説明

無線装置およびそれを備えた無線ネットワーク

【課題】同じ拡散符号チャネルであっても、パケット単位で、受信電力及び伝搬路の状況が異なる環境下において、干渉波を除去可能な無線装置を提供する。
【解決手段】無線装置は、周波数f1〜f4に対応して受信回路131〜134を備える。受信回路131〜134の各々において、チャネル制御回路20は、対応する周波数fi(i=1〜4)で受信した受信信号を拡散符号Code1〜Code7によって逆拡散して得られた値の絶対値の平均値を演算し、その演算した平均値に基づいて、干渉を除去するか否かを決定するためのしきい値を演算する。そして、チャネル制御回路20は、しきい値以上のk個の平均値が得られたときのk個の拡散符号を検出する。そして、干渉除去回路30,40は、チャネル制御回路20からのk個の拡散符号を用いて干渉量の大きい順に受信信号から干渉を除去する処理を2段階で実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線装置およびそれを備えた無線ネットワークに関し、特に、マルチチャネルを用いて無線通信を行なう無線装置およびそれを備えた無線ネットワークに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、干渉除去を直列的に行なう直列型干渉キャンセラと干渉除去を並列的に行なう並列型干渉キャンセラとを合わせたハイブリッド型干渉キャンセラが知られている(特許文献1)。
このハイブリッド型干渉キャンセラは、携帯電話機の基地局に組み込まれるものである。CDMA(Code Division Multiple Access)通信においては、収容する加入者数の増加に伴って他局からの干渉量が増加し、受信信号の復調性能が大幅に劣化する。
【0003】
直接型干渉キャンセラは、ステージ数、即ち、繰り返し復調数を増やせば増やす程、性能が向上するという特徴がある。しかし、局数およびステージ数の増加に伴って、遅延が増加するという問題がある。
【0004】
そのために、遅延量が少ない並列型干渉キャンセラと、性能の良い直列型干渉キャンセラとを組み合わせたハイブリッド型干渉キャンセラが基地局において用いられている。そして、基地局においては、各端末に割り当てた拡散符号が既知であるので、ハイブリッド型干渉キャンセラは、端末からの干渉レプリカ信号を生成して受信信号から干渉をキャンセルすることができる。
【0005】
これらのキャンセラは、携帯電話機の基地局に用いられる装置である。よって、使用する拡散符号は、基地局で全て管理されており、各端末に割当てられる。
【0006】
また、従来、スペクトル拡散を用いた車間距離レーダに干渉除去装置を搭載したシステムが知られている(特許文献2)。このシステムは、前方車両に向けて拡散信号を送信し、前方車両によって反射された受信信号を逆拡散処理し、相関ピーク位置から車間距離を算出する。
【0007】
この場合、対向車にも同様の車間距離レーダが搭載されていると、対向車から直接波を受信してしまう。従って、所望波/干渉波の比が拡散ゲインを超えてしまう場合、正しく車間距離を計測できない場合があった。
【0008】
そのために、対向車の干渉波を除去した後に、所望波から車間距離を算出する必要がある。
【0009】
車間距離レーダは、各車両で独立に動作しており、拡散符号の割当を管理するシステムはない。そのために、特許文献2に開示されたシステムは、共通拡散符号と個別拡散符号とを設け、個別拡散符号を用いて車間距離を測定する。また、特許文献2に開示されたシステムでは、送信側は、自己の個別拡散符号を共通拡散符号で拡散して送信する。そして、受信側は、共通拡散符号で逆拡散処理を行ない、干渉信号の個別拡散符号を検出し、干渉波を除去する。
【0010】
車間距離レーダは、各車両に搭載したレーダ装置が独立で動作している。そのために、自車両で使用する拡散符号の管理を各レーダ装置で行なう必要がある。しかし、干渉波となる信号は、対向車両から送信される信号であり、対向車両で使用されている信号に用いられている拡散符号を知る必要がある。この解決手段が、共通拡散符号と固有拡散符号を用いることである。即ち、共通拡散符号で拡散した信号に固有拡散符号の情報を入れておくことで、共通拡散符号で逆拡散することにより対向車両の固有拡散符号を知ることができる。
【0011】
更に、従来、マルチキャリアおよびマルチコードで形成されるチャネルを用いて無線通信を行なう無線通信方式(MM−SA方式)が知られている(非特許文献1)。
【0012】
この無線通信方式は、4個の周波数チャネルおよび15個の拡散コードによって形成されるチャネルから、チャネル制御によって、干渉量の少ないチャネルを確定し、その確定したチャネルを用いて情報を送受信する方式である。
【0013】
この無線通信方式では、用意されているチャネル(4×15個)数の相関器を準備し、各拡散符号に対し、逆拡散処理を行なって干渉量を評価することで、干渉量の小さい拡散符号を選択する。また、干渉量の大きい拡散符号に対しては、受信処理を施す、あるいは、全ての拡散符号に対して受信処理を施せば良い。
【0014】
図16は、従来の車々間通信の概念図である。車々間通信のアプリケーションの1つとして、図16に示す出会い頭衝突事故防止の支援機能が検討されている。
【0015】
車両Aが車両Bの情報を受信したい場合、車両C〜Jは、干渉車両になる。非特許文献1に記載された無線通信方式は、干渉量の小さいチャネルを選択して送信する方式であるため、車両Bは、交差点に近づけば、周囲の車両A,C〜Jが使用しているチャネルのうち、干渉量が少ないチャネルを選択して情報を送信する。
【特許文献1】特開2000−115131号公報
【特許文献2】特許第3399884号公報
【特許文献3】特許第3648172号公報
【非特許文献1】酒井 敏宏、大山 卓、鈴木 龍太郎、門脇 直人、小花 貞夫,“高レスポンスアドホック無線通信方式:MM−SA方式の車車間通信への適応に関するシミュレーションによる基本特性評価”,電子情報通信学会技術研究報告,RCS−2007−54(2007−08).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかし、図16に示す環境下の場合、道路に面した建物によって、直接波を受信できる場合と、受信できない場合とがある。道路に面して建物が存在する場合、例えば、車両Aは、送信側サービスエリアに存在する車両Bから直接波からなる所望波を受信できず、回折波からなる所望波のみを受信する。これに対して、車両Aは、車両C,D,F,Gから直接波を干渉波として受信する。
【0017】
その結果、車両Aにおいて、所望波/干渉波の電力比が小さくなり、所望波を正しく受信することが困難であるという問題がある。
【0018】
また、特許文献1に記載された技術は、送信電力制御を基地局で行なっている。即ち、端末と基地局との間で送信電力制御を行なえば良い。しかし、前記MM−SA方式を車々間通信に適用する場合、
*パケットは、周辺の車両にブロードキャストされる。
*MM−SA方式のチャネル構成で、パケット単位で、該チャネルを使用する
車両が異なる。即ち、同じチャネルであっても、時々刻々と、受信電力、伝搬
路の状況が変わる。
との理由から、基地局の干渉除去装置に比べ、信号対干渉除去比(SIR)の変動の大きい環境下で動作させる必要がある。
【0019】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、同じ拡散符号チャネルであっても、パケット単位で、受信電力及び伝搬路の状況が異なる環境下において、干渉波を効果的に除去可能な無線装置を提供することである。
【0020】
また、この発明の別の目的は、同じ拡散符号チャネルであっても、パケット単位で、受信電力及び伝搬路の状況が異なる環境下において、干渉波を効果的に除去可能な無線装置を備えた無線ネットワークを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
この発明によれば、無線装置は、複数の無線装置が相互に無線通信を行なう無線ネットワークを構成するとともに、i(iは2以上の整数)個の周波数チャネルから選択した1つの周波数とj(jは2以上の整数)個の拡散符号チャネルから選択した1つの拡散符号とを用いて送信されたパケットを受信する無線装置であって、i個の周波数チャネルに対応して設けられたi個の受信回路を備える。i個の受信回路の各々は、評価値演算回路と、しきい値演算回路と、干渉除去回路と、出力回路とを含む。評価値演算回路は、パケットの受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる値の絶対値の平均値を評価値として演算する評価値演算処理をj個の拡散符号について実行し、j個の評価値を演算する。しきい値演算回路は、j個の評価値に基づいて、パケットの受信信号から干渉を効果的に除去するための基準となるしきい値を演算する。干渉除去回路は、しきい値以上の受信信号強度を有する受信信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する干渉除去処理を対応する周波数について実行する。出力回路は、干渉除去回路によって干渉が除去された受信信号をデコードしてデータを出力する。
【0022】
好ましくは、i個の受信回路の各々は、選択回路を更に備える。選択回路は、しきい値に基づいて、j個の評価値のうち、しきい値以上の評価値が得られるときのk(kは1≦k≦jを満たす整数)個の拡散符号を評価値が大きい順に選択する。干渉除去回路は、k個の拡散符号を用いて受信信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する。
【0023】
好ましくは、干渉除去回路は、第1ステージ除去回路と第2ステージ除去回路とを含む。第1ステージ除去回路は、受信信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する。第2ステージ除去回路は、第1ステージ除去回路の出力信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する。出力回路は、第2ステージ除去回路の出力信号をデコードしてデータを出力する。
【0024】
この様に、ステージ数、即ち、干渉除去機能の繰返し数を増やすことで、干渉除去能力を向上する。しかし、ハードウェア規模が大きくなってしまう。よって、通信品質評価、アプリケーション要求及びハードウェア規模からステージ数を確定すれば良い。ハードウェア構成を複数ステージ構成で設計する際には、硬判定機能及びデコーダは、最終ステージのみに持たせても良い。
【0025】
また、この発明によれば、無線装置は、複数の無線装置が相互に無線通信を行なう無線ネットワークを構成するとともに、i(iは2以上の整数)個の周波数から選択した1つの周波数とj(jは2以上の整数)個の拡散符号から選択した1つの拡散符号とを用いて送信されたパケットを受信する無線装置であって、i個の周波数に対応して設けられたi個の受信回路を備える。i個の受信回路の各々は、評価値演算回路と、しきい値演算回路と、選択回路と、干渉除去回路と、出力回路とを含む。評価値演算回路は、パケットの受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる値の絶対値の平均値を評価値として演算する評価値演算処理をj個の拡散符号について実行し、j個の評価値を演算する。しきい値演算回路は、j個の評価値に基づいて、パケットの受信信号から干渉を効果的に除去するための基準となるしきい値を演算する。選択回路は、しきい値に基づいて、j個の評価値のうち、しきい値以上の評価値が得られるときのk(kは1≦k≦jを満たす整数)個の拡散符号を選択する。干渉除去回路は、しきい値以上の受信信号強度を有する受信信号からk個の拡散符号を用いて干渉を並列的に除去する干渉除去処理を対応する周波数について実行する。出力回路は、干渉除去回路によって干渉が除去された受信信号をデコードしてデータを出力する。
【0026】
好ましくは、干渉除去回路は、第1ステージ除去回路と第2ステージ除去回路とを含む。第1ステージ除去回路は、受信信号から干渉を並列的に除去する。第2ステージ除去回路は、第1ステージ除去回路の出力信号から干渉を並列的に除去する。出力回路は、第2ステージ除去回路の出力信号をデコードしてデータを出力する。
【0027】
