説明

無線識別システム及びプロトコル

【課題】
対象物の検出、識別、制御及び/又は位置特定を行う。
【解決手段】
用いられる環境に依存して動作モード及びフォーマットにおいて柔軟であるモニタリング・システム及びプロトコルが開示されている。そのようなモニタリング・システム及びプロトコルは、それらの利用を自動的に又はそうするための受信された命令により変えることができる。位置検出システムは、1つ又はそれより多い低周波数送信器、1つ又はそれより無線周波数モニタリング・タグ、及び1つ又はそれより多い受信デバイスを含む。低周波数送信器は、送信器IDのような位置識別情報を送信の近傍のタグに送る。タグは、当該タグから受信器へ送られるより高い周波数送信を用いて送信器IDを中継する。同時に開始する複数のタグのタグ送信を解読するのを可能にする通信プロトコルが開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権]
本出願は、米国特許法119条(e)の下で、2001年6月14日に出願され且つ本明細書に援用されている継続米国特許出願Serial No.60/298322の恩恵を主張するものである。
【0002】
[背景]
1.発明の分野
本発明は、無線識別システム及びプロトコルに関し、より詳細には、事象及び/又は対象物の検出、識別、制御及び/又は位置特定のため用いられるシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
従来のデータ通信システムは、無線放送の媒体を用いて対象物の識別を達成するため適用されてきた。そのような無線周波数識別(RFID)システムは、材料の取り扱い、在庫制御の分野で、そして一般的に、職員、対象物及び動物を追跡する分野で応用を見いだしている。
【0004】
コード化された物品を検出し、位置特定し、及び/又は識別するための、タグ・システムのような無線モニタリング・システムは、周知である。さまざまな技術及びシステムが、適切にタグを付された物品の識別及び/又は位置を決定するため用いられてきた。これらのタグ・システムに対して2つの基本的なアプローチが存在する。
【0005】
第1のアプローチは、必ずしも他のデバイスからの相互作用(対話)を必要とせずに、識別、状態又は他のセンサ情報を間欠的に又は反復的にビーコンで送り(beacon)又は放送する(broadcast)タグの使用である。何千というビーコン型タグが限られた環境に存在するとき、間欠的放送は、多くの場合重なり合い又は衝突し、そのため多数のタグからの重なり合った又は衝突した放送の受信を区別することが困難であることに遭遇する。この問題を克服する試みでは、タグ放送間の期間を変える、あるいはタグ送信の長さ及びタイプ及び他のタイプの変形体に変えて、複数のタグ環境において放送ダイバーシティを提供することが知られている。タグ放送におけるこのタイプの意図的変形は、非同期送信又はタイプI送信と称される。
【0006】
第2のアプローチは、他のデバイスからの送信を受信する、又は事象の発生を検知することができるタグを用いることである。このアプローチにおいては、他のデバイスからの送信を受信するタグは、情報を放送することによりそのような送信に応答し得る。このアプローチは、情報がタグから希望されるとき、送信は、タグが例えば識別、位置、センサ情報でもって応答することを要求するタグに送られる問い合わせ及び応答システムに類似している。情報送信のための要求が、例えば、リーダ・ユニット又は質問器(インターロゲータ)(interrogator)により放送されるとき、放送の範囲内のタグは、要求された情報をそれら自身の放送で送信することにより応答する。この第2のタイプの送信は、同期送信又はタイプII送信と称される。
【0007】
これらのシステムは、指定された範囲内に入る商品タグの検出のような、単一タイプの事象の検出用に設計されており、そして所定の監視範囲(例えば、それに隣接及び出口又は荷積み/荷下ろし点)を有する特定の応用に指向されている。従来、これらのシステムは典型的には、特定の応用用に設計され、そして事前設定されており、従って、異なるタグ及び装置が、様々な異なる目的のため要求されている(例えば、ビーコン・タイプのタグに対して応答又は問い合わせタイプのタグ)。これら特定の設計は、特定の応用の場合の利用のためシステムの固定の形態を表す。
【0008】
他の応用においては、多数の受信器が、監視範囲内の選択された点に位置決めされ、例えば、倉庫全体にわたり分散して位置される。受信器は、例えば、送信しているタグ(単数又は複数)からの送信に関する受信の時刻、到着の角度、信号強度及び/又は位相差によりタグの位置を識別することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来、これらのシステムは、単一目的の応用に限定されていた。異なるタグ、リーダ、プロトコル及びソフトウエアが、異なるシステム応用のため要求される。前述のシステムは、比較的複雑で高価でありがちである。それは、(i)ある範囲を監視するため配備される受信器の数がそのようなシステムのコストを増大させ、そして(ii)タグ又はシステムの事前定義された機能は、それぞれのタイプの応用に対して特定の装置及び在庫表を要求し、それがまた関連のコストを増大させるからである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、モニタリング・システム及びプロトコルが用いられる環境に柔軟に依存する当該モニタリング・システム及びプロトコルを有することは有益であろう。なお、当該環境においては、そのようなシステム及びプロトコルは、それらの利用を自動的に、又はそうするためのプログラムされた命令により変えることができる。
【0011】
更に、複雑な受信デバイスの数を低減することができる位置検出システムを有することが有利であろう。
更にまた、タグ衝突(即ち、タグ送信の同時受信)を低減する又は解読する及びより効果的に検査(確認)するように構成されるモニタリング・システムを有することが有利であろう。
本発明の追加の局面、特徴及び利点は、添付図面の以下の説明からより明らかになるであろう。その図面においては、類似の参照番号は、類似の構成要素を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の様々な局面に従った例示的モニタリング・システムの平面図である。
【図1B】図1Bは、本発明の様々な局面に従った例示的モニタリング・システムの平面図である。
【図2】図2は、積み込み装置及びコンテナと使用の、図1のモニタリング・システムの平面図である。
【図3】図3は、本発明の様々な局面に従ったタグの機能ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の様々な局面に従った信号強度分析器の機能ブロック図である。
【図5】図5は、実行中の図1のシステムの機能ブロック図である。
【図6】図6は、本発明の様々な局面に従ったモニタリング方法のフロー図である。
【図7】図7は、航法受信器を含む位置モニタリング・システムを示す機能ブロック図である。
【図8】図8は、本発明の様々な局面に従って通信するためのプロトコルのタイミング図である。
【図9】図9は、サブパートを含むメッセージ・ワード・フォーマットである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[好適な実施形態の詳細な説明]
位置モニタリング・システム
本発明の様々な局面に従ったシステムは、在庫状態を維持し、施設の部分へのアクセスを与え(例えば、特定の職員のためドアを開錠すること)、材料処理装置を監督し、対象物、動物及び職員の位置を見いだすのを支援するため、対象物、動物又は職員の位置及び移動を追跡する。
【0014】
