無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける通信リンク設定方法
【課題】無線通信システムにおける通信リンク設定方法。
【解決手段】第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する。
【解決手段】第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける通信リンク設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話サービスを行っているネットワークとして3Gセルラネットワークがある(例えば、以下の非特許文献1)。図12は3Gセルラネットワークの構成例を示す図である。3Gセルラネットワークは、無線アクセスネットワーク(RAN)と、音声サービスやパケットサービスを提供するコアネットワーク(CN)とを備える。無線アクセスネットワークは、端末装置と直接無線通信を行う基地局装置(NodeB)100‐1〜100‐7と、複数の基地局装置100‐1〜100‐7を制御する基地局制御装置(RNC)101‐1〜101‐3とを備える。
【0003】
また、基地局制御装置(RNC)101‐1〜101‐3には、隣接基地局装置(NodeB)100‐1〜100‐7の関係、各基地局装置(NodeB)100‐1〜100‐7からの電波出力等の各種パラメータが保持される。かかるパラメータの設定作業は人手により行われる。
【0004】
一方、次世代携帯電話サービスとしてLTE(Long Term Evolution)システムがある(例えば、以下の非特許文献2〜4)。図13は、LTEシステムのネットワーク構成例を示す図である。LTEシステムの無線アクセスネットワーク(RAN)は、基地局装置(eNodeB)120‐1〜120‐7を備える。基地局装置(eNodeB)は、S1/X2 flex Network121を介して互いに接続される。
【0005】
LTEシステムでは、3Gセルラネットワークシステムと比較して、例えば、基地局制御装置(RNC)101‐1〜101‐3を介さない分、ハンドオーバを高速に行うことができる。
【0006】
なお、以下に示す特許文献1、2には、新設基地局装置に対してトラッキングを自動設定できるようにした移動通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP TS23.002
【非特許文献2】3GPP TS23.401
【非特許文献3】3GPP TS23.402
【非特許文献4】3GPP TS36.300
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008‐193364号公報
【特許文献2】特開2008‐193366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
LTEシステムでは、基地局制御装置(RNC)がないため、基地局装置(eNodeB)に隣接基地局装置の関係等の各種パラメータが設定される。しかし、すべての基地局装置(eNodeB)に各種パラメータの設定が人手により行われると、通信事業者に大きな手間をかけ、コストが増加する。
【0010】
また、LTEシステムにおいて、基地局装置(eNodeB)間において信号リンクを確立するために、信号リンクの設定及び解放等が手動で行われると、通信事業者に対して膨大な手間をかけ、コストが増加する。
【0011】
そこで、本発明の目的の一つは、コスト削減を図るようにした無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける通信リンク設定方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的の一つは、隣接基地局装置間において自動で信号リンクを確立できるようにした無線通信システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様によれば、第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、前記第1の基地局装置は、前記第1の基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部とを備え、前記端末装置は、前記隣接セル情報を受信する受信部を備える。
【0014】
また、他の態様によれば、端末装置と無線通信を行う基地局装置において、前記基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、前記位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、前記基地局装置と接続された既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部とを備える。
【0015】
さらに、他の態様によれば、基地局装置と無線通信を行う端末装置において、前記基地局装置は、前記基地局装置の位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、既に設置された他の基地局装置である既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記基地局装置が前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを前記既設基地局装置に送信し、前記基地局装置が当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を前記基地局装置から受信する受信部を備え、前記受信部は、前記基地局装置との間で一定期間ハンドオーバが実行されない場合、前記基地局装置はハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信し、前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信する。
【0016】
さらに、他の態様によれば、第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、前記第1の基地局装置は、前記第1の基地局装置の位置情報を取得し、前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記端末装置に送信し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する。
【発明の効果】
【0017】
コスト削減を図るようにした無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける通信リンク設定方法を提供することができる。また、隣接基地局間において自動で信号リンクを確立できるようにした無線通信システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は基地局装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は端末装置の構成例を示す図である。
【図4】図4はセルエリアの例を示す図である。
【図5】図5は動作例を示すシーケンス図である。
【図6】図6は動作例を示すシーケンス図である。
【図7】図7は隣接セルリストの例を示す図である。
【図8】図8(A)はセル形状と電波到達距離の例、図8(B)は基地局間のセル形状の関係例をそれぞれ示す図である。
【図9】図9は出力リストの例を示す図である。
【図10】図10は基地局装置の他の構成例を示す図である。
【図11】図11は動作例を示すシーケンス図である。
【図12】図12は3Gセルラシステムのネットワーク構成例を示す図である。
【図13】図13はLTEシステムのネットワーク構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態について以下説明する。
【0020】
<第1の実施例>
第1の実施例について説明する。図1は無線通信システム1の構成例を示す図である。第1及び第2の基地局装置10‐0,10‐1と端末装置20との間で無線通信を行う無線通信システム1において、前記第1の基地局装置10‐1は、前記第1の基地局装置10‐1の位置情報を取得する第1の位置情報取得部17と、前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置10‐0が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置10‐1にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置10‐1から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置20に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置10‐1ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置10‐1から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置10‐1を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置10‐1との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置10‐1に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局装置10‐1に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部18と、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部19とを備え、前記端末装置20は、前記隣接セル情報を受信する受信部25を備える。
【0021】
第1の位置情報取得部17は、第1の基地局装置10‐0の位置情報を取得する。
【0022】
第1の制御部18は、位置情報を含む、第1の基地局装置10‐0が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して第2の基地局装置10‐1にマルチキャストで送信する。また、第1の制御部18は、第2の基地局装置10‐1から新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として端末装置20に送信可能な個数分、第2の基地局装置10‐1ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信する。さらに、第1の制御部18は、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを第2の基地局装置10‐1から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した第2の基地局装置10‐1を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成する。さらに、第1の制御部18は、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない第2の基地局装置10‐1との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置10‐1に送信するとともに解放要求メッセージの送信先である第2の基地局装置10‐1に関する情報を隣接セル情報から削除する。
【0023】
送信部19は第1の制御部18で生成した隣接セル情報を端末装置20に送信する。
【0024】
端末装置20の受信部25は、隣接セル情報を受信する。
【0025】
第1の基地局装置10‐0は、第1の基地局装置10‐0は第2の基地局装置10‐1との間で、信号リンク確立要求メッセージ及び信号リンク確立応答メッセージ送受信により、信号リンクが自動的に確立される。また、第1の基地局装置10‐0は、一定期間ハンドオーバが実行されない第2の基地局装置に対して、解放要求メッセージを送信して信号リンクを解放するようにしたため、自動的に信号リンクが解放される。したがって、本無線通信システム1は、自動的にリンクの設定及び解放が行われ、手動で設定する場合と比較して、コスト削減を図ることができる。
【0026】
<第2の実施例>
次に第2の実施例を説明する。図2は無線通信システム1における基地局装置10、図3は端末装置20の構成例をそれぞれ示す図である。
【0027】
基地局装置10は、アンテナ11と、GPS受信部12と、制御部13と、IP処理部14と、無線処理部15‐1〜15‐3と、アンテナ16‐1〜16‐3とを備える。
【0028】
なお、第1の実施例における第1の位置情報取得部17は、例えばアンテナ11とGPS受信部12に対応し、第1の制御部18は、例えば制御部13とIP処理部14に対応し、送信部19は、例えば無線処理部15‐1〜15‐3とアンテナ16‐1〜16‐3に対応する。
【0029】
アンテナ11は、衛星等から送信されたGPS信号を受信する。
【0030】
GPS受信部12は、アンテナ11から出力されたGPS信号を受信して制御部13に出力する。
【0031】
制御部13は、基地局装置10の各部に対して各種制御を行う。制御部13は、例えばGPS信号に基づいて自基地局装置の位置を演算し、さらに各種メッセージ、及び報知情報(又は隣接セル情報)の生成等も行う。また、制御部13は隣接セルリスト130を備え、隣接基地局装置の識別情報(eNB‐ID)等を保持する。制御部13と隣接セルリスト130の詳細は後述する。
【0032】
IP処理部14は、S1/X2 flex ネットワーク(以下、IPネットワーク)121を介して他の基地局装置と接続され、IPネットワーク121に対するインターフェースの役割を果たす。IP処理部14は、制御部13で生成された各種メッセージを、IPネットワーク121を介して他の基地局装置へ送信し、IPネットワーク121を介して他の基地局装置から送信された各種メッセージを受信し制御部13等に出力する。詳細は後述する。
【0033】
無線処理部15‐1〜15‐3は、制御部13から出力された報知情報等に対して符号化、変調等の処理を行い無線信号に変換して各アンテナ16‐1〜16‐3に出力する。また、無線処理部15‐1〜15‐3は、各アンテナ16‐1〜16‐3で受信した無線信号に対して、復調、復号化等の処理を行い制御部13またはIP処理部14に出力する。
【0034】
アンテナ16‐1〜16‐3は、各セル範囲内で端末装置20との間で無線信号を送受信する。
【0035】
端末装置20は、アンテナ21と、無線処理部22と、制御部23とを備える。第1の実施例における端末装置20の受信部25は、例えば、アンテナ21と無線処理部22と制御部23に対応する。
【0036】
アンテナ21は基地局装置10との間で無線信号を送受信する。
【0037】
無線処理部22は、アンテナ21で受信した無線信号を復調、復号化等の処理を行い制御部23に出力し、制御部23から出力された信号、データ等に対して符号化、変調等の処理を行い無線信号としてアンテナ21に出力する。
【0038】
制御部23は、端末装置20において各種制御を実行する。制御部23は、例えば、接続先の基地局装置10の受信電力等が閾値より低くなるとハンドオーバ要求信号の生成等を行う。
【0039】
図4は各基地局装置10のサービスエリアの例を示す図である。図4において、中央の基地局装置10は新設基地局装置10‐0であり、新設基地局装置10‐0から距離が近い順に、グループ1の近隣基地局装置10‐1〜10‐6、グループ2の近隣基地局装置10‐101〜10‐106、グループ3の近隣基地局装置10‐201〜10‐206、グループ4の近隣基地局装置10‐301〜10‐317が配置される。本第2の実施例において、各基地局装置10は、3つのセクタを有し、各アンテナ16‐1〜16‐3から各セル(セクタ)範囲において端末装置20と無線通信を行う。近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、新設基地局装置10‐0が設置される前に既に設置された既設基地局装置でもある。
【0040】
次に動作について説明する。図5及び図6は動作例を示すシーケンス図である。
【0041】
最初に、新設基地局装置10‐0はGPSで自局装置の位置を測定する(S10)。制御部13はGPS受信部12からのGPS信号により、例えば緯度及び経度等、詳細な位置情報を取得できる。
【0042】
次いで、新設基地局装置10‐0は、近隣基地局装置10‐1〜10‐317に対して、eNB新設通知メッセージをマルチキャストで送信する(S11)。例えば、制御部13は位置情報を取得後、自局が新設基地局装置であることを示すeNB新設通知メッセージを生成して、IP処理部14に出力する。このとき、制御部13は、取得した自局装置の位置情報を当該メッセージに含めるようにする。IP処理部14は当該メッセージを、IPネットワーク121を介して近隣基地局装置10‐1〜10‐317に送信する。なお、制御部13は、新設基地局装置10‐0に接続された全ての既設基地局装置にマルチキャストでeNB新設通知メッセージを送信してもよい。
