説明

無線送信機、送信信号電力調整装置および送信信号電力調整方法

【課題】簡易かつ低コストで送信信号電力の調整を行えるようにする。
【解決手段】1ビットのデータに対応して2以上の矩形波信号を生成し送信アンテナ3に供給する矩形波信号生成部102を備える。送信アンテナ3から出力される信号は、それぞれの矩形波信号に基づく高周波パルス信号の重ね合わせとなる。したがって、矩形波信号を生成する時間間隔を調整することにより、重ね合わされた高周波パルス信号の電力が加算され、送信信号電力が増幅される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディジタル信号を無線送信する無線送信機および無線送信方法に関し、特に、送信信号電力を調整する無線送信機、送信信号電力調整装置および送信信号電力調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル信号を無線送信する無線送信機としては、データが「1」と「0」の状態にコード化されたディジタル信号(ベースバンド信号)で搬送波(キャリア)を変調する無線送信機が用いられている。図12は、この種の従来の無線送信機の基本構成を示すブロック図である。この無線送信機は、搬送波を生成する電圧制御発振器501と、搬送波に送信したいベースバンド信号を乗算することにより搬送波を変調する乗算器502と、変調された搬送波すなわち被変調波を増幅する送信信号電力調整装置としてのパワーアンプ503と、増幅された被変調波により励振される送信アンテナ504とを有する。
【0003】
送信アンテナ504から送信される信号の電力に応じて、無線通信可能な距離が変わる。したがって、近距離通信用なのか遠距離通信用なのかにより、送信信号電力を調整する必要がある。また、通信環境によって通信可能な距離が変わっても通信できるように、さらに他の無線機器(同じシステムのものに限らない)への干渉を低減するために、送信信号電力を適宜調整可能にしたいという要請もある。従来の無線送信機では、送信信号電力をパワーアンプ503のゲインで調整することができる。
【0004】
図13は、従来のパワーアンプ503の一構成例を示す回路図である。このパワーアンプ503は、高周波アナログ回路から構成され、トランジスタからなる2つの増幅回路M1およびM2を有する。また、前段の増幅回路M1の入力側、前段の増幅回路M1と後段の増幅回路M2との間、および後段の増幅回路M2の出力側には、それぞれ整合回路MAT1,MAT2およびMAT3が設けられている。なお、図13において、C1,C2はコンデンサ、RFC1,RFC2はチョークコイルである。この例では、後段の増幅回路M2のバイアス電圧Vbによって、パワーアンプ503のゲインを調整することができる(例えば、非特許文献1を参照)。
【0005】
一方、搬送波を用いずにベースバンド信号を無線送信するキャリアフリー方式の無線送信機として、UWB(Ultra Wideband)無線送信機が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。UWB無線送信機は、数GHzという極めて広い周波数帯域を用いて無線通信を行うため、送信信号電力調整装置としてのパワーアンプも非常に広帯域なものが必要となる。
【0006】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【特許文献1】特表2003−529273号公報(国際公開第01/073965号パンフレット)
【特許文献2】特表2003−535552号公報(国際公開第01/093441号パンフレット)
【非特許文献1】黒田忠広 監訳,「RFマイクロエレクトロニクス」,丸善株式会社,p.351−352,ISBN 4−621−07005−3
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、搬送波を用いる従来の無線送信機のパワーアンプ503は、高周波アナログ回路から構成されるため、設計が難しく、コストがかかるという問題があった。
また、搬送波を用いない従来の無線送信機では、パワーアンプの帯域が非常に広いため、パワーアンプの設計が更に複雑になり実装が難しく、コストがかかるという問題があった。加えて、パワーアンプの帯域を広く保ちつつゲインを調節することは更に難しく、コストがかかるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易かつ低コストで送信信号電力の調整を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明に係る無線送信機は、入力されたディジタル信号を無線送信する無線送信機であって、前記ディジタル信号の1ビットのデータに対応して2以上の矩形波信号を生成し出力する矩形波信号生成手段と、前記矩形波信号により励振されるアンテナとを備え、前記矩形波信号生成手段は、前記矩形波信号を生成する時間間隔を調整する調整手段を含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る送信信号電力調整装置は、入力されたディジタル信号を無線送信する無線送信機の送信信号電力調整装置であって、前記ディジタル信号の1ビットのデータに対応して2以上の矩形波信号を生成しアンテナに供給する矩形波信号生成手段を備え、この矩形波信号生成手段は、前記矩形波信号を生成する時間間隔を調整する調整手段を含むことを特徴とする。