好ましくは、i個の受信回路の各々は、判定回路を更に含む。判定回路は、しきい値に基づいて受信信号から干渉を除去すべきか否かを判定する。干渉除去回路は、判定回路によって干渉を除去すべきと判定されると、干渉除去処理を対応する周波数について実行する。
【0028】
更に、この発明によれば、無線ネットワークは、複数の無線装置を備える。複数の無線装置は、複数の周波数チャネルから選択した1つの周波数と複数の拡散符号チャネルから選択した1つの拡散符号とを用いてパケットを送信するとともに、その送信されたパケットを受信する。そして、複数の無線装置の各々は、複数の周波数に対応して設けられた複数の受信回路を含む。複数の受信回路の各々は、評価値演算回路と、しきい値演算回路と、判定回路と、干渉除去回路と、出力回路とを含む。評価値演算回路は、パケットの受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる値の絶対値の平均値を評価値として演算する評価値演算処理を複数の拡散符号について実行し、複数の評価値を演算する。しきい値演算回路は、複数の評価値に基づいて、パケットの受信信号から干渉を効果的に除去するための基準となるしきい値を演算する。判定回路は、しきい値に基づいて受信信号から干渉を除去すべきか否かを判定する。干渉除去回路は、判定回路によって干渉を除去すべきと判定されると、しきい値以上の受信信号強度を有する受信信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する干渉除去処理を対応する周波数について実行する。出力回路は、干渉除去回路によって干渉が除去された受信信号をデコードしてデータを出力する。
【発明の効果】
【0029】
この発明においては、干渉を効果的に除去するための基準であるしきい値以上の受信信号強度を有する受信信号から干渉が干渉電力の大きい順に除去される。その結果、各無線装置が送信パワーを制御しないで既定の送信パワーでパケットを送信する無線通信環境において受信された受信信号から干渉が効果的に除去される。
【0030】
従って、この発明によれば、同じ拡散符号チャネルであっても、パケット単位で、受信電力及び伝搬路の状況が異なる環境下において送信されたパケットを受信する場合にも干渉波を効果的に除去できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0032】
図1は、この発明の実施の形態による無線ネットワークの概略図である。この発明の実施の形態による無線ネットワーク10は、無線装置1〜8を備える。無線装置1〜8は、それぞれ、車両C1〜C8に搭載される。そして、無線装置1〜8は、自律的に無線ネットワークを構成する。
【0033】
車両C1〜C8は、道路を走行し、交差点を通過する。このような場合、信号機が交差点に設置されていなければ、出会い頭衝突事故が発生する場合もある。
【0034】
そこで、以下においては、各無線装置1〜8は、自己が搭載された車両C1〜C8が交差点に近づいたとき、周辺の無線装置から他の車両の情報を受信して出会い頭衝突事故を防止するために、受信信号から干渉波を除去する方法について説明する。
【0035】
[実施の形態1]
図2は、図1に示す無線装置1の実施の形態1における構成を示す概略ブロック図である。無線装置1は、アンテナ11と、送信処理回路12と、受信処理回路13とを含む。
【0036】
アンテナ11は、無線通信空間を介して他の無線装置からパケットを受信し、その受信したパケットを受信処理回路13へ出力する。また、アンテナ11は、送信処理回路12からのパケットを無線通信空間を介して他の無線装置へ送信する。
【0037】
送信処理回路12は、複数の周波数の各々および複数の拡散符号の各々で受信した受信信号の干渉量を受信処理回路13から受け、その受けた干渉量に基づいて、複数の周波数チャネルから干渉量の小さい周波数チャネルを選択するとともに、複数の拡散符号から干渉量の小さい拡散符号を選択する。そして、送信処理回路12は、その選択した拡散符号によってパケットをスペクトル拡散し、その拡散したパケットを、選択した周波数チャネルを用いて送信する。
【0038】
受信処理回路13は、複数の周波数の各々でチャネルを監視し、アンテナ11から受信信号を受ける。そして、受信処理回路13は、その受けた受信信号を複数の拡散符号で復調して複数の周波数の各々および複数の拡散符号の各々で受信した受信信号の干渉量を検出し、その検出した干渉量を送信処理回路12へ出力する。
【0039】
また、受信処理回路13は、アンテナ11から受けた受信信号に基づいて、後述する方法によって、各周波数チャネルで受信した受信信号から干渉量の大きい順に干渉を除去し、データを出力する。
【0040】
図3は、図2に示す送信処理回路12におけるスペクトル拡散の動作を説明するための図である。送信処理回路12は、拡散演算器121,122を含む。拡散演算器121は、実部をスペクトル拡散し、拡散演算器122は、虚部をスペクトル拡散する。
【0041】
そして、データが拡散演算器121へ入力され、既知データ(All“1”)からなるパイロット信号が拡散演算器122へ入力される。
【0042】
拡散演算器121は、データを拡散符号PN_Dataによってスペクトル拡散し、その拡散したデータを出力する。また、拡散演算器122は、パイロット信号を拡散符号PN_Pilotによってスペクトル拡散し、その拡散したパイロット信号を出力する。
【0043】
そして、送信処理回路12は、拡散演算器121,122から出力されたデータおよびパイロット信号からなる送信信号を送信する。
【0044】
図4は、拡散符号と周波数との関係を示す図である。図4において、縦軸は、拡散符号を表し、横軸は、周波数を表す。周波数f1〜f4の各々において、拡散符号Code8〜Code14は、それぞれ、拡散符号Code1〜Code7に対応付けられる。
【0045】
そして、拡散符号Code1〜Code7は、データをスペクトル拡散するための拡散符号PN_Dataであり、拡散符号Code8〜Code14は、パイロット信号をスペクトル拡散するための拡散符号PN_Pilotである。
【0046】
従って、各周波数f1〜f4において、拡散符号Code1〜Code7に対して干渉量を調べ、干渉量の少ない拡散符号Code_c(c=1〜7)を拡散符号PN_Dataとして拡散符号Code1〜Code7の中から選択すれば、拡散符号PN_Pilotは、その選択された拡散符号Code_cに対応する拡散符号Code_c+7に自動的に決定される。
【0047】
送信処理回路12は、周波数f1〜f4の各々において、拡散符号Code1〜Code7に対する干渉量を受信処理回路13から受け、その受けた干渉量に基づいて、干渉量の少ない周波数を周波数f1〜f4から選択するとともに、干渉量の少ない拡散符号Code_c,Code_c+7を上述した方法によって拡散符号Code1〜Code7から選択する。
【0048】
図5は、図2に示す受信処理回路13の構成を示す概略図である。受信処理回路13は、受信回路131〜134からなる。受信回路131〜134は、それぞれ、周波数f1〜f4に対応して設けられる。
【0049】
そして、受信回路131〜134は、それぞれ、周波数f1〜f4で受信された受信信号をアンテナ11から受け、その受けた受信信号から後述する方法によって干渉を除去し、データを出力する。
【0050】
受信回路131は、チャネル制御回路20と、干渉除去回路30,40とを含む。干渉除去回路30は、1ステージ目の干渉除去回路であり、干渉除去回路40は、2ステージ目の干渉除去回路である。
【0051】
チャネル制御回路20は、逆拡散演算器21〜27と、絶対値演算器31〜37と、同期検出回路28と、平均演算器41〜47と、制御回路29とを含む。制御回路29は、しきい値演算回路291と、判定回路292と、選択回路293とを含む。
【0052】
干渉除去回路30は、除去回路51〜57と、出力回路61〜67とを含む。干渉除去回路40は、除去回路71〜77と、出力回路81〜87とを含む。
【0053】
逆拡散演算器21は、周波数f1で受信された受信信号を入力端子TM1から受け、その受けた受信信号を拡散符号Code1によって逆拡散する。この場合、逆拡散演算器21は、後述するパケットに含まれる複数のシンボルの各々を拡散符号Code1によって順次逆拡散し、その逆拡散した複数の値を絶対値演算器31へ順次出力する。
【0054】
また、逆拡散演算器2j(j=1〜7)は、周波数f1で受信された受信信号を入力端子TM1から受け、その受けた受信信号を逆拡散演算器21と同じ方法によって拡散符号Codejを用いて逆拡散し、その逆拡散して得られた複数の値を絶対値演算器3jへ出力する。
【0055】
更に、逆拡散演算器27は、周波数f1で受信された受信信号を入力端子TM1から受け、その受けた受信信号を逆拡散演算器21と同じ方法によって拡散符号Code7を用いて逆拡散し、その逆拡散して得られた複数の値を絶対値演算器37へ出力する。
【0056】
絶対値演算器31は、逆拡散演算器21から受けた複数の値の複数の絶対値の和を演算し、その演算した複数の絶対値の和を同期検出回路28へ出力する。
【0057】
絶対値演算器3jは、逆拡散演算器2jから受けた複数の値の複数の絶対値の和を演算し、その演算した複数の絶対値の和を同期検出回路28へ出力する。
【0058】
絶対値演算器37は、逆拡散演算器27から受けた複数の値の複数の絶対値の和を演算し、その演算した複数の絶対値の和を同期検出回路28へ出力する。
【0059】
同期検出回路28は、絶対値演算器31〜37から複数の和を受け、その受けた複数の和をそれぞれ平均演算器41〜47へ同じタイミングで出力する。そして、同期検出回路28は、複数の和をそれぞれ平均演算器41〜47へ出力したタイミングを同期信号SYNとして検出し、その検出した同期信号SYNを干渉除去回路30,40へ出力する。
【0060】
平均演算器41は、同期検出回路28から受けた複数の絶対値の和の平均値(「評価値」または「干渉量」とも言う。以下、同じ。)を演算し、その演算した平均値を制御回路29へ出力する。平均演算器4j,47も、同様に、同期検出回路28から受けた複数の絶対値の和の平均値を演算し、その演算した平均値を制御回路29へ出力する。
【0061】
制御回路29のしきい値演算回路291は、平均演算器41〜47から7個の平均値を受け、その受けた7個の平均値に基づいて、受信信号から干渉を効果的に除去するための基準となるしきい値IF_thを演算する。より具体的には、しきい値演算回路291は、7個の平均値のうちの最大の平均値を<ξmaxav,fとすると、7個の平均値から最大の平均値<ξmaxav,fを検出し、その検出した最大の平均値<ξmaxav,fを用いて<ξmaxav,f−20を演算することによってしきい値IF_th(=<ξmaxav,f−20)を演算する。この場合、しきい値演算回路291は、“20”を予め保持している。従って、しきい値演算回路291は、7個の平均値から最大の平均値<ξmaxav,fを検出すれば、しきい値IF_thを容易に演算できる。なお、この“20”は、パラメータであって、実際に受信する受信信号に応じて変えられる。
【0062】
そして、しきい値演算回路291は、その演算したしきい値IF_thを判定回路292および選択回路293へ出力するとともに、7個の平均値を送信処理回路12へ出力する。
【0063】
判定回路292は、しきい値演算回路291からしきい値IF_thを受け、平均演算器41〜47から7個の平均値を受ける。そして、判定回路292は、7個の平均値の各々をしきい値IF_thと比較して干渉を除去すべきか否かを判定する。より具体的には、判定回路292は、判定対象の平均値がしきい値IF_th以上であるとき、干渉を除去すべきと判定し、判定対象の平均値がしきい値IF_thよりも小さいとき、干渉を除去すべきでないと判定する。そして、判定回路292は、この判定を7個の平均値の全てについて実行し、しきい値IF_thを用いて7個の平均値の各々について干渉を除去すべきか否かを判定する。
【0064】
そして、判定回路292は、7個の平均値のうち、少なくとも1つの平均値について干渉を除去すべきと判定したとき、H(論理ハイ)レベルの信号IFSを生成して選択回路293へ出力し、7個の平均値の全てについて干渉を除去すべきでないと判定したとき、L(論理ロー)レベルの信号IFSを生成して選択回路293へ出力する。
【0065】
選択回路293は、平均演算器41〜47から7個の平均値を受け、しきい値演算回路291からしきい値IF_thを受け、判定回路292からHレベルまたはLレベルの信号IFSを受ける。
【0066】
