説明

無線通信システム、無線基地局、無線端末、および無線通信方法

【課題】受信局宛データ送信用の無線リソースにおける余剰リソースの発生を回避又は削減することで、無線リソースの利用効率を向上する。
【解決手段】送信局は、少なくとも一つの受信局を宛先とするデータの送信用リソースとして、第一の時間帯に対応する第一の無線リソース、および前記第一の時間帯より後の第二の時間帯に対応する第二の無線リソースを、前記少なくとも一つの前記受信局と対応付け、さらに、前記受信局と前記対応付けられた、前記第一の無線リソースもしくは前記第二の無線リソースの、少なくとも何れか一方を用いて、前記第一の時間帯において送信可能なデータである第一のデータの送信を行う構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局、端末及び通信システム、通信方法に係り、特に、無線通信システム、および無線通信システムを構成する無線基地局装置および無線端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル通信における音声通話のため、様々な音声符号化方式が検討されている。例えば、非特許文献1で開示されているように、セルラ通信システムの標準化団体である3GPPではAMR(Adaptive Multi Rate)などが標準化されている。また、非特許文献2で開示されているように、同じくセルラ通信システムの標準化団体である3GPP2ではEVRC(Enhanced Variable Rate Codec)などが標準化されている。ここで、音声符号化器(ボコーダー)は、入力された音声信号を標本化し、量子化などの処理を行い、音声フレームとして出力する。例えば、上記のAMRやEVRCといった音声符号化方式では、音声フレームは一定の周期で出力される。
【0003】
一方、パケット交換網では、回線を占有して通信を行う回線交換網と異なり、パケット送信時のみ通信リソースを使用する。従って、前述の音声フレームをパケット交換網で送信するため、予め通信リソースを確保する必要がある。そこで、非特許文献3〜5で開示されているように、標準化団体3GPPでは、E−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)を採用する無線アクセスインタフェースが規格化されており、SPS(Semi−Persistent Scheduling)として一定周期で一定量の通信リソースを予約する機能が定義されている。また、非特許文献6〜11で開示されているように、標準化団体3GPP2では、UMB(Ultra Mobile Broadband)としてOFDMAを採用する無線アクセスインタフェースが規格化されており、Persistent Modeとして一定周期で一定量の通信リソースを予約する機能が定義されている。E−UTRAやUMBといったセルラ通信システムでは、パケットあるいはHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)送信(サブパケット)ごとに基地局が通信リソースを端末に割当て、通信リソースの割当て情報を制御情報として基地局から端末に通知する。ここで、SPSやPersistent Modeでは、パケット送信開始時に基地局が周期的な通信リソースを予約するとともに、予約した通信リソースの情報を端末に通知し、以降のパケット送信には予め予約しておいた周期に従って通信リソースを使用する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS 26.071 V8.0.0
【非特許文献2】3GPP2 C.S0014−B v1.0
【非特許文献3】3GPP TS 36.321 V8.4.0 5.3.1 DL Assignment reception
【非特許文献4】3GPP TS 36.321 V8.4.0 5.4.1 UL Grant reception
【非特許文献5】3GPP TS 36.321 V8.4.0 5.10 Semi−Persistent Scheduling
【非特許文献6】3GPP2 C.S0084−002−0 Version 3.0 6.5.5.1.1.3 Access Terminal Assignment Management for Persistent Assignments
【非特許文献7】3GPP2 C.S0084−002−0 Version 3.0 6.5.5.1.2.1 Access Terminal Assignment Processing for Persistent Assignments
【非特許文献8】3GPP2 C.S0084−002−0 Version 3.0 6.5.5.2.2 F−DCH Transmissions Associated with Persistent Assignments
【非特許文献9】3GPP2 C.S0084−002−0 Version 3.0 8.5.5.1.3 Access Terminal Assignment Management for Persistent Assignments
【非特許文献10】3GPP2 C.S0084−002−0 Version 3.0 8.5.5.1.6 Access Terminal Transmission Logic for Persistent Assignments
【非特許文献11】3GPP2 C.S0084−002−0 Version 3.0 8.5.5.2 Access Network Requirements for Persistent Assignments
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通信リソースを予め確保する機能を用いると、送信するデータ量の変動などに応じてリソース量やリソース割り当ての頻度を時々刻々変化させるのは困難である。例えば、E−UTRAにおけるSPSや、UMBにおけるPersistent Modeでは、一定の時間周期で、一定の大きさの通信リソースを予約する。
しかしながら、例えばAMRやEVRCといったマルチレートの音声符号化方式では、音声レートが音声符号化器への入力音声などに応じて可変であるため、音声フレーム毎に大きさすなわちビット量が異なる。
【0006】
このようにデータサイズが可変のトラヒックを、予め決められた大きさの通信リソースを予約する機能を用いて送信する場合は、発生しうるデータサイズのうち最大のものに合わせて通信リソースを予約する必要がある。このとき、例えばSPSやPersistent Modeのように一定量の通信リソースを予約する場合、データサイズが最大のデータを送信するときは、予約した通信リソースの量とデータサイズが一致する。しかし、それ以外のデータサイズを持つデータを送信する場合は、データサイズより通信リソースの量が大きくなり、余剰リソースが発生する。この場合、余剰リソースには、例えばゼロパディングなど、特に意味を持たないデータを詰め込むことにより補完し、当該予約した通信リソースを用いてデータ送信することとなる。
【0007】
このような余剰リソース発生によって、特に意味を持たないデータによる余剰リソースの補完が頻繁に発生したり、特に意味を持たないデータの量が大きい場合、送信される全データ量に占める、特に意味を持たないデータの割合が増加し、無線資源の利用効率が低下してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題の少なくとも一の課題を解決するための本発明の一態様として、送信局は、少なくとも一つの受信局を宛先とするデータの送信用リソースとして、第一の時間帯に対応する第一の無線リソース、および前記第一の時間帯より後の第二の時間帯に対応する第二の無線リソースを、前記少なくとも一つの前記受信局と対応付け、さらに、前記受信局と前記対応付けられた、前記第一の無線リソースもしくは前記第二の無線リソースの、少なくとも何れか一方を用いて、前記第一の時間帯において送信可能なデータである第一のデータの送信を行う構成とする。
【0009】
さらに、その他の態様として、前記第二の無線リソースを用いて前記第一のデータの送信を行なう場合に、前記第一のデータを、前記第一のデータ以外のデータとともに送信することを上記手段の構成とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、受信局宛データ送信用の無線リソースにおける余剰リソースの発生を回避または削減することが可能になり、無線リソースの利用効率の向上に供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】セルラ無線通信システムの構成図
