説明

無線送信装置、無線送信システム、無線通信システム、無線送信方法およびプログラム

【課題】ビット誤り率および伝送効率の低下を防ぐとともに、各アンテナの送信電力を有効に利用できる無線送信装置
【解決手段】変調信号から2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部と、参照信号を生成する参照信号生成部と、参照信号と冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが指定された1つまたは複数の信号配置パターンのうちの何れかに従い、送信信号各々の送信電力を調整するとともに、送信信号各々を割当てるマッピング部と、マッピング部が配置した信号を送信する送信部とを具備する無線送信装置において、パターンのうちの1つである第1のパターンは、冗長化信号が半分ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、この2つのアンテナには、同じ時間領域かつ異なる周波数領域に参照信号が割り当てられるパターンであることを特徴とする無線送信装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線送信装置、無線送信システム、無線通信システム、無線送信方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)方式などの通信において用いられる、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交波周波数分割多重)シンボルには参照信号が含まれており、この参照信号は、チャネル推定およびCQI(Channel Quality Indicator:チャネル品質指標)推定などに用いられる。
この参照信号は、サブキャリアあたり任意の1つのアンテナにのみ挿入することができる特徴を有しており、その電力が増すほど、また、その数が多いほど各種推定の精度が改善される。
【0003】
一方、参照信号の電力を増やす場合、OFDMシンボルの電力も増えるため、後の電力制御などに影響を与える。よって参照信号の電力を増やす場合、通常はOFDMシンボルに含まれるデータ信号の電力を減らし、OFDMシンボルの電力を一定に保つことがおこなわれる。
この手法として、現在多くの提案がなされている。
【0004】
非特許文献1および非特許文献2では、参照信号の電力を増やすため、データ信号の電力を減らす提案をおこなっている。この文献では、あるOFDMシンボルに含まれる参照信号の電力の増分を同一のOFDMシンボルに含まれるデータ信号の電力から均等に供給することとしている。
本手法は処理の負荷が軽いという特徴があるが、同時にデータ信号の電力を減らすことにより信号対雑音比の悪化をもたらすため、これに伴う、ビット誤り率の上昇および伝送効率の低下という悪影響が生じる。
【0005】
非特許文献3および非特許文献4では、参照信号の電力を増やすため、データ信号の数を減らす提案がなされている。この文献では、OFDMシンボルに含まれる参照信号の電力の増分を同一のOFDMシンボルに含まれるデータ信号の数の減少分から供給することとしている。
本手法は、非特許文献1および非特許文献2ほどのビット誤り率および伝送効率の劣化がないという特徴があるが、処理の負荷が重いことが問題となっている。
【0006】
また、通信品質の向上を図るための技術として、複数のアンテナを用いるアンテナダイバシティ技術がある(下記非特許文献5、非特許文献6参照)。例えば、4本の送信アンテナを用いた送信ダイバシティ方式として、SFBC+FSTD(Frequency Switched Transmit Diversity;周波数切換送信ダイバシティ)およびSFBC(Space Frequency Block Code:空間周波数ブロック符号)などがある。
【0007】
この場合、各アンテナから送信される参照信号は時間軸に短周期的に配置されることが望ましいが、この周期が長いアンテナが存在すると、移動局の高速移動時の特性劣化の原因となる。
【非特許文献1】3GPP TSG RAN1 #50、Athens、Greece、August 20−24、2007、R1−073557、“Power Scaling and DL RS boosting in a Multi−antenna System”
【非特許文献2】3GPP TSG RAN1 #46bis、Seoul、Korea、October 9−13、2006、R1−062608、“Issues of non−overlapping DL reference signal with power boosting”
【非特許文献3】3GPP TSG RAN1 #47bis、Sorrento、Italy、January 15−19、2007、R1−070250、“Downlink transmit power boosting”
【非特許文献4】3GPP TSG RAN1 #47bis、Sorrento、Italy、January 15−19、2007、R1−070088、“Power Boosting of Reference Signal in E−UTRA Downlink”
【非特許文献5】立川 敬二、“W−CDMA移動通信方式”、ISBN4−621−04894−5、P103、P115など。
【非特許文献6】“3GPP TS 36.211 V8.0.0”
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、参照信号の電力の増分を、同一のOFDMシンボルに含まれるデータ信号の電力から均等に供給する方法にあっては、データ信号の電力が削減されるため信号対雑音比が悪化し、ビット誤り率が大きくなるという問題がある。
また、参照信号の電力の増分を、同一のOFDMシンボルに含まれるデータ信号の数の減少分から供給する方法にあっては、データ信号に周波数切換送信ダイバシティFSTDと空間周波数ブロック符号SFBC、あるいは、空間周波数ブロック符号SFBCのみを用いていると、データ信号の削減は信号毎に行えず、空間周波数ブロック符号SFBCによるブロック単位毎となるため、参照信号が割り当てられていないアンテナ向けのデータ信号も削減されてしまうので、受信側で充分な信号対雑音比が得られていても、該アンテナの送信電力を一定に保つために、該アンテナに割り当てられたデータ信号の電力を上げなければならないという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ビット誤り率および伝送効率の低下を防ぐとともに、各アンテナの送信電力を有効に利用できる無線送信装置、無線送信システム、無線通信システム、無線送信方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の無線送信装置は、予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部と、通信相手において既知の参照信号を生成する参照信号生成部と、前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが指定された1つまたは複数の信号配置パターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てるマッピング部と、前記マッピング部が割り当てた信号を、前記割り当てたアンテナを用いて送信する送信部とを具備する無線送信装置において、前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられるパターンであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の無線送信装置は、上述の無線送信装置であって、前記第1のパターンは、同じ時間領域に割り当てられる参照信号の送信電力の前記アンテナ毎の合計が前記2つのアンテナの間で同じになっているパターンであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の無線送信装置は、上述の無線送信装置であって、前記パターンは複数あり、前記パターンのうちのもう1つである第2のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が、前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナのうち、1つにのみ前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力は前記冗長化信号の送信電力と等しいパターンであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の無線送信装置は、上述の無線送信装置であって、前記第1のパターンは、前記第2のパターンから、前記参照信号が割り当てられている時間領域に割り当てる前記冗長化信号の数を削減し、該削減することにより冗長化信号が割り当てられなくなった周波数領域に、該時間領域において前記参照信号が割り当てられていなかったアンテナに参照信号を割り当てたパターンであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の無線送信装置は、上述の無線送信装置であって、前記第1のパターンは、前記第2のパターンから、前記参照信号が割り当てられている時間領域に割り当てる前記冗長化信号の数を削減し、さらに少なくとも一部の前記冗長化信号を割当てる周波数領域を変更することにより、前記冗長化信号が割り当てられなくなった周波数領域が周波数方向に等間隔になるようにし、前記冗長化信号が割り当てられなくなった周波数領域、かつ、該時間領域において前記参照信号が割り当てられていなかったアンテナに参照信号を割り当てたパターンであることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の無線送信装置は、上述のいずれかの無線送信装置であって、前記第1のパターンは、前記第2のパターンから削減された前記冗長化信号に応じた分の送信電力を、該削減された冗長化信号のアンテナに割り当てられた参照信号に割振られたパターンであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の無線送信装置は、上述の無線送信装置であって、前記パターンのうちのもう1つである第3のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が、前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナのうち、1つにのみ前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号が割り当てられた時間領域には、いずれの前記アンテナにも信号が割り当てられていない周波数領域があり、前記参照信号の送信電力は前記冗長化信号の送信電力より大きいパターンであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の無線送信システムは、制御装置と無線送信装置とを具備する無線送信システムにおいて、前記無線送信装置は、予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部と、通信相手において既知の参照信号を生成する参照信号生成部と、前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが決められた複数のパターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てるマッピング部と、前記マッピング部が割り当てた信号を、前記割り当てたアンテナを用いて送信する送信部とを具備し、前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力が前記送信信号の送信電力より大きいパターンであり、前記制御装置は、前記無線送信装置と通信相手との間の伝搬路の時間変動が大きいと判定したときは、該通信相手宛ての送信信号には前記第1のパターンを用いるように、前記無線送信装置を制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の無線送信システムは、上述の無線送信システムであって、前記制御装置は、前記通信相手の移動速度に基づき、前記伝播路の時間変動を判定することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の無線送信システムは、上述のいずれかの無線送信システムであって、前記第1のパターンは、同じ時間領域に割り当てられる参照信号の送信電力の前記アンテナ毎の合計が前記2つのアンテナの間で同じになっているパターンであることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の無線通信システムは、制御装置と無線送信装置と端末装置とからなる無線通信システムにおいて、前記無線送信装置は、予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部と、前記端末装置において既知の参照信号を生成する参照信号生成部と、前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが決められた複数のパターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てるマッピング部と、 