説明

無線局及び無線装置

【課題】周波数共用に適した帯域をスケジュール可能な無線局を提供する。
【解決手段】無線局100は、第1の帯域を使用して第1の無線端末と通信する第1の無線局と地理的に隣接する。無線局100は、第1の帯域において無線局100が使用する第1のトレーニングシンボルと第1の帯域において第1の無線局が使用する第2のトレーニングシンボルとの間の第1の相関が第1の閾値未満であれば、第1の帯域を第1の無線局と共用することを決定するスケジューリング部143を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、隣接無線局との帯域の共用に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セルラシステムなどの無線通信システムに関してアダプティブアレイアンテナ技術が考案されている。アダプティブアレイアンテナ技術は、無線通信装置に備えられた複数のアンテナに関して信号処理を行い、これら複数のアンテナの指向性を適応制御するものである。特許文献1は、アダプティブアレイアンテナ技術を用いて、いわゆるヌルステアリングを実現することを開示している。ヌルステアリングは、隣接する基地局同士が所望信号の方向への指向性を高め、干渉信号の方向への指向性を低くすることを目的とする。即ち、ヌルステアリングを適切に行うことにより、隣接する基地局同士が、干渉による受信性能の劣化を回避しつつ同一の周波数(帯域)を共用できる。但し、例えば所望信号の方向と干渉信号の方向が近い場合、所望信号及び干渉信号の分離が困難となるので、周波数共用に適さない。故に、複数の帯域を持つ無線システムにおいて周波数共用を実行するためには、適切な帯域を決定するためのスケジューリングが重要である。
【0003】
非特許文献1などに記載の時分割複信(TDD)システムは、アップリンクとダウンリンクとで同一の周波数を使用する。即ち、TDDシステムにおいて、アップリンクの伝搬路とダウンリンクの伝搬路が同一であると仮定できる。故に、特許文献1に記載されているように、基地局は無線端末からの接続要求時にアップリンクの受信信号を用いて帯域をスケジューリングできる。一般に、地理的に離れた複数の無線端末から基地局への複数の伝搬路は互いに異なる傾向にあるので、基地局はスケジューリング対象の無線端末と地理的に離れた無線端末が使用する帯域を隣接基地局と共用することを決定する。或いは、基地局は、帯域を使用する無線端末が地理的に遠くにあって、かつ、当該基地局に接続を要求する無線端末が地理的に近くにあれば、この帯域における干渉電力は相対的に小さくなるので、この帯域を共用することを決定する。
【0004】
ところで、非特許文献1に記載されているシステムにおいて、データの先頭に既知信号であるトレーニングシンボルが配置される。基地局は、このトレーニングシンボルを用いてヌルステアリングを実行できる。トレーニングシンボルは、基地局IDによって一意に決定されるトレーニング系列に含まれる。非特許文献2は、トレーニングシンボルを用いたヌルステアリングについて記載している。
【0005】
非特許文献2及び非特許文献3は、MMSE(Minimum Mean Square Error)方式のヌルステアリングを記載している。MMSE方式のヌルステアリングは、所望信号に関するトレーニングシンボルと干渉信号に関するトレーニングシンボルとの相関を利用して実現される。基地局は、所望信号に関するトレーニングシンボルと相関の低い信号に対する指向性を低くする制御を行うことにより、ヌルを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−266670号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ARIB STD-T95 OFDMA/TDMA TDD Broadband Wireless Access System(Next Generation PHS) Version 1.3
【非特許文献2】M.Hirakara, T.Yamamoto, Y.Okada, and M.Sugimoto, "Development of Interference Cancellation Method using Adaptive Array Antenna for Uplink OFDMA in Mobile WiMAX," IEEE 69th Vehicular Technology Conference, pp. 1-5, Jun 2009.
【非特許文献3】菊間信良「アレーアンテナによる適応信号処理」科学技術出版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
MMSE方式のヌルステアリングを実行する基地局は、所望信号に関するトレーニングシンボルと相関の低い信号に対する指向性を低くする制御を行う。故に、例えば所望信号に関するトレーニングシンボルと干渉信号に関するトレーニングシンボルとの間の相関が高ければ、所望信号及び干渉信号の区別が困難となり、ヌルステアリングが適切に行われない。即ち、ヌルステアリングを適切に行うためには、所望信号と干渉信号との間のトレーニングシンボルの相関が低いことも重要である。
【0009】
従来、基地局は、伝搬路情報に基づいて共用する帯域を決定しており、帯域において当該基地局及び隣接基地局が使用するトレーニングシンボル間の相関を考慮していない。故に、スケジュールされた帯域が共用された場合に、所望信号と干渉信号との間でトレーニングシンボルが類似してヌルステアリングが適切に行われないおそれがある。