【図2】リソースの定義を示す図
【図3】SPSリソースの定義を示す図
【図4】確保されたリソース群を表す図
【図5】SPSによるデータ通信の手順を示すシーケンス図
【図6】基地局がパディングの有無に基づきデータ送信の遅延を行う判断の手順を示すフロー図
【図7】基地局がパディングの有無および遅延量に基づきデータ送信の遅延を行う判断の手順を示すフロー図
【図8】基地局がパディングの有無および遅延量に基づきデータ送信の遅延や別のリソースでのデータ送信を行う判断の手順を示すフロー図
【図9】SPSリソースにおけるデータ送信を説明する図
【図10】データ送信を遅延させる場合のデータ送信を説明する図
【図11】基地局が空きリソースの発生に基づきリソースを解放する判断の手順を示すフロー図
【図12】基地局が空きリソースの発生に基づき空きリソースを端末に割り当てる判断の手順を示すフロー図
【図13】SPSリソースにおけるデータ送信を説明する図
【図14】複数の端末が一連のSPSリソースを共有する場合の基地局のデータ送信を説明する図
【図15】複数の端末が一連のSPSリソースを共有する場合の基地局のデータ通信の手順を示すシーケンス図
【図16】空きリソースの発生に基づき複数の端末による一連のSPSリソースの共有を開始する基地局の判断の手順を示すフロー図
【図17】パディングの量に基づき複数の端末による一連のSPSリソースの共有を開始する基地局の判断の手順を示すフロー図
【図18】過去のデータ送信状況に基づき複数の端末による一連のSPSリソースの共有を開始する基地局の判断の手順を示すフロー図
【図19】一連のSPSリソースを共有する端末数や端末の組合せを変更する基地局の動作手順を示すフロー図
【図20】SPSリソースを使用した音声データ送信を示す図
【図21】音声データ送信においてデータ送信を遅延させることを示す図
【図22】基地局がパディングの発生量によりデータ送信の延期を判断する手順を示すフロー図
【図23】基地局がパディングの発生頻度によりデータ送信の延期を判断する手順を示すフロー図
【図24】複数の端末が一連のSPSリソースを共有する場合の基地局のデータ送信の手順を示すフロー図
【図25】割り当てSPSリソース管理テーブルの一例を示す図
【図26】基地局の構成例を示す図
【図27】端末の構成例を示す図
【図28】端末のデータ受信の動作手順を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を適用する通信システム、および前記通信システムにおける基地局、端末について、E−UTRAにおけるSPSを一例として、図面を参照して詳細に説明する。ただし、本発明が実施される形態としては、データ送受信用のリソースが端末へのデータ送信用に予め確保されるものであればSPSに限らないことは明らかである。
【実施例1】
【0013】
本発明を適用する第1の実施例について以下で説明する。図1は、E−UTRAを採用する無線通信システムの構成例を示している。無線通信システムは、図1に示すように、複数の基地局と複数の端末から構成される。基地局101a〜101cは、有線回線によって基地局制御装置103と接続され、さらに基地局制御装置103は、有線回線によってネットワーク104に接続する。端末102aは基地局101aに、端末102bは基地局101bに、端末102cは基地局101cに、それぞれ無線によって接続し、基地局制御装置103を介しネットワーク104と通信できる仕組みになっている。図1のシステムにおいて、基地局101a〜101cが通信リソースの割り当てを行い、割り当て情報を接続する端末102a〜102cに通知する。セル105a〜105cは、それぞれの基地局101a〜101cと無線接続により、接続する端末102a〜102cが通信可能な凡その範囲を示している。なお、これ以降の説明において、基地局とは、セル105a〜105cのそれぞれの基地局101a〜101cの少なくともいずれか1つを示し、端末とは端末102a〜102cの少なくともいずれか1つを示すものとする。
【0014】
図26は、本発明を実施するための基地局の構成例を示している。ネットワークインタフェース2605は、ネットワークからデータを受信し、DSP(Digital Signal Processor)2604に送信する。DSP2604は、ネットワークインタフェースから受信したデータをRLC(Radio Link Control)バッファ2609に格納する。制御部であるMPU2606は、無線リソースの割り当てを行い、MPU2606が割り当てた無線リソースを用いたデータパケットの送出をDSP2604に指示する。MPU2606の決定した無線リソースの割り当て情報は、メモリ2607に格納される。DSP2604は、MPU2604の指示により、RLCバッファからデータを取り出し、ベースバンド部2603に物理パケットとして送信する。ベースバンド部2603は、DSP2604から受信した物理パケットに対し、MPU2604の指示に従って、符号化や変調などの信号処理を行う。ベースバンド部2603が物理パケットから生成した符号語は、物理パケット送信が完了するまで、HARQバッファ2608で保持される。ベースバンド部2603で生成されたディジタル信号は、RF部2602においてアナログ信号に変換し、MPU2606が割り当てた無線リソースの送信周波数帯にアップコンバートし、適当な送信電力まで増幅したあと、アンテナ2601から送信される。なお、図26の構成例において、アンテナ2601はハードウェアとして構成される。また、ベースバンド部2603、DSP2604、ネットワークインタフェース2605、メモリ2607、HARQバッファ2608、RLCバッファ2609、MPU2606、RF部2602を全てハードウェアで構成しても良いし、ベースバンド部2603、DSP2604、ネットワークインタフェース2605、HARQバッファ2608、RLCバッファ2609、MPU2606、RF部2602をメモリ2607に格納されたプログラムモジュールとして実行する構成としてもよい。
【0015】
図27は、本発明を実施するための端末の構成例を示している。アンテナ2701は基地局からの無線信号を受信する。受信信号に対しては、RF部2702で、ベースバンド信号へのダウンコンバート、アナログ信号からディジタル信号への変換といった処理が行われる。その後、ベースバンド部2703において、復調や復号などの処理が行われ、得られた基地局からの物理パケットがDSP2704に送られる。ベースバンド部2703の復調結果は、復号が成功するまで、HARQバッファ2708で保持される。MPU2706は、DSP2704から、基地局から通知されたリソースの割り当て情報を取り出し、メモリ2707に格納する。リソース割り当て情報は、ベースバンド部2703において、復調や復号などを行う際に用いられる。DSP2704で処理されたデータは、一旦RLCバッファ2709に格納された後、アプリケーションインタフェース2705に送信される。なお、図27の構成例において、アンテナ2701はハードウェアとして構成される。また、ベースバンド部2703、DSP2704、アプリケーションインタフェース2705、メモリ2707、HARQバッファ2708、RLCバッファ2709、MPU2706、RF部2702を全てハードウェアで構成しても良いし、ベースバンド部2703、DSP2704、アプリケーションインタフェース2705、HARQバッファ2708、RLCバッファ2709、MPU2706、RF部2702をメモリ2707に格納されたプログラムモジュールとして実行する構成としてもよい。
【0016】
図2は、基地局101a〜101cと端末102a〜102cの間の通信に用いる通信リソースの割り当て例を示している。図2のように、通信リソース201は、周波数帯域203と時間スロット202によって定義される。E−UTRAでは、通信リソースの割り当てにおける単位時間スロットは、サブフレームと呼ばれる。また、E−UTRAでは、通信リソースの割り当てにおいて、一定の周波数帯域幅とサブフレームからなる時間周波数リソースを、リソースブロック(Resource Block)と呼ぶ。なお、以下の説明ではリソースブロックをRBと略して表記する。
