説明

無線通信における高信頼の送信電力およびタイミングの制御のための方法および装置

【課題】制御情報の信頼性を向上するための方法を提供する。
【解決手段】送信機が、タイムスロットにおいて送信されるべき少なくとも1つの制御シンボルに向上された信頼性が適用可能かどうかを判定する。送信機は、適用可能であるとみなされない場合は向上された信頼性なしに(1つまたは複数の)制御シンボルを送信し、適用可能であるとみなされる場合は向上された信頼性を用いて(1つまたは複数の)制御シンボルを送信する。受信機は(1つまたは複数の)制御シンボルを受信し、受信制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて各受信制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別する。受信機は、信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整する。また、信頼できない制御シンボルを合成し、合成シンボルに基づいて制御ループを選択的に調整する。制御ループは、送信電力またはタイミングに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して通信に関し、より具体的には無線通信において送信電力を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本特許出願は、本出願の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に援用される2005年8月26日に出願された「METHOD AND APPARATUS FOR RELIABLE POWER CONTROL IN WIRELESS COMMUNICATIONS」と題された米国仮出願第60/711,986号の優先権を主張するものである。
【0003】
無線多元接続通信システムにおいて、基地局はダウンリンクおよびアップリンク上で複数の端末(例えば、セルラ電話)と通信することができる。ダウンリンク(または順方向リンク)は基地局から端末への通信リンクを指し、アップリンク(または逆方向リンク)は端末から基地局への通信リンクを指す。
【0004】
干渉を減らし、システムの容量を改善するためにダウンリンクおよびアップリンクに対して電力制御が使用されることができる。ダウンリンク電力制御は、端末において目標受信信号品質を達成するように各端末へのダウンリンク伝送の送信電力を調整することを伴う可能性がある。受信信号品質は、信号対干渉雑音比(SINR)、SN比(SNR)、1シンボル当たりの電力対総雑音比(energy−per−symbol−to−total−noise ratio)(Es/Nt)、またはその他の尺度によって定量化されることができる。明確にするために、以下の説明の多くにおいては受信信号品質に関してSINRが使用される。同様に、アップリンク電力制御は、基地局において目標SINRを達成するように各端末からのアップリンク伝送の送信電力を調整することを伴う可能性がある。各リンクに関して、目標SINRは、目標フレーム誤り率(FER)または何らかのその他の性能測定基準によって定量化されることができる所望の性能レベルを達成するように調整されることができる。
【0005】
所与のリンクに対する送信電力調整は、受信機において受信SINRを推定し、受信SINRを目標SINRと比較し、比較結果に基づいて送信電力制御(TPC)命令を生成し、TPC命令を送信機に送信することによって達成されることができる。次に、送信機が、受信されたTPC命令に基づいて送信電力を上げるように、または下げるようにのいずれかで調整する。送信電力調整の精度は受信されたTPC命令の信頼性に依存する。
【0006】
以下で説明されるように、通信システムは、TPC命令がどのように送信されることができるかについていくつかの制約を課すことができる。これらの制約は、受信されたTPC命令の信頼性に悪影響を与える可能性がある。したがって、当技術分野において、そのような通信システムで信頼性の高い電力制御を達成するための技術に対するニーズが存在する。
【特許文献1】米国仮出願第60/711,986号
【発明の概要】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、装置が、可変の送信電力を用いて送信されたバースト内の制御シンボルを受信するため、制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて制御シンボルの信頼性を判定するため、制御シンボルが信頼できるとみなされる場合に制御ループを調整するため、ならびに制御シンボルが信頼できないとみなされる場合に制御ループを維持するための少なくとも1つのプロセッサと、当該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを含む。
【0008】
別の実施形態は、可変の送信電力を用いて送信されたバースト内の制御シンボルを受信することと、制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて制御シンボルの信頼性を判定することと、制御シンボルが信頼できるとみなされる場合に制御ループを調整することと、制御シンボルが信頼できないとみなされる場合に制御ループを維持することとを含む方法を含む。
【0009】
別の実施形態は、可変の送信電力を用いて送信されたバースト内の制御シンボルを受信するための手段と、制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて制御シンボルの信頼性を判定するための手段と、制御シンボルが信頼できるとみなされる場合に制御ループを調整するための手段と、制御シンボルが信頼できないとみなされる場合に制御ループを維持するための手段とを含む装置を含む。
【0010】
別の実施形態は、可変の送信電力を用いて送信されたバースト内の制御シンボルを受信し、制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて制御シンボルの信頼性を判定し、制御シンボルが信頼できるとみなされる場合に制御ループを調整し、制御シンボルが信頼できないとみなされる場合に制御ループを維持ように動作可能な命令を記憶するためのプロセッサ可読媒体を含む。
【0011】
別の実施形態は、制御シンボルを受信するため、受信された各制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別するため、信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整するため、合成されたシンボルを得るように信頼できない制御シンボルを合成するため、および合成されたシンボルに基づいて制御ループを選択的に調整するための少なくとも1つのプロセッサと、当該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを含む。
【0012】
別の実施形態は、制御シンボルを受信することと、受信された各制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別することと、信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整することと、合成されたシンボルを得るために信頼できない制御シンボルを合成することと、合成されたシンボルに基づいて制御ループを選択的に調整することとを含む方法を含む。
【0013】
別の実施形態は、制御シンボルを受信するための手段と、受信された各制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別するための手段と、信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整するための手段と、合成されたシンボルを得るために信頼できない制御シンボルを合成するための手段と、合成されたシンボルに基づいて制御ループを選択的に調整するための手段とを含む装置を含む。
【0014】
別の実施形態は、制御シンボルを受信し、受信された各制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別し、信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整し、合成されたシンボルを得るために信頼できない制御シンボルを合成し、合成されたシンボルに基づいて制御ループを選択的に調整するように動作可能な命令を記憶するためのプロセッサ可読媒体を含む。
【0015】
別の実施形態は、一のタイムスロットにおいて送信されるべき少なくとも1つの制御シンボルに改善された信頼性が適用可能かどうかを判定するため、適用可能ではないとみなされる場合に改善された信頼性なしに当該少なくとも1つの制御シンボルを送信するため、および適用可能であるとみなされる場合に改善された信頼性を用いて当該少なくとも1つの制御シンボルを送信するための少なくとも1つのプロセッサと、当該少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリとを含む装置を含む。
【0016】
別の実施形態は、一のタイムスロットにおいて送信されるべき少なくとも1つの制御シンボルに改善された信頼性が適用可能かどうかを判定することと、適用可能ではないとみなされる場合に改善された信頼性なしに当該少なくとも1つの制御シンボルを送信することと、適用可能であるとみなされる場合に改善された信頼性を用いて当該少なくとも1つの制御シンボルを送信することとを含む方法を含む。
【0017】
別の実施形態は、一のタイムスロットにおいて送信されるべき少なくとも1つの制御シンボルに改善された信頼性が適用可能かどうかを判定するための手段と、適用可能ではないとみなされる場合に改善された信頼性なしに当該少なくとも1つの制御シンボルを送信するための手段と、適用可能であるとみなされる場合に改善された信頼性を用いて当該少なくとも1つの制御シンボルを送信するための手段とを含む装置を含む。
【0018】
本発明の種々の態様および実施形態が以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】多元接続通信システムを示す図である。
【図2】UTRA TDD LCRにおける3レイヤフレーム構造を示す図である。
【図3】UTRA TDD LCRにおけるバーストフォーマットを示す図である。
【図4】制御シンボルを送信するためのプロセスを示す図である。
【図5】ダウンリンク電力制御メカニズムを示す図である。
【図6】信頼性を明らかにすることによって送信電力を調整するためのプロセスを示す図である。
【図7】電力制御のために信頼できないTPCシンボルを使用するためのプロセスを示す図である。
【図8】基地局および端末のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
用語「例示的な」は、本明細書においては「例、具体例、または事例としての役割を果たす」ことを表すために使用される。本明細書において「例示的」と記載されたいずれの実施形態も、必ずしもその他の実施形態よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0021】
図1は、複数の基地局110および複数の端末120を有する多元接続通信システム100を示す。概して、基地局は端末と通信する固定局であり、NodeB、アクセスポイント、または何らかのその他の用語で呼ばれることもある。各基地局110は、特定の地理的領域に対して通信カバーエリアを提供する。システムコントローラ130は、基地局110に結合し、これらの基地局に対する調整および制御を提供する。
【0022】
端末は、固定式または移動式であってよく、ユーザ端末(user equipment)、移動局、または何らかのその他の用語で呼ばれることもある。端末は、任意の所与の瞬間に0、1つ、または複数の基地局と通信することができる。端末は、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、加入者ユニット、無線モデム、無線デバイスなどであってよい。以下の説明において、用語「端末」および「ユーザ」は交換可能であるようにして使用される。
【0023】
本明細書において説明される技術は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、直交FDMA(OFDMA)システムなどの様々な無線通信システムに対して使用されることができる。CDMAシステムは、cdma2000、ユニバーサル地上無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access)(UTRA)時分割二重方式(TDD)、またはUTRA周波数分割二重方式(FDD)などの無線技術を実装することができる。cdma2000は、IS−2000、IS−95、およびIS−856規格をカバーする。UTRA TDDは、1.28、3.84、および7.68Mcpsオプションを含む。UTRA TDDの3.84および7.68Mcpsオプションは、時分割CDMA(TD−CDMA)または高チップレート(High Chip Rate)(HCR)とも呼ばれる。UTRA TDD1.28Mcpsオプションは、時分割同期CDMA(TD−SCDMA)または低チップレート(Low Chip Rate)(LCR)とも呼ばれる。UTRA FDDは、広帯域CDMA(WCDMA)とも呼ばれる。TDMAシステムは、移動体通信用グローバルシステム(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))などの無線技術を実装することができる。UTRA TDD、UTRA FDD、およびGSM(登録商標)は、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と名付けられた組織からの文書に記載されている。cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と名付けられた組織からの文書に記載されている。これらの様々な無線技術および規格は当技術分野において知られている。明確にするために、以下では本技術がUTRA TDD LCRに関して説明される。
【0024】
図2は、UTRA TDD LCRにおける3層フレーム構造200を示す。送信の時間軸はフレームに分割され、各フレームはシステムフレーム番号(system frame number)(SFN)によって識別される。各フレームは10ミリ秒(ms)の持続時間を有し、2つのサブフレーム1および2に分割される。各サブフレームは5msの持続時間を有し、0から6までの7つのタイムスロットと、ダウンリンク・パイロット・タイムスロット(downlink pilot time slot)(DwPTS)と、アップリンク・パイロットタイム・スロット(uplink pilot time slot)(UpPTS)と、ガード期間(GP)とに分割される。タイムスロット0はダウンリンク用に使用され、タイムスロット1はアップリンク用に使用され、タイムスロット2から6までは、切換点(switch point)によって決定されるとおりにダウンリンクおよび/またはアップリンク用に使用されることができる。
【0025】
各タイムスロットは1人または複数のユーザに割り当てられることができる。タイムスロットにおけるユーザのための伝送はバーストと呼ばれる。バーストは、トラヒック・データ、シグナリング、トランスポート・フォーマット組合せインジケータ(TFCI)、送信電力制御(TPC)、同期シフト(synchronization shift)(SS)、またはこれらの組合せを搬送することができる。TFCIは、データフレームのデータレートを示す。このデータレートは、フレームサイズ、符号化率、変調方式などの様々なパラメータに関連する。TPC情報は、送信電力調整のために使用される。SS情報は、異なる端末からのバーストが基地局に時間的に合わせられて到着するようにタイミング調整のために使用される。様々なバーストのフォーマットがUTRA TDDにおいて定義されている。
【0026】
図3は、バーストがTFCI、TPC、およびSS情報を搬送する場合のためのバーストフォーマット300を示す。バーストフォーマット300は、ダウンリンクおよびアップリンクに対して使用されることができる。バーストフォーマット300は、サブフレーム1内の1つのタイムスロットと、サブフレーム2内の別のタイムスロットとの2つのタイムスロットにおいて送信されるべき2つのバーストをカバーする。各バーストは、第1のデータフィールドと、ミッドアンブル(midamble)フィールドと、第2のデータフィールドと、ガード期間(GP)とを含む。各バーストの4つのフィールドは、図3に示される(チップで表された)長さを有する。
【0027】
2つのバーストの4つのデータフィールドは、データフレームに関するデータシンボルを搬送する。TFCI符号ワードは、図3に示された位置にある4つのデータフィールドにマッピングされる4つの部分に分割される。また、(1つまたは複数の)SSシンボルおよび(1つまたは複数の)TPCシンボルは、図3に示された位置にある各バーストの第2のデータフィールドにマッピングされることができる。
【0028】
UTRA TDDのアップリンク上で、タイムスロット内の全てのシンボルは同じウォルッシュ符号を用いて拡散される。このウォルッシュ符号は、1、2、4、8、または16である可能性がある拡散係数SFを有する。拡散係数は、所与のシンボルがタイムスロットにおいて複製および送信される回数を決定する。したがって、拡散係数はシンボルの信頼性を決定する1つの要因である。タイムスロット内のチップ数は一定なので、拡散係数はタイムスロットにおいて送信されることができるシンボル数を決定する。具体的には、タイムスロットは、タイムスロットの2つのデータフィールドにおいてN=704/SFシンボル、つまり、SF=1に対して704シンボル、SF=2に対して352シンボル、SF=4に対して176シンボル、SF=8に対して88シンボル、およびSF=16に対して44シンボルを搬送することができる。TFCI、TPC、SS、およびデータシンボルは、アップリンク上で同じ拡散係数を有する。
【0029】
ダウンリンク上で、TPCおよびSSシンボルはSF=16のウォルッシュ符号で拡散されるのに対して、その他のシンボルはSF=1または16のウォルッシュ符号で拡散される可能性がある。
【0030】
表1は、タイムスロット内の許されるTPCシンボル数および許されるSSシンボル数を与える。表1のケース1に関して、タイムスロットは、TPCに関するSF個のチップとSSに関するSF個のチップとを含む。ケース3に関して、タイムスロットは、TPCに関する16個のチップとSSに関する16個のチップとを含む。ケース3に関して、TPCまたはSSシンボルは16/SF回複製され、16チップで送信される。
【表1】