【0010】
従って、本発明の一観点は、周波数共用に適した帯域をスケジュール可能な無線局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る無線局は、第1の帯域を使用して第1の無線端末と通信する第1の無線局と地理的に隣接する無線局において、前記第1の帯域において前記無線局が使用する第1のトレーニングシンボルと前記第1の帯域において前記第1の無線局が使用する第2のトレーニングシンボルとの間の第1の相関が第1の閾値未満であれば、前記第1の帯域を前記第1の無線局と共用することを決定するスケジューリング部を具備する。
【0012】
本発明の他の態様に係る無線装置は、互いに隣接する第1の無線部と第2の無線部を介して、複数の帯域を用いて通信する無線装置であって、前記複数の帯域のうち第1の帯域において前記第1の無線部を介して送信される第1のトレーニングシンボルと前記第1の帯域において前記第2の無線部を介して送信される第2のトレーニングシンボルとの間の第1の相関が第1の閾値未満であれば、前記第1の帯域を前記第1の無線部と前記第2の無線部とで共用することを決定するスケジューリング部を具備する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一観点によれば、周波数共用に適した帯域をスケジュール可能な無線局を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態に係る無線局を含む無線システムの説明図。
【図2】図1の無線システムにおいて利用可能なサブチャネルを示す図。
【図3】図1の無線システムにおけるヌルステアリングの説明図。
【図4】図1の無線システムにおけるヌルステアリングの説明図。
【図5】次世代PHSシステムのリソースユニットを示す図。
【図6】トレーニングシンボル間の相互相関値を示す図。
【図7】第1の実施形態に係る無線局を示すブロック図。
【図8】図7のスケジューリング部による処理の一例を示すフローチャート。
【図9】図7のスケジューリング部による処理の一例を示すフローチャート。
【図10】第2の実施形態に係る無線局を示すブロック図。
【図11】図10のスケジューリング部による処理の一例を示すフローチャート。
【図12】図10のスケジューリング部による処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。尚、以降の説明は、非特許文献1に記載の次世代PHSシステムを前提としている。但し、各実施形態に係る無線局は、この次世代PHSシステム以外の無線システムに適宜応用できる。以降の説明において、「無線局」の用語は、「基地局」の用語と同様の意味で使用される。「トレーニングシンボル(系列、信号)」は、「プリアンブル信号」と同様の意味で使用される。即ち、「トレーニングシンボル」などは、非特許文献1に記載されるような、データの先頭に配置される既知信号を指す。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線局を含む無線システムの一例を示している。図1の無線システムは、無線局101、無線局102、無線端末10、無線端末20及び無線端末30を含む。図1において、無線局101及び無線局102を中心とする円は、夫々のセルを示している。無線局101及び無線局102は、地理的に隣接しているとする。尚、無線システム内の無線局の数は2つに限定されず、無線局の数が3つ以上の場合にも以降の説明は容易に拡張できる。
【0017】
図1の無線システムは、図2に示すように、周波数が分かれている2つのサブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bを利用可能である。尚、サブチャネルの数は3以上であっても勿論よい。各サブチャネルは、24個のサブキャリアを含む。無線端末10はサブチャネルSCH−Aを使用して無線局101と通信しており、無線端末20はサブチャネルSCH−Bを使用して無線局101と通信している。無線端末30は、いずれの無線局とも通信していない。
【0018】
以下、無線端末30が本実施形態に係る無線局102に接続要求を送信する場合について、既存のスケジューリング手法を考察する。無線局102は、接続要求を受信すると、サブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bのいずれを無線端末30に割り当てるか(即ち、サブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bのいずれを無線局101と共用するか)を決定するためのスケジューリングを行う。非特許文献1に記載の次世代PHSシステムは、アンカーチャネルと呼ばれる制御チャネルを用いて接続要求の送信、サブチャネル(厳密には、サブチャネルの中の特定の時間スロット)の割り当てなどを行う。即ち、無線端末30は、無線局102からサブチャネルを割り当てられた後に、そのサブチャネル(サブチャネルSCH−AまたはサブチャネルSCH−B)を使用してデータを送信できる。故に、無線局102は、サブチャネルSCH−AまたはサブチャネルSCH−Bを使用した場合の無線端末30と無線局102との間の伝搬路情報を事前(スケジューリング前)に知ることはできない。一方、無線局102は、サブチャネルSCH−Aにおける無線端末10からの干渉電力及びサブチャネルSCH−Bにおける無線端末20からの干渉電力を知ることはできる。例えば、一方のサブチャネルにおける干渉電力が他方のサブチャネルにおける干渉電力に比べて十分に低ければ、無線局102が上記一方のサブチャネルを無線端末30に割り当てることが望ましいと考えられる。尚、非特許文献2には、無線端末が各サブチャネルにおける干渉電力を基地局にフィードバックする手法が記載されており、無線局102がこのフィードバック値をスケジューリングに利用することも考えられる。