【0043】
次いで、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、既に測定した自局装置の位置と、eNB新設通知メッセージに含まれる新設基地局装置10‐0の位置情報とに基づいて、2つの基地局装置の距離を計算する(S12)。例えば、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317の制御部13は、IP処理部14に入力されたeNB新設通知メッセージから新設基地局装置10‐0の位置情報を取り出す。そして、制御部13は既にGPS受信部12等を用いて測定した自局装置の位置と、取り出した新設基地局装置10‐0の位置との差を計算することで距離を計算する。
【0044】
次いで、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、計算した距離が閾値Lよりも小さいとき(または閾値L以下のとき)、当該近隣基地局装置10‐1〜10‐317は新設基地局装置10‐0の隣接候補基地局装置になると判断する(S13‐1〜S13‐3でYes)。
【0045】
一方、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、計算した距離が閾値Lと同じが大きいとき(または閾値Lより大きいとき)、当該近隣基地局装置10‐1〜10‐317は新設基地局装置10‐0の隣接候補基地局装置にならないと判断し(S13‐4でNO)、一連の処理を終了する。
【0046】
図5の例では、グループ1〜3の近隣基地局装置10‐1〜10‐206は隣接候補基地局装置になると判断し、グループ4の近隣基地局装置10‐301〜10‐317は隣接候補基地局装置にならないと判断している。かかる判断は、例えば制御部13により行われる。
【0047】
隣接候補基地局装置になると判断した近隣基地局装置10‐1〜10‐206は、eNB新設応答メッセージを新設基地局装置10‐0に応答する(S15‐1〜S15‐3)。eNB新設応答メッセージは、eNB新設通知メッセージに対する応答メッセージであり、各近隣基地局装置10‐1〜10‐206の自位置情報と、各近隣基地局装置10‐1〜10‐206固有の識別情報(eNB‐ID)が含まれる。例えば、各近隣基地局装置10‐1〜10‐206の制御部13は、隣接候補基地局と判断したとき、保持した自位置情報と識別情報とを含むようにeNB新設応答メッセージを生成する。そして、IP処理部14は当該応答メッセージを新設基地局装置10‐0に送信する。
【0048】
新設基地局装置10‐0は、eNB新設応答メッセージを受信すると、自位置との差を計算し、基地局装置間の距離を計算する(S16)。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、eNB新設通知メッセージの受信順に、eNB新設応答メッセージに含まれる各近隣基地局装置10‐1〜10‐206の位置とS10で測定した位置とからその差を計算する。
【0049】
次いで、新設基地局装置10‐0は、新設基地局装置10‐0に対して距離の近い近隣基地局装置10‐1〜10‐206から順に、近隣基地局装置10‐1〜10‐206の識別情報と距離等を隣接セルリスト130に登録する(S17)。
【0050】
隣接セルリスト130に登録可能な近隣基地局装置10‐1〜10‐206の数は、新設基地局装置等10‐0から端末装置20に送信される報知情報で通知できる隣接基地局の情報数で決まる。例えば、報知情報で通知できる最大の隣接基地局数を「12」とすると、隣接セルリスト130に登録可能な近隣基地局装置10‐1〜10‐206は「12」となる。隣接セルリスト130への登録は、例えば制御部13により行われる。なお、S17の時点での隣接セルリスト130への登録は、例えば、隣接基地局装置としての仮登録となる。
【0051】
図7は新設基地局装置10‐0における隣接セルリスト130の例を示す図である。隣接セルリスト130は、基地局装置10‐1〜10‐317ごとに識別情報(eNB‐ID)、距離、ハンドオーバに必要な情報を示すハンドオーバ関連情報(以下、HO関連情報)を含む。HO関連情報は、セルごとの識別情報(セルID)と各セル(または各アンテナ16‐1〜16‐3)から報知情報等を送信するときの報知周波数を含む。報知情報には、例えば、隣接セルリスト130に登録された各情報が含まれる。
【0052】
次いで、新設基地局装置10‐0は、登録数が報知情報制限数を超えたか否かを判断する(S18)。例えば、制御部13は、隣接セルリスト130への登録数が「12」を超えたか否かで判断する。図7に示す例では、近隣基地局装置10‐201〜10‐206は、他の近隣基地局装置と比較して、新設基地局装置10‐0からの距離は遠い。近隣基地局装置10‐201〜10‐206の隣接セルリスト130への登録は登録数「12」を超える。この場合、近隣基地局装置10‐201〜10‐206は隣接セルリスト130に登録されない。
【0053】
次いで、新設基地局装置10‐0は、隣接セルリスト130に登録された近隣基地局装置10‐1〜10‐106に対して、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)リンク確立要求メッセージを送信する(S19‐1,S19‐2)。
【0054】
図5の例では、新設基地局装置10‐0はグループ1,2の近隣基地局装置10‐301〜10‐317にSCTPリンク確立要求メッセージを送信する。SCTPリンク確立要求メッセージには、新設基地局装置10‐0の識別情報(eNB‐ID)と、HO関連情報とが含まれる。
【0055】
例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、自局の識別情報とHO関連情報とが含まれるようにSCTP確立要求メッセージを生成し、隣接セルリスト130に登録された近隣基地局装置10‐1〜10‐106に対して当該メッセージを送信するようにIP処理部14に通知する。IP処理部14は、SCTPリンク確立要求メッセージを近隣基地局装置10‐1〜10‐206に送信する。新設基地局装置10‐0がSCTPリンク確立要求メッセージを送信することにより、近隣基地局装置10‐1〜10‐106との間で通信リンク確立動作が実行される。
【0056】
次いで、SCTPリンク確立要求メッセージを受信した各近隣基地局装置10‐1〜10‐106は、自局装置の隣接セルリスト130に新設基地局装置10‐0に関する情報を登録する(S20)。例えば、近隣基地局装置10‐1〜10‐106の制御部13は、隣接セルリスト130に新たに新設基地局装置10‐0の識別情報(eNB‐ID)とHO関連情報等を登録する。
【0057】
次いで、各近隣基地局装置10‐1〜10‐106は、SCTPリンク確立応答メッセージを新設基地局装置10‐0に送信する(S21‐1,S21‐2)。SCTPリンク確立応答メッセージには、近隣基地局装置10‐1〜10‐106自身の識別情報(eNB‐ID)とHO関連情報とを含む。例えば、近隣基地局装置10‐1〜10‐106の制御部13は、保持した自局装置の識別情報とHO関連情報を読み出して、SCTPリンク確立応答メッセージに含まれるように当該メッセージを生成する。そして、当該メッセージはIP処理部14から新設基地局装置10‐0に送信される。
【0058】
次いで、近隣基地局装置10‐1〜10‐106は、隣接基地局装置に関する情報を含む報知情報を、当該近隣基地局装置10‐1〜10‐106のセル内に報知する(S22)。当該報知情報には、隣接基地局装置として新設基地局装置10‐0に関する情報も含まれる。例えば、近隣基地局装置10‐1〜10‐106の制御部13は、隣接セルリスト130に登録された基地局装置を隣接基地局装置とする報知情報を生成し、無線処理部15‐1〜15‐3を介して端末装置20に報知する。
【0059】
一方、新設基地局装置10‐0は、SCTP確立応答メッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる近隣基地局装置10‐1〜10‐106のHO関連情報を隣接セルリスト130に登録する。そして、新設基地局装置10‐0は、隣接セルリスト130に登録された近隣基地局装置10‐1〜10‐106を隣接基地局装置とする報知情報を報知する(S23)。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、隣接セルリスト130に登録された基地局装置を隣接基地局装置とする報知情報を生成し、無線処理部15‐1〜15‐3を介して端末装置20に報知する。
【0060】
新設基地局装置10‐0と近隣基地局装置10‐1〜10‐106はともに報知情報を報知しており、ハンドオーバの暫定運用が開始される。図5の例では、S22とS23の処理が行われた時点から、暫定運用期間が開始される。なお、この時点において、新設基地局装置10‐0と、グループ1,2の近隣基地局装置10‐1〜10‐106とは全部で12本のSCTPリンクが確立されている。
【0061】
暫定運用期間が開始されると、新設基地局装置10‐0は、ハンドオーバの実施状況を近隣基地局装置10‐1〜10‐206毎に監視する(S24)。新設基地局装置10‐0は、ハンドオーバが行われないような近隣基地局装置10‐1〜10‐206を隣接セルリスト130から削除し、SCTP開放要求を行うためである。あるいは、新設基地局装置10‐0は、ハンドオーバが行われる近隣基地局装置10‐1〜10‐206を隣接基地局として隣接セルリスト130に正式に登録するためである。
【0062】
監視(S24)は、例えば、新設基地局装置10‐0は、暫定期間中にハンドオーバがあった(又はSCTPリンクが使用された)場合、解放対象から外し、1回もハンドオーバが行われなかった場合、解放対象とする。
【0063】
ハンドオーバの有無は、例えば、新設基地局装置10‐0が接続元、近隣基地局装置10‐1〜10‐106が接続先の基地局装置の場合、新設基地局装置10‐0の制御部13は端末装置20からハンドオーバ要求信号を受信する。当該要求信号は、接続先を近隣基地局装置10‐1〜10‐106とする情報を含み、無線処理部15‐1〜15‐3を介して制御部13に通知される。そして、制御部13はハンドオーバの接続先の近隣基地局装置10‐1〜10‐106にハンドオーバ要求メッセージを送信する。制御部13は、暫定期間中、当該メッセージを接続先の近隣基地局装置10‐1〜10‐106に送信したか否かによりハンドオーバ有無を判断できる。または、近隣基地局装置10‐1〜10‐106が接続元の基地局装置で新設基地局装置10‐0が接続先の基地局装置の場合、近隣基地局装置10‐1〜10‐106は端末装置20からハンドオーバ要求信号を受信し、新設基地局装置10‐0にハンドオーバ要求メッセージを送信する。新設基地局装置10‐0の制御部13は、IP処理部14を介して当該メッセージを受信する。制御部13は、当該メッセージの受信の有無によりハンドオーバの有無を判断できる。
【0064】
監視の他の例として、新設基地局装置10‐0は、暫定期間中にSCTPリンク毎に使用回数をカウントし、一定閾値以下のSCTPリンクを解放対象とする。例えば、新設基地局装置10‐0が接続元の基地局装置の場合、新設基地局装置10‐0の制御部13は、ハンドオーバ要求信号を端末装置20から受信して接続先の近隣基地局装置10‐1〜10‐106にIP処理部14を介してハンドオーバ要求メッセージを送信する。制御部13は接続先の近隣基地局装置10‐1〜10‐106ごとに当該メッセージの送信回数をカウントし、閾値と比較して解放対象を判断する。または、近隣基地局装置10‐1〜10‐106が接続元、新設基地局装置10‐0が接続先の基地局装置の場合、新設基地局装置10‐0の制御部13は、近隣基地局装置10‐1〜10‐106の各々からIP処理部14を介して受信したハンドオーバ要求メッセージの受信回数により解放対象を判断する。
【0065】
さらに、監視の他の例として、暫定期間を週単位、月単位等に区切り、新設基地局装置10‐0は、週単位等でリンク使用回数をカウントし、直近の何週等においてリンク使用回数が「0」の場合、リンク解放対象とする。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、ハンドオーバ要求メッセージの送信回数、または当該メッセージの受信回数を週毎等にカウントし、直近の何週等において、リンク使用回数が「0」のSCTPリンクを解放対象とする。例えば、かかる監視により、新設基地局装置10‐0または近隣基地局装置10‐1〜10‐106におけるセル環境が変化(建物が建つ等)し、隣接基地局装置だった基地局装置がそうでなくなった場合等を検出することができる。
【0066】
さらに、監視の他の例として、ある隣接基地局装置間でバースト的にリンク使用が発生する場合に、そのリンクを優先的に保存対象とし、そうでない場合、リンク解放対象とする。例えば、隣接基地局装置間で鉄道等があり、多くの乗客が乗った車両が通過すると複数の端末装置20が一斉にハンドオーバするような場合である。これにより、例えば、バースト的に発生するリンクに処理能力を割り振ることができる。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、端末装置20からハンドオーバ要求信号を受信してハンドオーバ要求メッセージを近隣基地局装置10‐1〜10‐106ごとに送信した回数をそれぞれカウントする。または、制御部13は各近隣基地局装置10‐1〜10‐106からハンドオーバ要求メッセージを受信した回数をそれぞれカウントする。そして、制御部13はカウント数がある期間に閾値以上あった場合に、新設基地局装置10‐0とある近隣基地局装置10‐1〜10‐106との間のリンクを保存対象とし、そうでないリンクを解放対象とする。
【0067】
新設基地局装置10‐0は、HO実施状況を監視し(S24)、解放すべきリンクがあればSCTPリンク解放要求メッセージを当該リンクの接続先である近隣基地局装置10‐1〜10‐106に送信する(S25)。図6の例では、グループ2の近隣基地局装置10‐101〜10‐106との間で暫定期間中ハンドオーバが発生しておらず、解放対象となっている。この場合、新設基地局装置10‐0は、グループ2の近隣基地局装置10‐101〜10‐106のすべてに対して、SCTPリンク解放要求メッセージを送信する。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、暫定期間中に上述した条件を満たさない近隣基地局装置10‐1〜10‐106がある場合、SCTP開放要求メッセージを生成して、IP処理部14を介して当該メッセージを近隣基地局装置10‐101〜10‐106に送信する。
【0068】
SCTPリンク開放要求メッセージを受信した近隣基地局装置10‐101〜10‐106は、当該要求メッセージに対するSCTPリンク解放確認メッセージを新設基地局装置10‐0に送信する(S26)。
【0069】
次いで、SCTPリンク開放要求メッセージを受信した近隣基地局装置10‐101〜10‐106は、隣接セルリスト130から新設基地局装置10‐0の隣接セル情報を削除し(S27)、更新された隣接セルリスト130に基づいて報知情報を報知する(S28)。例えば、近隣基地局装置10‐101〜10‐106の制御部13は、SCTPリンク解放要求メッセージを受信すると、SCTPリンク解放確認メッセージを生成しIP処理部14を介して送信する。また、制御部13は、隣接セルリスト130から新設基地局装置10‐0の情報を削除し、更新された隣接セルリスト130に基づいて報知情報を作成し、無線処理部15‐1〜15‐3を介して端末装置20に報知する。
【0070】
SCTPリンク解放確認メッセージを受信した新設基地局装置10‐0は、SCTPリンクを解放した近隣基地局装置10‐101〜10‐106を隣接セルリスト130から削除する(S29)。そして、新設基地局装置10‐0は、更新された隣接セルリスト130に基づいて報知情報を報知する(S30)。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、SCTPリンク解放確認メッセージを近隣基地局装置10‐101〜10‐106から受信すると、対象となる近隣基地局装置10‐101〜10‐106の識別情報等を隣接セルリスト130から削除する。そして、制御部13は、更新された隣接セルリスト130に含まれる各近隣基地局装置10‐1〜10‐6を隣接基地局装置とする報知情報を作成し、無線処理部15‐1〜15‐3を介して報知する。
【0071】
その後、無線通信システム1は通常運用を開始する。新設基地局装置10‐0の隣接セルリスト130には、隣接基地局として近隣基地局装置10‐1〜10‐6に関する情報が登録される。また、近隣基地局装置10‐1〜10‐6の隣接セルリスト130には、隣接基地局装置として新設基地局装置10‐0に関する情報が登録される。
【0072】