【0031】
TPCシンボルおよびSSシンボルは符号化なしに送信される。TPCシンボルは、送信電力を下げるためのダウンTPC命令(Down TPC command)か、または送信電力を上げるためのアップTPC命令(Up TPC command)である可能性がある。SSシンボルは、同期シフトをk/8チップ下げるためのダウンSS命令(Down SS command)か、同期シフトをk/8チップ上げるためのアップSS命令(Up SS command)か、または変更しないためのドゥナッシングSS命令(Do nothing SS command)である可能性があり、ここでkはシステムによってシグナリングされる値である。TPCおよびSSシンボルは、同じ拡散係数および送信電力を用いて送信される。したがって、3レベルの(tri−level)SSシンボルは2レベルの(bi−level)TPCシンボルよりも信頼性が低い。
【0032】
UTRA TDDにおいて、端末は、ダウンリンクおよびアップリンクのそれぞれについて専用トラヒック・チャネル(DTCH)および専用制御チャネル(DCCH)を割り当てられることができる。DTCHは、例えば音声、パケットデータなどに関するトラヒック・データを搬送する。1つのデータフレームは、DTCH上で、20msかまたは何らかのその他の持続時間であってよい各送信時間間隔(TTI)内に送信されることができる。データフレームは、パケット、データ符号ワード、データブロックなどと呼ばれることもある。各データフレームは処理され、4つのタイムスロットにおいて送信される4つのバーストにマッピングされる。DCCHはシグナリングを搬送する。1つの制御フレームは、DCCH上で40msの各区間内に送信されることができる。各制御フレームは処理され、8つのタイムスロットにおいて送信される8つのバーストにマッピングされる。バーストのデータフィールドは、DCCHが送信されない場合はDTCHに関するデータシンボルのみを搬送することができる。データフィールドは、DCCHが送信される場合はDTCHに関するデータシンボルとDCCHに関するシグナリング・シンボルとの両方を搬送することができる。タイムスロット内のシンボルの総数は一定であり、拡散係数によって決定される。該タイムスロットにおいて送信されることができるデータシンボルの数(N)は、該タイムスロット内のシンボルの総数(N)と、該タイムスロットにおいて送信されるシグナリング・シンボル(もしあれば)の数と、送信されるTPCおよびSSシンボル(もしあれば)の数とによって決定される。
【0033】
端末は、アップリンク上の伝送のために異なるデータレートでトラヒック・データを受け取ることができる。一例として、端末は音声通話を有することができ、12.2から4.75キロビット毎秒(kbps)の範囲のデータレートで適応マルチレート(AMR)音声コーデックによって生成された音声フレームを受け取ることができる。端末は、無音期間(例えば、言葉が途切れたとき)中の無音記述子(silence descriptor)(SID)フレーム、およびヌル(Null)フレームも受け取ることができる。12.2kのフレームは244ビットを搬送し、4.75kのフレームは95ビットを搬送し、SIDフレームは37ビット以上を搬送することができ、ヌルフレームは0ビットを搬送する。各データフレームは4タイムスロットで送信されることができる。端末は各データフレームを好適な符号化率で処理して、4タイムスロットでの伝送のための4N個のデータシンボルを生成することができる。端末は、異なるデータレートのデータフレームに対して異なる符号化率を使用することができる。
【0034】
各符号化率は、目標性能レベル、例えば1%のFERを達成するために必要とされる特定の最小SINRに関連する。異なる符号化率を用いて符号化されたデータフレームに対して異なる送信電力レベルが使用されることができる。より高いデータレートを有するデータフレームは、目標FERを達成するために、より小さな冗長性を有するより高い符号化率で符号化されることができ、より高い送信電力レベルで送信されることができる。反対に、より低いデータレートを有するデータフレームは、同じ目標FERを達成するために、より大きな冗長性を有するより低い符号化率で符号化されることができ、より低い送信電力レベルで送信されることができる。より低い送信電力レベルは干渉を小さくし、潜在的にシステムの性能を高める。
【0035】
表2は、DCCHがある場合およびDCCHがない場合についての異なる音声レートに関する電力オフセットをデシベル(dB)を単位として与える。DCCHが送信されるとき、同じ目標FERに関してSIDフレームは12kのフレームよりも4.5dB少ない電力で送信されることができ、ヌルフレームは12kのフレームよりも6.4dB少ない電力で送信されることができる。DCCHがない12k、SID、およびヌルのフレームは、DCCHがある12k、SID、ヌルのフレームよりも低い電力で送信されることができる。
【表2】