【0019】
また、無線局102は、アンカーチャネルにおける無線端末30からの信号を用いて、サブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bにおける無線端末30との間の伝搬路情報(例えば、伝搬路の複素応答)を予測することもできる。アンカーチャネルとサブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bとが近ければ、無線局102はアンカーチャネルにおける無線端末30との間の伝搬路情報をサブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bにおける無線端末30との間の伝搬路情報として代用できる。即ち、無線局102は、アンカーチャネルにおける無線端末30との間の伝搬路情報と、サブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bにおける無線端末10及び無線端末20との間の伝搬路情報との間の相関を夫々演算し、相関の低いサブチャネルを無線端末30に割り当ててもよい。このようにサブチャネルを割り当てれば、無線端末30が受ける干渉を低減し、良好な受信性能を達成できる。
【0020】
また、非特許文献3に記載のDOA(Direction of Arrival)が伝搬路情報として使用されることもある。無線局102は、無線端末10、無線端末20及び無線端末30からの受信信号のDOAを複数のアンテナを用いて推定する。尚、DOAは、伝搬路の複素応答に比べて周波数依存性が低いことが知られている。無線局102は、アンカーチャネルにおける無線端末30からの受信信号のDOAを、サブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bにおける無線端末30からの受信信号のDOAとして代用できる。無線局102は、アンカーチャネルにおける無線端末30からの受信信号のDOAを、無線端末10及び無線端末20からの受信信号のDOAと夫々比較し、角度差の大きいDOAに対応するサブチャネルを無線端末30に割り当ててもよい。このようにサブチャネルを割り当てれば、無線局101及び無線局102によるヌルステアリングが容易となり、良好な受信品質を達成できる。
【0021】
以上のように、干渉電力の大きさ、伝搬路の複素応答の相関、DOAの相関などの伝搬路情報に基づいて無線局102が無線端末30に割り当てるサブチャネルを決定するためのスケジューリング手法が知られている。ところで、例えば図1に示すように、無線端末10及び無線端末20と無線局120との間の距離が同程度であれば、これら無線端末10及び無線端末20からの干渉電力も同程度であると考えられる。また、無線局102から無線端末10及び無線端末30を見たときの角度差と、無線局102から無線端末20及び無線端末30を見たときの角度差が同程度であれば、例えば図3及び図4に示すように、サブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bのいずれを選択した場合にもヌルステアリングが可能であると考えられる。図3の例では、無線局102は無線端末30とサブチャネルSCH−Aを使用して通信を行い、無線端末10にヌルを向けている。図4の例では、無線局102は無線端末30とサブチャネルSCH−Bを使用して通信を行い、無線端末20にヌルを向けている。伝搬路情報のみに基づいてスケジューリングを行うならば、サブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bの間に有意差がないので、いずれも選択される可能性がある。ところで、サブチャネルSCH−A及びサブチャネルSCH−Bにおいて使用されるトレーニンシンボルは異なる。即ち、一方のサブチャネルを使用する場合における隣接無線局との間のトレーニングシンボルの相関が、他方のサブチャネルを使用する場合における隣接無線局との間のトレーニングシンボルの相関に比べて高いかもしれない。トレーニングシンボル間の相関が高いサブチャネルを選択すると、無線局102は所望信号に関するトレーニングシンボルと干渉信号に関するトレーニングシンボルとを区別できず、ヌルステアリングを適切に実行できないおそれがある。
【0022】
以下、本実施形態に係る無線局が行うヌルステアリングについて数式を用いて説明する。尚、このヌルステアリングの手法は、非特許文献3を参考にしている。また、無線システムは、非特許文献1記載の次世代PHSシステムを前提としている。また、各数式において各信号はいずれもベースバンドで表現されている。
【0023】
図3に示すように、無線端末10及び無線端末30が同一のサブチャネルSCH−Aを共用する場合に、無線局102の受信信号を以下のように定義する。尚、特に断りのない限り、数式において小文字の太文字は縦ベクトルを表し、大文字の太文字は行列を表し、それ以外はスカラーを表す。
【数1】

