説明

無線基地局

【課題】例えば電気的な要求特性に依存して形状が変わるユニットを備えつつも、要求特性に応じて無線基地局全体の設計を変更する必要をなくす。
【解決手段】無線基地局(1)は、要求される特性によらずに大きさが固定された第1ユニット(1100)と、要求される特性に応じて大きさが可変し且つ第1ユニットに対して外付けされる第2ユニット(1200)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば携帯電話等の無線通信システムに用いられる無線基地局の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話システム等の無線通信システムで使用される無線基地局として、建物外(屋外)に設置される屋外型無線基地局と、建物内(屋内)に設置される屋内型無線基地局とが知られている。屋外型無線基地局では、風雨や日射等の外部環境に直接さらされることから、防水性や防食性や防塵性を確保することが要求される。
【0003】
一方で、無線基地局は、当該無線基地局が使用する無線電波の周波数に応じたフィルタ特性を有したフィルタユニットを内蔵している。フィルタユニットは、周波数帯域や減衰量などの電気的な要求特性に依存して、その大きさや質量が変わってくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2003−522457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
周波数帯域や減衰量などの電気的な要求特性に依存してフィルタユニットの形状(例えば、大きさや質量等)が変わってしまうため、無線基地局を実際に使用する事業者毎に無線基地局の仕様が大きく異なるものとなる。或いは、電気的な要求特性に依存してフィルタユニットの形状が変わってしまうため、無線基地局が要求する特性毎に無線基地局の仕様が大きく異なるものとなる。より具体的には、例えば、フィルタユニットの形状が変わってしまうため、フィルタユニットを内蔵する無線基地局の形状もまた大きく変わってしまう。このため、事業者毎に又は要求される特性毎に、無線基地局を設計し直すこととなる。
【0006】
一方で、無線基地局を設計し直すことに代えて、様々な大きさのフィルタユニットを内蔵することができる無線基地局を用意することも一つの対応策として考えられる。しかしながら、様々な形状のフィルタユニットを内蔵するためには、最も大きいフィルタユニットを内蔵することができる最も大きい無線基地局を用意することとなる。このため、相対的に小さいフィルタユニットを内蔵する場合には、無線基地局内部に無駄なスペースが発生してしまう。つまり、無線基地局の大きさが必要以上の大きさになってしまう。これは、無線基地局の競争力(例えば、コスト的な競争力ないしは設置面積・設置容積的な競争力)を失わせてしまいかねない。
【0007】
また、上述の問題点は、フィルタユニットに限らず、電気的な要求特性に依存して形状が変わる各種ユニット(或いは、各種装置)に対しても同様にあてはまる。
【0008】
本発明が解決しようとする課題には上記のようなものが一例として挙げられる。本発明は、例えば電気的な要求特性に依存して形状が変わるユニットを備えつつも、無線基地局全体の設計変更の必要性を殆ど全くなくすことができる無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、第1ユニットと第2ユニットとを備える無線基地局によって解決され得る。第1ユニットは、要求される特性(例えば、周波数特性や減衰量等の電気的な特性等)によらずに形状が固定されたユニットである。言い換えれば、第1ユニットは、要求される特性が変化した場合であっても形状を変えなくともよいユニットである。一方で、第2ユニットは、要求される特性に依存して形状が変化するユニットである。言い換えれば、第2ユニットは、要求される特性が変化した場合に形状を変えることが好ましい(或いは、変える必要がある)ユニットである。第2ユニットは、第1ユニットに対して外付けされる。つまり、第2ユニットは、第1ユニットに包含される(言い換えれば、内蔵される)ことなく、第1ユニットの外部に位置するように第1ユニットに対して外付けされる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明した無線基地局によれば、要求される特性に応じて形状が変わる第2ユニットを、第1ユニットに対して外付けすることができる。従って、要求される特性に応じて第2ユニットの形状が変わったとしても、第1ユニットの設計を変更しなくともよくなる。言い換えれば、要求される特性に応じて第2ユニットの形状が変わったとしても、第2ユニット単体の設計を変更すれば足りる。