【0036】
UTRA TDDにおいて、一のタイムスロットの全てのシンボルは同じ電力レベルで送信される。特定のシンボルの電力を上げて/下げてそのシンボルの信頼性を高めるための規定は現在のUTRA TDD規格には存在しない。このことは、送信電力レベルがデータフレームのデータレートに応じて変更されるときに問題となる可能性がある。送信電力レベルは、より低いレートのデータフレームを送信するときに小さくされることができる。しかし、レイヤ1の情報(例えば、TFCI、TPC、およびSSシンボル)もより低い電力レベルで送信される。このより低い電力レベルは、低い符号化率で符号化されたデータフレームを復号化するには十分である可能性があるが、通常は符号化されないか、または弱い符号(weak code)を用いて符号化されるレイヤ1の情報を復号化するには不十分である可能性がある。
【0037】
より低い送信電力レベルは、TPCおよびSSシンボルに関してより低い信頼性をもたらす可能性がある。SIDおよびヌルフレームに関してより低い電力レベルを有するDCCHがない場合に関してTPCおよびSSのシンボル誤り率(SER)を判定するためにコンピュータ・シミュレーションが実行された。AWGNチャネルに関して、SERは、12kのフレームに対して約4%、SIDフレームに対して13%、ヌルフレームに対して16%である。SIDフレームおよびヌルフレームの両方に関する高いTPC SERおよび高いSS SERは、それぞれ電力制御および時間トラッキングの性能に悪影響を与える可能性がある。
【0038】
制御シンボル(例えば、TFCI、TPC、およびSSシンボル)の信頼性はいくつかのやり方で改善されることができる。一実施形態において、制御シンボルは繰り返され、複数のウォルッシュ符号を用いて拡散され、合成され、その制御シンボルに関して指定された位置で送信される。例えば、TPCシンボルは2つに複製されることができ、第1のTPCシンボルは第1のウォルッシュ符号を用いて拡散されることができ、第2のTPCシンボルは第2のウォルッシュ符号を用いて拡散されることができ、2つの拡散されたTPCシンボルは合成され、元のTPCシンボルの位置で送信されることができる。2つのウォルッシュ符号の使用は、TPCシンボルのSINRを3dB改善する。別の実施形態において、制御シンボルは繰り返され、一のタイムスロットの複数の位置で送信される。さらに別の実施形態において、制御シンボルは繰り返され、複数のタイムスロットにおいて送信される。例えば、TPCシンボルは、サブフレーム1のタイムスロットと、さらにサブフレーム2の別のタイムスロットとで送信されることができる。この場合、TPCフィードバック・レートは2分の1に減らされる。この実施形態は、制御シンボルを同じタイムスロットの複数の位置で送信するよりも大きな時間ダイバーシティを提供することができる。さらに別の実施形態において、制御シンボルは、当該制御シンボルの高信頼の受信を可能にする電力レベルで送信される。この実施形態において、制御シンボルの送信電力は、たとえデータシンボルの送信電力がタイムスロット毎に変更されるとしてもほぼ一定に維持されることができる。さらに別の実施形態において、制御シンボルは符号ワードを生成するためにブロック符号を用いて符号化され、制御シンボルに関して符号ワードが送信される。
【0039】
一実施形態において、制御シンボルは、必要とされるときにのみ改善された信頼性を用いて送信される。例えば、図2に示されるように全てのサポートされるデータレートに対して電力オフセットが決定されることができる。改善された信頼性は、1つまたは複数のデータレートに関する制御シンボルに関して、それらのデータレートの電力オフセットに基づいて使用されることができる。例えば、改善された信頼性は、最も大きな電力オフセットを有するヌルフレームに対してのみ適用される可能性がある。改善された信頼性は、SIDフレームおよび/またはその他のデータレートのフレームにも適用されることができる。別の実施形態において、改善された信頼性は全てのサポートされるデータレートに対して適用される。
【0040】
図4は、制御シンボル、例えば、TFCI、TPC、および/またはSSシンボルを送信するためのプロセス400の一実施形態を示す。伝送のためにデータフレームが受け取られ、データフレームのデータレートが判定される(ブロック412)。タイムスロットに関する送信電力レベルが、データレートおよび現在の送信電力レベルに基づいて決定される(ブロック414)。次に、当該タイムスロットにおいて送信されるべき少なくとも1つの制御シンボルに改善された信頼性が適用可能かどうかの判定がなされる(ブロック416)。例えば、送信電力レベルまたはデータレートが閾値未満である場合、改善された信頼性が適用可能である可能性がある。ブロック418で決定された際に改善された信頼性が適用可能である場合、(1つまたは複数の)制御シンボルが改善された信頼性を用いて送信される(ブロック420)。これは、(1つまたは複数の)制御シンボルを複製し、(1つまたは複数の)制御シンボルの複数のコピーを送信することを伴う可能性がある。ブロック420に対して上述のその他の実施形態が使用されることもできる。改善された信頼性が適用可能でない場合、(1つまたは複数の)制御シンボルは通常のやり方で送信される(ブロック422)。いずれの場合も、(1つまたは複数の)制御シンボル、およびデータシンボルが、該タイムスロットに対して決定された送信電力レベルで送信されることができる。
【0041】
受信機は、所与のデータフレームに関して送信された(1つまたは複数の)制御シンボルの全てのコピーを取得する。受信機は全てのコピーを合成して、データフレームに関する(1つまたは複数の)受信された制御シンボルを得ることができる。一実施形態において、受信機は、シンボル単位で複製の単純平均を実行し、コヒーレント和を取る(coherently sums)。別の実施形態において、受信機は、最大比合成(MRC)を実行し、シンボルをコピー毎にそのコピーの受信されたSINRに基づいて重み付けし、シンボル単位で全てのコピーの重み付けされたシンボルを合計する。MRCは、より高い受信されたSINRを有するコピーに対してより大きな重みを与え、このことは(1つまたは複数の)結果として得られる受信された制御シンボルの品質を向上することができる。
【0042】
上述の実施形態は、例えば音声通話中の音声活動の変動が原因でデータが可変の送信電力で送信されるときに制御シンボルの信頼性を改善するために使用されることができる。これらの実施形態は、制御シンボル、例えば、TFCI、TPC、およびSSシンボルのうちのいずれかまたは全てに適用されることができる。TPCおよびSSの性能は、以下で説明される技術を使用してさらに改善されることができる。明確にするために、本技術は、特にダウンリンク電力制御に関して説明される。これらの技術は、アップリンク電力制御およびタイミング制御に関しても使用され得る。
【0043】
図5は、基地局から端末へのダウンリンク伝送の送信電力を調整するダウンリンク電力制御メカニズム500を示す。電力制御メカニズム500は、内部ループ502および外部ループ504を含む。
【0044】
内部ループ502は、ダウンリンク伝送に関する受信されたSINRを目標SINRのできるだけ近くに維持するように試みる。端末に割り当てられた各タイムスロットにおいて、SINR推定器512がダウンリンク伝送の受信されたSINRを推定し、受信されたSINRをTPCジェネレータ514に提供する。TPCジェネレータ514は、調整ユニット518からの目標SINRも受け取り、受信されたSINRを目標SINRと比較し、比較結果に基づいてTPCシンボルを生成する。TPCシンボルは、アップリンク(クラウド(cloud)520)上で基地局に送信される。基地局は、端末からのアップリンク伝送を処理し、端末に割り当てられた各タイムスロットにおける受信されたTPCシンボルを取得する。TPC検出器522は、受信された各TPCシンボルを検出し、アップ命令が検出されたか、それともダウン命令が検出されたかを示すTPC判断を提供する。次に、送信機ユニット524は、TPC判断に基づいてダウンリンク伝送のための送信電力を調整する。
【0045】
典型的には特に移動体端末に関して時間の経過と共に変化するようなダウンリンク(クラウド530)上の経路損失およびフェージングが原因で、端末における受信されたSINRは絶えず変動する。内部ループ502は、ダウンリンクの変動の存在下で受信されたSINRを目標SINRに、または目標SINRの近くに維持するように試みる。
【0046】
外部ループ504は、ダウンリンク伝送に関して目標FERが達成されるように目標SINRを絶えず調整する。送信(TX)データプロセッサ526は、ダウンリンク上の伝送のためのデータフレームを受け取り、処理する。受信(RX)データプロセッサ516は、ダウンリンク伝送を処理し、受信されたデータフレームを復号化する。さらに、RXデータプロセッサ516は、それぞれの復号化されたフレームをチェックし、フレームが正しく復号化された(良好)か、それとも誤って復号化された(削除された)かを判定し、それぞれの復号化されたフレームの状態を提供する。調整ユニット518は、フレームの状態および目標FERを受け取り、目標SINRを決定する。調整ユニット518は、正しく復号化された各フレーム(つまり良好なフレーム)に関して目標SINRをΔDNステップ下げ、誤って復号化された各フレーム(つまり良好なフレーム)に関して目標SINRをΔUPステップ上げることができる。ΔUPステップおよびΔDNステップは、以下のように目標FERに基づいて選択されることができる。
【数1】

