地局の構成、(3)無線基地局の動作、(4)作用・効果について説明する。なお、以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0026】
(1)全体概略構成
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係る無線通信システムの概略構成について説明する。
【0027】
(1.1)無線通信システムの構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム1の概略構成図である。図1に示すように、無線通信システム1は、無線基地局10及び無線通信端末20A〜20Dを含む。
【0028】
本実施形態では、無線基地局10及び無線通信端末20A〜20Dは、IEEE 802.16e(WiMAX;登録商標)に基づく構成を有している。具体的には、無線基地局10及び無線通信端末20A〜20Dは、OFDMA方式及び適応変調・符号化(AMC)をサポートしている。
【0029】
無線基地局10は、アレイアンテナANT(図3参照)を備え、アレイアンテナANTを用いたアダプティブアレイ制御を行う。具体的には、無線基地局10は、無線通信端末20A〜20Dの方向にアレイアンテナANTの指向性を向けて、無線通信端末20A〜20Dと通信する。
【0030】
無線通信端末20A〜20Dは、無線基地局10によって送信された無線信号の品質をサブチャネル毎に測定する。例えば、無線通信端末20A〜20Dは、無線基地局10によって送信された無線信号のCNR、SNR又はFERを測定する。
【0031】
無線基地局10は、無線通信端末20A〜20Dから通知される通信品質に応じて、変調方式及び符号化方式を選択する。
【0032】
無線通信端末20A〜20Dは、無線基地局10との通信に使用されているサブチャネルの通信品質が無線基地局10との通信が継続不可能な値まで低下すると、当該サブチャネルの劣化を示すエラー情報を無線基地局10に通知する。
【0033】
無線基地局10は、エラー情報が通知されると、エラー情報が通知されたサブチャネルを構成するサブキャリアと、エラー情報を通知した無線通信端末の位置とを検出する。
【0034】
無線基地局10は、検出した位置を示す位置情報と、エラー情報が通知されたサブチャネルを構成するサブキャリアのサブキャリア番号とを対応付けたサブキャリア情報テーブルT1(図5参照)を記憶する。
【0035】
図1の例では、無線基地局10によって構成されるセル(サービスエリア)C1において、特定のサブキャリアの通信品質が劣化するエリアA1,A2が存在する。
【0036】
一例として、エリアA1は、無線基地局10との間に障害物が存在し、総サブキャリア数1024のうち、サブキャリア番号1〜300のサブキャリアの通信品質が劣化する。また、エリアA2は、セルC1の隣接セルからの干渉により、サブキャリア番号200〜500のサブキャリアの通信品質が劣化する。
【0037】
(1.2)通信フレームの構成
図2は、WiMAXにおいてAMCを使用する場合の通信フレームの構成例を示す図である。
【0038】
図2に示すように、通信フレームFは、下りリンク(DL)の通信に用いられるDLサブフレームと、上りリンク(UL)の通信に用いられるULサブフレームとを有する。
【0039】
DLサブフレーム及びULサブフレームは、1フレーム期間内に時分割で設けられる。すなわち、TDD(Time Division Duplex)方式が適用されており、DL及びULの通信が互いに異なる時間帯で行われる。
【0040】
さらに、DLサブフレーム及びULサブフレームのそれぞれは、AMCを使用する期間(以下、「AMC期間」)を有する。図2の例では、AMC期間は、一定の周波数帯毎に分割された12個のサブチャネルを有する。
【0041】
すなわち、WiMAXにおいてAMCを使用する場合、サブチャネルは、周波数が連続する複数のサブキャリアによって構成される。なお、WiMAXにおいてAMCが適用されるサブチャネルは、“バンド”と呼ばれる。
【0042】
DLサブフレームのサブチャネル1とULサブフレームのサブチャネル1とは対になり、1つの無線通信端末に割り当てられる。サブチャネル2〜サブチャネル12についても同様である。
【0043】
なお、DLサブフレームは、無線通信端末20A〜20Dに報知される報知情報であるDL−MAPを有する。DL−MAPは、サブチャネルの割り当て情報を含む。
【0044】
(2)無線基地局の構成
次に、図3〜図5を用いて、無線基地局10の構成について説明する。
【0045】
(2.1)無線基地局の概略構成
図3は、無線基地局10の概略構成図である。図3に示すように、無線基地局10は、アレイアンテナANT、送受信切替部12、受信部13、復調・復号部14、送信部15、変調・符号化部16、送受信制御部17、及び制御部18を含む。