例えば、本発明の様々な実施形態に従ったシステムは、情報を局部的な範囲内に放送するための送信器又はロケータ・ユニットを含む。このタイプの送信器を、本明細書では「ロケータ」又は「ロケータ・ユニット」と呼ぶ。以下の用語がまた以下の意味に割り当てられている。即ち、「範囲」は、物理的位置又は施設/設備(例えば、構内、建物、フロア、ホテル等の特別室、ベイ、又は貯蔵空間のユニット)を意味するよう定義される。「ロケータID」は、放送しているロケータの識別(ID)である。「ゾーン」は、放送される信号の強度及び方向、並びに特定の受信器の感度により定義され得る信号受信の範囲である。「タグID」は、タグ又はタグ機能を一義的に定義する情報の識別部分である。「ビーコン速度(beacon rate)」は、メッセージの送信の持続時間と、メッセージの送信同士の間の時間との和の逆数である。「同期(式)」は、受信器エンドにおいて問い合わせ/応答プロトコルに従って同期化されるタイプII送信を意味する。「非同期(式)」又は「否同期(式)」は、受信装置又は他の放送信号を考慮しないタイプI送信を意味する。「タグ・メッセージ」はタグからの放送である。
【0015】
本発明の様々な局面に従ったモニタリング・システムを用いて、それぞれにモニタリング・タグを付けられた物品の識別及び位置、例えば、当該物品の在庫目録、発注動向、及び/又は出荷を追跡し得る。一例として、非常に多数の物品を収容する倉庫又は他の施設は、当該倉庫の周りの様々な位置に配置された複数の固定した低周波数送信器又は「ロケータ」を有し得る。なお、それら各送信器は、指定された送信ゾーンを有する。そのような固定したロケータのグリッド又はマトリックスは、タグを付された品物の位置決定の精度を増大するため重なった送信ゾーンを有するよう構成されている。各ロケータが位置情報(例えば、ロケータID、地理的座標)を放送するとき、それぞれの送信ゾーンのいずれのタグも、それらの自身の送信を放送することにより応答する。そのようなタグ放送は、そのタグ放送を開始した1つ又はそれより多いロケータから受信された位置識別情報を含む。受信装置又はモニタは、タグ放送を受信し得て、そして関連の処理装置は、位置識別情報を用いて、応答しているタグの位置を決定し得る。送信ゾーンが重なるようにすることにより、タグは、より高い精度で(例えば、2つ又はそれより多いゾーンの重なっている範囲の間で)位置を特定し得る。
【0016】
ロケータはまた、様々な戸口、アクセス・ポイント、処理装置(例えば、積み込み機(ローダ)、又は組み立てライン点)、又は関心の他の範囲に位置決めされ得て、モニタリング・システムがタグ(及び関連の物品)がそのような関心の範囲に到達するときを検出するのを可能にする。この場合は、タグが特定のロケータの送信ゾーンに入るときを知ることが単に望ましいので、ロケータの送信ゾーンが他のロケータと重ならないようにし得る。
【0017】
図1を参照すると、モニタリング・システム100は1つ又はそれより多いロケータ110、120、1つ又はそれより多いタグ130、及び1つ又はそれより多いモニタ140を含む。
【0018】
ロケータ110、120は、モニタされるべき範囲に、位置情報を含む送信を放送する機能を果たす。タグ130は、ロケータ110、120から放送された情報を受信し、且つロケータ110、120から受信された位置識別情報を含むそれら自身の送信を放送するという目的にかなう。モニタ140は、タグ130、又はロケータ110、120のような他の送信装置からの放送を受信するという目的にかなう。モニタ140はまた、受信した情報を処理し、及び/又は受信した情報を1つ又はそれより多い処理ユニット150に無線又は有線のネットワーク160を介して与えるよう機能する。
【0019】
各ロケータ110、120は、それにより放送されるよう設定されるゾーン111、121、及びそれに関連した一義的ロケータIDを有する。タグ(例えばタグ130)がゾーン111又はゾーン121に存在する場合、タグは、(ロケータIDを含む)ロケータ放送を各ロケータから受信する。次いで、ロケータ放送を受信する各タグは、ロケータID、タグID、及びバッテリ状態、時刻等のような任意の他のセンサ及び制御情報を含むそれ自身のメッセージ(集約的に、メッセージ133)を放送する。モニタ140は、タグ放送を受信して復号し、そしてその復号された情報をネットワーク160を介してプロセッサ150に渡す。次いで、プロセッサ150は、識別(ID)を追跡し、そしてタグ130の位置をロケータID及びタグIDに基づいて決定する。
【0020】
タグ130が2つ又はそれより多いゾーン、例えばゾーン111及びゾーン121の重なり範囲に(図示のように)入る場合、1つ又はそれより多いメッセージ133がそれぞれのロケータ110及び120のため両方のロケータIDを含み得る。このようにして、プロセッサ150は、ゾーン1とゾーン2との間の限定された重なり範囲のため向上した精度でタグ130の位置を特定することができる。
【0021】
メッセージ133は、次の個々の情報のうちの1つ又はそれより多い個々の情報を含み得る。
−タグID
−ロケータID、複数のロケータID、及び/又はGPS座標のような他の地理的情報
−受信されたロケータ信号のSSI(それは、2以上のロケータ信号Δを受信する場合SSIより上を含み得る。)
−時刻、又はバッテリ・レベルのような他の関係情報、最後の送信、制御コード等。
【0022】
ロケータ110及び120は、位置情報(例えば、ロケータID、位置座標)を事前定義された範囲又はゾーンで放送する機能を実行する任意の装置又は装置の組み合わせであり得る。好適な実施形態においては、それらがタグに比較的近接しているので、ロケータ110及び120は、比較的低い電力及び比較的低い周波数送信を放出する。ロケータ110及び120はまた、ロケータ送信の著しい重なりを防止するためそれぞれの送信の範囲を制限する極端に指向性のあるアンテナを用い得る。位置決定の精度を増すため、より多くのロケータ及び送信のより多くの重なりゾーンを追加することを用いることができる。
【0023】
図1Bを参照すると、モニタリング・システム100Bは4つのロケータを含み、各ロケータはそれぞれのゾーンを有する。モニタリング・システム100Bはまた、異なる範囲、例えば、「範囲2」をモニタする機能を果たす追加の、即ち第2のモニタ142を含む。モニタ140及び142は、プロセッサ150及び/又は互いに無線又は有線ネットワーク160を介して通信して、一方の「範囲1」内でタグの位置を追跡して決定する一方、同時に「範囲2」内で情報を追跡する。
【0024】
タグ130は、少なくとも1つのロケータからの送信を受信し、且つその受信した位置情報(例えば、ロケータID)を含むそれ自身のメッセージをモニタ140に放送するよう動作する任意の装置及び装置の組み合わせであり得る。随意の実施形態において、タグ130は、それぞれのロケータ110又は120の送信から受信された信号強度を区別するための信号強度分析器回路を含む。受信した信号強度を区別することにより、タグ130、又はモニタ140、及びその関連のプロセッサは、ロケータ放送ゾーン111と121とを区別する。例えば、タグ130が最強の送信がロケータ#2と関連すると決定する場合、タグ130は、たとえタグ130がまたロケータ#1からより弱い信号を受信したとしてもロケータ#2に対するロケータIDのみを放送し得る。最強の送信信号を持つロケータを区別することにより、タグ130が特定のロケータ放送ゾーンの境界内のより近いところに入っていると推定され得る。代替実施形態においては、両方のロケータ110及び120のロケータIDはタグ130により放送され得る。この場合、ロケータIDは、タグ130が一方のロケータより他方のロケータにより近いことを指示するため信号強度に従って階層的に配列されるであろう(例えば、ロケータ120のID、そして次ぎにロケータ110のIDが続く。)ことが好ましい。
【0025】
モニタ140は、タグ130により放送された位置識別情報を受信する任意の装置又は装置の組み合わせであり得る。例えば、モニタ140は、タグ130及び/又はロケータ110、120からの無線送信を受信するRF受信器であり得る。更に、モニタ140はまた、受信した位置情報に基づいて位置を決定するそれぞれの処理ユニット150を含み、又はそれらに接続され得る。
【0026】