【0011】
加えて、様々な大きさをとり得る第2ユニットを第1ユニット内に内蔵しなくともよくなる。このため、様々な形状を取り得る第2ユニットを内蔵することができる最も大きい第1ユニットを用意しなくともよい。このため、無線基地局の大きさが必要以上の大きさになってしまう不都合を好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の無線基地局の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す無線基地局を矢印Aの方向から観察した場合の無線基地局の外観を示す斜視図である。
【図3】基本ユニットの筐体の外観を示す斜視図である。
【図4】図1に示す無線基地局のI−I’断面図の一部である。
【図5】外付けユニットの外観を示す斜視図である。
【図6】図5に示す外付けユニットを矢印Bの方向から観察した場合の外付けユニットの外観を示す平面図である。
【図7】図5に示す外付けユニットのV−V’断面図である。
【図8】変形例の無線基地局の外観を示す斜視図である。
【図9】変形例の無線基地局の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態の一例として、無線基地局1000の実施形態について説明を進める。
【0014】
図1及び図2を参照して、本実施形態の無線基地局1000について説明する。ここに、図1は、本実施形態の無線基地局1000の外観を示す斜視図であり、図2は、図1に示す無線基地局1000を矢印Aの方向から観察した場合の無線基地局1000の外観を示す斜視図である。
【0015】
図1及び図2に示すように、無線基地局1000は、「第1ユニット」の一実施例である基本ユニット1100と、「第2ユニット」の一実施例である外付けユニット1200とを備えている。無線基地局1000は、例えば、携帯電話機やPHS等の通信端末と無線通信を行う無線基地局である。
【0016】
基本ユニット1100は、無線基地局1000に対して要求される電気的な特性によらず、その大きさ(或いは、その物理的な形状等)を変えなくともよい基地局ユニットである。言い換えれば、基本ユニット1100は、無線基地局1000に対して要求される電気的な特性が変化した場合であっても、その大きさ等を変えなくともよい(或いは、変える必要がない)基地局ユニットである。基本ユニット1100は、所定の無線処理ないしは信号処理を行うために必要な各種の回路部品を含む基本処理回路1110(但し、図1及び図2ではヒートシンク1130に覆われているため不図示であり、後述の図4に図示している)と、当該基本処理回路1110を収容する筐体1120と、基本処理回路1110において発生した熱を筐体1120の外部に放出するヒートシンク1130とを備えている。
【0017】
外付けユニット1200は、無線基地局1000に対して要求される電気的な特性に応じて、その大きさ(或いは、その物理的な形状等)を変えることが好ましい(或いは、変える必要がある)基地局ユニットである。言い換えれば、外付けユニット1200は、無線基地局1000に対して要求される電気的な特性が変化した場合には、その大きさ等を変えることが好ましい(或いは、変える必要がある)基地局ユニットである。外付けユニット1200は、所定の無線処理ないしは信号処理を行うために必要な各種の回路部品を含む外付け処理回路1210(但し、図1及び図2では、筐体1220に覆われているため不図示であり、後述の図4に図示している)と、当該外付け処理回路1210を収容する筐体1220とを備えている。外付けユニット1200としては、例えば、フィルタリング処理を行うフィルタユニットが一例としてあげられる。この例では、外付けユニット1200は、基本ユニット1100から転送される信号に対してフィルタリング処理を行うと共に、フィルタリング処理を行った信号を、アンテナコネクタ1228に接続された不図示のケーブルを介して不図示のアンテナへと転送する。同様に、外付けユニット1200は、アンテナコネクタ1228に接続された不図示のケーブルを介して不図示のアンテナから転送される信号に対してフィルタリング処理を行うと共に、フィルタリング処理を行った信号を基本ユニット1100に対して転送する。もちろん、外付けユニット1200として、フィルタリング処理以外の処理を行う任意の処理ユニットを採用してもよい。
【0018】