【0024】
上式において、Nは無線局102のアンテナ数を表しており、以降の説明においてN=2と仮定する。更に、無線局101及び無線局102が、サブチャネルSCH−Aにおいて使用するトレーニングシンボルを以下のように定義する。
【数2】

【0025】
上式において、x101は無線局101が使用するトレーニングシンボルを表し、x102は無線局102が使用するトレーニングシンボルを表す。また、無線端末10及び無線端末30と無線局102との間の伝搬路行列を以下のように定義する。
【数3】

【0026】
上式において、h11は無線端末10から無線局102の第1のアンテナまでの伝搬路応答、h12は無線端末20から無線局102の第1のアンテナまでの伝搬路応答、h21は無線端末10から無線局102の第2のアンテナまでの伝搬路応答、h22は無線端末30から無線局102の第2のアンテナまでの伝搬路応答を夫々表す。トレーニングシンボル期間における無線局102の受信信号は、次の数式(1)で表される。
【数4】

【0027】
数式(1)において、ベクトルnは無線局102における雑音ベクトルを表しており、第1のアンテナにおける雑音成分n及び第2のアンテナにおける雑音成分nを用いて以下のように定義できる。
【数5】

【0028】
非特許文献3によれば、無線局102がMMSE規範を用いて,無線端末30に指向性を向けつつ,無線局101に接続する無線端末10に対してヌルステアリングを行うために、次の数式(2)に示すウェイトベクトルwを使用する。
【数6】

【0029】
数式(2)において、Ryyは受信信号の相関行列を示しており、rydは受信信号と所望信号との相関ベクトルを示している。受信信号の相関行列Ryyは次の数式(3)に書き換えることができる。
【数7】

【0030】
数式(3)において、E()はアンサンブル平均を表している。雑音成分と受信信号成分との相関は零とみなすことができる。また、アンサンブル区間において、伝搬路(伝搬路応答)が変わらないと仮定すれば、数式(3)は次の数式(4)に書き換えることができる。
【数8】

【0031】
数式(4)において、Rxxは送信信号(トレーニングシンボル期間において、トレーニングシンボル)の相関行列を示しており、理想的には単位行列となる。また、σは雑音の分散を表しており、Iはアンテナ数と同じサイズの単位行列を表している。また、受信信号と所望信号との相関rydは、次の数式(5)で表される。
【数9】

【0032】
数式(5)において、dは所望信号(所望トレーニングシンボル)を表しており、“・”はベクトルとスカラーとの積を表す演算子である。無線局102に関して所望信号dは、トレーニングシンボルx102である。数式(5)においても所望信号と雑音成分との間の相関は零とみなすことができるので、数式(5)は次の数式(6)に書き換えることができる。
【数10】

【0033】
アンサンブル平均を算出する区間において、無線局101及び無線局102が使用するトレーニングシンボルが無相関であるならば、rxdは次のように表される。
【数11】

【0034】
即ち、上記条件下において、rydは次のように表される。
【数12】

【0035】
数式(2)において、行列Ryy−1は受信信号に含まれる各成分にヌルを向ける効果があり、行列rydはその各成分に利得を向ける効果があることが知られている。行列rydが上式に一致するならば、無線局102は無線端末30からの所望信号に対する指向性を高めつつ、無線端末10からの干渉信号に対してヌルを向けることができる。即ち、無線局102は、所望信号及び干渉信号を分離できる。一方、基地局101のトレーニングシンボルx101と所望のトレーニングシンボルx102との間の相関が高くなるほど、行列rydの各成分に干渉信号の伝搬路応答に関する成分が加算されるので、無線局102は所望信号及び干渉信号を分離することが困難となる。
【0036】
以下、上記ヌルステアリング手法を次世代PHSシステムへ適用する場合について、具体的に説明する。図5は、次世代PHSシステムのリソースユニットを例示している。図5において、横軸は時間を表し、縦軸は周波数(サブキャリア)を表している。次世代PHSシステムを含むOFDMシステムは、サブキャリア毎に等化を行う。本システムは、サブキャリアにつき1つのトレーニングシンボルのみが割り当てられている。故に、数式(4)及び数式(6)におけるアンサンブル平均は、非特許文献2に記載されるように、周波数方向(サブキャリア方向)の平均で代用してもよい。周波数方向に配置されるトレーニングシンボルの相関を隣接セル(隣接基地局)間で低く抑えることが、ヌルステアリングを適切に行うために重要である。
【0037】
非特許文献1によれば、次世代PHSシステムにおけるトレーニングシンボルは、基地局ID(BSID)によって一意に決定される。具体的には、BSIDの下位5ビットをA、Aの次の上位の5ビットをBとすると、トレーニングシンボルの番号は、次の数式(7)で表される。
【数13】

【0038】
数式(7)において、xはcore-sequence numberと呼ばれる12種類の系列を表し、y(m)はoffset value numberと呼ばれるサブチャネルmにおける位相回転量を表す。また、nは総サブチャネル数を表す。例えば、n=9個のサブチャネルが使用されるシステムにおいて、無線局101のBSIDが「88」の場合、core-sequence number=1であり、offset value number=4である。また、無線局102のBSIDが「98」の場合、core-sequence number=3であり、offset value number=5である。サブチャネルSCH−Aのサブチャネル番号=4であるときに、無線局101が使用する24個のトレーニングシンボル(即ち、トレーニング系列t101,SCH−A)は、非特許文献1によれば、次のように表される。
【数14】