そして、選択回路293は、判定回路292からHレベルの信号IFSを受けると、7個の平均値を大きい順に並べ替え、しきい値IF_th以上の平均値と、しきい値IF_thよりも小さい平均値とを検出する。
【0067】
その後、選択回路293は、しきい値IF_th以上の平均値が得られた拡散符号を平均値の大きい順に検出する。この場合、選択回路293は、平均演算器41〜47から受けた平均値がそれぞれ拡散符号Code1〜Code7によって逆拡散して得られた平均値であることを知っているので、しきい値IF_th以上の平均値が得られた拡散符号を容易に検出できる。従って、選択回路293は、平均演算器41,43,45から受けた3個の平均値がしきい値IF_th以上であり、かつ、平均演算器43から受けた平均値、平均演算器41から受けた平均値、平均演算器45から受けた平均値、平均演算器42から受けたj平均値、平均演算器4から受けた平均値、平均演算器46から受けた平均値および平均演算器47から受けた平均値の順に、平均値が小さくなるのであれば、拡散符号Code3/Code10,Code1/Code8,Code5/Code12,Code2/Code9,Code4/code11,Code6/Code13,Code7/Code14を検出し、その検出した拡散符号Code3/Code10,Code1/Code8,Code5/Code12,Code2/Code9,Code4/code11,Code6/Code13,Code7/Code14をそれぞれ干渉除去回路30の除去回路51〜57および干渉除去回路40の除去回路71〜77へ出力する。
【0068】
また、選択回路293は、受信信号からの干渉の除去を指示するHレベルの信号DCSLと、受信信号からの干渉の除去を指示しないLレベルの信号DCSLとを生成する。そして、選択回路293は、しきい値IF_th以上の平均値が得られた拡散符号Code3/Code10,Code1/Code8,Code5/Code12をそれぞれ出力した除去回路51〜53および除去回路71〜73へHレベルの信号DCSLを出力し、除去回路54〜57および除去回路74〜77へLレベルの信号DCSLを出力する。
【0069】
一方、選択回路293は、Lレベルの信号IFSを判定回路292から受けると、7個の平均値を大きい順に並べ替え、その並べ替えた7個の平均値としきい値IF_thとの比較を行なわずに、上述した方法によって、7個の平均値が得られたときの7組の拡散符号を平均値の大きい順に選択する。そして、選択回路293は、その選択した7組の拡散符号をそれぞれ干渉除去回路30の除去回路51〜57および干渉除去回路40の除去回路71〜77へ出力する。また、選択回路293は、Lレベルの信号DCSLを除去回路51〜57および除去回路71〜77へ出力する。
【0070】
干渉除去回路30の7個の除去回路51〜57は、直列に接続される。そして、除去回路51は、入力端子TM1に最も近い位置に配置され、除去回路52は、入力端子TM1に2番目に近い位置に配置され、以下、同様にして、除去回路57は、入力端子TM1から最も遠い位置に配置される。
【0071】
除去回路51は、入力端子TM1から受信信号を受け、最大の平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受ける。そして、除去回路51は、Hレベルのその受けた受信信号および拡散符号に基づいて、受信信号から干渉を後述する方法によって除去するとともにシンボルレプリカ信号を生成し、その干渉を除去した受信信号を除去回路52へ出力し、その生成したシンボルレプリカ信号を出力回路61および干渉除去回路40の除去回路71へ出力する。
【0072】
除去回路52は、除去回路51から受信信号を受け、2番目に大きい平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受ける。そして、除去回路52は、その受けた受信信号および拡散符号に基づいて、受信信号から干渉を後述する方法によって除去するとともにシンボルレプリカ信号を生成し、その干渉を除去した受信信号を除去回路53へ出力し、その生成したシンボルレプリカ信号を出力回路62および干渉除去回路40の除去回路72へ出力する。
【0073】
以下、同様にして、除去回路53〜57は、それぞれ、除去回路52〜56から受信信号を受け、3番目に大きい平均値〜最小の平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受ける。そして、除去回路53〜57は、その受けた受信信号および拡散符号に基づいて、受信信号から干渉を後述する方法によって除去するとともにシンボルレプリカ信号を生成し、その干渉を除去した受信信号をそれぞれ除去回路54〜57,71へ出力するとともに、その生成したシンボルレプリカ信号を干渉除去回路40の除去回路73〜77へそれぞれ出力する。
【0074】
出力回路61〜67は、それぞれ、除去回路51〜57に対応して設けられ、除去回路51〜57から受けたシンボルレプリカ信号に基づいて、データを出力する。
【0075】
除去回路51〜57の各々は、干渉レプリカ生成ユニット50と、遅延回路60と、減算器70とを含む。
【0076】
干渉レプリカ生成ユニット50は、同期検出回路28から同期信号SYNを受け、選択回路293から拡散符号を受け、入力端子TM1または除去回路51〜56から受信信号を受ける。そして、干渉レプリカ生成ユニット50は、後述する方法によって、同期検出回路28から受けた同期信号SYNに同期して、選択回路293から受けた拡散符号を用いて受信信号の干渉レプリカ信号およびシンボルレプリカ信号を生成する。そうすると、干渉レプリカ生成ユニット50は、その生成した干渉レプリカ信号を減算器70へ出力し、その生成したシンボルレプリカ信号を出力回路61および干渉除去回路40の対応する除去回路(=除去回路71〜77のいずれか)の干渉レプリカ生成ユニット50へ出力する。
【0077】
遅延回路60は、入力端子TM1または除去回路51〜56から受信信号を受け、その受けた受信信号を干渉レプリカ生成ユニット50における処理時間だけ遅延し、その遅延した受信信号を減算器70へ出力する。
【0078】
減算器70は、遅延回路60から受信信号を受け、干渉レプリカ生成ユニット50から干渉レプリカ信号を受ける。そして、減算器70は、受信信号から干渉レプリカ信号を減算し、その減算後の受信信号を出力する。
【0079】
なお、除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50は、最も大きい平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受け、その受けた拡散符号を用いて干渉レプリカ信号およびシンボルレプリカ信号を生成する。また、除去回路52の干渉レプリカ生成ユニット50は、2番目に大きい平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受け、その受けた拡散符号を用いて干渉レプリカ信号およびシンボルレプリカ信号を生成する。以下、同様にして、除去回路53〜57の干渉レプリカ生成ユニット50は、それぞれ、3番目に大きい平均値〜最小の平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受け、その受けた拡散符号を用いて干渉レプリカ信号およびシンボルレプリカ信号を生成する。
【0080】
従って、除去回路51〜57は、平均値が大きい順に、即ち、干渉量が大きい順に受信信号から干渉を除去する。
【0081】
出力回路61〜67の各々は、判定器80と、デコーダ90とを含む。判定器80は、干渉レプリカ生成ユニット50から受けたシンボルレプリカ信号を硬判定し、その判定後のシンボルレプリカ信号をデコーダ90へ出力する。
【0082】
デコーダ90は、判定器80から受けたシンボルレプリカ信号をデコードし、データを出力する。
【0083】
干渉除去回路40の7個の除去回路71〜77は、直列に接続される。そして、除去回路71は、干渉除去回路30に最も近い位置に配置され、除去回路72は、干渉除去回路30に2番目に近い位置に配置され、以下、同様にして、除去回路77は、干渉除去回路30から最も遠い位置に配置される。
【0084】
除去回路71〜76の各々は、除去回路51〜57の各々と同じ構成からなる。そして、除去回路77は、除去回路51〜57から遅延回路60および減算器70を削除した構成からなる。
【0085】
除去回路71は、干渉除去回路30の除去回路57から受信信号を受け、最大の平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受ける。そして、除去回路71は、その受けた受信信号および拡散符号に基づいて、受信信号から干渉を後述する方法によって除去するとともにシンボルレプリカ信号を生成し、その干渉を除去した受信信号を除去回路72へ出力し、その生成したシンボルレプリカ信号を出力回路81へ出力する。
【0086】
除去回路72は、除去回路71から受信信号を受け、2番目に大きい平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受ける。そして、除去回路72は、その受けた受信信号および拡散符号に基づいて、受信信号から干渉を後述する方法によって除去するとともにシンボルレプリカ信号を生成し、その干渉を除去した受信信号を除去回路73へ出力し、その生成したシンボルレプリカ信号を出力回路82へ出力する。
【0087】
以下、同様にして、除去回路73〜77は、それぞれ、除去回路72〜76から受信信号を受け、3番目に大きい平均値〜最小の平均値が得られたときの拡散符号を選択回路293から受ける。そして、除去回路73〜77は、その受けた受信信号および拡散符号に基づいて、受信信号から干渉を後述する方法によって除去するとともにシンボルレプリカ信号を生成し、その生成したシンボルレプリカ信号を出力回路83〜87へそれぞれ出力する。
【0088】
出力回路81〜87は、それぞれ、除去回路71〜77に対応して設けられる。そして、出力回路81〜87の各々は、出力回路61〜67の各々と同じ構成からなる。
【0089】
出力回路81〜87は、それぞれ、除去回路71〜77からシンボルレプリカ信号を受け、その受けたシンボルレプリカ信号に基づいて、出力回路61〜67と同じ方法によってデータを出力する。
【0090】
なお、受信回路132〜134の各々は、図5に示す受信回路131と同じ構成からなる。
【0091】
図6は、受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる評価値の演算に用いるパケット中のシンボル部の概念図である。
【0092】
シンボル部は、受信されたパケットPKTの任意の位置からなる。即ち、シンボル部は、各無線装置1〜8においてパケットの送信が発生したときに各無線装置1〜8が受信しているパケットの一部に相当する。例えば、各無線装置1〜8においてパケットの送信が発生したときに各無線装置1〜8がパケットの中央部を受信しているのであれば、パケットの中央部がシンボル部になり、各無線装置1〜8がパケットの先頭部を受信しているのであれば、パケットの先頭部がシンボル部になり、各無線装置1〜8がパケットの後部を受信しているのであれば、パケットの後部がシンボル部になる。つまり、パケットの送信が発生したときに各無線装置1〜8が受信している部分がシンボル部になる。そして、シンボル部は、N(Nは、2以上の整数)個のシンボルからなる。
【0093】
周波数f(f=f1〜f4)における受信信号を拡散符号Codejによって逆拡散して得られた値(複素数)の絶対値をN個のシンボルにわたって平均化した値を<ξav,fとする。N個のシンボルのうちのs(s=1〜N)番目のシンボルにおいて、受信信号を拡散符号Codejによって逆拡散して得られる値ξICodej,s,fおよびξQCodej,s,fをそれぞれ次の式(1)および式(2)によって求める。
【0094】
【数1】

【0095】
【数2】

【0096】
なお、式(1)において、Iは、周波数fにおける受信信号の実数成分を表し、Qは、周波数fにおける受信信号の虚数成分を表す。
【0097】
そして、各シンボルの干渉量の大きさξCodej,s,fを次式によって求める。
【0098】
【数3】

【0099】
そして、干渉量の大きさξCodej,s,fを次式によってN個のシンボルについて平均化し、評価値<ξCodejav,fを求める。
【0100】
【数4】

【0101】