このように本第2の実施例では、暫定期間中に新設基地局装置と近隣基地局装置との間で信号リンクを確立させ、ハンドオーバが実際に実行されたか否かにより、信号リンクを解放するか否かを行うようにしている。信号リンクが解放された近隣基地局装置と新設基地局装置とは、ともに隣接セルリスト130からその情報が削除され、暫定期間経過後、新設基地局装置と他の近隣基地局装置の隣接セルリスト130には隣接基地局としてその情報が登録される。従って、本無線通信システム1は、新設基地局装置と隣接基地局装置との間の通信リンクを自動で設定及び開放させることができる。また、本無線通信システム1は、このように設定及び解放が自動で行われるため、手動で設定等が行われる場合と比較して、コスト削減を図ることができる。さらに、新設基地局装置と隣接基地局装置は隣接基地局に関する情報を隣接セルリスト130に自動的に登録できるため、手動で登録する場合と比較して、コスト削減を図ることができる。
【0073】
<第3の実施例>
次に第3の実施例について説明する。第3の実施例は、距離と、さらに電波出力、及び他の基地局装置との相対的な方角を考慮して隣接関係(S13‐1〜S13‐4,S16等)が判定される例である。
【0074】
基地局装置10は、基地局装置10が配置された地形、アンテナ16‐1〜16‐3、周辺の建物などの影響により、アンテナ16‐1〜16‐3からの電波出力、及びセル形状が個々に異なる場合がある。したがって、基地局装置10から端末装置20への電波到達距離は、アンテナ16‐1〜16‐3の方角により変化する。
【0075】
図8(A)はセル形状と電波到達距離との関係例を示す図である。同図(A)は、あるセル(又はアンテナ16‐1〜16‐3)の最大出力方向の電波到達距離をD1とした場合、最大出力方向からある角度方向の電波到達距離D2は75%に下がることを示す。
【0076】
また、図8(B)は、セル形状により2つの基地局装置10間の距離は同じでも隣接可能な場合と不可能な場合があることを示す図である。本第3の実施例は、このような場合を考慮して隣接関係が判定される例である。
【0077】
既存の近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、自局が電波を出力するセル形状に対応した方角と出力とを予めデータ(以下、出力リスト131)を保持する。図9は出力リスト131の例、図10は基地局装置10の構成例をそれぞれ示す図である。図9では、方角が「110°」(0°を北とする)、「230°」、及び「350°」の3方向で最大出力を有する3セルの基地局装置10の例が示される。出力リスト131は、図10に示すように、例えば制御部13に保持される。
【0078】
次に動作を説明する。図11は動作例を示すシーケンス図である。近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、新設基地局装置10‐0からeNB新設通知メッセージを受信すると、距離を計算するとともに、当該メッセージに含まれるGPS位置情報から方角を算出する。そして、近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、さらにその方角におけるアンテナ出力を出力リスト131から取り出す(S12’)。例えば、近隣基地局装置10‐1〜10‐317の制御部13は、当該メッセージに含まれるGPS位置情報と予め測定した自局のGPS位置情報とから、新設基地局装置10‐0の自局装置に対する方角を算出する。そして、制御部13は、方角に対応するアンテナ出力を出力リスト131から取り出す。例えば、新設基地局装置10‐0の方角が「130°」のとき、制御部13は出力リスト131からアンテナ出力「90%」を取り出す。
【0079】
次いで、近隣基地局装置10‐1〜10‐206は、距離を閾値と比較した後(S13‐1〜S13‐4)、eNB新設応答メッセージを新設基地局装置10‐0に送信する(S15‐1’〜15‐3’)。ここで、eNB新設応答メッセージには、自局のGPS位置情報、自局のeNB‐IDの他に、さらにアンテナ出力、及び電波出力のデータ(最大出力での到達距離など、複数セルを含む基地局装置10の場合はセルごとの最大出力到達距離でもよい)が含まれる。例えば、制御部13がこれらの情報を含むeNB新設応答メッセージを生成し、IP処理部14を介して新設基地局装置10‐0に送信する。
【0080】
次いで、新設基地局装置10‐0は、近隣基地局装置10‐1〜10‐206への距離を計算した後(S16)、近隣基地局装置10‐1〜10‐206から自局方向への電波到達距離等を演算して隣接判定を行い、隣接セルリスト130への登録を行う(S17’)。
【0081】
隣接判定の例として以下の場合がある。例えば、近隣基地局装置10‐1は、最大出力到達距離が「1km」、新設基地局装置10‐0へのアンテナ出力が「90%」とし、近隣基地局装置10‐2は最大出力到達距離が「1.3km」、新設基地局装置10‐0へのアンテナ出力が「80%」とする。これらの情報はeNB新設応答メッセージに含まれ、各近隣基地局装置10‐1,10‐2から送信される。各近隣基地局装置10‐1,10‐2と新設基地局装置10‐0との距離は、それぞれ「1.8km」、「1.9km」とする(S16)。
【0082】
そして、新設基地局装置10‐0の制御部13は、実際の到達距離を演算して隣接判定を行う。例えば、実際の到達距離は、(最大出力到達距離)×(出力方向でのアンテナ出力)とする。近隣基地局装置10‐1の新設基地局装置10‐0への実際の到達距離は、1km×90%=0.9kmとなる。この場合、新設基地局装置10‐0は、近隣基地局装置10‐1に対して、1.8−0.9=0.9km分、セル範囲をカバーしないと隣接しないことになる。
【0083】
一方、近隣基地局装置10‐2の新設基地局装置10‐0への実際の到達距離は、1.3km×80%=1.04kmとなる。この場合、新設基地局装置10‐0は、近隣基地局装置10‐2に対して、1.9‐1.04=0.86km分、セル範囲をカバーしないと隣接しないことになる。
【0084】
これらの例において、新設基地局装置10‐0からの各近隣基地局装置10‐1,10‐2の距離は、近隣基地局装置10‐2の方が近隣基地局装置10‐1より近いことになる。なお、これらの例の場合、制御部13は、近隣基地局装置10‐1,10‐2はどちらも新設基地局装置10‐0に隣接しないと判定し、隣接セルリスト130に近隣基地局装置10‐1,10‐2の情報を登録しない(S17’)。あるいは、制御部13は新設基地局装置10‐0との上述した距離が近い順に2つの近隣基地局装置10‐1,10‐2に関する情報を隣接セルリスト130に登録してもよい(S17’)。さらに、制御部13は隣接セルリスト130から近隣基地局装置10‐1,10‐2に関する情報を削除してもよい。このように、新設基地局装置10‐0の制御部13は、隣接セルリスト130への登録を、距離に加えて、上述した電波方向と方角とを加味して判断してもよい。
【0085】
また、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317の制御部13がかかる隣接判定を行い(S13‐1〜S13‐4)、上述した計算により、隣接していると判断するとeNB新設応答メッセージを送信するようにしてもよい(S15‐1’〜S15‐3’)。この場合、各近隣基地局装置10‐1〜10‐206の制御部13は、隣接するか否かの情報をeNB新設応答メッセージに含めて送信する。近隣基地局装置10‐1〜10‐317と新設基地局装置10‐0は、判定結果に基づいて、隣接セルリスト130を更新するようにしてもよい。
【0086】
このように、実際の距離のみならず、対象となる基地局装置10への方角、アンテナ出力等を考慮することで、基地局装置10は、第2の実施例よりもより現実に即した隣接判定(S13‐1〜S13‐4,S17’等)を行うことができる。
【0087】
なお、アンテナ出力は距離の3〜4乗に反比例して減少することが知られており(例えば、電波到達距離の関係式として、「奥村‐秦カーブ」などがある)、実際の到達距離の演算に用いられる判定はこのような既知のものを用いてもよい。
【0088】
<その他の実施例>
第2〜第3の実施例において、基地局装置10は3つのセルを有するものとして説明した。例えば、1つのセルでもよいし、2つ、4つ等の複数セルを有してもよい。基地局装置10は、この場合、例えばセルの数に対応するアンテナを備えていればよい。
【0089】
以上、まとめると付記のようになる。
【0090】
(付記1)
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第1の基地局装置は、
前記第1の基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、
前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部とを備え、
前記端末装置は、
前記隣接セル情報を受信する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【0091】
(付記2)
前記第2の基地局装置は、さらに、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
前記第2の基地局装置の位置情報と、前記新設メッセージに含まれる第1の基地局装置の位置情報とに基づいて、前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離と閾値とを比較することで前記第1の基地局装置と隣接するか否かを判断することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0092】
(付記3)
前記第2の制御部は、前記第2の基地局装置の前記第1の基地局装置に対する電波送信方向及び方角を前記隣接するか否かの判断基準に加えることを特徴とする付記2記載の無線通信システム。
【0093】
(付記4)
前記第2の制御部は、前記距離が前記閾値以下のとき、前記第1の基地局装置と隣接するものとして前記新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信することを特徴とする付記2記載の無線通信システム。
【0094】
(付記5)
前記第2の制御部は、前記新設応答メッセージに前記第2の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の識別情報とを含めて、前記新設応答メッセージを送信することを特徴とする付記4記載の無線通信システム。
【0095】
(付記6)
前記第1の制御部は、さらに、第1の隣接セルリストを保持し、
前記第1の制御部は、前記新設応答メッセージに含まれる前記第2の基地局装置の位置情報と前記第1の基地局装置の位置情報とに基づいて、前記第1の基地局装置からの距離が近い順に前記第2の基地局装置に関する情報を前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0096】
(付記7)
前記第1の制御部は、前記第1の基地局装置からの距離と、さらに前記第1の基地局装置に対する前記第2の基地局装置の電波送信方向及び方角とに基づいて、前記第2の基地局装置に関する情報を順番に前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする付記6記載の無線通信システム。
【0097】
(付記8)
前記第1の制御部は、前記隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記隣接セルリストに前記第2の基地局装置に関する情報を登録することを特徴とする付記7記載の無線通信システム。
【0098】
(付記9)
前記第1の制御部は、前記第1の隣接セルリストに登録された前記第2の基地局装置に対して、前記信号リンク確立要求メッセージを送信することを特徴とする付記6または7記載の無線通信システム。
【0099】
(付記10)
前記第1の制御部は、前記信号リンク確立要求メッセージに前記第1の基地局装置のハンドオーバ関連情報を含めて前記信号リンク確立要求メッセージを送信することを特徴とする付記9記載の無線通信システム。
【0100】
(付記11)
前記第2の制御部は、第2の隣接セルリストを保持し、
前記第2の制御部は、前記信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記信号リンク確立要求メッセージに含まれる前記第1の基地局装置のハンドオーバ関連情報を前記第2の隣接セルリストに登録することを特徴とする付記10記載の無線通信システム。
【0101】
(付記12)
前記第2の制御部は、前記信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第2の基地局装置のハンドオーバ関連情報を含む前記信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信することを特徴とする付記11記載の無線通信システム。
【0102】
(付記13)
前記第1の制御部は、前記信号リンク確立応答メッセージを受信した場合、前記第1の隣接セルリストに前記信号リンク確立応答メッセージに含まれる前記第2の基地局装置のハンドオーバ関連情報を前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする付記11記載の無線通信システム。
【0103】
(付記14)
前記第1の制御部または前記第2の制御部は、それぞれ前記第1または第2の隣接セルリストに登録された前記第2または前記第1の基地局装置の前記ハンドオーバ関連情報を含む隣接セル情報を生成することを特徴とする付記13記載の無線通信システム。
【0104】
(付記15)
前記第1の制御部は、前記一定期間中、接続先を前記第2の基地局装置とするハンドオーバ要求信号を前記端末装置から受信せずに前記第2の基地局装置にハンドオーバ要求メッセージを送信しない場合、または前記第2の基地局装置から前記ハンドオーバ要求メッセージを受信しない場合、前記ハンドオーバが実行されないと判断して当該第2の基地局装置に前記解放要求メッセージを送信することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0105】
(付記16)
前記第1の制御部は、前記一定期間中、接続先を前記第2の基地局装置とするハンドオーバ要求信号を前記端末装置から受信して前記第2の基地局装置にハンドオーバ要求メッセージを送信した回数、または前記第2の基地局装置から前記ハンドオーバ要求メッセージを受信した回数が閾値以下のとき、前記ハンドオーバが実行されないと判断して当該第2の基地局装置に前記解放要求メッセージを送信することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0106】
(付記17)
前記第1の制御部は、前記一定期間ごとに、接続先を前記第2の基地局装置とするハンドオーバ要求信号を前記端末装置から受信して前記第2の基地局装置にハンドオーバ要求メッセージを送信した回数、または前記第2の基地局装置から前記ハンドオーバ要求メッセージを受信した回数をそれぞれカウントし、直近の前記一定期間における前記回数が「0」のとき、前記ハンドオーバが実行されないと判断して当該第2の基地局装置に前記解放要求メッセージを送信することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0107】
(付記18)
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第2の基地局装置は、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを前記第1の基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記第1の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の位置情報とに基づいて前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記第1の基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第1の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記第1の基地局装置に関する情報を削除する第2の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と、
前記端末装置は、
前記隣接セル情報を受信する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【0108】
(付記19)
端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
前記基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、
前記位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、前記基地局装置と接続された既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【0109】
(付記20)
端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