【0039】
同様に、無線局102が使用するトレーニング系列t101,SCH−Bは、非特許文献1によれば、次のように表される。
【数15】

【0040】
各サブキャリアに割り当てられたトレーニングシンボル間の相関が低ければ、適切なヌルステアリングが可能となる。本実施形態では、トレーニングシンボル間の相関を周波数方向で平均化して評価する。ここで、次世代PHSシステムにおいて、ガードインターバルは3.33μsecであるので、マルチパスの最大遅延時間を考慮するとスペクトルのヌルの周期は303kHzとなる。サブキャリア間隔は37.5kHzであるので、伝搬路応答が変化しないとみなすことのできるサブキャリアの数は3から5程度である。故に、以降の説明では、3サブキャリア分のトレーニングシンボルの相互相関値を評価する。図6は、サブチャネルSCH−Aを使用した場合のトレーニングシンボル間の相互相関値(実線)と、サブチャネルSCH−B(サブチャネル番号=7)を使用した場合のトレーニングシンボル間の相互相関値(破線)を夫々示している。前述の「アンサンブル平均を周波数方向の平均で代用すること」とは、例えば図6の相関の値をサブキャリア方向に平均化した値をアンサンブル平均の代わりに相関の評価規範とすることである。図6によれば、サブチャネルSCH−Aを使用する場合に無線局101及び無線局102の使用するトレーニングシンボル間の相関は比較的高い。特に、図6において相互相関値が最大値「6」になると3サブキャリアのトレーニングシンボルが一致するので、所望信号及び干渉信号の分離は困難である。一方、図6によれば、サブチャネルSCH−Bを使用する場合に無線局101及び無線局102の使用するトレーニングシンボル間の相関は比較的低い。具体的には、図6において、サブチャネルSCH−Bに対応する相互相関値は、いずれのサブキャリアにおいてもサブチャネルSCH−Aに対応する相互相関値の高々2/3程度である。故に、伝搬路情報に基づく評価が同程度であれば、サブチャネルSCH−AよりもサブチャネルSCH−Bの方が周波数共用に適しており、良好な受信品質を期待できる。
【0041】
以上の説明から明らかなように、トレーニングシンボル間の相関は、ヌルステアリングを適切に行うための重要なパラメータである。故に、本実施形態に係る無線局は、トレーニングシンボル間の相関を考慮して周波数共用に適した帯域をスケジュールする。
【0042】
図7に示すように、本実施形態に係る無線局100は、無線部110及びベースバンド信号処理部120を有する。ベースバンド信号処理部120は、受信信号処理部130及び送信信号処理部140を有する。
【0043】
尚、図7は、無線部110及びベースバンド信号処理部120の現実の地理的な配置を必ずしも反映していない。例えば、無線部110及びベースバンド信号処理部120は、地理的に離れて配置され、信号伝送のための光ファイバなどによって接続されてもよい。また、複数の無線部110に対応する複数のベースバンド信号処理部120が1箇所に集約されてもよい。例えば、複数の無線部110に対応する複数のベースバンド信号処理部120を1つの無線装置(信号処理装置)に集約させることが可能である。この場合、複数のベースバンド処理部120の間で重複する機能部を統合させてもよい。例えば、無線装置は、各実施形態に係るスケジューリングを複数の無線部110に対して実行するスケジューリング部を備えてもよい。以降の説明において、無線局100の地理的な位置は、無線部110の地理的な位置(無線信号を実際に送受信する位置)に基本的に一致する。
【0044】
無線部110は、複数のアンテナからのRF帯の受信信号を調整(低雑音増幅、フィルタリング、ダウンコンバートなど)し、ベースバンドの受信信号を得る。無線部110は、ベースバンドの受信信号を受信信号処理部130に入力する。また、無線部110は、送信信号処理部140からのベースバンドの送信信号を調整(アップコンバート、フィルタリング、電力増幅など)し、RF帯の送信信号を得る。無線部110は、RF帯の送信信号を複数のアンテナから送信する。尚、複数のアンテナは、無線部110に含まれると解釈されてもよいし、無線部110に含まれないと解釈されてもよい。
【0045】
受信信号処理部130は、受信ベースバンド信号をアナログ−デジタル変換し、復調して受信データを得る。受信信号処理部130は、受信データを図示しないデータ処理部に入力する。また、受信信号処理部130は、干渉電力、DOAなどの伝搬路情報を解析し、送信信号処理部140に通知する。
【0046】
送信信号処理部140は、メモリ141、相関演算部142、スケジューリング部143、無線パケット生成部144及びアレイ信号処理部145を有する。尚、送信信号処理部140の一部の構成要素が、送信信号処理部140の外部に存在しても勿論よい。図面に示される構成要素の区分けは、例示であって限定でない。
【0047】
メモリ141は、無線局100及び隣接無線局のトレーニング系列またはトレーニングシンボルを保存する。隣接無線局のトレーニング系列は、隣接無線局のBSIDから生成可能である。隣接無線局のBSIDは、当該隣接無線局または無線局100の設置時にメモリ141などに書き込まれてもよいし、受信信号処理部130が隣接無線局の送信信号または隣接無線局と通信する無線端末の送信信号に基づいて推定してもよい。相関演算部142は、無線局100及び隣接無線局が同一帯域で使用するトレーニングシンボル間の相関を演算する。スケジューリング部143は、相関演算部142からの相関に基づいて、接続を要求する無線端末に割り当てる帯域を決定する。尚、スケジューリング部143の具体的な処理は後述する。また、スケジューリング部143は、受信信号処理部130からの伝搬路情報も上記帯域を決定するために参酌してもよい。