【0047】
ΔUPステップおよびΔDNステップは、外部ループに関する所望の収束のレートに基づいて決定されることもできる。
【0048】
図5は、例示的なダウンリンク電力制御メカニズムを示す。端末から基地局へのアップリンク伝送の送信電力を調整するためのアップリンク電力制御メカニズムは同様のやり方で実装されることができる。したがって、基地局は、ダウンリンク電力制御に関してブロック522から526までを実行することができ、アップリンク電力制御に関してブロック512から518までを実行することができる。端末は、ダウンリンク電力制御に関してブロック512から518までを実行することができ、アップリンク電力制御に関してブロック522から526までを実行することができる。
【0049】
TPCシンボルが確実に検出されることができる場合、電力制御メカニズムが良好に機能し、その結果、送信電力が正しい方向に調整されることができる。より低い送信電力を有するタイムスロット内のTPCシンボルに関してより高い誤り率に遭遇する可能性がある。TPCの性能は、様々なやり方で改善されることができる。
【0050】
一実施形態において、送信電力は、受信されたTPCシンボルが信頼できるとみなされるときのみ調整され、信頼できるとみなされない場合は維持される。受信されたTPCシンボルの信頼性は、様々なやり方で、および様々な測定基準に基づいて定量化されることができる。一実施形態において、受信されたTPCシンボルは、そのTPCシンボルの受信されたSINRがSINRの閾値を超える場合は信頼できるとみなされ、閾値を超えない場合は信頼できないとみなされる。SINRの閾値は様々なやり方で決定されることができる。
【0051】
一実施形態において、受信されたTPCシンボルに関するSINRの閾値は、データフレームに関する目標SINRに基づいて動的に設定される。所与の動作シナリオ(例えば、チャネル・モデル、バースト・フォーマット、および符号化率/データレート)に関して、データフレームに関する目標FER(例えば、1%のFER)を達成するために特定のSINRが必要とされ、TPCシンボルに関する目標SER(例えば、6%のSER)を達成するために別のSINRが必要とされる。これら2つの必要とされるSINRの間の差は符号化利得と呼ばれる。符号化利得は異なるSERに渡って、およびほとんどのチャネル・モデルを通じてかなり一定していることが示されることができる。
【0052】
目標SINRは、目標FERを達成するために受信されたデータフレームの状態に基づいて調整されることができる。そのとき、SINRの閾値は以下のように設定されることができる。
【数2】