従って、受信回路131において、逆拡散演算器21は、受信信号を拡散符号Code1によって逆拡散し、式(1),(2)によってξICode1,1,f1〜ξICode1,N,f1,ξQCode1,1,f1〜ξQCode1,N,f1を演算し、逆拡散演算器2jは、受信信号を拡散符号Codejによって逆拡散し、式(1),(2)によってξICodej,1,f1〜ξICodej,N,f1,ξQCodej,1,f1〜ξQCodej,N,f1を演算し、以下、同様にして、逆拡散演算器27は、受信信号を拡散符号Code7によって逆拡散し、式(1),(2)によってξICode7,1,f1〜ξICode7,N,f1,ξQCode7,1,f1〜ξQCode7,N,f1を演算する。
【0102】
また、受信回路131において、絶対値演算器31および平均演算器41は、逆拡散演算器21からのξICode1,1,f1〜ξICode1,N,f1,ξQCode1,1,f1〜ξQCode1,N,f1に基づいて、式(3),(4)によって、平均値<ξCode1av,f1を演算し、絶対値演算器3jおよび平均演算器4jは、逆拡散演算器2jからのξICodej,1,f1〜ξICodej,N,f1,ξQCodej,1,f1〜ξQCodej,N,f1に基づいて、式(3),(4)によって、平均値<ξCodejav,f1を演算し、以下、同様にして、絶対値演算器37および平均演算器47は、逆拡散演算器27からのξICode7,1,f1〜ξICode7,N,f1,ξQCode7,1,f1〜ξQCode7,N,f1に基づいて、式(3),(4)によって、平均値<ξCode7av,f1を演算する。
【0103】
そして、受信回路131において、しきい値演算回路291は、平均演算器41〜47から受けた平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1に基づいて、最大の平均値<ξmaxav,fを検出し、しきい値IF_th=<ξmaxav,f−20を演算する。また、受信回路131において、しきい値演算回路291は、平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1を送信処理回路12へ出力する。
【0104】
受信回路131において、選択回路293は、平均演算器41〜47から受けた平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1と、しきい値演算回路291から受けたしきい値IF_thとに基づいて、しきい値IF_th以上の平均値を検出し、その検出した平均値が得られるときの拡散符号を平均値の大きい順に選択する。
【0105】
より具体的には、受信回路131の選択回路293は、例えば、平均値<ξCode3av,f1、<ξCode1av,f1、<ξCode5av,f1、<ξCode2av,f1、<ξCode4av,f1、<ξCode6av,f1、および<ξCode7av,f1の順に小さくなっており、平均値<ξCode3av,f1、<ξCode1av,f1、および<ξCode5av,f1がしきい値IF_th以上であるとき、平均値<ξCode1av,f1,<ξCode3av,f1,<ξCode5av,f1をしきい値IF_th以上の平均値として検出するとともに、拡散符号Code3/Code10、拡散符号Code1/Code8、拡散符号Code5/Code12、拡散符号Code2/Code9、拡散符号Code4/Code11、拡散符号Code6/Code13および拡散符号Code7/Code14を検出する。
【0106】
そして、受信回路131の選択回路293は、拡散符号Code3/Code10、拡散符号Code1/Code8、拡散符号Code5/Code12、拡散符号Code2/Code9、拡散符号Code4/Code11、拡散符号Code6/Code13および拡散符号Code7/Code14を干渉除去回路30の除去回路51〜57および干渉除去回路40の除去回路71〜77へそれぞれ出力する。
【0107】
また、受信回路131の選択回路293は、しきい値IF_th以上の平均値<ξCode3av,f1、<ξCode1av,f1,<ξCode5av,f1が得られたときの拡散符号Code3,Code1,Code5を出力した除去回路51〜53,71〜73の干渉レプリカ生成ユニット50へ指示信号DCSLを出力する。なお、受信回路131の選択回路293は、平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1の全てがしきい値IF_th以上であるとき、Hレベルの信号DCSLを除去回路51〜57,71〜77の干渉レプリカ生成ユニット50へ出力する。
【0108】
上述したように、受信回路131において、しきい値演算回路291は、7個の平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1を送信処理回路12へ出力し、受信回路132において、しきい値演算回路291は、7個の平均値<ξCode1av,f2〜<ξCode7av,f2を送信処理回路12へ出力し、受信回路133において、しきい値演算回路291は、7個の平均値<ξCode1av,f3〜<ξCode7av,f3を送信処理回路12へ出力し、受信回路134において、しきい値演算回路291は、7個の平均値<ξCode1av,f4〜<ξCode7av,f4を送信処理回路12へ出力する。
【0109】
従って、送信処理回路12は、受信処理回路13から平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1,<ξCode1av,f2〜<ξCode7av,f2,,<ξCode1av,f3〜<ξCode7av,f3,<ξCode1av,f4〜<ξCode7av,f4を受け、その受けた平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1,<ξCode1av,f2〜<ξCode7av,f2,,<ξCode1av,f3〜<ξCode7av,f3,<ξCode1av,f4〜<ξCode7av,f4に基づいて、干渉量が小さい周波数および干渉量が小さい拡散符号を選択できる。
【0110】
図7は、図5に示す干渉レプリカ生成ユニット50の構成を示す概略図である。干渉レプリカ生成ユニット50は、逆拡散演算器501,505と、符号格納部502,506,512と、伝搬路推定演算器503と、乗算器504と、相関器507と、加算器508と、判定器509と、減算器510と、拡散演算器511と、フィルタ513と、スイッチ514とを含む。
【0111】
符号格納部506は、選択回路293からPN_Data符号/PN_Pilot符号(Code1/Code8;Code2/Code9;Code3/Code10;Code4/Code11;Code5/Code12;Code6/Code13;Code7/Code14のいずれかのペア)が格納される。
【0112】
符号格納部512は、符号格納部506に格納されたPN_Data符号/PN_Pilot符号と同じPN_Data符号/PN_Pilot符号が選択回路293から格納される。
【0113】
符号格納部502は、符号格納部506に格納されたPN_Data符号/PN_Pilot符号のPN_Pilot符号と同じPN_Pilot符号が選択回路293から格納される。
【0114】
干渉レプリカ生成ユニット50は、干渉レプリカ生成ユニット50に対して入力される信号に対して次の(1)〜(5)の処理を行なう。
【0115】
(1)受信信号をPilot符号によって逆拡散することによって、Pilot信号のみを取り出し、伝搬路推定処理(ここで得られる伝搬路情報はejθ)を行なう。
【0116】
(2)求めた伝搬路推定情報の共役複素数である((ejθ)を干渉レプリカ生成ユニット50の入力信号である受信信号に掛けることによって、伝搬路情報を引き戻す。
【0117】
(3)伝搬路情報を引き戻した受信信号にPN_Data符号で逆拡散処理を行なう。
【0118】
(4)上記(3)の逆拡散処理は、拡散率×オーバサンプリング数のサンプリングレートで逆拡散処理が行なわれる。
【0119】
(5)干渉レプリカ生成ユニット50に入力される受信信号は、前ステージで行なった干渉除去処理によって、該当干渉波を除去した後の信号、即ち、残差信号である。そのために、前段シンボルレプリカ信号を加算器508によって加算し、判定器509によって軟判定処理を行なう。
【0120】
「前記処理(1)」
逆拡散演算器501は、入力端子TM1または自己が含まれる除去回路よりも入力端子TM1側に配置された除去回路からの受信信号を受け、その受けた受信信号を符号格納部502に格納されたPN_Pilot符号によって逆拡散し、その逆拡散した受信信号を伝搬路推定演算器503へ出力する。
【0121】
「前記処理(2)」
伝搬路推定演算器503は、逆拡散演算器501から受けた信号に基づいて、後述する方法によって、伝搬路推定値ejθを演算し、その演算した伝搬路推定値ejθの共役複素数(ejθを乗算器504へ出力する。
【0122】
「前記処理(3)」
乗算器504は、入力端子TM1または自己が含まれる除去回路よりも入力端子TM1側に配置された除去回路から受信信号を受け、伝搬路推定演算器503から共役複素数(ejθを受ける。そして、乗算器504は、受信信号に共役複素数(ejθを乗算し、その乗算結果を逆拡散演算器505へ出力する。
【0123】
逆拡散演算器505は、乗算器504からの乗算結果を受け、該乗算結果をPN_Data符号およびPN_Pilot符号によって逆拡散処理を行なう。この乗算器504の出力時点で、伝搬路によって生じた位相回転は、引き戻されている。よって、各I層信号およびQ層信号に対して、それぞれ、PN_Data符号およびPN_Pilot符号によって逆拡散処理を行なえばよい。
【0124】
拡散率が15倍であり、オーバサンプリング数が4倍である場合を例に説明する。PN_Data符号で逆拡散処理した信号をサンプリング単位で、次式のように表す。
【0125】
【数5】

【0126】
相関器507の役割は、1シンボル間の相関値を逐次出力する回路である。相関器507は、式(5)のようなサンプリング系列に対して、(1〜60サンプル目の信号の加算結果)、(2〜61サンプル目の信号の加算結果)、および(3〜62サンプル目の信号の加算結果)を順に出力する。この出力値が相関値に相当する。1〜60サンプル目までの信号の加算結果を相関値出力としているのは、拡散率15、オーバサンプリング数4(15×4=60サンプル)のためである。ここでは、簡単のために、I層あるいはQ層の一方に対する計算方法を記載したが、実際には、I層およびQ層毎に計算を行なう。この各I,Q層毎の相関値出力が相関器507の出力になる。
【0127】
加算器508は、相関器507からの複素数の実部の和および複素数の虚部の和にそれぞれ前段シンボルレプリカ信号の実部および虚部を加算し、その加算結果を判定器509へ出力する。
【0128】
判定器509は、実部の加算結果および虚部の加算結果を加算器508から受け、その受けた実部の加算結果および虚部の加算結果をそれぞれ軟判定する。そして、判定器509は、その軟判定した実部の判定結果および虚部の判定結果を減算器510へ出力するとともに、実部の判定結果および虚部の判定結果をシンボルレプリカ信号として外部へ出力する。
【0129】
減算器510は、判定器509から受けた実部の判定結果および虚部の判定結果からシンボルレプリカ信号の実部および虚部をそれぞれ減算し、その実部の減算結果および虚部の減算結果を拡散演算器511へ出力する。
【0130】
拡散演算器511は、符号格納部512からのPN_Data符号およびPN_Pilot符号を用いてそれぞれ実部の減算結果および虚部の減算結果をスペクトル拡散し、その拡散した実部の減算結果および虚部の減算結果をフィルタ513へ出力する。
【0131】
符号格納部512は、同期検出回路28から同期信号SYNを受けると、同期信号SYNに同期してPN_Data符号およびPN_Pilot符号を拡散演算器511へ出力する。
【0132】
フィルタ513は、拡散演算器511から受けた実部の減算結果および虚部の減算結果に対して、高周波成分を除去するために送信側で通すフィルタと同様に波形成形するためにフィルタを通した実部の減算結果および虚部の減算結果をスイッチ514へ出力する。
【0133】
