説明

無線子機

【課題】無線子機及び通信線がむき出しに取り付けられることなく、取り外しや取り壊し、通信線の切断による誤動作等が生じることがない無線子機を提供する。
【解決手段】通信線と接続するコネクタ7、及び通信線からコネクタ7を介して得られたガスメータの指針値を示すデータを無線親機に送信するアンテナ8を有する無線子機本体2と、裏蓋に代えてガスメータ20に取り付けられる、または、裏蓋内に取り付けられる、無線機器本体2を収納した収納ケース3とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、ガスメータの指針値を遠隔から読み取るためにガスメータに取り付けられる無線子機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各家庭等に設置された都市ガス用ガスメータの指針値を遠隔から特定小電力無線により読み取る手段として、無線子機と無線親機とからなる無線検針システムが提供されている。
無線子機は、既設のガスメータ上面の両ガス管接続口の間のスペースに取り付けられ、ガスメータ内部からの通信線が接続されて、このガスメータの指針値を示すデータを無線親機に送信している。また、無線親機は、このガスメータが設置された家庭等の電話回線に接続され、無線子機からの指針値を示すデータを電話回線を介して遠隔のセンタ側に送信している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−178725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される従来の無線子機では、ガスメータ上面にむき出しで取り付けられていることから、いたずら等により取り壊されたり、取り外されたりする恐れがあるという課題があった。
また、無線子機に接続される通信線もむき出しとなるため、この通信線が切断する恐れがあり、誤動作の原因となってしまうという課題があった。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、無線子機及び通信線がむき出しに取り付けられることなく、取り外しや取り壊し、通信線の切断による誤動作等が生じることがない無線子機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る無線子機は、通信線と接続するコネクタ、及び通信線からコネクタを介して得られたガスメータの指針値を示すデータを無線親機に送信するアンテナを有する無線子機本体と、裏蓋に代えてガスメータに取り付けられる、または、裏蓋内に取り付けられる、無線機器本体を収納した収納ケースとを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、上記のように構成したので、通信線と接続するコネクタ、及び通信線からコネクタを介して得られたガスメータの指針値を示すデータを無線親機に送信するアンテナを有する無線子機本体と、裏蓋に代えてガスメータに取り付けられる、または、裏蓋内に取り付けられる、無線機器本体を収納した収納ケースとを備えたことで、無線子機及び通信線がむき出しに取り付けられることなく、無線子機が取り壊されたり、取り外されたりすることがなくなる。また、通信線の切断による誤動作を生じることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る無線子機の構成を示す分解斜視図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る無線子機をガスメータに取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る無線子機1の構成を示す分解斜視図である。
無線子機1は、図1に示すように、無線子機本体2、収納ケース3及び遮蔽カバー4から構成される。なお、この無線子機1は単体で技術基準適合証明を受けるものとする。
また、無線親機(不図示)は、後述するガスメータ20が設置された家庭等の電話回線に接続されて、無線子機1からの指針値を示すデータを電話回線を介して遠隔のセンタ(不図示)に送信する。
【0010】
無線子機本体2は、無線子機1が取り付けられるガスメータ20の指針値を示すデータを無線親機に送信するものである。この無線子機本体2は、図1に示すように、収納ケース3にねじにより固定される基板5と、電子部品6と、無線子機1が取り付けられるガスメータ20内部からの通信線を接続するコネクタ7と、通信線からコネクタ7を介して得られたガスメータ20の指針値を示すデータを無線親機に送信するアンテナ8及び電池9等から構成されている。なお、基板5には、遮蔽カバー4をねじにより収納ケース3に固定するためのねじ穴10が形成されている。
【0011】
収納ケース3は、無線子機本体2を収納する開口を有する箱型形状に構成されたものであり、アンテナ8による無線電波をできるだけ阻害しない樹脂等の金属以外の素材により構成されている。この収納ケース3には、無線子機本体2のアンテナ8を収納するアンテナ収納部11が一体に形成され、また、ガスメータ20にねじにより固定するためのねじ穴12が形成されている。
また、収納ケース3は金属により構成し、アンテナ収納部11のみをアンテナ8による無線電波をできるだけ阻害しない樹脂等の金属以外の素材により構成するようにしてもよい。
【0012】
遮蔽カバー4は、無線子機本体2を収納した収納ケース3に取り付けられるものである。この遮蔽カバー4には、コネクタ7に対向する位置に、通信線をコネクタ7に接続するための開口部13が形成されている。また、遮蔽カバー4には、遮蔽カバー4をいじり止めねじにより収納ケース3に固定するためのねじ穴14と、ねじ穴12に対応する位置にねじ穴15が形成されている。
【0013】