【0053】
符号化利得は、データフレームのデータレート、(一のタイムスロット内のデータシンボルおよびTPCシンボルの数を決定する)バースト・フォーマット、データフレームに関する目標FER、およびTPCシンボルに関する目標SERなどの様々な要因によって決まる。表3は、1%のFERおよび6%のSERを用いた1つの例示的な動作シナリオのための12k、SID、およびヌルのフレームに関する符号化利得を示す。
【表3】

【0054】
符号化利得は、関心のある全てのデータレートおよび全ての動作シナリオに関して決定され、参照テーブルに記憶されることができる。その後、好適な符号化利得が受信された各データフレームに関して参照テーブルから取得され、そのフレームに対するSINRの閾値を生成するために使用されることができる。
【0055】
別の実施形態において、SINRの閾値は、コンピュータ・シミュレーション、実験的計測などを介して決定されることができる固定値である。所与のSERに対して必要とされるSINRは異なるチャネル・モデルにおける符号化されていないシンボルに対して高いロバスト性を有することが示されることができる。必要とされるSINRは、TPCシンボルが1回送信されるときに6%のSERに対して約1.3dBであり、例えば2つのウォルッシュ符号を用いて、または2つのタイムスロットにおいてTPCシンボルが2回送信されるときに約−1.7dBである。目標SERに対して必要とされるSINRが決定され、信頼性検出のためのSINRの閾値として使用されることができる。
【0056】
図6は、ダウンリンク電力制御のためのプロセス600の一実施形態を示す。プロセス600は、アップリンク電力制御のための外部ループに関するブロック610と、ダウンリンク電力制御のための内部ループに関するブロック620とを含む。ブロック610に関して、データフレームがアップリンク上で受信される度に受信されたデータフレームが処理(例えば、復調、復号化、およびチェック)されてそのデータフレームの状態が判定される(ブロック612)。次に、フレーム誤りがあったかどうかの判定がなされる(ブロック614)。答えが「はい」である場合、アップリンク電力制御のための目標SINRがΔUPステップ上げられる(ブロック616)。答えが「はい」でない場合、目標SINRがΔDNステップ下げられる(ブロック618)。
【0057】
ブロック620に関して、バーストがアップリンク上で受信される度にTPCシンボルがバーストから取得され(ブロック622)、TPCシンボルの受信されたSINRが判定される(ブロック624)。SINRの閾値は、例えば、式(2)に示されたように現在の目標SINR、および当該バーストに関する符号化利得に基づいて決定されることができる(ブロック626)。代替として、固定のSINRの閾値が使用されることができる。いずれの場合も、受信されたSINRがSINRの閾値よりも大きいかどうかの判定がなされる(ブロック628)。答えが「はい」である場合、ダウンリンク伝送のための送信電力が、受信されたTPCシンボルに基づいて上げるようにまたは下げるように調整される(ブロック630)。答えが「はい」でない場合、送信電力は同じレベルに維持される(ブロック632)。
【0058】
明確にするために、図6は、アップリンク電力制御のための外部ループと、ダウンリンク電力制御のための内部ループとを両方示す。外部ループはデータフレームが受信される度に更新されることができ、内部ループはTPCシンボルを有するバーストが受信される度に更新されることができる。データフレームは複数のバーストで送信されることができるので、内部ループは外部ループよりも速いレートで更新されることができる。
【0059】
別の実施形態において、送信電力は、信頼できないTPCシンボルに基づいて選択的に調整される。1つのTPCシンボルから次のTPCシンボルに相関が存在する可能性がある。例えば、現在のTPCシンボルが「1」であり、前のTPCシンボルが「0」である場合、送信電力は、それら2つのTPCシンボルの終わりに同じレベルに維持されるべきである。上述のようにこれらのTPCシンボルの両方が信頼できないと検出され、送信電力調整に使用されない場合、信頼できないTPCシンボルが原因で送信電力を同じレベルに維持することは間違っていない。しかし、現在のTPCシンボルおよび前のTPCシンボルが同じであり、信頼できないと検出される場合、送信電力は、それら2つの信頼できないTPCシンボルに関して同じレベルに維持されるならば正しくない。2つのTPCシンボル間の相関がTPCの性能を改善するために利用されることができる。
【0060】
一実施形態において、2つの連続する受信されたTPCシンボルが信頼できないとみなされるとき、これらの受信されたTPCシンボルは合成されたシンボルを得るためにコヒーレントに合成される(coherently combined)。合成されたシンボルの大きさ(magnitude)はシンボルの信頼性を示し、合成されたシンボルの符号は送信電力調整の方向を示す。合成されたシンボルの大きさは、大きさの閾値Mthと比較されることができる。合成されたシンボルの大きさが大きさの閾値を超える場合、送信電力は、合成されたシンボルの符号に基づいて上げるようにまたは下げるように調整されることができる。送信電力は、1増加ステップもしくは1減少ステップか、2増加ステップもしくは2減少ステップか、または前のタイムスロットにおける調整の不足からの回復に役立つ場合には何らかのその他の量だけ調整されることができる。
【0061】
表4は、現在のTPCシンボルおよび前のTPCシンボルの4つの可能な組合せと、各組合せに対して実行すべき対処とを示す。
【表4】

【0062】
図7は、信頼できないTPCシンボルに基づいて送信電力を選択的に調整するためのプロセス700の一実施形態を示す。プロセス700は、ダウンリンク電力制御のための内部ループの一部である。プロセス700のブロック728、730、および732は、図6のプロセス600のブロック628、630、および632のためにそれぞれ使用されることができる。
【0063】
プロセス700において、現在のTPCシンボルが信頼できるかどうかの判定が最初になされる(ブロック728)。答えが「はい」である場合、送信電力が現在のTPCシンボルに基づいて調整される(ブロック730)。答えが「はい」でない場合、前のTPCシンボルが信頼できるかどうかの判定がなされる(ブロック734)。ブロック734に対して答えが「いいえ」である(このことは、現在のTPCシンボルおよび前のTPCシンボルが両方とも信頼できないことを意味する)場合、これら2つのTPCシンボルが合成されたシンボルを得るためにコヒーレントに合成される(ブロック736)。次に、合成されたシンボルの大きさが大きさの閾値を超えているかどうかの判定がなされる(ブロック738)。ブロック738に対して答えが「はい」である場合、現在のTPCシンボルが信頼できないから信頼できるに変更され、その結果、その現在のTPCシンボルは次のTPCシンボルと合成されない(ブロック740)。次に、送信電力が合成されたシンボルの符号に基づいて調整される(ブロック742)。(前のTPCシンボルが信頼でき、前のタイムスロットにおいて送信電力の調整に使用されたので)ブロック734に対して答えが「はい」である場合、または(合成されたシンボルが十分に信頼できないので)ブロック738に対して答えが「いいえ」である場合、送信電力は同じレベルに維持される。
【0064】
前のTPCシンボルが信頼できない場合に当該前のTPCシンボルを記憶するためにアキュムレータが使用されることができる。アキュムレータ内の記憶されたTPCシンボルは、現在のTPCシンボルも信頼できない場合に当該現在のTPCシンボルとコヒーレントに合成されることができる。アキュムレータは、現在のTPCシンボルが信頼できる場合に、または合成されたシンボルの大きさが大きさの閾値を超える場合に0にリセットされることができる。アキュムレータは、現在のTPCシンボルが信頼できない場合に、および合成されたシンボルの大きさが大きさの閾値未満である場合に現在のTPCシンボルを記憶することができる。
【0065】
大きさの閾値Mthは以下のように決定されることができる。TPCシンボルは2つの可能な値「1」および「0」を有し、+aまたは−aのいずれかとして送信され、ここでaは複素数値である。2つの連続する受信されたTPCシンボルは以下のように表されることができる。
【数3】