スイッチ514は、選択回路293からHレベルの信号DCSLを受けると、オンされ、実部の減算結果および虚部の減算結果を干渉レプリカ信号として出力する。一方、スイッチ514は、選択回路293からLレベルの信号DCSLを受けると、オフされ、実部の減算結果および虚部の減算結果を出力しない。即ち、スイッチ514は、干渉レプリカ信号を出力しない。
【0134】
伝搬路推定演算器503における伝搬路推定値eiθの求め方について説明する。送信信号は、次式からなる。
【0135】
【数6】

そして、受信信号は、次式からなる。
【0136】
【数7】

式(7)によって表される受信信号をベースバンド信号にダウンコンバートすると、次式が得られる。
【0137】
【数8】

【0138】
そして、式(8)によって表される受信信号にPN_Pilot(t)を乗算することによって、D=all“1”であるので、伝搬路推定値は、ej(θ’−2πΔft)=ejθとなる。
【0139】
図8は、伝搬路推定演算器503における伝搬路推定値の具体的な求め方を示す図である。図8に示すように、伝搬路推定演算器503は、nタップ数で平滑化を行なって伝搬路推定値ejθを得る。伝搬路推定値ejθの位相回転量θは、送受信機の周波数安定度と伝搬路中のフェージングによる位相回転量を合わせたものである。
【0140】
伝送速度が低く、位相回転量が大きい場合、1シンボル間に数10度の回転が生じ、ビットエラーレート特性が劣化する。これを改善するために、チップ単位で位相回転量を引き戻す。そして、乗算器504において、伝搬路推定値ejθの共役複素数(ejθを受信信号に乗算して伝搬路の位相情報を引き戻す。
【0141】
拡散符号Code1/Code8を用いた場合を例にして干渉レプリカ生成ユニット50における動作について説明する。
【0142】
逆拡散演算器501は、受信信号Rを拡散符号Code8によって逆拡散し、伝搬路推定演算器503は、逆拡散演算器501からの逆拡散された信号に基づいて、上述した方法によって伝搬路推定値ejθを演算し、その演算した伝搬路推定値ejθの共役複素数(ejθを乗算器504へ出力する。
【0143】
そして、乗算器504は、受信信号Rに共役複素数(ejθを乗算して受信信号Rの位相回転を引き戻す。
【0144】
その後、逆拡散演算器505は、乗算器504からの信号R(ejθをM(Mは2以上の整数)個の領域に分割し、M個の領域の実部を拡散符号Code1によって逆拡散し、M個の領域の虚部を拡散符号Code8によって逆拡散して複素数の実部ξICode1,1,f1〜ξICode1,M,f1および複素数の虚部ξQCode8,1,f1〜ξQCode8,M,f1を出力する。
【0145】
そして、相関器507は、複素数の実部ξICode1,1,f1〜ξICode1,M,f1を加算して和[ξICode1,f1]を求め、複素数の虚部ξQCode8,1,f1〜ξQCode8,M,f1を加算して和[ξQCode1,f1]を求める。
【0146】
その後、加算器508は、和[ξICode1,f1]および和[ξQCode1,f1]にシンボルレプリカ信号の実部ISYMRおよび虚部QSYMRを加算し、実部[ξICode1,f1]+ISYMRおよび虚部[ξQCode1,f1]+QSYMRを判定器509へ出力する。そして、判定器509は、実部[ξICode1,f1]+ISYMRおよび虚部[ξQCode1,f1]+QSYMRをそれぞれ軟判定し、その判定結果[[ξICode1,f1]+ISYMRSDEC,[[ξQCode1,f1]+QSYMRSDECを減算器510および外部へ出力する。なお、外部へ出力された判定結果[[ξICode1,f1]+ISYMRSDEC,[[ξQCode1,f1]+QSYMRSDECは、シンボルレプリカ信号SYMR=[[ξICode1,f1]+ISYMRSDEC+j[[ξQCode1,f1]+QSYMRSDECを構成する。
【0147】
減算器510は、判定結果[[ξICode1,f1]+ISYMRSDEC,[[ξQCode1,f1]+QSYMRSDECからそれぞれシンボルレプリカ信号の実部ISYMRおよび虚部QSYMRを減算し、実部[ξICode1,f1SDECおよび虚部[ξQCode1,f1SDECを拡散演算器511へ出力する。
【0148】
そして、拡散演算器511は、実部[ξICode1,f1SDECを拡散符号Code1によってスペクトル拡散し、虚部[ξQCode1,f1SDECを拡散符号Code8によってスペクトル拡散し、実部D*Code1および虚部D*Code8からなる干渉レプリカ信号IFR=D*Code1+jD*Code8を出力する。
【0149】
その後、フィルタ513は、干渉レプリカ信号IFR=D*Code1+jD*Code8からノイズを除去し、スイッチ514は、指示信号DCSLに応じて、干渉レプリカ信号IFR=D*Code1+jD*Code8を出力する。
【0150】
拡散演算器511から出力される信号は、受信信号Rを拡散符号Code1/Code8によって逆拡散した信号を軟判定することによって求められた拡散符号Code1/Code8による復調信号を、再度、拡散符号Code1/Code8によってスペクトル拡散した信号である。従って、拡散演算器511から出力される信号は、拡散符号Code1/Code8以外の拡散符号によって受信信号を復調する除去回路にとって、拡散符号Code1/Code8によってスペクトル拡散して生成された干渉レプリカ信号IFR=D*Code1+jD*Code8に相当する。
【0151】
なお、干渉レプリカ生成ユニット50は、拡散符号Code1/Code8以外の拡散符号が用いられる場合も、上述した動作によって、シンボルレプリカ信号SYMRおよび干渉レプリカ信号IFRを生成する。
【0152】
受信信号からの干渉の除去を詳細に説明する。図9は、受信信号からの干渉の除去を詳細に説明するための第1の図である。また、図10は、受信信号からの干渉の除去を詳細に説明するための第2の図である。更に、図11は、信号の概念図である。
【0153】
図9および図10においては、平均値<ξCode3av,f1、平均値<ξCode1av,f1、平均値<ξCode5av,f1、平均値<ξCode2av,f1、平均値<ξCode4av,f1、平均値<ξCode6av,f1、および平均値<ξCode7av,f1の順に小さくなっており、平均値<ξCode3av,f1、平均値<ξCode1av,f1、および平均値<ξCode5av,f1がしきい値IF_th以上であることを前提として受信信号からの干渉の除去について説明する。
【0154】
この場合、除去回路51〜57の干渉レプリカ生成ユニット50は、それぞれ、拡散符号Code3/Code10、拡散符号Code1/Code8、拡散符号Code5/Code12、拡散符号Code2/Code9、拡散符号Code4/Code11、拡散符号Code6/Code13および拡散符号Code7/Code14を選択回路293から受け、除去回路51〜53の干渉レプリカ生成ユニット50は、Hレベルの信号DCSLを選択回路293から受け、除去回路54〜57の干渉レプリカ生成ユニット50は、Lレベルの信号DCSLを選択回路293から受ける。
【0155】
また、除去回路71〜77の干渉レプリカ生成ユニット50は、それぞれ、拡散符号Code3/Code10、拡散符号Code1/Code8、拡散符号Code5/Code12、拡散符号Code2/Code9、拡散符号Code4/Code11、拡散符号Code6/Code13および拡散符号Code7/Code14を選択回路293から受け、除去回路71〜73の干渉レプリカ生成ユニット50は、Hレベルの信号DCSLを選択回路293から受け、除去回路74〜77の干渉レプリカ生成ユニット50は、Lレベルの信号DCSLを選択回路293から受ける。
【0156】
そして、除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50は、入力端子TM1から受信信号Rを受ける。この受信信号Rは、概念的には、図9に示すように拡散符号Code1(Code8)〜Code7(Code14)によってスペクトル拡散された成分からなる。
【0157】
除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50は、受信信号Rおよび拡散符号Code3/Code10に基づいて、上述した動作によって、シンボルレプリカ信号SYMR3−1および干渉レプリカ信号IFR3−1を生成する。この場合、除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50は、前段シンボルレプリカ信号を受けないので、受信信号Rを拡散符号Code3/Code10によって逆拡散した信号を軟判定してシンボルレプリカ信号SYMR3−1を生成し、軟判定後の信号を拡散符号Code3/Code10によって再拡散して干渉レプリカ信号IFR3−1を生成する。そして、除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50は、その生成したシンボルレプリカ信号SYMR3−1を出力回路61および除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50へ出力し、干渉レプリカ信号IFR3−1を減算器70へ出力する。
【0158】
除去回路51の遅延回路60は、受信信号Rを干渉レプリカ生成ユニット50における処理時間だけ遅延し、その遅延後の受信信号Rを減算器70へ出力する。そして、除去回路51の減算器70は、受信信号Rから干渉レプリカ信号IFR3−1を減算して受信信号R1を除去回路52へ出力する。
【0159】
この場合、受信信号R1は、図9に示すように、拡散符号Code3によってスペクトル拡散された成分の一部IFR3−1が除去された信号からなる。
【0160】
除去回路52の干渉レプリカ生成ユニット50は、受信信号R1および拡散符号Code1/Code8に基づいて、上述した動作によって、シンボルレプリカ信号SYMR1−1および干渉レプリカ信号IFR1−1を生成する。この場合、除去回路52の干渉レプリカ生成ユニット50は、前段シンボルレプリカ信号を受けないので、受信信号R1を拡散符号Code1/Code8によって逆拡散した信号を軟判定してシンボルレプリカ信号SYMR1−1を生成し、軟判定後の信号を拡散符号Code1/Code8によって再拡散して干渉レプリカ信号IFR1−1を生成する。そして、除去回路52の干渉レプリカ生成ユニット50は、その生成したシンボルレプリカ信号SYMR1−1を出力回路62および除去回路72の干渉レプリカ生成ユニット50へ出力し、干渉レプリカ信号IFR1−1を減算器70へ出力する。
【0161】
除去回路52の遅延回路60は、受信信号R1を干渉レプリカ生成ユニット50における処理時間だけ遅延し、その遅延後の受信信号R1を減算器70へ出力する。そして、除去回路52の減算器70は、受信信号R1から干渉レプリカ信号IFR1−1を減算して受信信号R2を除去回路53へ出力する。
【0162】
この場合、受信信号R2は、図9に示すように、拡散符号Code1によってスペクトル拡散された成分の一部IFR1−1が除去された信号からなる。
【0163】
以下、同様にして、除去回路53は、拡散符号Code5/Code12によってスペクトル拡散して生成した干渉レプリカ信号IFR5−1を受信信号R2から除去して受信信号R3(図9参照)を除去回路54へ出力する。
【0164】
そして、除去回路54〜57は、干渉を除去しないのであるから、受信信号R3と同じ受信信号R4〜R7をそれぞれ出力する。
【0165】
引き続いて、除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50は、除去回路57から受信信号R7を受け、除去回路51から前段シンボルレプリカ信号SYMR3−1を受ける。そして、除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50は、受信信号R7、前段シンボルレプリカ信号SYMR3−1および拡散符号Code3/Code10に基づいて、上述した方法によって、シンボルレプリカ信号SYMR3−2および干渉レプリカ信号IFR3−2を生成する。この場合、除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50は、受信信号R7を拡散符号Code3/Code10によって逆拡散した信号に前段シンボルレプリカ信号を加算してシンボルレプリカ信号SYMR3−2を生成する。
【0166】