尚、本実施形態の無線基地局1000としては、無線装置(RE:Radio Equipment)と無線制御装置(REC:Radio Equipment Controller)とが分離された無線基地局を採用してもよい。この場合には、例えば、図1及び図2に図示されている無線基地局1000の全体が、例えば無線装置に相当するように構成してもよい。具体的には、例えば、外付けユニット1200が無線処理のうちのフィルタリング処理を行う一方で、基本ユニット1100はフィルタリング処理以外の無線処理(例えば、増幅処理等)を行うように構成してもよい。或いは、例えば、外付けユニット1200が、電気的な特性に応じて大きさ等が変化する無線処理回路を外付け処理回路1210として含む一方で、基本ユニット1100が、電気的な特性によらずに大きさ等が変化しなくともよい無線処理回路を基本処理回路1110として含むように構成してもよい。
【0019】
或いは、本実施形態の無線基地局1000としては、無線装置と無線制御装置とが分離されていない無線基地局を採用してもよい。この場合には、例えば、外付けユニット1200が無線装置に相当し、基本ユニット1100が無線制御装置に相当するように構成してもよい。具体的には、外付けユニット1200がフィルタリング処理や増幅処理を含む無線処理を行う一方で、基本ユニット1100は各種信号処理(例えば、ベースバンド処理や変調処理等)や無線装置の制御処理等を行うように構成してもよい。
【0020】
もちろん、無線装置及び無線制御装置と関連付けた上述の無線基地局1000の構成は一例であり、どのような構成を採用してもよいことはいうまでもない。但し、基本ユニット1100が無線基地局1000に対して要求される電気的な特性に応じてその大きさ等を変えなくともよい一方で、外付けユニット1200が無線基地局1000に対して要求される電気的な特性に応じてその大きさ等を変えることが好ましいことに変わりはない。
【0021】
続いて、図3を参照して、基本ユニット1100の筐体1120について説明する。ここに、図3は、基本ユニット1100の筐体1120の外観を示す斜視図である。
【0022】
図3に示すように、基本ユニット1100の筐体1120は、基本処理回路1110が収容される空隙1121を内部に備える箱形構造を有すると共に、外付けユニット1200を取り付けるための張出部1122を当該箱型構造の左右両端に備える構造を有している。但し、図3に示す筐体1120の形状は一例であって、任意の形状の筐体を採用してもよい。また、筐体1120は、基本処理回路1110が備える各種コネクタ1128に対して無線基地局1000の外部からの信号線をつなぐためのコネクタ用貫通孔1123を備えている。
【0023】
張出部1122には、外付けユニット1200が備える外付け処理回路1210からの信号線を基本処理回路1110につなぐための開口部1124が形成されている。
【0024】
また、張出部1122の周縁部には、基本ユニット1100に対して外付けユニット1200を固定するためのネジ穴1125が形成されている。図3は、各張出部1122に6個のネジ穴1125が形成される例を示している。尚、複数のネジ穴1125(或いは、複数のネジ穴1125のうちの2つのネジ穴1125)は、張出部1122を形成する平面(言い換えれば、張出部1122に形成される開口部1124を形成する平面)に対して、上下対称ないしは左右対称に形成されることが好ましい。言い換えれば、複数のネジ穴1125(或いは、複数のネジ穴1125のうちの2つのネジ穴1125)は、張出部1122を形成する平面の中心を通る線に対して、線対称に形成されることが好ましい。
【0025】
また、張出部1122の周縁部には、後述のパッキン1227が設置されるパッキン用溝1126が、ループ内部に開口部1124を含んだ閉ループを形成するように周回状に設けられる。尚、パッキン1227は、基本ユニット1100に対して外付けユニット1200が固定される際に、パッキン用溝1126に収まるように設置される。
【0026】
続いて、図4から図7を参照して、外付けユニット1200についてより詳細に説明する。ここに、図4は、図1に示す無線基地局1000のI−I’断面図の一部であり、図5は、外付けユニット1200の外観を示す斜視図であり、図6は、図5に示す外付けユニット1200を矢印Bの方向から観察した場合の外付けユニット1200の外観を示す平面図であり、図7は、図5に示す外付けユニット1200のV−V’断面図である。
【0027】
図4から図7に示すように、外付けユニット1200の筐体1220は、基本ユニット1100に対向する1面が開口部1224となると共に、その他の5面を固定壁で覆った略直方体の箱型の形状を有している。但し、図4から図7に示す筐体1220の形状は一例であって、開口部1224を備える任意の形状の筐体を採用してもよい。
【0028】