【0048】
無線パケット生成部144は、スケジューリング部143によるスケジューリング結果(例えば、サブチャネルの割り当て)を示すデータ、その他の送信データを無線端末に送信するための無線パケットを生成する。アレイ信号処理部145は、受信信号処理部130からの伝搬路情報に基づくアダプティブアレイ信号処理を無線パケットに対して行う。アレイ信号処理部145は、ベースバンドの送信信号を無線部110に入力する。
【0049】
以下、図8及び図9を用いてスケジューリング部143の処理を説明する。図8の処理によって、スケジューリング部143は複数の利用可能な帯域(第1の帯域及び第2の帯域)から共用に適した1つの帯域を決定できる。尚、第1の帯域及び第2の帯域は、無線局100の隣接無線局が既に使用していると仮定する。
【0050】
スケジューリング部143は、第1の帯域及び第2の帯域が周波数共用可能であるか否かを判定する(ステップS201)。例えば、スケジューリング部143は、第1の帯域及び第2の帯域における干渉電力が所定値以下であれば、両者が周波数共用可能であると判定してもよい。第1の帯域及び第2の帯域が周波数共用可能であれば、処理はステップS202に進む。一方、第1の帯域及び第2の帯域が周波数共用可能でなければ、処理は終了する。
【0051】
ステップS202において、スケジューリング部143は、第1の帯域において無線局100及び隣接無線局が使用するトレーニングシンボル間の第1の相関と、第2の帯域において無線局100及び隣接無線局が使用するトレーニングシンボル間の第2の相関とを読み込む。具体的には、相関演算部142がメモリ141から必要なトレーニングシンボルを読み出し、第1の相関及び第2の相関を演算する。尚、第1の相関及び第2の相関は、対象サブチャネルに含まれる複数のサブキャリアにおける相関の平均値であってもよいし、複数のサブキャリアにおける相関の最小値、最大値または中央値などであってもよい。
【0052】
スケジューリング部143は、ステップS202において読み込んだ第1の相関及び第2の相関を比較する(ステップS203)。第1の相関が第2の相関未満であれば処理はステップS204に進み、第1の相関が第2の相関以上であれば処理はステップS205に進む。
【0053】
ステップS204において、スケジューリング部143は第1の帯域で周波数共用を行うことを決定し、処理は終了する。ステップS205において、スケジューリング部143は第2の帯域で周波数共用を行うことを決定し、処理は終了する。
【0054】
図8の処理によれば、無線局100は、複数の利用可能な帯域のうち、トレーニングシンボル間の相関の最も低い帯域で周波数共用を行うことができる。トレーニングシンボル間の相関が低ければ、無線局100は所望信号及び干渉信号を容易に分離できるので、良好な受信品質を期待できる。即ち、図8の処理は、複数の利用可能な帯域からトレーニングシンボル間の相関を最小化する帯域で周波数共用を行う場合に役立つ。一方、トレーニングシンボル間の相関を最小化することが要求されない場合には、図8の処理を図9の処理に置き換えてもよい。図9の処理は、所定の基準を満たす対象帯域で周波数共用を行う場合に役立つ。
【0055】
スケジューリング部143は、対象帯域において無線局100及び隣接無線局が使用するトレーニングシンボル間の相関を読み込む(ステップS211)。尚、ステップS211において読み込まれる相関は、対象サブチャネルに含まれる複数のサブキャリアにおける相関の平均値であってもよいし、複数のサブキャリアにおける相関の最小値、最大値または中央値などであってもよい。
【0056】
スケジューリング部143は、ステップS211において読み込んだ相関を第1の閾値と比較する(ステップS212)。第1の閾値は、周波数共用に適した帯域を弁別するための基準値であり、設計的または実験的に導出可能である。尚、スケジューリング部143は、利用可能な帯域のいずれに関しても相関が第1の閾値以上であるならば、周波数共用を行わないことを決定してもよい。相関が第1の閾値より低ければ処理はステップS213に進み、相関が第1の閾値以上であれば処理は終了する。ステップS213において、スケジューリング部143は対象帯域で周波数共用を行うことを決定し、処理は終了する。
【0057】
図8または図9などの処理の結果、無線端末に割り当てるサブチャネルが決定すると、無線パケット生成部144はこのサブチャネルを示すデータに基づいて無線パケットを生成する。また、無線局100が無線端末との制御チャネル(アンカーチャネルなど)においてアダプティブアレイ信号処理を用いた指向性受信を行っているならば、そのアダプティブアレイ信号処理のウェイトをアレイ信号処理部145に利用させて上記無線パケットの指向性送信を行ってもよい。