比較的安価な送信装置をロケータ110及び120として使用することは、位置識別モニタリング・システムのため要求されるより複雑で高価なモニタ140の数を低減することを助ける。しかしながら、本発明は、単指向性送信及び受信に限定されるものではなく、そして、例えば、タグに送信し且つタグから同様に受信するロケータをも利用し得る。SSI(信号強度インディケータ)回路を用いたこのアプローチを利用して、タグ130は、最も近くにある特定のロケータ(例えば、ロケータ120)のみに応答し得る。双方向通信を用いて、ロケータは、情報をモニタ140に、又は(例えば、ロケータがコンピュータ・システムに対してネットワーク化されている場合)直接処理装置に通信し得る。
【0027】
モニタリング・システム100の更なる修正は、タグの位置を三角測量するため働く複数のアンテナをロケータ又はタグ上に含むことである。例えば、タグは、互いに90度に又は或る他の事前定義された角度関係に位置した2つの入力アンテナを有し、ロケータからの受信方向を計算するのを助ける。代替として及び/又は追加として、ロケータ110及び120は、位置をより正確な度合いで三角測量するため多数のアンテナを含み得る。
【0028】
図1Bに関して説明したように、モニタリング・システム100Bは、タグの精密な位置を決定するよう動作する複数の固定のロケータを含む。これは、品物の存在を決定することができるばかりでなく、その精密な位置を、限定された数のロケータのみを有する低コストのシステムで決定することができる点で、倉庫管理及び他の応用にとって非常に向上した特徴である。一連のロケータを一列に又は二方向パターンで配置する場合、タグの精密な位置を容易に決定することができる。代替ポインタの距離の半分に等しい距離に対して位置を決定する数式は、遷移点でぴったり一致する。例えば、ポインタA、B、C及びDがそれぞれ約3.04メートル(10フィート)離れて配置され、そしてタグがポインタBの下に配置される場合、ポインタA及びCは、タグ位置をBからプラスで且つ±約76.2センチメートル(±2.5フィート)の範囲内で高い直線性でもって決定することができる。タグがポインタBとポインタCとの中間へ移動した場合、上記数式は、B及びDからのデータを用いて位置を計算する。このプロセスは、長い線で、又は範囲又はボリューム(空間)でx、y及びzの位置決めを用いて反復することができる。前述の代替又は修正の任意の組み合わせも追求することができ、それらは本発明の範囲内であると考えられる筈である。
【0029】
本発明は、従来技術システムの距離測定又は時間測定システムで要求される高周波数動作より優れている。高周波数動作は、ある一定の動作環境、例えば、多量の信号吸収及び反射装置及び材料を備える建物における動作に対して問題を引き起こす場合がある。対照的に、本発明で用いられるロケータ送信は、125KHz領域のオーダでの周波数を用いて動作させることができる。信号減衰が周波数と共に低減するので、より低い送信周波数は品物及び職員を容易に透過し得る。本発明においては、多くの従来のシステムとは対照的に、タグ130の出力周波数は、タグの位置を決定するため必ずしも用いられず、例えば、受信時刻、三角測量、又は位相角決定を用いている。タグが典型的な300MHzから900MHzの領域で送信する場合、モニタ140による受信を保証するため、非常に大量の送信オーバラップを与えることができる。
【0030】
図2を参照して、モニタリング・システムの利用局面をここで説明する。例示システム200において、1つ又はそれより多いコンテナ・ユニット210、211はそれぞれ、それぞれのタグ212、214を含む。ロケータ110及び120が、施設又は範囲の中又はその周りの戦略的位置に配置されている。ロケータ110及び120は、タグ212、214(及び関連のコンテナ210、211)が約2〜3×30.5センチメートル(数フィート)内にある場合積み込み装置230(例えば、自動化式フォークリフト、ロボット積み込み機又は他の運搬設備)に知らせる。積み込み装置230がそれ自身のタグ232を含む場合、積み込み装置230の位置もまた、ロケータ110、120を用いて追跡され及び/又は決定されることができる。前に説明したように、ロケータ110、120は、低周波数の位置識別情報(例えば、ロケータID又は地理的座標)を放送する。タグ212、214及び232は、ロケータ放送を受信し、そしてそのロケータ放送の受信に応答して、位置識別情報を含むそれら自身のメッセージを同じフォーマット又は別のフォーマットで放送し始め得る。モニタ250のようなリーダ又は受信装置は、タグ212、214及び232から放出された放送を受信し、そして位置識別情報を用いて、1つ又はそれより多いコンテナ210、211及び/又は積み込み装置230の位置を決定し得る。
【0031】
モニタ250は、タグ212、214及び232から放送された位置識別情報を受信、追跡及び格納するための受信器及び/又は関連のコンピュータ・システムを表す。モニタ250は、中央に、又は積み込み装置自体に配置され得る。
【0032】
基本システムにおいては、積み込み装置230の位置は、約2〜3×30.5センチメートル(数フィート)内で識別されることができる。タグ及び/又はロケータ放送の信号強度を分析することにより、位置モニタリングの精度を増大させることができる。更に、複数のロケータから受信された信号を許容し且つ区別することができる。
【0033】
ロケータ及び/又はタグは、放送を受信し位置を三角測量するため働く複数のアンテナを含むことができる。例えば、積み込み装置230上のタグ232が左に指向された1つのアンテナと、右に指向された1つのアンテナとを含む場合、タグ232(従って積み込み装置230)の位置は、ロケータ110、120の既知の位置に対して容易に決定されることができる。この位置を決定する1つの方法は、ロケータ110から受信された信号をロケータ120から受信された信号から差し引く方法である。積み込み装置のタグ232がロケータ110とロケータ120との間の中間に正確に位置する場合、出力はゼロであろう。積み込み装置が一方のロケータより他方のロケータにより近くなる一つの方向に移動する場合、出力は1つの値を与え、そして同じ距離が反対方向に移動される場合、その値は反対符号のみを有する同じものであろう。この距離が、2つのロケータ信号、又はそれら2つのロケータ信号の間に位置された別のロケータ信号の絶対和で除算される場合、放射関係が導出され且つ維持され得る。多くの異なるアンテナ角度及び方法を利用して、同じ精密な位置を解く情報を獲得することができる。実際の計算をタグの中で実行することができ、又は受信器及び処理のためのシステム(例えば、モニタ250)への情報放送、又はこれらの方法の組み合わせを採用することができる。
【0034】
図3を参照すると、本発明の一局面に従った位置モニタリング・タグ300は、制御器300、送信器320、及び受信器ユニット330、及びオプションの電源又は電力セル360を含むことが好ましい。受信器ユニット330は、信号強度分析器340、メッセージ分析器350及び検出器/復号器を含み得る。
【0035】
タグ300は、位置識別情報を有する信号を受信器330を介して受信し、2以上の信号を受信した場合その受信した信号の強度を随意に分析し、そしてロケータID、又は航法座標又は類似のもののような受信された位置識別情報を含む信号を放送するよう機能する。タグ300は更に、それ自身の識別情報、制御データ及び状態情報、並びにロケータID、又はロケータ・ユニットから受信された他の位置情報のような、他の装置から受信された任意の情報を送信し得る。そのような情報は、ロケータ・ユニットが、定義された固定位置にあり、又は全地球測位システム(GPS)受信器(以下を参照)を装備した車両上に配置されるので、タグ300の位置を決定するのに役立つことができる。タグ300はまた、バッテリ状態、入力データ及び他の情報を1つの送信ワードで、又は必要に応じて一連のものとして送信し得る。
【0036】
送信器320は、信号を送信する任意の装置又は装置の組み合わせであり得る。任意の実施形態において、送信器320は、一緒に動作する二重出力段を有し、例えば、一方の出力段がゼロ度搬送波位相を有し、他方の出力段が90度搬送波位相を有し、又は代替として、2つの出力が位相に関係なく順次的に動作されることができる。2つの出力は、タグ300が金属対象物上に配置されるとき、全ての角度で最適性能のため複数の指向性アンテナを駆動するよう機能し得る。
【0037】