前記基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを新たに設置された新設基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記新設基地局装置の位置情報と前記基地局装置の位置情報とに基づいて前記新設基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記新設基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記新設基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記新設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記新設基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記新設基地局装置に関する情報を削除する第2の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【0110】
(付記21)
基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
前記基地局装置は、前記基地局装置の位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、既に設置された他の基地局装置である既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記基地局装置が前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを前記既設基地局装置に送信し、前記基地局装置が当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を前記基地局装置から受信する受信部
を備え、
前記受信部は、前記基地局装置との間で一定期間ハンドオーバが実行されない場合、前記基地局装置はハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信し、前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信することを特徴とする端末装置。
【0111】
(付記22)
基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを新たに設置された新設基地局装置から受信した場合、前記基地局装置は前記新設メッセージに含まれる前記新設基地局装置の位置情報と前記基地局装置の位置情報とに基づいて前記新設基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記新設基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記基地局装置が前記新設基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージが前記新設基地局装置に送信し、前記基地局装置が生成した前記新設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を受信する受信部、
を備え、
前記受信部は、前記基地局装置が前記新設基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記新設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信することを特徴とする端末装置。
【0112】
(付記23)
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、
前記第1の基地局装置は、
前記第1の基地局装置の位置情報を取得し、
前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、
前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、
当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記端末装置に送信し、
一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する、
ことを特徴とする通信リンク設定方法。
【0113】
(付記24)
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、
前記第2の基地局装置は、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得し、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを前記第1の基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記第1の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の位置情報とに基づいて前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記第1の基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第1の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信し、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記第1の基地局装置に関する情報を削除する、
ことを特徴とする通信リンク設定方法。
【符号の説明】
【0114】
1:無線通信システム 10:基地局装置
10‐0:新設基地局装置
10‐1〜10‐6,10‐101〜10‐106,10‐301〜10‐307:近隣基地局装置
11:アンテナ 12:GPS受信部
13:制御部 14:IP処理部
15‐1〜15‐3:無線処理部 16‐1〜16‐3:アンテナ
20:端末装置 21:アンテナ
22:無線処理部 23:制御部
121:S1/X2 Flex Network(IPネットワーク)
130:隣接セルリスト 131:出力リスト
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける通信リンク設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話サービスを行っているネットワークとして3Gセルラネットワークがある(例えば、以下の非特許文献1)。図12は3Gセルラネットワークの構成例を示す図である。3Gセルラネットワークは、無線アクセスネットワーク(RAN)と、音声サービスやパケットサービスを提供するコアネットワーク(CN)とを備える。無線アクセスネットワークは、端末装置と直接無線通信を行う基地局装置(NodeB)100‐1〜100‐7と、複数の基地局装置100‐1〜100‐7を制御する基地局制御装置(RNC)101‐1〜101‐3とを備える。
【0003】
また、基地局制御装置(RNC)101‐1〜101‐3には、隣接基地局装置(NodeB)100‐1〜100‐7の関係、各基地局装置(NodeB)100‐1〜100‐7からの電波出力等の各種パラメータが保持される。かかるパラメータの設定作業は人手により行われる。
【0004】
一方、次世代携帯電話サービスとしてLTE(Long Term Evolution)システムがある(例えば、以下の非特許文献2〜4)。図13は、LTEシステムのネットワーク構成例を示す図である。LTEシステムの無線アクセスネットワーク(RAN)は、基地局装置(eNodeB)120‐1〜120‐7を備える。基地局装置(eNodeB)は、S1/X2 flex Network121を介して互いに接続される。
【0005】
LTEシステムでは、3Gセルラネットワークシステムと比較して、例えば、基地局制御装置(RNC)101‐1〜101‐3を介さない分、ハンドオーバを高速に行うことができる。
【0006】
なお、以下に示す特許文献1、2には、新設基地局装置に対してトラッキングを自動設定できるようにした移動通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP TS23.002
【非特許文献2】3GPP TS23.401
【非特許文献3】3GPP TS23.402
【非特許文献4】3GPP TS36.300
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008‐193364号公報
【特許文献2】特開2008‐193366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
LTEシステムでは、基地局制御装置(RNC)がないため、基地局装置(eNodeB)に隣接基地局装置の関係等の各種パラメータが設定される。しかし、すべての基地局装置(eNodeB)に各種パラメータの設定が人手により行われると、通信事業者に大きな手間をかけ、コストが増加する。
【0010】
また、LTEシステムにおいて、基地局装置(eNodeB)間において信号リンクを確立するために、信号リンクの設定及び解放等が手動で行われると、通信事業者に対して膨大な手間をかけ、コストが増加する。
【0011】
そこで、本発明の目的の一つは、コスト削減を図るようにした無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける通信リンク設定方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的の一つは、隣接基地局装置間において自動で信号リンクを確立できるようにした無線通信システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一態様によれば、第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、前記第1の基地局装置は、前記第1の基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部とを備え、前記端末装置は、前記隣接セル情報を受信する受信部を備える。
【0014】
また、他の態様によれば、端末装置と無線通信を行う基地局装置において、前記基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、前記位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、前記基地局装置と接続された既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部とを備える。
【0015】
さらに、他の態様によれば、基地局装置と無線通信を行う端末装置において、前記基地局装置は、前記基地局装置の位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、既に設置された他の基地局装置である既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記基地局装置が前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを前記既設基地局装置に送信し、前記基地局装置が当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を前記基地局装置から受信する受信部を備え、前記受信部は、前記基地局装置との間で一定期間ハンドオーバが実行されない場合、前記基地局装置はハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信し、前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信する。
【0016】
さらに、他の態様によれば、第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、前記第1の基地局装置は、前記第1の基地局装置の位置情報を取得し、前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記端末装置に送信し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する。
【発明の効果】
【0017】
コスト削減を図るようにした無線通信システム、基地局装置、端末装置、及び無線通信システムにおける通信リンク設定方法を提供することができる。また、隣接基地局間において自動で信号リンクを確立できるようにした無線通信システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は基地局装置の構成例を示す図である。
【図3】図3は端末装置の構成例を示す図である。
【図4】図4はセルエリアの例を示す図である。
【図5】図5は動作例を示すシーケンス図である。
【図6】図6は動作例を示すシーケンス図である。
【図7】図7は隣接セルリストの例を示す図である。
【図8】図8(A)はセル形状と電波到達距離の例、図8(B)は基地局間のセル形状の関係例をそれぞれ示す図である。
【図9】図9は出力リストの例を示す図である。
【図10】図10は基地局装置の他の構成例を示す図である。
【図11】図11は動作例を示すシーケンス図である。
【図12】図12は3Gセルラシステムのネットワーク構成例を示す図である。
【図13】図13はLTEシステムのネットワーク構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態について以下説明する。
【0020】
<第1の実施例>
第1の実施例について説明する。図1は無線通信システム1の構成例を示す図である。第1及び第2の基地局装置10‐0,10‐1と端末装置20との間で無線通信を行う無線通信システム1において、前記第1の基地局装置10‐1は、前記第1の基地局装置10‐1の位置情報を取得する第1の位置情報取得部17と、前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置10‐0が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置10‐1にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置10‐1から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置20に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置10‐1ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置10‐1から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置10‐1を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置10‐1との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置10‐1に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局装置10‐1に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部18と、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部19とを備え、前記端末装置20は、前記隣接セル情報を受信する受信部25を備える。
【0021】
第1の位置情報取得部17は、第1の基地局装置10‐0の位置情報を取得する。
【0022】
第1の制御部18は、位置情報を含む、第1の基地局装置10‐0が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して第2の基地局装置10‐1にマルチキャストで送信する。また、第1の制御部18は、第2の基地局装置10‐1から新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として端末装置20に送信可能な個数分、第2の基地局装置10‐1ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信する。さらに、第1の制御部18は、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを第2の基地局装置10‐1から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した第2の基地局装置10‐1を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成する。さらに、第1の制御部18は、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない第2の基地局装置10‐1との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置10‐1に送信するとともに解放要求メッセージの送信先である第2の基地局装置10‐1に関する情報を隣接セル情報から削除する。