ここで、前記調整手段は、前記時間間隔を前記矩形波信号のパルス幅の2×n/X倍(Xは前記矩形波信号の高調波成分の次数、nはX/2よりも大きい整数)に調整することができる。
【0011】
また、前記矩形波信号生成手段は、縦続接続された複数の矩形波信号生成回路を備え、前記矩形波信号生成回路は、入力信号を遅延させる遅延回路と、前記入力信号の状態と前記遅延回路の出力信号の状態とが互いに同じか異なるかで出力電圧を変えることにより矩形波信号を生成する演算回路とを備え、前記調整手段は、2段目以降の矩形波信号生成回路に対し前記遅延回路の遅延量を調整するようにしてもよい。
また、前記矩形波信号生成手段は、前記複数の矩形波信号生成回路の出力信号の何れかを選択して前記アンテナに出力するスイッチを更に備えるようにしてもよい。
【0012】
また、上述した送信信号電力調整装置は、前記ディジタル信号をこのディジタル信号における2状態何れかのビットに対応して状態遷移する信号に変換し前記矩形波信号生成手段に出力する信号変換手段を更に備えるものであってもよい。
【0013】
また、本発明に係る送信信号電力調整方法は、入力されたディジタル信号を無線送信する際の送信信号電力調整方法であって、前記ディジタル信号の1ビットのデータに対応して2以上の矩形波信号を生成しアンテナに供給するステップと、前記矩形波信号を生成する時間間隔により送信信号電力を調整するステップとを備えることを特徴とする。
ここで、前記送信信号電力を調整するステップは、前記矩形波信号のパルス幅の2×n/X倍(Xは前記矩形波信号の高調波成分の次数、nはX/2よりも大きい整数)の時間間隔で前記矩形波信号を生成するようにしてもよい。
また、前記矩形波信号を生成するステップは、前記ディジタル信号における2状態何れかのビットに基づき前記矩形波信号を生成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、1ビットのデータに対応して矩形波信号を2以上生成し、これらの矩形波信号をアンテナに供給する。このため、アンテナから出力される信号は、それぞれの矩形波信号に基づく高周波パルス信号の重ね合わせとなる。したがって、矩形波信号が生成される時間間隔を調整することにより、送信信号電力の調整が可能となる。
一方、本発明の各手段は簡単なディジタル回路で実現でき、図13に示したような高周波アナログ回路からなる従来のパワーアンプを用いる必要がない。したがって、設計が簡易になり、低コストで送信信号電力を調整することが可能となる。
【0015】
また、遅延回路と演算回路とからなる複数の矩形波信号生成回路により、1ビットのデータに対応して2以上の矩形波信号を生成することができる。さらに、2段目以降の矩形波信号生成回路に含まれる遅延回路の遅延量により、矩形波信号が生成される時間間隔を変え、送信信号電力を調整することができる。
また、複数の矩形波信号生成回路の出力信号の何れかを選択することにより、1ビットのデータに基づく矩形波信号の数が決定する。この矩形波信号の数、すなわち電力加算に寄与する高周波パルス信号の数により、送信信号電力を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明について詳細に説明する。本発明の実施の形態の説明に入る前に、その基本となる無線送信機について説明する。図1は、この無線送信機の構成を示すブロック図である。図2は、この無線送信機の各部の信号波形の一例を示す図である。
図1に示す無線送信機は、データが「1」と「0」の状態にコード化されたディジタル信号(以下「データ信号」という)をそのデータ信号の状態「1」のビットに対応して状態遷移する信号S1に変換する信号変換部1と、信号変換部1から入力される信号S1の状態遷移に同期して矩形波信号S2を生成する矩形波信号生成部2と、矩形波信号生成部2から供給される矩形波信号S2により励振される送信アンテナ3とから構成される。なお、「矩形波信号」とは、電圧の立ち上がりから立ち下がりまで(場合によっては、立ち下がりから立ち上がりまで)の電圧変化をいう。
【0017】
信号変換部1は更に、上記データ信号とこのデータ信号に同期したクロック信号との論理和を演算するAND回路11と、AND回路11の出力信号がクロック端子clkに入力されるDフリップフロップ回路(DFF)12と、DFF12の出力端子outに入力端子が接続され出力端子がDFF12の入力端子inに接続されるインバータ回路13とから構成される。