送信器320は、以下でより詳細に説明されるように、遅いビーコン・オンリー出力(slow beacon only output)又は速い問い合わせされた出力のような異なるモードで動作する能力を有し得る。送信器320は、単一ワード又は最大8ワードまで連続送信又は独立に出力し得る。なお、それぞれのワードは、タグ300が数十億のIDコードを扱うのを可能にするため16ビットのデータを有する。
【0038】
一例の実施形態において、送信器320は、以下の特徴を有する。
−433MHzの出力周波数;
−30MW DC最大の出力電力レベル(出力段)(これは、3メートルで測定された100μVメートル準ピーク(米国)、又は3メートルでの500μVピーク(日本)に対応するよう設定されている。);
−0.25、1.0、10(デフォルト)及び100の問い合わせ型出力レート(interrogated output rate);
−1.0、10(デフォルト)及び100のビーコン・オンリー出力レート;
−二重状態出力、例えば、ゼロ度(例えば、カード上のプレーナ・アンテナ)及び90度(例えば、垂直又は外部アンテナ);
−データ出力:
フォーマット:ビーコン・モードのためのタイプ1、及び問い合わせ型モードのためのタイプ2;
変調:振幅オン・オフ、パルス幅;
データ・タイプ:NRO(最小化されたDCスルー(Slew))修正型マンチェスタ;
クロッキング・タイプ:自己クロッキング(RSCK);
クロッキング速度:19.2KBPS公称;
送信レート:最大0.25秒、次ぎ1秒、次ぎ10秒(デフォルト);最小100秒(ロケータ又はセットアップ・ユニットによりプログラム可能);
−データ・フォーマット:
タイプI−符号化キー付きUMS(汎用モニタリング・システム)プログラム型期間(Programmed Time Periods)(ビーコン又は非同期問い合わせモード);
タイプII−符号化キー付きUMS階層(問い合わせ型モード)(二者択一又は両方の任意);
双ビット符号化−双ビット(直角符号化された2ビット、ここで第2ビットは第1ビットの補数である。)、ここで、データ・ビット0=00、データ・ビット1=11、制御開始/リセット・ビット=10、制御停止/EOW(ワードの終わり)ビット=01;
データ及び制御ビット回復キー: 符号化、即ち、データと制御出力データとの両方を整合させねばならない。そして、制御出力データ及び制御は、有効であるため相補的でなければならず、制御はデータを先導し又は追従しなければならず、制御及びデータは以下で定義される衝突試験に通らねばならない;
−ワード・フォーマット:
ワード長−24双ビット;
ワード・コード−64,000(余分なコードが制御又は特別の目的のため確保されている。);
ワード・フォーマット−開始=1(双ビット)(01コード);
固定=2(01双ビット)(10コード);
ワード#=3(双ビット)(10又は11コード);
ID/データ=16双ビット(10又は11コード);
パリティ=1双ビット(10又は11コード);
停止=1双ビット(01コード);
ワード送信期間−2.5ミリ秒(受信器チップにより制限される);
二重ワード送信期間−5.42ミリ秒;
8ワード送信期間−21.68ミリ秒;
−メッセージ:
ワードの#−1〜8(ワードは、一時に1つ又は連続して送られることができ、ワード間に追加された4個の停止双ビットを伴う。);
コードの#−64,000から7次又は8次;
メッセージ検査ワード−連続のメッセージの中で送られた最後のワードは、希望される場合メッセージ検査コードであることができる(オプション)。
【0039】
受信器ユニット330は、タグ(例えば、図1:タグ130)から信号を受信し及び/又は復号する任意の装置及び装置の組み合わせであり得る。受信器330は、搬送波信号を100KHzから13.56MHzの範囲で(随意のチップ選択に依存する)セットアップ・ユニット又はロケータ・ユニットから受信することができることが好ましい。ロケータ・ユニットは、独立に、又は集中化された制御装置の制御下で同期して動作することができる。受信器330は、8ビット又はそれ以上のビットのウエークアップ(目覚まし)又は開始信号及びそれに続く24ビット・ワードを個々に又は最大8ワードのグループで受信するのが好ましい。受信器330は、当該受信器330が間欠的にオン及びオフするサンプリング・モードで動作するのは任意である。例えば、受信器330は、80ミリ秒毎に100マイクロ秒の間(即ち、800対1)オンになる。これは、100マイクロ秒の開始パルス長及び250ミリ秒又はそれより短い繰り返し率を有するロケータ・ユニットからの放送に対応する。この要領でのサンプリングにより、受信器330が電力引き出しを最小にし、従ってバッテリ寿命を最大にするのが可能になる。受信器330及び送信器320の機能は、単一の送受信器ユニットの中に組み合わされることができ、又はそれらは、別個のユニットであってもよい。アンテナ322は、単一の共用アンテナ又は複数のアンテナであり得る。
【0040】
制御器310は、タグ300の送信及び受信器能を制御する任意の装置であり得る。制御器310がまた、信号強度分析器340、又はタグ300に存在する他の任意の及び/又は図示してない構成要素を制御するため用いられてもよい。好適な実施形態において、制御器310は、書き込み能力を可能にするRAMを含むプログラム可能マイクロコントローラである。
【0041】
タグ300に存在する場合、信号強度分析器340は、受信器330により受信された信号の強度の検出を可能にする。信号強度を測定し、複数の受信した信号強度間を区別し、又は最小スレッショルド信号強度を有する信号を少なくとも復号することにより、複数の受信信号の処理が改善され、そしてタグ300の位置の決定が改善された精度で実行され得る。
【0042】
図4を参照すると、単純化された信号強度分析器340は、受信された複数の信号強度の差を識別し、及び/又は所望の大きさを持つ信号を選択するよう機能する。信号強度分析器340はまた、複数の受信された信号をそれらの大きさに従って等級付けするよう働き得る。一実施形態においては、信号強度分析器340は、一連のアナログ・スイッチ又はディジタル比較器410、420及び430を含むディジタルに設定可能なパルス・スレッショルド回路である。比較器410、420及び430はそれぞれ、受信された信号の大きさをそれらの2つの入力の一方で受け取る。信号強度分析器340はまた、様々な基準レベルを比較器410、420及び430の第2の入力に与える基準電圧源440を含むのが好ましい。受信された信号の大きさは、基準電圧源440により与えられる所定
の電圧基準に基づいて識別され及び/又は測定され得る。制御器310(図3)は、信号強度分析器340からの情報を用いて、情報、例えば、最強の受信信号と関連したロケータIDのみの送信を制御する。代替として、制御器310は、信号強度分析器340からの情報を用いて、受信された信号を受信されたロケータIDと関連付ける。各受信信号の信号強度は、タグ・メッセージで放送され得る。モニタ及び関連のプロセッサは、それに続くそのような情報処理を用い得る。また、任意の他のタイプの装置及び装置の組み合わせを用いて、前述した信号強度分析機能を実行し得る。
【0043】
航法受信器(navigational receiver)を用いた位置識別
図5を参照して、本発明の別のタイプの位置モニタリング・システム500は、車両505、ロケータ・ユニット又は他のタイプの送信器510、航法情報受信器520、1つ又はそれより多いタグ530、モニタ540及び処理装置550を含む。位置モニタリング・システム500の目的は、在庫品のような物品580及びそれらの位置を決定及び/又は識別することである。位置モニタリング・システム500は、この目的を果たすため地理的座標又は他の航法情報を利用する。
【0044】
この実施形態においては、ロケータ・ユニット510及び航法情報受信器520は、車両505の位置と関係付けられ、又は車両505に取り付けられる。ロケータ・ユニット510は、車両505が移動中に位置識別情報511を放送する。位置識別情報511は、航法情報受信器520により決定されるように車両505の現在の地理的位置を含むのが好ましい。車両505が在庫品580を通るよう移動するにつれ、在庫品タグ530は、位置識別情報放送511を受信し、そしてタグ530が好ましくはタグID及び航法情報受信器520からの位置識別情報を含むそれ自身の情報531を放送していることにより応答する。次いで、範囲モニタ540は、放送531を受信し、そしてタグIDを在庫品580及び地理的位置と関連付け得る。