【0046】
アレイアンテナANTは、複数のアンテナ素子11を含む。送受信切替部12は、無線基地局10における送信タイミングと受信タイミングとを切り替える。すなわち、送受信切替部12は、送信タイミングにおいて、送信部15からの無線信号をアレイアンテナANTに伝達する。一方、受信タイミングにおいて、送受信切替部12は、アレイアンテナANTからの無線信号を受信部13に伝達する。
【0047】
受信部13は、送受信切替部12によって伝達される無線信号の受信処理を行い、受信信号を出力する。具体的には、受信部13は、無線信号を増幅する低雑音増幅器(LNA)や、無線信号の周波数を低下させるダウンコンバータを含む。
【0048】
復調・復号部14は、受信部13から出力される受信信号に対してOFDMA復調及び復号を行う。復調及び復号後の受信信号は、制御部18に入力される。
【0049】
一方、変調・符号化部16は、制御部18からの送信信号に対して符号化及びOFDMA変調を行う。
【0050】
送信部15は、符号化及び変調後の送信信号の送信処理を行い、無線信号を出力する。具体的には、送信部15は、送信信号の周波数を上昇させるアップコンバータや、無線信号を増幅するパワーアンプを含む。
【0051】
送受信制御部17は、受信部13及び送信部15を制御する。本実施形態において、送受信制御部17は、無線通信端末20A〜20Dが位置する方向にアレイアンテナANTの指向性を向ける指向性制御部を構成する。すなわち、送受信制御部17は、各アンテナ素子11において送信又は受信される無線信号に対してウェイトを乗算することによって、無線信号の位相や振幅を制御する。
【0052】
また、本実施形態において、送受信制御部17は、無線信号の送信電力を制御する送信電力制御部を構成する。すなわち、送受信制御部17は、無線通信端末20A〜20Dにおける受信レベルを所定値に維持するために送信電力制御を行う。
【0053】
さらに、本実施形態において、送受信制御部17は、送信部15によって無線信号が送信されるタイミングと、無線通信端末20A〜20Dによって無線信号が送信されるタイミングとを調整するタイミング調整部を構成する。
【0054】
無線信号の伝送遅延は、無線基地局10と無線通信端末20A〜20Dとの間の距離に応じて変化する。このため、送受信制御部17は、伝送遅延によるタイミング誤差を補正するためにタイミング調整処理(レンジング処理)を実行する。
【0055】
制御部18は、復調・復号部14、変調・符号化部16、及び送受信制御部17を制御する。以下、制御部18の詳細な構成について説明する。
【0056】
(2.2)無線基地局の詳細構成
図4は、無線基地局10の詳細構成、具体的には、制御部18の機能ブロック構成図である。なお、以下においては、本発明に関連する点について主に説明する。
【0057】
図4に示すように、制御部18は、現在位置情報取得部180、測定部181、位置情報取得部182、通信品質検出部183、サブキャリア情報管理部184、サブキャリア情報テーブル記憶部185、差分算出部186、合計値算出部187、優先順位設定部188、及び割り当て部189を含む。
【0058】
測定部181は、送受信制御部17から取得した情報に基づいて、無線通信端末20A〜20Dが位置する方向と、無線通信端末20A〜20Dとの間の距離とを測定する。具体的には、測定部181は、アレイアンテナANTの指向性(例えば、位相合成パターン)に基づいて、無線通信端末20A〜20Dが位置する方向を測定する。
【0059】
また、測定部181は、送信電力値又はタイミング調整量に基づいて、無線通信端末20A〜20Dとの間の距離を測定する。すなわち、送信電力値又はタイミング調整量が大きいほど、無線基地局10と無線通信端末20A〜20Dとの間の距離が大きいことになる。
【0060】
通信品質検出部183は、無線通信端末20A〜20Dから受信したエラー情報に基づいて、無線通信端末20A〜20Dに割り当てたサブチャネルにおける通信品質の劣化を検出する。
【0061】
位置情報取得部182は、通信品質検出部183によって通信品質の劣化が検出された時点の無線通信端末の位置を示す位置情報を取得する。具体的には、位置情報取得部182は、測定部181によって測定された方向データ及び距離データに基づいて位置情報を取得する。
【0062】
サブキャリア情報テーブル記憶部185は、通信品質の劣化が検出されたサブチャネルを構成する各サブキャリアのサブキャリア番号と、通信品質の劣化が検出された位置(以下、適宜「品質劣化位置」という)の位置情報とを対応付けたサブキャリア情報テーブルT1を記憶する。
【0063】