次に、上記のように構成された無線子機1の既設のガスメータ20への取り付けについて説明する。
図2はこの発明の実施の形態1に係る無線子機1をガスメータ20に取り付けた状態を示す斜視図である。なお、図2は、ガスメータ20の上側ケース部分の背面側を示したものである。
また、この既設のガスメータ20の背面には、通信線を収納した裏蓋が取り付けられている。
このようなガスメータ20に無線子機1を取り付ける場合には、まず、ガスメータ20に取り付けられている裏蓋を取り外す。
次いで、通信線をコネクタ7に接続した後、ガスメータ20の背面側に無線子機1を取り付けてねじにより固定する。なお、この際、通信線は外部にむき出しにならないようにガスメータ20内部に収納する。
【0014】
以上のように、この実施の形態1によれば、取り付けられるガスメータ20内部からの通信線と接続するコネクタ7、及び通信線からコネクタ7を介して得られた指針値を示すデータを無線親機に送信するアンテナ8を有する無線子機本体2と、通信線を収納した裏蓋に代えてガスメータ20に取り付けられる、無線機器本体2を収納した収納ケース3とを備えるように構成したので、ガスメータ20に対して容易に取り付けることができ、無線子機1及び通信線がむき出しに取り付けられることなく、無線子機1が取り壊されたり、取り外されたりすることがなくなる。また、通信線の切断による誤動作が生じることがなくなる。
【0015】
また、ガスメータ20に無線子機1を取り付ける際に、ねじ締めを行うのみでよいため、無線子機1の管理を行いやすくできるとともに、ガスメータ20の背面側に取り付けるように構成したことによって、ガスメータ20正面の美観を損なうことがなくなる。
【0016】
また、無線子機1は単体で技術基準適合証明を受けるように構成したので、無線ユニット化した個別機器として、ガスメータ20にそのまま取り付けることが可能な状態にすることができる。
また、コネクタ7に対応する位置に開口部13を有し、収納ケース3に取り付けられる遮蔽カバー4を、無線電波をできるだけ阻害しない樹脂等の金属以外の素材で形成するように構成したので、精度良く信頼性の高い無線子機1を提供することが可能となる。
【0017】
なお、この実施の形態1における収納ケース3の形状は、図1,2に示した形状に限るものではなく、アンテナ8の大きさと位置に応じて、無線電波をできるだけ阻害しないような形状に設定されるものであり、これにより、精度良く信頼性の高い無線子機1を提供することが可能となる。
例えば、アンテナ8としてループアンテナを用いる場合には、アンテナ収納部11を上部側に出っ張る形状として、このループアンテナを覆い隠すように構成する。また、アンテナ8としてヘリカルアンテナを用いる場合には、アンテナ収納部11を収納ケース3の一方のサイドまたは上部側に設ける。また、収納ケース3を樹脂により構成する場合には、アンテナ収納部11を設けず、収納ケース3内部にアンテナ8を収納することも可能である。
【0018】
なお、この実施の形態1に係る無線子機1では、既設のガスメータ20に取り付けられている裏蓋に代えて取り付けるように構成したが、この裏蓋内に無線子機1を取り付けるように構成してもよい。また、既設のガスメータ20に取り付けられている裏蓋に重ねて無線子機1を取り付けるように構成してもよい。
【0019】
また、この実施の形態1に係る無線子機1では、コネクタ7を設けて通信線を接続するように構成したが、これに限るものではなく、無線子機1に端子台を設けて通信線を接続するように構成してもよいし、また、直接、基板5に通信線をハンダ付けして接続するように構成してもよい。
【0020】
また、この実施の形態1に係る無線子機1では、既設のガスメータ20に取り付ける場合について示したが、新規生産されたガスメータに対しても同様に取り付け可能である。
【0021】
また、この実施の形態1に係る無線子機1では、遮蔽カバー4を収納ケース3に固定する際にいじり止めねじを用いたが、これに限るものではなく、無線に関する技術基準適合証明を受けるために容易に開けることができない構成であればよく、溶着または粘着により遮蔽カバー4を収納ケース3に固定するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0022】
1 無線子機
2 無線子機本体
3 収納ケース
4 遮蔽カバー
5 基板
6 電子部品
7 コネクタ
8 アンテナ
9 電池
10,12、14,15 ねじ穴
11 アンテナ収納部
13 開口部
20 ガスメータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
背面に通信線を収納した裏蓋を有するガスメータに取り付けられる無線子機において、
前記通信線と接続するコネクタ、及び前記通信線から前記コネクタを介して得られた前記ガスメータの指針値を示すデータを無線親機に送信するアンテナを有する無線子機本体と、
前記裏蓋に代えて前記ガスメータに取り付けられる、または、前記裏蓋内に取り付けられる、前記無線機器本体を収納した収納ケースとを備えた
ことを特徴とする無線子機。
【請求項2】
前記収納ケースは、前記アンテナの大きさと位置に応じて、前記アンテナによる無線電波を阻害しない形状に設定される
ことを特徴とする請求項1記載の無線子機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−232140(P2011−232140A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101946(P2010−101946)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(000142425)株式会社金門製作所 (40)
【Fターム(参考)】