【0023】
送信部19は第1の制御部18で生成した隣接セル情報を端末装置20に送信する。
【0024】
端末装置20の受信部25は、隣接セル情報を受信する。
【0025】
第1の基地局装置10‐0は、第1の基地局装置10‐0は第2の基地局装置10‐1との間で、信号リンク確立要求メッセージ及び信号リンク確立応答メッセージ送受信により、信号リンクが自動的に確立される。また、第1の基地局装置10‐0は、一定期間ハンドオーバが実行されない第2の基地局装置に対して、解放要求メッセージを送信して信号リンクを解放するようにしたため、自動的に信号リンクが解放される。したがって、本無線通信システム1は、自動的にリンクの設定及び解放が行われ、手動で設定する場合と比較して、コスト削減を図ることができる。
【0026】
<第2の実施例>
次に第2の実施例を説明する。図2は無線通信システム1における基地局装置10、図3は端末装置20の構成例をそれぞれ示す図である。
【0027】
基地局装置10は、アンテナ11と、GPS受信部12と、制御部13と、IP処理部14と、無線処理部15‐1〜15‐3と、アンテナ16‐1〜16‐3とを備える。
【0028】
なお、第1の実施例における第1の位置情報取得部17は、例えばアンテナ11とGPS受信部12に対応し、第1の制御部18は、例えば制御部13とIP処理部14に対応し、送信部19は、例えば無線処理部15‐1〜15‐3とアンテナ16‐1〜16‐3に対応する。
【0029】
アンテナ11は、衛星等から送信されたGPS信号を受信する。
【0030】
GPS受信部12は、アンテナ11から出力されたGPS信号を受信して制御部13に出力する。
【0031】
制御部13は、基地局装置10の各部に対して各種制御を行う。制御部13は、例えばGPS信号に基づいて自基地局装置の位置を演算し、さらに各種メッセージ、及び報知情報(又は隣接セル情報)の生成等も行う。また、制御部13は隣接セルリスト130を備え、隣接基地局装置の識別情報(eNB‐ID)等を保持する。制御部13と隣接セルリスト130の詳細は後述する。
【0032】
IP処理部14は、S1/X2 flex ネットワーク(以下、IPネットワーク)121を介して他の基地局装置と接続され、IPネットワーク121に対するインターフェースの役割を果たす。IP処理部14は、制御部13で生成された各種メッセージを、IPネットワーク121を介して他の基地局装置へ送信し、IPネットワーク121を介して他の基地局装置から送信された各種メッセージを受信し制御部13等に出力する。詳細は後述する。
【0033】
無線処理部15‐1〜15‐3は、制御部13から出力された報知情報等に対して符号化、変調等の処理を行い無線信号に変換して各アンテナ16‐1〜16‐3に出力する。また、無線処理部15‐1〜15‐3は、各アンテナ16‐1〜16‐3で受信した無線信号に対して、復調、復号化等の処理を行い制御部13またはIP処理部14に出力する。
【0034】
アンテナ16‐1〜16‐3は、各セル範囲内で端末装置20との間で無線信号を送受信する。
【0035】
端末装置20は、アンテナ21と、無線処理部22と、制御部23とを備える。第1の実施例における端末装置20の受信部25は、例えば、アンテナ21と無線処理部22と制御部23に対応する。
【0036】
アンテナ21は基地局装置10との間で無線信号を送受信する。
【0037】
無線処理部22は、アンテナ21で受信した無線信号を復調、復号化等の処理を行い制御部23に出力し、制御部23から出力された信号、データ等に対して符号化、変調等の処理を行い無線信号としてアンテナ21に出力する。
【0038】
制御部23は、端末装置20において各種制御を実行する。制御部23は、例えば、接続先の基地局装置10の受信電力等が閾値より低くなるとハンドオーバ要求信号の生成等を行う。
【0039】
図4は各基地局装置10のサービスエリアの例を示す図である。図4において、中央の基地局装置10は新設基地局装置10‐0であり、新設基地局装置10‐0から距離が近い順に、グループ1の近隣基地局装置10‐1〜10‐6、グループ2の近隣基地局装置10‐101〜10‐106、グループ3の近隣基地局装置10‐201〜10‐206、グループ4の近隣基地局装置10‐301〜10‐317が配置される。本第2の実施例において、各基地局装置10は、3つのセクタを有し、各アンテナ16‐1〜16‐3から各セル(セクタ)範囲において端末装置20と無線通信を行う。近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、新設基地局装置10‐0が設置される前に既に設置された既設基地局装置でもある。
【0040】
次に動作について説明する。図5及び図6は動作例を示すシーケンス図である。
【0041】
最初に、新設基地局装置10‐0はGPSで自局装置の位置を測定する(S10)。制御部13はGPS受信部12からのGPS信号により、例えば緯度及び経度等、詳細な位置情報を取得できる。
【0042】
次いで、新設基地局装置10‐0は、近隣基地局装置10‐1〜10‐317に対して、eNB新設通知メッセージをマルチキャストで送信する(S11)。例えば、制御部13は位置情報を取得後、自局が新設基地局装置であることを示すeNB新設通知メッセージを生成して、IP処理部14に出力する。このとき、制御部13は、取得した自局装置の位置情報を当該メッセージに含めるようにする。IP処理部14は当該メッセージを、IPネットワーク121を介して近隣基地局装置10‐1〜10‐317に送信する。なお、制御部13は、新設基地局装置10‐0に接続された全ての既設基地局装置にマルチキャストでeNB新設通知メッセージを送信してもよい。
【0043】
次いで、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、既に測定した自局装置の位置と、eNB新設通知メッセージに含まれる新設基地局装置10‐0の位置情報とに基づいて、2つの基地局装置の距離を計算する(S12)。例えば、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317の制御部13は、IP処理部14に入力されたeNB新設通知メッセージから新設基地局装置10‐0の位置情報を取り出す。そして、制御部13は既にGPS受信部12等を用いて測定した自局装置の位置と、取り出した新設基地局装置10‐0の位置との差を計算することで距離を計算する。
【0044】
次いで、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、計算した距離が閾値Lよりも小さいとき(または閾値L以下のとき)、当該近隣基地局装置10‐1〜10‐317は新設基地局装置10‐0の隣接候補基地局装置になると判断する(S13‐1〜S13‐3でYes)。
【0045】
一方、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、計算した距離が閾値Lと同じが大きいとき(または閾値Lより大きいとき)、当該近隣基地局装置10‐1〜10‐317は新設基地局装置10‐0の隣接候補基地局装置にならないと判断し(S13‐4でNO)、一連の処理を終了する。
【0046】
図5の例では、グループ1〜3の近隣基地局装置10‐1〜10‐206は隣接候補基地局装置になると判断し、グループ4の近隣基地局装置10‐301〜10‐317は隣接候補基地局装置にならないと判断している。かかる判断は、例えば制御部13により行われる。
【0047】
隣接候補基地局装置になると判断した近隣基地局装置10‐1〜10‐206は、eNB新設応答メッセージを新設基地局装置10‐0に応答する(S15‐1〜S15‐3)。eNB新設応答メッセージは、eNB新設通知メッセージに対する応答メッセージであり、各近隣基地局装置10‐1〜10‐206の自位置情報と、各近隣基地局装置10‐1〜10‐206固有の識別情報(eNB‐ID)が含まれる。例えば、各近隣基地局装置10‐1〜10‐206の制御部13は、隣接候補基地局と判断したとき、保持した自位置情報と識別情報とを含むようにeNB新設応答メッセージを生成する。そして、IP処理部14は当該応答メッセージを新設基地局装置10‐0に送信する。
【0048】
新設基地局装置10‐0は、eNB新設応答メッセージを受信すると、自位置との差を計算し、基地局装置間の距離を計算する(S16)。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、eNB新設通知メッセージの受信順に、eNB新設応答メッセージに含まれる各近隣基地局装置10‐1〜10‐206の位置とS10で測定した位置とからその差を計算する。
【0049】
次いで、新設基地局装置10‐0は、新設基地局装置10‐0に対して距離の近い近隣基地局装置10‐1〜10‐206から順に、近隣基地局装置10‐1〜10‐206の識別情報と距離等を隣接セルリスト130に登録する(S17)。
【0050】
隣接セルリスト130に登録可能な近隣基地局装置10‐1〜10‐206の数は、新設基地局装置等10‐0から端末装置20に送信される報知情報で通知できる隣接基地局の情報数で決まる。例えば、報知情報で通知できる最大の隣接基地局数を「12」とすると、隣接セルリスト130に登録可能な近隣基地局装置10‐1〜10‐206は「12」となる。隣接セルリスト130への登録は、例えば制御部13により行われる。なお、S17の時点での隣接セルリスト130への登録は、例えば、隣接基地局装置としての仮登録となる。
【0051】
図7は新設基地局装置10‐0における隣接セルリスト130の例を示す図である。隣接セルリスト130は、基地局装置10‐1〜10‐317ごとに識別情報(eNB‐ID)、距離、ハンドオーバに必要な情報を示すハンドオーバ関連情報(以下、HO関連情報)を含む。HO関連情報は、セルごとの識別情報(セルID)と各セル(または各アンテナ16‐1〜16‐3)から報知情報等を送信するときの報知周波数を含む。報知情報には、例えば、隣接セルリスト130に登録された各情報が含まれる。
【0052】
次いで、新設基地局装置10‐0は、登録数が報知情報制限数を超えたか否かを判断する(S18)。例えば、制御部13は、隣接セルリスト130への登録数が「12」を超えたか否かで判断する。図7に示す例では、近隣基地局装置10‐201〜10‐206は、他の近隣基地局装置と比較して、新設基地局装置10‐0からの距離は遠い。近隣基地局装置10‐201〜10‐206の隣接セルリスト130への登録は登録数「12」を超える。この場合、近隣基地局装置10‐201〜10‐206は隣接セルリスト130に登録されない。
【0053】
次いで、新設基地局装置10‐0は、隣接セルリスト130に登録された近隣基地局装置10‐1〜10‐106に対して、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)リンク確立要求メッセージを送信する(S19‐1,S19‐2)。
【0054】
図5の例では、新設基地局装置10‐0はグループ1,2の近隣基地局装置10‐301〜10‐317にSCTPリンク確立要求メッセージを送信する。SCTPリンク確立要求メッセージには、新設基地局装置10‐0の識別情報(eNB‐ID)と、HO関連情報とが含まれる。
【0055】
例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、自局の識別情報とHO関連情報とが含まれるようにSCTP確立要求メッセージを生成し、隣接セルリスト130に登録された近隣基地局装置10‐1〜10‐106に対して当該メッセージを送信するようにIP処理部14に通知する。IP処理部14は、SCTPリンク確立要求メッセージを近隣基地局装置10‐1〜10‐206に送信する。新設基地局装置10‐0がSCTPリンク確立要求メッセージを送信することにより、近隣基地局装置10‐1〜10‐106との間で通信リンク確立動作が実行される。
【0056】
次いで、SCTPリンク確立要求メッセージを受信した各近隣基地局装置10‐1〜10‐106は、自局装置の隣接セルリスト130に新設基地局装置10‐0に関する情報を登録する(S20)。例えば、近隣基地局装置10‐1〜10‐106の制御部13は、隣接セルリスト130に新たに新設基地局装置10‐0の識別情報(eNB‐ID)とHO関連情報等を登録する。
【0057】
次いで、各近隣基地局装置10‐1〜10‐106は、SCTPリンク確立応答メッセージを新設基地局装置10‐0に送信する(S21‐1,S21‐2)。SCTPリンク確立応答メッセージには、近隣基地局装置10‐1〜10‐106自身の識別情報(eNB‐ID)とHO関連情報とを含む。例えば、近隣基地局装置10‐1〜10‐106の制御部13は、保持した自局装置の識別情報とHO関連情報を読み出して、SCTPリンク確立応答メッセージに含まれるように当該メッセージを生成する。そして、当該メッセージはIP処理部14から新設基地局装置10‐0に送信される。
【0058】
次いで、近隣基地局装置10‐1〜10‐106は、隣接基地局装置に関する情報を含む報知情報を、当該近隣基地局装置10‐1〜10‐106のセル内に報知する(S22)。当該報知情報には、隣接基地局装置として新設基地局装置10‐0に関する情報も含まれる。例えば、近隣基地局装置10‐1〜10‐106の制御部13は、隣接セルリスト130に登録された基地局装置を隣接基地局装置とする報知情報を生成し、無線処理部15‐1〜15‐3を介して端末装置20に報知する。
【0059】
一方、新設基地局装置10‐0は、SCTP確立応答メッセージを受信すると、当該メッセージに含まれる近隣基地局装置10‐1〜10‐106のHO関連情報を隣接セルリスト130に登録する。そして、新設基地局装置10‐0は、隣接セルリスト130に登録された近隣基地局装置10‐1〜10‐106を隣接基地局装置とする報知情報を報知する(S23)。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、隣接セルリスト130に登録された基地局装置を隣接基地局装置とする報知情報を生成し、無線処理部15‐1〜15‐3を介して端末装置20に報知する。
【0060】
新設基地局装置10‐0と近隣基地局装置10‐1〜10‐106はともに報知情報を報知しており、ハンドオーバの暫定運用が開始される。図5の例では、S22とS23の処理が行われた時点から、暫定運用期間が開始される。なお、この時点において、新設基地局装置10‐0と、グループ1,2の近隣基地局装置10‐1〜10‐106とは全部で12本のSCTPリンクが確立されている。
【0061】
暫定運用期間が開始されると、新設基地局装置10‐0は、ハンドオーバの実施状況を近隣基地局装置10‐1〜10‐206毎に監視する(S24)。新設基地局装置10‐0は、ハンドオーバが行われないような近隣基地局装置10‐1〜10‐206を隣接セルリスト130から削除し、SCTP開放要求を行うためである。あるいは、新設基地局装置10‐0は、ハンドオーバが行われる近隣基地局装置10‐1〜10‐206を隣接基地局として隣接セルリスト130に正式に登録するためである。
【0062】
監視(S24)は、例えば、新設基地局装置10‐0は、暫定期間中にハンドオーバがあった(又はSCTPリンクが使用された)場合、解放対象から外し、1回もハンドオーバが行われなかった場合、解放対象とする。
【0063】
ハンドオーバの有無は、例えば、新設基地局装置10‐0が接続元、近隣基地局装置10‐1〜10‐106が接続先の基地局装置の場合、新設基地局装置10‐0の制御部13は端末装置20からハンドオーバ要求信号を受信する。当該要求信号は、接続先を近隣基地局装置10‐1〜10‐106とする情報を含み、無線処理部15‐1〜15‐3を介して制御部13に通知される。そして、制御部13はハンドオーバの接続先の近隣基地局装置10‐1〜10‐106にハンドオーバ要求メッセージを送信する。制御部13は、暫定期間中、当該メッセージを接続先の近隣基地局装置10‐1〜10‐106に送信したか否かによりハンドオーバ有無を判断できる。または、近隣基地局装置10‐1〜10‐106が接続元の基地局装置で新設基地局装置10‐0が接続先の基地局装置の場合、近隣基地局装置10‐1〜10‐106は端末装置20からハンドオーバ要求信号を受信し、新設基地局装置10‐0にハンドオーバ要求メッセージを送信する。新設基地局装置10‐0の制御部13は、IP処理部14を介して当該メッセージを受信する。制御部13は、当該メッセージの受信の有無によりハンドオーバの有無を判断できる。
【0064】
監視の他の例として、新設基地局装置10‐0は、暫定期間中にSCTPリンク毎に使用回数をカウントし、一定閾値以下のSCTPリンクを解放対象とする。例えば、新設基地局装置10‐0が接続元の基地局装置の場合、新設基地局装置10‐0の制御部13は、ハンドオーバ要求信号を端末装置20から受信して接続先の近隣基地局装置10‐1〜10‐106にIP処理部14を介してハンドオーバ要求メッセージを送信する。制御部13は接続先の近隣基地局装置10‐1〜10‐106ごとに当該メッセージの送信回数をカウントし、閾値と比較して解放対象を判断する。または、近隣基地局装置10‐1〜10‐106が接続元、新設基地局装置10‐0が接続先の基地局装置の場合、新設基地局装置10‐0の制御部13は、近隣基地局装置10‐1〜10‐106の各々からIP処理部14を介して受信したハンドオーバ要求メッセージの受信回数により解放対象を判断する。