【0018】
データ信号とクロック信号とは、図2(A),(B)に示すように互いに同期している。このため、AND回路11の出力信号は、図2(C)に示すように、データ信号の状態「1」のとき、1ビットに対し1クロック分だけ状態が「1」となる。一方、DFF12の入力端子inにはその出力端子outから出力される出力信号S1の反転信号が入力されるので、クロック端子clkに入力されるAND回路11の出力信号の状態が「1」から「0」に遷移するごとに、出力信号S1の状態が「0」→「1」または「1」→「0」に遷移する。
したがって、信号S1は図2(D)に示すように、データ信号の状態「1」のビットに対応して状態遷移する。より具体的には、状態「1」のビットのDuty50%(中央)の位置で状態遷移する。言い換えれば、信号S1の立ち上がりおよび立ち下がりが、データ信号の状態「1」にビットに対応することになる。
【0019】
なお、信号変換部1は図1に示した構成に限らず、同等の機能を有するものであればよい。すなわち、データ信号を状態「0」のビットに対応して状態遷移する信号S1に変換するものであってもよい。また、状態「1」のビットのDuty0%(始まり)または100%(終わり)の位置で状態遷移する信号S1に変換するものであってもよい。
【0020】
また、矩形波信号生成部2は更に、信号S1を任意の時間T遅延させて出力する遅延回路21と、信号S1と遅延回路21の出力信号(時間T遅延した信号S1)との排他的論理和(Exclusive OR,XOR)を演算する排他的論理和回路22とから構成される。信号S1と時間T遅延した信号S1との排他的論理和を演算することにより、図2(E)に示すように、信号S1の立ち上がりおよび立ち下がりに一致して、パルス幅Tの矩形波信号S2が生成される。矩形波信号S2のパルス幅Tは、遅延回路21の遅延量によって決まる。なお、矩形波信号S2のスペクトルを図3に示す。
【0021】
矩形波信号生成部2で生成された矩形波信号S2が送信アンテナ3に供給されることにより、アンテナ帯域に応じて、送信アンテナ3から図2(F)に示すように矩形波信号S2に一致した高周波パルス信号(RFパルス信号)が出力される。したがって、無線送信機からは、データ信号の状態「1」に対応してRFパルス信号が出力されることとなる。
【0022】
ここで、遅延回路21の構成例について説明する。図4は、遅延回路21の構成例を示す回路図である。
遅延回路21は、図4(A)に示すようなDFF41で実現することができる。遅延回路21をDFF41で実現する場合には、DFF41に供給するクロック信号Cの周波数によってDFF41の遅延量が決まり、矩形波信号S2のパルス幅Tが決まる。したがって、クロック制御回路51を用いてDFF41に供給するクロック信号Cの周波数を可変とすることにより、矩形波信号S2のパルス幅Tを動的に変化させることができる。
【0023】
遅延回路21はまた、インバータ回路を複数段つなげても実現できる。図4(B)には、インバータ回路42,45を2段つなげて遅延回路21を実現する例が示されている。4段以上の偶数段をつなげて遅延回路21を実現することもできる。
インバータ回路42,45は、例えば図4(C)に示すように、電圧源vddと接地との間に直列に接続されたPMOS61およびNMOS62から実現することができる。
【0024】
図4(B)に示す例では、インバータ回路42,45の出力端子がMOSスイッチ43,46および容量44,47を介して接地されている。MOSスイッチ43,46のゲート端子電圧Vによってインバータ回路42,45の出力のRC時定数が決まり、遅延量が決まる。したがって、電圧制御回路52を用いてMOSスイッチ43,46のゲート端子電圧Vを可変とすることにより、矩形波信号S2のパルス幅Tを動的に変化させることができる。この場合には、DFF41のようにクロック信号Cを供給する必要がなくなり、遅延回路21を簡易に実現することができる。
また、MOSスイッチ43,46の代わりに抵抗を用いて遅延回路21を実現してもよい。この場合にもRC時定数により遅延量を調整できる。いずれにせよ、遅延回路21は、図4に示した構成には限定されない。
【0025】
以下、矩形波信号S2を送信アンテナ3に供給することにより、送信アンテナ3からRFパルス信号が出力される原理について説明する。ここでは、矩形波信号生成部2が遅延回路21と排他的論理和回路22とから構成される場合を例にとる。
【0026】
図5は、矩形波信号および矩形波信号に含まれる高調波信号成分を示す概念図である。矩形波信号は、矩形波信号と同周期の正弦波信号成分(基本波、1次高調波)、3倍の周波数の正弦波信号成分(3次高調波)、5倍の周波数の正弦波信号成分(5次高調波)、という奇数(2n+1、nは非負整数)次の高調波信号成分からなる。したがって、図2(E)に示す矩形波信号S2のようなパルス幅Tのパルス信号には、2Tを1周期とした正弦波信号およびその高次高調波信号が含まれることになる。このため、中心周波数が1/2Tまたはその奇数倍のアンテナを送信アンテナ3として用いることで、送信アンテナ3を上述した正弦波信号またはその高次高調波信号で励振し、RFパルス信号を送信することが可能となる。