【0058】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る無線局は、対象帯域において当該無線局及び隣接無線局が使用するトレーニングシンボル間の相関の高低に基づいて、当該対象帯域の周波数共用の適否を判定する。従って、本実施形態に係る無線局によれば、ヌルステアリングを実行しやすい帯域をスケジュールできる。尚、本実施形態に係る無線局は、トレーニングシンボル間の相関と併せて伝搬路情報に基づいてスケジュールを行ってもよいし、トレーニングシンボル間の相関のみに基づいてスケジュールを行ってもよい。また、本実施形態に係る無線局は、伝搬路情報を従来よりも簡易に推定し、スケジューリングに利用してもよい。
【0059】
尚、トレーニングシンボル間の相関は、無線局100及び隣接無線局のBSIDが決まっていれば演算可能である。故に、各サブチャネルにおけるトレーニングシンボル間の相関値などのスケジューリングに有用な情報を予め導出してメモリ141またはその他の記憶手段に保存しておいてもよい。スケジューリング部143がスケジュール時にこの予め導出された情報を参照すれば、相関演算部142による相関演算処理などを省略できる。
【0060】
(第2の実施形態)
図10に示すように、本発明の第2の実施形態に係る無線局300は、無線部110及びベースバンド信号処理部320を有する。以下の説明では、図10において図7と同一部分には同一符号を付して示し、異なる部分を中心に述べる。前述の第1の実施形態に係る無線局は、トレーニングシンボル間の相関が低い帯域で周波数共用を行う一方、相関の高い帯域で周波数共用を行わない。しかしながら、帯域の不使用は、リソースの利用効率の観点からすると好ましくない。本実施形態に係る無線局は、周波数共用に適さない帯域を利用していわゆる協力通信を行う。
【0061】
ベースバンド信号処理部320は、受信信号処理部130及び送信信号処理部340を有する。送信信号処理部340は、メモリ141、相関演算部142、スケジューリング部343、無線パケット生成部344及びアレイ信号処理部345を有する。
【0062】
以下、図11及び図12を用いてスケジューリング部343の処理を説明する。図11及び図12の処理は、図8及び図9の処理の変形である。以下の説明では、図11及び図12において図8及び図9と同一部分には同一符号を付して示し、異なる部分を中心に述べる。
【0063】
図11の処理は、図8の処理においてステップS206及びステップS207が夫々追加されている。ステップS206において、スケジューリング部343は第2の帯域で協力通信を行うことを決定し、処理は終了する。ステップS207において、スケジューリング部343は第1の帯域で協力通信を行うことを決定し、処理は終了する。尚、ステップS206及びステップS207は、図11と異なる順序で実行されてもよい。
【0064】
図12の処理は、図8の処理においてステップS214及びステップS215が追加されている。ステップS214において、スケジューリング部343は、ステップS211において読み込んだ相関を第2の閾値と比較する。第2の閾値は、前述の第1の閾値と同一であってもよいし、第1の閾値より大きくてもよい。尚、第2の閾値が第1の閾値と同一であるならば、ステップS214は省略されてもよい。相関が第2の閾値以上であるならば処理はステップS215に進み、相関が第2の閾値未満であるならば処理は終了する。ステップS215において、スケジューリング部343は対象帯域で協力通信を行うことを決定し、処理は終了する。尚、ステップS214及びステップS215は、図12と異なる順序で実行されてもよい。
【0065】
協力通信では、複数の無線局が1つの端末に同時に同一のデータを送信する。即ち、無線局300は、隣接無線局と同時に同一の送信データを、当該隣接無線局に接続する無線端末に送信する。協力通信は、セル端付近における無線端末の所望電力の改善に有用であることが知られている。無線パケット生成部344は、協力通信時には、隣接無線局と接続する無線端末への送信データに基づいて無線パケットを生成する。アレイ信号処理部345は、協力通信時には、隣接無線局と独立して処理を行ってもよいが、隣接無線局と共同で処理を行ってもよい。具体的には、アレイ信号処理部345は、無線局300及び隣接無線局の両方のアンテナを1つの無線局のアンテナとみなして指向性送信のためのウェイトを計算してもよい。尚、協力通信時には、無線局300は隣接無線局と同一のトレーニングシンボルを使用する。従って、隣接無線局に接続する無線端末は、協力通信への移行後も何ら処理を変更することなく、受信性能を改善できる。また、両無線局が同一のトレーニングシンボルを使用するので、両無線局間のトレーニングシンボルの相関は問題とならない。
【0066】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態に係る無線局は、対象帯域が周波数共用に適さない場合には、当該対象帯域で協力通信を行うことを決定する。従って、本実施形態に係る無線局によれば、周波数共用に適さない帯域を効率的に活用して隣接無線局に接続する無線端末の受信性能を改善できる。即ち、本実施形態に係る無線局によれば、エリア全体のスループットを向上できる。
【0067】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る無線局は、前述の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る無線局において利用可能な第1の閾値(及び第2の閾値)を特定の条件に応じて制御する。
【0068】