そして、除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50は、その生成したシンボルレプリカ信号SYMR3−2を出力回路81へ出力し、その生成した干渉レプリカ信号IFR3−2を減算器70へ出力する。
【0167】
また、除去回路71の遅延回路60は、受信信号R7を干渉レプリカ生成ユニット50における処理時間だけ遅延し、その遅延後の受信信号R7を減算器70へ出力する。
【0168】
そして、除去回路71の減算器70は、受信信号R7から干渉レプリカ信号IFR3−2を減算して受信信号R8を除去回路72へ出力する。
【0169】
この場合、受信信号R8は、図10に示すように、拡散符号Code3によってスペクトル拡散された成分の一部IFR3−2が除去された信号からなる。
【0170】
除去回路72は、受信信号R8、前段シンボルレプリカ信号SYMR1−1および拡散符号Code1/Code8に基づいて、除去回路71と同じ動作によって、シンボルレプリカ信号SYMR1−2および干渉レプリカ信号IFR1−2を生成し、その生成したシンボルレプリカ信号SYMR1−2を出力回路82へ出力するとともに、受信信号R8から干渉レプリカ信号IFR1−2を減算して受信信号R9を除去回路73へ出力する。
【0171】
この場合、受信信号R9は、図10に示すように、拡散符号Code1によってスペクトル拡散された成分の一部IFR1−2が除去された信号からなる。
【0172】
以下、同様にして、除去回路73は、拡散符号Code5/Code12によってスペクトル拡散して生成した干渉レプリカ信号IFR5−2を受信信号R9から除去した受信信号R10(図10参照)を除去回路74へ出力する。
【0173】
そして、除去回路74〜76は、干渉を除去しないのであるから、受信信号R10と同じ受信信号R11〜R13をそれぞれ出力する。また。除去回路77は、除去回路76からの受信信号R13を拡散符号Code7/Code14によって逆拡散し、その逆拡散した信号に前段シンボルレプリカ信号SYMR7−1を加算した加算結果を軟判定してシンボルレプリカ信号SYMR7−2を出力する。
【0174】
このように、この発明においては、除去回路51〜57,71〜77は、平均値<ξCodejav,f1(即ち、干渉量)の大きい順に受信信号から干渉を除去する。
【0175】
上述したように、除去回路52は、拡散符号Code3/Code10によってスペクトル拡散された成分の干渉(IFR3−1)が除去された受信信号R1を受け、拡散符号Code1/Code8によってスペクトル拡散された成分の干渉(IFR1−1)を受信信号R1から除去して受信信号R2を出力する。
【0176】
また、除去回路53は、拡散符号Code3/Code10によってスペクトル拡散された成分の干渉(IFR3−1)および拡散符号Code1/Code8によってスペクトル拡散された成分の干渉(IFR1−1)が除去された受信信号R2を受け、拡散符号Code5/Code12によってスペクトル拡散された成分の干渉(IFR5−1)を受信信号R2から除去して受信信号R3を出力する。
【0177】
更に、除去回路54〜57は、拡散符号Code3/Code10によってスペクトル拡散された成分の干渉(IFR3−1)、拡散符号Code1/Code8によってスペクトル拡散された成分の干渉(IFR1−1)および拡散符号Code5/Code12によってスペクトル拡散された成分の干渉(IFR5−1)が除去された受信信号R3を受ける。除去回路71〜77についても同様である。
【0178】
従って、除去回路52〜57,71〜77は、自己が用いる拡散符号以外の拡散符号によってスペクトル拡散された成分の干渉が除去された受信信号を受け、その受けた受信信号を拡散符号によって逆拡散した信号を軟判定して、出力されるデータの元となるシンボルレプリカ信号を生成する。
【0179】
また、除去回路71〜77の干渉レプリカ生成ユニット50は、除去回路51〜57の干渉レプリカ生成ユニット50よりも干渉部分を抑制してシンボルレプリカ信号を生成する。その理由は、次のとおりである。
【0180】
シンボルレプリカ信号SYMR3−2は、図11の(a)に示すように、受信信号R7を拡散符号Code3/Code10によって逆拡散した信号に前段シンボルレプリカ信号SYMR3−1を加算した信号を軟判定して得られた信号である。
【0181】
そうすると、拡散符号Code3/Code10によって逆拡散された成分SS1は、前段シンボルレプリカ信号SYMR3−1が受信信号R7を逆拡散した信号に加算される結果、2倍になった干渉除去部分SS1_1(図11の(a)の斜線部分)と、元の大きさのままである干渉部分SS1_2(白部分)とからなる。その結果、成分SS1が除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50において判定器509(図7参照)によって軟判定される場合、干渉除去部分SS1_1は、干渉部分SS1_2よりも軟判定後の信号に大きく反映される。そして、干渉除去部分SS1_1が干渉部分SS1_2よりも軟判定後の信号に反映される度合は、除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50において判定器509(図7参照)によって軟判定される場合よりも大きい。除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50において軟判定される場合、判定器509は、受信信号Rを逆拡散した信号のみを軟判定するので、干渉除去部分は、干渉除去部分SS1_1の半分だからである。
【0182】
このことは、拡散符号Code1/Code8によって逆拡散された成分SS2および拡散符号Code5/Code12によって逆拡散された成分SS3についても当てはまる。
【0183】
従って、除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50は、除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50よりも干渉部分の影響を小さくしてシンボルレプリカ信号SYMR3−2を生成する。つまり、除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50は、除去回路51の干渉レプリカ生成ユニット50よりも干渉部分を抑制してシンボルレプリカ信号SYMR3−2を生成する。
【0184】
図11の(b)に示すように、除去回路72の干渉レプリカ生成ユニット50も、除去回路71の干渉レプリカ生成ユニット50と同じように、除去回路52の干渉レプリカ生成ユニット50よりも干渉部分を抑制してシンボルレプリカ信号SYMR1−2を生成する。
【0185】
そして、除去回路73〜77の干渉レプリカ生成ユニット50も、同様にして、それぞれ、除去回路53〜57の干渉レプリカ生成ユニット50よりも干渉部分を抑制してシンボルレプリカ信号を生成する。
【0186】
出力回路61は、シンボルレプリカ信号SYMR3−1を除去回路51から受け、その受けたシンボルレプリカ信号SYMR3−1に基づいて、データを出力する。より具体的には、出力回路61は、シンボルレプリカ信号SYMR3−1の実部と虚部とを直並列変換し、その変換後の信号を判定器80によって硬判定し、更に、判定後の信号をデコーダ90によってデコードしてデータを出力する。
【0187】
また、出力回路62は、シンボルレプリカ信号SYMR1−1を除去回路52から受け、その受けたシンボルレプリカ信号SYMR1−1に基づいて、出力回路61と同じ方法によってデータを出力する。出力回路63〜67についても同様である。
【0188】
更に、出力回路81〜87は、それぞれ、除去回路71〜77から受けたシンボルレプリカ信号に基づいて、上述した方法によってデータを出力する。
【0189】
上述したように、除去回路71〜77は、除去回路51〜57よりも干渉部分を抑制してシンボルレプリカ信号を生成するので、出力回路61〜67が出力した7個のデータをそれぞれ拡散符号Code1〜Code7を用いて復調されたデータとせず、出力回路81〜87が出力する7個のデータをそれぞれ拡散符号Code1〜Code7を用いて復調されたデータとして採用する。
【0190】
なお、上記においては、7個の平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1のうち、3個の平均値がしきい値IF_th以上である場合について説明したが、7個の平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1の全てがしきい値IF_th以上である場合、除去回路51〜57および除去回路71〜77の全てが受信信号から干渉を除去する。この場合、除去回路51,71は、最も大きい干渉を受信信号から除去し、除去回路52,72は、2番目に大きい干渉を受信信号から除去し、除去回路53,73は、3番目に大きい干渉を除去し、以下、同様にして、除去回路57,77は、最も小さい干渉を受信信号から除去する。
【0191】
そして、この発明においては、除去回路51〜57の少なくとも1個の除去回路および除去回路71〜77の少なくとも1個の除去回路が干渉量の大きい順に受信信号から干渉を除去する。
【0192】
また、受信回路132〜134においても、それぞれ周波数f2〜f4で受信された受信信号から上述した方法によって干渉が干渉量の大きい順に除去され、拡散符号Code1〜Code7を用いて復調されたデータが出力される。
【0193】
図12は、図5に示す受信回路131〜134における動作を説明するためのフローチャートである。なお、図12においては、周波数f1で受信された受信信号から干渉を除去する受信回路131を例にして図5に示す受信回路131〜134における動作を説明する。
【0194】
一連の動作が開始されると、受信回路131のチャネル制御回路20は、周波数f1で受信された受信信号をj個の拡散符号で逆拡散し、j個の平均値(=平均値<ξCode1av,f1〜<ξCode7av,f1)を検出する(ステップS1)。
【0195】
そして、しきい値演算回路291は、j個の平均値から最大の平均値を検出し(ステップS2)、その検出した最大の平均値から“20”を減算してしきい値IF_thを演算する(ステップS3)。
【0196】
その後、選択回路293は、j個の平均値を大きい順に並び替え、しきい値IF_th以上のk(kは正の整数)個の平均値を検出する(ステップS4)。
【0197】
引き続いて、選択回路293は、k個の平均値が得られたときのk個の拡散符号を選択し(ステップS5)、k個の平均値の大きい順にk個の拡散符号を干渉去除去回路30,40へ出力する。
【0198】
そして、干渉除去回路30,40は、上述した動作によって、干渉量の大きい順に受信信号から干渉を除去する(ステップS6)。
【0199】
その後、出力回路81〜87は、干渉を除去した受信信号をデコードし、各拡散符号によって復調したデータを出力する(ステップS7)。これによって、一連の動作が終了する。
【0200】
このように、実施の形態1においては、しきい値IF_th以上の平均電力を有する受信電力に対して、干渉量の大きい順に、受信電力から干渉を除去することを特徴とする。同一拡散符号で拡散するパケットに着目した場合、パケット単位で送信車両が異なり、受信電力及び伝搬状況が異なる無線通信環境においては、しきい値IF_th以上の平均電力を有する干渉波については受信電力から干渉波を除去し、しきい値IF_thよりも小さい平均電力の干渉波については、受信電力から干渉波を除去しない方が通信品質(ビットエラーレートおよびパケットエラーレート)が良い。これは、送信車両と受信車両の距離および伝搬環境により、また、送信電力制御を行なっていないこともあり、各チャネルに対する受信電力値の幅、即ち、ダイナミックレンジ幅が広く、しきい値よりも小さい平均受信電力の干渉レプリカを生成して、干渉を除去すると、逆に、誤差信号が大きくなり、通信品質(ビットエラーレートおよびパケットエラーレート)が悪くなるからである。特許文献3では、FEC(Forward Error Correction)復号後の信号を硬判定して得られた信号の誤り検出を行ない、誤りのある信号に対しては重み付け係数の値を小さくしてレプリカを生成し、または、FEC復号前の仮判定(硬判定値もしくは軟判定値)を用いてレプリカを生成する。また、前ステージにおける誤り検出結果がOKの場合は、前ステージにおける硬判定値を用いてレプリカを生成する方法を採用している。