【0066】
ここで、TPC(k)は現在のTPCシンボルであり、
TPC(k−1)は前のTPCシンボルであり、
およびEk−1はこれら2つのTPCシンボルに関する送信電力レベルであり、
n(k)およびn(k−1)はこれら2つのTPCシンボルによって観測された雑音である。
【0067】
簡単にするために、式(3)は、
【数4】

【0068】
および
【数5】

【0069】
となるようにTPCシンボルがBPSKシンボルとして送信されることを仮定する。
【0070】
受信されたTPCシンボルは以下のようにコヒーレントに合成されることができる。
【数6】

【0071】
ここで、TPCcombは合成されたシンボルである。
【0072】
合成されたシンボルは、2つのTPCシンボルのそれぞれに関して「1」が送信されたか、それとも「0」が送信されたかに応じて
【数7】

【0073】
の平均を有する。2つのTPCシンボルに関する「00」、「01」、「10」、および「11」に対応する4つの起こり得るケースが存在する。関心のある2つのケースは、2つのTPCシンボルが同じであるときである。したがって、両方のTPCシンボルが、(合成されたシンボルに関する正の符号に対応することができる)「1」か、または(合成されたシンボルに関する負の符号に対応することができる)「0」であると仮定されることができる。両方のTPCシンボルが「1」である場合、合成されたシンボルの平均は
【数8】

【0074】
である。その他の2つのケースは、(1)TPC(k)が「1」であり、TPC(k−1)が「0」であるケース(これは
【数9】

【0075】
の平均を与える)、および(2)TPC(k)が「0」であり、TPC(k−1)が「1」であるケース(これは
【数10】

【0076】
の平均を与える)である。2つの「1」が送信されたことを判断することに対する最も近い似たやり方(nearest contender)が、E>Ek−1の場合はケース(1)であり、Ek−1>Eの場合はケース(2)である、ケース(1)およびケース(2)のうちの大きい方の平均を伴う場合である。
【0077】
閾値は、「01」が送信されたのか、「10」が送信されたのか、それとも「11」が送信されたのかを判定するために使用されることができる。合成されたシンボルの分散(variance)は全てのケースに対して同じであるので、閾値は、
【数11】

【0078】
と、
【数12】

【0079】
および
【数13】

【0080】
のうちの大きい方との平均に設定されることができる。したがって、閾値は、
【数14】

【0081】
の場合は
【数15】

【0082】
に、
【数16】

【0083】
の場合は
【数17】

【0084】
に、すなわち、2つのTPCシンボルの大きい方の振幅に設定されることができる。
【0085】
一のタイムスロット内の全てのシンボルは同じ送信電力レベルで送信されるので、
【数18】

【0086】
および
【数19】

【0087】
の推定値は、それぞれタイムスロットkおよびk−1において受信されたシンボルの平均の大きさに基づいて取得されることができる。そして、大きさの閾値Mthが、
【数20】