【0027】
具体的には、矩形波信号S2のパルス幅Tを5nsとすると、矩形波信号S2の基本波成分の信号周波数は100MHz(1周期は10ns)となり、高次高調波成分の信号周波数は300MHz、500MHz・・・となる。このため、中心周波数が100MHz、300MHz、500MHzといったアンテナを送信アンテナ3として用いることで、送信アンテナ3からRFパルス信号を送信することが可能となる。
2n+1次高調波成分の信号振幅は、図5に示すように矩形波信号の信号振幅に比べ1/(2n+1)になる(3次高調波では1/3、5次高調波では1/5)。したがって、高次の高調波成分を送信する場合ほど、送信信号電力が小さくなる。
なお、矩形波信号S2のパルス幅Tは、送信アンテナ3の中心周波数が(2n+1)/2Tとなるように決めることができる。
【0028】
図6は、矩形波信号S2の3次高調波成分を送信する場合の信号波形を示す概念図である。図6(A)に示すように矩形波信号S2のパルス幅Tを5nsとすると、図6(B)に示す矩形波信号S2の3次高調波成分の信号周波数は300MHzとなる。したがって、この矩形波信号S2を中心周波数が300MHzの送信アンテナ3に供給すると、送信アンテナ3からは300MHzの周波数で振動する図6(C)に示すようなRFパルス信号が出力される。
このRFパルス信号のパルス幅は、送信アンテナ3のインパルス応答およびアンテナ帯域で決まる。アンテナ帯域が広い場合にはこのパルス幅は短くなり、逆にアンテナ帯域が狭い場合にはこのパルス幅は長くなる。
矩形波信号S2のスペクトルが示されている図3を参照すると、矩形波信号S2の3次高調波成分の周波数は3/2Tに相当するから、3次高調波成分を送信アンテナ3から出力する場合には、図3に示すような帯域の送信アンテナ3を用意すればよい。
【0029】
一般的な近距離の微弱無線通信では、その送信信号電力がかなり小さな値に制限されている。このため、矩形波信号S2の基本波成分を利用すると、送信信号電力が大きく、規制値を超えてしまうことがある。この場合には、減衰器で信号電力を弱めて送信すればよい。また、送信したい信号周波数帯に対応した高次高調波成分を含む矩形波信号S2を生成し、この矩形波信号S2の3次高調波、5次高調波といった信号成分を送信するようにしてもよい。この場合には、高次高調波になるほど信号振幅が小さくなり送信信号電力が小さくなるので、規制値に適合した信号電力の高次高調波成分を選択して使えばよい。高次高調波成分を送信する場合には、基本波成分を送信する場合に比べて、次のような効果も得られる。
【0030】
矩形波信号S2の基本波成分を送信する場合には、遅延回路21で実現しなければならない遅延量が高次高調波成分を送信する場合に比べて短くなり、遅延回路21の実現がより難しくなる。具体的には、500MHz帯のRFパルス信号を送信する場合に、矩形波信号S2の基本波成分を利用すると、1nsの遅延量を実現する必要がある。これに対し、矩形波信号S2の5次高調波成分を利用するならば、5nsの遅延量を実現すればよい。遅延回路21を図4(A)に示すようにDFF41で実現する場合では、前者は1GHzのクロック信号Cが必要になるのに対し、後者は200MHzのクロック信号Cであればよく、クロック生成が高次高調波成分を利用する場合の方が容易である。
さらに、遅延量が小さいほど、矩形波信号S2を出力する排他的論理和回路22も高速に動作する必要がある。遅延量が大きければ、排他的論理和回路22に要求される動作速度は緩和される。
また、規制値に対応した高次高調波成分を利用することで、基本波成分を利用する場合に必要となる減衰器を用いる必要がなくなるといった効果も得られる。
【0031】
次に、本発明の一実施の形態に係る送信信号電力調整装置について説明する。
図7は、本発明の一実施の形態に係る送信信号電力調整装置が適用される無線送信機の構成を示すブロック図である。この図7では、図1に示した構成要素と同一の構成要素に対しては、図1と同一符号を用いている。また、図8は、図7に示す無線送信機の各部の信号波形および信号スペクトルの一例を示す図である。
図7に示す無線送信機は、図1に示した無線送信機の矩形波信号生成部2に代えて、信号変換部1から入力される信号S1の状態遷移に同期して1つまたは2つの矩形波信号を選択的に出力することにより送信信号電力の調整を行う送信信号電力調整部102を用いるものである。
【0032】