【0017】
E−UTRAにおける通信リソースの割り当ては、DS(Dynamic Scheduling)またはSPSのいずれかの方式により行われる。E−UTRAにおける通信リソースの割当て情報の基地局から端末への通知は、下りリンクではHARQ送信ごとに、上りリンクではパケット毎に行われる。この方式はDS(Dynamic Scheduling)と呼ばれる。一方、SPSでは、各パケットの最初のHARQ送信に使用する通信リソースを、予め周期的に予約することができる。SPSにより確保される通信リソースを、本実施例ではSPSリソースと定義する。
【0018】
図3は、E−UTRAにおけるSPSにおける通信リソースであるSPSリソース300の割り当て例を示している。図3のように、E−UTRAにおけるSPSでは、通信リソース300は一定の時間周期であるSPS周期301で、一定の周波数上の一定の周波数帯域幅で予約される。一方、図4は、一定でない時間間隔、一定でない周波数上の一定でない周波数帯域幅でのリソース群400の割り当て例を示している。図4のように、通信リソースが一定でない時間間隔、一定でない周波数上の一定でない周波数帯域幅で予約されたものであっても、通信リソースが予め確保されたものである限り、本発明が適用可能であることは明らかである。
【0019】
基地局から端末へ向かう下りリンクでのデータ送信を例に、E−UTRAにおけるSPSを用いたデータ送信手順を、図5を用いて説明する。図5は、SPSを用いたデータ送信手順を示すシーケンス図である。まず、シーケンス501において、基地局は端末に対してRNTI(Radio Network Temporary Identifier)と呼ばれるIDを端末に割り当てる。基地局は、割り当てたRNTIを、SPSでデータ送信を行う際のスクランブル処理などに使用する。ここでは、送信するデータを予め端末に割り当てたRNTIでスクランブルしておくことにより、当該RNTIを割り当てられた端末のみがデータを復号できるようにする。さらに、シーケンス502において、基地局は端末に対してSPSの時間周期情報を通知する。SPSリソースを用いてデータ送信を行う際は、基地局から端末に、シーケンス503のSPSリソースの使用開始の通知を行う。この際、シーケンス503で通知される情報は、端末に対して割り当てたRNTIによりスクランブルされている。シーケンス503で通知される情報には、SPSで確保されるリソースの周波数や変調方式などの情報が含まれる。
【0020】
なお、シーケンス502で端末に通知したSPSリソースの時間周期や、シーケンス503で端末に通知したSPSリソースの周波数すなわちRBのIndexや、符号化・変調方式すなわちMCS(Modulation and Coding Scheme)といった情報は、基地局において、MPU2606によって決定され、Memory2607中の図25のような割当SPSリソース管理テーブル2500に保持される。割当SPSリソース管理テーブル2500では、割当てたRBのインデックスであるRBインデックス2502、MCSのインデックスであるMCSインデックス2503、割当てたリソースのサイズ2504、SPSリソースの時間周期2505、オフセット2506が、各端末のID2501に対応付けられている。割当SPSリソース管理テーブル2500におけるリソースのサイズ2504は、SPSリソースで送信する物理パケットのサイズであり、割り当てた周波数帯域幅やMCSから決まる。また、図25のテーブルにおけるオフセット2506は、基地局がSPSのタイミングを管理するためのSPSリソースの時間オフセット、つまりSPSを開始する時間枠(subframe)であり、シーケンス503の通知を行うタイミングによって決定される。なお、図25で説明したような割当SPSリソース管理テーブル2500は、シーケンス503で通知される情報に含まれ、リソース割り当て情報として端末のメモリ2707に保持される。ここで、端末は、オフセット2506を示す情報としてシーケンス503のタイミングをメモリ2707に保持する構成としてもよい。
【0021】
シーケンス503でSPSリソースの使用開始の通知を行うと同時または通知後に、シーケンス504でSPSリソースを用いて基地局から端末にデータを送信する。この際、シーケンス504で送信されるデータは、端末に対して割り当てたRNTIによりスクランブルされている。端末はシーケンス502およびシーケンス503で通知されたSPSリソースの情報を用いて、シーケンス504で受信したデータを復号する。復号結果として、復号に成功した場合はACK(Acknowledgement)を、復号に失敗した場合はNACK(Negative Acknowledgement)を、端末から基地局に通知する。図5の例では復号に成功しており、シーケンス505で端末から基地局にACKを通知している。後続のデータは、シーケンス502で設定される時間周期に従い送信される。
【0022】
図5のシーケンス506では、後続のデータをSPSリソースで送信している。図5の例では、シーケンス506で送信されたデータの復号は失敗し、シーケンス507で復号結果として端末から基地局にNACKを通知している。NACKを受信した基地局は、HARQに基づくデータの再送を行う。HARQによるデータの再送は、DSリソースを使用して行う。シーケンス508で、基地局は端末にDSリソースの割り当て情報を通知すると同時に、DSリソースを使用してシーケンス506で送信したデータの再送を行う。端末は、シーケンス506およびシーケンス508で受信したデータの復号を試みる。図5の例では、復号に成功し、シーケンス509で復号結果として端末から基地局にACKを通知している。
【0023】
本実施例においては、図5のシーケンス504やシーケンス506でSPSリソースを使用してデータ送信を行うのに先立ち、基地局はデータ送信を延期するか否かの判断を行う。この判断は、当該SPSリソースに対する無意味なデータによる補完であるパディングの発生の有無や、発生量、発生頻度などに基づいて行う。ここで、パディングの発生量とは、1つの物理パケットに挿入するパディングビット量であり、パディングの発生頻度とは、パディングが行われる物理パケットの発生する時間的な頻度を指す。また、パディングの一例として、全ての値が0であるデータを基地局が生成し、基地局が当該データを無意味なデータとしてSPSリソースを補完するゼロパディングが挙げられる。また、補完の一例としては、図26で、DSP2604がデータをベースバンド部2603に物理パケットとして送信する際に無意味なデータを付加する。
【0024】
図6は、基地局のMPU2606においてパディングの有無によりデータ送信を延期するか否かを判断する手順の一例を示すフロー図である。図6のフローは、ある端末に対して予約されたSPSリソースが存在する時点に先立って、すなわち図5のシーケンス504に先立って、基地局のMPU2606において行われる。図6を用いて、判断方法を説明する。まず、基地局は、図25のテーブルの周期およびオフセットを参照し、当該SPSリソースで、当該SPSリソースを割り当てた端末に対し送信すべきユーザデータが存在するか否かを確認する(601)。送信すべきユーザデータが存在しない場合は、SPSリソースでデータを送信せずに(605)処理を終了する。送信すべきユーザデータが存在する場合は、ユーザデータのサイズと、図25のテーブル中のリソースのサイズを比較し、基地局はパディングの有無を確認する(602)。パディングが発生する場合は、当該SPSリソースを割り当てた端末に対し送信すべきユーザデータの送信を、当該SPSリソースより後の時間スロットのSPSリソースを用いて行うことを決定し、データ送信を遅延させ(604)、処理を終了する。このとき、送信が延期されたデータは、図26のRLCバッファ2609に格納される。パディングが発生しない場合は、当該SPSリソースを使用して、データ送信を行い(603)、処理を終了する。本実施例では、SPSリソースで、当該SPSリソースの予約対象である端末に対しデータ送信を行わない状態のとき、この状態のSPSリソースを空きリソースと呼ぶ。
【0025】