サブキャリア情報管理部184は、位置情報取得部182によって取得された位置情報、及び通信品質検出部183によって検出されたサブキャリア毎の通信品質劣化情報に基づいて、サブキャリア情報テーブルT1を蓄積及び更新する。
【0064】
割り当て部189は、無線通信端末20A〜20Dの少なくとも1つにサブチャネル割り当てる場合、サブチャネルが割り当てられる無線通信端末の現在位置を示す現在位置情報を取得するよう、現在位置情報取得部180に指示する。
【0065】
なお、サブチャネルの割り当ては、新規に通信を開始する無線通信端末がサブチャネルの割り当てを要求する場合に限らず、既にサブチャネルが割り当てられている無線通信端末に再割り当てが行われてもよい。
【0066】
現在位置情報取得部180は、現在位置情報の取得指示を割り当て部189から受けると、測定部181によって測定された方向データ及び距離データに基づいて、サブチャネルが割り当てられる無線通信端末の現在位置情報を取得する。
【0067】
ここで、無線基地局10を原点としたxy平面を定義する。サブチャネルが割り当てられる無線通信端末の方向をφPS1とし、当該無線通信端末と無線基地局10との間の距離をLPS1とすると、当該無線通信端末の位置(現在位置)は、次のように表すことができる。
(LPS1cosφPS1 , LPS1sinφPS1) ・・・(1)
また、サブキャリア情報管理部184は、サブキャリア情報テーブルT1をサブキャリア情報テーブル記憶部185から読み出し、読み出したサブキャリア情報テーブルT1を差分算出部186に伝達する。
【0068】
差分算出部186は、サブキャリア情報テーブルT1に含まれる各位置情報と、現在位置情報との差分をサブキャリア毎に算出する。
【0069】
ここで、過去に通信品質の劣化が検出された時点の無線通信端末の方向をφNG1とし、当該無線通信端末と無線基地局10との間の距離をLNG1とすると、品質劣化位置は、次のように表すことができる。
(LNG1cosφNG1 , LNG1sinφNG1) ・・・(2)
そして、差分算出部186は、サブチャネルが割り当てられる無線通信端末の現在位置と、品質劣化位置との隣接度合いAを算出する。あるサブキャリアについての隣接度合いASCxxは、次の式に従って算出される。
【0070】
【数1】

隣接度合いASCxxが小さいほど、サブチャネルが割り当てられる無線通信端末の現在位置と、品質劣化位置とが近いことになる。
【0071】
なお、差分算出部186は、通信品質の劣化が検出されていないサブキャリアについては、所定の最大値(例えば、セル直径の2乗値)を割り当てる。また、1つのサブキャリアに複数の品質劣化位置が存在する場合、差分算出部186は、それぞれの隣接度合いを算出し、算出された隣接度合いのうちの最小値を選択する。
【0072】
合計値算出部187は、差分算出部186によってサブキャリア毎に算出された隣接度合いAを取得し、すべてのサブキャリアについての隣接度合いの合計値APS01を次の式に従って算出する。
【0073】
【数2】

サブチャネルが割り当てられる無線通信端末が複数存在する場合、合計値算出部187は、各無線通信端末について隣接度合いの合計値を算出する。算出された合計値が小さい無線通信端末ほど多くの品質劣化位置が周辺に存在することになる。
【0074】
優先順位設定部188は、合計値算出部187によって算出された合計値が小さい無線通信端末に対して、サブチャネルを割り当てる優先順位を高く設定する。
【0075】
割り当て部189は、差分算出部186によって算出された隣接度合いと、優先順位設定部188によって設定された優先順位とに基づいて、サブチャネルを構成する。具体的には、割り当て部189は、サブキャリア毎に算出された隣接度合いを比較して、隣接度合いが最大となるサブキャリアから所定数までのサブキャリアによってサブチャネルを構成する。
【0076】
割り当て部189は、構成したサブチャネルを無線通信端末20A〜20Dに割り当てる。これにより、セルC1において品質劣化位置が存在しないサブキャリア、又は品質劣化位置が無線通信端末から遠いサブキャリアが、当該無線通信端末に割り当てられる。
【0077】
(2.3)テーブル構成例
図5は、サブキャリア情報テーブル記憶部185に記憶されるサブキャリア情報テーブルT1の構成例を示す図である。
【0078】
ここでは、無線通信端末の方向データ及び距離データが位置情報としてサブキャリア情報テーブルT1に記憶される例を示している。方向データとしては、アレイアンテナANTの位相合成パターンが記憶される。距離データとしては、送信電力値(パワーアンプのゲインコントロール値)又はタイミング調整値(レンジング値)が記憶される。
【0079】
(3)無線基地局の動作
次に、図6及び図7を用いて、無線基地局10の動作について説明する。
【0080】
(3.1)無線通信システムの概略動作