前記マッピング部が割り当てた信号を、前記割り当てたアンテナを用いて送信する送信部とを具備し、前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力が前記送信信号の送信電力より大きいパターンであり、前記制御装置は、前記無線送信装置と通信相手との間の伝搬路の時間変動が大きいと判定したときは、該通信相手宛ての送信信号には前記第1のパターンを用いるように、前記無線送信装置を制御し、前記端末装置は、前記無線送信装置が送信した信号を受信し、該受信した信号の割り当てに用いられた前記パターンを検出し、該パターンに従い、前記受信した信号から変調信号を抽出することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の無線送信方法は、無線送信装置が、予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成する第1の過程と、前記無線送信装置が、通信相手において既知の参照信号を生成する第2の過程と、前記無線送信装置が、前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが決められた1つまたは複数のパターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てる第2の過程と、前記無線送信装置が、前記第2の過程にて割り当てた信号を、前記割り当てたアンテナを用いて送信する第3の過程とを有する無線送信方法において、前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記第1の過程にて生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力は前記送信信号の送信電力より大きいパターンであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のプログラムは、複数のアンテナを用いて信号を送信する無線送信装置のコンピュータを、予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部、通信相手において既知の参照信号を生成する参照信号生成部、前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが決められた1つまたは複数のパターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てるマッピング部として機能させるプログラムにおいて、前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力は前記送信信号の送信電力より大きいパターンであること
を特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、基地局装置のブロック符号化部が生成した冗長化信号の送信電力を増加あるいは減少させずに、複数のアンテナ間のバランスを崩すことなく参照信号の送信電力を増加させることができ、冗長化信号の送信電力減少によるビット誤り率および伝送効率の低下を防ぐとともに、各アンテナの送信電力を有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、図面を用いて本発明の各実施形態を説明する。以下の実施形態ではOFDMA方式の通信において、予め配置されている参照信号およびその参照信号を含むOFDMシンボル以外のOFDMシンボルに影響を与えることなく、参照信号の数を増やす手法の説明をおこなう。
【0025】
図1は、基地局装置が端末装置へ送信する送信フレームの構成を示す図である。図1において、縦軸は周波数軸であり、横軸は時間軸であり、送信フレームは、時間方向に20個、周波数方向に送信側のシステム帯域幅の分のリソースブロックから構成されている。リソースブロックは、時間方向および周波数方向に予め決められた数(例えば、時間方向に「14」、周波数方向に「12」)のリソースエレメントから構成されており、端末装置へ送信する信号を割り当てる単位である。すなわち、リソースブロック毎に、異なる端末装置へ送信する信号を配置することができる。また、リソースエレメントは、OFDM信号を配置する単位であり、時間方向が1OFDMシンボル、周波数方向が1サブキャリアからなる無線領域である。図1において、1番小さな四角の升目が、1つのリソースエレメントを示す。また、1リソースブロックの時間長を、1スロットと呼び、2スロットの時間長を、1サブフレームという。
【0026】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態における無線通信システムは、基地局装置100と、基地局装置100と通信する複数の端末装置200とを具備する。本実施形態では、送信装置130と制御装置110とで、無線送信システムとして機能する。図2は、本実施形態による基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置100は、送信装置(無線送信装置)130と、受信装置120と、送信装置130および受信装置120を制御する制御装置110とを具備する。送信装置130は、SFBC符号化部10、マッピング部11、参照信号生成部13、4つの送信処理部20−1〜20−4を備えている。各送信処理部20は、iFFT(inverse Fast Fourier Transform;逆高速フーリエ変換)部21、CP(Cyclic Prefix;サイクリックプレフィックス)挿入部22、D/A(Digital/Analogue;ディジタル/アナログ)変換部23、RF(Radio Frequency;無線周波数)部24(信号送信部ともいう)およびアンテナ25を備えている。また、マッピング部11は、パターンバンク部12を備えている。
【0027】
送信装置130は、外部から変調信号が入力される。この変調信号には、制御装置110の信号配置パターン選択部30にて選択された信号配置パターンの識別情報の信号である変調信号が含まれている。SFBC(Space Frequency Block Code:空間周波数ブロック符号)符号化部(ブロック符号化部)10は、外部および制御装置110からの変調信号を予め決められた所定数である2つずつに区切り、この2つの変調信号をSFBC符号化して、倍の4つのデータ信号(冗長化信号)を生成し、マッピング部11に出力する。ただし、上記は例示であって、変調信号の数は2つに限定されない、また変調信号から生成されるデータ信号の数も変調信号の倍の4つに限定されない。ここで、1つの変調信号とは、1つの変調シンボルを表す信号である。なお、SFBC符号化部10の詳細については後述する。参照信号生成部13は、送信処理部20−1〜20−4の各アンテナ25向けの参照信号であって、端末装置200において既知の信号である参照信号を生成する。
【0028】
マッピング部11は、制御装置110から受けた信号配置パターンの識別信号に該当する信号配置パターンをパターンバンク部12より取得する。ここで信号配置パターンは、データ信号および参照信号の各々を割り当てるリソースエレメント(時間領域と周波数領域とを特定された領域)と送信処理部20−1〜20−4のいずれかのアンテナ25とにより特定される領域を指定し、さらにデータ信号および参照信号の各々の送信電力を指定する情報である。次に、マッピング部11は、取得した信号配置パターンに従い、データ信号および参照信号の送信電力を調整するとともに、データ信号および参照信号の各々を、リソースエレメントと送信処理部20−1〜20−4のいずれかのアンテナ25とにより特定される領域に配置する。
【0029】
その後、マッピング部11は、各アンテナ25に割り当てた信号を、該当するアンテナ25に連なるiFFT部21に出力する。iFFT部21は、マッピング部11から受けた信号を逆フーリエ変換する。この逆フーリエ変換された信号に、CP挿入部22がサイクリックプレフィックスCPを挿入し、さらにD/A変換部23がこのサイクリックプレフィックスCPが挿入されたディジタル信号をアナログ信号に変換する。RF部24は、このアナログ信号を、無線周波数にアップコンバートし、アンテナ25を介して端末装置200に送信する。
【0030】
マッピング部11は、パターンバンク部12を具備する。パターンバンク部12は、図6の1番目の信号配置パターン、図7(a)の2番目の信号配置パターン、図7(b)の3番目の信号配置パターン、図8(a)の4番目の信号配置パターン、および図8(b)の5番目の信号配置パターンの5つの信号配置パターンを表す情報を記憶している。これらの信号配置パターンについては、各図の説明において後ほど詳述する。
【0031】
受信装置120は、端末装置200(図4)からの信号をアンテナ(図示せず)を介して受信する。受信装置120は、速度取得部40および受信電力取得部41を具備し、速度取得部40は、端末装置200の移動速度を表す情報を、受信した信号から取得し、制御装置110へ出力する。受信電力取得部41は、端末装置200が送信した端末装置200における送信装置130から受信した信号の受信電力を表す情報を、受信した信号から取得し、制御装置110へ出力する。受信装置120は、移動速度を表す情報および受信電力を表す情報以外の情報を担う信号を受信して出力するが、その点の説明は省略する。
【0032】
制御装置110は、受信装置120から受けた情報に基づき、送信装置130を制御する。制御装置110は、信号配置パターン選択部30を備える。信号配置パターン選択部30は、受信装置120から受けた各端末装置200の移動速度を表す情報と、各端末装置200の受信電力を表す情報とに基づき、信号配置パターンを選択し、選択した信号配置パターンを表す識別信号を送信装置130のマッピング部11に出力するとともに、信号配置パターンを表す識別情報の変調信号をSFBC符号化部10に出力する。信号配置パターン選択部30による信号配置パターンの選択方法については、各信号配置パターンの説明とともに、後述する。
【0033】
図3は、本発明の第1の実施形態によるSFBC符号化部10の構成を示す概略ブロック図である。SFBC符号化部10は、S/P(Serial/Parallel)変換部(シリアル/パラレル変換部)15および符号化部16を備えている。S/P変換部15は、信号路1(図2に示したSFBC符号化部10への入力のいずれか一つ)において外部から入力された変調信号S、Sの順のシリアル入力を、信号路2に変調信号Sを出力し、信号路3に変調信号Sを出力というようにパラレル出力する。なお、ここで信号路1を1つのみ示したが、図2に示したSFBC符号化部10への複数の入力のうち、いずれの入力についても、S/P変換部15は、信号路1として扱う。すなわち、変調信号S、Sは、同じ入力から連続して入力された変調信号であることを表している。
【0034】
符号化部16は、信号路2および信号路3から受けた変調信号S、SをSFBC符号化し、信号路4にデータ信号Sおよび−Sの順にシリアル出力し、信号路5にデータ信号SおよびSの順にシリアル出力する。ただし、*は共役複素数を示す。ここで、符号化部16が信号路4および信号路5にそれぞれ出力した2つのデータ信号は、マッピング部11により、同じアンテナ25に割り当てられる信号である。
【0035】
図4は、本実施形態による端末装置200の構成を示す概略ブロック図である。端末装置200は、受信処理部50、SFBC復号化部60、制御部70、速度検出部71、送信処理部72を備えている。受信処理部50は、受信アンテナ51、RF部52(信号受信部ともいう)、A/D(Analogue/Digital;アナログ/ディジタル変換)部53(アナログ/ディジタル変換部)、CP除去部54(サイクリックプレフィックス除去部)、FFT部55(高速フーリエ変換部)、等化部56、デマッピング部57(信号配置パターン特定部、データ信号取得部ともいう)、受信電力検出部58を備えている。