外付け処理回路1210は、筐体1220の内部の空隙1221に設置される。また、外付け処理回路1210は、外付け処理回路1210における特性(例えば、フィルタ特性等)を調節するための調節ネジ1230(但し、図4では不図示であり、図5から図7に図示している)を備えている。調節ネジ1230は、筐体1220の外部側の方向に向くように(言い換えれば、開口部1224を介して外付けユニット1200の外部から調節ネジ1230を操作することができるように)、外付け処理回路1210に備えられている。また、外付け処理回路1210は、基本ユニット1100からの信号線を取り付けるための入出力コネクタ1231を備えている。このため、筐体1220の空隙1224は、外付け処理回路1210に加えて、入出力コネクタ1231及び当該入出力コネクタに取り付けられる信号線を収容可能なサイズを有していることが好ましい。
【0029】
筐体1220には、外付けユニット1200を基本ユニット1100に対して取り付けるための張出部(フランジ)1222が、開口部1224を取り囲むように形成されている。また、筐体1220は、外付け処理回路1210が備えるコネクタ(例えばアンテナコネクタ1228や、モニタコネクタ1229等)に対して信号線をつなぐためのコネクタ用貫通孔を備えている。
【0030】
筐体1220の張出部1222には、基本ユニット1100に対して外付けユニット1200を固定するためのネジ穴1225が形成されている。このネジ穴1225は、基本ユニット1100の筐体1120が備えるネジ穴1125と対応する(言い換えれば、位置が一致する)ように張出部1222に形成される。尚、複数のネジ穴1225は、張出部1222を形成する平面(言い換えれば、張出部1222に形成される開口部1224を形成する平面)に対して、上下対称ないしは左右対称に形成されることが好ましい。言い換えれば、複数のネジ穴1225は、張出部1222を形成する平面の中心を通る線に対して、線対称に形成されることが好ましい。
【0031】
また、張出部1222には、パッキン1227が周回状に(言い換えれば、内側に開口部1224を含んだ閉ループを形成するように)設置される。パッキン1227は、筐体1220内部(つまり、フィルタ処理回路1210が設置される空隙1221)の防水性や防塵性や防食性等を確保するための圧着部材である。パッキン1227は、例えばゴムや樹脂等から形成されている。尚、張出部1222に、パッキン1227が設置されるパッキン用溝が周回状に設けられていてもよいし、設けられていなくともよい。
【0032】
但し、パッキン1227に加えて又は代えて、接着性の樹脂を用いることで筐体1220内部の防水性や防塵性や防食性等を確保してもよい。或いは、パッキン1227に加えて又は代えて、基本ユニット1100の張出部1122と外付けユニット1200の張出部1222との間の強固な固着(例えば、取り付けネジを用いたネジ止めによる強固な固着)を持って筐体1220内部の防水性や防塵性や防食性等を確保してもよい。いずれにせよ、筐体1220内部の防水性や防塵性や防食性等を確保することができる限りは(言い換えれば、筐体1220内部が、風雨や日射等の外部環境に直接さらされない限りは)、パッキン1227に加えて又は代えてどのような構成を採用してもよい。
【0033】
また、図7に示すように、調節ネジ1230の頂部(特に、筐体1220の外部に向かう方向の頂部)は、開口部1224によって構成される平面(或いは、張出部1222によって構成される平面)から外部に向かって突き抜けないことが好ましい。或いは、調節ネジ1230に限らず、外付け処理回路1210の構造物の頂部は、開口部1224によって構成される平面(或いは、張出部1222によって構成される平面)から外部に向かって突き抜けないことが好ましい。つまり、外付け処理回路1210は、基本ユニット1100に対して外付けユニット1200を固定する際に、当該固定動作に対して干渉しないように構成されることが好ましい。
【0034】
基本ユニット1100と外付けユニット1200とは、基本ユニット1100に設けられたネジ穴1125及び外付けユニット1200に設けられたネジ穴1225を用いて、取り付けネジによって物理的に固定されている。また、外付けユニット1200が備える入出力コネクタ1231に取り付けられた信号線は、開口部1124及び1224を介して基本ユニット1100が備える基本処理回路1110の各種コネクタに取り付けられる。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の無線基地局1000によれば、基本ユニット1100と外付けユニット1200とを物理的に分離すると共に、当該外付けユニット1200を基本ユニット1100に対して外付けすることができる。このため、電気的な要求特性に依存して外付けユニット1200の形状が変わったとしても、基本ユニット1100の設計を変更しなくともよい。言い換えれば、電気的な要求特性に依存して外付けユニット1200の形状が変わったとしても、外付けユニット1200単体の設計を変更すれば足りる。従って、外付けユニット1200を変更すれば、無線基地局1000を使用する各種事業者の細かい仕様変更に容易に対応することができる。