図6は、無線基地局10を含む無線通信システム1の全体概略動作例を示すシーケンス図である。ここでは、無線通信端末20Bがエラー情報を無線基地局10に送信した後に、無線通信端末20Aがサブチャネルの割り当て要求を無線基地局10に送信する場合の動作について説明する。
【0081】
ステップS11において、無線通信端末20Bは、エリアA1(サブキャリア番号1〜300のサブキャリアの通信品質が劣化するエリア)に移動し、エラー情報を無線基地局10に送信する。
【0082】
ステップS12において、無線基地局10は、無線通信端末20Bに割り当てていたサブチャネルを構成する各サブキャリアの通信品質劣化を検出する。
【0083】
ステップS13において、無線基地局10は、無線通信端末20Bの位置情報を取得する。
【0084】
ステップS14において、無線基地局10は、ステップS12において通信品質劣化が検出された各サブキャリアのサブキャリア番号と、ステップS13において取得された位置情報とを用いて、サブキャリア情報テーブルT1を更新する。
【0085】
ステップS15において、無線通信端末20Aは、サブチャネルの割り当て要求を無線基地局10に送信する。
【0086】
ステップS16において、無線基地局10は、無線通信端末20A,20Bに対してサブチャネルを割り当てる。具体的には、無線基地局10は、エリアA1内に位置する無線通信端末20Bと、エリアA1の周辺に位置する無線通信端末20Aとに対して、サブキャリア番号1〜300のサブキャリア以外のサブキャリアからなるサブチャネルを割り当てる。
【0087】
ステップS17において、無線基地局10は、ステップS16において割り当てたサブチャネルを無線通信端末20A,20Bに通知する。
【0088】
(3.2)サブチャネル割り当て動作
図7は、無線基地局10によって実行されるサブチャネル割り当て動作の動作手順例、具体的には、図6のステップS16の詳細を示すフローチャートである。
【0089】
ここでは、無線基地局10が、無線通信端末20A〜20Dのそれぞれに対してサブチャネルを割り当てる(又は割り当て直す)場合の動作について説明する。
【0090】
ステップS101において、現在位置情報取得部180は、無線通信端末20A〜20Dの現在位置情報を取得する。差分算出部186及び合計値算出部187は、式(3)及び式(4)に従って、無線通信端末20A〜20Dのそれぞれについて、サブキャリア毎の隣接度合いASCxxの合計値APS01、APS02、APS03及びAPS04を算出する。
【0091】
ステップS102において、優先順位設定部188は、ステップS101において算出された合計値APS01、APS02、APS03及びAPS04に基づいて、無線通信端末20A〜20Dにサブチャネルを割り当てる優先順位を設定する。
【0092】
図1においては、例えば、エリアA1内に位置する無線通信端末20Aの優先順位が最も高く設定され、次いで、エリアA1及びエリアA2の周辺に位置する無線通信端末20Bの優先順位が高く設定される。エリアA2の周辺に位置する無線通信端末20Cの優先順位は、無線通信端末20Bの次に高く設定される。この結果、無線通信端末20Dの優先順位が最も低く設定される。
【0093】
ステップS103において、割り当て部189は、ステップS102において設定された優先順位に従って、無線通信端末20A〜20Dにサブチャネルを割り当てる。また、割り当て部189は、無線通信端末20A〜20Dのそれぞれの現在位置と、各サブチャネルの品質劣化位置との間の距離が遠い順にサブチャネルを割り当てる。
【0094】
具体的には、割り当て部189は、エリアA1(サブキャリア番号100〜300のサブキャリアの通信品質が劣化するエリア)内に位置する無線通信端末20Aに対して、サブキャリア番号1〜300のサブキャリア以外のサブキャリアからなるサブチャネルを優先して割り当てる。
【0095】
また、割り当て部189は、エリアA1、及びサブキャリア番号200〜500のサブキャリアの通信品質が劣化するエリアA2(サブキャリア番号200〜500のサブキャリアの通信品質が劣化するエリア)の周辺に位置する無線通信端末20Bに対して、サブキャリア番号1〜500のサブキャリア以外のサブキャリアからなるサブチャネルを優先して割り当てる。
【0096】
割り当て部189は、エリアA2の周辺に位置する無線通信端末20Cに対して、サブキャリア番号200〜500のサブキャリア以外のサブキャリアからなるサブチャネルを優先して割り当てる。
【0097】
ステップS104において、割り当て部189は、すべてのユーザ(無線通信端末)に対して割り当てが完了したか否かを判定する。すべての無線通信端末に対して割り当てが完了していない場合、ステップS103に処理が戻る。一方、すべての無線通信端末に対して割り当てが完了している場合、ステップS105に処理が進む。