【0088】
および
【数21】

【0089】
の推定値に基づいて設定されることができる。
【0090】
図7に示された電力制御の実施形態に関してコンピュータ・シミュレーションが行われた。コンピュータ・シミュレーションは、TPCシンボルに関する全体的なSERが様々なチャネル・モデルおよびデータレートに対して著しく、例えば、あるシナリオにおいては20%から6%に削減されたことを示す。
【0091】
明確にするために、本技術は、ダウンリンク電力制御に関して説明された。基地局は、図6のプロセス600および/または図7のプロセス700を実行して端末に関する送信電力を調整することができる。これらの技術は、アップリンク電力制御に対しても使用され得る。この場合、端末は、プロセス600および/または700を実行して基地局に関する送信電力を調整することができる。これらの技術は、ダウンリンクおよびアップリンクの両方に関するタイミング制御のために使用されることもできる。これらの場合、(送信電力の代わりに)タイミングが受信されたSSシンボルに基づいて調整される。
【0092】
図8は、図1の基地局のうちの1つおよび端末のうちの1つである基地局110および端末120のブロック図を示す。基地局110において、TXデータプロセッサ810は、(例えば、DTCHに関する)データフレームと(例えば、DCCHに関する)シグナリングフレームとを受け取り、各フレームを処理(例えば、符号化およびインターリーブ)し、符号化されたデータを提供する。変調器812は、符号化されたデータを処理してデータシンボルを生成し、(例えば、TFCI、TPC、およびSSに関する)制御情報を処理して制御シンボルを生成し、データシンボルおよび制御シンボルのバーストを提供する。UTRA TDDに関して、変調器812による処理は、データシンボルおよび制御シンボルを1つまたは複数のウォルッシュ符号を用いて拡散することと、拡散されたシンボルをスクランブリング符号を用いてスクランブルすることとを含むことができる。次に、送信機(TMTR)814はバーストを処理して、アンテナ816から端末に送信されるダウンリンク信号を生成する。
【0093】
端末120において、アンテナ852は、基地局110からダウンリンク信号を受信し、受信された信号を受信機(RCVR)854に提供する。受信機854は、受信された信号を調整およびディジタル化し、サンプルを提供する。次に、復調器856がサンプルを処理(例えば、逆スクランブルおよび逆拡散)して受信されたシンボルを得る。RXデータプロセッサ858は、端末120に送信された各データフレームに関する受信されたデータシンボルを復号化し、復号化されたデータを提供する。さらに、RXデータプロセッサ858は、受信された各データフレームの状態(例えば、良好または削除された)をコントローラ870に提供する。
【0094】
アップリンク伝送のための処理は、ダウンリンク伝送のための処理と同様であることができる。UTRA TDDに関するダウンリンクおよびアップリンクの処理は、文書3GPP TS25.221およびTS25.222に記載されている。コントローラ830および870は、それぞれ基地局100および端末120における動作を管理する。メモリ832および872は、それぞれ基地局110および端末120のためのデータおよびプログラムコードを記憶する。
【0095】
制御シンボルの伝送に関して、コントローラ830および/または870は図4のプロセス400を実行し、改善された信頼性を用いて制御シンボルを送信するかどうかを決定することができる。
【0096】
ダウンリンク電力制御に関して、端末120のSINR推定器874が受信されたSINRを推定することができる。コントローラ870は、受信されたSINRと、ダウンリンクのデータフレームに関する目標SINRとに基づいてアップリンク(UL)のTPCシンボルを生成することができる。基地局110のコントローラ830は図6のプロセス600、図7のプロセス700、および/またはその他のプロセスを実行して、端末から受信されたUL TPCシンボルに基づいて端末120に対する送信電力を調整することができる。
【0097】
アップリンク電力制御に関して、基地局110のSINR推定器834が端末120に関する受信されたSINRを推定することができる。コントローラ830は、受信されたSINRと、端末からのアップリンクのデータフレームに関する目標SINRとに基づいてダウンリンク(DL)のTPCシンボルを生成することができる。端末120のコントローラ870は図6のプロセス600、図7のプロセス700、および/またはその他のプロセスを実行して、基地局から受信されたDL TPCシンボルに基づいて基地局110に対する送信電力を調整することができる。
【0098】
アップリンクのタイミング制御に関して、コントローラ870が、基地局110へのアップリンク伝送のタイミングを基地局から受信されたDL SSシンボルに基づいて調整することができる。ダウンリンクのタイミング制御に関して、コントローラ830が、端末120へのダウンリンク伝送のタイミングを端末から受信されたUL SSシンボルに基づいて調整することができる。コントローラ830および/または870は、タイミング制御のために、図6および7に示されたプロセスと同様のプロセスを実行することができる。
【0099】
当業者は、情報および信号が様々な異なるテクノロジーおよび技術のうちのいずれかを使用して表されることができることを理解するであろう。例えば、上の説明を通して参照されることができるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界もしくは磁気的粒子、光場もしくは光学的粒子、またはそれらの任意の組合せで表されることができる。
【0100】
さらに、当業者は、本明細書において開示された実施形態に関連して説明された種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムのステップが、電子的なハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、またはそれら両方の組合せとして実装されることができることを理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、種々の例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、概してそれらの機能の観点で上記で説明された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、それともソフトウェアで実装されるかは、システム全体に課された特定の用途および設計の制約による。当業者は、説明された機能をそれぞれの特定の用途のために様々なやり方で実装することができるが、そのような実装の判断は本発明の範囲からの逸脱をもたらすものと解釈されてはならない。
【0101】
本明細書において開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくはその他のプログラマブル・ロジック・デバイス、離散的なゲートもしくはトランジスタ・ロジック、離散的なハードウェア・コンポーネント、または本明細書において説明された機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行されることができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってよいが、別法として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であってよい。プロセッサは、コンピューティング・デバイスの組合せ、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意のその他のそのような構成として実装されてもよい。
【0102】
本明細書において開示された実施形態と関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールで、またはこれら2つの組合せで具現化されることができる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている任意のその他の形態の記憶媒体に存在することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体から情報を読むことができ、当該記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。別法として、記憶媒体はプロセッサに一体化されていてよい。プロセッサおよび記憶媒体はASIC内に存在してよい。ASICはユーザ端末内に存在してよい。別法として、プロセッサおよび記憶媒体はユーザ端末内の別個のコンポーネントとして存在してよい。
【0103】
開示された実施形態の上記の説明は、当業者が本発明を作製するまたは使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する種々の修正が当業者には容易に明らかとなり、本明細書において定義された包括的な原理は、本発明の精神または範囲を逸脱することなくその他の実施形態に適用可能である。したがって、本発明は、本明細書において示された実施形態に限定されるようには意図されておらず、本明細書において開示された原理および新規性のある特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記を備える装置:
可変の送信電力を用いて送信されたバースト内の制御シンボルを受信するため、前記制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて前記制御シンボルの信頼性を判定するため、前記制御シンボルが信頼できるとみなされる場合に制御ループを調整するため、ならびに前記制御シンボルが信頼できないとみなされる場合に前記制御ループを維持するための少なくとも1つのプロセッサ;および、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリ。
【請求項2】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
前記制御シンボルはTPCシンボルであり、前記制御ループは送信電力に関し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、信頼できるとみなされる場合は前記TPCシンボルに基づいて前記送信電力を調整し、前記TPCシンボルが信頼できないとみなされる場合は前記送信電力を維持する。
【請求項3】
請求項1に記載の装置、ここにおいて、
前記制御シンボルは同期シフトシンボルであり、前記制御ループはタイミングに関し、 前記少なくとも1つのプロセッサは、信頼できるとみなされる場合は前記同期シフトシンボルに基づいて前記タイミングを調整し、前記同期シフトシンボルが信頼できないとみなされる場合は前記タイミングを維持する。
【請求項4】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、データフレームに関する目標受信信号品質に基づいて前記閾値を決定する。
【請求項5】
請求項4に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、さらに前記バーストで送信されたデータフレームに関する符号化利得に基づいて前記閾値を決定する。
【請求項6】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記バーストで送信されたデータフレームのデータレートを判定し、前記データレートに基づいて符号化利得を判定し、データフレームに関する目標受信信号品質、および前記符号化利得に基づいて前記閾値を決定する。
【請求項7】
請求項4記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、受信データフレームに関する復号化の結果に基づいて前記目標受信信号品質を調整する。
【請求項8】
請求項1記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは前記閾値に関して固定値を使用し、前記固定値は制御シンボルに関する目標シンボル誤り率に基づいて選択される。
【請求項9】
下記を備える方法:
可変の送信電力を用いて送信されたバースト内の制御シンボルを受信すること;
前記制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて前記制御シンボルの信頼性を判定すること;
前記制御シンボルが信頼できるとみなされる場合に制御ループを調整すること;および、
前記制御シンボルが信頼できないとみなされる場合に前記制御ループを維持すること。
【請求項10】
さらに下記を備える請求項9記載の方法:
データフレームに関する目標受信信号品質、および前記バーストで送信されたデータフレームに関する符号化利得に基づいて前記閾値を決定すること。
【請求項11】
下記を備える装置:
可変の送信電力を用いて送信されたバースト内の制御シンボルを受信するための手段; 前記制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて前記制御シンボルの信頼性を判定するための手段;