【0201】
従って、本来、図7において、軟判定後にデコード処理を行ない、誤りがあるか否かを判定する必要があるが、そうすれば、各干渉レプリカ生成ユニット内にデコーダを持たせる必要があり、ハードウェア規模が大きくなってしまう。
【0202】
そこで、本発明においては、これを回避するために、しきい値によって干渉を除去するか否かを判断する。
【0203】
そこで、受信信号から干渉を効果的に除去するために、しきい値IF_thを求めるIF_th=<ξmaxav,f−20の“20”を予め実験的に求め、その求めた“20”をしきい値演算回路291に予め設定することとした。
【0204】
実験を行なった結果、各無線装置1〜8が送信パワーを制御しないで既定の送信パワーでパケットを送信する無線ネットワーク10においては、最大の平均値<ξmaxav,fから“20”を減算した値以上の平均値を有する受信信号から干渉を除去することが効果的であることが初めて見出された。
【0205】
この“20”の値は、無線ネットワークが変われば、異なる値になるので、一般的には、しきい値IF_thは、IF_th=<ξmaxav,f−c(cは定数)によって求められ、cは、無線ネットワークに応じて決定される。
【0206】
なお、実施の形態1においては、各受信回路131〜134は、干渉除去回路30,40のうち、干渉除去回路30のみを備えていてもよい。この場合、除去回路57は、遅延回路60および減算器70を削除した干渉レプリカ生成ユニット50のみからなる。
【0207】
実施の形態1によれば、各受信回路131〜134は、しきい値IF_th以上の平均値<ξcodejav,fを有する受信信号から干渉量の大きい順に干渉を除去する。その結果、干渉が受信信号から効果的に除去される。
【0208】
従って、この発明によれば、送信電力を制御しないで送信されたパケットを受信する場合にも干渉波を効果的に除去できる。
【0209】
[実施の形態2]
図13は、図1に示す無線装置1〜8の実施の形態2における構成を示す概略ブロック図である。図1に示す無線装置1〜8の各々は、実施の形態2においては、図13に示す無線装置1Aからなる。
【0210】
無線装置1Aは、図2に示す無線装置1の受信処理回路13を受信処理回路13Aに代えたものであり、その他は、無線装置1と同じである。
【0211】
受信処理回路13Aは、アンテナ11から受けた受信信号に基づいて、後述する方法によって、各周波数チャネルで受信した受信信号から複数の拡散符号を用いて並列的に干渉を除去し、データを出力する。
【0212】
受信処理回路13Aは、その他、受信処理回路13と同じ機能を果たす。
【0213】
図14は、図13に示す受信処理回路13Aの構成を示す概略図である。受信処理回路13Aは、受信回路131A〜134Aからなる。受信回路131A〜134Aは、それぞれ、周波数f1〜f4に対応して設けられる。
【0214】
受信回路131Aは、チャネル制御回路20Aと、干渉除去回路30A,40Aと、出力回路101〜107とを含む。
【0215】
チャネル制御回路20Aは、図5に示すチャネル制御回路20の同期検出回路28を削除し、制御回路29を制御回路29Aに代えたものであり、その他は、チャネル制御回路20と同じである。
【0216】
チャネル制御回路20Aにおいては、絶対値演算器31〜37は、その演算した複数の絶対値の和をそれぞれ平均演算器41〜47へ出力する。
【0217】
制御回路29Aは、図5に示す制御回路29の選択回路293を選択回路293Aに代えたものであり、その他は、制御回路29と同じである。
【0218】
選択回路293Aは、7組の拡散符号Code1/Code8,Code2/Code9,・・・,Code7/Code14をそれぞれ干渉レプリカ生成ユニット111〜117および干渉レプリカ生成ユニット121〜127へ出力する。
【0219】
また、選択回路293Aは、Hレベルの信号IFSを判定回路292から受けると、選択回路293と同じ方法によって、しきい値IF_th以上のk個の平均値<ξ>av,fを検出し、k個の平均値<ξ>av,fが得られたときのk個の拡散符号を検出する。そして、選択回路293Aは、その検出したk個の拡散符号を出力した干渉レプリカ生成ユニット(干渉レプリカ生成ユニット91〜97の少なくとも1個および干渉レプリカ生成ユニット111〜117の少なくとも1個)へHレベルの信号DCSLを出力し、残りの干渉レプリカ生成ユニットへLレベルの信号DCSLを出力する。
【0220】
干渉除去回路30Aは、1ステージ目の干渉除去回路であり、干渉除去回路40Aは、2ステージ目の干渉除去回路である。そして、干渉除去回路30Aは、入力端子TM1から入力された受信信号からj個の拡散符号(=Code1〜Code7)を用いて干渉を並列的に除去するとともに、j個のシンボルレプリカ信号を生成し、その干渉を除去した受信信号およびj個のシンボルレプリカ信号を干渉除去回路40Aへ出力する。
【0221】
干渉除去回路40Aは、受信信号およびj個のシンボルレプリカ信号を干渉除去回路30Aから受け、その受けた受信信号およびj個のシンボルレプリカ信号に基づいて、j個の拡散符号を用いて受信信号から干渉を並列的に除去するとともに、j個のシンボルレプリカ信号を生成し、その生成したj個のシンボルレプリカ信号をそれぞれ出力回路101〜107へ出力する。
【0222】
出力回路101〜107は、j個のシンボルレプリカ信号を干渉除去回路40Aから受け、その受けたj個のシンボルレプリカ信号を復号し、その復号後のデータをj個の拡散符号で復調したデータとして出力する。
【0223】
干渉除去回路30Aは、干渉レプリカ生成ユニット91〜97と、遅延回路98と、減算器99とを含む。
【0224】
干渉レプリカ生成ユニット91〜97の各々は、図7に示す干渉レプリカ生成ユニット50と同じ構成からなる。
【0225】
干渉レプリカ生成ユニット91〜97の各々は、選択回路293Aから拡散符号およびHレベルの信号DCSLを受けると、上述した方法によって、その受けた拡散符号と、入力端子TM1から入力された受信信号とに基づいて、上述した方法によって干渉レプリカ信号およびシンボルレプリカ信号を生成する。そして、干渉レプリカ生成ユニット91〜97の各々は、その生成した干渉レプリカ信号を減算器99へ出力し、シンボルレプリカ信号を干渉除去回路40Aへ出力する。
【0226】
また、干渉レプリカ生成ユニット91〜97の各々は、選択回路293Aから拡散符号およびLレベルの信号DCSLを受けたとき、その受けた拡散符号と入力端子TM1から入力された受信信号とに基づいて、上述した方法によってシンボルレプリカ信号を生成し、その生成したシンボルレプリカ信号を干渉除去回路40Aへ出力する。この場合、干渉レプリカ生成ユニット91〜97の各々は、減算器99へ何も出力しない。
【0227】
遅延回路98は、入力端子TM1から受けた受信信号を干渉レプリカ生成ユニット91〜97における処理時間だけ遅延し、その遅延した受信信号を減算器99へ出力する。
【0228】
減算器99は、遅延回路98から受信信号を受け、干渉レプリカ生成ユニット91〜97の少なくとも1つから干渉レプリカ信号を受ける。そして、減算器99は、受信信号から干渉レプリカ信号を減算し、その減算後の受信信号を干渉除去回路40Aへ出力する。
【0229】
干渉除去回路40Aは、干渉レプリカ生成ユニット111〜117と、遅延回路118と、減算器119とを含む。
【0230】
干渉レプリカ生成ユニット111〜117の各々は、図7に示す干渉レプリカ生成ユニット50と同じ構成からなる。
【0231】
干渉レプリカ生成ユニット111〜117は、それぞれ、干渉レプリカ生成ユニット91〜97に対応して設けられ、干渉レプリカ生成ユニット91〜97からシンボルレプリカ信号を受ける。
【0232】
干渉レプリカ生成ユニット111〜117の各々は、選択回路293Aから拡散符号およびHレベルの信号DCSLを受けると、上述した方法によって、その受けた拡散符号と、干渉除去回路30Aから入力された受信信号およびシンボルレプリカ信号とに基づいて、上述した方法によって干渉レプリカ信号およびシンボルレプリカ信号を生成する。そして、干渉レプリカ生成ユニット111〜117は、その生成した干渉レプリカ信号を減算器119へ出力し、シンボルレプリカ信号をそれぞれ出力回路101〜107へ出力する。
【0233】
また、干渉レプリカ生成ユニット111〜117は、選択回路293Aから拡散符号およびLレベルの信号DCSLを受けたとき、その受けた拡散符号と、干渉除去回路30Aから入力された受信信号およびシンボルレプリカ信号とに基づいて、上述した方法によってシンボルレプリカ信号を生成し、その生成したシンボルレプリカ信号をそれぞれ出力回路101〜107へ出力する。この場合、干渉レプリカ生成ユニット111〜117の各々は、減算器119へ何も出力しない。
【0234】
遅延回路118は、干渉除去回路30Aから受けた受信信号を干渉レプリカ生成ユニット111〜117における処理時間だけ遅延し、その遅延した受信信号を減算器119へ出力する。
【0235】
減算器119は、遅延回路118から受信信号を受け、干渉レプリカ生成ユニット111〜117の少なくとも1つから干渉レプリカ信号を受ける。そして、減算器119は、受信信号から干渉レプリカ信号を減算し、その減算後の受信信号を出力する。
【0236】
出力回路101〜107の各々は、図5に示す出力回路61〜67,81〜87の各々と同じ構成からなる。
【0237】
出力回路101〜107は、それぞれ、干渉レプリカ生成ユニット111〜117からシンボルレプリカ信号を受け、その受けたシンボルレプリカ信号を上述した方法によって復調し、データを出力する。
【0238】
なお、受信回路132A〜134Aの各々は、受信回路131Aと同じ構成からなる。
【0239】
図15は、図14に示す受信回路131A〜134Aにおける動作を説明するためのフローチャートである。なお、図15においては、周波数f1で受信された受信信号から干渉を除去する受信回路131Aを例にして図14に示す受信回路131A〜134Aにおける動作を説明する。
【0240】
図15に示すフローチャートは、図12に示すフローチャートのステップS6をステップS6Aに代えたものであり、その他は、図12に示すフローチャートと同じである。
【0241】
一連の動作が開始されると、上述したステップS1〜ステップS5が順次実行され、その後、干渉除去回路30Aは、上述した方法によって、入力端子TM1から入力された受信信号から干渉を並列的に除去するとともに、7個のシンボルレプリカ信号を生成し、その干渉を除去した受信信号を干渉レプリカ生成ユニット111〜117の各々へ出力し、その生成した7個のシンボルレプリカ信号をそれぞれ干渉レプリカ生成ユニット111〜117へ出力する。
【0242】
そして、干渉除去回路40Aは、上述した方法によって、干渉除去回路30Aから入力された受信信号から干渉を並列的に除去するとともに、7個のシンボルレプリカ信号を生成し、その生成した7個のシンボルレプリカ信号をそれぞれ出力回路101〜107へ出力する(ステップS6A)。
【0243】
その後、上述したステップS7が実行される。これによって、一連の動作が終了する。
【0244】
このように、実施の形態2においては、しきい値IF_th以上の平均値<ξ>av,fを有する受信信号から干渉が並列的に除去され、その干渉が除去された受信信号に基づいて、データが出力される。その結果、干渉が受信信号から効果的に除去される。
【0245】
従って、この発明によれば、送信電力を制御しないで送信されたパケットを受信する場合にも干渉波を除去できる。
【0246】
なお、実施の形態2においては、受信回路131A〜134Aの各々は、干渉除去回路40Aを削除した構成からなっていてもよい。この場合、出力回路101〜107は、それぞれ、干渉レプリカ生成ユニット91〜97からシンボルレプリカ信号を受け、その受けたシンボルレプリカ信号をデコードしてデータを出力する。
【0247】
上述した実施の形態1,2による方法によって干渉を受信信号から除去することにより、車両C1〜C8にそれぞれ搭載された無線装置1〜8は、他の無線装置から既定電力で送信されたパケットを干渉を除去して受信でき、他の無線装置を搭載した車両の情報を正確に取得できる。
【0248】
その結果、各車両C1〜C8は、交差点における出会い頭衝突事故に対して安全支援が可能となる。
【0249】
なお、上記においては、各無線装置1〜8は、4個の周波数を用いると説明したが、この発明においては、これに限らず、各無線装置1〜8は、1個以上の周波数を用いればよい。