送信信号電力調整部102は、縦続接続された第1および第2の矩形波信号生成回路2a,2bからなる矩形波信号生成部20と、第1の矩形波信号生成回路2aの出力端子と送信アンテナ3との間に配置された第1のスイッチ23aと、第2の矩形波信号生成回路2bの出力端子と送信アンテナ3との間に配置された第2のスイッチ23bと、第1および第2のスイッチ23a,23bの開閉を選択的に制御するスイッチ制御回路24とから構成される。
【0033】
第1の矩形波信号生成回路2aは、図1における矩形波信号生成部2と同等のものであり、遅延回路21aと排他的論理和回路22aとから構成され、信号変換部1から入力される信号S1の状態遷移に同期して、図8(A)に示すようなパルス幅T1の矩形波信号S3を1つずつ生成する。矩形波信号S3のパルス幅T1が遅延回路21aの遅延量で決まることは、上述したとおりである。信号S1はデータ信号の状態「1」のビットに対応して状態遷移するので、第1の矩形波信号生成回路2aからはデータ信号の状態「1」のビットに対応して1つの矩形波信号S3が出力される。なお、矩形波信号S3のスペクトルは、図8(B)に示すようになる。
【0034】
第2の矩形波信号生成回路2bは、遅延回路21bと排他的論理和回路22bとから構成される。遅延回路21bは、第1の矩形波信号生成回路2aから入力される矩形波信号S3を時間T2遅延させて出力する。排他的論理和回路22bは、矩形波信号S3と遅延回路21bの出力信号(時間T2遅延した矩形波信号S3)との排他的論理和を演算する。パルス幅T1の矩形波信号S3と時間T2遅延した矩形波信号S3との排他的論理和を演算することにより、図8(C)に示すように、パルス幅T1の矩形波信号がT2の時間間隔で2つ生成される。時間間隔T2は、遅延回路21bの遅延量によって決まる。第2の矩形波信号生成回路2bからは、データ信号の状態「1」のビットに対応して2つの矩形波信号が出力されることになる。これらの矩形波信号を矩形波信号S4と呼ぶ。なお、矩形波信号S4のスペクトルは、図8(D)に示すようになる。
【0035】
スイッチ制御回路24は、第1および第2のスイッチ23a,23bのいずれか一方を閉じるように制御する。第1のスイッチ23aが閉じているときには、第2のスイッチ23bが開き、第1の矩形波信号生成回路2aから出力される矩形波信号S3が送信アンテナ3に供給される。逆に、第2のスイッチ23bが閉じているときには、第1のスイッチ23が開き、第2の矩形波信号生成回路2bから出力される矩形波信号S4が送信アンテナ3に供給される。
【0036】
矩形波信号S3,S4の高次高調波成分を送信する場合には、その高次高調波成分の次数に応じたアンテナが送信アンテナ3として用いられる。例えば、矩形波信号S3,S4の3次高調波成分を送信する場合には、中心周波数が3/(2・T1)のアンテナが送信アンテナ3として用いられる。このように高次高調波成分を送信する場合には、送信信号として矩形波信号S3,S4の何れを選択するかにより、送信信号電力を調整することが可能となる。以下、その理由について説明する。
【0037】
図9は、送信アンテナ3に供給される矩形波信号と送信アンテナ3から出力されるRFパルス信号との関係を示す図である。
図9(A)〜(C)は、単一の矩形波信号を送信アンテナ3に供給し、その3次高調波成分を送信する場合の信号波形であり、矩形波信号S3を送信アンテナ3に供給する場合に相当する。送信アンテナ3から出力される信号は図9(C)に示すようなRFパルス信号になり、このRFパルス信号のパルス幅はアンテナ帯域等に依存して変化する(帯域が広い場合にはパルス幅は短く、狭い場合には長くなる)。
【0038】
図9(D)〜(G)は、図9(A)に示す矩形波信号をそのパルス幅Tと同じ時間間隔Tを置いて2回繰り返して送信アンテナ3に供給し、その3次高調波成分を送信する場合の信号波形であり、矩形波信号S4を送信アンテナ3に供給する場合に相当する。送信アンテナ3から出力される信号は、図9(F)に示すように各矩形波信号に基づくRFパルス信号の重ね合わせとなり、その信号波形は図9(G)に示すようになる。図9(D)に示すように矩形波信号をそのパルス幅Tと同じ時間間隔Tを置いて繰り返すと、その3次高調波成分の位相関係は図9(E)に示すように同位相となる。このような3次高調波成分のRFパルス信号を重ね合わせることにより、RFパルス信号の電力が加算され、送信信号電力が大きくなる。
【0039】
図8(B)および(D)において送信アンテナ3の中心周波数3/2Tを見ると、第1の矩形波信号生成回路2aから出力される矩形波信号S3のスペクトルよりも、第2の矩形波信号生成回路2bから出力される矩形波信号S4のスペクトルの方が、信号電力が大きくなっているのがわかる。矩形波信号S4では矩形波信号S3が2回繰り返されているので、信号電力は2倍(6dB)大きくなっている。
以上のように、矩形波信号S3を送信するときよりも矩形波信号S4を送信するときの方が送信信号電力が大きくなるので、送信信号として矩形波信号S3,S4の何れを選択するかにより、送信信号電力を調整することが可能となる。
【0040】