【0036】
加えて、本実施形態の無線基地局1000によれば、外付けユニット1200を基本ユニット1100に対して外付けすることができるため、外付けユニット1200の設計変更の有無に関係なく、基本ユニット1100の筐体1120については共通の金型を用いて製造することができる。言い換えれば、本実施形態の無線基地局1000によれば、外付けユニット1200の設計変更の有無に関係なく、基本ユニット1100の筐体1120を流用することができる。例えば、1.5GHz帯の周波数を使用する無線基地局及び2.0GHz帯の周波数を使用する無線基地局の夫々に対して、共通の基本ユニット1100の筐体1120を使用することができる。従って、無線基地局1000全体としてのコスト(例えば、費用的なコストや製造工程的なコスト等)を相対的には低減することができる。
【0037】
加えて、本実施形態の無線基地局1000によれば、外付けユニット1200を基本ユニット1100に対して外付けすることができるため、外付けユニット1200の最大サイズに合わせて基本ユニット1100の筐体1120を製造しなくともよい。このため、基本ユニット1100(更には、基本ユニット1100を備える無線基地局1000)の小型化を図ることができる。
【0038】
加えて、本実施形態の無線基地局1000によれば、外付けユニット1200を基本ユニット1100の外部に固定することができるため、不図示のアンテナからの信号線を外付けユニット1200が備えるアンテナコネクタ1228に対して直接取り付けることができる。このため、アンテナからの信号伝送における伝送ロスを相対的に低減することができる。
【0039】
また、本実施形態の無線基地局1000によれば、パッキン1227等を用いることで、外付けユニット1200の筐体1220内部の防水性や防塵性や防食性等を好適に確保することができる。従って、外付け処理回路1210を含む外付けユニット1200を基本ユニット1100に対して外付けしたとしても、外付け処理回路1210は、防水性や防塵性や防食性等が確保された筐体1220の内側部分に設置される。このため、外付け処理回路1210自体が風雨や日射等の外部環境に直接さらされることはなくなる。このため、外付けユニット1200を基本ユニット1100に対して外付けしたとしても、外付け処理回路1210の動作に悪影響を及ぼすことは殆ど又は全くない。
【0040】
また、本実施形態の無線基地局1000によれば、外付け処理回路1210の構造物の頂部が、開口部1224によって構成される平面よりも筐体1220の内部側に位置している。このため、基本ユニット1100に対して外付けユニット1200を固定する際に、外付け処理回路1210が当該固定動作に対して干渉することは殆ど或いは全くなくなる。
【0041】
また、本実施形態の無線基地局1000によれば、基本ユニット1100に対して外付けユニット200を固定する際に用いられるネジ穴1125及び1225の夫々が上下対称或いは左右対称となるように形成される。このため、外付けユニット1200の向きを上下反転或いは左右反転させたとしても、ネジ穴1225全体としての位置は変わらない。従って、外付けユニット200の向きを上下反転或いは左右反転させたとしても、当該外付けユニット1200を基本ユニット1100に対して好適に固定することができる。より具体的には、例えば、図1及び図2に示す無線基地局1000では、外付けユニット1200のアンテナコネクタ1228と基本ユニット1100の各種コネクタ1128とが同じ方向に向いている。一方で、図8に示す変形例の無線基地局1001では、図1及び図2に示す無線基地局1000と比較して、外付けユニット1200が上下反転している。つまり、図8に示す無線基地局1001では、外付けユニット1200のアンテナコネクタ1228と基本ユニット1100の各種コネクタ1128とが互いに逆方向に向いている。このように、外付けユニット1200の向きを適宜変えることができるため、共通の外付けユニット1200を用いつつも、無線基地局1000を使用する各種事業者の細かい仕様変更に容易に対応することができる。
【0042】
尚、上述の説明は、基本ユニット1100の左右両端に外付けユニット1200が固定される無線基地局1000を示している。しかしながら、外付けユニット1200の筐体1220内部に設置される外付け処理回路1210の防水性や防塵性や防食性等が確保される限りは、その他の態様で外付けユニット1200が基本ユニット1100に対して取り付けられてもよい。例えば、図9に示すように、1つの外付けユニット1200が基本ユニット1100の1つの面上に固定される無線基地局1002であっても、上述した各種効果を享受することができる。これにより、無線基地局1000を使用する各種事業者の細かい仕様変更により適切に対応することができる。