【0065】
さらに、監視の他の例として、暫定期間を週単位、月単位等に区切り、新設基地局装置10‐0は、週単位等でリンク使用回数をカウントし、直近の何週等においてリンク使用回数が「0」の場合、リンク解放対象とする。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、ハンドオーバ要求メッセージの送信回数、または当該メッセージの受信回数を週毎等にカウントし、直近の何週等において、リンク使用回数が「0」のSCTPリンクを解放対象とする。例えば、かかる監視により、新設基地局装置10‐0または近隣基地局装置10‐1〜10‐106におけるセル環境が変化(建物が建つ等)し、隣接基地局装置だった基地局装置がそうでなくなった場合等を検出することができる。
【0066】
さらに、監視の他の例として、ある隣接基地局装置間でバースト的にリンク使用が発生する場合に、そのリンクを優先的に保存対象とし、そうでない場合、リンク解放対象とする。例えば、隣接基地局装置間で鉄道等があり、多くの乗客が乗った車両が通過すると複数の端末装置20が一斉にハンドオーバするような場合である。これにより、例えば、バースト的に発生するリンクに処理能力を割り振ることができる。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、端末装置20からハンドオーバ要求信号を受信してハンドオーバ要求メッセージを近隣基地局装置10‐1〜10‐106ごとに送信した回数をそれぞれカウントする。または、制御部13は各近隣基地局装置10‐1〜10‐106からハンドオーバ要求メッセージを受信した回数をそれぞれカウントする。そして、制御部13はカウント数がある期間に閾値以上あった場合に、新設基地局装置10‐0とある近隣基地局装置10‐1〜10‐106との間のリンクを保存対象とし、そうでないリンクを解放対象とする。
【0067】
新設基地局装置10‐0は、HO実施状況を監視し(S24)、解放すべきリンクがあればSCTPリンク解放要求メッセージを当該リンクの接続先である近隣基地局装置10‐1〜10‐106に送信する(S25)。図6の例では、グループ2の近隣基地局装置10‐101〜10‐106との間で暫定期間中ハンドオーバが発生しておらず、解放対象となっている。この場合、新設基地局装置10‐0は、グループ2の近隣基地局装置10‐101〜10‐106のすべてに対して、SCTPリンク解放要求メッセージを送信する。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、暫定期間中に上述した条件を満たさない近隣基地局装置10‐1〜10‐106がある場合、SCTP開放要求メッセージを生成して、IP処理部14を介して当該メッセージを近隣基地局装置10‐101〜10‐106に送信する。
【0068】
SCTPリンク開放要求メッセージを受信した近隣基地局装置10‐101〜10‐106は、当該要求メッセージに対するSCTPリンク解放確認メッセージを新設基地局装置10‐0に送信する(S26)。
【0069】
次いで、SCTPリンク開放要求メッセージを受信した近隣基地局装置10‐101〜10‐106は、隣接セルリスト130から新設基地局装置10‐0の隣接セル情報を削除し(S27)、更新された隣接セルリスト130に基づいて報知情報を報知する(S28)。例えば、近隣基地局装置10‐101〜10‐106の制御部13は、SCTPリンク解放要求メッセージを受信すると、SCTPリンク解放確認メッセージを生成しIP処理部14を介して送信する。また、制御部13は、隣接セルリスト130から新設基地局装置10‐0の情報を削除し、更新された隣接セルリスト130に基づいて報知情報を作成し、無線処理部15‐1〜15‐3を介して端末装置20に報知する。
【0070】
SCTPリンク解放確認メッセージを受信した新設基地局装置10‐0は、SCTPリンクを解放した近隣基地局装置10‐101〜10‐106を隣接セルリスト130から削除する(S29)。そして、新設基地局装置10‐0は、更新された隣接セルリスト130に基づいて報知情報を報知する(S30)。例えば、新設基地局装置10‐0の制御部13は、SCTPリンク解放確認メッセージを近隣基地局装置10‐101〜10‐106から受信すると、対象となる近隣基地局装置10‐101〜10‐106の識別情報等を隣接セルリスト130から削除する。そして、制御部13は、更新された隣接セルリスト130に含まれる各近隣基地局装置10‐1〜10‐6を隣接基地局装置とする報知情報を作成し、無線処理部15‐1〜15‐3を介して報知する。
【0071】
その後、無線通信システム1は通常運用を開始する。新設基地局装置10‐0の隣接セルリスト130には、隣接基地局として近隣基地局装置10‐1〜10‐6に関する情報が登録される。また、近隣基地局装置10‐1〜10‐6の隣接セルリスト130には、隣接基地局装置として新設基地局装置10‐0に関する情報が登録される。
【0072】
このように本第2の実施例では、暫定期間中に新設基地局装置と近隣基地局装置との間で信号リンクを確立させ、ハンドオーバが実際に実行されたか否かにより、信号リンクを解放するか否かを行うようにしている。信号リンクが解放された近隣基地局装置と新設基地局装置とは、ともに隣接セルリスト130からその情報が削除され、暫定期間経過後、新設基地局装置と他の近隣基地局装置の隣接セルリスト130には隣接基地局としてその情報が登録される。従って、本無線通信システム1は、新設基地局装置と隣接基地局装置との間の通信リンクを自動で設定及び開放させることができる。また、本無線通信システム1は、このように設定及び解放が自動で行われるため、手動で設定等が行われる場合と比較して、コスト削減を図ることができる。さらに、新設基地局装置と隣接基地局装置は隣接基地局に関する情報を隣接セルリスト130に自動的に登録できるため、手動で登録する場合と比較して、コスト削減を図ることができる。
【0073】
<第3の実施例>
次に第3の実施例について説明する。第3の実施例は、距離と、さらに電波出力、及び他の基地局装置との相対的な方角を考慮して隣接関係(S13‐1〜S13‐4,S16等)が判定される例である。
【0074】
基地局装置10は、基地局装置10が配置された地形、アンテナ16‐1〜16‐3、周辺の建物などの影響により、アンテナ16‐1〜16‐3からの電波出力、及びセル形状が個々に異なる場合がある。したがって、基地局装置10から端末装置20への電波到達距離は、アンテナ16‐1〜16‐3の方角により変化する。
【0075】
図8(A)はセル形状と電波到達距離との関係例を示す図である。同図(A)は、あるセル(又はアンテナ16‐1〜16‐3)の最大出力方向の電波到達距離をD1とした場合、最大出力方向からある角度方向の電波到達距離D2は75%に下がることを示す。
【0076】
また、図8(B)は、セル形状により2つの基地局装置10間の距離は同じでも隣接可能な場合と不可能な場合があることを示す図である。本第3の実施例は、このような場合を考慮して隣接関係が判定される例である。
【0077】
既存の近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、自局が電波を出力するセル形状に対応した方角と出力とを予めデータ(以下、出力リスト131)を保持する。図9は出力リスト131の例、図10は基地局装置10の構成例をそれぞれ示す図である。図9では、方角が「110°」(0°を北とする)、「230°」、及び「350°」の3方向で最大出力を有する3セルの基地局装置10の例が示される。出力リスト131は、図10に示すように、例えば制御部13に保持される。
【0078】
次に動作を説明する。図11は動作例を示すシーケンス図である。近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、新設基地局装置10‐0からeNB新設通知メッセージを受信すると、距離を計算するとともに、当該メッセージに含まれるGPS位置情報から方角を算出する。そして、近隣基地局装置10‐1〜10‐317は、さらにその方角におけるアンテナ出力を出力リスト131から取り出す(S12’)。例えば、近隣基地局装置10‐1〜10‐317の制御部13は、当該メッセージに含まれるGPS位置情報と予め測定した自局のGPS位置情報とから、新設基地局装置10‐0の自局装置に対する方角を算出する。そして、制御部13は、方角に対応するアンテナ出力を出力リスト131から取り出す。例えば、新設基地局装置10‐0の方角が「130°」のとき、制御部13は出力リスト131からアンテナ出力「90%」を取り出す。
【0079】
次いで、近隣基地局装置10‐1〜10‐206は、距離を閾値と比較した後(S13‐1〜S13‐4)、eNB新設応答メッセージを新設基地局装置10‐0に送信する(S15‐1’〜15‐3’)。ここで、eNB新設応答メッセージには、自局のGPS位置情報、自局のeNB‐IDの他に、さらにアンテナ出力、及び電波出力のデータ(最大出力での到達距離など、複数セルを含む基地局装置10の場合はセルごとの最大出力到達距離でもよい)が含まれる。例えば、制御部13がこれらの情報を含むeNB新設応答メッセージを生成し、IP処理部14を介して新設基地局装置10‐0に送信する。
【0080】
次いで、新設基地局装置10‐0は、近隣基地局装置10‐1〜10‐206への距離を計算した後(S16)、近隣基地局装置10‐1〜10‐206から自局方向への電波到達距離等を演算して隣接判定を行い、隣接セルリスト130への登録を行う(S17’)。
【0081】
隣接判定の例として以下の場合がある。例えば、近隣基地局装置10‐1は、最大出力到達距離が「1km」、新設基地局装置10‐0へのアンテナ出力が「90%」とし、近隣基地局装置10‐2は最大出力到達距離が「1.3km」、新設基地局装置10‐0へのアンテナ出力が「80%」とする。これらの情報はeNB新設応答メッセージに含まれ、各近隣基地局装置10‐1,10‐2から送信される。各近隣基地局装置10‐1,10‐2と新設基地局装置10‐0との距離は、それぞれ「1.8km」、「1.9km」とする(S16)。
【0082】
そして、新設基地局装置10‐0の制御部13は、実際の到達距離を演算して隣接判定を行う。例えば、実際の到達距離は、(最大出力到達距離)×(出力方向でのアンテナ出力)とする。近隣基地局装置10‐1の新設基地局装置10‐0への実際の到達距離は、1km×90%=0.9kmとなる。この場合、新設基地局装置10‐0は、近隣基地局装置10‐1に対して、1.8−0.9=0.9km分、セル範囲をカバーしないと隣接しないことになる。
【0083】
一方、近隣基地局装置10‐2の新設基地局装置10‐0への実際の到達距離は、1.3km×80%=1.04kmとなる。この場合、新設基地局装置10‐0は、近隣基地局装置10‐2に対して、1.9‐1.04=0.86km分、セル範囲をカバーしないと隣接しないことになる。
【0084】
これらの例において、新設基地局装置10‐0からの各近隣基地局装置10‐1,10‐2の距離は、近隣基地局装置10‐2の方が近隣基地局装置10‐1より近いことになる。なお、これらの例の場合、制御部13は、近隣基地局装置10‐1,10‐2はどちらも新設基地局装置10‐0に隣接しないと判定し、隣接セルリスト130に近隣基地局装置10‐1,10‐2の情報を登録しない(S17’)。あるいは、制御部13は新設基地局装置10‐0との上述した距離が近い順に2つの近隣基地局装置10‐1,10‐2に関する情報を隣接セルリスト130に登録してもよい(S17’)。さらに、制御部13は隣接セルリスト130から近隣基地局装置10‐1,10‐2に関する情報を削除してもよい。このように、新設基地局装置10‐0の制御部13は、隣接セルリスト130への登録を、距離に加えて、上述した電波方向と方角とを加味して判断してもよい。
【0085】
また、各近隣基地局装置10‐1〜10‐317の制御部13がかかる隣接判定を行い(S13‐1〜S13‐4)、上述した計算により、隣接していると判断するとeNB新設応答メッセージを送信するようにしてもよい(S15‐1’〜S15‐3’)。この場合、各近隣基地局装置10‐1〜10‐206の制御部13は、隣接するか否かの情報をeNB新設応答メッセージに含めて送信する。近隣基地局装置10‐1〜10‐317と新設基地局装置10‐0は、判定結果に基づいて、隣接セルリスト130を更新するようにしてもよい。
【0086】
このように、実際の距離のみならず、対象となる基地局装置10への方角、アンテナ出力等を考慮することで、基地局装置10は、第2の実施例よりもより現実に即した隣接判定(S13‐1〜S13‐4,S17’等)を行うことができる。
【0087】
なお、アンテナ出力は距離の3〜4乗に反比例して減少することが知られており(例えば、電波到達距離の関係式として、「奥村‐秦カーブ」などがある)、実際の到達距離の演算に用いられる判定はこのような既知のものを用いてもよい。
【0088】
<その他の実施例>
第2〜第3の実施例において、基地局装置10は3つのセルを有するものとして説明した。例えば、1つのセルでもよいし、2つ、4つ等の複数セルを有してもよい。基地局装置10は、この場合、例えばセルの数に対応するアンテナを備えていればよい。
【0089】
以上、まとめると付記のようになる。
【0090】
(付記1)
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第1の基地局装置は、
前記第1の基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、
前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部とを備え、
前記端末装置は、
前記隣接セル情報を受信する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【0091】
(付記2)
前記第2の基地局装置は、さらに、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
前記第2の基地局装置の位置情報と、前記新設メッセージに含まれる第1の基地局装置の位置情報とに基づいて、前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離と閾値とを比較することで前記第1の基地局装置と隣接するか否かを判断することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0092】
(付記3)
前記第2の制御部は、前記第2の基地局装置の前記第1の基地局装置に対する電波送信方向及び方角を前記隣接するか否かの判断基準に加えることを特徴とする付記2記載の無線通信システム。
【0093】
(付記4)
前記第2の制御部は、前記距離が前記閾値以下のとき、前記第1の基地局装置と隣接するものとして前記新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信することを特徴とする付記2記載の無線通信システム。
【0094】
(付記5)
前記第2の制御部は、前記新設応答メッセージに前記第2の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の識別情報とを含めて、前記新設応答メッセージを送信することを特徴とする付記4記載の無線通信システム。
【0095】
(付記6)
前記第1の制御部は、さらに、第1の隣接セルリストを保持し、
前記第1の制御部は、前記新設応答メッセージに含まれる前記第2の基地局装置の位置情報と前記第1の基地局装置の位置情報とに基づいて、前記第1の基地局装置からの距離が近い順に前記第2の基地局装置に関する情報を前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0096】
(付記7)
前記第1の制御部は、前記第1の基地局装置からの距離と、さらに前記第1の基地局装置に対する前記第2の基地局装置の電波送信方向及び方角とに基づいて、前記第2の基地局装置に関する情報を順番に前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする付記6記載の無線通信システム。
【0097】
(付記8)
前記第1の制御部は、前記隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記隣接セルリストに前記第2の基地局装置に関する情報を登録することを特徴とする付記7記載の無線通信システム。
【0098】
(付記9)
前記第1の制御部は、前記第1の隣接セルリストに登録された前記第2の基地局装置に対して、前記信号リンク確立要求メッセージを送信することを特徴とする付記6または7記載の無線通信システム。
【0099】
(付記10)