【0045】
ロケータ放送511は、各タグを局所で活動状態にし、それによりタグを付された品物は、位置を特定され、そして棚卸しされることができる。位置モニタリング・システム500は、タグを付された各品物の大ざっぱな位置を、ロケータ・ユニット510により放送された航法座標に基づいて識別することができる。この位置識別情報は、タグに送信され、そしてプロセッサ550による処理のため当該タグによりモニタ540に中継され得る。代替として、モニタ540及び/又はプロセッサ550は、車両505に配置され、そして地理的座標を、タグ530からの放送が受信されたときの車両505の位置に基づいて関連付け得る。精度を増すため、ロケータ・ユニット510は、極端に指向性のある放送を送信すべきである。
【0046】
本発明の変更された局面において、位置モニタリング・システム500は、モニタ又は他のリーダ装置がタグ放送の受信に対する或る他の空間的関係を用いて車両の位置を識別することができる場合、地理的座標がタグに送信され、そしてそのタグにより中継されることを必要としない。そのような関係は、例えば、モニタ540を航法情報受信器520に接続することにより導出され得るであろうし、又は航法座標は、ロケータ・ユニット510のような、タグ530以外の送信器からモニタ540に放送され得る。本発明の更に別の局面において、信号強度分析器がモニタ540又はタグ530により利用されて、先に説明されたようにタグを付された品物の位置を決定する精度を更に増大させ得る。
【0047】
モード変更モニタリング・システム
本発明の他の様々な局面に従って、或るタイプのタグはまた、代替として、動作中に、且つ前述したように局部ロケータ又は低周波数送信器(LFT)の命令の下で詳細な位置識別情報を送ることができるようにし得る。
【0048】
従来のシステムにおいては、タグの機能及びそれらの送信モード(タイプI及びタイプII)は、多くは事前定義され、そしてそれらの使用で柔軟でなく、従って小売業者又は納入業者が所望の機能に応じて在庫品における2以上のタイプのタグを携えていることが必要になり得る。本発明は、放送フォーマット又は機能を変更することが可能であるタグを含む。本発明におけるタグのフォーマット及び/又は機能は、自動的に変更され、又は、例えば、受信された送信がタグに変更を指令することにより開始されることができる。
【0049】
本発明の第1の局面に従って、所定の期間アイドル状態(例えば、移動していない)にあるタグは、ビーコンを、受信されたタグ送信同士間の衝突を最小にするため時間ダイバーシティを用いて非同期方式で送り得る。しかしながら、他の装置からの或る一定の送信(例えば、ロケータ又は他の装置からの問い合わせ)を受信するとき、本発明の一局面に従ったタグは、同期方式で送信するのを始め得る。同期方式は、ロケータ又は他の装置により活動状態にされる全てのタグが最小のタグ衝突で送信するのが可能になる。このタイプの交換(スイッチング)は、必要なとき(例えば、瞬時識別又は位置決定の要求の場合)より速い送信動作を、並びに他の時間におけるより遅い非同期動作を可能にする。このタグ動作モードは、必要に応じて選択されて、特定の時間における特定の状況に適合することができる。
【0050】
図6を参照すると、無線モニタリング・システムにおいてモード又はフォーマットを切り換える方法600は、一般的に、タグが第1の送信モードで放送すること(610)、第1のイベントが発生すること(620)、タグが第1のイベントの発生に応答して第2の送信モードで送信すること(630)、第2のイベントの発生まで第2の送信モードで送信するのを継続すること(640)、第2のイベントが第1の送信モードで送信するのに戻るようタグを始動させること(620)を含む。
【0051】
第1及び第2のイベントは、任意のタイプのイベントに対して選択されることができ、そこでは、タグが第2の同期モードで送信を始めるときロケータ送信が受信される(第1のイベント)までビーコン・モードが送信される場合、前述したようにそのイベントの発生又は非発生を追跡することが望ましい。この場合、第2のイベントは、タグの中のタイマの満了、又はロケータ・ユニットからの送信を受信することの休止であり得る。
【0052】
本発明のタグ移動検出実施形態においては、移動タグが或る一定期間アイドル状態にあるとき、タグは、ビーコン同期送信を(時間ダイバーシティを用いて)送って、衝突を最小にし得る。しかしながら、移動タグが移動を開始するとき(例えば、第1イベント)、タグは、第2の送信モード、例えば同期送信で送信を始めるであろう。本発明の一局面においては、第2の送信モードは、タグが移動を検出するときビーコン送信がリセット状態になり且つ再度始まることを除いて、第1の送信モードと正確に同じ(例えば、同じ期間及びパルス)である。ビーコン送信の、前に中断されてないパターン中におけるそのようなリセットは、特定のタグが移動しているときを識別するためモニタ/検出プロセッサにより用いられることができる。移動タグが移動を停止する、又はタイマが満了したとき(例えば、第2イベント)、タグは、その最初の送信モードに戻る。
【0053】
第1送信モードと第2送信モードとの間で変更することには、送信の内容を変更すること、並びに又はその代わりに送信のフォーマットを変更することが含まれ得る。本発明の一局面において、タグから送信される情報のタイプは、自動的に又は指令により変更することができる。例えば、ビーコン・タグは、通常、そのタグID、時刻、最後の移動等のようなある一定の情報をそのメッセージの一部として送信するよう構成され得る。しかしながら、本発明の一局面に従って、ロケータ又は他の送信装置は、命令をタグに送って、送信されているメッセージの内容を変更することができる。内容のそのような変更には、例えば、バッテリ・レベル状態又は希望される他のタイプの内容が含まれ得る。この場合、タグは、最後の移動情報の代わりに、又はそれに加えてバッテリ・レベルを送信し始めるであろう。情報の置換又は追加は、送信のため利用される形式(例えば、どのくらい多くペイロードがタグ・メッセージの中に存在するか)に依存して変わり得る。
【0054】
本発明の別の局面において、期間、間隙、開始パルス、ワードの終わり、及び他の関連メッセージのフォーマット化情報は、送信装置、例えば、ロケータ又はリーダからの指令により変えられ得る。確立された送信装置、例えば、ロケータを用いて、送信のフォーマット及び内容を構成することができることと関連した柔軟性は、従来技術の無線モニタリング・システムを超えた著しい利点を提供する。一例として、或る一定の種類の在庫品のためのタグは特定の種類の送信フォーマットに割り当てられ、一方他の種類の在庫品又は新しい在庫品のためのタグは異なる送信フォーマット又はコンテンツに割り当てられ、そこではそのような制御及び割り当ては、複雑なセットアップ・ユニットではなく、集中化されたソフトウエア制御及び既存の送信器又はロケータに単に基づく。
【0055】
図7を参照すると、1つ又はそれより多いタグ730は、例えば、移動パッケージ運搬車710に取り付けられ、そしてその識別及び/又は情報を遅いビーコン速度で送信している。遅いビーコン速度モード中に、タグ730の存在及び全体的位置は、例えば、約30.5メートル(100フィート)の距離内で追跡されることができる。移動パッケージ運搬車710がドア又は他のアクセス点を通って移動するとき、タグ730、732は、ロケータ・ユニット(例えば、ロケータ110又は120)に非常に近い位置に入ってくる。非常に近い位置にきたとき、タグ730、732は、ロケータ110及び/又はロケータ120からの放送に遭遇する。これに応答して、タグ730、732は、情報をより高い速度で送信し始める。なお、そのような情報には、例えば、タグID、並びにロケータ120からのロケータIDのような他の情報が含まれる。
【0056】