【0043】
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0044】
(付記1)
要求される特性によらずに大きさが固定された第1ユニットと、要求される特性に応じて大きさが可変し且つ前記第1ユニットに対して外付けされる第2ユニットとを備えることを特徴とする無線基地局。
【0045】
(付記2)
前記第2ユニットは、前記第1ユニットへの取り付け時に前記第1ユニットに接する外縁部分を含む筐体部と、前記外縁部分よりも内側に位置する前記筐体部の内側部分に設置される回路部とを備え、前記外縁部分と前記第1ユニットとを圧着する圧着部材が、前記外縁部分上に設置されていることを特徴とする付記1に記載の無線基地局。
【0046】
(付記3)
前記圧着部材は、閉ループを構成するように前記外縁部分上に形成され、前記筐体部の前記閉ループの内側に対応する位置に、前記回路部と前記第1ユニットが備える回路部とを接続するための開口部が形成されていることを特徴とする付記2に記載の無線基地局。
【0047】
(付記4)
前記第2ユニットは、開口部が形成された筐体部であって且つ前記開口部が前記第1ユニットに対向するように前記第1ユニットに取り付けられる筐体部と、前記筐体部の内側部分に設置される回路部とを備え、前記開口部を境界として、(i)前記回路部が設置される前記筐体部の内側部分が外部環境に直接さらされず、(ii)前記回路部が設置される側とは反対側の前記筐体部の外側部分が外部環境に直接さらされることを特徴とする付記1に記載の無線基地局。
【0048】
(付記5)
前記筐体部は、前記開口部の外縁を形成し且つ前記第1ユニットへの取り付け時に前記第1ユニットに接する外縁部分と、前記外縁部分上に設置され且つ前記外縁部分と前記第1ユニットとを圧着する圧着部材とを備えていることを特徴とする付記4に記載の無線基地局。
【0049】
(付記6)
前記回路部の前記開口部側の頂部は、前記開口部を含む平面よりも前記内側部分に位置することを特徴とする付記3から5のいずれか一項に記載の無線基地局。
【0050】
(付記7)
前記筐体部は、前記開口部が前記第1ユニットに対向するように当該筐体部を前記第1ユニットに取り付けるための複数の取り付け部を備えており、前記複数の取り付け部のうちの少なくとも2つの取り付け部は、前記開口部の中心に対して対称な位置に備えられることを特徴とする付記3から6のいずれか一項に記載の無線基地局。
【0051】
(付記8)
前記第2ユニットは、フィルタリング処理を行うフィルタユニットを含むことを特徴とする付記1から7のいずれか一項に記載の無線基地局。
【0052】
(付記9)
前記第1ユニットは、前記第2ユニットの取り付け時に前記第2ユニットに接する第1外縁部分を含む第1筐体部と、前記第1外縁部分よりも内側に位置する前記第1筐体部の内側部分に設置される第1回路部とを備え、前記第2ユニットは、前記第1ユニットへの取り付け時に前記第1外縁部分に接する第2外縁部分を含む第2筐体部と、前記第2外縁部分よりも内側に位置する前記第2筐体部の内側部分に設置される第2回路部とを備え、前記第1外縁部分と前記第2外縁部分とを圧着する圧着部材が、前記第1外縁部分及び前記第2外縁部分の少なくとも一方上に設置されていることを特徴とする付記1に記載の無線基地局。
【0053】
(付記10)
前記圧着部材は、閉ループを構成するように前記第1外縁部分及び前記第2外縁部分の少なくとも一方上に形成され、前記第1筐体部の前記閉ループの内側に対応する位置に、前記第1回路部と前記第2回路部とを接続するための第1開口部が形成され、且つ前記第2筐体部の前記閉ループの内側に対応する位置に、前記第1回路部と前記第2回路部とを接続するための第2開口部が形成されていることを特徴とする付記9に記載の無線基地局。
【0054】
(付記11)
前記第1ユニットは、第1開口部が形成された第1筐体部であって且つ前記第1開口部が前記第2ユニットに対向するように前記第2ユニットが取り付けられる第1筐体部と、前記第1筐体部の内側部分に設置される第1回路部とを備え、前記第2ユニットは、第2開口部が形成された第2筐体部であって且つ前記第2開口部が前記第1開口部に対向するように前記第1ユニットに取り付けられる第2筐体部と、前記第2筐体部の内側部分に設置される第2回路部とを備え、前記第2開口部を境界として、(i)前記第2回路部が設置される前記第2筐体部の内側部分が外部環境に直接さらされず、(ii)前記第2回路部が設置される側とは反対側の前記第2筐体部の外側部分が外部環境に直接さらされることを特徴とする付記1に記載の無線基地局。