図22は、基地局のMPU2606においてパディングの発生量によりデータ送信を延期するか否かを判断する手順の一例を示すフロー図である。図22を用いて、判断方法を説明する。まず、ステップ2201では、基地局は、当該SPSリソースで、当該SPSリソースを割り当てた端末に対し送信すべきユーザデータが存在するかを確認する。送信すべきユーザデータが存在しない場合は、ステップ2202に移行して、SPSリソースでデータを送信せず処理を終了する。送信すべきユーザデータが存在する場合は、ステップ2203に移行して、基地局はパディングの発生量を確認する。パディングの発生量が既定の閾値を超える場合は、ステップ2204に移行して、当該SPSリソースを割り当てた端末に対し送信すべきユーザデータの送信を、当該SPSリソースより後の時間スロットのSPSリソースを用いて行うことで、データ送信を遅延させ、処理を終了する。パディングの発生量が既定の閾値未満である場合は、ステップ2205に移行して、当該SPSリソースを使用して、データ送信を行い、処理を終了する。
【0026】
図23は、基地局のMPU2606においてパディングの発生頻度によりデータ送信を延期するか否かを判断する手順の一例を示すフロー図である。図23を用いて、判断方法を説明する。まず、ステップ2301では、基地局は、当該SPSリソースで、当該SPSリソースを割り当てた端末に対し送信すべきユーザデータが存在するかを確認する。送信すべきユーザデータが存在しない場合は、ステップ2302に移行して、SPSリソースでデータを送信せずに処理を終了する。送信すべきユーザデータが存在する場合は、ステップ2303に移行して、基地局はパディングの発生頻度を確認する。パディングの発生頻度が既定の閾値を超える場合は、ステップ2304に移行して、当該SPSリソースを割り当てた端末に対し送信すべきユーザデータの送信を、当該SPSリソースより後の時間スロットのSPSリソースを用いて行うことで、データ送信を遅延させ、処理を終了する。パディングの発生頻度が既定の閾値未満である場合は、ステップ2305に移行して、当該SPSリソースを使用して、データ送信を行い、処理を終了する。
【0027】
トラヒックが音声通話や動画ストリーミング等の、即時性の高いものである場合、データ送信の遅延量が大きくなると、サービス品質が劣化してしまう。これを防ぐため、データ送信の遅延量に制限をかけてもよい。例えば、音声通話の場合は、受信側の音声復号における遅延ジッタ吸収のためのバッファの許容する範囲で、最大遅延量を決定すればよい。
【0028】
図7および図8を用いて、遅延量に制限をかけた場合の動作について説明する。なお、図7および図8は、基地局はパディングの有無によりデータ送信を延期するか否かを判断する場合の一例であるが、703や802の判断フローにおいてパディングの発生頻度が閾値を超えるか否か、もしくはパディングの発生量が閾値を超えるか否か、に基づいてデータ送信を延期するか否かを判断を行っても良い。また、図7および図8で、遅延量が最大遅延量を超過しているか否かの判断は、音声フレームなどのトラヒックの発生からの経過時間に基づいて行っても良いし、データ送信の延期を行った回数に基づいて行っても良い。
【0029】
図7は、遅延量が最大遅延量を超過する場合、基地局のMPU2606が、パディングの発生の有無に関わらずSPSリソースでデータ送信を行う手順を示すフロー図である。ステップ701において当該SPSリソースを割り当てた端末に対し送信すべきユーザデータが存在する場合、基地局は最大遅延量を超過するか否かの確認を行う(702)。最大遅延量を超過する場合、当該SPSリソースでデータ送信を行う(704)。最大遅延量を超過しない場合は、基地局は、パディングの発生の有無を確認し(703)、パディングの有無により、当該SPSリソースでデータを送信するか、送信を遅延させるかを決定する。
【0030】
図8は、遅延量が最大遅延量を超過する場合、基地局のMPU2606が、別途当該SPSリソースと同じ時間スロットのリソースを確保してデータ送信を行う手順を示すフロー図である。ステップ801において、当該SPSリソースを割り当てた端末に対し送信すべきユーザデータが存在する場合、基地局は、パディングの発生の有無を確認し(802)、パディングの発生の有無により、当該SPSリソースでデータを送信するか否かを決定する。パディングが発生するため当該SPSリソースでデータ送信を行わないと基地局が決定した場合、基地局は最大遅延量を超過するか否かの確認を行う(804)。最大遅延量を超過する場合、当該SPSリソースと同じ時間スロットである別のリソースでデータ送信を行う(806)。別のリソースは、DS方式により確保することができる。最大遅延量を超過しない場合は、基地局は、データ送信を延期する(805)。
【0031】
上述のようにデータ送信を遅延させることにより、無線利用効率が向上することを、図9および図10を用いて説明する。図9は、本発明を適用しない場合の、SPSリソースにおけるデータ送信の様子を表す図である。図9では、初めのSPSリソースA901でユーザデータ1(903)が、次のSPSリソースB904でユーザデータ2(906)が送信されている。どちらのSPSリソースにおいても、ユーザデータの大きさがSPSリソースの大きさに満たないため、パディングにより補完を行っている。一方、図10は、本発明によりデータ送信を遅延させる場合の、SPSリソースにおけるデータ送信の様子の一例を表す図である。ユーザデータ1(1006)を初めのSPSリソース1001を用いて送信する場合はパディングが発生するため、例えば図6で説明したフローにおいては、図10に示すように、データ送信を次のSPSリソース1003まで遅延させるように判断する。図10では、次のSPSリソース1003で、ユーザデータ1(1005)およびユーザデータ2(1006)をまとめて送信しており、パディングの量は図9に比べて減少している。なお、例えばユーザデータに優先度が設定されている場合は、優先度が高いデータを先に端末に送信する構成としてもよい。また、例えば端末側がユーザデータを復号するためにユーザデータ受信順序が基地局が保持した順である必要がある場合は、ユーザデータ1をユーザデータ2より優先して先に送信する構成としても良い。このように、本実施例によりデータ送信を遅延させることによって、ユーザデータの送信に用いない余剰リソースの発生を回避または削減することで、無意味なデータによる補完(パディング)を削減することが可能であり、無線利用効率を向上させることができる。
【0032】
図28は、端末におけるデータ受信の手順の一例を示すフロー図である。図28のフローは、図5のシーケンスにおいて端末が当該サブフレームで基地局から送信される可能性のあるリソース割り当て情報の取得(503)を行ったあとに、当該リソース割り当て情報に基づいて行われる。端末において、まずステップ2801において当該端末に対して当該サブフレームでDS方式によるリソース割り当てがあるかないかを確認する。DS方式によるリソース割り当てがある場合は、割り当てられたリソースにおいてデータ受信処理を行う(2803)。DS方式によるリソース割り当てがない場合は、ステップ2802において、当該端末に対して予約されたSPSリソースが当該サブフレームに存在するか否かを確認する。予約されたSPSリソースが存在しない場合は、当該サブフレームで受信すべきデータが無いと判断し、処理を終了する。一方、予約されたSPSリソースが存在する場合、予約されたリソースにおいてデータ受信処理を行う(2803)。ステップ2803でデータ受信処理を行った後、復号結果の判定を行う(2804)。復号が失敗した場合は、端末はNAK応答を基地局に通知する(2805)。復号が成功した場合は、端末はACK応答を基地局に通知する(2806)。
【0033】
以下において、本発明を適用する通信システム、および前記無線システムにおける無線基地局、無線端末についての他の実施例について説明する。なお、上述の本実施例において無線通信システム、基地局、端末の構成例、基地局および端末が行う処理例、各リソースおよび各データに関する特徴、などは、特に別途説明が無い限りは、以下の各実施例においても共通である。
【実施例2】
【0034】
本発明を適用する第2の実施例を、図11および図12を用いて説明する。本実施例では、空きリソースが発生した場合に、当該SPSリソースを解放する。ここで、本実施例では、SPSリソースの解放とは、SPSリソースを、当該SPSリソースの予約対象の端末に対するデータ送信に使わないことを基地局が決定することを意味する。
【0035】