本発明の一局面において、ロケータ・ユニット110、120は、タグ730、732に命令をして、異なるタイプのモードに切り換えることができる、例えば、オン及びオフにし、又は低、中間又は高速度で動作させ、或る期間動作して次いでオフにし、タグ730が送信する情報のタイプ又は編成を変え、又は他の所望のモードにすることができる。このタイプの選択された動作を用いて、タグ・バッテリ電力は、タグが必要な又は希望されるときのみ送信するよう命令されることができるので、節約され得る。一例として、ロケータ110、120を有する範囲を通るよう移動パッケージ運搬車710により引かれているカート770、772上に置かれた多数のタグ付きパッケージ750は、それらの識別、それらがどこにあるか、及び車両の後ろのそれらの順序を指示することができる。ロケータ・ユニット110又は120は、例えば、パッケージ運搬車が飛行機上に置かれたときタグをオフにすることができ、逆に、取り去られたときそれらタグをオンにすることができる。
【0057】
各タグは、送信器、受信器、マイクロコントローラ/インターフェース及びオプションのバッテリを備えることが好ましい。発明のハードウエア局面の要約は、次の事項のうちの1つ又はそれより多い事項を含む。
【0058】
−ダイバーシティ送信のための二重アンテナ出力;
−ポインタ制御の下での延長されたバッテリ寿命;
−ポインタからの局部位置入力;
−ビーコン及び/又は問い合わせ型動作又はその両方;
−衝突管理のための符号化されたビット;
−非同期及び同期を含む二重衝突防止動作モード;
−ボード上の外部プログラミング(外部I/O);
−データ書き込み及び制御能力;
−外部リセット入力;
−自動リスタートのためのウオッチドッグ・タイマ;
−オプションのオンボード・セル・バッテリ;
−電力消費の低減のためのサンプリング受信器。
【0059】
発明のタグをポインタ・ユニットと組み合って用いて、次のオプションの又はプログラム可能な機能態様を提供することができる。
−ポインタの領域内にあるとき送信をオンにすること;
−現在のモードに対してポインタの領域内にあるときオンにし、その領域外にあるとき計時すること;
−オフにされるまでオンにすること;
−オンにされるまでオフにすること;
−タグが近接している間タグをオフにし、離れているときオンにすること;
−タグモード及び送信レートを選択すること;
−命令及び再送信のため同じ又は代替形式でポインタ・ユニット・アドレス、データ、制御及び状態情報を送ること;
−タイプIフォーマットでの動作にためタグを同期化して、衝突を最小にし、読み出し速度を速め、そして時間及びデータ情報を与えること。
【0060】
タグ送信器が、一緒に動作するオプションの二重出力段を有し、その二重出力段の一方がゼロ度搬送波位相を有し、その他方が90度搬送波位相を有することが好ましい。代替として、それら2つの出力は、位相に関係なく順次的に動作されることができる。タグ送信器は、遅いビーコン・オンリー出力又は速い問い合わせ型出力のような異なるモードで動作することができる。
【0061】
モニタリング・システム通信プロトコル
タイプI及びタイプIIフォーマットは、同期及び非同期環境における通信のための符号化及びパルス位置決めを採用する。これらのプロトコルの重要な見方は、送信におけるパルスの位置をタグID又は他の情報をコード化する手段として用いる概念である。本発明の別の重要な概念は、通信の保全性を改善するための相補情報の送信である。その上、パルスは単一のエンティテイであることができ、又はパルスは更にサブパルスに細分され又は符号化されることができる。
【0062】
図8を参照すると、無線モニタリング・システムで用いられる例示的プロトコルをここで説明する。以下のプロトコルの主要目的は、受信装置及び/又は関連の処理装置が、2つ又はそれより多いタグがたまたま同じ時刻に送信し始めるとき複数の送信を解読し又は読み出すのを可能にすることである。以下の見出しは、2つのタグがランダムに送信を同時に始める状況を説明する。
【0063】
XMT−1及びXMT−2: それぞれのタグから送信されたワードを表す;
RCVD: システム受信器により受信された被送信及び/又は雑音信号を表す;
ワード: 発明したプロトコルの単一のワード送信の例示的期間及び部分を表す;
ワード・スロット#: 単一のワードの期間の中のスロット数を表す
パート・スロット#: ワードの中に含まれるそれぞれのパートのスロット数を表す;
時間: 開始パルスの第1の端で始まりワードの停止間隙で終わる信号を通しての時間のセグメントを表す。
【0064】
この発明したプロトコルの3つの主要規則があり、それらはそれらの目的に関して最初に説明されるであろう。
プロトコル規則#1: 有効なタグ送信は、2つのパート、即ち、第1のパート及び第2の相補パートを含まねばならない。パートAにおけるパルスは、パートBの相補に見えなければならない。(パートBのパルスは、パートAのパルスに対して大きさ及び時間の逆のものである。)。
【0065】
プロトコル規則#2: 有効なタグ送信は、所定数のパルス、及びパルス間の最小間隙を含まねばならない。図8に図示される例示的実施形態において、有効なプロトコルは、4つ又はそれより多いスロットにより分離されているパートAに2つのパルスを含まねばならない。
【0066】
プロトコル規則#3: 各タグ送信は、特定の開始、停止及び間隙構成を含まねばならない。図示の例では、各送信は、4スロットの幅を有する開始パルス、開始パルスに直ぐ続く4スロットから成る第1の間隙、パートAとパートBとの間で4スロットから成る第2の間隙、及び停止パルスに直ぐ続く4スロットから成る第3の間隙を含む。
【0067】
図示されるように、第1のワードのためのタイミング・シークエンスは次のとおりである。即ち、T1=開始信号を始める;T5=開始信号を終え、間隙1を始める;T9=間隙1を終え、パートAを始める;T38=パートAを終え、間隙2を始める;T42=間隙2を終え、パートBを始める;T70=パートBを終え、間隙3を始める;T75=間隙3を終え、停止信号を始める;T77=停止信号を終える。第2のワードは、T77(例えば、T1でのように開始信号の立ち上がり端がT77で生じ得る。)又はその後の任意の時刻に始まり得る。
【0068】
スロットの中の個々のパルス表示は、そのスロットにおけるアサーション(assertion)を表す。アサーションは、雑音を含む受信された信号を表す高又は低の信号であり得る。各アサーションは、幾つかのビットの2進数コードがアサーションを指示するときのように2以上の「パルス」(例えば、1011=イエス;0101=アサートされない)を有するコード化された信号により通信され得る。信号の変調は、FSK、PSK、FM及びAMを含む任意の従来のタイプでよい。
【0069】
RCVD信号: RCVD信号のパートAの中の4パルスに基づいて、最高6つのタグID組み合わせが存在することができ、そして唯2つのタグ送信(各送信に対して2パルス)を有する図示された構成が存在する。前述のプロトコル規則を用いて、実際のタグIDが容易に決定される。次の表は、受信された信号の分析、及びその結果生じた論理結論を表す。
【0070】
【表1】

@0001
【0071】
既知の送信信号から分かるように、XMT−1は、1,6IDを有するタグ送信であり、XMT−2は、1,9IDを有するタグ送信である。
開始パルス(単数又は複数)を用いて、メッセージ送信の始めを定義する。開始パルスは、定義された期間(上記例では、4期間)にわたる連続の搬送波であることができ、又はその開始パルスは、方形波、一連の1及び0、又は特定のコード、又はさもなければ送信の開始を指示する独特の識別子であることができる。ある一定長の間隙又はブランク期間に続くパルスを利用することにより、それを独特の開始機能として更に定義することができる。次いで、開始パルスは、次のデータ又は他の停止又は制御パルス又は情報と一義的に異なり、従ってメッセージ又は他のメッセージの部分に関して容易に決定され且つ識別されることができる。図8の例において、メッセージの開始は、4期間の間隙が続く4期間開始パルスにより指示される。他のプロトコル・パラメータを用い得て、そして特定の時間長を変え得る。
【0072】