【0036】
RF部52は、基地局装置100の送信装置130から送信された信号を、受信アンテナ51を介して受信し、ベースバンド周波数にダウンコンバートして、A/D変換部53に出力する。A/D変換部53は、RF部52から受けた信号をアナログ/ディジタル変換し、ディジタル信号を出力する。CP除去部54は、A/D変換部53から受けたディジタル信号からサイクリックプレフィックスCPの区間を除去する。FFT部55は、CP除去部54にてサイクリックプレフィックスCPの区間が除去された信号について、高速フーリエ変換して各サブキャリアの信号を生成し、等化部56と受信電力検出部58に出力する。
【0037】
等化部56は、制御部70から指定された信号配置パターンから参照信号の配置と送信電力の値とを取得する。次に、等化部56は、FFT部55から受けた各サブキャリアの信号に含まれる参照信号を、先に取得した参照信号の配置に基づき抽出し、該抽出した参照信号と、先に取得した送信電力の値と用いてチャネル推定をおこない、この推定結果を用い、FFT部55から受けた各サブキャリアの信号のうち、当該端末装置200宛てのリソースブロックのデータ信号を等化する。さらに等化部56は、データ信号を等化したリソースブロックおよびそのリソースブロックの信号配置パターンをデマッピング部57へ出力する。
【0038】
デマッピング部57は、等化部56から受けた信号配置パターンに基づき、等化部56から受けたリソースブロックからデータ信号を抽出し、抽出したデータ信号をSFBC復号化部60に出力する。受信電力検出部58は、FFT部55から受けた各サブキャリアの信号の受信電力を検出し、検出した受信電力を表す情報を制御部70に通知する。
SFBC復号化部60は、デマッピング部57からデータ信号を受けると、データ信号をSFBC復号化し、SFBC復号化された信号を変調信号として外部に出力する。なお、SFBC復号化部60は、これらの変調信号のうち、信号配置パターンを指定する識別情報の変調信号については、制御部70に出力する。
【0039】
制御部70は、SFBC復号化部60から信号配置パターンを指定する識別情報を受けて、該信号配置パターンを指定する識別信号を等化部56に出力する。また制御部70は、受信電力検出部58から受信電力を表す情報を受け、速度検出部71から当該端末装置200の移動速度を表す情報を受け、これらの情報の送信を送信処理部72に指示する。速度検出部71は、当該端末装置200の移動速度を検出して、該移動速度を表す情報を制御部70に出力する。速度検出部71による移動速度の検出方法は、GPS(Global Positioning System;全地球測位システム)により、当該端末装置200の位置を測定し、単位時間当たりの該位置の変化を速度としてもよいし、送信装置130から受信した電波のドップラー偏移に基づき速度を算出してもよい。送信処理部72は、制御部70の指示に従い、受信電力を表す情報および移動速度を表す情報を符号化、変調、ディジタル/アナログ変換、アップコンバートを施し、アンテナ(図示せず)を介して基地局装置100の受信装置120に送信する。送信処理部72は、受信電力を表す情報および移動速度を表す情報以外の情報を担う信号を基地局装置100の受信装置120に送信するが、その点の詳細は省略する。
【0040】
図5は、本実施形態によるSFBC復号化部60の構成を示す概略ブロック図である。SFBC復号化部60は、復号化部61およびP/S変換部62(パラレル/シリアル変換部)を備えている。
受信処理部50のデマッピング部57が出力するデータ信号のうち、隣接するサブキャリアの信号R、Rが図5の信号路1と信号路2とからSFBC復号化部60の復号化部61に入力される。この信号R、Rの各々は、同じリソースエレメントに配置され、異なるアンテナ25に割当てられた信号が空間多重された信号となっているので、信号Rは、信号SとSとが空間多重された信号であり、信号Rは、信号Sと信号−Sとが空間多重された信号である。復号化部61は、信号路1から信号Rを、信号路2から信号Rを受けて、これをSFBC復号化して得た、信号Sを信号路3から出力し、信号Sを信号路4から出力する。P/S変換部62は、信号路3から信号Sを、信号路4から信号Sをパラレルに受けて、信号S、Sの順に信号路5に出力する。このDFBC復号化の処理は公知のものである。
【0041】
図6は、本実施形態における1番目の信号配置パターン(第2のパターン)によるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。この1番目の信号配置パターンは、参照信号のブースト(送信電力を上げること)を行わないパターンであり、後述する2〜5番目の信号配置パターンの使用条件を満たさないときに信号配置パターン選択部30により選択されて用いられる標準の信号配置パターンである。本実施形態では、送信処理部20−1〜20−4が各々アンテナ25を備えるので、4つのアンテナ25を使用している。同じ変調信号からSFBC符号化されたデータ信号は、1つ目と3つ目のアンテナ25から送信される、あるいは、2つ目と4つ目のアンテナ25から送信される。
【0042】
図6(a)は、縦軸を周波数軸、横軸を時間軸とし、1番目の信号配置パターンにおけるリソースブロックの一部(リソースブロックの時間方向の先頭から1〜8個目のOFDMシンボル(l=1〜8)と14〜20個目のOFDMシンボル(l=14〜20))へのデータ信号と参照信号の配置と送信電力を示した図である。図6(a)において、横軸は時間(OFDMシンボル)を表し、縦軸は周波数(サブキャリア)を示している。また小さな四角形は、リソースエレメントを表す。
【0043】
また図6(b)は図6(a)の4、5、17個目(l=4、5、17)のOFDMシンボルについて、割り当てられるアンテナ25すなわち送信処理部20−1〜20−4を分けて示したものである。すなわち、図6(b)において、下に符号Ant1を付した最左端の列は、図6(a)の4個目のOFDMシンボルのうち、1つ目のアンテナ25すなわち送信処理部20−1から送信されることを示す。さらに、下に符号Ant2を付した左端から2番目の列は、図6(a)の4個目のOFDMシンボルのうち、2つ目のアンテナ25すなわち送信処理部20−2から送信されることを示す。同様にして、下に符号Ant3を付した左端から3番目の列、下に符号Ant4を付した左端から4番目の列は、図6(a)の4個目のOFDMシンボルのうち、3つ目のアンテナ25すなわち送信処理部20−3、4つ目のアンテナ25すなわち送信処理部20−4から送信されることを示す。
【0044】
図6(b)において左端から5番目〜8番目の列は、図6(a)の5個目のOFDMシンボルのうち1つ目〜4つ目のアンテナ25からそれぞれ送信されるものを示す。また、図6(b)において、左端から9番目〜12番目の列は、図6(a)の17個目のOFDMシンボルのうち1つ目〜4つ目のアンテナ25からそれぞれ送信されるものを示す。
【0045】
図6(a)および図6(b)において、符号D1、D2、D3およびD4は、そのリソースエレメントにSFBC符号化部10が生成したデータ信号が割当てられることを示す。符号D1は、そのデータ信号が送信処理部20−1から送信されることを示し、符号D2は、そのデータ信号が送信処理部20−2から送信されることを示し、符号D3は、そのデータ信号が送信処理部20−3から送信されることを示し、符号D4は、そのデータ信号が送信処理部20−4から送信されることを示す。
【0046】
図6以降で示す信号配置パターンにおいて、SFBC符号化部10が変調信号S1、S2から生成したデータ信号S、S、−S、Sのうち、データ信号S、−Sは、同じアンテナ25(送信処理部20)の周波数方向に連続する2つのリソースエレメントに一つずつ割り当てられる。同様にデータ信号S、Sは、同じアンテナ25(送信処理部20)の周波数方向に連続するリソースエレメントに一つずつ割り当てられる。
【0047】
例えば、図6(a)において、符号D1、D3が付されたリソースエレメントが周波数方向に連続しているときは、これらの2つのリソースエレメントのうち、1つ目のリソースエレメントではデータ信号Sが1つ目のアンテナ25(送信処理部20−1)に割り当てられ、データ信号Sが3つ目のアンテナ25(送信処理部20−3)に割り当てられ、2つ目のリソースエレメントではデータ信号−Sが1つ目のアンテナ25(送信処理部20−1)に割り当てられ、データ信号Sが3つ目のアンテナ25(送信処理部20−3)に割り当てられている。符号D2、D4が付されたリソースエレメントが連続しているときも同様である。
【0048】
また、符号R1、R2、R3およびR4は、そのリソースエレメントに参照信号が割当てられることを示す。符号R1は、その参照信号が送信処理部20−1から送信されることを示し、R2は、その参照信号が送信処理部20−2から送信されることを示し、R3は、その参照信号が送信処理部20−3から送信されることを示し、R4は、その参照信号が送信処理部20−4から送信されることを示す。また、符号1a、2aおよび3aは、そのリソースエレメントに割当てられる信号の送信電力を示しており、1aは基準電力を示し、2aはその2倍の送信電力を示し、3aはその3倍の送信電力を示す。また、図6(b)において、斜線にてハッチングした領域は、そのリソースエレメントの該当するアンテナ25(図6(b)の下にAnt1〜Ant4のうちの1つが示されたアンテナ)には、そのリソースエレメントにデータ信号および参照信号が配置されないことを示す。
【0049】
図6(a)に示すように、1番目の信号配置パターンでは、1〜3個目(l=1〜3)のOFDMシンボルなど、参照信号が配置されないOFDMシンボルにおいては、符号D1、D3、2aが付されたリソースエレメントと、符号D2、D4、2aが付されたリソースエレメントとが2つずつ交互に現れる。ここで、符号D1、D3、2aが付されたリソースエレメントは、基準電力の2倍の送信電力のデータ信号であって、送信処理部20−1から送信されるデータ信号と送信処理部20−3から送信されるデータ信号とが配置されるリソースエレメントである。また、符号D2、D4、2aが付されたリソースエレメントは、基準電力の2倍の送信電力のデータ信号であって、送信処理部20−2から送信されるデータ信号と送信処理部20−4から送信されるデータ信号とが配置されるリソースエレメントである。
【0050】
また、4個目および17個目(l=4、17)のOFDMシンボルなど、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、図6(b)に示すように、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R1、2aが1つ配置され、符号D1、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置され、再度符号R1、2aから繰り返される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R2、2aが1つ配置され、符号D2、2aが2つ配置され、再度割当てなしの3つから繰り返される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号D3、3aが2つ配置され、割当てなしが4つ配置され、再度符号D3、3aから繰り返される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが4つ配置され、符号D4、3aが2つ配置され、割当てなしが4つ配置され、再度符号D3、3aから繰り返される。
【0051】
また、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、図6(b)に示すように、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号D1、3aが2つ配置され、割当てなしが4つ配置され、符号D1、3aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが4つ配置され、符号D2、3aが2つ配置され、再度割当てなしが4つ配置され、符号D2、3aが2つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R3、2aが1つ配置され、符号D3、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置され、再度符号R3、2aから繰り返される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R4、2aが1つ配置され、符号D4、2aが2つ配置され、再度割当てなしが3つ配置されることから繰り返される。