図11のように、ステップ1101で空きリソースが発生した場合、基地局は当該SPSリソースを解放して(1102)判断を終了する。また、空きリソースが発生しなかった場合、そのまま判断を終了する。解放したリソースは、他の端末へのデータ送信に使用してもよい。図12は、基地局が、解放したリソースを、他の端末へ割り当て、データの送信を行う手順の一例を示すフロー図である。図12では、ステップ1201で空きリソースが発生しなかった場合、処理を終了する。一方、ステップ1201で空きリソースが発生した場合、基地局は、SPSリソースを割り当てられていない他の端末が、送信すべきユーザデータを持っているかを確認する(1202)。他の端末が送信すべきユーザデータを持っている場合、基地局はDS方式により、解放されたリソースに該当する周波数帯域、すなわちRB(Resource Block)を他の端末に割り当てる(1203)。他の端末が送信すべきユーザデータを持っていない場合、処理を終了する。SPSリソースを解放し、他の端末にデータ送信を行う場合、当該他の端末に対しDS方式によるリソース割り当ての通知を行い(1204)、当該リソースを用いてデータを送信する(1205)。なお、空きリソースを必ずしも他の端末に割り当てる必要はなく、SPSリソースの解放が行われた端末に対し、別のトラヒックの送信すべきデータが存在する場合、SPSリソースの解放を中止し、別のトラヒックのデータを送信するために使用しても良い。この場合は新たにリソース割り当ての通知を行う必要はない。なお、図11および図12で説明した制御は、基地局のMPU2606が行なう。
【0036】
上記のように、空きリソースを他の端末に対するデータ送信、あるいは同一端末の別のトラヒックのデータ送信に使用することにより、無線リソースにおける余剰リソースの発生を回避または削減することが可能になり、無線リソースの利用効率の向上に供する。
【実施例3】
【0037】
本発明を適用する第3の実施例では、一連のSPSリソースを複数の端末で共有する。ここで、一連のSPSリソースとは、図5において説明した様に、ある端末に対して割り当てられる、特定の時間周期で、特定の周波数帯域幅として割り当てられる複数のSPSリソースからなるリソース群を指す。
【0038】
図13は、本実施例を適用しない場合に、SPSリソースを使用して、基地局が端末Aおよび端末Bにデータ送信を行う様子を表す図である。図13では、それぞれの端末に対して確保した一連のSPSリソースを使用して、それぞれの端末に対するデータ送信を行っている。例えば、図13の端末Aに対しては、初めの端末A用のSPSリソース1301でユーザデータA1(1303)が、次の端末A用のSPSリソース1307でユーザデータA2(1309)が送信されている。どちらのSPSリソースにおいても、ユーザデータの大きさがSPSリソースの大きさに満たないため、パディングにより補完を行っている。端末Bについても同様である。
【0039】
一方、本実施例を適用して、複数の端末で一連のSPSリソースを共有する場合の、データ送信の様子を図14を用いて説明する。図14は、本実施例を適用する場合に、SPSリソースを使用して、基地局が端末Aおよび端末Bにデータ送信を行う様子の一例を表す図である。図14では、端末Aと端末Bで共有する一連のSPSリソース1400において、基地局は端末Aと端末Bのどちらにもデータ送信を行っている。図14のSPSリソースm1411では、基地局は、ユーザデータA1(1403)とユーザデータA2(1402)を、端末Aに送信する。次のSPSリソースn1412では、基地局は、ユーザデータB1(1406)とユーザデータB2(1405)を、端末Bに送信する。このことは、例えば端末A、端末BがSPSリソースを共有するとしたとき、端末Aへのデータ送信を、共有するSPSリソースを使用して行うサブフレームでは、端末Bへのデータ送信を遅延させる、あるいは、端末Bへのデータ送信を、共有するSPSリソースを使用して行うサブフレームでは、端末Aへのデータ送信を遅延させることにより可能である。このとき、一連のSPSリソースを共有する端末には、互いに異なるRNTIを適用するものとする。
【0040】
本実施例におけるデータ送信の手順は図5で説明したものと異なり、図15を用いて説明する。図15では、図14と同じく、端末Aと端末Bが、一連のSPSリソースを共用するとする。まず、シーケンス1501およびシーケンス1502において、基地局は各端末に対してそれぞれ、端末固有のRNTIを割り当てる。さらに、シーケンス1503およびシーケンス1504において、基地局は各端末に対して個別に、SPSの時間周期情報を通知しておく。このとき、端末Aと端末Bに通知する時間周期は同じであることが望ましい。SPSリソースを用いてデータ送信を行うのに先立ち、基地局から各端末に対し個別に、シーケンス1505およびシーケンス1506でSPSリソースの使用開始の通知を行う。この際、SPSリソースの使用開始の通知タイミングは同じであることが望ましい。
【0041】
シーケンス1505およびシーケンス1506で通知される情報は、端末に対して割り当てたRNTIによりスクランブルされている。シーケンス1505およびシーケンス1506で通知される情報には、図25で説明したような割当SPSリソース管理テーブル2500内の、当該端末に対応する情報が含まれる。シーケンス1505およびシーケンス1506でSPSリソースの使用開始の通知を行うと同時または通知後に、基地局はSPSリソースを用いて端末にデータを送信する。図15の例では、シーケンス1507において、基地局は端末Aに対し、SPSリソースを用いてデータ送信を行っている。この際、シーケンス1507で送信されるデータは、端末Aに対して割り当てたRNTIによりスクランブルされている。従って、データ送信の際、基地局からの送信信号はどちらの端末でも受信されるが、端末Bはこの送信信号に含まれるデータのスクランブルコード(端末AのRNTI)を知らないから、端末Bは、端末Aに宛てて送信されたデータを復号することはできない。一方、端末Aは自らに予め割り当てられたRNTIを用いて、シーケンス1507で送信されたデータを復号することができる。
【0042】
図15の例では、端末Aはシーケンス1507で送信されたデータの復号に成功し、シーケンス1508において復号結果としてACKを基地局に通知している。端末Bは、前述の理由から復号に失敗するから、シーケンス1509において復号結果としてNACKを基地局に通知している。次のSPSリソースでは、シーケンス1510において、基地局は端末Bに対し、SPSリソースを用いてデータ送信を行っている。この際、シーケンス1510で送信されるデータは、端末Bに対して割り当てたRNTIによりスクランブルされている。このため、端末Aはシーケンス1510で送信されるデータを復号できず、シーケンス1511で復号結果としてNACKを基地局に通知している。図15の例では、端末Bはシーケンス1510で送信されるデータの復号に成功し、シーケンス1512で復号結果としてACKを基地局に通知している。
【0043】
ところで、図15で、基地局は、シーケンス1507では端末Aに宛てて、シーケンス1510では端末Bに宛てて、データを送信している。従って、基地局は、シーケンス1509およびシーケンス1511で通知されるNACKが、データの宛先ではない端末からのものであることを予め知っている。よって、基地局はシーケンス1509およびシーケンス1511で通知されるNACKを無視してよい。
【0044】
図24は、同一のSPSリソースを複数の端末が共有する場合の、基地局におけるデータ送信の手順の一例を示す例である。図24の処理は、当該サブフレームにおいて送信するデータを決定する際に用い、例えば図15のシーケンス1507や、シーケンス1510に先立って行われる。また、図24では、図15と同様に、端末Aと端末Bが、一連のSPSリソースを共用するとする。図24において、基地局はまず、端末Aに送信すべきデータの有無の確認(2901)、端末Bに送信すべきデータの有無の確認(2902および2903)を行う。この結果、どちらか一方の端末に対してのみ送信すべきデータがある場合は、送信すべきデータがある端末に対してデータ送信を行う。すなわち、ステップ2901でYes、ステップ2902でNoと判定されれば、ステップ2905において端末Aにデータ送信を行う。あるいは、ステップ2901でNo、ステップ2903でYesと判定されれば、ステップ2906において端末Bにデータ送信を行う。いずれの端末に対しても送信すべきデータが無い場合は、データ送信は行わない(2907)。いずれの端末に対しても送信すべきデータがある場合は、どの端末に対してデータ送信を行うべきか判定する。図24の例では、データサイズにより判定するものとしている。ステップ2904において、端末Aに送信すべきデータのサイズが、端末Bに送信すべきデータのサイズより大きければ、ステップ2905において端末Aにデータ送信を行う。ステップ2904において、端末Aに送信すべきデータのサイズが、端末Bに送信すべきデータのサイズより小さければ、ステップ2906において端末Bにデータ送信を行う。