【0098】
ステップS105において、割り当て部189は、無線通信端末20A〜20Dに割り当てるサブキャリア数が不足しているか否かを判定する。無線通信端末20A〜20Dに割り当てるサブキャリア数が不足している場合、ステップS106において、割り当て部189は、各サブチャネルのサブキャリア数を減少させる。
【0099】
無線通信端末20A〜20Dに割り当てるサブキャリア数が不足していない場合、ステップS107に処理が進む。ステップS107において、割り当て部189は、未割り当てのサブキャリアが有るか否かを判定する。未割り当てのサブキャリアが有る場合、ステップS108に処理が進む。
【0100】
ステップS108において、割り当て部189は、各サブチャネルのサブキャリア数を増加させる。
【0101】
(4)作用・効果
以上説明したように、本実施形態によれば、差分算出部186は、サブキャリア毎に、品質劣化位置と、無線通信端末20A〜20Dの現在位置との間の距離を算出する。割り当て部189は、算出された距離が遠いサブキャリアを優先して無線通信端末20A〜20Dに割り当てる。
【0102】
したがって、特定のサブキャリア(又はサブチャネル)の通信品質が劣化するエリアA1,A2がセルC1内に存在する場合において、通信品質の劣化を抑制することができる。
【0103】
本実施形態によれば、割り当て部189は、品質劣化位置と、無線通信端末20A〜20Dの現在位置との間の距離が最大となるサブキャリアから所定数までのサブキャリアからなるサブチャネルを当該無線通信端末に割り当てる。
【0104】
したがって、サブチャネルの割り当て後において、当該サブチャネルの通信品質が劣化する可能性をさらに低くすることができる。
【0105】
本実施形態によれば、合計値算出部187は、品質劣化位置と、無線通信端末20A〜20Dの現在位置との間の距離を、すべてのサブキャリアについて合計する。優先順位設定部188は、当該合計値が最小となる無線通信端末に対して、割り当て優先順位を最も高く設定する。
【0106】
したがって、多くの品質劣化位置が周辺に存在する無線通信端末に対して優先的にサブチャネルを割り当てることができる。特に、周波数が連続するサブキャリアからなるサブチャネルを割り当てる場合において、割り当て可能なサブキャリアが少ない無線通信端末であっても、周波数が連続するサブキャリアを容易に確保可能となる。
【0107】
本実施形態によれば、測定部181は、受信部13によって受信される無線信号、及び送信部15によって送信される無線信号に基づき、無線通信端末20A〜20Dが位置する方向と、無線通信端末20A〜20Dとの間の距離とを測定する。
【0108】
したがって、無線通信端末にGPSなどの位置検出装置を設けることなく、無線基地局10が位置情報を取得することができる。
【0109】
本実施形態によれば、測定部181は、アレイアンテナANTの指向性に基づいて、無線通信端末20A〜20Dが位置する方向を測定する。したがって、無線通信端末20A〜20Dの方向が高精度に検出可能となる。
【0110】
本実施形態によれば、測定部181は、送信電力値(パワーアンプのゲインコントロール値)、又はタイミングの調整量(レンジング値)に基づいて、無線通信端末20A〜20Dとの間の距離を測定する。したがって、無線通信端末20A〜20Dとの間の距離が高精度に検出可能となる。
【0111】
[その他の実施形態]
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0112】
上述した実施形態では、差分算出部186が、サブキャリア毎に、品質劣化位置と、無線通信端末20A〜20Dの現在位置との間の距離を算出し、割り当て部189が、算出された距離が遠いサブキャリアを優先して無線通信端末20A〜20Dに割り当てていた。
【0113】
しかしながら、差分算出部186が、サブキャリア毎に、品質が良好である位置と、無線通信端末20A〜20Dの現在位置との間の距離を算出し、割り当て部189が、算出された距離が短いサブキャリアを優先して無線通信端末20A〜20Dに割り当ててもよい。
【0114】
上述した実施形態では、無線通信端末20A〜20Dがエラー情報を無線基地局10に通知していた。しかしながら、無線通信端末20A〜20Dが通信品質を無線基地局10に通知し、無線基地局10が当該通信品質と閾値とを比較してエラー情報を生成してもよい。
【0115】
また、上述した実施形態では、サブキャリア情報テーブルT1に品質劣化位置が登録されていたが、図8に示すように、無線通信端末20A〜20Dの位置情報と、通信品質とを登録する構成であってもよい。
【0116】
さらに、サブキャリア毎に通信品質及び位置情報が管理される構成に限らず、サブチャネル毎に通信品質及び位置情報が管理される構成でもよい。この場合、無線基地局10が記憶する通信品質及び位置情報のそれぞれの情報量を削減することができる。