なお、図9(D)〜(G)に示した例は、矩形波信号のパルス幅Tとその矩形波信号を繰り返す時間間隔Tとが等しいものであった。矩形波信号S4にあてはめると、矩形波信号S4を構成する2つの矩形波信号のパルス幅T1と生成時間間隔(矩形波信号の立ち上がりまたは立ち下がりからその次の矩形波信号の立ち上がりまたは立ち下がりまでの時間間隔)T2がT2=2×T1の関係となる。しかし、3次高調波成分を送信する場合には、各矩形波信号の3次高調波成分の位相関係が同位相になれば信号電力が加算されるので、T2=2×T1×n/3(nは2以上の整数)となるように生成時間間隔T2を設定すればよい。n=1が除かれるのは、2つの矩形波信号が重なってしまうからである。なお、nの上限は、2つの矩形波信号が図7におけるデータ信号の同一ビットの時間内で生成されるように決められる。
【0041】
5次高調波成分を送信するのであれば、各矩形波信号の5次高調波成分の位相関係が同位相になるように、T2=2×T1×n/5(nは3以上の整数)となるように設定すればよい。
一般化すれば、X次高調波成分(Xは正の奇数)を送信する場合には、T2=2×T1×n/X(nはX/2よりも大きい整数)とすればよい。
したがって、矩形波信号の生成時間間隔T2を2×T1×n/Xとし、それぞれの矩形波信号の高調波成分の位相関係を同位相とすることにより、送信信号電力を調整することが可能となる。
【0042】
図10は、遅延回路21a,21bの構成例を示す回路図である。
図1における遅延回路21と同様に、遅延回路21a,21bは図10(A)に示すようなDFF41a,41bで実現することができる。
遅延回路21aをDFF41aで実現する場合には、DFF41aに供給するクロック信号C1の周波数によってDFF41aの遅延量が決まり、矩形波信号S3のパルス幅T1が決まる。したがって、クロック制御回路51aを用いてクロック信号C1の周波数を可変とすることにより、矩形波信号S3のパルス幅T1を動的に変化させることができる。この場合には、クロック制御回路51aが、矩形波信号S3のパルス幅T1を調整する調整手段として機能する。
【0043】
遅延回路21bをDFF41bで実現する場合には、DFF41bに供給するクロック信号C2の周波数によってDFF41bの遅延量が決まり、矩形波信号S4を構成する2つの矩形波信号の生成時間間隔T2が決まる。したがって、クロック制御回路51bを用いてクロック信号C2の周波数を可変とすることにより、矩形波信号の生成時間間隔T2を動的に変化させることができる。この場合には、クロック制御回路51bが、矩形波信号の生成時間間隔T2を調整する調整手段として機能する。
【0044】
遅延回路21a,21bはまた、インバータ回路を複数段つなげても実現できる。図10(B)には、インバータ回路42a,45aを2段つなげて遅延回路21aを実現し、インバータ回路42b,45bを2段つなげて遅延回路21bを実現する例が示されている。それぞれ4段以上の偶数段をつなげて遅延回路21a,21bを実現することもできる。
図10(B)に示す例では、インバータ回路42a,45a,42b,45bの出力端子がMOSスイッチ43a,46a,43b,46bおよび容量44a,47a,44b,47bを介して接地されている。MOSスイッチ43a,46aのゲート端子電圧V1によってインバータ回路42a,45aの出力のRC時定数が決まり、MOSスイッチ43b,46bのゲート端子電圧V2によってインバータ回路42b,45bの出力のRC時定数が決まり、それぞれの遅延量が決まる。
【0045】
したがって、電圧制御回路52aを用いてMOSスイッチ43a,46aのゲート端子電圧V1を可変とすることにより、矩形波信号S3のパルス幅T1を動的に変化させることができる。この場合には、電圧制御回路52aが、矩形波信号S3のパルス幅T1を調整する調整手段として機能する。
また、電圧制御回路52bを用いてMOSスイッチ43b,46bのゲート端子電圧V2を可変とすることにより、矩形波信号の生成時間間隔T2を動的に変化させることができる。この場合には、電圧制御回路52bが、矩形波信号の生成時間間隔T2を調整する調整手段として機能する。
【0046】
また、MOSスイッチ43a,46a,43b,46bの代わりに抵抗を用いて遅延回路21a,21bを実現してもよい。この場合にもRC時定数により遅延量を調整できる。いずれにせよ、遅延回路21a,21bは、図10に示した構成には限定されない。
【0047】
なお、排他的論理和回路(Exclusive OR回路)22a,22bの代わりに、Exclusive NOR回路を用いてもよい。すなわち、入力信号の状態と遅延回路21a,21bの出力信号の状態とが互いに同じか異なるかで出力電圧を変えることにより矩形波信号を生成する演算回路を用いることが可能である。
【0048】