また、独特の停止パルスを用いて、メッセージ・ワードの終わり及び/又はメッセージの終わりを定義する。停止パルスは、それが開始パルス、メッセージ、データ及び制御情報から一義的に異なる点で、開始パルスに似ている。図示の実施形態においては、2期間の停止パルス幅が用いられている。
【0073】
第1のメッセージ・ワードは、初期開始パルスと第1の停止パルスとの間に制約される。次に続く複数のワードは、1ワードの停止パルスと次のものとの間に含められる。換言すると、背中合わせのワードのグループは、ワードの全体グループに対して唯1つの開始パルスを有し得る。この場合、追加の停止パルスが、メッセージの最後のワード、例えば、ワードの終わり(EOW:nd ord)及びメッセージの終わり(EOM:nd essage)指示に続くことができる。この実施形態において、EOMにブランク時間、例えば、8期間が続く。非常に大きなブランク時間が、同じタグによる別のメッセージの送信間に用いられ得る。共通の環境においては、メッセージ送信は10ミリ秒を要するかも知れず、そして次の送信は10秒又はそれ以上の間生じないかも知れない。その上、次ぎに続く期間は、メッセージ送信からメッセージ送信まで、プログラムされた時間ダイバーシティの部分として変わって、タグ送信が衝突する機会を最小にする。
【0074】
前述したように、4つのパルスを用いて、タグの識別又はID又は他の制御、センサ、状態、データ又は他の情報を送信する。なお、2つのパルスはパートAの中であり、そして2つの相補(レベル及び時間に関して相補的である)パルスはパートBの中である。典型的なメッセージにおいては、ID又はデータは、70期間(76合計期間−(4開始パルス期間+2停止パルス期間))に開始パルスと停止パルスとの間又は2つの停止パルスの間で送信される。
【0075】
図8の二重パルスの例においては、データの第1のアサーション(ゼロ値)は、第1のパルスが76期間から外れたワード・スロット位置9(パートAのスロットNo.1)に配置され、且つ対応の相補パルスが76期間から外れたワード・スロット位置70(パートBのスロットNo.1)に配置されるときである。全ての有効なパルスは、それらの前後に最小の4スペースを有する。これらの期間は、パルスの存在を差動的に確認する一部である「アンチパルス(anti−pulse)」と考えることができる。データの第2のアサーションは、ワード・スロット位置14(パートAのスロットNo.6)でのパルスとワード・スロット位置65(パートBのスロットNo.6)でのその相補パルスとにより表される。しかしながら、アンチパルスの最小スペーシングは、メッセージ内の第1ビット、第2ビット及び第4ビット間で維持されなければならない。従って、第1ビットがパートAの中のより高いスロット位置に移動するにつれ、ビット・パルスに対する他の代替が低減される。例えば、29番のパート・スロット番号は、パートAとパートBとの間の4期間間隙の要件でもって使用可能である場合、合計300の相互排他的代替が可能である。一般的に、300のうちの256が、ゼロから256(即ち、256代替)に対してコード化されたID又はデータのため用いられ得て、そして44の残りの代替が特別の制御情報を識別するため用いられる。
【0076】
典型的なメッセージにおいて、第1ワードは、メッセージの残りの部分を定義する制御ワードである。次ぎに続くIDワードは典型的には、一連の3ワードであり、従って、それは、256代替即ち1600万の代替を定義することができる。4ワードは40億のコードを定義することができる。このプロトコルの1つの利点は、1つのメッセージのための情報の処理が、どんなコードが期待されるかについてのいずれの前もっての知識無しで実行されることができることである。全読み出しは、メッセージを破損させるかも知れない衝突が無いと仮定して、ワード又はメッセージ・ベースで生じることができる。情報は、1つのメッセージから別のメッセージへ格納される必要が無い。本質的に、受信された各メッセージは、たとえそれが他のメッセージを重なるとしても、解釈及び復号目的のため単一のメッセージとして取り扱うことができる。例えば、メッセージAがその開始パルスにより開始されたように受信され、そしてAが依然処理中にある間にメッセージBが受信される場合、受信器システムは、メッセージAを1つのイベントとして、且つメッセージBを別のイベントとして読み出すことが必要なだけである。高速DSPにおいて採用されているような高速処理を用いて、各イベントが処理タスクを時分割することができる。
【0077】
別の受信され重なっているメッセージCは、割り当てられたタイマ、及び複数のタスク処理環境で個々に復号され且つ解読されたそのメッセージを有することができる。メッセージは、互いにときおり干渉するかも知れないが、しかしながら、これは、各メッセージでもって個々のメッセージ・エラーをもたらす。このエラーの原因及び理由は必ずしも決定されねばならないわけではなく、そして各メッセージは、単純に、独立のイベントとして取り扱うことができる。復号のより高いレベルにおいては、受信された全てのメッセージを点検し、そして1つのメッセージがエラーを別のメッセージに導入してしまうかも知れない仕方を決定することが可能である。次いで、多分、理由が分かっているのでそのエラーを訂正することが可能である。
【0078】
重なり、及び約40%の可能性のある衝突を引き起こす筈であるメッセージ速度及び密度又はタグの数が、最大スループット速度を与えるであろうことが計算された。これは、可能な最小期間を用いてきつく圧縮されたメッセージが3の公称を用いて3から5のメッセージの重なりを処理し得ることを保証する。これは、メッセージの密度の関数である。メッセージは、衝突の重なりを最小にするため非常に長くすることができる。しかしながら、このことは、重なり又は衝突無しで各メッセージを通信するため最大時間を与えるため可能な最短メッセージ長を有することが望ましいので、それ自身の問題を生成する可能性がある。
【0079】
本発明のプロトコルの著しい利点は、パルスが1つの期間又は別の期間に存在することを決定するだけが必要であることである。符号化されたビットの複雑な読み出しは必要でない。差動比較は、復号器において導出された基本基準レベルと全てのパルス・パターンの前後のレベル及び状態との間で行われることができる。即ち、アンチパルスは、パルスとアナログ及び/又はディジタル方法で比較されることができる。定義により全てのデータ又はIDパルスは、2つ又はそれより多いタグ間の重なりがある場合を除いて前後に4つの空のスペース又はアンチパルスを有するべきである。この場合、パルス間のスペースのうち1つ又はそれより多いスペースは、オフ、又はゼロ、又はアンチパルスであるべきである。アンチパルスが、例えば、1ボルトの振幅を有し、且つパルスの存在が4ボルトをもたらす場合、それらの間の差動読み出しは3ボルトである。
【0080】
先に説明したプロトコルを同期及び/又は非同期環境で用いることができる。タグは、それらが移動のような同じイベントにより活動状態にされ、又はそれらに送信を開始させる信号を受信するとき同期化されることができる。非同期環境において、全てのタグは、ランダムに調時され、それらの間で設定関係を持たない。同期環境においては、タグは、全て同じ時間に一緒に開始するよう調時され、従って、衝突のより大きな機会を有する。
【0081】
代替プロトコル機能
本発明の一局面に従って、アサーションは、振幅キーイング、例えば、アサーション=搬送波信号オン、及び非アサーション=搬送波信号オフを用いて与えられる。
【0082】
別のプロトコルの変形においては、タグから受信器へ、送信器からタグへ、又は送信器から受信器(例えば、ロケータから受信器)へのワード送信において、送信の第1ワードは、第2及び後続のワードのため用いられるフォーマットを定義する制御コードを含む固定のフォーマットを有し得る。第2及び後続のワード(別の制御コードがワード・フォーマットを変更するため受信されるまで)は、1つのパートにつきより多くの又はより少ないタイム・スロットを含み得る。異なるアサーション/非アサーション技術は、適切な制御コードにより識別され得る。
【0083】