上記のように、同一の一連のSPSリソースを複数の端末で共有することにより、無線リソースにおける余剰リソースの発生を回避または削減することが可能になり、無線リソースの利用効率の向上に供する。
【実施例4】
【0045】
本発明を適用する第4の実施例を、図16を用いて説明する。本実施例では、空きリソースの有無、発生量、または発生頻度を基準として、一連のSPSリソースの、複数の端末による共用を開始する。ここで、一連のSPSリソースとは、第3の実施例と同様に、特定の時間周期で、特定の周波数帯域幅として割り当てられる複数のSPSリソースからなる一連のリソース群を指す。
【0046】
図16は、基地局のMPU2606が、各端末の空きリソースの有無を基準として、一連のSPSリソースの、複数の端末による共用を開始するか否かを判断する手順の一例を示している。図16で、基地局は各端末が空きリソースを持つか否かを確認し(1602)、空きリソースを持つ端末の数aをカウントする(1603)。そして、基地局は、空きリソースを持つ端末の数aが予め定められた閾値以上であるか否かを判定する(1604)。aが予め定められた閾値以上であれば、空きリソースが十分多いと判断し、一連のSPSリソースを、複数の端末で共用することを開始すると決定する(1605)。aが予め定められた閾値未満であれば、空きリソースが不十分であると判断し、処理を終了する。ここで、一連のSPSリソースを複数の端末で共用しない場合は、一連のSPSリソースを単一の端末へのデータ送信に利用することとなる。なお、本実施例における、一連のSPSリソースを共有する複数の端末と基地局とのデータ送受信の一例は、実施例3で図14、図15、図24を用いて説明した通りである。
【0047】
図16の例では、基地局は各端末について空きリソースの有無を確認しているが、1602における判定において、特定の端末が使用する一連のSPSリソースにおける、空きリソースの発生量または発生頻度が閾値以上であるか否かを基準として、一連のSPSリソースの共用開始を決定しても良い。
上記のように、空きリソースを解消するように同一の一連のSPSリソースを複数の端末で共有することにより、無線リソースにおける余剰リソースの発生を回避または削減することが可能になり、無線リソースの利用効率の向上に供する。
【実施例5】
【0048】
本発明を適用する第5の実施例を、図17を用いて説明する。本実施例では、無意味なデータでの補完(パディング)の有無、発生量、または発生頻度を基準として、一連のSPSリソースの、複数の端末による共用を開始する。ここで、一連のSPSリソースとは、第3の実施例と同様に、特定の時間周期で、特定の周波数帯域幅として割り当てられる複数のSPSリソースからなるリソース群を指す。
【0049】
図17は、基地局のMPU2606が、各端末のパディングの発生量を基準として、一連のSPSリソースの、複数の端末による共用を開始するか否かを判断する手順の一例を示している。図17で、基地局のMPU2606は各端末に対してパディングの発生量を確認し(1702)、パディングの発生量が予め定められた発生量の閾値以上である端末の数aをカウントする(1703および1704)。そして、基地局のMPU2606は、発生量の閾値以上の量のパディングが発生する端末の数aが、予め定められた端末数の閾値以上か否かを判定する(1705)。ここで、パディングの発生量は、例えばリソースのサイズ2504とデータの容量の比較によって行う。数aが、予め定められた端末数の閾値以上であれば、無意味なデータでの補完が多いと判断し、一連のSPSリソースを、複数の端末で共用することを開始すると決定する(1706)。一方、数aが予め定められた端末数の閾値未満であれば、一連のSPSリソースを複数の端末で共用を開始せずに処理を終了する。ここで、一連のSPSリソースを複数の端末で共用しない場合は、一連のSPSリソースを単一の端末へのデータ送信に利用することとなる。なお、本実施例における、一連のSPSリソースを共有する複数の端末と基地局とのデータ送受信の一例は、実施例3で図14、図15、図24を用いて説明した通りである。
【0050】
図17の例では、基地局は各端末についてパディングの量を確認しているが、1703における判定において、特定の端末が使用する一連のSPSリソースにおける、パディングの有無や発生頻度を基準として、一連のSPSリソースの共用開始を決定しても良い。
上記のように、パディングを抑制するように同一の一連のSPSリソースを複数の端末で共有することにより、無線リソースにおける余剰リソースの発生を回避または削減することが可能になり、無線リソースの利用効率の向上に供する。
【実施例6】
【0051】
本発明の上記実施形態適用する第6の実施例を、図18を用いて説明する。本実施例では、過去のデータ送信状況を基準として、一連のSPSリソースの、複数の端末による共用を開始する。ここで、一連のSPSリソースとは、第3の実施例と同様に、特定の時間周期で、特定の周波数帯域幅として割り当てられる複数のSPSリソースからなる一連のリソース群を指す。
【0052】
図18は、基地局のMPU2606が、各端末に対する過去のデータ送信状況を基準として、一連のSPSリソースの、複数の端末による共用を開始するか否かを判断する手順の一例を示している。図18で、基地局のMPU2606は各端末に対して、過去の時間nの間にデータを送信したか否かを確認し(1802)、過去の時間nの間にデータを送信しなかった端末の数aをカウントする(1803)。なお、例えば、MPU2606が図22の2202のようなデータ送信しないという判断を行なう度にメモリ2607にカウント数を加えて保持し、1802において過去の時間nの間のカウント数をMPU2606が確認する構成としてもよい。そして、基地局は、過去の時間nの間にデータを送信しなかった端末の数aが予め定められた閾値以上であれば(1804のYes)、SPSで確保したリソース群に対して送信すべきユーザデータ量が少ないと判断し、一連のSPSリソースを、複数の端末で共用することを開始すると決定する(1805)。ここで、過去の時間nの間というのは、ステップ1802の時点から時間nだけ遡った時点までの期間、を意味する。また、時間nは基地局に予め設定されている。なお、本実施例における、一連のSPSリソースを共有する複数の端末と基地局とのデータ送受信の一例は、実施例3で図14、図15、図24を用いて説明した通りである。
【0053】
図18の例では、基地局は各端末について過去のデータ送信状況を確認しているが、特定の端末が使用する一連のSPSリソースにおける、過去のデータ送信状況を基準として、一連のSPSリソースの共用開始を決定しても良い。
【0054】
AMRなどの音声符号化方式では、無音区間におけるデータ量や音声フレーム発生頻度は、有音区間に対して小さい。そこで、本実施例において、音声データを送信する場合は、無音区間である端末によって、一連のSPSリソースを共有しても良い。
上記のように、送信すべきデータ量が少ない場合に、同一の一連のSPSリソースを複数の端末で共有することにより、無線リソースにおける余剰リソースの発生を回避または削減することが可能になり、無線リソースの利用効率の向上に供する。
【実施例7】
【0055】
本発明を適用する第7の実施例では、実施例3〜6において説明した様な一連のSPSリソースを共用する構成において、端末の数や、端末の組合せを、動的に変更することを特徴とする。