【0052】
このように、本実施形態における1番目の信号配置パターン(第2のパターン)は、図6(a)においてデータ信号を表す符号である符号D1、D3、あるいは、符号D2、D4が周波数方向に連続する2つのリソースエレメントに付されているように、SFBC符号化部10が2つの変調信号から生成した4つのデータ信号が、2つずつ2つのアンテナ25の同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられる。さらに、1番目の信号配置パターン(第2のパターン)は、図6(a)の4個目のOFDMシンボルにおいて、参照信号を表す符号は符号R1、R2のみが付され、5個目のOFDMシンボルにおいて、参照信号を表す符号は符号R3、R4のみが付されるというように、前述の4つのデータ信号が、2つずつ割り当てられる2つのアンテナ25(1つ目と3つ目、あるいは、2つ目と4つ目)のうち、1つにのみ参照信号が割り当てられ、参照信号の送信電力2aはデータ信号の送信電力2aと等しい。また、1番目の信号配置パターン(第2のパターン)は、符号R1、R2が、4個目と17個目のOFDMシンボルに配置されているのに対し、符号R3、R4は、5個目のOFDMシンボルにのみ配置されている。このため、1つ目と2つ目のアンテナ25向けの参照信号に比べて、3つ目と4つ目のアンテナ25向けの参照信号の方が数が少なく、時間方向にも配置されている密度が少ない。
【0053】
図7(a)と図7(b)は、参照信号の電力を増やすため、参照信号が配置されているOFDMシンボルをパンクチャリングした信号配置パターン(第3のパターン)の例を説明する図である。図7(a)と図7(b)においては特に2番目と3番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す。ここで、パンクチャリングとはデータ信号と参照信号のどちらも配置しないサブキャリアを設定することである。図7(a)に示す2番目の信号配置パターンと図7(b)に示す3番目の信号配置パターンは、パンクチャリングしたデータ信号の送信電力の分、参照信号の送信電力を増加させるブーストを行なっているパターンである。
【0054】
2番目と3番目の信号配置パターンでは、パンクチャリングされているデータ信号の数が異なり、3番目の方が多い。従って参照信号の送信電力の増加量も異なり、3番目の方が多い。これらの信号配置パターンは、受信電力取得部41が取得した受信電力が小さい端末装置200に宛てて送信するリソースブロックに用いられる。すなわち、信号配置パターン選択部30は、各端末装置200における受信電力を表す情報を受信電力取得部41から受けて、受信電力が閾値α1より小さい端末装置200に宛てて送信するリソースブロック向けには、2番目の信号配置パターンを選択し、受信電力が閾値α2(α2はα1より小さい値)より小さい端末装置200に宛てて送信するリソースブロック向けには、3番目の信号配置パターンを選択する。
【0055】
図7(a)、図7(b)は、図6(b)と同様に、リソースブロックのうち参照信号が配置されている4、5、17個目のOFDMシンボルに割り当てられる信号と送信電力とを示す図である。これら2番目と3番目の信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては1番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので、図示は省く。
【0056】
図7(a)に示すように、2番目の信号配置パターンにおいて、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルである4個目(l=4)のOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R1、4aが1つ配置され、割当てなし(ハッチング)が5つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、符合D1、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、符号D2、2aが2つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが7つ配置され、符号D3、6aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが10個配置され、符号D4、6aが2つ配置される。
【0057】
また、2番目の信号配置パターンにおいて、4個目のOFDMシンボルと同様に、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルである17個目(l=17)のOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置され、符合D1、2aが2つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、符号R2、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置され、符号D2、2aが2つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが7つ配置され、符号D3、6aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが10個配置され、符号D4、6aが2つ配置される。
【0058】
また、2番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号D1、6aが2つ配置され、割当てなしが9つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが4つ配置され、符号D2、6aが2つ配置され、割当てなしが6つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R3、4aが1つ配置され、符号D3、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、符号D4、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。
【0059】
図7(b)に示すように、3番目の信号配置パターンにおいて、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルである4個目(l=4)のOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。3つ目と4つ目のアンテナ25から送信される信号には、割当てなしが12個配置される。
【0060】
また、3番目の信号配置パターンにおいて、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルである17個目(l=17)のOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。3つ目と4つ目のアンテナ25から送信される信号には、割当てなしが12個配置される。
【0061】
また、3番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目と2つ目のアンテナ25から送信される信号には、割当てなしが12個配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。
【0062】
このように参照信号が割り当てられているOFDMシンボルでは、2番目の信号配置パターンの場合はSFBC符号化により生成される4つのデータ信号が2組、3番目の信号配置パターンの場合はSFBC符号化により生成される4つのデータ信号が4組、パンクチャリングされている。このため、参照信号が割り当てられているアンテナ25(l=4、17の1つ目、2つ目のアンテナ25、l=5の3つ目、4つ目のアンテナ25)については、パンクチャリングされたデータ信号の送信電力の分だけ、参照信号の送信電力が増やされている。参照信号が割り当てられていないアンテナ25(l=4、17の3つ目、4つ目のアンテナ25、l=5の1つ目、2つ目のアンテナ25)については、パンクチャリングされたデータ信号の送信電力の分だけ、残りのデータ信号の電力が増やされている。これにより、各OFDMシンボルにおける送信電力の合計値の変動を抑えている。
【0063】
このように、1番目の信号配置パターンに対してパンクチャリングした信号配置パターン(第3のパターン)の例である2番目と3番目の信号配置パターンは、SFBC符号化部10が生成した4つのデータ信号が、2つずつ2つのアンテナ25の同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられる。そして、この2つのアンテナ25のうち、1つにのみ参照信号が割り当てられ、参照信号が割り当てられた時間領域には、パンクチャリングされているので、いずれのアンテナ25にも信号が割り当てられていない周波数領域がある。また、参照信号の送信電力は同じ時間領域のデータ信号の送信電力より大きくなっている。
【0064】
図8(a)と図8(b)は、2番目と3番目の信号配置パターンにおいてパンクチャリングされた未使用サブキャリア(周波数領域)に参照信号を追加することで、受信側においてチャネル推定などを精度良く行えるようにした新たな信号配置パターン(第1のパターン)の例を説明するものである。図8(a)と図8(b)とにおいては特に4番目と5番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す。これらの信号配置パターンにおいて、参照信号の追加は、2番目と3番目の信号配置パターンにおいてパンクチャリングされたOFDMシンボルにおいて、参照信号が割り当てられていないアンテナ25について行われている。
【0065】
4番目と5番目の信号配置パターンでは、追加した参照信号の数は同じだが、送信電力が5番目の方が大きい。4番目の信号配置パターンは、速度取得部40が取得した移動速度が速い端末装置200に宛てて送信するリソースブロックに用いられる。5番目の信号配置パターンは、速度取得部40が取得した移動速度が速く、受信電力取得部41が取得した受信電力が小さい端末装置200に宛てて送信するリソースブロックに用いられる。すなわち、信号配置パターン選択部30は、各端末装置200の移動速度を表す情報を速度取得部40から受けて、移動速度が閾値β1より大きい端末装置200に宛てて送信するリソースブロック向けには、4番目の信号配置パターンを選択し、移動速度が閾値β1より大きく、かつ、受信電力が閾値α2(α2はα1より小さい値)より小さい端末装置200に宛てて送信するリソースブロック向けには、5番目の信号配置パターンを選択する。
【0066】
図8(a)、図8(b)は、図6(b)と同様に、リソースブロックのうち参照信号が配置されている4、5、17個目のOFDMシンボルに割り当てられる信号と送信電力とを示す図である。これら4番目と5番目の信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては1番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので図示は省く。
【0067】
図8(a)に示すように、4番目の信号配置パターンにおいて、4個目、17個目(l=4、17)のOFDMシンボルなど、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目と2つ目のアンテナ25から送信される信号には、2番目の信号配置パターンと同様に信号が配置されている。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、4個目、17個目(l=4、17)のOFDMシンボルについては、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符合D3、2aが2つ配置され、割当てなしが1つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、4個目、17個目(l=4、17)のOFDMシンボルについては、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが1つ配置され、符合D4、2aが2つ配置される。