前記制御シンボルが信頼できるとみなされる場合に制御ループを調整するための手段; 前記制御シンボルが信頼できないとみなされる場合に前記制御ループを維持するための手段。
【請求項12】
さらに下記を備える請求項11記載の装置:
データフレームに関する目標受信信号品質、および前記バーストで送信されたデータフレームに関する符号化利得に基づいて前記閾値を決定するための手段。
【請求項13】
下記のように動作可能な命令を記憶するためのプロセッサ可読媒体:
可変の送信電力を用いて送信されたバースト内の制御シンボルを受信し;
前記制御シンボルの受信信号品質、および閾値に基づいて前記制御シンボルの信頼性を判定し;
前記制御シンボルが信頼できるとみなされる場合に制御ループを調整し;
前記制御シンボルが信頼できないとみなされる場合に前記制御ループを維持する。
【請求項14】
下記のように動作可能な命令をさらに記憶するための請求項13記載のプロセッサ可読媒体:
データフレームに関する目標受信信号品質、および前記バーストで送信されたデータフレームに関する符号化利得に基づいて前記閾値を決定する。
【請求項15】
下記を備える装置:
制御シンボルを受信するため、受信された各制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別するため、信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整するため、合成されたシンボルを得るために信頼できない制御シンボルを合成するため、および前記合成されたシンボルに基づいて前記制御ループを選択的に調整するための少なくとも1つのプロセッサ;
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリ。
【請求項16】
請求項15記載の装置、ここにおいて、
前記制御シンボルは同期シフトシンボルであり、前記制御ループはタイミングに関し、前記少なくとも1つのプロセッサは、信頼できる同期シフトシンボルに基づいて前記タイミングを調整し、前記合成されたシンボルに基づいて前記タイミングを選択的に調整する。
【請求項17】
請求項15に記載の装置、ここにおいて、
前記制御シンボルはTPCシンボルであり、前記制御ループは送信電力に関し、
前記少なくとも1つのプロセッサは、信頼できるTPCシンボルに基づいて前記送信電力を調整し、前記合成されたシンボルに基づいて前記送信電力を選択的に調整する。
【請求項18】
請求項17に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、合成されたシンボルを得るために信頼できないTPCシンボルとして識別された2つの連続する受信されたTPCシンボルを合成し、前記合成されたシンボルの大きさが閾値を超える場合は前記送信電力を調整し、前記合成されたシンボルの前記大きさが前記閾値を超えない場合は前記送信電力を維持する。
【請求項19】
請求項18記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記2つの連続する受信されたTPCシンボルの送信電力レベルに基づいて前記閾値を選択する。
【請求項20】
請求項18記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記2つの連続する受信されたTPCシンボルの中から大きい方の送信電力レベルを決定し、前記大きい方の送信電力レベルに基づいて前記閾値を設定する。
【請求項21】
請求項17に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、それぞれの信頼できるTPCシンボルに対して第1の増加ステップまたは第1の減少ステップだけ前記送信電力を調整し、閾値を超える大きさを有するそれぞれの合成されたシンボルに関して第2の増加ステップまたは第2の減少ステップだけ前記送信電力を調整する。
【請求項22】
請求項21に記載の装置、ここにおいて、
前記第2の増加ステップは前記第1の増加ステップの2倍であり、
前記第2の減少ステップは前記第1の減少ステップの2倍である。
【請求項23】
下記を備える方法:
制御シンボルを受信すること;
受信された各制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別すること;
信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整すること;
合成されたシンボルを得るために信頼できない制御シンボルを合成すること;および、 前記合成シンボルに基づいて前記制御ループを選択的に調整すること。
【請求項24】
請求項23記載の方法、ここにおいて、
前記制御シンボルはTPCシンボルであり、前記制御ループは送信電力に関する。
【請求項25】
請求項24記載の方法、ここにおいて、
前記信頼できない制御シンボルを合成することは、下記を備える:
合成されたシンボルを得るために信頼できないTPCシンボルとして識別された2つの連続する受信されたTPCシンボルを合成することを含み、前記制御ループを選択的に調整することは、前記合成されたシンボルの大きさが閾値を超える場合に前記送信電力を調整することと、前記合成されたシンボルの前記大きさが前記閾値を超えない場合に前記送信電力を維持すること。
【請求項26】
請求項24記載の方法、ここにおいて、
前記信頼できる制御シンボルに基づいて前記制御ループを調整することは、それぞれの信頼できるTPCシンボルに対して第1の増加ステップまたは第1の減少ステップだけ前記送信電力を調整することを備え、
前記合成シンボルに基づいて前記制御ループを選択的に調整することは、閾値を超える大きさを有するそれぞれの合成シンボルに対して第2の増加ステップまたは第2の減少ステップだけ前記送信電力を調整することを備える。
【請求項27】
下記を備える装置:
制御シンボルを受信するための手段;
受信された各制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別するための手段;
信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整するための手段;
合成されたシンボルを得るために信頼できない制御シンボルを合成するための手段;および、
前記合成されたシンボルに基づいて前記制御ループを選択的に調整するための手段。
【請求項28】
請求項27記載の装置、ここにおいて、
前記信頼できない制御シンボルを合成するための前記手段は、合成されたシンボルを得るために信頼できないTPCシンボルとして識別された2つの連続する受信された制御シンボルを合成するための手段を備え、
前記制御ループを選択的に調整するための前記手段は、前記合成されたシンボルの大きさが閾値を超える場合に前記制御ループを調整するための手段と、前記合成シンボルの前記大きさが前記閾値を超えない場合に前記制御ループを維持するための手段とを備える。
【請求項29】
下記のように動作可能な命令を記憶するためのプロセッサ可読媒体:
制御シンボルを受信し、
受信された各制御シンボルを信頼できる制御シンボルまたは信頼できない制御シンボルとして識別し、
信頼できる制御シンボルに基づいて制御ループを調整し、
合成されたシンボルを得るために信頼できない制御シンボルを合成し、
前記合成されたシンボルに基づいて前記制御ループを選択的に調整する。
【請求項30】
下記のように動作可能な命令をさらに記憶するための請求項29記載のプロセッサ可読媒体:
合成されたシンボルを得るために信頼できない制御シンボルとして識別された2つの連続する受信された制御シンボルを合成し、
前記合成されたシンボルの大きさが閾値を超える場合に前記制御ループを調整し、
前記合成されたシンボルの前記大きさが前記閾値を超えない場合に前記制御ループを維持する。
【請求項31】
下記を備える装置:
タイムスロットにおいて送信されるべき少なくとも1つの制御シンボルに改善された信頼性が適用可能かどうかを判定するため、適用可能ではないとみなされる場合に改善された信頼性なしに前記少なくとも1つの制御シンボルを送信するため、および適用可能であるとみなされる場合に改善された信頼性を用いて前記少なくとも1つの制御シンボルを送信するための少なくとも1つのプロセッサ;および、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合されたメモリ。
【請求項32】
前記少なくとも1つの制御シンボルはTPCシンボルを含む請求項31に記載の装置。
【請求項33】
請求項31に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記タイムスロットにおいて送信されるべきデータフレームのデータレートを判定し、前記データレートに基づいて送信電力レベルを決定し、前記送信電力レベルに基づいて、改善された信頼性が前記少なくとも1つの制御シンボルに適用可能かどうかを判定する。
【請求項34】
請求項31に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記タイムスロットにおいて送信されるべきデータフレームのデータレートを判定し、前記データレートに基づいて、改善された信頼性が前記少なくとも1つの制御シンボルに適用可能かどうかを判定する。
【請求項35】
請求項31に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは前記少なくとも1つの制御シンボルを複製して前記少なくとも1つの制御シンボルの複数のコピーを取得し、信頼性を改善するために前記複数のコピーを送信する。
【請求項36】
請求項35に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは複数のウォルッシュ符号を用いて前記複数のコピーを拡散して複数の拡散されたコピーを生成し、前記複数の拡散されたコピーを合成して合成されたコピーを生成し、前記合成されたコピーを前記少なくとも1つの制御シンボルに対して指定された少なくとも1つの位置で送信する。
【請求項37】
請求項35に記載の装置、ここにおいて、
前記少なくとも1つのプロセッサは、複数のタイムスロットにおいて前記少なくとも1つの制御シンボルの前記複数のコピーを各タイムスロットに1コピーずつ送信する。
【請求項38】
下記を備える方法:
タイムスロットにおいて送信されるべき少なくとも1つの制御シンボルに改善された信頼性が適用可能かどうかを判定すること;
適用可能ではないとみなされる場合に改善された信頼性なしに前記少なくとも1つの制御シンボルを送信すること;および、
適用可能とみなされる場合に改善された信頼性を用いて前記少なくとも1つの制御シンボルを送信すること。
【請求項39】
請求項38に記載の方法、ここにおいて、
改善された信頼性が適用可能であるかどうかを判定することは、下記を備える:
前記タイムスロットにおいて送信されるべきデータフレームのデータレートを判定すること;
改善された信頼性が前記少なくとも1つの制御シンボルに適用可能かどうかを前記データレートに基づいて判定すること。
【請求項40】
請求項38に記載の方法、ここにおいて、
改善された信頼性を用いて前記少なくとも1つの制御シンボルを送信することは、下記を備える:
前記少なくとも1つの制御シンボルを複製して前記少なくとも1つの制御シンボルの複数のコピーを取得すること;および、
信頼性を改善するために前記複数のコピーを送信すること。
【請求項41】
下記を備える装置:
タイムスロットにおいて送信されるべき少なくとも1つの制御シンボルに改善された信頼性が適用可能かどうかを判定するための手段;
適用可能ではないとみなされる場合に改善された信頼性なしに前記少なくとも1つの制御シンボルを送信するための手段;および、
適用可能とみなされる場合に改善された信頼性を用いて前記少なくとも1つの制御シンボルを送信するための手段。
【請求項42】
改善された信頼性が適用可能であるかどうかを判定するための前記手段は、下記を備える:
前記タイムスロットにおいて送信されるべきデータフレームのデータレートを判定するための手段;および、
向上された信頼性が前記少なくとも1つの制御シンボルに適用可能かどうかを前記データレートに基づいて判定するための手段。
【請求項43】
請求項41に記載の装置、ここにおいて、
改善された信頼性を用いて前記少なくとも1つの制御シンボルを送信するための前記手段は、下記を備える:
前記少なくとも1つの制御シンボルを複製して前記少なくとも1つの制御シンボルの複数のコピーを取得するための手段;および、
信頼性を向上するために前記複数のコピーを送信するための手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−114935(P2012−114935A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−3939(P2012−3939)
【出願日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【分割の表示】特願2008−528191(P2008−528191)の分割
【原出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】