図19は、一連のSPSリソースを複数の端末で共有している場合に、基地局のMPU2606が、空きリソースやリソース不足の発生状況を基準として、一連のSPSリソースを共有する端末数を増減させる手順の一例を表したものである。図19において、基地局はまず、複数の端末が共有する一連のSPSリソースで、空きリソースが発生するか否かを確認する(1901)。空きリソースが発生する場合は、基地局はSPSリソースに余裕があると判断し、一連のSPSリソースを共有する端末数を増加させる(1902)。空きリソースが発生しない場合は、基地局は、複数の端末が共有する一連のSPSリソースで、送信すべきデータ量に対してリソースの不足が発生するか否かを確認する(1903)。リソース不足が発生する場合は、基地局はSPSリソースが端末数に対して余裕がないと判断し、一連のSPSリソースを共有する端末数を減少させる(1904)。
【0056】
図19の例では、空きリソースの有無やリソース不足を基準とし端末数を変更しているが、データ送信状況や、パディングの発生状況、トラヒック発生状況を基準としてもよい。例えば、AMRなどの音声符号化方式では、無音区間におけるデータ量や音声フレーム発生頻度は、有音区間に対して小さい。そこで、本実施例において、音声データを送信する場合は、端末が無音区間か有音区間であるかを基準として、一連のSPSリソースを共有する端末数や組合せを変更しても良い。
【0057】
なお、本実施例における、一連のSPSリソースを共有する複数の端末と基地局とのデータ送受信の一例は、実施例3で図14、図15、図24を用いて説明した通りである。ただし、一連のSPSリソースを共用する構成において、端末の数や、端末の組合せを変更する際に、端末に割り当てたSPSリソースを変更する必要がある場合は、基地局はSPSリソースの更新を端末に通知する。SPSリソースの更新は、例えば、SPSリソースの時間オフセットや周波数リソースを変更する場合は図15のシーケンス1505またはシーケンス1506と同様の方法を用いてもよいし、あるいは、SPSリソースの時間周期を変更する場合は図15のシーケンス1503またはシーケンス1504と同様の方法を用いてもよい。この際、端末は、1503〜1506等で通知されたSPSリソースの更新内容を図25で説明したような割当SPSリソース管理テーブル2500に反映させる。
上記のように、同一の一連のSPSリソースを複数の端末で共有しつつ、共有する端末数を状況に応じて変更することにより、空きリソースの発生およびリソース不足の両方を抑制し、無線利用効率の向上に寄与する。
【実施例8】
【0058】
本発明を適用する第8の実施例では、基地局が端末に送信するデータが音声データである、SPSリソースで音声データを送信する。以下において、本実施例の説明を音声データの特徴に基づいて行うが、音声データ以外のデータに対しても、本実施例で説明する処理と同様の処理を行うことは可能である。ここで、音声データの特徴とは、送信側のボコーダが一定の時間周期で音声フレームを出力することを指す。また、受信側のボコーダも一定の時間周期で音声フレームを入力する必要があるため、無線通信区間の遅延ジッタを吸収するため、通常、受信側のボコーダの前にデジッタバッファが設けられる。すなわち、デジッタバッファで吸収することができる遅延は、許容される。一方、デジッタバッファで許容する遅延量を超えた音声フレームは、破棄される。
【0059】
図20および図21を用いて、本実施例を適用し、音声データを送信する手順を説明する。図20は、SPSを使用した音声データ送信の様子を表している。図20では、AMRやEVRCのように、一定の時間周期で音声フレームを出力し、音声フレーム毎にサイズが異なる音声符号化方式を仮定している。また、図20では、SPSの周期を、音声フレームの周期に一致させている。従って、図20では各SPSリソースにおいて、音声フレームが送信されている。音声フレーム毎にサイズが異なるため、最大サイズの音声フレームを送信するのに充分なSPSリソースを確保している。従って、最大サイズの音声フレームを送信する場合以外では、パディングを行う必要がある。
【0060】
図21は、本実施例を音声データ送信に適用した場合のデータ送信の様子を示している。図21では、初めのSPSリソース(2101)ではデータ送信を行わず、次のSPSリソース(2102)へデータ送信を遅延させている。次のSPSリソース(2102)では、2つのユーザデータ(2103および2104)をまとめて送信している。このように、本実施例を適用することにより、音声データの特徴を活用して、無線利用効率を向上させることができる。ここで、デジッタバッファで許容する遅延量を超えない遅延時間2110の範囲でデータ送信の遅延を行うように設定することが望ましい。例えば、図7および図8を用いて説明した様に、遅延量に制限をかけ、最大遅延量をデジッタバッファで許容する遅延量に設定する。
【0061】
図21で発生した空きリソース(2101)は、第2の実施例のように他の端末に割り当てても良い。また、第3から第7の実施例のように、一連のSPSリソースを複数の端末で共有しても良い。
【0062】
ここで、一連のSPSリソースを複数の端末で共有する場合、トラヒック量の変動などにより、送信すべきユーザデータ量に対して、確保したリソースの量が不足する場合がある。特に音声トラヒックなどの即時性の高いサービスの場合、リソースの不足により、データ送信を遅延させ続けると、サービス品質の劣化を招く。そこで、リソースが不足する場合は、一定以上遅延させたパケット、例えば受信側の音声復号における遅延ジッタ吸収のためのデジッタバッファの許容する範囲を超過する遅延を行うパケットを廃棄してもよいし、第7の実施例のように、一連のSPSリソースを共有する端末数や端末の組合せを変更しても良い。あるいは、リソースが不足する場合はDS方式により一時的にリソースを追加で割り当てても良い。
また、リソースの不足によるパケットの廃棄などを避けるため、一連のSPSリソースの共有を、基地局に接続する端末数が多い場合に限り、基地局に接続する端末数が少ない場合は一連のSPSリソースの共有を中止するといった切り替えを行っても良い。
上記のように、デジッタバッファで許容される範囲で音声フレームの送信を遅延させることにより、パディングの量を低減し、無線利用効率の向上に寄与するとともに、サービス品質の劣化を防ぐことに寄与する。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明によれば、データ送信を遅延させることにより、無意味なデータによる補完の発生やその量を抑制することができ、無線通信システムにおける無線利用効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0064】
101a、101b、101c : 基地局
102a、102b、102c : 端末
300:SPSリソース
1001:SPSリソースA
1002、1004:パディング
1003:SPSリソースB
1005:ユーザデータ1
1006:ユーザデータ2
2500:割当SPSリソース管理テーブル
2501:端末ID
2502:RBインデックス
2505:SPSリソースの時間周期
2506:SPSリソースの時間オフセット
2606:基地局の制御部
2607:基地局のメモリ
2706:端末の制御部
2707:端末のメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムであって、
送信局と、前記送信局と無線通信を行う受信局と、を有し、
前記送信局は、
前記受信局を宛先とするデータの送信用リソースとして、第一の時間帯によって構成される第一の無線リソース、および前記第一の時間帯より後の第二の時間帯によって構成される第二の無線リソースを、前記受信局と対応付けて記憶し、
前記第一の時間帯以前に前記送信局が保持している、前記対応付けがなされた前記受信局を宛先とするデータである第一のデータを送信する場合に、前記受信局と対応付けられた、前記第一の無線リソースあるいは前記第二の無線リソースの、何れを使用するかの選択を、
前記第一のデータのデータ量に基づいて行うこと、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記送信局は、
前記第二の無線リソースを使用して前記第一のデータを送信することを選択した場合に、
前記第一の時間帯以後に前記送信局が保持した、前記対応付けがなされた前記受信局を宛先とするデータである第二のデータとともに、前記第一のデータを送信すること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記送信局は、
前記第一のデータのデータ量と前記第一の無線リソースの容量との比較に基づいて前記選択を行なうこと、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の無線通信システムであって、