【0068】
また、4番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号D1、6aが2つ配置され、割当てなしが9つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが4つ配置され、符号D2、6aが2つ配置され、割当てなしが6つ配置される。3つ目と4つ目のアンテナ25から送信される信号には、2番目の信号配置パターンと同様に信号が配置されている。
【0069】
図8(b)に示すように、5番目の信号配置パターンにおいて、4個目、17個目(l=4、17)のOFDMシンボルなど、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目と2つ目のアンテナ25から送信される信号には、3番目の信号配置パターンと同様に信号が配置されている。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置される。
【0070】
また、5番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置される。2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。
【0071】
2番目の信号配置パターンでは、各アンテナ25に対して均等にパンクチャリングしている。この2番目の信号配置パターンのようにパンクチャリングされた未使用サブキャリアに参照信号を追加すると、参照信号は周波数方向に等間隔に配置されずに、参照信号同士が近接してしまい、チャネル推定の精度に周波数方向に偏りが生じてしまうという問題がある。4番目の信号配置パターンでは、この問題を避けるため、参照信号が周波数方向に等間隔に配置できるように、2番目の信号配置パターンに対して、その妨げとなるデータ信号を別のサブキャリアに移動させてある。そして、周波数方向に等間隔に参照信号を追加し、追加した参照信号の電力を他の参照信号の電力と同一とするため、データ信号の電力を減らす。この結果として、すべてのデータ信号の電力および参照信号の電力が等しくなっている。
【0072】
5番目の信号配置パターンは、3番目の信号配置パターンにおける未使用サブキャリアに参照信号を、周波数方向に等間隔になるように追加した例である。5番目の信号配置パターンでは、追加した参照信号の電力を、他の参照信号の電力と同一とすることのみおこなっている。この結果として、すべての時間領域において、各アンテナ25に割当てられたデータ信号の送信電力および参照信号の送信電力の合計が等しくなっている。ただし、ここで挙げられているものは一例であり、参照信号を追加する位置および電力などについては、さまざまなパターンが考えられる。
【0073】
このように、1番目の信号配置パターンに対してデータ信号をパンクチャリングし、さらにデータ信号がパンクチャリングされた未使用サブキャリア(周波数領域)に参照信号を追加した信号配置パターン(第1のパターン)の例である4番目および5番目の信号配置パターンは、SFBC符号化部10が生成した4つのデータ信号が2つずつ2つのアンテナ25の同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられる。この2つのアンテナ25には、該2つのアンテナ25の間で同じ時間領域かつ異なるサブキャリアに、参照信号が割り当てられ、参照信号の送信電力はデータ信号の送信電力より大きくなっている。
【0074】
図9は、本発明の第1の実施形態による無線通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。送信装置130は複数の信号配置パターンからなるリソースブロック共通の信号配置パターンバンクおよび各リソースブロックの信号配置パターンの識別信号を有している(ステップS11)。また、端末装置200は送信装置130と同一の信号配置パターンバンクを有している(ステップS14)。
【0075】
送信装置130は、はじめに各リソースブロックの信号配置パターンの識別信号に該当する信号配置パターンを信号配置パターンバンクより獲得し、この獲得された信号配置パターンに基づいて、データ信号の配置、参照信号の配置、データ信号の電力の調整および参照信号の電力の調整をおこなう(ステップS12)。次に、送信装置130は、生成したOFDMシンボルおよび各リソースブロックの信号配置パターンの識別信号を端末装置200に送信する(ステップS13)。
【0076】
端末装置200は、はじめに送信装置130から送信されたOFDMシンボルおよび各リソースブロックの信号配置パターンの識別信号を受信する。次に、受信した各リソースブロックの信号配置パターンの識別信号に該当する信号配置パターンを信号配置パターンバンクより選択し、その信号配置パターンに基づいて、送信装置130から送信されたデータ信号を再生する。
【0077】
第1の実施形態では、はじめに制御装置110の信号配置パターン選択部30が、リソースエレメントに配置されるデータ信号および参照信号の種類、およびそのデータ信号および参照信号の電力に関する情報からなる複数の信号配置パターンの内のいずれかの信号配置パターンを選択し、その選択結果を表す信号配置パターンの識別情報を送信装置130に送信する。次に送信装置130では、マッピング部11が、信号配置パターン選択部30から受けた信号配置パターンの識別情報に基づき、信号配置パターンバンク部12より信号配置パターンを取得し、その取得した信号配置パターンに基づいて、データ信号の配置、参照信号の配置、データ信号の電力の調整および参照信号の電力の調整をおこなう。送信装置130は、この調整結果の信号を、端末装置200に対して送信する。
【0078】
本実施形態の4番目と5番目の信号配置パターンでは、参照信号の電力を増やすためのパンクチャリング処理にともない発生する未使用サブキャリアに対し、該OFDMシンボルにおいて参照信号が割当てられていなかったアンテナに参照信号を追加して、SFBC符号化部10により生成されたSFBDペアのデータ信号を割当てる2つのアンテナ双方に参照信号が割当てられる。このため、データ信号の送信電力を変更しなくても、アンテナ間の電力バランスを崩すことなく、パンクチャリングされたデータ信号分の送信電力を全て参照信号に回すことができ、あらかじめ配置されている参照信号に影響を与えることなく、さらに、その参照信号を含むOFDMシンボル以外のOFDMシンボルに影響を与えることなく、また、データ信号の送信電力を削減することなく、参照信号の数を増やすことができる。
よって、ビット誤り率および伝送効率の低下を防ぐとともに、各アンテナ25の送信電力を有効に利用して、チャネル推定精度およびCQI推定精度などの各種精度を改善することができるという効果が得られる。特に、参照信号が配置される時間方向の密度が上がるように、参照信号の数を増やすことで、端末装置200が高速に移動している場合など、伝搬路の時間変動が激しい場合でも、端末装置200において精度良くチャネル推定(伝搬路推定)を行えるので、ビット誤り率および伝送効率の低下を防ぐとともに、各アンテナ25の送信電力を有効に利用できる。
【0079】
また、本実施形態の4番目と5番目の信号配置パターンでは、追加した参照信号の送信電力に、パンクチャリングされたデータ信号の送信電力分が割り当てることで、各アンテナ25の送信電力について、アンテナ25間および時間方向の変動を抑えている。このため、信号を増幅する際の波形の歪みを抑えることができる。
【0080】
なお、本実施形態において、端末装置200の速度検出部71が検出した端末装置200の移動速度を表す情報を受信装置120の速度取得部40が取得し、該取得した移動速度を表す情報に基づき、信号配置パターン選択部30は信号配置パターンを選択するとして説明したが、端末装置200から受信した電波について、そのドップラー効果を測定し、その測定結果から受信装置120と端末装置200との相対速度を算出して、これを端末装置200の移動速度としても良い。
【0081】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態における5番目の信号配置パターン(図8(b))に替えて、図10に示す6番目の信号配置パターン(第1のパターン)を用いる無線通信システムである。第1の実施形態では、各信号配置すべての参照信号を等電力としていたが、図10に示す6番目の信号配置パターンでは、参照信号をすべて等電力とはせず、追加する参照信号の送信電力を低く抑え、その数を増やしている。このようにすることにより、チャネル推定の精度およびCQI推定の精度などを改善することができる。特に、周波数方向に配置される参照信号の密度が高まるので、伝搬路の周波数方向の変動が激しい場合でも、端末装置200において精度良くチャネル推定(伝搬路推定)を行うことができる。
【0082】
図10は、6番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。図6(b)と同様に、図10にはリソースブロックのうち参照信号が配置されている4、5、17個目のOFDMシンボルのみを示す。本実施形態における6番目の信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては1番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので図示は省く。
【0083】
図10に示すように、6番目の信号配置パターンにおいて、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルである4個目(l=4)のOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R3、3aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、再度符号R3、3aから繰り返される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2個配置され、符号R4、3aが1つ配置され、再度割当てなしから繰り返される。
【0084】
また、6番目の信号配置パターンにおいて、4個目のOFDMシンボルと同様に、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルである17個目(l=17)のOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。3つ目と4つ目のアンテナ25から送信される信号は、4個目のOFDMシンボルと同様である。
【0085】
また、6番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R1、3aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、再度符号R1、3aから繰り返される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R2、3aが1つ配置され、再度割当てなしから繰り返される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。
【0086】
[第3の実施形態]
第1の実施形態では、参照信号の電力を増やすためのパンクチャリング処理により発生した未使用サブキャリアに対し、参照信号を追加した信号配置パターンを用いたが、必ず参照信号の電力を増やしている。
本発明の第3の実施形態では、第1の実施形態の4番目の信号配置パターンに替えて、参照信号の電力を増やすという意図に関わらず、特に高速移動時の特性を改善するため、参照信号が配置されているOFDMシンボルに対してパンクチャリング処理を施し、参照信号が配置されていないアンテナ25に対して参照信号を強制的に配置した7番目または8番目の信号配置パターン(第1のパターン)を用いる。
【0087】
はじめに、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、標準の信号配置パターンは、図6に示す1番目の信号配置パターンである。図11(a)、図11(b)は、図6の1番目の信号配置パターンのうち、当該OFDMシンボルに参照信号が配置されているOFDMシンボルであって、隣接するOFDMシンボルには参照信号が配置されていないOFDMシンボル(例えば、17番目のOFDMシンボル)にのみパンクチャリングを施した場合の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。なお、この図11(a)と図11(b)の信号配置パターンは、7番目と8番目の信号配置パターンの導出を説明するための便宜的な信号配置パターンであり、本実施形態においても、送信装置130および端末装置200が用いるわけではない。