本実施の形態では、図7に示したように送信信号電力調整部102に縦続接続された2つの矩形波信号生成回路2a,2bを設け、データ信号の状態「1」のビットに対応して1つまたは2つの矩形波信号を出力できるようにした。同様に、送信信号電力調整部に縦続接続された3つ以上の矩形波信号生成回路を設け、データ信号の状態「1」のビットに対応して3つ以上の矩形波信号を出力できるようにしてもよい。矩形波信号の数を増やすことにより、その数に応じたRFパルス信号の電力が加算されるので、送信信号電力を更に大きくすることができる。
【0049】
図11は、3つの矩形波信号生成回路が設けられた送信信号電力調整部の構成例を示すブロック図である。この図11では、図1または図7に示した構成要素と同一の構成要素に対しては、図1または図7と同一符号を用いている。
【0050】
図11に示す送信信号電力調整部202には、縦続接続された3つの矩形波信号生成回路2a,2b,2cからなる矩形波信号生成部220が設けられている。2段目以降の矩形波信号生成回路2b,2cの遅延回路21b,21cの遅延量を等しくすることにより、矩形波信号生成回路2cの排他的論理和回路22cにおいて、3つの矩形波信号が等しい時間間隔で生成される。これらの矩形波信号を矩形波信号S5と呼ぶ。遅延回路21b,21cを図10(A)と同様にDFFで実現する場合、それぞれの遅延量を等しくするには、遅延回路21b,21cを構成するDFFに対し同一のクロック制御回路からクロック信号を共通に供給すればよい。また、遅延回路21b,21cを図10(B)と同様にインバータ回路で実現する場合には、遅延回路21b,21cを構成するインバータ回路に対し同一の電圧制御回路からゲート端子電圧を共通に供給すればよい。いずれにせよ、クロック制御回路および電圧制御回路等の調整手段を用いて、2段目以降の矩形波信号生成回路2b,2cに対し遅延回路21b,21cの遅延量を調整することになる。
【0051】
矩形波信号生成回路2cの出力端子と送信アンテナ3との間には、第3のスイッチ23c配置されている。スイッチ制御回路224は、第1〜第3のスイッチ23a〜23cの開閉を選択的に制御し、矩形波信号生成回路2a〜2cから出力される矩形波信号S3〜S5の何れかを送信アンテナ3に供給する。矩形波信号S3〜S5の何れを選択するかにより、データ信号の状態「1」のビットに対応して送信アンテナ3に供給される矩形波信号の数が決定する。この矩形波信号の数、すなわち電力加算に寄与するRFパルス信号の数により、送信信号電力を調整することが可能となる。
なお、送信信号電力調整部においてデータ信号の同一ビットに対応して生成される矩形波信号の数の上限は、これらの矩形波信号がそのビットの時間内に生成されるように決められる。
【0052】
本実施の形態に係る送信信号電力調整部102,202は、簡単なディジタル回路で実現でき、図13に示したような高周波アナログ回路からなる従来のパワーアンプを用いる必要がない。したがって、設計が簡易になり、低コスト、低電力で送信信号電力を調整することが可能となる。
なお、本実施の形態に係る送信信号電力調整部102,202が適用された無線送信機に対応する無線受信機は、例えば、送信信号を受信する受信アンテナと、受信された信号を増幅するローノイズアンプと、増幅された信号を検波する包絡線検波器と、検波された信号をカウントすることにより図1における信号S1を復元する2進カウンタと、信号S1の立ち上がりまたは立ち下がりに同期して状態「1」を出力することにより図1におけるデータ信号を復元する信号変換器とから構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、例えば近距離の微弱無線通信に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の基本となる無線送信機の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す無線送信機の各部の信号波形の一例を示す図である。
【図3】矩形波信号生成部から出力される矩形波信号のスペクトルを示す図である。
【図4】図1における遅延回路の構成例を示す回路図である。
【図5】矩形波信号および矩形波信号に含まれる高調波信号成分を示す概念図である。
【図6】矩形波信号生成部から出力される矩形波信号の3次高調波成分を送信する場合の信号波形を示す概念図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る送信信号電力調整装置が適用される無線送信機の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示す無線送信機の各部の信号波形および信号スペクトルの一例を示す図である。
【図9】送信アンテナに供給される矩形波信号と送信アンテナから出力されるRFパルス信号との関係を示す図である。
【図10】図7における遅延回路の構成例を示す回路図である。
【図11】送信信号電力調整部の変形例を示すブロック図である。