【0055】
(付記12)
前記第1筐体部は、前記第1開口部の外縁を形成し且つ前記第2ユニットの取り付け時に前記第2ユニットに接する第1外縁部分を備え、前記第2筐体部は、前記第2開口部の外縁を形成し且つ前記第1ユニットへの取り付け時に前記第1ユニットに接する第2外縁部分を備え、前記第1筐体部及び前記第2筐体部の少なくとも一方は、前記第1外縁部分と前記第2外縁部分とを圧着する圧着部材を備えていることを特徴とする付記11に記載の無線基地局。
【0056】
(付記13)
前記第2回路部の前記第2開口部側の頂部は、前記第2開口部を含む平面よりも前記内側部分に位置することを特徴とする付記10から12のいずれか一項に記載の無線基地局。
【0057】
(付記14)
前記第2筐体部は、前記第2開口部が前記第1ユニットに対向するように当該第2筐体部を前記第1ユニットに取り付けるための複数の取り付け部を備えており、前記複数の取り付け部のうちの少なくとも2つの取り付け部は、前記第2開口部の中心に対して対称な位置に備えられることを特徴とする付記10から13のいずれか一項に記載の無線基地局。
【符号の説明】
【0058】
1000 無線基地局
1100 基本ユニット
1110 基本処理回路
1120 筐体
1122 張出部
1124 開口部
1125 ネジ穴
1126 パッキン用溝
1200 外付けユニット
1210 外付け処理回路
1220 筐体
1222 張出部
1224 開口部
1225 ネジ穴
1227 パッキン
1230 調節ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求される特性によらずに形状が固定された第1ユニットと、
要求される特性に応じて形状が変化し且つ前記第1ユニットに対して外付けされる第2ユニットと
を備えることを特徴とする無線基地局。
【請求項2】
前記第2ユニットは、前記第1ユニットへの取り付け時に前記第1ユニットに接する外縁部分を含む筐体部と、前記外縁部分よりも内側に位置する前記筐体部の内側部分に設置される回路部とを備え、
前記外縁部分と前記第1ユニットとを圧着する圧着部材が、前記外縁部分上に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項3】
前記圧着部材は、閉ループを構成するように前記外縁部分上に形成され、
前記筐体部の前記閉ループの内側に対応する位置に、前記回路部と前記第1ユニットが備える回路部とを接続するための開口部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の無線基地局。
【請求項4】
前記第2ユニットは、開口部が形成された筐体部であって且つ前記開口部が前記第1ユニットに対向するように前記第1ユニットに取り付けられる筐体部と、前記筐体部の内側部分に設置される回路部とを備え、
前記開口部を境界として、(i)前記回路部が設置される前記筐体部の内側部分が外部環境に直接さらされず、(ii)前記回路部が設置される側とは反対側の前記筐体部の外側部分が外部環境に直接さらされることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
【請求項5】
前記筐体部は、前記開口部の外縁を形成し且つ前記第1ユニットへの取り付け時に前記第1ユニットに接する外縁部分と、前記外縁部分上に設置され且つ前記外縁部分と前記第1ユニットとを圧着する圧着部材とを備えていることを特徴とする請求項4に記載の無線基地局。
【請求項6】
前記回路部の前記開口部側の頂部は、前記開口部を含む平面よりも前記内側部分に位置することを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の無線基地局。
【請求項7】
前記筐体部は、前記開口部が前記第1ユニットに対向するように当該筐体部を前記第1ユニットに取り付けるための複数の取り付け部を備えており、
前記複数の取り付け部のうちの少なくとも2つの取り付け部は、前記開口部の中心に対して対称な位置に備えられることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の無線基地局。
【請求項8】
前記第2ユニットは、フィルタリング処理を行うフィルタユニットを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−193411(P2011−193411A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60084(P2010−60084)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】