前記送信局は、
前記選択において、前記第一のデータのデータ量と前記第一の無線リソースの容量との間の差が既定の閾値以上の場合に、前記第一のデータの送信に前記第二の無線リソースを選択し、
前記選択された前記第二のリソースを用いて前記第一のデータを前記対応付けがなされた前記受信局に送信すること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
請求項3に記載の無線通信システムであって、
前記送信局は、
前記選択において、前記第一のデータのデータ量が前記第一の無線リソースの容量未満となる回数が既定の閾値以上の場合に、前記第一のデータの送信に前記第二の無線リソースを選択し、
前記選択された前記第二のリソースを用いて前記第一のデータを前記対応付けがなされた前記受信局に送信すること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記送信局は、
前記第一の無線リソースの容量が、前記第一の無線リソースを用いて送信する前記対応付けがなされた前記受信局を宛先とするデータのデータ量よりも大きい場合は、前記対応付けがなされた前記受信局を宛先とするデータとともに、無意味なデータを前記第一の無線リソースを用いて送信し、
前記第二の無線リソースの容量が、前記第二の無線リソースを用いて送信する前記対応付けがなされた前記受信局を宛先とするデータのデータ量よりも大きい場合は、前記対応付けがなされた前記受信局を宛先とするデータとともに、無意味なデータを前記第一の無線リソースを用いて送信する、こと、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項7】
請求項6に記載の通信システムであって、
前記無意味なデータの送信はゼロパディングであること、
を特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記第一の無線リソースの容量および第二の無線リソースの容量は、それぞれの無線リソースを構成する周波数帯域の幅と、それぞれの無線リソースを構成する時間帯の長さと、に基づいて決定され、
前記第一の無線リソースおよび前記第二の無線リソースは、同一の周波数帯域によって構成され、
前記第一の時間帯の長さと前記第二の時間帯の長さは同一であり、
前記第一の時間帯と、前記第二の時間帯と、の最初の時点の間隔は一定の値である、こと、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記送信局は、
前記第一のデータの送信を、前記第一の無線リソースを使用せずに、前記第二の無線リソースを使用して行う場合に、
前記第一の無線リソースおよび前記第二の無線リソース、と前記対応付けがなされていない前記受信局を宛先とするデータの送信を、前記第一の無線リソースを使用して行なうこと、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記送信局は、
前記第一の無線リソースおよび前記第二の無線リソースを、複数の前記受信局を宛先とするデータの送信用リソースとして、複数の前記受信局と前記対応付けて前記記憶し、
複数の前記対応付けがなされた前記受信局の各々を宛先とするデータのデータ量に基づいて、
複数の前記受信局と前記対応付けられた前記第一の無線リソースを用いたデータ送信の宛先、および複数の前記受信局と前記対応付けられた前記第二の無線リソースを用いたデータ送信の宛先、を複数の前記対応付けがなされた前記受信局から選択すること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項11】
請求項10に記載の無線通信システムであって、
前記送信局は、
前記対応付けがなされた前記受信局を宛先とするデータの送信に使用しない、前記第一の無線リソースおよび前記第二の無線リソース、の数に基づいて、
前記対応付けを行う前記受信局の数、または前記対応付けを行う前記受信局の組合せ、を決定すること、
を特徴とする無線通信システム。
【請求項12】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記受信局は、
前記送信局から受信するデータを保持するバッファを有し、
前記第一の時間帯と、前記第二の時間帯と、の最初の時点の間隔は前記バッファの容量に基づく閾値以下であること
を特徴とする無線通信システム。
【請求項13】
無線端末装置と無線通信を行う無線基地局装置であって、
前記無線端末装置を宛先とするデータを保持するデータ保持部と、
前記無線端末装置を宛先とするデータの送信用リソースとして、第一の時間帯によって構成される第一の無線リソース、および前記第一の時間帯より後の第二の時間帯によって構成される第二の無線リソースを、前記少なくとも一つの前記無線端末装置と対応付けて記憶するリソース記憶部と、
前記対応付けがなされた前記無線端末装置を宛先として前記第一の時間帯以前に前記データ保持部で保持しているデータである第一のデータを、前記第二の無線リソースを用いて送信するデータ送信部と、を備えること、
を特徴とする無線基地局装置。
【請求項14】
請求項13に記載の無線基地局装置であって、
前記データ送信部は、
前記対応付けがなされた前記無線端末装置を宛先として前記第一の時間帯以後に前記データ保持部で保持しているデータである第二のデータとともに前記第一のデータを前記第二の無線リソースを用いて送信すること、
を特徴とする無線基地局装置。
【請求項15】
請求項13に記載の無線基地局装置であって、
前記データ送信部は、
前記第一の無線リソースの容量が、前記第一の無線リソースを用いて送信する前記対応付けがなされた前記無線端末装置を宛先とするデータのデータ量よりも大きい場合は、前記対応付けがなされた前記無線端末装置を宛先とするデータとともに、無意味なデータを前記第一の無線リソースを用いて送信し、
前記第二の無線リソースの容量が、前記第二の無線リソースを用いて送信する前記対応付けがなされた前記無線端末装置を宛先とするデータのデータ量よりも大きい場合は、前記対応付けがなされた前記無線端末装置を宛先とするデータとともに、無意味なデータを前記第一の無線リソースを用いて送信する、こと、
を特徴とする無線基地局装置。
【請求項16】
請求項14に記載の無線基地局装置であって、
前記無意味なデータの送信はゼロパディングであること、
を特徴とする無線基地局装置。
【請求項17】
請求項13に記載の無線基地局装置であって、
前記リソース記憶部が前記前記無線端末装置と前記対応付けて記憶する、前記第一の無線リソースおよび前記第二の無線リソースは、
同一の周波数帯域によって構成され、
前記第一の時間帯の長さと前記第二の時間帯の長さは同一であり、
前記第一の時間帯と、前記第二の時間帯と、の最初の時点の間隔は一定の値である、こと、
を特徴とする無線基地局装置。
【請求項18】
無線基地局装置と無線通信を行う無線端末装置であって、
第一の時間帯に対応する第一の無線リソース、および前記第一の時間帯より後の第二の時間帯に対応する第二の無線リソース、が前記無線端末装置を宛先とする無線端末装置宛データの受信用リソースとして前記無線端末装置に対応付けがなされていることを示す、前記無線基地局装置から通知されたリソース割当情報、を記憶するリソース割当記憶部と、
前記リソース割当情報を参照し、前記リソース割当情報で前記無線端末装置に前記対応付けがなされた前記第二の無線リソースを使用して、前記無線基地局装置が前記第一の時間帯以前に保持していた前記無線端末装置宛データである第一のデータの受信を行う受信部と、を備えること、
を特徴とする無線端末装置。
【請求項19】
請求項18に記載の無線端末装置であって、
前記受信部は、
前記第一のデータの受信を、前記第二の無線リソースを使用して、前記無線基地局装置が前記第一の時間帯以後に保持していた第二のデータの受信とともに行なうこと、
を特徴とする無線端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−71799(P2011−71799A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221907(P2009−221907)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】