【図12】搬送波を用いる従来の無線送信機の基本構成を示すブロック図である。
【図13】従来のパワーアンプの一構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0055】
1…信号変換部、2,20,220…矩形波信号生成部、102,202…送信信号電力調整部、2a〜2c…矩形波信号生成回路、3…送信アンテナ、11…AND回路、12…DFF(Dフリップフロップ回路)、13…インバータ回路、21,21a〜21c…遅延回路、22,22a〜22c…排他的論理和回路、23a〜23c…スイッチ、24,224…スイッチ制御回路、41,41a,41b…DFF(Dフリップフロップ回路)、42,42a,42b,45,45a,45b…インバータ回路、43,43a,43b,46,46a,46b…CMOSスイッチ、44,44a,44b,47,47a,47b…容量、51,51a,51b…クロック制御回路、52,52a,52b…電圧制御回路、61…PMOS、62…NMOS、C,C1,C2…クロック信号、S1…信号変換部の出力信号、S2〜S5…矩形波信号、V,V1,V2…ゲート端子電圧。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力されたディジタル信号を無線送信する無線送信機であって、
前記ディジタル信号の1ビットのデータに対応して2以上の矩形波信号を生成し出力する矩形波信号生成手段と、
前記矩形波信号により励振されるアンテナとを備え、
前記矩形波信号生成手段は、前記矩形波信号を生成する時間間隔を調整する調整手段を含むことを特徴とする無線送信機。
【請求項2】
入力されたディジタル信号を無線送信する無線送信機の送信信号電力調整装置であって、
前記ディジタル信号の1ビットのデータに対応して2以上の矩形波信号を生成しアンテナに供給する矩形波信号生成手段を備え、
この矩形波信号生成手段は、前記矩形波信号を生成する時間間隔を調整する調整手段を含むことを特徴とする送信信号電力調整装置。
【請求項3】
請求項2に記載の送信信号電力調整装置において、
前記調整手段は、前記時間間隔を前記矩形波信号のパルス幅の2×n/X倍(Xは前記矩形波信号の高調波成分の次数、nはX/2よりも大きい整数)に調整することを特徴とする送信信号電力調整装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の送信信号電力調整装置において、
前記矩形波信号生成手段は、縦続接続された複数の矩形波信号生成回路を備え、
前記矩形波信号生成回路は、入力信号を遅延させる遅延回路と、前記入力信号の状態と前記遅延回路の出力信号の状態とが互いに同じか異なるかで出力電圧を変えることにより矩形波信号を生成する演算回路とを備え、
前記調整手段は、2段目以降の矩形波信号生成回路に対し前記遅延回路の遅延量を調整することを特徴とすることを特徴とする送信信号電力調整装置。
【請求項5】
請求項4に記載の送信信号電力調整装置において、
前記矩形波信号生成手段は、前記複数の矩形波信号生成回路の出力信号の何れかを選択して前記アンテナに出力するスイッチを更に備えることを特徴とする送信信号電力調整装置。
【請求項6】
請求項2〜5の何れか1項に記載の送信信号電力調整装置において、
前記ディジタル信号をこのディジタル信号における2状態何れかのビットに対応して状態遷移する信号に変換し前記矩形波信号生成手段に出力する信号変換手段を更に備えることを特徴とする送信信号電力調整装置。
【請求項7】
入力されたディジタル信号を無線送信する際の送信信号電力調整方法であって、
前記ディジタル信号の1ビットのデータに対応して2以上の矩形波信号を生成しアンテナに供給するステップと、
前記矩形波信号を生成する時間間隔により送信信号電力を調整するステップと
を備えることを特徴とする送信信号電力調整方法。
【請求項8】
請求項7に記載の送信信号電力調整方法において、
前記送信信号電力を調整するステップは、前記矩形波信号のパルス幅の2×n/X倍(Xは前記矩形波信号の高調波成分の次数、nはX/2よりも大きい整数)の時間間隔で前記矩形波信号を生成することを特徴とする送信信号電力調整方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の送信信号電力調整方法において、
前記矩形波信号を生成するステップは、前記ディジタル信号における2状態何れかのビットに基づき前記矩形波信号を生成することを特徴とする送信信号電力調整方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−115218(P2006−115218A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300545(P2004−300545)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】