【0250】
また、上記においては、各無線装置1〜8は、各周波数に対応付けて、7組の拡散符号Code1/Code8〜Code7/Code14を用いると説明したが、この発明においては、これに限らず、各無線装置1〜8は、各周波数に対応付けて、複数組の拡散符号を用いればよい。
【0251】
更に、上記においては、受信回路131〜134の各々は、2個の干渉除去回路30,40によって受信信号から干渉を干渉量の大きい順に除去すると説明したが、この発明においては、これに限らず、受信回路131〜134の各々は、少なくとも1つの干渉除去回路を用いて、受信信号から干渉を干渉量の大きい順に除去すればよい。
【0252】
更に、上記においては、受信回路131A〜134Aの各々は、2個の干渉除去回路30A,40Aによって受信信号から干渉を並列的に除去すると説明したが、この発明においては、これに限らず、受信回路131A〜134Aの各々は、少なくとも1つの干渉除去回路を用いて、受信信号から干渉を並列的に除去すればよい。
【0253】
その他は、実施の形態1と同じである。
【0254】
上述した実施の形態1においては、受信回路131〜134の各々は、受信信号から干渉を干渉量の大きい順に(=直列的に)除去することを説明し、実施の形態2においては、受信回路131A〜134Aの各々は、受信信号から干渉を並列的に除去することを説明したが、この発明は、一般的には、しきい値IF_th以上の平均値<ξ>av,fを有する受信信号から干渉を除去する受信回路を備えていればよい。
【0255】
この発明においては、除去回路51〜56は、入力端子TM1からn(nは、1≦n≦jを満たす整数)番目に配置された「第1の除去回路」を構成し、除去回路52〜57は、入力端子TM1からn+1番目に配置された「第2の除去回路」を構成する。
【0256】
また、この発明においては、除去回路71〜76は、入力端子TM1からn番目に配置された「第1の除去回路」を構成し、除去回路72〜77は、入力端子TM1からn+1番目に配置された「第2の除去回路」を構成する。
【0257】
更に、2個の干渉除去回路30,40が用いられる場合、2個の干渉除去回路30,40は、「干渉除去回路」を構成し、干渉除去回路30は、「第1ステージ除去回路」を構成し、干渉除去回路40は、「第2ステージ除去回路」を構成する。
【0258】
更に、この発明においては、除去回路51〜53は、「k個の除去回路」を構成し、除去回路51,52は、入力端子TM1からm(mは、1≦m≦kを満たす整数)番目に配置された「第3の除去回路」を構成し、除去回路52,53は、入力端子TM1からm+1番目に配置された「第4の除去回路」を構成し、除去回路54〜57は、「j−k個の除去回路」を構成する。
【0259】
更に、この発明においては、除去回路71〜73は、「k個の除去回路」を構成し、除去回路71,72は、入力端子TM1からm番目に配置された「第3の除去回路」を構成し、除去回路72,73は、入力端子TM1からm+1番目に配置された「第4の除去回路」を構成し、除去回路74〜77は、「j−k個の除去回路」を構成する。
【0260】
更に、2個の干渉除去回路30A,40Aが用いられる場合、2個の干渉除去回路30A,40Aは、「干渉除去回路」を構成し、干渉除去回路30Aは、「第1ステージ除去回路」を構成し、干渉除去回路40Aは、「第2ステージ除去回路」を構成する。
【0261】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0262】
この発明は、車々間通信に適用可能である。また、干渉波が送受信機間距離および伝搬環境が時々刻々と変化する様な無線環境下においても干渉波を効果的に除去可能である。
【図面の簡単な説明】
【0263】
【図1】この発明の実施の形態による無線ネットワークの概略図である。
【図2】図1に示す無線装置の実施の形態1における構成を示す概略ブロック図である。
【図3】図2に示す送信処理回路におけるスペクトル拡散の動作を説明するための図である。
【図4】拡散符号と周波数との関係を示す図である。
【図5】図2に示す受信処理回路の構成を示す概略図である。
【図6】受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる評価値の演算に用いるパケット中のシンボル部の概念図である。
【図7】図5に示す干渉レプリカ生成ユニットの構成を示す概略図である。
【図8】伝搬路推定演算器における伝搬路推定値の具体的な求め方を示す図である。
【図9】受信信号からの干渉の除去を詳細に説明するための第1の図である。
【図10】受信信号からの干渉の除去を詳細に説明するための第2の図である。
【図11】信号の概念図である。
【図12】図5に示す受信回路における動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】図1に示す無線装置の実施の形態2における構成を示す概略ブロック図である。
【図14】図13に示す受信処理回路の構成を示す概略図である。
【図15】図14に示す受信回路における動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】従来の車々間通信の概念図である。
【符号の説明】
【0264】
1〜8,1A 無線装置、10 無線ネットワーク、11 アンテナ、12 送信処理回路、13,13A 受信処理回路、20,20A チャネル制御回路、30,40,30A,40A 干渉除去回路、21〜27,121,122,501,511 拡散演算器、28 同期検出回路、29 制御回路、31〜37 絶対値演算器、41〜47 平均演算器、50,91〜97,111〜117 干渉レプリカ生成ユニット、51〜57,71〜77 除去回路、60,98,118 遅延回路、61〜67,81〜87 出力回路、70,99,119,510 減算器、80 判定器、90 デコーダ、131〜134,131A〜134A 受信回路、291 しきい値演算回路、292 判定回路、293,293A 選択回路、502,506,512 符号格納部、503 伝搬路推定演算器、504 乗算器、505 逆拡散器、507 相関器、508 加算器、513 フィルタ、514 スイッチ、C1〜C8 車両。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線装置が相互に無線通信を行なう無線ネットワークを構成するとともに、i(iは2以上の整数)個の周波数から選択した1つの周波数とj(jは2以上の整数)個の拡散符号から選択した1つの拡散符号とを用いて送信されたパケットを受信する無線装置であって、
前記i個の周波数に対応して設けられたi個の受信回路を備え、
前記i個の受信回路の各々は、
前記パケットの受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる値の絶対値の平均値を評価値として演算する評価値演算処理を前記j個の拡散符号について実行し、j個の評価値を演算する評価値演算回路と、
前記j個の評価値に基づいて、前記パケットの受信信号から干渉を効果的に除去するための基準となるしきい値を演算するしきい値演算回路と、
前記しきい値以上の受信信号強度を有する受信信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する干渉除去処理を対応する周波数について実行する干渉除去回路と、
前記干渉除去回路によって干渉が除去された受信信号をデコードしてデータを出力する出力回路とを含む、無線装置。
【請求項2】
前記i個の受信回路の各々は、前記しきい値に基づいて、前記j個の評価値のうち、前記しきい値以上の評価値が得られるときのk(kは1≦k≦jを満たす整数)個の拡散符号を前記評価値が大きい順に選択する選択回路を更に含み、
前記干渉除去回路は、前記k個の拡散符号を用いて前記受信信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する、請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記干渉除去回路は、
前記受信信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する第1ステージ除去回路と、
前記第1ステージ除去回路の出力信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する第2ステージ除去回路とを含み、
前記出力回路は、前記第2ステージ除去回路の出力信号をデコードしてデータを出力する、請求項1に記載の無線装置。
【請求項4】
複数の無線装置が相互に無線通信を行なう無線ネットワークを構成するとともに、i(iは2以上の整数)個の周波数から選択した1つの周波数とj(jは2以上の整数)個の拡散符号から選択した1つの拡散符号とを用いて送信されたパケットを受信する無線装置であって、
前記i個の周波数に対応して設けられたi個の受信回路を備え、
前記i個の受信回路の各々は、
前記パケットの受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる値の絶対値の平均値を評価値として演算する評価値演算処理を前記j個の拡散符号について実行し、j個の評価値を演算する評価値演算回路と、
前記j個の評価値に基づいて、前記パケットの受信信号から干渉を効果的に除去するための基準となるしきい値を演算するしきい値演算回路と、
前記しきい値に基づいて、前記j個の評価値のうち、前記しきい値以上の評価値が得られるときのk(kは1≦k≦jを満たす整数)個の拡散符号を選択する選択回路と、
前記しきい値以上の受信信号強度を有する受信信号から前記k個の拡散符号を用いて干渉を並列的に除去する干渉除去処理を対応する周波数について実行する干渉除去回路と、
前記干渉除去回路によって干渉が除去された受信信号をデコードしてデータを出力する出力回路とを含む、無線装置。
【請求項5】
前記干渉除去回路は、
前記受信信号から干渉を並列的に除去する第1ステージ除去回路と、
前記第1ステージ除去回路の出力信号から干渉を並列的に除去する第2ステージ除去回路とを含み、
前記出力回路は、前記第2ステージ除去回路の出力信号をデコードしてデータを出力する、請求項4に記載の無線装置。
【請求項6】
前記i個の受信回路の各々は、前記しきい値に基づいて前記受信信号から干渉を除去すべきか否かを判定する判定回路を更に含み、
前記干渉除去回路は、前記判定回路によって前記干渉を除去すべきと判定されると、前記干渉除去処理を対応する周波数について実行する、請求項1または請求項4に記載の無線装置。
【請求項7】
複数の周波数から選択した1つの周波数と複数の拡散符号から選択した1つの拡散符号とを用いてパケットを送信するとともに、前記送信されたパケットを受信する複数の無線装置を備え、
前記複数の無線装置の各々は、前記複数の周波数に対応して設けられた複数の受信回路を含み、
前記複数の受信回路の各々は、
前記パケットの受信信号を拡散符号によって逆拡散して得られる値の絶対値の平均値を評価値として演算する評価値演算処理を前記複数の拡散符号について実行し、複数の評価値を演算する評価値演算回路と、
前記複数の評価値に基づいて、前記パケットの受信信号から干渉を効果的に除去するための基準となるしきい値を演算するしきい値演算回路と、
前記しきい値に基づいて前記受信信号から干渉を除去すべきか否かを判定する判定回路と、
前記判定回路によって前記干渉を除去すべきと判定されると、前記しきい値以上の受信信号強度を有する受信信号から干渉電力の大きい順に干渉を除去する干渉除去処理を対応する周波数について実行する干渉除去回路と、
前記干渉除去回路によって干渉が除去された受信信号をデコードしてデータを出力する出力回路とを含む、無線ネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−21801(P2010−21801A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180618(P2008−180618)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度独立行政法人情報通信研究機構、研究テーマ「高レスポンスマルチホップ自律無線通信システムの研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】