例えば、本実施形態に係る無線局は、セル半径に応じて第1の閾値を制御してもよい。セル半径が短い場合、無線局間の距離が短く、隣接セルからの干渉電力が大きくなりやすい。従って、周波数共用のための第1の閾値を低くすることにより、周波数共用時の無線端末の受信品質を改善させることが望ましい。一方、セル半径が長い場合、無線局間の距離が長く、隣接セルからの干渉電力が小さくなりやすい。従って、周波数共用のための第1の閾値を高くすることにより、積極的に周波数共用を行って、より多くの無線端末を接続させることが望ましい。
【0069】
また、本実施形態に係る無線局は、セル内のトラフィックに応じて第1の閾値を制御してもよい。セル内のトラフィックが多い場合、無線局がサポート可能な無線端末数を増大させる必要がある。従って、第1の閾値を高くすることにより、無線局がサポート可能な無線端末数を増大させることが望ましい。
【0070】
また、第1の閾値は、時間スロット毎に制御されてもよい。例えば、ある時間スロットにおいて第1の閾値を高く設定したり、別の時間スロットにおいて第1の閾値を低く設定したりしてもよい。この制御は、例えばトラフィック量、無線システムのオペレータの設定などに基づいて行われる。
【0071】
以上説明したように、本発明の第3の実施形態に係る無線局は、前述の第1の閾値(及び第2の閾値)を特定の条件に応じて制御している。従って、本実施形態に係る無線局によれば、周波数共用(または協力通信)を当該無線局の状況に合わせて積極的または消極的に行うことができる。
【0072】
尚、本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記各実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、各実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0073】
例えば、上記各実施形態の処理を実現するプログラムを、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納して提供することも可能である。記憶媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなど、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0074】
また、上記各実施形態の処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【符号の説明】
【0075】
10,20,30・・・無線端末
100,101,102,300・・・無線局
110・・・無線部
120,320・・・ベースバンド信号処理部
130・・・受信信号処理部
140,340・・・送信信号処理部
141・・・メモリ
142・・・相関演算部
143,343・・・スケジューリング部
144,344・・・無線パケット生成部
145,345・・・アレイ信号処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の帯域を使用して第1の無線端末と通信する第1の無線局と地理的に隣接する無線局において、
前記第1の帯域において前記無線局が使用する第1のトレーニングシンボルと前記第1の帯域において前記第1の無線局が使用する第2のトレーニングシンボルとの間の第1の相関が第1の閾値未満であれば、前記第1の帯域を前記第1の無線局と共用することを決定するスケジューリング部
を具備する無線局。
【請求項2】
前記第1の閾値は、前記第1の無線局が第2の無線端末との通信に使用する第2の帯域において前記無線局が使用する第3のトレーニングシンボルと前記第2の帯域において前記第1の無線局が使用する第4のトレーニングシンボルとの間の第2の相関に等しく、
前記スケジューリング部は、前記第1の相関が前記第1の閾値以上であれば前記第2の帯域を前記第1の無線局と共用することを決定する、
請求項1記載の無線局。
【請求項3】
前記スケジューリング部は、前記第1の相関が前記第1の閾値以上である第2の閾値以上であれば、前記第1の帯域において前記第1の無線局と協力通信を行うことを決定する、請求項1記載の無線局。
【請求項4】
前記第1の閾値は、前記無線局のセル半径が長いほど高く設定される、請求項1記載の無線局。
【請求項5】
前記第1の閾値は、前記無線局のセル内のトラフィックが多いほど高くなるように設定される、請求項1記載の無線局。
【請求項6】
互いに隣接する第1の無線部と第2の無線部を介して、複数の帯域を用いて通信する無線装置であって、
前記複数の帯域のうち第1の帯域において前記第1の無線部を介して送信される第1のトレーニングシンボルと前記第1の帯域において前記第2の無線部を介して送信される第2のトレーニングシンボルとの間の第1の相関が第1の閾値未満であれば、前記第1の帯域を前記第1の無線部と前記第2の無線部とで共用することを決定するスケジューリング部
を具備する無線装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2011−193389(P2011−193389A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59823(P2010−59823)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】