前記第1の制御部は、前記信号リンク確立要求メッセージに前記第1の基地局装置のハンドオーバ関連情報を含めて前記信号リンク確立要求メッセージを送信することを特徴とする付記9記載の無線通信システム。
【0100】
(付記11)
前記第2の制御部は、第2の隣接セルリストを保持し、
前記第2の制御部は、前記信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記信号リンク確立要求メッセージに含まれる前記第1の基地局装置のハンドオーバ関連情報を前記第2の隣接セルリストに登録することを特徴とする付記10記載の無線通信システム。
【0101】
(付記12)
前記第2の制御部は、前記信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第2の基地局装置のハンドオーバ関連情報を含む前記信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信することを特徴とする付記11記載の無線通信システム。
【0102】
(付記13)
前記第1の制御部は、前記信号リンク確立応答メッセージを受信した場合、前記第1の隣接セルリストに前記信号リンク確立応答メッセージに含まれる前記第2の基地局装置のハンドオーバ関連情報を前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする付記11記載の無線通信システム。
【0103】
(付記14)
前記第1の制御部または前記第2の制御部は、それぞれ前記第1または第2の隣接セルリストに登録された前記第2または前記第1の基地局装置の前記ハンドオーバ関連情報を含む隣接セル情報を生成することを特徴とする付記13記載の無線通信システム。
【0104】
(付記15)
前記第1の制御部は、前記一定期間中、接続先を前記第2の基地局装置とするハンドオーバ要求信号を前記端末装置から受信せずに前記第2の基地局装置にハンドオーバ要求メッセージを送信しない場合、または前記第2の基地局装置から前記ハンドオーバ要求メッセージを受信しない場合、前記ハンドオーバが実行されないと判断して当該第2の基地局装置に前記解放要求メッセージを送信することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0105】
(付記16)
前記第1の制御部は、前記一定期間中、接続先を前記第2の基地局装置とするハンドオーバ要求信号を前記端末装置から受信して前記第2の基地局装置にハンドオーバ要求メッセージを送信した回数、または前記第2の基地局装置から前記ハンドオーバ要求メッセージを受信した回数が閾値以下のとき、前記ハンドオーバが実行されないと判断して当該第2の基地局装置に前記解放要求メッセージを送信することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0106】
(付記17)
前記第1の制御部は、前記一定期間ごとに、接続先を前記第2の基地局装置とするハンドオーバ要求信号を前記端末装置から受信して前記第2の基地局装置にハンドオーバ要求メッセージを送信した回数、または前記第2の基地局装置から前記ハンドオーバ要求メッセージを受信した回数をそれぞれカウントし、直近の前記一定期間における前記回数が「0」のとき、前記ハンドオーバが実行されないと判断して当該第2の基地局装置に前記解放要求メッセージを送信することを特徴とする付記1記載の無線通信システム。
【0107】
(付記18)
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第2の基地局装置は、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを前記第1の基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記第1の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の位置情報とに基づいて前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記第1の基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第1の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記第1の基地局装置に関する情報を削除する第2の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と、
前記端末装置は、
前記隣接セル情報を受信する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【0108】
(付記19)
端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
前記基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、
前記位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、前記基地局装置と接続された既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【0109】
(付記20)
端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
前記基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを新たに設置された新設基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記新設基地局装置の位置情報と前記基地局装置の位置情報とに基づいて前記新設基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記新設基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記新設基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記新設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記新設基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記新設基地局装置に関する情報を削除する第2の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【0110】
(付記21)
基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
前記基地局装置は、前記基地局装置の位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、既に設置された他の基地局装置である既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記基地局装置が前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを前記既設基地局装置に送信し、前記基地局装置が当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を前記基地局装置から受信する受信部
を備え、
前記受信部は、前記基地局装置との間で一定期間ハンドオーバが実行されない場合、前記基地局装置はハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信し、前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信することを特徴とする端末装置。
【0111】
(付記22)
基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを新たに設置された新設基地局装置から受信した場合、前記基地局装置は前記新設メッセージに含まれる前記新設基地局装置の位置情報と前記基地局装置の位置情報とに基づいて前記新設基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記新設基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記基地局装置が前記新設基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージが前記新設基地局装置に送信し、前記基地局装置が生成した前記新設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を受信する受信部、
を備え、
前記受信部は、前記基地局装置が前記新設基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記新設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信することを特徴とする端末装置。
【0112】
(付記23)
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、
前記第1の基地局装置は、
前記第1の基地局装置の位置情報を取得し、
前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、
前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、
当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記端末装置に送信し、
一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する、
ことを特徴とする通信リンク設定方法。
【0113】
(付記24)
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、
前記第2の基地局装置は、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得し、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを前記第1の基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記第1の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の位置情報とに基づいて前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記第1の基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第1の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信し、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記第1の基地局装置に関する情報を削除する、
ことを特徴とする通信リンク設定方法。
【符号の説明】
【0114】
1:無線通信システム 10:基地局装置
10‐0:新設基地局装置
10‐1〜10‐6,10‐101〜10‐106,10‐301〜10‐307:近隣基地局装置
11:アンテナ 12:GPS受信部
13:制御部 14:IP処理部
15‐1〜15‐3:無線処理部 16‐1〜16‐3:アンテナ
20:端末装置 21:アンテナ
22:無線処理部 23:制御部
121:S1/X2 Flex Network(IPネットワーク)
130:隣接セルリスト 131:出力リスト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第1の基地局装置は、
前記第1の基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、
前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部とを備え、
前記端末装置は、
前記隣接セル情報を受信する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記第2の基地局装置は、さらに、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
前記第2の基地局装置の位置情報と、前記新設メッセージに含まれる第1の基地局装置の位置情報とに基づいて、前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離と閾値とを比較することで前記第1の基地局装置と隣接するか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第2の制御部は、前記第2の基地局装置の前記第1の基地局装置に対する電波送信方向及び方角を前記隣接するか否かの判断基準に加えることを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第2の制御部は、前記距離が前記閾値以下のとき、前記第1の基地局装置と隣接するものとして前記新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信することを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記第1の制御部は、さらに、第1の隣接セルリストを保持し、
前記第1の制御部は、前記新設応答メッセージに含まれる前記第2の基地局装置の位置情報と前記第1の基地局装置の位置情報とに基づいて、前記第1の基地局装置からの距離が近い順に前記第2の基地局装置に関する情報を前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第1の制御部は、前記第1の基地局装置からの距離と、さらに前記第1の基地局装置に対する前記第2の基地局装置の電波送信方向及び方角とに基づいて、前記第2の基地局装置に関する情報を順番に前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする請求項5記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記第1の制御部は、前記第1の隣接セルリストに登録された前記第2の基地局装置に対して、前記信号リンク確立要求メッセージを送信することを特徴とする請求項5または6記載の無線通信システム。
【請求項8】
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第2の基地局装置は、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを前記第1の基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記第1の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の位置情報とに基づいて前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記第1の基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第1の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記第1の基地局装置に関する情報を削除する第2の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と、
前記端末装置は、
前記隣接セル情報を受信する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
前記基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、
前記位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、前記基地局装置と接続された既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項10】
端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
前記基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを新たに設置された新設基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記新設基地局装置の位置情報と前記基地局装置の位置情報とに基づいて前記新設基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記新設基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記新設基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記新設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記新設基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記新設基地局装置に関する情報を削除する第2の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項11】