【0088】
このようにパンクチャリングを施すOFDMシンボルを限定しているのは、例えば、図6の4番目のOFDMシンボルおよび5番目のOFDMシンボルにおいては、4つアンテナ25各々のチャネル推定をおこなうに十分な参照信号が配置されており、参照信号を追加する必要性がないためである。
【0089】
図11(a)は、図6の1番目の信号配置パターンにSFBC符号化により生成される4つのデータ信号からなる組2つに対してパンクチャリングを施した信号配置パターンを示す図である。この信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては1番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので図示は省く。
【0090】
この信号配置パターンでは、前述のように当該OFDMシンボルに参照信号が配置されているOFDMシンボルであって、隣接するOFDMシンボルには参照信号が配置されていないOFDMシンボル(例えば17番目のOFDMシンボル)に、SFBC符号化により生成される4つのデータ信号からなる組2つ分のパンクチャリングが施されている。このため、この信号配置パターンにおいて、4個目と5個目(l=4、5)のOFDMシンボルについては、図6の1番目の信号配置パターンと同様の配置である。また、17個目のOFDMシンボルについては、図7(a)の2番目の信号配置パターンと同様の配置である。
【0091】
すなわち、パンクチャリングされたOFDMシンボルでは、元々配置されている1つ目および2つ目のアンテナ25の参照信号(R1、R2)の送信電力が基準電力の4倍(4a)に増やされている。1つ目および2つ目のアンテナ25のデータ信号(D1、D2)の送信電力は基準電力の2倍(2a)のままである。3つ目および4つ目のアンテナ25には参照信号が存在しないため、残りのデータ信号(D3、D4)の送信電力が基準電力の6倍(6a)に増やされる。
【0092】
図11(b)は図6の1番目の信号配置パターンにSFBC符号化により生成される4つのデータ信号からなる組4つ分(全てのデータ信号)のパンクチャリングを施した信号配置パターンを示す図である。この信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては1番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので図示は省く。
【0093】
この信号配置パターンでは、前述のように当該OFDMシンボルに参照信号が配置されているOFDMシンボルであって、隣接するOFDMシンボルには参照信号が配置されていないOFDMシンボル(例えば17番目のOFDMシンボル)にSFBC符号化により生成される4つのデータ信号からなる組4つ分のパンクチャリングが施されている。このため、この信号配置パターンにおいて、4個目と5個目(l=4、5)のOFDMシンボルについては、図6の1番目の信号配置パターンと同様の配置である。また、17個目のOFDMシンボルについては、図7(b)の3番目の信号配置パターンと同様の配置である。
【0094】
すなわち、パンクチャリングされたOFDMシンボルでは、すべてのデータ信号がパンクチャリングされているため、元々配置されている1つ目および2つ目のアンテナ25の参照信号(R1、R2)の送信電力が基準電力の6倍(6a)に増やされている。
【0095】
図12(a)、図12(b)は、図11(a)、図11(b)の信号配置パターンにおいてパンクチャリングされた未使用サブキャリア(周波数領域)に参照信号を追加することで、受信側においてチャネル推定などを精度良く行えるようにした信号配置パターン(第1のパターン)の例である7番目と8番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。この信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては1番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので図示は省く。
【0096】
図12(a)に示す7番目の信号配置パターンでは、図11(a)に示す信号配置パターンの未使用サブキャリアに参照信号を追加する際、4番目の信号配置パターンと同様に参照信号が周波数軸上で近接するため、周波数方向でのチャネル推定に問題がある。この問題を避けるため、その妨げとなるデータ信号を別のサブキャリアに移動させる。さらに、7番目の信号配置パターンでは、参照信号を追加し、追加した参照信号の電力を他の参照信号の電力と同一とするため、データ信号の電力を減らす。この結果として、すべてのデータ信号の電力および参照信号の電力が等しくなっている。
【0097】
この7番目の信号配置パターンでは、前述のように当該OFDMシンボルに参照信号が配置されているOFDMシンボルであって、隣接するOFDMシンボルには参照信号が配置されていないOFDMシンボル(例えば17番目のOFDMシンボル)にSFBC符号化により生成される4つのデータ信号からなる組2つ分のパンクチャリングが施されている。このため、この7番目の信号配置パターンにおいて、4個目と5個目(l=4、5)のOFDMシンボルについては、図6の1番目の信号配置パターンと同様の配置である。また、17個目のOFDMシンボルについては、図9(a)の4番目の信号配置パターンと同様の配置である。
【0098】
図12(b)に示す8番目の信号配置パターンは、図11(b)に示す信号配置パターンの未使用サブキャリアに参照信号を追加した例である。ここでは、追加した参照信号の送信電力を、他の参照信号の送信電力と同一とすることのみおこなっている。この結果として、すべてのデータ信号の電力および参照信号の電力が等しくなっている。
【0099】
この8番目の信号配置パターンでは、前述のように当該OFDMシンボルに参照信号が配置されているOFDMシンボルであって、隣接するOFDMシンボルには参照信号が配置されていないOFDMシンボル(例えば17番目のOFDMシンボル)にSFBC符号化により生成される4つのデータ信号からなる組4つ分のパンクチャリングが施されている。このため、この8番目の信号配置パターンにおいて、4個目と5個目(l=4、5)のOFDMシンボルについては、図6の1番目の信号配置パターンと同様の配置である。また、17個目のOFDMシンボルについては、図9(b)の5番目の信号配置パターンと同様の配置である。
ただし、ここで挙げられているものは一例であり、参照信号を追加する位置および電力などについては、さまざまなパターンが考えられる。
【0100】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態における無線通信システムでは、第3の実施形態における7番目または8番目の信号配置パターンに替えて後述する9番目の信号配置パターン(第1のパターン)を用いる。第3の実施形態の7番目および8番目の信号配置パターンでは、すべての参照信号を等電力としていたが、9番目の信号配置パターンでは、参照信号をすべて等電力とはせず、図13に示すとおりその数を増やしている。このようにすることにより、チャネル推定の精度およびCQI推定の精度などを改善することができる。
【0101】
図13は、本実施形態による9番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。9番目の信号配置パターンは、図11(b)に示す信号配置パターンの未使用サブキャリアに参照信号を追加した例である。ここでは、追加した参照信号の数を、7番目および8番目の信号配置パターンの倍の数としている。
この9番目の信号配置パターンでは、当該OFDMシンボルに参照信号が配置されているOFDMシンボルであって、隣接するOFDMシンボルには参照信号が配置されていないOFDMシンボル(例えば17番目のOFDMシンボル)にSFBC符号化により生成される4つのデータ信号の組4つ分のパンクチャリングが施されている。このため、この9番目の信号配置パターンにおいて、4個目と5個目(l=4、5)のOFDMシンボルについては、図6の1番目の信号配置パターンと同様の配置である。また、17個目のOFDMシンボルについては、図10の6番目の信号配置パターンと同様の配置である。
【0102】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態における無線通信システムでは、第1の実施形態における1番目から5番目の信号配置パターンに替えて後述する10番目から14番目の信号配置パターンを用いる。このような信号配置でも、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
図14は、本実施形態における10番目の信号配置パターン(第2のパターン)によるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。10番目の信号配置パターンでは、第1の実施形態における1番目の信号配置パターンと同様に、ある2OFDMシンボル(例えば4個目と5個目のOFDMシンボル)中に1つ目から4つ目のアンテナ25の参照信号が配置されている。
【0103】
本実施形態では、端末装置200の移動速度が速いなど、この10番目の信号配置パターンよりもさらにチャネル推定の精度およびCQI推定の精度などを改善する必要のある場合に、信号配置パターン選択部30は、それを判定し、10番目の信号配置パターンにおいて参照信号が存在しないアンテナ25に参照信号が追加された13番目または14番目の信号配置パターンを選択する。
【0104】
図15(a)、図15(b)は、本実施形態における11番目、12番目の信号配置パターン(第3のパターン)によるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。図15に示すように、11番目、12番目の信号配置パターンは、10番目の信号配置パターンに対して、参照信号が配置されているOFDMシンボルに対して強制的にパンクチャリングしたパターンである。
これら11番目と12番目の信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては10番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので図示は省く。
【0105】
図15(a)に示すように、11番目の信号配置パターンにおいて、4個目(l=4)のOFDMシンボルなど、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、符合D1、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、符号D2、2aが2つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが7つ配置され、符号D3、6aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが10個配置され、符号D4、6aが2つ配置される。
【0106】
また、11番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが7つ配置され、符号D1、6aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが10個配置され、符号D2、6aが2つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、符号D3、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、符号D4、2aが2つ配置される。
【0107】
図15(b)に示すように、12番目の信号配置パターンにおいて、4個目(l=4)のOFDMシンボルなど、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、再度符号R1、6a繰り返される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。3つ目と4つ目のアンテナ25から送信される信号には、割当てなしが12個ずつ配置される。
【0108】