【0117】
上述した実施形態では、無線基地局10において無線通信端末20A〜20Dの位置を検出していたが、無線通信端末20A〜20DがGPSを備える場合には、GPSを用いて検出された位置情報を無線通信端末20A〜20Dから無線基地局10に通知してもよい。
【0118】
上述した実施形態では、OFDMA方式が適用される無線通信システム1を説明したが、OFDMA方式に限らず、FDMA(Frequency Division Multiple Access)やSDMA(Space Division Multiple Access)などが適用されてもよい。
【0119】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0120】
ANT…アレイアンテナ、C1…セル、F…通信フレーム、T1,T2…サブキャリア情報テーブル、1…無線通信システム、10…無線基地局、11…アンテナ素子、12…送受信切替部、13…受信部、14…復調・復号部、15…送信部、16…変調・符号化部、17…送受信制御部、18…制御部、20A〜20D…無線通信端末、180…現在位置情報取得部、181…測定部、182…位置情報取得部、183…通信品質検出部、184…サブキャリア情報管理部、185…サブキャリア情報テーブル記憶部、186…差分算出部、187…合計値算出部、188…優先順位設定部、189…割り当て部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信端末と通信する無線基地局であって、
前記無線通信端末に割り当て可能な通信チャネルにおける通信品質を検出する通信品質検出部と、
前記通信品質検出部によって前記通信品質が検出された時点の前記無線通信端末の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記通信チャネルを識別する通信チャネル識別子と、前記通信品質検出部によって検出された前記通信品質と、前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報とを対応付けたチャネル情報を記憶するチャネル情報記憶部と、
前記無線通信端末の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得部と、
前記チャネル情報記憶部によって記憶された前記チャネル情報と、前記現在位置情報取得部によって取得された前記現在位置情報とに基づいて、前記無線通信端末に前記通信チャネルを割り当てる通信チャネル割り当て部と
を備え、
前記通信チャネル割り当て部は、
前記チャネル情報において所定の通信品質に対応する前記位置情報と、前記現在位置情報との差分を前記通信チャネル毎に算出する差分算出部と、
前記差分算出部によって算出された前記差分に応じて、前記通信チャネルを前記無線通信端末に割り当てる割り当て制御部と
を備える無線基地局。
【請求項2】
無線通信端末と通信する無線基地局に用いられる無線通信方法であって、
前記無線通信端末に割り当て可能な通信チャネルにおける通信品質を検出するステップと、
前記検出するステップによって前記通信品質が検出された時点の前記無線通信端末の位置を示す位置情報を取得するステップと、
前記通信チャネルを識別する通信チャネル識別子と、前記通信品質検出部によって検出された前記通信品質と、前記位置情報取得部によって取得された前記位置情報とを対応付けたチャネル情報を記憶するステップと、
前記無線通信端末の現在位置を示す現在位置情報を取得するステップと、
記憶された前記チャネル情報と、取得された前記現在位置情報とに基づいて、前記無線通信端末に前記通信チャネルを割り当てるステップと
を備え、
前記割り当てるステップは、
前記チャネル情報において所定の通信品質に対応する前記位置情報と、前記現在位置情報との差分を前記通信チャネル毎に算出するステップと、
前記算出するステップにおいて算出された前記差分に応じて、前記通信チャネルを前記無線通信端末に割り当てるステップと
を備える無線通信方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−257331(P2012−257331A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−206529(P2012−206529)
【出願日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【分割の表示】特願2007−191167(P2007−191167)の分割
【原出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】