基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
前記基地局装置は、前記基地局装置の位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、既に設置された他の基地局装置である既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記基地局装置が前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを前記既設基地局装置に送信し、前記基地局装置が当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を前記基地局装置から受信する受信部
を備え、
前記受信部は、前記基地局装置との間で一定期間ハンドオーバが実行されない場合、前記基地局装置はハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信し、前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信することを特徴とする端末装置。
【請求項12】
基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを新たに設置された新設基地局装置から受信した場合、前記基地局装置は前記新設メッセージに含まれる前記新設基地局装置の位置情報と前記基地局装置の位置情報とに基づいて前記新設基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記新設基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記基地局装置が前記新設基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージが前記新設基地局装置に送信し、前記基地局装置が生成した前記新設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を受信する受信部、
を備え、
前記受信部は、前記基地局装置が前記新設基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記新設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信することを特徴とする端末装置。
【請求項13】
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、
前記第1の基地局装置は、
前記第1の基地局装置の位置情報を取得し、
前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、
前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、
当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記端末装置に送信し、
一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する、
ことを特徴とする通信リンク設定方法。
【請求項14】
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、
前記第2の基地局装置は、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得し、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを前記第1の基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記第1の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の位置情報とに基づいて前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記第1の基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第1の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信し、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記第1の基地局装置に関する情報を削除する、
ことを特徴とする通信リンク設定方法。
【請求項1】
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第1の基地局装置は、
前記第1の基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、
前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部とを備え、
前記端末装置は、
前記隣接セル情報を受信する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記第2の基地局装置は、さらに、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
前記第2の基地局装置の位置情報と、前記新設メッセージに含まれる第1の基地局装置の位置情報とに基づいて、前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離と閾値とを比較することで前記第1の基地局装置と隣接するか否かを判断することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第2の制御部は、前記第2の基地局装置の前記第1の基地局装置に対する電波送信方向及び方角を前記隣接するか否かの判断基準に加えることを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第2の制御部は、前記距離が前記閾値以下のとき、前記第1の基地局装置と隣接するものとして前記新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信することを特徴とする請求項2記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記第1の制御部は、さらに、第1の隣接セルリストを保持し、
前記第1の制御部は、前記新設応答メッセージに含まれる前記第2の基地局装置の位置情報と前記第1の基地局装置の位置情報とに基づいて、前記第1の基地局装置からの距離が近い順に前記第2の基地局装置に関する情報を前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記第1の制御部は、前記第1の基地局装置からの距離と、さらに前記第1の基地局装置に対する前記第2の基地局装置の電波送信方向及び方角とに基づいて、前記第2の基地局装置に関する情報を順番に前記第1の隣接セルリストに登録することを特徴とする請求項5記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記第1の制御部は、前記第1の隣接セルリストに登録された前記第2の基地局装置に対して、前記信号リンク確立要求メッセージを送信することを特徴とする請求項5または6記載の無線通信システム。
【請求項8】
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記第2の基地局装置は、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを前記第1の基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記第1の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の位置情報とに基づいて前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記第1の基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第1の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、前記第1の基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記第1の基地局装置に関する情報を削除する第2の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と、
前記端末装置は、
前記隣接セル情報を受信する受信部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
前記基地局装置の位置情報を取得する第1の位置情報取得部と、
前記位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、前記基地局装置と接続された既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報を前記隣接セル情報から削除する第1の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項10】
端末装置と無線通信を行う基地局装置において、
前記基地局装置の位置情報を取得する第2の位置情報取得部と、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを新たに設置された新設基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記新設基地局装置の位置情報と前記基地局装置の位置情報とに基づいて前記新設基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記新設基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記新設基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記新設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成し、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記新設基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記新設基地局装置に関する情報を削除する第2の制御部と、
前記隣接セル情報を前記端末装置に送信する送信部と
を備えることを特徴とする基地局装置。
【請求項11】
基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
前記基地局装置は、前記基地局装置の位置情報を含む、前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して、既に設置された他の基地局装置である既設基地局装置にマルチキャストで送信し、前記基地局装置が前記既設基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記既設基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを前記既設基地局装置に送信し、前記基地局装置が当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記既設基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記既設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を前記基地局装置から受信する受信部
を備え、
前記受信部は、前記基地局装置との間で一定期間ハンドオーバが実行されない場合、前記基地局装置はハンドオーバに使用されない前記既設基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該既設基地局装置に送信し、前記解放要求メッセージの送信先である前記既設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信することを特徴とする端末装置。
【請求項12】
基地局装置と無線通信を行う端末装置において、
前記基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを新たに設置された新設基地局装置から受信した場合、前記基地局装置は前記新設メッセージに含まれる前記新設基地局装置の位置情報と前記基地局装置の位置情報とに基づいて前記新設基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記新設基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記新設基地局装置に送信し、前記基地局装置が前記新設基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージが前記新設基地局装置に送信し、前記基地局装置が生成した前記新設基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を受信する受信部、
を備え、
前記受信部は、前記基地局装置が前記新設基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記新設基地局装置に関する情報が削除された前記隣接セル情報を受信することを特徴とする端末装置。
【請求項13】
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、
前記第1の基地局装置は、
前記第1の基地局装置の位置情報を取得し、
前記位置情報を含む、前記第1の基地局装置が新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを生成して前記第2の基地局装置にマルチキャストで送信し、
前記第2の基地局装置から前記新設メッセージに対する新設応答メッセージを受信した場合、隣接セル情報として前記端末装置に送信可能な個数分、前記第2の基地局装置ごとに信号リンク確立要求メッセージを送信し、
当該信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第2の基地局装置から受信した場合、当該信号リンク確立応答メッセージを送信した前記第2の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して前記端末装置に送信し、
一定期間ハンドオーバが実行されない場合、ハンドオーバに使用されない前記第2の基地局装置との通信リンクを解放する解放要求メッセージを当該第2の基地局装置に送信するとともに前記解放要求メッセージの送信先である前記第2の基地局に関する情報を前記隣接セル情報から削除する、
ことを特徴とする通信リンク設定方法。
【請求項14】
第1及び第2の基地局装置と端末装置との間で無線通信を行う無線通信システムにおける通信リンク設定方法であって、
前記第2の基地局装置は、
前記第2の基地局装置の位置情報を取得し、
新たに設置された基地局装置であることを示す新設メッセージを前記第1の基地局装置から受信した場合、前記新設メッセージに含まれる前記第1の基地局装置の位置情報と前記第2の基地局装置の位置情報とに基づいて前記第1の基地局装置との距離を計算し、前記距離が閾値よりも小さいとき前記第1の基地局装置と隣接するものとして新設応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置から信号リンク確立要求メッセージを受信した場合、前記第1の基地局装置を隣接基地局装置とする隣接セル情報を生成して、前記隣接セル情報を前記端末装置に送信し、前記信号リンク確立要求メッセージに対する信号リンク確立応答メッセージを前記第1の基地局装置に送信し、
前記第1の基地局装置から信号リンクの解放を要求する解放要求メッセージを受信した場合、前記隣接セル情報から前記第1の基地局装置に関する情報を削除する、
ことを特徴とする通信リンク設定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−4101(P2011−4101A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144837(P2009−144837)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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