また、12番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目と2つ目のアンテナ25から送信される信号には、割当てなしが12個ずつ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、再度符号R3、6aから繰り返される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。
【0109】
図16(a)、図16(b)は、本実施形態における13番目、14番目の信号配置パターン(第1のパターン)によるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。図16に示すように、13番目、14番目の信号配置パターンは、11番目、12番目の信号配置パターンにおいてパンクチャリングされて発生した未使用サブキャリアに、参照信号を追加したパターンである。
これら13番目と14番目の信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては10番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので図示は省く。
【0110】
図16(a)に示すように、13番目の信号配置パターンにおいて、4個目(l=4)のOFDMシンボルなど、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置され、符合D1、2aが2つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、符号D2、2aが2つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号D3、2aが2つ配置され、割当てなしが1つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが1つ配置され、符号D4、2aが2つ配置される。
【0111】
また、13番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号D1、2aが2つ配置され、割当てなしが1つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ個配置され、符号R2、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、割当てなしが1つ配置され、符号D2、2aが2つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置され、符号D3、2aが2つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、符号D4、2aが2つ配置される。
【0112】
図16(b)に示すように、14番目の信号配置パターンにおいて、4個目(l=4)のOFDMシンボルなど、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置される。
【0113】
また、14番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R1、6aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置される。2つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R2、6aが1つ配置され、割当てなしが3つ配置される。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが3つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R3、6aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号は、周波数の小さいリソースエレメントから符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置され、符号R4、6aが1つ配置され、割当てなしが5つ配置される。
【0114】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態では、すべての参照信号を等電力としていた第5の実施形態の14番目の信号配置パターンに替えて、追加する参照信号の数を増やし、参照信号をすべて等電力とはしていない15番目の信号配置パターン(第1のパターン)を用いる。このようにすることにより、チャネル推定の精度およびCQI推定の精度などを改善することができる。
【0115】
図17は、本実施形態における15番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。15番目の信号配置パターンは、図15(b)に示す12番目の信号配置パターンの未使用サブキャリアに参照信号を追加した例である。ここでは、追加した参照信号の数を、14番目の信号配置パターンの倍の数としている。このため、この15番目の信号配置パターンにおいて、4個目と5個目(l=4、5)のOFDMシンボルなど参照信号が配置されたOFDMシンボルについては、図10に示す6番目の信号配置パターンの4個目と5個目(l=4、5)のOFDMシンボルと同様の配置である。その他のOFDMシンボルについては、10番目の信号配置パターンと同様なので図示しない。
【0116】
[第7の実施形態]
本発明の第7の実施形態における無線通信システムでは、第1の実施形態における4番目の信号配置パターンに替えて後述する16番目の信号配置パターン(第1のパターン)を用いる。上述の第1の実施形態から第6の実施形態では、パンクチャリングをした後に参照信号を追加する際にデータ信号の移動を伴っていたが、本実施形態の16番目の信号配置パターンでは、参照信号を追加する際に、データ信号の移動をおこなわない。また、このときの参照信号はすべて等電力である。このような信号配置の場合、追加した参照信号は周波数方向に均等に配置されないため、チャネル推定などの推定精度に偏りが生じてしまうが、チャネル推定の精度およびCQI推定の精度などを改善することができる。
【0117】
図18は、図7(a)に示す2番目の信号配置パターンの未使用サブキャリアに参照信号を追加した例である16番目の信号配置パターンの4、5、17個目のOFDMシンボルに割り当てられる信号と送信電力とを示す図である。16番目の信号配置パターンは、参照信号が配置されていないOFDMシンボルにおいては1番目の信号配置パターンと信号の配置が同じなので、図示は省く。
【0118】
図18に示すように、16番目の信号配置パターンにおいて、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルである4個目(l=4)のOFDMシンボルについては、1つ目と2つ目のアンテナ25から送信される信号は、2番目の信号配置パターンと同様の配置である。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割り当てなしが1つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割り当てなしが2つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割り当てなしが2つ配置され、符号D3、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置され、符号D4、2aが2つ配置される。
【0119】
また、16番目の信号配置パターンにおいて、4個目のOFDMシンボルと同様に、符号R1、R2が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルである17個目(l=17)のOFDMシンボルについては、1つ目と2つ目のアンテナ25から送信される信号は、2番目の信号配置パターンと同様の配置である。3つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号R3、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号D3、2aが2つ配置され、割当てなしが3つ配置される。4つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが2つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号R4、4aが1つ配置され、割当てなしが4つ配置され、符号D4、2aが2つ配置される。
【0120】
また、16番目の信号配置パターンにおいて、5個目(l=5)のOFDMシンボルなど、符号R3、R4が付されたリソースエレメントがあるOFDMシンボルについては、1つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが1つ配置され、符号D1、2aが2つ配置され、割当てなしが4つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号R1、4aが1つ配置され、割当てなしが1つ配置される。また、2つ目のアンテナ25から送信される信号には、周波数の小さいリソースエレメントから割当てなしが4つ配置され、符号D2、2aが2つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号R2、4aが1つ配置され、割当てなしが2つ配置され、符号R2、4aが1つ配置される。3つ目と4つ目のアンテナ25から送信される信号は、2番目の信号配置パターンと同様の配置である。
【0121】
以上、上述の第1の実施形態から第7の実施形態までは、OFDMA方式の通信において、予め配置されている参照信号に影響を与えることなく、さらに、その参照信号を含むOFDMシンボル以外のOFDMシンボルに影響を与えることなく、参照信号の数を増やすことができるため、高速移動時の特性の改善、チャネル推定の精度の改善およびCQI推定の精度の改善などが容易に可能である。
【0122】
また、上述の第1の実施形態から第7の実施形態までは、SFBC(空間周波数ブロック符号)+FSTD(周波数切換送信ダイバシティ)の場合について示したが、この手法はSFBCのみの場合でも適用することが可能である。
また、上述の第1の実施形態から第7の実施形態までは、OFDMシンボル間およびアンテナ25間の電力が同一となるようにしているが、送信装置130の送信アンプの能力に余裕がある場合などではその限りではない。
さらに上述の第1の実施形態から第7の実施形態までは、端末装置200における信号配置パターンの選択を、送信装置130より送信された信号配置パターンの識別情報に基づいておこなっているが、端末装置200が受信信号の振幅などに基づいて信号配置パターンを推定してもよい。
【0123】
また、図2におけるSFBC符号化部10、マッピング部11、参照信号生成部13、iFFT部21、CP挿入部22、信号配置パターン選択部30、速度取得部40、受信電力取得部41、および図4におけるCP除去部54、FFT部55、等化部56、デマッピング部57、受信電力検出部58、SFBC復号化部60、制御部70、速度検出部71の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよいし、これらの各部は専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0124】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0125】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、端末装置200を携帯電話器とし、送信装置130と制御装置110と受信装置120とを具備する装置を基地局装置とする移動通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】第1から第7の実施形態で用いる端末装置200への送信フレームの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態による基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】同実施形態によるSFBC符号化部10の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】同実施形態による端末装置200の構成を示す概略ブロック図である。