モニタリング・システム・プロトコルの更に別の変形において、パートA(及び、逆にパートB)は、連続スロットの別個の部分(本明細書では「サブパート(subparts)」と呼ばれる。)に分割され得る。図9を参照すると、ワード900フォーマットは、図8に関して説明したものに類似しているが、サブパートに分割されている。スロットをワード900のフォーマットで仕切ることにより、センサ又はバッテリ読み出し、メモリ又はレジスタの内容のような、複数の個々の情報内容は、他のサブパートの内容とは独立に伝達することができる。
【0084】
モニタリング・システム・プロトコルの更に別の変形に従って、送信されたアサーションの信号強度は、アサーションを特定の送信源(例えば、タグ又はロケータ)に帰するため用いられ得る。この変形において、静止送信源からのアサーションを表す送信された信号の大きさは、受信器からの送信源の距離、又はそれらの間にある障害物に従って変わる。これらの信号の大きさを追跡することにより、様々な送信信号は、特にアサーションが互いに重なっているとき区別されることができる。
【0085】
モニタリング・システム・プロトコルの別の変形において、送信された信号は、スレッショルド信号強度に基づいて選択(又は拒絶)され得る。複数のスレッショルド比較器回路(例えば、図4に示される回路のようなもの)及び/又はディジタル・フィルタリング技術を用いてこの目的を達成し得る。複数のスレッショルド検出器を用いることにより、受信器の感度は、異なる目的のため異なるレベルへ向けて送られ得る。例えば、より高いスレッショルド・レベルを用いて、より近く且つより短いパルス長タグ信号を読み出すため用いられることができ、そしてより低いレベルを用いて、長いレンジを、しかしより長い期間及びパルス長送信を捕捉するため用いることができる。前述したタグ信号強度能力に関して説明した比較器の場合のように、その結果生じる検出された信号は、「AND」演算され、又は「OR」演算され、それにより強い信号が、弱い雑音の多い信号をオーバライドすることができるが、しかし弱い雑音の多い信号を相変わらず読み出すことができる。
【0086】
代替として、信号は、周波数範囲に基づいて選択又は拒絶され得る(1つ又はそれより多い帯域通過フィルタは、このタイプの周波数モニタリングを適応させる。)。
本発明をこれまで主に、無線波及び/又はマイクロ波送信の文脈において送信を放送することに関して説明した。それにも拘わらず、モニタリング・システム及び関連のプロトコルを含む本発明は、任意の周波数の電磁波を利用する任意のタイプの無線通信で用いられ得る。特に、システム構成要素間での放送は、赤外線、又は可視又は非可視光スペクトルの他の通信技術を用いて実行され得ることを意図している。
【0087】
物理的可能性とは反対でないならば、本発明は、(i)任意の手順及び/又は組み合わせで実行され得る、本明細書に記載された方法及びシステム、及び(ii)任意の方法で組み合わされたそれぞれの実施形態の構成要素を考えている。
【0088】
この新規な発明の好適な実施形態が説明されたが、多くの変形及び修正が可能であり、そして本明細書で説明した実施形態は、前述の特定の開示により限定されるものではなく、むしろ特許請求の範囲によってのみ限定されるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケータ・ビーコン、第1及び第2のタグ、及び、モニタ・システムを備え、タグの位置をモニタリングするシステムにおいて、当該システムにより実行される方法であって、
前記第1のタグにおいて、ロケータ・ビーコンから、少なくとも1つのロケータ・メッセージを受信するステップと、
少なくとも部分的に、前記少なくとも1つのロケータ・メッセージに基づいて、前記第1のタグが直前のタグ・メッセージの送信以来移動されたかどうかを決定するステップと、
前記第1のタグが移動されたと決定された場合、メッセージ間間隙の経過を待つこと無しに前記第1のタグ・メッセージの送信を開始するステップと、
その他の場合は、メッセージ間間隙の経過後に前記第1のタグ・メッセージの送信を開始するステップと
前記モニタ・システムにおいて、前記第1のタグから前記第1のタグ・メッセージを受信し、第2のタグから第2のタグ・メッセージを受信するステップであって、前記第1のタグ・メッセージ及び当該第2のタグ・メッセージが、送信プロトコルに従って送信され、当該送信が同時に開始されるものであり、当該送信プロトコルが、当該タグ・メッセージが同時に開始される際に、1つ又はそれより多いタグ・メッセージを解読することを可能とするものであり、並びに、
前記送信プロトコルに基づいて、前記第1の及び第2のメッセージを解読するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
複数のタグの位置をモニタリングするシステムであって、当該システムが以下の(a)、(b)、及び、(c)即ち、
(a)ロケータの識別を含むロケータ・メッセージを送信するための、少なくとも1つのロケータ・ビーコンと、
(b)少なくとも2つのタグであって、当該少なくとも2つのタグの中の各タグが、
前記ロケータ・メッセージを受信するための手段と、
ロケータの識別を含むタグ・メッセージであって、送信プロトコルに従って送信されるタグ・メッセージを送信するための手段と、
を含むものと、
(c)受信システムであって、
前記タグ・メッセージを受信するための手段と、
前記送信プロトコルに従って前記タグ・メッセージを処理するための手段であって、当該送信プロトコルが、2つ又はそれより多いタグが同時に送信を開始する際に、前記タグ・メッセージの解読を可能とするもの、
を含む受信システムと、
を備えるシステム。
【請求項3】
複数のタグの位置をモニタリングするための受信システムであって、
それぞれ第1の及び第2のタグから、送信プロトコルに従って送信された、第1の及び第2のタグ・メッセージを受信するための手段と、
前記第1の及び第2のタグ・メッセージが同時に開始する際に、前記第1の及び第2のタグ・メッセージを解読するための手段と、
を備える受信システム。
【請求項4】
前記送信プロトコルに従って送信されたタグ・メッセージが、それぞれが相補的な、第1の部分、及び、第2の部分を含む、
請求項2に記載されたシステム、又は、請求項3に記載された受信システム。
【請求項5】
前記第2の部分のパルスが、前記第1の部分のパルスに対して、大きさ及び時間が逆である、
請求項4に記載の、システム、又は、受信システム。
【請求項6】
前記送信プロトコルに従って送信されるタグ・メッセージが、所定の数のパルス、及び、複数のパルスの間の最小間隙を含む、請求項2に記載のシステム、又は、請求項3に記載の受信システム。
【請求項7】
前記最小間隙が、4つ又はそれより多いスロットである、請求項6に記載のシステム又は受信システム。
【請求項8】
前記送信プロトコルに従って送信されるタグ・メッセージが、開始パルス、停止パルス、及び、間隙を含む、請求項2に記載のシステム、又は、請求項3に記載の受信システム。
【請求項9】
前記開始パルスが、4つのスロットの幅を有する、請求項8に記載のシステム、又は、受信システム。
【請求項10】
前記少なくとも2つのタグの中の各タグが、更に、
前記ロケータ・メッセージに基づいて、前記タグが、直前のタグ・メッセージの送信以来移動されたかどうかを決定するための手段、及び、
前記タグが移動されたと決定された場合、メッセージ間間隙の経過を待つこと無しに前記タグ・メッセージの送信を開始するための手段、
を含む、請求項2に記載のシステム。

【図1】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−294226(P2009−294226A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215688(P2009−215688)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【分割の表示】特願2003−505886(P2003−505886)の分割
【原出願日】平成14年6月14日(2002.6.14)
【出願人】(501289795)アールエフ・コード・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】