【図5】同実施形態によるSFBC復号化部60の構成を示す概略ブロック図である。
【図6】同実施形態における1番目の信号配置パターン(第2のパターン)によるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図7】同実施形態における2番目と3番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図8】同実施形態における4番目と5番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図9】同実施形態における無線通信システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図10】第2の実施形態による6番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図11】第3の実施形態による1番目の信号配置パターンにパンクチャリングを施した場合の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図12】同実施形態による7番目と8番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図13】第4の実施形態による9番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図14】第5の実施形態における10番目の信号配置パターン(第2のパターン)によるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図15】同実施形態における11番目、12番目の信号配置パターン(第3のパターン)によるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図16】同実施形態における13番目、14番目の信号配置パターン(第1のパターン)によるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図17】第6の実施形態における15番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【図18】第7の実施形態における16番目の信号配置パターンによるリソースブロックへのデータ信号および参照信号の割り当てと送信電力とを示す図である。
【符号の説明】
【0128】
10…SFBC符号化部
11…マッピング部
12…パターンバンク部
13…参照信号生成部
15…S/P変換部
16…符号化部
20…送信処理部
21…iFFT部
22…CP挿入部
23…D/A変換部
24…RF部
25…アンテナ
30…信号配置パターン選択部
40…速度取得部
41…受信電力取得部
50…受信処理部
51…受信アンテナ
52…RF部
53…A/D変換部
54…CP除去部
55…FFT部
56…等化部
57…デマッピング部
58…受信電力検出部
60…SFBC復号化部
61…復号化部
62…P/S変換部
70…制御部
71…速度検出部
72…送信処理部
100…基地局装置
110…制御装置
120…受信装置
130…送信装置
200…端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部と、
通信相手において既知の参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが指定された1つまたは複数の信号配置パターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てるマッピング部と、
前記マッピング部が割り当てた信号を、前記割り当てたアンテナを用いて送信する送信部と
を具備する無線送信装置において、
前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられるパターンであること
を特徴とする無線送信装置。
【請求項2】
前記第1のパターンは、同じ時間領域に割り当てられる参照信号の送信電力の前記アンテナ毎の合計が前記2つのアンテナの間で同じになっているパターンであることを特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。
【請求項3】
前記パターンは複数あり、
前記パターンのうちのもう1つである第2のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が、前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナのうち、1つにのみ前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力は前記冗長化信号の送信電力と等しいパターンであること
を特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。
【請求項4】
前記第1のパターンは、前記第2のパターンから、前記参照信号が割り当てられている時間領域に割り当てる前記冗長化信号の数を削減し、該削減することにより冗長化信号が割り当てられなくなった周波数領域に、該時間領域において前記参照信号が割り当てられていなかったアンテナに参照信号を割り当てたパターンであることを特徴とする請求項3に記載の無線送信装置。
【請求項5】
前記第1のパターンは、前記第2のパターンから、前記参照信号が割り当てられている時間領域に割り当てる前記冗長化信号の数を削減し、さらに少なくとも一部の前記冗長化信号を割当てる周波数領域を変更することにより、前記冗長化信号が割り当てられなくなった周波数領域が周波数方向に等間隔になるようにし、前記冗長化信号が割り当てられなくなった周波数領域、かつ、該時間領域において前記参照信号が割り当てられていなかったアンテナに参照信号を割り当てたパターンであることを特徴とする請求項3に記載の無線送信装置。
【請求項6】
前記第1のパターンは、前記第2のパターンから削減された前記冗長化信号に応じた分の送信電力を、該削減された冗長化信号のアンテナに割り当てられた参照信号に割振られたパターンであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の無線送信装置。
【請求項7】
前記パターンのうちのもう1つである第3のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が、前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナのうち、1つにのみ前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号が割り当てられた時間領域には、いずれの前記アンテナにも信号が割り当てられていない周波数領域があり、前記参照信号の送信電力は前記冗長化信号の送信電力より大きいパターンであること
を特徴とする請求項3に記載の無線送信装置。
【請求項8】
制御装置と無線送信装置とを具備する無線送信システムにおいて、
前記無線送信装置は、
予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部と、
通信相手において既知の参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが決められた複数のパターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てるマッピング部と、
前記マッピング部が割り当てた信号を、前記割り当てたアンテナを用いて送信する送信部と
を具備し、
前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力が前記送信信号の送信電力より大きいパターンであり、
前記制御装置は、前記無線送信装置と通信相手との間の伝搬路の時間変動が大きいと判定したときは、該通信相手宛ての送信信号には前記第1のパターンを用いるように、前記無線送信装置を制御すること
を特徴とする無線送信システム。
【請求項9】
前記制御装置は、前記通信相手の移動速度に基づき、前記伝播路の時間変動を判定することを特徴とする請求項8に記載の無線送信システム。
【請求項10】
前記第1のパターンは、同じ時間領域に割り当てられる参照信号の送信電力の前記アンテナ毎の合計が前記2つのアンテナの間で同じになっているパターンであることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の無線送信システム。
【請求項11】
制御装置と無線送信装置と端末装置とからなる無線通信システムにおいて、
前記無線送信装置は、
予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部と、
前記端末装置において既知の参照信号を生成する参照信号生成部と、
前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが決められた複数のパターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てるマッピング部と、
前記マッピング部が割り当てた信号を、前記割り当てたアンテナを用いて送信する送信部と
を具備し、
前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力が前記送信信号の送信電力より大きいパターンであり、
前記制御装置は、前記無線送信装置と通信相手との間の伝搬路の時間変動が大きいと判定したときは、該通信相手宛ての送信信号には前記第1のパターンを用いるように、前記無線送信装置を制御し、
前記端末装置は、
前記無線送信装置が送信した信号を受信し、該受信した信号の割り当てに用いられた前記パターンを検出し、該パターンに従い、前記受信した信号から変調信号を抽出すること
を特徴とする無線通信システム。
【請求項12】
無線送信装置が、予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成する第1の過程と、
前記無線送信装置が、通信相手において既知の参照信号を生成する第2の過程と、
前記無線送信装置が、前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが決められた1つまたは複数のパターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てる第2の過程と、
前記無線送信装置が、前記第2の過程にて割り当てた信号を、前記割り当てたアンテナを用いて送信する第3の過程と
を有する無線送信方法において、
前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記第1の過程にて生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力は前記送信信号の送信電力より大きいパターンであること
を特徴とする無線送信方法。
【請求項13】
複数のアンテナを用いて信号を送信する無線送信装置のコンピュータを、
予め決められた所定数の変調信号から前記所定数の2倍の冗長化信号を生成するブロック符号化部、
通信相手において既知の参照信号を生成する参照信号生成部、
前記参照信号と前記冗長化信号とを含む送信信号各々を割り当てるアンテナと時間領域と周波数領域と、各送信信号の送信電力とが決められた1つまたは複数のパターンのうちの何れかに従い、前記送信信号各々の送信電力を調整するとともに、前記送信信号各々を、前記アンテナと時間領域と周波数領域とにより特定される領域に割り当てるマッピング部
として機能させるプログラムにおいて、
前記パターンのうちの1つである第1のパターンは、前記ブロック符号化部が生成した所定数の2倍の冗長化信号が前記所定数ずつ2つのアンテナの同じ時間領域かつ同じ周波数領域に割り当てられ、該2つのアンテナには、該2つのアンテナの間で同じ時間領域かつ異なる周波数領域に、前記参照信号が割り当てられ、前記参照信号の送信電力は前記送信信号の送信電力より大きいパターンであること
を特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公開番号】特開2009−212615(P2009−212615A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51287(P2008−51287)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】